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参議院 文教科学委員会

2023年11月29日(水)

2h19m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7659

【発言者】

高橋克法(文教科学委員長)

盛山正仁(文部科学大臣)

赤松健(自由民主党)

水野素子(立憲民主・社民)

下野六太(公明党)

金子道仁(日本維新の会)

伊藤孝恵(国民民主党・新緑風会)

吉良よし子(日本共産党)

舩後靖彦(れいわ新選組)

水野素子(立憲民主・社民)

吉良よし子(日本共産党)

舩後靖彦(れいわ新選組)

蓮舫(立憲民主・社民)

4:45

ただいまから、文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動についてご報告いたします。昨日までに加藤昭義君及び宮口春子君が委員を辞任され、その補欠として水野本子君及び梶原大輔君が占任されました。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。

5:13

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、内閣官房・内閣情報調査室・内閣衛星情報センター次長 安田裕樹君ほか4名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。 御異議ないと認め、採用決定いたします。参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事長 山川博史君を参考人として出席を求めることにご異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用決定いたします。 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

6:21

政府から趣旨説明を聴取いたします。 森山文部科学大臣

6:29

この度、政府から提出いたしました国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案について、その提案例及び内容の概要をご説明申し上げます。 将来の成長分野として期待される宇宙分野での活動を通じて、経済社会の変革がもたらされつつある中、宇宙での活動については民間の参画が済み、これまでの管主導から官民、競争での取り組みに移行しているところです。 また、多くの国が宇宙の開発及び利用を強力に推進するなど、国際的な競争が激化する中、革新的な変化をもたらす技術進歩が加速しており、我が国の技術の革新と底上げが急務となっています。 こうしたことを踏まえ、我が国でも本年6月に閣議決定された宇宙基本計画等において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化し、同機構を「産学艦」の結節線として活用することで、宇宙分野の商業化支援、フロンティア開拓、先端基盤技術開発等の強化に取り組むこととしております。このような状況を踏まえ、この法律案は、同機構に宇宙空間を利用した事業を行う民間事業者等に助成金を交付する業務を追加するとともに、当該業務等に要する費用に充てるための基金を設けるなどの措置を講ずるものであります。次に、この法律案の内容の概要についてご説明申し上げます。第一に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の目的に、宇宙空間を利用した事業の実施を目的として、民間事業者等が行う先端的な研究開発に対する助成を行うことを追加するとともに、同機構の業務にこのための助成業務を追加することとしております。第二に、同機構は当該助成業務並びに宇宙空間を利用した民間事業にも、成果の活用が見込まれる基礎研究及び基盤的研究開発を公募により選定したものに委託して行う業務等について、それらに要する費用に充てるための基金を設けることとしております。このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。以上で趣旨説明の聴取は終わりました。これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

9:22

赤松健君。

9:24

自由民主党の赤松健でございます。質問の前にですね、今朝の読売新聞の報道で、JAXAがサイバー攻撃を受けていて、宇宙開発の機微閲覧の恐れがある旨の記事が出ておりました。これについてまず、事実関係と現状の対応状況を御説明ください。

9:44

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事長山川参考人。

9:52

皆様にご心配をおかけして大変申し訳ありません。サイバー攻撃を受けたのは事実でありますが、JAXAではロケットや衛星の運用、また、安全保障に関する情報を含め、機微な情報はしっかり管理しており、攻撃を受けたネットワークでは取り扱っておらず、機微情報が漏えいしたとは考えておりません。本件については重く受け止めており、現在攻撃手法を含め、詳細な調査を継続しております。JAXAでは、セキュリティ情報化推進部を中心に、機微情報の保全等を含めた情報セキュリティに関わる活動を実施しています。また、米国NASA、欧州ESA等の宇宙機関と最高情報セキュリティ責任者を含む定期会合を毎年開催するなど、世界の宇宙機関とともに情報セキュリティに取り組んでおります。本件を含め、情報セキュリティについては対応してまいります。

10:46

司会 赤松健君

10:51

(赤松健君) これはかなり重要なことですので、しっかり調査していただきたいと思います。では、法案の質問に入りたいと思います。まず初めにですね、私は今年の夏にNASAのケネディ宇宙センターに視察に行ってまいりました。NASAの敷地の中に、イーロン・マスク氏のスペースX、ジェフ・ベソス氏のウルオリジンがありまして、民間業者が施設を設けています。それで、近隣にあるんじゃなくて施設の中にあるんですよ。以前スペースシャトラの打ち上げに使っていた第39発射施設の一つは、今スペースXが回収して、自社ロケットの打ち上げに使っています。ファルコン9の実物もいました。何台も並んで洗浄しているんです。使い回しのロケットなので。これ素晴らしい。まさにNASAと民間事業者が力を合わせて宇宙産業開発を強化していると、その様子が伺えました。その上で、米国の民間事業者がニュースで日々入ってくるような成果を出し続けているんですよね。今回の視察を踏まえて、日本でも宇宙技術開発の発展のために、民間事業者や研究機関への支援体制強化が急務であると実感しているところであります。今回の法改正案のテーマであるJAXAの資金供給機能強化については、欧米の宇宙開発機関が商業化を図る民間事業者等の技術開発に向けて資金供給機能を有していることを踏まえたものであると、今年6月に閣議決定された宇宙基本計画に明記されております。欧米を参考にしているということについて、例えばアメリカのNASAのCOTS、CRSというプログラムがありました。これはスペースシャトルが運用を終了した後の低軌道の宇宙輸送サービスを工房で選定した民間事業者に委ねてNASAが購入すると、アンカーテナンシーまで含むプロジェクトで、これをきっかけにスペースXなど民間事業者が発展して宇宙産業への民間投資を呼び込んだと、この好循環を作り出したものと理解しております。このように資金供給機能の強化だけでなく、アンカーテナンシーというところまでパッケージにすることで、より宇宙産業力の強化につながっていくのではないでしょうか。これに関して文科大臣の見解を教えてください。

13:05

森山文部科学大臣

13:08

先生おっしゃるとおり、近年宇宙開発の主体が、官首同から官民連携と変わりつつあり、例えば米国NASAでは宇宙技術の商業化のため、技術開発支援に加えて政府調達(アンカーテナンシー)により、戦略的に宇宙産業を育成していると認識しています。必要な投資額が大きく、収益化までに時間を要する宇宙分野の産業育成のためには、先端技術開発や技術実証を戦略的に進めることに加えて、政府調達により商業化の下支えや技術力の向上等を図っていくことも重要であり、これらは政策的に車の両輪であると考えています。本基金事業は、民間企業や大学等が行う研究開発を支援するものですが、この事業で培った技術の利用も含めて、出口となる需要を生み出す方策、特に政府調達についても、内閣府をはじめとする関係府省間で検討を進めてまいります。

14:17

赤松健君

14:19

ありがとうございます。その上で、今回の弱性の資金供給機能の強化のスキムとしては、まず国が継続的に投資をして、日本における民間の宇宙産業を育てることによって、民間の投資を増やしていく、というところまで見据えた制度設計が必要だと考えています。その点についても、文科大臣の見解を教えてください。

14:40

森山大臣

14:43

世界の宇宙関連市場は、2040年に1兆ドルを超えると試算されています。諸外国との宇宙開発競争に越していくためには、政府投資によって宇宙開発に係る我が国の技術開発力を底上げするとともに、民間事業者の自律的な発展に向けて民間投資を引き出していくこと、これが極めて重要なことだと考えます。そのため、内閣府を中心に関係府省で連携し、我が国全体として推進すべき技術及びその方向性を示す、宇宙技術戦略を策定し、民間投資や政府投資の予見性を高めることとしております。本事業は、宇宙技術戦略を踏まえ、テーマを決定し、公募を行うこととしております。事業の実施に際しては、テーマの性質に応じて、民間による事業化を見据えた体制の構築や民間投資を促すとともに、その取組を進捗評価等によって確認・評価しながら、研究開発を推進することを想定しております。当省としては、こうした取組を通じて、テーマに応じた適切な官民の役割分担や、将来的な民間投資を促してまいりたいと考えております。今回の法改正案は、弱さに宇宙基金戦略を創設するというものですが、基金という形を取ることの必要性、補正で3000億円を措置する緊急性について、ご説明をお願いします。

16:23

宇宙開発戦略推進事務局 渡辺審議官

16:29

宇宙分野の研究開発は、その特徴として様々な技術課題、事業化リスクに直面しやすいことが挙げられておりまして、進捗要素が困難であり、不確実性が伴うものでございます。そうした宇宙分野において、民間企業などが革新的な研究開発や事業化に主体的に取り組むためには、国が宇宙技術戦略の策定などを通じて、必要な技術の予見性を高めつつ、あらかじめ複数年度にわたる財源を確保して、研究開発の進捗に応じて、年度にとらわれず、弾力的に研究費の支出を可能とすることが重要と考えております。このため、宇宙分野の三額間の結節線でございます弱さに、複数年度にわたる民間企業、大学などへの戦略的かつ弾力的な資金供給を可能とする基金を設置いたしまして、対応する必要があると考えております。また、近年、諸外国は宇宙開発を強力に推進しており、また、世界の宇宙産業の規模は大幅に拡大しております。今年度に入っても、アメリカ、中国、インドといった諸外国がインパクトのあるニュースをもたらしております。我が国においても、宇宙分野への国内投資を早急に拡大し、加速しなければ、将来にわたって宇宙のインフラは海外に依存することになりかねませんので、宇宙活動の自立性が危ぶまれる恐れもございます。こうした状況の中、民間企業、大学などが、複数年度にわたって先端技術開発、技術実証、商業化に取り組むことを支援する枠組みを加急的、速やかに設けるために、宇宙戦略基金の創設に係る経費を補正予算案に計上した次第でございます。

18:15

赤松健君

18:17

なるほど、ありがとうございます。先立つ2021年4月に改正された、科学技術イノベーション創出の活性化に関する法律によりまして、常にJAXAの研究開発の成果を活用する民間事業者等への資金提供を行っていると認識しております。また、いわゆる日本版SBIR制度による基金に宇宙分野が対象となっています。これらの資金供給とは別に、今回の基金を増生する必要性及び、これらの各制度をどう両立させるいくのか教えてください。

18:54

千原研究開発局長

18:57

お答え申し上げます。令和2年度の科学技術イノベーション創出の活性化に関する法律の改正により、新たに設けられましたJAXAの出資制度につきましては、JAXAの自己収入の範囲内で行われるものであり、JAXAからの出資額は必ずしも大きくないものの、各企業に対する更なる投資を呼び込むことを目的とするものでございます。また、令和4年度補正予算において創設されました、中小企業イノベーション創出推進事業SBIRフェーズ3基金でございますが、こちらは、宇宙分野に限らず、スタートアップ等が有する先端技術の大規模実証を支援し、社会実装の促進を図ることを目的としており、スタートアップ等が行う技術成熟度の高い技術開発を支援対象としております。激化する国際的な宇宙開発競争に我が国が腰でいくためには、これらの制度に加えまして、JAXAの資金供給機能を強化し、JAXA以外の民間事業者や大学等が行う先端、基盤的なテーマを含めた幅広い技術開発を、基金により強力に支援することで、宇宙におけるイノベーションを加速する必要があると考えております。今後も、出資等を通じJAXAの研究開発成果の普及を行うとともに、SBIRフェーズⅢ基金で技術成熟度の高い技術開発を支援することと併せまして、本基金事業により、民間企業、大学等が主体となり、推進を図ることが適当である研究開発を幅広く支援することで、宇宙分野の研究開発において、我が国の産学観の総力を結集し、宇宙空間の利用を通じた経済、社会の変革を加速してまいります。

20:33

赤松健君

20:35

ありがとうございます。ここで非宇宙分野、つまり宇宙分野以外の産業から、宇宙分野への参画という点について伺いたいんですけれども、これまでどういった例があるのか教えてください。

20:48

千原局長

20:50

ご答え申し上げます。国際的な宇宙開発競争が激化する中、非宇宙分野も含めた我が国の産学観の総力を結集することが重要と考えております。例えば宇宙探査分野におきましては、地上産業の技術を生かして世界をリードする宇宙探査技術の研究開発を行うため、JAXAがオープンイノベーション検討院として宇宙探査イノベーションハブを運営し、非宇宙分野も含めた民間企業等との共同研究開発を進めておりまして、これまで超小型の変形型月面ロボット「ソラQ」の開発ですとか、月面における無人建設技術の研究、月面等の有人拠点への応用を目指した新住宅システムの構築等について、非宇宙分野の企業等との共同研究開発を実施しております。また、非宇宙分野を含む様々な業種の民間企業による自らの事業と宇宙分野を融合した新たな発想の宇宙関連事業の創出を支援するため、官民協業によるJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ「J-SPARK」を行っておりまして、例えばこれまで、人工衛星上のカメラを使いまして、宇宙空間の映像をリアルタイムに遠隔操作できるサービスの商業化ですとか、資源の活用が制限される被災時の活用も見据えた、宇宙空間における生活用品の開発等への支援を実施してきております。(加川)はい、ありがとうございます。宇宙分野以外の産業から、宇宙分野の三角促進についても、今回の基金の目的に含まれる理解でありますけれども、その理解でいいのか、またそうであれば、今、例に挙げていただいた技術が今後も、宇宙分野に活用されていくように、宇宙技術戦略にも位置づけて、基金事業に反映させていくべきだと私は考えています。この点について積極的に検討いただけますでしょうか。お答えください。渡辺審議官 お答えいたします。宇宙リオンの推進に向けましては、オープンイノベーションを喚起していく必要がありまして、技術の面でも非宇宙分野を含めた多くの企業が宇宙産業に参入することが重要であると考えております。委員御指摘のとおり、宇宙戦略基金につきましては、民間企業などの主体的な研究外と協力に推進するものでございますけれども、その中で、非宇宙分野を含む多様な民間企業等の宇宙分野への参画を促して、裾野を広げ、商業化を推進することも狙いとしてございます。その中で、宇宙機の性能を高度化に対応するべく、非宇宙分野で既に製品化されているコンポーネントや機材の宇宙転移を拡大に取り組むことが重要と考えておりまして、こうした観点を含めまして、引き続き、宇宙技術戦略の策定、また宇宙戦略基金の執行に向けて準備を進めてまいります。

23:39

赤松健君

23:41

ありがとうございます。その他、基金の透明性のある運用をしっかり心がけていただきたい。こういうところでつまずいて、宇宙政策が停滞してしまわないように、ぜひお願いいたします。最後に、今回の基金に限らず、国費を投入して、日本の宇宙政策全般を戦略的に盛り上げていくためには、国民の皆様の理解を常に意識して高めていくことが大事だと考えています。今年、H3ロケットの打ち上げ失敗などありました。宇宙開発に関する失敗について、私がアメリカ視察した時に、NASAは国民の批判もあるけれども、NASAのモットーはロケットを打ち上げるだけでなくて、人類の未来を打ち上げるんだということで、国民理解を得ていると言っておられました。国民に理解してもらうためには、こういう大きな分かりやすいビジョンを示すメッセージが必要と考えています。そのうち、宇宙開発や宇宙産業振興によって国民にどれだけ良い効果が期待されるのか、しっかり分かりやすく説明する必要があると思います。加えて、今回の基金が設置される弱さの役割の重要性なども、分かりやすく説明して国民に知ってもらうことも重要です。そういったことの手段としては、NASAでは宇宙の実証技術の共有など広報にも力を入れていると言っておりました。以上について、日本でもぜひ推進していっていただきたいという意見を申し上げまして、私の質問は終わりだと思います。ありがとうございました。

25:19

水野誠子君

25:23

立憲民主社民、水野誠子です。会派を代表いたしまして、質問させていただきます。私は昨年7月まで約28年間JAXAで働かせていただいておりましたので、宇宙ビジネス促進に政府が大きく投資をしていくことは意義があることであると思っております。しかし一方で補正予算のタイミングにおいて、また基金という形式で、しかも研究開発法人であるJAXAに業務追加をすることについては、やや慎重な検討が必要であると考えています。不対決議に入れさせていただきましたが、特に人材面での本来業務への圧迫の懸念について主に質問をさせていただきます。イプシュのロケット、H3ロケットの連続失敗、野城の燃焼施設の爆発、最近では観測用ロケットが準備が間に合わないという理由で延期、そして今朝の新聞では、夏にサイバー攻撃を受けて、しかし最近警察から通報されるまで気がつかなかったというような報道がなされるなど、残念ながらJAXAではトラブルが続いています。ここまでトラブルが続くのは、技術だけではなく、業務管理上の問題や、風通しが良い組織なのかなど組織風土の問題など、経営・組織面の課題もあるのではないでしょうか。事務省である文部科学省及びJAXAにおいて、技術以外の原因として何があると考えていますか、またどのように改善を進めているか、端的にお答えください。

26:52

森山文部科学大臣

26:56

今、先生おっしゃったとおり、機関ロケットの2度にわたる打ち上げ失敗、イプシロンSロケットの燃焼試験中の爆発事故、そしてまた今朝のこういう報道、国民の皆様の期待に応えることができず、残念であり、先生方のご指摘ご批判を大変重く受け止めております。文部科学省では、機関ロケットの失敗に関して副大臣を本部長とする対策本部や有識者会議による専門的見地からの議論を踏まえ、直接要因だけでなく配合要因も含めた検証と再発防止策の検討を行い、既に報告書を取りまとめております。JAXAでは、一連の事象を受けて、個別の事象の調査では見出せていない、共通する可能性のある組織的あるいはマネジメント上の課題がないか、といった観点で調査を進め、マネジメント及び内部統制上の課題を明確化し、意思改革を含めた改善策の検討を行うことを目的として、本年9月にマネジメント改革検討委員会を設置したと承知しております。文部科学省としては、マネジメント改革検討委員会における議論も踏まえ、JAXAにおいて具体的な取組につなげていただくことを考えております。

28:16

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事長山川参考人

28:25

JAXAからお答えいたします。機関ロケット2機の打ち上げ失敗、それに伴う搭載衛星の喪失等は、宇宙政策の目標達成に大きな影響を及ぼし、国民の皆様の期待に応えられずご心配をおかけしたことについて、JAXA理事長として重く受け止めております。今回の技術的な事象については、外部有識者、政府関係者、製造メーカーの方々をはじめとした関係者の皆様の多大なるご支援、ご協力によって、直接要因、配合要因を抽出し、それらの対策等についても取りまとめることができ、10月末に文部科学省に報告をさせていただいたところでございます。並行して、JAXAの開発マネジメントや内部統制における課題を抽出し、改善策を検討する必要があるとの認識から、9月末に、組織課題の調査・改善を目的とするマネジメント改革検討委員会も設置いたしました。現在、今年度末をめどに、プロジェクトマネジメント、開発体制、組織風土、関連企業との関係性など、網羅的な視点で全社を挙げた調査・改善策の検討を進めているところであります。JAXAとしては、既に報告した技術的な対策に加えまして、検討中のマネジメント改革についても、全社を挙げて着実に取り組むことにより、宇宙開発の中核機関たるJAXAとして、国民の負託・期待に応えられるように努めていく所存でございます。ぜひ、しっかりと分析をして改善をなさっていただきたいと思います。それでは、JAXAを含む国立研究開発法人、これにつきまして、国は本来どのような役割を期待しているのか、端的に大臣、お願いいたします。

30:09

森山大臣

30:12

国立研究開発法人は、その特性に鑑み、一定の自主性及び自立性を発揮しつつ、我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展、その他の効益に資するため、研究開発の最大限の成果を確保することを目的とする法人となります。文部科学省としては、国立研究開発法人がその責務を果たし、研究開発成果の最大化に向けて、効果的かつ効率的に業務運営、マネジメントを行っていけるよう、各法人の機能・財政基盤の強化を図ってまいります。

30:56

水野誠子君

30:58

まずは、自らが科学技術の水準を上げていくことで社会に貢献するというお答えをいただいたところで、参考1をご覧ください。JAXA、本来業務のための予算は補正を含めまして、毎年約2,000億円となっております。しかし、かねてから本来業務以外の外部住宅の形で、主に安全保障目的の人工衛星の開発運用などを、内閣情報調査室、防衛省、内閣府などが多額の住宅契約を受けています。この3府省の宇宙関係予算は、令和5年度は約1,000億円、令和6年度は当初予算だけで約1,300億円にも上り、その大半がJAXAへの発注と推察されます。参考2もご覧ください。しかし一方で人員は増えておりません。一般管理費の削減により減ってきて、最近少しだけ増えているような状態でございます。多額の住宅業務が本来の研究開発業務を圧迫していることが失敗の背景ではないでしょうか。安保3文書では、宇宙が重視されて、防衛省、さらには自衛隊とJAXAの連携を強化すると打たれています。この大幅な防衛予算図を受けて、JAXAには本来業務以外の住宅業務が今後急増し、さらに本来業務を圧迫する恐れがあると考えています。また一方でJAXA職員は公務員ではなく、本日の報道でのサイバー攻撃のように、国の安全保障を支えるための法制度面の基盤も脆弱であります。JAXA及び職員の本来目標は、世界をリードする研究開発です。安全保障を目的などの国の宇宙事業のサポートは、JAXA以外の体制をも検討すべきではないでしょうか。逆に安全保障をJAXAの本来業務として位置づけるならば、必要な組織・人員などの環境は整備しやすくなるのではないでしょうか。ここでお尋ねいたします。JAXAは盲目科学省・総務省・内閣府・経産省の共管となっておりますが、なぜ、多額の業務を依頼してくる防衛省や内閣官房は共管ではなく、死刑役での対応なのでしょうか。大臣、お願いいたします。

32:57

森山大臣

32:59

JAXAの防衛省や内閣情報調査室からの受託事業は、宇宙基本計画を踏まえたJAXAの中長期目標及び中長期計画に基づいて進められております。宇宙分野の活動の広がりや重要性を背景とした関係不詳を含む業務量の増大に伴うJAXAの体制強化の必要については、文部科学省としても認識しております。宇宙基本計画においてもJAXAの人的基盤の拡充強化に取り組むとされており、文部科学省としても令和5年度より職員数を増員するなど、実際に体制強化に取り組んでいるところです。その上で、JAXAと防衛省等は、宇宙基本法の理念に則った上で、宇宙基本計画等に基づいて研究開発協力や人事交流契約に基づく業務等を行っていると承知しております。今後とも関係機関との連携強化を進めてまいります。

34:06

水野元子君

34:08

はい。1000億を超えてくるということは、JAXAの本来業務のまずは2分の1ぐらいを本来業務以外、しかも人員がほとんど増えない中で受けている、これが様々な現場を圧迫する要因になっているのではないかと思うところでございまして、関連いたしまして、基金のところにつきましても同じような視点で質問させていただきます。今般、この基金が認められますと、さらにJAXAに対して予算が流れてくることになります。基金は補正予算で約3000億円ということで、JAXAの2000億円を上回る多額の資金の執行管理の責任を負うことになります。さらに人員の逼迫が心配となります。例えば、代表的な公的ファンディング機関であるNEDにおいては、約6.1兆円の運営を約1500人体制で、JSTであれば6つの基金約7000億と10兆円の大額ファンドの運用で約1400人の体制を敷いていると聞いています。今般の基金には複数の省庁が関係して事務管理でかなりの人員が必要となりますが、本当に多用できるのでしょうか。さらには、研究開発者への現場への影響も心配です。基金で選定した各事業者に対してJAXAはハンズオン支援を行うのでしょうか。JAXAは基金を自己利用できず、ハンズオンする場合は無償での対応となるようにも聞いています。人員も限られます。本来業務がおろそかになり、さらに失敗が続いて、世界の研究開発から遅れるとのではないかと心配しておりますけれども、森山大臣、そしてJAXA理事長にお答えいただきたいと思います。

35:53

森山大臣。

35:56

宇宙分野の研究開発については、様々な技術課題や事業化リスクに直面しやすい、あるいは打ち上げ等の宇宙実証の時期の見直しが発生しやすいなどの特徴があり、JAXAはこれまでにも、機構の業務として宇宙分野における民間企業等との共同研究や技術的援助を実施してまいりました。本事業の運営に際しましても、引き続き機構の業務として、これまで培った宇宙開発量に係る複雑かつ高度なプロジェクトマネジメントのノウハウや関連技術の専門的な知見等を生かしつつ、支援に当たることが重要と考えております。文部科学省としては、JAXAの体制強化を図る、そして三学館の一層の結成地点となることを通じて、JAXA自身の技術開発能力が高まる好循環を生み出してまいりたいと考えております。そして、もう一点、基金の事業のことでございますけれども、公募の上採択された民間企業や大学等が主体となって研究技術開発を実施されるものと承知しており、今申し上げましたようなノウハウ、知見を生かしてということでございます。JAXAとしては、基金事業における必要な人材の確保及び、運営体制強化が重要であると認識しており、今後、既存の事業や組織の見直しに加え、一部の事務の外部委託も行うほか、外部人材の新規採用、出向や商品による人的資源の拡充を図ることで、三学館の結成地点となるJAXAとして新たに求められる役割に注力できるような体制を構築し、効果的・効率的な運営を目指してまいります。併せて、JAXAの運営非交付金等によるJAXA自身の先端基盤技術開発能力の一層の強化も引き続き図ってまいります。基金事業は、公募の上採択された民間企業や大学等が主体となって研究、そして技術開発を実施されるものと承知しており、JAXAとしては、これまで蓄積してきたノウハウや知見を生かし、研究マネジメントや技術的支援等の役割を担うもので、現時点において職員派遣を前提とするような半尊支援といったものまでは想定しておりません。JAXAとしては、基金事業における必要な人材の確保及び運営体制強化は重要と認識しており、今後、既存事業や組織の見直しに加え、一部の事務の外部委託も行うほか、外部人材の新規採用、出向や招聘による人的資源の拡充を図ることで、三学館の結節点たるJAXAとして、新たに求められる役割に注力できるような体制を構築し、そして効果的・効率的な運営を目指してまいります。併せて、JAXAの運営非交付金等によるJAXA自身の先端、基盤技術開発能力の一層の強化も引き続き図ってまいります。

39:00

水野誠子君

39:02

今、JAXAの予算2000億円に加えて、安全保障、それから基金とJAXAの予算を超える資金の執行管理、そしてそれに対して、おそらく選んだ各プロジェクトに対して担当をつけることにもなります。本当に大きな負担だと私は思います。そして、逆にJAXAの外にファンドがあれば、JAXAも研究費にベンチャーと一緒に応募をすることで、研究費を自ら活用しながら、自分も提案をしながら、そのようなベンチャーと一緒になって、新しい技術を磨くこともできるわけですね。そういった形でJAXAの中に、JAXAがだんだんと、先ほど大臣がおっしゃったような、自ら研究開発の水準を上げて、世界一を目指して、そしてそこから社会をという自らプレーヤーではない、お手伝いの方が大きくなるような機会になること、そしてそのことにより、本来の研究開発、なかなか失敗が続いているところが、私は心配となりますが、先に進みたいと思います。基金という方式につきまして、ご質問いたします。基金全体として、どのような仕様で成果を評価するのでしょうか。10年で1兆円もの税金を投じるのであれば、客観的かつ数量的な評価指標が必要ではありませんか。端的に大臣、お願いいたします。

40:24

森山大臣。

40:26

本事業では、宇宙における関連市場の拡大、地球規模課題、社会課題の解決への貢献、そして、知能・探求活動の進化及び基盤技術力の強化、これらを目的としており、今後、本事業の成果指標等も、こうした目標に照らしつつ設定する予定です。本事業全体の成果については、有識者会議のフォローアップや、関係府省における毎年度の基金シートを通じて公表していくこととしており、加えて、一般の方にも分かりやすい目標や成果の発信にもしっかり努めてまいりたいと考えております。

41:09

水野元子君。

41:11

数値的な目標も必要だと思うんです。それは、逆に、線密のような形なわけですね。投資というものは、1000個で、1000やって3つ当たればいいぐらい、本当になかなか難しいシーズン、あるいはそのビフォーの世界での選び抜く。弱さは、事業生を見ることが得意ではないはずです。そのようなところに、税金で、そして説明責任が厳しい税金での基金を任せる。そのことによって、10年たって何年たんだと言われることの組織的なリスクも、よく考えていく必要があるのではないかと思いますので、次に続きます。それでは、各公募を選定するときの基準や基本的考え方について教えてください。宇宙分野の技術戦略、今後策定すると聞きました。国内事業者であることは、産業振興のためにもちろんだと思いますけれども、例えば中小企業を優先するのか、あるいは実績のある方が安心でき、信頼できるのか、逆に新規参入者を育てたいのか、そのような基本的な考え方を大臣、教えてください。

42:15

文部科学省千原研究開発局長

42:21

お答え申し上げます。本事業では、宇宙における関連市場の拡大、あるいは地球規模課題、社会課題の解決への貢献ですとか、あるいは地の探求活動の進化、及び基盤技術力の強化を目標としておりまして、今後本事業の成果指標等も、こうした目標に照らしつつ設定する予定でございます。本事業の全体の成果につきましては、有識者会議のフォローアップですとか、あるいは関係府省における毎年度の金シートを通じて公表していくこととしておりまして、加えて一般の方にも分かりやすい目標や成果の発信にもしっかりと努めてまいりたいと存じます。

43:00

水野誠子君

43:02

分野だけではないと思うんですね。基本的にはどのような成果を出していくのか、今回の支援先は中小企業とは書いてないんですね、SBIRのように。だから大企業も排除していないんだと思うんですけれども、この基金は何を目的とするのかというところも、もう少し分野以外に考え方をしっかりと策定するべきだと私は思います。次にですね、それではこの基金を本当にJAXAに任せるべきかどうかという点を改めて問いたいと思います。JAXAには基金の運用権限はございません。適切に管理できるんでしょうかという点がそもそもございますが、先ほど来お話してますようにJAXAには事業性を評価する、ビジネスシーズを見分ける資金というのもあまりありません。税金による5年で1兆円もの資金運用の結果責任を負わせることというのは、酷ではないかと思うところはあります。例えば、むしろ既存の公的助成機関として、基金運用の実績のあるJSTやNEDなどに宇宙分野の基金も運用してもらって、評価選定時の技術受言を受託する、あるいは人事交流等で側面支援するのが合理的ではないかと思うところもありますけれども、端的に大臣お願いいたします。

44:17

森山大臣

44:20

JAXAにおられた先生のご指摘でございますので、重く受け止めたいと思いますが、宇宙分野におきましては、民間企業や大学等による複数年度の研究開発を効果的、効率的に支援するためには、我が国の中核的宇宙開発機関であるJAXAが、これまで蓄積した宇宙開発利用に係る高度な専門性や知見を生かし、三学官の結節線として事業を運営することが重要ではないかと考えております。一方、本事業の実施にあたって、JSTやNEDなどの他の資金供給機関の取組、こちらの方が返っていいんじゃないかというご発言でございましたが、これらの資金供給機関の取組を十分に参考にしつつ、必要となる知見を有する外部人材を投与するなど、効果的、効率的な運用につなげるべくJAXAの体制強化を進める予定でございます。その際、事業全体の意思決定等の根幹に関わる業務については、JAXA自身が行うことが重要ですが、効率的な運営に向けて、例えば事業運営に係る委員会の日程調整や会場の手配といった一部の提携化された業務については、必要に応じて外部へ委託することなども検討いたします。文部科学省としては、JAXAの体制強化を図るとともに、三学官の一層の結節線となることを通じて、JAXA自身の技術開発能力が高まる好循環を生み出してまいりたいと考えております。

46:00

水野元子君

46:02

普通に考えても、2000億のところに3000億の予算が来ると、社内的ないろんな力学とか人材のところも引っ張られていくところがあるんですね。そういった意味では、本来業務の研究開発に圧迫がないように、その点については重々お願いしたいと思います。次に、参考さんご覧ください。こちらに、先ほど来ご指摘もございましたけれども、JAXAはいろんなことを工夫しているということかと思いますけれども、ややいろんなものがたくさんあると。多少重複なり、ばらたり的にも感じなくはないいろんなものが並んでいて、JAXAの外にもいろいろございます。ここでですね、私ちょっと心配だという声を聞いています。一つ何か支援を得ると、他に例えば応募ができない、何しよう応募しても不利になるというようなことがあるのではないかと心配するベンチャーの方もいらっしゃるんですけれども、そのようなことがあるかどうか端的にお答えください。

47:01

森山大臣

47:03

JAXAから出資を受けている事業者が、本基金事業の支援対象から直ちに外れる。あるいは審査時に不利になるといったことは、現時点では想定しておりません。また、中小企業イノベーション創出推進事業、SBIRフェーズ3基金などの制度から支援を受けている事業者についても、提案内容に重複がある場合等を除き、今般の基金事業への応募に対する特段の制限や不利益は原則かからないものと想定しております。いずれにせよ、本基金事業の支援の在り方の詳細については、利益相反の観点なども含めて、関係府省と適切に検討を進めてまいります。

47:50

水野元子君

47:52

はい、様々なステージもあると思います。そして、それぞれも、先ほどご説明のように、違った目的のある制度だというふうに伺っています。また、新たに新しく作る制度でもありますので、シームレスな支援体制ということで、一つやったら次はダメとかいうことではないことを、是非とも念頭に置いていただきたいと思います。それでは次に、ベンチャーの支援制度として、基金ということが本当にベストなのかということをお尋ねしたいと思います。この基金というものがベストかということですけれども、基金というのはやはり資金的補助という意味では、悪い言い方すればやっぱり違った形のばらまきでもあるわけです。お金を渡していくと。先ほどもご指摘ございましたけれども、本来アメリカのSBIR、日本版ではないアメリカのSBIRというのは、小規模事業者、これを公的セクターが調達で何%か買ってあげるというような、公的セグメントによる市場創出ですね。買ってあげるというマーケットアンカーテナンシーの機能を持っているわけです。例えば、スペースX社も先ほどございましたけれども、スペースシャトルがリタイアした後に、宇宙ステーションを含む地球勤務の有人輸送手段、これはもうNASAが内作をしないで買いますというマーケットがあるからこそ目指していったところがあるわけです。このようなアンカーテナンシーというものを、ぜひ内閣府さんも含めて、核省庁の、例えば潤天庁衛星、他はいろんな意味で航空艦船とか、公的機関が使っているはずなんですけれども、そういったことも含めた縦割りを超えて、そして前例主義を背した、そのような公的なアンカーテナンシーもなければ、せっかく技術が出てきても先につながらないわけです。いい技術があっても、競争力を持つためには、リスクとコストを下げていく必要があるわけです。このようなアンカーテナンシーの取り組みということを検討なさっているかという点、また打ち上げ車場ですね、JAXA種ヶ島と内野浦、2つ直営で持っているわけです。大気庁、例えば30年来頑張っている他の民間ベースのところもございます。この打ち上げ車場というのはご案内のようにシステムなわけです。漁業対策や航空の安全、いろんなことも含めて、車場施設を作るところ自体が大きな資金が必要なわけですね。こういったことを私たちJAXAの方はそれを整備した上で、民間企業がそれを利用しているという形になるわけです。そしてそこでのコストを低減してあげること、あるいはそこにおいて安全確認をすることで失敗リスク、事業リスクを低減することもできるわけです。このようなJAXAが有するアセット、打ち上げ車場、試験設備、このようなことを民間に、例えばもっと提供していくようなこともベンチャー支援においては必要ではないかと思います。また先ほども申し上げましたけれどもJAXAの基金、JAXAの現場も研究資金がなくて大変です。今いただいた基金3000億あってもJAXAは研究資金として全く使えないわけですね。それを人様のお手伝いをするということで、またエンジニアの方がそのお手伝い業務を無料で提供するということがベースになった制度設計なわけです。そうでなくて、例えば外にファンドがあればJAXAの研究者もその基金の研究費として使って一緒にやることができます。そのような様々なベンチャー支援の方策を基金以外にも検討しているのか教えてください。大臣と内閣府、どちらからでも結構です。

51:24

堀内閣府副大臣。

51:27

内閣府からお答えをさせていただきます。宇宙の開発利用は多くの民間企業の活動によって支えられており、多くの企業が宇宙産業に参入することが重要であると考えております。このため、基金などによる資金補助に加えて、アンカーテナンシーなど政府調達を行っていくことも重要であると考えております。本年6月に改定した宇宙基本計画においても、政府による民間事業者からの調達によって投資を促進する好循環を形成することを掲げております。このほか、例えば、自治体や民間企業等による衛星データの利活用拡大に向けた支援を行っているほか、新しい宇宙ビジネスの創出に向けた「宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト」の開催、また、宇宙産業の海外転換の在り方を検討するため、アジア地域をはじめとして、現地でのビジネスネットワークの形成など、様々な取組を実施しているところでございます。引き続き、関係府省が連携し、宇宙ビジネスの拡大に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

52:40

森山大臣

52:42

全体については、今、堀内閣府副大臣からお答えをしたところでございますけれども、現在、JAXAでは、スタートアップを含む民間事業者の研究開発や事業化を支援するため、衛星やロケットエンジンといった宇宙技術開発に用いられる共通的な試験設備の共用や、様々な業種の民間企業の宇宙事業への参画を期待し、技術的援助を行うJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)などの取組を進めております。今後、我が国における宇宙分野での技術開発の加速や市場の拡大が見込まれる中、三閣官の結節点としてのJAXAの役割や機能は、ますます重要になると思っておりますので、文部科学省としては、これまでの民間事業者に対する設備、共用や技術的援助といった取組に加え、今般、資金供給機能を強化することでJAXAが三閣官の結節点として一層機能し、宇宙分野のイノベーションを加速できるよう取り組んでまいります。そして、先生からの危惧というのでしょうか、ご質問でございましたけれども、JAXA本来の業務、これの方にも今回の基金の業務というので、うまく広がるように、我々としてはそういうことを考えて、今回の基金であり、法案を提出させていただいております。いずれにせよ、先生のようなご懸念が起こってこないように、我々もこれからJAXAとともに対応を図っていきたいと考えます。

54:26

水野元子君。

54:27

ありがとうございます。ぜひお願いしたいところで、もう一言だけ内閣府さんにですね、内閣府さんがJAXAの協会になっている2008年宇宙基本法以降、宇宙開発利用促進において、省庁の壁を越えてですね、様々な省庁が宇宙開発利用を促進できる、利用促進できるようにということが、特に所感されていらっしゃるかと思います。縦割りではなくですね、様々な技術を使っていただくこと、そして技術というのは使ってみなければ利用方法分かりません。しかし残念ながら日本においては、どうしても前例主義という文化がありまして、新しい技術、なかなか使ってもらえないんです。そこをですね、やはり新しい技術、先端の技術を使って使うからこそ、その産業が開いていくんです。技術立国としてはですね、国がしっかりと先端技術を使って、そしてその促進に様々な省庁が努めていくということで、内閣府さんにぜひともお願いしたいと思います。それでは最後1問、さらに今のお話を受けてですね、国全体の宇宙開発利用体制そのものにつきまして、最後にお尋ねしたいと思います。2008年の宇宙基本法によりまして、国の宇宙開発利用の範囲が広がりました。さらに2016年の宇宙活動法により、民間ビジネス許認化制度が始まり、ビジネスも広がってまいりました。これは大変良いことだと思います。このような宇宙開発利用の進展を受けまして、国全体として、この進展を受けてですね、宇宙開発利用の体制を改めて見直すべき時に来ているように私は感じるところがあります。宇宙であれば何でもJAXAに頼もう。これでは現場は持ちません。そしてどれも中途半端になっていくのではないでしょうか。JAXAが先ほど一番最初に大臣がおっしゃられたように、自らがプレイヤーとして世界の宇宙技術をリードしていく研究開発、これを前進して行うよりも、外部をサポートするお手伝い機関が中心となっていく印象、これで国立研究開発機構として良いんでしょうか。今現在でもJAXAは先端を目指す研究開発、私の地元相模原で山川先生も得られていたことだと思います。研究開発あるいは新しく生じてきた基本法以降生じてきた安全保障など国の宇宙事業をしっかりとサポートすること、さらに宇宙産業が育ってきてベンチャーにも広げて支援していくこと、さらには打ち上げ社場試験設備などのインフラ管理、共用すること、これ一つ一つがリスクやコストの考え方も違うわけですね。先端の研究開発はリスクを取ってこそチャレンジをして世界を目指すんです。一方で安全保障、リスクを取っちゃいけませんよね。こういった全く違うリスクやコストの様々な事業がJAXAの中に増えてきています。今回基金という新たな業務をさらに追加するのであれば、本来公的宇宙機関が担うべき事業は本当は何かということを改めて整理をして、民営化官民連携など主要も含めて国全体として宇宙開発利用体制の再整理を検討する必要があるのではないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。

57:39

森山大臣

57:42

我が国の宇宙開発利用の体制については、政府として宇宙政策を一体的に進めていく観点から先ほど先生がおっしゃった通り、平成20年に宇宙基本法が策定され、そしてこれに基づいて内閣府の司令塔機能の強化や宇宙基本計画の策定が進められてまいりました。本年6月に改定された宇宙基本計画においても、宇宙政策委員会をはじめとして様々な議論がなされ、政府として取り組むべき施策や我が国の産学官の取り組みについて取りまとめられており、各種取組を進めているところです。その中でJAXAについては、我が国の中核的宇宙開発機関であるJAXA自身の技術開発能力の一層の拡充・強化を図ることに加えて、産学官の英知を結集・活用して宇宙分野のイノベーションを創出するためにJAXAにおける企業・大学等への資金供給機能を強化することが掲げられており、この計画に基づき、その双方を推進していく必要があると考えております。文部科学省としては、引き続き同計画を踏まえ、関係府省と連携しつつ、宇宙開発利用の推進に着実に取り組んでまいります。また、先生がご指摘されたように、様々な課題があるということは我々も承知しております。そして、それはやはり一つ一つステップを踏んで乗り越えて、そして関係する皆様方とご相談をし、そしてそれを乗り越えていく必要があるのではないかなと思います。いずれにしても、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

59:25

水野元子君

59:27

もし、通告がないですけれども、よろしければJAXA理事長からも、今の点などにつきまして一言お願い申し上げます。山川参考人、お願いします。はい、今、大臣からも答弁ございましたように、JAXA自身の研究開発能力の強化に加えまして、産業界、そしてアカデミア全体の研究開発、そして事業、産業化支援を含めて双方を取り組む、そのための人材の確保、極めて重要だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

1:00:01

水野元子君

1:00:03

ありがとうございます。先ほど来、見てきましたように、安全保障、あるいは基金が加わっても、ほとんど人員が増えていないという点ですね。そして、いろんなことをやっていくことで、いろんなことが中途半端になっていく恐れがあるということも、ぜひともですね、二重決議に盛り込ませていただきましたが、今後基金が設置されるとしても、JAXAの本来業務である研究開発を圧迫しないように、ぜひとも留意して、必要な人材の確保、育成にも留意していただきたいと思います。ありがとうございました。

1:00:46

下野六太君の質問の前に、政府参考人の皆様に申し上げます。答弁がありますので、お水を飲んでいただいて結構ですから。後ろに座っている随行の皆さん、お水を参考人にも出してやってください。お願いいたします。政務や学はもう、三役は出てますけどね。これは野党筆頭のご指摘もいただきました。

1:01:17

下野六太君。

1:01:21

公明党の下野六太でございます。本日も様々なご配慮の下で、質問の機会を与えていただきましたことに対して、心より感謝申し上げまして、質問に入らせていただきます。最初に、宇宙活動の現状について伺いたいと思います。近年、急速に人類の活動領域が地球近くの軌道を越え、月面、その先の新宇宙へと広がることが見据えられるようになりました。人類共通の新たな知能発見、宇宙空間を舞台とした経済、社会活動が生まれることが期待されています。そのような状況の中で、世界的に宇宙活動が活発化しており、多くの国で政府が宇宙関連予算を増加させています。日本でも今後が期待できる宇宙ベンチャーが次々と生まれてきておりまして、将来への期待を高めているところであります。しかし、全体的に見ますと、残念ながら、日本の宇宙機器産業や宇宙利用サービス産業の規模はこのところ横ばいとなっており、世界の宇宙産業の成長スピードに遅れをとりかねない状況ではないかと考えております。そこで、政府は世界の宇宙活動の現状をどのように分析しているのか、また、我が国の宇宙産業の規模の伸びが小さい原因はどこにあるとお考えなのか、ご見解を伺いたいと思います。

1:02:58

内閣府宇宙開発戦略推進事務局渡辺審議官

1:03:03

お答えいたします。近年、世界的に宇宙開発の主体が幹事長から官民連携と予行する中で、宇宙への輸送手段の低コスト化、衛星の小型化などの技術革新が進んだ結果として、民間事業者による宇宙産業への参入が促進され、世界の宇宙産業の市場規模は大きく拡大しております。こうした中、日本国内においても、近年、新たな宇宙スタートアップ、また、業種による宇宙ビジネスへの参入も増加し始めておりまして、我が国の宇宙ビジネスが拡大する世界の宇宙産業市場での競争力を獲得していくためには、非常に重要な局面にあると認識しております。政府としては、宇宙基本計画におきまして、2020年に4兆円となっている我が国の宇宙産業の市場規模を、2030年内の早期に2倍の8兆円に拡大していくことを目標に考えておるところでございます。今後、この目標の達成に向けまして、民間投資の呼び水となる政府投資として、本戦略品も活用しながら、関係省庁と連携し、我が国の宇宙産業の発展に向けた取組を進めてまいります。欧米の宇宙開発機関の資金供給機能について伺いたいと思います。欧米においては、政府が民間主導のプロジェクトを様々な形で支援をし、これを呼び水として世界の宇宙産業に対する民間投資が継続的に伸びてきたと言われております。欧米の宇宙開発機関が実施している資金供給機能の特徴、優れている点はどこにあるとお考えでしょうか。また、今回、弱さに設置する基金は、欧米の例からどういった点を手法として取り入れるのでしょうか。一方で、欧米の方法をそのまま取り入れても、我が国の実情に沿わない場合もあると思いますけれども、我が国独自の取組として実施を検討していることがあれば、ご説明いただきたいと思います。

1:05:20

欧州やアメリカの宇宙関係機関は、民間の取組を支援する資金供給機能を有しておりまして、これによって民間事業者や大学によるシーズ研究、あるいは商業化を支援してございます。弱さは、我が国の宇宙開発の中核機関でございますけれども、このような機能を十分に有してはおりません。今般ご審議していただいております法改正などによりまして、弱さは三角間の結節点といたしまして、同様の取組が開始できるというように考えてございます。一方、政府といたしましては、我が国の独自の勝ち筋を見据えながら、開発を進めるべき技術を見極めていくことが重要であるというふうにしてございます。このため、我が国といたしましては、宇宙技術戦略の策定に向けた議論を進めてございます。今後の技術開発の進め方や優先順位をしっかりと検討いたしまして、今年度内に本戦略を策定するようにいたします。また、今後この宇宙技術戦略に位置づけた技術の中から、民間企業や大学などが主体となって推進することが適当なテーマを宇宙戦略基金で支援するということになります。我が国の宇宙活動や市場の拡大につながる有効な事業となりますよう、しっかりと検討を進めたいと考えております。しっかりと、我が国独自の強みをどのように生かしていけばいいのかということを検討していただきながら、発展に向けて取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。基金の支援対象について伺いたいと思います。今月2日に閣議決定をされました総合経済対策では、今回設置される基金について、総額1兆円規模の支援を行うことを目指すとされました。大変大きな規模の基金が国民負担により創設されるということになります。ついては、一部の民間事業者のみが補助を受けられて事業を拡大し、限られた顧客だけが宇宙ビジネスを利用することにとどまるのは望ましくないと考えます。基金から助成金の交付を受けることができるのは、民間事業者、大学、その他の研究機関とされています。大企業や知名度がある宇宙スタートアップだけでなく、これから宇宙産業に乗り出そうとするスタートアップ、中小企業、大学なども幅広く手を挙げ、採択されるものとなる必要があると考えておりますが、支援対象としてどのような主体を念頭に置いているのでしょうか。お考えを伺いたいと思います。

1:08:01

千原研究開発局長

1:08:04

お答え申し上げます。先生ご指摘のとおり、本事業では、非宇宙分野を含みます多様な民間企業や大学等の宇宙分野への参画と連携を促し、宇宙空間へのアクセスを拡大することを狙いの一つとしております。今後、様々なテーマで公募されることになりますが、対象となる事業者及び研究者の範囲は、従来のJAXAプロジェクトの関係機関に閉じることなく、よりそのを広げていくものと考えております。また、テーマの性質に応じまして、大学等への研究開発支援を通じた参画連携や拠点化を促すことも考えており、これらにの取り組みを通じまして、技術開発やスピンオフ等を通じた大学発スタートアップの創出とイノベーションの拡大、また学生等の参画を通じまして、宇宙開発人材の育成といった更なるそのの拡大にも資する効果も期待をしております。

1:08:59

司会 下野六太君

1:09:02

(下野) ありがとうございます。非宇宙分野の企業が素晴らしい技術力を持っている可能性、それが大きな宇宙開発に役立つ可能性が十分考えられるかと思います。我が国の技術力が、そういった非宇宙分野で埋もれていないかどうかということについて、しっかりとそこをサーチライトで照らしていくかのように、しっかりと見ていく必要があるかと思っておりますので、引き続きどうかよろしくお願いしたいと思います。現状で構いませんが、対象となった民間事業者に対しましては、一件あたりいくらの女性額を予定しているのでしょうか。また、弱さの民間事業者、大学等に対する女性の年間の合計額はどのくらいの規模になるのでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。

1:09:57

司会 千原局長

1:09:59

お答え申し上げます。宇宙分野における技術課題は幅広く、技術的成熟度や市場の成熟度も様々であることから、支援対象となるテーマ等に応じて支援額を設定することとしております。支援テーマは、今後、内閣府を中心に関係府省が連携して策定します宇宙技術戦略を踏まえて設定予定でございますが、支援金額について、今般の補正予算案におきましては、テーマ1件あたり、年間数億円から十数億円、テーマ数は十数から数十といった規模感の支援を予定しております。

1:10:37

司会 下野六太君

1:10:41

本基金は、宇宙空間を利用した事業を目的として行われる先端的な研究開発等を支援するものとなっておりますが、宇宙分野の研究開発には、基礎研究から各分野で共通となる基盤的な研究開発、さらには商業化を目前としたその企業独自の技術開発まで様々な段階があるかと思います。そのような観点から、どういったフェーズにある研究開発が基金からの助成の対象となるのでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

1:11:19

司会 千原局長

1:11:20

お答え申し上げます。直前の御答弁で、私、テーマ1件あたり、年間数億円から十数億円と答えてしまいました。大変失礼いたしました。年間数億円から数十億円でございます。失礼いたしました。今の御質問に対してお答え申し上げます。本基金は、その目標として、宇宙関連市場の拡大、宇宙を利用した地球規模社会課題解決への貢献、宇宙における知能探求活動の進化、基盤技術力の強化を掲げてございます。そのため、本基金の支援対象となる技術は、宇宙空間での利活用や、宇宙空間を利用した事業展開、社会課題解決等を前提としておりますが、民間事業者や大学等が行う基礎研究、基盤的な研究開発、技術実証等を含めた幅広い技術開発を支援対象とすることとしております。

1:12:11

司会 下野六太君

1:12:14

宇宙空間を利用した事業やビジネスといいますと、富裕層を対象とした宇宙旅行といったものが一般的にはわかりやすいかと思います。しかし、大規模な基金を創設するからには、そういったごく限られた顧客だけではなく、国民全体にその効果が還元される必要があると考えます。我が党では、宇宙分野は災害対策、国土強靱化や地球規模課題の解決への貢献、イノベーションと経済成長の推進力となり得ると考えております。今般の基金で先端的な宇宙開発を行う民間事業者等を支援することにどのような意義があって、国民にどういった形で恩恵をもたらすのか、政府のお考えを伺いたいと思います。また、こうした情報を政府が国民にわかりやすく発信する必要があると思いますけれども、この点も併せて見解を伺いたいと思います。

1:13:23

司会 中原局長

1:13:25

お答え申し上げます。宇宙開発利用で得られました技術は、これまでにも人工衛星による気象観測や災害監視、通信ウンフラ等のほか、ロケットで使用される断熱材技術が地上建築物に適用されたり、宇宙飛行士を衝撃から守るための低反発素材が枕やマットレスに活用されるなど、様々な形で恩恵をもたらしてまいりました。今後、本事業を通じて先端的な宇宙開発を行う民間事業者等を支援することによりまして、宇宙関連市場の拡足による経済活動の活性化、宇宙技術による課題解決やイノベーションの加速、宇宙旅行や月面開発等人類の活動領域の拡大などに関する新しい成果の創出が期待されると考えております。また、JAXAが産学館の結節点として機能し、非宇宙分野も含む多様な参画を得るためにも、宇宙開発の成果を一般の方にも分かりやすく発信することは極めて重要と考えておりまして、事業の目的や成果の発信に努め、宇宙開発への期待や意欲を一層高めてまいりたいと考えております。最後に、宇宙教育について伺いたいと思います。国際的に宇宙開発が活発化する中で、我が国も宇宙に関する技術力等を向上させていくことが求められていくと思います。そのためには、宇宙分野にフレッシュで意欲的な人材に参入し続けてもらう必要があると思います。さらに長期的視点で考えれば、子供の頃から宇宙の知識に触れ、宇宙への興味関心を持つことができる環境を作ることが大切だと思います。現在でもJAXAの宇宙飛行士や職員による学校での講演などが行われておりますが、より一層の教育普及活動の推進、科学館等における宇宙への興味関心を醸成するような企画など、様々なアプローチで子どもたちへの宇宙教育を行うことが重要になってくると思います。子どもたちが宇宙分野や宇宙に関する様々な科学技術分野への興味関心を持てるようにするための今後の取組について伺いたいと思います。

1:15:37

森山大臣

1:15:39

先生おっしゃるとおり、やはりまず関心を持ってもらうこと、宇宙面白になってもらうことが大事だと私も思います。宇宙分野の人材育成は今後の我が国の宇宙分野のさらなる発展のために重要であり、文部科学省及びJAXA等の関係機関において宇宙活動を支える人材基盤の強化に係る取組を進めております。JAXAでは、全国の小・中学校と連携した授業づくりや教員向けの研修、宇宙飛行士による講演など、児童生徒等に対して宇宙と触れ合う様々な学習機会の提供等に努めているところです。文部科学省では、大学等の理工系学生を対象に教育プログラムの開発や実践等を通じて、将来の宇宙航空分野に携わる人材の育成を行っております。また、今年度は、日本科学未来館において宇宙に関する特別展も開催したところであります。当省としては、引き続き、児童生徒の宇宙を含めた科学への興味・関心を高める取組を推進するとともに、我が国の宇宙開発を支える多様な人材の育成を図ってまいります。まず最初に、宇宙技術戦略についてご質問させていただきます。本年6月13日の閣議決定宇宙基本計画の中で、宇宙技術戦略に従って世界に致体することなく開発を着実に実施していく等の記載がありまして、やはり今回の基金の設置にあたっても、この宇宙技術戦略がどのようなものであるか、これがやはり根幹に位置づけられるものだと思っております。既に何回か説明を受けておりますけれども、この宇宙技術戦略の策定状況について、スケジュール、概要等をご説明ください。お答えいたします。本年6月に宇宙基本計画を改定いたしまして、我が国として開発を推進すべき技術とそのタイムラインを示す宇宙技術戦略を策定するということを盛り込んでございます。これを踏まえまして、既にこの宇宙技術戦略策定に向けた議論を開始しておりまして、宇宙政策委員会等における議論や関係する業界団体、アカデミア等などからヒアリングを行っておりまして、それを踏まえまして、年内に宇宙技術戦略の考え方というものを示しまして、さらに技術ロードマップを含む宇宙技術戦略そのものを、これを年度来の来年3月までに策定する予定としてございます。

1:18:31

金子道人君

1:18:33

ありがとうございます。具体的にどのようなものになるのかというのがまさにすごく興味があって、それをどのように今回の基金で支援していくのか、その絵が見えてくるのかなと思っております。文科省の方から資料をいくつかいただいたり、また報道等を見ますと、例えば小型衛星コンステレーションですか、低空で衛星を横に並べるような形でより詳細な情報を集めていくであったりとか、サブオービタル飛行、地球上のどこからどこまでも1時間で行ける、素晴らしいですね。そんなのができたら、総理の海外出張も非常に楽なんじゃないかと思いますけれども、安全性はどうなのか、本当に興味があります。また月面ローバーであったりとか、そういったことについて報道等でも出ておりますし、いただいている絵などを見ると、そのようなワクワクするような技術が散見される、そのような思いです。この宇宙技術戦略の中心となる支援の3分野、輸送、衛星等、また探査等、その3分野ありますけれども、それぞれの重点技術の想定内容、価値筋と先ほどから答弁で何度か出てきましたけれども、今この時点で具体的に、我が国が優位性を持つ技術の例示をお願いできますでしょうか。

1:19:51

渡辺審議官

1:19:54

お答えいたします。宇宙活動における熾烈な国際競争の中で、我が国は価値筋、今おっしゃられた価値筋を明らかにする必要があると考えてございます。現在、内閣府を中心に会計省庁と連携いたしまして、我が国が開発を推進すべき技術とタイムラインを示す宇宙技術戦略の策定に向けた検討を進めてございます。我が国といたしましては、例えば、早草Ⅱによるサンプルリターン技術でありますとか、世界で4番目に衛星打ち上げを成し遂げ、長年にわたりまして、H2ロケットなどをはじめとした機関ロケットの打ち上げ実績を積み上げてきております。そのほか、スタートアップを含む民間事業者による、先ほどご礼事いただいた衛星コンステレーションの構築、また月面輸送、小型ロケット、デブリ除去などの新たな取組が、今、国内にも始まっているところでございます。こうした日本の強みというものをベースにいたしまして、いかに価値筋をつくっていけるかということにつきまして、宇宙政策委員会などにおける専門的な議論、業界団体や学術界等のヒアリングも踏まえて、しっかりと価値を見極めて、宇宙技術戦略の策定を進めてまいりたい、このように考えてございます。

1:21:03

金子道人君。

1:21:05

ありがとうございます。我が国の価値筋にお金をつぎ込んでいって技術を上げていく。そこはいいと思うんですが、その進めていった技術が果たして儲かるものなのかどうか、つまり市場のニーズとマッチしているか、これが非常に重要だと思うんですね。先ほどの下野先生の答弁の中でも、宇宙関連市場が2030年代の早期に現在の4兆円から8兆円に拡大することを目標にしていくという答弁がありましたが、この4兆円から8兆円に増える具体的な内容、分野についてご説明ください。

1:21:42

渡辺審議官。

1:21:44

お答えいたします。本年6月に関係決定されました宇宙基本計画において、今ご指摘になったように、2020年に4兆円となっていた国内の宇宙産業の市場規模を2030年代の早期に、その2倍の8兆円に拡大するという目標を策定してございます。宇宙戦略機器におきましては、この宇宙基本計画に掲げる目標を他の施策と合わせて、より早期に実現することがその目標の一つとしてございます。この内訳に大きくロケットや人工衛星などの宇宙機器を開発する宇宙機器産業というものと、衛星放送や衛星観測などの衛星データと、そのデータを利用したサービスを含む宇宙ソリューション産業に分けることができます。宇宙機器産業におきましては、2020年にはおよそ3,500億円といったところを、2030年代早期にはおよそ6,000億円に拡大させるということが目標でございます。次に、宇宙ソリューション産業でございますけれども、これは2020年にはおよそ3.6兆円でありましたところ、2030年代早期にはおよそ6.5兆円に拡大させるということを目指しているところでございます。いずれにしましても、宇宙戦略基金を活用いたしまして、関係省庁と連携して、宇宙基本計画に掲げられた目標の達成というものに取り組んでまいりたい、このように考えてございます。金子道人君 ありがとうございます。宇宙機器産業、ロケットや人工衛星などの宇宙機器に関する産業が約2,500億円拡大する見込み、また宇宙ソリューション産業、衛星放射、衛星観測などの衛星データを使ったサービスに関するもの、これが非常に多くて、これから10年弱でですね、約3兆円延びるというような見通し、これが今、文科省が持っておられると思うんで、ごめんなさい、内閣が持っておられると思うんですが、この分野と今回、重点支援をしていく分野とはマッチしているんでしょうか。

1:23:44

金子審議官、失礼、渡辺審議官

1:23:48

お答えいたします。先ほど、申し上げておりますけれども、現在関係省庁と連携いたしまして、ワンクリの推進すべき技術をその方向で進めた宇宙技術戦略の策定を進めてございます。先生ご指摘のように、拡大する市場の動向を踏まえながら、適切な支援を行うことが非常に重要でございますので、そういった市場動向を踏まえて、この戦略を作成し、その内容を今後の宇宙戦略基金に、最大限に活用していきたいと、このようにしっかりと準備を進めていきたいと考えてございます。

1:24:24

金子道人君。

1:24:26

よろしくお願いします。貴重な、貴重な欠税を基金で入れていきますので、ぜひそれが産業の育成につながるように、ぜひそのあたりは、しっかり見守っていただければと思います。法案の条文について、いくつか質問させていただきたいと思います。お手元の法律案資料の新旧対策表を使いながら、説明させていただきたいと思いますが、18条の7項、今回のJAXAの業務の追加ということで、補助金を交付するという事業が今回追加されたと思います。新旧対策表の3ページ目ですけれども、補助金の対象を、Eとして、研究を行う、先端技術の研究開発を行う民間事業者、これがEで、ロの方は、それと共同して研究開発を行う大学等の研究機関ということで、E、ロと分けていますけれども、これ2つに分ける理由って何なんでしょうか。

1:25:27

千原局長

1:25:29

お答え申し上げます。今般JAXAの業務として、新たに規定します第18条第7号の女性業務は、宇宙分野の研究開発や事業化は不確実性が高く、民間市場では十分な資金獲得が難しい状況にありますことから、民間事業者等が自らの事業化のために行う研究開発を支援するため、新たに規定するものでございます。その際、産学連携や大学発ベンチャーといった道筋があることから、民間事業者が研究開発を大学等の研究機関と共同して行うことも想定し、民間事業者等と合わせて大学その他の研究機関に対しても支援を行うことができることを規定することといたしました。なお、条文上の読みやすさの観点等の技術的理由から、意図・労を一文とせず対象となる者を書き分けてございます。

1:26:24

金子道人君

1:26:26

法技術的な問題ということで、特に深い理由はないということでよろしいです。そのように理解します。できるだけ法文はわかりやすくシンプルな方がいいと思いますので、大学研究者と民間に補助金を出すというふうにされた方がいいんじゃないかと個人的には思いました。その既存の条文の第18条2項の中に、基礎的研究開発を行う、これがJAXAの事業として入っていて、ここからもう業務委託が既になされているわけですけれども、業務委託でどうして足りないんでしょうか。業務委託制度があるのであれば、今回の基金による補助を行う必要性はどこにあるんでしょうか。

1:27:07

千原局長

1:27:09

お答え申し上げます。これまでJAXAが運営費交付金において実施してまいりました委託研究は、主にJAXA自らのプロジェクト等を進めるために必要な研究開発の一部について、他の機関に委託して実施することにより、効率的に成果を得ることを目的とするものでございます。一方、今般の法改正で基金により行う助成業務につきましては、民間事業者等が自らの事業家のために行う研究開発を支援するため、新たに規定をさせていただくこととしたものでございます。

1:27:42

金子道仁君

1:27:44

次の5ページ目の21条のところで、今回この補助金を交付するために21条で基金を設置するという形をとっています。18条の7項が、今回ここに入ってくるのはわかるんですけれども、どうしてここに18条の2項、つまり既存の業務委託をわざわざここに入れたんでしょうか。

1:28:05

千原局長

1:28:07

お答え申し上げます。今般の法改正で基金により行う助成業務につきましては、民間事業者が自らの事業家のために行う研究開発を支援するため、新たに規定したものでございます。一方、基礎研究段階や基盤領域に係る研究開発におきましては、実用化までには一定の時間を要請しますことから、直ちに民間事業者等が自ら事業家を検討する段階等にはないものの、将来的に宇宙空間を利用した民間事業にも活用が見込まれ、宇宙開発に係る我が国の技術開発力の底上げにつながることが期待されるテーマも想定されるところでございます。このようなテーマにつきましても、我が国が開発を進めるべき技術を見極めた上で、強力に推進することとしており、今般の法改正では、基金により行う業務として、これらの基礎研究や基盤的研究開発を委託により支援することもできるというふうにしたものでございます。

1:29:09

金子道仁君。

1:29:10

基金の設置というのは、先端的な技術、我が国の価値筋を強めていくという、先ほどからの答弁に対して、今度は基礎的な研究に関しても基金をするという、基金を何のためにするのかという目標が曖昧になっているように思うんですが、その点はいかがでしょうか。

1:29:26

千原局長。

1:29:28

お答え申し上げます。まず繰り返しになって恐縮でございますが、基礎的研究段階や基盤的研究開発、これは実用化までには一定の時間を要しますので、直ちに事業化を検討する段階にはございませんが、将来的に宇宙空間を利用した民間事業での活用が見込まれるものでございますから、このところについても新たに支援を追加させていただきたいというものでございます。また、この委託の場合はJAXA自らが行うもの、こちらの基金によるものは大学等、そういったところが自らやるところが基本ということでございます。

1:30:04

金子道人君。

1:30:06

やはりちょっと説明を聞いても、少しどこにこの資金を集中して投下するのか、先端技術なのか基本的な技術なのか、そのあたりが曖昧になっているとかすごく懸念があるところですので、そのあたりしっかり確認をしていきたいと思います。あと少しになりましたので、最後、基金について、総額1兆円を目指すとした積算の根拠についてご説明いただけますか。

1:30:28

渡辺審議官。

1:30:32

お答えいたします。宇宙戦略基金につきましては、経済対策において10年で1兆円を目指すということになっておりますけれども、このうち今般の補正予算案につきましては、今後10年で技術開発に取り組むことが想定されるテーマの中で、まずは早急に着手すべきテーマにつきまして、当面の事業開始に必要な経費として3000億円が計上されているということでございます。その上でこの3000億円の内訳といたしまして、各省庁におきましては、民間企業や大学などからヒアリングを行った上で早急に着手すべきテーマ、例えば文部科学省におきましては、大学などの最先端技術を活用した衛星宇宙輸送に係る革新的な要素技術開発、また民間企業等による地球低軌道利用や月面探査に係る要素技術開発、経済産業省におきましては、商業衛星コンセレーションの構築の加速化、また民間ロケットの輸送能力の強化、総務省におきましては、衛星通信における暗号技術の開発や実証などといった今回の計上額3000億円の根拠となる想定テーマの積み上げを行っているところでございます。

1:31:47

金子道人君

1:31:49

ありがとうございます。今回の基金に関しては10年間の期限を閣議の中で表明されていますけれども、今回の3000億円いつまで使い切る予定か大臣の方からお説明ください。

1:32:02

森山大臣

1:32:04

今般の宇宙戦略基金事業に関して、令和5年度補正予算案においては早急に着手すべきテーマについて当面の事業開始に必要な経費を計上しているところであり、当該経費による研究開発支援は令和15年度をもって終了する予定としております。

1:32:26

金子道人君

1:32:28

ありがとうございました。10年後補助金がなくても国際市場で勝ち残るそのような民間企業を是非育成していただきたいと思います。以上です。

1:32:46

伊藤貴之君

1:32:48

世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げから66年、今ではスペースXの民間宇宙船クルードラゴンがあり、毎週のように通信衛星スターリンクの打ち上げが行われています。内閣府によれば2022年のロケット打ち上げ成功数1位はアメリカの84回で、うち61回はスペースXです。このスペースX回進撃の理由は、今まで使い切り、使い捨てロケットではなく、機体が打ち上げ後に自力で地上に戻ってくる再利用型を実現して、高精度、高頻度で打ち上げを実現したところにあります。21世紀の宇宙活動というのは、国家主導ではなく、すでに認識化をされているという部分で、本改正案、宇宙政策にようやく国がコミットしていく。宇宙産業を我が国の成長産業としていくという政府の意気込みは感じるんですが、これ肝心の霞が関の体制、人材の確保育成、どのように省庁間連携をとっていくのかというところで大臣に伺いたいというふうに思うんですね。予算化しているのは、例えば内閣府、総務省、文科省、経産省等々、それだけではなくて、先ほど水野委員の指摘にもありましたけれども、防衛省とか内庁とか、さらに言えば国家安全保障局国交省に至るまで、企業や産業の競争力を強化する観点というのと、安全保障や防災における活用の必要性というのを整理して、マトリックス図を書いて然るべしだというふうに思いますが、大臣いかがでしょうか。

1:34:22

森山大臣。

1:34:25

今、先生おっしゃったとおり、宇宙の技術ですかね、宇宙の開発というか、宇宙の産業と言ってもいいんですけど、どんどんどんどん変わりつつあるところでございます。先生おっしゃったとおり、今、アメリカのロケットの打ち上げが、スペースXの方が数が多くなっている。そうはおっしゃいますけど、やっぱりそのベースには多分NASAが、いろいろこれまで積み上げてきたものがある。そういうようなことじゃないかと思いますけど、日本におきましても、宇宙に関しましては、まずは内閣府が中心になるわけでございますけれども、内閣府を中心にして、文科省も含んで関係各省が協力をしながら、計画を立てる、プロジェクトを計画していくということではないかと思います。そして、そんな中で内閣府を中心に、我々各省ともに、どのような組織、法制度、こういったものを作っていくか、ということを現在も検討しながら、走りながら考え、考えながら走っている、こういうことではないかと思います。

1:35:37

伊藤貴之君。

1:35:38

大臣、協力しながら計画を立てていく、というふうにおっしゃいましたけれども、計画を立てている形跡がないんですね。どこがどのような、予算をね、今までは一生懸命おのおの取ってきたんでしょう。それをどのように活用し合うのか、どこが連携するとどんな事業が生まれるのか、等々のシナジーが全く生まれている形跡がないので、今ご質問したわけですけれども、大臣おっしゃるようにアメリカではNASAや政府機関のバックアップを受けて、スペースXのようなユニコーンというのが生まれております。日本国内の宇宙開発のスタートアップも85社あるそうなんですが、ユニコーンは現在ゼロです。当たり前ですけど、すぐにマネタイズが見込める分野ではありませんので、これリスクマネーが圧倒的に不足をします。そういう現状を鑑みれば、政府の資金的なバックアップとか資金調達をしやすくするための環境整備が必要で、今回の基金のような形や政府系金融機関の参画、民間のベンチャーキャピタルなどへの宇宙分野への支給供給の門戸を広げることにも全く異論はありませんし、先ほどワードが出ましたけど、アンカーテナンシーと呼ばれる、こういった政府の調達、幹事こそが宇宙産業を育てる上で欠かせない要素であるというのは、論を待たないわけです。にもかかわらず、先ほど宇宙ビジネスコンテストをしているというところで、ちょっとずっこけそうになったんですけども、これ外に対して宇宙ビジネスコンテストをするよりも、例えば防衛省とか国交省とか文化省も含めて、省庁の中でこの宇宙利用が拡大していくであろう分野、安全保障も防災も含めて、こういうこの宇宙企業が活躍できる市場を提供する仕組みをつくっていくこともまたこれ政府のミッションだと思うんです。なので省庁連携、全くしている形跡ございません。そんな中で省庁間でね、よっぽど宇宙ビジネスコンテストをやった方がいいと思うんですよ。大臣いかがでしょう。

1:37:36

森山大臣。

1:37:38

大変厳しいご指摘ではございますが、我々はですね、政府間でそれなりにちゃんと連携協議、検討を進めているわけでございまして、ですからこそ、宇宙基本法に基づく宇宙基本計画を今年の6月に改定をしました。宇宙安全保障の確保や国土強靭化、地球規模課題への対応とイノベーションの実現、宇宙科学、探査における新たな地球創造の産業の創造、宇宙活動を支える総合的基盤の強化という4つの目標と将来図を描き、これらの実行に当たっての横断的な仕組みとして宇宙技術戦略に基づく技術開発の強化、宇宙開発の中核機関たるJAXAの役割、機能の強化などを掲げ、関係各省で各種の取組を進めているところでございます。

1:38:40

伊藤貴昭君。

1:38:41

そのJAXAに何を求めるかっていうのを、ちゃんと言えってね、先ほど魂の質問ありましたけども、こういったJAXAに何を求めるか、基金を本当は外に作ってもらってJAXAも1プレイヤーとしてベンチャーと一緒にプロジェクトをしたいというような、そっちの方がいいんじゃないかという話、私たちにね、うちに作るならいいんだけども、ちゃんと人の支えしてくださいよ、私たちに見聞きというのができないというのはちゃんとわかっててくださいよ、よもや10年後責任を取らせるなんて言わないでよっていうようなね念押しがありましたけども、今大臣から法律、宇宙基本法のことありましたので、法整備の面からも伺ってまいりたいというふうに思うんですが、日本は国連で採択された宇宙5条約に、昭和42年当初から加盟をしております。翌年には宇宙開発委員会設置法立法しておりますし、現在も宇宙基本法や宇宙活動法、宇宙資源法、JAXA法など宇宙に関連する法案は実はいろいろあるんですけども、やっぱり日本はまだアメリカに比べたら30年、40年かもしれません、遅れをとっているというふうに言われています。具体的にですね、大臣、我が国のこの宇宙に関する法整備のどこに課題があるか、どういうふうに思われているか伺います。

1:39:55

渡辺審議官。

1:40:01

法制度についてのご質問がございますけれども、まず我が国にとっては、宇宙開発事業の基本理念を定める宇宙開発基本法をまず定めてございます。これに基づいて宇宙基本計画を策定いたしまして、宇宙開発事業の役割を総合的かつ計画的に推進しようということでございます。その上で法制度に関しましては、さらに内閣府におきまして、人工衛星等の打ち上げ及び人工衛星の管理に関する法律、そして衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律、そして宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律、この3つの法律を所管してございます。これらに基づきまして、我が国における人工衛星等の打ち上げ、またはリモートセンシング記録の適正な取扱い、宇宙資源の探査及び開発に関する活動に対しての審査を行っているところでございます。内閣府といたしましては、これらの我が国が宇宙活動を拡大していく中で、これらの法律に基づく運用も適切に行ってまいりたいと考えてございます。

1:41:04

伊藤貴昭君。

1:41:05

私もパーツパーツの法律整備していただいているというふうに思うんですけれども、もっとこれからいろいろ今、世界では宇宙開発の競争を激化しておりますよね。中国やロシアは進出を急いでおりますし、もちろんアメリカ、イギリス、軍事衛星や商業衛星の妨害工作を監視する仕組みを今整えていらっしゃる。欧州も宇宙産業育成に力を入れておりますし、月に着陸、成功したインドをはじめ新たなプレーヤーも参入も活発です。日本はどのようなポジションを取り、そのための法整備がどこが遅れているのか、人間が乗れないというのはどのように捉えるのかという法整備の部分と、一方で海外衛星顧客の受注ができないのは、例えば高圧ガスや危険物取扱いに関する法整備や規制緩和が遅れているわけであって、そういう課題感はないのか、そういう抜け漏れはないのかという観点で大臣にお伺いしております。

1:42:11

ただいま現在の法整備に不足している点について御指摘がございましたけれども、内閣府といたしましては、今まで適切に法整備を進めているというふうには思ってございますけれども、今後必要な法整備があるかないかについては、非常において見直しを行っていきたいと考えてございます。

1:42:28

伊藤貴昭君。

1:42:29

多分今の答弁では、未来を想像して先手先手で法整備をするというような体制にはないんですね。やっぱり内閣府を中心にですね、どういうふうにこの宇宙産業を我が国として育てていくのか、どういうふうにアンカーテナンシーと呼ばれる、一番コアです。これがベンチャーを育てていく、これ生命線です。そういう部分を担っていくのかというのは、大臣御関心持っていただきたいと思うんです。御答弁お願いします。

1:42:59

千原局長。

1:43:03

お答え申し上げます。先ほど内閣からも御答弁ございましたが、宇宙政策につきましては、宇宙基本計画に基づき、内閣総理大臣を本部長といたします宇宙開発戦略本部の下、内閣府宇宙開発戦略事務局をはじめとする関係府省と連携して一体となって、宇宙開発に関する政策を総合的かつ計画的に推進をしているところでございます。また政府調達につきましては、関係省庁と今回の基金のことも踏まえながら、よく検討してまいりたいというふうに存じます。

1:43:34

伊藤貴昭君。

1:43:35

やっぱりわからなかったですね。例えばですけども、先ほどやっぱりロケットの再利用化というのは、これも絶対条件なんだと思います。そのための着陸とか誘導制御等に関する研究というのは、開発もそうですけどもちろんしていかなきゃいけないですし、新型の機関ロケットとか輸送横型ロケットの開発も力を入れていきたいというような意思があるのであれば、そこに足りない法整備、そこに足りない資金やプレーヤーというのは、御答弁として出てくるというふうに思うんですね。この宇宙市場における日本の戦略というのが、今日の御答弁でも見えなかったというのは、復元させていただくとともにですね、モルガンスタンレンの予測では宇宙産業の世界市場、2040年に150兆円、2015年の3倍に増えるというふうにしています。内閣府も2017年に策定した宇宙産業ビジョン2030には、国内市場規模20年代の4兆円、30年代早期に倍の8兆円に目指すとされている。だとしたらやっぱりこういった全体像、回図を描いていただきたい。そのことをお願いいたしまして、質問を終わります。

1:44:43

答弁よろしいですか。

1:45:05

基本教授担当の木良 よし子です。本法案は、弱さの業務として宇宙空間を利用した事業を行おうとする民間事業者、共同研究開発を行う大学に助成金を交付する業務を追加して基金を設けるというものです。この宇宙開発なんですが、そもそも1969年5月9日の衆議院本会議では、我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議というのが挙げられ、その中で平和の目的に限ることとされていました。ところが、2008年に宇宙基本法で宇宙開発は我が国の安全保障に資するように行わなければならないとされ、2012年には弱さ法が解約され、気候の目的から平和の目的に限りという文言が削除されました。では今、どんな方針の下に宇宙開発しているのか。今年6月に閣議決定された宇宙基本計画、その冒頭には、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとして、安保三文書、国家安全保障戦略などに基づいて防衛力を抜本的に強化するためと記されているわけです。ここで大臣伺いますが、今回の基金による宇宙分野の民間事業者、大学などへの支援というのは、この政府の防衛力強化の一環であり、民間の宇宙技術を軍事利用するために行う支援や基金ということですか。

1:46:41

森山大臣。

1:46:43

今回の基金事業は、将来の成長分野として期待される宇宙分野の活動について、国家プロジェクトを中心とした従来の対応に加えて、新たに民間企業や大学等の主体的な研究開発を強力に推進することで、宇宙空間の利用を通じた我が国における経済、社会の変革を加速することを目的としております。具体的には、宇宙における関連市場の拡大、地球規模社会課題解決への貢献、知能探求活動の進化、基盤技術力の強化を目標に、大学や民間企業等が複数年度にわたって大胆な研究開発に取り組めるよう、三学館の結節線となる弱さに基金を造成した上で、戦略的かつ弾力的な資金供給を行うものです。したがって、今回の基金事業の目的が、民間の宇宙技術の軍事利用のために行うものであるとのご指摘については、当てはまらないものと考えております。木村義子君 また、当てはまらないはずがないわけなんです。今回の基金というのは、そもそもこの宇宙基本計画などに基づいて作られて、その宇宙基本計画で定められた宇宙技術戦略などに合わせて支援をしていくということなんですが、その根本になるのがこの宇宙基本計画なんですね。その中に、宇宙システムのデュアルユース性を踏まえて、これらの取り組みを全省庁的に推進するとともに、民間部門におけるイノベーションを迅速に活用するため官民による協力を強化する必要があると言っているわけで、宇宙システムのデュアルユース、つまり宇宙技術の軍事利用を推進するんだと、それを官民で連携、強化しながら活用していくんだ、それが根本にあるはずなわけですよ。つまり、基金の重要な目的の一つに、こうした民間の宇宙技術の軍事利用も入っている、含まれるということなんじゃないですか。

1:48:46

森山大臣。

1:48:48

その宇宙技術にデュアル性があるということはそうかもしれませんが、具体的な支援テーマについては、内閣府の下で策定する宇宙技術戦略を踏まえ検討していくこととなり、宇宙技術戦略の策定に向けては、世界の技術開発トレンド等を踏まえ、安全保障、民生分野、横断的に我が国が開発を進めるべき技術を見極めることとされています。したがって、本基金において、安全保障にも貢献するテーマはあり得ますが、安全保障それ自体を目的とする制度ではございません。

1:49:26

平吉子君。

1:49:28

デュアル性があると、安全保障にも貢献するものだということをお認めになりました。この宇宙基本計画には、国家防衛戦略においても、防衛力抜本的に強化するため衛星コンステレーション等による情報収集能力の整備などを強化することも求められているという記述もあるわけです。衛星による情報収集ということでは、1998年から導入された情報収集衛星というのがあるわけです。この情報収集衛星の目的、何のために導入されているのか、あわせて、この98年の導入以降、どれくらいの予算が累計で使われてきたのか、内閣お答えください。

1:50:07

内閣官房・内閣情報調査室 安田内閣衛星情報センター次長

1:50:14

お答えいたします。情報収集衛星は、外交、防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報を収集することを主な目的としております。また、情報収集衛星の導入が閣議決定されました平成10年度から令和5年度補正予算までに予算措置されました情報収集衛星関係経費の総額でございますが、1兆7761億円でございます。

1:50:47

木村よし子君

1:50:50

情報収集衛星ですね。先ほど目的というのは外交防衛、そして大規模災害等への対応等というお話でした。つまりここにも外交防衛、軍事の目的というのが出てくるわけです。ちなみにこれ、事前のレクでいただいた資料を見ると、特定地点を1日1回以上殺到するんだと。毎日のように殺到しているわけですね。大規模災害というのはそうは言っても毎日起きるわけではないわけですから、つまりその大半は外交防衛政策、軍事に利用されているということだと思うわけですが、その衛星に累計で1兆7000億円以上も使われたんだと。お配りした資料、毎年の予算の推移なんですけれども、10年前ぐらいまではだいたい600億円程度だったのが、この間は毎年補正予算で積み上げられて800億円ぐらい使われているようになっていると。今回、今年この補正予算でさらに275億円が計上されるので、今年度に見てみれば年間900億円もの予算が計上されると。大きく増えるわけなんですね。現在この情報収集衛星というのは4機体制で飛んでいるということなんですが、今度の宇宙基本計画に基づいて今後10機に倍以上に増やしていくんだと。つまり今後、今年は今年度は900億円で済んでいますけど、今後は年間1000億を超える予算もかかってくるということが想定されるわけですね。だから今回の基金を作るまでもなく、この宇宙安全保障防衛力強化にかかる事業の予算というのは、どんどん増え続けているということなんです。その上で今回の基金なわけです。本法案で創設される基金、補正予算では3000億円計上されています。今後先ほど来議論あるとおり10年間で1兆円と言われているわけですけれども、しかし法案を見ますと、そこには1兆円という金額もまた10年という年限も書かれてはないわけです。書かれてはおりません。大臣、この基金の事業というのは10年で確実に終わるのでしょうか。基金への国費投入1兆円を超えることはないのでしょうが、10年後以降も基金が継続され、国費投入もどんどん続いていくということが可能になるのではないですか。

1:53:06

森山大臣

1:53:08

宇宙戦略基金につきましては、今般の総合経済対策において、民間企業や大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、JAXAに10年間の宇宙戦略基金を設置し、本基金について、まずは当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額1兆円規模の支援を行うことを目指す旨が記載されております。これを踏まえ、今般の宇宙戦略基金事業に関して、令和5年度補正予算案においては、早急に着手すべきテーマについて当面の事業開始に必要な経費を計上しており、当該経費による研究開発支援は令和15年度をもって終了する予定としているところです。

1:54:03

平吉子君

1:54:05

令和15年で終了する予定と御答弁はされるわけですが、法案には書かれていないんですよね。つまり、理論上はですね、10年後、もう基金継続1兆円を超える更なる国費の投入も可能なんじゃないですか。違うんですか。

1:54:20

森山大臣

1:54:23

先ほど申しました、デフレ完全脱却のための総合経済対策、これは本年の11月2日に閣議決定したものでございますが、ここには宇宙についてはということで、ちょっと中略いたしますけれども、宇宙の弱さに10年間の宇宙戦略基金を設置、そのために必要な関連法案を早期に国会に提出する。本基金については、まず当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額1兆円規模の支援を行うことを目指すというふうに、以下ありますけれども書いてございまして、閣議決定を行った上で今進めているということでございます。

1:55:06

平吉子君

1:55:08

安保があるのは閣議決定だけなんですね。法案には何も書いていないということは変わらないわけです。政府は安保三文書に基づいて、軍事費43兆円確保するということになっているわけですが、今回の基金1兆円というのは、この43兆円とは別枠なわけですね。つまりすでに43兆円を超えて軍事のため防衛力強化のためにどんどんお金をかけてもいいよという動きが進んでいるということになるんじゃないのかと。防衛力の強化、軍事のため、安全保障のためといえば、簡単に補正で3千億円ポンと10年で1兆円予算が投入できるのかと、上限すら示さないのかと。一方、同じような基金と名がついていても、新型コロナウイルス感染症の影響によって困難に直面している文化芸術団体等の活動継続を支援するために設けられた文化芸術復興創造基金、これは国費は1円も入っておりません。民間の寄付だけで現在ようやく7,418万491円、1億円にも届かない状況なんですよ。今回の弱者の基金とはあまりにも規模も国の姿勢も違うんじゃないでしょうか。軍事のために何度も再現もなく予算を投入できる、そういう余裕があるんだったらむしろ文化を支援するとか、学校給食や高等教育無償化を目指すとか、そういう予算こそ緊急に国民の暮らしを支えるために増やすべきなのではないですか。大臣、最後いかがでしょう。

1:56:31

森山大臣。

1:56:32

繰り返しになりますけど、防衛のためにだけしているものではない、防衛にも資するものではあるかもしれませんけれども、我々としてはそういうものを目標としているものではないということを是非ご理解賜りたいと思います。それから先ほど閣議決定で根拠がありますということは申し上げた上で、これまでにも本委員会だけではなく、国会の答弁の中で10年間ということは明言しているところでもございます。そして、他のものとの分野で何をどれだけ配分をするのか、どのように緊急性、金融性があるのか、重要性があるのか、こういうことでございまして、宇宙の分野への投資を早急に拡大し、我が国の技術力の革新と底上げをしなければ将来にわたり宇宙インフラを海外に依存することとなり、我が国の宇宙活動の自立性が危ぶまれる恐れがあるということを我々懸念しているからこそ、このような補正予算案に継承したということをご理解賜りたいと思います。

1:57:44

平井良子子君。

1:57:45

いろいろおっしゃいましたけど、結局教育予算分解予算を増やすとはおっしゃらないわけですよね。やっぱり私は軍事防衛最優先の政府の姿勢を改めるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

1:58:18

船子康彦君。

1:58:19

令和新選組、船子康彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。本日は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案についての質疑ですが、その前に一点。在外教育施設における派遣教員の方への手当てについて質問いたします。今回の補正予算案で在外教育施設における一人一台端末を進めるとされています。それ自体は大切ですが、私が以前から本委員会で訴えている派遣教員の方への手当ての対策については予算化されていません。急激な円安が進行し、実質的な手当て減、負担増が続いています。今年の夏に外務省が外交官への手当てを外科で支給するという報道がありました。資料1をご覧ください。文科省も検討しているとお聞きしていますが、遅すぎるのではないでしょうか。海外で暮らす日本人の子どものために懸命に働いている方々を支えるため、これこそ緊急でやるべきことではありませんか。見解をお示しください。

1:59:58

森山文部科学大臣

2:00:02

委員の御指摘に関してですが、このような報道が出ているのは、この資料1だけではなくて、これだけ円安が進んでおりますので、外務省の方で今検討しているということは、私どもも承知しているところでございます。しかしながら、外交官の手当だけではありませんが、法律その他も含めて予算の措置が必要になるということで、来年度ということで、今、外務省の方で進めておられると承知しております。そして、我々文部科学省においては、在外教育施設に対する教師の派遣、そしてその派遣をされている教師に支給する財金手当について、外務公務員の財金手当の水準や支給方法を踏まえて設定しているところです。実際に現地の物価や為替相場の変動等の事情を勘案して、手当の額を適時改定しており、例えば、ニューヨークの財金基本手当については、派遣教師の経験年数にもよりますが、円安前の例は4年1月と比較して、1月あたり6万円から10万円程度増額しております。文部科学省としては、処遇の改善等を含め、引き続き、派遣教師が在外教育施設において活躍できる環境の整備に努めてまいるつもりです。速記を止めてください。

2:04:10

ふなごやすひこ君

2:04:13

代読いたします。このことこそ補正予算に入れることではないでしょうか。大臣、ご決断を。

2:04:21

森山大臣

2:04:24

先ほど申し上げましたように、派遣供支に支給する財金手当につきましては、外務公務員の財金手当の水準や支給方法を踏まえて設定しているところでございます。外務省において現在検討が進められているところでございますが、我々としましても関係省庁と協議しつつ、派遣供支の手当の在り方について検討いたしてまいります。

2:04:50

ふなごやすひこ君

2:05:02

私は、この1年間で遡って差額を支給するなどの緊急対応が必要だと考えております。命に関わる問題ですので、改めて早急な対応をお願いし、弱差法案について質問いたします。私は宇宙研究について強い関心を持っております。宇宙のさらなる解明につながってほしい、当中班としては考えております。しかし、残念ながらこの法案には懸念点が多数あると感じております。以下、質問いたします。今回の法案によりますと、合計3000億円の基金の使い道については、内閣府の宇宙政策委員会によって策定する宇宙技術戦略を踏まえて、内閣府主導で決定するとのことです。3000億円のうち、文科省が拒出するのは1500億円と聞いております。文科省としては、どのような分野に、どのような配分で資金を供給する狙いでしょうか。

2:06:26

現在、内閣府を中心として関係府省が連携して宇宙輸送・衛星・宇宙科学探査の3分野について技術開発の道筋を示す宇宙技術戦略の策定を進めておりますが、宇宙戦略基金では、本戦略で位置づけられた技術の中から、本基金事業で取り組むことが適切な技術等を抽出し、支援対象とするテーマを設定することとしております。対象とするテーマの設定は、宇宙技術戦略の策定を待つ必要がありますが、文部科学省では、例えば、新素材の適用拡大等による将来の民間宇宙輸送システムの低コスト化、高出力なレーザー技術を活用した革新的な衛星観測の実現、将来的な民間宇宙ステーションへの物資補給に係る市場の獲得などを想定テーマとして、今回の補正予算案の計上額の積み上げを行っております。今後、内閣府を始めとする関係府省や有識者等との議論を踏まえつつ、具体的なテーマの設定やテーマに応じた支援額、支援機関等の検討を進めてまいります。

2:07:42

ふなごやすひこ君

2:07:45

質問を続けます。先ほども申し上げた通り、宇宙戦略基金は内閣府主導で使い道を決められることになり、政府トップダウンで決められることになります。なぜ、このような仕組みにしたのでしょうか。このような仕組みにせず、文科省が独自に優先度を判断し、供給先を決めれば良いのではないでしょうか。この点についての見解をお示しください。

2:08:22

森山大臣

2:08:25

国際的な宇宙開発競争が激化している中、我が国がこれに誤していくためには、民間企業及び大学等が有する技術的優位性や市場動向等の分析に基づく価値筋や、宇宙活動の自立性確保の観点から必要となる技術を見極めつつ、産学官の総力を結集して対応していくことが重要です。このため、現在、宇宙開発利用に関する政策の総合調整を行う立場にある内閣府を中心に関係府省が連携し、我が国として推進すべき技術とその方向性を示す宇宙技術戦略の策定を進めています。本事業では、この戦略を踏まえつつ、支援対象とするテーマを設定することとしています。文部科学省としては、こうした宇宙技術戦略の策定や支援対象とするテーマの設定に加え、今後の事業の実施等に向けて、引き続き、研究開発の現場の意見も踏まえつつ、内閣府などの関係府省と密に連携して取り組んでまいります。

2:09:39

佐藤船壕康彦君

2:09:44

質問を続けます。現在、世界各国で民間企業が様々な形で宇宙ビジネスに力を入れていることは認識しております。従来の幹事から民事に移行しているとも聞きます。そうした流れの中で、日本においても、新しい分野に国が率先して注力すること自体は否定しません。しかし、民間が実施する宇宙ビジネスはあくまでビジネスです。そこにあるのは利益追求です。儲かることを優先する分野にばかり、公的資金を注ぎ込むことが妥当であるとは思えません。国としては、なかなか利益がすぐに出にくい基礎科学の分野に特化して取り組むことが妥当なのではないでしょうか。理順ばかりを優先した結果になることを最も懸念しています。この点について、文科省の見解をお聞かせください。本基金は、その目標として、宇宙関連市場の拡大のみならず、宇宙を利用した地球規模社会課題解決への貢献、そして宇宙における知能・探究活動の進化、基盤技術力の強化を掲げているところです。宇宙分野の研究開発や事業化は不確実性が高く、技術開発の初期段階では、民間市場での十分な資金獲得が難しい状況にあることから、欧米の宇宙開発機関においても、民間企業等が行う研究開発を公的な資金供給によって支えるとともに、シーズ研究を担う大学等への資金供給も併せて行っているところです。文部科学省としては、本基金事業を通じた将来の技術革新や大学発スタートアップ等につながり得る息の長い基礎研究や基盤的研究開発への支援に加え、JAXAの運営非交付金によるJAXA自身の先端基盤技術開発能力の拡充・強化にもしっかり取り組んでまいります。

2:12:08

舟子 康彦君

2:12:11

基礎研究や基盤的研究開発、それを支える人材こそ重要です。文部科学省は、この点を大切にしていただきたく存じます。儲かる分野ばかりではなく、このことを申し上げ、質問を終わります。

2:12:39

他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。これより、討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。

2:12:52

水野本子君

2:12:54

立憲民主社民の水野本子です。私は、海派を代表し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論いたします。私は、昨年7月まで、ザクサで約28年働いておりました。宇宙開発事業の歴史を振り返ると、日本では戦後、私の地元神奈川の相模原宇宙科学研究所のロケット開発で始まり、世界で4番目に国産の技術で人工衛星とロケットに成功する偉業を達成いたしました。一方で、産業化を目指す宇宙開発事業団も設立され、機関統合によりザクサとなりました。2008年の宇宙基本法により、国の宇宙開発事業の利用の目的として、安全保障を含む実利用が明確化され、2016年の宇宙活動法により宇宙ビジネスの許認化制度がスタートし、宇宙ビジネスが飛躍的に広がりました。私は宇宙法施策検討やベンチャー支援の実務に携わってきた経験から、また宇宙が今や世界的に大変重要な戦略領域でもあるため、国が資金を投入して宇宙産業を促進することは意義があると思っています。また宇宙ベンチャーがザクサなどから、特に技術面での支援を必要としていることも理解しています。一方で、ザクサの本来業務である研究開発が世界から残念ながら遅れつつあり、最近失敗が続いていることも心配しています。そして世界をリードする研究開発に邁進するよりも、政府や企業などを支援する、いわばお手伝い業務が増えており、一方で、人員、特に経験ある技術者は限られており、本来業務である研究開発の現場を圧迫していることを心配しています。また、ザクサには基金運用や事業性評価の知見は乏しいため、総額1兆円にも上る基金の運用を適正に行えるのか、ザクサに行わせることは合理的なのか、逆に言えば1000に3つも当たれば成功とも言われる失敗リスクの高い投資業務を、税金を原資とし厳しい説明責任が求められる業務として、投資に不慣れなザクサが担当することが、ザクサの将来のためになるのかも心配です。そもそも、立憲民主党として、基金という制度、また補正予算であることについても課題を提示しています。宇宙開発やベンチャー振興は、単年度で終了することが難しいため、基金という形式を取ることに一定の合理性はありますが、求民基金の問題など、国全体として基金の見直しが行われようとしています。また、本基金の運営・公募の詳細は、これから策定という状況では、財政法第29条により、金融性を前提とする補正予算の趣旨には合致していないため、このタイミングで法改正を行う必然性はありません。以上のことから、本法案には反対し、私の討論といたします。ご静聴ありがとうございました。

2:15:59

平吉子君

2:16:01

私は日本共産党を代表し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法一部改正案への反対の討論を行います。本法案は、JAXAの業務として、宇宙科学技術に関する先端的な研究開発の成果を活用し、宇宙空間を利用した事業を行おうとする民間事業者、当該民間事業者と共同研究開発を行う大学や研究機関が実施する先端的な研究開発に対して、必要な資金を充てるための助成金の交付に関する業務を追加するとともに、10年後に1兆円規模となる基金を設けようとするものです。そもそも、宇宙開発について、1969年5月9日の衆議院本会議で、我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議が挙げられ、この中で「平和の目的に限る」こととされていました。ところが、2008年に制定した宇宙基本法で「我が国の安全保障に資するよう行わなければならない」とされ、2012年には「弱さ法が改悪され、貴公の目的から平和の目的に限り」という文言が削除されました。こうしたもとで、国家安全保障戦略及びそれに基づく宇宙基本計画の中で、民間の宇宙技術を軍事のために活用し、宇宙産業を発展促進することが目指されるとともに、宇宙安全保障構想では、政府が安全保障上重要な技術開発を行う企業を支援する協力形態を拡大し、民間イノベーションも含めた民間主導の開発を促していくと述べています。つまり、本法案による基金による民間支援は、民間の宇宙技術の防衛への活用という政府の宇宙安全保障政策と既往逸にするものであり、その支援を弱さに担わせようとするもので、到底賛成できません。政府防衛省がニーズを示し、デュアルユースの名で軍事研究をさせるやり方は、憲法の平和主義とは相入れない上に、学問研究の発展を阻害するものです。非軍事の下で、研究者が自由に研究できる環境の整備、支援こそが重要であることを指摘し、討論を終わります。

2:18:15

佐藤船子 康彦君

2:18:26

私は、令和新選組を代表し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法案に反対する討論を行います。本法案は弱さに宇宙戦略基金を設け、先端的な研究開発を行う民間事業者や大学に対し、資金を交付するというものです。文科省から1500億円を拒出するなど、合計3000億円規模になるとのことです。先端研究の分野に国が資金を出すこと自体は否定しません。しかし、どのような分野、企業、大学に資金を出すのは現時点では全く分かりません。選定の方向性は今後、内閣府主導で設定されるとのことです。これは政府にとって都合の良い分野、事業を選びやすくする上、複数年度にわたって行える基金を用いることで使い道のチェックもしづらく、非常に恣意的な運用がしやすいと言えます。基礎研究や基盤的研究開発、それを支える人材こそ、大切にするべきなのです。この宇宙戦略基金という政策が、それに資するとは思えません。宇宙ビジネスが世界的に拡大する中で、儲かる分野にばかり注力しようとする政府の姿勢は容認できません。以上の理由から、本法案には断固として反対し、討論を終わります。他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。これより採決に入ります。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案に、賛成の方の挙手を願います。多数と認めます。よって法案は、多数をもって原案通り、可決すべきものと決定いたしました。この際、蓮舫君から発言を求められておりますので、これを許します。

2:21:02

蓮舫君。

2:21:04

私は、ただいま可決されました国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主社民、公明党、日本維新の会、及び国民民主党新緑部会の各派共同提案による不対決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法の一部を改正する法律案に対する不対決議。政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。国際的な宇宙開発競争環境が厳しくなる中、我が国における宇宙分野の研究開発能力、技術力の強化を図るため、当該研究開発に対する更なる支援策を講ずるとともに、研究開発の基礎となる優れた人材の育成、確保のために必要な施策を講ずること。2、今般新たに創設される基金については、多額の国費を中心とした複数年度にわたる支援であることを踏まえ、その助成対象となる民間事業者等の選定に当たっては、公正かつ厳正な審査体制を整備するとともに、審査に当たる組織、審査基準等を公表するなど、透明性の確保に努めること。3、今般新たに創設される基金の定量的な成果目標を速やかに定め、成果を検証できる体制を整えるとともに、検証結果を公表すること。また、基金から助成を受け実施された民間事業者等における研究開発についても、適時適切に評価・検証を行い、その結果を公表すること。4、補正予算において基金の増生・積み増しを行う際には、金融性の要件を満たした上で、目標や終了時期、管理費など基金運営の詳細を明示することとし、残高が過剰となった場合には、余剰分について刻々に返納すること。5、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構においては、創設される基金が国民負担によって増生されていることを踏まえ、基金におけるランニングコストの削減に努め、当該基金の適切な管理及び有効化するようによる成果の最大化を図ること。また、政府及び機構は、宇宙分野の研究開発の意義や成果に係る情報発信を積極的に行い、その推進について国民からの幅広い理解を得るよう努めること。6、機構に基金による助成業務を新たに追加するに当たっては、これまでの業務に支障を来すことなく、新たな業務が円滑に運営されるよう、その人員、予算等について十分な支援策を講ずること。に疑、決議する。以上でございます。何卒、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。ただいま蓮舫君から提出されました、附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。多数と認めます。よって蓮舫君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。ただいまの決議に対し、森山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。

2:24:05

森山文部科学大臣。

2:24:07

ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして、対処してまいりたいと存じます。なお審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一人願いたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議ないと認め、採用を決定いたします。本日はこれにて散会いたします。

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