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参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会

2024年02月21日(水)

2h57m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7761

【発言者】

福山哲郎(国民生活・経済及び地方に関する調査会長)

竹信三恵子(参考人 和光大学名誉教授 ジャーナリスト)

山口慎太郎(参考人 東京大学大学院経済学研究科教授)

筒井淳也(参考人 立命館大学教授)

1:09

今から、国民生活経済及び地方に関する調査会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに木村英子君が委員を辞任され、その補欠として船子靖彦君が占任されました。国民生活経済及び地方に関する調査を議題といたします。本日は、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築のうち、社会経済、地方及び国民生活に必要な施策に関し、ジェンダー平等と働き方について、3名の参考人からご意見をお伺いしたのち、質疑を行います。ご出席いただいております参考人は、和光大学名誉教授、ジャーナリスト竹信美恵子君、東京大学大学院経済学研究科教授山口信太郎君、および立命館大学教授筒井淳也君でございます。この際参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

2:22

次に議事の進め方について申し上げます。まず、竹信参考人、山口参考人、筒井参考人の順にお一人20分程度でご意見をお伺いいただき、その後、午後4時頃までを目途に質疑を行いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。また、ご発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知をお聞きください。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、まず竹信参考人からお願いいたします。それでは、簡単に始めていきたいと思います。今日たったの20分なので、詳しいことはなかなか話さないと思いますけど、図表をお手元にお配りしているので、これが早くできるかなと思います。レジュメは少し詳細になっているので、図表の方が分かりやすいかな。ということで、今日お話ししたいことは、基本的には2点だけです。賃上げと言っていますが、女性の賃金が上がらないと賃金が上がりません。そこが割と忘れられている。そのことがまず1つ大きな問題で、どうするのかという問題になってきます。2つ目が、いろんな手立ても捉えてはいるんですけれども、説明のつかない賃金格差が結構たくさんあって、ひょっとしたらこれは性差別とか、そういったものをきちんと立て直さないと解決できないかもしれない。それをあまり逃げないで直視した方がいいかもしれないということですね。この2点を主な論点で簡単にご説明したいと思います。まず、日本の賃金の状況というのは、お分かりの話かと思いますが、図表で言いますと図表1のように、先進国は右肩上がりに大体いろいろあっても上がっていますが、日本は調査によっては低迷、下がっているというケースもありますが、そういう状況にあるというのが図表1です。25年くらい前ですかね、その時には20年ですかね、グローバル化があって、国際競争が激しくなって、人件費の競争が厳しくなっているから下がっているんだという、結構そう言われ方もしていたんですね。しかし、これを見る限り、他の国々はそうはなっていないので、もっと別の要因もあるんじゃないですか、そういうことを一応申し上げたかったためにこれをつけました。次に図表2なんですけれども、そこに出てくるのが、やはりパートとか非正規の賃金の低さなんですよね。これいろいろ書いてありますので、簡単に言いますと、正社員とかフルタイムも下がっているんですね、全般に。男性も実は低下傾向になります。これはやはり産業構造が変わっていたりとか、少子高齢化で働き盛りが減っているとか、影響はあると思います。ただ、同時に、このグラフ、図表2で分かりますように、パートの数が急速に増えているということですね。93年24.4%だったものが、22年に今も3割超えています。そういうところから見て、これはパート労働者の割合なんですけど、それで見ていくと、その影響が非常に大きいということですね。パートの給与総額は数が増えているから増える。あと最低賃金の増えている影響もプラスの効果もあるとは思いますけれども、というようなことが言えるわけなんですけど、とにかくパートとか非正規の賃金の水準が男性のフルタイムに比べて低すぎるので、そこが増えていくとその分下がっちゃうということになるわけですよね。これ分かりでしょうか。ですから女性が活躍すると言うんだけど、その女性の賃金が仕事に見合ってちゃんと増えていないと、むしろ活躍すればするほど平均が下がる可能性があるということですね。そういうふうに言うと、じゃあ女性のスキルを上げればいいじゃないかとよく言われるんですけど、スキルが問題になっているケースもありますけど、スキルがあっても全然上がっていないというケースもたくさんあるんですね。典型的なのは介護とか保育とか、そういう高低価格で押し下げられているような福祉医療関係はスキルもかなりある人たちがそうやってますし、それからこれもちょっと特殊かと思われるかもしれませんけど、必死的公務員の、これ4分の3女性なんです。8割近く女性なんです、必死的公務員って。ご存知だったでしょうか。それでその必死的公務員は実は相談支援業務といって、DV相談とかものすごくレベルの高い相談をしていますが、賃金が安いという、そういう状況にあるわけですね。これは総合的にいろんな要件がもちろんあるんですけど、基本的には女性の賃金は安くても大丈夫なんだという根強い思い込みというのが社会に蔓延していてですね。私が多分こう言っても、いやーそんなことない、そんな人は大丈夫ですよっておっしゃる方がいらっしゃると思われるぐらいあちこちで聞きます。私ジャーナリストなもんですから、単に数量的な調査だけだと人々が何を陰で言っているかって見えてこないんですよね。陰口は調査ではわからないです。それで陰口ベースで見ると本当にそういうことがすぐに聞こえてきて、上司にファートの人とかにしても必死的公務員にしても、来年度の契約更新どうですかねお願いしますよっていうふうに言うと、なんて言われていることが多いかというと、あんまりあからさまには最近言われなくなってますけど、あなたまあいろいろあっても世帯主じゃないから大丈夫だよねって本当に言われてるんですね。世帯主じゃないっていうのは夫がいて、クビになってもあなたは困らないからまあ契約更新なくても大丈夫でしょうと言われていたり、それから最近では人手不足なんであんまり言われなくなりましたけど、数年前までは実際女子学生なんかに仕事がなくて困っているって言うと、結婚すればいいから女は楽だよねって本当に言われていた時期っていうのがそんなに大昔じゃなくてあります。それ建前で言ったら絶対言いません。チラッチラッと出てくるっていうそういうことなんですね。もう一つは家計補助っていう考え方があって、女性の賃金は所詮家計補助なのでなくても誰も困らない。夫の賃金があるからってこれも言われてます。これ実際ある大手の外食産業のチェーンで裁判が起きていて、コロナの時に休業手当を支給してくれなかったっていう裁判なんですね。その方は週5時間働いて、だいたい月10万円ぐらいの収入があった方がゼロになってしまったっていうそういう人で、支給料ってやって出なくて非常に困ったと。その10万円何に使ってたかっていうと、保育園の保育料、旦那さんがその方は転勤していて、転勤のためのいろんな住宅費とか最近会社が出してくれないらしくて、自分でやってたんですね。だからそういうものに夫の賃金は消えてしまうんですね。夫の生活費、住宅費、住宅ローン、彼女の10万円が保育料とか子ども2人と自分との食費とか、そういったものに消えていく。だからこれがなくなるっていうのはものすごい重要なことなんですよ。大変なことなんです。でも裁判の中で会社が出した準備書面は、原告のような仕事というのは家計補助であると。夫もいる家計補助なのだから、そんなに深刻な問題ではなくて、会社がそれに対してちゃんとした都市を取らなかったのは仕方がないというか、あんまり問題ないのだという趣旨の準備書面が出てます。今ですよ、今、この時代に。そういうことが実際に平気で横行していて、そうなってくると図表さんのように、これは女性が、ちょっと細かいんです。女性は上がっていってるけど男性は全般に下がり気味というのは何かというと、男性のようなフルタイム系のお仕事は賃金がやっぱり下がっていってるんですね。さっき言った産業構造とかいろんな問題があります。労働組合の支出が下がっていて、税上げの力も下がってます。女性が上がっているというのは、最低賃金、素手線とかで張り付いている人が多いので、最低上がるとなんとなく上がっていくというのもありますし、もちろん女性活躍の中でそれなりのお仕事につけるようになった人が増えていっているということも全くマイナスではなくてあると思います。でもね、ベースが低すぎるんです。だからそこがちょこっと上がっても、男性の下がっていった部分をカバーして、日本全体の賃金を上げるという方向までいかないぐらいのレベルなんです。だからここをなんとか引き上げなきゃいけない。例えばこの右側に棒グラフがありますけど、これ2003年から2013年までのグラフなんですね。男女共同参画各種のグラフをとったんですけど、これを全産業で見ると、この10年間で女性は104万人就業者が増えています。男性は109万人減っています。ということはこの期間、男性の少子高齢化、働き盛りの減少なんかで減った分を、女性が進出して補っていたんだということが見えてくるグラフだと思うんですね。産業別に見ると、どこが増えているのかというと、この医療福祉ですよね。ニーズがありますから、実際には。この賃金がすごく安いというのを皆さんご存知だと思います。例えば女性の平均賃金を見て、5、6割ぐらいと考えた場合、この104万人の人が増えた分が、109万人減った人の6割分ぐらいしかもらっていないという、雑白な計算で申し訳ないんですが、イメージとしてはそういうことですよね。ということは、そこをちゃんとしない限り、しかもそこは今申し上げたように、スキルが低いからだけじゃない要因で高くないんですよ。そうすると、これを何とかしないと日本の賃金は上がらない。女性活躍すればするほど下手をすればですけど、下がってくる可能性があります。これは私、かなり重要なこの社会の問題点、壁だと思っているんですね。それで見ていくと、そうは言っても、じゃあ女性を上げましょうって政府も頑張っているし、いろんな策が出てきていますけれども、例えば何が問題でなかなか賃金が上がらないのかということが、これは厚労省のガイドラインで出ているものを借りてきましたけど、金属年数と職界が大きいというふうになっていて、やっぱり子どもできたりしたり、いろんなことでやめちゃうから、そこで昇進できないとか、金属年数の年齢級が上がらないとかもちろんありますし、職界は昇進できないということなんだと思います。それについて下の図表5で見ると、これはよく言われている金属年数が同じなら昇進できるのとか、額月金はどうだろうかということを見てグラフを作ってくださったものです。これで見ると、大卒男性と高卒男性は年を追っていくにつれて、課長以上割合が増えていっているんですが、大卒女性、高卒女性はちょっと増えているけどあまり上がっていないというのがわかりますよね。これ大学の女子学生に見せるとびっくりして、大学を入れても高卒男性より低いんですね、みたいなそういうような反応になって出てきてしまうので、ちょっとすごいグラフだなと思いますが、つまり額月とか金属年数でも説明できないものがあるわけですよね。次の資料1と書いたものがあるんですけど、4ページ目ですね。じゃあ何なのか、それはということで、例えば1つ、いろんな事例がレジュメの方には書いてあります。1つが、子育てについての懲罰的な措置と言ったらいいんでしょうか。これは2011年、ちょっと古いんですけど、朝日新聞が出した、主婦派遣が流行っていて、これは大変メリットがあるという記事です。肯定的に書かれているんですけど、その中で、なんで主婦派遣がいいかというと、それまでのスキルもあったり、非常に役に立つと、優秀であるということが書いてあって、しかし、この人たちは子育てがあるので、働く時間や場所などの都合を利く分、主婦の自給は割安にできるって書いてあるんです。つまり、その人たちは、働く時間や場所の都合を利いて、わがまま、鍵付きわがままを言っているので、自給は安くしてもしょうがないと働く側も思っているし、会社も思っている。そういうことをアピールして派遣会社が、優秀な人を安く使いますよと言って、主婦派遣を推進しているという記事です。非常に肯定的で、両方のニーズが合っているからいいことなんだというふうに書いてある記事なんですけど、しかし、それで見る限り、スキルとかが高くても、子育てしていると、その都合を聞いてもらえないと、かなり安くなっても構わないというふうになるので、結局、子育てに対する常罰的な自給だというふうに言えることができるぐらいのものなんですね。その結果、性器と非性器の格差は下のグラフにありますように、性器は男性が圧倒的に多くて、非性器は女性が何と7割。非性器問題というと、家族やしない男性の問題だというふうにしばしば捉えられがちですが、非性器は7割近くが女性なのだということを忘れられがちです。その理由としては、子供がいるから長く働けませんとか、安くてもしょうがないのですとか、そういったようないろんなバイアスが入っているということ。それからもう一つ大きいのは、非性器は短期契約なので、組合作って賃を上げてくださいとか、条件を良くしてくださいということが非常に難しく、それを言うと次の契約更新がされなくなるのではないかと非常に怖がっています。これは実際、コロナ禍で個人が請求できる給与手当をできましたよね、皆さんのおかげで。それを使いましょうというふうに言うと、多くのパートの人が使わないんですね。何て言っているかというと、もちろんいろんな理由がたくさんあるんです。その中の一つとして非常に興味深かったのは、女性ユニオンの人が言っていたのですが、割と多いのは、そんなものを請求したりすると、会社にばかり会社が権利意識が強いパートだから、次の契約更新しないと言ったらどうしようと思っている。言うかどうか分かりません。つまり短期契約というのは人をすごく怯えさせるので、要求ができない。上げられないというそういう問題があります。ということで、比率的に安い。正社員男性を100とした場合、56.2%くらいまでという試算が出てきているということになります。さらに働きにくい、金属年数がという話が出ましたけれども、金属を何とかさせるためには、女性の身体、肉体的な条件をやはり大事にしなければいけないというのが当然あると思います。子どもを育てるということについての長抜し的な賃金をやめるということも重要ですし、それから生理休暇等々がもう少し取りやすくなっていてもおかしくないはずなんです。均等法だと女性がどんどん社会に進出したので、そのような女性の肉体に沿った保護が普及したのではないかと一瞬思います。しかしこのグラフを見ますと、このように1985年に9.2%を取得していた、これも低いんですけれども、63人目は26.2%を取得していました。それがなんと2020年には0.9%まで下がってきている。つまり、会社に出ていく女性は男性並みに働くのが当たり前であって、生理休暇等に請求したがるというのは根性がないというかですね、そういうような見方で捉えられがちなので、みんななるべく取らないようにしています。どうしても我慢できない人はやめていきます。実際、こちらは高年期ですけれども、高年期でもコロナ禍で、コールセンターのこれは契約社員の方でしたけれども、高年期でどうしても会社に出てこれないというふうに言ったら、そういう人は次の契約はなしですねと言って、クビになっています。それでユニオンに駆け込んで交渉したけれども、だめでした。ということが普通に起きている。つまり、女性が進出すると言いながら、子育て、高年期障害、生理痛、こういったようなものについてきっちり対応するようなまともな保護がすっかり忘れられた社会になってしまっていて、これは均等保育を活躍するのは男性並みにちゃんと合わせてくださいねというモラルが浸透した結果だと思います。それをきちんと見直しているものはちゃんとつけていかなきゃいけないですが、問題点は、そういうふうに言うとですね、女性は男性と差をつけられるからやっぱり嫌だなって言いたがらないんですよ。女性の方が人気がないというのは結構そういう理由があります。じゃあどうすればいいのか。これは男性の働き方を女性基準にすればいいんです。実際ヨーロッパは、労働時間を育児と介護両方できるように男性共通の労働時間規制をきっちりと敷いたおかげで、男性も家事参加ができ、女性は家事をしながら、家事育児をしながら働きに行けるようになっている。だけど日本の場合は均等法のいいところもあったけど、つけもあって、なぜかというとそれは女性保護を撤廃しちゃいましたよね。そのとき男性は青天井で残業できる仕組みになっていましたよね。今少し良くなっている分もありますけど。なのでそこに合わせない女性は総合職になれないと言われ続けてきたので、結局そこではそのような仕組みができなくて、女性は男性に合わせるか諦めるかだったんですよ。だからそれは共通の男女規制を敷くようにして、女性基準に合わせる、休暇をちゃんと取れるようにすれば生理痛とかの休暇ももう少しマシになるはずです。というような形のやり直しをしなければいけないということがはっきりしています。それから賃金についても、これ資料2というところなんですけど、実際、男性の、これどういう数字かというと、大手の電力会社の賃金差別裁判のときに証拠で出した図表です。これで見ますと、何でかというと、同期同学歴男性との長期収穫差別を訴えた女性が、原告と同期同学歴の事務系職員を賃金の高い順に並べていった。そうすると、このグラフのように青いところは男性が左側にガーッと寄っていて、右側に女性がガーッと寄っているという一目瞭然のグラフが出てきたわけです。これで問題だというふうに主張したんですが、判決では、召角賃金での格差は認定したけれど、格差は人事評価の結果であり、男女が相当して明確には分離していない。つまり、いい女性もいるじゃないかと。一方、この赤い線が入ってますけど。そういうことで、男女差別じゃないとして敗訴です。これはやっぱり、そのような統計的な資料を使って、その格差差別として証明するという何らかの法的な措置が日本でも必要になってきているはずだということを示すものです。ということで、例えばEUの賃金透明性指令というのが去年出されましたけれども、対象企業で男女賃金の格差が5%以上あると、当該企業は賃金格差の是正を求められると同時に罰金の懲罰を課されるということ。これはEUもさすがに賃金格差がなかなか是正されなかったので、これやるっきゃないと言ってやったということだと思いますが、このような会社の判断に任せている限りは、会社の判断で賃金は安くされているので直らないんですよ。その会社がいい会社ならですなんですけど、社長さんが女の賃金安くてもいいですと思っている例の家計補助ですと思っている人だったら上がらないんです。そうするとやっぱり公的な何らかの規制、社会的な規制が必要であるということが私の結論です。なので賃金は女性のそのような底上げなしでは全体は上がらなくて日本は賃産業国家になり続けていくでしょうし、活躍すればするほど。それから社会的な規制をきちんと入れて、例えば賃差別禁止法とか人権監視機関とかいろいろ会員から言われていますけど、そういったものもある程度整備していかないと、この事態は直らない可能性が高いということを申し上げたいと思います。以上です。ありがとうございました。ありがとうございました。次に山口参考人にお願いいたします。

23:15

山口参考人。

23:18

東京大学の山口です。よろしくお願いいたします。私からは男性の育休取得について、主に諸外国の事例についてお話をしていきたいと思います。2ページ目をご覧ください。今日お話しさせていただくポイントとして3つ考えております。1つ目はまず最初に海外と比べた日本の男性育休にまつわる状況というのをご理解いただきたいと思います。その上で男性が育休を取得することによって、家族であるとか本人にとってどういう良い影響があるのか。これまでにヨーロッパなどでは男性の育休取得はすでに進んでいることもありまして、どういった効果があるのかということについて、社会科学分野で実証研究が進んでおりますので、その結果についてご紹介し、おそらく日本でも今後男性育休取得が進めば同様の効果が期待できるのではないかというお話をしていきたいと思います。そして最後に、現在日本の男性の育休取得状況はかなり低いものになっているのですが、こういった状況をどのように変えていくことができるのか。海外も最初から今のように男性の育休取得率が8割9割という世界だったわけではありません。かつてはやはり3%とか5%とか、そういう時期から始まって、現在のような高い男性の育休取得率に至っているわけです。そのプロセスの中に日本にとっても学べる点があるのではないかというふうに考えています。では中身を一つずつ見ていきましょう。3ページをご覧ください。皆様この辺の数字はご存知かもしれませんが、日本の男性育休取得率というのは傾向で見ると、ここ数年急速に右肩上がりになっていて、期待できる部分というのは間違いなくあるのですが、その水準で見ると14%ほどであり、女性と比べるとかなりはっきり少ないわけですし、海外と比べても水準としては少なくなっています。4ページ目をご覧ください。男性の育休の取得率について、先進国について入手可能な国についてお示ししております。全ての国について入手可能ということではないのですが、ご覧いただいているように、多くの大陸ヨーロッパの国々においては、7割から9割程度の育休取得率に男性でもなっているわけです。ここではイタリア、オーストラリアといった国々では、やや低い3割程度の水準になっているのですが、日本はその半分程度の14%ということで、先進国の中では最低水準であるということは否めないわけです。この背景にどういう事情があるのだろうかというふうに考えていくと、多くの方は真っ先に、北欧は福祉国家なので育休制度が充実しているのではないか。日本はそうでないから、制度があまり充実していないのではないかと考えられる方が多いのですが、実際にはその逆のことが起こっているというのを示しているのが、5ページ目のグラフです。育休制度のよしやしを国際的に比較する際には、まずはどれだけ育休期間、育休を取ることができるのかという期間による基準というのが一つあるわけです。その上で期間中にどれぐらい給付金という形でお金をもらえるのかという、この組み合わせで順位をつけていくというのが一般的に行われる国際比較の方法です。男性の育休取得についてここでは考えたいわけですから、男性だけに割り当てられた育休取得期間というのをここのグラフではお示ししています。これで見ていただくと、上の方にあるアメリカはゼロということですし、先ほどの北欧の国々、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった国々でも9から15週、OECD平均で見ても10週程度ということで、それほど長くはないわけです。一方グラフ下の方、赤で示している棒グラフなんですが、日本は丸1年、父親も育休を取得することができて、制度という形で見ると、他のヨーロッパの先進国よりもはるかに優れた制度を私たちは持っているということになります。ちなみに韓国の方が54週で長いんですが、育休期間中にもらえるお金の量で考えると日本の方が手厚いということで、ユニセフは日本の男性向けの育休制度は世界最高である。にもかかわらず取得状況は世界最低水準であるということを指摘しています。後ほど、なんで男性の育休取得が日本で進まないかという点についてはお話したいと思いますが、一旦次の話題で6ページ目から始まるところで、男性育休は本人にも家族にもプラスの影響があるという様々な社会科学の研究結果をご紹介したいと思います。7ページ目には、まずカナダのケベック州で行われた育休改革の事例をご紹介したいと思います。カナダのケベック州では2006年から男性のみが取ることのできる育休の期間を5週間に導入して、同時に利用資格の緩和など様々な形で男も育休を取れるようにという改革が行われました。その結果というのは非常に目覚ましいものがありまして、下半分に示しているように、まず男性の育休取得率が21から75%ということで大幅に上がりました。期間についても2週間が平均だったのが5週間に伸びたわけです。ここまでは予想される改革の成果であったわけです。成功は成功なんだけれど驚きというものはなかったんですね。ところがこの追跡調査の驚くべき結果というのは、育休が取り終わって3年経ってからの男性の子育て時間、家事時間というのが90分から110分、1日あたり70から85分ということで2割程度増えているということがわかったわけです。つまり育休、男性が5週間平均で取るようになる、1ヶ月ちょっとですね。それほど長くないんだけれど、このたった1ヶ月というのが3年後のライフスタイルに大きな影響を与えるということを示しているわけです。ちなみに同様の結果はスペインからも報告されています。したがいまして、男性の育休というのは短いからあんまり意味ないんじゃないかと、育児の真似事なんじゃないかというふうに否定的な見方をされている方もいらっしゃるかもしれないのですが、実はそのたった1ヶ月なんだけど、男の人生変えるぐらいのインパクトがあるものだということはご理解いただきたいと思います。続いて8ページをご覧ください。じゃあなんでたかだか1ヶ月の育休が3年後の育児時間に影響するのか。その背後にあるのは最近の脳科学で解明されてきています。オキシトシンと呼ばれる脳内ホルモンがあります。雑誌、新聞なんかでは愛情ホルモンという名前で紹介されていることが多いのですが、これが脳内で分泌されることによって子どもをかわいいと思えるようになるということが言われています。そしてこのオキシトシンという物質は母親、女性については出産ですとか受入といったプロセスの中で自然と分泌される。ある意味女性は母親になると生物学的に自然な形で子どもをかわいいと思う傾向があるということが言えるわけです。じゃあ男はどんなに子育て熱心な人であったとしても出産もしないし受入もしないからオキシトシンがないんじゃないか。もしそうだとしたら子どもかわいいって思うのは例外的な人だけで普通の男は子どもかわいいなんてなかなか感じられないんじゃないかというような話になってしまうかもしれないんですが、実は最近の科学研究で男であっても子どもとスキンシップを持つこと、具体的におもつをかえてあげるとか抱っこしてあげるとかそういった当たり前の親として行うことですね。こういったことをするとオキシトシンが出てきて子どもがかわいく感じられるようになると。子どもがかわいくなると頼まれなくても当然子どものお世話をもっとしてあげたくなるわけです。そうするともっともっとオキシトシンが出てくる。オキシトシンがもっと出てくるともっと育てに時間を使いたくなると。こういった非常にポジティブなサイクルが動き始めて、3年後の家事育児時間の延長ということにつながっているわけです。最初はですね、男性はなかなか子どものかわいさっていうのがわからない方っていうのも正直多いんじゃないかなというふうに思います。私自身も実際に子どもを持つまで子どもを持つことがどういうことかわからなかったし、子どもかわいいっていうのは感覚的にはありませんでした。同様のことは私の友人でも言うものは少なくありません。そして私は半ば責任感のようなものから、とりあえず自分の子どもなんだから自分で面倒を見てやらなきゃいけないよねっていう、かわいいから面倒を見るのではなくて、義務感、責任感からまずおむつかえを抱っこしよう、何か話しかけてあげようというようなことから始まりました。やってるうちにですね、かわいさがわかるようになって、もう誰に頼まれなくとも子どもと一緒にいる時間を増やしたいなというふうに感じたものです。したがって、男性が育休を取ることを推進することによって、まずは子育てのスタートダッシュ、ブートキャンプのようなものを始めて、始めてしまえば、子どものかわいさっていうのは多くの男性でも感じられるようになるものなので、ここにですね、男性の育休を推進する大きな価値というのがあるというふうに考えています。そしてさらに育休には望ましい効果というのはまだまだございまして、9ページ目をご覧ください。育休取得で子どもの偏差値、学力も上がるというようなことも、ノルウェーの研究から報告されています。男性、父親が育休を取ることで子どもとの関係が良くなって、子どもの発達が安定してくるわけですね。結果的に16歳時点で偏差値が一位向上したと、決して大きな数字ではありませんが、子どもの発達にとってプラスであるということがわかることは、かなり喜ばしいことかなというふうに思っています。また、夫婦仲にも好ましい影響があることが報告されています。10ページ目をご覧ください。夫婦仲をどう測るのかというのは、なかなか難しいものではあるんですが、ここではこの研究者たちは一つの目安として、離婚率というのを指標にとっています。夫婦仲が良ければ離婚率は低めになるだろうというような考え方が背後にあるわけです。こちらでご紹介したい研究というのはアイスランドのもので、アイスランドにおいても父親向けに大きな育休改革を行いました。結果、男性が育休を取るようになったと。同時に、出産5年後の離婚率が23から17%に下がりました。さらに出産10年後で見ても、長期的に離婚率が33から29%に下がることが報告されました。どうしてこういった変化が起こるのかということについては、11ページ目に著者らの見解をまとめてあります。そもそも子どもというのは、日本語では子はかすがいという言い方をするんですが、実は世界的には日本も含めてなんですが、子どもが生まれた直後というのは離婚率が大幅に上がることが知られています。夫婦仲が急激に不安定になるんですね。その背景には、これまで夫婦だけでお金も時間も使えてたんだけれど、今度は急に子ども中心の生活になってしまうということで、結婚に対する満足感が急激に低下するわけです。その上、日本でよく言うように、ワンオペ育児ということになってしまえば、妻の側からすれば相当な不満もたまってしまうわけです。そこが、男性が育休を取ることによって、子育て初期の大変な状況というのを夫婦協力して乗り切ることによって、夫婦で抱えがちな問題、葛藤というのを抑えることができるのではないかということが言われています。そして気になる所得への影響ですが、12ページ目をご覧ください。男性については、所得は2%減っているということが、ノルウェー、スウェーデンの研究から報告されています。そして、この減少というのは、子どもが5歳になっても消えない効果なので、長期的な効果があるということが分かっています。これだけ聞くと、2%は小さいかもしれないけれど、非常にマイナスの影響があるのではないかというふうに感じられるかもしれないのですが、この何で2%減ったのかという部分について掘り下げてみると、要は子育てや家事を重視するようなライフスタイルに移ったのではないかということが指摘されています。例えば、それまでは残業していて、残業代が家計に入ってきたのが、ちょっと子育てに時間を使うようになったので、残業を少し減らすと。2%分その分、所得が減った。数字で捉えることはできないのですが、その分子どもと過ごす時間が増えて、本人の満足度、幸福感というのが上がったのであれば、お金と引き換えにして大きなものを得ているというふうに言えるかもしれません。また、こちらカナダの研究なんですが、家計全体、夫婦の所得を合算した場合には、ひょっとしたらマイナスというのはほとんどない、むしろプラスであるかもしれないことが指摘されています。どういうことかというと、父親が家の中で家事、育児の責任をより多く担うようになることで、妻は家庭内の責任が軽くなるわけですね。そうなると、外で仕事で活躍できるようになり、結果妻の方の所得が上がって、夫の所得の減少というのを打ち消すことができるかもしれない。カナダのケースでは、母親のフルタイム就業率が5%ポイント上がったことが指摘されています。続いて、最後のトピックで、どうすれば増える男性育休ということなんですが、14ページ目をご覧ください。先ほど、日本の男性の育休所得状況があまり伸びていないということについては、制度のせいではないんだよというお話をしました。アンケートなんかで見ていくと、なぜ取らないのですかということを聞くと、ここに挙げているような3つが必ず理由として上がってきます。昇進などキャリアに悪い影響、同僚や上司の目が気になる、仕事が忙しい。こういった理由を目にすると、やっぱりなと感じられるかもしれませんし、日本的だなというふうに思われるかもしれません。これらが示しているのは、制度ではなくて、まず職場にやはり最大の問題があるという指摘なんですね。それと同時にですね、海外の取得事例を掘り下げてみると、実はですね、これ日本特有でも何でもなくて、今、育休取得率男性で8割9割という北欧でも、こういった理由で育休を取らない男性というのがかなりいたわけです。ところがですね、育休取得を推進していく中で、こうした懸念というのが消えていって、今のような状況になるわけです。そのプロセスを詳しく見た研究によると、15ページにあるような結果が報告されています。ここでは育休は伝染するということでまとめさせていただいているんですが、考え方としては、周りの誰かが育休を取ると、他の誰かが育休をぐっと取りやすくなるということがあって、どんどんどんどん育休取得の連鎖が、輪が広がっていくんですね。具体的な数字としては、職場の同僚、あるいは血のつながった実の兄弟が育休を取ると、じゃあ自分も取ってみようかなということで、育休取得率が11から15%ポイント上がることが報告されています。そして驚くべきところは、子どもを産む方で部下を持つ方も多いんですが、上司が育休を取ると、その職場においては、男も育休を取ることは問題ないんだよという強烈なメッセージになるんですね。結果、同僚同士の影響の2.5倍という非常に大きな影響を持っているわけです。したがって日本においても、誰かが育休を取るということは、次の誰かが育休を取ることの手助けにつながっているんですね。16ページをご覧ください。こちらのチャートでは、北欧において育休取得が増えていったメカニズムに、背後に何があったかを示しています。まず最初に職場で誰かが勇気を持って育休を取得するわけです。まだ誰も職場で取っていないんだけれど、誰か取らないとまず始まらないわけですね。この部分を例えば制度的に助けてやることはできるのではないかというふうに考えています。後ほどお話しします。その結果、誰かが育休を取って、育休取った結果問題なかったなというのが同僚が見て、周りが確認すると、じゃあ自分も取ってみようかなということで、また後のに続く人が取る。さらにその後に続く人も育休を取るようになっていって、育休取得というのが社会の中で当たり前のものに最終的にはなっていくということが報告されています。17ページをご覧ください。では日本でどのように育休取得を男性の間で広めていくかということについて、簡単なアイデアを3つまとめています。そもそも当然のことなんですが、第一に育休取得したからといって、不利に扱わない、職場で昇進させないですとか、仕事から干してしまうといったことは当然違法でもありますし、行わないようにしなければならない。その上で最初に職場で勇気ある父親というのが出てこなければいけないわけです。これについては給付金の引き上げということで、経済的なインセンティブを提供することも生徒としては良いと思いますし、会社の中で表彰する、あるいは何かの報酬金をつけるというのもアイデアになると思います。その上で、社内の誰々が育休取ったんだけれど、その後プライベートも仕事も充実していますよといったことをどんどん広めていくことが肝心かなというふうに考えています。では最後に18ページをご覧いただいて、私からの報告をまとめさせていただきたいと思います。主に3点ございます。1つ目、日本の育休制度は世界最高だけれども、取得率が著しく低いと。主な障壁は職場にあるので、これからは経済界に対する働きかけ、経済界が変わっていかなければいけない、働き方改革というのが必要だということを指摘しておきたいと思います。2つ目、男性の育休取得というのは本人と家族に大きくプラスの影響があります。たかが1ヶ月というふうに思われるかもしれませんが、大変大きなインパクトがあります。私の個人的な意見ではあるんですが、男性の育休取得推進というのは、最も効果を過小評価されている政策施策の1つではないかというふうに考えています。そして最後に男性の育休取得というのは伝染するのだと。誰かが周りの地域なり職場なりで先陣を切って育休を取ることは、後に続く人に対して道を開いていることにつながるということを指摘しておきたいと思います。以上です。ありがとうございました。ありがとうございました。次に、篤井参考人にお願いいたします。

43:35

よろしくお願いします。資料、お手元の配布資料並びに、前のスクリーン、同じものが映し出されますので、お好きな方をご覧になっていただければと思います。まずはスライドの4ページ目からご覧になってください。しばしば女性労働力参加に関しまして、M字型というものが注目されるわけですね。M字型というのは、未婚のときには就職、就業していますが、一旦結婚、出産に合わせて就業、離れて、再び子どもがある程度育った場合に再就業する。それがM字型に結びつくというふうに言われてきたわけです。ただ、このM字型という見方は、数値としては非常にシンプルで、そもそも集計対象になっているのは、未婚か有配偶かも区別していませんし、フルタイムかパートカーも区別していないという、若干大雑把な数字になっているわけですね。ですので、もうちょっと細かく見ていく必要があるかな。具体的には、配偶状態、それからフルタイムなのかパートなのか、あるいは賃金率とか、そういったことを実は詳しく見ていかないと、女性の就業の実態はわからないということをお伝えしたいと思います。今回見ていくのは、結婚してフルタイムで働くようなライフコースが果たして増えてきたのかという話をしたいと思います。結論から申しますと、増えていませんということですね。次のページをご覧になってください。5ページ目ですが、これは、いわゆる行政の報告書等では、ここまでは詳しく報告されることがあって、これは配偶関係別の労働力率、労働力参加率ですね。見ていただけるとわかりますが、配偶関係別、要するに結婚しているのかどうかということで、女性の労働力参加を見た場合には、無事方というのはもちろん見えません。見えてくるのは、未婚の方は就業継続、結婚している方はそれよりかなり低い。もちろん令和になりまして、有配偶の就業率も上がっているのですが、それでもまだ無配偶の方には追いついていないという格差があるということです。このことは、非常に見やすくわかるのです。では、有配偶の方で働いているというのは、どういう働き方をしているのかというところまでは、なかなか行政のデータでは、行政の報告書等では示されないところになります。そこで、我々社会学者のグループが、SSM調査といって、非常に大規模な調査を行っていまして、非常に詳しい労働の実態について調査をしています。そのデータを用いながら、もう少し詳しく見ていこうということです。ただ、グラフが半雑ですので、見にくいかと思います。お手元の資料だと、一段階見にくくなっていまして、前のスクリーンの区別がまだわかりやすいとは思いますが、ただ、ここで示しているのが、まず有配偶と無配偶、それぞれ100としたときに、どれぐらいのパーセンテージの方が、どういう働き方をしているのか、正規雇用なのか、非正規雇用なのか、無職なのか。この場合、GA等はデータから外しておりますが、見ていただくと、1995年から2015年の20年間の変化において、まず目立つのは、有配偶の無職の方はかなり割合が減っているんですよね。ただ、青と青が未婚の方、赤が有配偶の方なんですけど、この青と赤のそれぞれの正規雇用の差を見た場合に、実はこの差は縮まってはいますが、まだ非常に大きいです。30ポイントほど違うわけですよね。有配偶の無職の方、いわゆる専業主婦の割合は減ったんですが、その分、どういう方が増加しているかというと、増加幅でいうと、圧倒的に非接工用の方の方が大きいわけです。つまり、結婚しても働く女性が増えたというときに、実はかなり多くの割合は非接工用であるということです。それはいつの時代の話だという実感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、全国的な平均で見ると、圧倒的にそうであるということです。なかなか東京にいると、フルタイムとんばたらきというのがかなり目立つようになってきていると思うんですけど、全国的に見ると、そんなことはないということです。そして、次の7ページ目のスライドに行きたいと思います。これは男性について見た場合です。男性について見た場合に非常に目立つのは、上の方に2つ線があります。これは先ほどと同じで、赤が有配偶、青が無配偶、未婚なんですけど、この正規雇用の差が広がっている、これはどういうことかと申しますと、要するに未婚の正規雇用の割合、男性の割合というのが非常に下がっているということなんです。これは女性と逆の動きになります。女性は有配偶の就業率は非接工用だけでも上がっているんですけど、男性の場合は正規雇用に関して見れば、未婚の方の非接工用率が格段に増えているということなんです。実は働き方について見る場合には、配偶関係と合わせて考えないと、結婚していることを前提と考えてしまうと、そうじゃない方が見えてこないので、その点は少し1段階下がったデータも見ていただく必要があると思います。後でまた昇格ということでお示ししたいと思います。次の8ページ目なんですけど、今度は非常に恐縮なんですけど、またグラフがたくさん線があってですね、いったいどこを見たらいいんだというような感じなんですけど、多分前のスクリーンの方が少し見やすいと思うんですけど、太い赤い線に注目していただきたいんですね。このグラフは先ほどのグラフと違って、女性全体を100としたときに、その中にいろんな方がいらっしゃいますよね。未婚の正規雇用の方もいらっしゃるし、有配偶の非正規雇用の方もいらっしゃる。その感じで全体を100としたときの内訳のグラフ。先ほどは配偶関係、それぞれの配偶関係を100としたときですね。未婚100、有配偶100としたときだったので、今回は全て合わせて100にしている。ということは未婚化の影響がよくわかるグラフになっております。その上でご覧になっていただいて、今回もう1つだけ指摘しておきたいと思うんですけど、この真ん中にある若干太めの線で、スクリーンの方がおそらく見やすいと思うんですけど、要するに有配偶非正規雇用ですね。有配偶フルタイムで働いていらっしゃるような方が、20年間で割合として増えたのかというと、ほとんど増えていないです。その1つの原因は、結婚しない女性が増えてきているということですよね。結婚している女性の正規雇用率は若干上がっているんですけど、それでも非正規雇用の上昇幅の方が大きい。この2つの理由、要するに結婚しない人がフルタイムで働き続けるという方が多いですよね。結婚してフルタイムで働き続けるという方の数は、あまり増えていないということがわかるわけです。ということは、いわゆる女性活躍という言葉で何を目指すのかというのは、なかなかいろんな目標があり得るんですけど、もし結婚してもフルタイムで働き続けるということを1つの目標とした場合には、これ達成できているのかというと、できていないということになります。次、男性について同じグラフなんですけど、これもいろいろ指摘できるところはあるんですけど、1点だけ、2015年でいうと、上から3番目の青い線なんですけど、これは要するに未婚の非正規雇用の方の割合が、特に20代、30代では非常に目立つ上昇の仕方をしているということです。これがよくわかるかなと思います。昇活のほうで少し頭を整理していこうかなと思うんですけど、スライド10ページ目をご覧になってください。まず、女性についてです。結婚した後も正規雇用を続ける女性の割合は徐々に増えてきているんですけど、ただ未婚者が正規雇用を続けるような水準です。そこまでは行っていない。結婚した場合に正規雇用の方の割合の格差は非常に大きい。簡単に言ってしまうと、結婚というのは女性のフルタイムの継続就業に対しては、いまだに高い壁のままであるということです。2番目です。女性は未婚化が進んだために、全体に占める有配偶、正規雇用女性の割合は、この20年間あまり増えてこなかったということです。2番目のことをどう受け止めていいのかというのは、なかなか難しいと思うんです。多くの政策は、どうしても有配偶の方を出発点に考えてしまう。なんですけど、未婚化は間違いなく進んできました。最近、徐々に未婚率は上昇幅が減って少し落ち着いてきてはいるんですけど、落ち着いてきているということは下がっているということではないです。つまり、未婚率が高いままキープされてしまっているということです。あまり現状が変わっていないということです。この方たちを視野に入れていただくと、結婚して働き続けるというのは、結婚を出発点として考えるだけではなくて、そもそも結婚していない方が増えているんだと。そこら辺の成功率が高いですので、その点も考え合わせていくと、少し別の視点も見えてくるかなと思います。3番目ですね。男性です。未婚化の中で、未婚の非正規雇用男性が増加してきました。これは女性とは逆の形での正規、非正規と配偶の関係の結びつきが目立ってきたということです。簡単に申しますと、女性は結婚すれば非正規になりやすいし、男性は非正規だと未婚継続しやすいということです。これは就業と働くことと結婚することの関係の影響の向きです。女性に関しては、やはりまだ結婚した場合にフルタイムを続ける障壁が大きいということ。男性に関しては、そもそも非正規で未婚時代を過ごしてしまうと、その後の結婚確率が大幅に減ってしまうということです。この点が見えてくるかなと思います。いずれにしろ、結婚して性雇用を継続するというキャリアパスは、男女ともに増えてこなかったということが言えるかと思います。女性はほぼ変化なし、男性は実は減ってきましたということです。そして次の12枚目のスライドです。ここからは文章を中心になります。有配偶女性に注目しますと、その継続主義を阻ぶ壁というのがいっぱいあって、一つは雇用システムになります。日本的雇用システムというのは、労働時間、職務、勤務先を自分で決めることがすごくやりにくいという特徴があります。いわゆるメンバーシップ型雇用と言われているんですけど、このメンバーに入れるのは大抵男性、もうちょっと厳密に言うと主婦がいる男性、主婦付き男性と言われている方が非常に多いということです。これは徐々に変わってきていますけど、まだちょっと支配的な地位にあるかなと思います。海外だと、そもそも職務と統計が同じなら、性別、年齢、企業規模が異なっていても賃金率は近似するという傾向があるんです。これをジョブ型雇用と申します。同一労働、同一賃金というふうにも言いますが、これは同じような職務を経験してやっているのであれば、男性でも女性でも、25歳でも55歳でも、トヨタでも、そこら辺の比較的規模の小さい企業でも、同じ職務であれば大体賃金率が揃ってくるという、これがジョブ型雇用と言われていることです。このジョブ型雇用だと、キャリア中断や転職、時短労働がキャリア形成に依存しにくいですので、男女均等になりやすいと言われているんですけど、日本ではあまり一般的ではないですので、なかなか難しいということです。このジョブ型の導入というのは非常に難しいんですけど、近づけていくことはできるのかなと思います。そしてもう一つの壁、こっちは制度ですけど、高度成長期から安定成長期に男性稼ぎ手モデルに合わせた各種制度が定着してきました。配偶者控除と第三号表現者制度ですね。これ実は現在だと、やっぱり社会保険ですね、こちらの制度の壁の意識が非常に強いと思いますが、その後、修正されつつも未だに女性の就業に制約を課しているのは明らかで、この制度を見据えつつ就業時間を調整している女性はかなり多いというデータがございます。他方で、このいろんな壁があるんですね、右のほうのグラフに描かせていただいたんですけど、この壁をすべて説明できる人がこの世に何人いるのかというぐらいややこしいです。私も実はこの場に来る前にもう一回復習してきたぐらいですね、ちゃんと把握できているのかというなかなか怪しいものがあると思います。そもそも複雑な制度というのがあって、その複雑な制度の根本的なところを変えずに、少しパッチを当ててきたみたいな歴史があるんですよね。余計わかりにくくなっているということですよね。ただですね、他方でこの制度の壁を撤廃しても、賃金率が低い非正規雇用であれば、継続的なキャリアアップとか賃金増は見込めません。最初の報告でもありましたように、非正規雇用と正規雇用の賃金格差は日本では非常に高いですよね。ですので就業調整が撤廃されたら、じゃあこれは問題解決かというと、そんなことはないということですよね。やっぱり雇用システムの改革、働き方改革というのは、いろんなところで大事になってくるということです。そして次に家庭ですね。これは私どもが、今14ページになります。なかなか東京とか首都圏に住まいの方だと、今時その家のことをしない男性なんてまだいるのかというようなリアリティをお持ちの方もいるかもしれませんけど、びっくりするぐらい日本の男性は家のことはしません。これはもう日本全国の平均で見た場合に、下の数字を見ていただければわかるんですけど、これはこのデータはちょっとややこしいです。フルタイムの有配偶女性に限ったデータなんですよね。そのフルタイムの有配偶女性が家事・育児をほぼ毎日行っているという人だけを集めた場合に、その夫はどれくらいやっているのかというデータなんです。少し補足させていただくと、要するに男性と妻と夫が比較的対等に働いている共働き、フルタイムの共働きというふうに考えていただければ。そのフルタイムの共働きなので、家事とか育児も均等化しているだろうという思い切りや圧倒的な格差がまだあるということなんです。同じぐらい働いていても、やっぱり男性は家事・育児に参加しません。見ていただければわかるんですけど、食事の用に関してはもう66%の方がほとんど行わないという男性がいます。後片付けに関しても半数、子どもの身の回りの世話に関しては若干低くなりますが、それでもまだまだ4割近くほとんどしていないという方がいらっしゃるということです。ということで、ほぼ時間が来ましたけど、15ページ目です。「有配偶女性の継続的な就業を阻む壁」今回3つポイントをお話ししてきました。1つは雇用システムです。この雇用システムはなかなか行政が変えることが難しいです。民間の企業が蓄積してきたものですよね。難しいんですけど、ただやはり長期的・総合的・持続的に変えていく必要があるのかなと思います。この雇用システムですよね。どうしても家のことをやってくれる男性じゃないと活躍できないような、そういう働き方ですよね。こういう雇用に関して、これはなかなかお金を使えば変わるというものではない。仕組みを変える必要があります。この仕組みに関して変えていくという機運を、これはやっぱり簡単に言うと働き方改革になるんですけど、働き方改革なんだけど、仕組みについても少し手当てするということですね。それが必要になる。それから制度もそうですね。こちらはまさに行政ですよね。政府が設定している制度ですので、こちらも今のところは基本、やっぱり男性稼ぎ手モデルの時に作られた制度にパッチを当てている状態なんですね。パッチを当てるんじゃなくて、もうちょっと根本的なところで変えていく。そういうことが男女賃金格差、あるいは女性の長期的な継続就業においては必要になってくる。制度改革が必要になってくる。それから家庭ももちろんそうだと思います。家庭に関してはなかなか行政が介入するのは難しいですけど、ただ先ほど山口先生が報告されたように、制度が波及する効果というのはもちろんありますので、こちらはやれることはあるかなと思います。ただ最重要としてはやっぱり働き方ですよね。雇用システムの改革というのが重視できるのかなと思います。最後のスライドです。16ページ目になります。有配偶女性の継続的キャリアの問題というのは、女性が結婚できていることが出発点になっているんですけど、ただしかなり多くの方、男性についてももちろんそうですけど、出発点についていない人が増加しているということも意識しておく必要があるかなと思います。これは無配偶であろうが有配偶であろうが、必要になってくるのは、若者が5年後、10年後の生活の安定が予期できる社会というのが、私は大事になってくるかなと。10年後に自分は安心して働けているんだなという実感が、今の若い人は非常に難しい、そういう実感を得るのが難しい状態です。これを改善していけば未婚化も緩和できるでしょうし、結婚してからの働き方にもプラスの影響があるのかなと思います。具体的には、例えば本位な転居ですよね、転勤とか。転勤というのは非常に日本独特の慣習ですので、これはまだまだ改善する余地があります。それから時間外労働、賃金率ですよね、が現状の非正規効率より高い仕事の就業を増やすことが大事になってくるかなと思います。可能ならば、今回実は地元と都市部の話ができなかったんですけど、地元に居続けながら、常期のような仕事が継続できる環境があると、いろんな点で望ましい効果があるのかなと思いますが、この点に関してはあまりお話ができなかったので、また後ほど時間があればということでお願いしたいと思います。私の報告は以上です。ありがとうございました。以上で参考人のご意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。本日の質疑はあらかじめ、質疑者を定めずに行います。まず各会派1名ずつ指名させていただき、一旬後は会派に関わらずご発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。発言は着席のままで結構でございます。また、質疑者にはその都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一旬目はお一人15分以内となるようにご協力をお願いいたします。これより一旬目の質疑を行います。質疑のある方は挙手をお願います。

1:05:26

友野理夫君。

1:05:28

自由民主党の友野理夫でございます。今日は理事の皆様、参考人の皆様への質問の機会をいただきありがとうございます。本日はお忙しい中、竹信先生、山口先生、篤井先生、大変貴重なご意見を賜りました。誠にありがとうございます。皆様からのご意見を伺って、一人一人が大切な社会の構成員であって、性別に関係なく、この国が誰にとっても希望を持って生きていくことができる国となるためのヒントをいただいたと思います。心から感謝を申し上げたいと思います。まず質問ですけれども、竹信美恵子参考人にお伺いをいたします。私は元々看護師をしておりましたので、看護職も9割女性という中で、専門性の割には賃金が低く、これは正規雇用でも同じような状況がございますが、働き続けてもなかなか給与が上がらないという問題に直面をしています。ですので、看護も含めて女性が多い、その他の医療・介護、その他のサービスについても、正当な評価を受けるべきだと思いますので、今日の参考人のお話から学ばせていただくことは大変多くございました。その中で、私は看護師の後には弁護士を10年ほどやっていまして、その弁護士の時は今度自営になりましたので、ちょっと産休とか育休とかほぼきちんと取れませんでしたけれども、ただ、労働時間ですとか職務は自由に選択ができましたし、キャリアの中断はなく、収入も特に下がらないような状況でここに至ることができました。ただ、今、国会議員になりますと、やはりまだ女性が少ない職場ですので、働き方としてすごく難しいなと感じることがございます。例えば、私はまだ幼い子どもが2人いますので、朝の会議は保育園に預けてからだと間に合わないですし、夜の会合は子どものお迎えですとか、世話がありますから行くことができないわけですね。そうしますと、会議や会合の出席の多さで評価をされたりですとか、やる気を見られたりするとすごく困ってしまうということがあります。これはおそらく、男性の働き方に女性を当てはめてもうまくいかないという形式的平等というか、そういった状況だとうまくいかない状況があって、先ほど参考人のお話にも男女雇用機会均等法がそういった状況を助長してしまったというものがあったかと思いますけれども、まさにそういった側面が本当にこの世界にもあるのかなと思っています。その中に先ほど生理休暇の取得率の激減というお話がありましたけれども、生理休暇に関してはちょっと思うところがありますので、この点について質問をさせていただきたいと思うんですが、生理休暇についてはご存知のとおり、老期法の68条に使用者は生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、そのものを生理日に就業させてはならないというふうに規定がありますけれども、ただこの就業が著しく困難という判断をですね、女性がしていくことはおそらくすごく難しくて、そうすると自分の今状況が、働くことが著しく困難な状況かっていうのは、かなり厳しい中で働いてますけれども、でも働けるから平気じゃないかと思って、なかなか取得することができないということがあるんですね。その意味でこの法律の規定の仕方っていうのは女性に優しくないんではないかと思うんです。その他にも今回の国会でこの看護休暇の取得の時期の拡大とか、取得の目的の見直しというのが議論されているんですけれども、私からしてみますと、日数の拡大とかを含めてこの看護休暇っていうのはすごい重視してほしいと思うんです。それは親の立場であれば、病児保育とかももちろん重要なんですけど、病気の子どもを人に預けるっていうのはやっぱりやりたくないというか、できれば自分で見たいということを考えますと、やっぱりこういったこの看護休暇みたいな制度がもっと進んできてもいいんだろうというふうに取りやすく進んできていいんだろうと思うんですけど、それを考えますと子育てに優しい政策とか女性、そういった政策が遅れてしまうのは、政策に女性の目線がやっぱり入って、入りづらい状況がある、入っていないことがある。今日のテーマでもありますけど、例えば働き方に関するさまざまな政策とか法律も、女性の視点がもう少し入っていれば、もっと違った世界があったのではないかなと思ったりすることがするんですね。この問題は結局その原因の1つに、法律を作る国会の場に今女性の議員がすごく少ないということも影響しているのかなという気がするんですけれども、この点について参考人のご意見があればお伺いしたいなと思うんですけれども。大変貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。フリーランスの問題から始まって、女性の専門職の安さですよね、そういうようなこともいろいろ含めてお話をしていただいて、補っていただいてありがとうございました。やっぱりどこの部分かな、女性の意思決定の三角の仕方があまりにも足りないというのは全くおっしゃる通りで、日本の労働時間がなかなか短縮されないというのはなぜかというと、おっしゃることだと思います。つまり、労働時間が短いと困る人がほとんど決めていないんです。議員にしても、それから企業の幹部にしても、大抵の人が長時間労働を、それこそ妻の無償労働で支えられて長時間労働を勝ち抜いてきた勝ち組なんですよね。それやらないと日本の社会って勝てないので、女性もそれやらないとなかなかできない、こうなってきてしまっているシステムがあるので、そうなると勝ち組が労働時間を短縮するということをあまり真剣に考えていなくて、労働時間短縮で問題になるのはいつも過労死だけです。だから、死ななければいいレベルのことを考えている、最終的には。だから、そこはやはりその部分の女性の政治意思決定への参画というところと、それからその女性たちが子育てをちゃんとできるような考えられる人たちがたくさん入っている方がいい。比率が高ければそういう人が入ってきます。数があまりに少ないと勝ち抜いた人しか入れない。でも勝ち抜いた人の中にもよく分かっていて、入ってくださる方もいらっしゃるので、ダメという意味でも全くありませんが、でも比率を増やせばいろんな人が入ってきますから、おっしゃるような形になると思うんですね。となると、今日は触れませんでしたけど、やはりクォーター制は私は必要だと思っています。いろんなご意見があって、クォーター制ならいいんですかという違反対意見があることも十分生じていますが、これほど増えないということは、さっき社会的規制というのを申し上げましたけど、やっぱり一定期間でいいから、社会的規制で増える状態というのを作ってみないと変わらないと思います。先ほど、それを変えることによって波及効果があるという男性の意気込みの話を先生がされていましたけれども、それと似ていて、そのような仕組みがいっぺん入ってきてやってみると、これ普通じゃないかというふうになっていくんですよね。それがいまだにできていないから普通じゃないと思っているんですね。というようなことが必要なので、おっしゃるとおり、まず意思決定の場面でのクォーター制を入れる必要があると私は考えています。意思決定の場に、また女性というか多様な人材が増えて、すごく多様性を受け入れられる社会になればいいなというふうに私も考えます。次に山口参考人にお伺いをいたします。女性の活躍を推進するためには、女性だけを支援するだけではなくて、大生の働き方を変えなければいけないというのが原則だと思っています。その意味で先生の話は大変共感をするところばかりでございました。やっぱり育休をとって早い時期に生まれてきた子どもに接することはアタッチメントという子にとっても、それもいいですけれども、先ほどおっしゃったように、お岸と芯の分泌というところで、父親にとっても、やっぱりとつきとか子どもをお腹の中で育ててきた母親と生まれてその場で出産によって突然父親になる不正をすぐ持つことは難しいと思いますので、やっぱりそういった中で関わっていく中で不正を育てていくという機会はとても重要だと思います。特にその産後1年ぐらいは産後のホルモンのバランスで鬱になったりというようなことがあって、その時の冷たい声がけとかは、その後の離婚につながったりというのが、実際離婚事件をたくさんやっていましたから、元をたどってみるとそこが原因だったというのがたくさんありますので、すごく感じています。そこで、ぜひ男性には行く気をとってほしいというふうに思うんですけれども、それをはまる一つの要因としては、先生の記事にもあったんですけど、職場の雰囲気というのがやはり、やっぱり今根強くまだあるんだと思います。今回国会に提出された法案で、子ども子育て支援法等の一部を解説する法律案で、その育児休業給付金の支給率を手取り10割程度にするというような手当はされましたけど、やっぱりお金だけの問題ではなくて、この何とも言えない職場の雰囲気ですね、せっせい実態のない雰囲気というふうにお書きになっていらっしゃいましたけれども、でも、なんか実態がないからこそ、この雰囲気を打ち消すことっていうのがすごく難しい。どこに雰囲気が出てくる原因があるのかっていうのがすごく分かりづらいんではないかと思っていまして、それで勇気あるお父さんっていうのがなかなか出てこないっていう状況があるんではないかと思うんですけど、その雰囲気を打ち消す方法というか、そういう方法にはどういったものがあるかというのをご示唆いただければと思います。

1:15:13

山口参考人

1:15:15

ありがとうございます。この議員、ご質問ありがとうございました。どういうふうに職場で男性育休の取得を進めていくかということですが、一つは心構えみたいなものについてお話したいと思いますし、もう一つはもう少し具体的な施策についてお話ししようと思います。一つ目なんですが、職場で男性の育休取得を進める上で最も大切なものはトップのコミットメントです。トップがどれくらい本気であるかと、ほとんどこれで決まります。逆に言うと人事部が男性の育休取得を増やしたいということで、たまに私のところにご相談に見える方もいるんですが、社長どうおっしゃってますかということを聞くと、人事は頑張っているんだけど社長あんまりいい顔しないってなると、ほぼ確実にうまくいきません。逆に社長を自らいらっしゃることですとか、あるいは社長室長が来たりすると、話はだいぶ早い。トップはやる気である。あとは制度を整備するだけ。あるいは社長の意思を現場に伝えていくだけということになって、非常に話がスムーズです。したがってまずトップが本気を見せるというのが必要条件になっていると思いますし、そのために上場企業においては、一級取得率の開示の義務化ですとか、あるいは取得率に数値目標を設定するという方向でもいいのかもしれません。さらには取得率だけですと、1日取ったらもうそれはカウントされてしまうわけで、実態としてやっぱり期間がどれぐらいであるのかといった情報開示につなげていくのが良いかなというふうに思います。もうちょっと現場のレベルで、具体的に機能しそうな施策としては、一部の民間企業自治体で取り入れられているんですが、同僚に対して手当を支給する、あるいは形ばかりなんだけどお祝いの品もお菓子ですとか、そういったものを配っていって、誰々さんは一級取って、仕事は一旦離れるわけですが、その間ちょっとご不便おかけしますとか、カバーしてくださいという形で、同僚にある程度負担というのは避けられない部分があるわけです。そこに対して会社の方から手当を支給したり、お祝いの品物をお渡しすることで、少し職場の中で一級取得を歓迎していく、支援していく空気の情勢というのは可能だというふうに聞いていますので、そこに対してさらに行政が支援するような財政的な支援をしていっても良いのかなというふうに感じております。以上です。

1:17:48

田村理夫君。

1:17:49

ありがとうございます。ハラスメントの対策と一緒ですね。やっぱりトップがちゃんとやっていただくというところが重要なんだろうなというふうに思います。最後に辻さん5人にお伺いしたいと思います。ある論文を先生のものをお読みしましたら、女性の就労促進のためには、女性の負担が多い時期を重点的に支援するのではなくて、男性も含めてルーティン的な家事遂行を可能にする、向上的な労働時間の削減、家庭の事情に仕事を合わせることができるように、柔軟な働き方を推進すべきだというふうにお書きになっていらっしゃいました。まったくその通りだと思っておりますけれども、他方でここ数年、数十年、先ほどの家事の分担の話がありましたけれども、家事負担の再分配というのはうまく進んでいなくてですね、家庭内の無償労働が極端に女性に偏っているという状況が続いているんだと思います。そうすると、なかなか難しい状況があるなと思うんですが、そこで一つの考え方として、女性の家事負担を家庭外に委託するということがあり得ると思うんです。女性の負担を減らして働きやすくするということですね。例えば、いわゆる家事支援サービスとかを利用する中で、水自洗濯だけではなくて、それこそ学童保育、ベビーシッターとか、育児に関する業務もそういったものを委託する。これらの利用を促進するための方策として、家事支援サービスの利用額を所得控除するとか、家事支援控除のような制度を採用することもどうかというような話が多々上がることがあると思うんですけれども、こういった点について、参考人がどうお考えになるか教えてください。

1:19:18

辻参考人。

1:19:19

はい、もう一度ありがとうございました。家事分担ですよね。この問題を解決する方法はいろいろあって、全体の作業量を減らすとか、それからもちろん、おっしゃったように外部委託ですね。ただ、この外部委託が日本では非常に進みにくいわけですね。例えば、掃除なりを外部委託している方の割合という統計データがあるんですけれども、1%とか2%とか非常に低い水準。これはどういうふうな理屈でそれほど外部委託が進まないのかというと、日本の場合、家庭の中に他人を入れるということが非常に抵抗感が強くなってしまっているんですね。ドメスティックワーカーといわれる、いわゆる家事手伝いの方とかがなかなか増えていかない理由はそこに一つあるんですよね。これに関しては文化的で、あるいは感性的な理由もあるので、なかなかあれなんですけど。ただ、他方で、その不安感なりを和らげていくために、例えば何かあった場合には、行政と連携して保証制度があるとか、いろんな安心感ですね。やっぱりこの安心感が非常にでかいと思うんですよね。ですので、この点を、家事委託の業者自体は増加傾向にあると思うんですけど、ただ利用率が低調であるところのネックになっているのが、やっぱりちょっと不安だよねという考え方がある。それから、割高というのももちろんありますよね。この2点ですね、料金と一種のリスク不安感ですね。この両面で行政ができることというのは、なかなかその料金を割引というのは、一部の自治体では非常に期間限定でやっているんですよね。クーポンを配布して、ただそれも予備水としては一つあり得ると思うんですよね。ですので、いろんなやり方でそれができるのかなという点はありますが、他方でドメスティックワーカー、家事を手伝うような方の賃金というのは非常に低く抑えられがちという問題があります。ですので、これは万能の解決法では全然ありません。やはり構造的に働きやすさ、柔軟に家庭のことがやれる時間を増やすとか、やっぱり一番大きいのは男性の働き方を変えることだと思うんですけど、この点が一番大事な目標でありつつ、他にもいろんな補助的な課題があるのかなと思います。男性の働き方を変えることが一番の手段という先生のご意見がありましたので、ぜひ国会議員の皆さんから一緒に始めていくことができればと思いました。ありがとうございました。

1:21:58

立憲民主社民の柴信一です。3名の参考人の方々、本当に考えさせられるというか、我が身を振り返って質問をするのは非常にしにくいなと思いながら、ただ私も妻がフルタイムでずっと郵便局の管理職までやってましたので、一緒に家事もやってました。昨年、金属40年で早期退職を逆にしまして、今まで家事分担していたのが、妻が主にやってくれるの。こんなに生活が楽になるのかと思うぐらい、やっぱり激変をしまして、やっぱりそれだけ大変な家事の分担というのは大変なことなんだなと、逆の意味で感じています。これまでこの調査会では、様々な困難の状況に置かれている方々、生活困窮、格差、一人親、子ども子育て世帯であるとか、障害を持たれる方、不登校とか、自殺やヤングケアラーの方々の実態や、そういった方々を支える活動をしている団体の方々から意見を聞いてきました。今日の話は、逆に社会の半分を占める女性が抱える困難な状況というのは、また極めて大きな問題なんだなというふうに思いました。私も労働組合の役員をずっとやってきましたので、女性活躍とか男女共同参画とかというテーマでも様々な取り組みをしてきました。参考人の皆さんから提起いただいた問題、処遇の格差、子育てや家事の分担、また労働参加などは、話を聞いていると根っこはみんな同じところでぐるぐる回っているのかなというふうに感じました。働く場面、雇用とか賃金、処遇面での男女の格差は、女性に問題があるのではなくて、社会全体、特に意思決定の場でのマジョリティである男性の意識の問題だなというふうに思っています。実態、大変な状況にあるという実態についての理解不足や問題意識の低さ、男性にとってはこの状況が居心地が良かったりするということや、企業においては労務費、人件費抑制のものにもつながっているということだと思います。そこで、竹信参考人、辻参考人にお聞きをしたいのですが、男女の賃金格差の是正、女性の労働参加、キャリア形成を阻害しているものというような様々なお聞かせをいただきました。性別の役割分担意識であるとか、様々なものがあると思います。それを克服するための方策、いくつかいただきましたが、まず何から手をつけるべきなのか、政治、社会が取り組むもの、企業、老子が取り組むものなど、社会的規制であるとか雇用システムということもいただきましたが、具体的にまず何からやるべきなのかということがあればお聞かせいただきたいと思います。竹信参考人からでよろしいですか。はい。

1:25:22

竹信参考人。

1:25:23

はい、お答えします。何からというと全部で難しいので、難しいんですけど、一つは、意識の中では、もう大黒柱型で男性が稼いでいれば、家族が成り立っていくんだということがなくなっているんだということの共有が必要だというふうに思っています。女性だけの問題ではなくて、男性の賃金がこれだけ下がっていると、下がっているんですよ、それあまりみんな気づいていないと思いますけど、そうすると、今もう大黒柱型から多就業型、たくさんの人が家族全員総手で持って働くみたいな、そういう状況になっているお家がものすごく増えているんですね。なので、女性がちゃんとした賃金をもらえるようになると、家族中みんなものすごく楽になるんですよ。それはそう言っていないということがとても大きな壁になっていて、それをもっとキャンペーンも含めてきちんと組合もですね、変えていく必要がある。父ちゃんに賃金をという昔のスローガンではなくて、母ちゃんにも賃金をにしないともう持たないなって、ヨーロッパなんかもよく理解して言われていますけど、実質的にもそれですよね。男性の賃金が製造業が外に出ていったりする中で、相々高くはもらえないですし、そうなってくるとサービス産業も盛んなってくるわけですから、サービス産業に就くことが多い女性の賃金が、いろんなさっき言った偏見によって、実質以上に低くされていたら、絶対賭けは豊かになりません。単身の人ももちろん非常にきついです。それを考えたら、もう大黒柱だからっていうこと自体とは違っているのだというふうにして、やっていかなきゃいけないときの重要なファクターが、女性がどれだけちゃんと稼げるかで、そこに差別をなくして仕事に見合った賃金をと、こういう話になってくるという、そういう筋道になると思います。男女賃金格差、それから男女のキャリアのあり方の違いですね。この差が縮まっているようで、なかなか縮まっていかないということについて、どうしたらいいのかということなんですけど、比較的日本よりはヨーロッパあるいはアメリカの方が賃金格差は少し小さいということ。何が違うのかというと、働き方がやはり違う。その一点目は、やはり職務単位の働き方なんですね。ヨーロッパやアメリカの主要な働き方というのは、日本で言えばアルバイト的な感覚がちょっとあるんですね。同じ仕事をしていれば同じ賃金であるということです。これは日本人には非常に受け入れがたいというか、イメージがしにくいんですよね。例えば同じレベルの経理の仕事をしていた場合に、トヨタで働いているのと、大企業で働いている場合と比較的小規模の企業で働いている場合と、日本人だとどうしてもそれは大企業の方が給料が高いだろうという感覚があるんですけど、諸外国で言えば同じ仕事をしているんだったら、大体同じ賃金になるんじゃないのという感覚なんですね。これは実は企業規模とかそういったものに応じて、職務ではない、具体的に働いている職務内容じゃなくて、別のところで賃金が決まりやすいというのは、若干日本独特のところがございまして、ここがなかなか変わりつつはあるんですけど変わっていかない。これは非常に分かりやすく言うと、同一労働 同一賃金ということなんですね。同一労働 同一賃金の同一労働というのは職務なんですね。同じような仕事、同じぐらいスキルが要する仕事をしている場合の賃金格差が大きすぎないこと、こういった理念があるわけです。ところが日本だと正規雇用と非正規雇用、特に例えば派遣労働とか契約労働、契約社員の方ですね。それほど違う仕事をしているようには見えないのに、場合によっては賃金率が3倍ぐらい違ったりするわけですね。これはおそらく諸外国の方が見たらびっくりする。あれ同じぐらい仕事をしている。労働時間が違えばもちろん給料も変わっていいのに、同じ職務の賃金率、つまり時給ですよね。ここが格差が日本だと正規雇用と非正規雇用非常に高い。この理由の一つは正規雇用の方が配置転換とか転勤とか長時間労働を受け入れているから高いんだという理屈なんですよね。ただこれは女性の働き方、要するに転勤も受け入れなきゃいけないし、長時間労働、残業も受け入れなきゃいけない。そうじゃないと修正できないぞと。こういった働き方だと女性のキャリアントティーが非常に不利になりますので、その点持続的に変えていく必要があるのかなというのが一定あります。他方で、賃金格差はなかなか諸外国もなくなりません。例えば直近のノーベル経済学者を受賞されている方ですね、クラウディア・ゴールディンさん。この研究テーマは男女賃金格差ですよね。アメリカでもまだまだ高いんだという議論なんですね。その理由は彼女は労働時間ですよね。やはり無制限に仕事にコミットできるような男性的な働き方をした方が賃金が有利になるという。この点を改めるために、結局は労働時間ですよね。男性が家庭のことをしてくれる人がいるから、安心して100%仕事に打ち込めるような。これはもう持続不可能になっている時代なんです。賃金格差の面でも望ましくないということで。分かりやすい対策として、労働時間のキャップをもうちょっと厳しくやる。ただその副作用として、労働時間のキャップをかけるとどういう副作用があるかというと、時間外労働で実は日本のサラリーはお金を稼いでいるんですね。これがなくなりますので、賃金が下がりかねない。ということは賃金率をやはり上げていかなければいけない。賃金を上げなければいけないということなんですね。そういう感じで連関していますので、全てはつながっているということなんですけど、私が注目したいのは労働時間と時間あたりの賃金率をやはり上げるというのが、いろんなところでプラスに作用するだろうという話です。以上です。ということでいけば、今まさに春党で賃上げしなきゃいけないと言っているときにこそ適正な労務費というのは、そういったところも含めて見ていくべきじゃないかというのを改めて自分自身でも感じました。次に山口参考人に質問いたします。女性の育児負担の軽減というのは、男性の家事や育児への参加を増やすということというのは、お金がかからない少子化対策にもなるというのは、事前にいただいた資料でも拝見しました。男性を家庭に返すということは、男性豊かな人生に導くという、そういう御意見もそのとおりだなと、そういうふうに思いましたし、そうあるべきだと。そしてそのことは、この日本社会をじわじわと変えていくことにつながっていくのかなというふうに思いました。男性の育休取得を増やしていくには、具体的にどうしていくのかと。先ほど言ったとおり、日本の制度は世界最高だけれども、実際には進まないと。ただ、私も出身の日本郵政グループとかは、一生懸命やっていたりとか、びっくりするほど取得率が上がってきています。期間は短いですけど、ですので、大企業では制度の整備とか、取得促進に向けた様々な取組が一定の成果を上げてきているんじゃないかというふうに思っているんですが、一方で、企業の大部分を占める中小企業での育休取得というのはどういう状況なのか。もし課題があるとすれば、どのような措置が必要かお聞かせいただけたらと思います。

1:33:47

山口参考人。

1:33:49

中小企業と大企業の間で、男性の育休取得率には大きな差があります。もう一つ大きな差を生み出しているのは地域によるものですね。大都市では取得率は高く、東京では高く、地方部では低くなっています。これに対して、どのように中小企業においても取得を高めていくかというのは、結構難しい課題だなというふうに思っています。というのもやはり、組織が大きければ1人ぐらい抜けても、規模に対しては小さな欠損にしかならないのに対して、10人の企業だったら残りの9人が頑張らなきゃいけないということになって、かなり大きなダメージになりかねないというふうに考えられるわけです。したがって、代替人材を雇用するための財政的な支援ですとか、あるいは今いる人材により長く働いてもらうというようなことをした場合には、そこに対してちゃんと金銭的に手当をつけていく、残業代はきちんと支払うといった形で、金銭的な報酬というのを用意していくことによって、納得感のある働き方をしていただきたいなというふうに思っています。そして、誰かが働けなくなってしまう状況というのは子育てに限らず、介護もあるかもしれない、病気もあるかもしれない、あるいは何か他の理由というのもあるかもしれない。そういう時のために、お互い様ということで、誰かが何らかの事情で抜けてしまったときに、周りがカバーするんだというのが当たり前の空気を醸成していく必要があると思います。そして、先ほどの友野議員のご質問にもお答えしたときにも申し上げたように、周囲に対する手当を会社が支払っていって、そこに対して行政が財政支援をしていくというのも可能なやり方かなというふうに考えております。島 慎一君。ありがとうございます。もう少しだけ山口さんに聞かせていただきたいと思います。特別役割分担意識というのは変わってきているのかと。山口先生、東大ですので、東大生の男性はどんな意識になってきているのかと。東大生はきっと年収水準が高い家庭が多かったりすると、専業主婦率が高かったりとかするんじゃないかと。母親が子育てに専念をした母親に育てられた子どもたちっていうのは変わってきているのか、または再生産がされているのか、どんな受け止めをされてますでしょうか。山口さん、ご本人。山口 中々自分の学生だけをもって東大全大について語れないんですが、アンケートなんかを見ていくと、先に感じるのは確実に若い世代ほど、ジェンダーニュートラルな考え方、性別役割分業意識から離れていっているというのは感じます。この世代差というのは非常に大きくて、我々の世代とは想像のつかないような水準になっていると思います。現代においても若い人たちの中では、男性も将来の配偶者には自分と同じくらいフルタイムで働いてほしいというのが、よくある要望になっていますし、女性の側から見ても、男性が稼いでくるだけじゃなくて、しっかり子育て、育児ともしてほしいということになっていて、そういった価値観と変化というのはかなり劇的なものがあるというふうに感じています。

1:37:16

柴田 慎一君。

1:37:18

柴田 時間になりました。これで終わります。ありがとうございました。高銘党の竹内慎二です。3人の参考人の皆様には、お忙しい中、貴重な意見をお伺いできて本当にありがとうございます。3人の参考人のお話を伺っていて、男性基準であったこれまでの日本というものが、女性基準にしっかりと移っていかないと、非常に社会というものがギツギツしてきている。女性にとっても非常に生きづらい。それがひいては男性や社会的な弱者の方々にも生きづらい、そういう社会になっていってしまうというふうに思いながら話を聞かせていただきました。本当にありがとうございます。その上で順番に質問させていただきますけれども、はじめに竹信さんにお伺いをいたします。私も実は、しばゆー先生と同じように、竹信先生最初にジャーナリストであり、新聞社でも勤務されて、そして大学でも教鞭をとられて、やはり今の若い方の雇用とか働き方に関する、どういう意識を持っているかというのを、どのようにお感じになっているかを最初にお聞きしたかったんですけれども。

1:38:40

竹信さんに。まず、ものすごく自分たちが支えがないと思っている若い人が多いと思います。自分で頑張るしかない。それはやはり組合の組織率が減っていたり、それから成果主義とか、自助努力で頑張りなさいという教育が非常に強いので、私の世代なんかはもっと上の世代なので、それに比べると孤立感が強く、それで働くにしても自分が頑張るしかないというふうに思っているために、労働法とか使えない。それが非常に大きな弱みになっていると思うんですね。なので、そこを支えてあげることが男女ともに重要で、私、すごく気になっているのは、やはり日本の社会は有機雇用が多すぎるんですよね。つまり、本当に有機じゃない仕事まで全部有機に契約でしちゃうということができる社会になっていて、ずっとあるお仕事が3ヶ月とか1年の契約になっているって誰もおかしいと思わないって、これどう考えても普通に考えて私はおかしいと思うんですね。そのために何が起こるかというと、さっきも何度も言っているように、権利を主張すると次の契約更新がされなくなるという恐怖に、不断に晒されているという人たちがめちゃめちゃに多い社会だと思います。それが主に女性に重点的に来ていて、子どもがいるから短時間しか働けないというふうになると、短時間ね、じゃあ有機雇用ねって言われるんだけど、短時間と有機は何の関係もないんですよね。だのにそれが何か関係しているかのように錯覚させられてしまっているために、そういう人々が権利を主張しようとすると、次の契約がないという不安に晒される。これが若い人の間にも蔓延していて、結局誰も助けてくれないから自分で頑張る。でも頑張れるわけないので、そこを何とかするためには、私はやはり不必要な有機雇用はなるべく減らして、それで法律やいろんな支えがちゃんと得られるような働き手を増やしていくことが、若い方にとっても安心の種になると思うんです。何でそう思ったかというと、私は授業でそのことをずっと教えていたんです。そのときに、始めは労働の話なんて聞いてもどうせ役に立たないし、クビになるから引かなくていいですってコメントペーパーに書いてきた人がいて。それで授業が終わってみたら、労働法にしても組合にしてもネットワークにしても結構、弁護士さんとか助けになるものはあるんですねって書いてあって、だから自分はそれでちょっと元気が出ました。就職したら、そういうものをなるべく探し出して、生き長く働けるように頑張ってみたいというふうに書いた子が複数いました。なので、やはり安心をちゃんと担保してあげることがいかに大事かということですよね、ということでした。ありがとうございます。竹中さん、もう1問聞きたいんですけれども、今日、図表をもとにして説明をいただきましたけれども、このレジュメの方にはいくつかオランダのいろんな取り組みも一部紹介されていて、時間の関係で触れられていないと思うんですけれども、今の話に関連して、オランダの場合にはそうしたら女性労働者の方というのは、不安というものとはあまり関係ない形で今働くことが実現できているんでしょうか。竹中さん、ご教証ください。不安があるかないか、もっとちゃんと調査しないと分かりませんが、私が10年くらい前に取材に現地に行ったんですね。2回ぐらい行っているんですけど、10年前に行ったときに不安を感じたことがないという人に出会いました。大丈夫かと思ったんですけど、感じたことがないと。どうしてかというと、まず短時間でも勇気、仕事がずっとある場合は、無期雇用なんです。だから別にクビにならないという、まず丸一、原則としてはそうなっているということが1個あって、それから、労働時間が短くても、時給は均等待遇、さっきお話しされましたように均等待遇ですから、同一層同一人員なので、そうすると、なんとかそれを伸ばせばちゃんと生活ができるわけですよね、1つはね。伸ばす権利もあるんです。2000年に労働時間調整法というのが導入されておりまして、働く人が自分から契約を変えて、無期雇用に変えてほしいというふうに言ったときに、会社は断ってはいけない。そういうと日本の人は大変驚いて会社がつぶれますというふうに反論するのですが、つぶれません。どうしてかというと、そのような契約に結びかえた場合、会社がつぶれるという理由を会社が立証して証明すれば断っていいんです。つまり立証責任が会社側にあるので、理由がちゃんとあれば、つぶれたらみんな困りますからね、断れる。それはそのためにちゃんと調査をして会社が断る理由を見つけなければいけないわけでありまして、何でもかんでもダメだよ、断っちゃいけませんよ、こういうことになりますよね。それプラスもう1つあります。あとは、教育費と住宅費ですね、それが本当に困った場合には税金によって基本的に補償される。教育費はほとんど無償化されているとその人が言っていましたけれども、なので稼げるものは医療費と食費があればまあなんとかなる。だから短時間労働でやっていてもなんとかなるという思いがあるので、それが安心の厳選だと言っていました。以上です。次に山口さんにお聞きします。私も先ほど来、お話を聞いていて、男性の一休、1ヶ月の人生を変えるインパクトがあるということに大変感銘を受けましたけれども、あとは実際どう実現していくかということで、本当は私も中小企業というものをよく訪問していて、一休という問題とぶつかっている相談も受けるわけですから、この点についてお聞きしたかったんですが、先ほどもう少しお答えになったので、もう一つ、取得率というものがこれからまだまだ上げていかなくてはいけないわけですけど、ただ一部に取るだけ一休というような、一休暇をせっかく取っても一休しないでいるという不届き者というか、そういう課題もあると伺っているんですけれども、その点についてお聞かせ願えたらと思います。

1:45:49

山口参考人。

1:45:51

はい。取得率だけ高めていっても、その実態が伴わないのではないか。取るだけ一休の話は聞いたことはあるんですが、ちょっと信じられないというのが正直なところです。取るだけ一休にならないための施策としては、まずは基本的な考え方としては準備をして一休に臨むと、いきなり一休になってしまうと、当然ですが何していいかわからなくなってしまう。それに対してできることとしては、一つは自治体でも既に提供しているところも多いと思うんですが、父親学級、両親学級というところで、まず妊娠中にどういうサポートをパートナーにしていくべきなのか、子どもが生まれたらどういうふうにお世話すべきなのか、ちょっとした本当の基本の気ぐらいでも知っておくとだいぶスムーズに入れますし、一休取る前にですね、夫婦で話し合ったりして、どういうふうに有意義に一休を過ごすかというのをお話していただくと良いのかと思いますので、自治体がそういった講座研修の機会を提供するというのは可能だと思います。同時に自治体が提供していても、なかなか普段の仕事忙しいということで、参加されない方も多いというふうに聞いています。それに対して一部の企業では父親学級、両親学級というのを従業員とその配偶者もまとめて提供するわけですね。例えば母親が働いていて、そしたら父親の方も社員じゃないんだけれど、招いて育休のための研修を受けさせると、その費用は母親側の会社が負担するということでやっていて、非常に従業員の方にも評価が高く、実際に取るだけ育休になることを防ぐことに成功しているそうなので、行政としても自分たちで必ずしも主催しなくても、そういったところに補助金を付けていくというのはうまいやり方かなというふうに考えています。

1:47:35

武内信二君。

1:47:37

ありがとうございました。次に、つい参考人にお伺いをいたします。つい参考人が書かれていた日経新聞の記事を読ませていただいて、一昨年の12月だったかは記憶しているんですけれども、男性的働き方こそ障壁という記事を読ませていただいたときに、やはりその記事の中で、一つは男性的働き方を変える上で、慢性的に時間外労働を要請する雇用制度というのが問題だということをおっしゃっているのと、あともう一つ、その記事の中で、仕事と家庭の両立困難を緩和するためにリモートワークの活用というものもおっしゃっておりまして、今日のお話でも最後のところに、可能ならば地元で常期のような仕事が継続できる環境があると良いという形で書かれておりますけれども、地元には鍵確保がついているんですけれども、こうしたリモートワークの活用についても、少しこの男性の家事という視点も踏まえながらご紹介いただけたらと思うんですけれども。

1:48:51

土井参考人。

1:48:53

どうもありがとうございました。リモートワーク、あるいは以前はテレワークという言葉で語られるものだったんですけれども、これは日本の行政、特に厚労省とも、両立における一つの切り札的な位置づけを与えてきたものなんですね。ですので、もうちょっと政府としても、リモートワークの強みというのを生かすには、どういった制度設計が必要になるのか。例えば、現在サラリーマンというのはリモートワークが増えていますけれども、高熱費と自宅でかかるコース、これは控除できないですよね。この点、もしかしたらもう審議されているかもしれませんが、そういった経費的なところをどういうふうにクリアしていくのかとか、要するに今自宅が職場であるという方が徐々に増えてきているんですよね。ですので、こういったものをどういうふうに制度的にバックアップしていくのかというのも一つの課題になると思います。他方で、リモートワークというのは、基本的にはリモートワークができる職種の方しか助けないところがありまして、例えばケアワークと、女性が多く関わっているところでは、あまり効果がないですので、その点の考慮というのも必要でありつつも、ただメリットが大きいのは間違いなくて、おっしゃっていただいている地元の雇用ですね。これ今非常に地方は人口減に悩んでいるんですね。この人口減に悩んでいる地元の議員の方のお話も聞いて、一番の原因は何かというと、雇用がないということなんですね。働き口がない。働き口がいくらないところに子育て支援しても、そもそも仕事がないので出ていきますというふうになってしまうわけですね。この地元の雇用をいかに推進するかということで、一つ考えられるのは、しばしばリモートワークというのは、例えば都会の人がリモートワークができるようになったから、地方に移住しようというような観点が、メディアでも報道されるところであるんですけど、逆に地元に居続けながら、大都市の企業に雇用できる機会を作るものでもあるんですよね。ですので、地元に居続けながら比較的安定した賃金を、例えば1ヶ月に1回ぐらい都市に出て、少しミーティングなりあって、でも基本的には地元に居続けながら、非常に住居コストも安い環境で、場合によっては子育てもしやすい環境で雇用されるという、そういった可能性もあり得るんですよね。リモートワークの可能性というのを、もちろん限界はありつつも、もうちょっと活かしていくというのが、両立なり、それからひいては少子化ですよね。それから女性の継続的な就業継続に関しても、プラスになるところはあると思いますので、ぜひぜひ検討していただければと思います。ありがとうございました。以上で終わります。日本維新の会、教育無償化を実現する会の高木香織です。本日は3人の参考人の先生方、大変貴重なお話をありがとうございました。早速ですけれども、質問に入らせていただきたいと思います。まず、武信参考人に伺いたいと思います。今日冒頭に性差別というものを直視するべきなんだというお話もありました。先生のお話は本当にどれも大変身に染める思いでお聞きをさせていただきましたけれども、今日はたくさんご質問したいんですけれども、ちょっと絞ってお話をさせていただきたいと思います。先ほど有機雇用が多すぎるという話がありました。この民間にできることは民間にということで、自治体の方針の下で様々な行政サービスが、今、民間の力を使ってやっていこうというケースが増えていると思います。先生の著書で女性不況サバイバルを読ませていただきました。その中でもやはり公共サービスの基本となる公的使命感、民間企業の大化に見合ったお客様サービス、こういったところの視点の対立、著書の中には学童保育の事例があったかと思います。これ重要なセーフティーネットなんですけれども、やはりそのバランスの問題というのは大変重要な視点だなというふうに思っております。そういう中で女性が、特に保育の現場なんかでは賃金も低いであるとか、また専門家としての発言をすることによって有機雇用のままで、なかなか雇用を解雇されてしまう、こういった問題もあるというふうな話がありました。そういう中で、やはり直接当事者のお話を聞くですとか、いろいろな現場を先生が見られたんであろうと思います。そういった点について、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。はい。竹野さん、ご報告を。まず、有機雇用の話で言いますと、これ多すぎて公共サービスが成り立たなくなっています。この間も東京都がスクールカウンセラー大量に雇い止めという話題になって、今、電子署名であちこち回っていますけれども、そのようなスキルの蓄積が必要で、相談者との関係が永続的に必要なような相談業務系が公務の中で有機になっていて、その中に会計年度、人用職員という一年有機のものがありますけれども、それの8割近くは女性が占めているんですよね。そうなると、そのようなサービスを担っていると、1年で雇い止めになってしまう可能性があるわけですね。更新しても3年で終わりとか、5年で終わりとか出てきてしまうと、サービスを受ける人は継続的に面倒を見てもらえなくなる。実際、DVCAの人がそれでやめてしまって、食べられないと言って、ついにやめてしまって、東京に地方から出てきた人がいるんですけど、その方のところにDVの支援を受けていた女性から連絡があって、新しい人が来たんだけれど、全くスキルが足りなくてやってもらえない。何とかしてくれないかと言われて、彼女は別の民間施設の方に移っているので、ちょっとできないんだというぐらいのことが頻発しているんです、実は。ですから、それをやると安くできると思ってそうしているのかもしれないけれども、それをやったら公共サービスは終わりですので、ということは、ずっとあるお仕事は、ちゃんと向きできちんと処遇すべきだということを、もう1回しっかり打ち付け直す必要は絶対にあると思います。しかも、それが女性だから安くていいとか、大丈夫だという性差別が入っているというのは全く問題だと思っています。

1:56:08

続きまして、山口参考人に伺いたいと思います。本当に改めて、男性育休の必要性ということは、本当に様々な視点、家庭でもそうですし、やはり企業が一番頑張らないといけない、トップが頑張らないといけない。制度の仕組み、これは一筋縄ではまだまだいかないんだろうというふうに思います。やはり日本は、制度は世界最高だと言われているのに、ここがちょっともどかしいところがあるなというふうに思っております。今日は以前から私、先生の子育て支援の経済学を読ませていただいて、もちろん男性育休というのは大変重要な視点であります。ただ、子育て支援の中で、その先はやはり子どもを育てていく中で、日本は家族関係支出の対GDP比が低いという現状があると思います。一方で、家族関係支出のうち、現金給付と現物給付、この割合OECD諸国の平均と同等程度でありました。ということは、この国の規模に対して、そもそものπが日本はやはり低すぎるということなのかということをまず1点お伺いをしたいということと、もう一つ関連して先生に伺いたいんですけども、この児童手当等の現金給付、これ増加させても、既にいる子どもの熟大とか、そういったものに当てられてしまって、もう一人の次の子どもを生み育てるインセンティブに繋がらないと、こういう経済学でいうと量と質のトレードオフとおっしゃっておられると思いますけれども、そういった傾向があるというのを雑誌記事でも読ませていただきました。私の地元大阪府では、来年度から私立の高校等の授業料無償化とお勧めようとしていますけれども、この制度を目指すところは、やはり所得、世帯の子どもの人数に制限なく、自らの可能性を追求していく、そういう社会を実現したいという思いでありますけれども、やはりこれ学校選択の機会の保障であると思うんですけど、同時にこの保育所であるとか、そういった原物、学校であるとか、原物給付政策の延長線上にあるというふうに思っているんです。そこで、高校の授業料無償化というのが、子育て世代や、これから子育てしようとしている世帯に対する長期的な影響、これについてぜひ先生のご見解を伺いたいと思います。

1:58:39

山口参考人

1:58:41

ありがとうございます。まず最初に家族関係社会支出についてですが、日本は近年急速に伸びては来ているんですが、それでもOECD平均におそらくまだ達していないと思われるので、まだまだ家族支援の規模というのは拡大していく必要があると思います。もう一つこれに関連して指摘しておきたいのが、通常教育費というのは、2つ目のご質問と関連しているところあるんですが、教育費というのは家族関係社会支出にカウントされないわけですが、やはり子育て支援の一環として多くのご家庭には受け止められると思います。そして教育費の対GDP費で見ると、先進国平均を少し上回っているぐらいだったと記憶しているんですが、それが家庭からの支出なのかと、公的な支援なのかで見ると、公的支援で見ると先進国で最低水準なんですね。そういった意味では家族関係社会支出だけではなくて、教育費全般に対する公的支援というのが足りていないというふうに感じています。高校の授業料無償化という点なんですが、もちろんこれも好ましい方向の政策だというふうには感じますが、さらに踏み込んで授業料ではなくて教育の無償化というのが必要だというふうに考えています。というのも、すでに義務教育では授業料自体は無償化は完了しているわけです。ところが給食費はかかる、教材費もかかる、修学旅行にお金もかかるということが、一般の家庭からすると経済的な負担感を生んでいるわけです。そうした家庭に、特に低所得の家庭については修学援助という形ですでに支援というものはされているんですが、ギリギリそのラインを超えてしまったらもらえなくなるというのがあるわけです。じゃあそういった支援という給食とかは、どの子どもにとっても最低限、お腹いっぱい食べさせてあげるというのは、ぜひ達成させてあげたいことだというふうに思います。そうなってくると、家計所得に関わらず、まず教育の無償化で、優先順位としては私の考えからすると、できるだけ年少の段階から、未就学時に対する幼児教育、保育に対する支援、次いで小学校、中学校といった年齢が上がっていくのが、これまでの研究でも特に費用対効果が高いことが分かっていますので、優先順位はつけるべきかなとは思うんですが、今後、授業料ではなくて、教育の無償化という方向にもっとより踏み込んで進めていってほしいなというふうに考えております。高井 香織くん。はい、大変参考になりました。やはりそういった子どもたちの未来のために、しっかりと我々も頑張っていきたいなというふうに改めて思いました。ありがとうございます。それでは最後に、篤井参考人に伺いたいと思います。先ほど竹内委員から、地元のリモートワークという活用というお話もあったんですけれども、先生の未婚と少子化という著書も読ませていただいたんですが、この地方自治体の少子化問題というところで、重要な点として、各自治体がオリジナルの政策パッケージを立参することが挙げられていましたけれども、この東京一極集中が、今、本当に私は問題だというふうに思っているんですが、やはりこれ一例として、内閣府等が行う地方創生に関する補助金とか支援メニュー、こういったものが、言い方はちょっと悪いかもしれないですけれども、その時々の話題作りというか、そういった、ぶち上げてパフォーマンス的なものがあって、結局単発に終わってしまう、こういったことも見ていて思うところであります。そういう中で、この地方にとって長期的な支援とかフォロー、こういったのはまだまだ至っていないんじゃないかなというふうに思っております。そういう中で、この自治体におきましての、今後の少子化対策を進めていく上で、改めて国としてどういう施策を打っていくべきか、先生のご見解を伺いたいと思います。

2:03:05

筒井参考人

2:03:07

少子化問題というのも、やはり今回の大きなテーマである女性の継続就業なりと深く関係しているテーマでありますし、特に地方の自治体に関しては、人口減少といった危機の課題ともありますので、こういった問題について、地方でもかなり議会と集中的に議論がされているとは思います。他方で、実は今おっしゃっていただいたことの中にあると思うんですけど、少子化の実態というのは、あるいは女性の働き方、男性も含めて働き方、雇用というのは、自治体に応じて千差万別なところがございまして、比較的、例えば愛知県の自治体でありますと、多いのが製造業の工場がありますので、比較的安定した雇用があるんですね。そうすると人口も減っていないし、出生率も驚くほど高いという自治体が愛知県には多いんですよね。それから、実は工場がかなり普及している瀬戸内海沿岸とか、そこら辺で、あまり少子化で悩んでいない自治体というのが実はあるんですよね。例えば滋賀県でいう立東市ってあるんですけど、ここ出生率2なんですよね。驚くほど高いですね。人口も減っていません。こういった自治体がある。一つの特徴としては、やはり雇用があるということなんですよね。ただここで行き詰まってしまうんですよね。男性にしろ女性にしろ安定した雇用がある自治体。じゃあこれをどういうふうに自治体として呼び込んでいくかというのは、これもずっと頭を悩ましつつ、でもこれは難しいなという、たまたま民間の大きな大企業が工場を作ったとか、そういったことがあれば、例えば今熊本がそうですよね。菊葉町の半導体工場。その出生率も高いし、賃金も高いし、人口も増えているしという、そういう自治体もあるんですけど、たまたまな影響もある。国としてどういうふうな方針で、そういった若い人が安心して住み続けて、結婚もして、子どもを持ち、それも望めばということなんですけど、こういったことができるのでも、雇用であり、それが自治体レベルではなかなか難しいということになれば、やはり国としてできることは限られてはいるんですけど、地元の雇用を増やすような政策、これは実はあまり今さら感があるんですけど、比較的地元でしかできない雇用というのは、やはり建築が多かったんですよね。それから今は製造業が一部で生き残っているんですよね。こういったところがかなり引き上がってしまって、地元の雇用が減ってしまったということがある。ただ、これはそこに戻せばいいのかというと、そんなことはない。なかなか難しいところがあると思います。ですので、雇用という面で言えば、これは専門家の間でも残念ながら、解決法がなかなか見つかっていないというのが現状です。そこに一部の望みがあるとしたら、私が考えているのは、先ほど申しましたように、リモートワークを地元に位置づけながら、大企業に雇用される働き方ですよね。これが行政が割合早く介入できる一つの方策かなというふうに考えています。もう一つは、少子化と言えば子育て支援もやはり大事になってくると思うんですよね。これに関しまして、地方の取り組みの方が先進的に進んでいる部分が一部あると思うんですよね。ですので、国があらかた言う前に地方が取り組んでいくというのはあるんですけど、ただ、そこで少し認識に関して制限をかけるべきなのが、実は子どもが増えているから子育て支援を充実させるという因果関係もあるんですよね。ですので、子育て支援をすれば、そこに人が殺到して収支率が上がるというような効果は、実はそれほど高くないのかなと思いますので、そこはバランスよく考える必要がある。やはり雇用と実際にそこで結婚して子どもを持った方への支援というのを、イコールではないというバランスの取り方をしていく必要があるかなと思います。以上です。

2:07:42

長谷川織君。

2:07:44

終わります。

2:07:46

船山康恵君。

2:07:50

国民民主党の船山康恵でございます。冒頭、履席をしておりまして、竹信参考人の話が来なかったんですけれども、事前にいただいた資料、また今日の資料も読ませていただきまして、まず竹信参考人に質問させていただきます。男女賃金拡散に焦点を当てたいいろんなお話をいただきましたけれども、この背景には、本来正規雇用であるべきものを非正規有機で置き換えてきた、そしてまた女性が多くになっているサービスケア、保育、こういったものが、ある意味、本来主婦が家庭でやるものだというところで、賃金が安く抑えられてきたということ、この辺りはしっかりと解消していかなければいけないと思いますし、改めて広がりすぎた非正規の働き方をどうやって正規化していくのかというのは、制度的に非常に大きな課題として、我々国会としても向き合っていきたいと思っております。そしてもう1点お聞きしたいのが、ここにも少し書かれてありますけれども、オットセーフティネットというのでしょうか。その背景には、私、いわゆるモデル世帯ですね。ずっと標準的に言われてきた、夫、サラリーマン、専業主婦、子ども2人というこのモデル世帯の中で、やはり女性は専業主婦かもしくは補助的な労働力かというところで論じられてきた。これがまた、女性は補助的でいいんだ、安くていいんだ。そしてもう1つ女性の側も、いわゆる第三号非保険者の仕組み、不要の範囲に収まるようにということで、あえて低賃金労働を自ら進んでというか、制度的な流れの中でそこに押し込めてきたところがあるんじゃないかと思うんですね。その観点から、このいわゆるモデル世帯の見直しですとか、第三号非保険者制度の見直しについてのご見解をお聞きしたいと思います。はい。竹信さん、ごみます。はい。第三号非保険者問題は、ライフスタイルに沿って税金を決めるというところがあるので、原則として私、撤廃した方が分かりやすいし公平だと思っています。ただ、撤廃すれば働きに行くようになるかというと、一概にそうとは言えないというものもあるので、1つは、最近、貧困専業主婦問題というのはご存知かと思いますが、男性の賃金が下がっていく中で、非常に若い夫と、子どもに病気があったり、保育園がたまたまあまりない地域だったり、いろんな意味で外に出られないという専業主婦がいて、その主婦の人が働きに行って保育料を稼ごうと思うんだけど、パートの賃金が安すぎて保育料が高くはないのにそれさえ払えないぐらい、夫も貧困なものですから、そういうふうになると、家にいて節約したほうがいいという形になってしまって、出られない人って結構実は出てきているという論考もありますよね。8世帯に1世帯ぐらいあるという説もあって、そうなると何らかの保護が必要になってくるので、それをライフスタイルではなくて、所得に応じてきちんと公平に社会保険とかをうまく負担を減らす方法を考えなければならないのが①だと思うんですね。もう1つは、再賃が安すぎるんですよ、やっぱり。だから、子育てできるぐらいのレベルで時間に調整して働くと、社会保険を払えなくなっちゃう。わかりますでしょうか。最低賃金の時給が高ければ、一定時間働くと、それでもってもカバーできるぐらい稼げるんですよ、本来。でも日本の最低賃金って結構巧妙にできているというか、計算してみると、ちょうど調整すると払わなくていいところぐらいのところに設定されているといいますか、やっぱり女性を家に置いておくつもりで作ったんじゃないかと疑ってみたくなるほどの時給レベルになっている事態が長く続いてきているんですよね。だから、最低賃金を、それこそ時給1500円以上とか最近よくそういう運動が出てきていますけど、それでやってみると、そんなに長時間働かなくても社会保険をカバー、吸収できるぐらい稼げる可能性があって、そうなると、最低賃金の問題というのが非常に大きな意味を持ってくるということが言えると思います。ですから、第三号の問題だけに特化してしまうと、そういったいろんな問題や世帯の変化の問題が見えてこなくなるので、総合的に変えていって、それがなくてもちゃんとやっていけるように、全部きちんと変えていくと、そういうような立論をした方がいいのではないかと私は思っています。

2:12:50

藤山静君。

2:12:52

ありがとうございました。最低賃金、まだまだですけれども、少しずつ上がってくる。上がってくると、やはり働く時間を調整しながら、いわゆる不要の範囲内に収めるという動きも、これ実際にデータを見ると、上がれば上がるほど労働時間が減っているという実情も見ると、やはりその辺も合わせて考えていかなきゃいけないなということを非常に感じます。そして、保育のサービス、こういったものは、現金、現物、現物給付として、しっかりと保育サービスの充実も合わせて措置していくということの必要性も議論していかなきゃいけないと改めて思います。今の質問に関連して、筒井参考人にもお伺いしたいのですけれども、先ほどのお話を伺っていて、確かにM字カーブが上に上がってきて、だいぶこのくぼみが少なくなってきたと思っていましたけれども、実は結婚した後も女性は非正規雇用になっているということは、改めてほとんど変わっていないんだなということを思い知らされました。その背景として、先ほどから雇用、制度、それから家庭という3つの様々な要因が絡んでいるというお話がありましたけれども、その中で、今の同じ質問をさせていただきたいのですけれども、この就業調整をするということの中で、ある意味、継続就業、正規就業を阻んでいるものとして、こういった制度があるというご指摘もありましたけれども、この辺り見直しの方向について、筒井参考人のご見解をお伺いしたいと思います。

2:14:31

筒井参考人。

2:14:33

そうですね。特に現在の社会保険の壁が、やはり意識されることが多いのはそちらで、配偶者控除に関しましては連続性がありますので、壁という形ではなかなか意識しづらい区間になっていると思います。社会保険に関しては、なかなか直近の手取りにかなり影響があるということで、かなり強い就業調整がかかるという、これは間違いないということです。ですので、やはり壁にあたるものですね、この壁というのは先ほどおっしゃいましたけれども、制度ももちろんあります。だからこれは制度を変える。ただ、他のところの要因も同時に変えていかないと、なかなかそれだけだと問題が解決していかないんですよね。例えば、いくらでも働けるようになるぞというふうになった場合でも、でもやはり家庭責任がまだまだ私にありますからという、家庭の家事分担の壁ももちろんありますし、もう一つ大きいのが、やはり一番最初におっしゃられたような、正規雇用と非正規雇用の圧倒的な賃金格差ですよね。ここが要するに、時給のレベルでの格差になっているんですね。同じ賃金率で短く働くからその分少ないのではなくて、そもそも賃金率が違う。しかも、極端に違う職務をしていない場合でも、同じような仕事をしている場合でも、それでも賃金率が違う。ここ20年ぐらいずっと言われていることとしては、例えばパート労働の女性が機関的な労働に関わりつつある、もう正社員がやってもおかしくないような労働をやっているんだけど、でもやっぱり一定賃金であるというような問題がある。こういった問題も合わせて総合的に解決したところに、女性の継続的な就業、賃金格差の縮小というのがあるというふうな認識をしていく必要があるかなと思います。

2:16:39

藤井萌哉君。

2:16:41

ありがとうございました。労働同一賃金の実現というのは、本当にいろんなところから声が出ていて、何とかその方向に行こうと動いているんですけれども、それなりに、どのような労働をしていくかというのが、今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、 今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、 今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、 今のところ、大きな問題だと思うんですけれども、製造業だったり、建設業なんかもそうだと思いますけれども、ここを、何とか、この問題では日本特有なのか、先ほどの冒頭のお話の中でも、ジョブ型雇用、導入はなかなか難しいというお話がありましたけれども、その難しい壁というのはどこにあるのか、なぜ日本はこういった独特な働き方なのか、そのあたりのご見解をお願いいたします。篤井さん、後任。はい。世界標準の働き方であるジョブ型雇用、 同一労働と同一賃金に近い働き方ですね。こちらが、なぜ日本にだけ根付かなかったのかというのは、 研究者がいろんな研究をしてきて、いろんな成果があるんです。ちょっと時間がありますので、なかなか詳しくは申し上げられないんですが、これを導入した場合、本格的に同一労働と同一賃金、あるいは非正規雇用と非正規雇用の 時給レベルでの格差を縮めていたときに、やはり副作用の問題が一つあるんです。その副作用というのは、要するにディーセントワーク、正規雇用でフルタイムでそれなりの賃金を与える、こういった経営を続けていく企業だけが生き残りなさいとなってしまった場合、どうしても欧米社会のように失業率は増えるんです。増えてしまった失業者を今度は公的に対応する、救うという、こういった二段構えで実現できているのが一点です。日本の場合、働き方改革をやるときに、雇用外の生活保障、雇用されていない方の生活保障をどうするかという議論があわせて議論されないです。これはやはり視野の一つの狭さなんです。社会構造全体で見ると、いろんなものがつながっているところで、実は副作用、日本は実は失業率が比較的低く抑えられているけど、実は働いている人の中では賃金がなかなか上がらなくて、しかも働き方がきつい。じゃあどっちを取りますかというような議論、本当はすべきなんですけど、なかなかそこまで追いついていないというのが大きいかなと思います。もう一点は、やはり同じ職務の方でつながるということです。これは要するに労働組合ですね。この労働組合のあり方が日本では企業別ですよね。これはやはり職種ごとにつながっているような状態があればあるほど、特定の職に就く人の声が強くなりやすいという傾向があります。ですので、実は日本は賃金が上がらない条件というのがなかなかそろってしまっているところがあって、それは欧米と比べたときに職種別のつながり方、組合の作り方とかがちょっと薄いとか、そういったことも実は背景にありますし、アメリカだとどうだというと、非常に個人の発言率が強いんですね。例えば転職活動をやって、他の企業がこれだけお金をくれると言っているから、私は辞めようと思うんだけどどう思うというふうに上司に言って、上司が賃金を上げようかというような、そういった交渉を個人レベルでもやるんですよね。日本の場合、そういうこともやらないし、かといって集団的な賃金交渉の仕組みも、今までは少なくともちょっと弱い時期があったと思うんですよね。若干今は変わりつつあると思うんですけど、そういった仕組みレベルでなかなか賃金が上がらない、そういう社会的な特性があるということは、認識をもうちょっと成熟していく必要があるのかなと感じています。

2:21:02

藤山安優君。

2:21:04

ありがとうございました。続きまして、山口参考人にお聞きしたいと思います。育児休業制度が導入されたのが1991年ですよね。私、就職した翌年だったんですけれども、当初はなかなか女性も育児休業を取りに行く方だし、骨格を見るだったんですが、骨格を見るでさえなかなか取れなかった。そういう中で、やっぱり先輩で、自分が穴を開けたいということで取ってくれた人がいて、そこから少しずつ当たり前のように取れるようになったのかなと思っています。そういう中で、男性もようやく少しずつ増えてきているのかなと思うんですけれども、海外の状況を見ると、この4ページ、5ページですね、取得率はだいぶ違うというところ。これは、参考までに教えていただきたいんですけれども、海外でも入り口はなかなか取りにくかったけれども、今やっとここまで来たんだということなのか。そして、これ5ページ目を見ますと、案外他国の育児休業期間って短いんだなと思うんですけれども、例えば、デンマークなんかは73%すごいと思うけど、上限2週間ぐらいなんで、2週間は少なくともかなりの人が取っているという、そういう見方でいいのか、ちょっと教えてください。

2:22:32

参考人。

2:22:34

はい、ありがとうございます。まず、最初のご質問で、海外では今取得率非常に高いけれど、最初からこうだったのかという点なんですが、全くそんなことはなくてですね、例えば、ノルウェーなんかは、ここにはないんですが、8割9割なんですけれど、当初はですね、3%ぐらいという時期がかなり長く続きました。そういった状況を変えるために、大幅な育休改革を行って、父親だけが取れる期間というのを世界で初めて導入したパパクオータという形で知られているんですが、かつ給付金も100%だったので、会社に行っても家で子育てしてても同じだったと、手に入ってくる所得は変わりがないということになったので、大幅に増えた。大幅に増えたと言っても、最初の50%ぐらいまでしかいかなかったんですね。そこから先に少しずつ上がっていったんですけど、その時のプロセスとして、やっぱり周りの人が取ったから自分も取ろうというので、10年ぐらいかかっていったと。取らなかった理由というのも、周りの目が気になるとか、本当に日本と変わらない状況だったので、彼らの経験というのは大いに参考になると思います。2つ目、デンマーク2週間ということがグラフにはあるんですが、これは男性だけに割り当てられた育休期間ですので、夫婦のどちらかが使っていいというのも、さらにこれに上乗せしてございます。したがって、デンマークでは2週間は最低取って、男性はもっと平均では1ヶ月以上取っているというふうに認識しております。ありがとうございました。日本共産党の山添拓です。参考人の皆さん、今日はありがとうございました。まず、武井さんに伺いたいと思います。女性の賃上げのために、社会的性の強化が必要と指摘をされていました。私も同感です。とりわけ賃金格差の解消という意味では、その1つのステップとして格差の透明化ということが必要かと思います。昨年、女性活躍推進法に基づく公表も始まり、政府はまだ十分分析しているとは言えない状況だと思いますが、分かってきたこともいくつかあるのではないかと思います。この公表の義務付けが始まったもとで言えることと、開示は開示で格差が明らかになるというだけですから、その解消のためにはさらにステップが必要かと思うのですが、そのあたりについてご意見を伺えればと思います。竹野さんに。いいですか。開示されたのは義務化は良かったともちろん思っています。ただ、あまりにも項目等々についても弱いですし、先ほどEUの賃金透明性司令の例を引きましたけれども、どういう場合になるとダメなのか、何をまずいとダメだというふうに言うのかという規定がちゃんとないですし、それがないから、もし違反した場合の罰則もないわけで、強行規定みたいな形にどうしてもならないわけですよね。そうすると開示しとけばいいのかなという、ちょっと異視かもしれませんが、そういうような形になってしまうと、自主的に改善につながらないケースもたくさん出てくるというのが日本の在り方です。それが柔らかくていいんだと見る方もいらっしゃるかもしれませんが、先ほど述べたように、こんなに差があって、しかもそういう格差がある、しかも理由のない差別、差別と言ってもいいようなものがある社会で、やっぱりもっとこれをやっちゃダメなんだというのが見えるような形の開示のさせ方と、それから罰則規定がないとうまく機能しないというふうに考えています。

2:26:36

山添拓君。

2:26:37

強制力、実効性というのが私も必要だと思います。同時にその格差の解消をどのように図っていくかというのは、労使間の交渉や協議によってしか進まないということもあるかと思うんですね。ですので、どのような制度設計をすれば、この格差の透明化からさらに解消というふうに進むかという点も伺いたいと思います。

2:27:05

竹丸参考人。

2:27:07

ありがとうございます。私ちょっと考えているのは、とにかく非常にミクロな感じになってしまいますけど、女性の賃金が上がらないというのの一つに、先ほど、保育士、介護士、介護士ですよね、たくさん進出していけるはずの、しかもニーズも極めて高い、スキルも高い、そういう働き方があまりにもそれに比して安すぎる。それどころか、介護問題では、訪問介護なのに移動時間をカバーするだけの介護報酬がカウントされていないのではないかということが、裁判でも明らかになったりしています。そうすれば、これは業種別に最低賃金を作ったほうがいいんじゃないかと思っています。最低賃金って、こういう状況で労使関係の力が弱いときに、数少ない強行的な規定じゃないですか。最低に上がれば必ず賃金って上がりますよね、どんな人でも。それが、そういった非常に柔軟な仕事について、こんなに低いということを制するためには、業種別でもう少し高いレベルの、スキルに見合った、せめてその資格を持っているならこれぐらいというぐらいの最低賃金制度をつくっていくことが非常に重要で、それが切り札になるかなというふうに思っています。

2:28:27

筒井参考人に今の点にも関わって伺いたいんですが、雇用システムの改革が必要というご指摘に、私もそのとおりだと思いました。とりわけ、労働時間にキャップをかけていく必要があると。労働組合の中には、8時間働けば普通に暮らせる社会にと、こういうスローガンが掲げられて、私たちも選挙の中で訴えることがありますが、場合によっては8時間でも長すぎると。これは家事や育児・介護をやろうと思えば、8時間働いて通勤も含めると長すぎると、こういう視点もあるかと思うんです。ただ、先ほどもお話のあったように、労働時間を短くすれば、それによって賃金が下がってしまう。残業代も払われない。そこで賃金率のアップが必要だというご指摘もそのとおりだと思うのですが、そういう意味では一気に賃上げをしなくてはならないというときに、この方法については、今、竹野具参考人から最低賃金の問題が指摘があり、かつ分野別ということもありました。政治の責任による賃上げというのは、いくつかの手法があり得るのかと思うんですけれども、参考人のご意見も伺えればと思います。賃金率を上げているというのを、いわゆる政治主導で行うということはあり得なくはないですよね。ただ、基本的にはやはり民間企業の意思決定の範囲内であると。特に労働者の間の、雇用されている方の間の声を強くする仕組みをバックアップしていくというのが王道であるというのは、これはもう世界各国共通の認識かなと思います。ですので、その仕組みづくりですね。これはなかなか日本独特の雇用システムにマッチした労働組合の形態になっていますので、そこをどういうふうに変えていくのかというのは、比較的長期的な議論しかできないというところがあります。ですので、賃金を上げていくということに関しては、速攻性のある議論というのはやりにくいのは確かだと思います。ただ、やはりそこで比較的介入しやすいのが最低賃金。これは間違いないと思います。もう一つは、やはりおっしゃっていただいたように、働き方改革が民入りの現象につながってしまうというのが、よく見られる現象です。中には、経営者の方が、うちは働き方改革をやるぞということで、人件費を減らしたいという背後にある理由が実はある、潜んでいることさえあると思います。ただ、そういった動きに関して、見えやすくする、経営のあり方を見えやすくするという仕組みづくりもあるんですけど、一つは、男女賃金格差の縮小とか、共働きのしやすさですよね。こちらの方に重点を当てる必要がある。要するに、若干労働時間が短くなってしまえば、当然その給料が下がるというのは、傾向として圧力がかかるのは当然なんですけど、これが夫妻ともに同等に働けるようになれば、例えば男性1人が800万円を稼ぐより、400万円、400万円という、こちらの方が実は税金のことを考えると若干見入りが増えるぐらいなんですよね。ただ、所得を下げる余地があるとか、そういう議論をしたいのではなくて、とんばたらきによって世帯所得を増やす方策ですよね。こういった道筋もあります。ただ、それでも日本の場合は、どうしてもやっぱり女性が結婚相手として、安心したい男性の給料、賃金というのがどうしても今のところあるんですよね。それは女性の側が、やはり何かあったら辞めるのは私なんじゃないかとか、継続就業の可能性というのは本当に安定して、安心して期待できるものなのかという不安がそこにあるということがあると思うんですよね。ここを解消してあげる。つまり、働こうという意図があれば、何とかフルタイムは続けていけるんだろうという見込みを若い人が持てるぐらいには、働き方改革を進め、当然育児休業も重要になってきますよね。それから制度改革を組み合わせて、出発点として、例えば学卒後、22歳とか3歳の若い人の気持ちになって、そういう人たちが10年後、15年後に、自分は継続して働けることができているんだなという見込みが得られるかどうか、今のところ非常に不安な若い人が多いと思うんですよね。ここを解決してあげるというのが、一つ、賃金率ももちろん大事なんですけど、結局個人にとっては世帯所得というのが大事になってきますよね。そういった意味では重要になってくるのかなと思います。

2:33:38

山添拓君

2:33:39

ありがとうございます。それは、すなわちやはり非正規がこれだけ当たり前になっている状況をこのままにしておいてよいのかということにつながっていくのではないかと思いました。武野参考人にもう一点伺いたいのですが、公務の非正規化、低賃金化という問題もレジュメの中で指摘がありました。例えば国の公務員で言えば、非正規は圧倒的に女性ですし、その非正規の賃金が正規の4割、また非正規の女性の賃金は正規の男性と比べると3割台という結果も出ています。こうした格差というのは女性に対しての間接差別と言うべきかと思いますが、政府は任用は適切に行っている、間接差別の指摘は当たらない、そういう答弁に現状ではとどまっています。この非正規公務員の待遇の改善、女性の賃上げ、雇用の安定化、この点での実態やご提案があれば伺いたいと思います。

2:34:42

武野参考人

2:34:44

おっしゃる通りだと思います。これはやっぱり一番ネックになっているのは短期契約です。それは政府の言い分、この間交渉をやったんですけど、その時に伺うと、住民の方とかそういう人たちに均等に仕事を分けるみたいなことを言ったりですね。つまり、1人をクビにすると代わりの人が来るので、みんなに分けるとか、公正な任用をするためにはみんなに出した方がいいんだみたいなことを言ったりするわけですよね。でもこれは実態とかなり違っていまして、打ち切って人を入れるということは、失業を増やすと同じことなので、実はあまりいいことではないわけです。それから、もっといい人を入れるために公平にするために任期で終わらせるんだということ自体についても、特に公務の場合ってスキルとか熟練とか、住民の方との関係性のつながりとか、とっても大きい、さっきもちょっと申し上げましたが、ですよね。それをコロコロコロコロ変えると、持たなくなってしまって、実は住民の方も公的なところに相談に行っても宛てにならないからみたいな形になりつつある。そういうことを考えますと、一番重要なことは、ずっとあるお仕事は、ちゃんと期限なしで雇うと。財源がないならないで、まず最低限、ある仕事は実態に合わせて期限なしにした上で、中身を交渉していくなり、賃金テーブルを考えるなりしていけばいい話でありまして、声を抑えつけるために短期契約を意図的に導入していくみたいな、そういう労務管理の方法自体が不公正で間違っているのではないかと思いますし、住民にとってもそれは大変なマイナスになると思います。

2:36:26

山添拓君。

2:36:28

ありがとうございます。そのとおりだなと思いながら伺いました。山口参考人に伺いました。男性の育休について、日本の制度は休業の期間も休業の水準も世界トップクラスにもかかわらず実際の取得はなかなか進まないという点で、その原因の一つは、休むと代わりがいない、代替人材の確保ということは先ほども指摘がありました。要するにそれは職場体制の弱さということではないかと思うんです。例えば、今の公務の話で言えば、公務員についてはワークライフバランスのための定員をつけたりもするんですが、一方で定員合理化計画の下で全体は抑制するということもされてきました。この休めない構造ですね。自分が休んだら職場が回らない、本当にそうかどうかは分かりませんが、と思わされるという構造があって、この合理化や効率化の下で、民間も含めてそういう状況を作られていると思うんですね。これを変えていこうと思うと、それは必ずしも経済合理性とは相入れないかもしれないけれども、休める条件を整えていくと、これを職場に求めていくということになるんだと思うんですけれども、そういうあたりをどう折り合いをつけて、前に進めていく上での現場のモチベーションになっていくのか、経営者側のモチベーションになり得るのかというあたりを御指導いただければと思います。

2:38:01

山口参考人

2:38:03

非常に重要な御指摘だと思います。短期的にはコスト削減につながるのかもしれませんが、逆に言うと長期的に見たときに、企業にしても組織の成長につながらないだろうなというふうに感じます。というのも、変わりがいないというのは俗人的な仕事のやり方になっているわけです。育休以外にもいろんな理由で人は離れるざるを得ないことというのはあるわけですね。マネジメントの観点からすると、リスクがとても高いと、マネジメントが全然できていないような状況になっているわけです。そういった状況が、そもそも経済合理的ではないし、生産性も高くないわけです。したがって、たとえ人が抜けても安定して、企業なり組織なりが提供しなければいけないサービスなり製品なりを生み出せるような体制をつくっていくということが、リスク回避上も非常に重要になるわけですし、長期的な企業の成長にもつながるわけです。また、代わりの人がいて育休を安心して取れるような職場だったら、やっぱり今の若い人はそういうところを見るんですね。面接で育休を取れますかということをわざわざ口にする人はいないから、企業の管理職や経営層は、若い人は本当に育休を取りたいと思っているようには見えないんだけど、みたいなことを言われるんですが、実際にアンケートを取ると9割ぐらいは取りたいと言っているんですね。したがって、育休を取れないような会社だと、これはちょっと自分にとっていい会社じゃないなと、あまり自分を大事にしてくれる会社じゃないからということで選ばれなくなってしまうと、最終的にはその企業の長期的な成長にとってもマイナスになるというふうに考えております。

2:39:40

山添拓君。

2:39:42

私たちの生徒もよく考えないといけないなと思いました。どうもありがとうございました。終わります。

2:39:52

船子康彦君。

2:39:54

令和新選組船子康彦でございます。本日は、竹信参考人、山口参考人、篤井参考人、お忙しい中、ありがとうございます。

2:40:15

私はALSという難病で人工呼吸器をつけているため、声を出すことができません。そのため、事前にいただいた資料を元に作成した質問を、パソコンの音声読み上げで質問させていただきます。本日お聞きした内容が反映されていなかったり、またお聞き苦しいところがあるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。

2:40:45

では、質問に移ります。まず、3人の参考人の皆様に、障害当事者の立場からお伺いいたします。

2:40:59

今の雇用、労働施策は、基本的に長時間働ける男性健常者をモデルに作られており、障害や慢性疾患のある人、あるいは子育て家族介護などに携わる人は、周辺に追いやられていると感じています。私も40歳の頃、ALSを発症するまで、消耗者マンとして海外を飛び回り、家事、育児は家族に任せきりでした。

2:41:28

全身麻痺で働けない、それどころか24時間の解除を必要とするというギャップを受け入れるまで非常に大きな葛藤があり、死にたいとばかり考えていた時期もありました。しかし現在、必要な衛療的ケアと解除、コミュニケーション支援を受け、また参議院から合理的配慮を受けて、こうして国会議員として働くことができています。

2:41:57

国会議員は非常に特殊な仕事で、一般化するのは難しいかもしれませんが、多くの障害者も働いて自立したい、社会参加したいと考えています。私のこうした感じ方について、竹信参考人、山口参考人、篤井参考人から一言ずついただければ幸いです。非常に重要なご指摘だと思います。障害をお持ちの方と女性の状況はとても似ています。先ほど何度か指摘していますように、子どもがいると短時間労働になるから有機雇用になれと言われ、そこにちゃんとした同一労働賃金がないために、極端に労働をしないといけないという状況があります。極端に貧困化するような労働条件で働かなくちゃならない。これが今の女性の一般的な状況です。そのために、ケアがないと言われている男性型の働き方の人に非常に依存をしなくちゃいけなくて、そこにDVが発生したりすることさえある。とても人権侵害的な状況になっているということは事実です。

2:43:18

なので、おっしゃったように、様々なシステムがあって、合理的配慮、これは障害のある方だけではないと思います。先ほどの、何で子どもがいるという当たり前のことをちゃんとやっているために配慮してもらえないのかとか、それからどうして成立があるからと言って我慢して働き続けなければいけないのかとか、それを言うと、1年前の労働者がないと言われて、ひどい扱いを受けたりするとか。

2:43:44

それって、その体験は全く重なっていて、そのように日本って標準型の妻がついている男性モデルじゃないとまともに生活できないという、ちょっと異様な事態になっていることに問題があるので、それぞれがちゃんと働ける仕組みに基準を変えるんだというのは、きょう皆さんおっしゃっていることだと思うんですけど、

2:44:07

その基準を変えていく。それが今おっしゃったような、障害のある方もちゃんと働けるということにつながっていくと思いますし、そのためには働けない場合でもいろんなセーフティーネットがあってなんとかなるというような、

2:44:25

セーフティーネットがないとまずいんだということをはっきり分からせるものだと思うんですね。ということで、そのような大転換というか、それが必要な時期に来ている。女性の問題というのは、ほとんどそのためのバリエーションみたいなもんだということを申し上げたいと思います。

2:44:42

山口参考人

2:44:46

船子議員のご指摘のように、長時間労働を前提としており、専業主婦を持つような男性を中心としたような働き方になっており、結果として病気の方、介護をされる方、子育てする方、障害をお持ちの方というのは周辺に追いやられているというご認識はその通りだというふうに感じております。

2:45:11

大前提として、障害があろうが病気であろうが、介護、子育ての責任があるような方が、合理的配慮の下で力を発揮できるような社会にするというのは、人権の問題で大前提だというふうに感じております。その上で、そうした多様性、発泄性のある社会というものには、一定の経済合理性もあるものだというふうに認識しております。

2:45:38

今、少子高齢化で労働力不足が言われていますが、様々な方の力を総動員して、社会の経済の活力を入れていかなければならないというふうに考えています。人によって、いろいろな働き方が必要だったり、助けが必要だったりするわけですが、逆に言えば、配慮をすることによって、その人が真に持つ能力を発揮することができるようになるわけです。

2:46:05

そうすれば、結果的に経済も社会も活性化していくわけですから、人権の問題であるというのが大前提でありつつも、経済合理性も踏まえた方向であるというふうに認識しております。

2:46:19

筒井参考人

2:46:24

私の専門分野は社会学という学問で、特に私は家族社会学を専門にしておりますが、家族社会学でも最近の集中的な議題の一つが、やはりケアなんですね。

2:46:42

これはケアが必要な人、ケアをする人、この2つの集団に関して、特に就業の面で極端に不利になってしまうという、この問題をどういうふうに社会的に解決していくのかというところで、いろいろな議論が交わされているということです。

2:47:07

他方で、ケアが必要な人、これは家族社会学ではよく依存という言葉を使いますが、どうしても身近に集中的なケアをしてくれる人がいないと、なかなか生活が困難になってしまう。

2:47:30

この依存する人、依存者という言い方をしますが、この依存する人という、実は依存と自立というのは相対的な概念なので、実はバリバリ働けるように見えている男性でさえ、どこかでは依存しているんですよね。

2:47:46

基本的に人は誰かに依存している人というのはあるのですが、他方で特に就業に困難を感じるようなケアが必要な人、それからケアをする人というのは、これは実は全ての人にとってそうなる可能性はあるということです。

2:48:07

あらたま健康、いわゆる普通な生活が、日常的な解除が必要なく働けて、しかも家事さえも免除されてしまうような男性がずっと長い間活躍してきた時代があったのですが、それさえも今はおかしい。

2:48:28

ある程度、全ての人がケアを引き受けなければいけないし、場合によっては人生のどこかでケアが必要な人になっていく可能性がある。

2:48:39

そういったことを認識すると、人々が最低限将来に向けて安心した生活を行っていくためには、ケアが必要な人、あるいはケアラーの人への手当てというのを、やはり行政が安心して提供しますから、

2:48:59

人生、どういう状況に入ったとしても、ある程度継続して働けるというメッセージを、どこかで担保しておく必要があるのかなと思います。今のところ、行政というよりはケアは家族に集中しているのが現状です。これは実はどの国もそうです。

2:49:24

どの国も最低限、身近なケアをする人は家族なんだという前提で制度をつくっているのですが、ただケアをする人の負担をどういうふうに減らしていくのかというところで、若干国によって違いがあるということです。

2:49:40

そういった公的な仕組みをつくることによって、ケアに関する不安や困難を取り除いていくことが、例えば若い人にとって将来、ある程度私も安心して暮らしていけるんだなという、なかなか政治家の方もちゃんとやってくれているんだなというような安心感を、

2:50:04

どこかで与えてくれるような行政的な仕組みです。これ、今やはり伝わっていないと思うのです。どうしても不安ばかり感じているところがあるのです。なかなか不安感というのの大きなところは失業なんですが、ケアが必要になった場合に、どれくらい助けてくれるのかということに関しても、

2:50:27

やはり不安を覚えている人が多いと思うんですよね。この不安感をどこまで取り除くことができるのかというのは、社会全体の課題として、特に政治の課題として大きいのではないかと思います。以上です。

2:50:42

佐藤船小康彦君

2:50:45

【船小】ありがとうございます。

2:50:51

次に、筒井参考人、竹信参考人にお伺いいたします。お二人の資料の中で、男女雇用基会金等法は、性別役割分業の上に成り立つ男性の長時間労働を、正社員モデルとして定式化し、かえって女性の非正規雇用を拡大したという指摘がありました。

2:51:19

そして、男性も雇用の調整弁としての派遣、有期雇用という非正規に投げ込まれ、2023年12月の非正規雇用労働者は、男性労働者の23%、女性労働者の54.3%にまで広がっています。このような状況の中で、非正規雇用から正規への転換、失業給付などの社会保障の強化などは当然必要と考えます。

2:51:49

その一方で、賃金格差をなくすために、正規・非正規に関わらず、同一労働・同一賃金・ジョブ型雇用を進める必要があるという意見もあります。この意見に関して、お二人のお考えをお聞かせください。質疑応答【佐藤】私が回答いたします。質問ありがとうございました。正規雇用と非正規雇用の賃金格差の問題。この問題は日本において特に先鋭に現れる。それは、同一類似の職種においても賃金格差を許してしまうような働き方ですよね。こういったところが一つ原因にあるのではないかというのが私の考えで、

2:52:46

日本が国福をするために、同一職種であれば、大体類似の賃金になるという仕組み。これはグローバル基準はそうなっていると思うのですが、こういったものを導入するというのが、一つの道筋ではあるかと思いますが、これは実は先ほど申し上げた副作用に関係するところで、社会全体、割と大きな仕組みを変えるときには必ず副作用が生じるのですよね。

2:53:13

副作用の大きな一つは、やはりジョブ型雇用の社会というのは、特に若年者の失業が高くなるのですよね。日本は実は若年者は非正規雇用化はしているのですが、失業自体はそれほど大きくならないのですよね。ですので、何か問題を解決しようと思えば、どこかで新たな問題が出てくるという、ここが実は社会を豪華する上での非常に困難な課題になるのです。

2:53:41

動いているうちはなかなか動かないので、やはり私は雇用外の生活保障です。ここは例えばいろいろなやり方があるのですが、スウェーデンなどで割とやられているのが、雇用の外にある人に積極的な食糧訓練など、あるいはそれを雇用の世界に戻すようなサポートです。日本ももちろん存在するのですが、支出の規模がまだ少ないのです。

2:54:08

こういったところも併せて、要するに丈夫型、同一労働、同一賃金の社会にしたいといったときに、生じる副作用もちゃんと見据えながら制度改革をやっていくという、これが必要になってくるのではないかと思います。以上です。

2:54:25

武信参考人

2:54:28

今のお話に加えまして、そういったものを実現するためには、やはり働く側といいますか、人々からの地上地圧力や、社会保障強化の圧力が必要であると思います。日本でそれがなかなか進まなかったというのは、企業別でなかなかそれがみんなで横断して一緒にやっていくということができない。企業別って悪くはないところもあるのですが、企業別労働組合が何が大変かというと、自分の働いているところを強化するためにみんな協力してくださいというのが、企業別組合の持ち味なんですよね。だから、パイが全体に広がっていれば、自分のところも広がっていくからいいのですが、そうでもない社会になってくると、うちの企業が潰れたら困るでしょう。だから、君たちも頑張ってくださいねと言って、従業員をむしろ一体化させてしまうというマイナスの効果があるわけです。だけど一方で、企業が横断型になりますと、その壁を越えていますから、

2:55:30

社会全体としてどれだけ働く人の取り分を増やしていくのか、というようなことに視点が向かう。そうなると、当然賃金の上での同一度の同意賃金も必要になってくるし、それが毎日ダメで、クビになったときも、その横断型の労働組合に残ることが理論的には可能です。つまり企業別は、その会社がクビになったら、もうメンバーシップはなくなるので、

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労働組合のメンバーでさえもなくなってしまう。だけど、横断型の組合に属していれば、職種として仮にその会社をクビになっても、その中でまだメンバーとして残っていることが可能になるという仕組みですね。そうなると、国によっては、失業者まで組織しているという組合が出てきていたりしますよね。

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そのような形で、人間は失業したり就職したりするので、必ず働くということとセーフティーネットということが一体になって、それを働く側のためにどのように整備するかという総合的な視点が必要になったときには、企業横断型のネットワークなり労働組合なりが必要になってくるということはあると思います。そういう形にしておけば、仕事を失った人たち、また障害を持ってしまったケース、

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それから子どもがいて働けなかったとか、いろんなケースの人をそれなりに中に組織して、圧力として行使させていくことができる可能性を持っていますので、そのような組織づくりというものを、狭い部の労働組合に限らなくてもいいので、やっていく必要がある。そうしないと声が出てこないということですね。一人で言うのは大変ですけど、集まると声が出るという特性が人間は社会的存在なのでありますから、それを意識した形でのシステムをちゃんと作り直していくことも合わせて必要だということをお話し伺っていて思いました。本日は参考人の皆様から貴重なご意見をいただきありがとうございます。これで質問を終わります。以上で各会派の一畳目の質疑は終了いたしました。他にご発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。皆様には長時間にわたり貴重なご意見をお述べいただき誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。本日はこれにて散会いたします。

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本日はこれにて散会いたします。ありがとうございました。

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