19:34
これより、会議を開きます。日本銀行総裁任命につき、同意を求めるの件についてでありますが、去る14日の理事会において、木原内閣官房副長官から、内閣として、日本銀行総裁に、 教立女子大学ビジネス学部教授・学部長植田和夫君を任命したい旨の内事がありました。つきましては、理事会の申し合わせに基づき、 日本銀行総裁の候補者から所信を聴取することをいたしたいと存じます。この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。本日、参考人として、日本銀行総裁候補者植田和夫君の出席を求め、 所信を聴取いたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議なしと認めます。よって、そのように決定をいたしました。まず、議事の順序について申し上げます。最初に、植田参考人に所信をお述べいただき、 その後、参考人の所信に対する質疑を行いますので、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。それでは、植田参考人、よろしくお願いいたします。植田でございます。本日は、所信を述べる機会を、多摩に光栄に存じます。私は、内外の大学において、主にマクロ経済学、金融論、国際金融論の分野で、 研究と学生の指導に当たってまいりました。また、この間、平成10年から17年までは、 新議員として日本銀行の政策決定、業務運営に参画いたしました。委員退任後は、赤田水の世界に戻りましたが、 日本銀行との関係では、金融研究所特別顧問などの立場で、 アドバイスを行ってまいりました。また、金融政策の理論や実践について、国際コンフォランスなどの場で、 内外の学者だけでなく、海外中央銀行、市場関係者等の実務家とも、 議論を行ってまいりました。まず、金融政策について、私の考え方を述べたいと思います。金融政策は、景気と物価の現状、そして先行きの見通しに基づいて、 運営する必要があります。現在、我が国は、コロナ禍から持ち直しているところですけれども、 内外経済や金融市場をめぐる不確実性は、極めて大きい状態です。消費者物価の上昇率は4%程度と、 目標とする2%よりも高くなっております。しかし、その主因は、輸入物価上昇によるコストプッシュでありまして、 需要の強さによるものではありません。こうしたコストプッシュ要因は、今後減衰していくとみられることから、 消費者物価の上昇率は、来年度23年度半ばにかけて、 2%を下回る水準に低下していくと考えられます。金融政策の効果が発現するまでには、ある程度の時間がかかります。金融政策の理論では、需要要因による物価上昇には、 予防的に対応して需要を抑制する一方、コストプッシュによる一時的なインフレ率の上昇には、 直ちには反応せず、基調的な物価の動向に反応する、 というのが標準的な対応と考えます。そうでないと、金融引き締めによって需要を減退させ、 景気悪化 とその後の物価低迷をもたらすことになってしまいます。この点、我が国の基調的な物価上昇率は、 受給ギャップの改善や中長期の予想インフレ率の上昇に伴って、 緩やかに上昇していくと考えられます。ただ、目標の2%を持続的・安定的に達成するまでには、 なお時間を要すると考えております。こうした経済物価情勢の現状や先行きの見通しに鑑みれば、 現在日本銀行が行っている金融政策は適切であると考えております。金融化を継続し、経済をしっかりと支えることで、 企業は賃上げをできるような経済環境を整える必要があります。もし私を日本銀行総裁としてお認めいただきましたならば、 政府と密接に連携しながら、経済物価情勢に応じて適切な政策を行い、 経済界の取り組みや政府の諸施策とも相まって、 構造的に賃金が上がる、そういう状況をつくり上げるとともに、一時的でなく、持続的安定的な形で物価の安定を実現したいと考えております。次に、日本銀行の金融政策について、 やや長いタイムスパンで少しお話してみたいと思います。私が新議員に就任いたしました平成10年当時、 日本経済はバブル崩壊から金融危機を経て、デフレに突入したところでございました。一方で、政策金利はすでに0.5%を下回る水準まで低下しており、 通常の金融政策の範囲では緩和の余地 が殆ど残されておりませんでした。このため、日本銀行は、ゼロ金利政策、時間軸政策、量的緩和政策など、 非伝統的と言われた金融政策を世界で初めて、次々に導入いたしました。私はこれらの立案過程に、他の政策員と相談しながら、 主に理論面から参画いたしました。これらの政策のいくつか、例えば時間軸政策は、その後、 欧米の中央銀行でもフォワードガイダンス等として再演をされるなど、 世界の金融政策の標準にもなっていきました。私が新銀を退任した後も、日本銀行は、量的・質的金融緩和、 マイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどを採用し、 世界でも、また歴史的にも、大規模な金融緩和を実施してきました。これらは、実質金利の仕下げを通じて、企業収益や雇用の改善などに貢献し、 デフレではない状況を作り上げたと考えております。一方で、様々な副作用も生じていますが、 先ほどお話しした経済物価情勢を踏まえますと、 2%の物価安定の目標の実現にとって、必要かつ適切な手法であると思います。今後とも、情勢に応じて工夫を凝らしながら、 金融緩和を継続することが適切であると考えます。これまで、日本銀行を実施してきた金融緩和の成果をしっかりと継承し、 新日銀行を施行以来、25年間、日本銀行にとっても、また私自身にとっても、 先年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う5年間としたいと考えております。以上、金融政策についてお話ししましたが、 日本銀行のもう一つの重要な責務は、金融システムの安定でございます。我が国経済にとって、金融仲介機能が円滑に発揮されることは、極めて重要です。人口減少など、我が国の金融機関、金融システムを取り巻く環境が厳しさを増す中、 この面でも、適切な政策を実施してまいります。また、金融権の発行と流通、決済システムの運営、国庫金に関する業務など、 いずれも国民経済に必要不可欠なものです。そうした社会インフラを安定的に運営していくために、 日本銀行の約5,000人の職員と力を合わせて、日々業務に当たってまいりたいと考えております。どうもありがとうございました。
28:26
(知事) ありがとうございました。これにて参考人からの所信の聴取は終了いたしました。 議長、副議長は、ご退席をいただいて結構でございます。
28:48
これより、上田参考人の所信に対する質疑を行います。質疑はまず、各会派を代表する委員が順次10分以内で質疑を行い、 その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
29:08
おはようございます。自由民主党の森山正人です。早速ですが、上田参考人に質問をさせていただきます。先日来、日本銀行総裁の人選に関連して、大きくマスコミに取り上げられております。10日に上田参考人のお名前が報じられ、さらに大きく取り上げられるようになりましたが、 参考人はこうした報道について、どのように感じられましたでしょうか。
29:42
2月10日の夕刻でしたが、日本銀行総裁人事がメディアで報道されたときは、大変驚きました。その後、14日に政府による同意人事案の提示を受け、その後、身の引き締まる思いで過ごしてきております。
30:06
10日に参考人のお名前が報じられた時点では、まだ政府から日本銀行総裁への就任の要請を受けておられなかったと、 政府から説明を受けております。上田参考人は、御自身のマスコミへの対応について、特に10日の時点でございますが、どのようにお考えでしょうか。
30:29
お答えいたします。2月10日夜にメディアに対して応答いたしましたのは、報道が流れた後、メディア多数自宅周辺に集まったため、やむを得ず応じたものでございます。その際、人事について何も申し上げられないというふうに明確にお答えし、また、金融政策について見解を問われたところでありましたので、 学者としての一般的な見解を手短に披露したところでございます。なお、政府から就任要請を受けたのは、2月13日の夜でございました。
31:13
10日の上田参考人の記者との応対のメモを拝見する限り、今、参考人がおっしゃったとおり、 政府からは何も聞いていないとお答えになっておられますが、仮に日銀総裁になった場合に、現在の金融政策をどうするのかと問われ、今お答えになったとおり、 学習経験者としての御見解を披露されておられます。一般の方であれば何の問題にもならないやりとりですが、 これだけ世間が注目している日銀総裁人事ですので、日銀総裁予定者の発言であるかのように報道されました。それ以前に別の方の発言でも大きく取り上げられていたのですから、 総裁になられたらどのように報道されるかお分かりになれたのではないかと思います。日本銀行総裁となられれば、日本の金融政策の中心となります。これからは、私人である上田参考人ではなく、重要な後人となります。今後、後人として一挙手、一等足が注目を浴びることになるわけですが、 日本銀行の組織を代 表する総裁としての行動に対するお考え、御覚悟についてお伺いいたします。
32:31
お答えいたします。私はこれまで学者として、あるいは日本銀行審議員として、 歴代の日本銀行総裁、さらには海外の様々な中央銀行の総裁方と直に接する機会を持ってまいりました。その際に、中央銀行総裁という職は重責であり、 その言動や行動が世の中に大きな影響を及ぼすことを間近で感じる機会が多々ありました。今後、総裁への就任を御承諾いただいた場合には、 私の発言や行動が市場、国民生活などに大きなインパクトを及ぼし得ることを十分認識し、 職責を果たしていきたいと思っております。また、総裁という職は、日本銀行の役職員約5,000人の超という立場でございます。所信でも申し上げましたとおり、日本銀行は、物価の安定だけでなく、 金融システムの安定、決済システムの運営、銀行権の流通をはじめ、 国民経済にとって必要不可欠な極めて重要な役割を担っております。副総裁とも力を合わせながら、日本銀行役職員が、それぞれの能力を発 揮し、 国民経済にしっかりと貢献できるよう、組織の先頭に立って、仕事に当たってまいりたいと思っております。
34:00
金融政策の番人という表現が適切かどうかわかりませんが、 総裁になられれば、我が国の金融政策の最終の決定者となります。副総裁は他の方々と協議をなされると思いますが、 後ろを振り返っても誰もいないという責任を、総裁は今後、その総権に背負われます。我が国の金融政策の責任者である日本銀行総裁となる、 ご決意について、ご披露していただきたいと思います。
34:36
先ほど申し上げたところでございますけれども、 日本銀行の約5000人の役職員をトップとして率いていくという覚悟で、職に当たりたいと思いますが、組織のトップの心構えといたしましては、 やはり目標をはっき りさせること、それから目標に向かって、自らが率先して努力するという姿を見せること、それから組織の構成員が、それぞれが力を発揮できるよう、 仕組み工夫をいろいろ講じていき、組織の目標の達成に資するということ、そこに全身全霊を傾けていくつもりでございます。
35:29
日本銀行法第3条に、日本銀行の自主性、独立性が規定され、 同法第4条に、政府との連携が規定されております。参考人は、日本銀行の独立性と、そして同時に、 政府との連携をどのように調和させていくおつもりでしょうか。岸田総理や鈴木金融担当大臣ほかとの対話、 連携についてのお考えについてお伺いします。
36:00
委員御指摘のとおり、中央銀行の独立性が必要であるという考え方は、 金融政策の歴史的な経験を踏まえて世 界的に確立されており、 この点は日本銀行法にも明快に規定されております。これは、物価の安定を実現するためには、 中立的かつ専門的な立場から、経済、物価情勢の分析を行い、 それに基づいて自主的な判断と責任で、 政策を運営していくことが適切であるためだと理解しております。同時に、マクロ経済政策の運営に当たっては、 政府と中央銀行が十分な一層を図ることも必要であります。この点も日本銀行法に規定されております。日本銀行総裁は、これまでも定期的に、 総理と直接お会いする機会をいただいてきたほか、 財務大臣とも様々な機会で意見交換をさせていただいてきたと理解しております。総裁への就任を御承認いただけた場合には、 私もぜひそうした機会をいただき、しっかりと意思疎通を図ってまいりたいと考えております。
37:12
私は学生のときに、マーシャルがケンブリッジ大学で、 イギリスを繁栄させようと考える諸君は、経済学部に歓迎する。また貧民屈を見て何とかしたいと考える諸君も、 経済学部に歓迎するという趣旨の発言をしたと伺い、 経済学は素晴らしいなと思いました。私は法学部の三類というところにおりましたが、 悪意に誘われまして、濱田光一先生のゼミで、 マンデルの国際経済学を学びました。もっとも私は不勉強でしたので、 さっぱり理解することはできませんでした。参考人は経済学の第一人者であられますので、 理論的な思考は誰にも引けを取らないことと存じます。一方、地方の現状、あるいは中小企業の状況というものについて、 十分把握しておられますかということです。私と比較するのは大変失礼とは存じますが、 私は経済学庁在籍時にマクロのデータを踏まえて、 物価対策を担当したことがあります。また、その後の国土交通省他の勤務時においても、 マクロの数字をもとに、政策の検討を行っておりました。その後、選挙に出て、それまでお話しすることがなかった 地元の中小企業の方々と接するようになって、初めてマクロのデータとミクロの現場感覚の違いを 肌で感じるようになりました。マクロのデータに基づいて、我が国の金融通貨政策や 銀行その他の金融機関への対応を決められることになるのは当然と思いますけれども、同時に地方や中小企業についても 踏まえていただく必要があります。我が国は大企業や大都市だけで成り立っているものではありません。中小企業や地方の発展がなければ、 我が国の未来はないと考えます。参考人は、総裁に就任されましたら、中小企業や地方への視察を含め、どのようにしてマクロ以外のミクロ経済の現状を 把握されるおつもりであるかお伺いします。
39:15
お答えいたします。日本銀行は、本店に加えまして、数多くの 支店、事務所を全国に有しております。そこで、個人企業から大企業に至るまで、 様々な企業へのミクロヒアリングを実施しております。そうして得られた情報は、随時報告されておりますし、 支店長会議でも年4回詳しく報告されております。私自身も、審議院を務めた7年間、 自分の考えを整理する機会として、支店長会議における支店長方の話を聞くことを 大変重視しておりました。また、いわゆる単管でございますが、 一万社を対象としたアンケート調査でございます。これも、大量の中小企業を含んで調査が行われ、 各地の経済情勢、企業の状況について、きめ細かく把握するよう努力しております。経済の現状を的確に評価するため、 マクロの経済統計の詳細な分析だけでなく、中小企業や地方経済の視察を含め、ミクロ経済のきめ細かい把握に努めてまいりたいと 考えております。
40:40
支店長会議等ございますことは、 私も従々承知しておりますが、人も今、参考人からお話がありましたように、 地方の実情、中小企業の実情というのを肌で感じるためにも、足を運んでいただければありがたいなと思います。次に移ります。2008年9月のリーマンショック、 2009年9月からの民主党政権、そして2012年12月の第二次安倍政権発足の後の、 2013年3月から、現在の苦労脱走戦による金融政策がなさねてまいりました。デフレカラーの脱却、行き過ぎた円高の是正、 株価の回復等の困難な課題に、この10年間よく対応してこられたと私は考えます。新型コロナ、昨年のロシアによるウクライナ侵攻、 それに伴う原油や小麦等の資源の行動など、現在、我が国は様々な課題に直面しております。今後、日本銀行は通貨、物価について、 どのように対応していくべきとお考えであるかお伺いします。
41:47
お答えいたします。初心で申し上げましたとおり、金融政策は、 経済、物価の現状と先行きの見通しに基づいて、運営する必要がございます。我が国経済は、この中から持ち直してきておりますが、委員御指摘のとおり、海外の経済物価情勢、 ウクライナ情勢、感染症の今後等、我が国経済をめぐる不確実性は、 極めて大きい状況にございます。物価面では、消費者物価の前年比は、 輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁が進行していることか ら、4%程度となっております。もっとも、こうした輸入物価の前年比プラス幅は、 縮小しつつあるほか、政府の経済対策によるエネルギー化学の 押し下げ効果もあって、最初に申し上げましたとおり、来年の半ばにかけて、 2%を下回る水準までプラス幅が縮小していくと見ております。こうした情勢を踏まえますと、現在はしっかりと経済を支え、企業が賃上げをできる環境を整えることが 重要であると考えております。そのため、金融緩和も継続し、賃金の上昇を伴う形での、物価安定目標の持続的安定的な実現を目指していくことが 適当と考えております。
43:13
参考人は、これまでに幅広い御関係を、 諸外国のキーパーソンの方々と 言うしておられると承知しております。主要国の中央銀行や市場関係者と、 今後どのように連携対応されるのか、お伺いします。
43:33
例えば、リーマンショックやコロナ感染症による ショックの際のように、各国の中央銀行が必要な情報交換を行いつつ、協力して対応を行った ということが非常に重要であったと考えております。そういう意味で、海外中央銀行との連携の重要性は 非常に高まっていると認識しております。また、金融政策は、金融市場などを通じて 経済全体に働きかけるものでありますから、市場とのコミュニケーションも大事でございます。私自身、日本銀行の新議員を務めたとき、 あるいはその後の内外の大学での研究教育を行っていたときを含めまして、様々な国際的な会議の場で、学者実務化と議論を行ってまいりました。このような中で形作ってきました人脈、知見を生かして、 海外中央銀行との連携、市場関係者とのコミュニケーションを 適切に行っていきたいと考えております。
44:45
経済学では、初期の頃から人口についても 検討対象になっていると承知しておりますが、昨年2022年に世界人口が80億人に到達し、 インドが14億2200万で世界一になりました。中国は2021年が14億1260万のピークで、 今後中国の成長がブレーキがかかっていくというふうにも 見られているところであります。日本は2008年に人口のピークを迎え、減少局面に入っており、 2020年にはメキシコに抜かれて世界11位となり、今後の急速な少子高齢化と 地方の過疎化の振興が見込まれています。2008年から2020年までには約200万人の人口が減少しましたが、2020から2045年までにはその10倍の約2000万人の人口が減少します。また、秋田県では2020年の人口96万人、 高齢化率37%が、2045年には人口60万、高齢化率50%を予測されており、人口規模の小さな地方部の状況が、 短期間のうちに大きく変わってまいります。戦後の経済成長、人口増加が続いたこれまでと 状況が異なってきております。このような人口の変化を踏まえた、 これからの日本の金融通貨の方向性についてお伺いします。
46:13
お答えいたします。 我が国はかなり長い期間、人口減少の局面に入っております。それでも2010年代においては、 金融関は政府の取り組みもあって、雇用環境は改善し、女性高齢者を中心に 労働の参加率は高まっております。このため、人口減少のもとでも労働供給が増加し、 経済成長を支えたという面がございます。しかし先行きをお展望しますと、 女性や高齢者の労働参加率は既にかなりの高水準となっております。労働供給の増加ペースは鈍化していくと見ざるを得ません。このため、今後も成長を続けるためには、 生産性を持続的に高めていくことがより重要になってくると思います。こうした観点からは、企業による人的資本に対する投資や、 生産性を高める投資に期待するところでございます。企業政策面では緩和的な企業環境を維持することにより、 良好なマクロ経済環境を実現することで、こうした企業の前向きな投資を後押ししていくことが 重要であると考えております。
47:32
今後の主展庁会議その他のご報告をよく踏まえていただいて、 特に人口減少が大きいような、特に経済がこれからシュリンクしていくような地域において、 知人さんでございますとか、その地域の経済活動、こういったものに対しての目配り、 そういったものをぜひお願いしたいと思います。次に広報について伺います。国内だけではなく海外からも注目を受ける 日本銀行の金融政策でございます。金融政策の狙い、あるいはその背景などについて、 広く国民の皆様に理解していただけるような、広報が望まれていると思います。内外の金融関係者だけではなく、 広く一般の国民に対して、どのように広報をなされるおつもりかお伺いします。(内閣総理大臣) 宇部田参考人にお答えいたします。政策の効果を円滑に発揮していくという観点からは、経済に関する見方、あるいは政策への考え方につい て、今でもなくわかりやすく情報発信を 行っていくことが重要でございます。総裁への就任を御承認いただいた場合、私自身も政策決定会合後の記者会見、 あるいは各種の講演などを通じて、情報発信をしていくことになるかと思います。その際には、金融関係者だけでなく、広く国民の皆様にもわかりやすい説明を 心がけていきたいと思っております。
49:05
(森山貴人) ぜひ、その判断の背景、どうしてこうなるのか、そういうようなところも含めて、 ご説明をいただけると、わかりやすくなるのではないかと思いますので、 よろしくお願いします。最後に、気候変動についてお伺いをします。グローバルウォーミング、気候変動対策は、 待ったなしの課題でございます。そして、1つの国だけで収まるものではなく、 世界中がグローバルということで、世界中が一緒になって、課題に取り組まなければならない、 という大きな課題です。この気候変動に対しましては、各金融機関も、これまで、だんだん関心を、対応を、 取り組みを深めてきていただいているところでございますけれども、この気候変動に対する、中央銀行としての 取り組みについてお伺いいたします。
49:57
お答えいたします。委員おっしゃりますように、気候変動問題は、将来にわたって、社会、経済に広範な影響を及ぼし得る、 グローバルな課題となってございます。日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を 維持するという使命に沿って、気候変動に関する取り組みを進めているものと 理解しております。具体的には、金融政策、金融システム、調査研究、 国際金融等の幅広い分野からなる包括的な取り組みを決定し、その下での各分野の対応を進めていると 理解しております。例えば、金融政策面では、気候変動対応を導入いたしまして、民間金融機関による気候変動対応に資する投入資を バックファイナンスしたりしております。もとより、気候変動が経済にもたらす影響は、 不確実性が極めて高く、時間の経過に伴って大きく変化する可能性がございます。このため、各種の施策についても、 国際的な議論に参画しつつ、普段に検討を重ね、対応していくことが 重要と考えてございます。
51:18
待ったなしの課題となっております、 気候変動対策についても十分、これからお取り組みいただきたいと思います。以上で私の質問を終わります。 ありがとうございました。
51:39
立憲民主党の階猛です。 本日は質問の機会をいただきました。ありがとうございました。上田日銀総裁候補、上田候補と呼ばせていただきますけれども、 質問をさせていただきます。先ほども、景気と物価の現状、見通しに基づいて 金融政策を運営するというお話があり、その中で物価の見通しについて、 いろいろとご説明がありました。ただ、お話を聞いていると、つめづめに 日銀から聞いている話と一緒のようなことでありました。今は物価が高いけれども、 先々輸入インフレ圧力が弱まってくるだろうと、そして2%を割り込んでくるだろうと、 こういうお話でした。今日はちょうどロシアのウクライナ振興から 1年になるところです。このような番号は決して許されませんが、 残念ながらまだ集結のめどが立っておりません。資源科学、エネルギー科学、 これも先行き見通せない状況。また、国際的な緊張感の高まりが、 ブロック経済であるとか、サプライチェーンの見直し、こういったことにも反映してくるかもしれません。さらに別途、新興国の経済成長等で、 資源や食料の不足といったようなことも顕在化してくるかもしれません。脱炭素化によるエネルギーコストの 上昇などもあると思います。私は国際的に見て、輸入インフレ圧力は 依然高いと思うんですが、この点について候補の見解をお伺いします。上田参考人 確かにロシアのウクライナ振興、それから今後長期間にわたると思います 気候変動問題への対応と、構造的に原燃料価格を高い水準に保つような、さまざまな力が働いていることは事実でございます。ただその中でも、とりあえずのところは、去年までのような非常に効率の原燃料価格の 上昇という時期は一旦過ぎ、インフレ率という次元では、それはかなり落ち着いてきているところで ございますので、それが反映されて、日本の消費者物価にも 下押し圧力が効いてくるであろう、という見方を先ほど申し上げたところでございます。階猛君 先ほどもおっしゃったとおり足元、今日先ほど発表された物価上昇率は、COA、生鮮食品除くCOAで4.2ですよ。さらにCOA、COA、 生鮮食品、エネルギーを除いても 3.2ですよ。企業の皆さんにお話を聞くと、物価上昇まだまだ続くと見ている中で、あまりにも楽観すぎるんじゃないでしょうか。その点どうでしょうか。
54:45
まだまだ物価上昇は続くともちろん考えておりますけれども、インフレ率という意味では、この今日発表されたデータあたりが、とりあえずのピークになるというふうに 考えてございます。次のデータ発表あたりから、かなり大幅にインフレ率のデータは下がったものが 出てくるというふうに考えてございます。
55:11
少し私とはギャップがあるんですが、いずれにしても金融緩和の継続が必要だ ということもおっしゃられています。一元金融緩和によって、デフレでない状況が続いていることは 私も認めます。他方で、円安による交易条件の悪化であるとか、株式再建支助の完成相場化、さらには金融仲介機能の低下ということも 言われております。また財政規律の緩みといった副作用も出ています。現状がどのように変化すれば、金融緩和を継続する必要がなくなると 考えているのか、言い換えればどのような条件が満たされれば、今の金融緩和を見直すことができるのか、この点について見解をお願いします。
55:57
これは初心でも少し申し上げましたけれども、金融政策は、効果を発現するのに 時間を要します。アカデミックな分析では、短くて半年、長くて2、3年かかる、というふうに標準的なところとして 言われてございます。したがって、物価インフレ率の先行きの見通しに基づいて、運営されなくてはならない、 というふうに考えております。先行きの見通しを判断する際に、極めて重要になるのが、基調として物価が今どの辺にあるか、 というところでございます。両者同じようなものでございますが、これは一言でどの指標を見ればわかる、という、失礼、簡単なものではございません。あらゆる手法を使って、基調的な物価の動きを探り当てていく、ということが、金融政策運営の極めて重要なコアになる 仕事であると考えております。この基調的な物価の動き、今少し良い動きが出て、 出始めているというふうに思います。しかし、今のところはまだ2%には少し間がある、 というふうに考えております。少し近づいてきて、2%の実現が見通せる、そういう意味で見通せる、というふうになっていく、ということが見込まれる場合には、金融政策の正常化に向かって踏み出すことができる、 というふうに考えてございます。
57:35
今お話しされた前段の方では、金融緩和の効果が出てくるには、 時間がかかるということでしたが、もう10年経っていますけれども、 まだ時間がかかるということなのか、非常に疑問です。また、そもそも2%の物価安定の数値目標が なぜ必要なのか、今、候補もおっしゃったとおり、様々な主要を見るべきだ、 というふうにおっしゃっていました。国民の常識からすると、デフレでない限りは、 物価よりも賃金の方が大事であって、物価を賃金が上回る状況、実質賃金がプラスになる状況を 望んでいると思うんですが、2%の物価目標にこだわる理由を 教えてください。
58:26
お答えいたします。まず最初の、10年かかってもというところでございますが、先ほど、金融政策の効果の発言に、標準で、2年前後という学会の見方を 申し上げたわけですが、これは標準的なケースで、 そうなるということでございまして、過去の日本経済では、2つの面で、金融効果の、金融政策、金融緩和政策の効果の発言が、時間を要してきたというふうに 考えております。1つは、さまざまな厳しい外敵ショックが、次々に経済を襲ったということでございます。日本経済のバブルの崩壊、その後の不良再建処理をもたついたこと、これが金融仲介機能を弱め、経済に下押し圧力として長い 期間働いた。その後、リーマンショックのような、 海外からの同様のショックもあった。こういうことを含めまして、 外敵なマイナスのショックが、アゲンストの風として、 極めて強い力となってしまった。それから、そういう中で、デフレやゼロ近辺のインフレの期間が、 長く続いたことによりまして、消費者、あるいは企業の価格形成行動が、物価が上がらないという点を前提にした行動に、だんだん変容していきまして、少々のことがあっても物価を上げないという、行動パターンが根付いてしまったことも、物価が上がりにくくなったということに、 つながったかと思います。3番目に、金融政策のところで、既に初心でも申し上げましたが、90年代後半には、 単金利はほぼゼロになっていて、それ以上の引下げ余地は、 限られたものになっていた、ということが極めて大きく、通常の金融緩和政策の実行時と比べまして、緩和政策の力もやや弱めであったということも、響いてきたかなと思っております。次に、なぜ2%の目標かという点でございます。これは、こういう言い方をしては、 身も蓋もないかもしれませんが、1つの世界標準のインフレ目標であると考えてございます。その背景といたしましては、 主に2つの点があるかと思います。1つは、消費者物価の計測のところで、若干の情報バイアスがある。これに対して配慮するという点。2番目に、目標のインフレ率が高いほど、目標が実現した段階では、それに応じて、名目の金利も高くなります。その状態に達しておりますと、そこで何か景気が悪くなる、金融システムの問題が発生する、マイナスのショックが発生したときに、対応する余地が広がります。この対応の余地を広げるということを、よく、ノリシロを確保すると言ったりしますが、このノリシロとして、2%程度のインフレ率が適当ではないかという考え方かなと思います。最後に賃金のことに関するお尋ねをいただきました。難しいところではございますが、1つまず、私から申し上げられることは、2%の物価目標が、持続的安定的に実現されるという状態を考えていますと、そこでは、総需要、雇用、賃金も、総合の率で持続的に上昇していかないと、2%のインフレも持続的にならないという状態でありますので、賃金も持続的に上昇するものと考えます。ただそれは、もちろん名目賃金のことでございます。委員のおっしゃった実質賃金でございますが、これは中長期的には、経済の生産性の動きと見合って、上下していくものと考えてございます。もちろん実質賃金の上昇が高まることは、経済全体、また労働者にとって、極めて大きなプラスの影響をもたらすわけでありますが、地方銀行としては、そこに直接働きかける手段を持ち合わせているわけではないと考えております。ですから、実質賃金の上昇は望ましいと考 えることはもちろんでございますが、それを目標として設定するのは、いかがなものかなというふうに私は考えてございます。
1:03:21
最後のところ、実質賃金を目標にするというのは、日銀の目標というよりは、政府と日銀が共同で目指すべきだと、いうことを我々は申し上げています。それで今のお話の中で、2%にこだわる理由として、乗り代を確保すると、将来の金融緩和に備えて、金利を上げておかなくちゃいけないというお話だったと思うんですけれども、金利を上げるために、今、超低金利を続けている、これ、何か矛盾しているような気がするんですけれども、永久に超低金利が続いたら、目標は達成されなくなってしまうじゃないですか。2%は達成されると考えているんですか。
1:04:07
これは分かりやすい説明が難しい点ではございますが、高いインフレ目標であればあるほど、短期的には強い金融緩和政策を取りまして、それによってだんだんとインフレ率が上がっていく、そういう状態を作り出すことによって、最終的にはインフレ率も金利も上昇するというロジックでございます。
1:04:38
10年前に異次元金融緩和を始めた際に、未だ2%目標は達成されていないわけですけれども、黒田総裁は、それは達成できると自信を持って述べられたわけですね。当時、金利がほぼゼロの場合であっても、日銀が大量にマーケットに資金を供給すれば、デ フレから脱却できるとか、日銀が2%の物価目標を達成すると約束すれば、期待が高まって目標が本当に達成できるんだという考え方、こういう考え方の人たちが熱狂的な支持をしていたと思います。実際そうならなかったわけですけれども、このような、いわゆる可閉数量説とか、期待仮説といったような考え方について、候補はどのようにお考えになりますか。
1:05:45
物価は単純に考えますと、やはり在位サービスの需要と供給で決まるものでございます。可閉数量説的な考え方をこういう見方に当てはめますと、結局は在位サービスの特に需要の背後の要因の一つとして、可閉的なものがあるということになるかと思います。さまざまな理論的な条件が満たされれば、長期的には可閉的な要因が支配的になって物価が動くという結論も出せるわけですが、現実の経済では可閉的要因以外の、先ほどもちょっと申し上げましたような、さまざまなショックが在位サービスの需要、あるいは供給に影響を与えます。それから可閉的な要因の在位サービス需要への影響も、状況によって大きく異なってくるということかなと思います。これも先ほどちょっと申し上げましたが、通常は量を増やしますと、それによって金利が下がって、相需要を刺激するという道筋になります。ところが、金利がゼロ近辺でそれ以上下がらないという制約が強く効いているところでは、単純に量を増やしただけでは在位サービスに対する需要が増えにくいという状況になって、なかなか可閉的要因の力が全体としては発揮されないということであったかなというふうに考えてございます。
1:07:19
合理的期待仮説、期待に働きかけるといったことも、うまくいかなかったということだと思いますが、今までルールを申し上げたような問題意識なども踏まえて、今後、異次元金融緩和の講座、これを包括的に検証したり、あるいは2%の物価安定目標を早期に早期に達成すると明記されている政府との共同声明を見直したりするつもりがあるかどうか、候補のお考えをお聞かせください。
1:08:01
まず、これまでの政策の効果、あるいは副作用等も含めて、全体像を真と検証するつもりはあるかどうかというお尋ねであると思いますけれども、これは1つには、毎回の金融政策決定会合が、まさにその間の情報を追加的に加えた上で、さまざまな検証を行っているものであるというふうに考えてございます。追加的に、より特別の検証を行うべきかどうかという点もあるかと思いますけれども、これにつきましては、総裁にお認めいただきましたら、他の政策委員会メンバーとも相談の上、必要に応じて、そうした検証を行っていきたいというふうには考えてござ います。それから、政府との共同声明にも含まれます、2%の物価目標をできるだけ早期に達成するという点を修正する必要はありやいないというご質問だったと思います。現状、先ほど申し上げておりますように、貴重的な物価の動きは非常に好ましいものが出始めているという段階で、しかし2%にはまだ時間がかかるというところでございます。貴重的な物価に、そういう望ましい動きが出ているということを考えますと、現在の物価目標の表現を当面変える必要はないかなというふうに私は考えてございます。
1:10:01
現在の金融緩和姿勢を維持したとしても、10年ものの国債を無制限に買い入れて、長期金利の上限を0.5%にする長期金利の操作を行っているのが、今のイールドカーブコントロールなわけですけれども、この点については、やはり最近の市場の動向を見ていると見直しの必要があるのではないかと私は考えています。昨年の暮れ、御案内のとおり、長期金利の上限を日銀は0.25、0.5まで引き上げましたけれども、なおも長期金利の上昇圧力は続いていますし、市場の歪みも直っていません。そして日銀の国債の買入額も急増しているわけです。こうした問題をどのように解決していくのか、候補の見解をお願いします。
1:10:59
委員御指摘のとおり、日本銀行は12月に長期金利の変動幅を拡大するという措置を含めまして、さまざまな措置をイールドカーブコントロールについてとってございますし、その追加的な措置もとっているというふうに理解しております。これはイールドカーブコントロールの下で市場機能にやや低下が見られるという措置に、事態に配慮しまして、そこを少しでも緩和するという目的のためにさまざまな措置をとり、現在のイールドカーブコントロール政策を、先ほど申し上げたような物価情勢の下では維持可能性を高めるために捉えた措置というふうに見ております。これが本当に市場機能の向上につながっているかどうかというところは、現在見守っているという状態かなと私も考えております。
1:12:12
候補としてはこのままでいいという考えでよろしいですか。
1:12:21
イールドカーブコントロールの将来については、さまざまな可能性が考えられます。ただ現状私が、先日ですが、総裁候補として指名されております時点で、具体的なオプションの是非について申し上げることは、非常に不足の影響を及ぼすリスクがあるというふうに考えておりますので、控えさせていただければというふうに思っております。もしも総裁としてお認めいただきましたならば、その後、金融市場局がどういうふうに日々感じているのか、他の政策委員の方々がどういうふうにこの点に関して考えているのか、時間をかけて議論を踏み、重ね望ましい姿を決めていきたいというふうに考えてございます。
1:13:25
具体的にどのようなことをやるかというのは、今お答えになれないというのは承知しましたけれども、問題意識としてどのようなものがあるのか、その点はお答えいただけますか。
1:13:43
これは2つでございます。1つは、先ほど来申し上げておりますような、基調的な物価の見通し、これが一段と改善していくという姿になっていく場合には、イールドカーブコントロールについても見直しないし、正常化の方向での見直しを考えざるを得ないかと思います。これに対してそこのところがなかなか改善していかない。したがって、力強い金融緩和の継続が必要であるという場合には、市場機能の低下を抑制するというところに配慮しつつ、この措置をどうやって継続するかということを考えていかないといけないというふうに思っております。
1:14:37
それと将来的に金融化を見直していくためには、今日銀が大量に保有している国債、今政府の発行額の半分以上、発行残高の半分以上持っていると。それからETFも上場株式の時価総額の7%ぐらい持っているということでして、この大量に保有している国債やETF、これをどうやって処分していくかと。しかも市場に影響を与えないように処分していくか。ここも大きな問題になってくると思います。一歩間違うと市場への影響もありますし、日銀の財務内容にも逆財が生じたり、あるいは、福見損によるETFの方は即座に会計上の損失にもつながるということであります。こうしたリスクをどのように防いでいくのか、総裁の考えをお伺いします。
1:15:37
確かに様々な大規模なオペレーションの結果、いろいろなリスクを抱えていることは事実というふうに認識してございます。国債につきましては、私が現在思いますところでは、国債を売却するというオペレーションに至ることはないであろうというふうに見ております。その代わりに、引き締めの局面では、日銀東西預金の金利を引き 上げていくというやり方になるというふうに思います。ただ、この際、財務面で懸念されるのは、保有しております国債の金利と東西預金の支払金利、これが逆財になって収益にマイナスの影響を及ぼすというケースでございます。しかし、これにつきましては、そういう事態に備えまして、債権取引に関する引当金を積んでいるというふうに理解しております。また、ETFにつきましては、大量に買ったものを今後どういうふうにしていくのかというのは大問題でございますが、これは先ほど来申し上げておりますような、貴重的な物価の見通しが改善して出口が近づいてくるという場合には、具体的に考えていかないといけない問題であるというふうに思っております。その際には、政策委員の方々とも相談して、必要な情報発信をしてまいりたいというふうには思いますが、現在はその点について具体的に言及するのはまだ、激昇層というふうに考えてございます。
1:17:17
今後、金融政策を見直す場合には、これまで借金頼みのばらまき財政をやればいいんだと、ほわ高に言っていた、これは与野党問わずそういう政治家がいる わけですけれども、そういった政治家から有権無権の圧力を受けると、私は思います。上田候補は、こうした政治的圧力に屈することなく、日銀の独立性を保持して、本来の目的である物価の安定を図ることを通じて、国民経済の健全な発展に資するという日銀の理念、これを貫く過去は終わりでしょうか。
1:18:05
確かに現在、大量の国債を金融緩和政策の下で購入しておりますけれども、これは財政ファイナンスのためにやっているものではありませんし、市場から購入しているものであります。その最大の目的は、先ほど来申し上げています、持続的安定的な2%の物価目標を達成するということでございます。従いまして、当然の期決といたしまして、それが達成された暁には、こうした大量の国債の購入はやめるという判断になってくるというふうに考えております。
1:18:50
今、候補もよくご存知だと思うんですけれども、国債の発行額が今年度末では1000兆円を超えると、そういう中で超低金利によって支払金利は10兆円もいかないということで、0.1%ぐらいの金利で済んでいるということだと思うんですね。これが1%でも上がったら、長期的にはとんでもない金額10兆円ぐらいの支払利息の負担になると。これ今、防衛費の問題とか、子どもの子育ての予算の問題とか、いろいろこれから国も財政的に需要がある中で金利が上がったらそういうのができなくなるんじゃないか。こういうことが政治的に総裁の方にも圧力がかかってくると思うんですが、そうしたことについては、今独立性を保持して、必要があれば国債は売却していくといったような話もありましたけれども、それはそういうことで、あくまで日銀は独立性を保持して、金融政策の必要性に応じてやっていくんだということでよろしいですか。
1:20:14
財政運営の方につきましては、申し上げるまでもなく、政府国会の責任において決定されていくべきものというふうに考えてござ います。その上で日本銀行は国債の購入等につきましても、委員御指摘のとおり、物価安定目標を実現するという観点から、その是非をずっと考えていくという姿勢で間違いがございません。
1:20:51
そろそろ時間になりますので、最後の質問にいたしますけれども、上田候補の過去の書かれたものとかを読んでますと、過去には、ワラント債などで3000万円投資したと、1回損が出たけれども、結果的にはチャラになったみたいなことをどこかで読んだ記憶があります。総裁というお立場で、こういう投資などをしておいた場合、したとすると、当然、金融政策についてあらぬ疑念を招く可能性があるので、こうした投資などについては控えるべきだと考えております。今現在は、そういう投資的なことはやってらっしゃらないかどうか、ここを確認させてください。
1:21:41
もちろん、そういうリスクのやや高い金融商品の売買をしておりましたのは、3、40年前の政策等に全く関係のない時代に、学者としても、現実の金融市場に触れることは大事であろうという考えのもとから行ったものであります。現在、多少の金融商品を所有しておりますが、これは日銀総裁着任までに処分し、日銀の内機に従って行動してまいりたいというふうに考えております。
1:22:20
また、そういったことをも、委員会の方でもお尋ねしていきたいと思います。今日はありがとうございました。
1:22:42
兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の墨吉寛でございます。本日は、上田参考にお越しいただきましてあ りがとうございます。また、質問のお聞きいただきましてありがとうございます。時間も限られておりますので、早速質問の方に移りたいと思います。これまでの金融政策の少し細かいですが、手法についてどのように見ているのか、そのような観点から質問させていただきます。先ほどの初心では、これまでの金融政策については適切であると述べられております。そこで、まず、量的緩和についてお伺いしたいと思います。上田先生は、日銀の量的緩和の効果について、否定的な見方を示している、そういった記事も読ませていただきました。マネーの伸びが高まれば、2、3年程度の期間で、それにほぼ見合ってインフルエンザ率が高まるという、いわゆる可閉数量説は、ここ数年の経験の説明には無力だというような趣旨でございます。改めて、この量的緩和に対するお考えをお聞かせください。
1:23:59
私が委員御指摘のような見解を述べました当時 は、現在もそうでありますが、短期金利がほぼゼロになってしまった後でございます。そういう状況では、短期の金融商品、例えば短期の国債、こういうものを考えますと、それもほぼ金利はゼロ。流動性は非常に高いということで、いわゆるベースマネーとほぼ同じような金融商品でございます。したがいまして、短期の国債を買うという形でベースマネーを増やしていくという政策を仮に量的緩和、定義したといたしますと、それはほぼ同じもの同士を交換しているに過ぎない政策である。したがって経済に影響を与える力は弱いということを申し上げたつもりでございます。これに対して過去10年は、そういう単純な量的緩和だけではなく、まだ金利がゼロにはかなり遠かった長期国債を大量に購入するという政策の中で、量の拡大も図られてきたと了解しております。そういたしますと、これは短期国債と違いまして、ベースマネーからそこそこ遠い商品との交換という量的緩和ですので、これを日本銀行は質的緩和と呼んだりしております。あるというふうに了解しておりますが、それはある程度の効果を持つものであるというふうに理論的にも言えると思いますし、実際にも持ってきたというふうに考えてございます。
1:25:43
今、短期金利の話ありましたが、次にこのマイナス金利の生み出す副作用についてもお伺いしたいと思います。先生は短期金利のマイナス化などによる副作用、これを度々指摘されております。最近市場の価格発見機能は大きく低下するとともに、利材の薄くなった銀行運用対象が限定的となった期間投資家などによる金融仲介機能には無視できない不の影響が及んでいる。こういった発言もされております。マイナス金利化で資金運用利益が大幅減少、とりわけ賃金への悪影響が深刻化されており、金融機関の経営が厳しくなり、金融仲介機能を壊して経済を悪化させる、逆の方向に行くということだと思いますが、このマイナス金利の生み出す副作用について、改めてどのように考えておりますのかお聞かせください。
1:26:46
確かにマイナス金利を含む低金利が金融機関収益等に与える影響を通じて、金融仲介機能に悪影響を与えてきた可能性はあると思っております。ただ現在ではマイナス金利そのものを取り上げてみますと、まずそれが適用される残高が極めて東西貨金のごく一部にとどまるような工夫が日本銀行によってなされ、副作用の緩和策が採用されていると思います。また、金融機関平均的には充実した資本基盤を備えており、金融仲介機能はある程度円滑に発揮されているというふうに考えてございます。それからマイナス金利を含みます低金利が全体として経済を支えるということが企業収益、あるいは企業の資金借入事業等にプラスの影響があるということによって、金融機関にもまたプラスの影響が間接的に及んでいるという面もあるかなというふうに思っております。速谷寺寛君 ありがとうございます。次に、このリールドカーブコントロールについてお伺いしたいと思います。先生は、本来誘導対象は10年より短い金利にして、10年再利回りは自由に変動させるのが日銀の考え方には合うのではないかと述べられております。実際、IMFも1月26日に長期金利の幅は柔軟に、また金利操作の対象を短期に、また国際購入料を目標にするということを提言しております。このYCCの修正の必要性であったり、また当面続けていくのかというのは、先ほど市内委員の答弁の中で答弁を差し控えさせていただきたいという旨がありましたが、この弊害をどうしていくのかというのは重要な観点だと思います。日銀がイルドカーブコントロールを維持していくためには、大量の国債買入を現在、強いられている状況でございます。このことが市場を歪めております。実際に、社債の市場についても、この歪みから弊害が出てきていると聞いております。また、日本銀行のバランスシートの被害化を通じて、日本銀行の将来の財務リスクを高め、さらに財政ファイナンス観測を強めることで、この金融市場を潜在的に不安定にさせる恐れもございます。この弊害をどのように考えていくのか、またどのように対応していくのか、教えてください。
1:29:56
委員御指摘のように、イルドカーブコントロールが様々な副作用を生じさせているという面は、否定できないかと思います。そういうこともありますので、先ほどもおられ申し上 げておりますように、12月以降、それをなるべく緩和するという意図のもとに、様々な措置を日本銀行は採用してきていると思います。現状は、それがどういう効果をもたらすかということを見守っている段階というふうに私は考えております。委員が最初におっしゃいました、コントロールの対象を10年よりももっと短いところにすべきではないかということをやり方は、これを見直す際の将来ですね。見直すことがあるとして、そのときの一つのオプションにはなると思いますが、他のオプションも様々なものがあり、それらを含めまして、一つ一つのオプションの講座について現在、詳しく具体的に触れるということは、差し控えさせていただきたいというふうに思っております。速記を起こしてください。今まで、それぞれの代表的な手法について、効果検証といいますか、参考人のお考えを聞かせていただきました。これらの手法は、インフレ率2%を達成するために、様々に実施されたものだと認識しております。この黒田総裁は、2年でインフレ率2%を目標にしてきたわけであります。なぜ2%か、なのかは、先ほど答弁あったように、名目の権利が高くなって、伸びしろを確保する、また世界標準であるということだったと思いますが、この上田先生は、無理をせずに2%達成を、より中長期的な目 標というような発言もございますが、具体的にこの目標の修正等について、考えはあるのか教えてください。
1:32:32
この点は、先ほど来ちらっと申し上げておりますけれども、現在、現体制度の緩和の下で、基調的なインフレ率についても、少し良い動きが出てき始めております。ですので、私が総裁に選ばれましたならば、この目を大事にして育てていくということに、当面は力を注ぎたいと思います。そういう中では、2%の目標を早期に達成するという表現が、目標共同声明の中に含まれているということを、直ちに変える必要はないというふうに考えてございます。
1:33:22
その中長期的な目標にすべきではないかという過去発言がございますが、例えばどれぐらいのスパン、具体的に何年ぐらいというのをイメージしているのか、もしあればお願い します。
1:33:46
これは先ほど関連の質疑がございましたが、標準的には金融政策の効果が及ぶのに、2年くらいの時間がかかるであろう。したがって2年先くらいまでに目標を達成するというような考え方で、いろいろな目標、あるいは手段、金融政策に関する説明、目標を設定したり、金融政策決定の説明をしていくということであるわけでございますが、これも先ほど来、違う質疑でやりとりがございましたように、日本経済が過去10年あるいは20年置かれた状況では、この2年くらい経てば金融政策の効果が発現するという標準形がなかなか当てはまらない状態にあるかと思います。ですので、何年後に目標が達成できるか、あるいは中長期的な目標といった場合に、それは何年間くらいの平均を意味しているのかということになかなか現状では確信を持って答えることができないという残念な状態にあるということは申し上げたいと思います。
1:35:16
はい。続きまして、現在のインフレ率、先ほど来ありましたが、本日も総務省が先ほど発表した消費者物価指数では1月4.3%ということで、これをどう見ているのか、また物価の安定とはどういう定義なのか、この判断基準には、例えば消費者物価上昇率、CPIを使用することが通例ですが、CPIにも生成食品を除いた指数であるCore CPIや、さらにエネルギーを除いた指数であるCore Core、いくつかの種類があります。この日銀の金融政策においては、どのCPIを重視し、どのような状態を持って物価の安定と考えるのか、上田先生の御意見をお願いします。
1:36:11
確かに現状、消費者物価、全体を見ますと、4%強で推移しております。これは言うまでもなく、消費者の実質所得にマイナス要因として働き、生活にマイナスの影響を与えているという点は強く認識してございます。ただ一方で、先ほど来申し上げておりますように、金融政策を変更しますと、その効果が現れるには時間がかかる。現状どれくらいの時間がかかるか分からないという不確実性もあるという中で、少し先のインフレ率、あるいは現在時点での基調的なインフレ率を把握し、それに基づいて政策を決めていくという考え方も重要である。あるいはそれが重要であるというふうに思っております。それでは、そこをどういう指標で見ていくのかというのが、委員のご質問だと思いますけれども、残念ながら、この指標を見れば、ぴったり基調的な動きが判断できるというような理想的な指標はない。よくいろんな人がいろんな物価指数を見る中で、一時的な要因を含んでいるものを次々に除いていくということをしていくわけですが、玉ねぎの皮を剥いているようなもので、芯がどこにあるか分からなくなってしまうという指摘がなされたりいたします。私どもといたしましては、さまざまな指標を丁寧に見ていくことによって、賃金も含めまして、基調を判断していくということにならざるを得ないかなというふうに思っております。
1:38:01
今、 賃金も含めましてということなんですが、賃金の上昇についてもお伺いしたいと思います。黒田総裁は、金融緩和を続けていくことで、賃金の上昇を伴う形で、物価目標を持続的安定的に実現することは可能だと述べられております。上田先生は、日銀の金融緩和政策で賃金上昇、これはどの程度可能と考えられておりますでしょうか。
1:38:36
これはもちろん、2%のインフレが持続的安定的に実現されるという状態では、賃金もある程度の率で上昇を続けるということが実現されていると思います。そうでないと、物価の持続的な上昇ということも起こらないと思います。ただ、賃金の上昇率が、例えば名目で何%くらいかということは、物価の方が2%であっても、賃金の名目上昇率は生産性上昇率によって影響されますので、その時々の経済情勢によって、かなりの幅をもって変動し得るというふうに考えております。したがって、物価の方で2%が達成された暁に、賃金の名目上昇率がどれくらいかということを前もって、確信を持って申し上げるのは極めて難 しいかなというふうに考えてございます。
1:39:43
我が党は、日本維新の会は、2月2日に日銀法改正案を提出して、その目的の中に、物価の安定、雇用の最大化、名目経済成長率の持続的な上昇、これを規定しております。現在の日銀法は、この3つは目的ではありませんが、財務大臣が私の委員会での答弁において、日銀法第2条においては、金融政策は物価の安定を図ることを通じて、国民経済の健全な発展に資することと、これを理念とされており、現行法においても、日銀は金融政策の運営に当たり、雇用や経済成長に配慮することが求められていると解されております。このように答弁されております。物価の安定、雇用の最大化、名目経済成長率の持続的な上昇、これは現行の日銀法には明確に記載されておりませんが、国民経済の健全な発展から読み込むことができるとおっしゃったわけですが、その認識で、同様の認識であるのかどうか、またその場合は、いかなる方策でこの3つの目標を実現していくのか、お考えを教えてください。
1:41:13
委員おっしゃるように、日銀法の立ち付け上は、第一義的な目標は物価の安定。それを達成することによって、物価の安定を図ることによって、国民経済の健全な発展にすること、というふうに書かれて記述されております。それで委員が御指摘の雇用の問題、あるいは名目経済成長率の持続的な上昇、これをこの日銀法上の国民経済の健全な発展というところで読むという読み方も可能だとは思いますが、もう一つは、物価の安定が実現される第一義的な目標でございますが、これの状態になれば、先ほども申し上げましたように、まず賃金も総合の率で上昇する。それから雇用も、概ね完全雇用に近いところに来るというふうに考えます。なぜかと申しますと、そうでなければ、労働者の労働供給と需要の間にギャップが生じまして、それが賃金にマイナスの影響を及ぼし、賃金が持続的に上昇し、物価も上昇するという状態にブレーキをかけることになります。両方を合わせますと、結局名目経済成長もある程度の利数が確保できるという状態であるというふうに読むことも可能かなと思っております。
1:42:51
(増稔広木) 物価の安定を図っていけば、雇用や名目経済成長率の自在的な上昇が達成できるということで、という答弁だと思います。少し財務大臣との相互を感じたところでございます。またこれについては、委員会の方で詳しく聞いていきたいところですが、日銀だけにこの3つの目標を課すというよりかは、政府と一緒になってやっていかなければならないことだと思っております。その上で、この政府との関係において、このアコードの内容を見直すお考えでしょうか。またその場合、どのような内容を検討しているのか教えてください。
1:43:50
共同声明につきましては、2013年以降、政府と日本銀行がそれに沿って必要な政策を実施してまいり、我が国経済は着実に改善して、その中で賃金も上昇、物価も持続的に下落するという意味で、なので不例ではなくなってきております。こういう意味で、政府と日本銀行の政策連携が着実に成果を上げてきたものというふうに見ております。したがいまして、先ほど来申し上げてございますように、この共同声明を直ちに見直すという必要があるというふうには、今のところ考えてございません。
1:44:37
この10年間の全体的な評価についてお伺いしたいと思います。この2012年12月26日に始まった第二次安倍政権において、当時の安倍総理が表明した三本の矢を柱とする経済政策ですが、このアベノミクスに対して、第一の矢の金融政策は積極的に不可しつつも、第二の矢の財政政策は、緊縮政策を採用したから迷惑に飛んでいってしまった。経済がある程度回復しつつも、デフレからの完全脱却を果たせず、自前立った原因の一つがこれです。要は増税をしたということでございます。また、我が会派は、物価高騰対策として、昨年10月21日に消費税の減税を提言しているところでもございます。これらを踏まえて、この10年近く金融政策以外のことも含めてですが、なぜ日本経済、これが世界に比べて低迷しているのか、先生のお考えをお願いいたします。
1:45:52
共同声明の中の金融政策のところにつきましては、御指摘のより、ある程度の成果を上げてきたというふうに考えてございます。それから、その他のところでございますが、政府の方から、働き方改革などの施策を実施していただいたことによりまして、労働需給がタイト化するという中でも、女性や高齢者の労働参加が進み、人口減少が続いておるわけですが、雇用者数の大幅な増加が実現するというようなプラスの効果が実現してきているというふうに思います。消費税率引上げの影響についても、御質問があったかと思いますけれども、これは一般論としまして、消費税率を引上げますと、かけ込み需要があり、その反動がその後にくる。