1:10
ただいまから農林水産委員会を開会いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。農林水産に関する調査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官和田香織君ほか14名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないと認め、裁を決定いたします。農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言をお願いします。
1:43
おはようございます。住民自治党の鎮道金彦でございます。この質問の機会をいただきまして、委員長、理事閣議、また、先輩同僚の議員の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。早速、先日お聞きしました、宮下農林水産大臣の初心的ご挨拶に対しまして、質問したいと思います。まず、食糧農業農村基本法改正に関して質問いたします。宮下大臣は、初心の中で、食糧農業農村基本法の改正が必要な背景を述べられましたけれども、農業生産現場の実情や今後の情勢を見通して、今までの延長線では何が対応困難で、それを具体的にどのように変えていくおつもりなのか、食糧農業農村基本法改正にあたっての宮下大臣の決意をお聞かせ願いたいと思います。
2:35
お答えいたします。基本法につきましては、本年6月に策定いたしました、食糧農業農村政策の新たな展開方向、また、9月に食糧農業農村政策審議会で取りまとめられました最終答申を踏まえまして、3つの視点から見直しを進めているところでございます。1点目は、平時からの食糧安全保障の確立でございます。気候変動による生産の不安定化、また世界的な人口増加に伴う食糧争奪の激化など、世界の食糧需給をめぐる環境が大きく変化する中で、不足の事態が生じないように、平時から食糧の確保に向けた対応を強化していかなければなりません。また、近年顕在化しております食品アクセス問題も踏まえまして、国民お一人お一人の食糧安全保障の確保にも対応してまいりたいと考えております。2点目は、環境等に配慮した持続可能な農業食品産業への転換であります。地球温暖化、生物多様性等への国際的な関心が高まる中、農業、食品産業についても環境との調和を図ってまいります。3点目は、人口減少下でも持続可能で、強固な食糧供給基盤の確立であります。国内人口が減少局面に転じて、生産者の休減が見込まれる中、農業農村に関わりのある人口を一人でも多く確保し ながら、一方でスマート技術やサービス事業体の活用等により、少ない人数でも食糧供給できる生産基盤を確立してまいりたいと考えております。以上、3つの基本的な視点、基本的な考え方の下で、長期的視点に立って農政を再構築するべく、基本法について、次期通常国会への改正案提出に向けた作業を加速してまいります。
4:44
宮下さん、ありがとうございました。自民党の中でも、食糧農業農村基本法の見直しに向けて、これまで相当議論を重ねてまいりました。統計データ等で客観情勢を分析しながら、諸課題を浮き彫りにして、各種対策について議論を進めているわけですが、課題解決に向けた議論を深めれば深めるほど、今後一つ一つの政策が極めて重要だということを痛感するわけです。まさに待ったなしの状況であることが認識されると思います。こうした中で、農業農村の明るい展望を示すことが必要ではないかと思っています。もちろん、無責任にバラ色の世界を示すわけにはいきません。農業農村の持っている今日的なポテンシャルを明るい展望を示すという、この展望につなげていくことが大切だと思っています。あまり展望なしに、農業者も関係者も希望が持てないし、若い方々も農業への参入を躊躇するのではないかと思うわけです。そこで、農業農村の展望について、国民の皆様に対する宮下大臣からのメッセージをいただきたいと思います。
6:01
お話のようなことを考えるときに、私はまず農業、そして農村の持つ価値について再確認、再認識することが重要ではないかと強く感じます。まず農業は、国民の皆様に食料安定供給するとともに、その営みを通じて、国土の保全、水源の寛容などの多面的機能を発揮しております。同時に、食品産業等の関連産業とともに、地域経済を支えている大事な産業であります。また農村は農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしていると考えます。その上で、国内市場の縮小、また農業従事者が急速に減少する中、農業農村をめぐる課題が明らかになっておりますけれども、具体的には、この約20年間で農業産出額は9兆円前後でほぼ横ばいの一方で、単純にこの産出額を、基幹的農業従事者数で割った場合の1人当たりの産出額を見ますと、1.8倍に増加しております。具体的に見ますと、1人当たりで380万円だったものが、20年間で680万円まで増えているということで、これは離農する農家の皆様がいらっしゃる一方で、その農地等を引き受けながら、規模拡大を図る形態が存在することによるものでありまして、この人口減少は大変だということを逆から見れば、1人当たりの所得の向上を通じて、農業が成長産業化する、こういうチャンスがあるとも考えています。また、農業農村における新しい価値としましては、高品質な日本産農産物、食品が世界から評価されて輸出が伸びていること、また、スマート農業が実用段階に達して生産性向上を後押ししつつあること、また、インバウンドを含む国内外の観光客を農村に呼び込み、食事や農産漁村の風景を楽しんでもらう農博等の取組が進んでいること、また、農福連携等の新たな取組が動き始めていること、こうしたことが明らかになっていることが大切だと思います。農業農村の課題は、生産者だけの課題ではなくて、消費者を含めた国民一人一人に関わる国全体の課題であると考えております。今後、現場の皆様からの様々な御意見に耳を傾けつつ、農業農村の持つ機能、魅力を最大限発揮できるように、各種課題の解決に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
8:58
宮下大臣、ありがとうございました。ただいま御答弁にもありましたけれども、私自身は農業農村の持っているポテンシャルの価値、農村政策の部分も含めて、しっかりと基本法の改正に当たっては、盛り込んでいただきたいというふうに思うわけであります。コロナ禍を経て、物価高が顕著になっております。食料品価格の上昇は、小肌化に報道される中で、農家からは肥料や資機材が高騰する中にあって、農産物価格にコスト上昇分を上乗せするのが困難である。まさに価格転嫁が難しくて、結果として農家所得が減少して経営が厳しくなっているという声を、多く、この悲痛な声を聞くわけであります。他方、消費者の皆様方も物価上昇で、家計が苦しくなっているというのが実態だと思います。しかしながら、食料供給基盤の強化を図っていくには、消費者の皆様に農家の実情や化学形成の現状をご理解いただくことが、極めて重要だと思います。私自身、あらゆる機会を捉えて、特に非農家の皆様方に、米の値段を問いかけているわけです。ご飯じゃんは1杯が約25円であって、大半の方々って今1日に1杯ないし、2杯しか食べないんですね。