4:45
ただいまから、文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動についてご報告いたします。昨日までに加藤昭義君及び宮口春子君が委員を辞任され、その補欠として水野本子君及び梶原大輔君が占任されました。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
5:13
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、内閣官房・内閣情報調査室・内閣衛星情報センター次長 安田裕樹君ほか4名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。 御異議ないと認め、採用決定いたします。参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事長 山川博史君を参考人として出席を求めることにご異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用決定いたします。 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
6:21
政府から趣旨説明を聴取いたします。 森山文部科学大臣
6:29
この度、政府から提出いたしました国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案について、その提案例及び内容の概要をご説明申し上げます。 将来の成長分野として期待される宇宙分野での活動を通じて、経済社会の変革がもたらされつつある中、宇宙での活動については民間の参画が済み、これまでの管主導から官民、競争での取り組みに移行しているところです。 また、多くの国 が宇宙の開発及び利用を強力に推進するなど、国際的な競争が激化する中、革新的な変化をもたらす技術進歩が加速しており、我が国の技術の革新と底上げが急務となっています。 こうしたことを踏まえ、我が国でも本年6月に閣議決定された宇宙基本計画等において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化し、同機構を「産学艦」の結節線として活用することで、宇宙分野の商業化支援、フロンティア開拓、先端基盤技術開発等の強化に取り組むこととしております。このような状況を踏まえ、この法律案は、同機構に宇宙空間を利用した事業を行う民間事業者等に助成金を交付する業務を追加するとともに、当該業務等に要する費用に充てるための基金を設けるなどの措置を講ずるものであります。次に、この法律案の内容の概要についてご説明申し上げます。第一に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の目的に、宇宙空間を利用した事業の実施を目的として、民間事業者等が行う先端的な研究開発に対する助成を行うことを追加するとともに、同機構の業務にこのための助成業務を追加することとしております。第二に、同機構は当該助成業務並び に宇宙空間を利用した民間事業にも、成果の活用が見込まれる基礎研究及び基盤的研究開発を公募により選定したものに委託して行う業務等について、それらに要する費用に充てるための基金を設けることとしております。このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。以上で趣旨説明の聴取は終わりました。これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
9:24
自由民主党の赤松健でございます。質問の前にですね、今朝の読売新聞の報道で、JAXAがサイバー攻撃を受けていて、宇宙開発の機微閲覧の恐れがある旨の記事が出ておりました。これについてまず、事実関係と現状の対応状況を御説明ください。
9:44
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事長山川参考人。
9:52
皆様にご心配をおかけして大変申し訳ありません。サイバー攻撃を受けたのは事実でありますが、JAXAではロケットや衛星の運用、また、安全保障に関する情報を含め、機微な情報はしっかり管理しており、攻撃を受けたネットワークでは取り扱っておらず、機微情報が漏えいしたとは考えておりません。本件については重く受け止めており、現在攻撃手法を含め、詳細な調査を継続しております。JAXAでは、セキュリティ情報化推進部を中心に、機微情報の保全等を含めた情報セキュリティに関わる活動を実施しています。また、米国NASA、欧州ESA等の宇宙機関と最高情報セキュリティ責任者を含む定期会合を毎年開催するなど、世界の宇宙機関とともに情報セキュリティに取り組んでおります。本件を含め、情報セキュリティについては対応してまいります。
10:51
(赤松健君) これはかなり重要なことですので、しっかり調査していただきたいと思います。では、法案の質問に入りたいと思います。まず初めにですね、私は今年の夏にNASAのケネディ宇宙センターに視察に行ってまいりました。NASAの敷地の中に、イーロン・マスク氏のスペースX、ジェフ・ベソス氏のウルオリジンがありまして、民間業者が施設を設けています。それで、近隣にあるんじゃなくて施設の中にあるんですよ。以前スペースシャトラの打ち上げに使っていた第39発射施設の一つは、今スペースXが回収して、自社ロケットの打ち上げに使っています。ファルコン9の実物もいました。何台も並んで洗浄しているんです。使い回しのロケットなので。これ素晴らしい。まさにNASAと民間事業者が力を合わせて宇宙産業開発を強化していると、その様子が伺えました。その上で、米国の民間事業者がニュースで日々入ってくるような成果を出し続けているんですよね。今回の視察を踏まえて、日本でも宇宙技術開発の発展 のために、民間事業者や研究機関への支援体制強化が急務であると実感しているところであります。今回の法改正案のテーマであるJAXAの資金供給機能強化については、欧米の宇宙開発機関が商業化を図る民間事業者等の技術開発に向けて資金供給機能を有していることを踏まえたものであると、今年6月に閣議決定された宇宙基本計画に明記されております。欧米を参考にしているということについて、例えばアメリカのNASAのCOTS、CRSというプログラムがありました。これはスペースシャトルが運用を終了した後の低軌道の宇宙輸送サービスを工房で選定した民間事業者に委ねてNASAが購入すると、アンカーテナンシーまで含むプロジェクトで、これをきっかけにスペースXなど民間事業者が発展して宇宙産業への民間投資を呼び込んだと、この好循環を作り出したものと理解しております。このように資金供給機能の強化だけでなく、アンカーテナンシーというところまでパッケージにすることで、より宇宙産業力の強化につながっていくのではないでしょうか。これに関して文科大臣の見解を教えてください。
13:08
先生おっしゃるとおり、近年宇宙開発の主体が、官首同から官民連携と変わりつつあり、例えば米国NASAでは宇宙技術の商業化のため、技術開発支援に加えて政府調達(アンカーテナンシー)により、戦略的に宇宙産業を育成していると認識しています。必要な投資額が大きく、収益化までに時間を要する宇宙分野の産業育成のためには、先端技術開発や技術実証を戦略的に進めることに加えて、政府調達により商業化の下支えや技術力の向上等を図っていくことも重要であり、これらは政策的に車の両輪であると考えています。本基金事業は、民間企業や大学等が行う研究開発を支援するものですが、この事業で培った技術の利用も含めて、出口となる需要を生み出す方策、特に政府調達についても、内閣府をはじめとする関係府省間で検討を進めてまいります。
14:19
ありがとうございます。その上で、今回の弱性 の資金供給機能の強化のスキムとしては、まず国が継続的に投資をして、日本における民間の宇宙産業を育てることによって、民間の投資を増やしていく、というところまで見据えた制度設計が必要だと考えています。その点についても、文科大臣の見解を教えてください。
14:43
世界の宇宙関連市場は、2040年に1兆ドルを超えると試算されています。諸外国との宇宙開発競争に越していくためには、政府投資によって宇宙開発に係る我が国の技術開発力を底上げするとともに、民間事業者の自律的な発展に向けて民間投資を引き出していくこと、これが極めて重要なことだと考えます。そのため、内閣府を中心に関係府省で連携し、我が国全体として推進すべき技術及びその方向性を示す、宇宙技術戦略を策定し、民間投資や政府投資の予見性を高めることとしております。本事業は、宇宙技術戦略を踏まえ、テーマを決定し、公募を行うこととしております。