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ただいまから、厚生労働委員会を開会いたします。委員の異動について、ご報告いたします。本日までに、里見隆二君が委員を辞任され、その補欠として三浦伸弘君が占任されました。参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。対魔取締法及び麻薬及び抗精神薬取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、一般社団法人日本臨床管のびない度学会理事長、聖マリアンナ医科大学脳神経外科学教授、匠一郎君、立証大学法学部教授、丸山康博君、特定非営利活動法人川崎ダルク支援会理事長、岡崎重人君及び日本対魔生産者連絡協議会会長大森義久君を参考人と して出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないものと認め、作用を決定いたします。対魔取締法及び麻薬及び抗精神薬取締法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。本日は御多忙のところ御出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず、匠参考人、丸山参考人、岡崎参考人、大森参考人の順に、お一人15分以内で御意見をお述べいただき、その後に委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。また、御発言の際には挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。なお、御発言は着席のままで結構でございます。それでは、まず匠参考人からお願いいたします。
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ありがとうございます。一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会の匠一郎でございます。本日はこのような意見陳述の機会をいただきまして誠にありがとうございます。カンナビノイドとは、タイマソウに含まれる化学物質の総称であります。私どもはカンナビノイドに関する臨床的及び基礎的研究の促進、発展に寄与するとともに、この分野の教育と普及に努め、国民の健康と福祉の向上に貢献することを目的といたします学術団体であります。私は現在、聖マリアン大学で脳神経外科医として外科治療等を必要とする難治転換患者さんと大変数多くお付き合いいただいておりまして、神奈川県における転換診療拠点病院の運営にも長く携わっております。この一方で、令和2年度には、タイマイライ薬品知見の厚生労働化学研究の研究班長として、分担研究者らとともに研究報告書を作成いたしました。本日は、タイマイライ薬品の国内開発を一貫して推進してまいりました医学会の立場から、本改正法案につきましての賛成の立場で若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。私どもの最新研究成果によれば、我が国の転換有病率は0.6%であります。我が国には、そういたしますと80万人ないし、100万人の転換患者さんがおられることになります。大変よくお薬が効く方もおられますし、私が専門とする外科医療をご提供することで幸せな生活を取り戻しておられる患者さんも数多くおられる。しかしながら依然として、その一方で転換患者さんの30%程度は治療抵抗性転換であります。私たち医学者は何としても新しい治療法を開発したいと日々努力をいたしながらも、どうしても発作抑制をご提供できない方がおられた、そういった現状でございます。このような薬剤治療、外科治療等を組み合わせた標準治療と申しますが、標準治療によっても対抗できない難しい転換の一部において、タイマソウから製造された医薬品が大変よく効く患者さんがあります。最近の流れにおきましては、2014年の症例報告に引き続きまして、ドラベ症候群、レノクスガスト症候群、血液性硬化症などの疾患において、複数の二重毛喧嘩、ランダム比較試験及びオープンラベル試験が発表されました。その結果、当該医薬品が米国FDAで2018年に認可された、これ本当にちょうど5年前でございます。大変大きな衝 撃でありました。一方、当該医薬品におきましては、現在に至るまで国内では、タイマ取締法により制をできない、このような状況が続いております。お薬ですので、もちろん万能なお薬など、世の中には存在いたしません。しかしながら、タイマ依頼医薬品も例外ではありませんが、このお薬を必要とする方が国の中におられるならば、法律の壁によってお薬をお届けできないという状況を何とか是正していただきたいと、このように考えました。2019年3月には、本委員会の理事でもいらっしゃる秋野光造参議院議員に対して、タイマ依頼医薬品の開発要望を書面で提出いたしました。秋野議員により、2019年3月、通常国会の中で質疑をいただき、高齢性労働省から知見は可能である、このようなご答弁をいただいたところであります。ここが、タイマ取締法を改正に導く重要な転換点の始まりであるというふうに考えております。今回の法改正のきっかけは、お薬の開発に道を開いていただきたいという、私どもの原初の要望を国会で丁寧に御議論いただいたところが始まりであるというふうに思います。医療、そして医薬品を開拓せねばならないということが出発点である、このことを強調させていただきたいと思います。併せまして、私ども学会としては、カンナビノイドの医療や健康増進を強力に推進してお ります。その一方で、健康被害につながる娯楽用途での使用や乱用は推進していないということを明確に申し上げておきたいと思います。医療健康での普及とは全く相容れない考えでございます。その後、随分議論が進んだ後に、部位規制から成分規制とし、タイマーを麻薬成分に位置づけるということで、タイマー取締法による規制の枠組みを麻薬及び抗生新薬取締法に移すということが旦那は分かってまいりました。この進化は、医薬品開発を見据えたものであり、依存症の方に必要な医療を講ずることに法的根拠を持たせるということからも、この枠組み変更についても全面的に賛成でございます。タイマー依頼医薬品の治験は現在順調に進んでおります。治験終了いたしますと法改正が整っているならば、お薬として直ちに使うことができるようになります。お薬の開発議論の中では、これまでは反対意見というのは一度も聞いたこともございませんので、おそらく皆様はご賛同くださっていると信じております。ここで少し違う視点でのお話をさせていただきます。本年7月にオーストラリアの転換患者会から日本転換学会を経由して、オーストラリアの在住の患者さんがオーストラリアで医師から処方を受けているタイマー依頼医薬品、これを正規の手続により携帯法に置 きたいという情報が私どものもとに寄せられました。これは厚生労働省の先生方に皆様に大変一緒に丁寧に対応いただきまして、そして皆様と一緒に精査をしてみるとですね、オーストラリアの処方箋医薬品である当該医薬品は我が国における法律上のタイマーには該当しないというようなことが判明いたしまして、この方の携帯入国が無事実現いたしました。オーストラリアの転換患者会からは感謝状を寄せていただいたところであります。この事案からも分かりますように、他国でタイマー由来医薬品として処方されているものであっても、我が国では法律上のタイマーに該当しないものがあります。現在日本では法律上のタイマーに該当せず、食品衛生法で規定されているカンナビノイド製品がございます。いわゆるCBD製品というものでございます。そしてこのカンナビノイド製品により正しくQOLの向上を目指し、生活に役立てておられる方々が数多くおられます。私ども研究グループでも、国内で入手なカンナビノイド製品により、軟値転換患者が上手にQOLの向上につなげ、ほっさなく幸せな生活を獲得された症例を分析に報告いたしました。これはお手元の資料7番でございます。たくさんの患者さんがカンナビノイド製品による優れたQOL向上を教えに来てくれました。太原商工群でいらっしゃるアンちゃん 、ノンちゃん、エイちゃん、カンナビノイド製品を上手に役立てて、今やほっさがない生活を送っているということを教えてくださいました。ウエスト商工群のカレンちゃん、脳療理団という手術を受けながらほっさ残存しておられたところ、カンナビノイド製品を上手に使ってほっさなく健康的に毎年成長している姿を見せに来てくださいます。先ほどご案内のオーストラリアから来日されたカイヤちゃん、彼女は部分転換でいらっしゃいます。こういった皆様は現在治験中のお薬の対象疾患ではございません。しかしながら私どもはこのような方々も含めて難しい病気に悩んでおられる皆様をこれからも大切にしたいというふうに考えております。国は本年8月31日、一部のカンナビノイドを薬器法上の寄生物質に指定いたしました。その一方で先ほどのアンちゃんは、寄生物質によるTHCVを微量に含んだ製品によらなければ優れた効果が出ないという、こういった状態でありました。患者さんたちから私ども学会にこれからどうすればいいのかとご相談をいただきました。そこで本年9月27日、秋野議員のご案内の下に、濱地雅一厚生労働副大臣にお願いに参りました。そういたしましたところ、濱地副大臣からは、これを患者が使えなくなることがあってはならないと、大変力強いご見識をいただきました。大変ありがたく存じました。薬器法上の寄生物質であっても、正規の用途が認められるならば、国は個人使用を認め得ると、ご判断いただいたものであります。この件につきましては、私ども学会においても、カンナビノイド医療適正使用判定委員会を、内部委員8名、外部委員7名の先生方に参画いただいて構成し、これからの方策を厚生労働省とともに検討している段階であります。カンナビノイドの成分別の正規用途を、これからも研究いたしてまいります。そして、濱地副大臣のご判断からわかる国の考え方がもう一つあります。それは、QOL工場を目的としたカンナビノイド製品使用の事実を是認していることでありまして、この点をぜひ皆様にご承知いただきたいと思います。私ども専門家は、全ての患者さんを俯瞰し得る立場にあります。私ども学会としましては、タイマ由来医薬品を必要とする患者さん方とカンナビノイド製品をお使いになる方々の両方が、正規の用途に基づいてそれぞれを正しく使い、誰も不当な差別を受けず、自ら差別を作り出すこともなく、安心して両者を使用できることを願い、正しい知識の普及と啓発活動をいたしてまいります。白血病で亡くなって、優斗君は病院でカンナビノイド製品の使用を禁止され、入院治療が継続できなかったんだそうです。いつかカンナビノイドが僕を助けてくれることをわかってもらえる活動をしたいとおっしゃっていたんだそうです。優斗君のお父さんは、お怒りになることもなく、ただただ涙ながらにそのことを教えてくださいました。優斗君の御意思を踏まえて、学会ではこれからも学術的研究成果を背景に、患者さんたちを支えているお医者さんに対する教育啓発活動をいたしてまいります。不正な使用を行わないとの啓発も重要であります。我が国では、初等・中等教育で培ってきた一時予防の普及政策を行った結果、薬物の障害経験率を格段に低く抑えてきたこと、これは高く評価いたすべき、世界に誇る大変重要な事実であります。日本の一時予防政策は間違っていないと思います。私どもの学会でも丁寧な議論がなされたところです。抑止を備えた一時予防を二次予防、三次予防につなぎ、我が国独自の背景をもとに一層の力を入れることが極めて大切だと思います。薬物依存症対策というのは何もタイマー、麻薬に限ったものではございませんで、ご存じのとおり、紙版薬から覚醒剤までを含めたすべての薬物問題に共通する問題であります。本法改正後には、薬物依存症全体を見据えた現代的な治療、そして社会復帰プログラムへの充実に向けた包括的なご支援と未来志向の議論の場を設けていただくことを政府にお願いをしたいと思います。私は学会理事長として、どのような立場の議論も徹底的に行うべしとしております。タイマーの不正使用に罰則を設けることに賛成できないという考えがありました。しかしながら、今回のタイマーの規制が、部位規制から成分規制に移行することにより、これから天然THCと合成THCを同等に規制する中において、仮に法律上の罰則規定を躊躇するならば、我が国では、タイマーは、ひいては麻薬は不正に使っても罰せられないということになり、これは何としても回避しなければならないというふうに考えています。今回の改正法案でタイマーを麻薬に位置づけることにより、タイマーには医療用途という正規の用途が認められ、麻薬の正規用途に一本化をされます。麻薬の一つとしてその乱用の抑止を期待して正規の用途以外のタイマーの不正な所持、使用を禁止することは、医薬品開発の上では必須のプロセスです。何より麻薬として明確に位置づけることで、タイマーの医療目的での使用が可能になり、国民の皆様のための新しい治療法開発への道が開かれるというふうに考えております。正しい普及開発が必要であると申し上げたところでございますが、受け止めていただく側も正しく御理解をいただけるように心がけいただきたいというふうにお願いをしたいと存じます。立法府に身を置かれる国会議員の皆様 におかれましては、知るもございますけれども、本改正法案の立法の趣旨並びに過程を正しく御理解いただきたく、専門家として強くお願いをいたすものでございます。我が国におけるタイマー由来医薬品開発はまさに始まったばかりであります。治験が無事終了し、保健主催に至るまで無事故で進んでくれることを願っております。今回の法改正がなされましたら、その次の段階としては、医療の中でこのお薬を必要とするより多くの患者さんのもとに1日も早くお薬をお届けできますよう、適応拡大に次ぐ適応拡大を目指した知見開拓に全力を傾ける所存でございます。これと同時にタイマー由来医薬品開発が整うまでの間、カンナビノイド製品を使っている皆様を御支援申し上げ、決して差別を行わないような教育啓発活動に邁進したいというふうに思います。皆様には、タイマー由来医薬品を必要とする患者さん方と、カンナビノイド製品を必要とする方々の両方を大切にお考えいただきたいと思います。我が国でカンナビノイド製品を賢く使っている方々に教えていただく、そういったことの中から新しい日本独自の創薬、お薬を作ることに道が開かれてまいります。国産のお薬の創薬も是非やっていただきたいと思います。このお薬の持つ高い可能性が、より多くの転換患者さん、そして転換被害の疾患に適応が広がっていき、1人で も多くの方を助けてくれるようになることを願っております。国民の皆様には、この現状を知ることを努力いただくことにより、熱い応援をいただきたいと思います。政府におかれましては、今回の法律改正を行い、お薬を必要とする患者さんに1日も早く届けていただきたいと思います。そして、しっかりと、そして慎重かつ丁寧に運用いただきたいと思います。私の意見陳述は以上です。ありがとうございました。ありがとうございました。次に丸山参考人にお願いいたします。はい、丸山康裕と申します。立証大学法学部で刑事政策と犯罪学を専攻しております。本日は意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。正直に本音を申しますと、ここで意見を述べることについては最後まで悩んでおりました。対魔使用剤の新設には普段から疑問を持っていますが、最近の対魔に関する事件や、対魔に似せた成分に関する事件報道を見るに、多くの市民も原罰化を望んでいるのであろうと想像するからです。確かに、よくわからない物質に対して不安を抱き、それを犯罪化することでコントロールをしなければならないのではないか、そして刑罰でコントロールできるのでは ないかと考えることは、これまでの薬物教育から考えるに不思議なことではないように思います。しかし、こと薬物の末端使用者に対して必ずしも刑罰による対応は効果を出しておりません。2023年11月25日に世界的トップジャーナルの一つであるザ・ランセットにおいても、多くの国が犯罪化は健康に悪影響を及ぼし、確立された公衆衛生のエビデンスに反しているが、各国の薬物政策は依然として刑事罰に頼ろうとしていると指摘しています。そして、今日の議論のように、薬物としてひとまとめにして危険なものとすること自体に問題があります。なぜなら、一言で薬物といっても、自然由来で2000年以上にわたって使用されてきたものもあれば、人工的にケミカルに作り出されたものもあるからです。ましてや、化学式を少し変えるだけで、人が服用することを前提としないものまで薬物として一緒のもののように考えてしまうことになるからです。例えるならば、ある刑事司法に関わる少年がいたとして、補導された段階や家庭裁判所に送置された段階、少年勧別所に送置された段階、保護観察処分になった段階、少年院に送置された段階、少年刑務所に送置された段階といずれの段階でいろんな問題の深さは違うんですが、一括りに犯罪少年と言っているようなもので、そうすることで注意してこれを見ていかないと、無駄な差別 につながっていくかもしれません。助長するかもしれないというような疑問を持っています。次に、対魔を取り巻く政策の話に戻ります。対魔に関して検索をしていただければ、国際的に対魔の取り扱いが非犯罪化や非刑罰化に向かっていることが容易にわかることでしょう。それらの政策を取る国は、思いつきや行き詰った結果、政策を選んだのではなくて、科学的根拠に基づき、より問題指標を減らすにはどうしたらいいかを考えた結果であることがわかります。冒頭でも触れたとおり、私は刑事政策・犯罪学を専攻しており、特に薬物の末端使用者に対する薬物政策の在り方を研究してもう20年以上になります。刑事罰を土台にした薬物政策の在り方、刑事罰に依存しない薬物政策の在り方について研究をしてまいりました。特にアメリカの薬物犯罪専門の裁判所であるドラッグコートというのがありますが、こちらの研究を進め、毎年世界中から7000人の規模で研究者や実務家が集まって議論を行っている全米ドラッグコート専門家会議というものにも定期的に出席している数少ない日本人の一人です。さらに留学中には約2年間にわたってこのドラッグコートの内部から研究を行いました。一方で刑事罰に依存しない薬物政策の在り方を検討する国際団体の学術大会にも数多く出席しております。