19:40
これより会議を開きます。農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。この際、お諮りいたします。
19:57
本日、政府参考人として、農林水産省大臣官房総括審議官杉中敦志君、大臣官房総括審議官宮浦浩治君、大臣官房危機管理政策立案総括審議官松尾博之君、輸出国際局長水野正義君、農産局長平方裕作君、畜産局長渡辺陽一君、経営局長村井正近君、農村振興局長永井俊彦君、農林水産技術会議事務局長河合豊彦君、林野町長官青山豊久君、水産庁長官森武君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官坂本勝彦君、総務省自治行政局選挙部長笠木貴則君、
20:54
厚生労働省大臣官房審議官鳥居陽一君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対象審議官湯本啓一君、国土交通省水管理国土保全局下水道部長松原誠君、環境省大臣官房審議官堀上正君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
21:23
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
21:37
おはようございます。自由民主党青森参加選出の木村次郎です。
21:43
2年ぶりにこの農林水産委員会に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。そしてまた早々に質問のお聞きをいただきましたこと、皆様に感謝を申し上げたいと思います。早速質問でございますが、まず国連のグテレス事務総長が、地球沸騰化の時代が到来したというふうにまで言わしめた、今年はなかなか夏が終わらなかった感がございます。
22:10
また、今日は小指の上では24℃の雪景の立冬ではございますが、昨日はご案内のとおり、東京でも最高気温は27℃超えという状況でございます。1年間の4割がこの東京でも夏ということは、やはり異常気象、そしてまた地球の温暖化が進んでいると、加速をしていると言わざるを得ないというふうに私は思っております。
22:34
そうしたことに起因して、我が国の農林水産業にも多分に影響をおぼしているということ、今日はそうしたことも織り交ぜながら質問をさせていただきたいという ふうに思っております。まず最初に、アルプス処理水の海洋放出についてでございます。
22:53
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出水が始まった8月24日以降、中国をはじめ一部の国等において水産物の輸入規制が強化されました。これが我が国の水産業界にも甚大な影響を及ぼしておるわけでございます。
23:13
昨日たまたま農林水産省の方においても、9月の例えば中国向けの輸出水産物、これが前年同期比で90.8%減というような発表もなされておりました。私の地元について申し上げますと、青森県の六番、帆立の養殖が盛んなところでございます。
23:39
今回の事態を受けて、青森県もこうしてはいらないということで、県が温度をとる形で六番の帆立貝総合戦略チームというものを立ち上げて、いろいろな切り口から検討していくこととしております。その柱は3つございまして、そのうちの1つがまさに輸出販売促進対策というようなことでございます。
24:05
そこで今回の現状、事態を受けて、現状の認識、また今後の取組について大臣にお伺いしたいと思います。
24:18
先生御指摘のとおり、中国等が科学的根拠に基づかない規制を措置したことは極めて遺憾であります。
24:29
現在、首脳級、閣僚級及びジムレベル等、様々な機会を通じまして、中国等に対して規制の即時撤廃を求めているほか、WTOの場での当該規制の撤廃を求める反論署名を提出したり、また、WTO、SPS協定やRCEP協定の規定に基づく討議の要請をしております。
24:55
私自身も、ASEANプラス3農業大臣会合等をありまして、先月マレーシアを訪問したのですが、こうした会合や2国間の会談におきましても、3 カ国の大臣の皆さんに対して、日本産水産物の安全性を説明し、働き方を行いました。今後も政府一丸となって、様々な機会を通じて、科学的根拠のない輸入規制措置の即時撤廃を強く求めてまいりたいと思います。
25:24
また、こうした措置から国内水産業を断固として守り、また特定国地域依存を分散させるために、先般取りまとめられました総額1,700億円の政策パッケージに基づいて、出先の転換対策、また国内の需要拡大対策等に取り組んでいるところであります。
25:46
さらに補正予算においても、ホタテ等の一時買取補完や販路拡大の取組への支援の拡充等について調整をしております。引き続き、現場の情報把握や指示に努めながら、影響を受ける水産事業者の皆様に寄り添った対策の実施に向けて、万全を尽くしてまいりたいと考えております。
26:09
心強い答弁ありがとうございます。あらゆる機械またツールを利用しながら、引き続き積極的に粘り強い交渉、働きかけを行っていただきたいと思います。私の青森県は、ホタテ以外にも、青森県産の生甲は、高級食材として中国に輸出されてきたわけでございます。
26:33
その交流を行う各業況、あるいは漁師の皆さんからも、この状態だとなかなか先が見通せない、そういう不安の声も聞かれているところでございます。原発の重要主体である東京電力が損害賠償を行っていく姿勢を見せておられるわけでございますけれども、こういうことに対して国としてどのように対応していくのかお伺いいたします。
27:01
経済産業省 湯本大臣官房原子力事故災害対処審議官
27:07
お答え申し上げます。中国をはじめ一部の国等によります日本産水産物への輸入規制により被害が出ているという声は、経済産業省にも届いているところでございます。処理時に放出に伴い必要となります賠償につきましては、令和3年4月の関係閣僚等会議におきまして、
27:30
地域、業種を確実的に限定することなく、被害の実態に見合った必要十分な賠償を行うよう東京電力を指導することを政府の基本方針としてございます。これを踏まえまして、アルプス処理水の放出開始の翌日であります8月25日に西村経済産業大臣が東京電力の会長と面談をいたしまして、
27:53
賠償に当たっては事業者に寄り添って対応するように指導したところでございます。引き続き経済産業省としまして、被害を受けた事業者の方々に被害の実態に見合った必要十分な賠償が迅速かつ適切に実施されるよう、今後も東京電力を指導してまいります。
28:11
ありがとうございます。冒頭申し上げました異常気象温暖化、そういったことに起因することについて質問させていただきます。
28:21
木温暖化などを背景として、海水温の上昇を受けて全国的に漁獲される漁種の範囲が、そうして北上傾向にあるなど異変が生じております。
28:35
例えば、私の地元青森県においては、鶴見以下の昨年令和4年の漁獲数量が、それより前の過去5カ年平均の56.3%にまで落ち込んでいる、こういう実態も報告がなされております。こういったことを踏まえながら、中長期的な視点に立って、さまざまな検討対応が必要であるというふうにも考えております。
29:03
そこで、現状の認識、また今後の対応方針などについてお伺いいたします。
29:10
木村先生、御指摘のとおり、青森県での鶴見以下の不良のほか、全国的にも鮭、三馬などが不良となる一方、ブリのように分布が北方にシフトする漁種もあるなど、海洋環境の変化による水産資源の変化が見られているところでございます。
29:29
こうした状況を踏まえまして、水産庁では本年3月から5月に、海洋環境の変化に対応した漁業の在り方に関する検討会を開催し、海洋環境の変化に対応した適切な漁業経営や、創業の在り方、当面の対応策等について有識者の方々に検討していただいたところでございます。
29:50
本検討会の取りまとめにおきましては、漁法や漁獲対象漁種の複合化・転換、そして養殖業との兼業化・転換、そして河口流通における漁種の変更への対応等を進めていくべき旨が指摘されたところでございます。ご地元の青森県でも沖合底引網漁業による糸引きだらへの漁種転換の調査が開始されたところでございまして、水産庁といたしましては、漁法漁獲の複合化等の実証的取組を支援するなど、海洋環境の変化に対応した持続的な経営体の育成構築を目指してまいります。
30:30
ありがとうございます。なかなか自分のエリアで漁獲されていなかったこと の漁種に対して目を向けていく、それがなかなか漁師の皆さん方、極境もはじめ慣れていない部分もあると思います。そういった技術的な、またいろいろな環境整備、そういったことにもぜひ目配りをしていただきたいというふうに考えております。養殖業というお話についてでございますが、漁種によっては海外の需要も大変旺盛なところがあり、今後、我が国の水産業の生き残りということにも照らし合わせますと、販路開拓というものを大いに期待できる部分があろうかと思います。私の地元青森県においても、サーモンの養殖に力を入れている企業があります。今後の成長性も期待できるということもあって、先般株式上場を果たしたところでございます。その企業につきましては、そこで養殖業に対して、今申し上げたとおり、大変期待できるところがあると思いますので、その農水省水産庁として、より一層の養殖に対しての後押しを期待したいところでございます。水産庁として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
32:03
お答えいたします。世界的に養殖業の生産需要が増加傾向にある中、国内においてもサーモン養殖が広く行われるようになってきておりますし、また大規模養殖等による生産性向上の取り組みも進められているというところでございます。こうした中、水産庁におきましては、この養殖業について国内外の需要を見据え生産から販売輸出に至る養殖業成長産業化総合戦略、これを令和2年7月に策定しまして、養殖業の成長産業化というのを推進しているところでございます。現在、この戦略に即しまして、マーケットイン型の養殖の実証のために必要な資機材の導入など、販売拡大の意欲のある養殖業者に対する支援を行っているところでございます。また、農林水産物食品の輸出拡大実行戦略も踏まえ、輸出拡大に必要な設備投資、ジェトロや品目団体を通じた輸出拡大の取り組み等への支援、これも推進をしているところでございます。引き続き、現場の声も伺いながら、養殖業の未来を見据えて施策を力強く進めてまいりたいと考えております。
33:11
はい、ありがとうございます。また、異常気象にまつわる質問にさせていただき ます。農業、いろいろなこの影響が全国的に及ぼしているということ、いろいろな報道がなされておるわけでございます。いわゆる、高温障害になるものについてでございます。私は9月に地元の農家の現地をお邪魔して、いろいろ視察をして、また農家の皆様方からお話を伺ってまいりました。そのときは、リンゴ農家、そしてトマトを栽培している農家の皆さんにお伺いしたところでございます。トマトも、ショウウの影響もあってか、実が青いままに肥大して、割れが入ってしまう、なかなか商品として出荷できないものが出てきている、こういった不安の声もいただいたところでございます。また、リンゴ園地につきましては、その時期、リンゴであれば和製の品種でありますツナルなどが出荷を迎えようとしているところでございましたが、やはりこの高温障害、日焼けの状態がその時点で約1割強くらいあるということでございまして、なかなかこれが仮にさらに猛暑が続いた場合に、2割、3割とこういう日焼け状態が続いた場合、あるいは来年以降も今年のような猛暑が長い、そういう夏が続いた場合、なかなか結果として、それが農家の皆さんにとっては収入に直結してくるわけでございます。そうしますと、なかなか資金繰り的にも厳しくなって立ち行 かなくなりつつあるのではないか、そういう切実な不安の声もいただいたところでございました。そこで、林檎について、高温体制のある品種開発改良というものも、また今後中長期的な視点に立った場合に求められる、また期待されるということになろうかと思います。今後この点についてどのように取り組んでいくのか、これは自民党の果樹振興議員連盟でも大臣にはご一緒をお越しいただいてまいりましたが、青森に次ぐ第二の林檎の産地であります長野県の出身の大臣にぜひ答弁をお願いしたいと思います。
35:36
御指摘のように青森県では、本年の4月以降に例年にない高温によって、林檎の開発に引き分けが発生をして、出荷できない被害が出ているというふうに伺っております。品目別に見ますと、青森県の出荷量の9割を占める主力品種の富士等の中手や奥手品種については比較的影響は少ないものの、お話にありましたように和製品種の津軽では日焼けの影響によって1割から2割出荷量が減少しているというふうに聞いております。高温の影響は本年のみならず、今後も発生すると考 えられますので、農林水産省としては、まず日焼け対策として直射日光を遮る社交ネットの設置、また社交ネットが設置しやすい、樹高の低い省力樹形への開植などの産地への取組への支援を進めているところであります。また、高温障害への危機感を自治体や大学等の研究機関の皆さんとも共有しながら、夏場の気温が高い都市でもよく着色する青森県で開発されました紅発実、また高温でも難化しにくい着色の優れる農園機構で開発した紅実、こうした品種の普及や新たな品種の研究開発を引き続き進めてまいりたいと考えています。さらに現在検討中の補正予算にも、高温環境に適応した栽培体系への転換の実証支援等を盛り込んで、高温対策技術の導入を促進していく考えでございます。こういった突発的な事案に対処していくためには、できるだけ農家の皆様方の負担が重まらないようにご配慮いただければと思います。その上で農水省におかれては、地元の農協、いろいろな林業関係団体や農家の皆様方、また自治体ともしっかり連携、情報共有しながら進めていっていただければというふうにお願いしたいと思います。最後になります、同じように高温障害、お米についてでございます。いろいろな報道がなされておりますけれども、一頭前の比率の低下が全国的に、また各品種において報道がなされております。青森県においても、9月末現在の速放置ベー スですが、一頭前の比率が全体で全年同期比で23.3ポイント下回っている、こういった発表がなされておるわけでございます。味、旨味としてはそんなに遜色ないのかもしれませんけれども、どうしても濁りが入ってしまうということで、なかなか消費者の皆さんによっては引っかえるとか、そういうことが懸念もなきにしもあるというふうにも考えております。今回のモーションによる影響に対する現状の認識、そしてまた、先ほどの林檎等同じようなことになりますが、高温体制のある品種開発改良など、今後の対応取組についてお伺いいたします。
39:01
お答えいたします。本年厳しい高温に見舞われた地域におきましては、白身塾流の発生等によりまして、米の一頭比率の低下が見られまして、経営の影響も懸念されるところでございます。米につきまして収量の減少ですとか、品質の低下による収入減に対しましては、水道供給債や収入保険による対応が基本となりますが、このような温暖化に伴う影響は、本年のみならず、今後も引き続き発生することが懸念されることから、産地において高温対応を進めていただくことが重要となっております。実践サッションといたしましたが、現在検討中の補正予算の中に、都道府県やJA等によりまして、高温体制のある品種への転換を進めていただく、あるいは高温対策の技術の導入実証に係る費用への支援を盛り込み、高温対策栽培体系への転換を進めたいというふうに考えております。高温体制の品種の開発改良が望まれるところでございます。私が見ますと、最近は各自治体、地域において、いろいろな特A級、いろいろなブランド、PRスタンド、いろいろな品種が開発され、また販売されというふうな印象を受けております。それはそれで大事なことだと思いますが、やはりこうした中長期的な観点に立って対応していくということが、これはお米、マリンゴ、水産業だけでなくて、農水省全体としていろいろなことを全体を俯瞰しながら、中長期的な取組というものをしていただきますよう、ご期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(質問を終わらせていただきます)
41:24
今日はですね、京都の先輩である武村信秀先生が、復大臣を御就任いただきましたので、前半は滋賀県ネタでやらせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。まず最初に、環境保全型農業の推進のあり方についてお尋ねをさせていただきます。滋賀県では環境保全型農業を直接支払い交付金を活用して、農薬や化学肥料の使用量を従来の2分の1以下に低減させる農業に、長年にわたって取組を進めさせていただいております。その目的は、濁水を流さずに風栄養化を防いで、美和子の環境を守ることにあるわけであります。こうした取組を滋賀県では環境こだわり農業と称して、水種やお茶、あるいは野菜などを中心に削除けをして、令和4年までにそうした農産物の取組面積が14,437ヘクタールまでに拡大をしています。もっとも取組の進んでいる水種においては、削除け面積の45%がそうした環境保全型農業で占められるようになってまいりました。滋賀県の農業にとってなくてはならない環境保全型農業を直接支払い交付金でありますが、この交付金は5年ごとに制度の見直しが検討をされるものというふうに承知をしております。前回の見直しのときには、ちょっと離席されておられますが、当時の齋藤農林水産大臣に大変お世話になりまして、この場を借りて厚く御礼を申し上げたいというふうに思います。そこで来年度に行われる制度の見直しにあたっては、これまでの先進的な取組が後退することのないように配慮しながら、オーガニック農業などの新たな取組が進むように、各都道府県の現場の意見を十分に聞きながら検討を進めていただく必要があるものというふうに考えておりますけれども、竹村副大臣のお考えをお聞かせ願います。
43:42
お答え申し上げます。今御指摘をいただきました環境保全型農業直接支払い交付金は、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い農業生産活動を支援するもので、農業の持続的な発展を図る上で重要な取組です。この交付金は、令和6年度に5年間の事業実施期間を終えることから、令和7年度に向けた見直しを行うこととしております。令和5年6月に公表されました食糧農業農村政策の新たな展開方向におきまして、環境負荷低減に向けた取組の強化については、先進的な環境負荷低減への移行期の取組を重点的に後押しするとされていることを踏まえまして、今後具体的な仕組みを検討することとしております。検討に当たりましては、第三者委員会による施策の効果の検証を行うとともに、47都道府県の事業担当者との意見交換や、本事業を実施している市町村に対する取組推進のためのアンケート調査を実施したところでありまして、引き続き現場の意見も十分お聞きをしながら検討していく考えです。小寺先生からご紹介がありました、滋賀県が推進をしている、琵琶湖の水質保全に資する取組、環境こだわり農業、耕したく取組も含めまして、環境負荷に対する低減効果を踏まえて、先進的な取組が拡大をするよう後押しをしてまいりたいと考えております。
45:15
期待以上のご答弁をいただきまして誠にありがとうございます。特に市町村並びに自治体の意見をよく聞いていただくことが寛容であろうというふうに思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。続きまして、高止まりが続く農事業電力料金の負担軽減支援策についてお尋ねをいたします。土地改良区では、維持管理費に占める電力料金の割合が高いために、昨年から続くエネルギー価格の高騰の影響を大きく受けてまいりました。おかげさまで、昨年度は臨時交付金と国や県のご支援をいただき、付加金を上げることなく、なんとか安定的に農業用水を供給ができました。大変ありがたく思っています。さて、一般的に農業用水は、離水ダムであったり河川を水源とするのが普通ですが、滋賀県の場合、河川水量が乏しいということもあって、琵琶湖の水を用水源としている改良区が全体の44%もございます。つまり、琵琶湖の水を一旦ポンプアップして、遠いところでは何十キロ先の中山間地域まで逆水で上げてから送水をしている地域が存在します。そのため、琵琶湖の周辺には用水器条が大きなもので21カ所、そのうち10カ所は特別高圧を使用しています。平年ベースでも主要な用水器条だけでかかる年間の電力料金は5億円にもなりますが、高騰した昨年度では7億円。今年度も見込みでも、昨年度をさ らに上回る電力料金が想定をされています。一方で、それぞれの改良区は何も策を打たずに、決して手をこまねいているわけではありません。インバータ制御方式に変更したり、接水等を呼びかけて送水を効率化させたり、運転操作の工夫、再エネ設備の活用など、涙ぐましい努力により電力使用料の約10%の節分を達成しています。とはいえ、引き続きこのご支援がいただかなければ、1億5千万相当の負担増となり、これを付加金として徴収するようなことになれば、現下の出色用米の価格状況では、たちまち利納につながるであろうということは想像に難くありません。用水の使用が本格化するのは来年4月以降であります。そこで、こうした滋賀県の農業用水に、美和湖の水をポンプアップして活用しているという事情を勘案していただいて、来年4月以降も農事業電力への継続的な支援が必要であるというふうに考えますが、竹村副大臣の御所見をお伺いいたします。
48:10
お答え申し上げます。農業水利施設は、食料の安定供給の確保や農業の生産性向上を図る上で不可欠であるとともに、健 全な水循環の維持・形成にも寄与しておりまして、その安定的な機能の発揮に資するよう、適切な維持管理が重要と考えています。このため、御指摘のとおり、電気料金の口頭が農業水利施設の維持管理に及ぼす影響を踏まえまして、令和4年度から省エネルギー管理に取り組む施設管理者に対しまして、電気料金口頭分の一部を支援する措置を講じております。また、電気料金が高い水準で推移している現状を踏まえまして、その措置を令和6年4月まで延長する予定としております。来年5月以降につきましては、電力料金の推移等を中止しつつ、必要な対応を検討してまいります。
49:05
ありがとうございます。ぜひ、今申し上げたことを御理解いただいて、来年5月以降の適切な対応をとっていただけますようにお願いを申し上げます。次に、牛の問題であります。和牛の在庫と価格の動向、そしてその対策等についてお伺いをしたいと思います。滋賀県は日本三大和牛の一つである、大見牛の産地であります。コロナ禍が終わりまして、飲食業や観光業の勢いが元に戻りつつにもかかわらず、滋賀県の食肉市場で落札される枝肉の価格が安くてしんどいというお話を畜産農家の方々からいただきます。ウクライナへのロシアの侵略や急激な円安で、生産資材や飼料、輸入牧草等が好当をしており、畜産農家は楽農家ほどではないというふうには言えるかもわかりませんが、変わらず大きな打撃を受けております。公司を買って30ヶ月近くも餌を食べさせて出荷をし、その価格が手間暇かけたコストに見合わなければ事業の継続にはつながりません。そのためにマル金制度があるというふうに言われればそうなんですけれども、マル金で全てをカバーできるわけではありませんから、公司の買い付けを控える農家が出てきています。もちろん有刺制度はありますから、刈入れを起こされる農家もありますけれども、先の見通しが明るくないことから、安易に刈入れにも踏み切れない中で、資金繰りに苦しみながら農家の皆さんは牛の世話をしておられます。そこでまず、近年の和牛の在庫と、枝肉価格の動向、そしてなぜそのようになっているのか、その原因とについて、竹村副大臣にお尋ねをいたします。
51:10
お答え申し上げ ます。国産牛肉の在庫は、新型コロナウイルス感染症の影響により増加をしましたが、その後減少傾向で推移をしております。しかしながら、現在、物価高騰等に伴う牛肉の需要低迷によりまして、一部の事業者からは、特に高価格帯の和牛肉の販売に苦戦し、在庫が増えてきているとの声も伺っております。また、令和5年度の和牛・枝肉価格は、物価が上昇する中で、消費者の生活防衛意識が高まっていることなどから、和牛肉全規格で、枝肉1kgあたり全年同期費5%減の2260円と、全年を下回って推移している状況です。
52:01
ありがとうございます。今、副大臣の答弁をいただいたように、高い部位ほど、実はやはり生活防衛のために売れないということが顕著に現れている。大身牛もブランド牛でありますので、和牛の中でもそうした影響を大きく受けているのかなというふうに認識するところです。そうであるならば、私は、和牛の需要を喚起する支援策が必要ではないかというふうに考えます。令和5年度の補正予算にある経済対策の中で、そうした需要を喚起、あるいは拡大するような事業が必要ではないかと考えますが、竹村副大臣のお考えをお尋ねいたします。
53:00
お答え申し上げます。物価高騰等に伴い、和牛肉の需要が低迷している状況におきましては、小寺先生、御指摘のとおり、国内外の需要価格が重要であると考えております。このため、牛肉の輸出促進に引き続き取り組んでいくとともに、今般閣議決定をされました経済対策におきまして、和牛肉の需要拡大緊急対策を盛り込んだところであります。和牛肉の新規需要開拓、消費拡大やインバウンド需要の喚起を行う事業を、令和5年度補正予算において検討しております。農林水産省といたしましては、こうした対策によりまして、販売の拡大を通じた和牛肉の需給状況の改善を図ってまいりたいと考えております。
53:50
ありがとうございます。農家の皆さん、大変喜ばれると思いますし、その期待は大きいものというふうに思います。ぜひ早急に具体的な事業立て等をお示しいただいて、畜産農家の皆さんが少しでも経営継続に意欲を持っていただけるようにお願いを申し上げます。それでは次に、宮下大臣に質問をさせていただきます。去る9月11日、食料農業農村政策審議会が、食料農業農村基本法の見直しに関する最終答申をまとめられたというふうに承知をしております。その中で、私は食料安全保障の確立と、適正な価格形成の仕組みを構築することが何より重要であろうというふうに考えます。食料供給を取り巻く環境は、現行の基本法を制定した平成11年当時とは大きく変化しています。地球温暖化による異常気象、新型コロナウイルス感染症のような新たな病気、穀物や肥料の供給不足や、価格高騰を招いたロシアによるウクライナ侵略など、食料の安定供給に対するリスクへの対応は喫緊の課題であり、食料安全保障を抜本的に強化するのは当然であろうというふうに考えます。不足の事態への対応は言うまでもありませんが、平時から食料がしっかりと国民全体に十分に行き渡るよう見直しを行っていかなければならないと考えます。また、生産資材、肥料や、飼料燃料代に電気代など、生産コストの上昇分を価格に転嫁できない現在の農業の現状では、次世代の荷内庭への継承はおろか、たちまち農家の廃業につながりかねないような状況であります。再生産可能な販売価格の形成が何よりも求められます。この実現には消費者はもちろんのことですが、流通、販売、加工などの関係者の理解が得られなければ、簡単にできないということは承知をしておりますけれども、今回の見直しで生産現場を守ることができなければ、日本の農協は崩壊してしまいます。ぜひ再生産可能な販売価格形成の仕組みづくりの実現を強く求めるところであります。そこで宮下大臣にお尋ねをさせていただきますが、改めて今回の食料農業農村基本法の見直しにかける、宮下大臣の思いと、食料安全保障と再生産可能な価格形成の実現に向けた決意をお聞かせ願いたいと思います。
56:41
はい、先生から大変重要なご指摘をいただいたと思っております。私もその2つ、特に重視して頑張っていきたいと思っています。まず、食料農業農村基本法でありますけれども、ご指摘のように、制定から四半世紀が経過しを指しておりますけれども、食料安全保障の強化をはじめとした昨今の社会情勢の変化、また今後の見通し等を踏まえて、基本法が農政の基本的な方針としてふさわしいものとなるように、しっかり見直していく必要があると考えております。先生からもご指摘ありましたけれども、食料安全保障については、気候変動による生産の不安定化、世界的な人口増加による食料争奪の激化、また世界の食料需給をめぐる環境が大きく変化しております。中で、輸入依存度の高い小麦や大豆、飼料などの国産化を進めることも重要ですし、また輸入の安定化を図るなど、平時からの食料安全保障に向けて対策を強化することが重要だと考えています。加えまして、近年健在化しております食品アクセス問題等、国民一人一人の食料安全保障の確保にも対応していきたいと考えているところであります。また、食料システム全体を持続可能なものとしていくためにも、適正な価格形成というのは、本当にご指摘のように重要だと思っております。そのために、8月から生産から消費までの各段階の 関係者が一同に集まります、適正な価格形成に関する協議会を開催しまして、議論に着手しております。今後、協議会の議論を踏まえておっしゃるとおり、生産から流通加工消費、すべての関係者の皆さんの理解を前提として、新たな価格形成の仕組みづくりをしっかり進めてまいりたいと考えています。これらの基本的考え方のもとで、長期的視点に立って農政を再構築するべく、基本法につきましては、次期、通常国会での会の改正案提出に向けた作業を加速してまいりたいと思います。よろしくお願いします。
59:05
ありがとうございます。大臣は、長野県の中山間地の御地元でもありますので、地方のことをよく知っていただいているというふうに承知をしております。ぜひ、日本全体、とりわけ地方、中山間の農業を今度の法改正で守っていただけますように、よろしくお願い申し上げます。それでは次に、農福連携についてお尋ねをいたします。農福連携については、もうすでに何人かの先生方からご質問が出ているところではありますけれども、今回 私は農水省ではなくて、厚生労働省に対して質問を投げさせていただきたいと思います。三浦政務官が来ておりでありますので、どうぞよろしくお願いします。ちょうど一年前になりますけれども、農福連携が、私からすれば一生懸命やっていただいているんだけれど、何でもっと広がっていかないのかなということに疑問を感じて、地元の滋賀県で農福連携だけではなくて、障害者の特性を生かして様々な事業を展開しておりである、日野町の社会福祉保護人、渡向野里福祉会さんと、京都府京田辺市にある農福アワードでグランプリまで受賞された、全国的にも有名な三山山代さんを、立て続けに視察させていただいて、意見交換を行ってまいりました。簡単にご紹介すると、渡向野里さんは、平成12年に創立された後、120名を超える障害者の皆さんが仕事をされていますけれども、農業を行っておられるファーム「また向き」という施設のほかに、資源回収を行うエコドームというところであったり、食品加工や弁当の製造や配食など、4つの施設で様々な事業を展開されています。特に、就労継続支援B型のファーム「また向き」では、田中を中心に9ヘクタールで米づくりを、合わせて日野菜の栽培や加工をされています。令和2年には、日本最大級のお米の食味コンテストで、滋賀県初の最高金賞を受賞されました。地域では大変大きな話題となりましたけれども、全国の専業農家が作ったお米と比較において、金賞を受賞されたこともあり、ファーム「また向き」のお米は、ほとんどが予約注文でなくなる状況で、かなりの高値で販売されているというふうに伺っています。日野町は中山間地域でもあり、地域の稲作の担い手として大いに期待をされている存在であります。もう一つの京都府京都鍋市にある聴覚障害者が働かれる三山山代は、全国的にの福連家で有名な施設でありますが、宇治茶に始まる京都の伝統的強野菜である、海老芋、万巻地唐辛子、京都鍋茄子など、地域特産品にこだわった農業に取り組んでおられます。すでに認定農業者として地域農業の担い手としての地位を確立しておられ、伝統的野菜の分野においては貴重な存在であります。また、六次産業化を実現することで、全国平均を上回る作業工賃を達成しておられます。両施設をいわゆる視察に訪れた方は、是非取り組みたいというふうに頑張って帰っておられますけれども、あまり同じように実現をしたというお話は伺いません。なぜなら農福連家の成功には俗人的な要素が大きいからだと考えます。社会福祉法人や施設作業所に農業に精通している人、あるいは事業経験の感覚に優れた人、そして関係者を束ねてまとめるようなリーダーシップのある施設長や理事長さんがいる施設が成功されているのであって、当たり前の話ですが、どこでもかしこでも決して簡単に成功するわけではありません。施設に訪れた二つの施設で、農福連家の成功に求められる支援は何ですかというふうにお尋ねをしたら、福祉の分野に経営感覚に優れた人材を育て配置できる仕組み、あるいは一般の施設は日々の業務で手一杯で、おそらく農福連家に取り組みたくてもその余裕がないところが多いのではないか、新たな事業に取り組めるように余裕のある人員の配置が必要だというふうなお答えをいただきました。求められる支援策はいずれも福祉サイドの要望であります。初期の頃と比較をすると、格段に進歩されているこの農福連家ですけれども、四つの分類がされますが、このことは省略をさせていただいて、いわゆる現状では、作業工程の見直しや工夫や生産規模の拡大や生産性の品質の向上など、さらなる進化を遂げています。そこで、農業サイドでは様々な事業を展開しているわけですが、一方の厚生労働省では当然協力してやっていただいているものの、独自の展開と申し上げますと、農福連家もある社の開催や専門家の派遣を支援する事業であったり、あるいはハローワークを通じて、人手不足に悩む農業事業者に対して障害者を支援するマッチング事 業などをされているところでありますけれども、それだけでは物足りないと感じているのは私だけではないはずです。そこで、すごく障害者側、あるいは福祉側に可能性といわゆる効果が期待できる農福連家ですけれども、厚生労働省ではその農福連家の効果や可能性についてどのように認識をされているのかお尋ねしたいと思います。
1:05:04
お答え申し上げます。農福連家は農業と福祉が連携し、障害者の農業分野での活躍を通じて社会産学を実現する取組であり、障害者の自貧や自貧害の喪失につながるほか、農業分野での就労機会を拡大する上でも重要な取組であると考えておるところでございます。本年3月に実施いたしました農福連家に取り組む福祉サービス事業所に対する全国アンケート調査によりますと、87.5%の事業所が利用者へのプラス効果あり、また58.4%の事業所が過去5年間の平均賃金、後賃が増加したと回答しておりまして、福祉に一定の効果があったも のと認識しておるところでございます。さらに農福連家等推進ビジョンに基づく福祉の広がりへの支援として、高齢者、生活困窮者、引きこもり状態にある方、そして働きづらさや生きづらさを感じている皆さんの就労、社会産業機会の確保等の取組をこれからも進めていくところでございます。今後とも関係省庁としっかりと連携し農福連家を推進することによりまして、障害者等の就労機会を回復するとともに、その能力を生かし、生きがいや働きがいを感じながら活躍できるような活動を推進してまいりたいと思っております。引き続き先生の高いご知見の中でご指導いただきますことをよろしくお願い申し上げます。
1:06:35
質問が多すぎたのか、時間配分を間違えたのか、ここで一番大事な質問をせずとこであったんですが、最後に終わりますけど、私が思っているのは厚生労働省内にこそ農福連携室を作ってほしいということを申し上げたかったので、結論だけ申し上げて終わらせていただきます。ありがと うございました。
1:07:31
公明党の山崎雅康です。四国比例ブロック選出の新人議員でありますが、本日はノンリース遺産委員として初めての質問になります。機会をいただきましてありがとうございます。貴重なお時間ですので、早速質問に入らせていただきます。まずはじめに、現在農政の憲法と言われる食糧農業農村基本法の改正に向けての作業が行われています。大臣が所信の中でおっしゃられていたように、我が国の食をめぐる情勢はこれまでとは大きく変化しており、こういった社会情勢の変化や今後の見通し等を踏まえ、我が国の農政の基本方針としてふさわしいものとなるよう見直していく必要があります。今回の改正の目的の一つに、平時から の食糧安全保障の確立が言われ、その状況を平時から評価する新たな仕組みの導入が検討されていますが、その評価の一つの指標が、国民一人一人がいつでも食糧を安易に入手可能な状態にする食糧自給率があります。令和4年度の直近の数字では、生産額ベースの食糧自給率が58%、カロリーベースは38%であります。一方、もう一つの指標、食糧自給力とは、農業資源、農業技術、農業労働力等にも着目し、日本ではこれだけの食糧カロリーを最大限生産することが可能であるという総合的な指標で、食の安全保障については、この指標で考えるべきだとの動きもあります。確かに、総合的に多くの観点から、日本が食糧を自給できる力を捉えて、力を蓄えていくことは重要でありますが、その反面、国民の皆さんにとってわかりやすい指標としての食糧自給率という指標は、そういった意味において、ほかとは違う重要な指標でもあります。いずれにしても、大臣が所信でおっしゃられたように、農業政策の重要な使命は、いかに国民の皆さんに食糧を安定的に供給していくかであります。そこで、基本法の見直しの中で、食糧自給率、食糧自給力等を食糧安全保障の強化のために、明確に位置づけるべきだと考えますが、大臣の見解をお伺いします。
1:09:58
国民の皆様に食糧の安定供給の確保をするためには、国内で生産できるものはできるだけ国内で生産していくことを基本として、それに安定的な輸入と備蓄と、この3つを適切に組み合わせることで、食糧安全保障の強化を図ることが重要だと考えております。一方、昨年のウクライナ情勢の影響等によって、肥料価格が高騰して、食糧安全保障の確保に係る肥料やエネルギー資源の需要線を痛感したところでありまして、このような生産資材等の安定供給というのは、自給率には反映されないので、自給率を見ただけでは、そこら辺の状況はわからないということであります。こういうことで、必ずしも食糧自給率だけでは、生産消費の状況を直接に捉えられていないということを踏まえまして、食糧自給率を目標の1つとしつつも、平時から食糧安全保障上の様々な課題に応じて、各種指標を用いて総合的に検証する仕組みを設けることを検討してまいりたいと思っております。その中で、ご指摘の食糧自給率指標、これも重要な指標ですので、しっかり位置づけていきたいと思っております。食糧安全保障を適切に担保するための基本法上の在り方については、現時点ではまだ決まったものはありませんけれども、上記のような点を踏まえまして、しっかり検討をしたいと思っております。
1:11:41
ありがとうございます。そういった形で、1つ重要な指標でもありますので、安全保障という面もありますし、普段からの農政というところでも重要な指標であると思いますので、よろしくお願いします。次に、緊急事態食糧安全保障方針と、食糧農業農村基本法の改正についての、この関係についてお伺いします。農水省では、不足の要因により食糧の供給に影響が及ぶ恐れのある事態に対処するため、政府として講ずべき対策の基本的内容根拠法令、実施手順を示した緊急事態食糧安全保障方針を平成14年に決定、数回改定していますが、今回の食糧農業農村基本法の改正においては、不足時において、総理のリーダーシップの下、関係省庁が連携して、政府全体で対応するための法整備を含めて検討していくと認識しておりますが、今回の改正と、現状ある緊急事態食糧安全保障方針について、何点か確認をさせてください。まず、基本的な質問として、現状、緊急事態食糧安全保障方針があるにもかかわらず、新たに今回、この改正の中で法整備をしていく必要性があるの か、また指針との整合性はどうなっていくのか、大臣にお伺いします。
1:13:08
はい、ご指摘のように、不足時の食糧安全保障につきましては、現在、平成29年9月に農林水産省が定めました緊急事態食糧安全保障指針、ここにおいて不足の事態の基準や必要な取組を整理しております。ただ、現行の指針は、まず第一に、法令に基づくものではないため、それ自身が不足時の制約を伴う措置を行う根拠になり得ないということ、それからもう一つは、あくまで農林水産省が策定したものであって、政府全体での意思決定を行う根拠とならない、こういう問題があるということです。一方で、近年、気候変動によります世界的な食糧生産の不安定化、また、ウクライナ情勢等を受けた食糧や生産資材の価格の高騰、サプライチェーンの混乱、こういったことによって、その輸入依存度の高い我が国の食糧安全保障上のリスクが顕在しております。そんな中、食糧供給が大幅に減少する不足の事態への対応が必要であるというふうに考えています。このために、生産流通消費や法律リスク管理など、幅広い分野の有識者や関係省庁からなり ます、不足時における食糧安全保障に関する検討会を開催しまして、現行の指針を必ずしも前提とせずに、不足の事態への対応についての法的な根拠の整理、また、必要な対策の検討を行っているところであります。
1:14:52
必要性がよくわかりました。ありがとうございました。少し内容に入っていただいています。次に不足の事態のレベル分け。例えば、先ほどの指針においては、一番高いレベル2は、生命維持を図るため、1人1日あたりの供給熱量が2000カロリーを下回る状況。レベル1は、特定の品目が平時の供給を2割以上下回る状況とされていますが、今回の法改正の背景には、先ほどから大臣も述べられていたような国内外の厳しい状況があります。また、ドイツやスイスなど諸外国では、既に不足時の対策を制定しており、スイスなどでは、不足時の恐れのある段階からの対策や、さらには食料の不足する期間をどれだけにするのか、そういったことを意識しながら作られています。こうしたことも、更に緊急事態の想 定を上げての対応が求められると思いますが、緊急事態食料安全保障指針で規定されている不足の事態レベル0から2については、この新法の改正においては、どのように定義されていくのか、お伺いいたします。
1:16:10
お答えいたします。緊急事態食料安全保障指針におきましては、事態の深刻度により、レベル0から2の3つのレベルを設定しております。レベル0は、事態の水位以下によっては、食生活に重大な影響が生じる可能性がある場合、レベル1は、特定の品目の供給が平時の供給は2割以上下回ると予測される場合、レベル2は、1日当たり供給熱量が2000kcalを下回ると予測される場合を、それぞれ判断基準としております。現在開催している不足時における食料安全保障に関する検討会におきましても、食料供給の大幅な不足の恐れのある段階から、国民生活や国民経済の影響度の深刻度に応じて対策を強化していく方向で、現在ご議論をいただいているところでございます。
1:17:01
次に、今回の法改正では、不足事態での食料安全保障対策として、流通規制や試験制限を伴う措置も含めて実施していくことも想定されていると思いますが、今回の改正で食料の供給を確保するための政府の措置に関して、特に農業者に係る部分、生産者に対しての措置に関する部分、例えば、米を作ってほしいとか、小麦を作ってほしい、国民のカロリーが不足しているので芋を作ってほしいなど、具体的にどのようなことを想定しているのかお伺いします。また、それに対する罰則規定を設けるのかどうか、併せてお伺いします。
1:17:52
お答えいたします。検討会におきましては、食料供給確保のための対策として、出荷の調整、輸入による対応、生産の拡大などの措置の必要性について検討がなっているところでございます。農業者の方々におきましては、生産したものの計画的な出荷や備蓄や輸入によって十分な食料供給を確保できない場合において、生産の拡大を図っていただくための措置について検討会で議論を行っているところでございます。加えて検討会におきましては、民間事業者のリスクを軽減するためにインセンティブを持たせるような支援措置が必要である一方、供給確保のための指示、これに実効性を求めるために、他方の例を踏まえつつ、履行されない場合の公表措置や罰則についても議論を行っているところでございます。いずれにいたしましては、もう事業者の負担を十分に考慮しつつ、不足時の食料安全保障の確保のために、官民が講ずべき対策について検討してまいります。
1:18:52
ありがとうございました。丁寧なまた議論をお願いしたいと思います。仮に増産力や生産転換を求めるにしても、平時からの生産力や体力をつけておかないと、いざというときに作れない。そういう意味で普段からの取組が非常に重要であると思いますので、よろしくお願いいたします。次に、政府の備蓄前についてお伺いします。これについても、不足の事態における備蓄量において、様々な意見があるところですが、現在は年間減速21万トンで、5年分で100万トン程度が備蓄されて いますが、主食用米の需要量がどんどん減少していく中で、備蓄するためのコストも考えて減らした方が良いという意見と、100%自給できる米はしっかりと備蓄すべきだという意見がありますが、食料安全保障上の観点から、政府の備蓄米制度について適切な量など、現在どのような議論が行われているのかお伺いします。
1:19:56
答弁に先立ちまして、先ほど山崎のご質問に対して、緊急事態食料安全保障指針が平成29年9月に策定と答弁したのですが、正しくは平成24年9月が正しいということでしたので、この場をお借りして訂正させていただきます。その上で、ただいまのご質問ですが、米の備蓄につきましては、10年に1度の不作、作強で言いますと92の状況や、通常程度の不作、作強程度94を想定して、これが2年間連続した事態があった場合、こういったパターンで、いずれにしても不足分を補って1年間供給できる水準として100万トン程度が必要だということで運用しているところであります。ご指摘のように、この備蓄水準については、食料農業農村政策審議会の基本検証部会、また食料部会におきましても、需要が減少している中で、政府備蓄前の水準を考えるべきではないかというご意見や、米の備蓄量の変更については慎重に検討する必要がある。また、備蓄の強化に要するコストについての国民への分かりやすい説明が必要だ等々、様々なご意見をいただいているところであります。さらに、本年6月に取りまとめました食料農業農村政策の新たな展開方向におきましては、食料の備蓄強化に向けては、国内外の食料安全保障の状況を適切に把握分析の上、備蓄の基本的な方針を明確にしていくことを検討することとしております。こうしたことも踏まえて、米の備蓄のあり方についても、この備蓄全体の議論の中で、今後しっかり必要な検討を行ってまいりたいと考えています。
1:22:03
全体的な議論が大変必要だと思いますが、やはり我が国といえば水田があり、米の生産力がある、この力が日本というところもあると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。今後やはり平地からの米の生産力とか、将来の水田のあり方等も含めた検討をぜひお願いしたいと思います。次に大臣が所信の中でもおっしゃっ ていました、食料システム全体を持続可能なものにしていくための適正な価格形成についてお伺いします。これにつきましては、特に農業従事者からの要望期待も大きいのですが、現在農水省においては、飲用牛乳と豆腐納豆の適正な価格形成について、ワーキンググループでの議論がスタートしているとお伺いしています。そこで現在、適正な価格形成について議論を進めていますが、先ほどの飲用牛乳と豆腐納豆に続いて、今後その他の品目も検討するのかどうかお伺いいたします。
1:23:07
ご指摘のように、農林水産省では、この適正取引を推進するための仕組みとして、生産から消費までの各段階の関係者が一同に集まる、適正な価格形成に関する協議会を8月から開催しておりまして、先月開催しました第2回の協議会におきましては、まずは流通経路が簡素でコストの把握も比較的可能であり、生産等の持続性を確保すべき品目である飲用牛乳と豆腐納豆、この2つを対象として、ワーキンググループにおいて具体的な議論をすることとして、その他の品目についても、協議会でのコストデータの把握・収集や、価格交渉や契 約においてどのような課題があるか等を、協議会において調査・検証することが決定されたところであります。その際の議論においては、その他の品目についてもしっかり検討することが必要との意見がありました。今後こうした議論を踏まえ、消費者の皆様、多くの関係者の皆様の理解を前提として、我が国を実態に即した化学形成の仕組みづくりを進めてまいりたいと考えています。
1:24:30
なかなか難しい問題だと思うんですけども、やはりコストの見える化とかですね、やはり経営的な視点の強化、農業従事者の方の、そういった取組も重要になってくると思いますが、実効性のある仕組みづくりが大変期待されておりますので、是非これからも取組よろしくお願いいたします。そしてやはり適正な化学形成を行っていくには、生産者から流通業者、販売業者、そして消費者までの国民理解の情勢、中んづくその中でも消費者の皆さんの理解がその大前提となると考えます。そこで、そのための農業教育が非常に重要であると考えますが、農水省としてどのような取組を行っていくのかをお伺 いします。
1:25:13
はい、おっしゃるとおり、適正な化学形成を進めていくためには、農産物や食品の生産、流通に関わる実態、また生産資材や原材料のコスト、高等の背景等について、消費者の皆様にも正確に認識していただくことが不可欠だと考えております。このため農林水産省では、本年7月からフェアプライスプロジェクトというプロジェクトを開始しまして、生産者インタビューなど、インターネット動画による情報発信をしたり、また体験学習イベントを開催したり、親子で学べる動画コンテンツの作成をしたり、こうした取組で生産コストが上昇している背景などをわかりやすく伝えるための広報を行っているところであります。こうした広報によりまして、まずは生産現場の実情を消費者の皆様に知ってもらうことが大事でありますけれども、適正な価格形成を行っていくためには、生産コストだけではなくて、流通や販売のコストを含めて、食料システム全体で考えていくことが必要ですので、このような考え方でしっかり価格形成の仕組みづくりを進めてまいりたいと思ってお ります。
1:26:31
ありがとうございます。アニメを使った動画コンテンツとかありましたけれども、僕ももともとが中学校の教員でして、農業従事者の方にしっかり子どもの頃からの農業教育を頼むというふうな声がありますので、またよろしくお願いします。次に、農業の持続的な発展と農村の振興を図る上での多様な経営体についてお伺いします。現在の日本の農業従事者の56.7%が70歳以上であるという年齢構成であり、今後20年で高齢者の方がリタイアすると、基幹的農業従事者は現在の約4分の1まで激減すると予想されており、今回の法改正の中では、食料の生産基盤とある農地を確保維持していくためには、中長期的に農業従事をしてくれる人材、いわゆる受け皿となる経営体、深価値向上を目指す効率的かつ安定的な経営体を育てていき、農業で生活している基盤をしっかり作っていく。それとともに、継続的に農地利用を行う小規模の経営体の皆さんや、農業を副業的に行う経営体の維持・強化を図っていくというふう に認識していますが、ここで確認したいのが、地域計画に位置付けられた、先ほど述べた受け皿となる経営体、いわゆる担い手と言われている人以外の、小規模な経営体の人や、農業を副業的に行う経営体と多様な経営体が、基本法の見直しの中では、しっかりと農業者として明確に位置付けられていくべきだと考えますが、大臣の見解をお願いします。
1:28:18
はい。今後、すべての農地を有効活用していくということが重要でありますけれども、いわゆる担い手だけでは、すべての農地をかばしきれないということもあります。そういうことも含めて、農業を副業的に営む経営体などの多様な経営体についても、農地の保全、管理や集落機能の維持の役割を果たしているというふうに認識しています。このため、本年6月に政府の主要閣僚により取りまとめられました食糧農業農村政策の新たな展開方向では、こうした多様な農業人材についても担い手とともに、生産基盤の維持・強化が図られるように一定の政策を講ずる旨、記載されているところであります。また、本年9月にいただきました食糧農業農村政策審議会の答申においても、同様の内容が記載されております。従いまして、基本法の見直しにあたりましては、新たな展開方向や、この審議会の答申に示された方向に沿って、この多様な農業人材についてもしっかり位置づけをしていきたいと思います。
1:29:33
ありがとうございました。実は、この点につきまして、私の地元、高知の若い4名の農業従事者の方からお話を聞かせていただく機会がありました。最初に4人から話があったのは、高知県では、基幹的農業従事者がこの20年で約半数近く減っているにもかかわらず、生産額は変わっていない。少ない人数で生産力を上げるために頑張っているんですよ、という話がありました。4人とも規模を拡大しながら、しっかりと農業で稼いでいきたい。地域の基幹産業としての農業を守っていきたい、とのことでした。そこで私の方から、今、農水省の方は、受け皿となる経営体を育てていきたいと考えているから、みんな法人にしたら、と言うとですね、その中の1人の若者は、僕はすでに法人にしています、と言ってですね。今の課題は、彼の課題は、地域の農業従事者の方がどんどん高齢化されて引退する。ぜひ僕にやってもらいたい、と言って、どんどん集まってくるらしいんですけども、規模を拡大しているけども、やっぱり自分の農地と農地の間に、もう引退しているけども、どうしても土地を売りたくない、と言ってですね、飛び地になってしまって、なかなか集約が進まない、というふうに言っていまして、彼は今、人農地プランや目標地図で取り組んでいる、地域における適地適策やそれに伴う農地の集積集約の取り組みの展開に、これにすごく期待している、というふうに言っていました。もう1人の青年は、僕も法人にしたいと思っているが、仕方がわからない。誰か丁寧に教えてくれる人がいれば、法人にしたい、ということでした。もう1人の青年は、僕は実は山崎さん、子供がいるし、今はできたら週に1日、日曜日は休みにしたいと考えていると。また法人にして人を雇うと、換算期に違う仕事を準備しなければならないので、将来的にはわからないが、今は法人にしないで頑張っていこうと思っていると言っていました。これを聞いて、僕は思ったら、今どの業 界でも人手不足でありますが、今の若い人の考え方として、お給料よりも休みというか、家族と過ごす時間を大切にというのが、最近ぐっと増えてきたと感じるのですが、まさに今の時代の若い農業従事者の本音の意見だなというふうに思いました。最後の若者は、野菜安定価格制度と収入保険の同時利用を、高級的な制度にしてほしいというお願いがありました。何が言いたいかと言いますと、4人とも農業に誇りを持って、これからしっかり高知県の農業を誘え、農業で生計を立てていこうと思っている若者ですが、その経営の仕方は様々であり、そして課題やニーズもまさに四者四業。ただ逆に、この4人に共通しているなと感じたのは、しっかりと必要な支援を講じて育てていけば、4人とも将来はこの国の農業の担い手になっていく可能性が高いということでありました。そこで、経営体や規模によらずに、やる気のある人がきちんと儲かって、持続できるような幅広で懐の深い支援を国にはぜひお願いしたいと考えますが、大臣の決意のほどお伺いいたします。お願いします。
1:32:41
現場の皆様の声を生に伝えていただきま して、本当にありがとうございます。現行の食糧農業農村基本法でも、効率的かつ安定的な農業経営を育成支援することが規定されておりますけれども、こうした農業経営はどういったことを意味しているかといえば、食糧農業農村基本計画において、経営規模の大小や家族経営か法人経営かを問わずに経営欲があり、農業所得で生計を立てる農業者である旨を示しておりまして、まさに今お話があった皆さんのような方を示している、このような担い手を育成支援するというふうに記されているところでございます。その結果、多くの品目で中小経営、家族経営を含めた担い手が農業生産の相当部分を担う構造を実現しているところであります。今後も担い手については、法人化の推進を含めて補助金、金融措置、税制措置など様々なツールを用いて、それぞれの支援のニーズに合わせて幅広くしっかりサポートしてまいりたいと考えています。
1:33:58
次に、農業現場の皆様からニーズが高いのが、農業の集約化と経営基盤を目指すための強い農業づくり総合支援交付金と産地生産基盤パワーアッ プ事業の拡充であります。先日もニラの収集課場ができまして、作業の集約化が進んで大変喜ばれていますが、何分申請してもなかなか通らない、採択されないというお声が多く聞かれます。また、現場のニーズが高いのは改修であります。当初の新規のみではなく改修も認められましたが、生産性を上げていくことが目的ですので、致し方はありませんが、改修には機能アップが条件となっており、費用額も含め、荷の足を踏んでいるというお声も聞きます。そこで、生産基盤を強化するために、強い農業づくり総合支援交付金や産地生産基盤パワーアップ事業等の支援の拡充と、特に施設整備については要望の多い施設改修と、現場のニーズに対応できる運用やメニューを創設するなど、一層の拡充を強く求めたいと思いますが、農水省の見解をお願いします。
1:35:07
お答えいたします。強い農業づくり総合支援交付金や産地生産基盤パワーアップ事業につきましては、委員御指摘のとおり、産地の収益力向上を目的としておりますので、旅客に伴う建屋のみの改修ですとか、施設の単純更新は支援の対象外としておりますが、一方、これらの事業につきましても、令和元年度の補正予算以降は、内部設備の増強ですとか、性能の向上等を伴う場合は、既存施設の建屋の改修も含め、支援対象としているなど、いろいろ工夫をしていきたいというふうに思っておりますので、産地の収益力強化に向けた取組を支援していきたいというふうに考えております。
1:35:49
すみません。次に、林業分野の外国人材の活用についてお伺いします。今、林業分野でもすごくこの人材不足が深刻であります。静岡の川上から川島までが大変な状況ですけれども、木材確保や製材については、本年10月31日に技能実習第1号から第2号、3号への移行ができる職種に、研修期間も最長5年間となり、より一層人材として活躍できることが期待されております。一方で、川上の育林、素材生産作業においては、現在1号のままで、2号、3号へ移行できる職種への追加はこれからとなっており、ぜひ積極的に検討していただいて、早期に2号、3号へ追加されるよう、民間庁としても業界全体の後押しを引き続きお願いしたいと思いますが、大臣の見解をお伺いします。
1:36:38
技能実習制度は労働力の確保ではなくて、海外への技術移転を目的としているものでありますけれども、林業については、業界団体の皆様が、技能実習2号、3号の対象職種の指定に向けて、評価試験の作成等の取組を進めておられます。このため、農林水産省としましては、評価試験の作成施行、受入事業体向けマニュアルの作成等に必要な予算を計上しまして、関係省庁と連携しつつ、技能実習2号、3号への林業分野の追加及び追加後の技能実習2号外国人材の早期受入れを目指して、業界団体の取組への支援を進めております。
1:37:27
すいません。最後の質問、実は漁業のですね、カツオマグロ漁業の皆様方がですね、今表情投票の方がファックス投票になっているんですけれども、ぜひインター ネット投票にしていただきたいというふうなご要望をいただいておりまして、本日は総務省の方からも来ていただいておりましたが、すいません時間配分がうまくできておりませんでして、また次回にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上で質問を終わりたいと思います。大変にありがとうございました。
1:38:20
立憲民主党の金子恵美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。この農水委員会では、宮下大臣が与党筆頭理事でいらっしゃったときに、私は野党の筆頭理事をさせていただきまして、宮下大臣の人柄にも触れる機会がただありました。改めて、宮下大臣には農林水産大臣御就任、誠におめでとうございます。期待しております。ぜひこの期待を裏切らないでいただきたいなという思いもあります。そして今、我が国の第一次産業、農林水産業は大変厳しい状況にあると思います。そして、多くの問題を抱えている農水省のトップとして、ぜひしっかりと舵取りをしていただきたいと思いますし、特に、先ほど来、お話がありますけれども、農政の憲法であります食料農業農村基本法の見直しが進んでいる中にあって、やはり最も重要な時期に大臣になられたわけですから、これまでの農政の問題点をしっかりと検証していただいて、チェックをしていただいて、間違いのない方向で日本の農業を守っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。その上で、自然災害が本当に頻発に発生しているということでありますし、また、激甚化というものも顕著になっているのではないかと思います。そして第一次産業、農林水産業もやはり、被害に遭っている状況です。各地でです。もちろん、東日本大震災、原発事故の被災地である福島県にも第一次はお入りいただいているということでありますけれども、そこからの教訓を得て、ある意味、諦めないことの重要性とか、どんなことがあってもとにかく第一次産業を再生していくんだということで、いろいろな思いをお持ちいただけたのではないかというふうには思うのですけれども、そういったところで、私は今こうやって、自然災害がこれだけ頻発に発生し、そして先ほど申し上げましたように激甚化しているということを考えると、今までの農政の中であったその仕組みだけでは足りないのではないかなという気がしておりまして、もちろん、被害があると必ずそのとき に現地に足を運ばれる皆様方は、いや、しっかりと農産に入っておいていただければよかったですね、の話とか、収入保険にもしっかりお入りいただきたいとか、そういうお話になるわけなんですけれども、これだけで本当に大丈夫なのかと、今までの仕組みだけで大丈夫なのかという、そういう議論も、そろそろしていかなくてはいけないのではないかなというふうに思うんですね。そこで大臣のお考えと、そして御決意をお伺いしたいと思います。お願いします。
1:41:22
はい、御指摘のように、近年ですね、売付前線、集中豪雨、台風等もありますし、被害が激甚化しているという認識は私も持っております。こうしたことが起こったときに、まずは災害復旧事業をやって、被災した農地等の復旧を図ること、それから御指摘のように、農林業業セーフティネット資金とかで資金的にサポートする、それから共済金も早期に支払いをする、収入保険に係るつなぎ融資もやる、こういういろんなことで支援をしてきています。ですから、今までの仕組み、当初の仕組みでよかったのかという反省に立って、収入保険については、過去5年の収入実績で標準の基準が決まるわけですけれども、何回も5年の中に被害を受けて収入が減ってしまうと基準が減ってしまうということで、保障が、レベルが下がってしまうということもあるので、被災により収入が大幅に減少した場合には、その後の基準収入が下がることを少しでも緩和しようということで、平成6年の加入者の皆様からは、被災年の収入実績を情報修正して基準収入を引き上げることで、災害による影響を緩和する特例を実施するということもしております。さらに、今般の補正予算においても、豪雨災害だけじゃなくて、今年は高温による被害もひどいわけですが、環境に対応した栽培体系の転換に向けまして、地域の実用に応じた高温耐性品種や高温対策の栽培技術を産地に導入するための実証等の支援も盛り込んでいるところであります。農林水産業として引き続きまして、都道府県や市町村の皆さんとも連携をして、こうした危機時にどうそれをサポートしていくかということは、不断に取り組んでいきたいと思います。