8:15
今から文教科学委員会を開会いたします。理事会が延びてしまいまして、大変帝国を過ぎてご迷惑をかけました。申し訳なく思います。委員の異動についてご報告いたします。本日、斉藤義隆君が委員を辞任され、その補欠として勝部健二君が占任されました。
8:41
国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森山文部科学大臣。
8:52
この度、政府から提出いたしました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、その提案例及び内容の概要をご説明申し上げます。
9:06
国立大学法人は、それぞれの強みや特色を生かして、教育、研究、そしてその成果を生かした社会貢献に積極的に取り組んでいます。
9:17
最近では、国際拓越研究大学制度の創設や、地域中核特色ある研究大学総合振興パッケージの策定など、様々なステークホルダーとともに、研究力の強化に向けて大学の活動を充実させる政策を進めているところです。
9:38
そのような中で、大学の大きな運営方針の継続性・安定性を確保することや、多様な専門性を有する方々にも運営に参画いただくこと、また、大学の自立的な財務運営を支えるためにも規制を緩和することが必要です。
9:56
この法律案は、このような観点から、国立大学法人等の管理運営の改善、並びに教育研究体制の整備及び充実等を図るため、事業の規模が特に大きい国立大学法人についての運営方針会議の設置及び中期計画の決定方法等の特例の創設、
10:19
国立大学法人等が長期借入金等を充てることができる費用の範囲の拡大、認可を受けた貸付計画に係る土地等の貸付に関する届出制の導入等の措置を講ずるとともに、国立大学法人東京いかしか大学と国立大学法人東京工業大学を統合するなどの措置を講ずるものであります。次に、この法律案の内容の概要についてご説明申し上げます。第一に、事業の規模が特に大きいものとして、政令で指定する国立大学法人には、中期目標についての意見、中期計画の作成、予算及び決算の作成等に関する事項の決議、中期計画等に基づく法人運営の監督、学長選考、観察会議に対する学長選考に関する意見の陳述についての権限を有する運営方針会議を置くこととしております。また、その他の国立大学法人も、長期かつ多額の民間資金を調達する必要があることなどの特別な事情により、体制強化を図る必要があるときは、文部科学大臣の承認を受けて運営方針会議を置くことができるとしております。
11:36
第2に、国立大学法人等が長期借入金や再建発行できる費用の範囲について、現行制度上可能である土地の取得、施設の設置整備、設備の設置に加え、先端的な教育研究のように共する知的基盤の開発整備についても可能とすることとしております。
11:57
第3に、国立大学法人等の所有する土地等の第三者への貸付について、あらかじめ文部科学大臣の認可を受けた貸付計画に基づいて、土地等の貸付を行う場合には、現行制度上個別の貸付ごとに必要となる文部科学大臣の認可を要せず、届出によって行うことができることとしております。
12:20
第4に、国立大学法人東京医科士科大学と国立大学法人東京工業大学を統合し、国立大学法人東京科学大学とすることとしております。このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何卒、十分ご審理の上、速やかにご可決くださいますようお願いいたします。
12:50
以上で趣旨説明の聴取は終わりました 。速記を止めてください。
14:35
お分かりをいたします。国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、国立大学法人東京いかしか大学学長田中雄二郎君、総合科学技術イノベーション会議上勤議員植山孝博君、
14:57
北海道大学大学院教育学研究院準教授三本茂君及び金沢工業大学大学院教授高橋真彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用決定いたします。国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様からご意見を伺います。この際、参考人の皆様に一言、ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いを致します。
15:54
次に議事の進め方について申し上げます。まず、田中参考人、上山参考人、三本参考人、高橋参考人の順に、お一人15分以内でご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
16:20
また、ご発言の際は、拒止をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、ご承知おきください。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それではまず、田中参考人からお願いいたします。
16:41
はい、田中でございます。おはようございます。
16:48
東京医科士科大学学長の田中雄二郎でございます。まず、私たちの大学統合が含まれている法案をご審議いただいておられる当事者の一人として、心から感謝申し上げま す。また、今日はこのような機会を与えていただきありがとうございます。せっかくの機会ですので、当事者として、本学と東京工業大学の法人統合を2種を絞って、試験を申し述べたいと思います。資料をご覧ください。資料の2ページをご覧ください。こちらが資料になります。これまでの経緯をご説明申し上げます。令和3年の秋に、今から2年少し前になりますが、本学から東京工業大学に統合を脱進し、令和4年春に統合形態について東京工業大学から具体的な提案があって、ここに記されているとおりの経緯で、今に至っております。次の3ページをご覧ください。一法人複数大学の選考事例もありましたけれども、私たちは一法人一大学を選択することといたしました。つまり、両大学が一つの新しい大学になるということです。一法人一大学を選択した理由は、両大学に重なる学部がないこと。
18:12
メインキャンパスが電車で30分程度と比較的近接していることから、統合した方がより多くのシナジー効果が得られると考えました。次の4ページをご覧ください。統合に至った背景についてご説明いたします。
18:31
これまで、両大学は指定国立大学法人として、広く理工学及び医師学に関する知見を創出して、自在に応用できる人材の育成を通じて、産業の発展と医療の進歩を牽引してきたと自負しております。しかし、人類はこれまで想像しえなかった地球環境の悪化や新興最高感染症の世界的流行、
18:59
少子高齢化の急速な進行など様々な課題に直面しています。これらの地球規模の課題や、今後起こり得るであろう未知の問題の解決に向けて、両大学はその地を結集してより大きな役割を果たすことが、社会から期待されていると認識しております。資料5ページをご覧ください。
19:24
これは、経済産業省の大学発ベンチャー実態調査の資料です。少し字が小さいですが、縦軸が会社の数であり、 横軸は過去5年間順番にどうなっていったかということを示しています。バイオヘルスケア分野は赤枠で囲ったところですけれども、IT分野とともに過去5年間でベンチャー数は急速な伸びを示しています。
19:54
下段に示す横長の棒グラフは、その割合を示していますが、バイオヘルスケアだけでもその数は3割近くに及び、医療機器や素材、IoTなどを含めると、2つの大学で統合するカバーする領域は80%を超えるというもので、極めて大きいことが分かっています。
20:19
このようにカバーする大学発のベンチャーが多いということは、単に外部資金の獲得が増えるということにとどまらず、社会貢献の度合いが大きくなると考えました。次のページ、資料6ページをご覧ください。このような背景から、両大学のこれまでの実績、伝統と先進性を生かしながら、統合によって、かつてどの大学も成し得なかった新しい大学の在り方を創出することを目指すこととしました。このために、両法人の統合と新しい大学の設立を実現し、国際的に拓圧した教育研究拠点として、社会とともに活力ある未来を一気に開く決意を固めました。これが統合の目的になります。次のページ、7ページをご覧ください。新大学の目指す姿については、大きくは4点について合意しております。
21:16
まず1点目としては、両大学の尖った研究をさらに推進することです。研究者にそれぞれの興味に根差した研究を行える環境を提供します。2点目としては、医師理工学、さらにはリベラルアーツ、人文社会科学を含む、様々な学問領域が自由な発想で融合するコンバージェンスサイエンスを展開することです。
21:44
3点目としては、高度専門人材、特に博士人材の輩出です。教養教育と専門教育を有機的に関連させた、総合値の教育を充実させます。これにより真に解決すべき課題を設定でき、その解決を導く人材を育成します。4点目としては、後世に高度なダイバーシティを実現することです。
22:11
この下で、世界に開かれた地の創造と人材育成の場を構築したいと考えています。次の資料8ページで、新大学のキーワードであるコンバージェンスサイエンスについてご説明いたします。過談のように、現時点で私たちはグリーンテクノロジーから再生医療に至るまで幅広い分野で先端的な研究を展開していますが、
22:40
統合によって中断にあるように、地球環境、ウェルビーング、トータルヘルスケアという社会課題に直結する新しい研究領域を作ることができると考えています。上段のように、さらに未来は社会課題を率先して発見し、柔軟に新しい学術領域を創生して、社会とともに解決する大学であり続けたいと考えています。次のページ、資料9をご覧ください。コンバージョンサイエンスを実現するために、地の循環を重視します。スライドの下に、総合研究員と書かれた枠がありますけれども、この研究員を作り、異分野融合の研究が、研究者同士の交流から自然発生的に生まれるように大学で支援します。
23:32
研究者同士が交流する場を創設することによって、自然発生的に生まれるということを期待するわけです。それに対して、スライド上にある未来社会創生研究員、これも新しいものですけれども、大学が重点領域と考えた分野にインセンティブを用意して、
23:52
移行連携をはじめとする異分野融合の研究を促進する予定です。いわばミッションで動いていくという研究員です。さらに、社会実装が近づいた段階では、これも新設ですが、新産業創生研究員というものを作り、そこで企業とともに実用化を図っていきたいと考えています。
24:17
そして、移行連携については、医療工学研究所の設立を考えています。次の10ページをご覧ください。大学病院は、診療報酬に依存する今日の医療だけで、財政的にも精一杯な現状があります。
24:37
本学付属病院は、コロナ重症患者を当初から多く受け入れた病院で、社会からも大きな評価をいただきまし た。それは私たちの励みとなっています。しかし、ワクチンを含め、新たなコロナの治療薬の開発ができたわけでは、残念ながらありません。明日の医療にまでは十分手が回らなかったということです。
25:05
この反省を踏まえ、新大学では、明日の医療を支える研究と人材開発を積極的に行うため、財政的にもこの部分を別会計にする予定です。別会計の財源は、産学連携等の外部資金に求める構想となっています。資料11ページをご覧ください。
25:28
さて、新大学において、従来の日本の大学が陥りがちであった閉鎖的な組織文化を完全に払拭したいと考えています。本来、アカデミアが持つべき、自由でフラットな人間関係を構築することが極めて重要であると考えています。
25:51
その下で、精神の余裕を取り戻した構成員による、広く社会に開かれた創造空間を構築したいと考えています。その実現に向けて、1点目は、すべての構成員の専門性と役割の尊重です。教員、職員、学生の別に関わらず、一人一人が自らに誇りを持ち、お互いをリスペクトし、協調できる組織文化を目指します。2点目は、試行錯誤を恐れず、イノベーションに挑戦する文化の醸成です。3点目は、大学の構成員自身のウェルビングの実現です。大学の構成員自身が余裕を取り戻すこと、それが自発性を生むことになり、大学の知能創出の源となるために必要不可欠であると考えています。
26:50
資料12ページをご覧ください。先ほど、構成員にチャレンジすること、そういう文化を作りたいとお話しましたけれども、大学自身も常に変わり続ける組織でありたいと考えています。
27:08
時代に先駆けた研究・教育・経営ポートフォリオの普段の見直しと、ポートフォリオに基づいた研究・教育組織の改革、財務戦略の策定、病院事業の改革が重要で、
27:25
大学自身の文化を実現するために、学内の教育・研究・診療現場からのフィードバック、社会情勢を踏まえた運営の観点からのフィードバックが重要だと考えています。次、13ページです。
27:43
細かい数字が並んでいますが、要は両大学が統合することで、職員数・経常収益は2倍の規模となり、研究実績なども国立大学の上位・5位に入ることになります。しかし、我々は1+1が2ではなくて、3にも4にもなるような統合を目指したいと思っています。次のページ、14ページをご覧ください。
28:11
私たちはそれが可能だと思う理由をお話しさせていただきます。東高大に行きますと、東高大のキャンパスの一番手前の建物に、2200年までの未来年表が掲げられています。未来から今を考えて研究するという姿勢がよくわかります。他方、いかしか大学では、病院における目の前の患者さんから研究が始まります。
28:40
いわば、今から未来を考える視点です。このように、バックキャストとフォアキャストの視点が融合することで、単に理工学と医師学が交わる以上の効果が期待できると考えています。そして、その視点で社会とともに課題を解決していきたいと考えています。最後ですけれども、大学統合にあたっての要望を申し上げたいと思います。
29:08
これからも社会の変化に伴い、様々な理由で統合を目指す大学が出てくるのではないかと思います。そのような大学のためにも、大学統合は行いやすいように、このページにある2つの点についてご配慮をお願いしたいと思っております。もちろん医学科のように、国レベルで定員管理している学科は別ですけれども、
29:37
現在の分野別の大学ごとの厳格な定員管理は、例えば入学後の進路変更の妨げにもなり得ます。学生の定員管理の柔軟化を今後ご検討いただきたいと思います。
29:55
また、世の中の変化に迅速に対応できるように、これまでの学生総定員の中であれば、大学に許されている学生総定員の中であれば、新たな学部の創設や再編等の取組を行うことが必要になると思います。その際には、設置心での様々な手継ぎがありますけれども、できる限り軽減していただければありがたいと思っています。
30:21
また、統合前後は、教学管理システムや労務管理システムなどの統一が必要になります。これには非常に経費がかかることが予想されています。科学大学でも様々な統一作業は、統合後も数年はかかると見込んでいます。統合に関する一定期間の予算支援をお願いしたいのです。
30:49
これによって、他の大学も統合を考えた時に、それに対して躊躇することがなくなるのではないかと思っています。以上で私の陳述を終わります。ご静聴ありがとうございました。
31:18
おはようございます。内閣府の総合科学技術イノベーション会議、我々はCSTIと呼んでおりますけれども、そこの条件議員をしている上山でございます。このような機会をいただきまして、今回、国立大学法人法の改正についての御審議をいただくと伺っており、この間数年間にわたって、CSTIと文科省で図ってきた政策の最終的な形として法案に至ったということを大変ありがたく思っております。このような形で意見陳述をさせていただくことは、この法案の成立に向けての大きな一歩となると思いますので、ぜひとも御審議をいただきたいと思っております。この数年間、文科省と一緒になりまして、内閣府のCSTIでは、この法律の背景にある国際卓越大学制度、
32:10
10兆円のファンドを動かしながら国際卓越大学を制定していくというスキームを作ってまいりました。同時に、それと補完する形ではありますけれども、地域中核、特色ある研究大学、振興パッケージというものを作り、トップ層の大学のみならず、全ての国立大学に、あるいは私立大学、公立大学も含めて支援をしていくという背景を作ってまいりました。
32:39
このような動きの中の背景を2つほど申し上げます。まず1つは、2004年の国立大学の法人化以来、国立大学に対する運営富豪富金は、毎年1%ずつ、12年間にわたって削減を徐々にされてまいりました。もちろん、その資金というのは競争的資金として、決して全体としてのフレームワークは変わりませんけれども、
33:06
国立大学の自由に使える運営富豪富金というものが、毎年1%、10年間にわたって削られていったということは、大学のパフォーマンスを考えるときには非常にシリアスな問題であると考えたのが1つの背景でございます。もう1つは、各国のトップ層の大学の研究、あるいは教育のシステムがガラガラと大きく変わりつつあるこの20年間を見据えなければいけないということでございました。
33:35
例えば、トップ層でいうと、スタンフォード、ハーバード、MITといったところに対する国家の支援は急速に伸びております。全般として、世界のどの国においても、アカデミア、大学、研究に対する国家的な投資は確実に増えている。しかもまた、その増え方が加速度的に増えているという現状でございます。
34:03
同時に、国由来の資金だけではなかなか手当をできない非常に複雑な研究と教育の在り方に関して、例えば、ハーバード大学は独自の基金を1970年ぐらいから積み上げてまいりまして、
34:20
今、大体6兆円ぐらいの独自の基金を持ち、その基金を世界中のマーケットに投資をして、毎年9%ぐらいの利益を上げ、そのうちの5%を必ず大学の研究と教育、フェローシップ、学生への支援に向けるということをやっております。
34:45
毎年、国由来の資金でないものが2,000億から3,000億円ぐらい、各大学に入っているという現状でございます。この間、各国のトップ大学は、その財務構造を見ますと、ほぼ大体毎年7%ぐらいの勢いで確実に進展をしている。7%で伸びるということは、10年経つとその大学の財務構造がほぼ倍になるという激しい勢いで、
35:13
各トップ大学の競争力を高めているという現状でございます。ひるがえって、我が国の研究大学、いわゆるトップ大型大学を見ますと、相変わらず運営不公平等、市と僅かな民間からの資金を得ながら、東京大学を例を挙げますと、年間の財務がだいたい2,500億円でございます。
35:38
これは病院収入も入れてですが、例えば、私のよく知っているスタンフォードなどですと、今もほぼ1兆円に迫ろうとしています。年間の予算がですね。これがこの10年間でほぼ倍になりました。この倍になる勢いというのは、もちろん国家による公的な税金由来の資金が入ったということもありますが、同時にスタンフォードで今だいたい4兆円から5兆円ぐらいの基金を持って、
36:04
かつ寄附を拡大させながら財務構造を健全化させているという現状でございます。果たして我が国において、そのようなトップ大学が何個必要なのか、あるいはあり得るのか、ということについては、いろんな議論がございますが、おそらくは5校から8校ぐらいの間の研究大学が世界におけるトップ20に入り、
36:29
そういったトップ校と競争していき、さまざまな大学からのリクルーティメントで研究者を引き抜きながら競争しているという現状に対して、どのような方策を我が国のトップ研究大学が成すことができるのかということが問題の背景としてございました。もし、ハーバーディアス・スタンフォードが数兆円規模の研究基金を持っているとすれば、
36:56
それを到底各大学が今の現状ですぐに確保することができない。などすれば、その非我の差を埋めるためにも、10兆円規模の基金を作って、その基金を国として回して、その国として投資の仕方をモデルを作って、各研究大学にそのモデルを引き受けてもらうと、
37:21
そのためのある種の種線としての10兆円を考えてほしいということが我々の希望でございましたし、同時にそのことを文庫部科学省では非常に切実に強く受け止めていただいて、タグを組んでこの10兆円規模の国際卓越大学用のファンドを作ったところでございます。同時に、先ほど第一点と申し上げましたように、トップの研究大学だけではなくて、
37:49
全ての研究大学に対しての研究支援を国家としてやるべきだということの中から、改めて財政総局と測って2000億円の資金を作ったところでございます。今この2000億円については69校の大学が申請を出してきて、今審査の最中でございますが、先般27大学に絞り、さらにまたおそらく13大学ぐらいまで絞ることになると思いますが、その目的というのは、トップ層の支援する研究大学のみならず、幅広い国立大学、公立大学、私立大学にも視線を向けながら、研究のあり方、教育のあり方に対して国家的な支援をしていくというフレームワークでございました。このようなことを考えていますと、我が国の研究大学あるいは大学に置かれている世界における環境は、極めて劣後して いると思います。
38:47
かつ、世界中の国々がなぜ大学にこれほどの資金を入れるようになったかと申し上げますと、それは明らかに、全ての国において知識基盤型の社会がもう到来をしているということです。従来のような産業社会ではなくて、新たな知恵を生み出し、新たな人材を組み出し、新たなスタートアップ企業を生み出していって、
39:13
社会の不卓に応えることができるような大学を作っていく、そのためにも国家的な投資を拡大しなければいけないという背景があったと思います。いわば、その知識基盤型社会における大学のあり方を考えますと、単に18歳の学生がやってきて、4年間企業に行くまでの間の教育をやっているという大学の形では、
39:37
到底世界の中でのこの劣化環境を改善することはできないと強く信じております。そうすると、単に大学の研究者だけが考える大学でいいのか、社会の不卓に応えるためにも、様々な社会の声を大学の中に引き受け、その声を大学のシステムの中に反映するような第三者のアドバイスが必要だろうと考えたことも事実でございます。
40:04
それは何も第三者が大学の実地を侵すということではなくて、むしろ大学のあり方、研究のあり方、教育のあり方に関して、幅広い社会のステークホルダーの声を反映させる組織として、運営競技体を作るべきだと考えたことは事実でございまして、それはとりわけトップ層の大学については、これは国際的に活動をしていかなければいけませんから、
40:30
そのステークホルダーというのは、単に国内のみならず、海外のステークホルダーの声も反映するような第三者の意識が必要だろうと考えていました。しかしながら、これは単にトップ校だけではなくて、おそらくはこのような意識を持っている大学は今後増えていくだろうと、そのような大学をサポートするような組織体というのもあり得るかもしれないと考えたことは事実でございます。
40:56
今回の国立大学法人法の中で、その範囲が広がりすぎているという声があるとは理解をしておりますが、俺らは基本的にこれは国際特別大学の不得のなくなったと考えたことでございまして、それがそのような方向が正しいとお考えになるような国立大学においても、同じようなシステムが広がっていくかもしれない。それはそれぞれの大学のご判断に任せるべきだというふうに考えております。
41:25
その意味で、しばしばなされるような大学の自治を犯すとか、あるいは学問の自由を犯すということは、かけらも考えたことはございません。むしろ、このような純高の資金を持って国家がサポートし、あるいは幅広い社会の成功ホルダーがサポートすることによって、大学の自治が守られる、あるいは学者の自由が守られる、そのような方向性をずっと探ってまいりました。
41:54
外部の運営方針会議になるものができますけれども、この運営会議は、先ほど申し上げましたように、幅広い社会の声を反映させる一つのメカニズムに過ぎない。また、その運営会議のあり方に関しては、大学の中における教員、学生の方々の声が反映されて決まっていくものですから、
42:20
最終的にはそれは大学の自治の中できちんと担保されるはずだと強く信じております。最終的にその方向性が、大臣によって承認されるという構造についても、様々な議論があるとはお伺いしておりますけれども、これは今の国立大学においても最終的に学長の承認については、やっぱり文科大臣の承認が必要でということになっておりますので、
42:49
そのことの整合性については、新しいシステムとこれまでのシステムとそれほど大きな差異はないだろうというふうに考えてございます。また、特定大学、あるいは準特定大学という用語が飛び交ってあるとは聞いておりますけれども、これは何も大学を2つに分けるとか3つに分けるということを、おそらくは文科省はお考えになっておられないと思います。
43:16
私たちの会の 中ではそのような議論をしたことはございません。私たちのところでは、まずは非常に強い研究大学を作る、そのためのファンドを形成し、それに重点的な支援をし、かつそれを多くの大学の中にその成果を広げていくということだけを考えておりまして、
43:40
今回の国際学に関する法人法が順当に成立することによって、改めて、今すでに始まっております国際卓越大学のフレームワークをさらに前に進めていき、そしてまた、そのような大学だけではなくて、幅広い研究大学、あるいは教育大学、
44:06
あるいは地域に対して大きな貢献をなすような大学に対しても、国家としての支援を広げていっていきたいと、あるいは広げていっていただきたいと、こういう強い希望を持ってございます。この間のプロセスについては、できる限りトランスフェアラインズにおいて、透明感をもって様々な関係者に対してご説明を申し上げてまいりましたし、
44:35
CSTAの中でも専門調査会を開き、その中でも多くの方々に来ていただいてご批判をいただきながら、国際卓越大学のフレームワークを作ったところでございます。でも、何十万人というそれぞれの研究者の中には、様々なご疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますので、
44:58
今後はこのプロセスを推進していくとともに、できる限り多くの大学の関係者、教職員、学生担当たちも対話を重ねながら、私たちが意図していること、あるいは文科省とともにやってきたフレームワークが、決してこれまでの大学のシステムを壊すものでもないし、むしろ我々は強い応援団としてアカデミアを支えていきたいと、大学、あるいは研究者、学生に対する強い応援団としてやっていきたいと思って、このシステムを進めてまいりました。今回の国立大学法人法の改正というのは、その最終的なメルクマールでございますので、
45:49
どうしても先生方には真摯なご見同をいただいて、この法案に対して積極的なご賛同を賜れば大変ありがたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
46:03
ありがとうございました。次に三本参考人にお願いいたします。三本参考人。
46:15
おはようございます。三本茂と申します。私は北海道大学大学院教育学研究院の教員です。専門は教育学です。特に関心を持っておりますのは青年機構の教育です。教育は人格の完成を目指すという言葉が教育基本法にありますけれども、
46:35
そういった教育を高等教育にも実現していきたい、高等教育において人格の完成を目指せるような教育を実現していけるような大学法制の在り方について探求しております。さて本日は、三議員、文部科学、失礼しました、文教科学委員会におきまして、参考人として意見を陳述し、また委員の皆様の質問に答える機会を賜りましたこと、お礼申し上げます。
47:02
と同時に、三議員だけでなく衆議院を含めた本国会の審議の状況に関しても一言申し上げたいことがございます。国立大学法人法の一部を改正する法律案は、10月31日に閣議決定され、国会に提出されました。本案は既に衆議院本会議で可決されておりますが、昨日確認しましたところ、衆議院のホームページに掲載されている本会議の議事録は10月23日までのものでした。
47:32
文部科学委員会の議事録は11月1日までのものでした。本法案の審議に関する議事録は、いまだ一切公表されていないわけです。しかし、三議員の法案審議も始まってしまいました。なぜこんなに急ぐ必要があるのか。
47:52
三議員の審議は参考人だけでなく、多くの大学関係者、国民が衆議院の審議の状況を知り、さらに検討すべき点などについて意見を持つようになってから始めるべきなのではないでしょうか。おまけに会期末は12月13日です。残り期間に十分な審議を行うことは非常に難しいのではないでしょうか。また、法案自体にも問題があります。
48:20
詳細は省きますが、本法案は大変複雑な構造になっておりまして、全体が大きく二つの部分に分かれているんですね。この二つをつなげないと法案が理解できないんですが、そういった資料が実はないのです。仕方がありませんので、私は二つの部分を一本にまとめて、条項の番号も整理して、自分で整理したんです。果たして、委員の皆様はどのようにして法案の全体像を理解されていますでしょうか。昨日の午後、参議院の事務局から国立大公人法の一部を改正する法律案、確保第十号参考資料、ここに記事にあるものと同じですね。というのが送られてきました。ありがとうございます。その中には、本法律案の概要というのがあって、条文の解説や関連資料も載っているので、理解の助けになりました。しかしながら、ここにも改正後の法律を一本にまとめたものはありませんでした。このような状況で、果たして法案を理解し、きちんと審議することができるのでしょうか。回帰末までに法案審議を終結させてしまってよいのか。良識 の不と呼ばれる参議院の文教科学委員の皆様には、ぜひ考えていただきたいと思っております。さて、本題に入ります。
49:40
私、本日ここに参りますまで、本法案の内容をどのような方が作ったのか分かりませんので、ひょっとしたら内閣府の意向もあるのかなとか、いろいろ考えていたんですが、今の上山参考人の話を聞いて伺いまして、それもちょっと違うのかなと、少し混乱しております。
50:04
法案の問題点につきましては、衆議院でも既に指摘されている点も多々ございます。本日は時間が限られておりますので、ここでは3点に絞って指摘したいと思います。率直に申し上げて、本法案を作った方は、国立大学法人法制というものを理解していない、ないしは関心がないのではないかというふうに思っております。そういったことが受け上がるのではないかと思っております。
50:30
さて、第一の問題です。運営方針会議を置く国立大学法人を政府が指定するということです。先ほど上山参考人は、国際卓越の制度が広がっていくことがあるかもしれない。しかし、それはそれぞれの大学のご判断に委ねるべきとおっしゃいました。私も全くその通りだと思います。ところが、この法案はそれと異なっております。
50:55
国際卓越研究大学ですとか、あるいは指定国立大学法人というものがございますけれども、いずれも大学設置者、国立大学の場合は国立大学法人が応募し、文部科学大臣が認定や指定をすることになっております。つまり、大学側に選択の余地があるわけです。ところが、本法案では、運営方針会議の設置という国立大学法人のガバナンス体制の大きな変更を、
51:20
国外の大学の意見を聞くこともなく、いわば上から決めているわけです。特定の国立大学法人の指定は政令によって行うわけですから、これを増やしたり、認定を取り消すことも政府の差事加減次第ということになります。このような制度は、従来の国立大学法人制度との関係においても異常なものです。国立大学法人とは、中期目標機関の業務実績に対して評価を行い、
51:47
評価結果を参考に組織制度を見直したり、次期の中期目標、中期結果を策定していくことを根幹とする制度です。このこと自体にも批判はありますが、いわば政治主導により始められた国立大学法人化の議論が、独立行政法人通則法をベースにした法人化の道を選んでしまったことから、現在の形に落ち着いたのです。そして、そのような中にあって、憲法上の要請である大学の自治を侵害しないようにするために、
52:16
中期目標の策定や評価の方法に工夫を凝らしてきたのです。ところが今回の法案は、こうした国立大学法人の評価制度と関わりなく、国立大学法人の組織、この文言は改正後の目次にあります。の中に、特定国立大学法人等の特例等を 創設しようとしています。つまり、特定国立大学法人とは、従来の評価制度、国立大学法人法制を無視した、あるいはこれとは異質な制度なのです。続いて第2の問題です。運営方針会議は、国立大学法人が自発的に作った場合でも、重大な事態を生じます。法案では運営方針会議は、運営方針事項、すなわち中期目標についての意見に関する事項、中期目標の作成または変更に関する事項、予算の作成に関する事項等を決議することにより決定するとされています。
53:13
当然、現在の国立大学法人の初期官が持つ権限を制約します。なぜこのようなことが可能になるのか。森山正人文部科学大臣は、衆議院の審議において、今回の改正法案により、学長の決定権限の一部を移譲する、つまり譲り渡すものだと説明なさっています。これは奇妙な論理です。
53:36
国立大学法人の学長は、大学の長と法人の長という、いわば二つの顔を持つ存 在です。国立大学法人法を改正することにより、学長の権限を移譲することができるとしても、譲り渡すことができるのは、法人の長としての権限にとどまるはずです。国立大学法人以外の独立行政法人、中期目標管理法人というのがありますが、ここでは法人の長が中期目標について意見を述べるということを規定していません。一方、国立大学法人法は、文部科学大臣が中期目標を策定する際に、国立大学法人の意見を聞くことを義務付け、学長が中期目標に関する意見を述べる権限、すなわち中期目標の原案策定権を持つと定めています。これは国立大学法人が他の独立行政法人と異なり、大学の教育研究の特性に配慮した仕組みとなっているためです。
54:30
つまり、学長が中期目標の原案策定権を持つというのは、学長が法人の長だからではなく、そうすることが大学という組織にとって必要だからなのです。このことについて、国立大学法人法が国会された当時の富山敦子文部科学大臣は、委員会質疑の中で、中期目標に関する国立大学法人の原案への配慮義務を規定いたしました国立大学法 人法案第30条第3項は、
54:59
教育研究の特性の配慮を定めた第3条と相まって、国立大学法人が作成する原案を最大限尊重するという趣旨であるというふうに考えております。と答弁しています。ところが、本法案では第11条第3項が定める、学長が決定権限を持つ事項の第1号、中期目標についての意見の括弧書きというのがこの中にあるのですが、この説明をこっそり書き換えています。これにより、学長が決定権限を持つのは、大臣に対して述べる意見、中期目標原案の内容ではなくなり、大臣に対して意見を述べること、つまり中期目標原案を提出する行為だけとなりました。そして新設の条文第21条の5、第1号の方で中期目標についての意見に関する事項の議決権を運営方針会議に与えています。
55:56
一方、運営方針会議の権限や組織に関しては、教育研究の特性への配慮する規定は何もありません。衆議院の議論で明らかにされたように、民間企業の経営の実務経験がある人を委員として想定している、などと言われています。国立大学 法人法では、教育研究協議会は中期目標についての意見に関する事項、中期計画に関する事項に関する信件を持っています。
56:20
このことに関して、森山文部科学大臣は、衆議院の委員会において、改正案が成立した場合には、中期目標に関する意見や中期計画の作成等については、経営教育会や教育研究協議会の審議などを経て、学長原案を作成し、その原案について運営方針会議は議論して決定することになりますと述べています。運営方針会議は原案について議論する。
56:44
森山文部科学大臣のように、原案を最大限尊重するとは言わないのです。このように、本法案が成立することは、国立大学法人法が制定以来保ってきた、大学が持つ中期目標の原案策定権の意義を喪失させかねない、国立大学法制史上の重大事件だと言わなければなりません。
57:08
第3の問題。本案策定の経緯が不明であり、改正の必要がわからないことです。既に述べたように、本改正法案は、国立 大学法人のうち、規模が特に大きなもののうち、制定で定める法人に対して運営方針会議の設置を義務付けるとしています。
57:27
国際卓越研究大学制度と関わりなく、大学の自発性に基づくこともなく、特定の大学に合議体を設置させるという重大な方針変更はいつ、誰によって行われたのでしょうか。
57:40
運営方針会議、最高意思決定期間としての合議体というアイデアは、先ほど上山参考人が申されました10兆円の大学ファンドを原資として、女性を行う国際卓越研究大学に関する議論の中で生まれました。というよりも、国際卓越研究大学に限定した話でした。
58:04
2022年2月にSISTIの最終まとめが公表されまして、ここでは国際卓越研究大学に対して独自のミッションを与え、認定条件として最高意思決定期間としての合議体を置くということを提言しています。その後、この最終まとめをもとに作られました国際卓越研究大学法が、昨年の通常国会で成立しました。
58:29
国際卓越研究大学法は、国際卓越研究大学の認定を受けようとする大学に対して、文部科学省令で定める基準に適合していることを求めています。そして、この法律の規定を受けて、省令により合議体の設置が必要とされているのです。
58:43
国際卓越研究大学法の法案審議、参議院の委員会において、当時の増子博士、高等教育局長は、国際卓越研究大学は多額の運用益が回ってくるということで、一人の学長だけではなかなかその辺の責任が果たせないだろうということで合議体を設けておりますので、その他の国立大学法人につきましては、通常どおり学長のリーダーシップで大学運営を図っていただくと述べています。
59:13
本審変更の経緯を示す文書は、一般の国民はもとよりですが、私ども大学教職員にも一切示されておりません。衆議院の参考に質疑で明らかにされたように、国立大学の学長、元学長の方々、本日見えられています田中参考人も衆議院の参考に質疑で申されておりましたが、
59:38
ですら法案の内容を知ったのはごくごく最近だというお話です。したがって、国立大学法人法をなぜ改正しなければならないのか、私には分かりません。本日私から質問することはできないと思いますが、もしご存知なら、上山参考人に教えてもらいたいです。
59:59
政府内できちんと審議・検討したのであれば、その過程を公表すべきです。それが行われない限り、本法案の立法事実は不明です。立法事実不明の法案を成立させることがあってはなりません。最後に、法案が成立した場合に予想されることを述べます。
1:00:19
今から約20年前、国立大学の法人化が行われました。当時積極的賛成派と言えばよいか、法人化すれば国立大学は自由度が高まる、形状のメリットがある、社会との積極的な交流が生まれると言っていた方々もいました。一方で消極的賛成派あるいは容認派は、法人化によっても大学は変わらない、変えてはならないと言っていた。もちろん当時反対していた方々もいました。
1:00:45
20年経った現在どうか、未来を予想することは困難であるとしても、国立大学法人化の結果の予測はそれほど難しいことではなかったはずです。
1:00:59
当時から国の統制が強まり、大学は自由を失っていく、大学は独立再三を求められるようになり、授業料が引き上げられたり、経済的な観点から教育研究組織や大学が再編されていくことになると予想し、法人化を非愛していた方は少なくありませんでした。大切なことは予想通りになったかではなく、予想が違ったなら違ったで結構ですから、それを認め、なぜそうなってしまったのかを反省し、同じ検討を違いを繰り返さないようにすることだと思うのです。当時法人化の旗を振ってきた人々の中で、現在そうしている人がどれだけいるのか、現在運営方針会議をつくろうとしている人たちの中に、20年後、10年後でもいいですけれども、この改革の天末が誰の目にもはっきりしたときに責任ある行動をとる人が果たしているのかと考えると、この改革を支持することは私はできないなという気持ちになるのです。
1:01:52
大学に数々の被害をもたらす重大な問題を持つものであり、立法事実 もわからない、こんな法案は当然反映にすべきことを述べて、私の意見陳述を終わります。ありがとうございました。次に高橋参考人にお願いいたします。
1:02:20
ありがとうございます。高橋真紀子と申します。私は私立大学の教員ですが、きょうは法律改正に関連する2つの経験を持った者として意見を述べさせていただきます。
1:02:33
1つ目は、本法案に係る省庁の審議会などへの委員としての関与です。具体的には、まず1つ目として、今までも話題に出たと思いますが、文部科学省科学技術学術審議会の大学研究力強化委員会です。
1:02:50
この議論を通じて、現在、専攻認定の過程にある国際卓越とパッケージである「対をなす地域中核特色ある研究大学強化促進事業」の検討審査を担う事業推進委員会の委員も務めております。
1:03:05
これに加えて、20年以上、大学の機能強化はもちろん色々なところで議論され求められてきたところですが、そのうち、大学の機能を少し分化させていくという意味では、研究力の強化は非常に重要な議論として1つのトピックでありました。
1:03:30
研究力強化の議論をした指定国立大学創設の議論、また科学技術学術審議会のもとに設置されている産学連携関係の委員会の委員もさせていただいております。なぜこのような弱輩者の私がこのような議員をさせていただいたかというと、今、米本参考人からおっしゃられた2004年以降の国立大学の激変に実務者としてその荒波の中で仕事をしてきたという実体験からです。
1:03:59
まず1つは、この委員としての経緯に関わったところと、自分自身が国立大学が変わっていく中で、その必要性と難しさ、そして課題があるけれどもそれでも進めなくちゃいけないかというところを私は今日この場で少し自分の経験も含めて申し上げたいと思います。
1:04:18
2つ目の観点というのがまさにそれでして、今、日本の大学にはURAという研究推進支援の専門人材が日本全国でたったですけれども1600人ほどおります。この方たちは2011年以降、文部科学省の政策により大学の中で主に研究者とともに研究推進支援の役割を担う専門家として徐々にその定着を図ってきたところです。
1:04:44
私自身、分子生物学で修士学校を取った後、30年間、いわゆるURAのような仕事をしてまいりました。現在ではそのコミュニティ、日本の中での1600人をまとめるような形でのコミュニティの形成にも貢献しておりますし、その中で国際的な学会のようなものがありますけれども、ネットワークにも関与する機会を恵まれました。
1:05:10
そこで得たのは、日本の大学の圧倒的な世界の流れに対しての茅野外観であり、これでは非常にまずいという危機感です。今日3つのことを申し上げたいと思ってまいりました。まず1つは、共有されているとは思いますが、日本の科学技術力低下に関する現状認識です。
1:05:32
これはもう一定の認識を持っていらっしゃると思いますので、非常に簡単に申し上げたいと思いますが、国際比較でいうと各数 字は非常にシビアな現状を示しています。主たる理由は、4つほどあると思っておりまして、大学の基盤的経費の削減、競争的資金による事業の増加、ここが増えたことによって激増した大学及び研究者の事務コスト増、また3点目として、現役研究者の研究時間の減少、特に若手で顕著です。
1:06:01
1つ目は、研究者の人気性割合の増加、これらはいずれも連関する現象であり、これがひいては、1つとして科学者という職種への魅力の減少、2つ目は、白紙家庭進学率の減少という、国の中長期的にボディーブローのように効いてくる負のスポイラルを拡張させています。今までの3人の参考人の先生方がおっしゃった意見も、このそれぞれの事象を捉えてどうすべきかということに刺さっているのだと思います。この危機的な状況を、いくつかの大学の先生方が、総長、学長のリーダーシップで何とか変えていく方策、今回のこの事業というのはその方策の1つだというふうに私は理解しております。まずこれが1点目の科学技術力低下に関する現状認識です。
1:06:51
この根拠、どう してこの認識についてこの対策があり得るのかということと、このシステム、制度が動いたときに実際次にどのようなことが必要になってくるのかということについて、私の現場感覚を含めて申し上げたいと思います。
1:07:12
まず最初に申し上げた、世界から取り残されるという圧倒的な危機感と、どうすればうまくいくかということについては連関するので、まとめて申し上げたいというふうに思います。先ほど私の実務経験と申し上げた、ユニバーシティリサーチアドミニストレーター研究推進支援の専門人材に関連するところです。
1:07:32
欧米諸国のどの大学でも今、いわゆる大学の二大職種、事務方と研究者以外に大学をうまく回していくためには、それ以外に重要な専門家がいます。田中さん講演がおっしゃった、新しい大学において産業界が窓口になるような組織、これには知財の専門家、契約の専門家、コンプライアンス、データ、
1:07:54
それのような大学の今までの方たちにはなかなかなし得ないよ うな、また今後も新しい世界が動く中で大学が果たす役割を果たすために、いろいろな専門家が必要になります。そういう方たちをどうやって大学の中の一員として担わせて、大学の中に職種として定釈させて、大学として組織がうまく回していくのか、これは非常に重要な問題で、日本だけの問題ではありません。
1:08:21
もちろんアメリカもヨーロッパもそれに対して手を打っています。その一つの職種が総称すれば、University Researcher Administratorです。圧倒的な期間ということについて、私はそういう意味では概念ではなく、今年の5月に体験した惨敗する思いを申し上げたいと思います。私は日本のURAのコミュニティの代表者ですが、この5月、南アフリカのダーバンで開かれました国際大会に行ってまいりました。
1:08:48
参加者は世界40カ国から500人程度、URAの専門家が集まる会議です。ここでは2年に1回開かれるわけですが、アメリカやEUの大学のうち、いわゆるアフリカに対して連携を取りたいという人たちが、非常に積極的にアフリカの大学に対するアプローチをしていました。
1:09:09
今、我々が国内でアフリカの大学をどう認識しているかというと、指標で見れば、まだまだそんなに私たちの存在を脅かすものではないと思います。むしろ地域的だったり、学術的なダイバーシティの観点から、うまくパートナーシックを結べるような相手だというふうにきっと思っていると思います。
1:09:31
私、5月のダーマンで感じたのは、ヨーロッパに関しては、ヨーロッパの連携、EUフレームワークというのがありますけれども、アフリカの大学といかに人としてつながり、ファンドをきちんとして共同で回し、そこから研究成果を見、ひいては研究をうまく連携して共同研究で持っていくか、そのためのアプローチのために応援団、視察団を送っていました。
1:09:58
アメリカの大学の方は、いかにアメリカのファンドをアフリカの大学と一緒に作って動かしていくかというのために、アメリカのシステムについてアフリカの大学に直接説明をするような、そういうセッションを多く持っていました。
1:10:15
では日本はどうかというと、あいにくその500人の参加者のうち、私が国際機構の2年間知恵を務めたんですけれども、私ともう1人一緒についてきた人たちだけです。
1:10:29
これはどういうことかというと、1つにはまだURAの歴史が日本では浅いから、1600人しかいないからですし、国の大学でも活動をし始めていますけれども、そういう人たちがまだ大学の中で、明日の仕事には関わらないかもしれないけれど、5年10年先の国際連携のために大切だから、そういうところに人を送るという判断がなかなかできないからだと思います。
1:10:54
単に1つの例です。やはり大学がこれから自分の大学の強みを生かし、場合によっては5年10年先の投資のためにアフリカまで人を出すですとか、うちの大学の研究資源として最もいいパートナーはアフリカなのでという形で、積極的な手を打っていくようなことをなかなか今の日本の大学ではしにくい。
1:11:16
これが1つ致命的に日本の研究力にとってダメージになるというふうに私は思っております。これを解決するのはそう簡単なことではないです。 もうすでにいろいろなご議論がされていますし、お金も投じているということも理解しています。
1:11:30
しかし、やはり私の実務経験から思うのは個々の施策がピンポイントで連携をつなげるのがどうしても組織レベルではなかなか難しいということです。
1:11:42
今の経験に基づくと、一番打てる手というのは、やはり大学のトップが自分のこととして、自分の資源でどう資源配分をし、外の資源をうまく使えるかというもう少しハンドリングを大学側に持たせること。そのためには今回の国際卓越と地域中核という政策パッケージは非常に有効であると思っております。
1:12:07
そうしたシステムをうまく回すために、今回の法案に関して、地域目標や地域計画が、一人の学長の領域を超えて、組織として意思決定をうまく進めていくために非常に重要だと思っております。以上です。ありがとうございました。ありがとうございました。以上で参考人のご意見の陳述は終わりました。
1:12:36
次に委員の異動についてご報告いたします。杉松晋介君が委員を辞任され、その補欠として、田中雅史君が占任されました。これより参考人に対する質疑を行います。なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。質疑のある方は、順次ご発言を願います。
1:13:05
総理事務総理の高橋晴美と申します。今日は、参考人の皆様方に対する質疑の、質問の時間をいただきまして誠にありがとうございます。それぞれ4人の参考人の皆様方、それぞれの専門分野から大変意義あるご発言をいただきましたこと、まず冒頭、御礼を申し上げたいと思います。
1:13:31
時間の許す限り、4名の参考人の方々に、それぞれお伺いをしてまいりたいと思います。まず、最初に意見をおっしゃっていただいた、田中参考人にお伺いをいたします。東京科学大学への統合を進めようとしておられるわけであります。
1:13:52
そのご説明の中で、コンバージェンスサイエンスの展開を目指すといったような大変ワクワクするようなお話もいただいたところでありますが、さらなる統合大学の飛躍を目指すために、本法案では大学の統合以外も、合議体の設置等の規定もあるわけでありますが、
1:14:18
本法案の他の規定の施行について、統合後の大学の活動の場をさらに広げていくため、どのように活用していこうと考えておられるのかお伺いをいたします。
1:14:37
まず第一に、運営方針会議については、社会のステークホルダーとともに大学を運営していきたいというのは、東京医科学大学でコロナ対応した時から感じていたことでございますので、活用していきたいと思っています。ですから、いろんなステークホルダーの方に参加していただく形が望ま しいと思います。
1:15:04
そして、二番目の規制緩和なんですけれども、これは大変ありがたいと思っておりまして、東京医科学大学でまだ新たに大学裁を発行する、法人裁を発行する予定は今のところありませんけれども、これが発行する段階になった時に、いわばハードだけでなくてソフトの部分にも使用が可能になったということは、大学の運営にとっては将来非常に有用なことだと思っております。以上です。
1:15:34
失礼しました。ありがとうございました。それでは次は、上山参考人にお伺いをいたします。今回の改正法案は、日本の大学が世界トップレベルを目指す国際卓越研究大学に必要なガバナンスとして合議体の設置を求めることにつながるものでございますが、
1:15:58
日本の施行によりどのように研究力強化につ ながっていくとお考えでしょうか。
1:16:06
我々とすると、この間の20年間にわたる研究力の低下とは言いませんが、足踏み状態ということに対して非常にシリアスに考えて、政策を議論してまいりました。
1:16:26
何よりもこの合議体が入ってくるということは、大学の中において研究のレベルでもとてもポジティブな影響があると思います。
1:16:40
なぜかと言いますと、この研究の内容は多岐にわたるように拡大、多様化しておりまして、例えば最近で言えば地球環境の問題、感染症の問題、社会の様々な課題に関して、研究者は一体どういう方向でさらに研究力を発展させていけばいいのかについて、
1:17:01
当然ながら考えなければいけませんが、そのような情報を外部 のステークホルダーの方々からいただく、またそれに関してどのような形で財務的にそれを支えるのかという議論は、おそらくはこういう外部の有識者の議員の方々から大学の中に入ってくるということでございまして、そことは研究力の向上にほぼ直結すると考えております。
1:17:32
ありがとうございました。次に三本参考人にお伺いをいたします。先生からは大学の自治の観点など、大変深みのある意見を述べていただきまして、興味深くお伺いをしたところであります。
1:17:51
全国には86展開する国立大学があるわけであります。大変規模の大きい総合大学もございますが、またそれ以外にも様々な分野をカバーする多様な大学が存在し展開をしていると、こういうふうに理解をするところでありますが、
1:18:12
こういった多様な国立大学が、その大学運営をこ れからもしっかりと進めていく上で、どのような視点が政策的に必要とお考えになるのか、ご所見をお伺いしたいと思います。
1:18:32
ご質問ありがとうございます。多種多様な国立大学がそれぞれ発展していくために、どのような政策的な視点が必要か。これは本当に一言で申し上げるのが逆に難しいと言いますか、大学の多様性というものを政策当事者が理解し、その意義や課題をそれぞれ考えていく必要が当然あるかと思います。
1:19:00
本法案との関わりで言いますと、誰がそれを考えていくべきかということが問われているんじゃないかなというふうに思います。運営方針会議をつくる大学では、これまでの大学のガバナスシステムの上に合議体をつくって、そこで大学の方針を決めていくということになるわけです。
1:19:24
いわば大学の決めたことをある意味相対化すると言いますか、問い直すということになろうかと思います。今、上山参考人のご発言の中にもありましたけれども、社会の様々な意見を聞くということ自体は私も必要だと思っておりますが、ただ、それは合議体でなければできないのかという疑問は持っております。
1:19:48
私の見解ということになりますけれども、大学が現に社会と様々な形で各研究分野、教育分野もそうですし、大学そのものもそうだと思います。つながっておりますので、現在大学が持っている社会とのつながりを生かして大学の在り方を決めていく。
1:20:11
そうしたことを励ますような政策であってもらいたいと思いますし、資金の面からもそういった大学の活動をサポートしていただきたいと思っております。
1:20:21
ありがとうございました。そして、高橋参考人にお伺いをいたします。高橋先生からは、日本の研究力をもっと高めていかなければならない。
1:20:36
そしてそのために、URA(University Research Administrator)と呼ばれる専門的なスタッフというか人材の重要性ということを強く強調をしていただいたところでございますが、
1:20:55
こういったURAをもっともっと増やしていくために、政府に対してどのような政策展開をすべきとお考えでございましょうか。
1:21:11
ご質問ありがとうございます。本法案との絡みでいうと、URAのような新しい機能が必要だというふうなご説明をさせていただきました。
1:21:24
その 上で意義をご理解いただきありがとうございます。URAまだ1600人です。8割が人気性のポジションで大学に仕事をしております。やはり安定的な雇用、そして魅力的なポジション、キャリアアップというのが必要になります。
1:21:47
政府としてはそういう魅力的な仕事が大学の研究者以外にも大学の仕事の中であるんだというようなことを、また、いろいろなキャリアを持った人たちが入ってくることによってこの職種の魅力も高まると思いますので、
1:22:02
そういう意味では、例えばインダストリーでR&Dの経験を持った人や知財の経験を持った人たちが転職をして大学にも行くような、その人のシフトのしやすさのようなものを作っていただければと思います。ありがとうございます。
1:22:21
時間が参りましたので、これで終えさせていただきます。ありがとうございました。
1:22:34
おはようございます。立憲民主社民の宮口春子と申します。本日は参考人の方々から貴重なご意見を賜りまして、本当にありがとうございます。本法律案の内容が広く明らかになりましたのは、今年9月のシスティの有識者議員懇談会においてです。
1:22:56
そして、10月末に本法律案が提出され審議が開始されました。11月14日に行われた衆議院の参考人質疑で、本法律案の内容で国会に提出されることをいつ知ったかという、我が党の菊田真紀子議員からの質問に対して、参考人として呼ばれた現職学長、そして学長経験者、専門家の方々も本法律案の内容を知ったのはごく最近だったと、先ほどのお話をさせていただきました。大学現場の教職員や学生を含むほとんどの大学関係者にとって、ねみみに水だったということは想像に難くありません。そこで、改めて、参議院でも参考人の方全員にお尋ねをしたいと思います。法案がこのような内容となって国会提出される、なるということをいつお知りになったでしょうか。
1:23:55
今ご指摘がありましたように、私は衆議院の参考人にも出ておりまして、その時に10月頃ではなかったかと思うと申し上げたんですけれども、その後大学に戻りまして、もっと前に文部科学省から説明がありましたということを事務から指摘されていたので、ちょっとここで訂正させていただきます。
1:24:18
概要ではありますけれども、7月26日に文部科学省の法人支援課長が、いかしか大学に来られまして、私と、それから東京工業大学の舛添学長と2人で、いかしか大学で法案のポイントについてお話を伺いました。
1:24:39
その中に伺ったお話というのは、正確には覚えていないんですけれども、運営方針会議という名前だったかどうかちょっと覚えていないんですけれども、そういうものができるということと、それは限られた大学に設置されるけれども、それ以外の大学も望めばできるということが言われたということと、規制緩和の話が、詳しくありませんでしたが、法人祭の話があったかと思います。あとは、統合についてですから、私は当事者でしたので、その点については詳しく伺いました。以上でございます。
1:25:20
ご質問どうもありがとうございます。私がこのガバナンスと規制緩和の内容について、具体的な方向性について、文科省からお伺いしたのは、9月27日のCSTIの有識者金婚団会でございました。
1:25:38
その間において、この大学のガバナンスはどうあるべきかについては、あくまでブレインストーミングしていろんな話は伺ったと思いますが、これがこういう形で決まった方向性として正しい方向だというふうにお伺いしたのは、先ほど申し上げましたように、9月27日のCSTIの有識者金婚団会でございました。
1:26:18
私は正確な何日だったかという記憶はしておりませんが、確か、学術科学技術審議会の大学力強化委員会のホームページを見ておりましたところ、そこに載っていた図が今回の法案の内容を示しておりまして、それを見たときは最初だったかと思っています。
1:26:45
これは9月28日のものです。その後、調べまして、同じものが9月7日のCSTIの有識者金婚団会で最初に公表されたということを知りました。
1:27:03
私は、その研究力強化委員会の委員でありましたので、少なくと も会議の日には聞いておりました。それ以外にも、前提の議論というのはなされておりましたので、少なくともというところで言うと会議の日になります。9月の研究力強化委員会の日になります。
1:27:34
三宅参考人にお聞きしたいと思います。文部科学省が7月から8月にかけての大学関係者らと意見交換を経て、省内で検討し、一定規模以上の国立大学にまで運営方針会議の設置を義務付けるというふうにしました。それを裏付ける公文書が非解示のままで法案が採決されたとすれば、そのことをどうお考えでしょうか。
1:28:06
先ほどの質問に対する回答の中で、七月の29日から、法人支援課から説明があったというお話がありまして、私はこれを初めて伺う話でしたので大変驚いております。
1:28:27
ひょっとしたら衆議院のときに文部科学省の方がおっしゃっていたのはこうしたことだったのかなと思いますが、いずれにせよ、文書を私はそんなものがあるというのは全く見たことはありませんし、全然知りません。非公開だとしたらとんでもない話だと思っております。
1:28:49
それでは続けて三宅参考人にお聞きしたいと思います。本法律案において、運営方針会議は学長と運営方針委員3人以上により構成するとされていて、運営方針会議は学長による任命に当たり、文部科学大臣の承認が必要とされました。
1:29:07
文部科学大臣が学長の解任を決定できる現行の規定だけでも大学の自治を脅かす恐れがあるにもかかわらず、文科大臣の承認を受けた運営方針会議が学長の解任等に関し、意見を述べることができるようになると、文科大臣が恣意的に学長の解任を促すことができるようになりませんか。
1:29:28
現行制度で学長が解任された例、また、大学側から学長の解任の申し出があったにもかかわらず、解任されなかった例があれば教えていただきたいのです。あわせて、今回の改正案が学長の解任における文科大臣の影響力の強化につながるのではないかとの懸念についても、ご意見をお述べいただけたらと思います。
1:29:52
解任された、大学からの申し出により学長が解任された例は、これまで唯一、私が勤務しております北海道大学で2020年の6月に、縄豊晴前学長が解任された例がございます。
1:30:13
この縄氏の解任をめぐっては、様々な経緯の不透明性や解任自由が不明確でないなどということも取り出されておりまして、現在、縄氏本人は北海道大学を被告として裁判を提起しております。
1:30:34
それから、また2021年になりまして、旭川医科大学、同じ北海道でございますが、当時の吉田学長を解任、申し出を大学がいたしております。
1:30:50
ただ、安彦医大の場合は翌年2022年の2月だったと思いますが、大学側が解任の申し出を取り下げました。
1:31:02
なぜ取り下げたか、私にははっきりとしたことは分からないのですが、解任までの、文科省はなかなか解任決定をしないので、このまま年度をまたいでしまうのはまずいという判断があり、大学側はなくなく取り下げたというような新聞報道が地元市ではなされております。文科省の扱いにどうも差があるのではないかというふうに私は思っております。
1:31:26
文科大臣の権限が強化と言っていいかどうか分かりませんが、悪い形で大学の学長解任を通じて、大学に影響を及ぼしているということは懸念しております。ありがとうございました。質問を終わります。はい。
1:31:52
公明党の下野六太でございます。本日は大変お忙しい中に4人の参考人の皆様お集まりをいただきましてありがとうございます。
1:32:04
大変参考人の皆様のご意見をお伺いしながら勉強になるような思いであります。まずはじめに、上山参考人にお伺いしたいのですけれども、今回の改正案によりまして、
1:32:22
日本の大学はもっと世界と勝負できる大学になるべきだと常々思うところがありまして、今回の改正によって日本の大学が世界と勝負できる、そのぐらいの位置に行けるというような見通しを持つまでというか、
1:32:44
実際そうなるまで、大体、全てがうまくいったとして、どのくらいの期間が必要だというふうに考えておられるかというのをお伺いできたらと思っています。下野君、全部の…
1:33:02
これはあくまで私の個人的な見通しに過ぎませんので、それが最終的に実現するかどうかは分かりませんが、
1:33:11
アメリカ、イギリス、その他の国々の大学のこれまでの歴史的変遷を見ますと、大学という組織は非常に複雑で、様々なステークホルダーが重なっていますので、ここでもいろんな議論が出ていますように、それぞれ違った意見を持っている人たちが集まっているがゆえに大学の良さがあると思いますね。
1:33:36
そういう大学が一つの組織として動いていくときにはとても時間がかかります。企業であれば利益を最大にしたかどうかということが明確になりますから、それはその中での意見集約をしていくことは比較的優しいと思いますが、それでも様々な外部の投資枠を入れたりしていながら、外部の意見を入れるということをやっておりますね。ですから、大学というところが変わっていくのが非常に難しいとしても、このような新たな大胆な、これ実は世界においても類のない形で大学のサポートが始まっていると思います。これは多くの国々の政策登録者がどういう形でやろうとしているのかと聞かれている状態です。こういうものを使ってそれを加速化していくとすれば、
1:34:28
私の個人的な見通しでは10年ぐらいで一つの大きな兆しが出てくるのではないかという期待感を持っております。10年というと財政規模もかなり拡大をしていくでしょうし、それから日本の大学の国際化も進んでいくという期待の下でですが、
1:34:52
10年ぐらいかなと。実際にアメリカにおける大学の改革が始まったのが1980年代前半。95年に大きなガーファーのようなのが出てくる時のが10年ですから。スタートアップ一つを取ってみてもおそらく10年ぐらいで、何らかのメルクマールになるような兆しが出てくればいいなと、そういう期待があります。
1:35:20
同時にその10年間アメリカにおいて大学の改革が進みましたけれども、これは先ほど言った複雑な様々なステークホルダーの人たちみんなが、資金が取れるところを取れない分野がいろいろありますけれども、むしろ僕は競争的資金でなかなか受得できないような、そういう分野の方々の研究は強くサポートされたと思います。財政的に見てですね。
1:35:49
その意味で全体としての満足感は高まっていったと私は思っていますので、今のお答えは、10年を一つのメルクマールとしたいなと、するべきじゃないかなと思っているところでございます。ありがとうございます。希望を持って 今回の改正案を、ぜひ世界の大学と勝負できる日本の大学を私たちも作らねばならないと
1:36:18
私の使命感を持って臨んでいきたいと思っております。さらにもう一問、上山参考人に質問させていただきたいんですけれども、今回の国際卓越研究大学の想定をする大学が、だいたい5つぐらいだと聞いているんですけれども、それ以外の大学のモチベーションを下げないように、あるいは今回の改正案によって、
1:36:47
やはり大きな成果を上げられる大学が出てきて、あるいは個人の研究者等が出てきて、自分たちもやればできるんじゃないかというような気持ちが湧いてくるということで、研究の底上げにつながるとか、そういったことで、
1:37:09
上山参考人は、今回の国際卓越研究大学の想定されている大学以外の大学、国立大学法人の先生方の教員たちの、教職員のモチベーションを、どのように保って向上させていけばいいのかということを考えておられるのかというのをお伺いしたいと思います。
1:37:34
ありがとうございます。まず国際卓越大学が5校かどうかというのは、これは何も決まっておりません。専門調査会を開いていたときに、グローバルに、例えばハーバーダやスタンフォードに並び立つような大学が、日本で何校存在できるのかという議論をしたことがございます。そのときに、イギリスでいうとほぼ4校ぐらいなんですね。
1:38:00
イギリスの人たちともいろんな議論をしましたが、人口比から言うと、日本は最大8校かなという議論も出ました。もちろん、しかしながら、これは何校かという決め打ちをするべきではなくて、それが増えれば増えるほど結構なことだと思っております。実はこれをやるときに、全ての国立大学の財務構造を全て見ました。
1:38:27
いわゆる大型大学、ここで特定研究大学と書かれているところと、それ以外のところ、ちょっと財務的にも構造的に大きな差があるんですね。それはこの間の運営不公平金の削減ということは相当効いていると。
1:38:45
これはどういう大学が削減の結果、財務的にサポートされなくなったのかということもかなり調べました。そういう大学にもし様々な形の支援がいけば、おそらくその大学の研究者の研究環境相当アップするであろうし、
1:39:10
それをどのような形でか広げなければいけないと思って、特色ある研究大学のパッケージを作りました。そういう大学は間違いなく選べるでしょう。そしてその結果として、卓越的な大学へと進化していくということを考えておられる大学も僕はあると思います。
1:39:34
ファーストランド今東 北大学になりましたけれども、これはどの時点で何個かということはまだ分かりません。しかしながらこの大学ファンドのシステムは25年間にわたっての長期にわたるサポートですから、その過程の中で先生が先ほどおっしゃったように、意欲のあるそれ以外の研究大学がこの大学ファンドにチャレンジしてくるであろうということは想像はしております。
1:40:03
そのことが将来の我が国の大学環境にとってベターになるだろうと、そのことも期待して、内部ではそんなことは議論はさせていただいております。以上でございます。ありがとうございます。続いて田中参考人にお伺いしたいと思います。
1:40:23
東京科学大学になるにあたって、医療の分野と工業の分野が一緒になって科学ということになっていくわけですが、大きなこれまでにない新しいイノベーションが生まれるような、そういう期待を非常に持たせていただいています。