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参議院 資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会

2024年02月14日(水)

3h18m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7752

【発言者】

宮沢洋一(資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会長)

山中伸介(原子力規制委員会委員長)

神谷政幸(自由民主党)

広瀬めぐみ(自由民主党)

鬼木誠(立憲民主・社民)

杉久武(公明党)

河野義博(公明党)

青島健太(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

浜野喜史(国民民主党・新緑風会)

吉良よし子(日本共産党)

1:10

ただいまから、資源・エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。委員の異動について、ご報告いたします。昨日、高橋晴美君及び石田雅宏君が委員を辞任され、その補欠として加藤昭良君及び吉井昭良君が選任されました。原子力とエネルギー・資源・持続可能社会に関する調査を議題といたします。まず、原子力問題に関する件のうち、原子力規制委員会の活動状況について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。

1:47

山中原子力規制委員会委員長

1:51

原子力規制委員会委員長の山中信介でございます。参議院資源・エネルギー・持続可能社会に関する調査会における、御審議に先立ち原子力規制委員会の業務について、御説明申し上げます。まず、本年1月1日に発生いたしました、令和6年野党反党地震後の原子力規制委員会の対応について申し上げます。原子力規制委員会は、地震発生後、直ちに警戒本部を設置し、プラント状況の収集を行い、北陸電力、しか原子力発電所をはじめとする原子力発電所において、必要な安全機能が維持されていることを確認するとともに、記者会見やSNSを通じて情報発信を行いました。今回の地震により、北陸電力しか原子力発電所における一部、変圧器の故障、同原子力発電所周辺の一部モニタリングポストにおける欠塞等の影響が生じましたが、放射性物質の漏洩などはなく、発電所の安全確保に影響のある問題は生じませんでした。原子力規制委員会としては、今後、今回の地震から原子力発電所に影響する新たな知見が得られた場合には、規制への取り入れの要否について適切に判断してまいります。次に、原子力施設に関わる規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた27基の発電用原子炉のうち17基に対して設置変更許可を行いました。また、申請がなされた21基の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、使用済み燃料の再処理施設等について11基の事業変更許可を、試験研究炉等について2基の設置変更承認及び7基の設置変更許可を行いました。発電用原子炉の運転期間延長については、これまでに申請がなされた8基のうち6基に対して認可を行いました。原子炉施設の排出措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して18基の認可を、核燃料施設等に対して9件の認可を行いました。昨年の通常国会で成立した原子炉等規制法の一部改正により創設された長期施設管理計画の認可制度については、昨年10月1日に本格施工に向けた手続きが開始され、申請を受けた審査を開始しております。引き続き同制度に基づく事業者からの認可申請に対する審査を厳選に進めてまいります。また、平成29年に改正された原子炉等規制法に基づき、令和2年4月から原子力検査制度の運用を開始し、事業者のあらゆる安全活動について監視を行っています。東京電力柏崎刈は原子力発電所におけるIDカード不正使用事案及び核物質防護設備の機能の一部創出事案については、核物質防護に取り組む意識の醸成や多様な検知方法による生態認証の導入など、東京電力による改善措置の実施状況やその効果等について確認してまいります。昨年12月、東京電力柏崎刈は原子力発電所の核物質防護の不具合が改善され、東京電力の事実的な改善が見込める状態であることが確認できたことから、原子力規制検査の対応区分を第4区分から第1区分に変更し、追加検査を終了しました。今後は、基本検査の中で、自律的な改善活動が緩みなく一過性のものにならずに行われているかを重点的に確認するなど、核物質防護への取組を監視指導してまいります。これ以外にも、原子力施設等で事故・トラブルが発生した場合は、速やかな現状確認を通じて、今後とも適切に対応してまいります。また、規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的技術的知見、新規制基準に関わる的合性審査の実績等を踏まえ、継続的に改善を図っております。以上のとおり、原子力施設に関する規制が適切に実施できるよう取り組んでおります。第三に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、積極的な監視指導を行うとともに、関係省庁とも連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。令和3年4月13日に正方針が決定された多角種除去設備等処理水、いわゆるアルプス処理水の開用放出については、昨年8月から開用放出が開始され、これまでに3回の放出が行われましたが、原子力規制委員会は、この放出が検査を通じて認可された実施計画に沿って行われていることを確認しております。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAのレビューやモニタリングなどにより、透明性、信頼性の維持にも努めてまいります。東京電力福島第一原子力発電所の事故調査につきましては、放射性物質の移動メカニズム、要油炉心の挙動等の調査分析に関する検討内容について、科学的技術的意見募集の結果も踏まえ、昨年3月に中間的な取りまとめを行いました。今後も調査分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用することも含め、取り組んでまいります。第4に、原子力災害対策及び放射性モニタリングの充実並びに、保障措置について申し上げます。原子力規制委員会では、原子力災害対策指針を踏まえて、昨年5月31日に「工場線被爆線量モニタリング実施マニュアル」を制定し、立地道府県等による当該モニタリングの実施計画の策定を円滑かつ適切に進められるようにいたしました。また、昨年11月1日には、改正された原子力災害対策指針を告示し、沸騰水型計水路の特定重大事故等対処施設等を考慮した緊急時活動レベルへの見直しを行いました。引き続き、原子力災害対策の充実を図ってまいります。放射線モニタリングにつきましては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術的支援等により、緊急時モニタリング体制の充実を図ってきておりますが、のと半島地震を踏まえ、更なる信頼性の向上に取り組んでまいります。また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内のすべての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続してIAEAより得ております。以上、原子力規制委員会の業務についてご説明いたしました。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が回復されるよう、今後とも努力を続けてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。以上で説明の聴取は終わりました。次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。

11:50

上谷雅之君。

11:52

自由民主党の上谷雅之です。本日は質問の機会をいただきありがとうございます。今日の原子力発電への道は、1942年に世界で初めて人工的に原子炉が臨界に達することが、エンリコフェルミンによって実現されたことが大きな一歩になっています。そこに至るまでを遡ると、1895年のビルヘルムレントゲンによるX線の発見が歴史の始まりにあります。現在も使われるレントゲンであることからお分かりいただけるように、医療と放射線技術は密接な関係があります。特に現在では、がん治療において治療と診断を一体化した新しい医療技術であるセラノスティックスが、がんに苦しむ患者さんにとって福音となる可能性があり、期待を集めています。本日は、量子化学技術の未来への可能性も含めて質問させていただきます。まずは、高速実験炉常用の設置変更許可の経緯と現状について伺います。冒頭触れたセラノスティックスに使う医療用ラジオアイソトープの研究を進めるにあたり、試験研究炉の存在は大きな役割を果たすと考えます。先ほどご説明のあった原子力規制委員会の活動状況、こちらの3ページ目右から3、4行目を拝見すると、試験研究炉については7件の設置変更許可を行ったと記載がされています。そしてその中には、茨城県にある常用も含まれるとお聞きをしております。常用は現在運転を停止していると承知しておりますが、今回の設置変更許可に至るまでの経緯と現状について、原子力規制委員会からの説明をお願いいたします。

13:42

原子力規制庁長官官房、近藤審議官

13:46

冒頭大変失礼したいとしました。先ほど今、委員からの御指摘もありましたように、原子力委員会の活動状況、山中委員長の方から報告させていただきまして、その中でも規制基準の審査の状況、許可の状況を説明させていただきました。御指摘の高速実験炉原子炉施設常用につきましては、新規制基準適合のための設置変更許可申請が平成29年3月30日になされまして、昨年ですけれども令和5年7月26日に設置変更を許可しました。また、本年2月7日にですね、先週になりますけれども、この常用については、放射性同位元素の生産、その他研究開発に使用するための設置変更許可申請を受理したところであります。

14:36

上谷正之君。

14:38

はい、ありがとうございます。平成29年3月29日、3月にされたというお話がありまして、これは東日本大震災を経て、新規制基準に対応するために進められたものだというふうに理解をしております。常用に関しては、先ほど、新しく放射性同位元素の話もありましたけれども、研究プラットフォームとしても非常に幅広い期待が寄せられておりまして、2050年にカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略においても、こちらの施設での照射試験による検証が不可欠とされているというふうに聞いております。そのためには安全性が大前提でありますが、今回の許認可、そして今後の工事へと進む中で、次世代を担う原子力人材の育成にもつながっていくことを期待しております。続いて、公立研究開発法人日本原子力研究開発機構、通称JAによる常用でのラジオアイストープ生産のための原子炉設置変更許可申請についてお伺いします。先ほどもう少し触れていただきましたが、ただいまご説明いただいたとおり、申請等があったということで、センツメディア等でも常用の名前を明示したところであります。プレスリリースの内容を確認をしてみますと、令和6年2月7日にJAへより、がん治療への高い効果が期待をされている医療用ラジオアイストープの製造能力の実証に活用する目的で、常用での原子炉設置変更許可申請が原子力規制委員会に提出されたということでありました。先ほども触れていただいたところでありますが、改めてどのような内容か、今後の取扱いと見通しについて、原子力規制委員会より説明をお願いいたします。

16:21

近藤審議官

16:24

委員のご質問にお答え申し上げます。原子力規制委員会は本年2月7日に常用の原子炉設置変更許可申請を受理しております。変更申請の内容でありますけれども、その使用目的について、従来は高速増殖炉の開発といったものだけでありましたけれども、それに一般研究、材料消耗、放射性同位元素の生産を加えて、実験設備としてRI生産用実験装置を加えるものになっております。なお、変更申請書には具体の記載はないのでありますけれども、JAの説明によればですね、ラジウム226をこのRI生産用実験装置に収めまして、常用の炉内で高速中性子束に照射しまして、核変換します。その結果、アクチニウム225の生産などの計画をしているということで、放射性同位元素の生産、その他研究開発に使用すると聞いております。審査においては、変更申請の内容が試験研究用等原子炉による災害の防止上支障がないものとして、原則規制委員会規則で定める基準に適合することを含む法令に定める許可の基準のすべてに適合することを厳選に審査してまいる所存であります。

17:49

上谷雅一君。

17:52

はい、ご説明ありがとうございます。ただ今のご説明の中に出てきたアクチニウムでございますが、アクチニウム225は、骨栓移が全身に広がった、定位性の全立栓癌治療への高い効果が世界中で注目を集めています。2018年のクラットチビルらによる観察研究によれば、全身定位の全立栓癌患者40名に対して、アクチニウム225(PSMA617)を2ヶ月ごとに3回投与した結果として、全立栓癌の診断に使用するマーカーであるPSHが63%の患者において半分以下に低下を示したという報告があり、その効果が期待されているところであります。先ほども厳選な審査というお話がありました通り、安全性が大前提であるな、当然のことでありますので、そのことを踏まえながら、今後の動向をしっかりと注目、周知させていただきたいと思っております。続いて、常用でのアクチニウム225の生産に対する期待について伺います。先ほど例としてお話をしたアクチニウム225が走行した研究観察で行われるような治療法、アルファ線内容療法と呼びます。詳しくご説明をいたしますと、一般的にも知られるように、がんの治療法の一つとして、体の外から放射線を照射する放射線治療があります。近年では、放射線を出す放射性同位元素を組み込んだ薬剤を体内に投与する方法も用いられています。このときに、薬を体の特定の部位、この場合はがん細胞になりますが、そこに送り届ける技術の総称をドラッグデリバリーシステムと言います。これを利用して、がん細胞に選択的に集まる薬剤と、がん細胞を破壊するアルファ線を放出する物質、これを組み合わせた治療薬を患者の体内に投与して、体内からがん細胞を攻撃する新しい治療法がアルファ線内容療法です。これは、体内に広く分散をしたがん細胞など、既存の薬物治療の方法では、治療が困難ながんにも効果があることが知られているため、アルファ線治療薬の早期実用化が期待されています。そのため、アクチニウム225は国際的な獲得競争を激化という状況があります。それも踏まえて、産業育成、新産業創出の面からも、国土が狭く、資源にも乏しい我が国において、知識集約型産業である医薬品開発で知財を確保していくことは重要と考えます。その観点から、常用を用いて医療用ラジオアイスストープ生産が可能になることによって、国際社会において我が国がどのように優位に立つことが期待できるのか、文部科学省にお尋ねします。

20:42

文部科学省大臣官房 林審議官

20:46

お答え申し上げます。高速実験路常用は、運転再開に向けた取組を進めており、昨年7月、原子力規制委員会において運転再開の前提となる設置変更許可が決定され、現在は令和8年度半ばの運転再開を目指し、安全対策工事等を進めているところです。ご指摘の点について、常用が運転を再開した場合、OECD諸国で運転を行う唯一の高速路となることから、アクチュニウム225を大量に製造できる利点を持つ高速路を活用した製造手法の研究開発を世界に先駆けて行うことができると考えております。文部科学省としては、常用のできる限り早期の運転再開に向けて、原子力機構が地元のご理解も得た上で、しっかりと対応するよう指導・監督を行うとともに、アクチュニウム225の製造実証を含む常用を活用した研究開発に取り組んでいきたいと考えております。

21:47

神谷雅一君。

21:50

ありがとうございます。丁寧な説明で、地元の理解もしっかりと得て進めていただきたいと思います。また今、世界に先駆けてというお話がありました。岸田総理大臣は、昨年の第211回通常国会、また第212回臨時国会、いずれの演説においても、日本初、世界初のイノベーションの事例として、薬品開発について触れています。常用を用いて、アクニチウム225が2026年度までに製造実証が可能となれば、OECD諸国の中でも高い注目を集めるとともに、医療用ラジオアイソトープの国産化、利用推進にも大きな弾みとなることが期待できると思います。それを踏まえて、次の質問に移ります。次に、医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランのフォローアップについて伺います。2023年6月に閣議決定をされた、いわゆる骨太の方針には、「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランに基づく利用を推進すること」が記載されています。このアクションプランでは、先ほど申し上げたアクチニウム225に関しては、2026年度までに製造実証、また、アスタチン211については、2028年度をめどに、薬品としての有用性を示すとの記載があります。先ほどの質問では、文科省よりご答弁をいただきましたが、原子力政策は内閣府が担当されております。また、医薬品としての研究開発段階では厚生労働省が関わってくるなど、関係省庁が非常に多岐にわたっていると思います。これを着実にしっかりと前に進めていくためには、きめ細やかな進捗の確保をしながら、必要な支援を行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。政府参考人より答弁を求めます。医療用ラジオアイソトープの製造利用にあたっては、基礎研究から非臨床研究に至る様々なフェーズの研究に加え、製造供給も含めたサプライズ支援全体に関する多様なステークホルダーが関与しております。そのため、原子力政策の方向性を示す立場になる原子力委員会が、リーダーシップをもって諸課題の解決に向けた検討を進めていくことが必要であると認識しているところであります。これらを踏まえまして、原子力委員会では、令和4年5月に「医療用等ラジオアイソトープ製造利用促進アクションプラン」を決定しまして、今後10年間に実現すべき目標を定めた次第であります。本アクションプランのフォローアップについては、原子力委員会においても大変重要であると認識をしておりまして、毎年、関係省庁等の取組をフォローアップすることとしています。その際、進捗状況を確認するのみならず、随時必要な方策について検討をして、関係省庁等に示してまいりたく考えている次第です。

24:51

神谷雅一君

24:54

ありがとうございます。今、非常に多くのステークソルダーが関与しているというお話がありました。まさに、そういった様々な場所が関与しているからこそ、これはしっかりと同じ方向性を見て、適宜必要な課題に関しては解決をしていくことが必要だと思います。そのためには、一つの方向性を向いていく。そのためには、やはり定期的にその内容を確認をして、かつ、この目的が国民にとってどういったメリットがあるのか、そのことを共有をして、確認をして、理解をして進めていくことが必要だと思いますので、フォローアップに関して重要で毎年確認をしていくことを考えているというお話でしたので、これはしっかりと毎年実施をしていただきたいと思います。これまで、アクチニウム225について触れてきましたが、アスタチン211も、工場洗害や悪性化粛細胞種の治療に大変期待が高い医療用ラジオアイストープであります。我が国の基礎研究の成果が世界をリードしているというふうにもお聞きをしております。アスタチンは様々な化合物や抗体への凝縮が可能であり、幅広いがん種の治療薬となることが期待されています。そのアスタチンに関する研究論文が今、世界中で増加している状況でありますが、日本からの論文が全世界の50%以上を占めているという現状があり、また世界で行われている4つの臨床研究のうち、2つが日本の大学で実施されていることなのが、この分野における日本のリーダーシップを強く示していると思います。これから更なる発展が期待されるラジオセラノスティックスの分野で、我が国がしっかりと存在感を示すこと、そして見つけにくく薬を届けにくいがんに苦しむ患者さんに一日も早く治療方法の選択肢が増えることを願い、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

27:10

広瀬恵美君

27:13

本日は原子力規制委員会の活動につき、ご協力いただきましてありがとうございました。私の質問は若干一般的なものが多いと思うんですが、よろしくお願いをいたします。エネルギーをめぐる世界の情勢を見ると、脱炭素化及び省エネ導入が加速しているものの、化石燃料の需要が高く、2030年においても世界全体のエネルギー供給の73%を占める見通しとのことです。これは日本でも同様であり、脱炭素化を早急に進めていかなければなりません。ただ、世界の情勢からすると、いつ何時化石燃料や天然ガスなどの供給がストップするかわからない状況であることは、ロシアのウクライナ侵攻などからも明らかであり、今後の日本のエネルギー政策においては、安全保障に最も注力しなくてはならないこともまた事実だと思っております。国のエネルギー保障をコストをかけずに、大量の電気を確保するには、やはり原子力を利用する必要があると思っております。そして、私が配布した資料なんですが、これの1ページ目を見ていただければ、世界の国々においても同様の考え方のもと、原子力利用を将来的に増やす予定の国々の方が、はるかに多いことがわかります。将来的に利用を続けていく予定の国は44カ国でございます。また、2ページ目を見ていただければ、運転機関の延長や新規の建設によって、原子力活用の動きが加速化していることもわかります。ただ、原子力は安全性確保の上で大きな問題があることは、これもまた明らかでございますので、まずは安全性を確保しなければならない。そこで、改めて政府参考人にお聞きしますが、原子力利用において最も大きな危険、懸念、心配は何でしょうか。

29:15

原子力規制庁大島原子力規制部長。

29:19

お答え申し上げます。一般論として申し上げれば、安全機能である原子炉を止める、冷やす、放射性物質を閉じ込めるといった対策が機能しない場合には、炉心が損傷し、炉心要油に至る可能性があり、それに至った場合には、環境中に放射性物質が放出されることで、人体や環境に対して放射線の影響が生じる事態が考えられるところでございます。

29:46

広瀬萌実君。

29:48

どうもありがとうございました。確認の質問でございました。さて、今のような危険のお話の通り、福島原発については大きな爆発が起きて大変な事態となりました。私が提出しました資料3ページ目を見ていただければ、その概要が明らかでございます。その損害は非常に大きなものであり、避難に伴う損害、運送に伴う損害、農林水産物や食品の出荷規制などに伴う損害、風評被害など、今もなお続いております。このような事故を二度と起こしてはいけない。そのために私たちは何度でもその原因を確かめなくてはならないと思っております。そこで改めて政府参考人にお聞きいたします。先ほど様々な危険性についてお聞きしましたが、福島原発の事故の一番大きな原因はどこにあったのでしょうか。

30:50

原子力規制庁長官官房佐藤核物質放射線総括審議官

30:56

お答えいたします。ただ今ご質問のありました福島原子力発電所事故の大きな要因は何かということで、2つ、直接的原因と根本的原因について答弁させていただきたいと思います。まず東京電力福島第一原子力発電所において、大きな事故に至った要因として炉心揺油に至ったことがございます。その直接的な原因は津波により全ての交流電源が喪失し、原子炉を冷却する機能を失ったことであると認識しております。また事故の根本的原因につきましては、事故後に国会に設置されたいわゆる東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、いわゆる国会事故庁といいますけれども、こちらが公表した報告書においては、事故当時の規制当局が専門性において事業者に劣後していたことなどから、いわゆる事業者の虜となり原子力安全について監視監督機能が崩壊していたものが指摘されているものと承知しております。

32:08

広瀬女神君。

32:10

ありがとうございました。技術面とそれから組織面で問題があったというお話かと思いますが、今はその技術の面でもそして組織の面でも様々に強靭化に取り組まれていることと思います。原子力規制委員会では、夏には佐賀県を訪れて、玄海原子力発電所の現地視察を行われており、九州電力や地元の方々と意見交換をされたり、今年の1月中旬にも、小永原子力発電所に関する地元関係者と事業者との意見交換を行われたりしておりますし、昨年末にも、柏崎刈場原子力発電所の現地調査を行われて、各セキュリティに関する追加調査や東京電力の的確性判断の再確認調査などをされて、発電所職員の方々との意見交換、各物質防護措置の状況などの調査もされていると伺っております。もちろん、野党半島地震に関しても、市下、原子力発電所の電源確保や、使用済み核燃料の冷却に問題がない旨の報告を北陸電力から受けるなどして、事業者による施設故障の原因究明や復旧の状況などを検査、もしくは確認するなどして、安全性チェックに余念がないところだと思います。これらの安全を支えるための方策はとても重要だと思いますが、現在行われている安全対策、そして強靱化対策について、原子力規制委員会にお聞きします。

33:45

山中委員長

33:51

お答えいたします。国会事故調査の報告書で指摘をされました事故の根源的な原因、すなわち規制当局が事業者の取り子になっていたという反省を踏まえまして、原子力利用の安全確保に関する事務を推進当局から独立した規制当局として一元的になるべく原子力規制委員会が設置されました。その規制委員会では、東京電力福島第一原子力発電所事故の深い反省の上に新規制基準を定め、従来よりも厳しい基準への適合を求めております。その中で、事故の可能性をゼロと考えるのではなく、事故が起こり得るという前提の下、新規制基準では重大事故の防止とその影響を緩和するための手段や、大規模損壊による影響を緩和するための手段も求めております。具体的には、地震・津波等の自然減少の基準を強化し、その条件のもとでも電源や原子炉の冷却機能等の安全機能が損なわないことを求めております。それに加え、安全機能が損失した場合の炉心損傷や格納容器の破損を防止するための重大事故対策や、原子炉施設が大規模に損壊した場合の大規模損壊対策を求めております。原子力規制委員会としては、あのような事故を二度と起こさないために、原子力に100%の安全はないということを肝に銘じながら、科学的技術的な知見に基づく厳正な規制や、規制の継続的な改善に取り組んでまいりたいと考えております。

35:54

広瀬恵美君。

35:57

様々な防衛策というか、策を講じていらっしゃるということが分かりましたが、今後マグニチュード7クラスの首都直下地震の発生確率というのは、今後30年間で70%といったことが言われることもございます。もし首都直下地震が起きた場合に備えて、原子力規制委員会ではどのような取り組みをされているのか教えていただきたいと思います。資料の4ページ目にウェブサイトの方を挙げさせていただきました。よろしくお願いいたします。

36:29

原子力規制庁金子次長。

36:33

首都直下地震への備えですが、原子力規制委員会では、いつ起こるかもわからない首都直下地震に備えまして、地震が発生したとしても原子力施設の監視が継続できるように、原子力規制委員会業務継続計画、いわゆるBCPを策定しております。原子力規制委員会のオフィスが入る建物は、震度7相当の地震に耐える構造です。建物内の緊急時対応センターには、停電に備えた非常用電源も設けております。またご紹介のありましたように、資料の中にあります情報収集共有に用いる通信手段の多重化、多様化を図るとともに、委員や職員の参集、安否確認、さらには万が一、本庁庁舎が使用できない場合にも代替する情報収集拠点の切り替え、こうしたことの手順を整備して、日頃から訓練を行っております。この訓練の結果なども踏まえて、さらに首都直下地震に備えた対策を充実していく考えでございます。どうもありがとうございました。これだけやったから安心ということはないのでしょうから、どうぞよろしくお願いいたします。様々お聞きしてきましたが、大規模な電力を安価に確保できる原子力は、エネルギー安全保障のために絶対必要だと考えております。一方で、その危険も大きく、国民の皆様の信頼と安心のためには、しっかり安全対策に取り組んでいることを広報し、国民の皆様の理解と信頼を得る必要があると思っております。広報については、お手元に配布しました資料の5ページ目を見ていただきますと、男性と女性で原子力利用に対するアプローチが異なるという面白い文献を見つけました。男性はマイナス情報でますますマイナス思考に、女性はプラス情報でますますプラス思考に、ということが書いてありますが、国では現在、原子力の危険性及びその危険への対策として何を行っているのか、また、エネルギー安全保障の必要性などについて、どのような広報を行っているのかを経済産業省にお聞きいたします。

38:43

資源・エネルギー庁 久米電力ガス事業部長

38:47

お答え申し上げます。ただいまご紹介いただきました内容の論文があることは存じ上げてございます。一般論として、情報に接した場合にプラス面により注目する方とマイナス面により注目する方、双方の場合があるものというふうに考えております。そうした点も念頭に、原子力に関する情報発信に際しては、原子力のメリットやリスクも含め、様々なテーマに関して、科学的根拠や客観的事実に基づき、受け手のニーズも想定しながら、より伝わりやすくなるような工夫を重ねてまいります。また、性別や年齢などが異なる多様な受け手がいることを念頭に、全国での対話型説明会の開催、紙面、動画、ホームページなど、多様な手段を通じた情報発信にも取り組んでまいります。これまでも、エネルギーの基礎知識が分かりやすく学べる資源エネルギー庁の特設ページの開設や、エネルギー情勢を分かりやすく説明する動画の配信、東京・大阪の鉄道各線で、日本のエネルギー自給率やエネルギーミックスの重要性などを含むエネルギー情勢に関する交通広告の配信などの取り組みを行っております。今後とも、多様な手段を通じ原子力の必要性や意義などについて、国民の皆様に丁寧な説明を尽くし、幅広いご理解が得られるよう、粘りよく取り組んでまいります。

40:12

広瀬 萌実君

40:14

最後の質問になります。原子力とジェンダーの問題についてお聞きしたいと思います。日本はジェンダーギャンプが大きく、女性の社会進出が遅れているということは、よく指摘されるところでございます。大学教授、政治家、経営者などにおける女性の割合が日本はとても低く、特に原子力研究となると、さらに女性の割合が下がっているという記事を見つけました。これは資料の6ページ目から配布させていただいております。すべての分野にダイバーシティをというのが全世界的な傾向であり、良いところもあれば、そうでないところもあると思っておりますが、とはいえ、広く人材を活用することで組織が強靭になり、その活動が安定するという側面は否めないと思っております。理系女という言葉の通り、一般的には理系の女性、工学ガールズという言葉もあり、理系の女性を増やしていこうという社会のコンセンサスもございます。そこで、原子力の世界でも、ぜひ国力の充実、そして強靭化という観点から女性活用を進めていただきたいと思います。社会の女性に、女性の原子力に対するイメージがプラスに変わるということも考えられると思います。ぜひ効果的な広報にもお願いを申し上げたいと思いますが、現状の取り組みについて文科省にお聞きしたいと思います。

41:41

林審議官

41:44

お答え申し上げます。先生のご指摘については、例えば学生数で見ると、原子力工学に区分する、所属する学生のうち、女性の割合は1割弱と、かなり少ないということを承知してございます。そもそも日本においては、原子力に関わらず、理系分野において女性の割合が少なく、その理由としては、将来像が描きにくい、理系選択に関する偏った見方がある、高等学校段階での理系離れなど、様々な課題があると認識しております。また、OECD NEAにおける調査によると、女性が原子力分野に進出しづらい特有の課題として、原子力分野における指導的地位にある女性の知名度の低さ、女性リーダーの不足、緊急時対応やシフト勤務などの仕事が女性に優しくない、こういった要因も挙げられているところでございます。我が国の原子力分野においては、女性のみならず、原子力分野全体の人材確保が大きな課題と認識しております。文科省においては、産学官が連携した横断的な教育研究機能を有する人材育成コンソーシアムの構築や、原子力分野におけるキャリアパスを提示し、興味を持ってもらうための高校生向けのイベントを開催する等の取り組みを行っているところです。引き続き、先生のご指摘も踏まえつつ、女性も含めた原子力人材の確保に向けた取り組みをしっかりと行ってまいります。

43:11

広瀬女神君。

43:12

ぜひ、よろしくお願いいたします。時間が来ましたので、私の質問は終わります。

43:55

尾道貴誠君

43:57

立憲民主社民の尾道貴誠でございます。まず、野党半島で、地震でお亡くなりになって皆さんに、心から御悔やみを申し上げますとともに、一切押された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。また、発災直後から、まさに昼夜を分かたず、現地で救助・救援、そして復旧・復興に当たっていらっしゃる皆さんの献身的な取組に敬意を表したいと思います。これまで、私たちは多くの災害を経験してまいりました。とりわけ阪神淡路、そして東日本大震災は、それまでの私たちの災害に対する意識でございますとか、災害対策のありようというものを大きく変える、極めて大きな体験・経験ではなかったかというふうに思っています。これらの経験から学び、改善を加えることで、より良い状況を作り出したこともたくさんある。ただ、学びながらも、まだまだ改善が追いついていないこともたくさんある。そのことを、野党反動自身は浮き彫りにした明らかにしたのではないかというふうに思っています。意識の変化という点を捉えると、私たちは地震の速報に接するたびに、津波の有無、危険性について敏感にその情報を得ようとするようになりました。津波は大丈夫かという思いで速報に接するようになりました。もう一つは、原子力施設の被災が大丈夫か、発電所は大丈夫か、この二つの思いです。東日本大震災の経験、そして教訓を、私たちは決して忘れてはならないというふうに思いますし、この経験や教訓をどう生かすのかということが、このエネルギー政策の議論の根底になければならないというふうに思っています。福島の復旧復興は、未だ道半ばでございます。そして福島第一原発の事故は、決して過去の災害ではなくて、現在進行形の災害であるというふうに私は捉えています。そのことを胸に刻み、エネルギー政策の議論を真摯に行ってまいりたいというふうに考えています。そこで、この元半島地震に関わりまして、明らかになった、あるいは再認識、再確認をした原子力発電所に関わる課題について、まずいくつかお尋ねをしたいというふうに思います。冒頭の山中委員長のご報告の中でも触れられたところでございますけれども、この元半島地震の地権の原子力災害対策指針への反映という点について、この元半島地震は最大震度7、非常に大きな揺れが観測をされています。いくつかの断層が150キロに及び連動したというふうに言われている。京都大学の防災研究所が発表した解析結果によれば、2つの大きな地震が13秒差で発生をした。そのことがマグニチュード7.6という大規模な地震になったというふうな分析もなされているようです。今回の地震のメカニズムについては、これから詳細な研究が進められるというふうに思いますけれども、今回のような活断層の連動のあり方、あるいは瞬間的には地震加速度が3000ガル近くになったことなど、まさにこれまでとは想定できないような事態が元半島で起きたというふうに捉えているところでございます。規制委員会としても1月10日に今回の地震の地権を収集するように、今日の冒頭のご報告でもありました規制庁に指示を出されて、原発の地震基準値振動との関係、あるいは専門家の研究結果や意見も踏まえて、しっかりと分析を行っていただきたいというふうに思いますし、今後の原発の規制や安全対策に反映をしていただきたいというふうに思っています。規制委員会としても同様の問題意識から地権の収集等について指示を出されたものというふうに思っておりますが、まず山中委員長のご認識、ご見解をお聞かせください。

47:51

山中委員長。

47:54

お答えいたします。委員御指摘のとおり、1月10日の原子力規制委員会において、原子力規制庁に対して、令和6年の野党反党地震の地権の収集を行うようにとの指示を行いました。しか原子力発電所2号機については、現在敷地及び敷地周辺の断層についての審査を行っているところでございます。今回の地震による地権を追加的に考慮して、厳正な審査を行ってまいります。また、他の発電所につきましても、集められた地権について、規制に取り入れる必要があるかどうか、また、必要があるとすればどのように取り入れていくべきかについて、原子力規制委員会において議論をし、検討・判断していくことになると考えております。

48:50

尾道誠君。

48:52

ありがとうございました。ぜひよろしくお願い申し上げます。次に、具体的にモニタリングポストの不具合についてでございます。これも冒頭のご報告の中でありましたが、報道によりますと、四日原発周辺に設置をされたモニタリングポスト116台のうち18台が欠損をしたというようなことで報道がなされています。モニタリングポストの欠損というものは、避難の用費を決める際の判断の材料となる線量の数値が把握できないという事態を生んでしまう。特に原発近くのモニタリングポストが計測不能となると、より深刻な問題が生じる可能性がある。周辺住民にとっては非常に大きな課題だ、問題だというふうに捉えています。仮に欠損が発生した場合の手段として、その代替案として航空機やドローンを利用する、あるいはモニタリングカーを利用する、とと山中委員長が記者会見で回答をなさっているところでございました。ただ、重大な地震があるいは大きな地震が発生をした際に、本当に航空機でございますとか、モニタリングカーを出すことができるだろうか、特に測応性の課題がある、あるいは道路の状況等の課題がある。かなり厳しい側面があるのではないかと思いますし、操縦士や運転手の方々についてもやはり危険が及ぶリスクがあるというふうにも思っています。さらにはいずれの方法も短時間あるいは瞬間の値を計測するということになって、定点的な観測というのは無理なんですね。難しいのではないかというふうにも思っています。改めて詳細な検討がこのモニタリングポストの欠損状況が生じた際の対応のあり方についてなされるものというふうに思いますけれども、今段階での御考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。

50:45

山中委員長。

50:48

お答えいたします。委員御指摘のように、石川県及び富山県にはモニタリングポストが116局設置されております。通信の不具合等により最大18局で測定が確認できない状況となりました。しかしその後徐々に普及をして、現在は全ての箇所において測定が行われる体制に復帰しております。モニタリングポストが欠損した場合には、下半型モニタリングポストの設置や航空機モニタリングの実施等、代替手段を講じることとしております。今回も下半型モニタリングポストの設置や、ドローンを含めた航空機モニタリングの準備を行っておりました。その上で、令和6年のノット半島地震を踏まえ、新たな通信技術の開発導入といった通信の信頼性向上や、下半型ドローンに搭載可能な高型測定機能開発導入など、放射線モニタリングの多様化を現在進めているところでございます。

52:01

尾道孝君

52:03

ぜひよろしくお願いをしたいと思います。大きな地震はいつどこで起こるかわからない。技術開発であるとか代替案については、より現実的で実行可能なものをすぐにでも確定していく必要があると思いますので、引き続きの御努力をお願いしたいと思います。次に、変圧器の破損についてでございます。今回の地震で、地下原発の3系統5回線ある送電線のうち、外部電源を受電する変圧器の故障などにより、1系統2回線が使えない状況になっているというような報道がございました。地下原発につきましては、減少が停止をしておりますので、直ちに問題にはならなかったというふうに事態を捉えているところでございますけれども、例えば冷却プール内の燃料が高温である場合に、変圧器などの電気系統のすべてが故障したら、かなり危険な状況になったのではないかというふうにも思っているところでございます。仮に変圧器のすべてが壊れた場合、冷却プールでの燃料の冷却に支障が生じるなど、原発の安全性にどのような影響があるのか、御教授をいただければと思います。山中委員長 お答えいたします。外部電源は、遠方の他の発電所から電線路等を経由して供給されるものでございます。庁大な電線路等のすべてに高い信頼性を確保することは不可能であることから、新規制基準ではすべての外部電源を喪失した場合にも、必要な安全機能を維持できるよう対策を取ることを求めております。具体的には耐震性が確保された非常用ディーゼル発電機により、必要な電力を供給できること。さらに万が一、非常用ディーゼル発電機が使用できなくなる場合に備えて、他の発電機や電源車等により事故対処に必要な電力が確保できるようになっていることを審査において確認しております。このため、仮に外部の電源が喪失したといたしましても、原子力発電所の安全確保に影響はないと考えております。なお、北陸電力四日原子力発電所では、今回の地震発生の直後においても、外部電源5回線のうち2回線から充電し、1回線を予備として待機させる体制が維持されており、さらに非常用ディーゼル発電機は1号機が3台、2号機は2台が待機中。各種電源車についても、合計6台が使用可能な状態にございます。

54:56

尾道誠君。

54:59

福島の事故を受けて、電源につきましては、お答えあったように多重化、多様化を図ってこられたというものと受け止めさせていただきたいと思いますが、もう一点、この電源の問題で、1月10日の規制委員会の議論の中で、尾仁方の委員から外部電源を喪失するということは想定をされているが、今回のように、サイト内の設備の不具合によって受電ができないということは、多分想定していなかったのではないかというような指摘がなされているというふうにお聞きをしています。申し上げましたように、電源の多重化、多様化は図ってきたということでございますけれども、今回のような事態についても想定をされた上での検討が加えられてきたのか、という点について重ねてお尋ねをしたいと思います。

55:44

山中委員長。

55:46

お答えいたします。新規制基準におきましては、外部電源の喪失としては、敷地外での送電トラブルだけでなく、敷地内部での設備の故障によって、外部から受電できなくなる場合も当然想定されているところでございます。東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえまして、重要なことは、外部電源によらずとも原子力発電所の安全機能が維持できるようにすることであると考えています。そのため、新規制基準では、発電所の敷地内で多重性、多様性を確保し、及び独立性を持たせた非常用電源設備を設置することを求めております。今回の四日原子力発電所でも、外部電源以外にも必要な非常用の電源設備が確保されていたと承知しております。

56:47

以上、小草委員長。

56:49

ありがとうございました。今回の指標については、ご対応あったように、東日本福島第一原発の事故を踏まえて検討を加えられてきた、その成果が、外部電源の複数、多重化、多様化という点で確保されたものと受け止めさせていただきたいと思います。他の原子力発電所省においても、同様にしっかりした基準に則った安全確認を行っていただくことを重ねてお願いをしておきたいと思います。ひとつだけこれ気になるのがですね、この四日原発の変圧器の問題や欠損の問題等について、例えばこの変圧器の配管の破損に伴う油が流出をしました、あるいは電源を喪失しましたということについて、電力会社が当初発表したものというのがかなり過小なものだったというようなことがあったんですね。報道によると情報伝達に疎後があったということで、後ほど訂正をされているわけですけれども、これやっぱり重大事故時に情報伝達に疎後があった、誤った情報がルフされる、拡散されるということになると、本当に危険な状況、厳しい状況になるのではないかというふうに思っています。取り返しのない事態を生みかねない、そのことについては指摘をしておきたいというふうに思います。次に避難計画に関わってでございます。原発立地自治体については原子力災害時の避難計画を策定をしている、地下庁の避難計画を見ますと、重大避難の手段として災害の状況に応じて主に自家用車をはじめとする車両、会場交通手段などが挙げられているところでございます。ただ今回の地震では、先ほども触れましたけれども、住宅の損壊、倒壊、それから道路も地割れ、隆起、土砂崩れで寸断をされる、港も使えないという状況になった。実際に原発事故が起こってしまった場合には、計画通りには避難できてなかったのではないかというふうに思わざるを得ない、そういう状況が明らかになった。本来私は各自治体の避難計画については、規制庁が審査する必要があるのではないかというふうに思っているところでございますけれども、今回の地震を踏まえて、地下庁に限らず、他の原発立地自治体においても、避難計画の検証、あるいは再検討が必要ではないかと思いますが、この点について、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

59:14

内閣府大臣官房、森下審議官。

59:18

お答え申し上げます。原発の立地地域ごとに国と自治体が一緒になりまして、避難計画を含む地域の緊急時の対応の計画というのを取りまとめてきております。そして、取りまとめを行った地域におきましては、地域の実情を踏まえて、既に大規模な自然災害と原子力災害との複合災害を想定しております。具体的に申し上げれば、避難道を複数経路設定する、そして適宜代替経路を設けるとか、陸路が制限されるような場合には、道路警戒に着手しつつ、回路避難や空路避難を考える。また、必要に応じて屋内退避をするというようなことで安全を尽くす。さらに予定どおりいかないというような場合には、警察、消防、海上保安庁、自衛隊といった実動組織が住民避難の支援を実施するというようなことを計画に取りまとめてきております。ですけれども、原子力防災の巣内に終わりはありませんので、今回の地震を通じて得られた教訓などを踏まえて、原子力防災体制の充実強化を図り、原子力災害対応の実効性向上にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

1:00:28

小西孟斗君。

1:00:30

ぜひよろしくお願い申し上げます。加えて、野党反動地震では、高齢者あるいは障害を持つ方の避難の困難さというものも、改めて浮き彫りになったというふうに思っています。自ら避難することが困難な高齢者や障害者等の避難行動要支援者については、2013年の災害対策基本法改正により、名簿の作成が市町村の義務とされ、そして21年の同法改正で、避難行動要支援者について、個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされています。併せて、この改正時に、自然災害に加えて原子力災害も想定をした個別避難計画の作成等も行うべきとして、2021年6月、内閣府から関係同府県に対して原子力災害に係る個別避難計画の策定等に当たっての留意点について、このような通知も発出をされているところでございます。21年5月、国の避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針では、優先度の高い避難行動要支援者について、個別避難計画の作成目標として、おおむね5年程度、2026年度までに作成に取り組むと掲げられているところでございますけれども、昨年の11月、内閣府防災担当による個別避難計画策定のフォローアップにおいて、全基礎自治体1741のうち1474団体が策定済み、または一部策定済み。石川県においては、全部策定済みは一自治体、一部策定済みが15市町村、鈴、中野と穴水は今年度中に着手予定と回答がなされていたというふうに捉えた、聞いているところでございます。そこでですね、全国の状況なんですけれども、他の道府県の原発立地自治体、そして原発周辺自治体、これらの原子力災害対策重点区域、原発から5キロ圏のPAZ、そしてその外側30キロUPZの対象自治体での個別避難計画の作成状況について、お教えいただきたいというふうに思います。

1:02:40

森下審議官。

1:02:44

お答え申し上げます。原発立地地域のPAZ、UPZ、5キロ、30キロ圏内の自治体は全部で135ございます。そのうち個別避難計画の策定状況、これは令和5年10月現在のものでございますけれども、策定に着手している市町村は121団体、未着手の市町村は14団体となっております。なお既に緊急事態を取りまとめて地域についてでございますけれども、避難行動用支援者に対して避難行動の支援を行う体制が整備されており、特に支援者がいない避難行動用支援者につきましては、自治体や消防団等が協力して避難行動を支援する体制としております。

1:03:26

尾道誠君。

1:03:28

ありがとうございました。まだまだ策定が進んでいないところもあるというふうなご報告だったというふうに思います。併せて関連で言いますかね、重ねてお聞きをしたいんですけれども、先ほどご紹介をした取組支進のところでは、個別避難計画の作成に関する留意事項の一つに、計画作成の業務には本人の状況等をよく把握をし、信頼関係も期待できる福祉専門職の参画が極めて重要ということが記されている。この福祉専門職の位置づけと言いますかね、役割というのは非常に重要だなというふうに私自身も思っています。個別避難計画の作成は急務であるというふうに思うんですけれども、留意事項にあるような福祉専門職の参画が困難な自治体もひょっとしたらあるのではないかと。このような自治体に対しまして、計画の作成に関して、国としてどのような支援を行ってきたのかということも含めてお答えをいただければと思います。

1:04:24

内閣府大臣官房 上村審議官。

1:04:28

災害対策基本法の改正によりまして、その作成が努力義務化された令和3年度から個別避難計画の作成に必要な経費について、地方交付税措置を講じております。また、市町村における取組を支援するため、内閣府におきまして、個別避難計画の作成手順などを明示しました取組針や手引きを示すとともに、ケアマネージャー等の福祉専門職、また、他のご協力いただけるような方々の参画を得た取組など、有料事例を全国展開するためのモデル事業を実施し、横展開を図っております。また、実際に計画作成の経験があります市町村職員を派遣して、同じ職員の目線から助言を行うということで、計画作りにつなげるサポータ派遣などに取り組んでおります。今後ともこうした取組を着実に実施し、関係省庁、また都道府県と連携を図りつつ、市町村の個別避難計画の作成支援に努めてまいります。

1:05:29

小池晃君

1:05:30

ぜひ力を入れていただきたいというふうに思いますし、自治体単独では難しいところ、事例の報告であるとか、経験した職員の方の派遣とか、とてもいい取組だと思うんです。ぜひ強化をいただきたいというふうに思います。関連しまして、柏崎刈輪についてお尋ねをしたいというふうに思います。これも冒頭の委員長のご報告の中でも触れていただいたところでございますけれども、現在、埼玉道に向けた住民説明会などが行われているところ。ただ、ここまでもやっぱり避難計画というところについて大丈夫かなというふうに思うんです。大雪による車の立ち往生などが想定されるのではないか、避難ルートの確保の課題などが、もう既に指摘をされているところでございます。新潟県内の個別避難計画の策定状況を見てみますと、23年度に策定に着手となっているのが、狩庵村も含めて5町村。24年度以降に策定が着手、策定に着手が1市となっており、先ほど指摘をさせていただいた、野党反党自身の実態を踏まえた避難計画の見直し等に着手をするとしたら、まだまだ自治体の皆さんについて、これから作業を、あるいはこれからしっかりもう一度見直しをしていく、具体的なものについて再検討を行っていくという考えの方もいらっしゃるかもしれません。いずれにしても、避難道路の確保、避難計画の策定、そして避難計画の見直しが十分でないところについては、再検証した上で見直しを行っていく、等々の作業が満たす性であれば、地元の皆さんの理解を得るというのは困難ではないか、再稼働を進める環境はまだまだ整っていないのではないか、というふうに捉えているところでございますけれども、この点につきまして、ご見解があればお聞かせをいただきたいと思います。お答え申し上げます。柏崎・刈日地域については、関係省庁や関係自治体が参加する「柏崎刈日地域原子力防災協議会」の枠組みの下、地域の避難計画を含む緊急事態予防の取りまとめに向けた検討が進められていると承知しております。地域の避難計画や、ご指摘のありました個別避難計画の作成に努めるものとされている避難行動要請者への対応を含む緊急事態予防については、今回の地震を通じて得られた教訓等を踏まえながら、その取りまとめに向けて取り組んでまいります。その上で、地元の理解を得られるよう、国が全面に立って、原子力の必要性や異議、避難行動要請者への対応を含む原子力防災体制等について、丁寧に説明してまいります。

1:08:03

尾道真琴君。

1:08:05

ありがとうございました。これもぜひしっかりお願いいたしたいと思います。次に、福島第一原発の廃炉について、その作業の進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。昨年の3月、福島第一原発1号機へロボットによる調査が行われました。原子炉内部の詳細な状況が初めて明らかになった、映像で明らかになった。そして、原子炉を支えるコンクリート製の台座が一時的に損傷しているということもまた明らかになりました。この問題に対しまして、5月24日の規制委員会で議論がなされて、敷地外に放射性物質が飛散するケースも想定をして対策を検討するように、東電に指示が出されたものというふうに考えています。規制委員会、この一連の議論の中で、規制委員会の委員の皆さんから、東電の見解は楽観的ではないかというような指摘もあったというふうにお伺いしているところでございますけれども、この課題問題に対します対策対応がどのように検討され、現状どうなっているのかということについて教えていただきたいと思います。

1:09:09

山中委員長。

1:09:12

お答えいたします。ご指摘のございました、1号機のペデスタルの損傷を踏まえまして、原子力規制委員会は昨年5月にペデスタルの指示機能が喪失した場合の放射性ダストによる環境への影響及び対策と圧力容器、格納容器への構造上の影響について評価検討することを東京電力に指示いたしました。昨年7月にはその評価検討の結果を受けまして、ペデスタルの指示機能喪失による環境への放射性ダストの放出の影響は十分に小さいことを確認しております。加えまして、地震発生時には放射性物質の放出を抑制するために格納容器への窒素封入を停止するという対策が東京電力により捉えることも確認いたしております。また、構造上の影響評価につきましては、昨年10月に原子力規制庁が行いましたペデスタルの損傷により圧力容器等が一体となって転倒し原子炉建屋へ衝突するという極端な過程の下での評価においても、原子炉建屋全体としての構造健全性は維持できることを確認しております。原子炉規制委員会としては、今後1号機原子炉建屋上部に地震系を設置するなど、原子炉建屋の剛性の変化など健全性を適切に監視していくよう、東京電力に支持しているところでございます。引き続き、東京電力を厳正に指導してまいります。小西誠君 ありがとうございました。先ほども質問の中で触れましたけれども、東電の見解は楽観的というような指摘が委員会の議論の中でなされる。僕はやっぱりこれ、あってはならないことだと思うんですよね。とりわけ、福島第一原発の廃炉に関わって、東電は絶対に楽観的であってはならない。当時の報道にこういうのがあるんです。事態を過小評価をしたり、不都合な事実から目を背けるようなことがあってはならない、というようなことが新聞で報道されている、指摘をされている。僕、このとおりだというふうに思っています。ぜひ、改めて東電にはそのことを肝に銘じていただきたいというふうに思っているところでございます。検討対策が遅れれば遅れるほど、そして楽観的に事態を捉えれば捉えるほど、そしてことを過小に評価をすればするほど、先ほどもご指摘をしたように重大な事態につながりかねない。その強い危機意識を持って、東電には継続した対応をお願いをしたいというふうに思っておりますけれども、東電としてのご見解をぜひお願いいたします。

1:12:18

東京電力ホルディング株式会社代表執行役副社長山口参考人

1:12:25

東京電力ホルディングスの山口でございます。当社の福島第一原子力発電所の事故によりまして、今もなお地域の皆様、そして広く社会の皆様に多大なるご心配とご負担をおかけしていますこと、改めまして心より深くお詫びを申し上げます。お答えいたします。先ほど委員長の方からもございましたけれども、我々委員長、委員長というか規制委員会のご指示に基づきまして、しっかりと対策をしていきたいというふうに考えてございます。一方で、福島第一原子力発電所におきましては、昨年10月25日に発生をいたしました増設アルプス建屋内の配管洗浄作業における協力企業作業員の身体汚染、それから本年2月7日には、敷地内での放射性物質を含む水漏れにつきまして、地域や社会の皆様にご心配をおかけしており、お詫びを申し上げます。当社といたしましては、廃炉・汚染水対策を安全かつ着実に進めていくにあたりまして、リスク低減に向けた安全対策の取組や作業状況等について、地元をはじめ、広く社会の皆様にご理解を賜れるよう、しっかりとお伝えし進めていくことが重要と考えてございます。今後も燃料デブリの取り出しをはじめ、前例のない難しい作業が控えてございます。決してスケジュールありきではなく、安全最優先で廃炉を進め、地元の皆様の安心につなげてまいりたい、このように考えてございます。

1:13:54

小倉貴史君

1:13:56

ありがとうございます。デブリの取り出しの関係についても後ほど少しお聞きをしたいと思いますが、ぜひ安全の位置という点についてはよろしくお願いをしたいと思います。次の質問でございます。2月7日、福島第一原発汚染水の除染設備の排液が漏れたというような報道がなされました。これ、当電が発表されました。漏えい量は約5.5トンというふうに試算をされている。建屋外に漏れ出ている。地中に染み込んだ可能性もあるというような中身でございました。昨年の10月には、排液が飛散をして、作業員2人の方が被爆をする、一時入院をするという事故がありました。それから、昨年の8月、処理済みの水を移送するホースに亀裂が入って漏れ出すというような事も確かあったように思っています。お訴えしたいのは、短い期間に繰り返し事故が起こっているということなんです。アルプス処理水の放出期間は30年程度というふうになっている。ただ、30年はあくまで目処ですよね。廃炉の作業が続く限り、汚染水というのは出続けるわけですから、処理はずっと続けなければならない。逆に言うと、廃炉が長引くほど、海洋放出ということも長引いてしまうのではないかと思っている。それだけ長期間の間、本当に安全にこの作業を続けることができるのかということに、今回の事故も含めて、昨年の事故も含めて、かなり疑念をお持ちの方がいらっしゃるのではないかと思うんです。汚染水の処理がしっかりなされるというふうに、今、疑念をお持ちの方、到底そうは思えないというふうにお考えになっている方、その方に対して、しっかりした説明や考え、ご見解をお示しいただきたいと思います。いかがでしょうか。

1:15:48

吉田経済産業大臣政務官

1:15:51

お答え申し上げます。議員お指摘のとおり、ハルプス処理水の海洋放出が開始された昨年8月以降、昨年10月25日に洗浄水が作業員に飛散をした身体汚染の事案、昨年12月11日に原子炉建屋での作業で、作業員の顔に放射性物質が付着をした事案、ご紹介ありました、今年2月7日に高温焼却炉、建屋壁面の排気配管から、法令報告の対象となる水漏れが発生した事案、3件が発生をしております。経済産業省といたしましては、福島第一原発の廃炉作業について、東京電力に対し、安全確保に万全を期するとともに、分かりやすい情報発信を徹底していくように指導をしているところでございます。いずれの事案も、ハルプス処理水の放出作業とは関係がなく、ハルプス処理水の海洋放出については、設備点検や放出する処理水が規制基準を満たすことの確認などのプロセスを経て実施をしており、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも、最後の一滴までハルプス処理水の処分が完了するまで、政府として全責任を持って取り組むものでございます。引き続き、東京電力に対しても、最大限の緊張感を持って、ハルプス処理水の海洋放出を含む廃炉作業の安全確保に万全を期すよう指導してまいる所存でございます。

1:17:31

尾道誠君。

1:17:33

ありがとうございました。政府として全責任を持つと、当たり前のことですね。当たり前のことです。その上で、先ほど言ったように、既に起こってしまっている事故ということがあるわけですから、今後事故が絶対に起こらない、起こりないというような、安心につなげるような対応対策ということについて、しっかり、住民の皆さんにお伝えしていただくということについても重ねてお願いをしたいというふうに思います。もう一点は、デブリンの取り出しについてでございます。今年の1月25日、今年3月中に解消する予定だった計画の延期が発表されました。これで3度目の延期となります。ロボットアームの開発改良に時間がかかったということで、当初は21年中からの実施というものがなっていたものが、どんどんどんどん後ろに倒されてきているという状況だというふうに思います。計画の信頼性の懸念というのは、実は昨年の秋から指摘をされていたんですよね。いずれにしても、今回延期になった、3月中に解消する予定だった計画の延期になったということについて、その経緯、そして現状について教えていただきたいと思います。

1:18:38

経済産業省大臣官房 湯本原子力事故災害対象審議官

1:18:45

お答え申し上げます。東京電力福島第一原発2号機におけます燃料デブリンの試験的取り出しにつきましては、先月からロボットアームの投入に必要な貫通口内の空間を確保すべく、堆積物の除去作業を開始したところでございます。まずは低圧水を使って除去作業を行っておりましたが、下の方の下部の堆積物、あるいはケーブル等が動いていないという状況を確認しております。また、ロボットアームの開発につきましては、実規模試験の結果から、原子炉格納容器内に設けますアクセスルートの構築に時間を要するということが確認されたところでございます。また、引き続き信頼性を向上するための確認試験も予定しております。こうした状況を踏まえまして、先月早期かつ確実に燃料デブリンの正常把握を行うという目的のもと、まずは、過去に使用実績があり、貫通口内の堆積物が完全に除去しきれていなくても投入可能な伸縮式、いわゆるテレスコ式の装置を活用することといたしました。その着手時期について、遅くとも2024年10月頃を見込むという旨を東京電力から表明したものと承知しております。燃料デブリンの取り出しは、技術的に難易度の高い作業でございまして、安全確保を第一に、着実に進めていくことが重要と考えております。経済産業省としては、廃炉作業の進捗状況を確認しながら、安全かつ確実に進めるよう、東京電力を引き続き指導してまいります。

1:20:17

小西誠君。

1:20:19

ありがとうございました。ちょっと時間が厳しくなってきたので、一問飛ばさせていただきたいと思いますけれども、先ほどもお話をしましたように、新しい広報で今ご説明あった、報道では吊り座横状の装置を使ってというような報道が出されていますよね。この広報で、今年の10月というような目処も示されているようでございます。ただ、これについても、やっぱり本当に大丈夫かというふうに捉えていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるんじゃないかと率直に思っているんですね。これまでも何度も後ろ倒しされてきた。今回もまた3度目の延期がされた。そして10月という新しい目標が定められたけれども、確たる根拠があるものなどだろうか、希望的な目標程度ではないかというふうに受け止めていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるんではないかというふうに思うんです。お答えがあったように、僕は安全性や確実性を最優先すべきであるということについて、異論があるわけではないんです。ぜひそれは最優先をしてほしいというふうに思っているんです。ただ一方で、3度目の計画延期という事態が、当初の21年からの実施というような目標設定そのものが、極めて幸運拠に乏しいものだったのではないかという受け止めにつながっている。何回も何回も延期をすることで、最初の21年という数字は大体何だったのさというような受け止めにつながっているということは、これはぜひ受け止めていただきたいというふうに思いますし、同じように、同様に2051年の廃炉完了目標ということについても、信頼性に乏しい数字じゃないかというふうに受け止められているということについて、これはぜひお伝えをしておきたいというふうに思っています。率直に申し上げまして、燃料デブリの取り出しにつきましては、現時点ではゴールどころかスタートすら見えない状況である。にもかかわらず、51年の廃炉完了年度については影響がない。それはやっぱり説得力ないなというふうに思わざるを得ない。逆に不審に不審を重ねることにつながるのではないかという懸念危惧を持っているということ、そのこともお伝えをしておきたいというふうに思っています。その上で中長期ロードマップのあり方についてなんです。先ほど言ったように中長期ロードマップはずっと後ろ倒しをされていってですね、年次目標というのが後ろに後ろに倒れていっている、そういう印象を持っています。そういう意味でいくと、当初示された目標年次がやっぱり先ほど言った根拠のある年次目標だったのか数字だったのかというような信頼性の問題というのは、もう既に損なわれているのではないか。一印く低下をしているのではないかというふうに思っている。改めて現状の認識に立った上で、単にロードマップに示された年次を後ろに後ろに持っていくだけではなくて、この間得た知見、それから8歳から10年以上経過をした今日の現状実情、そして技術的な到達点などを踏まえて、ロードマップの検証や総括を真摯に行っていく、課題を明らかにしていく、その克服に向けてどう進んでいくのか、そういうことを改めて示していくことが重要ではないか。国民、そしてとりわけ福島の皆さんに対する誠実な対応ではないか。そして廃炉作業の信頼を回復することにつながるのではないかというふうに思っています。このロードマップの再検証あるいは総括という点について、ご見解があればお聞かせいただきたいと思います。

1:23:50

吉田政務官

1:23:52

お答え申し上げます。東京電力福島第一原発の廃炉は、まず世界的にも前例がなく技術的難易度が高い取組でございます。この点、国が定めた中長期ロードマップ、今ご指摘でございますけれども、基づき取組が進めておるところでございます。具体的には汚染水対策については、汚染水発生量が1日あたり約90立方メートルまで低減をしております。また、使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、3号機及び4号機で完了をしております。さらに、燃料デブリの取り出しについては、遅くとも2024年10月頃を見込む2号機での試験的取り出し着手に向け、今準備作業を進めているところでございまして、一歩一歩進めているところもございます。ただ一方で、現場の状況などにより、燃料デブリの試験的取り出しなどの当初の予定よりも実施が遅れていることも事実でございます。こうした進捗につきましては、廃炉、汚染水、処理水対策、福島、表記会などにおいて、地元の方々にも丁寧にご説明を申し上げるところでもございまして、引き続き世界の英知を結集しつつ、国も前面に立ち、地域の皆様などへの丁寧な説明も行いながら、合わせて安全、活に、着実に進めてまいりたく存じます。

1:25:25

終わりに、今、とおく、誠君。

1:25:27

時間が参りました。しっかりした対応を重ねてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

1:26:10

公明党の杉兆崇です。本日は、原子力問題に関しまして、通告に従いまして、順次質問してまいりたいと思います。まず、本年1月1日に発生しました令和6年の野党反党地震から1ヶ月半が経過しました。先週の党庁裁決定会でも哀悼の誠を捧げましたが、改めて犠牲となられた方々に悔やみを申し上げますとともに、記載された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、厳しい寒さの中、復旧に御尽力いただいております関係者の皆様に深く感謝を申し上げ、一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。さて、この野党反党地震で最大震度7を観測した滋賀町には、現在稼働停止中でございますが、北陸電力の滋賀原子力発電所がございます。既に他の委員の質問にもございましたが、幸いにして大地震にもかかわらず、滋賀原発では安全を脅かすような被害ではなかったものと承知をしておりますが、他方で、地震直後より、原発では様々なトラブルや混乱が起きていたとの報道がございました。そこで、まず原子力規制庁に質問いたしますが、今般の野党反党地震によって、滋賀原発で発生した被害について確認をするとともに、これら被害が滋賀原発の安全性にどの程度影響を与えたと考えておられるのか確認をしたいと思います。

1:27:44

原子力規制庁長官官房小金谷緊急事態対策官

1:27:49

お答え申し上げます。今回の地震による北陸電力、滋賀原子力発電所への影響といたしましては、電源でございますが、変圧器の故障がございまして、外部電源5回線あるうちの2回線を充電できなくなったということがございました。また、使用済み燃料プールでございますけれども、こちらからも一斉が発生したというような事象がございました。ただし、電源、それから使用済み燃料の冷却といった必要な安全機能は維持されているということでございまして、原子力発電所の安全に影響を及ぼすような問題は生じていないということでございます。

1:28:28

杉久武君

1:28:30

はい、ありがとうございます。地震による被害は、滋賀原発の安全性を脅かすにはいたらなかったということでございますけれども、他方、そういった原発に対しての知識のない素人の私どもにとっては、例えば、非常用のディーゼル発電機が自動停止したとか、変圧器が故障したと聞いても、それだけを聞くと不安になるだけでございまして、私たちの生活にどの程度影響を及ぼす可能性があるのか、正直よくわからない部分もございます。客観的事実につきましては、単に専門的な文言を連ねるのではなく、それをわかりやすく説明する工夫を行う。例えば、既に佐野委員の質問にもございましたが、先週、福島第一原発の汚染水浄化装置から、セシウムやストロンチウムなど、220億ベクレルの放射性物質を含んだ水が漏れたとの報道がございましたけれども、では、この220億ベクレルのセシウムやストロンチウムがどのくらい危険で有害なのか。事業者であり、行政であり、庶民の目線を常に意識した情報発信の努力を行うべきであると思いますが、一連の報道を見るにつき、いまだに発信者の発信側と受け手のニーズには、相当な水があるのではないかというふうに私は感じております。特に、福陸電力について言えば、さらにそれ以前の話として、情報の正確性そのものに混乱があったことは極めて問題でありまして、結果として、福陸電力が原子力を扱うに足る能力があるのかという疑念さえ、生じる欠陥になってしまったのではないかというふうに考えております。また、地震後、四日原発に関するデマや不安をあおる情報が、SNS等で多数流れたことも、やはり初動の時点で、的確な情報提供ができなかったゆえではないかと、いわば二次災害ではないかという指摘もせざるを得ません。そこで、原子力規制委員長にお伺いをしたいのですけれども、地震後の四日原発に関する福陸電力の混乱について、例えば、被害状況の省略や被害状況の収集体制、社内での連絡やチェック体制、公表に至るプロセスについて、どのような認識をお持ちなのかお伺いするとともに、また、原発で事故等が発生した場合の、事業者や行政からの情報発信の仕方について、難解で専門的な文言を連ねるだけでなく、国民に理解できるような情報発信についても、心がけていくべきであると考えますが、こちらは、経産省も併せて答弁をいただきたいと思います。規制委員長、経産省の順番で、ご答弁いただければと思います。

1:31:19

山中委員長。

1:31:22

お答えいたします。今回のような緊急時には、状況は時々刻々変化するものでございます。こうした中で、事業者から正確な情報が発信されることもあり得ると思います。その上で、正確な情報が得られれば、直ちに訂正したり、状況が落ち着いた後に、より正確な情報収集に努めたりすることが重要であると考えております。今回の地震発生直後には、北陸電力から原子力規制委員会に対し、いくつかの細かい点については、正確な情報が伝わらなかったこともございました。しかしながら、原子力発電所の安全を確認する上で重要となる、止める、冷やす、閉じ込めるに関係する情報については、正確かつ速やかに伝わってきたと考えております。また、原子力規制委員会としては、発災当日の1月1日に2度にわたり記者会見を行ったほか、その後もホームページやSNSを通じて、原子力発電所の安全確保に影響のある問題は生じていないことを発信してまいりました。さらに、今月8日には、地震発生以来、ノート半島地震に関して発信してきた情報を分かりやすく整理したページを、原子力規制委員会のホームページに作成し、公開したところでございます。今回の経験を踏まえまして、原子力規制委員会としても、引き続き分かりやすい情報発信に努めるとともに、発信の仕方についての継続的な改善に取り組んでまいりたいと考えております。

1:33:14

久米電力ガス事業部長

1:33:17

国陸電力からの情報発信のうち、一部の内容につきましては、対外的な説明を行った後に、訂正が行われたというふうに承知をしております。これは、情報発信にあたって迅速性が求められる中で、同社内の関係者間での適切な情報連携や十分な精査・検討がなされなかったことが原因である、というふうに国陸電力は聞いております。国陸電力においては、高い緊張感を持って安全さ優先で万全の対応を行うとともに、情報発信については、今回のことを教訓に、同様のことは繰り返されないよう改善を重ねていただきたいと考えております。経済産業省としても、国陸電力に対して、過急的速やかに信頼できる情報を丁寧に発信することを徹底するよう指導してきております。また、電気事業連合会に対しても、国民へのわかりやすい情報発信が重要であるという旨を伝えてきておりまして、国陸電力や電気事業連合会においては、今般の地震による発電所への影響や、国民の皆様から寄せられるような様々な疑問に対する事実関係等を伝える特設サイトの設置やSNSでの発信等が行われてきていると承知しております。今後も国民に対するわかりやすい情報発信提供がなされるよう、取り組みを促してまいりたいと考えております。

1:34:35

佐藤杉日貞君

1:34:37

【杉】大地震への対応の困難さはあったにせよですね。それでもなお、国陸電力の対応は3.11の教訓が十分に活かされていないと言われても仕方がないのではないかというふうに思います。原発を扱うということに対して、事業者は日々真摯に緊張感を持って、あらゆる可能性、あらゆる対処法について検討し改善していただくとともに、今回の有様教訓として、国民目線に立った情報発信について、事業者また行政ともによくよく検討していただきたいと強く要望しておきたいと思います。それでは次に、原発の部品供給について質問したいと思いますが、3.11以降、原発の需要が急減したことに伴い、原発を支える企業の撤退が相次いでいるとの指摘がございます。加えて3.11から間もなく13年が経過し、技術者の高齢化も相まって、原発の安全性に関わる部品の製造や供給が滞りかねない状況が生じているのではないかといった懸念もありまして、これらが事実であるとすれば大変憂慮すべき事態であることは言うまでもございません。そこで経産省に質問いたしますが、東日本大震災以降、原子力関連事業から撤退した企業はどの程度あるのかを確認するとともに、原発に必要な部品の製造や供給体制の現状、及び原子力施設を安全に管理運営するために必要なサプライチェーンの維持について、どのような対策を講じているのかお伺いしたいと思います。

1:36:08

米電力ガス事業部長

1:36:11

お答え申し上げます。東日本大震災以降、原子力関連事業から撤退した企業でございますけれども、例えば、日本電気工業界のアンケート調査結果として、東日本大震災以降、2020年までに20社が撤退したというデータがあると承知しております。このように、我が国では高いレベルの技術・人材・産業基盤を維持してきたものの、震災以降、長きにわたる建設機械の喪失で、原子力産業の基盤が脅かされつつあると認識しております。原子力発電所を安全に管理・運営するためにも、原子力サプライチェーンの維持・強化は大変重要であると認識しております。2023年3月には、関連する企業・団体からなる原子力サプライチェーンプラットフォームを立ち上げまして、研究開発や技能実習、技術・技能の生計などをサポートする支援メニューを、全国400社の原子力関係企業に展開しております。加えて、今年度の原子力産業基盤支援に対する予算額は18億円だったところ、来年度予算案では58億円に増額して計上させていただいております。今後もサプライチェーンの実態に即した支援の強化に、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

1:37:29

杉佐竹君

1:37:31

原発に必要な部品は、強い放射線や高温下での耐久性が求められるなど、非常に特殊かつ高度な性能が要求されます。部品の不足で直ちに事故が起こるような状況にはないと思いますが、このまま放置すれば、いずれは何らかの問題が生じかねませんので、サプライチェーンの維持についても、今後十分な検討を進めていただきたいと思います。次に、原発に関わる技術者・人材の確保という観点から質問をしたいと思いますが、私はこの人材確保につきまして、ちょうど10年前に経済産業委員会で取り上げましたが、当時、原子力関係の学科を持っていた3つの大学について、その志願者数や合格者数、入学者数が東日本大震災の発災前と発災後でどのように変化をしたのか、文部科学省に確認をしたところであります。その結果、3.11前の2010年、平成22年度における原子力関係学科への志願者数は541名、合格者数は248名、入学者数は134名であったのに対しまして、震災から2年後の2013年、平成25年度には志願者数が震災前に比べ17%減の447名、合格者数は10%減の224名、そして入学者数は35%減少して87名となっておりました。また、原子力関係企業への就職状況については、日本原子力産業協会が公表したデータによりますと、震災前の2010年度における就職説明会への参加企業は65社で、参加学生は1903名であったのに対しまして、震災後の2013年度における参加企業数は、震災前と比べて43%減の37社、参加学生に至っては78%減となる420名となっておりまして、原発事故のインパクトが人材確保に多大な影響をおぼしたことが明らかになりました。そこで文科省に質問いたしますけれども、現在、原子力関係学科を設置している大学数及び学科数と入学者数、そして学生の就職について確認をするとともに、原子力研究分野における学生の人材確保や人材育成に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。

1:40:04

林審議官

1:40:07

お答え申し上げます。令和5年度時点において、名称に原子という単語が含まれる原子力関係学科は、3大学に3学科設置されております。また、原子力関係学科への入学者数は69名であり、近年は減少傾向が続いております。また、原子力関係企業への就職状況については、文部科学省では調査を行っておりませんが、一般社団法人日本原子力産業協会が主催している原子力関係企業の合同就職説明会への令和5年度の参加学生数は430名、出展企業数は延べ85社となっております。こうした状況を踏まえ、文部科学省では、原子力分野の人材確保に向け、3学科が連携した横断的な教育研究機能を有する人材育成コンソーシアムを構築を推進するとともに、原子力に関する教育研究基盤の確保に取り組んでおります。引き続き、関係機関とも連携し、原子力の利用と安全を支える幅広い分野における人材育成をしっかりと進めてまいります。

1:41:14

杉久崎君

1:41:16

今の御答弁にもあったとおり、厳しい状況が明らかにとなっておりますけれども、原子力に携わる人材の枯渇は、原発を安全に保つ人材の枯渇であるだけでなく、原発を廃炉にする、壊すときの必要な人材の枯渇でもございます。しかし、人材育成は一朝一夕にできるものではありません。廃炉にする、しないといった議論以前の話として、継続的な人材確保と技術力、ノウハウの継承を簡単なく進めるための対策を講じるべきであると、改めて指摘をさせていただきたいと思います。その上で一つ確認をしたいのですが、現在、京都大学と近畿大学の二つの大学には、実験や研究に用いられる原子炉がございます。3.11以降、原子力規制委員会が施行した新基準によりまして、商業用原発に加え、これら二つの大学が保有しております研究用原子炉の安全性も審査することになり、大学が所有する原子炉の運転も停止となりました。私は10年前の質問の際にも、これらの研究炉の再稼働の見通しについて確認をしたところでございますけれども、その後、これら研究炉につきましては、出力の高い炉につきましては、原子力規制庁による科学的、技術的な観点から適切な審査を経て再稼働がなされ、あるいは出力の低い炉については、仮に事故が発生したとしても、その影響が非常に小さいことに鑑み、研究の継続性に資するよう、規制庁には大変柔軟な対応をいただいたというように理解をしております。そこで文部科学省に質問いたしますけれども、大学が保有する研究用原子炉の現状について確認するとともに、研究炉の今後の課題、特に老朽化した研究炉の配炉方法や後継機の導入について、国としてどのように考えているのか確認をしたいと思います。

1:43:12

林審議官

1:43:14

お答え申し上げます。現在、大学が保有する試験研究炉については、京都大学のKURとKUCA、近畿大学の近畿大学炉の3つのみとなっており、我が国における試験研究炉の数は減少傾向にあります。また、国内の試験研究炉の多くが施設の高経年化や新規制基準への対応等により、既に配炉の方針が取られており、我が国での原子力に関する教育研究を行う上での極めて重要な課題になっていると考えております。このような状況を踏まえ、文部科学省としては、福井県に新たな試験研究炉を設置するということにしておりますけれども、この試験研究炉に係る検討、日本原子力研究機構が有する施設の様々な利活用、さらには、産学官の連携により、我が国全体における原子力の基盤の維持、これにしっかりとお取り組んでもあります。

1:44:09

杉潔君

1:44:11

放射線を扱う研究は、がんの治療や品種改良、非破壊検査や排ガス処理など、あらゆる分野で活用されております。しかしながら、原子力技術の衰退や専門的賃財の枯渇は深みつつありますので、繰り返しになりますけれども、原発の是非とは別に、社会生活の向上に資する原子力技術や製造力、蓄積された貴重なノウハウにつきましては、決して失ってはならないということを強く申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

1:44:48

(質問を終わらせていただきます)

1:45:14

川野由紀君

1:45:19

公明党の川野由紀です。山中委員長にお越しいただいておりますので、順番を入れ替えまして、最初に委員長に伺いたいと思います。昨年5月にGX脱炭素電源法が成立いたしまして、原則40年、最長60年という原子炉の運転機関の枠組みは維持しながらも、事業者にとって預けんしがたい理由が発生した定期式機関に限りましては、60年の運転機関のカウントから除くということを可能にする法改正を行いまして、運転機関から運転機関が60年を超える運転の可能性が開かれたわけであります。この改正に合わせまして、原子力自動車が運転開始から30年を超えて運転しようとする場合には、10年以内ごとに、設備の劣化に関する技術的な評価を行い、長期施設管理計画を定めまして、原子力規制委員会の認可を受ける制度が原子炉等規制法に設けられることになりました。この法律のGX脱炭素電源法の成立を受けまして、新たな規制制度へと移行することから、原子力委員会は昨年10月1日より、電力会社が30年を超えて原子炉を動かす場合に必要となる審査の受付を開始しました。そして、昨年12月には、関西電力が大井原子力発電所3・4号機の長期施設管理計画を策定し、認可申請を行いまして、規制委員会は、先週6日にその審査を開始したものと承知しております。新たな規制制度においても、原子力規制委員会の下で、高経年化した発電用原子炉に対する審査・検査は厳格に行われることにより、安全性は確保されるものと認識しております。一方で、東京電力福島第一原子力発電所の事故後に策定された新規制基準への適合性審査も従来通り進める必要があります。そこで委員長に伺いたいのですが、新たな規制制度の下で、長期施設管理計画の審査は現在どのように行われているのでしょうか。また、新制度への移行期には、長期施設管理契約の審査等、新規制基準の対応検査の双方への対応が求められ、審査体制の整備なども当然必要になってくるかと思います。このような課題にどのように取り組まれるか、御見解をお伺いします。

1:47:56

山中委員長

1:47:59

お答えいたします。運転開始から30年を超える発電用原子力施設について、新制度への移行後も運転を継続する場合には、経過措置期間である来年の6月までに、長期施設管理計画の認可を受ける必要がございます。委員から御指摘のように、既に関西電力大井発電所3号及び4号の申請を昨年12月に受理しております。公開の審査会合での審査を2月6日に開始したところでございます。従来から行っております新規制基準適合性審査についても、審査プロセスの改善のための取組を継続的に行っているところでございますけれども、長期施設管理計画認可申請の審査については、昨年11月の規制委員会において、これまで既に認可をした後継年化技術評価等における劣化評価の確認内容を活用し、合理的な審査を行う方針とすることを了承したところでございます。また、体制面におきましても、来年度から新たに後継年化の審査を担当する管理職を設置する準備を行うなど、必要な審査体制を確保いたしまして、審査を着実に進めてきているところでございます。

1:49:30

川野芳生君。

1:49:32

合理的な審査、また厳格な審査、両立が求められると思いますが、しっかりお願いしたいと思います。残りの時間を使って、持続可能な社会実現のための資源エネルギー政策、我が国が取るべき政策を議論したいと思いますが、その前に現状認識を共有させていただきたいと思いますが、大切なことは、エネルギーを安定供給することと、エネルギー自給率を上げていくこと、そして、2050年、ネットゼロを目指す脱炭素化に取り組む、そして、同時に国民負担を抑制させるという4点でありまして、これを従来の3+Sと言えるのかもしれませんが、この4点は非常に大事だと思っておりまして、そのための切り札が国産の再栄年にあるということは、もはや論を待たないと思います。化石燃料を輸入して一時エネルギーに頼っている我が国が、輸入の一時エネルギーを国産再栄年に置き換えていくということで、この4つの問題を同時に解決していくべきだと私は思っています。1921年に輸入原油の生成事業が本格的にスタートしましたので、100年以上、我が国は鉱物性資源を海外からの輸入に頼って生活をしてきました。2022年の鉱物性燃料の輸入額は、33兆5千億円にも上りまして、一般会計の税収が2022年65兆2千億円ですから、一般会計の税収を半分以上に相当する額を、我々は鉱物性燃料の輸入という形で国保を流出させているという現状は、しっかり認識しておくべきだろうと思います。当時は、私が議員になったときは、再エネか原子力かという議論が盛んにこの委員会でも調査会でも行われてきたのですが、今は、試験でありますが、再エネか原子力かという議論を乗り越えて、今は、再エネも原子力もという議論が主流にあるのかなという感じがします。しかしながら、再エネと原子力だけでネットゼロができるかというと、そうでもないと思いまして、様々なエネルギーシステムを地理的に分散させて、我が国の国内に置いておくことが重要だろうと思いますし、先週の参考人のご意見でもそういう議論があったかと思います。調整電源として、火力発電所は当面持ち続けなければならないと思います。2050年を目指しているのは、あくまでネットゼロでありますので、再エネが100%ならうまくいくかというわけではありません。発電能力の地理的技術的分散は必須であります。あらゆる電源をいろんなところに置いておくべきであります。日本らしくやっていくことが大事で、ヨーロッパがこうやっているから日本がこうなんだということではなくて、やはり国民の、我が国の利益に資するような取組をやっていかなければならないと思います。鉱物性資源も、各国がネットゼロを目指している2050年から2060年にかけて、鉱物性資源も取り合いになるということは、私は自明だろうと思っていますし、最新鋭の高効率のLNG打機発電所も、いろんなところに置いておかなければならないのだろうと思います。一方で、世界的な脱炭素の潮流、また株主からの理解が得られないということで、民間企業が鉱物性燃料の上流投資をしたり、国内に新たに火力発電所を作るというのは非常に難しい時代になっているということを理解した上で、ここへの応援も、国がやっていかなければいけないのだろうと私は考えます。LNG打機の火力発電所の計画はあったものの、とんざしたり、撤回されたりして進んでいません。鉱物性燃料の上流投資は当然進んでいません。一方で従来、パリ協定の前は、日本は高効率の石炭火力は日本の技術の結晶だと言って、国内にいろいろなところに作って、そして海外に輸出をしていたこの石炭火力発電所に輸入したアンモニアを混ぜて、それでケースを下げるということが本当に国益に資するのか、何千億円もの補助金を投じてアンモニアを輸入して、排出ケースを下げるために石炭火力発電所に混ぜることが本当に国益に資するのか、ということは、みんなでよく議論をした方がいいと私は思います。世界を見てみれば、原子力発電所の実質的な国有化が進んでいます。日本も原子力発電所を輸出を進めてきましたが、そこで競っていたのはフランスと韓国でありますが、フランスはEDFを完全国有化しました。韓国もケプコは過半をもうすでに政府が直接間接的に保有するような状況になっている。こういった状況下で、我々もちゃんと日本が日本の国益に資するような脱炭素化政策を進めていくべきだろうという観点に立って、残りの時間に質問したいと思いますが、まず、2022年にロシアがグラインダー侵略をいたしました。そのときに経済産業省が、政策の一丁目一番地は脱炭素と脱ロシアということだったかと私は記憶をしています。記憶は多分正しいのでそう言っていたはずですが、それはどうなったのかということをお伺いしたいです。G7の共同声明で、ロシアの石油輸入をフェーズアウト、または禁止を通じてロシアのエネルギー依存をフェーズアウトすることをコミットすると、我が国としてもロシアへのエネルギー依存度から脱却していくということを表明しました。我が国の方針として、当時、政府は短期的な対応としては、LNGの安定供給に向けた産ガス供給への働きかけや上流圏域の獲得、LNGの代替調達支援、また中期的な対応としては、石油の上流圏域の拡充等の支援、LNG調達管理への国の関与を進めると、私はこれ正しいと思いますが、こういうことをおっしゃっていたわけでありますが、この取組はどのように進められて、どのような成果が出たのか教えていただきたいと思います。

1:56:39

小杉経済産業副大臣

1:56:43

河野先生には重要なご指摘をありがとうございます。我が国は、脱炭素化とエネルギーの安定供給、経済成長の3つを同時に達成するため、GX実現に向けた基本方針を策定し、その実現や実行に取り組んでまいりました。具体的には、GX経済移行債を活用した20兆円規模の先行投資支援や、成長志向型カーボンプライシングの導入などにより、GXの取組を推進いたしております。さらに、化石燃料への過度な依存から脱却するため、徹底した省エネ、製造業の燃料転換などを進めるとともに、再エネや原子力などの脱炭素電源への転換を進めてきているところであります。脱ロシアに向けた取組に関しましては、G7において先生から御指摘がありましたが、各国の事情に配慮しつつ、石炭や石油の輸入のフェーズアウトまたは禁止により、ロシアのエネルギーへの依存を低減させることとしております。2023年のロシアからの輸入量は、ウクライナ侵攻前の2021年と比較して、原因は9割超の減、石炭は約8割の減となっております。LNGにつきましては、石油や石炭と異なり、G7においてフェーズアウトまたは禁止するとの合意はなされておりません。安定的な調達を可能にさせる長期契約の代替が当面困難であり、不安定な状況にあるLNG市場の現状を考えますと、サハラインⅡプロジェクトからのLNGは、我が国のエネルギー安全保障上、非常に重要な役割を担っていると認識をいたしております。我が国としては、引き続き再エネあるいは原子力を含めたエネルギー源の多様化や供給源の多角化などを通じて、エネルギー構成全体の中で、ロシアへのエネルギー依存度の低減を図ってまいりたいと考えております。

1:58:46

川野吉洋君

1:58:48

ロシアからLNGの輸入をやめろと言っているのではありませんので、くれぐれも誤解なきようにお願いしたいと思いますが、やはり多角化が大事であって、そこで民間企業が今やりにくい時代だからこそ、様々なことをやっていただいています。制度改革、法改正も含めてやっていただいていますが、やはり公の手が入らないとなかなか難しい状況になっているということは、皆で理解をしていきたいと考えています。続いて、ノット半島地震であります。本当に被災者の方には心よりお見舞いを申し上げる次第であります。停電復旧率がこれまでの災害と比べて著しく悪いです。アクセス道路が寸断されて、そもそも行けないのでしょうがないという話もありますが、いまだ復旧率は100%になっておりません。今回の教訓をどう次に生かすかという観点で私は質問をさせていただこうと思います。今、各電力会社が北陸に集まって、本当に注意はわからず、懸命な復旧作業を続けていただいております。その点、本当に心から感謝を申し上げたいと思いますが、感染道路につながったところで地震が起きるとは限らないわけで、今後半島や離島地域で大規模な災害が発生した場合、道路が寸断される可能性は予想されるわけであります。離島でも災害は起き得ます。同様の地域がたくさんある中で、電力のレジリエンス向上に向けた努力というのは、今後どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。

2:00:35

光月経済産業副大臣。

2:00:38

これもとても重要なご指摘だと思っております。今回の地震においては、被災した皆様に一刻も早く電気をお届けできますように、発災当初から電力各社が参集し、連日1000人規模で復旧作業に全力を挙げてきたところでございます。その結果、本日時点で、石川県全体で99%以上の送電率、甚大な被害が生じました和島市、涼市におきましても9割以上の送電率となっております。そして全ての避難所、医療、福祉施設に送電ができているなど、全体として概ね復旧した状況まで来ていると認識しております。また、復旧の長期化が見込まれる地域につきましても、現場へのアクセスの改善状況に応じて、順次復旧作業を進めることといたしております。今回の地震では、土砂災害や瓦礫の発生等により、先生も御指摘ありましたように、復旧作業のための立ち入りが困難な箇所が多数発生したことや、需要化が分散していらっしゃったということ、そういったことが過去の災害と比較して大きな特徴であります。復旧作業に時間を要した大きな一員であるというふうに考えております。審議会で検証を開始し、半島や離島におけるアクセス等の課題も踏まえることにより、今後の備えにしっかり適切に生かせるようにしてまいりたいと考えております。

2:02:10

川野良弘君。

2:02:12

よろしくお願いします。次に、電力システム改革に関して伺います。先ほど御答弁いただいた災害対策は、今まで通り、総括電化の適用される託総量の中でやっておられるのだと思います。その点を云々するつもりはないのですが、システム改革はもう10年以上経ちますが、本当にこれでいいのかということを思っています。当初、何を目的としていたかというと、氷を自由化することによって競争を進めることによって、値段を下げます国民利益に資する改革ですというような説明を受けてきたのですが、今どうなったかということを考えると、氷の競争は進んだは進んだのですが、こうやって値段が上がるとバタバタと新電力が倒産していって、結局は元の電力会社さんに契約を戻るというような状況であります。今度は内外無差別で、電源を持っている人はすべて解放せよという、これがおそらくうまくいけば正しい回だと思いますが、氷の方ばかり競争させられて、電源投資が進んでいないと思います。老朽化した発電所を頑張って使い続けていて、それがもう明日どうなるかわからないという中で、いろんな政策を打っていただいてはいるものの、長期的に予見可能性があって、改修が見通せるということでなければなかなか新しい発電所は作れない中で、再エネ以外の電源投資が10年間ほとんど進まなかったという状況は変えていかなければなりません。そのために長期電源オークションを今やっていただいているわけですが、この進捗状況を伺いたいということと、先ほども申し上げましたが、原子力発電所の国有化が世界で進んでいます。私は先ほど議論した化石燃料も含めて、この火力発電所も持っている企業にとっては、今まではエポックメイキングだった高効率の石炭火力発電所が、今持っていること自体が悪とされてしまうような風潮になってしまいますと、なかなか新しい投資ができないという中で、システム改革と切り離して、どこかで管理するような方式を考えてもいいんじゃないかと思いますが、最後に併せて答弁を伺います。これまでの電力システム改革は、東日本大震災の教訓を踏まえ、安定供給の確保、それから電気料金の最大限の抑制、先ほど先生からも御指摘があった件でございます。需要化の選択肢や事業者の事業機会の拡大という3つの目的を実現するため取り組んできたところであります。その結果として、災害や事故など不足の事態が発生した場合にも、全国大での迅速かつ円滑な電力の融通が行われるよう、広域的な電力供給システムが構築されました。そして、多くの事業者が小売電機事業に参入し、再燃に特化したサービスメニューが出現しまして、需要化の選択肢が拡大もしたところであります。電気料金につきましては、小売全面自由化以降、家庭向け電気料金、学生料金よりも安価な価格水準で推移してきた実績があることなど、一定の成果が出ているというふうに認識はいたしております。一方で、委員から御指摘がありましたが、電源投資につきましては、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーの導入が急速に進む中、脱炭素の流れと相まって、火力発電所の給配子が進行し、新設も停滞をいたしております。原子力発電所の再稼働の遅れもありまして、供給力低下への懸念があることが課題だと認識をいたしております。このため、2024年度から運用開始する要領市場に加えて、脱炭素電源への新規投資を広く対象に、投資・改修の予見性を確保するための、先生からも御指摘がありました長期脱炭素電源オークションを今年度から導入いたしまして、先日、初回のオークションを実施したところであります。現在、電力ガス取引監視等委員会により、大札価格の監視を行っているところであります。これらも含め、これまでの一連の電力システム改革につきましては、改正電気事業法の規定に基づき、検証を進めることといたしておりますので、それは2025年3月までに取りまとめてまいりたいと考えております。

2:07:14

川野由比郎君。

2:08:00

青島健太君

2:08:02

日本維新の会、教育無償化を実現する会の青島健太でございます。今日は原子力問題について質疑をさせていただきますが、その前に大変僭越ですが、一言、試験を述べさせていただきます。先日、新聞報道もありましたが、アメリカのスリーマイル島、事故後45年を経ていますが、いまだに廃炉作業が続いています。そして、日本国内は福島第一原発、もちろん廃炉作業が続いておりますし、また、六ヶ所村の再処理工場もまだなかなか完成を見ない、そして、最終処分場もいまだ決まっていないという現状であります。原子力、原発には大きな課題が立ち畑っているのが現実だと認識をしております。しかしながら、これで原子力の平和利用を我々は諦めるのかというところでございますが、私はこの原子力の時代に生きている一員として、やっぱりこの課題を私たちは克服をして、そして、より安全な豊かな電源として、この原発を次の世代にきちんと受け渡していく、その責務が私たちにあるのではないかと考えております。そして、日本のこの技術と英知は必ずそれを成し遂げると私は信じておりますし、その上に立って、今日は質問をさせていただきます。まず、委員長に伺いますが、先般、1月30日にIAEAからアルプス処理水のレビューの報告書を届いているかと思いますが、どのような内容だったのか、簡潔にご紹介いただきたいと思います。

2:10:00

山中委員長。

2:10:03

お答えいたします。昨年10月にアルプス処理水の開溶放出開始後、初めて実施をされましたIAEAの安全レビューミッションにおいて、原子力規制委員会は、主に開溶放出開始前後の検査、回帰モニタリングの実施状況について説明を行い、議論を行いました。その結果、本年1月30日に公表されましたIAEAの報告書では、主な結論として、関連する国際安全基準と合致しない事項はなかったこと、開溶放出の安全を監視する強固な規制の枠組みが整えられていること、設備が実施計画と国際安全基準に合致する形で設置され運用されていることなどが評価され示されております。

2:11:01

青島健太君。

2:11:03

開溶放出後、初めてのレビューというところでございます。これで一喜一憂している場合ではありませんけど、まずより何より良い内容で良かったなと思いますが、これから大事なのは、そのレビューの内容が多言語で、やはり多くの国々に知られるということでしょうし、またそれが日本の責任であるかと思いますが、これからこのIAEAのレビューというのは、どのぐらいのペースで行われていくのでしょうか。

2:11:32

湯本原子力事故災害対処審議官。

2:11:37

お答え申し上げます。昨年7月に公表されましたIAEAの放火属報告書におきましては、IAEAは放出中、放出後もレビューを実施することとしております。IAEAの黒市事務局長も、処理水の最後の一滴が安全に放出し終わるまで、IAEAは福島に留まると言及するなど、中長期的に関与することを約束されております。その一環として、昨年10月にもIAEAにより、ご指摘のありました最初のレビューが実施されまして、本年1月30日にその報告書が公表されました。次回のレビューは本年春頃とされております。引き続きレビューを通じまして、国際的な安全・救急事に照らした確認を継続し、安全確認・万全を期してまいります。それから、多言語化対応の件でございますけれども、これまでIAEAの報告書の内容については、様々な機会を通じて丁寧に情報発信をしております。具体的には国際会議、あるいは二国間の対話の場、在外交換やメディアブリーフィングといった場を通じまして、説明を行ってきているところでございます。また、IAEAレビューの結果そのものについてもですね、IAEAが多言語でニュースリリースを発信するといったことをしておりまして、東京ネイルのウェブサイト等におきまして、中国語や韓国語を含む多言語での発信をしております。引き続き国際社会への情報発信に努めてまいります。

2:12:57

青島健太君。

2:12:59

処理水の放水は廃炉の期間ずっと続いていく。およそ30年というお話もさっき出ましたけれども、一応念のための確認です。1年間でどのぐらいの放水というかあるのか、また何回ぐらいに分けて海洋放水がされているんでしょうか。

2:13:16

湯本審議官。

2:13:19

お答え申し上げます。具体的な放出計画でございますけれども、こちらは政府の基本方針、それから原子力規制委員会で認可をいただいた実施計画を遵守した上で、年度ごとに東京電力が策定し公表していく予定にしております。来年度2024年度の放出計画につきましては、本年1月にその原案が公表されておりますが、トータルで5万4600リポメートル、これ1年間でございます。7回に分けて放出する予定としております。

2:13:52

青島健太君。

2:13:55

そうした放水、全てきちんと行われなければならないわけですが、その評価するにあたっては、当然モニタリングというものが必要になるかと思いますけれども、このモニタリングは一つの団体だけでなく、重層的にあるいは各場所で行われているのかどうかということと、またそれぞれのデータが共有されなければ意味がないと思いますけれども、これは今どういうふうになっているんでしょうか。

2:14:23

湯本審議官。

2:14:25

お答え申し上げます。アルプス処理水の解除放出にあたりましては、まず海水で希釈する前に測定確認用設備におきまして、トリチウム以外の放射性物質が規制基準を満たしていることを確認いたします。その後、希釈後にはトリチウム濃度が規制基準を満たしていることも必ず確認をした上で放出を実施してきております。具体的には放出前のアルプス処理水中の放射性物質については、東京電力に加えまして、東京電力が委託した外部の分析機関、それから国が依頼した第三者機関として、日本原子力研究開発機構がこの規制基準を満たしていることの確認を行っております。なお、原子力規制庁やIAにおいても随時処理水の分析を実施することで、この東京電力の分析能力の確認をいたしております。また、放出後は会議でのモニタリングも実施しており、東京電力に加えまして、環境省、水産庁、原子力規制庁、福島県において実施をしてきております。これらすべてのデータは共有し、透明性高く公表してきているところでございます。また、IAEAも第三国の分析機関を含め、独立した分析を実施しておりまして、結果を被告することによりまして、こちらも東京電力を含む日本の分析機関の分析能力の確認をしているところでございます。こうしたデータは一元的に閲覧できるホームページの方を開設しておりまして、すべて公開しております。引き続き、透明性高い発信をつくづけでまいります。

2:15:51

青島健太君

2:15:53

レビューをするのはもちろんIAEAなわけですけれども、その期待に応えるというのは当然なんですが、私たちが期待に応えなければいけない、信頼を得なければいけないのは世界に対してでありますので、これからも重層的に様々なデータを取ってですね、いかに安全にこれが行われているか、安心に行われているかということを多言語でぜひ、世界に発信していただきたいと思います。そうした中でいろいろエビデンスがあるんですが、極めて残念なことにですね、一部の国、地域においては、日本産の海産物の輸入規制というものが続いております。大変残念でありますが、でもこれも現実であります。そうした中で、この漁業者に対する支援パッケージ、総額で1,700億円ですか、という数字もありますが、今このパッケージというものはどのように機能しているのか、教えていただきたいと思います。

2:16:50

経済産業省大臣官房河合福島復興推進政策統括調整官。

2:16:57

はい、お答え申し上げます。アルプス処理水の海洋放出以降の一部の国、地域による輸入規制強化等を踏まえまして、全国の水産業支援に万全を期すべく、水産業を守る政策パッケージ。これは委員が今ご指摘いただいた1,700億円でございます。あと補正予算、これは89億円でございまして、これは併せて支援を行っているところでございます。まず、ホタテ等の需要現象に対応すべく、水産物の一時的な買取、保管を、これまで11件採択しております。これに加えまして、学校給食等を通じた販路開拓事業、これにつきましては、これまで38件交付決定を行っております。これに加えまして、小売業界や経済団体等に対して、国内消費拡大に向けた働きかけを行っております。また、ホタテをはじめとする水産物の海外販路開拓や、中国に代わる加工地の発掘を支援するために、例えばJETROが先月、ベトナムに水産物加工施設を視察し、商談を行うためのミッションを派遣したり、海外のバイヤーを招聘したりしております。さらに、国内の加工体制の強化といたしまして、危機動機導入支援について、5件の交付決定をこれまで行いまして、さらに地域の加工拠点の整備、これは建物への支援でございますけど、これも先日公募を開始したところでございます。さらに加えまして、持続可能な漁業継続のための500億円の事業継続基金を通じまして、新たな漁種漁場の開拓に係る漁具等の必要経費や、年有コスト削減に向けた省年有活動等を支援しておりまして、これまでに182件の交付決定を行っております。以上のように漁業者、加工業者等に対する支援措置を順次実行に移しておりまして、これまでのところ、ホタテの国内消費は順調に推移しておりますし、輸出についても、米国やアセアンへの輸出が増加しておりまして、一定の効果は出つつあるというふうに認識しております。

2:19:34

青島健太君。

2:19:36

これは余計なことと知りながら言わせていただきますけど、今日質疑にあたりまして、私は昨日決意を持って、というか大げさですね、寿司を食べました。日本維新の会は、昨年の話になりますけども、風評被害に対しまして、我が党は、東北5県に風評対策として、5000万円も寄付もさせていただいております。でも本当に消費、生産、加工、輸出、それから風評、様々な形で支援が必要だと思います。ぜひ日本の漁業をしっかり守っていただきたいと思います。続いて、お話もありましたけど、廃炉のデブリの取り出しについて伺います。ロボットアームでの取り出し、私は大変期待しておりましたけども、延期ということになりました。先ほども少し質問がありましたけども、この原因も簡潔にご説明いただけますでしょうか。

2:20:36

湯本審議官

2:20:39

お答え申し上げます。福島第一原子力発電所2号機におけます、燃料デブリの試験的取り出しでございます。先月からロボットアームの投入に必要な貫通口内の空間を確保しなければいけないということで、その中にありました堆積物の除去作業を開始しておりますが、低圧水での除去作業の中では、株の堆積物あるいはケーブルというのが動いていない状況でございました。またロボットアームの開発についても、実希望の試験は行っておりますけれども、原子炉格納容器内にアクセスルートを構築するという作業を進むにあたって時間がかかるということが確認されたこと、それから信頼性の確認のための試験も引き続き予定しているということでございます。こうした状況を踏まえまして、先月早期かつ確実に燃料デブリの正常把握を行うという目的に向けまして、まず過去に使用実績があり、堆積物が完全に除去されてなくても投入可能な伸縮式のテレスコ式装置というのを活用することといたしました。この着手時期については、遅くとも2024年10月頃を見込むという旨を東京電力から公表しております。

2:21:52

青島健太君

2:21:55

一度ロボットを入れてしまいますと、もうそれはもうその後なかなか使いづらくなると、大変難しい作業だというふうにも伺っておりますが、デブリを取り出さなきゃならないのは1号機、2号機、3号機というふうに伺っていますが、改めてこれを取り出す技術的な難しさはどこにあるのでしょうか。

2:22:14

山本審議官

2:22:17

お答え申し上げます。福島大臣原発の1号機から3号機の燃料デブリの取り出しについてでございますが、各号機に共通いたしまして、事故の影響で原子炉片手案内が放射線量の非常に高い環境となっております。このため、作業員の被曝ですとか周囲の放射性物質の拡散、こういったことを防ぐことが不可欠でございます。そのため、燃料デブリ取り出しに必要な原子炉格納容器の内部調査も行ってきておりますが、難度が高くこれまでにやられた事件が限定されていること、また遠隔操作で燃料デブリを採取するということになりますので、大型の装置の開発が必要になるといった課題がございます。また、1号機、2号機については、デブリの取り出しの前に、使用済み燃料プールからの燃料を取り出す必要がございまして、作業の干渉がしないように、こちらの作業を今進めているところでございます。非常に難しい作業でございますけれども、安全確実に進められるよう、引き続き、経産省としても東京によく指導してまいります。これも念のためにもう一度確認させていただきます。今回の延期が全体の工程をぐっと後ろに伸ばすような、遅れるというような可能性はあるのでしょうか、ないのでしょうか。先ほど申し上げましたとおり、燃料デブリの取り出しについては、技術的な難易度が高いということでございますが、安全確保を最優先に着実に進めていくということでやらせていただいております。経済産業省としては廃炉作業の進捗状況を踏まえながら進めていくと東京電力指導してまいりますけれども、今回の燃料デブリの試験的取り出しのスケジュールの見直しにあたりましては、こうした作業を通じて得られた知見、こういったものが次のステップですね、デブリの取り出しの量を増やしていくというところにも活かしていけるものと考えておりまして、現時点では廃炉全体の工程には影響を生じないものと考えております。大変難しい作業だというところは承知していますが、ぜひ様々な可能性、チャレンジをして、これを成し遂げていただきたいと思います。デブリの話ではないんですけれども、福島、大熊町、そして二間町、私も何度も行かせていただいておりますが、あそこに行って気になりますのは、やはりまだ多くの除去土壌が中間貯蔵地として置かれていることであります。去年の4月から義務教育、小学生、中学生が戻ってきています。また、それ以下の子どもたち、高齢者の方々も大熊町のところ、すぐはところでかなり戻ってお住まいになっています。そうした中で、除去土壌の現状はどうなっているのか、こちらも教えていただきたいと思います。

2:25:13

幹事社 環境省大臣官房、飯田審議官。

2:25:18

(官房審議官) お答え申し上げます。環境省におきましては、福島県内の除染に伴い発生した除去土壌等を、県外最終処分までの間、安全かつ集中的に除去する施設として、大熊町、二間町に中間除去土壌施設を整備しているところです。この中間除去土壌施設への除去土壌等の累積搬入量は、昨年12月末時点で約1375万立方メートルとなっています。搬入した除去土壌等については、可燃物等の分別処理を順次行った上で、昨年12月末までに約1177万立方メートルを、土壌除去施設に除去したところであります。なお、除去土壌等の輸送や貯蔵等の各工程では、法令に基づき、被産防止等の措置を適切に講じているほか、これまで各施設や中間除去施設エリアの境界において、空間線量等のモニタリングを定期的に実施してきたところであります。また、お尋ねの除染作業そのものにつきまして、昨年11月までに、基幹困難区域内に設定された特定復興再生拠点区域における除染作業がおおむね完了し、大熊町、二葉町など6町村すべての拠点区域で避難指示が解除されたところであり、引き続き必要に応じてフォローアップ除染等を行うなど、地元の方々に寄り添った対応を続けてまいります。加えまして、今後は昨年6月に創設された特定基幹居住区域において除染を進めてまいります。引き続き、安全を第一に考え、住民の皆様の基幹や生活に支障を及ぼさないように、地域の皆様の御理解を得ながら事業を着実に進めてまいりたいと考えております。

2:26:50

青島健太君

2:26:52

この除去土壌も、2045年の3月までに圏外処分をすることがスケジュールがきちっと決まっておりますので、これもしっかりとフォローしていきたいと思います。さて次はクリアランス制度について伺います。委員長からも今日ご報告がありましたが、18の原発廃炉が今スケジュールとしては決まっておりますけれども、当然いろいろなもの、排気物、解体の排気物が出るわけですが、その中にリサイクルできるものをうまく有効活用しようという動き、それがクリアランス制度というふうに理解をしておりますが、このクリアランス制度についてもう少し教えていただけますでしょうか。

2:27:34

山中委員長

2:27:36

お答えいたします。クリアランス制度とは、解体排気物などに含まれる放射性物質の濃度を測定し、基準値を超えないことを確認できた場合には、核燃料物質によって汚染されたものではないものとして再利用または処分できるようにする制度でございます。クリアランス制度による確認を受けようとする事業者は、あらかじめ放射能濃度の測定及び評価の方法について原子力規制委員会の認可を受ける必要がございます。その後、事業者は認可を受けた方法に従って放射能濃度の測定及び評価を行い、その結果について原子力規制委員会の確認を受けることにより再利用または処分できることになります。

2:28:25

青島健太君

2:28:28

安全が担保されていること、これはもう当たり前ですが、大前提ですが、その中でヨーロッパの何か国では、もう既にいろんな形で使われているということも伺いました。この廃棄物の再利用というのは、やはりそれがうまく社会の中で解くといけば、原発そのものへのやはり理解が深まるということにもつながるんだろうと思います。クリアランス制度、今この社会定着に向けてどんな活動があるのか、教えていただきたいと思います。

2:29:00

久米電力ガス事業部長

2:29:04

お答え申し上げます。今後、原子力発電所の廃炉が本格化する中、クリアランス物は増加していくことが見込まれますため、その再利用を促進していくことは、廃止措置の円滑化や資源の有効利用の観点から重要だというふうに認識してございます。クリアランス物の再利用については、当初は電力会社の施設内のベンチやテーブル等への活用にとどまっておりましたが、令和4年度には国の実証事業として自転車のスタンド等に加工した上で、福井県内の公共施設や高校に設置し、活用いただくなど、段階的に取り組みを進めてきているところであります。クリアランス制度の広報活動については、国としては経済産業省こどもデイへの出展、資源エネルギー庁ホームページでの情報発信や、実証事業の成果について報道各社への情報提供を通じ、PRに取り組んでおりますほか、電気事業連合会が廃止措置現場や放射線の専門家による解説、クリアランス金属の再利用状況等を紹介する動画を作成し、今月YouTubeでの配信を予定しているというふうに承知しております。こうした取り組みに対する住民の方々の反応なども踏まえながら、引き続き事業者ともしっかりと連携しつつ、クリアランス物のさらなる再利用先の拡大を推進し、一般の廃棄物と同様に再利用や廃棄が可能となるよう、制度の社会定着に向けた取り組みを進めてまいります。

2:30:30

青島健太君

2:30:32

福井県内の高校生たちが、再利用できる金属で様々なものを作ったりして、それをまた学校の中に展示をしたり、というようなこともやっているようであります。小さなことでありますけれども、そうしたことが、周辺にいる方々の原発への理解というものも深める力があるかと思いますので、この制度自体は、これがまたしっかりと定着をしていく、廃炉と一緒にこれが育っていくということも大事なんだろうというふうに考えております。あと残す時間は、死火原発について少し伺わさせていただきます。1月1日、大変大きな地震に見舞われた、のと半島でありますけれども、この死火原発にあたっては、ほぼデマと言っていいぐらいの非常に不正確な情報が飛び交っていたというふうに私は感じました。でもこれも裏を返せばやはり、皆さんの心配であったり、あるいはどうなんだろうというところの情報がうまく届いていないようなところも、おそらく働いていたのかもわかりません。まず、こののと半島の地震のときに、死火原発で、例えば火災とか津波とか、プールの水が漏れているとか、さまざまなことが本当なのかどうかわからない中で飛び交っていたという認識であります。一体何が起こっていたのかというところを、一度きちっとご説明をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

2:32:06

小金谷緊急事態対策官

2:32:10

はい、お答え申し上げます。福陸電力死火原子力発電所への今回の地震の影響といたしましては、変圧器の故障によりまして、外部電源5回線あったもののうち2回線、受電できなくなったということがございました。また、使用済み燃料プールからの一水が発生するというような事象も発生してございます。ただ一方で、外部電源につきましては、この変圧器の故障後もですね、2回線から発電所受電できておりましたし、さらに1回線は予備として待機できていたということでございます。さらに発電所の中の非常電源もございまして、必要な電源は確保されていたということでございますし、あと使用済み燃料プールからの一水につきましても、水は管理区域内にとどまっておりまして、その外には漏れていないということで、プールの水位というものも確保されていて、冷却の機能にも影響はなかったということで、必要な原子力安全機能は維持されている。発電所の安全確保に影響ある問題というものは生じていないということでございます。今、委員を指摘の火災につきましては、地震発生当初ですね、変圧器の周辺におきまして、自動で消火設備が作動した、あるいは爆発したような音、焦げ臭い匂いがしたというようなことから、北陸電力から火災が発生した模様だとの報告を受けましたけれども、その後の北陸電力による調査によりますと、火は出ていなかった。爆発音は変圧器の中の放圧板というものが作動したということ、それから焦げ臭い匂いは変圧器の中にある絶縁油、これ漏れましたので、その匂いがあったのではないかということが分かりましたので、火災は発生していなかったことが確認されてございます。さらに、津波の影響でございますけれども、こちらの方は発電所の前面の海域、それから2号機が出入りする層がございますけれども、その中で3メートル程度、潮位の上層が確認されたと、観測されたということでございますけれども、この四日原子力発電所の敷地の高さが11メートルということもございますので、発電所の設備には特に影響なかったということでございます。

2:34:28

青島健太君。

2:34:31

こうした大きな災害が起こった中で、またその中で的確な情報発信するということは大変難しい面もあるかと思いますが、こと原発に関しては、それが何よりも大事でありますし、多くの方々が関心を寄せているところ、心配をしているところですので、それはきちんと行っていただきたいというふうに思います。やはり何が起こっているかということが隠されている、あるいは本当に大事な情報が出てきていないということが、また違う憶測を呼んだり、そういう面があるかと思いますので、いろいろな情報がすべからくきちんと提供されることは大事なんでしょうけど、ただその中で、一体これが何を意味しているのか、どういうことになっているのかということがしっかりご案内されること、それがやはり大事なことだと思いますので、そういう報道というものが今回あったのかどうかというところ、原子力規制庁として今回の情報発信に問題はなかったのかあったのか、あるいはどの辺に今後の課題が残るのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。

2:35:39

地震発生後の情報発信についてでございます。原子力規制委員会は、今回の地震発生直後から、北陸電力とリアルタイムで情報共有をし、速やかな報告を受けて、当日の1月1日には2回にわたって記者会見を行いました。また、ホームページやSNSを通じて、先ほど説明のあったような施設の状況については発信をし、モニタリングコストの値にも異常がないため、安全に問題がないことは発信をしてきております。一方で、例えばウェブサイトで、まとめてそういった情報が見れるというような状況をうまく作れていなかったことがありましたので、2月8日にはそういったまとめた情報を一覧できるようなページを作りまして、発信をする改善をしてきております。今回の対応の中でも、こういった改善策を講じましたので、こういった経験を踏まえて、これからも情報発信には工夫を加えて、正確な情報が伝わるように努力していきたいと考えております。

2:36:36

今はSNS等、そういった情報のツールが発達しております。今までにない環境と言えるのかもわかりません。そうした中で、原発をめぐる情報をどういうふうに的確に出していくのかというのも、自信も多い日本でありますから、これからの課題として、そこは今回一つ学べることがあるのかなというふうに感じております。多くの委員から様々なお尋ねがありましたが、言うまでもありませんが、日本は大変資源がない国でありますし、日本のエネルギー実給率も10%ちょっと10数%という中で、これからはやはり日本のエネルギーミックスをどう構築していくのかというのが極めて大事なことだろうと思いますし、この調査会にも課せられている一つの役目かなというふうに思います。現状は、火力発電、水力発電、LNG、そして今日質問させていただきました原子力、またこれからは再エネに頑張ってもらわなければなりません。太陽光、風力、また地熱発電等々、いろんな可能性がある電源というものがミックスされて、これからの日本の電源というものを考えていかなければならないと思います。こうした新しいエネルギーの可能性について、しっかりとこれからも議論させていただくということを申し上げまして、時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。この際、委員の異動についてご報告いたします。本日、杉日貞君が委員を辞任され、その補欠として久保田哲也君が占任されました。

2:38:22

濱野義美君。

2:38:35

国民民主党の濱野義美でございます。山中委員長にお伺いいたします。外部電源系の耐震性に係る規制の考え方について伺います。外部電源系による電力供給は、超大な電線路を通じて行われるものであることから、そのすべてについて高い信頼性を確保することが不可能であるなどの理由により、事故の発生時には外部電源系に期待することは適切ではないとの考え方の下、規制基準が策定されているものと承知をしております。また、その考え方の下、変圧器を含む外部電源系には、安全上重要な設備と同様の耐震性を要求しておらず、複数の電線路を独立させることにより、送電鉄道の倒壊等により、外部電源創出に至らないように配慮することを求められているものと認識をしております。今回の野党反当地震により、市下発電所の変圧器が故障しましたが、設計の想定範囲内であることから、外部電源系の耐震性に係る規制の考え方を変更する必要はないと認識をしておりますけれども、委員長の見解を伺います。

2:39:53

山中委員長

2:39:55

お答えいたします。御指摘のように、新規制基準では、外部電源に対する信頼性を高める観点から、少なくとも二回線の独立性を求めておりますが、外部電源は遠方の他の発電所から電線路等を経由して供給されるものでございます。庁内な電線路等のすべてに高い信頼性を確保することは不可能でございます。このため、新規制基準では、発電所の敷地内で多重性又は多様性を確保し、及び独立性を持たせた非常用電源設備を設置することによって、外部電源によらずとも原子力発電所の安全機能が維持できることを求めております。なお、今回の四日原子力発電所でも、外部電源以外にも必要な非常用電源設備が確保されていたと承知しております。こうしたことから、外部電源系の耐震性に関わる規制の考え方を変更する必要はないと考えております。

2:41:04

濱野義勇君

2:41:06

原子力施設の安全確保に大変重要な役割を担う原子炉主任技術者、核燃料取扱主任者、放射線取扱主任者の各取得について伺います。少子高齢化や再稼働が進まない等の原子力事業を取り巻く厳しい環境によって、これらの有資格者の人材確保は原子力事業者にとって非常に難しいものになっております。こうした状況を踏まえ、資格の取得範囲を柔軟化する、資格の取得機会を増やす等の対策が必要ではないかと考えております。具体的には、原子炉主任技術者及び核燃料取扱主任者について、放射線取扱主任者のように担う施設の種類規模によって、一種から三種といった形で面場の範囲を分け、受検しやすいものにしてはどうかと考えております。例えば、核燃料取扱主任者の場合は、プルトニウム、ウラン、トリウムといった取扱う核燃料物質の種類と施設区分を踏まえ、一種は全て、二種はウラン及びトリウム施設、三種は廃棄事業というように、面場の範囲を分ける等が考えられます。加えて、電気主任技術者試験と同様に、受験機会を年一回から年二回に拡大し、上期・下期の半年ごとに実施してはどうかと考えておりますけれども、委員長の見解を伺います。

2:42:35

山中委員長

2:42:38

お答えいたします。委員御指摘のとおり、原子力主任技術者や核燃料取扱主任者等の有識者の確保は原子力事業者において重要な課題であると認識しております。また、原子力事業者からは、筆記試験の科目ごとの合格の仕組みを導入してほしいといった要望も受けております。原子力規制委員会では、こうした原子力事業者からの要望も含め、試験の実施手法などについて現在検討を行っているところでございます。

2:43:21

濵野芳美君

2:43:23

現在検討を行っていただいているということでありますが、原子力研究開発に携わっておられる方々からの問題提起でありますので、ぜひ前向きな検討をお願い申し上げておきたいと思います。次に、リスクに応じた原子力規制の在り方について伺います。米国原子力規制委員会、NRCでは、規制の原則の一つとして、効率性が挙げられております。具体的には、規制活動は、それにより達成されるリスク低減の度合いに見合ったものであるべき、リソースの消費が最小となる選択肢を採用すべき、規制の判断は不必要な遅れが生じないようにすべきというものであります。この考え方に基づき、米国原子力規制委員会では、バックフィットの用費判断の際に、コスト・ベネフィット比較がなされております。日本でも、こうした評価を行うべきと考えますが、委員長の見解をお伺いいたします。

2:44:28

山中委員長

2:44:30

お答えいたします。原子力規制委員会としては、東京電力福島第一原子力発電所の事故の供給と反省を踏まえまして、安全の追及に妥協は許されないと考えております。規制要求に当たっては、費用・便宜分析のように、コスト面を考慮することはいたしておりません。どのような規制要求をするかについては、施設の安全性への影響、影響が生じる外線性及び切迫度、取り得る対策の内容、事業者等の対応状況などを勘案して、科学的技術的な見地から判断をすべきであると考えております。

2:45:12

浜野義弘君

2:45:15

委員長にそのことに関連してお伺いしたいと思うんですけれども、コストを意識しない規制行政が行われるということが、事業者が自主的に安全対策を向上させようという意欲を削ぐことにならないかということを私は懸念をいたします。安全対策を提案した際、コストを無視してその実行を迫られるということが想定されれば、提案をためらうのではないかと考えるからであります。委員長の御見解をお伺いいたします。

2:45:50

山中委員長

2:45:53

繰り返しになりますけれども、コストを考えたバックフィット等への規制の反映というのは、現在のところ考えておりません。事業者と自主的安全性向上の在り方については、現在も議論を進めているところでございまして、定期的な安全性向上報告書等の在りようについては、今後も工夫をしていきたいというふうに考えております。

2:46:22

浜野義弘君

2:46:24

通告していない内容ですので、ご用意いただいている答弁書を読んでいただく形にならざるを得ないということでありますが、このことにつきましては、引き続き今後質疑をさせていただければと思います。次に、設置変更許可の標準剃り期間は2年と定められておりますが、特にBWRの審査はそれを遥かに超えて長期化をいたしております。このような状況を踏まえまして、審査業務の円滑化についてお伺いいたします。2021年まで原子力規制庁新基準適合性審査チーム長であった長岡技術科学大学の山形教授が、具体的な合格基準、受入れ可能な立証方法の明示について、次のとおり指摘をしております。審査基準が明確でないことから、電力会社が何度も申請の修正を強いられ、時間を所有することもある。合格基準を探るような申請は決しからんという意見もあるが、貢献力の高下る規制においては、基準を明確に示さなければならない。申請があってから合格基準を考えるようなムービングゴールは決して許されない。今の基準は原子力規制委員会が作成したものである。その背景も根拠も審査官は熟知していなければならない。規制は要求である。要求しておきながら、具体的な合格基準を持っていないなどありえない。基準の背景や根拠、具体的な合格基準とそれを立証するための受入れ可能な方法を、まずは審査官が解説すべきとなるべきである。そうなってこそ、真の独立した委員会である。以上の指摘であります。審査する側は、安全に関するポイント、目標として設定すべきもの、設計要求事項の前提条件等といった、具体的な合格基準とそれを立証するための受入れ可能な方法を明示しなければならないとの指摘について、委員長の見解を伺います。

2:48:36

山中委員長

2:48:40

御指摘のような設計要求事項の前提条件、具体的な判断基準については、規制基準やその解釈、これまでの審査実績等により、原子力規制委員会としては、かなりの部分を明示してきたものであると考えております。一方で、例えば、自然ハザード面の審査においては、サイトごとに基準への適合性を立証する方法自体が、審査の重要なポイントとなる場合もございます。そのような場合には、規制側から非規制側に対して、基準適合性を立証する方法を提示することは妥当でないと考えております。いずれにいたしましても、立証の方法も含め、規制側と非規制側との間で納得いくまで議論をして、共通の理解を得ることが重要であるというふうに考えております。その上で、論点や確認事項をできるだけ早い段階で明確化することにより、規制側と非規制側との共通理解が形成されるよう、審査プロセスの改善に努めているところでございます。また、審査官が基準やその背景を熟知しているべきということは、御指摘のとおりでございまして、専門性を有する実務経験者の中途採用や研修による職員の育成等によって、審査体制の強化に現在努めているところでございます。

2:50:19

濵野保史君。

2:50:21

御答弁の中で、基準についてはかなり明確にしているんだという御説明があったというふうに思います。ということは、必ずしも明確になっていない基準があるというふうに委員長は認識されているのではないかなというふうに私は考えるのですけれども、いかがでしょうか。

2:50:42

山中委員長。

2:50:47

お答えをいたしましたように、課題の部分で、規制委員会としては、この審査基準あるいは審査実績等については明示してきたつもりでございます。ただ、特にですね、自然ハザードについては、その審査の基準あるいは立証する方法等については明確にしていないというところもあろうかというふうに思っております。基準適合性を立証する方法自体が審査の対象になるということであると考えておりますので、現在の進め方は妥当なものであるというふうに考えております。

2:51:29

濵野保史君。

2:51:31

なかなか難しい問題だと思いますので、規制委員長としては、ご用意された答弁書の範囲内という御答弁、理解できなくもないんですけれども、その上でちょっと関連してお伺いするんですけれども、この山形さんという方は、2021年まで正式名称じゃないようですけれども、適合性審査のチーム長というお立場を務めておられるという方のようです。それで正式なお立場は、今日は小金谷さんという方が先ほどの席までお越しになられていましたけれども、緊急事態対策官という立場を、21年までお勤めになられた方であります。この方は国会審議でも答弁されるような立場にもなりうるお方だというふうに理解するんですね。そういう方がですね、ご自身の経験を踏まえて、こういう率直な指摘をされておられるんですね。したがって、私はこういうことをですね、なかなか難しい課題かもわからないけれども、議論すべきじゃないかなというふうに思うんですけれども、このことについては山中委員長、どのようにお答えいただけますか。

2:52:47

山中委員長。

2:52:50

お答えいたします。審査プロセスの改善については、現在も我々議論をしながら進めているところでございます。特に事業者と規制委員会との共通の理解を得ながら審査を進めるという点については、十分に注意を払いながら、会合ごとでの取りまとめをきちっと共通理解とする取組などを進めることによって、審査の改善については進めているつもりでございます。

2:53:27

浜野義美君。

2:53:29

もう一度だけお答えいただきたいんですけれども、本当にこの重要なお立場を経験された方がですね、こういうご意見を提示されておられますんでね、ぜひ一度、委員会においてご議論いただければどうかなというふうに思うんですけど、そのことはいかがでしょうか。

2:53:49

山中委員長。

2:53:52

このかつて職員であった山形教授からご指摘いただいたような点についても、委員会でプロセスの改善等を含めて議論をしてまいりたいというふうに思っております。

2:54:08

浜野義美君。

2:54:10

ぜひですね、これまで従職を務められた方がこういう問題提起を世の中に提出されてますんで、ぜひ委員会の中においてもご議論いただければと思います。これで最後に質問いたしますけれども、山形教授のもう一つの指摘を取り上げさせていただきたいと思います。設置変更許可に関する審査会合前のヒアリングは事実確認のみの場となったり論点が明確化されず、審査会合で初めて新たな論点の提示や要求がなされているというふうに承知をいたしております。これについても山形教授は次のとおり指摘しております。ヒアリングは事実確認のみで判断をしてはならない。議論判断は審査会合とされている。これでは審査側は審査会合で何が議論されるか分からず準備できない。質問されれば持ち帰ることも多くなり全く非効率である。工事計画認可の審査ではヒアリングで論点整理をし、議論が必要なものが選ばれて審査会合の議題とするか運用がされている。設置許可の審査においてもヒアリングで十分な事実確認を行った上で論点を明確にし、審査側、申請側が共有すべきである。そうすれば審査会合ではお互いに十分な準備ができ、充実した議論がなされ審査を効率的にすることができる。以上の指摘であります。委員長の見解をお伺いいたします。

2:55:38

山中委員長

2:55:40

お答えいたします。委員から設置変更許可の審査についても、設工人の認可の審査と同様にヒアリングの場で論点の整理ができないかといった御指摘がございました。設置変更許可の審査は原子力発電所の基本的な設計方針を確認するものであることから、公開の場で技術的な論点を議論することが重要であるというふうに考えております。一方で設工人の認可の審査につきましては、個別の設備が許可の方針に基づいて設計をされているか、詳細に確認するものでございまして、両者を同列に預けることはできないというふうに考えております。ただし、設置変更許可の審査におきましても、事業者の対応方針を確認するための審査会合を頻度高く開催をする。審査チームからの指摘事項が事業者に正確に理解をされていることを確認をする。そのような場を設けて、必要に応じて文書化を行うといった取組を進めているところでございます。引き続き厳正かつ着実に審査を進めてまいりたいと考えております。

2:56:57

浜野保史君

2:56:59

時間が迫ってまいりましたので、これで質問を終わらせていただきますけれども、審査の円滑化ということは、携わっておられる方の根強いご意見でございますので、今日のご答弁を踏まえて、引き続き、これらの関係については質疑を交わさせていただければと思います。ありがとうございました。

2:57:46

木村義子君

2:57:48

日本共産党の木村義子です。本日私は、四日原発について伺いたいと思います。元日の野党半島地震では、北陸電力四日原発でも被害・影響があったわけです。一方、1月10日の原子力規制庁の作成した説明資料によりますと、1月1日16時10分に震度7の地震発生した後、16時49分には異常がないことを確認となっています。今、地震発生からわずか40分足らず、この1時間も経たないうちに、なぜこの異常がないとの結論が示されたのか、原子力規制庁、お願いいたします。

2:58:39

小金谷緊急事態対策官

2:58:42

お答えいたします。委員の指摘の1月1日の地震発生を受けまして、原子力規制委員会では、発生後直ちに警戒本部を設置いたしまして、テレビ会議も接続して、原子力需要者から情報収集を速やかに行いました。その結果、北陸電力の四日原子力発電所につきましては、そもそも原子炉が長期間停止しているということで、原子炉の中には燃料集合体がないということに加えまして、使用済み燃料プールの冷却が維持されているということ、それから安全機能に必要な電源が十分確保されているということ、さらには発電所の敷地内に設置されておりますモニタリングポスト、こちらのあたりにも有意な変動がないということが確認されましたので、その時点で原子炉の止める、冷やす、閉じ込めるという機能、それから使用済み燃料の冷却の状態に異常はないということを認めましたので、異常はないということを確認したということでございます。

2:59:49

平吉子君

2:59:51

つまり、使用済み核燃料しかなかったわけですけれども、その使用済み核燃料の冷却に異常がないから異常がないということを40分後に発表したということですけれども、異常がないと言われた16時49分という時点というのはどういう時点かと言いますと、大津波警報が発令をされている最中なわけですね。津波警報に変わったのは20時30分だったわけで、そもそもですね、この津波っていうのが原発にとって大きなリスクなわけですよ。例えば海水ポンプが壊れるとか、特に引き波で取水ができなくなるなどの事態になれば、大変危険な状況になりうる、そういうタイミングなわけですね。まさにこれからそういう津波が来るかもしれないと、どれだけの高さのものが来るかもわからないと、その時に異常がないと断言できる状況だったわけですから、もう一度お願いします。小金谷緊急事態大作家のはい、お答えいたします。私ども先ほど申し上げましたように警戒本部というものを設置いたしまして、原子力施設の情報収集を当たっておりました。当然大津波警報が発令されているという状況も理解しております。ですから、16時49分の時点でおきましては、大津波警報が発令中ではございましたけれども、その時点での原子力施設の状態ということで異常がないという判断をしたわけでございます。当然のことながら、もしその後ですね、地震が到来したということで、被害が生じたということであれば、速やかにそういった情報を発信するという体制は維持しておりました。

3:01:32

木村よし子君

3:01:34

つまり警戒本部設置して警戒している最中、そういう状況だったわけですね。しかしその時点で異常がないから異常がないということだけは先に言うと、そこに誤解が生じる余地があったんじゃないのかと。とりわけ、1月1日の地震時にですね、すでにもう6時半時点の記者会見などで、その時点で使用済み核燃料プールのスロッシング、一水があって、変圧器の故障、油漏れ、外部電源の一部損壊、そしてモニタリングポストも一部機能していないものがあるなどのトラブルが明らかになっていたわけです。それが発表されていたわけですけれども、そうしたトラブルが複数起きている一方で異常がないということが流れると。そういうのは本当に矛盾ですし、トラブルこれだけあるのに異常がないというのはどういうことなんだと、住民、国民に対しては不審、それが広がる原因ともなりかねない発信だったのではないかと思うわけです。この変圧器の油漏れについてもちょっと伺いたいんですけれども、当初の発表では1号機で3600リットル、2号機で約3500リットル推定の漏れの状況だという発表だったわけです。しかし後になって確認したところ、右水を含めて1号機では約4200リットル、2号機の場合は約24600リットルであったということが判明したわけです。つまり当初発表した量を大きく余る油が実際には漏れ出ていたということが後になって判明したと。なぜ当初の発表とその実態との間にここまでの差、帰りが出てしまったのか、当初正確な数値が分からなかったのはなぜですか。

3:03:17

小金谷緊急事態対策官

3:03:20

お答えいたします。ご指摘の変圧器の油漏れにつきましては、これは2号機の周変圧器の絶縁の漏えいということでございます。これは北陸電力1月1日の時点で漏えいがあった場所、これは配管の接続部になりますけれども、そこよりも高い位置にありますコンサベータという筒の状態のものでございますけれども、そちらの油が漏えいしたということで推定をいたしまして、その漏えい量としましては油換算で3500リットルということでございました。しかしながらその後、北陸電力がまたさらに調査を行いまして、油の漏えいにつきましてはその後、冷却器の配管あるいは変圧器本体ですね、そちらもその漏えい箇所よりも高い位置にあったということで、そこにある油の漏えいもあったということが判明いたしましたので、1月5日ではございますけれども、そこからの油も換算して、油の推定値としては19800リットルということで報告をしたということでございます。

3:04:34

木村良子君。

3:04:36

つまり漏えいがあっただろうと思った場所が当初想定したところと違うところからも漏れていたということがあったわけですけれども、私は事前のレクで確認したときには、そもそもこの油を入れているものには軽器を設置していないんだと、それは脆弱性につながるからだと、つまり軽器を設置していなかったから正確な量がわからなかった、ここは間違いないですか。いいですか、何かでお答えください。

3:05:01

小金谷緊急事態対策官。

3:05:04

はい、軽器がないというところは事実かと思いますので、先ほど申し上げました19800リットルというものも漏えしたものを集めまして、そこから推定した値ということでございます。

3:05:18

平井よし子君。

3:05:20

つまり軽器を設置していない、設置したら脆弱性につながるから設置できなかったんだという話だったかと思うんですけれども、つまりそういう状態なので油漏れの量も正確に把握できなかったし発表もできなかった。しかもそれだけじゃなく先ほどらあるとおり当初は火災も起きているという情報まで一旦出されたわけですね。しかし実際に火災は起きていなかったというわけですけれども、つまりこの地震が起きた直後というのはこうした被害の全貌というのが把握できていなかったというのが実態なわけですよ。変圧器の故障をはじめさばさまなトラブルが起きていて、かつその被害の全貌が把握できていなかったと。その上、津波による新たな問題も出てくるかもしれないそういう緊迫した状態なのに即座に異常がないというのはやっぱり私はミスリードだと思うし、新たな安全シーンはそのものではないかと思うんですが、規制委員長いかがですか。

3:06:12

山中委員長。

3:06:15

お答えいたします。原子力発電所の安全を維持する上で、最も重要なのは原子炉の止める、冷やす、閉じ込めるという機能の維持と、使用済み燃料の冷却状態の確保でございます。このため、原子力規制委員会では、今回のような地震等の際には、これらの機能や状態に異常がないことが確認できた段階で、速やかにプラントの状態に異常がない旨の発信を行うこととしております。今回の滋賀原子力発電所においては、そもそも原子炉が長期間停止しており、原子炉内に燃料集合体が送火されていなかったことに加えまして、事業者からの情報収集により使用済み燃料プールの冷却が維持できていること、安全機能の維持に必要な電源が十分確保されていること、発電所の敷地内に設置されているモニタリングポストの値に異常がないこと等が確認されたことから、その時点でプラントの状態に異常がない旨の発信を行ったものでございます。

3:07:26

木田 芳子君

3:07:28

もちろん、規制委員長がおっしゃったとおり、こうした緊急時に即座にその時々の情報を公表するというのは重要なわけですよ。しかし、そうした公表した情報に誤りがあったり、誤解を招くものがあったりしては意味がないわけです。そういう意味では、異常がないということを先にダンと出すということではなくて、正確に今どういう状況なのか、警戒本部はまだ設置していて警戒を続けている状況だと、そういうことも含めてですね、正確に伝えなければならなかったのではないかと、そういう正確な情報を伝えないというのは、私は安全神話としか言いようがない状況だと、福島の事故からの反省を全く活かしていないという状況だということを言わざるを得ないと思うわけです。次にですね、避難計画の問題についても伺いたいと思うんです。先ほど来もこの避難計画の問題についても指摘があるわけですけれども、もしこうした地震によって本当に原子力災害が起きた場合に、住民の安全を本当に守られるのか、ちゃんと避難できるのか、これは重大な問題だと思うわけです。これについて岸田総理は、2月7日衆議院予算委員会で日本共産党の笠谷明衆議院議員の質問に答え、しっかりした緊急事態対応、緊急事態応がない中での原発の再稼働が実態として進むことはないと答弁をされました。あるならばですね、やはり再稼働に当たっての審査項目に実効性ある避難計画の策定を加えていくと、実効性ある避難計画の策定がないものは再稼働は認めない、こういうふうにするべきじゃないかと思いますが、規制委員長いかがでしょう。

3:09:07

山中委員長

3:09:09

お答えいたします。我が国では、避難に関する計画については災害対策基本法に基づき、地域ごとの実情をきめ細やく熟知する自治体が地域防災計画を定めることとされております。計画の策定過程においては、各地域の地域原子力防災協議会において、内閣府原子力防災が中心となりつつ、原子力規制庁等の関係府庁長が関係自治体と一体となって、地域防災計画の具体化、充実化に取り組んでいるところでございます。また、各自治体の地域防災計画を踏まえた原子力施設周辺地域の避難を含む緊急実施対応が原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的なものであることを含め、協議会で確認しております。さらに、原子力規制委員長も参画いたします国の原子力防災会議において、その対応を了承することとしております。原子力規制委員会としては、専門的技術的な観点から与えられた役割を引き続き果たしていきたいと考えております。つまり、規制委員会の方は専門的技術的な対応だから、新規制基準に適合化するかどうかだけを見るのであって、避難計画が別だというご説明だったかと思うんですけれども、しかし、規制委員長ご自身今日もおっしゃってましたけれども、事故の可能性をゼロと考えるのではなく、事故が起こり得るという前提とした規制基準なんだということは、この間ずっと説明されてきているわけです。つまり、新規制基準に適合したと、規制委員会が認定したとしても、その原発で事故が起きるということはあり得るわけですよ。その万が一のときに住民の命、安全が守れるのか、その担保があるのかどうかというのは再稼働を判断する上で本当に重大な要素となるはずで、あるにもかかわらず、現状はそういう避難計画、緊急時対応ができていなくても再稼働そのものはできる、そういう立て付けになっているわけですよ。避難計画ができていなくても再稼働ができる仕組み、放置していては住民の命、守れないんじゃないですか、規制委員長いかがでしょう、もう一度。

3:11:37

山中委員長。

3:11:40

お答えいたします。原子炉等規制法に基づく新規制基準では、施設の構造等に着目して災害の防止上、支障がないかどうかを確認するためのものでございます。原子力発電所内の安全確保策は確認しておりますけれども、発電所外の防災対策である避難計画は対象としておりません。また、避難計画等のオフサイトの緊急事態対応につきましては、災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法によって、国・地方公共団体・原子力事業者等がそれぞれの責務を果たすこととされております。原子力規制委員会としては、引き続き地域原子力防災協議会等の枠組みの下で、専門的技術的な観点から与えられた役割を果たしていきたいと考えております。

3:12:39

ティラー・ヨシコ君。

3:12:41

つまり、原発内は確認しますけど、オフサイト、原発外は確認する必要はないと、規制委員会としてはそういう役割ではないんだとおっしゃるわけで、これあまりにも責任の話だと言わざるを得ないと思うわけです。野党半島の地震では、各地で道路が寸断されました。家屋も倒壊し、火災も発生しました。そういう中では、屋内退避も困難なところがたくさんあったわけですし、しかも避難もできないという事態になるということが明らかになったと。いうことを見れば、やはり石川県でこの間作られてきている避難計画というのは、実現困難なものじゃないかということが、いよいよ明らかになったわけです。この石川県の避難計画を含む、地下地域の緊急事態については、今、国として了承し実効性が担保されていたと、そういうものになったわけですか。

3:13:26

森下知事さん。

3:13:29

お答えします。内閣府では、原発の立地地域ごとに自治体と地域原子力防災協議会を設置しまして、自治体の避難計画を含む地域ごとの緊急事態を原子力規制委員会の原子力災害対策指針に照らして、具体的かつ合理的であることを確認し、その上で総理を議長とした原子力防災会議で了承する仕組みを運用しております。お問い合わせのあった地下地域についてですが、地下地域の原子力防災協議会という枠組みを設けておりまして、その枠組みの下、地域の防災計画、避難計画の具体化、充実化の支援を今やっているところでございまして、緊急事態要の了承までにはいたっておりません。ですので、今回の地震の被災状況も検証しつつ、避難経路、避難手段なども検討して、自治体、地元の声をしっかりと聞き、実効性を向上させながら、地下地域の緊急事態を取りまとめていきたいと考えております。(議員) 木村 よし子君。 (木村)つまり了承している計画ではなかったということで、今後検討していくと、実効性向上していくんだというご答弁だったと思うんですけれども、いや、そもそも今回の地震を踏まえて、この避難計画を練り直したとして、それ本当に実効性あるものになるんですか、それは私疑問なわけですよ。道路の寸断も凄まじい場所で起きているわけです。たとえどんなに線を引き直しても、じゃあその新たに引いた線の道路が、次の地震で無事かどうかという保証はどこにもないわけです。で、回路にしても今回も津波ありましたし、沿岸の流域もあったわけで、それ使えるかどうかというのも疑問です。で、空路について言えば、今回明らかになったのは支援物資を届けることでさえ困難であるという状況だったんじゃないかと。それでどうやって実効性ある避難計画が作れるのでしょうかと。やっぱりこういう、とりわけこの四日原発のように半島などの条件で、使える道路なども限られているそういう場所で、実効性ある避難計画、作ること自体も不可能なんじゃないのかと思うわけですけど、どうやって実効性担保するんですか。

3:15:37

森下審議官。

3:15:40

先ほど申し上げました緊急事態を、これにつきましては、これまで取りまとめを行った地域の例でまず申し上げますと、既に大規模な自然災害、それから原植災害の複合災害を想定してやっております。しかし地域につきましても、同じように複合災害を想定して、今検討を行っているところでございます。先ほどのご疑問を挙げられた点は、全く重要な点と思いますけれども、具体的にはそのような対応といたしまして、避難道を複数経路設定して代替経路を設けるとか、陸路が制限される場合は道路警戒に着手しつつ、回路避難や空路避難、また必要に応じて屋内退避をするということで安全を確保するとか、さらに計画通りにいかない場合には、警察、消防、海沿岸保安庁、自衛隊などの実装組織が住民の避難支援を実施するというようなことを考えております。今回の、繰り返しになりますけれども、今回の地震を通じて得られた教訓を踏まえまして、避難経路や避難手段の検討に生かして、地下地域の防災体制の充実強化に取り組んでまいりたいと思います。

3:16:55

平吉子君。

3:16:57

複合災害を想定してやっているんだと、実効性向上するんだと、いろいろご説明されましたけど、やはり想定外が起きるのが自然災害であるし、実効性ある避難計画を作るということ自体が、ほぼ不可能、かなり難しい困難な作業だということが、今回の地震で本当に明らかになったわけで、このような状況で、もはや少なくとも、この四日原発の再稼働、私はあり得ないし、止めるしかないんだと思うわけですけれども、この四日原発、新規制基準への適合審査中だと聞いているわけですけど、規制委員長、このまま審査続けるわけですか。やっぱりもう事業者に申請そのものを取り下げ、求めるべき時に来ていると思いますが、いかがですか。

3:17:39

山中委員長。

3:17:41

お答えいたします。北陸電力、しか原子力発電所2号路の審査におきましては、敷地周辺の複数の断層の評価を確認する必要があると考えております。これらの確認が必要な断層の一部は、今回の地震の震源断層に関する知見の範囲について、今後審査の中で確認する必要があると考えています。その際には、北陸電力が今回の震源断層に関する情報や関係機関が公表する知見等を収集し、それを反映させた審査資料を準備した上で、公開の審査会合において説明をしてもらう必要があると考えています。原子力規制委員会としては、令和6年ノート半島地震に関する知見も追加的に考慮して、厳正に審査を進めてまいります。

3:18:37

平吉子君。

3:18:39

規制委員会は昨年、敷地内に活断層はないという北陸電力の支柱を妥当としてしまっているわけですね。そこから問われる話なわけですけど、いくら厳正に審査するといったって、それでは動かすことが前提になってしまうわけで、それでは本当に住民の安全は守れないと言わざるを得ないと思うわけですよ。避難もできない、想定外の事態が起きてしまうということがいよいよ明らかになっている中で、この地下原発というのは廃炉にするしかないんだと、その決断こそ、今必要だということを申し上げまして、私の質問を終わります。本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

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