6:24
これより会議を開きます。日程第一、国務大臣の演説に関する件、第3日。昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。
7:30
公明党の山口夏夫です。私は公明党を代表し、岸田総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。岸田政権が発足して2年が経ちました。この間、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギーや食料を含めた経済安全保障問題など、我が国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。
7:58
緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢については、政府は関係国と連携しつつ、事態の拡散を防ぎ、収束に向けて尽力するとともに、法人保護や人道支援に全力で取り組む必要があります。一方、国内においても、人口減少や少子高齢化、激人化する自然災害など、我が国の持続性を揺るがす危機に直面しています。
8:27
特に、今日の急激なぶっか高に応ずる対策は、まったなしです。今こそ、ぶっか高から国民生活を守るとともに、持続的な賃上げの実現に向け、あらゆる政策を総動員し、危機を克服しなければなりません。
8:45
そのためにも、政府は、総合経済対策について、実施できる施策は、加急的速やかに実施しつつ、裏付けとなる今年度補正予算を早期に提出すべきです。総理は、税収の増収分の一部を、公正かつ適正に還元すると表明されました。
9:07
総理の主張の成果は、国民の努力の結果です。今の世代を含め、世代間の公平な配分が望まれます。賃上げの流れが、国民に幅広く波及し、ぶっか高に追いつくまで苦しむ家計への直接支援が必要です。
9:26
所得税減税など、思い切った家計支援や、低所得世帯への支援、また、年有高熱期補助の継続など、国民が成果を実感できる還元策の実施が求められています。同時に、この危機を未来の成長へつなげる責めの姿勢が堪用であり、子育て支援や地域活性化、GX、DX投資等に向け、大胆に施策を打つべきです。
9:55
これらを踏まえ、公明党は先般、生活現場の視点に立って、政府に提言を提出させていただきました。以下、提言を踏まえ、質問させていただきます。はじめに、ぶっか高等、賃上げ、持続可能な経済成長に向けた取組について伺います。
10:15
原材料価格の高騰などにより、9月時点で25ヶ月連続でぶっかが高騰し、国民生活や事業者などに多大な影響が及んでいます。公明党が強く推進してきた「重点支援地方交付金」は、各自治体の判断で地域の実情に合わせ、決め細かな対策が可能であり、ぶっか高等に苦しむ生活者や事業者等への支援策として、大変有効です。例えば、地方では利用が多いLPガスに対する負担軽減策や、買い物等のキャッシュレス決済によるポイント還元策、学校の給食費や教材費等の値上げへの支援策を実施する自治体も数多くあり、家庭の負担軽減につながり非常に助かると喜びの声が届いています。
11:08
しかし、長引くぶっか高等はまだ出口が見えておらず、国民が賃上げの効果を実感するまで、生活者や事業者を守り抜く有効な支援策の継続が不可欠です。特に家計への影響が大きい低所得世帯や低所得の子育て世帯に対し、給付措置の速やかな実施を強く求めます。
11:33
生活困窮者や中小事業者等に十分な支援を実施し、加えて低所得世帯や子育て世帯へ給付措置を行うため、重点支援地方交付金を大幅に積みますべきと考えますが、総理の見解を求めます。
11:51
ぶっか高を克服し、成長型経済への転換のためには、賃上げの勢いを持続的なものとし、家計が実感できる所得向上を実現しなければなりません。そのためには、中小企業が価格転化しやすい環境づくりや生産性向上、資金売りに向けた着実かつ継続的な支援が必要です。
12:16
そこで、公明党は、中小・小規模事業者の賃上げを強力に後押しする中小企業等の賃上げ応援トータルプランを取りまとめ、政府に提言しました。同プランは、価格転化・生産性向上・資金売り支援の3つの柱、20の具体策で構成しています。
12:39
第1に、価格転化について、特に中小企業の価格転化への支援はまだまだ不十分です。中小企業が価格転化しやすい環境整備に向けた一層の取り組みが重要です。具体的には、エネルギーや原材料のみならず、労務費も含めた価格転化を推進するための指針を政府に作成していただきたい。
13:05
これより、下請が発注者に対し、賃上げ分を含めた価格交渉の後押しにつながることが期待されます。さらに、フォローアップに取り組み、結果を公表すべきです。また、国や地方自治体等の勧告樹においても、労務費を含めたコストを実製価格に適切に反映し、年度途中でも契約金額の変更に対応できる柔軟性が必要です。
13:33
その他、製品やサービスの最低価格を取り決める団体協約の活用や、建設業やトラック運送業の賃上げ、金型の代金や補完料の支払いの適正化に向けた取り組み等も強化すべきです。第2の生産性向上は、最低賃金引上げへの対応や、人手不足に直面する中小企業にとって喫緊の課題です。
14:00
そのため、政府は様々な補助制度を用意していますが、小規模な事業者からは補助金 を申請しようにも計画書が作れないといった声を耳にします。賃上げ、生産性向上のための各種補助金のさらなる上乗せとともに、商工会、商工会議所などに申請書の作成をサポートする体制も整えていただきたい。
14:24
併せて、公明党の提案で導入が決まった、いわゆる年収の壁を乗り越えるための新たな助成金について、まずは雇う側と働く側双方に対し、分かりやすく丁寧に周知をお願いしたい。その上で、希望者が利用できるよう、十分な予算額の確保を求めます。
14:46
第三の資金繰り支援では、賃上げに取り組む中小企業に対する定理な政策金融の実施、経営者保障に依存しない融資勧告の確立のほか、約束手形の現金化までの期間短縮の推進を求めています。
15:04
さらに、今年度で期限が到来する賃上げ促進税制については、長期延長するとともに、赤字でも賃上げに取り組む企業を対象に、控除しきれなかった金額を、翌年度以降に繰り越しを認める措置を創設すべきです。こういった取組を総合的、継続的に推 進・フォローしていく司令塔となる組織、もしくは関係省庁が連携した会議体の設置を提案します。
15:33
これにより、物価上昇に負けない持続的な賃上げ、所得向上の実現に向け、政府一丸となって取り組んでいただきたいと思いますが、総理の見解を求めます。GX脱炭素推進法に基づき、経済競争力を高められる分野への投資戦略の策定に向けた議論が進んでいます。
15:56
Flychain全体のGXの取組がより一層求められる中で、この事業環境の変化に中小企業がどう対応できるかが課題であり、その第一歩が省エネの取組です。その対策として、昨年度の補正予算には省エネ補助金などの支援策の集中実施が盛り込まれました。
16:18
補助金を活用して、高効率の空調や照明などを導入し、エネルギーコスト低減を実現した中小企業などの工事例を横展開し、省エネの診断から省エネ性能の高い設備への転換と更新の計画や支援までを一体的に行うなど、支援の強化に取り組むことが重要です。
16:42
小規模企業のカーボンニュートラル・先進的な省エネ投資支援の強化について、総理の見解を求めます。今月、インボイス制度が施行されました。課税事業者の97%、免税事業者の111万社が登録申請し、おおむね円滑にスタートできたと評価しています。
17:06
免税事業者とこれまでどおり取引を継続し、取引価格の引下げも行わない、こう表明する業界の動きも広がり、多くの免税事業者は落ち着いて対応しています。一方、業界特有の事情なども相まって、今後の取引に不安を抱える方々や、深刻に関する質問も増えるものと思われます。
17:30
この事業者それぞれの不安に適切に答えられる個別相談体制の充実をぜひともお願いしたい。その上で、インボイスの意義は、売り手が買い手に正確な税額を伝え、適正な取引や公平な税負担を確保することです。いわゆる買い叩きを是正し、下請企業の適正な転換につながることが期待されます。
17:56
さらに、公明党の主張で導入された2割特例によって、3年間は消費税額の2割を納税すれば良く、税額計算も容易です。来年3月の確定申告を目指し、こうした点も周知しながら、インボイスへの不安不織と定着に向けた着実な取組をお願いしたいと思います。総理の見解を伺います。
18:21
経済成長のためには、地域が魅力を生かして持続的に成長していくことが不可欠です。第一に、観光の活性化です。国内外の観光需要が回復し、観光地にかつてのにぎわいが戻ってきています。
18:38
しかし、先日、公明党は宿泊業の皆様から、コロナ禍によって減少した従業員数が戻りきっておらず、人手不足が深刻化している、との切実な声を伺いました。外国人材の積極的な活用や、スマートチェックイン機などの設備投資への支援など、早急に対策を講じる必要があります。
19:02
同時に、高付加価値化や金融支援を進めるとともに、施設の省エネ化やデジタル化などの生産性向上を図り、魅力ある観光業に向け、成長を後押しすべきです。一方、旅行者が観光地に過度に集中することで、弊害が起きるいわゆるオーバーツーリズムへの対応も急務です。
19:26
観光客受け入れの環境整備への支援や、ごみのポイ捨て対策などが求められます。観光産業は、裾野が広く、地方の成長の実現のためには、その活性化が必要です。国土交通大臣の答弁を求めます。第二に、魅力あふる農林水産業の構築です。
19:49
私は先日、北海道岩見沢市を訪れ、自動走行トラクターを遠隔操作して農作業を行うなど、先進的なスマート農業の取り組みを視察しました。こうした技術が、人手不足や重労働など数多くの問題を解決し、農林水産業を希望あふれるものにすると実感しました。
20:12
食料安全保障の確立なども含め、多くの課題に直面する今こそ、持 続可能な農林水産業を構築するため、スマート化やグリーン化への投資など、生産性や付加価値を飛躍的に高める取り組みを強力に支援するとともに、適正な多角検査対策など、諸特拡大に向けた施策を拡充することが急務です。
20:38
また、足元では、肥料や飼料、燃油等の価格が依然として高い水準にあります。国際相場の動向等を注視しつつ、価格高騰対策やセーフティーネット制度の着実な実施など、生産コストの負担軽減や所得の確保に必要な対策を機動的に実行する必要があります。農林漁業者の所得の確保や拡大への取り組みについて、総理の答弁を求めます。子育て教育について伺います。急激な物価高騰にあって、国民生活を守るために忘れてはならないのは、子どもたちの教育を支えることです。来年度から給付型奨学金と授業料減免を行う就学支援新制度の対象が、
21:35
多種世帯や離公農系の中間層へと拡大されます。これにとどまらず、経済的な理 由で学びを諦めることがない社会を構築し、安心感を持って子育てができるよう、2030年代までに大学等の無償化を実現すべきです。無償化への次の一歩を踏み出し、まずは入学金や教材購入、
22:01
勉強費用などで特に経済的負担が大きい大学や専門学校等の1年生の全期分の授業料を無償化してはどうでしょうか。大学等の高等教育の無償化について、総理に伺います。文部科学省の調査では、令和4年度の不登校の小中学生は、
22:25
令和5年度より約5万4千人増え、約29万9千人と過去最多になりました。そのうち4割に当たる約11万4千人は、学校内外で相談・支援につながっていません。これは緊急事態であり、本年3月に文科省が発表した不登校対策、いわゆる「心」プランに基づいた令和6年度からの取組を前倒しし、速やかに実行しなければなりません。まず、どこにもつながれていない子どもたちとその保護者が支援につながるために、情報発信の強化や教育支援センタ ー側から働きかけて支援をするアウトリーチの強化、オンライン体制の整備に早急に取り組む必要があります。次に、自分のクラスに入りづらいときの居場所になる、自分のペースで学習ができる
23:20
スペシャルサポートルームについては、不登校の未然防止と学びの確保に効果が見られており、全小中学校への配置を急がなければなりません。さらに、不登校やいじめにつながる不安や悩みの全長を早期発見、早期対応するため、児童生徒の1人1台端末に相談アプリを入れるなど、子どもが相談をしやすい仕組みを作ることも大切です。
23:47
不登校をはじめ、すべての子どもたちの多様性が尊重され、多様な学びができ、何度でもやり直しながら、強みや得意を見つけ、伸ばしていく公共育営への転換に本格的に取り組むときが来たのではないでしょうか。不登校の児童生徒の支援について、総理に伺います。
24:09
我が国では、単身世帯が3割を超えており、2040年には4割に上ると推計されています。性別、年齢を問わず、独身単身世帯のいわゆるお一人様が安心して暮らせる社会の構築が不可欠です。公明党は、若者やお一人様の不安の声に寄り添い応援します。
24:33
例えば、子ども未来戦略方針では、3つの基本理念の第1に、若い世代の所得を増やすことが掲げられていますが、結婚する意思の有無に関わらず、希望を持って将来の展望を描けるように、若者の所得向上に最優先で取り組むべきです。
24:53
また、結婚支援に限らず、孤独・孤立対策も含め、誰もが参加できる多様な出会い・交流機会の創出など、地方自治体による取り組みへの後押しや、身寄りのない高齢者に対する身元保障、住まいの確保・生活支援など、現場の実態・課題を把握した上で対策を強化することが重要です。
25:18
若者やお一人様を応援する政策の充実に向けて、総理の見解を伺います。医療・介護制度の改革について伺います。高齢化の進展により、医療と介護双方のサービスを必要とする高齢者の増加が見込まれます。こうしたニーズに対応できる医療・介護提供体制を構築するため、
25:42
年末に控えた診療報酬・介護報酬の同時改定は極めて重要です。同時改定にあたっては、高齢者が在宅でも医療機関や高齢者施設でも必要なケアが得られるよう、関係機関の連携や医療DXを進め、地域包括ケアシステムの進化・推進を図っていただきたい。
26:06
一方で、これらのサービスを提供する人材確保や働き方改革も喫緊の課題です。医師については、来年4月から時間外労働の上限規制が適用されることから、働き方改革に向けた継続的な取り組みが求められています。介護については、多業種へ人材が流出する事態も起きており、
26:30
更なる処遇改善により人材流出を食い止めるとともに、担い手の裾野を広げる取り組みも強化する必要があります。同時に、介護報酬の処遇改善に関する加算制度を一本化するなど、業務負担の軽減も図るべきです。医療・介護現場で働く人にとっても、サービスの利用者にとっても安心できる医療・介護制度の構築に向け、総理の決意を伺います。
27:00
外交について質問します。公明党はこれまで、ウクライナ避難民を多く受け入れている国に調査団を派遣し、現地で暮らす避難民のニーズや受け入れ国が抱える課題などをまとめ、政府に要望しました。また、党の議員ネットワークを生かして、日本での受け入れ支援にも全力で取り組んでいます。
27:24
先日、私も国連地雷対策サービス部、すなわちアンマスのアイリーン・コーン部長と会談し、地雷除去に向けた支援について意見交換をしました。今般の総合経済対策にも、支援に向けた施策 がしっかりと盛り込まれることが重要です。引き続き、G7をはじめとする国際社会と連携し、一刻も早い停戦の実現と、
27:50
ウクライナや影響を受けている人々に寄り添った人道復旧・復興支援に全力を尽くしていただきたい。今後のウクライナ支援について、総理の答弁を求めます。本年5月のG7広島サミットで、各国首脳が原爆資料館を訪問し、被爆者の証言に耳を傾けたことは、
28:15
国際社会と連携し、一刻も早い停戦の実現と、ウクライナ支援に全力を尽くしていただきたい。このような総合経済対策について、総理の答弁を求めます。今後のG7広島サミットで、各国首脳が原爆資料館を訪問し、一刻も早い停戦の実現と、ウクライナ支援に尽くしたことは、総理の答弁を求めます。
28:39
このような総合経済対策について、各国首脳が原爆資料館を訪問し、一刻も早い停戦の実現と、ウクライナ支援に尽くしたことは、総理の答弁を求めます。今後のG7広島サミットで、各国首脳が原爆資料館を訪問し、一刻も早い停戦の実現と、ウクライナ支援に尽くしたことは、総理の答弁を求めます。
29:03
ニューヨークで核兵器の原料となる物質の生産を禁じ、増やさないことなどを目的とした条約である「核兵器用核分裂性物質生産禁止条約」、いわゆるFMCTの早期交渉開始を訴えられました。NPT体制を維持・強化するとともに、現実的で実践的な取り組みの強化が必要と考えます。
29:27
日本のオブザーバー参加と、今後の核軍縮への具体的な取り組みについて、総理の答弁を求めます。日本とアセアンは、友好協力の歩みを進めて、今年で50周年の節目を迎えます。さらなる友好関係の強化と連結性の強化により、地域の安定を確保するため、先般、
29:51
公明党はフィリピン、インドネシア 、ベトナムを訪問しました。各国の政治リーダーと様々な観点から率直に意見交換をし、友好関係を深めるとともに、各国からは日本のこれまでのインフラ整備への支援に感謝の声が寄せられ、引き続き支援を求める声が相次ぎました。また、3カ国いずれも特定技能制度や技能実習制度などを利用して、
30:18
多くの若者が日本で働いていることを踏まえ、より高い技術を確実に身につけ、帰国後はその技術を生かして起業するなど、キャリアアップできる環境の重要性を共有しました。日本語を話せる人材が各国に増えることで、日本企業も投資のハードルが低くなり、新たな雇用が生まれる好循環が期待されます。
30:44
先月、ASEAN関連首脳会議が行われ、12月には日ASEAN特別首脳会議が東京で開催されます。こうした機会を生かし、今後、多くの分野でASEANと協力関係を強化していただきたいと思います。日ASEAN関係の進化に向け、どのような取り組みを進められるのか、総理の答弁を求めます。
31:08
ASEAN訪問では、私自身が立ち上げから関与したアジア諸国から幹部候補職員を日本に招き、高度な研修と人的ネットワークの構築を目指す海上保安政策プログラム卒業生たちが自国に戻り、活躍している現場も見ることができました。海上交通路の安全確保のため、各国の海上保安機関とのさらなる連携強化の必要性を実感しました。また、我が国周辺海域の情勢が一層厳しさを増す中、有事における海上保安庁と自衛隊の連携・協力を図ることが必要です。その際、海上保安庁法第25条の趣旨に則り、両者は本質的に機能や役割が異なっていることを踏まえた上で、統制要領に基づく運用を確立しなければなりません。
32:03
海上保安庁の法執行機関としての機能を踏まえた平時の国際貢献の在り方と、有事における自衛隊との役割分担の在り方について、総理の見解を伺います。本年の梅雨前線による大雨や相次ぐ台風の影響により、全国各地で多くの被害が生じました。
32:25
被災した地域の一部では、いまだに道路や鉄道などが復旧に至っていません。必 要な予算を確保するとともに、一日も早い復旧に取り組んでいただきたい。福岡県では、今回の災害で災害拠点病院が浸水し、医療機器が水没するなど、甚大な被害を受けました。
32:47
国民党議員が現場に急行し、被害状況を調査するとともに、国会でも迅速な支援の重要性を訴えました。激甚化・頻発化する風水害に備え、災害拠点病院や避難所などに浸水の危険性がないか点検し、安全対策を講ずるなど、地域の防災の在り方を不断に見直していく必要があります。災害復旧及び防災減災対策について、総理の答弁を伺います。マイナ保険証を通じた医療のデジタル化は、正確なデータに基づく診療や薬の処方が可能となるなど、国民一人一人に質の高い適切な医療を提供できるようになります。一方、今回のマイナンバー制度におけるひも付けの誤りなど、一連の問題事案により、国民の間に不安が広がりました。
33:41
健康保険証の配信については、国民の不安払拭が大前提です。医療機関や国民の声をよく聞きながら、再発防止策を徹底し、国民が安心してマイナ保険 証を活用し、メリットを享受できるよう、実効的な仕組みづくりを求めたい。様々な事情により、マイナ保険証を持つことができない方への対応も重要です。
34:06
公明党の主張により、保険証の代わりとなる資格確認証を、本人の申請を待たず、プッシュ型で交付することも決定しています。正しい情報を丁寧に周知し、すべての国民が安心して保険診療を受けられるように、着実に取組を進めていただきたいと思います。総理の答弁を求めます。
34:29
結びに一言申し上げます。総理は、所信表明で「変化の流れをつかみ取る」と繰り返し、「大きな時代の変化の流れをつかみ取り、個々の国民の力に変える」と述べました。国の力と表現せず、個々の国民の力と言及されたことは、公明党の考えと気を逸にします。
34:51
国民の個々の力がつくことが国の力にもなります。今日の大きな転換期にあたり、変化を国民一人一人の力へ結びつけていく、これこそが今日の政治の重要な役割であると考えます。公明党はこの点を踏まえ、大衆とともにの立党精神を胸に、これからも生活者の目線で改革を進めてまいります。
35:16
そして今、私たちが直面する危機の克服に全力で取り組み、日本の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
36:08
山口夏夫議員のご質問にお答えいたします。
36:16
重点支援地方交付金の積み増しについてお尋ねがありました。物価高の影響を受け、厳しい状況にある生活者、事業者の方々をしっかりと支えるため、政府はこれまで重点支援地方交付金を措置し、生活困窮者や子育て世帯、中小企業への支援を含め、地域の実情に応じた取組を支援してきました。今回の経済対策においても、同交付金を追加し、引き続き支援をします。また、多くの自治体では、この夏以降、人世帯あたり3万円を目安に、低所得者世帯への支援を開始してきました。
37:05
重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠についても、今回の経済対策において追加的に拡大いたします。引き続き、同交付金をはじめ、重層的な対策を講じることによって、物価高から国民生活と事業活動を守り抜いてまいります。中小企業の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
37:33
持続的で構造的な賃上げ実現に向けて、中小企業への支援が重要です。いただいた提言も踏まえ、価格転嫁対策、生産性向上支援、資金繰り支援に取り組んでまいります。
37:51
価格転嫁対策としては、年2回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。
38:16
これから、売上拡大や生産性向上など、経営者の挑戦を後押しするための支援を着実に進めるとともに、今後取りまとめる新たな経済対策において、精進化・省力化投資の支援措置を強化してまいります。
38:39
その際、ご提言も踏まえ、商工会、商工会議所など地域の中小企業支援機関が、小規模事業者の申請書の作成を支援する体制、これを引き続き整備いたします。
38:55
さらに、資金繰り支援として、賃上げに取り組む中小企業に対する定理融資の検討を進めるとともに、ご提言いただいた経営者保障の提供を選択できる信用保障制度の年度内創設に向けた準備を進めてまいります。
39:16
中小企業庁を司令塔に関係省庁一丸となって、こうした政策を着実に進め、中小企業における持続的な賃上げ、所得向上を実現してまいります。中小企業におけるカーボンニュートラルや省エネの取り組みについてお尋ねがありました。
39:37
カーボンニュートラルの実現に向けて、中小企業も含め、社会全体のGXを進めていくことが重要です。
39:47
中小企業の省エネ促進に当たって、専門家による省エネ診断や省エネ設備への更新に対し支援を行っていますが、その際、ご指摘のように省エネ診断を参考とした設備導入を優遇するなど、一貫した支援を行うこととしています。
40:14
また、設備導入の講事例について、事例集の公表や民間への講演等を通じた横展開を図っており、引き続き取り組みを充実させてまいります。こうした中小企業の省エネ取り組みをさらに後押ししていくこととしており、今後取りまとめる経済対策で必要な施策を盛り込んでまいります。
40:42
次に、インボイスについてお尋ねがありました。インボイス制度の開始により、制度に対するご不安やご懸念を抱かれる方もいらっしゃると思います。
40:56
このような不安等に対しては、引き続き適切に相談に応じていくとともに、来年の確定申告に向けては、税負担や事務負担を軽減する2割特例等をしっかりと周知した上で、事業者からの相談に対し、適切にお受けする体制を整備してまいります。
41:18
また、免税事業者の不当な取引廃除や価格引下げに対しては、厚生取引委員会をはじめ、政府を挙げて取引環境の整備に取り組んでおり、引き続きこうした対応を的確かつ厳正に実施してまいります。
41:39
引き続き、政府一丸となって制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。農林漁業者の所得の確保拡大についてお尋ねがありました。
41:58
農林漁業に携わる方々が夢と希望を持って活動していくためには、安心して働ける所得が確保される環境が重要です。このため、議員御指摘のスマート技術の開発実用化等による生産性の向上や、環境に優しい農業の実践等による付加価値の向上に向けた取組を促進してまいります。
42:27
加えて、今後さらに重要性を増すのが、拡大する海外の食市場の獲得です。高品質な我が国農林水産物の輸出増加に向けた取組を後押ししてまいります。
42:44
また、現下の状況に鑑み、肥料や飼料、燃油等の価格高騰対策を着実に実施していくとともに、適正な価格形成に向けた国民理解の醸成と具体的な仕組みづくりを進めてまいります。
43:03
これらを通じて農林漁業者の所得が確保拡大され、我が国において農林漁業が魅力ある営みとして、持続的に発展していくよう取り組んでまいります。高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
43:24
高等教育の無償化については、低所得世帯を対象に事業料等の減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところであり、さらに令和6年度から負担軽減の必要性の高い多種世帯や離婚の系の学生等の中間層へ対象を拡大することとしています。
43:53
そしてこれに加えて多種世帯の学生等に対する事業料等減免について、執行状況や財源等を踏まえつつ、対象年収の拡大を含め、さらなる支援拡充を検討し、年末までに具体化を進めてまいります。不登校対策についてお尋ねがありました。
44:18
先日公表された調査結果では、小中学校の不登校児童生徒数が過去最多になるなど極めて猶予すべき状況です。
44:34
そのため、先般の不登校対策等に関する合同会議の場において、緊急的に対処すべきものについて経済対策にも盛り込むよう、私から文部科学大臣に指示を行いました。
44:51
具体的には、校内の教育支援センターの設置促進や、子ども一人一人のICT端末を活用した心の健康観察の推進、スクールカウンセラー等の配置充実等について、速やかに実行してまいります。政府としては、不登校に関する対策を強化し、子どもの安全安心確保に万全を期してまいります。
45:20
若者やお一人様を応援する政策についてお尋ねがありました。若者への支援については、雇用の安定を図り、経済的基盤を確保することで、将来にわたる展望を描けるようにすることが重要であると考えており、
45:41
ハローワークでの安定就労に向けた就職支援、公的職業訓練を通じた能力開発支援等を行っているところです。こうした取組に加えて、三民一体の労働市場改革などの生産性を引き上げる構造的な改革を進めることで、若者も含めた持続的な賃上げを実現してまいります。
46:08
また、ご指摘のお一人様への対応についても、こうした雇用施策を含め、性別、年齢を問わず、孤独、孤立に悩む方々に必要な支援が行き届くよう、引き続き政府一丸となって取り組んでまいります。医療介護制度等同時改定についてお尋ねがありました。
46:34
今後は6年度は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の報酬の同時改定が行われる大きな節目の年にあたります。
46:46
ご指摘のように、医療介護の提供体制や人材確保、働き方改革といった観点は重要であり、同時改定においては、今般の経済対策における物価高騰や賃金上昇への対応を踏まえつつ、
47:06
それに加えて経営の状況、支えてが減少する中での人材確保の必要性、患者利用者負担、保険料負担への影響も踏まえ、患者利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行ってまいります。今後のウクライナ支援についてお尋ねがありました。
47:32
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす傍挙であり、G7をはじめとする国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナ支援を強力に進めていく必要があります。日本はこれまでウクライナ関連 支援として総額約76億ドルの協力を表明し、実施をしてきています。
47:57
また、ウクライナの中長期的な復旧・復興に向け、我が国の知見や経験を生かしつつ、地雷対策、瓦礫除去や電力等の基礎インフラ整備を含む生活再建など、引き続き日本ならではのきめ細かい支援を実施してまいります。また、ウクライナの復旧・復興のためには、民間企業関係者の関与も不可欠です。
48:26
この点、来年初めに開催予定の「日ウクライナ経済復興推進会議」なども通じながら、官民一体となった対ウクライナ支援を力強く推進していく考えです。核兵器禁止条約第2回締約国会合へのオブザーバー参加及び今後の核軍縮への具体的な取り組みについてお尋ねがありました。
48:55
核軍縮をめぐる情勢が一層厳しいものになっている今こそ、核兵器のない世界の実現に向けて、現実的で実践的な取り組みを着実に進めていかなければなりません。こうした思いから、私は昨年、NPT運用検討会議に出席をし、広島アクションプラン を提唱しました。
49:17
そして、今年5月のG7広島サミットでは、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となる「G7首脳広島ビジョン」を発出しました。
49:30
そして、今年9月の国連総会の機会には、FMCTハイレベル記念行事を主催し、FMCTの早期交渉開始に向けた国際社会の関心を改めて喚起するとともに、核兵器のない世界に向けた関係国の決意を改めて示すことができました。
49:51
ご指摘の核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口ともいえる重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一カ国も参加しておらず、いまだその出口に至る道筋には立っていない。これが現状です。我が国は、唯一の戦争被曝国として、核兵器国を関与させる努力をしなければなりません。
50:17
本年12月8日及び9日には、核兵器国と非核兵器国の双方からの出席を得て、それぞれの国の立場を超えて自由活達な議論を行う、核兵器のない世 界に向けた国際献人会議の第3回会合を長崎において開催することとしました。
50:42
商班の事情が許せば、私自身も出席すべく調整を行っているところです。日アセアン関係の進化に向けた取組についてお尋ねがありました。アセアンは日本にとっての伝統的なパートナーであり、良好な日アセアン関係は日本の平和繁栄のために不可欠です。
51:07
また、アセアンは世界の成長センターであるとともに、知性学的要所に位置をしており、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現に向けた要です。
51:22
アセアンが掲げるインド太平洋に関するアセアンアウトルック、AOIPは、FOIPと本質的な原則を共有しており、手を携えて海洋協力、連結性、SDGs、経済等で具体的な協力を進めていきます。
51:42
12月に東京で開催する特別首脳会議では、過去50年の交流を通じて培った信頼関係を将来につな ぐべく、新たな協力のビジョンを打ち出し、幅広い具体的協力の実施計画を発表し、日アセアン関係の一層の強化に向けた次世代の方向性を示したいと考えています。
52:08
海上保安庁による平時の国際貢献や有事における自衛隊との役割分担のあり方についてお尋ねがありました。
52:18
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、海上保安庁では法の支配に基づく海洋秩序を維持するため、御指摘の海上保安政策プログラムを含め、諸外国への能力向上支援や各国海上保安機関等との連携協力を進めています。
52:43
今後とも自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、しっかりとリーダーシップを発揮してまいります。
52:51
また有事における海上保安庁と自衛隊との役割分担については、本年4月に策定された統制要領に基づき、海上保安庁は非軍事的性格を保ちつつ、国民保護措置や海上における人命の保護等を実施することとしており、
53:18
この両機関の連携協力を不断に強化してまいります。災害復旧及び防災減災対策についてお尋ねがありました。まず6月以降の相次ぐ大雨や台風でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
53:44
災害からの復旧については、政府としても被害を受けた道路、病院等に係る災害復旧事業による支援を行っているほか、売物前線、豪雨等による災害を激甚災害に指定するなどしているところであります。
54:06
また、浸水想定区域に所在する災害拠点病院については、来年4月から止水板の設置等による浸水対策を講ずることとしており、必要な支援を行っているほか、指定避難所についても浸水対策を含めた防災機能の強化を支援しているところです。
54:31
そのほか、今回の経済対策では、国土強靱化、防災減災など国民の安全安心の確保を柱としているところであり、引き続き災害復旧及び防災減災対策に総合的に取り組んでまいります。そして、健康保険所の廃止についてお尋ねがありました。
54:54
ご指摘のとおり、マイナー保険所には患者本人の健康医療に関するデータに基づいたより良い医療の提供が可能となるなどの多くのメリットがあり、我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みです。
55:14
健康保険所の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提であり、マイナー保険所への移行期においても全ての国民が安心して保険診療を受けられるよう、当分の間マイナー保険所を保有していない方全てに資格確認書を申請によらず交付をいたします。
55:43
政府としては、紐付けの送店券とその後の修正作業を着実に進めるとともに、マイナー保険所のメリットを実感していただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
56:33
山口夏夫議員から、観光の活性化についてお尋ねがありました。直近の、法日外国人旅行者数や日本人延べ宿泊者数がコロナ前の水準におおむね回復するなど、足元の観光需要は確実に回復しています。一方、コロナ禍により極めて大きな影響を受けた観光産業では、人手不足が深刻化するとともに、一部の地域においては、過度の混雑やマナー違反による、いわゆるオーバーツーリズムの懸念等が生じていると認識しております。これらの課題に対応するため、国土交通省としては、宿泊施設における省力化に資する設備投資支援や、外国人材の採用活動支援など、総合的な人手不足対策を実施しております。また、DX化による生産性向上や省エネ化への支援、さらには関係省庁との連携による金融支援などにより、宿泊産業を支えてまいります。さらに、岸田総理のご指示の下、関係省庁とも連携して、先日10月18日、取りまとめられた「オーバーツーリズムの未然防止抑制に向けた対策パッケージ」に基づきまして、観光客の輸送における受入れ環境の整備、需要の適切な管理、マナー違 反行為の防止抑制等に取り組んでまいります。また、持続可能な観光立国を実現するためには、地方部の観光地の魅力向上等を通じて、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向を是正することも重要です。地方の観光地・観光産業の幸福化・価値化や、各地域における特別なコンテンツの創出等により、観光地・観光産業の稼ぐ力を回復・強化し、地方への誘客を促進する、このことで、観光による地域活性化に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
59:34
日本維新の貝浅田人志です。私は貝派を代表して、総理に質問いたします。今、多くの国民の皆さんにとって一番心配なのは、物価は上がるのに賃金収入が増えない。賃金収入が増えないから生活が苦しくなるということではないでしょうか。(おめでとう)この問題を解決するには、賃金を上げるとして、仮処分所得を増やすか、物価を下げるか、 あるいは、そのいずれも実現する政策が必要です。私は以下の循環、つまり、1. 賃金が上がるから、物価が上がっても消費が減らない。2. 物価が上がっても消費が減らないから、価格転嫁ができる。3. 価格転嫁できるから、物価が上がりGDPが増える。4. GDPが増えるから、賃金を上げることができる。こういう4つのステージからなる循環を作り出すことが必要である、という観点から質問を始めます。まず、賃上げと価格転嫁について質問します。岸田総理は、地方中堅中小企業を含めた持続的賃上げの実現を表明しています。今春の春党では、平均3.58%の賃上げを実現できたと胸を張っていますが、組合のない企業も含めた中小企業は2%程度にとどまっているという数字もあり、まだまだ賃上げが隅々まで波及しているとは言えない状況です。総理は、この状況をどのように認識しておられますか。お答えください。総理は、賃上げ税制を強化するための減税措置を表明しましたが、賃上げを企業の自主性に委ねるだけのスキームに持続性はなく、やはり必要なのは、いかにして経済を成長させるかです。経済は、コスト上昇分を価格に転嫁し、物価が上がることにより成長します。経済学の好順の一つと言ってもいいでしょう。ところが、渓谷データバンクが7月に実施した調査では、価格転嫁率は43.6%、つまりコストが100円上昇した場合に43.6円しか販売価格に反映できていないのが実態です。全く価格転嫁できない企業も、いまだに12.9%を占めています。これでは経済は成長しません。総理は、持続的な賃上げが可能となるよう、賃上げ企業の転嫁対策を強力に進めると表明されましたが、意味がよくわかりません。わかるような御説明をお願いします。また、従来の取組に加え、具体的にどんな対策を講じるのでしょうか。価格転嫁に関する具体策なしに賃上げを唱えても空念仏です。総理の認識をお尋ねします。次に、物価を下げる観点からの質問です。足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策は急務です。これまで政府が実施しているスキームは、主として供給側の特定の事業者団体に補助金を投入するという手法ですが、我が党は一貫して最終消費者への直接の支援、集めて配るのではなく、そもそも集めないことにより最終消費者の過所分所得を直接向上させるべきと主張しています。ガソリン口頭に対する力気返還は措置事業を来年春まで継続すると表明されましたが、今後も引き続き補助金を投入するのであれば、リットル25.1円分の当分の関税率は廃止し、その上で175円程度まで補助金を投入するスキームに変えても、要する費用は同じだと思 いますが、まずは財源総額の多化についてお答えください。その上で最終消費者の過所分所得を直接向上させることが可能な当分の関税率の廃止をなぜ行わないのか、行わないのか、理由を明確にお答えください。岸田総理は、初心の冒頭、変化の流れを絶対に逃がさない、つかみ取ると発言されました。しかし、変化を認識できない者に、変化の流れをつかみ取ることなど、できようはずもありません。変化が起き始めたのは10年以上も前のことです。2007年にiPhoneが登場し、スマホが急速に普及してから、それまでにはなかった新たなサービス、新たなビジネスが可能になりました。その一つがライドシェアです。我が党がずっと主張してきたライドシェア導入について、総理は初心法面接でライドシェアの課題に取り組む、と極めて微妙な表現をされました。地域交通の担い手不足、インバウンド回帰による観光地等での移動手段の不足、といった問題を解決するために、個人タクシー運転手の年齢上限を75歳から80歳に引き上げるとか、外国人労働者にも広げるといったタクシー業界を守るための信じられないような対応ではなく、新たなサービスとしてのライドシェア導入に舵を切るという宣言と理解してよいのか、まずは総理の見解をお伺いします。多くの国ではライドシェアを合法するか否かは決着済みで、今や当たり前のサービスです。昔から近所の人や友人を車に乗せることはありましたが、ここにイノベーションが生まれたのは2007年iPhoneが登場し、スマホが急速に復旧してからのことです。スマホアプリで今お客さんを乗せられる自家用車ドライバと今車で移動したいお客さんを瞬時にマッチングできるようになり、同時にドライバーの評価もアプリで瞬時に蓄積できるようになりました。こうして昔からのお隣さんレベルを超えて大規模な支援が実現可能になりました。シェアリングエコノミーの誕生です。重要なのはこのイノベーションがもたらした経済的意味合いです。使わなければ有給資産である自家用車と、使わなければ潜在的な労働力に過ぎなかったドライバーが、新たなゲームのルール下で付加価値、すなわちGDPを新たに生み出しました。これまで変化を認識できず、ライドシェアを封印してきたという事実が、まさに我が国の30年に及ぶ経済停滞の原因を象徴的に示しています。総理はどのようなご認識ですか。お答えください。このライドシェアも抵抗なく広がったわけではありません。我が国と同様、大抵の国にはタクシー規制があります。所認可を得た事業者しか運営できず、特別な免許を有するドライバーしかお客さんを載せられません。ライドシェアも当初は多くの国で違法とされました。しかし、そうした国は、新たに生まれた革新的ビジネスを単に解禁するのではなく、安全性確保や犯罪対策等の一定のルールを設けて合法化に踏み切りました。ドライバーの犯罪歴チェック、定期的な車両点検、事故に備えた保険加入など、多くの国で義務づけられています。これに対し、新たなビジネスを一切否定してきたのが日本です。ライドシェアに限らず、日本はこうしたイノベーションに目を閉じ、成長の芽を摘んできました。変化の流れをつかみ取れなかった結果として、諸外国に比べ成長スピードが低下し、国民の暮らしは徐々に貧しくなってきました。ライドシェア導入は、総理が所信表明で述べた、新しいフロンティアやイノベーションへの取り組み、スタートアップへの支援強化を推進するために、解決すべき課題に取り組むと表明したという認識でよいか、答弁を求めます。検討に当たっては、ライドシェア事業者の責務の明確化、ライドシェア事業者の許可制、新規事業者の参入促進、外国人労働者や高齢者の参入は慎重に検討の4点が最低限不可欠であると考えますが、総理の見解をお示しください。成長戦略の本丸は、規制の緩和撤廃です。岸田総理は9月21日、企業経営者や金融関係者らで構成するニューヨーク経済クラブでの講演で、突然、資産運用特区構想を打ち出しました。所信表明演説には、この特区構想 のことが触れられていませんが、総理の資産運用特区構想に変わりはないのか、まずはお尋ねします。我が党は、特区制度を活用して、税制見直しや多言語対応、在留資格の緩和を推進し、国内に新たな国際金融都市、市場を創設するという、まさに今回、総理が打ち出した内容をマニフェストに明記し、2年前の通常国会では、国際金融拠点特別区域整備推進法案を提出しています。我が党が政権を担う大阪府では、先日20日、大阪市内に新たに進出した海外の金融関連事業者に対し、法人地方税を最大10年間控除する制度などを定めた条例案が可決され、また、大阪市でも9月に対象事業に法人市民税を全額控除する内容などを含む条例案が可決されました。同時に、吉村知事は、総理が表明した資産運用特区へも立候補したい考えを示しました。昨年11月の衆議院本会議で、我が党議員の質問に対し、鈴木金融担当大臣は、「我が国が国際金融センターとしての地位を確立するためには、国内の特定地域に施策を限定するのではなく、我が国自体がビジネスを行う場として魅力的な国となることが重要と考えている」と答弁されました。わずか1年の間で、何をもって政府は考えを変えたのか、あるいは我が党の提案を今回思い切って採用するという鋭談をされた結果なのか、総理の認識をお尋ねします。消費税や所得税の減税となると、実質的に国民に還元されるのは来年度に入ってからでしょう。総理は還元措置の具体化に向けて、所得税減税の検討を与党に指示したと発表しましたが、足元の物価高に対する対策で求められるスピード感について、どのような認識をお持ちですか、お答えください。我が党はこうしたスピード感、速攻性の観点も含め、社会保険料の減免を中心とする提言を行っておりますので、関連して質問いたします。政府による経済対策は、これまで事業者等への補助金、非課税世帯への現金給付が中心で、資産を持つ年金受給者にも給付が行われる一方、本当に支援が必要な中間層や子育て世帯に恩恵が行き渡らない非効率的なものにとどまってきました。我が党は、かねてより減税や社会保険料の減免という、集めて配るのではなく、そもそも集めない経済対策を提言してきましたが、政府は減税について低所得者層に効果がない、時間がかかるなどを理由に一貫して否定的でした。確かに減税には一定のリードタイムが必要なことは確かですから、消費税や所得税減税は来年度当初予算策定段階で緊急対策として断行する準備を今から始める一方、まずは低所得者層に対して極めて効果的である社会保険料の減免を実施すればよいのではないですか。社会保険料の減免は現役世代の過所分所得を確実に増やすことから、賃上げの方向性とも一致し、景気不要策としても最適解で あると考えます。国民に直接還元するには、給付金、消費税減税、所得税減税、社会保険料減免といった方策があります。我が党は短期の緊急経済対策として、社会保障制度改革や将来世代への徹底投資といったあるべき中長期的な政策方針にも通定する施策として、社会保険料の減免を中心とする提言を行っていますが、総理は経済対策を取りまとめるにあたり、今述べた4つ各々を採用した場合のメリット・デメリットをどのように認識して国民への還元方針を具体的に決定するのか、我が党の提言についての受け止めと併せてお答えください。次に社会保障制度改革に関連して質問いたします。長期的な給付水準を主傘する5年に1度の財政検証が来年の夏に公表されますが、今週から厚労省の審議会で議論が本格化します。マクロ経済スライドを適用する場合のセーフティーネットの構築が急がれると認識していますが、無年金者への対応、現在の失業手当制度の問題点や課題を含めて、最低生活保障、最低所得保障制度の在り方・必要性について、総理の認識をお伺いします。デジタル歳入帳について質問します。我が党は創設時より、保険料納付と納税を一体的に行う歳入帳の創設による調整機能の適正化・公正化を訴えてきました。総理は、過去に例のないような大胆な取り組みに踏み込む決意、アナログを前提とした行財政の仕組みを全面的に改革するデジタル行財政改革を起動するとおっしゃいましたが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、今や物理的な歳入帳を創設しなくても、e-Taxシステムを拡張することにより、スムーズに移行できるデジタル歳入帳を創設することこそが、デジタル行財政改革の本丸と考えますが、総理の見解をお聞かせください。デジタル歳入帳が実現すれば、国税では当たり前のように行っている税額控除のような手法を、DX化を通じて社会保険料分野でも実施することが可能になります。政府は、相変わらず取組を行った企業に対して補助金を投入するスキームである、年収の壁支援強化パッケージを進めようとしていますが、これもプログラムを変更するだけで済む話です。例えば、106万円の壁を超えた分だけに社会保険料を適用するとすれば、106万円の壁は解消されます。こうした手法をデジタル歳入帳の中で行っていくことについて、総理の見解をお伺いします。政府日銀は、これまでデフレ経済からの脱却を目標に、異次元の金融緩和を続けてきました。成長しない経済の原因を物価に求め、物価目標が安定的に2%になるまで緩和を続けるというのが、政府日銀共通の方針です。これまで政府は、30年 続いてきたデフレ経済と言ってきましたが、今回の初心法明演説では、30年来続いてきたコストカット経済という表現に変わりました。経済に関する総理の認識自体が変わったのか、ご説明願います。賃金が上がらないのは、物価が上がらないからです。国民の期待インフレ率が低く、企業は商品の価格を上げられないので、賃金を上げると経営が成り立ちません。消費者も価格がそよぎでないと生活が成り立ちません。だから賃金も価格も上げられないという状態が続いてきました。デフレ化での対応を全面的に否定するのは、これまでの政府の方針、政策を否定しているように聞こえますが、総理の見解をお伺いします。現在の状況は、名目賃金が上がらない中で、物価が上昇していることから、実質賃金が下がっているということであり、総理が物価高対策を講じているのに、日銀が金融緩和を継続するのは、国としての経済政策の統一性がない、との意見もありますが、総理の見解をお聞かせください。総理は、今回の経済対策の第三の柱として、成長力の強化、高度化に資する国内投資促進を掲げました。昨今のGDPギャップを鑑みれば、需要喚起のみならず、供給力強化を視野に対策を打ち出していくことには賛成です。総理は、半導体や脱炭素のように、安 全保障に関係する大型投資をはじめ、供給力強化に資する施策に支援措置を集中すると述べましたが、供給力強化を政府が特定の分野に限定して主導するやり方は、これまで経産省が推進してきた各種事業での残念な結果を彷彿とさせます。例えば、GX(グリーン・トランスフォーメーション投資)を促進するというのであれば、GXリーグへの参加を任意とするのではなく、政府が明確に期限を切って企業の参加を義務付ける方針を示し、その条件下で民間事業者の競争を促す仕組みを整えるべきではないでしょうか。大切なのは、政府が事業を特定して各種税制措置などの支援を行うのではなく、参入障壁を可能な限り低くするために規制緩和を大胆に実施し、競争環境を整えた上で供給側が自由に競争を行うことを促進することに重きを置くべきと考えますが、総理の認識をお伺いします。総理はまた、物価高対策として、重点支援地方交付金の枠組みを追加的に拡大すると表明しました。これまで、感染症対策及び地方創生対策として、国から地方公共団体に交付される新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、特に幅広い首都が認められた地方単独事業分については、問題のある使い方が散見されたほか、基金の積み増しにつながったとの指摘もあります。今回のように、ター ゲットがはっきりしている経済対策における需要喚起については、地方自治体経由ではなく、例えば、ワーチャー制度やクーポン制度といった首都を明確にした上で国民に直接給付を行うことで、最終消費者が多様な中から自由に選択できる仕組みをつくっていくことが、寛容なのではないでしょうか。国民自身の選択肢を広げることにより、需要喚起という考えについて、総理の見解をお尋ねいたします。次に、外交防衛について質問いたします。日本維新の会は、ウクライナへの支援として、見送る改革の一環で、当所属国会議員の債費の一部を積み立てた資金から約1.5億円を使い、本年3月に新興品のピックアップトラック20台や缶詰類を提供しました。そのピックアップトラックは、東武戦線1500キロの範囲で、それぞれが約100キロの幅を受け持ち、機動的に移動しながら、防衛のためにドローン攻撃の電波を拡大する役割を果たしており、その性能にふさわしい形で活躍していると聞いております。一方、岸田総理が広島サミットで、ゼレンスキー大統領に100台送ると約束した自衛隊車両は、引くところによりますと、8月に2台、12月に15台、来年1月以降に45台、4月以降に40台という信じられないスピード感で提供され、しかも全て、いわば敗者寸前の中古車といった有様です。まさに現政権の平和ぼけを示す好事例かと思いますが、総理の認識をお伺いいたします。今国会の最重要テーマは経済対策ですが、もう一つ重要なテーマがあります。憲法改正です。岸田総理はこれまで何度も自身の総裁任期中での憲法改正のための国民投票実施を明言されてきました。任期とは来週までの任期だということも明言されています。来週までの国民投票実現に向けて、今国会で求められるゴール、成果物を、総理はどのようにお考えなのかお伺いします。衆議院では毎週憲法審査会が開催され、緊急事態状況についてほぼ論点が出そろっていますが、参議院においては開催頻度も少なく、しかも議論の内容が国会議員の身分に関わる合区に関する事項ばかりが優先されています。憲法改正の発議にあたっては、両院それぞれの本会議で3分の2以上の賛成を、賛成で可決する必要があります。総理はこの参議院の審議状況をどのように認識されていますか。これまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待します、というだけでは、自身の公約の正義を野党に委ねてしまうことになりますが、それでも良いとお考えですか。自民党総裁としてリーダーシップを発揮 すべきではないですか、お答えください。自民党の党勢である憲法改正の国民投票を国民に約束した来週までに実現できなかった場合、当然総理は責任を取って、次期総裁選に出馬することはないと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。総理は100年後にこの国会が変革への大きなうねりを生み出した、そのように後世から評価されるよう、ともに挑戦しようと呼びかけました。しかし過去に例のないような大胆な取組の具体的なメニューが全くなく、どれも肝心からめの本丸から逃げていることを国民は見透かしています。これでは史実が鮮明するのも当然です。我が国は総理に直接提言した緊急経済対策において、我が国が解決しなければならない中長期的な社会課題の解決に向けた国民的な議論を着手する意味も込めて、社会保険料減免を中心とした提言を行いました。政府は今まで通り改革の本丸から目をそらし、これからも制度維持、微修正という態度を続けています。これに対し、我が党は現在取りまとめている政権構想のもととなる成長戦略、新日本大革命プランBとして掲げ、改革を競い合う新しい政治を実践していくことを国民の皆様にお約束し、質問を終わります。以上で終わります。ありがとうございました。
1:24:45
浅田幸人委員のご質問にお答えいたします。中小企業の賃上げの現状認識と価格転嫁対策についてお尋ねがありました。今年の連合集計の春冬の賃上げ率は全体で3.58%、中小企業においては3.23%と両者の間に差はあるものの30年ぶりの高水準であったと承知をしています。また、従業員規模の小さな中小企業を対象とした厚生労働省の調査でも賃上げ率は2.1%と26年ぶりの水準となっています。これをさらに引き上げていかなければならないと考えています。いずれにせよ、持続的で構造的な賃上げの実現に向けては、賃上げのうねりを中小企業や地方にしっかりと広げていくことが重要であり、中小企業の生産性向上支援や賃上げ費用の価格転嫁対策等を進めてまいります。具体的な価格転嫁対策としては、年2回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、下請地面による価格転嫁に関する調査、パートナーシップ構築宣言の推進による元請、下請企業における機運醸成などを着実に進めるほか、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。こうした取組を通じて、中小企業の賃上げをしっかりと後押ししてまいります。激減緩和事業と気発油税等の当分の還税率の関係についてお尋ねがありました。燃料油の激減緩和事業では、現在全国平均でリッター175円をガソリン価格の実質的な上限とすべく補助金を支給しているところです。当該事業について、ご指摘のように気発油税等の当分の還税率を廃止した上で、その税率相当分の補助金を減額するとした場合、それらの財源総額は基本的には変わらないと考えています。ただし、気発油税等については、平成21年に道路特定財源は廃止されましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が維持され当分の還税率とされたものと承知をしています。こういった状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。ライドシェアの導入に向けた決意についてお尋ねがありました。人口減少のもとでもこれまで以上に質の高い公共サービスを提供し、利用者規模で社会変革を実現していくため、ご指摘のタクシー不足に対応する緊急措置にとどまらず、デジタル行財政改革会議のもとで議論を開始 したところであります。ライドシェアは各国の事情によって状況は様々ですが、多くの国でデジタル技術を活用しながら自家用車の有償利用を進めています。日本ではこれまでかなり限定された地域と厳しい条件で自家用車の有償利用を認めてきましたが、地域交通の担い手不足、あるいは移動の足の不足といった深刻な社会課題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組み、早急に方向性を出してまいります。ライドシェア導入の目的と論点についてのお尋ねもありましたが、ライドシェアにつきましてはデジタル行財政改革会議の立ち上げに際し、河野デジタル大臣と関係大臣に対し、不便解消に向けた地域の自家用車ドライバーの活用、さらには自動運転の事業化などの検討を加速するよう指示したところであり、これらの取り組みは新しいフロンティア、イノベーション、そしてスタートアップにつながるものであると考えています。先日16日ですが、デジタル行財政改革会議のもとの課題発掘対話において、ライドシェアの安全確保の課題も含め議論が行われたところであり、今後、規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキンググループでも論点ある いは目的を含め議論を進めてまいります。そして資産運用特区についてお尋ねがありました。政府としては家計の資金が投資に向かい、その運計が家計に還元されることで、さらなる投資や商品につながるという好循環を実現してまいります。その一環として資産運用立国を目指し、国内外の優れた資産運用会社や人材が日本に集まり、競い合うことでより良い商品やサービスが家計に提供されるとともに、国内投資が活性化される環境に向けて国内外からの資産運用業への新規参入を促進してまいります。このため意欲のある自治体と連携してビジネス環境と生活環境を重点的に整備する資産運用特区を創設してまいります。所信表明演説では経済活動の基盤である金融市場の変革に取り組み、資産運用業の改革を進めてまいりますと申し上げたわけでありますが、この考え方に基づいて資産運用特区を重要施策として進めてまいりたいと考えています。そして、物価高対策のスピード感、国民への具体的な還元方針といただいた提言についてお尋ねがありました。物価高に対して政府はこれまでガソリン・電気・都市ガス料金の激変緩和措置、低所得世帯への給付金、そして地方自治体が地域の実情に応じてきめ細かく支援できる重点支援地方交付金、これらを重層的な対策として機動的に講じてきました。引き続き、物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々への支援など、スピード感を持って対応してまいります。その上で、国民への還元については、本日夕方、政府与党政策懇談会を開催し、与党税制調査会に検討を支持するなど、早急に具体化を図ってまいります。そしてその際、減税や社会保険料減免は、一旦いただいた税負担や社会保険料負担をお返しするという意味で還元という概念になじみやすく、分かりやすい一方、給付金については必ずしもそうではないと考えています。ただし、消費税については急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは適当でないということ、また社会保険料減免については給付と負担の対応の関係を歪めるなど、それぞれの社会保険制度に与える影響が大きく、保険者の実務上の負担など課題も多いこと、これらを留意する必要があると考えています。温等の提言については、政策の手法について 異なるところはありますが、物価高から国民生活を守るという思いは同じであると考えています。いただいた提言も参考にさせていただきながら、物価高から国民生活を守り、我が国経済を新しい経済ステージに移行させるために、効果的な政策を積み上げてまいります。最低生活保障・最低所得保障制度の必要性についてお尋ねがありました。我が国の社会保障制度は、人生における様々なリスクに対し、本人と事業主が保険料を拒否することで備える社会保険方式を基本としています。こうした理念に照らせば、御指摘の最低生活保障・最低所得保障制度については、慎重な検討が必要であると考えています。また、その制度の導入には、年金、雇用保険を含む既存の制度との関係をどう整理するかなど、乗り越えるべき大きな課題があるとも認識をしています。政府としては、最後のセーフティーネットである生活保護制度なども含めた、きめ細かな対応を基本としつつ、能力に応じて皆が支え合い、必要な保障がバランスよく提供される、全世代型社会保障の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えています。そして、デジタル歳入帳の創設についてお尋ねがありました。ご提案は、税と社会保険について共通のシステムで運用するということだと思いますが、現状においても、例えば国民の利便性向上として、マイナポータルを通じた税、年金等に関するオンラインでのワンストップサービスの提供など、デジタルの力を活用して必要な連携を進めてきているところであり、今後もデジタル改革は進めてまいります。年収の壁に関しては、例えば、ご指摘の一定以上の報酬に対してのみ、社会保険料を付加するということにつきましては、付加範囲の減少が制度に及ぼす影響が大きいため、慎重な検討が必要だと考えており、壁を意識せず働くことが可能となるよう、短時間労働者への費用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに取り組んできたところです。その上で、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として、年収の壁、支援強化パッケージ、これを速やかに実行してまいります。 これまでの経済への認識や物価高対策と金融政策の関係についてお尋ねがありました。1990年代のバブル崩壊以降、長引くデフレを背景に、企業はコストカット最優先の対応を続け、その結果、消費と投資が停滞し、デフレを脱却できないという悪循環が生じてきました。こうした日本経済に対する認識は変わりはありません。そして2010年代以降、アベノミクスはデフレでない状況を作り出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。一人当たり平均の実質賃金はのみ悩んだと認識しておりますが、これまでの政府の方針、政策、これを全面的に否定しているものではありません。これまでの成果の上に立ちながら、しっかりと成長を実現した上で、成長の果実を国民に分配することで所得の向上につなげていく。こうした新しい資本主義の2年間の取り組みが、30年ぶりの3.58%の追い上げ、過去最大規模の名目100兆円の設備投資、50兆円ものGDPギャップの解消の進展などにつながったと認識をしています。こうして30年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスが巡ってきました。このチャンスをつかみ取り、低物価、低賃金、低所得のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革、これを実現してまいります。また、日銀の金融政策は賃金上昇を伴う形で、持続的安定的な物価安定目標の実現を目指すものであり、このエネルギー、食料品等の物価高騰の影響にきめ細かく対応しようとする政府の累次の物価高対策と矛盾するものではないと考えております。産業の供給力強化と規制改革についてお尋ねがありました。コストカット型経済からの完全脱却に向け、供給力の強化を図り、生産性を引き上げていくためには、言うまでも なく規制制度の徹底した改革も必要です。新しい資本主義の下では、気候変動などの社会課題を成長のエンジンに転嫁するとしており、デジタル行財政改革の下、市場環境の整備も含め、あらゆる分野において規制制度の徹底した改革を進めてまいります。なお、ご指摘のGXリーグについては、企業が自主的に排出量取引を行う枠組みとして、今年度より試行的に開始をしましたが、既に日本の排出量の4割以上を占める企業が参加をしています。2026年度の排出量取引制度の本格稼働に向けて、企業の参加率をさらに向上させて、競争的環境を整えてまいります。経済対策における重要喚起策についてお尋ねがありました。物価高に直面している生活者、事業者の方々を支援するにあたっては、物価高の影響の現れ方やニーズが地域により様々であることを踏まえれば、自治体を通じた細かな支援を、きめ細かな支援を講ずることが有効であると考えています。このため、昨年9月に創設した重点支援地方交付金を活用して、自治体を通じた支援を実施しています。その際、消費者がそれぞれのニーズに応じた商品サービスを購入できるようにして、選択肢を提供することで需要を喚起すること、これは重要であると認識をしています。重点支援地方交付金の省令事業メニューにおいて、プレミアム商品券や地域で活用できるマイナーポイン ト等を発行する取組などを示しているところです。引き続き、地方自治体が地域の実情に応じた需要喚起策を講じられるよう、今般の経済対策において、重点支援地方交付金を追加することとしており、これらの交付金が効果的に活用されるよう努めてまいります。ウクライナ支援のスピード感についてお尋ねがありました。御指摘の案件については、この御指摘の案件以前の支援として、我が国はロシアのウクライナ侵攻直後の昨年3月から、自衛隊が保有する防弾直機、ヘルメット、科学防護衣、ドローン、あるいは車両等の装備品を、ウクライナの要請に応じて既に提供してまいりました。また同じく要請に応じ、ピックアップトラック、クレーン付きトラック、ホイールローダーも、すでに数十台供用しています。その上で、御指摘の案件については、ゼレンスキー大統領からの要請を踏まえ、自衛隊が現在使用中の後起動車やトラック等を必要な整備等を行った上で順次提供をしており、100台の発送についても今年度中に発送ができるように加速をさせているところであります。今後ともウクライナのニーズに寄り添った支援、迅速に実施してまいります。そして、憲法改正についてお尋ねがありました。憲法改正は先送りできない重要な課題です。内閣総理 大臣の立場から、憲法改正について議論の進め方等について、直接具体的に申し上げることは控えなければならないと考えておりますが、憲法改正は最終的には国民の皆様による御判断が必要であり、国会の発議に向けた手続きを進めるためにも、条文案の具体化等、国会においてこれまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待しております。また、自民党総裁としてあえて申し上げれば、総裁任期中に憲法改正を実現したいという思いは、いささかも変わりはありません。国会での議論を日資するよう、党内の議論を加速させるなど、憲法改正の課題に責任を持って取り組む決意です。今はそのことしか考えてはおりません。
1:44:06
これにて午後1時まで休憩いたします。
1:52:03
休憩前に引き続き会議を開きます。国務大臣の演説に対する質疑を続けます。
1:52:33
国民民主党新緑風会の大塚光平です。会派を代表し、総理の所信票面接に関して、総理に質問させていただきます。冒頭、国際紛争による子どもを含む多くの犠牲者に哀悼の意を表します。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの紛争が一刻も早く停戦に至るよう、長く外務大臣も務められた岸田総理には、日本として何ができるのかをじゅきろいただき、戦略的に行動していただくことを期待します。総理は、所信の中で、人間の尊厳という最も根源的な価値を中心に据え、世界を分断対立ではなく、共長に導くとの日本の立場を強く打ち出していきますと述べました。ウクライナ中東問題に対して、今後どのように対処する方針か伺います。また、所信に登場する岸田外交という表現の意味するところ、及び意図についても併せてお伺いいたします。所信の最初は、経済、経済、経済と経済を3回繰り返す項目名になっています。経済を動かす主体は家計と企業です。家計と企業に具体的かつ的確な政策が講じられなければ、経済、経済、経済という呪文の効果も現れません。総理は、総合経済対策策定を表明した9月25日の記者会見で、経済状況は改善しつつあると述べました。どのようなデータ及び状況を指して、経済状況は改善しつつあると考えているのか、今後の議論の前提として、総理の御認識をお伺いいたします。GDP受給ギャップがプラスに転じていることを勘案すると、今後、編成される補正予算案の規模は何を基準として決定するのか、現時点での総理の所見をお伺いします。補正予算の前提となる総合経済対策が11月2日に閣議決定されると報道されていますが、今週月曜日に国民民主党の提案は既に総理に提出させていただきました。生活減税4本柱として、第1にブラケットクリープ対策としての所得税減税、第2にトリガー条項発動及び当分の間税率、すなわち暫定税率廃止によるガソリン減税を含む燃料費口頭対策、第3に消費税5%減税による単一税率化とインボエス中止、第4に投資額以上の消費客を認めるハイパー消費客税制導入等による法人税減税案をお示ししました。ブラケットクリープ対策は賃上げ、所得増加によって適用税率が上がり、税負担が増える勤労者、家計の負担軽減策です。総理は期限付き所得減税の検討を指示したと報道されていま すが、ブラケットクリープ対策を講じる方針か否かお伺いいたします。ガソリン暫定税率の廃止法案を開会日に提出しました。総理は所信において変化の流れをつかみ取る、その1丁目1番地は経済、先送りせず必ず答えを出すと述べました。その決意が本気であれば、半世紀前の戦後復興期に道路建設のために必要という理由で創設された暫定税率自動車重課税、二重課税をもういい加減にやめませんか。総理にトリガー条項凍結解除、暫定税率廃止に関する決意をお伺いいたします。次に消費税減税についてです。10月からインボイス制度がスタートし、納税義務者である事業者は事務負担及びコスト増加に直面しています。消費税減税とインボイス中止について、総理の認識をお伺いいたします。インボイスに関連して国際的な経済派遣の観点からお伺いします。日本経済が絶頂期を迎えた1980年代以降、プラザ合意、VIS規制導入、国際会計基準導入が行われました。当時の日本経済の強さの要因であった円安、オーバーローン、ストック経営に対する欧米諸国からのカウンターであり、結果的に貿易黒字とバブル経済で得た日本の資産力は破壊されました。当時 の政財、官学、各界のリーダーはそのことに気づかず、日本経済は1990年代以降の失われた30年に誘われました。そこでお伺い出します。今回のインボイス制度導入の背景では、取引資金決済の電子処理を実現するため、電子インボイスについて、欧州ルーツの国際企画、PEPORの採用が前提となっています。PEPORの採用によって、今後の日本経済の慣行や税制にどのような影響が生じ得るか、現時点での総理の所見をお伺いします。失われた30年の間に、総理が初心で述べたコストカット型経済が定着しました。今年1月27日、通常国会への代表質問において、日本の経営者の思考や企業戦略をスリム化、コストダウン市場主義等の悪兵、呪縛から解放するために、どのような政策を考えているか、と質問させていただきました。今回の初心では、総理は、コストカット型経済からの完全脱却に向けて、思い切った供給力の強化を3年程度の変革期間を視野に入れて、集中的に行うしていきますと述べました。共通認識に立っていただけたものと思います。その具体的な方策として気をしうるのが、国民民主党が提案している第4のハイパー焼却税制です。先端分野、戦略分野に関して、今や国家間の産業政策競争の時代です。設備投資額以上の焼却を認めるハイパー焼却税制を導入すべきと考えますが、総理の所見をお伺いいたします。初心では、半導体の供給力強化に言及しています。今年の夏、日本のラピュタスとベルギーのアイメックの提携に関する調査のため、投資、EU代表部担当官等と意見交換してきました。アライアンスが成立するのは、相手にもメリットがあるからです。今回の提携で、アイメック側にどのようなメリットがあると考えているのか、総理の認識を伺います。初心では、AI、自動運転、宇宙への取り組みにも言及しています。通信、測意及び画像衛星、AIの3つは、現代国家にとって重要な技術インフラ3要素です。3要素に自動車や家電製品等が接続され、兵器がつながれればロードになります。3要素を外国に依存するようでは、産業も経済も防衛も安全保障は成り立ちません。3要素のうち、通信に関し、現在NTT法を含む関連法制見直しが議論されているようです。見直し議論や関係各社の主張が、安全保障上の観点から懸念がないか、総理の認識を伺います。以上の諸原税の財源があるか否かも焦点です。経済を動かす主体は家計と企業です。マクロ企業に具体的かつ的確な対策を打たなければ、経済経済経済という呪文の効果も現れないと申し上げました。経済という概念的な存在、特にマクロ経済に対する対策だけで何とかなるような印象を与えた異次元の金融緩和は11年目に入り、壮大な社会実験は袋小路に入っています。今、時刻通貨を発行する国の国際発行は無限大とするMMT、現代貨幣理論が登場した一方、伝統的理論派は古色尚然たる財政健全化論を展開し続けています。国民民主党は異次元緩和による財政ファイナンスが極まった中で、現実的な政策的工夫を明示しています。日元保有国債を一部永久国債化して財源確保を図る一方、日元保有のETF、リート等を計画的に売却し、成長戦略と出口戦略を両立させるとともに、確保した財源を人材育成、技術開発、産業支援、防衛強化等の喫緊の課題に重当するという工夫です。本件について通常国会に続いて総理の所見をお伺いします。家計も企業も人が動かします。産業も技術も人が生み出します。国民民主党が人づくりこそ国づくりを政策の柱としているゆえんです。新卒初任給を上げなければ全体の賃金も上がりません。初任給引上げや就職者白紙号取得者、技術者研究者の処遇に関する総理の所見、今後の政策的誘導についてお伺いします。技術等の進歩や変化が加速する中、現役層のリスキリングも重要です。リスキリング政策に熱心なスウェーデンでは、イルケス・ヘイグス・コーランという職業訓練校が有効に機能しています。2年間のフルタイム教育を基本とし、座学と企業研修を組み合わせた実践的内容です。私が調査に行った2017年当時、全国に約230校、約5万人が通い、平均年齢32歳と聞きました。約6割は民間企業が運営し、残りの過半数は市町村等の公立です。学費は無料、失業している場合はリスキリングに取り組むことを条件に、失業時給与の80%まで給付され、生活費を補うために教育ローンも利用できます。つまり、所得水準を落とさずに2年間リスキリングに取り組めます。こうした制度の導入も含め、リスキリングに関する総理の方針を伺います。人材育成の前提として必要なのは、子どもを産み育てやすい社会です。国民民主党は今回の提案の子育て人材育成4本柱の中で、関連施策の所得制限撤廃、年少扶養控除復活等をお示しし、所得制限撤廃法案は国会初日に再提出しました。子育て支援、教育に関する国自治体の関連所持策において、所得制限を撤廃すること、及び年少扶養控除復活に関する総理の所見 をお伺いします。政府も児童手当の所得制限を撤廃しましたが、第3指向の給付金3万円は、第1指、第2指が高校を卒業すると引き下げられると聞きました。そのような扱いとした考え方を総理にお伺いします。一元の少子化対策は、年収の壁問題も取り上げ、労働時間延長や賃上げに取り組む企業に必要費用を補助する等の支援策を講じたことは一歩前進です。所信では、106万円の壁に近づく可能性のある全ての方が壁を乗り越えられるようにするために、十分な予算上の対応を確保しますと述べています。106万円の壁では、従業員101人以上の企業で月収8万8千円、年収換算約106万円を超え、週20時間以上勤務等の条件を満たすと、第3号非保険者は年16万円程度の保険料負担が発生します。壁越え前の手取りを確保するためには、収入を125万円程度に引き上げることが必要です。今月から始まった対策では、壁越えの従業員1人当たり3年間で最大50万円を助成しますが、従業員ではなく企業に支給する仕組みになっています。企業によって活用方法が異なる上、既に保険料を負担している従業員と、新たに壁越えする従業員との公平性が課題です。公平な賃上げを目指す企業は、不足分の資金負担が生じるため、そもそも壁越えを奨励しないという声も聞きます。そこで、この差額約19万円を企業側に減税や損金参入を認め、106万円の次は、給料が125万円になる仕組みを導入してはどうでしょうか。そうであれば、働くことを選択する人が増えると思います。総理の所見をお伺いします。もう一つの壁である130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養を外れ、年金と医療の社会保険料負担が発生します。130万円には残業代等も含むため、勤労者実態調査では約6割の人が就業調整の理由として130万円の壁を上げています。今回の対策では、130万円を超えても、人手不足のための一時的勤務であることを事業主が証明すれば、扶養対象は維持されます。どのようなケースが一時的と判断されるのか、基準についての考え方を総理にお伺いします。今回の対策は、2025年抜本改正までの次元措置と聞いています。抜本改正の方向性、及び18日に公表された技能実習制度の抜本見直し素案との関係について、総理の所見をお伺いします。総理は、9月25日記者会見や所信において、成長の成果である税収増の還元、国民への還元と述べていますが、今回減税が実現する場合、それはインフレ課税分の戻しというべきではないでしょうか。総理の認識をお伺いします。政府に一銀は、2%の物価目標を共有していますが、2%物価上昇が5年間続けば10.4%、10年間で21.9%となります。債務者はその分債務が減少し、債権者はその分資産を失います。今年7月の中長期の経済財政に関する資産では、2022年度の高栽培残高の対名目GDP比が213.5%となったのち、10年後の2032年度は170.7%まで低下しています。一般会計税収は1.31倍となることを想定しています。まさしくインフレ課税であります。日本経済の最大の債務者は国であり、債権者は予貯金等を有する国民です。インフレ課税によって国は債務が軽減され、国民は資産を失います。国民にとってインフレ率を上回る賃金上昇率を持続的に実現できなければ、インフレ課税を免れられません。インフレ率よりも高い賃上げ率を持続的に実現するための方策として、具体的にどのようなことをお考えなのか、総理の所見をお伺いします。マクロ経済スライドが課されている年金生活者もインフレ課税の影響が大きく、高齢者層が主な顧客である産業分野も影響を受けます。年金生活者対策及びそうした産業分野への対策について、総理の所見をお伺いします。減税に加えて直接給付も政策の選択肢となります。国民民主党は地方創生臨時交付金を含む地方への各種交付金による直接給付も 提案しています。総理の所見をお伺いします。6月に閣議決定された骨太の方針では、家計金融資産を開放し、資産運用立国実現によって、現預金返帳の家計金融資産を投資に振り向けると記されています。所信でも金融資本市場の変革に取り組むと述べ、資産運用業とアセットオーナーシップ改革を謳っていますが、これらに関して2点付言いたします。第一に、家計金融資産の95%以上は円立てです。円安傾向の中で資産運用を基として外貨資産に投資する家計にとって、円安は資産形成にはプラスです。国民が総理の資産運用立国方針を聞いて外貨資産に運用する一方で、政府日銀がドル売り円外介入する事態は論理矛盾です。骨太の方針はこの点が咀嚼されていません。第二は、成長と資産運用の因果関係です。骨太の方針は、現預金返帳の家計金融資産の開放が持続的成長に貢献するという論理で組み立てられています。逆に言えば、家計金融資産が開放されなかったため、持続的成長が損なわれてきたということを主張しています。しかし、家計が現預金返帳になっている背景には、日本経済の期待成長率が低いことが影響しており、現預金返帳は低成長の原因ではなく結果と言えます。現預金を原始にした銀行の国債投資は、低成長の結果として資金予兆部門となった家計や企業から資金不足部門である政府へ資金を融通する循環構造です。つまり、骨太の方針の内容が実現するときには、政府が国債消化に急使、金利が急凍する事態を迎えるということです。骨太の方針、中長期経済財政資産及び所信が相互に整合的であるか否か、総理の所見をお伺いします。最後に、所信で言及している認知症治療薬、レカネマブについて伺います。米国での販売価格は、患者1人につき年間2.65万ドル、約350万円です。今後、日本で公的保険対象になる場合、患者の自己負担は高額療養費制度の上限があるため、70歳以上の一般所得者、年収156万から370万円程度で、年14万4千円と想定されます。認知症患者数は、2025年で約675万人、有病率18.5%と推計されています。認知症対策が進むことは良いことですが、現役層にこれ以上の負担を貸すことは避けるべきです。認知症施策及びレカネマブに関する、総理の所見をお伺いします。経済経済経済と3回繰り返したのは、かつて英国ブレア首相が、教育教育教育と述べた有名な演説を意識した工夫かと排殺します。経済の重要性には同意しますが、マクロ経済政策だけで何とかしようとする失敗を繰り返すことなく、技術を生み 出し経済を動かしている人、つまり国民に直接届ける政策が重要です。日本の未来は、人、人、人、全ては人にかかっていること。人づくりこそ国づくりと申し上げ、国民民主党を代表しての質問といたします。ご静聴ありがとうございました。
2:12:15
大塚公平議員のご質問にお答えいたします。ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルパレシナ情勢への対処方針及び岸田外交の意味についてお尋ねがありました。ウクライナ情勢について、我が国は一刻も早くロシアの侵略を止めるため、G7議長国として国際社会と緊密に連携しつつ、大陸制裁とウクライナ支援を引き続き強力に推進していきます。イスラエルパレシナ情勢については、我が国はハマス島のテロ攻撃を断固として避難した上で、イスラエル及びパレシナを含む関係国や関係者等との間で一措置を行い、在留法人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期鎮静化や人質の即時解放、一般市民の安全確保、人道状況の改善などに向けた外交努力を 続けていきます。政権発足時、私は岸田外交の在り方について、まず一つは我が国の平和と安全、さらには二つ目として普遍的価値を守り抜き、そして三つ目として地球規模の課題に向き合って国際社会を主導し、その上で自由で開かれたインド太平洋を強力に推進するとの方針、これを打ち出しました。その後、国際社会が複合的な危機に直面し、分断を深めつつある中で、人間の尊厳を中心に据えた考えを打ち出し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を強く世界に訴えています。こういった基本本心の下、同盟国・同志国との連携を推進しつつ、グローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会の幅広い支持と寛容を得ながら、世界の安定と繁栄に向けた積極的な外交を展開していきます。経済状況の認識と補正予算の規模、そしてブラケットクリップ対策についてお尋ねがありました。経済状況については、春冬における賃上げは30年ぶりの高水準である3.58%、設備投資は過去最大規模の名目100兆円を超える見込みとなり、株価は30年ぶりの水準に達しています。こうしたデータを踏まえると、コロナ禍での苦しかった3年間を乗り越え、経済状況は改善しつつあると考えています。加えて、ご指摘のとおり、GDPギャップの解消も進みつつあります。こうした中、今回の総合経済対策は、需要を単に埋め合わせる対策ではなく、日本経済の供給力を強化し、中期的なインフレ圧力に強い経済体質をつくるとともに、将来の成長に資する分野を厳選して対応してまいります。経済対策に伴う補正予算の規模は、こうした政策の積み上げの結果であり、国民生活に高い効果のある具体的な政策を積み上げてまいります。所得税のブラケットクリープ対策は、構造的賃上げが持続する局面においては、検討課題となりますが、我が経済は、30年来続いてきたデフレを脱却できる潜在一流のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇がぶっかだかに追いついておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。ブラケットクリープ対策を考える段階ではなく、むしろデフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の過所分所得を直接的に下支えし、ぶっかだかによる国民の負担を緩和することこそ必要であると考えます。そして、費発輸税等のトリガー条項と当分の関税率についてお尋ねがありました。エネルギー価格高騰から国民生活やなり合いを守らなければならないという思い、これは全く共有をいたしますが、トリガー条項の凍結解除については、燈油や重油などが支援の対象外となるほか、ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱が生じる可能性があるなどの課題があるとも承知をしています。このため、燃料油価格対策として、燃料油価格の激変緩和措 置を今般策定する経済対策において、来年春まで継続することとしております。気発油税等については、平成21年に暫定税率を前提とした道路特定財源を廃止いたしましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえ、それまでの税率が維持され当分の関税率とされたものであると承知をしています。こうした状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。消費税減税等インボイス制度についてお尋ねがありました。消費税については、急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置づけられており、その税率を引き下げることは考えてはおりません。また、インボイス制度は複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを中止することは考えておりません。さらに、電子インボイスについては、国際標準仕様のPEPORをベースとすることで、事業者は受発注から貴重入金消し込みまでの一連のバックオフィス業務の自動処理やデジタル完結が可能となり、税務申告も含め、手入力による事務負担やミスの軽減、こうしたものが期待されるものであると考えています。引き続き官民連携の上、取引全体のデジタル化の実現に向けて必要な取組みを進めてまいります。そして、ハイパー消費額税制の導入と、ラピダス及びアイメックの提携についてお尋ねがありました。御指摘のハイパー消費額税制は、取得額以上の特別消費額を認める制度であると承知をしておりますが、減収に見合うだけの有効性があるかという点を踏まえて、慎重な検討が必要であると考えています。政府としては、戦略分野について初期投資だけでなく、投資全体の予見可能性を向上させる過去に例のない投資減税をはじめ、抜本的な供給力強化のための措置を講じていきます。そして御指摘のアイメックは、オープンイノベーション型の研究を重視しており、世界中の半導体関連企業と連携していると認識しておりますが、ラビダス社との連携を通じて、アイメックとしても、現在世界で数社しか取り組んでいない次世代半導体の研究開発に携わることができる、こうしたメリットがあるものだと考えております。今般の経済対策においても、半導体をはじめとする戦略分野における投資促進に向け、先行して取り組むべき施策、これを盛り込んでまいりたいと思います。そして通信分野の安全保障上の懸念についてお尋ねがありました。通信サービスの提供は、安心安全な国民生活や円滑な経済活動の根幹であり、安全保障上も重要な社会インフラであると認識をしています。現在、総務省の情報通信審議会等において、市場環境の変化に対応したNTT法を含む通信政策の在り方について議論が行われていますが、その中でも安全保障の確保、これは重要な論点の一つとなっており、そのような観点もしっかり踏まえながら、検討を進めていくべきであると考えます。そして日銀が保有する国債等を財源として活用することについてお尋ねがありました。日銀が保有する国債やETF等は、日銀が物価安定目標を実現するための金融政策の一環として保有しているものであると承知をしています。したがってETFの売却を含め、その取扱いについては、金融政策の一環として日銀において検討されるべき事柄であり、政府としてコメントすることは控えるべきであると考えます。いずれにせよ政府としては、基金の課題に対応するにあたっては、これに対応した安定的な財源を確保するなど、引き続き責任ある経済財政運営に努めてまいります。そして、所人級の引上げや研究者等の処遇についてお尋ねがありました。賃上げは、言うまでもなく岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る、持続的で構造的な賃上げが行われる、こうした経済を目指していきたいと思います。賃上げを目指す上で、新卒者の給与、この引上げも重要である、このように認識をしています。このため、三民一体の労働市場改革を進めるとともに、若者が希望に応じた就職ができるよう、きめ細かな就職支援なども進めてまいります。また、優れた研究者等を育成確保する上で、処遇改善は重要であり、博士課程学生への経済的支援、あるいはキャリアパス整備の充実、国立大学における人事休養マネジメント改革の実施状況に応じた運営費交付金の配分、こうした取組を行っており、博士後取得者等の社会での活躍をさらに促進できるよう、三学官連携で取組を進めていくべきであると考えています。そして、リスキリング政策に関する方針についてお尋ねがありました。我が国においては、これまでも公的職業訓練をはじめとする職業訓練の充実に取り組んでまいりました。その上で、岸田政権においては、三民一体の労働市場改革を進める中で、リスキリングによる能力向上支援を拡充することとしており、デジタル分野を中心とする公的職業訓練の充実に取り組んでいるほか、リスキリングに取り組む個人への直接支援である教育訓練給付を拡充する、さらには教育訓練中の生活を支えるための給付、また有志制度の創設についての検討、こうした取組を進めてまいります。そして、子育て教育施策の所得制限撤廃についてお尋ねがありました。子育て教育施策に関する各制度において、所 得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じて、それぞれ判断がなされるものと考えております。そして、燃焼不要向上については、政府として本年6月に策定した子ども未来戦略方針に基づき、当面の集中的な取組である加速化プランを進め、我が国の子ども1人当たりの家族関係支出をOECDトップの末伝に達する水準とすることを予定しています。このように、主として、歳出面での取組で前例のない規模で子ども子育て政策の強化を図っております。そうした取組を進めている中でありますので、かつて子ども手当の創設に合わせて廃止された燃焼不要向上の復活は、検討課題としてはおりません。他方、加速化プランにおいては、児童手当についてライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化の一環として、第3指揮校の支給額を3万円とすることとしております。そして、お尋ねがありました、この他市のカウント方法については、そのカウント方法も含めて、制度の詳細については、これから拡充の趣旨も踏まえつつ、引き続き検討を行うということにしております。よって、そのカウント方法について、現段階で具体的な制度設計、固まっているものではないということを申し上げます。そして、年収の壁についてお尋ねがありました。年収の壁については、今般、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として、年収の壁支援強化パッケージを取りまとめたところです。具体的には、106万円の壁については、企業による継続的な賃上げの取組を後押しする観点から、労働者の手取り収入が減少しないよう賃上げ等を行った事業主に対して、労働者1人当たり最大50万円の助成を行うこととしております。そして、税制上の配慮、ご提案をいただきました。ご提案いただきました税制上の配慮、お聞きしている限り、この企業に対しての措置ということにおいては、変わりはないのではないかと思います。その上で、具体的な制度設計について、もう少しこれをお伺いしないと、その実効性について評価することは難しいと感じたところでもあります。そして130万円の壁については、事業主の証明により、被扶養者認定を円滑化するものでありますが、その要件の一時的な収入変動には、収入が増加した状態の固定化が見込まれない、あるいは繁忙期に労働時間を延ばす、こういった場合が該当すると考えております。そしてその上で、引き続き、費用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組んでまいります。次期年金制度改正に向けて、社会保障審議会、年金部会において議論を開始しており、今後も関係者の意見を伺いながら、丁寧に議論をしてまいります。