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参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会

2024年02月07日(水)

2h57m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7745

【発言者】

福山哲郎(国民生活・経済及び地方に関する調査会長)

石田一喜(参考人 株式会社農林中金総合研究所主事研究員)

平山洋介(参考人 摂南大学現代社会学部特任教授 神戸大学名誉教授)

田口太郎(参考人 徳島大学大学院教授)

2:19

国民生活経済及び地方に関する調査会を開会いたします。ご起立いただいてよろしいでしょうか。(市長) 私が言っていいのか。会長だけ。(市長) 議事に先立ち一言申し上げます。この度の令和6年の党反党自治により、甚大な被害をもたらされ、多くの尊いの人命が失われたことは、誠に痛ましい限りでございます。犠牲者のご遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆さんにも心からお見舞い申し上げます。ここに、犠牲となられた方々のご冥福を祈りし、黙祷を捧げたいと存じます。どうぞご起立をお願いします。黙祷を終わります。ご着席願います。ご着席ください。委員の異動について、ご報告いたします。昨日までに、オチ俊幸君及び木村英子君が委員を辞任され、その補欠として、長谷川秀春君及び天端大輔君が選任されました。参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。国民生活経済及び地方に関する調査のため、今期国会中必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長にご一人願いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、裁を決定いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。国民生活経済及び地方に関する調査のため、今期国会中必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続きについては、これを会長にご一人願いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、裁を取り計らいます。国民生活経済及び地方に関する調査を議題といたします。本日は、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築のうち、社会経済、地方及び国民生活に必要な施策に関し、地域経済とコミュニティの活性化について、3名の参考人からご意見をお伺いした後、質疑を行います。ご出席いただいております参考人は、株式会社農林中均総合研究所主事研究員石田和樹君、雪南大学現代社会学部特任教授、神戸大学名誉教授平山陽介君、及び徳島大学院教授田口太郎君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず石田参考人、平山参考人、田口参考人の順に、お一人20分程度でご意見をお述べいただき、その後午後4時頃までを目途に質疑を行いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきください。なお、ご発言は着せつきのままで結構です。それでは、まず石田参考人からお願いいたします。ただいまご紹介に預かりました株式会社農林中均…石田参考人、挙手をお願いいたします。すみません。失礼いたしました。

5:56

石田参考人。

5:58

今ほどご紹介預かりました株式会社農林中均総合研究所の石田と申します。本日はよろしくお願いいたします。着座にてご説明させていただきます。私の方からは産業の担い手確保というタイトルで、特に特定地域づくり事業に着目したご説明をしたいと思います。1枚お見くりいただきまして、本日お話しする内容を大きく6つにまとめております。1つが私の研究テーマでもある受援力というご説明をまずさせていただいた後に、今回着目する特定地域づくり事業共同組合を巡る状況と移住時に係る成り割というものに係る状況、また多業という最近着目されている考え方を述べた後、特定地域づくり事業を巡る個人的な評価を説明したいと思います。最後6番目は、本事業の事例のご紹介でございます。よろしくお願いいたします。まず受援力の説明という前に、私の簡単な自己紹介したいと思います。私、石田は農業経済学という学問を専門領域としておりまして、特に農地の利用、あるいは地域資源の利用というものに着目してきました。そうしますと下の方に書いてあるんですが、農地関連法制度の研究もしておりますし、今、緑戦略というところで、環境に優しい農業というものは何かというような議論もしております。今回のテーマにつきましては、一番右下の、やはり農業地方の人手不足というような課題に対して、どのようなことができるのか、これを仕事づくりというふうにまとめまして、調査研究を行っております。その中で、外国人労働力、かなり農村部にも増えてきておりますので、こういった方たちの働き方、暮らし方についても研究しているということでございます。本日は一番右下の、地方農村部での仕事づくりの特定地域づくり事業協同組合制度との関わりについて述べさせていただきます。こうした考えを持つときに、私の方で考えているのが、5枚目のスライドでまとめております、「受援力」というような考え方になっております。こちらは、もともと災害ボランティアであったり、除雪ボランティアの支援を受け入れる際に、その力を十分発揮してもらうための、受け入れ先に求められる環境や知恵の総称を指す言葉なんですけれども、今、関係人口という、後ほどもご説明させていただくようなトレンドがある中で、地域課題解決と関係人口を結びつけるような発想も、デジタル田園都市の中でもよく見られる表現になっております。こうしたときに、農村側、地域側が何もしなくていいのかというと、決してそんなことはなくて、やはり人を受け止めるために、何らか対応しなければならないだろうというのが私の考えです。この受援力というような発想に基づいて、せっかく来てくれたのに何もすることがないとか、何したらいいかわからないを含むようなミスマッチであったり、来てから思うような自分の夢が実現できないというような課題が発生しないようにするために、どんな取り組みが必要かというものを考えております。参考を下の方に書かせていただきましたけれども、農村部、人が足りない、足りないと言うんですが、実際どのぐらい足りないんですか、どのぐらい雇用できますかというふうに聞いてみますと、意外とわからなかったり、地域全体で何人必要なのかというのは、業界またぐと全くわからないということになっております。もちろんハローワークがあるわけですけれども、そこでも明確化できないという課題もありますので、これを行って、その課題に対して何ができるのか、またその課題に対していかに情報を発信するのかというような、さまざまな取り組みを含めて、受援力向上というふうに名付けておりますので、特定地域づくり協同組合制度も、この流れに沿った一番の取り組み、非常にわかりやすい取り組みだろうということで、私の方も研究を始めたというところでございます。続けて、特定地域づくり事業協同組合をめぐる状況というスライドに進みたいと思います。6枚目以降のご説明になります。まず7枚目でございます。こちらの方は、皆様すでにご存知の内容が多いので、大変恐縮なんですけれども、やはり本制度、あるいは今後の地域づくり、仕事づくりを考える際に、欠かせないのが、東京一極集中というところだと思います。この東京一極集中の進展とその是正に関しましては、地方創生以降、特に着目というものは進んでおりまして、地方創生をはじめ、国土形成計画でも、地方維持を含む田園回帰の考え方というのが、はっきり明記されて、田園回帰元年と呼ばれた経緯もございました。また農村政策におきましても、持続的低密度社会という名称のもと、これを実現するためにどんな農村政策を取るべきかというような議論がなされております。また、22年12月のデジタル田園都市国家構想の中でも、転入転出を均衡にするというような目標が改めて掲示されるとともに、第三次国土形成計画でも、この是正というものが目指されております。ですので、この考え方というのは非常に広まってもおりますし、取り組みもあるというふうに認識できます。また、それと同時に、右の方で説明しておりますけれども、都市部住民の田園回帰への関心の高まりというのも、近年非常に多く見られるということでございます。赤字で示しておりますけれども、2022年のふるさと回帰支援センターの移住相談件数は、2年連続で過去最多というふうになっておりまして、コロナ禍の影響もちろんあったとは思うんですけれども、それが落ち着いてからも移住というところが考えられております。また、右下に関係人口という言葉を書いておりますけれども、移住よりもさらに広い関わり方の関係人口が注目を集めておりまして、先ほどもご説明したデジタル田園都市国家構想でも、地域の社会課題解決や魅力向上に貢献する存在というふうに見られております。この関係人口というところがどのようなものなのか、まとめたのが8枚目のスライドになっております。8枚目のスライドをご覧いただきますと、関係人口と一口に申しましても様々あるということでございます。一番下は特定の地域と関わりがないと答えた方でありまして、これが関係人口ではない方なんですが、72.9%はこういう方になっております。ただ一方で今、ふるさと納税で地方との関わりを持つであったりというのもありますので、訪問はしたことないんですが、思い出のある地域があるという関係人口が2.6%、また定期的継続的に関わる地域があって、かつ訪問しているという方も18.4%ございます。こちらの三大都市圏の方へのアンケートなんですけれども、2割ぐらいの方は、何らか第二のふるさとではないですけれども、特定の地域が思い浮かぶというような状況になっております。かつ右の方に応援者というような表現を書いておりますけれども、このように特定の地域が思い浮かぶ方というのは、やはり移住というものも考えている方が多いというのが、今回アンケートの結果から分かったことでございます。応援する地域がある方としての応援者のうち、41.8%が移住したいなというふうに考えているような状況になっておりまして、そのうちすぐに住みたいという方も6.6%存在しております。こうした方は応援できる仕組みというのは非常に大事だと思います。また、地方から都市部に出てきて、私もその一人なんですけれども、今後Uターンしたいなという方がやはり41.3%おりまして、こうした方はいずれ地方で働き、暮らしていくということを希望していると思いますので、こういった方への着目も含めながら施策を考えていくべきだというふうに思っております。続けて9枚目のスライドが、移住時にかかる成り割をめぐる状況についてでございます。今ほど申したとおり、移住地方で暮らすということの関心は非常に高くなっているんですが、10枚目のスライドを見ていただきますとお分かりになるとおり、農村移住へは3つのハードルがあるということをこれまで言われてきました。その3つというのが左に書いてあります「住まい・成り割・コミュニティ」という内容なんですけれども、後ほど先生方からもご紹介がある「住まい・暮らすとこがなかなか見つからない」、「コミュニティ」といってなかなか溶け込むことが難しいというものに並んで、「成り割」という経済的な基盤の確保が難しいということが挙がっております。このうち私の研究領域である成り割が非常に課題があるというふうに言われておりまして、2017年以降のアンケートで一番問題があるというふうに指摘されているところでもございます。簡単に申し上げますと、右上から地方移住を妨げる要因として、5割弱が仕事関連を回答しているというような状況ではありますし、都市部から地方にUターンする方などを中心としていると思うんですが、移住先で専門性をなかなか生かすことができないというような指摘もございます。こちらについては、今ほど転職なき移住ということで、テレワークなども含めた移住のあり方模索されておりますけれども、かつそこで解決できるところもあると思うんですが、やはり専門性を生かす賃金が高い職がないというところも一つ指摘されているところでございます。また、18年の田園回帰に関するアンケートでも、生活が維持できる仕事収入があることが最重視事項であること、また、まちひと仕事創生本部のアンケートでも、移住にあたって不足していた情報は何ですかと聞くとですね、仕事給食の情報ということで、なかなか地域外の方が仕事を見つけるということができにくい状況になっているということがわかります。また、今回新型コロナウイルス感染症の第6回目の調査、昨年度ありましたけれども、こちらについても、地方移住にあたっての懸念が仕事や収入が最多というような状況になっておりまして、ここ5年ですね、ずっと仕事のところが課題になっているということでございます。ただもちろん、11枚目のスライドで見てます通り、これまで仕事に着目した取り組みなどがなかったというわけでは決してございません。そもそも、左上に書いております地方創生が仕事づくりから着手するというような方針を示しておりましたし、農業分野の政策である基本計画においても、地域資源を活用した所得と雇用機会の確保ということで、やはり仕事に着目しております。ただ、なぜこれまでのアンケートで仕事がないないと言い続けられたのかというところを私なりに考えてみますと、11枚目のスライドの右の方にまとめております通り、なかなか働く人のニーズと合致してこなかったんだろうなというところを思っております。大きく理由3つあるんですが、1つは地方創生もはじめとしまして、東京23区から本社機能を地方に移転するという発想が強くみられました。そうしますと、都会で働いてた働き方とは違う働き方をしたいなという方のニーズとは一致しないということになってしまいます。農水省の方でも、企業誘致を図って農村地域工業等導入促進法の改正を行いましたけれども、これもなかなか、もともと住んでいる方が働くというところにも非常にプラスの結果がもたらせていて、移住者の仕事づくりにはなかなかつながってこなかったというところでございます。またもう1つ、農村では移住してくる、都会から地方に来るという人に対して、新規収納してほしいというような思いが非常に強くてですね、新規収納施策ばっかりを用意してしまったというところも1つあると思います。もちろん農業に関心がある方多いんですが、それ以外の方も非常に多くなっておりますので、その人が今後と考えますと、少し手薄だった部分があるというふうに思います。また本日のテーマである3点目は、地域事業者の人手不足への着目が希薄だったということでございます。今、農村部に行きますと、農業者の多くが、人がいない、人手がいないということを多くおっしゃります。ただ一方で移住希望者は仕事がないという話をしますので、かなりミスマッチが起きているということでございます。もちろんこれには後ほどご説明するように理由があるんですけれども、地域事業者の人手不足と、こうやって地方に来てくれる方を結びつけるという発想が、これまで少し弱かったのではないかという中で、今回特定地域づくり事業が大きく寄与しているというところをご説明したいと思います。その前に12枚目のスライドは、多業マルチワークの考え方でございます。まず13枚目のスライドを見ていただきたいんですけれども、こちら、多業マルチワークという言葉が最近よく聞かれるようになってきたということをまとめております。これは一つの仕事のみに従事するのではなく、同時に複数の仕事に関わる働き方ということで、所得源が多数あるということも強みでありますし、反応範囲Xというような単語も非常に聞かれるようになってきております。各先生たちも、この多業というものをかつては多く見られたんですが、現代的な復活ができないかということを言うんですが、それをどのようにやるのかというところが、今地域側に求められている課題になっているということでございまして、特定地域づくり事業が一つのヒントになっているということでございます。14枚目、15枚目は参考のスライドですので、お手付きのときに見ていただきたいんですけれども、農村はやはり人手不足とはいえ、年間を通じた仕事が少ないというところが、なかなか移住者の希望とは一致しなかったということを、14枚目のスライドでまとめておりますし、15枚目もですね、一時産業、なかなか転校で仕事があったりなかったりというような特質性を持っていますので、働く人にとって不安定な就労先なんではないかというふうに見られてしまうこともありました。それもあってなかなか人が集まらなかったんですが、安定的な仕事づくりというところをすれば、そのギャップが若干埋まるのではないかというような発想も持つことができます。最後の残り時間はですね、私の特定地域づくり事業をめぐる個人的な評価というものを述べさせていただきます。制度については、すでに周知と思いますので、私から詳しくご説明しませんけれども、17枚目に特定地域づくり事業共同組合制度の概要をまとめております。地方改革の土台としての雇用の場が必要という発想のもとを、赤字で示しております、地域の産業力を結集し、年間を通じた仕事として給与水準を確保して、安定した雇用を創出するというような狙いになっております。ポイント3つありまして、1つは本当であれば通年の雇用ができない事業者が組み合わせて、地域の担い手不足に対応するということ。②でも書いておりますけれども、それによって安定した仕事給与水準を確保して、移住希望者を含めて就業機会として提供すること。また3点目が、こうした方が定住していただくというような流れを作る中で、地域づくり人材というふうに制度上は呼んでおりますけれども、そうした方を迎えて地域社会を維持・活性化していくというような狙いになっております。18枚目のスライドが、今回の制度の参考になったというふうに聞いております、「アマチョウ」の事例を掲載されております。参照でございますけれども、春・夏・秋・冬、それぞれ一時的に人手が必要になる仕事を組み合わせて、1年間の仕事を作るというような発想になっておりまして、働く人はこの中からちょっと長く働いてみたいなとか、関心を持った産業に就職していくという、インターンにも近いような発想を持っているという仕組みでございます。19枚目のところが、本制度のこれまでの実績をまとめております。総務省のウェブサイトから掲載しておりますけれども、組合数99組合できておりまして、一時よりかなり増えたなという印象です。コロナ時期とバッティングしてしまって、なかなか話し合いの機会が持てないというような時期があったため、当初の数年間は組合数少なかったんですが、やはり急激に増えているというような状況でございます。また、検討中という市町村も非常に多くなっております。これまでの実績を見ますと、職員年齢が非常に若いという特徴があります。421人を採用しているんですが、6割が20代から30代というふうになっておりますし、移住状況を見ていただくと、派遣職員の7割が地域以外から来ているという方になっております。このうち、市町村内に以前から居住という方も25%ほどいるんですが、これは地域おこし協力隊が終わって、そのまま地域に暮らしたいという人も含まれておりますので、これ自体決して悪いことではなくて、そういう方たちの働く場所にもなっているということでございます。また、退職後の動向をまとめておりますけれども、退職というのも悪い部分ばかりではなくて、組合員の企業に直接雇用されるというような割合も増えております。この企業で働いてみたかったけど、本当に働きたいという思いが確定されたというような意味が含まれていますし、それ以外のところで雇用されたり、自ら起業するという流れにもつながっていて、転居の割合27%あるんですが、逆に申し上げると70%くらいは地域に住み続けるというところにつながっております。この時、私の専門である農業の分野に働く方非常に多くなっておりまして、農業の派遣先70%くらいあります。ですので、農業分野としても本仕組み非常に良いというような印象でございます。最後、印象を手短に述べさせていただきます。特定地域づくりの仕組みができて、マルチワークという働き方に魅力を感じている人非常に多いなという印象があります。また、2点目で書いております通り、この制度が移住決定の決め手となったという方も非常に多くいらっしゃいまして、仕事がないという悩みが解決されると、こんなにじゃあ移住してみようという人がいるんだというところを私自身も実感しております。また、独立就農や企業を考える方も、まず準備期間として組合で働くということもあって、一旦の受け皿というふうな位置づけもあると思います。また続いて22枚目のスライドを見ていただきたいのですが、こちらを見てみますと、地域の事業者にとっては、地域における仕事づくりというものの選択肢の一つとして見られているというような印象もありますし、まず地域に来てみて暮らしてみるという、地域インターン的な発想というものにも寄与しているというふうに思います。非常に良い面ばかり述べてきましたけれども、もちろん対応すべき課題も多くなっております。一つは、仕事の組み合わせと言葉で言うのは非常に簡単なんですが、意外とその調整は難しいということでございますし、2点目に書いております通り、人手不足解決手段としての意義限界があるということでございます。派遣という仕組みを使うんですが、一般の派遣とは違うという認識がないと、低賃金で使える人だというふうな認識になってしまうので、そうではないということをやはり理解しないといけないと思います。また最後23枚目のスライドでございますけれども、組合の運営というものを考えてみると、今交付金非常についておりますけれども、これなしで組合の運営ができそうなところはまだまだ少ないというところでございますし、計画通りにいけばうまくいったんですが、計画通りいってないというところも少なからず存在しているというふうに思います。最後3点目、4点目が今後の課題ですけれども、3点目は組合で働くということ非常にメリットなんですが、ここで働くことに関してノウハウをつけてもらうということが大事だと思います。派遣を通じたキャリアアップというところをどのように実現していくかということなんですが、やはりノウハウがつけばその分賃金もアップできるし、受け入れる事業者にとっても非常に嬉しいということになります。ですのでこの仕組みでどのようにキャリアをつけていくかということが大事だと思います。最後4点目は、副業規模あるいは反応範囲Xの方は、この特定地域づくり事業になかなか対応しきれないということもありますので、この方たちを地域で受け止めるときにどうしていくかというところは、JAグループ含め地域の対応を別途必要だと思っております。最後24枚目以降は事例の紹介でございましたので、本日は割愛させていただきますけれども、非常に農業分野に特化しているJAの取組中心にまとめております。お時間あるときに見ていただければ幸いです。私からのご報告以上でございました。ありがとうございました。

27:22

ありがとうございました。次に平山参考人にお願いいたします。私の方からは、今ご紹介いただきました平山でございます。私の方からは、空き家と地方再生ということでお話したいと思います。私はずっと住宅問題、住宅政策を勉強、研究を重ねてきたものです。普段は主に大都市がどうなっているかということにどうしても目が行きがちなんですが、今日は空き家と地方再生ということでお話させていただきます。今日お話しする内容をここに示しておりますとおりで、空き家が今どういう実態になっているかということをお話しした後に、それを地方再生の話に結びつけたいと思います。まず事実認識からですが、日本の住宅問題は、ご承知だと思いますが、とにかく住宅が足りないというところから住宅政策が始まっております。終戦直後、420万戸不足というのが政府の発表の数字でありました。空白で家がなくなってたくさんの方が外地から帰ってくるということで、とにかく家が足りないからたくさん住宅をつくるのだというシステムをつくったというのが戦後の日本であります。ところが、21世紀に入りまして住宅が余るようになってきて、要するに住宅をたくさんつくるというシステムを、とにかくひたすら頑張って頑張って住宅を建ててきて、気がつくとここに書いてありますように空き家数が846万戸、空き家率が13.6%ということになっております。420万戸不足から846万戸余っているというようなことになっておりますので、やはり非常に大規模な変化があったと見るべきだろうと思います。空き家の内訳が重要でございまして、空き家は今空き家が増えて大変だという話が多いわけですが、なかったらないで困るわけですね。誰も引っ越しできなくなりますので、そういう意味では空き家は必要なのですが、その内訳が重要でございまして、賃貸用が半分あって、売却用二次的住宅が少しありますが、問題はここにあります。その他の空き家、41%347万戸でございます。何に使うのかよくわからない、お持ちの方がですね、これ自分でも何に使うのかよくわからずに持っているという空き家が41%347万戸ございます。このその他空き家がやはりこれからどうしていったらいいのかということの焦点になりますが、国交省の推計では2030年には470万戸に増えるだろうということでございます。また、普及破損のある住宅というものを統計から調べますと、日本の全住宅の6.4%に普及破損がございますが、その他の空き家では28.8%やはり傷んでいるものが多いということがわかります。次に空き家の分布を見たものがこれでございますが、空き家率の上位10件並べますとこういう感じになっておりまして、このうち1位の山梨、3位の長野は別層も結構あるので、実態はちょっと本当にこれが全部空き家なのかどうかという点は留保が必要かもしれません。ただ、山梨県さんは空き家が非常に増えて大変であるということを知事ご自身がおっしゃっていたかと思います。この山梨、長野を除きますと、和歌山、徳島、高知、鹿児島、愛媛ということで関西に結構集中しているという印象、特に四国でしょうか、四国全体の空き家率が非常に多いのかなというふうに思います。ただ一方、大都市でも、じゃあ大都市は空き家がないのかと言いますと、そうでもなくて首都圏の地図をそこに示しておきましたが、やはり首都圏の周辺部の集合住宅に限って、その下の地図でございますが、統計を見ますと、空き家率が25%を超えると、周辺部で集合住宅というと、やっぱり需要が少ないためでございましょうが、25%というと4県に1県が空き家ですので、大都市圏だから空き家問題がないということではございません。それにまた、東京のど真ん中のあたりですね、少し黒くなっておりますが、杉並瀬田谷のあたりでございますが、大きな立派、ぱっと見た目立派な住宅で何の問題もないように見えるんですが、そこにお年寄りが1人で住んでおられたり、お亡くなりになって空き家になっているのが、実は外から見てよくわからない。ただ、申し上げたいことは、大都市の立派な住宅地でもそういう傾向が出てきているということでございます。続きまして、じゃあ空き家がなぜ増えたのかと、やっぱり原因がわからないと対策を打てないわけでございますが、1つ一番重要なのは、住宅の大量建設のシステムを作ったということです。先進国の中で、ついでに日本は近代化したわけですが、欧米の住宅政策に比べまして、日本はやはり住宅をとにかくたくさん作るという体制を作った点で非常に特徴的だったろうと思いますし、それが韓国、中国に移っていたということでございますが、とにかく住宅をたくさん建てる。その理由は、1つは先ほど申しましたように、もともと住宅が非常に足らなかったということ、1973年のオイルショックを契機にしまして、住宅建設が契機対策の柱になったということがございまして、契機が悪くなるたびにひたすら建てるということをやってきたということがございます。それから2点目に、その話の裏返しで非常に重要なことは、既存住宅市場、これかつて中古住宅市場と言っていましたが、言葉の漢字が悪いということで、今既存住宅、既存住宅という言葉を使いますが、既存住宅市場が未発達だということでございます。そのための制度をつくってこなかったという点が重要ですね。それから、これはもう御承知のように人口が減り始めました。人口が減りましても世帯が増えておりますと、住宅は必要なので、大丈夫かなということであったんですが、2020年代、もう今現在ぐらいでしょうか、世帯数自体が減り始めているということで、ますます空き家が増えるだろうと。それから人が都市部へ動くのであれば、空き家が増えるというようなことになります。人がじっとしていれば空き家にならないわけですが、それから後でも触れますが、新しい重要な要因は、住宅の相続が非常に増えていて、相続された住宅が空き家になるというようなメカニズムがだんだんわかってきているということですね。それから空き家対応システムとして、制作制度、ようやく動き出してはおりますけれども、これがまだ始まったところだということであります。こういった複合的な要因で空き家が増えているということでございます。そこに載せておりますグラフは、新築着工の数ですね。高度成長期、とにかくどんどんどんどんどんどん住宅が増えて、オイルショックでガタッと減って、あとデコボコしておりますのは、景気が悪くなると住宅が減って、空き家対策で住宅建設を促進するので、デコボコがあってだんだん減ってはきているというようなグラフでございます。次に空き家の所有の実態、じゃあ空き家は所有の実態どうなっているのか、マクロには空き家がいくらあるかというのはわかるんですけれども、所有の実態を国交省の調査からご紹介しますと、じゃあなぜ空き家をお持ちなのかというと、55%が相続した住宅を空き家にしているということでございます。それから今後どうするかということなんですけれども、空き家のままにしておくという方が28%ございます。これも後で触れるかもしれませんが、いろいろ聞いておりますと、やはり一番お困りなのは片付けられないということのようです。あとでも触れますが、地方の空き家を都会に住んでおられる方が相続するケースで、その地方の住宅をものすごい量の荷物があって、親御さんがため込んだものをどうするのかということで都合に暮れているということで28%あるということですね。それから賃貸売却できないと、空き家が不要であれば売ったり貸せばいいわけですけれども、特に先ほど申しましたように地方で空き家率が高いわけですが、借りて買い手が少ないというのがやはりお悩みの方が多いということです。空き家にしておく理由は物置として必要というと、本当に必要なようですが、さっき申し上げたように片付けられないという理由が物置として必要だということで6割になっております。それともう一点重要なのが、買いたい費用をかけたくないということで、お金をたくさん使って建物を除去するだけで、なかなかお金がないし、あっても使いにくい用途なのかもしれないと思います。今注目すべきは住宅相続が増えているということがあろうかと思います。住宅相続が増えている要因の一つ目は多死社会ですね。超高齢社会というのは、亡くなる方が非常に増える、毎年160万人強の方がお亡くなりになる多死社会の形成を迎えることになります。相続が増えます。それから親世代が、現在戦後の日本の住宅政策は、持ち家を所有してもらおうという政策を中心にやってきたものですから、かつては、例えば5、60年前ですと、親が亡くなっても親が家を持っていないという方が非常にたくさんおられたわけですが、現在の親世代は持ち家率が8割、9割ございます。なので必ず住宅の相続が発生するということ、それから子世代では兄弟姉妹が少なくなっておりますので、住宅相続を経験される次の世代が非常に多いということですね。住宅相続というものが非常に普及した、普遍化したということが非常に重要。昔はそんな誰でも経験することではなかった。ところが今はほぼ誰でも経験するようなことになってきているということです。それからもう一つ住宅相続で重要なのは、相続というと勘違いで若い人たちに相続されて、若い人たちの役に立つんだよねというイメージがあるとしたらそれは非常に事実と違いまして、今は寿命が伸びておりますので、相続される方がもうすでに高齢者だという場合が多くてですね、住宅の資産というのはものすごい高齢者から次の高齢者に相続をされていて、実は高齢層の中でぐるぐるぐるぐる不動産が回っているだけなんだという点を見逃してはならないかなというふうに思います。それから住宅の相続に関しまして、2017年ちょっと古いですが、これは私がオリジナルで調査をしたものなんですけれども、住宅相続にもいろいろ回想性があるということが重要でございまして、まず相続した住宅に自分で住んでおられるという方は自己居住43%で、付加住宅というのは自分が住んでいる以外に持っている住宅を付加住宅と申しますが、相続住宅を付加住宅にしておられる方が56.3%おられます。そのうち28.8%が空き家になっているということです。ですから相続してもどうしていいかわからないという方がかなりおられるということですね。それから次に所得回送との関係で見ますと、低所得の方が相続しますと自分で住むという方が6割超えるんですが、逆に高所得の方は賃貸住宅として貸しておられるということがわかります。次のこのグラフが重要かなと思うんですが、この左に厳重都道府県厳重都市県云々とありますが、これは相続した方がどこに相続住宅をお持ちかということです。これ非常にグラフが違うんですけれども、現在住んでいる都府県で住宅を相続した方は自分が住んでいたり賃貸住宅で貸したりして何かの役に立っているわけですが、相続した方の住んでいる都市県より遠いところの住宅を相続した方というのは空き家率が43%になるということですね。先ほど触れましたが、都会の方が地方の住宅を相続した場合、空き家等しておく以外にどうしようもないというような辺りを見ておく必要があるのかなと思います。こういった問題に対しまして、新たな制度対応はすでに始まっておりまして、ついこの間できたところでしょうか、相続した土地を使い道にない場合は、国庫に帰属させる制度というのが始まりました。ただ、これも建物を除却して空き地にしなければならないとか、管理費を納めなければならないとか、いろいろハードルはあるというふうに言われておりまして、この制度がどこまで役に立つかということを見ておく必要があると思いますし、重要なことは地方の方で、こういう空き地、空き家をどういうふうに地方の自治体として活用していくのかという計画を持った上で、こういったものを公共のところに戻していくのかということが重要だろうというふうに思います。それから、相続登記の義務化が始まっております。これも非常に重要なことでございまして、ご承知のように住宅、誰が所有しているのかよくわからないという土地がものすごくたくさんございますが、これは相続登記をされていなかったというのが大きな原因でありまして、これは一歩前進だろうと思います。東北の震災復興のときに私も仕事で行きましたら、もう誰の土地かが全くわからないというところから仕事をしなきゃいけなかったので、非常に大変だったというふうに聞いております。次に、先ほど申しましたように既存住宅市場というものは非常に重要で、住宅が流通する仕組みがないので空き家が増えるという点に注目しておく必要があるだろうというふうに思います。この点で日本ではずっと先ほど申しましたように景気対策として新築住宅を建てるということがやってきまして、新築住宅を建てることが経済に非常に刺激要因になって良いのだという考え方が染み付いていると思うんですけれども、もう既に時代はそれは違うことになっているということについて若干触れたいと思います。そこに国際比較の表がございますが、着工個数をご覧いただきますと日本では着工が減っておりましても、A、B、フランス、ドイツに比べてまだまだ住宅建設の個数は多いということが分かります。例えばドイツでは1000人当たり1.9個しか建てていないところ、日本では8.3個建てています。ところが住宅投資額をご覧いただきますと、1000人当たりの投資額は日本は一番低いわけですね。一番たくさん建てているのに住宅投資が一番少なくなっている。これは新築重視の住宅経済が実はもう小さい効果しか生まないんだということです。どうなっているのか、どういうことかと申しますと日本はリフォーム投資、ストックの流通率も格段に低いわけですね。ヨーロッパではもう新築住宅とか非常に少ないわけですけれども、皆さんが常に住宅に投資しておられます。自分の住宅を年から年中修繕しておられるわけですね。なぜかと言いますと既存住宅市場が非常に大きい。自分が住んでいる住宅はいつでも市場に出せるようにしておくと。市場評価を得るために自分の住宅に投資し続けているという経済で、トータルで見ると日本よりも大きな住宅経済になっている。日本は未だに景気対策として住宅ロング減税、重要だとは思うんですけれども、新築住宅を建てることが住宅経済の刺激になるということなんですけれども、そうじゃなくて既存住宅の住宅市場をつくることが経済にもいい効果を、持続可能な大きな経済をつくるし、空き家流通にも役に立つということを指摘したいと思います。住宅の寿命が日本では短いということをよく言われておりますが、これもだんだん改善はしてきていますが、まだ少ない。それから政府もストック重視、既存住宅重視の住宅政策の転換ということで、ここに挙げましたようなことをいろいろやっておられますが、ただ先ほど述べましたように既存住宅の流通量、国際的にはまだまだ非常に低い水準になって、実はそれはなぜなのかということがまだ完全には説明されていないように思います。ここの原因、既存住宅市場がなぜ成長しないのかということの解明をしていかないといけないと思います。ただ一つ若干変化を見せてますのは、若い方々で新築振興を超えるような動きが出てきております。若い方は子建て1個建てよりも都心の集合住宅、新築じゃなくてもリノベーションでいいですよと、大きな住宅じゃなくてコンパクトでいいですよという方が増えているように見えます。なかなか実証的なデータはないのですが、それからかつての大瀬妻、仏馬座敷というものが、住宅の新しいプランからはだんだん消えているように見えます。ただこれも地方性がございまして、例えば北陸の方に行きますとやはり仏馬は必要だとかいう方はありますけれども、若い方はそこまでこだわっていないかもしれないということですね。それから所得が先行き不透明ということもあって、昭和時代、私の親世代というのは郊外に大きな家を建てて家族をやって子育てをするというのが非常に重要なことだったと思うんですけれども、次の世代は多分違う形で夢を持つのではないか、それがどういったものかということを見ないといけませんし、20世紀後半の一個建て住宅というのは、ものをいっぱいとにかく買い込むということがあって、ものがたくさんあるということがやはり戦争を経験した私の父親の世代なんかには、ものをいろいろため込むというようなことが大事だったように思います。私の家なんかも例えば書物とかレコードとか家がいっぱいなんですけど、今の若い人たちはこれ全部データで持ってますから、大きい家は必要ないかもしれません。それとか昭和時代というのは皆さん百貨辞典をいっぱい必ず揃えたんですけれども、誰も読まないと思うんですけれども、本当に大変な作業で作った百貨辞典、かわいそうだと思うんですけれども、これも今はもうDVD1枚で済む話ですので、やっぱりどういう住宅に住みたいのかということが変わってきているのかもしれない。そこを捕まえて、アキア対策をしていく必要があるだろうと思います。これはURさんが親になった古い団地の修復で、こんな感じで若い方にも来てほしいよねというようなことをやっておられます。アキア対策の構築ということも始まっておりますが、要するに使えない、もうどうしようもないアキアは除却する、使えるものは手を入れて使うということを仕分けして、だからアキア全部が必要だとかアキア全部が不要だということにならない。きちっと仕分けをしていかないといけないわけですね。アキア対策特措法、昨年改正になりまして、アキア活用としてアキア活用促進区域を指定して活用していくということと、管理不全特定アキアを指定して、指導勧告命令、それから大執行までやれるというところに踏み込んでいるということが極めて重要だろうと思います。この点、最後の点で若干付け加えますと、研究者的には非常に興味がありますが、私有財産に公的支援が踏み込まざるを得ない場面が非常に増えていて、これはどういう論拠で可能なのか、理論として成り立つのかどうか、これはなかなか難しい問題です。アキアとか後継年のマンションですね、これが20,30年後大問題になります。それから被災地の住宅再建、これにかつては税金を使うことに非常に抵抗がありました。今はそうでもなくなってきています。やっぱり一歩一歩、なぜ必要なのか、なぜそんなことが私有財産に公的に助けるということがなぜ可能なのかということを、やはり理論というのは回り道ですけれども、そういう論拠がないと政策は進まないので、そこを考えていく必要があるかなと思います。アキア活用としてここに書いてあるようないろいろな事例が出てきてございます。最後時間がちょっとないんですけれども、地方再生について申し上げたいことだけ申し上げますと、地方に対する国の政策の枠組みが分配から自立競争へ変わってきているということですね、一番重要なことは。99年の地方文献一括法人が始まって、そこにズラズラズラ当たるまで、市町村合併があって三密体の改革があって、いろいろあります。地方をどうするかということが重要な課題になっていますが、国が地方を平等に助けるという時代ではなくなってきていて、競争と自立ということになっている。ですので、地方に対する政府支援も困っている自治体をどうするかというよりも、頑張っている自治体を助ける方向に制度設計が変わってきている。これをどう評価するかということが重要かなと思います。補助金にしても、コンペ形式の補助金が増えたと思います。地方移住促進、先ほどのご発表にもありましたが、地方移住を促進するということは国の方針として決まっておりますし、空き家を活用していくといういろんな事例も出てきております。今申し上げましたように、国と地方の関係をどう考えるかというのは非常に重要でございまして、一例としまして、10年前の地方消滅というレポートと書籍があって、これ大変話題になったと思うんですけれども、ここで何が問われたかということなんですけれども、時間があれですが、このレポートの中には、人口という国家の持続可能性、国土利用という国家のための資源配置、グラウンドデザインをどう描くか国家戦略である。要するに国家の問題として論が立てられているわけで、ここで問われたのは国が地方を支えるのか、国を地方が支えているのか、どっちか一方ではないと思いますけれども、そこをどう考えるかということ、それからこのレポートで非常に重要になったのは、20代、30代の女性人口という指標で地方を評価している。ということは、やはり出生率ということで評価している。これはあえて言いますと、国のために生む地方ということで評価している。かつて地方をどう見るかというと、やはりもうちょっと経済的な指標とか多かったわけですけれども、今国の政策は人口ファクターが非常に大きくなってきているということですね。これをどう評価するのかということですね。それから自治体半数の消滅可能性というのがこのレポートのショッキングな結論だったわけですが、ここでほのめかされたのは、消滅予定の自治体の再生は可能なのか、そこに分配投資するのかということが問われたのだと思います。実際にいくつかの地方では一生懸命地域おこしをやっていたんですけれども、この本でうちの自治体は消えるらしいということが書いてあって、急に元気なくなっちゃったとかで、そういうことがあるわけですね。なので最後に申し上げたいことは、自立競争のレジームということに、この20年変わってきたわけですけれども、少数のグッドプラクティスがあちこちで紹介されているわけですけれども、実のところなかなか衰退が止まらない地方もたくさんございまして、困っている地域を助けるのかどうか、頑張っている地域に目を向けるのか、その辺が国政には問われているように思います。時間は過ぎてしまいました。以上です。ありがとうございました。次に田口参考人にお願いいたします。はい。

51:26

田口参考人。

51:27

ただいまご紹介いただきました徳島大学の田口と申します。地域づくり住民共同という立場でお話をさせていただきたいと思います。まず自己紹介ですけれども、私のバックグラウンドとしては建築の都市計画の出身で、ただハードではなくてハードソフト両面から市民を中心とした街づくりの研究みたいなことをしたいと思っております。今日は徳島から参っておりますけれども、徳島の小さな、実は私8年前に小さな農村に移住をしまして、今平山先生からあったとおりですね、若い人ではなかったかもしれないんですが、地区90年の古民家をリノベーションして今生活をしていると。11世帯の集落で私より若い人がうちの家族だけというところで生活をしております。この生活をしてみてすごく気づいたことは、それまで都市部からフィールドワークとして地域に入っていって、いろんな研究をしてきて、それを発表してきたんですけれども、やっぱり外から入ると、どうしてもキーパーソンにしか出会えないという問題が実はあって、実際に生活をしてみると、キーパーソンが語る地域づくりの現状と、実際の生活者の普通の人の地域の状況というのに、だいぶ乖離があるなという印象が実はありまして、その辺りをもうちょっと丁寧に見ていかなくてはいけないんじゃないかという問題意識のもとに、結構そのコミュニティの意識みたいなことをすごく大事に、あるいはいろんな国の動きがありますけれども、居住者側の視点でどう見えているかということをすごく大事に、私は普段の研究をやっております。まず、今回私にお声かけいただいたことの一つに、コミュニティの変遷について話をしてほしいということだったんですが、よくコミュニティというと、遅延型コミュニティ、あるいはテーマ型コミュニティ、あるいは欠縁型コミュニティということを言っているんですが、実はかつては遅延型コミュニティというものが地域の中核にあって、全員参加で活動をし、その利益を全員で受容するということが一般的だったのが、最近は結構、町内会に加入するのかしないのか問題というのがあるように、町内会でも価値観の多様化しているので、地域活動を何でしなければいけないんだということを、小裸に叫ぶような人たちが出てきている。そうすると、その人たちは実は地域活動をしてくれている人のおかげで、治安が守られていたり衛生面が守られていたり、いろんな利益があるんですけれども、その利益を享受はしている。これはフリーライドだというような批判が起こってきてしまっているというのは、よくある町内会どうするんだという議論にはよくあるんですけれども、ただ一方で、これを無理やり遅延コミュニティに組み込んでいくというのは、あまり現実的ではないですし、そこで頑張っている方々って、そんなにフリーライドの人たちに対して目くじらたてで怒っているかというと、そうではなくて、結構自己実現みたいなところで、冷静に判断しているなという気がしておりますし、あるいは最近NPO等いろんな担い手が出てきておりまして、彼らは自分が住んでいない地域の公共的な利益に対してもいろんな活動をしている。ですから、今まで住んでいる人たちが受益者が負担をするべきであり、負担者が受益をするべきであるという議論だったんですが、それが必ずしも言ってこいの関係にはなっていないという現状があるのかなというふうに理解をしています。ですので、これは都市部ではこういうことが多くて、農村部は未だに遅延型だということが多いんですけれども、私、実際農村で暮らしていても、農村でもかなり広がっているという印象です。特に30代、40代ぐらいの若手世帯だと、例えばお祭りには参加しないとか、あるいは私が住んでいる自治体は常備消防がないので、消防団の活動がすごく大事なんですけれども、消防団活動が出てこないとか、そういうようなことがただ起こっております。こうなってくると、やっぱりだからといっても、彼らを強制的に参加させるというわけにはいかないので、このコミュニティがどんどん変わってきて、今、遅延コミュニティを支えているという人たちは、遅延コミュニティを大事にしたいというテーマコミュニティになっているというのが、現実的なところかなというふうに私としては理解しております。ですので、この辺りを今後どう考えるかですね。じゃあテーマコミュニティは良くないのかというと、そうではなくて、人口人の単位でいうと、なかなかいろんな趣味とか考え方が多様化しているときに、やっぱりどうしても地域にいると、自分と同じような考え方を持った人が少ない中で、テーマコミュニティとかSNSが広がったことによって、そういう人たちにとっても居場所がどんどん出来上がってきたという面でいうと、すごく意味があったのかなというふうに思っています。ただ、なんでこれを申し上げたいかというと、先ほど平山先生の議論にもあったとおり、基本的に今日本の地方の政策というのは、いかに人口を確保するかということにものすごく比重が置かれていて、人口減少が地域課題の一丁目一番地だとなっていると。人口を増やせば何でも解決するんだという雰囲気があるんですけれども、実際住んでいる人の中身というのはこれぐらい変化しているにもかかわらず、これおそらく人口が増えればいいというのは、全員参加家とコミュニティというのが前提に立ってしまっていて、これをもう一度考え直さなくてはいけないんじゃないかということが、私の基本的な考え方です。これは、町人仕事創生本部の会議に出ていたときにすごく感じたことなんですけれども、施策と人口の関係ということが全く整理されていないという現状があるかなと思っています。例えば、経済産業施策なんかで人口を捉えるときというのは、証券人口であったり、労働力人口であったり、そういうようなことが中心になっています。ただ、証券人口ということをよく言うんですけれども、今、我々のライフスタイルというのは、どんどんインターネットにシフトしていっているということもあって、特に物販に関しては、証券人口という概念自体が今後成立しえなくなってくるんじゃないかという話もあります。あるいは労働力人口に関しては、これも先ほどの梁先生からも話があったとおり、移住者と地域の仕事というのはマッチしないとか、あるいは、よく若年女性の流出が問題だという話になるんですけれども、これ、他方の言い方も考えると、若年女性のキャリアが相当上がってきている。だから、いいことなんではないかというふうに考えられるんです。ちょうど高度経済成長のときは、若年男性のキャリアがすごく上がって、大学進学率が上がるわけですね。その結果、都市部に出ていって、いわゆるホワイトカラーというような触手についていっていた。今、地方にあるのがどうしてもそういった触手がどうしても少ないということもあるので、なかなかそこに人手が足りないという話になってくる。そこは先ほど石田先生の話にもあったとおり、外国人労働力がかなりそこを支えているという印象がございます。それに対して、地域振興という立場で見たときに、やっぱり担い手をどう確保するか。単純に人が住んでいれば担い手になるかというと、やっぱりそこの人の価値観であったり、あるいは地域の人たちとの信頼関係であったり、そういったこともあるにもかかわらず、やっぱりここに対して十分な考え方というのはできていない。ですから、とにかく例えば今、移住という政策が各地に進められていますけれども、結局人をたくさん集めるということに注力されているわけですね。ただその人がどういうタイプの人なのかによって、地域にとってどういう地域になっていくかってだいぶ変わってきてしまうんですね。この辺りの議論が明らかに欠落してしまっているというのが、今、地方の移住に関してはちょっと問題があるかなというふうに思っていますし、収納という話もあったんですが、これも地域で長らく農業をやられてきた方の農業のやり方と、移住者が好む農業のやり方がちょっと違うということもあって、その辺りの関係性というのがなかなか崩れているということはあります。他方、自治体の皆さんと話していると、やはり地方交付税の算出根拠であったり、最近だと森林環境税の算出根拠としての人口というのはすごく効いてくるという話があって、そのために人口が必要だという気があるんですが、これは私としては研究のためというか、これは単純に税の再分配の問題であったりするので、あまりここは論じないというスタンスで普段は考えております。じゃあ地域の人たちがどうして衰退感を抱えているかということを簡単に申し上げて、これはよく私が出している図なんですけれども、一番下の曲線というのは人口です。真ん中にある曲線ですね。人口というのは二次曲線的に減っていくんですが、昔は人の数が担い手の数だったんですけれども、今は価値観が多様化することによって、人口より実際の担い手の数は少ないという状況に陥っている。ただ人口が減ると同時に、地域の維持に必要な労力ですね。そういったものが減っているかどうかというと、同じように減ってくれない。かつてはこれは多かったというふうに思っています。例えば田舎に行くと、お祭りの出汁の上で太鼓を叩けるのは長男だけだったとか、抽選で選ばれた子だけだったとか、あるいはいまだに集落作業というと、一世帯一人出てくればいいという話が一般的なんですけれども、おそらくこれも人が割と多かった時代に、分かりやすいフィルタリングの方法であったというふうに解釈できるかなと思っています。ところが今はこの地域の維持に必要な労力を、実際の担い手の数が下回ってしまっている。どうして地域は存在し得ているかというと、今この少ない人たちが過剰に頑張っているという現実があるかなというふうに思っています。例えば自治会の役員の任期みたいなものがすごく伸びているとか、大きな消防団とか、今の若手の消防団はおそらく対談する目処が立っていないというのが現状だと思います。ほとんどあり地獄状態になってしまっているので、この辺りがすごく衰退感につながっている。こういう状況を見ていると、若い人たちがますます担い手から距離を置くということが起こってしまうので、この辺りをどう解消するかということがすごく大事なポイントかなというふうに思っております。今、自治体がいろんな施策を打っている現実があるんですけれども、地方創生とかで言われている施策というのが、生活者のレベルでいうとほとんど今無関心化しているという状態が起こっています。これ、単純に言うと、いろんなまちづくりの取り組みがあるんですが、これは心理学のマズローの欲求段階と地域の行動動機みたいなものを比較して考えると、上の方が価値創造型の取り組みです。新しいことを、ことおこしをしていこうというもの。下の方が、どっちかというと、今困っていることを穴埋めしていこうということが多いんですけれども、何となく自治体の施策で多いのは、上の取り組みが圧倒的に多いんです。例えば、新しい移住者と一緒にカフェをやろうとか、6次産業化を進めていこうとか、何でこれに対して地域の人たちが無関心になってくるかというと、地域の人たちが困っているのはもっと下の部分なんですね。例えば、移動の問題どうするんだとか、買い物の問題どうするんだとか、この辺りにほとんど手立てが行われずに、上の方の取り組みばかりに今、残念ながら町創生のお金も大半がそっちに流れてしまっている。これは、政策の問題と同時に、マスコミがそっちばっかり報道するという問題も当然あるんですけれども、ただ、これが地域の人たちの、自分たちの生活が良くなる実感と、地方図で行われているいろんな政策のズレみたいなものがあって、無関心化を呼んでいるなという印象がすごくあります。では、地域をどうしていかなくちゃいけないかというときに、私は最近、自治の空白という言葉を多用するようにしているんですけれども、基本的には地域づくりというのは自治の再生だと思っています。自治というのは、自分たちの地域をどう運営していくかという力ですね。かつては、行政による団体自治と住民による住民活動というのが、両方力を持っていたので、ある程度オーバーラップをして、どっちがやるんだ、両方やっていればいいという話はあったんですけれども、実際は、今どんどん財政が苦しくなってきて、今縮小していると。住民は少々高齢化で縮小していると。今、ここの間に隙間が生まれてしまっているというのを、私は自治の空白と呼んでいます。例えば、かつては、巡宅に行われていたような公共サービスが少しずつ減っているとか、あるいは、道路の草刈りが年3回やっていたものが1回になってしまったとか、こういったようなことによって、景観が少しずつ悪化していて、今の現在があると。ただ、この隙間というのは、今後増えるしかないというのが現状としてあって、住民の皆さんは、この隙間の感覚ですね、この喪失感みたいなものを強く感じていらっしゃると。この隙間が埋まらない限りは、地域は良くならないわけで、いろんな施策は、この隙間をどう埋めるということに役立っているかどうかというところが、どうしても抜け落ちてしまっているという現状があるかなというふうに思っています。具体的には何なのかというと、そもそもこの全体のパイみたいなものが本当にこれだけ必要かどうか。人口が減っていく中で、これだけのことを今やり続けなきゃいけないのかということも一方で議論する必要があります。例えば、今、農村に行くと、これは多方の区分処遇が行われているということも一因ですけれども、非常に非効率で工作放棄が起こっている。ですので、ここをある程度集約化させて、効率よく自然に返していくというような議論も当然必要ですし、今まであちこちでやってきた祭りごと、地域のいろんな行事みたいなものを少し棚下ろししていくということも一方で必要かなというふうに考えております。それだけで埋まるかというと埋まらない。そこはどうするかというと、ICTの活用というのも一つあるのかなと。例えば、高齢者の見守りみたいなものを、かつては集落で黄色い旗運動と言って、朝起きたら黄色い旗を掲げましょうみたいなことをやってきましたし、それがちょっとデジタル化をしようというと、ポットのスイッチが押されたかどうかということを考えようという話がコロナ前はあったんですけれども、いまいち地域に普及していかないというのは、おそらく顔が見えないからということが大きかったと思います。ところがコロナによって、結構地域のおばあさん方にもLINEが普及したという現実があるかなと思っています。こういったテレビ会議システムみたいなものが、末端の居住者にまで普及していくとなってくると、この見守り機能みたいなものは、こういったものを利用していくということも一つあり得るのかなと。高齢者では無理ですよという議論をよく聞くんですけれども、いやいやでも、コンピューターよりタブレットの方が遥かに扱いはしやすくなっているので、こういったことを模索するということも一方で大事なことかなというふうに考えております。先ほどから話題になっている移住者であったり関係人口という話も、これも今の関係人口の議論ということをすごく僕が懸念していることは何かというと、ほとんど都市側の議論として行われていることです。都市側の人たちが自分たちのQOLを高めるために農村とも関わりたいであったり、あるいは農村に観光に行くだけでは物足りないから地域の人たちと交流したいと。ただそれによって交流させられる側の地域の論理というのはほとんど考えられていないわけですね。一方で地域は人手がないかというと人手が足りないわけで、だったら自分たちにとってどういう人たちとつながっていくかということを考えた上で、そこにフィットするような人たちとどのコミュニケーションを取っていくということが必要かなというふうに考えています。幸いに、DIDから農業集落への距離というのを農林業センサスで調べてみると、今9割ぐらいの自治体が1時間以内でDIDに到達できるんですね。例えば私が今11世帯の集落で生活しています。高齢化率でいうと70%ぐらいですけれども、そこから私は今職場までの通勤時間30分です。こういった暮らしがいくらでもできちゃうのが地方の一つのメリットでして、何にもかかわらず自治体という枠をはめた瞬間、人口減少だと、仕事がないという話になるんですけれども、もっとネットワーク型のライフスタイルというか、移動するライフスタイルということを前提に捉えていいんじゃないかということの問題提起を申し上げておきたい。そこで、地域の人たちとの新しい担い手として関係人口ということが盛んに言われるんですけれども、関係人口というのも今までは都市側の論理じゃなくて地方側の論理でいうと、例えばそこから出ていった子どもたちとか、あるいはそこに住んでみたけれども移住しきれずに出ざるを得なかったような人たちというのは、ある程度信頼関係ができていますので、そういう人たちと継続的に付き合っていく。例えば先ほども話に出た地域保護士協力隊という人たちが地域にいっぱい入っていますけれども、あれも今、定住率というものがすごく評価軸になっています。ただ、定住しなくたって東京に行って地域の宣伝をいっぱいしてくれる人はいっぱいいますし、だから地域に定住しなければ失敗かというとそんなわけではないんですよね。むしろ地域から出ていった転出者の人たちの方が地域との関係づくりが非常に上手だったりしますので、こういった人たちにもっと注目するべきですし、いかに出ていった人たちは関係人口の枠内に留まってもらえるかどうかということが一つ地域が問われていることかなというふうに思っています。こういうことを考えていくと、これは私がネットワーク型自治という言葉で呼んでいるものなんですけれども、今は地域の住民だけでいろんなことをやっていこうというような考え方から、地域の外に出ていった人とか、地域の外の信頼できるような人たちとどういうネットワークをつくっていくか、これはよく関係人口論で言われるんですが、この関係人口の一つ大きなポイントというのは、誰でもいいというわけではなくて、ここに実は関係人口の語源としては、かつて交流人口という言葉があり、もうちょっと根っこで言うと、1988年に磯村英一さんが、新宅市民という言い方をしているんですね。ここで新宅という言葉がすごく大事だと思っていまして、この新地で宅するというような関係性のネットワークというものを、地域がどれだけ持てるかどうかということが今後問われているのではないかというふうに私は考えております。こういうことをやりながら、ネットワーク自治というものをどう高めていくか、つくっていくかというのは、これから地域に課せられていること。だからどうしても地方創生で自立というと、立つという字が使われているんですけれども、今独立的な地域づくりというのは現実的ではなくて、地域の中が周りの人たちをいかにコントロールしながら、だから立するという字を使うべきで、そちらのような地域づくりをどう進めていくかということが必要かなというふうに思っています。その上で、地域において何が必要なのか、ただ人が集めればいい。先ほど受援力というお話を石田先生がしてくださいましたけれども、地域の自治をするだけに、企画機能と実行機能という2つで自治力が規定できるかなというふうに考えていまして、実行機能というのは今、大学連携とか関係人口とかいろんな動きがあるので、何とかなる気がするんですけれども、圧倒的に今落ちているものは企画機能です。自分たちの地域で今何が問題で、どういうことを考えなきゃいけないのかというような、企画機能が自治体のレベルからして非常に低下してしまっている。そこに先ほど平野先生があったように、頑張っている自治体にしかお金がいかないという状況があると、どんどん考える力格差みたいなものが地域の中で広がってしまっているという現実が、非常にあるのかなというふうに思っています。その上で申し上げたいことが、実際地域に入ってみると、地域に入って新しい街づくりの例というと、すごく美しいストーリーが語られるんですけれども、これはあくまで地域の中の上積み的な前向きの人たちのストーリーであると。その裏側に9割5分くらいの無関心であったり、普通の人たちの物語があるにもかかわらず、今いろんな施策というのはトップ層に対する支援施策に注力されているんです。ただ、おそらく地域を盛り上げていこうということを考えると、上を引き上げるというよりも下を仕上げるということの方が、必要なんじゃないかということをぜひ申し上げておきたい。その部分が、もっというと上を引き上げるというのは、公共としては支援するというよりも規制緩和をしてあげるといって、費やされをしてあげた方がよかったかもしれない。にもかかわらず、下の方というのは今ほとんど手落ちになっていて、目が向けられていないという現実があります。やはりそこのところを盛り上げないといけないと、地域は最終的に上がっていけないんじゃないかというふうに私は考えております。実際、昨年が2027年で、来年が2027年です。今年というのは、段階世代が後期高齢者に入ってくるので、今まで集落は粘り強いと言われてきたんですけれども、この集落がいよいよ維持がかなり困難になってくる。ところが、ほとんど今までこの集落対策というのが、考える対策みたいなことが行われてこなかったので、気がつけばもう手遅れという集落がこれから続出してくるんですね。これは非常に不幸なことだと思っておりまして、何をするべきかというと、やはり地域の状況に応じて、今何をしなきゃいけないかということを、自治体が集落単位で考えていくということが必要ですし、少なくとも全ての集落に、自分たちの集落の今後のことを考えて、その方向性を考える機会の提供というのは必要なんじゃないかということは、最後に申し上げておきたいと思います。例えば、これは私が今一生懸命、かちこくしてやっていることなんですけれども、単純に集落の年齢構成の現在と10年後を比較してみるだけで、10年後の戦力がどれだけ低下するかということを、簡単に視覚化することができます。これをやったところは結構問題意識を持って、自分たちの生活がどう変わるかということをイメージできますので、そこに対策を打てるんですけれども、こういう機会すらなく、気がついたらもう全て自利品になってしまったという地域が、いっぱい出てきてしまっているという現状がありますので、ぜひこのあたりは施策として、ぜひ応援していただきたいなというふうに思っております。最後ですけれども、今地域づくりというものが、どうしても攻めのキラキラした施策に非常に偏っているところがあって、今一度福祉的な守りということを、ぜひ大事にしていただきたい。もう一つは主体的に考える機会ということがすごく減っていて、今国が一生懸命いろんな支援制度を用意してくれているがために、地方はそれに乗っかるばかりになってしまっているような傾向があって、自分たちにとって何が必要で何が不必要であるかということを考えるということを、今ちょっと失いつつあるということが、これはなかなか人材が不足していて考えているだけの、人的な余裕がないということも実際あるんですけれども、これも踏まえてぜひ考えていただけると、地域の主体的な戦略というのが作れていくんじゃないかなというふうに思っている次第です。以上で私の発表を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。ありがとうございました。以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。まず各会派は1名ずつ指名させていただき、一旬後は会派に関わらず御発言いただけるよう、整理してまいりたいと思います。発言は着席のままで結構でございます。また、質疑者にはその都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一旬目はお一人15分以内となるように、御協力をお願いいたします。これより一旬目の質疑を行います。質疑のある方は挙手をお願います。

1:13:34

若林洋平君。

1:13:36

着座でよろしいですか。はい。はい、すみません。自由民主党出動家権選出の若林洋平でございます。まずもちまして石田様、平山様、拓司様におかれましては、大変ご多忙の中、我々のために貴重なご意見をいただきましたこと、改めて深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。また、福山会長をはじめ、理事の皆様、調査会の皆様、貴重な質問の機会をいただきましたこと、本当にありがとうございます。はじめに、改めて年明け早々に起きました野田半島地震によりお亡くなりになった方々とそのご家族様に心より哀悼の意を表します。また、被災された全ての方々にお見舞い申し上げますとともに、発災以来、連日復旧・復興に尽力いただいている全ての皆様に深く感謝と敬意を表するところでございます。一日も早い復旧・復興を願い、我々も引き続き尽力していくところでもございますが、何といっても国が一体となって被災地を支援していかなければいけないというのがいうまでもございません。そのためにも、今日、先生方からお話をいただいた内容というのは非常に大きいというのは、全国各地域の地域経済を盛り上げて支えていくことがやはり大切だということは、私はそういうふうに思っております。私自身、富士山のふもと、御殿場市の市長を13年ほど務めさせていただきましたけれども、常々考えていたのは、大企業はもとより、中小企業がうるおってこそ、本当の日本経済の強さである、それが構築されるものであるというふうに考えて、市の発展に励んでおりました。言い換えれば、各市町の発展の結集こそが県の発展につながり、県の力につながり、その県の発展力の結集こそが真の日本の強さにつながる、そう信じて、その理念を持って、各自治体の代弁者ということを自負して、今、参議院としてこの場に立たせていただいているところでございます。地域経済を盛り上げるためにも、特に一時産業だと思うんですけれども、中小企業の賃上げはもとより、どの業種においても、人材不足というのは喫緊の課題で、特に地方における人材不足の解消というのは、本当に真っ只なしの状況ではないのかなというふうには感じているところでございます。最初に石田参考人にお聞きしたいんですけれども、私、市長をやっていたときに、大学生はもとより一般の方の再就職希望者、市民でですね。特に大学に行く前の高校生、狙いは何かというと、結局意外と地元の高校生というか、地元の人って、企業の看板は見てても、どういう仕事をしているとか、どういう業種があって、どれだけ人が、先ほど参考人の方がおっしゃっていましたけれども、具体的に何人足りなくて何人というのはあまり分かっていない。特に、ましてや就職をしたい側も分かっていないという中において、しかも本当は高校から大学に行ったときに都会に行ってしまうのは仕方がないとは思うんですけれども、本来は帰ってきてもらいたいわけですよね。なのに、その時点で分からないものが、大学に行って、例えば東京でも大阪でもいいんですけれども、大都市の企業で内容を見てしまったら、地元に帰る気というのはなかなかないと思うんですよね。そこで考えて、これ平成29年に作ったんですけど、合同企業ガイダンスというのを市と商工会で作ったんですね。とにかく市内にある大中小問わず企業を全部来てもらって、市民に分かってもらう。しかもこれ、もちろん優先は市民だったんですけれども、市外でもいいようにしたんですが、特に高校生、とにかく大学に行ってもいいから戻ってきて、結構聞くと、やっぱり戻ってきたときにどういう職場があるかが分からない。何やってるのか分からないということがあったもので、そういうことを努力してやったら一定の世界が出たんですよね。ところが、それだけでいけるかといったら、いけるはずもなく、先生方がおっしゃったようなこともあらゆることをやってきているんですけど、何が聞きたいかというと、それでもなぜ都会に集中してしまうのか。そのマインドというかですね。本来であれば、先生方の資料にも書いてあったと思うんですけれども、逆に貧困が起きると思うんですよね。家賃は高いし、物価は高いし、いくら給与が上がったところで、そもそもですよ。賃金が上がっても、私、本来厳しいと思うんですよ。都会でその若い人たちが生活をしていくというのは本当は厳しいと思うんですよね。だから本来は地方で、一番割合の筋のは家賃だと思うんですけども、そういう中において、やっていった方がいいというふうに思うんですけど、その大都市に残りたがる一番の要因って、石田参考人には何だと思いますか。またそれをどうやったら解消できるのかな。これデフレマインドとちょっと似てるとは思うんですけど、その辺なんかにお考えがあれば教えていただきたいと思います。

1:19:10

石田参考人。

1:19:15

ご質問いただきありがとうございます。非常に取り組みの概要、大変参考になりました。都市部で住んでみたいというのは、私自身福島県出身だったんですけれども、やはり憧れというのが非常に強いというふうに思います。ニュース等を見てても東京の情報がありふれている中で、一回は暮らしてみたいというのを、私の友達も含めて皆さん思っていたことでございます。ただお話いただきました通り、家賃も高い、賃金が多少上がったとしてもなかなか暮らしが厳しいというのが現実で、30歳を超えたぐらいからだんだん地方に帰ろうかなというような友達も現実多くなってきたということで、憧れから暮らしてみて、もう地方へという目線が本当にできてきているというのが実感するんですが、じゃあそこで何の仕事ができるのかなというところで、結局は同じ県の都市部に住むというところで、完全に地方に戻りきっていないというところも、やはり仕事がないとかですね、高校生までいない方は特にどこで働けるのか、求人情報が不足しているというのもあったように感じております。ですので、理想と現実のギャップと、あとは、あれですね、働く場所、あとは暮らし方の現実の発想が少し希薄だなという感想です。すみません、話長くなりました。以上でございます。

1:20:36

和川志代平君。

1:20:39

まさに今おっしゃるとおりだと思うんですよね。だからこそ、かといって田舎の方もですね、食がないわけじゃなくて、むしろ人手不足なんですよ。この現実をどう考えるかというのは非常に矛盾しているというか、ということはやっぱり知られていないということだと思うんですよね。簡単にお答えいただきたいんですけれども、やっぱり、私も自治体の長ではあったんですが、自治体の長によってかなり温度差があるというか、その辺、これはあれですかね、平山参考人の方がいいのかな、平山参考人にちょっとご意見があれば。結局、今までは一律に自治体に交付金とか出していたじゃないですか。かといって、頑張っているところだけ出すというのは、田口参考人がおっしゃったとおりで、それもちょっとまずい部分はあるとは思うんですけど、でも、の別の幕なしに出すというのは、本当はちょっと私も違うかなとは、一時長をやっていたときから思っていたんですけれども、その辺、平山参考人に、ついでに、ついでって言ったらごめんなさい、ついでではなく、加えまして、田口参考人にもお話を聞かせていただければありがたいです。

1:21:57

平山参考人、挙手をお願いします。ありがとうございます。平山参考人。

1:22:03

申し上げたかったことは、分配型から競争型に、この話だけじゃなくて、いろんなところでそういうふうに変わってきているわけですね。頑張っているところを応援するというのは、それは全然いいと思うんですけども、ただ、頑張れないところもある。それは、例えばこういう場とかメディアとかには出てこない、見えていないところで頑張れていないところがたくさんあって、そこを助ける仕組みがなくなってきているというのがやっぱり気になるということです。例えば、例えばちょっと自分に近く、私、ずっと国立大学に勤めておりました、30年ばかり。勤め始めたときは、国立大学は平等に扱われていたんですけども、法人科になってから、とにかく競争しなさいということになってですね、学内的にも競争、学校間でも競争、自治体みたいなものです。競争、競争について、競争すればするほど日本の研究力は落ちていったというのが現実。なんかまずいこと言ってますかね、大丈夫ですかね。落ちていったのが事実なんで、それはなぜなのかというのも、まだメカニズムよく分かっていないんですが、ただ、すごくあれですけど、例えばノーベル賞を取られた先生方のお話、私、必ず聞きに行くんですけども、やはり若い頃、競争なんかなくて、非常にのびのび自由にやってたというようなことがあってですね、そういうことも重要で、例えば今、自治体の長の方、あちこち非常に頑張っておられるんですけども、例えば、国のコンペ型の助成金を取るために、私が勤めていた大学は、要するに国の補助金を取るために、いかに、もうとにかく書類山のように書かないといけない。それに頑張るのが、大学の幹部の仕事だったわけですよね。でも、本当にそれが僕たちのやりたいことなのかということなんですよね。なんか、うまく言えませんけど、競争のあり方も重要だと思うんですけども、要するに国の助成金に向かって競争するということだけではないのではないかということが1点、競争とはどういうものを競争と言うべきかということが1点と、もう繰り返しになりますが、競争に勝てなかった、あるいは競争に乗る気がなかったところは、だんだんメディアからも、僕らも知りませんし、見えなくなってきているんですけども、そういうところをどうしていくのかということが、やはり国政として重要じゃないかなというふうに思います。

1:24:36

田口参考人

1:24:39

国立大学からまいっている田口さんは、今おっしゃるとおり、非常に競争にさらされている立場でございます。大学からの個人的にもらえる研究費はもう幾百もないという現状で、国家から取ってこないと研究もできない。それは頑張っている人は研究をするほど、自分の生活がおかしくなっていくというのが現実なんですけども、そのあたりも考える必要があるかなと思いました。一方で、今先生からご質問いただいたような、例えば首長によってどう違うのかとか、競争をどう考えるかとか、若い人が何で東京に行ってしまうのかというときに、メディアの情報のあり方というのもすごくあるなと思っています。例えば、よく所得格差という言葉があちこちで出るんですね。東京と地方でこれだけが違う。そういう話に対して非常にみんな敏感なんですけども、収支格差という言葉はほとんど出てこなくて、私は大学生たちに平均給与と平均家賃というのを比較してグラフで出したりするんですけども、そうすると収支で見ると結構地方の方がよかったりするという現実をほぼ知らないという現実はあるかなというふうに思っています。ですので、このメディア等の情報の出し方みたいなものがあまり上手じゃないなと思うことと、もう一つは、これは自治体の考え方ですけども、地方大学も実は同じなんですけども、いかに外に出さないのかというような施策がすごく多いんです。私の主張としては、外に出さないんじゃなくて、外に出した上で帰ってきたくなるような街づくりしてるのかということがあって、今、地方の国立大学も地元就職率にKPIがついてるんですけども、極端な話を言うと、胃の中のカーズを育ててどうするんだという話も当然あるわけで、やっぱり大会を知って、いろんな力を身につけてUターンしたくなるような地域づくりをどうするか。そのときに、行政に必要なのは首長のそもそもかもしれないですけど、出ていくなではなくて、どんどん出ていっても帰ってこいというような懐の広さみたいなものが地域におそらく求められていて、先ほど私が出した図で、外に出ていった人たちをいかに関係人口の枠内に留めるかということも同じで、今、地域に移住者なんかが常に言われることは結局定住するのかということをずっと突きつけられ続けるんです。これは地域保護士協力隊の人たちも3年間言われ続けるんです。そんなに定住が大事なのかということは、やっぱり移住者側からすると言いたいわけですよね。やっぱりそこで何年間過ごすということはそれだけですごく大きいですので、そこで定住しなかったらダメなんだということではなくて、全員に定住しなかったとして、外に出ていったとしても継続的に関わってくれるような地域をどう作っていくかということは、地域の戦略としては絶対的に必要だと思っていて、そこにマインドを変えていかないと地域の未来というのはなかなか明るくならないのかなというふうに思っています。以上です。和歌場市長、ありがとうございました。まさに関係人口も含めて足りない部分はそこで補っていったりとか、そういうことってすごく大事な発想になっていくとは思うんですよね。でも冒頭、私の質問の中で申し上げたとおりですね、やっぱり各自治体の良さを、実は良さというか職場ですとか、そういうことをもうちょっと県もそうですし、まくにも含めて、実はこういう職場があってこういうことがあるよということは、もうちょっとやる必要はあるのかな、またメディアの方もお願いしたいのは東京にいてですよ。それはそうですよね。家賃が高くてお金足りないに決まっていると思うんですよ。若者も結構きついと思うんですよね。それよりも実際はそうじゃなくて、もっと幅があるところもあるよというようなことを伝えることも、ぜひ我々もしっかりと研究してやっていきたいなというふうに思っております。貴重な質問の時間、ありがとうございました。以上です。

1:28:43

森屋隆君。

1:28:45

立憲民主、社民の森屋隆でございます。石田先生、平山先生、隆先生、ご説明ありがとうございました。最初に少し説明をさせてください。日本は、減災集落が2万ほど、そして消滅集落が6万3千ほどあると言われていると思います。その多くが、人口減少に歯止めが利かず、そして高齢化率の高さが特徴です。そして、今回の野党反党地震では、孤立箇所が複数発生するなど、避難や救助、そして被災地などで多くの課題が浮き彫りになったと思っています。このような課題は、野党に限らず、私は日本の多くの地方地域にも同じ状況があると思っています。私事になるんですけれども、私は東京の一番西の端にある日野原村というところに住んでいまして、面積は105.42km²で、東京で3番目に広いところです。1番目は奥多摩町というところで、2番目は八王子市です。そして3番目は日野原村で、面積は93%が森林です。私の小学校の時には、人口は6千人ほどいました。今は2千人を切りました。その1割に当たる200名ほどが、村外から老人ホームなどに入居されている方々です。元々の日野原の方ではなくてですね。今年の成人式は3名でした。高齢化率は52%超です。標高は1500mを超える山もあり、当時は林業が中心のお仕事でしたので、9軒ほど山奥にあります。ポツンと一軒家のようなイメージです。昨日もテレビを見た人もいるかと思いますけど、東京で一番標高の高いところに住んでいる人は誰なんだろうというテレビをやっていまして、奥多摩町の960mくらいのところに住んでいる方でした。平らな場所が当然少ないために、家の奥は山を背負っていたり、また川沿いの家は掛け作りのようなところです。そういったところで、ハザードマップで言えばこのレッドの地区が非常に多いところです。買い物は車で30分から1時間かけて行きます。そのような地域です。それでは今回の地震の教訓と災害リスクヘッジを念頭に質問をしたいと思います。まず平山先生に伺いたいと思います。今説明したように、一般的に多くの空き家は生活に不便で危険地区などが多く、そのためこの物件は空き家になっていて安価で、さっき頑張っている地域というのがありましたけれども、補助金などを利用すれば本当に少ない予算で移住は可能です。そういう人もいます。地域によっては何年か住めば無料でもらえるというような、そういう政策でも頑張っているところもあると思うんですけれども、この安価なうえ危険なところゆえ、逆に景色はいいんですね。高いところだと崖のところにあったりして、日が当たるところに畑を作っているものですから、住んでいるところは日が当たっていないところに作っているところが多いわけですね。だから景色はいいんです。川沿いだったりとか。だから先ほど言ったように頑張っているところは、都会から来た人はカフェなどを始めたりして、リノベーションして、カフェなども始めたりするような人もいて、結構人気なんです。不動産屋さんもそのような空き家物件を、さっき説明ありましたけど、空き家で持っているんだけど売らないんですね。やっぱり危険なところでもあるし、さっき言ったように物置になっているところもあって、だけど不動産屋さんはそういうところを売れるんで、それで補助金も出るんで、わりと積極的に売却を進めているようです。若者や交流人口を増やしていきたい一方で、これは地方の悩みですから、その一方でこのような物件は、自然災害の危険と実は表裏一体であります。行政的なランニングコストや、安全な社会的な保障の難しさも実は感じます。この相反する政策が同時進行しているようにも感じます。平山先生の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

1:33:47

平山参考人

1:33:52

地方の地域がこれからどうなっていくのかということを考えた場合に、結局重要なのは一つ一つの家なり不動産をお持ちの方がどうするかということの積み重ねだと思うんですよね。プロジェクトをやって自治体がガッと何かをするというよりも、一人一人がどうを考えてどうしていくかということが重要だと思うんです。その場合、地方の空き家ないし、いろんな不動産をお持ちの方がそこにおられないということがまず重要で、都会におられるんですよね、大体。そうですね。まず、中傷的な言い方になりますけれども、皆さんがどういう所有の実態なのか、誰が持っているのか、どうしようと考えておられるのかということを、まず抑える必要があるんじゃないかなというふうに思います。自治体なり何なりがですね。その上で、ですから、例えば街づくりこうしようと思っても、一つ一つの不動産をお持ちの方がどう考えているのかということが見えないと、何か計画も作りにくいと思うんですよね。ですから、まず自治体が中心になるだろうと思うんですけれども、個別の不動産、都会におられる方がいずれ相続されます。そのときに、先ほど申しましたように、相続したときにその都会の方はもう老人です、大体。すると片付けもしんどいということになっているかもしれない。そういった方々、お一人お一人の考え、動きが積み重なって地域でできていきますので、まずそこをちゃんと抑えるということが必要なのかなというのが一つあろうかと思います。ですので、繰り返しながら、まずはこれは私的領域で誰がどうしたいのかということを抑えるということが一つ。それともう一つお話にありましたように、確かに秋山と自然災害の関係ということを考えた場合、私、先ほど若干申し上げましたけれども、私有物に対する自治体あるいは行政の介入というものが、どういう論拠で、どういう法律に基づいて進められるのかということがあろうか。あなたの家は危ないところにありますから撤去しますとなかなかならないですけれども、ただそれは空き家のかなり傷んだものについては可能になってきているわけですよね。ですから公共的な防災というものと、私物の集積としての地域というものをどう折り合いをつけていくのかなというところがポイントだろうと思いますが、基本的には一人一人の方がどうなさるのかということが重要だろうと思いますし。もう一点は、私専門住宅なんですけれども、住宅政策をずっと追っかけていきますと、やはり大都市を念頭に置いた政策なんです。家が狭いですし、家賃が高いですから。地方は家が余っているぐらいだし、広いし、一個立てだし、みたいなイメージがあるのかもしれません。住宅に関しては何の問題もないんじゃないかというふうなイメージがあるのかもしれませんが、地方には地方のやっぱり大きな問題があって、今重要なことをおっしゃった非常に危険なところに住宅がある。あるいは広いけれども非常に老朽しているとかですね。逆に若者が住みたくなるような家がないとかですね。あるいは住んで、所有しておられる方がおられない。地方の地方型の住宅の問題というのはどういうものかということを整理した上で、やはりこれも国策として整理して出していく必要が。年型に偏らないということが重要かなと思います。以上です。

1:37:56

森屋貴司君。

1:37:57

先生ありがとうございます。おっしゃる通りで悩んでいる方が多いみたいでして、例えば空き家で持っているんですけれども、危険地区なので壊してしまえばもう建てられないという。だけど柱でも一本でもあれば、リフォームじゃないですけれどもまた建てていいという、そういった法律なものですから、やっぱり悩んでいるなということで。ありがとうございました。参考になりました。次に田口先生の方に伺いたいと思います。これも災害とちょっと絡んでいるんですけれども、頻発する自然災害、台風などもそうなんですけれども、地域鉄道への被害が多発をしています。例えば、2022年の台風で被災した鉄道は、いまだ一部普通です。これは復旧には20億円かかると試算もされています。国や地域や企業が分担する支援制度もある、制度はあるんです。分担しながら3分の1ずつとかですね。その制度はあるんですが、縮小していっている地方行政はお金がなかなか輸出できない。そして赤字鉄道は結果として、なかなか企業としても出し切れない。要は制度はあってもうまく活用ができていません、実態としては。そしてこの鉄道が普通になっていることによって、実は地域経済の影響が1年で12億円マイナスと試算をされています。これがそこの地域が通っていないことによって、12億円ほど地域にマイナスを及ぼしている。復旧の見通しがなくては、当然若者を中心に地域産業、鉄道以外ですけれども、その地域の産業から離職が出ていまして、あるいは地域から人口の流出が加速しているようでございます。地方創生は省庁や分野を超えたトータル的なプロデュースが私は必要だと思ってまして、単体単体でなくトータルでのプロデュースが必要だと思ってます。しかし実際にはイニシアチブを取るようなことがなかなかできなくて、関係機関へのコンセンサスもなかなかできていない。県や地域をまたぐ市町村、さらには行政官の縦割り政策で、結果的にはたらい回しになっているような面もあるんじゃないかなと思っています。今回の災害で被災した野戸鉄道もそうなんですけれども、先ほど田口先生の方が福祉的な守りというようなことを言っていただきました。移動というのは移動のインフラだと思っているんですけれども、一企業ですけれどもインフラだと思ってまして、特に地方鉄道などは手遅れになる前にこういった被害を受けて何年も寝かすんじゃなくて、どうにかなるだろう、どうにかなるだろう、そのうち廃線になってしまったということではなくて、寝かせる前にもはやこれは国の責任で復旧すべきものと私は指定するような、そういった大胆な転換が必要だと思うんですけれども、田口先生のご所見をお聞かせいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いします。田口さん、後任。はい、ありがとうございます。災害でいうと、実は私は今徳島に行く前は新潟におりまして、そこで2007年の中越沖地震という地震で私自身も被災をして、ずっとその後復興を待ちづくりを商店街でやっておりました。その時も右肩下がりの商店街どうするんだという話がすごく議論になっておりました。ただ、もともと被災前からかなり課題を抱えていたようなところを復旧したところで、また課題を抱えているだけだろうという議論は常に起こっているかなと思います。ただ、その時に考えなきゃいけないことは、復旧させることが絶対全なのかということはどこかで考えなきゃいけない。多くの中だと、そこをバス路線に切り替えているケースもあるんですが、ただやっぱり鉄道のイメージというのはすごくあってですね、やっぱり地元の皆さんからすると鉄道がなくなったという喪失感がすごく大きいということで、すごくネガティブに捉えがちなんですが、ただちょっと僕はそこはですね、鉄道が全てなのかということはちょっと考えてもいいんじゃないかなと個人的には考えております。例えば、確かに鉄道というのは、すごく被災前走っていたものが復興するというのは、ここのシンボルという面ではすごく有効だと思うんですが、現実的にやっぱりその後の経営みたいなことを考えてくると、もう少しすり抜かしていくということを別の代替手段で、ただその代わり不便がないような持続性みたいなことをきちんと保証した上でですね、やっていかなくちゃいけないということはすごくあるかなと思っています。一方で、災害に関してはですね、やっぱり今おっしゃったように、かなり現場に対して柔軟な対応というのがすごく必要だったものです。実は私が経験してきた新潟県の中越地震、中越沖地震というのは、復興基金というのが作られておりまして、これは国がある程度拠出をしてですね、その2%の運用域を復興に充てるというものですが、東日本大震災以降、それが全部止まってしまっていてですね、何が大きいかというと、直接国が面倒を見るというのは気持ちがいいんですけれども、すごくお金の使い方のフットワークが重くなるんですね。議会議決が全部必要になるとか。それに対して復興基金というのは理事会で全部決められますので、非常にフットワークが軽くてですね、すごく地域の極端なし、この集落を何とかしたいというところにもある程度金を使えるというようなことがあったりして、今までの既存の行政の枠組みというものとはちょっと違う仕組みを少し災害復興なんかの場合は入れていってですね、やっぱり確かに税金であると非常に説明責任が常に問われてしまうということもあるので、少しそこは自由度の高い予算の使い方みたいなことに変えていくことによって、もっと少しフレキシブルなお金の使い方というのは可能になるんじゃないのかなと思っているところがありまして、そのあたりは熊本でもなかなか努力したけどできなかったという話は聞いていますけれども、お金のスキームを変えるだけで結構いろんなことができるようになったりするということもあるのかなと思いますので、ちょっとそのあたりは少し検討いただけるとありがたいなと思っている次第です。石田先生、すみません。時間が来たので終わります。ありがとうございました。公明党の下野六太と申します。本日は石田先生、平山先生、田口先生、お3方、大変お忙しい中に大変貴重なご意見、情報をいただきまして感謝申し上げます。まず、田口参考人にお伺いしたいのですが、今、小学校、中学校での義務教育段階で、不登校の数が右肩上がりに増え続けている現状です。一昨年29万9千人増え続けていく中で、有効な予防策がまだなかなか提示できていないというような苦しい状況があります。私は子育てをしていく中に、もっとやはり地方の魅力を自然と共に生きるというようなことを展開していくべきではないだろうか。田口参考人が地区90年の古民家をリフォームされて、非常に人口的には少ない、高齢化率も高いところにお住まいで、おそらく自然が素晴らしいところだろうと思います。そういったところでの暮らしの中で、そこまでじゃなくても、少しの地方であっても自然豊かな地域は日本にはたくさんあると思います。そういったところでの子育てにも魅力があるのだと、自然の中で子育てをしていく、そしてそこで子どもだけでなくて大人にとっても非常に有効であると、ストレスを発散できるというような、そういった大きなメリットがあるというようなことを、田口参考人の現在の、今の暮らしから聞かせていただくことができればありがたいと思います。

1:47:00

田口参考人。

1:47:02

ありがとうございます。私は今、11世代の集落で、子どもが幼稚園児と小学生2人育っております。小学生が2年生と4年生ですけど、2年生の子どもの下以降が集落で生まれているんですが、集落で生まれたときに、この集落で生まれた子どもが40年ぶりだと言われてですね、大騒ぎになったという状況ですね。今おっしゃられたことは非常に大事な話だと思っておりまして、私が移住したときにですね、多くの人たちから、何でわざわざこんなところに越してきたんだといろんな人に言われ続けました。これは私の立場がですね、大学の教員ということもあって、そんな人がわざわざこんなところにいなくてもいいでしょうというのが地域の皆さんの一般的な評価なんですね。これは何なんだろうかって、僕は何のために移住したかというと、子育てのために移住しましたと答えています。これは言ってしまうとですね、やっぱり子どもにとって何が大事かと思ったときに、僕は地域社会といろんな多様な人間関係が大事だと思っている。ただやっぱり今の社会の状況からすると、勉強ができる、点数が取れるということにものすごく比重が置かれていてですね、小学校の親御さんたちもやっぱり勉強させたいという気持ちがすごく強いんですね。私たちからすると、どちらかというと好奇心を育てた方がいいと思っているところもあって、そういう働き方をするんですけども、これはなかなかですね、恐らく教育の基本的な方針が、かれきゃらがかなり決まっているところもあって、じゃあ田舎の小学校だから自由度高い教育ができているかというと、かなり得意な例だとできているところがあるんですが、ほとんどの学校で東京だろうが田舎だろうが同じような教育システムをしてしまっていると。これは実はものすごく僕は損失だと思っています。やっぱりここでどういう暮らし方をするか、どういう体験をするかということは、先ほどの話ではないですけども、子どもたちにどういう思い出を残すかということだと思いますので、そこに対して学校の現場の先生方が、やっぱりそこは十二分に理解できていない。先ほど不登校という話も当然ありました。不登校もですね、実はうちの場合は幼稚園までは自然学校、フリースクールに行かせていて、小学校から公立の小学校に入れているんですけども、やっぱり自由なことを経験していた子どもからすると、学校がものすごく不自由だというんです。これは不登校になるよなというのが正直な感想でして、やっぱり学校の教育の仕方みたいなことの自由度がすごく今、がんじがらみになっているというところにもう少し自由度があったりすると、その地域のらしさは出てくるし、一方でもう一つは学童保育がその現場になってもいいと思っているところがあるんですけども、やっぱり学童保育も人員不足であったり予算不足であったり、あるいは責任問題というものもあって、なかなか自由なことができないという現実があって、やっぱりこのあたりをどう手こいでするかあって、よくこれは田舎から住んでいる人と都市という構図で語られる、移住者という構図で語られるんですが、田舎にいる人たちも一定数そういうことに価値を見出している親御さんはいらっしゃって、ただやっぱりどうしてもそこで自由に過ごしている子どもが、特別支援学級に送られてしまっているという現実があるんです。全然普通の子どもたちになる。だからやっぱりこのあたりの認識みたいなものを変えていかないといけない。特別支援学級と不登校というものをどう捉えるかというときに、やっぱりどんどん教室から多様性が失われている気がしていて、そのあたりはもうちょっとフレキシブルな運用ということをしていかないといけないのかなと個人的には考えております。以上です。

1:50:39

下野六太君。

1:50:41

ありがとうございました。非常に参考になります。石田参考人にお伺いしたいんですが、昨年7月の豪雨の際に福岡県の浮橋市で非常に大きな災害に見舞われました。そこでブルーベリーの農家が、ちょうど収穫の時期と豪雨の時期が重なりまして、担い手の方が高齢者でありました。収穫がもうご自身が被災をされたということで、諦めかけていた。その時に、そこにいわゆる関係者、関係人口の一人であった、顧民家再生協会の方がそこに行って、その収穫を助けようということで、チラシを作って、ネットでそれを拡散させていったところ、福岡市の都会からそこに向かって収穫を助けに行く。そして、自らも楽しんで、いろんなことを学びながら収穫を親子で体験していく、というようなことが約1ヶ月間ぐらい行われて、それで収穫をすることもできたし、それを出荷することもできたということで、関係人口を都会の側から考えるのではなくて、関係人口に対して、地方から、地方の農家から、そういった考えることが良かったということで、今、これからそれをどうやって持続させていこうかということを考え始めております。石田参考人にお伺いしたいのが、地方の農業の担い手不足というところから、関係人口に対して、石田参考人のお考えをお聞かせいただけたらと思います。

1:52:39

石田参考人

1:52:42

お質問いただきありがとうございます。福岡のお話、大変参考になりました。関係人口に対して、地方から発信していくというのは非常に大事だと思っております。それについては、受援力の中でもご説明いたしましたけれども、やはり発信ということで、うちの地域こんなに困っているんだよというのが、なかなか分かりづらいというところを改善していくというのが第一だと思っております。全国どこでも困ってはいるんですけれども、各地域、地域で品目も違いますし、気候も違うということで、特色含めて発信していくことが選ばれるというところにつながると思います。また、旅行と組み合わせて収穫体験するとか、そういう楽しみながら関係づくりしていくというのも非常に増えてきておりますし、私自身注目しております。ただもちろん、困った時だけ来てくれというような都合のいいことはありませんので、食糧安保でも平時と緊急時と言いますけれども、普段から関係をつくる、楽しんでもらうというのをいかにつくるかを、そういう緊急的な時にも助けてねという関係に結びつける発想を、我々農村側、農業側も持っていこうというふうに考えております。以上でございます。

1:53:51

下野六太君。

1:53:53

ありがとうございます。今まさに、平時においてどういう関係をつくっていくのかということを今模索しているところでありまして、困った時だけ来てくださいというような関係じゃない関係をつくっていこうということを今考えているところです。ありがとうございます。平山参考人にお伺いしたいんですけれども、先生の住宅に対するお話は非常に参考になりました。ありがとうございます。私も住宅のことで非常に心配をしていることが、大都会の東京でもそうですし、福岡市や北九州市を抱える、西冷市を抱える地元でも一緒なんですが、マンションや集合住宅等で、またマンションの建設が盛んに行われているような現状もありますけれども、このマンションに住んでいる方々が50年後、100年後、一体どうなるんだろうかと、特に都会の構想マンション等でも言えるのではないだろうかと、それに対しては非常にいろいろな心配事が重なっておりまして、先生としてはその辺りのマンション事情に対しては、先生どのようなお考えをお持ちなのかお聞かせいただけたらと思います。

1:55:20

平山参考人。

1:55:22

まずマンションの実態が、マンションが建つようになってもだいぶなりますので、差が著しく大きいということがまずありまして、一方では今、東京の建っているマンション、住宅の平均価格1億数千万、とんでもないことになっている一方で、地方の例えばバブルのところに建ったマンションがあるんですけれども、もう根がつかないぐらいになっているというような実態がありまして、マンションによってまず個別事情が全然違うということがあろうかと思います。今御指摘のように50年後、これは大変なことになるのではないかと言われています。まず建て替えをどうするかということで、今政府いろいろ法律をつくっておられて、4/5の賛成で建て替えがOKだったのが、今度は3/4になったのかなるのか、そういうことなんですよね。ただ4/5を3/4にするのが建て替えを進める本質かというと、決してそんなことはありません。まず皆さんの合意で建て替えが可能になるものはごくごく一部でしかないということがまず現実でありまして、可能な限り維持するというような政策も一方では打っていく必要があると思います。特に心配なのは、東京に特にたくさん建っているタワーマンションですね。あれは一体どうなるのだろうというのを、なかなか厳しい想像力を働かせないといけない。建て替えはまず今の法律のもとでは不可能だと言ってよろしいかと。そんなこと言って駄目なんですかね、こういうところで。では不可能じゃないかと思います、率直なところ。ですから今日先ほど申し上げましたように、私物、私有物が最後どうなるのかということに関しての公的介入の論拠は今ないままで、どうしようもなくなったところから始まっているんですけれども、そこをどう考えていくかということが非常に重要だろうと思います。ただ今今日お話ししたことに関連することで言いますと、ちょっと触れましたが、地方の古いマンション、かなり問題になってきておりまして、ただそれもあまりメディアにも出ませんし、見えないところで進んでいる事態がどうなっていくのか、大変心配しております。以上です。ありがとうございました。終わらせていただきます。ありがとうございました。

1:58:08

中城清志君。

1:58:13

日本維新の会、教育無償化を実現する会の中城清志でございます。先生方には有意義なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。まずはじめに石澤和紀主治研究院にお伺いをいたします。日本の農産、漁村の人口が減少して、農業などにないてが減ってしまうと、食料自給率の低下はもちろんのこと、地域の産業は目に見えて衰退してしまいます。農業技術が継承されないことで、地域の特産品や伝統的な農業文化が失われるというようなことは、避けなければならないと強く感じます。私は岐阜県で生まれ育ちましたが、美しい長永川や里山といった豊かな自然の背景を西大名作や、山間での夏の涼しい気候を生かした野菜の数々が、私自身を育んでくれたと思っております。美味しい農産物は日本の美しい原風景の象徴でもあります。農産漁村の持続的な地域づくりをいかに進めていけるかは、日本の育成を考える上で非常に重要なテーマです。そのような中で、季節や繁忙期、業種をまたいだ担い手の確保は、農業をはじめとした事業に従事する方の年間の収入を安定させることにつながり、地域産業の担い手を確保していく上でも、とても有意義です。多様な働き方が注目される今、農業半分、違う事業半分とご説明いただいたマルチワークや地方移住の促進は、とても大切だと思います。農務省のウェブサイトによれば、特定地域づくり事業共同組合は、北海道から沖縄まで全国で100件弱まで増えていて、大変心強く感じます。そこで、いくつか質問をさせていただきます。まず、先生や政府の資料の中のマルチワークは、半分農業、半分は別の事業に従事することだと思いますが、全く関係性のない事業に従事するというのは、とても大変だと思います。単純の産業だけでは、なかなかキャリアアップや多様なライフスタイルにはつながりにくいように思います。こういった形で地域の農業や産業に従事することを、選んでくれた若者が長く活き活きと働けるようにしていくための研修や、中長的なキャリアの築き方はどうあるべきかをお聞かせください。次に、先生も資料の中で指摘されていますが、この組合が認定されるまでには、膨大な事務作業や調整があり、かなり時間もかかるようです。必ずしも、こういった申請作業が得意な方ばかりではないと思いますが、全国どこでも比較的簡単に手順や知見を共有する術はないものでしょうか。最後に、外国人の方の育成就労制度も、農業の人手不足の問題と密接に関わると思います。より条件のいい勤務先に転席してしまうことについて、特定の地域に偏らないようにするための工夫などがありましたら教えてください。よろしくお願いします。

2:01:59

石田参考人

2:02:00

ご質問いただきありがとうございます。3つのご質問をいただきました。まず1つ目が、研修中長期的なキャリア形成のあり方でございましたけれども、こちらについて、本当に農業を最初からやりたいんだと決めている方に関しては、すでに新規就労の取り組みというものは、非常に各地域拡充してきているような印象を受けております。それまでは教え方が不慣れなところもあったのですが、最近はちゃんと農業者のところで弟子入りしてステップアップの研修というのも組んでおりますので、以前と比べると定着しやすくなってきていると思います。ただ一方で、農業もやってテレワークも少しやりながら、徐々に農業のシフトを増やしていきたいとか、割合を増やしていきたいという方ももちろんいらっしゃいますので、そういう方に関する支援のあり方というのは、実はこれからの検討事項だと思っております。片手間とは言いませんが、ずっとテレワークが忙しくて、ちょっとだけ農業をやればいいんじゃないかと思っている方も少なからずいる中で、この時期はこれだけ人手が必要なんだよとか、現実具体的なところの忙しさを伝えていくというのが、農業現場の本当に必要なあり方だと思っております。また2点目につきましては、調整に時間がかかるということでございました。こちらに関しましては、地方の市役所のOBの方、あるいはJAの部長職まで勤めたような方が、事務局長となって申請しているというのが調査先の実態でございました。これについては、総務省のところで事例の報告が近年かなり多く上がっていて、イメージがつきやすくなってきたというふうにも思っております。また、申請のあり方については、仲間集めというのが一番難しくて、農業者だけであればすぐ集まるんですが、商工業の人となかなかこれまで話したこともないしというところで、そういった集まりがある場、商工会と農業会がつながっていく場とか、普段からの付き合いというものがあれば、自然と申請の話し合いも盛り上がるというふうに思いますので、事務局員と普段からの付き合いというものを同時に見ていければというふうに思っております。また3点目、外国人についての質問でございました。これは私、今ほどよく質問を受けるテーマでございまして、やはり九州であったり東北で最初は働くんですが、やはり北関東であったり東海に移動してしまうというのが非常に多いのが現実でございます。これを止められるかというような質問も受けるんですけれども、やはりその地方でこの人にずっといてほしいという人を決めて、その方の賃金を上げていくとかですね、手厚くしていくというようなあり方、日本人でよく見られるようなあり方を、外国人労働者にも適用するという発想をまず持っていただきたいということを、私の方からは伝えております。また1年で転職、2年で転職という議論も出てますけれども、1年間いてくれればいいじゃないかと、その後転職しても大丈夫なように自分の働く場所を変えていこうと、非常に割り切ってですね、考えていくということも現実必要かと思っておりまして、農業でそれができるかというとなかなか難しいんですけれども、そのようなやはり働く人の希望を受け止めた上でのあり方を考えないと、強制的にはですね、やはりできないものですから、あり方を考えていきたいというふうに思っております。ご質問いただきありがとうございました。

2:05:26

中城清志君。

2:05:28

石田先生、ありがとうございました。ぜひ雇用の確保、多様な生き方の実現、そして持続可能な地域づくりの三方を良しを達成しながら、日本の美しい原風景を守っていけるように、今後もお力添えをください。ありがとうございました。次に平山陽介名誉教授にお伺いをいたします。最近、街中でもですね、あれが空き家かなと思うような建物を見かけることが増えてきました。空き家をめぐってはですね、火災や倒壊といったリスクはもちろん防犯上の危険、地域の景観や衛生状態を損ねるなど、課題がたくさんあります。さらにその空き家だけではなくてですね、周辺のお宅まで不動産価値が下がってしまうなどがあり、活発な地域づくりの足を引っ張ってしまうのではないかと危惧していました。先生のご説明を伺っておりましても、空き家問題には社会的、経済的、そして政策的な課題が複雑に混ざり合っていて、解決の難しさを改めて考えさせられます。その中でもですね、空き家を問題として見るのではなくて、地域の資源としての可能性を見出していくことについては、大変興味深く感じました。先ほど先生のお話をいただきましたけれども、政府の統計でも5年前の時点で空き家の数が848万9千戸、過去最多となって、全国の住宅の13.6%を占めているとのことですので、空き家対策はまさに待たなしの状況だと思います。そこで、税制優遇や新たな建築抑制という政策的な話がある一方で、これから家を買おうという人は、できればやはり新宿がいいと思うのではないかと思います。そこには、最新の住宅技術での耐震性や断熱性、機密性を備えた住み心地と安心感を求めるものではないかと思います。こういった考えに対して、リノベーションにより、同程度の住み心地を実現させて、価格は抑えられた物件、あるいは税制などで優遇された中高住宅の選択肢として用意するのもいいのではないかと考えます。もう一つは、地方や地域での空き家問題です。そもそも、貸す先や売る先がないという悩みもあるように思います。こういったところは、貸所化と相まって問題でもあり、雇用の喪失や地方移住の促進、住宅の需要と供給など、地域の空き家住宅の需要を上げていくために、他の政策も交えた対策や可能性についてお考えをお聞かせください。

2:08:33

平山参考人

2:08:35

ご質問ありがとうございます。2点申し上げます。1つは、既存住宅の流通を円滑にする市場形成のための制度的な枠組みが必要だと思います。今日も申し上げましたが、日本の住宅政策は戦後、持ち家を買ってくださいという政策を中心にやってきたわけですが、日本の大きな特徴としまして、持ち家を買った人は、言葉は悪いんですけど、住みつぶすまで、とにかく徹底的に住んで、住み終わったらもうボロボロみたいな、言葉は悪いですが、それが日本の大きな特徴です。欧米と比べるのが正しいかどうか分かりませんが、今日申し上げましたように、彼らは家を買ってもどんどん引っ越します。そのためにどんどん手を入れます。それの方が経済にも良いですし、社会的な流動性も生まれるということがあって、まず既存住宅市場が円滑に、既存住宅が円滑に流通する市場が必要だということが重要だと思います。それは住宅の面からもそうですし、今日、両先生のお話を伺ってましても、やはり日本に今非常に落ちてきているのは流動性だと思います。実際に転居した経験というデータが、住宅土地統計調査にあるんですけども、どんどん減ってきておりまして、特に若い方が動かなくなってきています。ですので、もうちょっと動きやすくなるように、動かなくなった理由の全部じゃないですけど、一つはやっぱり住宅を確保が非常に大変だということがあろうかと思います。ですから、地方というのは、今日の話題の地方というのは、定住する場所というイメージがあるんですけども、そうじゃなくて、今日お話がありましたように出て行った人が帰ってくるとか、関係ない人が入ってくるとか、もっと出たり入ったりしていいんじゃないかなというふうに思いますし、それは大都市の側でもそうなんじゃないか。家を買っても、もう家を買ったらマイホームでここでずっと住むんだって別に決心しなくてもいいんじゃないかなという。それを流通することが住宅の空き家を減らしますし、住宅に手を入れることになりますし、重要なことだと思うのが1点ですね。もう1点は、地方の、じゃあ空き家どうするんだ、街中で空き家増えてきてこれどうするんだというときに、1つ重要なことはやはり、今日も若干触れましたが、自治体で街づくりの計画をまず持つことで、それに沿って空き家が出てきているのであれば、自治体の側が積極的に所有者に働きかけるとか、そういうことが私物に行政介入どうするんだという話をしていますが、そういうことはあってもいいのではないかなというふうに思いますし、空き家を建物のまま残す必要もなくて、住宅して空地として緑地にするとか、遊び場にするとか、街づくりってそういうことですから、建物はこれから減っていくと考え、建築って言いますけれども、建物を減らす計画を自治体が持って、その上、だから空き家対策と自治体の建築を含めた街づくりというものをリンクさせるというようなことが必要ではないか、それによって、国庫に相続して不要なものは収めるという制度がありますけれども、そういうものを公的に活用、もっと活用をしやすくする制度があればいいのではないかなと思います。以上です。ありがとうございます。田口先生にも質問がございましたのですが、時間が来ているようですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

2:12:32

私は田口先生の次に田舎に住んでいると思っていたのですけれども、その前にかなり山奥ということが分かって、3番目ぐらいかなと思いながらお聞きしておりました。私も山形県の小さな町に住んでおりまして、人口が6,000人台後半ということで、うちの町に限らず、本当にどこの町も今、過疎化の中で、いろんな地域おこしとか、どうやっていろんなサービス合成になっているところもあるのですけれども、人口の増加とか活力の向上に向けて頑張っている中で、なかなかその効果が見えていないというのが、実際多分これは山形に限らず、どこの自治体も同じ悩みを抱えているのかなと思っています。そういう中でいろんな、今日はご提案をいただいたのですけれども、まず最初に石田先生にマルチワークについてちょっとお聞きしたいのですけれども、マルチワーク、これは各地域、うちの町にもあるのですけれども、1つの移住者の受け皿としては重要なのかなというふうに思います。ただ、そんな中で、継続的に住み続けているのか、交流を持ち続けているのか、一歩間違えば腰掛け的に見えているのではないかというような懸念もあります。先ほどの田口先生のお話でも、やはりこの攻めの街づくりと守りの街づくりと、行政が火を当てるところってやはり攻めの部分というのですか。面白いイベントをつくっていくとか、新たな取り組みのところは、わーっと補助金がついたりいろんなことがあるのですけれども、本当に求めているのは案外、その他の人の大勢の満足感をどう上げていくのか、そこが底上げにつながっていって、やはり魅力を発信していくのかなと思う中で、何かピンポイントの華やかなところにスポットライトがあったりすぎていると、逆に地域住民との帰りが生まれていないのか、本当に交流しているのか、いろんな地域の行事に入ってきているのか、そんな懸念もある中で、現状、今マルチワーク、移住者の受け皿として機能しているその在り方が、この地域において、どうなのかな、機能するかどうか、そのポイントとして何があるのか、多分うまくいっているところと、なかなか形だけというところがあるのかもしれませんけれども、その分かれ目がどこにあるのか、そのあたりご知見があれば教えてください。山形にも確かに特定地域づくり事業共同組合がありまして、非常にスポットライトが当たっているというか、全国でも紹介が多い事例だというふうに承知しております。その上で、機能としてうまくいっている分かれ目でございますけれども、私個人の印象としては、組合の構成員となる派遣先の事業者同士の仲の良さといいますか、問題意識の共有にあるというふうに思っております。ここの部分でどのような働き方をするかとか、地域との接点づくりというところの意識があるかないか、また農業に特化していると、農業者って非常に多いから、一人知り合いが増えれば非常に増えるというわけで、派生的にもなるわけですけれども、派遣先の事業者がそれぞれがバラバラだったりすると、その広がりというところに限界が出てしまうというふうに思います。JAグループもそうですけれども、一人いれば後ろに100人いるぐらいの組織でございますから、中小一事業者といっても後ろに多くの人がいるという、そのバックの人まで含めて受け入れるというような発想を持ってもいいのかなというところで、入り口としてはすごく良い仕組みだと思っておりますので、そこから先は地域の発明次第なのかなというふうに思う次第でございます。以上でございます。

2:16:28

藤山安生君。

2:16:29

ありがとうございました。あと、定住人口なり移住人口なり交流人口ですよね、そういったものをうまく増やすための一つのポイントは、私の個人的な試験ですけれども、やっぱり受け入れ体制というんですか、受け入れ側が、なんだよ、そのものが来やがったよって思うのか、ぜひ本当に皆さん一緒にやりましょうと思うのか、そこの体制ってすごく重要な気がします。あとは、取り分けですね、子どもにとって、先ほど田口先生からもありましたけれども、子どもにとって本当に住みやすいところなのか、いい環境なのか、そういったところを、これも多分PRも含めて、そういったところ、受け入れ側がどう外からの力を入れようとしているのか、その心構えというんですかね、その体制というのが非常に重要なのかなという気がするんですけれども、その点で実際に移住された田口先生から見て、今の各地域の取り組みについて、もうちょっとこういうところが必要ではないかとか、ここをもっと売ればいいんじゃないかとか、そういったものがあったら、ちょっと御助言いただければと思います。

2:17:56

田口参考人。

2:17:57

そうですね、ここを売ればということの前に、結局いろんな地域が、今、例えばふるさと回帰フェアみたいなところに行くと、ぜひ我が町に来てくださいと言っている割には、実際どうよというとすごくネガティブな情報がいっぱい出てくるんです。だから、結局、みんな来てと言っておきながら、実は自分の地域に自信を持っていないという現実があると思うんですね。やっぱりここの本音の部分をきちんと作っていけるかどうかは問われているかなと思うのと同時に、先ほどの移住者も外物だと排除するのも、何のために移住者がいるかという議論が多分地域で行われていないんですね。単純に先ほど申し上げたように、人口を稼がなきゃというのは行政の理論としてはあるんですけれども、生活している住民レベルでいうと人口が何の意味を持つかってほとんど関係ないときに、だから僕が申し上げているのは、やっぱり地域の皆さんが、自分たちの暮らしが今後10年どう変わっていくか、そのときにやっぱり仲間がいないと立ち行かないという現実を知った上で、じゃあ移住者とどういう関係を作るのか、どういう移住者を受け入れていく必要があるかという議論を誘発していかなくてはいけないんですが、今おそらく単純に人口が減っているということが問題とされているので、人口を増やせというと、なかなか地域からするとそれは自分の暮らしとは関係ない端子になってしまう。そこをどうやって関係づけていけるかどうかということは、多分地域の働きかけの仕方の問題だと思うんですけれども、そこは絶対的に必要なことと、あと地域のPRを、例えば移住フェアに行くといろんな地域の情報誌があるんですけれども、ほとんど地元の人たちが知らない情報というかあるんです。これは僕はインナーブランディングの重要性という言い方をしているんですけれども、私の村では、ライターと写真家に写真を撮ってもらって、地元の生産者のいい紹介の仕方を外じゃなくて全国配布をするんですね。そういうことをすると、地元の人たちが自分たちの地域はこういうところがいいんだと気づくんですけれども、ほとんどその内側への広報が行われずに外向きばっかりやっている結果、ぜひ来てくださいと言われているのに行ってみたら、なんでこんなところに行って言われてくる、なんか凶雨みたいなことが起こってしまうというのは、やっぱりそこはどこかで地域に住んでいる人たちが自分たちの地域を信じていないところがあって、そこをもうちょっと働きかけをしながら、本当にちゃんと自分たちの地域に対して自信を持ってもらうという作業をきちんとしていかないと、なかなか厳しいかなというふうに思っています。

2:20:27

藤山靖君。

2:20:29

はい、ありがとうございます。本当によくわかります。うちの町ってそんなものあったんだっていうのを町の人が初めて知るとかですね。やっぱりそこは先ほど平山先生からありましたけれども、やっぱり町作り計画も一部の人が作るのではなくて、やっぱり地域ごとにいろんなこと、皆さんが関わって長く掘り起こしっていうんですかね。そういったことをしていかないと、やっぱり自分がいいと思わないものを外に進めたっていいわけでもないし、外から来たときに、これ石田先生の資料にもありましたけれども、人が足りないんだって言いながらいざ行ってみたらやることがなかったとかですね、何やらせようとか、そんなことになってしまうと思いますので、本当にやっぱり改めて地域の本気で、そこでですね、何ていうのかな、やる気のあるところだけにお金をつけるとかじゃなくて、底上げのために、やっぱりまずは現場での問題意識の共有ということを、もう少し働きかけるということが必要なんだなということを改めて思いました。そしてですね、私もやっぱりその際に、やっぱりその地域に関わって、あそこに興味がある、行ってみたいというときには、やっぱり仕事とコミュニティと、やっぱり住まい。住まいがあれば行くというそのインセンティブも非常に大きいと思うんですね。そういう中でやっぱりこれは、先ほどのお話の中でも、空き家問題って田舎に限らず都会でもというお話がありましたけれども、やっぱり地方に行くと本当に空き家だらけで、こんなにいいうちなんでというところもいっぱいありますし、そしてその空き家の活用についてまさに中古住宅ならぬ既存住宅ですね。既存住宅の流通のあり方を、これはもう本当にある意味では国全体としてもう少し仕掛けていかなきゃいけない部分ではないのかなと思います。そのいわゆる既存住宅、その中にはやっぱり使える住宅となかなかもう特定空き家だったり管理不全空き家だったりというものがあって、そこも私非常にモラルハザードで難しいなと思うんですけれども、本来は所有者の責任ですけれども、どうしようもない場合には行政が大執行できたりとか、そういった仕組みができました。これはこれでいいんですけれども、ただそこにはある種のモラルハザードができてしまって、もうどうしようもなくなって、要は所有者がずっと現れない状況までなって初めて手をつけるということになっているんですけれども、そのあたりもう少しいい方法がないのか、今だいぶ法律改正して、例えばずっと放置しておけば固定資産税が減免されるからということで逆に放置してしまったりとか、さらちになれば上がりますのでね。あとは陶器がきちっと義務化されたというのは少しその問題の解決にもつながっている気がするんですけれども、もう少しこの空き家の問題を解決するために、先生、ずっとこの問題を取り組まれている中で必要と思われることを御示唆いただければと思います。

2:23:33

平山参考人。

2:23:35

今おっしゃったように、空き家は私物ですので、それにどこまで介入できるかということが常にありまして、空き家特措法ができたときも、あの法律ができる前にある自治体が大執行をやったんですけれども、それは法的にちょっと危ないんじゃないかという説があって、後から法律ができたという面もあったりします。この前の改正でもう一歩進んで、行政介入がもう一歩前に進んだということがあるわけですね。ですから今日申し上げていますように、私有物に対して公的にいかに働きかけるかということの論拠という理論も重要ですけれども、実態面がまず先に進み始めているということはあろうかと思います。次に重要になってくるのは、おそらく、やっぱりまちづくりの計画の中で公的に位置づけることによって、行政が所有者に対して働きかけやすくなる、あるいは、助客に対して補助金を打てるようになるというようなことがあるのではないかなというふうに想像します。位置づけがないところに大執行するというのは、よほどかなり痛まないと無理でありますから、やはり空き家の問題に限らず、自分のところの地域どうするのかということを、やはり計画を持っておくことが位置づけという意味では重要だろうなというふうに思うんですね。で、笑い話的になると30年ぐらい前、自治体は総合計画を作りますけれども、あれの将来予想人口を全部足すと2億超えると言われてまして、その頃はどこの自治体もうちだけは人口を増やすんだという計画を立ててたわけですね。さすがにそれはなくなってきまして、昔は人口を減るなんて言えなかったですね、行政も議員の皆さんも。今は言えるようになってきていると思いますし、じゃあだから減ったときにどうするのかという、だから人口を増やすためにどう頑張るかというのも重要ですけれども、減ったときにどういう街にするのかという絵を持つことが重要なんじゃないかなというふうに思うんですよね。だから今日他の先生もおっしゃってますように、人口とにかく人口の話ばっかりなんですけれども、人口が減ったら不幸になるかというと決してそんなことはないわけで、人口が減っても楽しく暮らせる街は作れるし、作らなきゃいけないと思うんですよね。そのときに僕らの建築の分野から言いますと、私は1970年代に建築の教育を受けたときにはいかに立てるか、ニュータウン建設の訓練とかいっぱい受けたんですけど、卒業したらそんな仕事全くなくなってまして、ですから逆に申し上げたいことは、さっき少し触れました建築ですよね。どこの建築を減らしていって、どういう素敵な遊び場にするかとか、緑地にするかとか、そういう人口が減って建物が減ってでも楽しい街という絵を持った上で、空き家を位置づけていくということが必要なのかなと思います。以上です。

2:26:47

藤山靖君。

2:26:48

はい、ありがとうございました。ただ一方でですね、うちの街なんか本当にそうなんですけど、だいたい今まで二世帯同居してた人たちが若者が結婚して、街の中心部にもどんどん家を建てて、こんなさっき言ったように7000人台のちっちゃな街ですけども、いわゆるニュータウン的な若者の住宅街があって、郊外のもともと住んでたところは、もう親たちがどんどん高齢化して、一人いなくなり二人いなくなり空き家になっていると、その現象が今でも続いているということ、それは本当にどう、要はそれはもう私有財産で自由なのでね、それするなと、建てるなとは言えないんですけども、その辺も本当に街づくりの中で考えていかなければいけない重要な問題だなということをすごく感じました。

2:27:40

平山参考人。

2:27:41

ありがとうございます。じゃあ1分だけ。私有物などでどこでも建てれるという考え方は、都市計画的には非常に適切とは限られませんで、ですから今日申し上げましたように、戦後の日本はとにかく住宅をたくさん作る、どこでも建てれるということでやってきたんですけども、それは規制すべきだと思います。都市計画で規制できますので、これ以上この辺、もうこんな外側にも建てるのはできませんよとか、だいたい活断層あるところに家建てれるのは2本ぐらいなわけで、建ててはいけないということも街づくりの重要な計画ですので、新築抑制、危ないところには建てない、もう外には建てないなど、そういうことも考えていくことが重要かなと思います。以上です。

2:28:31

藤山康彦君。

2:28:33

山添拓君。

2:28:36

日本共産党の山添拓です。今日は参考人の皆さん、大変ありがとうございます。石田参考人、平山参考人、田口参考人にそれぞれご意見を伺えればと思うのですが、今日も話題に上っていますが、野党反党自身では、いまだ1万4000人避難生活が続いており、先の見通しが立たない状況があるかと思います。これは当面の救援とともに生活や生業の再建ということが大きな課題ですが、これも指摘のあったように、もともと過疎化・高齢化、そして困難を抱えてきた地域でもあると、これもいろんなところで指摘をされてきています。そして、この1月で人口減少が20年分進んでしまったという集落や、あるいは集落そのものをこのままでは住めないのではないかと言われているところもあると。一方で、そういう形でもう住めないということで、口の葉が欠けるように人が住まない地域が増えていくということになっていいのか、いや、そもそも帰りたいと思っている方もいる中で、どう支えていくのかということは大きな課題だと思うのです。特にこの野党半島地震の被災地の復興に関わって、今それぞれの立場でお考えになっていることをぜひ教えていただければと思います。

2:30:00

それでは石田参考人。

2:30:06

ご質問いただきありがとうございます。私、やはり農業経済という農業の立場ですけれども、今回春先にかけての作業タイミングでの被災ということで、今年度、来年度の農業はなかなか厳しいというような声が実際に聞こえてきております。そうした中で1年ブランクがくと、これを機にやめてしまおうかとかですね、そういうような本当にタイミングの議論になってきますので、その辺りの支援、あるいはどうするかというところを考えていきたいと思います。作らないという判断が悪いというわけではなくて、作らないのであればその農地の維持をどうしていくかとかですね、そういう多様なあり方を考えていくべきというふうに個人的には思っております。私からは以上でございます。

2:30:49

続いて平山参考人。

2:30:52

私はまだ野党には行っておりません。なので、いろんな方から聞いている情報だけになるんですけれども、まず私は神戸にずっとおりましたので、95年の震災で自分の家も吹っ飛びましたし、ひどい目に遭いました。学生もたくさん亡くなったりしました。東北の震災のときにはかなり現地に行って仕事をさせていただいたということがあります。その経験で、野党にまだ行っていませんけれども、その経験のもとに言いますと重要なことは2つあるかなと思うんですけれども、1つは復興計画がかなり課題になる傾向があります。神戸でも東北でも行政の方々とか、そういう言い方をされる、これを機会に街を頑張って作ろうというような考え方にどうしてもなってしまう。しかも国からの支援が結構きちっとあるということで、ですから神戸の場合もものすごく歴史的に2番目に大きい再開発を仕掛けた挙句に、20年経っても埋まらなかったとかですね、東北でも10年以上経って区画整理がやっと終わったけども、ほとんど人が帰ってきていない、非常に立派な宅地がもうだっと広がっているというようなことがありまして、申し上げたいことは現場の実態からではなくて、別のところから大きな計画を立てがちだということがあろうかと思います。ところが今回、それが1点ですね。1点目と2点目に共通するのは、現場の実態に即した復興計画という当たり前のことを言っていますけれども、これはなかなか当たり前のことが当たり前に進まないのが危機的な状況の特徴だと思います。1つは過大なプロジェクトに走らないこと。もう1つは非常に気になっていますのは、今日申し上げたことと関連するんですけれども、公式にはそんなことは出ていないんですけれども、ちょくちょく耳にしますのは、のとに本当に投資するのかということをおっしゃる方が出てきているというふうに聞いています。それは非常にどうなんだろうというふうに思います。人口がもともと減っていたと、高齢者5割ぐらいだというところのインフラを本当に何兆円もかけて復旧するのかというような声が、公式には出ていないと思いますけれども、出る可能性がある。それはそれで非常にどうなんだろうというふうに思います。1点目の意見と2点目の意見って相反するようですけれども、共通しているのは現場の実態を踏まえていないということだろうというふうに思います。現場の実態を踏まえるといいますのは、客観情報やデータを踏まえるというのはもちろんですけれども、被災された方とか地域の人がどうしたいのかというのを丁寧に聞くことだと思います。お住まいの方が望んでいないことをやってもうまくいくはずがないので、やっぱり被災された方は帰りたいのか、東北の場合は地震きっかけに大阪に来られた方もたくさんおられて、それはそれで今も生活しておられるわけですけれども、離れた方への支援は全くなかったわけですよね。帰ってきた人には支援があるけど離れた方には支援がないという問題もあったりします。ですので申し上げたことは現場に即して被災された方、地域の方がどうしたいのかということを丁寧に聞いて、その上でそれに沿った計画を作ることだろうと。補助制度や大掛かりなプロジェクトが先走るのはどうかなというふうに思います。以上です。

2:34:37

田口参考人

2:34:38

ありがとうございます。私から申し上げることは、今の平田先生のおっしゃったように、やっぱり現場の状況に合わせるということはすごく大事なんですけれども、一方で現場の状況も日々変わるということです。これは私は新潟で商店街の復興をやっていたときも、復興の計画を作ってから最終的に完成するまで十数年かかっているんですね。その間にやっぱり地域の人たちも高齢化するわけで、当初は商店街なので再開したいと言っていた人がやっぱり時間の経過とともに変わっていったりする。やっぱりその中できちんと、最初こう言ったんだからそれを守りなさいと圧力をかけずに、その状況にどうやって柔軟に対応していけるか。そこをきちんと対応していくと、例えば知見者である商店主でもあるので、そこを自分が済むだけじゃない選択肢、逆に言うと若い人たちがお店を出すみたいな話に展開していくこともできるんですね。これは結局その復興計画とかそういったものにどれだけ自分の意見が参画しているかどうかによって、それを育てるか柔軟に変更するかに対しても積極的であるかどうかというところがおそらくあるので、やっぱり現場の意見も常に変わるので、そこを最初に、これは今被災直後なので当然変えたいというのは当たり前なんですけれども、やっぱり状況に応じて変わっていく人も当然いるので、それをじゃあ悪なのかというとやっぱり良くないということが1点とですね、あともう1つは主体形成ということが結構大事だと思っていまして、これもですね、これからおそらく仮設住宅に入居されてですね、それから自分の家に帰るまでの一定期間を過ごすんですが、この仮設住宅の入り方がその復興に大きく影響するという方が結構、新潟の中越地震では知見としてあります。中越地震の場合は集落単位で仮設住宅に入っていたものですから、仮設住宅の段階で既存後の計画づくりを一緒に近隣同士でやっているんですね。これをやれると、何となく地域に戻るんだ、地域をみんなで盛り上げるんだという機運ができてくるんですが、やっぱりこの入居の仕方とか避難所の暮らし方次第によっては、やっぱり主体というグループができなくなっちゃうので、そういったところにどう配慮するかということをきちんと考えられるかどうかも大きいかなというふうに思っています。新潟も大体人口推計的には25年ぐらい先送りされているんです。タイムスリップしてしまっているんですが、でも結果、人が減っても活力を取り戻している集落がたくさんありますので、それはそれで大事なことなんじゃないかという気がいたします。

2:37:11

山添拓君。

2:37:12

ありがとうございます。いずれの御意見もやはり実態、時の経過も含めて実態に即してというのが共通していたかなと思いました。ありがとうございます。次に平山参考人と田口参考人に伺いたいのですが、地域、今日は地方に関する調査会で地域づくりをテーマにということなんですが、この課題そのものはかなり前からの国勢上の課題でもありますし、地方創生という意味では既に10年たっていると。平山参考人から、一括法からするともう四半世紀という話もありましたが、要するにこれだけ課題だとされていながら、それで目指された方向に必ずしもなっていないというのは、今日のお話では平山参考人から自立競争というレジーム、その分配のあり方をどう評価するのかという指摘があり、田口参考人からも規制緩和で上を引き上げるより下を支えるという指摘があったのですが、振り返ってどこにボタンの掛け違いがあったと言えるだろうかという点について、それぞれご意見を伺いたいと思います。

2:38:31

平山参考人

2:38:33

非常に重要なご質問だと思います。どう答えるか決めずにしゃべり出していますが、そもそも地方の方々は何を目標にしているのかというと、人口の話がすごく多くて、人口を増やすんだと、さすがにそれは言えなくなって人口減少を緩めるということ、人口自体が目標になっていると思うんですけれども、本当にそれが重要なことなのかなというふうに思ったりします。人口はある程度、日本全体で8000万とか6000万になるとかいうのが出ていますけど、だったら減りますよね、どの町もだいたい。減ったときにどういう暮らしをしたいのかというような点での目標というのは、あまり聞かないかなというふうに思うんですよね。人口が減っても楽しく暮らせるというのは、どういう町なんだろうということですよね。そういうことを考えて、私の分野でしたら、町づくりとか住宅づくりをやっていく必要がありますし、ですから先ほどのご質問にもありましたけど、地方で人口減るのにまだ新規開発が起こるんだというようなことはありますけれども、そういうのは規制すべきだと思いますし、空き家や古くなった住宅をもっとちゃんと修繕するような、新しい建築を応援する制度ではなくて、修繕する制度というのももっと充実させていく必要があるし、災害の予防として危険なところには家を建てさせないという規制も必要だと思いますし、そういったことで、抽象的なことになりますけれども、人口を増やすとか減らさないということ自体が目標なのではなくて、人口は所有の条件として、その上で何が幸せなのか、どういう街を作りたいのかということを目標にすべきなんじゃないかなということが一つですね。それともう一つは、今日繰り返しになりますけれども、頑張ったところを助けるというのはいいんですけれども、選択と集中というキーワードがいつでしたかね、20年ぐらい前ですか、出るようになりましたけれども、頑張れなかったと言うと言い方は悪いですけれども、頑張れるところばかりじゃないと思うんです。そこをどうするのかというのはやっぱり、国レベルで考える必要があると思います。大学の話にもあまり長くする気はありませんけれども、大学頑張ったところに、四季に集中するようになって、どうなったかということを機会あればお話したいですけれども、なんかそういうことですね。先ほどマンションのお話もありましたけれども、マンションも非常に差が出てきていますのは、非常に頑張っているところがあるんですね。自分たちどうしようどうしようと。ところがもう頑張れなくて、もうどうしようもなくなって、途方に暮れているところがあって、そこには支援が一切入らない。声が出ないので、支援しようがないわけですよね。ですから、頑張ったところを応援するということと、声が出ていなくて困っているところは、このままでいいのかというふうな問いの立て方も必要かなと思います。以上です。

2:41:36

田口参考人。

2:41:38

先ほどのボタンの掛け違いがどこからということですが、僕はやはりこれは競争だと思っているんです。ただその競争の手段がアピール合戦になっているんですね。アピールしやすいことにやはり主眼が置かれてしまって、アピールしにくいところ、つまり他でも同じようなことをやる必要があるようなことに関しては、PRをしなくなっていったというのがやはり大きいかなというふうに思っています。これは個性というものの掃き違いだと思っているんですけれども、個性ある街づくりしましょうというのはあちこちで言われるんですけれども、個性と他との差別化というのは意味が違うということを、今一度確認する必要があって、個性というのは要はオリジンである、内発的であるということだと思うんですが、内発的なものでも他と結果一緒であると、それは個性であるとみなされないというのが、今の競争の原理の中で働いてしまっている。その結果、どこでも必要な普遍的なものというものに関しては、どんどんおろそかになってしまっているんじゃないか。これが競争という名のもとの、ただ僕は競争を否定するわけじゃないです。先ほど岡本さんおっしゃったように、ある程度の主体性があって、頑張るモチベーションというのは大事なんですが、ただアピールということと競争というのはちょっと違うかもしれないということと、アピールしやすいものがボタンの掛け違いの根本的なところにあるんじゃないかという気はちょっとしています。

2:42:57

山添拓君。

2:42:59

ありがとうございます。やっぱりお話を伺っていて、この問題でも現場実態ではなく、どういう競争のさせ方があるべきかというところから始まったことが、やっぱりそもそもの違いにあるのかなというふうに、それは効率化という名でやられてきた側面もあると思うのですが、感じました。参考になりました。ありがとうございます。終わります。

2:43:31

天又君が発言の準備をしておりますのでお待ちください。最初は普通にコールしていただいて、天又大輔先生。

2:43:38

天又大輔君。

2:43:40

(コールをしている)

2:44:49

今日は障害者の居場所について伺います。続きますか。赤旗寮の大読でよいですか。大読お願いします。参考人の皆様、本日は貴重なご意見をいただきありがとうございます。まず田口参考人と石田参考人に伺います。私が過去にインタビューをした、筋肉がだんだん痩せて力がなくなっていく難病、ALSの女性の例を共有させてください。彼女は人口3000人程度の街に住んでいました。最初は地元の社協からのヘルパー派遣を受けて実家で暮らしていましたが、症状が済むにつれて、また両親が高齢化するにつれて社協のヘルパー派遣では足りなくなりました。そこで自分でヘルパーを募集して直接雇用する自薦、自分で推薦という字の自薦での一人暮らしに挑戦しましたが、2人しか集まらなかったそうです。そこで思い切って市街地に引っ越し、何とか解除体制を整えました。もしこの地域にマルチワーク組合があれば、彼女は地元に住み続けられたかもしれない。この制度をした時にそう思いました。重度障害者が地方で暮らす最大のハードルはヘルパー不足です。もともとヘルパーが足りない地域でも、マルチワーク組合が当事者の居住地にあれば、移住者の呼び込みや地元の方の副業で人手確保できる可能性が開けます。2つ目のハードルはヘルパー券事業所の圧倒的な不足です。高齢者の介護券サービスよりも需要が小さく、報酬単価も低いので、なかなか受けてくれる事業所がありません。詳しい方法は省きますが、このマルチワーク組合の枠組みを使えば、事業所不足を解消し、重度障害者の当事者が人口急減地域でも在宅で自立生活できる可能性はあります。この可能性を実現するにあたって、人口急減地域の社会構造上、何か課題はありそうでしょうか。または、人口急減地域にとって期待される効果や、ご存知の類似事例があれば教えてください。田口参考人、石田参考人の順番でお願いいたします。

2:47:17

田口参考人

2:47:18

私は障害に関してはそんなに明るくないので、的確な答えになるかわからないのですが、一つ課題として申し上げると、福祉労働者自体が今、特に地方だと労働力不足がすごく言われています。ですので、根本的な就業希望者、これは地方だと特に福祉系と観光系の労働力が不足していると言われているのですが、どちらも結構ハードワークであるということだと思っています。ですので、特定地域づくり法でマルチワークの可能性ができることによって、どれくらい問題がクリアできるかどうかというと、やはりそもそもの求人に対する応募が少ないという業種ですので、なかなか厳しさがあるのかなと個人的には考えています。ただ一方で、最近いろんなところで地方と都市で炎上するということが起こっていますけれども、やはり地方における多様性の少なさみたいなことが、多分一つの根本原因だと思っていまして、やはりその障害を持った方々が地方で普通に暮らすということがどんどん保証されていくことが、結果的に地方の寛容性の高さを育むことになると個人的には思っていて、そこはある程度政策的であっても、やはりその多様性みたいなものをきちんと地方でも享受できる。これは障害者の皆さんへのフォローというより、むしろ障害者の皆さんと接する機会を地方の人たちにもきちんと作っていかないと、これは地方の人たちの理解不足が広がっていってしまうので、何らかの政策的なことがあってもいいのかなと個人的には思っているのですが、なかなかその特定地域づくりのようなマルチワークでクリアできるというほど簡単な話ではないのかなというふうに個人的には思っております。以上です。

2:49:10

石田参考人

2:49:11

ご質問いただきありがとうございます。田口先生と重複しないように私からコメントいたしますけれども、福祉介護施設等の人手不足、特に人口休減地区での人手不足というのは本当に深刻だというふうに私自身も受け止めております。この中で特定地域づくり事業共同組合制度も、こうしたキャリア、こうした対応したことがあるキャリアを持った方の一端的な受け皿であったり、働く場所という意味では機能すると思います。実際にこうした施設での勤務を組み合わせた事例というのも複数出ておりますし、そういったところも実際に取り組んでおります。ただもちろんこういった業種に就く場合には資格なども必要ですし、こうしたキャリアを持った方を新たに作るとなると、地方での課題というところで受け止めが必要になってくると思います。また特定地域づくり事業共同組合制度が、自ら事業を行うということはダメということになっておりまして、そこで雇用した人を事業所に派遣するということが第一目的となっております。なのでやはり地域に事業所、そういった業務をやるところがないとですね、話が進まないというところがある意味では限界だと思います。ただそこで働いた方が組合を卒業されてですね、その地域でそういったキャリアを実現していく、あるいは反農反Xじゃないですけれども、農業をやりながら元々やっていた職として介護福祉施設で働くとかですね、そういうような選択肢を増やすという意味では当然意味があることですので、そういった意味での私からの回答にさせていただきたいと思います。ご質問いただきありがとうございました。

2:50:47

天端大輔君。

2:50:52

代読いたします。ありがとうございます。参考人のご意見を参考にさせていただきます。次に、各自参考人に伺います。クリエイティブサポートレッツという認定抜票法人があります。静岡県浜松市駅前の中心市街地で、重度知的障害者と外部の人が暮らすシェアハウス、ゲストハウスを併設した文化センターや、誰もが使える施設支援の公民館など、様々な属性の人々が同じ空間で同じ時間を共有することによって、双方向の学びが実現する事業を次々展開しています。この団体が先日開いたシンポジウムでは、浜松の街全体で旧公民館の共同センターが今後どうあるべきかがテーマでした。私も聞いてきました。全ての人に開かれているはずの公共施設が、実際には重度の障害者が参加できる場になっていない、そして福祉の分野と公民館などの施設の連携が弱いことが問題提起されました。一方で浜松市は旧公民館の共同センターでの地域活動が活発で、配置するコミュニティ職員を若手に限定したりと様々な工夫がされているそうです。また、共同センターと専門職のネットワークの重要性や、民間側も一つの分野にこだわらない、中介者が大事といった意見が出ていました。私のヘルパーも色々な職業経験があったり、別の本業を持っていたりします。多様な人材と共同することの大切さを日々実感しています。田口先生は、これからは関係人口も含めた地域づくりに転換すべき、そして行政組織の企画力、政策立案力向上が必要と指摘されています。社会から収円化されがちな人たちを含めて地域コミュニティを作るには、行政側は職員の人材面でどのような工夫をする必要があるとお考えでしょうか。

2:52:56

田口参考人

2:52:58

ありがとうございます。おそらく職員の人材面というと、やはり今、地方の場合は財政がなかなか苦しくて、自主財源で新しい事業をするということがすごく難しくなっていることもあって、国が提示している補助メニューに乗っからざるを得ないということは現実問題としてあるんです。一方、国の方もなかなか地方の苦しさということを理解していて、簡単に言うと手と足取り、いろんな施策が出来上がっている結果、地方の人たちが何も考えずにいろんな事業ができるような状態ができてしまっているということは、実は結果的に思考停止になる一つの要因なんじゃないかと考えています。その意味でいうと、地方の自治体が企画するときに、特に分野に精通した現場の人や専門家が企画万数をするような仕掛けができてくると、そこでちゃんと行政の方々が自分の企画を壁打ちしながら、評価検証みたいなことを確認する。おそらく仮説の立案が上手にできていないという現実が多分あると思うので、その仮説の設定の段階から、きちんと対話をしながら伴奏するような専門家の存在とか、専門的立場の存在というのが必要なのかなというふうに考えています。以上です。

2:54:22

大杉君。

2:54:26

大読します。ありがとうございます。参考にさせていただきます。次に平山参考人に伺います。柔道障害者が住みたい地域で暮らす上で、家探しは非常に高いハードルとなっています。参考にも論文の中で、柔道主体不自由者が他人介助者を利用して、親と別居し、独立世帯を形成するという選択肢が在宅生活に加わったが、在宅生活の基盤となる安定した住宅を確保できないために、その選択をできないという実態があると述べられています。その解消策として国は、セーフティネット住宅の仕組みを構築しましたが、登録が少なく空きもあまりない上に対象者をカテゴリー化し、障害者の入居を事実上拒否することも可能なため、成果が上がっていないと思います。参考人は、柔道障害者の住宅確保には、バリアフリー整備を有する公営借家の供給が必要であると主張されていますが、年々増え続けている空き家を活用して、バリアフリーの公営住宅を増やすために、国はどのような施策をとるべきとお考えでしょうか。また、地域での自立生活を望む柔道障害者に対し、安定した住宅の供給と環境整備の支援として、公営住宅を増やす以外にも具体的なアイデアがありましたら、ご教示ください。

2:55:52

平山参考人

2:55:54

はい。障害者を含め、いろいろ住宅にお困りの方に対してどうするかということは、いろんな国でいろんなことを試されてきているわけですが、共通しているのは、社会賃貸住宅というカテゴリーなんですけれども、そういう住宅を供給するというのが一般的です。社会賃貸住宅と申しますのは、一つはマーケットより家賃が安いということと、もう一つは自治体が入居者を選ぶということで定義されるんですが、それに対して公的援助がたくさん、結構深い公的援助がなされます。これは日本では自治体の供給する公営住宅はそれに当たりますが、いろんな国では自治体だけではなくて民間のものも社会住宅にすることができます。ヨーロッパと比べるのが適切かどうか、いろんな意見がおありかもしれませんが、ヨーロッパでは大体国によって違いますが、大体2割ぐらいが社会賃貸住宅です。日本の場合は公営住宅は3.6%あるだけで、極めて少ないということがあります。障がい者の方はどうされているかというと、大きな親の持ち家に住まれているということなんですね。日本では社会的に、例えばヨーロッパでは政府が保障するものを、日本は家族が保障するということをずっとやってきたという歴史があって、そういうこともあるんだろうというふうに思います。ただそうなりますと、障がいをお持ちの方は、家から出て自分で生活するという選択肢をなかなか持てないということがあります。ですので一つは公営住宅を増やす必要があると思いますが、今の公営住宅だけではなく、空き家を使って社会住宅に転換していくというやり方があり得るだろうと思います。住宅セーフティネット法が2007年にできまして、2017年に改正されて、そういう方向を目指しているのかなと思いましたが、社会住宅重要なことは、非常に大規模な補助と、その代わり行政の規制ですね。俗な言い方で飴と鞭ということなんですけれども、日本のセーフティネット法は飴も鞭も非常にちょっとしかないということです。ですから、空き家に対して行政がもっと補助金を出して、バリアフリーに改造して、障がい者に供給していくというやり方が、現実的にやれるのではないかなというふうに思います。今申し上げましたように、障がいをお持ちの方は、かなりの割合の方は親御さんの家に住んでおられるということなんですけれども、親御さんもいつまでも生きておられるわけではありませんので、その後どうするんだということが、割と差し迫った問題になってきていると思いますので、社会賃貸住宅を整備していくというようなやり方、今の住宅セーフティネット法の飴と鞭の両方を強化していくというようなやり方が必要ではないかと考えます。以上です。

2:59:03

質問者 天端大輔君。

2:59:08

【天端】 赤沙漁の産、赤沙漁浜やら和漁の和魚産、赤漁の家畜漁戸産、赤沙漁の浜やら漁のラリアリがございました。【質問者】 続きますか。赤沙漁の産、赤沙漁の産、赤沙漁の産、【質問者】 大丈夫ですか。参考人の皆様、ありがとうございました。質疑を終わります。

2:59:44

以上で各界の一巡目の質疑は終了いたしました。他にご発言もなければ、参考人に対する質疑はこの程度といたします。参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。皆様には長時間にわたり貴重なご意見を述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました。

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