1:04
ただいまから、議運営委員会を開会いたします。まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。日本銀行副総裁の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として、日本銀行副総裁候補者、日本銀行理事内田信一君及び株式会社日清基礎研究所総合政策研究部エグゼクティブフェロー秘美野良造君の出席を求め、所信を徴収することにご異議ないと認め、作用決定いたします。次に、日本銀行副総裁の任命同意に関する件を議題といたします。候補者から所信を徴収いたします。まず、内田信一君にお願いをいたします。
2:08
内田でございます。本日は、所信を述べる機会を賜りまして、講演に存じます。私は、昭和61年に日本銀行に入行し、それ以来、主として金融政策の分野で働いてまいりました。最近では、企画局長あるいは金融政策担当の理事として、2%の物価安定の目標、量的資鉄金運緩和、リードカーブコントロールなど、現在の緩和組の作成に実面から携わりました。また、新潟、名古屋の支店長として、地域経済に貢献すべく支店の運営を行ったほか、国際担当の理事としてG20日本開催などに取り組んでまいりました。今般、副総裁としてお認めいただくことができましたならば、これまでの経験を生かして、もう一方の副総裁とともに、全力で総裁を支えるとともに、政策委員会の一員として議論に貢献してまいりたいと思います。現在は、ウクライナ情勢、新型コロナ感染症の動向、世界的なインフレと金融引き締めの影響など、内外経済をめぐる不確実性は、極めて高い状況になります。国内物価の面では、消費者物価は、除く性染色品ベースで4.2%と、2%の目標を大きく余っております。もっとも、その主因は、輸入物価上昇に伴う価格転嫁であり、来年度半ばにかけて、2%を下回る水準に向けて低下していくと予想しております。こうした状況に対しては、金融緩和を継続し、我が国経済をしっかりと支えていく必要があると考えております。この10年間実施してまいりました大規模な金融緩和は、大きな効果があったと考えております。政府の様々な施策と相まって、企業収益の好転や雇用の増加をもたらし、デフレではない状況を実現しました。一方で、どのような政策にも効果とコストがあり、フリーランチはありません。また、金融機関収益や市場機能などの面で悪影響が生じていることも事実です。日本銀行は、こうした効果と副作用を比較考慮した上で、効果の方が上回っていると判断し、また、その中でもできる限り副作用を小さくする工夫を行いながら、緩和を行ってまいりました。この先も金融緩和は必要です。日本銀行が直面している課題は、副作用があるから緩和を見直すということではなく、いかに工夫を凝らして、効果的に金融緩和を継続していくか、ということだと考えております。これまで様々な政策手法の設計に携わってきた経験から、これからも経済物価や市場の状況変化に適応しながら、しっかりと金融緩和を続けていけるよう、アイデアを出していきたいと思っております。金融緩和を効果的に継続していくためには、金融市場の安定が極めて重要であり、政策運営において十分考慮してまいります。また、市場との最前線に立つ金融市場局を担当してきた者として、実務面からも市場の安定を維持すべく、引き続き責任を持って取り組んでまいります。日本銀行は金融政策以外にも金融システムの安定維持、銀行権の発行や各種業務など、多くの大切な任務を負っています。国内外の本支店事務所に約5,000人の職員が働く組織として、災害時を含めて1日も欠かすことなく役割を全うできるよう、運営していく責任がございます。また、デジタル化など経済社会の変化に柔軟に対応し、国民の皆さまにとって利便性の高い中央銀行サービスを提供していくことも重要です。例えば、各国で検討が進んでいるCBDC、中央銀行デジタル通貨につきましては、もちろん導入するかどうかは国民的な議論の上で決定されるべきものでございますが、その前提となる実証実験や関係者との議論をしっかりと進めてまいります。こうした業務組織運営面で総裁を補佐して、より良い職場をつくり、職員の力を結集していくことは、日本銀行に長く勤めてきた私の重要な任務であると考えております。最後になりますが、日本銀行法の規定にのっとり、政府と密接に連携しながら、経済物価情勢に応じて機動的な政策運営を行い、構造的な賃上げを伴う形で、2%の目標を持続的・安定的に実現すべく、全力を尽くしてまいります。ありがとうございました。
6:55
【質問者】次に、氷野良造君にお願いいたします。
7:03
氷野でございます。本日は、初心を述べる機会をいただきありがとうございます。私は、一昨年の夏までの38年間、経済政策・金融行政に携わってまいりました。そのうち半分ぐらいの期間は国際関係の仕事で、主要国の金融機関関係当局の集まりで、議長や事務局長を務めたこともあります。また、金融庁では、銀行、証券、保険、資本市場など、金融行政の様々な分野を経験してまいりました。この間、日本銀行、特に金融機構局 の皆さんとは密接に連携しながら、仕事を進めてまいりました。今般、副総裁としてお認めいただきました場合には、国際的な仕事や金融行政の経験を生かし、もう一方の副総裁とともに全力で総裁を支え、また、政策委員会の議論に貢献してまいりたいと思います。私は、経済政策の運営にあたっては、幅広く対話を行い、深く分析して、機動的に対応することが大切だと考えてまいりました。余談なくファクトを抑え、受け止めていくことが、あらゆる政策判断の出発点だと考えております。また、足元の状況の分析とともに、大きな変化にも目を配っていかなければなりません。この数年間を見ても、コロナやロシアによるウクライナ侵略など、想定外の事態が続きました。こうした中、経済のグローバル化が巻き戻しに転じたのではないか、とすら論じられております。金融技術革新を通じ、マネーというものの形態や働き方も変化しつつあります。また、データの収集と活用をめぐるイノベーションは、経済活動の根本までを変えていくかもしれません。こうした変化は、日銀の仕事にもあらゆる面で影響を与えていくと思います。日本銀行の仕事については、これまでも関心を持ってまいりましたが、大変深く幅広い仕事であり、挙進単開に学んでいきたいと思っております。ただ、せっかく機会をいただきましたので、現時点の私の考えをいくつか述べさせていただければと存じます。まず、金融政策についてです。日銀法第二条には、日本銀行は通貨及び金融の調節を行うにあたっては、物価の安定を図ることを通じて、国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とするとあります。私は、国民が期待しているのは、毎年少しずつでも生活が良くなっていくという展望と実感が得られる経済の実現だと思います。そのためには、賃上げを伴う形で、物価安定の目標を持続的安定的に実現していかなければなりません。経済物価の状況に加え、金融仲介機能の状況、緩和の副作用などについても注意深く見ていく必要がありますが、現在の状況と見通しからすれば、現在の日本銀行の政策は適切であり、金融緩和により経済を支え続ける必要があると考えております。それが政府の施策や経済界の取り組みと相まって、構造的に賃金が上がる状況を生んでいく、そうした姿を目指すべきと考えます。物価の安定と並ぶ日本銀行の使命である金融システムの安定につきましては、現在具体的に懸念のある状況とは受け止めておりませんが、海外では隠れていた脆弱性が表に出る事例もいくつか出ております。不均衡や脆弱性がどこかに潜んでいないか、注意深くモニタリングしていく必要があると思います。また、金融システムの安定をめぐる国際ルールの交渉の在り方は、リーマンショック以降、全く局面が変わっております。アジェンダの設定に貢献する、積極的に提案を行う、そして場合によっては広く国際世論にも訴えかけていくといったことにも取り組んでいければと思っております。私が勤めておりました金融庁は、日銀と異なり歴史の浅い組織ですが、それだけに早々期のベンチャー企業的な雰囲気をどう守り発展させていくか、工夫を重ねてきた組織でもあります。私も長官時代、マネジメント改革、働き方改革、職員が自発性を発揮しやすい環境づくりに勤めてまいりました。そのまま日銀に当てはまるわけではないと思いますが、参考になる点があれば、そうした面でも貢献できないだろうかと考えております。大変重い仕事ですが、取り組む機会をいただければ全力を尽くす考えであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。以上で、後者からの所信の聴取は終了いたしました。日身の参考人は一旦ご退席いただいて結構です。まず、内田参考人に対する質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言をお願いいたします。
12:56
おはようございます。立憲民主社民の横沢貴則でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。早速質問に入ります。まずは人選に関わる考え方について伺います。日本金庫副総裁については、経済金融政策についての試験、経験を有していることに加え、総裁を補佐することにより、執行部を一体として高い総合力を発揮できる体制とし得るものを専任とするとあります。内田副総裁候補、上田総裁候補、そして本日いらっしゃっている日身の副総裁候補がご就任されますと、共にチーム力を発揮し、我が国の金融政策をリードしていく重要なお立場につかれます。内田参考人は、このチームの中で、どのようにご自身の役割を発揮し、得意分野をどのように生かしていくお考えかお伺いをしたいと思います。
14:03
ありがとうございます。先ほどの所信で申し上げましたけれども、日本銀行は金融政策も重要なもちろん仕事ですが、それ以外にも金融システムの維持ですとか、銀行権の発行、あるいは国庫業務等ですね、いろんな業務を行っております。そのためには多くの職員が働いているということでございます。私は3人の中では唯一、日本銀行職員理事からのご指名ということでございますので、業務組織運営面のまとめていくというところは、私に生かせられた重 要な任務であるというふうに考えております。また、これまで私の経験の中では金融政策分野が比較的長かったということ、それから現在の枠組みの設計段階から立ち回ってきたということもございますので、こういう面では、この後緩和を続けていく上で、あるいは5年間という任期をいただきますればということでございますけれども、考えますと、その中では2%の目標をぜひ達成したいと思いますので、その結果として少し先ですけれども出口ということになってくれば、その辺りの設計に携わった経験というのも生きていくのではないかと、そういう面で貢献してまいりたいと思います。
15:24
ありがとうございます。それでは次の質問に移ります。異次元の金融緩和と言われ、約10年が続き、物価上昇2%目標はまだ達成されてはおりません。我が国は今現在賃金が上がらない中、円安の影響もあり、本 日も136円というところでございます。コストプッシュ型の物価上昇で、生活の現場はまさに待ったなしの状況だというふうに考えております。アスリート出身の私からしてみれば、異次元の金融緩和はまさにドーピングのような状況ではないかと思います。これが約10年も続くとなかなか抜け出せなくなり、先ほど出口という話もありましたが、やみたいけどやめれない状況になってしまっているのではないかとも考えます。多額の国債借入れのほか、諸外国に例を見ないETFの買入れなど、現在の日銀のバランスシートとしては、一般論として望ましいと言えるのか、内田参考人の御認識をお伺いしたいと思います。
16:37
お答え申し上げます。日本銀行のバランスシートはもちろん重要な交流要素ということではございますが、あくまで経済物価のために、我が国の経済と物価のために存在するものでございます。この間の大規模緩和、日 本経済にとって必要であり、かつ経済物価を改善させ、デフレではない状況を作り上げたという面で、必要な政策を適切に行ってきたというふうに考えております。
17:11
それでは、一般論としてお伺いしたいんですが、量的絶営金融緩和の目的としたマイナス金利政策立案の経緯と、一般論として導入によって生じる副作用の認識をお伺いしたいと思います。
17:35
お答え申し上げます。マイナス金利政策2016年の1月に導入したわけでございますけれども、狙いとしましては、リードカーブの起点を引き下げることで、リードカーブ全体に金利低下圧力を加える、その結果として、金融から見た調達コストを低い水準で維持することに伴って、金融緩和効果を持ち経済を支えていくという観点から行ったものです。一方で副作用としましては、当然のことでございますが、金融機関収益への影響ということがあるというふうに思います。この点につきましては、まず工夫として、適用される残高は、日銀、東西預金残高のうちのごく一部にとどまるように、3層構造というのを作って運営するということで、1つは対応いたしました。それから、その後リードカーブコントロールがその9月に導入されるわけですが、そこでの考え方は、経済物価のためには金利が低ければ低いほど、信用効果は大きいんですが、同時に、今申し上げた金融機関収益、あるいはそのことを通じた金融中回帰のへの影響ということも配慮して、バランスの良いところにリードカーブを持っていくという考え方で運営しておりますので、その副作用効果を含めて判断した上で、政策を運営してまいったということでございます。
19:12
ありがとうございます。それでは次に、これまでの金融政策についての検証についてお伺いをいたします。日銀は消費者物価の前年比、超商率約2%を物価安定の目標として、10年間にわたり実施してこられましたが、これまで目標の達成にはいたっておりません。これから新しい人事の下で金融政策を進めるにあたりまして、まずはこの10年間の検証が重要ではないかと考えます。昨日も上田総裁候補からも、時間をかけて点検というような発言もありましたが、内田参考人のこの点に関しての御見解をお伺いします。
20:04
この点、私どもも、まず毎回の決定会合で、経済、物価、金融情勢はきちんと点検しているということをまず申し上げたいと思います。その上で、2016年の9月に総括 的な検証、それから、21年の3月に、いわゆる点検という、特別な形での点検を実施いたしました。毎回の点検とは別にした、そういう特別な形での点検を改めて実施するのかどうか、あるいはやる場合のタイミング、内容を含めて、これは政策委員会の他のメンバーの皆様とも議論していかなければならないというふうに思っております。なお、私どもは、2回の点検とも、1カ月半ほどの期間でやったんですけれども、FRBとかECBは1年から1年半かけてレビューを実施しております。こういうことも仮に点検を行う場合には、使用せてというか、1つの参考にはなるかなというふうに思っております。
21:19
次に日銀の独立性についてお伺いをいたします。昨日の上田総裁候補者の質疑の中でも、日銀の独立性についてのお話がありました。日銀法第3条では日銀の実製が尊重されなければならないとあり、第4条では政府の経済政策の基本方針と整合的なものとあります。この点、日銀の独立性について内田参考人の御見解をお伺いいたします。
21:54
お答え申し上げます。日銀法の3条と5条で、自主性という言葉で独立性が、いわゆる独立性が尊重されるべきだということが書かれております。同時に4条で、民説なり一訴通が必要であるということも書かれているわけです。金融政策における独立性というのは、これまでの歴史的な経緯、各国における歴史的な経緯の中で固まってきた概念ですので、大切なものであるというふうに思っておりますし、その中で責任をもって政策を行っていきたいというふうに思います。同時にマクロ政策でございますので、政府との連携、マクロ政策としての整合性、これは重要でございますので、しっかりと連携を図っていくことも同時に重要でありまして、この2つは両立させていくことに意味があるというふうに思っております。
22:56
それでは次は構造的な賃上げ、そして安定的な物価上昇についてお伺いをいたします。昨日の上田総裁候補の質疑でも構造的な賃上げの必要と安定的2%の物価上昇の必要性の取組の話がありました。内田参考人はこれまで我が国において構造的安定的2%物価上昇、賃上げも伴う安定的2%の取組は進んできたと思われるのか否かですね、あと御認識を伺いたいのと、またこれから構造的物価上昇を進める上で具体的に何をしていかなければいけないとお考えかお伺いいたします。
23:51
お答え申し上げます。賃金あるいは雇用の状況というのはこの10年間でそれ以前に比べて改善してきたことは事実だと思います。実際ですね、大規模緩和の下で雇用者数が増え賃金も上昇、まあベアが復活したことに象徴されるように賃金の上昇というのも見られたわけです。ただ、思ったほど賃金が上がらなかったという御指摘があることは全くその通りだと思います。この点はもちろん今まで長引くデフレの下でですね、物価それから賃金どちらも上がらないことを前提とする慣行が根付いていた。それがなかなか変わらなかったということが基本でございますし、またこれ自体はとてもいいことなのですが、この間、高齢者、女性の方々の労働参加が進みました。そのことによって雇用が回復したわけですから、これは良いことなのですが、労働市場という観点から見ますと供給が増えたわけですので、賃金が思ったほど上がらないようにはなったというふうに思います。そういう意味ではですね、私自身は雇用者数が増えたこととも合わせて、この点は評価すべきではないかというふうに思っております。コロナ後の最近の動きを申し上げますと、この部分はですね、女性の就業率というのがもう欧米に引けを取らないところまで上がってきておりますし、高齢者の皆様からの追加的な労働供給もだんだん難しくなってきておりますので、賃金には上昇率、圧力がかかりやすい状況がマクロ的には生じております。その上に、今回物価高ということもあるわけでございますので、今回の春冬も含めて、労使双方にはですね、ぜひとも積極的な賃上げをお願いしたいというふうに思いますし、日本銀行としては金融関をしっかりと維持することで、そういうことができる環境、金融に収益があり、十分賃金を払える環境をつくってまいりたいというふうに思っております。
26:08
それでは、内田参考人はこれまで日本銀行で長い間働いてこられたので、次は災害時や有事の日本銀行の業務継続に向けた取組についてお伺いをしたいと思います。来月3月11日で東日本大震災から12年が経ちます。近年、我が国では台風豪雨災害など、自然災害による大規模な被害がしばし発生しており、今後は南海トラフ地震や首都直下型地震などの発生が予想されております。日銀もこれまでは平時だけではなく、災害時や有事、例えば東京の本店が被災した際には大阪支店で業務継続を図るなどの体制整備に注力してきたと承知をしておりますが、今後、金融機関、金融市場や日銀自身の業務の継続体制の強化、我が国の経済を守るために今後必要とされる対策についてお考えをお伺いしたいと思います。
27:11
大変重要な御質問ありがとうございます。私ども中央銀行の重要な役割の一つは、銀行権あるいは他の決済インフラをどのようなときにもきちんと提供する、そのことを通じて安心して経済活動ができるようにする。これは有事の際もそうであるというふうに思っております。東日本大震災のとき、私は新潟支店長でおりました。新潟自体は、よく噂の別な形の地震で被害を受けました。こうした業務継続の取組というのは、必ずしも何かが起きてからやるのではやっぱりだめで、日頃からどう備えていくかということでございます。御指摘いただいたバックアップの問題、それから現在有事の際には常に一定数の役職員が駆けつけられるように体制を整えている。それから様々なリスクシナリオを基づいて訓練を行っております。これも御指摘のとおり、ストリートワイドといいまして、金融機関の皆様も含めた形でそういったことも行わせていただいております。日々の備えということですので、何か一つ重要だというよりも、そういったことを常日頃から考えていきたいというふうに思っております。横沢貴則君。 (横沢) はい、ありがとうございます。時間ですので終わります。清水貴之君。 (清水) 日本 維新の会の清水と申します。よろしくお願いいたします。まずはじめに、我々日本維新の会なんですが、今年の2月2日、今月の2日に衆議院に日本銀庫法の一部を改正する法律案を提出いたしました。特徴としましては、第1条の日銀の目的のところに、物価の安定だけではなくて、雇用の最大化ですとか、名目経済成長率の持続的な上昇というものを追加いたしました。また、その目的達成のため、日本銀行の果たすべき機能及び責務等を定める協定を政府との間で締結することで、政府と日銀の連携をさらに強化すべきではないかと、そうした方がいいんじゃないかというような法案になっておりますが、まずこういった内容についての見解をお聞かせいただけますでしょうか。
29:58
お答え申し上げます。法案については言うまでもありませんが、国会で御議論いただくべきものでございますので、私が意見を申し上げた立場にはないと思いますので、コメントを差し控えさせていただければと存じます。
30:16
その中身についてはいかがですか。法案そのものじゃなくて、日銀の目的として、雇用の最大化、名目経済成長率の持続的な上昇、こういったものを日銀として考えていくということに関してはいかがでしょうか。
30:33
その点に関しましては、現行の日銀法第2条におきまして、金融政策運営の理念として読み上げますが、物価の安定を図ることを通じて、国民経済の健全な発展に資することというふうに規定されておりまして、この国民経済の健全な発展の中には、おっしゃいました雇用、それから成長ということが含んでいるというふうに思っております。日本銀行は、金融緩和によりまして、金融収益あるいは雇用者所得、つまりは成長ということになりますが、これが実現し、賃金の上昇を伴う形で2%の目標を達成していきたいというふうに考えておりますので、その意味では、現行法におきましても、物価安定の目下なくても目指す中でおっしゃったようなことは、実現していく姿を想定しているのではないかというふうに思っております。
31:28
続いてなんですが、これ通告ちょっとしていないので、お答えできる範囲というかお答えいただけたらという話なんですが、先ほど初心を聞いておりまして、デジタル通貨のお話をされていたので、ちょっと教えていただければなというところもありまして、お聞かせいただけたらと思うんですけれども、デジタル通貨、今例えば中国で人民元をデジタルでということを捉えをしていたりとか、ビットコインというものが何年かで一気に広がって、私からしてはとてもついていけないような実態があるのかないのかよく分からないようなものが、世界中で広がっているような現状の中で、中央銀行が貨幣とか紙幣を発行して、今その目的にもありました物価の安定とか経済成長とかを図るというその仕組み自体が、これからの時代の中で変わっていく可能性も十分あるんじゃないかなというふうに思います。そんな中で、日銀がどういう役割を果たしていくのか、日本としてどう対応していくのか、これ非常にワールドワイドな話なので難しい課題なのかなとも思うんですけれども、今までこういった日銀の中でずっと仕事をされてきておられまして、もしどのような見解、見識、お考えをお持ちでしたら教えていただけたらというふうに思います。内田参考人 ありがとうございます。CBDCは私自身も立ち上げに関わった仕事ですので、大変思い出のあるプロジェクトです。CBDCに関する、私ども今実証実験というのを進めておりまして、この4月からパイロット実験に入ります。その結果として、その中で民間の事業者の皆様にも参加していただきまして、その知見をいただきながら議論を進めていきたいというふうに思っています。ご指摘ありましたとおり、これはグローバルな動きになっておりまして、よく中国が話題になりますけれども、先進国の間ではECB、ヨーロッパ地方銀行が比較的順調に進めておりまして、この秋という言い方をしていますが、開発フェーズ、実現フェーズというふうに彼らは呼んでいますが、実質的には開発フェーズなんですが、これに入るかどうか判断するというふうに言っていると認識しております。そういう意味で、以前の講演で私は、CBDCを1つの要素とする決済システムが世界の標準になる、世界のスタンダードになる可能性は相応にあるのではないかと、2年ほど前の講演だったんですが、言ったことがあります。だんだんとそういう方向になってきているように思っておりまして、デジタル社会の中、あるいはデジタル社会を前提とする中央銀行業務が世界の標準となってくる中で、日本銀行としての立ち位置を考えなければならない。重ねて申しますが、所信で申しました、これを最終的に御決定いただくのは、あくまで国民的な議論、国会でということでございますが、その大前提となるものとしまして、実験、それから関係者との議論、こういったものを進めてまいりたいと思っております。
34:35
ありがとうございます。すみません、通告していなかったんですが、ありがとうございました。続いて2番でお聞きしようと思っておりました、効果検証、先ほど横沢委員の方からありましたように、逃亡させていただきまして、3番の金融緩和策の修正、これは昨日の上田総裁候補に対する質疑でも話題になっておりました。日本商工会議所の小林会長のコメントなんですけれども、金融緩和は永遠に続くものではない、どこかで見直さなくてはいけない、こういった話、出口がどうだとこういった話って必ず出てくると思いますけれども、これについての今の考えをお聞かせいただけますでしょうか。
35:18
出口の話をするときには常に現状を踏まえると時期省層であるというのを付け加えさせていただいた上でお答えしたいと思います。こう付け加えましても、内田は出口を話したというふうに書く新聞はありますので、付け加えさせていただきたいと思います。その上で申し上げますが、出口において考えるべきことは基本的には2つでございまして、1つは金利を調整する、もう1つはバランスシートを拡大しておりますのでこれを調整する、この2つです。この2つをどういう順番であるいはどういうタイミングでやるのかというのは、そのときの金融経済の状況に依存します。現状まだ先ですので、そのときの状況がわからない状況で何かをしゃべるということは、私はむしろ無責任ならないかとずっと思っております。世の中で何か出口戦略のような紙があって、それを日銀の金庫にしまっているみたいなイメージで語られることが多いのですが、そんなことではありません。あくまでこれまで緩和を続けてきた経験 、あるいはその中で市場と対峙してきた知見、そういったものを踏まえて、今後どういう状況になってもきちんと出口をできないといけない。少し先の話ではございますが、そういう趣旨でこれまで申し上げてきているということでございます。
36:56
確かに急激に何か変えるというのもあれですけれども、現状では続けていくというのは現実的に対応かなと思うんですが、先ほどこれも横沢委員の方から、ただ金融緩和、一元の金融緩和というのは同ピンクだという話がありましたが、確かに景気悪化時の缶振る際で、これに対してはもう10年前のずっとデフレが続いている状態から先ほども御説明があったとおり、デフレ脱却するようなメリット、プラスの面もあったと。その一方でマイナスの面も金融機関の収支の悪化とか市場機能の低下とか悪影響もあったというお話がありましたが、ただこれも10年やってみて見えてきたのが、なかなかやっぱり金融政策だけで物価目標を達成する、景気を回復していく、一定のプラス面はあったと思います。これだけでやるというのも非常に難しいのかなと、限界があるのかなと。これも上田総裁後半も以前、これも新聞の取材に対して景気回復には金融政 策以外の理由が必要だということもコメントされております。先ほどもあったとおり、やはり一つじゃないとも全複合的な要素がいろいろ絡まっているとは思うんですが、じゃあどうしたらいいのかという話になるんですけれども、どのようにお考えでしょう。
38:10
お答え申し上げます。金融政策以外ということなんですけれども、経済政策はどのようなものであれ中長期的な課題とも向き合う必要があるというふうに思っております。日本経済にとって最も根底といいますか、そこにある課題は少子高齢化でありまして、その中でいかに成長を確保するかということであろうと思います。2010年代は働き方改革などの諸施策もありまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、女性高齢者の労働参加率が高まり、雇用を大幅に増加させることができたということでございます。ただ、これも先ほど申し上げましたように、追加的な労働供給はだんだん難しくなってきておりますので、ここからはあるいは今はこれまで以上に1人当たりの生産性を上げていく。ここにこれが大事になってきている と思います。政府も取り組んでおられるところですが、人への投資、あるいはDX、GX、これは喫緊の課題であると同時に中長期的な課題に対する対応ということでもあります。どうせやらないといけないことですので、こういったものを促進していこう。個性が大事だと思います。日本銀行の金融課も、金融の皆様がこういう投資を行う際に良好な金融環境を提供するということで、ぜひサポートしていきたいと思いますし、最後に数字だけ申し上げますが、実際今年度の設備投資計画は、単管のベースで今15%ぐらいでございまして、金融の皆さん、今申し上げたDX、GX等々の投資に積極化しつつあるというふうに思っております。
39:49
続いて、物価目標2%の位置づけです。これも昨日のこの委員会で、上田総裁候補とも議論になっていたところではあるんですけれども、政府と日銀が2013年にまとめた共同声明のこの見直しの是非ですね、2%の物価目標をできるだけ早期に達成するよう求めて いるものを、これ中長期の目標としたらどうかと。これは有識者らで構成する、令和国民会議などがこれ述べているものですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
40:20
2%の目標自体を見直すということは、私は考えられないと思っておりますし、共同声明の下で政府及び日本銀行が行ってきた施策によって、日本の経済物価は改善をし、その中でデフレではない状況を作り上げることができたというふうに考えております。そういう意味で、日本銀行としてはこれを、共同声明をただちに見直す必要があるとは考えていないと、これまでも黒田総裁その他から申し上げてきたところです。私自身も個人として同じ考えにございます。
41:02
ちょっと1問飛ばさせていただいた、最後の7で通告していたものなんですが、岸田総理が今月の衆議院の予算委員会で日銀の征服総裁人事についてどういった基準で選んで、どういった基準で任命していくのかという中で、こういったことを述べております。リーマンショック後の様々な金融をめぐる動きを考えますときに、やはり国際社会との対話力、これが求められるということ、それから内外の市場に対して適切な説明能力を持つということ、こういった点は日銀の幹部に求められるということは従来から申し上げてきましたと、こういったコメントをされています。この中で国際社会との対話力と、それから内外の市場に対して適切な説明能力と、こういったポイントが挙げられております。今日は日美の候補もいらっしゃいますので、どちらがどちら、2人とももちろんトータルでやられるんだと思うんですけれども、なんとなくイメージとして、国際社会で長いこと活動してこられました日美の候補に国際社会との対話力と。内田候補には、これまで日銀のプロパーでずっと仕事をされてきておりますので、内外の市場に対しての適切な説明能力、やはり市場とのコミュニケーションといいますか、対話といいますか、