PolityLink

このサイトについて

衆議院 文部科学委員会

2023年11月17日(金)

0h16m

【公式サイト】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54779

【発言者】

田野瀬太道(文部科学委員長)

梅谷守(立憲民主党・無所属)

宮本岳志(日本共産党)

白石洋一(立憲民主党・無所属)

19:50

これより、会議を開きます。内閣提出、国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対する質疑は、去る15日に終局いたしております。これより、討論に入ります。討論の申出がありますので、順次これを許します。

20:14

委員長 梅谷守君。梅谷 委員長。委員長 梅谷君。

20:19

立憲民主党、無所属の梅谷守です。会派を代表し、国立大学法人法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。冒頭、先週の法案指摘名において、議事の強行が行われたことに、強く意図を示しました。教育を扱う文部科学委員会において、合意を得ない議事の指向は、子どもたちに、「いざとなれば反対派は切り捨てればよい」という考え方を示すことになりかねないと申し上げます。本法案には、現場から大学の在り方が根本から崩されかねないと、強く懸念が示されています。運用によっては、政府の統治が強まり、議事の立場から議論を始めることができないと、政府の統治が強まり、大学の自治や学問の自由が脅かされかねない、民主主義国家として重大な問題をはらんでいる。それがこの法案です。にもかかわらず、参考人質疑では、参考人の方4人そろって、法案の内容を知ったのは、最近との答弁がありました。大学の関係者に対してすら周知をされておらず、現場の声を全く聞いていないと言わざるを得ません。ただ、最も重大な問題をはらむ運営方針会議の設置に関しては、大学ファンドからの支援を受ける国際卓越研究大学に限定した議論であったはずが、突然、特定国立大学法人全般に広げられました。大学ガバナンスにおける、かかる課題にもかかわらず、中共心での議論はなく、大学関係者にとっても、私たちにとっても、根耳に水のふい打ちであって、立法事実も検討の経緯も明らかになっておりません。運営方針委員に文部科学大臣の承認を必要とすることは、日本学術会議会員の任命拒否問題と同様、学問の自由に対する、政権による不当な介入の懸念が付きまといます。文部科学大臣による承認という手続きは、内閣総理大臣の任命という学術会議以上に介入を容易にしかねません。質疑では、学術会議任命拒否の理由について、人事のことでお答えできないという答弁が繰り返されました。このような理由が明らかでない介入が、大学に対し行われることを強く懸念せざるを得ません。審議時間も問題です。これだけ重大な課題のある法案は、しっかりと時間をかけて、丁寧かつ慎重な審議を積み重ねるべきです。ところが、平成二十六年の改正審議では、十一時間十五分の質問時間が確保されたのに対し、今回の野党時間はたったの五時間だけ。重要な懸念は未だ解消されておらず、審議時間は全く不十分だと言わざるを得ません。本法案は内容が生贄であるだけでなく、ガバナンス改革の名を借りて大学の自治を壊し、研究・教育を萎縮せしめかねない危険をもはらんでいます。審議を尽くさず、本法案をこのまま成立させることは、我が国における学問の自由の歴史に、学術会議の任命拒否問題と並ぶ汚点を残すものです。多くの国民もそう思うのではないでしょうか。委員長、質疑終局を撤回し、質疑を再開されることを強く望むとともに、大学の自治を脅かし、民主主義の土台を軋ませる本法案に強く反対し、討論を私の討論といたします。

24:06

次に宮本岳志君。宮本君。

24:09

私は日本共産党を代表し、国立大学法人法一部改正案への反対の討論を行います。私は最後まで質疑終局に反対をいたしました。このような形で採決されることに、強く抗議をいたします。本法案は、国立大学法人のうち、政府が政令で指定する大規模な法人に、新たな運営方針会議の設置を義務づけるものです。運営方針会議は、大学の中期目標、中期計画及び予算決算など、大学運営の主要方針を決定し、学長の選考基準などに意見を述べることができる権限を持ち、会議の決定どおりに運営が行われていない場合、学長に改善措置を要求する権限まで与えられています。まさに大学の最高意思決定機関に他なりません。法案では、運営方針委員を文部科学大臣の承認を経て、学長が任命すると定めています。こうしたことは、大学の人事に国家権力が介入する根拠を与えるものであるとともに、大学の教職員の意思とは無関係に、大学運営の主要方針を決定する大きな権限を運営方針会議に与えるものであり、大学の自治の根幹を脅かすものとして、到底認めることはできません。そもそも大学の自治は、戦前の国家権力による学問の自由への侵害への反省から、憲法23条に学問の自由が明記されたものであり、学問の自由を保障するためには、大学の構成員が大学運営に参加する民主的仕組みとして、大学の自治が不可欠です。この間、歴代自民党政府の下で、大学の自治への介入が繰り返されてきましたが、大学運営から教職員を徹底的に排除し、国家権力の介入を容認する今回の運営方針会議の設置は、制度的に大学の自治を掘り崩し、学問の自由を大きく侵害するものであり、断じて容認できません。運営方針会議の設置について、国際特別研究大学法の審議の際、その他の国立大学法人には適用しないと答弁したにもかかわらず、認定を受けていない大学にも運営方針会議を設置させることとされており、その理由や検討過程が全く明らかではありません。しかも、政令で指定されていない大学であっても、大学が希望すれば任意で設置することを認めています。これらは国際特別研究大学を足掛かりに、運営方針会議設置を拡大しようとするものです。本改悪案は、研究費を外部から獲得できず、高コスト、非効率とされる学問分野を切り捨て、稼ぐためにはデュアルユースの名で軍事研究さえ厭わない大学づくり、政府財界が求める大学づくりを、学内の教職員の意向も無視して進めていく体制を構築しようとするものにほかなりません。大学から学問の自由と大学の自治を奪い、トップダウンで学問分野の再編等他を進めるやり方では、研究力の低下は防ぎようもないことを指摘し、討論を終わります。これにて討論は終局いたしました。これより、採決に入ります。内閣提出国立大学法人法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって本案は原案のとおり、可決すべきものと決しました。ただいま議決いたしました本案に対し、山田憲次君ほか4名から、自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属、日本維新の会、公明党及び国民民主党無所属クラブの5派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者から趣旨の説明を求めます。

28:17

白石洋一君。

28:19

私は提出者を代表いたしまして、本動議についてご説明申し上げます。案文を朗読して説明に返させていただきます。国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案。政府及び関係者は本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。1、特定国立大学法人の指定については、恣意的な運用を防ぐため、理事の員数以外に指標となる客観的具体的基準を設定した上で、公正性、透明性を確保するため、その指定に至る過程を公開すること。2、新設される運営方針会議について、学長選考観察会議や経営協議会などの既存の組織との役割の違いを明確にし、現場に混乱を生じさせることなく、国立大学の競争力強化に資するガバナンス体制となるよう、制度の周知徹底を図ること。3、運営方針会議の審議事項が、大学における教育・研究の内容や方法などのマイクロマネジメントに渡ることがないよう運用すること。また、教育・研究分野の開配など、組織の再編に関わる審議に当たっては、現場の教職員や学生等の意見を十分に反映させるよう努めること。4、運営方針会議が国立大学法人の運営に関する重要事項を決定する権限を有する組織であることを踏まえ、運営方針委員の選定において、ジェンダーバランスをはじめとする委員の構成の多様性に留意し、その選定過程の透明性・公正性が担保される専任の在り方について検討を行うこと。また、政府職員の新たな天下り先とならないよう留意すること。5、運営方針委員の任命に係る文部科学大臣の承認に当たっては、これまでと同様、大学の自治を尊重するための制度的担保の重要性に鑑み、当該国立大学法人からの申出に基づいたものについて承認することとし、例えば、過去に政府の意に沿わない言動があったもの等について、言論活動や思想・心情を理由に恣意的に承認を拒否することのないよう、大学の自立性に十分に留意すること。万一、承認を拒否する場合には、その理由について丁寧に説明を行うよう努めること。6、運営方針委員及び学長が忠実義務や損害賠償責任を負っていることの趣旨を周知すること。7、長期借入金等の対象拡大及び土地等の貸付の規制緩和については、大学の規模、立地信用力の違いによって国立大学法人間での資金面における格差が必要以上に広がることがないよう十分に留意すること。また、土地の貸付については不適切な利用による土地の占有が長期化しないこと、大学における輸出管理体制を整備していることを文部科学大臣の認可の際に確認すること。8、国立大学法人に準特定その他の大学等、新たな区分が創設されることによって国立大学法人間の分断を生じさせないこと。9、国立大学法人全体の自主性、自立性のさらなる向上及び競争力強化を図る観点から、国立大学法人の運営に必要な財源の確保については本法で措置されることとなる。資金調達方法の拡大等のための規制緩和にとどまることなく、さらなる収益力の強化に積極的に取り組むこと。また、大学等の教育機関への寄附を促進するため、寄附文化の醸成を図ることとともに、税制の見直し等の環境整備を行うこと。10、高等教育の果たす役割の重要性に鑑み、大学ファンドによる国際卓越研究大学に対する助成のみならず、基礎研究をおろそかにすることのないよう、これまで措置されてきた国立大学法人運営費交付金等の基盤的経費が確実に措置されることとともに、競争的研究費を含む大学への資金が十分に確保されるよう、引き続き大学の長期的安定的な運営及び研究基盤構築のための財政措置を講ずること。11、国際卓越研究大学の目的である世界最高水準の研究大学の実現を図るため、明確な数値目標を設定することなど、我が国の大学における国際協働力強化及びイノベーション創出に向けたビジョンの明確化・可視化を図ること。12、我が国の研究力の強化を図る観点から、研究人材の育成を図る取組を促進すること。特に、研究人材の門戸を広げるため、高等学校段階において文系・理系の選択が迫られる現状を改善し、分離・融合に向けた総合的な教育課程の編成の支援に努めること。13、地方創生の観点から大学の地域間隔差を考慮することを前提に、世界的・地域的な課題解決や最先端研究・イノベーションが起こる多様な大学を支援し、高等教育全体の規模の適正化を図ること。以上であります。何卒御賛同くださいますようお願い申し上げます。これにて趣旨の説明は終わりました。採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって本案に対し、不対決議を付することに決しました。

35:34

この際、ただいまの不対決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

35:41

森山文部科学大臣。

35:45

ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして、対処してまいりたいと存じます。お諮りいたします。ただいま決議いたしました、本法律案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一人願いたいと存じますが、御異議ありませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。次回は広報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました

0:00

-0:00