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参議院 本会議

2023年10月25日(水)

1h39m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7597

【発言者】

尾辻秀久(参議院議長)

田名部匡代(立憲民主・社民)

世耕弘成(自由民主党)

6:15

(拳を叩く音)これより会議を開きます。日程第一、国務大臣の演説に関する件、第二日。

6:38

去る二十三日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。

6:47

田中正代君。

7:23

立憲民主社民の田中正代です。会派を代表しまして、岸田総理大臣の初心表明演説に対し、総理に質問をさせていただきます。まず冒頭一言申し上げます。昨夜のテレビ出演で、総理は所得税減税を一年間とすることを示唆するご発言をされているようですが、

7:48

まずはそういう大事なことはテレビではなく国会でしっかりと議論していただきたいと思います。

7:56

国民生活は大変苦しい状況になっています。今をどうするのか、年末をどうするのか、そういう状況の中で、夏になるのでしょうか。時間もかかるのにわざわざ減税にこだわる理由もわかりません。そのメリットも全くわかりません。

8:16

こういうことだからこそ国民生活が見えているのですかと申し上げたくなるわけです。そういうことを踏まえて国民の抱える不安に答えていただけるよう質問をさせていただきたいと思います。まずはじめに一昨日、北朝鮮へ拉致されたとされている原忠明さん、その実行犯として国際手配中の90歳代の男性が死亡したとの報道がありました。時が経つほど真相解明、拉致被害者の帰国が困難な状況になっていきます。言葉ばかりで一向に進まない拉致問題の一日も早い解決を強く政府に求めます。我々も一日も早い救出に向けて共に取り組んでまいります。イスラム組織ハマスなどによるイスラエル攻撃は多くの一般市民を巻き込む被傷者を発生させ、未だ多くの人質も捉えられたままとなっています。卑劣な行為を強く非難します。また、パレスチナ自治区ガザでも甚大な被害が出ており、子どもを含め多数の犠牲者が出ています。中東和平は国際社会の安定にも深く関係します。岸田外交では世界の分断対立ではなく、強調に導く日本の立場を打ち出すと述べられましたが、どのように導いていかれるのでしょうか。旧統一協会問題について伺います。与野党では既に旧統一協会の財産保全法を国会に提出しています。与党内でも検討を始めたとのことですが、被害者救済のためにも与党内で、与野党でしっかり協力をし、ぜひ今国会で成立させるべきと考えます。総理にもそのおつもりはございますか。お答えください。総理は所信表明でライドシェアの課題に取り組むと述べられましたが、安全性の問題や、乗務員の労働条件に影響が出る可能性、さらには中小企業が多い事業者にとって死活問題になりかねないと、現場からの強い反対の声があります。またライドシェアを導入している国では、静的暴行の被害が発生しているなどの調査結果もあり、これまでに導入してきた国では、逆に禁止や規制強化の動きも多数あります。ライドシェアの課題についてどうお考えかお聞かせください。総理は所信表明演説の冒頭、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦しと述べられましたが、そこは自民党政権により先送りしてきた課題と認識されるべきではないでしょうか。そして結果を示してきたともおっしゃいましたが、一体どこにどんな結果を示されてきたのでしょうか。またこの30年をコストカット型経済だったと振り返られました。消費と投費が停滞し、低物価、低賃金、低成長となったのは、まさに自民党が行ってきた政治の責任ではないでしょうか。アベノミクスによる不作用が表面化してもなお失敗を認めず、非正規雇用や派遣労働者は増え、賃金も上がらず消費も伸びず、トリクルダウンはどうなったんですか。所得倍増はどこに行ったんですか。まずは検証と反省をすべきと考えますがいかがですか。10月に値上げ予定の食料品関係はおよそ4600品目、値上げ品目数は今年だけで累計約3万品目と、昨年の水準を大きく上回っています。今年3月に日本商工会議所が実施した賃上げに関する調査では、賃上げを予定する企業の6割が業績の改善が見られないまま、防衛的賃上げと回答しています。さらなる賃上げの実現のためにも、コロナ禍で背負ったゼロゼロ融資が足枷になることが懸念されます。総理も触れておられましたが、ゼロゼロ融資への具体的対応を伺います。またガソリン代の値上がりは企業や家計を直撃しています。いい加減トリガー条項を発動しませんか。また私たちは社会保険料事業者負担軽減法案も国会に提出しています。これは赤字法人でも負担しなければならない社会保険料が雇い入れを躊躇する要因とならないよう、しっかりと中小企業を支え、雇用の安定と消費拡大で好循環を図ることが狙いです。地方経済や雇用を守る観点からも必要と考えますが、トリガー条項を発動、また保険料負担軽減などの中小企業の支援について総理の見解を伺います。総理は今回の総合経済対策の策定に当たり、税収増を国民に還元すると述べられました。税収増と言っても、実際には当初予算を編成したときよりも政府の税収見込みが上振れたということにすぎません。予算の収支がある程度均衡していて、借金の残高が少ない状況であれば還元の理屈も成り立つかもしれませんが、今年度の予算だけを見ても、歳入の約3割に当たる約35兆6千億円を赤字国債に依存している上に、債務残高対GDP費は250%を超え、世界最悪の水準にあります。こうした現実に加え、今後の増税や子育て支援の在元などをどうするのか、社会保障費は負担が増え、給付が削られていくのではないか、と不安を感じているから、国民も減税を冷ややかな目で見ているのではないでしょうか。こうした状況で、いわゆる税収増を安易に経済対策の在元とすることは、今後の日本の財政に対する信任を揺るがすことにならないのか、見解を伺います。私たちはインボイス導入に反対してきました。複数税率にしたことで、インボイス制度が必要となったわけです。昨日、我が党の泉代表も取り上げていましたが、立憲民主党では、所得の少ない世帯ほど消費税の負担割合が高くなるという、消費税の逆進性を緩和することを目的として、複数税率を改め、給付付き税額向上を導入することを定めた消費税完封法案を提出しています。課題はあると思いますが、解決に向けて議論すればいいだけで、最後は政治の意思です。総理の昨日の答弁は、提出者も免税事業者も全く頭にないように感じました。改めてインボイスを廃止し、将来に向けて公平中立簡素の原則に従い、負担や再分配のあり方を根本的に議論するおつもりはございませんか。来年は診療報酬と介護報酬、障害福祉サービスのトリプル改定です。介護制度については、昨年12月の社会保障審議会で、一部の問題の結論が先送りされるという異例の事態となりました。その後、本年夏までに結論を出すという予定が、再び年末まで先送りされることとなりました。ここではどういう議論があって、なぜ結論が先送りされることになったのか伺います。令和元年、介護保険サービスの延べ利用者は567万人、要介護認定者は669万人、介護保険給付費、事業費は、平成12年から令和元年までで3.2倍増加の約10兆円となりました。また、65歳以上が負担する第一号保険料は、全国平均では2911円から6014円と2.1倍の増加。個別に見ると、介護保険料の地域間格差は最大で6500円となっています。負担のあり方を含めて、いかに持続可能な制度として次世代に渡していくかを、与野党を超えて真剣に議論させねばなりません。さらには2040年、私が70歳になった頃には、69万人の介護職人が不足するという見込みとなっており、人材確保のためのさらなる処遇改善が必要です。総理は、処遇改善につながる仕組みを構築すると述べられました。いつまでにどのような見直しを行うのか、それによって介護従事者の給与はどの程度改善されるとお考えでしょうか。また、令和4年就業構造基本調査によると、働きながら介護をしている人は、2017年調査から18万人増加しています。介護離職者は年間10万6千人。立憲民主党では、介護離職ゼロに向けた取組を強化すべきと考えています。誰もが必要に応じて介護休業を取得できる制度への見直しや、家族を介護する期間が長期化した場合の介護休業の延長、賃金保証など、仕事と介護をより両立できる環境を整えるための支援の拡充について、総理のお考えを伺います。総理も認知症の問題に触れておられました。今も未来も誰でも認知症になったって大丈夫。そう安心して生きていける社会をつくることが重要だと私も考えます。私たちも全力で協力します。スピード感を持って取り組んでいこうではありませんか。新型コロナウイルス感染症の関連について伺います。コロナ後遺症の病態は未だ不透明であり、コロナワクチン接種後の副反応のメカニズムも解明されていません。私の元にも知人から連絡があり、元気だった父親がワクチン接種後に体調が悪化し入院。医師からも原因がわからないと言われ、ワクチン接種以外に考えられず行政に相談したそうです。救済を求めて1年、何の連絡もなく、診査されているかもわからない状態のまま回復することなく、残念ながら先日お亡くなりになられたとのことでした。死亡事例を含む被害救済は、診査体制が十分ではないために認定が遅れています。どのように申請をすればよいのかわからずたらい回しとなったり、申請後の進捗状況が不明といった指摘もあります。国として統一的な相談窓口の設置、申請のサポートの体制整備、認否の理由の説明や、診査の内容について詳細に示す等の取組を求めたいと思いますが、いかがですか。新型コロナの感染を後遺症に悩む女子高校生が、実態を知ってほしいという強い思いから、実名と顔を出してテレビの取材に応じています。岡屋市に住む高校3年生の山田幸奈さんは、1年以上も寝たきりの生活が続き、鉛筆を握ることも、スマートフォンで文字を入力することもできなくなってしまいました。リハビリに励み、今は友達とメッセージのやりとりができるようになったことが大きな支えになっていると言います。コロナが悪いと何回も思うけれど、私みたいにコロナ後遺症で悩んでいる人がいると思うから、支援をつくってほしい。その声に応え、適切な支援医療を受けられるよう、後遺症外来に対する診療報酬の加算措置の2024年4月以降の継続拡充をはじめ、調査・研究・治療救済体制にも十分な予算措置を講じていただけないでしょうか。いかがですか。コロナウイルス感染の患者さんを受け入れてきた病院の経営が悪化しているという現場の声があります。経営難に陥ることのないように対策を講じることを求めます。また、マイナ保健所への対応も相当負担になっているのが現状です。全国の医療機関をはじめ、健康保健所の配信に反対の声がたくさん届いています。デジタル化の推進には賛成ですが、デジタル化を推進するために、制度や政治に対する信頼は欠かせません。まずは不安を払拭すべきではないでしょうか。マイナンバーカードは申請主義であるのに、健康保健所は強制的に廃止するのですか。廃止を延期するつもりはございませんか。次に、令和4年度の文部科学省の調査で、小中学校における不登校児童生徒数は約30万人。10年連続増加し、過去最多となっています。そのうち38%の約11万人が、学校内外のどこからも支援を受けていません。コロナ禍で学校の交友関係を築くことが難しかったことが原因ではないか、という専門家の分析もありますけれども、原因は明らかではありません。まずはどのような問題を抱えているのか、迅速な原因究明と改善策の実施が求められます。不登校の当事者や家族を追い詰めるような社会であってはなりません。自分の可能性を信じて困難を乗り越えてほしい。そのための居場所が、たとえ学校じゃなくてもいいじゃないですか。学ぶ喜びを感じ、人と触れ合うことの喜びを感じられるよう、子どもに寄り添った居場所づくりが必要だと思います。すべての子どもたちの学ぶ権利を保障し、子どもたちの状況に応じた多様な学びの機会を確保すべきです。フリースクールなどへの支援推進等も含め、取組の状況と今後の対策についてお伺いをいたします。小中高生の自殺者数も令和4年は過去最多と、大変深刻な状況です。減少していない現状を真摯に受け止めなければなりません。以前、24時間365日、チャットで相談を受けているNPO法人「あなたの居場所」を視察をしました。年間、5、6万件の相談があり、相談の多い時間帯は圧倒的に夜10時から朝方、自殺も深夜0時から2時にかけてが多いとのことで、深夜の相談窓口の必要性を語っておられました。命を守るために献身的に相談者と向き合う様々な現場の声があります。立憲民主党は誰も自殺に追い込まれることのない社会を目指し、生きづらさを生み出す様々な社会的な課題を解決することにも全力を尽くします。政府にも現場の声を聞いていただき、適切な対策を求めたいと思いますが、いかがですか。子どもと向き合う学校現場も課題は散席しています。総理は教職員の処遇見直しと、公教育の再生を約束されました。過労死ラインを超えた長時間労働や、常態化する膨大な業務量、深刻な教員不足等の課題に対し、私たちは給特報の廃止、勤務条件の改善など、子どもとしっかり向き合える時間を確保することが、また子どもや家庭の問題と向き合うためにも必要と考えています。総理はどのように教職員の処遇改善や公教育の再生に取り組まれるおつもりなのか伺います。学校の問題でいえば、いい加減給食費の無償化を実現させませんか、総理。全くやる気が見られません。いつまで検討するおつもりなんでしょうか。ただでさえ家計における教育費の負担はこの国は重すぎます。思い切った対策と予算を確保すべきではないでしょうか。見解を伺います。今年7月、世界の平均気温は観測史上最高になりました。アメリカの国立説評データセンターによれば、南極の海表面積は冬の観測史上最低を記録しました。アントニオ・グテイレス国連事務総長は「地球沸騰化の時代が到来した」と記者団に語り、劇的かつ早急な気候アクションの必要性を訴えておられます。9月にはニューヨークで気候野心サミットが開催され、世界のリーダーが集まって各国の行動を共有しましたが、その時ニューヨークにおられた岸田総理は参加しませんでした。日本は脱炭素のリーダーシップを取ると言いながら、総理はなぜ参加して発言されなかったのでしょうか。国連側に演説を拒否され出席を見送ったとの一部の報道もありましたが、事実関係も含めてお答えをいただきたいと思います。温室効果ガスを2035年までに2019年比60%削減させる必要性が確認され、G7広島サミットにおいても大幅に強化された目標達成に向けた取り組みが約束をされました。検討の開始時期やプロセスを伺います。また将来世代の若者が意思決定に参加することも重要と考えますが、総理の見解を伺います。この100年の間で日本近海の海面水温は世界平均の0.6度上回る1.24度上昇しており、水産業にも大きな影響を及ぼしています。水産物は動物性タンパク質の供給という点で、我が国の食料システムにおいて大変重要ですが、農林水産省で策定している緊急事態食料安全保障指針で関係の記述が少ないと感じます。我が国の水産業をめぐる情勢は漁業者の減少、海洋環境の変化、燃油等資材の高騰、中国等による輸出停止措置の影響で大変厳しい状況にあります。食料安全保障の観点からも水産物の安定供給には、資源管理の推進に加え、国内水産物の消費拡大に一層注力するとともに、漁業者が経営を安定的に継続するための対策を講じなければなりません。食料農業農村基本法の見直しと合わせて、食料安全保障の観点から水産業をどう位置づけていくのか、どのように発展させていくのか、伺います。また、全国の漁業も大変厳しい経営状況に追いやられています。現場の声をしっかりと聞いていただき、どのような対応ができるのか、検討をお願いをしたいと思います。食料農業農村政策審議会の答申において、食料安全保障の定義が、国民一人一人が十分な食料を将来にわたり入手可能な状態と再定義されました。これまで私も国会審議を通じて、急激な経済の悪化などの場合において、備蓄米の活用を含め生活困窮者への食料支援について訴えてまいりました。今後は買い物困難者や経済的理由により十分に食料を入手できない方々への食料アクセスの改善などを、政府の責任で取り組むという理解でよろしいでしょうか。NPO法人の調査によると、子ども食堂の数は大都市圏が多く、人口の少ない地域は少ない傾向にある一方、地域的な普及度を示す値は、必ずしも大都市圏が高いわけではなく、地域によって様々です。フードバンクも同様に地域差が見られます。子ども食堂やフードバンクに対する支援を食品アクセスの問題として捉えるならば、地域間の格差のないものとなるよう、施策を講じるべきと考えます。総理の見解を伺います。多くの課題が散席する中で始まった国会、新内閣の下で議論されることとなります。女性閣僚が5名、54人の副大臣、政務官に女性はゼロでした。副大臣政務官に女性の議員が起用されなかったことについて、官房長官をはじめ口々に「適材適所」と述べられています。私は自民党の女性の議員の皆さんも多様な能力を持っておられる方がほとんどだというふうに思いますし、

29:28

失礼いたしました。多様な能力を持っている方々ばかりだと思いますし、

29:35

男性、女性ということだけではないんですね。多様な立場、多様な人材の活用が社会全体を包み込む政策づくりにもつながっていくのではないでしょうか。なのにその一方で人権侵犯を認定された杉田美男衆議院議員を党の環境部会長代理に任命されています。多党のことではありますけれども、どちらも「適材適所」と総理はお考えになっているのでしょうか。合わせて杉田議員が人権侵犯に認定されたことの受け止めと対応についてお答えください。また先日まで衆参補欠選挙が行われていました。長崎四区の選挙応援に入られた木原防衛大臣は演説において、国民からも自衛隊の政治利用と受け止められる発言をしただけではなく、その後、一議員としての党活動と開き直られました。そのような言い訳をする姿勢に大臣としての資質を疑います。松野官房長官も、議員の政治活動について政府の立場からコメントは控えると述べられていますが、そのような認識でよろしいのでしょうか。就任された瞬間から24時間、いついかなる場面でも国防を担う防衛省のトップとして責任を全うすべきお立場であるにも関わらず、反省もなく大臣としての自覚が足りないと指摘せざるを得ません。大臣としての資質が問われているのではないか、そのことを総理に伺います。総理は今回の所信表明で憲法改正について、憲法条文案の具体化を求めるような踏み込んだ発言をされました。内閣総理大臣が憲法に関する事柄を含め、政治上の見解、行政上の事項等について国会に対し議論を呼びかけることは禁じられているものではないというのが政府の見解ですが、衆参憲法審査会で議論されており、内閣が干渉すべきではありません。三権分立の観点から適切ではないと考えますが、見解を求めます。総理は今こそ共に地方創生に力強く取り組もうではありませんかと呼びかけられました。2014年に元気で豊かな地方を創生するための担当大臣が誕生して以来、地方創生とずっと言っているんです。格差も人口減少も活性化も東京一極集中も何も結果を出せていないことを、今こそ共に地方創生に取り組もうと勢いのある言葉でごまかさないでください。総理、大事なのは勢いのある言葉でも、眼鏡の掛け替えでもないんです。眼鏡の奥の総理の目に国民の姿がきちんと映っているかどうかなんです。国民はそこを見ているんです。総理がスーパーで見た野菜の値段、そこから見えてくる国民の生活、それが総理にしっかりと見えていることを国民は願っていると思います。私たち立憲民主党も今の政権与党には見えていない国民の不安や未来にしっかり向き合い、人へ、未来へ、まっとうな政治へ、国会で堂々と訴えていきます。真摯な答弁を要求し質問を終わります。ありがとうございました。

33:20

岸田文雄内閣総理大臣

33:24

田中政宜議員のご質問にお答えいたします。世界を分断対立ではなく、協調に導くための対応についてお尋ねがありました。ロシアのウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢をはじめ、国際社会が人道面を含め複合的な危機に直面し、その中で分断を深める今こそ、人間の命、尊厳が最も重要であるという、誰もが疑いようのない人類共通の原点に立ち返り、人間の尊厳、これを中心に据えた外交を進めていくことが必要だと考えています。具体的には、まず法の支配に基づく自由で開かれた国際通常維持・強化すべく、G7や日米合院といった同盟国・同志国との連携を推進しつつ、同時にいわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会の幅広い支持と関与を得るため、多様性や包摂性を重視するきめ細かな協力を進め、経済活動の進化を含む多額的な外交、これを展開してまいります。また、G7をはじめとする強く実効的な多国間主義を推し進めるとともに、アンポリ改革を含む国連機動の強化に取り組み、協調のための国連の実現を目指してまいります。ご指摘のあった中東和平についても、二国化解決を支持する立場に基づき、平和繁栄の回廊構想などの日本独自の取り組みを通じて、当事者間の信頼情勢に取り組んでまいります。旧統一協会による被害の救済等についてお尋ねがありました。被害者救済について、フォーテラスにおける電話相談から弁護団への紹介や、民事保全申立に際しての援助など、被害者に寄り添って適切に対応するとともに、海外への送金については、外貯め法の規制の履行状況等について、情報収集、分析に努めてまいります。このように政府としては、旧統一協会の試算状況を注視しつつ、速やかに被害者の救済が図られるよう、現行法上のあらゆる制度を活用し、被害者救済のために最大限取り組んでまいります。また、御党の議員立法の法案を含め、各党において様々な動きがあることを承知しております。こうした動きも注視してまいります。ライドシェアについてお尋ねがありました。ライドシェアについては、デジタル行財政改革会議の下、先日16日ですが、課題白紙対話での安全確保の課題も含め議論が行われたところであり、今後、規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキンググループでも議論が行われることが予定されています。こうした議論を踏まえ、我が国で生じている地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、我が国におけるライドシェアの課題について取り組み、方向性、出してまいります。これまでの経済の振り返りや反省検証の必要性についてお尋ねがありました。我が国経済は、1990年代のバブル崩壊以降、長引くデフレ等背景にコストカット型経済が続いてきました。この間、アジア通貨危機、不良再建問題、ITバブルの崩壊、リーマンショックなど様々な危機や困難に見舞われ、消費と投資の停滞を招きました。アベノミクスは、デフレではない状況を作り出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向につながりました。他方、1人当たりの平均の実質賃金は伸び悩んだと認識をしています。これまでの成果の上に立ちながら、しっかりと成長を実現した上で、成長の果実を国民に分配することで所得の向上につなげていく。こうした令和版所得倍増をはじめとする新しい資本主義の2年間の取り組みが、30年ぶりの3.58%の追上、過去最大規模の名目100兆円の設備投資、50兆円ものGDPギャップの解消などにつながったものと認識をしております。こうして30年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスが巡ってきました。このチャンスをつかみ取り、持続的な追上や活発な投資が牽引する成長型経済への変革、これを実現してまいります。00UCへの対応についてお尋ねがありました。00UCの返済本格化を踏まえ、金融機関等に対し、現場の状況をしっかり踏まえて末置期間延長等の申し出に柔軟に対応するよう、政府への要請し、横断率は約99%となっています。また、コロナ改改保障制度により返済期間の長期化等収益力改善、これを一体的に支援をしています。それでもなお、増大した債務に苦しむ事業者に対しては、中小企業活性化協議会が個別事案に応じて再生支援を実施するなど、引き続き事業者のニーズに合わせて柔軟にきめ細かい資金繰り支援等を講じてまいります。トリガー条項発動と中小企業の保険料負担軽減についてお尋ねがありました。トリガー条項の凍結解除については、投油や重油などが支援の対象外となるほか、ガソリンの買い控えやその反動により流通の混乱が生じる可能性があるなど、課題があるとも承知しています。このため、燃料油価格対策として、燃料油価格の激減緩和措置を今般策定する経済対策において、来年春まで継続することとしております。また、社会保険料の事業主負担については、医療や年金の給付を保障することで、働く人が安心して就労できる基盤を整備することが事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資することから事業主に求められているものであり、その現面については慎重な検討が必要であると考えています。日本の財政の信任についてお尋ねがありました。近年、新型コロナや物価高騰等に対する補正予算に対する対応などもあり、我が国の財政状況がより一層厳さを増していること、これは事実であります。他方、デフレから脱却することが財政にとっても重要であると考えています。我が国の経済は30年来続いてきたデフレを脱却できる潜在一部のチャンスを迎えているといえ、賃金上昇が物価高に追いついておらず、これを放置すれば再びデフレに戻りかねません。このため、デフレ脱却のための一時的な措置として国民の過所分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和したいと考えています。私の経済財政運営の基本は経済あっての財政です。デフレから脱却し財政健全化を取り組むことで中長期的な財政の持続可能性への信任の確保にも努めてまいりたいと考えています。複数税率とインボイズ制度、そして負担や再分配のあり方についてお尋ねがありました。軽減税率制度は消費税の逆進性を緩和しつつ、買い物の都度通税間の緩和を実感できるという利点がある一方で、ご提案の給付付き税額控除は消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって通税間の緩和の実感にはつながらないと考えています。またインボイズ制度は複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することは考えておりません。その上で負担や再分配のあり方については、公平中立簡素といった観点や経済社会の構造変化への対応など様々な要素を踏まえて、税制全体として幅広く検討をしてまいりたいと考えます。そして介護保険制度の見直しについてお尋ねがありました。高齢化と人口減少という大きな社会の変化を迎えている中、介護保険制度が全ての世代にとって安心なものとなるようサービスの質を確保しつつ、制度の持続可能性を維持する観点から給付と負担のバランスを図ることが重要な課題です。こうした観点から、介護保険における給付と負担のあり方について、関係審議議会において丁寧に議論を重ねているところです。そしてこうした中、来年度は介護報酬の改定があることから、その利用者負担や保険料の負担に与える影響も合わせて議論を行うことが必要であるという考えの下、この骨太の方針2023において年末までに結論を得ることとしている次第です。引き続き様々な意見を丁寧にお聞きしながら検討を進めてまいります。介護従事者の処遇改善や仕事と介護の両立についてお尋ねがありました。岸田政権は介護分野をはじめ、工程価格の見直しを掲げ、これまで累次の処遇改善を講じています。引き続きICT機器の活用による生産性向上の取組や経営の共同化等を通じた職場環境改善に加えて、令和6年度の介護報酬改定に向けても必要な処遇改善の水準の検討と合わせ、高齢化等による事業者の収益の増加等が処遇改善に構造的につながる仕組み、これを構築してまいります。また、仕事と介護を両立できる環境整備のため、育児介護休業法により、介護をする労働者が介護休業等を取得できる環境を整備するとともに、雇用保険法の介護休業給付について支援を行っています。引き続き、介護サービスの基盤整備と合わせて、介護休業等を利用しやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。いわゆるワクチン抗疫症やコロナ抗疫症への対応についてお尋ねがありました。新型コロナワクチンによる健康被害の救済制度については、その趣旨や手続が市町村の申請窓口でご本人に伝わるよう、国の手引きにおいてわかりやすくお示しをしています。また、同制度の審査結果をご本人に通知する際に理由を付すなど、丁寧な説明に努めているところです。また、新型コロナの罹患後症状については、研究等により引き続き科学的知見を集積するとともに、罹患後症状に悩む方の診療を行う医療機関リストの公表や、症病手当金、労災保険給付等の支援制度の周知、これに努めてまいります。また、ご指摘の診療報酬については、次期改定に向けた議論の中で検討してまいります。健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。マイナー保険証には、患者本人の健康医療に関するデータに基づいた、より良い医療の提供が可能となるなど、多くのメリットがあり、我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みです。このため、資格確認書の円滑な交付など、国民の皆様の不安払拭のための措置を着実に進めるとともに、マイナー保険証のメリットを実感いただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。その上で、現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提との方針にのどり、紐付け総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、さらなる期間が必要と判断される場合には、必要な対応を行ってまいります。そして、不登校対策についてお尋ねがありました。先日公表された調査結果では、小中学校の不登校児童生徒数が過去最多になるなど、極めて憂慮すべき状況です。さらなる実態分析として、児童生徒本人等への調査を行っていると承知をしています。今月開催された不登校対策等に関する合同会議の場において、緊急的に対応すべきものについては、経済対策にも盛り込むなど、私から文部科学大臣に指示をしたところであり、校内教育支援センターの設置促進等について、速やかに実行するとともに、フリースクール等の民間団体とも緊密に連携を行いながら、多様な学びの確保、これを進めてまいります。政府としては不登校に関する対策を強化し、子どもの安全安心確保に万全を期してまいります。そして自殺対策についてお尋ねがありました。我が国の自殺者数は依然として毎年2万人を超える水準で推移をしており、男性が大きな割合を占める状況が続いているものの、新型コロナの影響等により、女性は3年連続の増加、小中高生は過去最多の水準となっています。こうした状況を踏まえ、昨年10月、今後5か年で取り組むべき施策として、自殺総合対策大綱を取りまとめたところであり、学校や地域の支援者が連携して対策に当たることができる仕組みの構築、妊産婦をはじめ女性に対する支援の強化、SNSによる相談体制の充実など、総合的な対策を推進しているところです。今後とも、政府として誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、現場で自殺対策に取り組まれている皆様のご意見も伺いながら取り組みを進めてまいります。教職員の処遇改善や給食費の無償化、そして教育費の負担軽減についてお尋ねがありました。教師を取り巻く環境整備については、中央教育審議会の議論を踏まえつつ、公教育の再生に向け、働き方改革、処遇の改善、学校の指導運営体制の充実、そして育成支援、これらを一体的に進めてまいります。学校給食費の無償化については、本年6月に決定した「子ども未来戦略方針」では、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、1年以内にその結果を公表することとしています。その上で、小中学校の給食実施状況の違いや、法制面を含め課題の整理を行ってまいりたいと考えます。教育費の負担軽減については、これまで幼児期から高等教育段階まで、切れ目のない負担軽減策を行ってきたところです。その上で、高等教育段階について、給付型奨学金等の他支世帯や離校能系の学生等の中間層への拡大等に取り組むとともに、さらなる支援拡充を検討し、年末までに具体化進めてまいります。国連気候野心サミットへの参加と、我が国の温室効果ガス削減目標の検討についてお尋ねがありました。まず、国連気候野心サミットの首脳級セッションについて、多くのスピーチ要望が国連事務局に寄せられていた一方、私自身も同じ時間帯にウクライナ情勢に関するアンポリの首脳級介護のほか、複数の媒介団等への出席が予定されていたため、国連事務局によるアレンジと私の日程との調整がかなわず、最終的に今回は参加しないということになりました。温室効果ガスの2025年以降の各国排出削減目標については、2025年までの提出が国連から省令をされています。我が国としては、この検討開始時期について、現行の2030年度目標に向けた進捗や各国の動向を踏まえつつ検討していくこととしております。なお、2021年に行った前回の地球温暖化対策計画の策定に当たっては、若者からもヒアリングを行いました。次回以降の取組プロセスにおいても、こうした事例も踏まえつつ検討を行ってまいります。そして、食料安全保障における水産業の位置づけについてお尋ねがありました。国民への食料の安定供給において、水産物は特に動物性タンパク質の供給の面で大きな役割を有しています。現在、食料農業農村基本法の見直しに向けた検討を進めておりますが、食料には当然水産物が含まれ、我が国水産業の持続的な発展は、食料安全保障の観点からも極めて重要です。我が国の水産業が海洋環境の変化、燃油価格の高騰等の課題を乗り越えて、持続的に発展していけるよう、現場の声をしっかり聞きながら、資源管理の着実な実施や燃料価格高騰対策等による漁業運営経営の安定、そして養殖業の成長産業化、国内外の市場開拓、スマート水産業の導入等に関する各種支援を展開してまいります。食品アクセスについてお尋ねがありました。食料安全保障の考え方としては、国全体で必要な食料を確保するというだけでなく、平時から国民一人一人が食料にアクセスでき、健康な食生活を享受できるようにすることが重要であり、こうした社会の実現に向け政府を挙げて取り組んでまいります。そして今月13日に取りまとめた食料安定供給農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージにおいては、フードバンク、子ども食堂等に対して未利用食品の供給に向けた支援や、政府備蓄剤の全国的な提供体制の整備を進める、こうしたこととした次第です。これらを今般の経済対策に盛り込み、全国各地で円滑な食品アクセスの確保に向けた支援が広がるよう後押してまいります。副大臣、大臣政務官の人事等についてお尋ねがありました。副大臣、大臣政務官の人事については、本人の人格疾見を踏まえ、適材適所の考え方で行っており、閣僚、副大臣、大臣政務官、総理補佐官など、全体として適材適所を徹底して行った結果として、このような老、僧、性、男女等のバランスになったと考えております。そして杉田議員については、私の内閣の総務大臣政務官を務めていた時代に、今般の認定に係るSNSへの投稿に気づかれた方々に謝罪をした上で、その表現を取り消したものと承知をしております。政治家として必要に応じて説明責任を果たしつつ、国民の負担に応えていただきたいと考えております。そして木原防衛大臣の演説についてお尋ねがありました。今回の木原防衛大臣の発言については、木原防衛大臣本人が自衛官とその家族への敬意と感謝を述べたもの、自衛隊を政治的に利用するような意図はない、旨説明をした上で撤回をしたものと承知をしております。自衛隊が政治的に中立の組織であるということを本人も十分に認識をし、その旨会見でも説明をしたと承知をしており、木原大臣については、引き続き職務に当たっていただきたいと考えております。そして所信表明演説における憲法改正に関する私の発言についてお尋ねがありました。ご承知のとおり、憲法第67条の規定に基づき、国会議員の中から指名された内閣総理大臣が、憲法に関する事柄を含め、政治上の見解、行政上の事項等について説明を行い、国会に対して議論を呼びかけることは禁じられているものではなく、三権分立の趣旨に反するものではない、これが従来からの政府の見解であります。その上で、憲法改正の議論の進め方等については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣の立場から直接申し上げることは控えますが、いずれにせよ、国会の発議に向けた手続きを進めるためには、条文案の具体化が必要であり、議論を期待することの一例として、これを述べることについても、三権分立の趣旨に反するものではないと考えております。

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瀬甲博之君

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自由民主党の瀬甲博之です。会派を代表して岸田総理の所信表明演説について質問をいたします。岸田総理、最初に明確に申し上げますが、私は総理を指示し、総理が目指されている国の姿、政策の実現に少しでも協力したいと思っています。総理は総裁選を勝ち抜かれた、我々が選んだ自由民主党総裁であります。岸田政権は安倍政権以来の基本政策を堅持され、経済外交などの重要政策においても、これまで大きな失敗も犯されていません。さらに地道に仕事に取り組まれ、長年の懸案であった安保関連三文書の策定と、防衛予算の大幅拡充、原発新増設リプレイスの方針決定などを断固されました。また、喫緊の課題であった新型コロナの五類感染症への移行、統一協会への解散命令請求も実行に移されました。国際情勢が緊迫する中でのG7議長としての議論の取りまとめ、ウクライナへの支援、日韓関係の改善など、外交上の難題にも懸命に取り組んで成果を出しています。経済全体の指標は決して悪くはなく、賃金も税収も伸びています。我が国は世界の中で最もまともな経済状況にあると表する方もいます。確固たる姿勢で国民に賛否のある政策を推進した安倍政権や菅政権から、利く力を重視し国民に寄り添う姿勢を鮮明にする岸田政権へとバトンが引き継がれたことは、外交安全保障政策を重視して安保改定という国論を二分するテーマに正面から取り組んだ岸野助政権の後を継いだのが、低姿勢と寛容と忍耐をキャッチフレーズに、世の中の安定と国民の豊かさを志向した池田早人政権であったことを彷彿とさせます。池田元総理も同じ広島県選出であることも相まって、岸田総理の登場には個人的に歴史の必然さえ感じます。しかし、現状において支持率は低空飛行、補欠選挙の結果も一勝一敗。こんなに頑張って成果を出しているのになぜ評価されないのだろう。これが現在の岸田総理の率直なご心境ではないでしょう。政権の置かれている現状について、総理はどうお感じになっているのでしょうか。率直にお聞かせください。支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きるのではないでしょうか。リーダーの役割とは何か。サラリーマン時代からずっと私は自分自身に問いかけ続けてまいりました。上司や先輩の言動を見つめ、過去の偉大な政治家や経営者が残した言葉から学び、そして自分自身の数多な失敗から教訓を得て、私なりのリーダー像を作り上げてきましたが、まだ道半ばです。いや、永遠に答えを得ることはないでしょう。岸田総理ご自身はリーダーとはどうあるべきとお考えでしょうか。本音をお聞かせください。私が現段階で考えているリーダー像とは、決断し、その内容をわかりやすい言葉で伝えて、人を動かし、そしてその結果について責任を取るという姿であります。しかし、残念ながら現状において岸田総理の決断と言葉については、幾百かの弱さを感じざるを得ません。その弱さが顕著に露呈したのが、今回の減税にまつわる一連の動きです。9月25日に総理は、税収像を国民に適切に還元すると表明されました。しかし、この還元という言葉がわかりにくかった。自分で決断するのではなく、検討を丸投げしたように国民には移った。総理のパッションが伝わらなかった。その後、この還元という言葉が一人歩きして、給付なのか減税なのか、はたまた両方なのか、総理の真意について与党内でも様々な憶測を呼んでしまいました。世の中に対しても、ぶっかだかに対応して、総理が何をやろうとしているのか、全く伝わりませんでした。もし、9月25日に総理が、ぶっかだかによる生活困窮世帯の苦境は深刻なので、十分な給付を迅速に行う。一方で、ぶっかだかは中間層の家計も圧迫しており、消費の停滞にもつながっている。これには所得減税で対応する。どのような手法を取るかについては、技術的な問題もあるので、当税庁の専門家とも相談しながら決めていきたい、とわかりやすく述べておられたら、政府与党での議論が混乱することもなかったでしょうし、多くの国民もぶっかだかに対する総理の姿勢をよく理解してくれたことでしょう。総理は、過去の総理よりも頻繁に会見に応じられるなど、国民への情報発信に心を砕いておられます。しかし、臨減汗の如しと申します。リーダーの発した言葉は、かいた汗のように、元に戻すことはできません。今後、重要な局面で発信される際には、総理ご自身がじっくりと考えて決断し、水面下の寝回しも入念に行って、その発言によって、政権の政策の方向性を確定させ、何としてでも国民の支持を得るんだという覚悟で、政治家としての言葉で発信していただきたいと思います。そんな確定的な言葉で全てを発信することは難しい。発言の修正に追い込まれたらどうするのだと、逃げ道を作っておかなければと思われるかもしれません。ウィンストン・チャーチルは、政治家に必要な資質として、以下の言葉を残しています。政治家に必要な能力とは、明日、来週、来月、来年、何が起こるかを予言すること、そして、そうならなかった時に理由を説明できることである、と。変更を迫られた時は、また真摯に自分の言葉で説明をすればいいんです。総理、言葉の重みと発信のあり方について、どのようにお考えか、率直にご意見をお聞かせください。さて、経済政策の根本について議論をさせていただきたいと思います。私は、財政健全化を決して軽視はしておりません。財政が健全の方向に向かうことは、政策の選択肢を増やし、諸課題に機動的に対応できることにほかならず、好ましいことだと考えています。しかし一方で、金資元的な増税によって、財政が健全化するとは考えておりません。増税すれば税収が増え、財政が健全化すると短絡的に考えるのは誤りです。逆に減税してでも、消費や投資を増やし、経済を活性化することで、結果として税収が増え、財政健全化につながっていくと考えます。近年、税収が毎年大幅に増加し、昨年度は過去最高の71兆円を記録し、これから数年は税収増が続くと予想されています。このことは今後の財政健全化にも資することでしょう。これは積極財政政策を取り続けてきた成果にほかなりません。今、GDPガップがプラスに転じたのだから、もう積極財政は必要ない、増税してもいいという議論がありますが、賛成できません。アベノミクスでデフレから脱却できなかった大きな原因の一つは、2本目の矢である財政出動が十分でなかった点にあると私は考えています。アベノミクスが始まる前の2012年度とコロナ直前の2019年度を比較すると、国民からいただいた税と社会保険料は153兆円から192兆円へと約40兆円増加しているのに対し、国民に支出した国と地方自治体の歳出と社会保障給付は193兆円から209兆円へと約15兆円しか増加していません。実は差し引き25兆円ほど緊縮した財政になっていたのです。アベノミクスの間にも大きく2回GDPギャップがプラスに転じた時期がありました。しかし2回ともその直後に消費税を増税したことによって消費が落ち込み、GDPギャップは再び大きくマイナスに転じてしまいました。総理、アベノミクスがやりきれなかった点を教訓にしなければなりません。GDPギャップがわずかにプラスに転じた今こそがデフレ脱却への正念場です。安易に緊縮財政や増税に走るのではなく、減税や積極財政と成長戦略によって今後も安定的にGDPギャップがプラスになることを確定させ、デフレ脱却を宣言し、本格的に税収を増やして結果として財政健全化を達成すべきだと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。経済対策策定の際に規模の議論をすると、必ず規模ありきではない中身が重要との批判にさらされます。私は規模も中身も重要と考えます。中身の吟味はもちろん重要です。しかし、マクロ経済全体にどのようなインパクトを与えるべきか、規模の議論も極めて重要であります。今回の補正予算で行うべき物価高への対応や生活困窮世帯への給付は、現在行っているあるいは過去に行った施策をレビューすれば、おのずと規模は導き出されます。よく検討しなければならないのが、初心表明演説で総理が一番目のポイントとして挙げられた供給力の強化のために必要な対策の規模であります。確かに現在GDPギャップは縮小し、税収は右肩上がりではありますが、果たして我が国の経済は本当の意味で成長しているんでしょうか。現在の経済指標は強い外需の影響によって引き上げられており、我が国の内側から湧き出てくる力強い成長があるとは思えません。ここで重要になってくるのが、総理のおっしゃる供給力の強化であり、その指標となるのが潜在成長率です。潜在成長率とはわかりやすく言えば、国内経済における供給力の伸びであり、一時的な景気や物価に左右されない中長期的な経済力を表します。9月の月齢経済報告関係閣僚会議では、我が国の潜在成長率は0.5である一方、アメリカは1.8、カナダが1.5、英仏が1.2となっており、日本はG7諸国の中で最も低い水準と報告されています。現時点での日本の真の経済力は極めて低いと言わざるを得ません。潜在成長率は、工場、機械などの設備の量を示す資本と、労働者数に労働時間をかけた労働、そして生産性の3つの要素で構成されます。人口減少による働き手不足により労働の増加には期待できない以上、設備投資による資本の拡大、新技術による生産性向上に向けて大胆に予算を投下し、供給力を強化しなければ潜在成長率、すなわち中期的な経済力は上がりません。今後、労働力人口の減少が潜在成長率にマイナスに働くことを踏まえた上で、欧米並みの潜在成長率まで引き上げることを考えると、大規模な資本の増加、すなわち設備投資を増やすことが不可欠です。今回の経済対策と補正予算では、物価対策としての給付や減税に注目が集まっていますが、民間設備投資を後押しする施策の内容と規模も極めて重要です。総理は、潜在成長率を欧米並みに引き上げるための民間設備投資はどの程度必要と考えますか。また、そのために政府としてどのような内容で、どれぐらいの規模の補助金や税制による支援が必要と考えられますか。具体的にお答えください。そしてもう一つ、目を配っておかなければならないのが、不確実性の時代に突入している世界経済です。世界的なインフレ気調は未だ根強く、それに伴う欧米の政策金利の上昇が経済の下押し要因となっています。中国経済の急速な減速も大きな懸念材料です。米中対立の結果もまた世界経済のリスク要因です。途上国の債務問題は深刻さを増しています。さらには中東情勢の悪化により、エネルギー価格のさらなる高騰も予想されます。こうした世界経済のリスクをしっかりと見据えた時、今回の経済対策とその裏付けとなる補正予算の規模、日本経済を下支えする観点からも極めて重要です。今回の経済対策について、物価対策や生活困窮世帯への生活支援などを中心に、意味のある政策を積み上げていくことは言うまでもありません。しかし、同時に日本の真の経済力をつけるための設備投資促進と世界経済のリスク対応に必要な経済対策の規模を吟味し、十分な、いや十二分な規模の対策とすることもまた不可欠であります。経済対策の規模を確保することについて、岸田総理のかっこたる決意を伺います。さて、供給力の強化にあたっては、薄く広く投資をするのではなく、今後の日本の食い口となり得る分野に重点投資することも重要です。自動車等の世界に売れる商品はもちろんですけれども、素材、工作機械など日本企業が強みを持つ産業について、強いものをさらに強くする観点から積極的な後押しが必要です。例えば、半導体製造装置については、世界市場で日本が依然として四分の一程度のシェアを持っており、製造工程によっては日本企業が九割のシェアを有するものもあります。素材、工作機械といった産業は派手さはありませんが、世界各国の産業を維持する上でなくてはならないものです。こういった分野で日本企業のシェアを高め、資材を抑え、価格決定権を握っていくことこそが日本の生産性を高めることとなり、海外との交渉力強化にも直結をいたします。例えば、グリーン水素の製造については、日本にはその基盤となる再生可能エネルギーの適地が少なく、将来世界で水素利用が普及した場合、日本は水素の輸入国になると予想されています。しかし、現在日本が世界をリードしている水素製造技術、輸送技術、利活用技術をしっかり抑えておけば、将来にわたって水素生産国との交渉力が高まり、水素を安定的に確保することができます。こうした分野の中長期的戦略を国として立てて、重点投資を行っていくことは極めて重要であり、今回の経済対策にも盛り込まれるべきと考えますが、総理のお考えを伺います。そして、経済安保もまた国民生活に直結する極めて重要な課題です。経産省では現在、新たな行動計画の検討が進んでいますが、とりわけ重要鉱物や永久磁石、蓄電池、半導体、医薬品などの重要物資について、その供給を特定国に過度に依存している現状は早急に改善すべきであります。新型コロナウイルスが世界を覆ったとき、そして現在も続くロシアによるウクライナ侵略が勃発した際にも、安定したサプライチェーンの重要性を私たちは身をもって実感をいたしました。それだけではありません。私たちは過去にレアアースの輸出規制で苦しんだ経験があります。ガリウム、ゲルマニウムの輸出管理も急遽始まりました。国民の暮らしや生産活動に不可欠な重要物資の供給を特定の国に依存することは、それ自体が大きなリスクです。経済的な威圧行動を予防抑止するためにも、特定国への重要物資の依存を低減し、サプライチェーンの多様化を進めていかなければなりません。最大の課題は、一部の物資に関して特定の国が圧倒的な価格競争力を持っていることです。とにかく安い。そのために特定国への依存度が上がってしまっている現状があります。しかし、その安さの原因が、もしその国の政府による莫大な補助金であるとしたら、それは公正な競争とは言えません。CO2をたくさん排出し、環境への負荷を垂れ流すことでコストを抑えているとしたら、それも見過ごすことはできません。強制労働によるコスト減も許容できません。こうした点について、平等な競争条件を回復しなければ、強靭なサプライチェーンの構築など、絵に描いた餅になってしまいます。そのためには、環境、労働、人権など国際スタンダードを満たし、持続可能な形で生産された重要物資に対して、大胆な購入インセンティブを与えたり、政府調達で優遇するなど、新たな産業政策を進める必要があると考えます。サプライチェーン強化に向けた総理のご見解を伺います。国民が岸田政権に対してもう一つ物足りないと感じているのは、スピード感ではないでしょうか。例えば、民間も含めたAIや防衛関連技術の漏洩を防ぐセキュリティクリアランスの制度化に、どれだけの時間をかけているのでしょうか。来年の通常国会には法案が提出されると聞いていますが、有識者会議などによる詳細な詰めは、まだまだこれからだとも聞きます。もう導入は決まっているんですから、総理が明確に期限を切って、規剥を見せ、しっかりと実行に移すべきであります。また、コロナ後の需要回復などにより、各地でタクシー不足、バス不足が顕在化し、地方における生活、観光が破綻しかかっています。ライドシェアについてもいつまでも議論するのではなく、期限を切ったスピード感をもって、関係者の調整を行って、腹をくくって実現しなければなりません。岸田政権における政策実現のスピード感について、総理はどうお考えでしょうか。外交に目を転じると、厳しさを増す国際情勢の中で、年が明ければ台湾の総統選挙から始まり、欧州議会選挙、そして米国大統領選挙があり、英国会員でも総選挙があるとされています。世界的な選挙イヤーにあって、権力の空白が生じるかもしれない中、その隙をついて国際政治がさらに混乱する事態が起こることも懸念されます。我が国は今年G7の議長国でありましたが、引き続き国際社会でしっかりとリーダーシップを発揮していく、世界と日本の安寧のための外交努力の重要性は言うまでもありません。これまで日本は、ウクライナ支援をはじめ、様々な局面で同盟国であるアメリカと常に同一歩調を取ってきています。一方で、イスラエル、パレスチナ武装勢力間の武力衝突への対応に関しては、日本の対応とアメリカの対応には若干の違いも出てきています。こうした状況の中では、同盟国アメリカとの連携を最重視しつつも、ついていく外交だけではなく、日本独自の存在感を示し、自ら道を切り開く外交を模索していくべきではないでしょうか。かつて日本はグローバルな外交の舞台での存在感が希薄でした。しかし、日本は今や東アジアという世界で最も知性学的リスクが高い場所に位置する最大の民主主義国家であるという位置づけ、世界第三の経済大国で重要な技術を多数保有するという経済的重要性、そしてインドやインドネシアといったグローバルサウスのリーダー国やアセアン各国とは歴史的に良好な関係を構築してきたこと、さらには中東諸国とも独自の関係を築いていること、こうした各種の事実によりその存在感が大幅に増しています。安倍元総理が提唱された「自由で開かれたインド太平洋」は今や自由主義を標榜する各国の間での共通の理念となっています。岸田総理が提唱された「アジア各国が脱炭素化に向けて強調し、エネルギー安全保障を確保し、共に経済成長を目指す」というアジアゼロエミッション共同体、AZECはアジア各国で高く評価されています。この夏、尾辻議長に同行してベトナムとシンガポールを訪問して参りましたが、両国要人と尾辻議長との会談でも相手側からAZECについて何度となく話題として持ち出され、その期待の大きさに驚かされました。経済的、歴史的、文化的な関係を大切にしつつ、大国と堂々とフェアに渡り合う、アジアの国々の、いや地域の利益も踏まえた、新しい枠組み構築に大きな役割を果たす、国と国との間に立って汗をかく、これこそが日本が独自の存在感を発揮していく道ではないでしょうか。その観点から、賞味の急となっている中東情勢とウクライナ情勢について申し上げます。まず中東です。今中東情勢が緊迫しています。多数の支障者が出ている現状を深刻に憂慮しています。我が国は長年、中東地域の和平のため、独自に力を尽くしてきました。ヨルダンガは西岸に平和と繁栄の回廊を築く、その一つの実績でもある、ジェリコの農産加工団地には、私も平成29年に経産大臣として足を運びました。日本として15年以上、我が国はパレスチナの経済社会開発を通じ、中東和平の実現のために力を尽くしてきました。豊かさこそが平和のなえどこであり、繁栄こそが安定の基礎である、基盤である、その信念こそが我が国の中東外交の原点であります。ですから今中東で起きている現実を目の当たりにするとき、大きな失望の念を感じ得ません。しかし私はこうしたときだからこそ、日本の役割があると信じます。8年前、当時安倍総理がイスラエルパレスチナを含む中東各地を訪問した際、官房副長官として同行しました。そのときの政策スピーチで引用された、中東に古くからある言葉を思い出します。中洋が最善であるというものです。伝統を大切にし、中洋を重んじる態度、過激主義ではなく全身主義、憎しみではなく寛容、イスラエルともアラブの国々とも長年にわたり友好関係を築いてきた、日本にしかできない平和外交の余地がある、そう信じています。岸田総理を先頭に日本政府は、事態の鎮静化に向けて国際社会と連携しながら、最大限の外交努力を尽くしていただきたいと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。次に、憂いな情勢です。一旦話がそれるように見えるポーランドの話から申し上げたいと思います。第一次世界大戦前、帝政ロシアにより政治犯として、旅行に処されるなどして、シベリアには多くのポーランド人が暮らしていました。そしてロシア革命とその後の内戦で、多くの子供たちが親を亡くし、危害や病気に苦しむ中、ポーランドの救済委員会は、孤児たちを救出してくれるよう、当時シベリアに出兵していた各国に要請しました。手を差し伸べたのは唯一、日本だけでした。それも要請からわずか2週間余りの短期間で支援を決めるという異例の英談でありました。日本陸軍の手で760人を超える孤児が助け出されたそうです。福井県鶴ヶ野港では子供たちの到着を待ちをあげて歓迎したといいます。東京と大阪で献身的な看護を受ける中、日本中からポーランド孤児たちのために、服やお菓子、絵本などが贈られてきたそうです。そして子供たちは日本で体調を回復し、祖国ポーランドの地を踏むことができました。その中の1人、家地ストシャウコフスキさんは帰国後、教育者として多くの貧しい子供たちの世話をしました。今もワルシャワ郊外に家地さんの名前を冠した特別養護学校があります。ロシアによるウクライナ侵略で、たくさんのウクライナの人々がポーランドに避難する中で、この学校では母子多数を施設に受け入れました。侵略直後、直ちに決断したと言います。校長先生はこう語っています。日本が孤児たちに示した人道の精神を、私たちが示す番だった。先人たちの気高い精神と大胆な決断が、世紀を越えて遠くポーランドの地に根付き、そして今、ウクライナの人たちを支えています。そのことに静かな誇りを持ちながら、100年後の今を生きる私たちもまた、先人同様、しっかりウクライナへ独自の支援の手を差し伸べるべきであります。今、この瞬間もウクライナの第一では、祖国の独立を守り、愛する家族を守るため、勇敢に戦っているウクライナの人々がいます。改めて、心から連帯の気持ちを表明します。年明けにも、日本政府が主導して、日ウクライナ経済復興推進会議が行われると聞いています。我が国として、ためらうことなく、でき得る限りの支援を行っていく。そのためには、今回の経済対策で、ウクライナで事業を展開する日本企業への新たな補助制度の創設、100%補助なども視野に入れた手こいでなど、異例かつこれまでにない大胆な支援を行っていくべきと考えますが、岸田総理の御決意をお伺いいたします。

1:28:06

最後になりますが、岸田総理、繰り返しになりますが、総理は今、いくら頑張って成果を出しても、国民から評価されないという焦りのお気持ちをお持ちではないでしょうか。恐首傍観、挫して破るるを見ているのは果たしていかがであろうか。死に部位を示せ。安政3年、開国への圧力が高まる中で、松下村塾生の草加玄瑞は、自分が思い描く上位が十分に実行できない日本の現状を憂い、自分一人でも結果を出したいとこう焦っていました。これに対して、吉田松陰はこう悟しました。「天下、公正をもって、己が任となすべし。この国のことと、その未来をどうするかということこそを、自らの任務と自覚すべきである。目先の結果を出すことに焦ることよりも、もっと大きな視点で取り組むべきだ」と説いたのです。世界に目を向ければ、これまでにない荒波の中に、我が国は置かれています。国内に目を向ければ、物価の高騰、さらには少子高齢化に伴う諸問題は、待ったなしの課題です。社会保障制度の再構築をはじめ、根本から日本の構造改革を進めていかなければなりません。吉田総理、どうかこうした大きな課題、総理大臣という地位にあるものにしかチャレンジできない課題にこそ、真正面からぶつかっていく。そのことに集中していただきたい。様々な声に耳を傾けることは重要ですが、目先のことに急急とする必要はありません。どうか、天下、公正をもって、己が任党なすべし、参議院自民党もその思いで、共に国内外の重要課題に立ち向かっていく。そのことを、同僚議員と共にお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

1:30:30

岸田文夫内閣総理大臣

1:30:45

世耕弘成議員のご質問にお答えいたします。政権の置かれている状況についてお尋ねがありました。政権発足から2年、ロシアによるウクライナ侵略、新型コロナとの戦いなど、何十年に一度と言われる事案に次々と直面する中で、防衛力の抜本的強化、エネルギー政策の転換、次元の異なる子ども子育て政策をはじめ、先送りできない課題に一つ一つ挑戦をし、結果をお示してきました。しかし、課題は三隻しています。足下で最も先送りできない課題は、何と言っても経済です。長年染み付いたデフレの悪循環による停滞に苦しんできた日本経済。この2年間、新しい資本主義の下で賃金と投資に官民で重点を置いて、様々な政策を進め、ようやく明るい兆しも見えてきました。そこに世界的なエネルギー食料危機や為替の影響も受けて、国民の皆さんにおかれては賃金が十分上がらない、物価が高い、このことに苦しんでいます。これにしっかり対応しなければならない。これが今、岸田政権の使命と思い定め、今回の所信表明演説において、経済、経済、経済と、繰り返し何度も経済に重点を置いていくことを訴えさせていただきました。物価高をはじめ、国民が直面する課題に先送りせず、必ず答えを出す、この覚悟を持って取り組んでまいります。そしてリーダーの在り方についてお尋ねがありました。経済、社会、外交、安全保障、いずれの分野においても、大きな変化の時代を迎える中、リーダーには変化の足音、これをしっかりと伝え、目指すべき将来像に向けて、強い意志を持って政策を実現していく姿勢を示していくことが重要だと、私も考えます。自らがそのように振る舞えているか、これを常に、この、乖離みつつ、変化の流れを汲み取り、明日は今日より良くなると信じられる時代を実現する、このことを明確にお誓いし、有言実行を貫いてまいりたいと考えます。そして言葉の重みと、この発信の在り方についてお尋ねがありました。国民への還元との言葉が分かりにくいとのご指摘については、今後その内容を具体化させる段階で、デフレからの脱却を実現できる、30年ぶりの潜在一流のチャンスを逃さない、そのためにもデフレ脱却を確実なものにする一時的な措置として、国民の過処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和するといった私の考え方をしっかり伝えてまいります。変化の流れをつかむため、また変化の足音を国民の皆さんにお伝えするため、これまでも自ら決断し、国民の皆さんに直接発信することを心がけてきましたが、本国会でも経済政策や物価対策を中心にしっかりと議論を重ね、国民の皆さんに丁寧に説明してまいりたいと考えます。そして、GDPギャップを踏まえた経済財政運営についてお尋ねがありました。我が国の経済状況は、30年来続いてきたデフレを脱却できる潜在一流のチャンスを迎えているとはいえ、需要面では賃金上昇が物価に追いついておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねない。また供給面では潜在成長率が30年来のコストカット型経済の下での低成長の結果、0%台半ばの低い水準に留まるということ、これらに留意する必要があります。このような認識の下、今回の総合経済対策では、デフレ脱却のための供給力の強化と、物価高によりデフレに後戻りしないための一時的な措置としての国民への還元、この2つを車の両輪として取りまとめます。私の経済財政運営の基本は、経済あっての財政です。デフレを脱却し、新たな経済ステージに移っていけるかが、財政にとっても重要であり、経済の立て直し、そして財政健全化に取り組んでまいります。そして、潜在成長率を引き上げるための民間設備投資についてお尋ねがありました。潜在成長率に影響を与える要因は様々であり、民間設備投資額の影響を一概に申し上げることは困難ですが、G7諸国と比較しても、我が国では資本ストックが伸び悩み、老朽化が進んでいます。この背景には、バブル崩壊後、我が国の企業がコストカット最優先の対応を続け、投資を抑制したことが挙げられます。このことが資本と生産性の両面で、潜在成長率の伸び悩みの一因になってきたものと考えられます。そのため、新規の投資や既存設備の更新等を通じて、質量ともに資本ストックのレベルを引き上げていくこと、これが重要だと考えます。今般の経済対策でも、半導体や脱炭素のような安全保障に関係する大型投資をはじめ、特に2年から3年以内に供給力強化に資する施策に支援措置を集中させ、変革期間の呼び水といたします。さらに、戦略物資について初期投資だけでなく、投資全体の預見可能性を向上させる過去に例のない投資厳正、人手不足に苦しむ中堅中小企業の省力化投資に対する補助制度をはじめ、抜本的な供給力強化のための措置を講じてまいります。そして、経済対策の規模についてお尋ねがありました。我が国の経済状況は、30年来続いてきたデフレを脱却できる潜在一流のチャンスを迎えているとはいえ、先ほど申し上げました需要面、そして供給面、それぞれで留意する点があります。このような認識の下、今回の総合経済対策は、デフレ脱却のための供給力強化と、物価高によりデフレに後戻りしないための一時的な措置としての国民への還元、これを車の両輪として取りまとめてまいります。そして規模については、規模はこうした政策の積み上げの結果であり、我が国経済がデフレから脱却し、新しい経済ステージに確実に復興するため、効果的な政策をしっかり積み上げて、規模を決定してまいります。そして、日本が強みを持つ産業分野の中長期的戦略等についてお尋ねがありました。成長型経済への変革に向けて、思い切った供給力の強化を進めるにあたって、ご指摘のとおり、自動車や半導体製造装置、水素関連技術など、我が国の強みを踏まえた対応が重要です。今般の経済対策において、こうした分野での大型投資をはじめ、供給力強化に資する政策に、戦略的に支援措置を集中させてまいります。そして、サプライチェーン強靱化に向けた産業政策についてお尋ねがありました。高い環境負荷などによるサプライチェーンは、公正ではなく、信頼性のある形でサプライチェーンの強靱化を進めること、これが重要です。具体的には、国内外において、信頼性の高いサプライチェーンで生産された物資を優先的に取り扱うことを促進するなど、公正な市場、事業環境の整備に取り組んでまいりたいと考えます。そして、セキュリティクリアランス及びライドシェアについてお尋ねがありました。岸田政権では、防衛力の抜本的強化、エネルギー転換をはじめ、先送りできない課題に一つ一つ挑戦をしてまいりました。そして、御指摘のセキュリティクリアランスについては、経済安全保障分野の情報保全強化の観点から非常に重要であると考え、本年2月には有識者会議を設置し、制度設計に必要な議論をしていただいており、同会議での議論を踏まえ、次期通常国会における法案提出に向けて準備を進めてまいります。そして、ライドシェアについては、デジタル行財政改革会議の下での議論が開始されたところであり、地域交通の担い手不足、移動の足の不足、といった深刻な社会課題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組み、早急に方向性を出してまいります。今後とも、国民が直面する課題に先送りせず答えを出す、この覚悟を持って、政策に取り組んでまいります。そして、現下の中東情勢の事態沈静化に向けた、我が国の外交努力についてお尋ねがありました。我が国は、ハマス島のテロ攻撃を断固として避難した上で、一つは人質の即時解放、一般市民の安全確保、二つ目として、全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、三つ目として、事態の早期沈静化、これらを一貫して求めてきています。私自身、周辺各国や、欧州首脳との電話会談等において、このような日本の立場を説明するとともに、ガザ地区の人道状況改善や、事態沈静化に向けた協力を確認してきており、先般開催された「カイロ平和サミット」においては、出席した上川外務大臣からも、我が国の立場を発信をいたしました。また、昨日、ガザ地区の人道支援のため、日本政府として、1000万ドルの緊急無償資金協力、これを実施することを決定をいたしました。中東の平和と安定は、日本を含む国際社会の平和と繁栄に必要不可欠です。政府議員、御指摘のとおり、日本はこれまで独自の取組を通じて、中東各国と良好な関係を築いてきました。そうした我が国外交資産の土台の上で、国々と動く現地情勢を踏まえつつ、関係国との間で、緊密な一処図を図り、在留法人の安全確保に万全を期しながら、次第の早期沈静化や人道状況の改善に向けた外交努力、積極的に続けてまいりたいと考えています。そして、ウクライナ復興支援についてお尋ねがありました。ウクライナ復興支援については、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす傍挙であり、G7をはじめとする国際社会と緊密に連携をしながら、ウクライナ支援を強力に推し進めていく必要があります。私自身、今年3月にウクライナを訪問し、また5月にはゼレンスキー大統領が訪日をされました。こうした機会を通じて、私自身現地ニーズを的確に把握しながら、これまでの知見や経験を生かし、日本ならではの支援を実施していく決意を新たにいたしました。震災復興のノウハウや産業や技術の分厚い基盤を有する日本の官民が連携をし、金融力も生かして、ウクライナの復旧復興に貢献をしてまいります。そのために、スタートアップを含む日本企業が、リスクをとって独自の技術やサービスを活用し、復旧復興事業に参加できるよう、100%補助での実証事業の創設など、ご指摘のように政府としてこれまでにない大胆な支援を行っていきたいと考えています。こうした支援を通じて、来年初めに開催予定の「日ウクライナ経済復興推進会議」において、しっかりと成果を示してまいります。そして最後に、世耕議員から吉田松陰の「天下公正をもって、ものが人となすべし」という言葉を忘れずに、職務にあたるようご指摘をいただきました。吉田松陰は「あわせてよろしくまず一時より、そして一日より始めるべし」このようにも言っておられます。大局館をもって、引き続き国民のために政治に邁進してまいります。

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質疑はなおございますが、これを次回に譲りたいと存じます。ご異議ございませんか。(ございます)ご異議ないと認めます。本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました

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