6:18
これより会議を開きます。日程第一、国務大臣の報告に関する件、令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告について、総務大臣から発言を求められております。発言を許します。
7:07
令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告の概要について、ご説明申し上げます。政策評価制度は、各行政機関が自らの政策の効果を把握し、評価することを通じて、政策の企画立案実施に役立てることにより、効率的で質の高い行政や成果重視の行政を実現していくとともに、国民に対 する行政の説明責任を果たしていくことを目的としております。令和4年度は、政府全体で2,355件の評価が実施され、その結果が政策の改善見直しに反映されるとともに、総務省において複数の行政機関にまたがる政策の評価や、各行政機関が行った政策評価の点検等を行っております。また、本年3月には、政策評価に関する基本方針の変更を行っております。社会経済情勢の変化に対応できる行政の実現には、政策の効果と現状を把握の上、機動的かつ柔軟に機動修正を行いながら前進する政策展開が必要です。このため、政策の特性に応じた政策効果の把握分析を行い、政策形成過程において必要となる情報を適切に活用できるよう、政策評価制度の運用を見直しました。総務省としては、本基本方針の下で行われる各府省の新たな取組を実効性のあるものとするため、各府省の取組事例を把握し、共有するとともに、政策評価審議会における議論も踏まえて、技術的なガイドラインを策定するほか、政策効果の把握分析のための統計の整備、データ利活用の技術的支援、職員向け 研修の充実などの取組を進めてまいります。こうした取組を通じて、新たな挑戦や前向きな機動修正を積極的に行うことが、行政の無理由性にとらわれない望ましい行動として、高く評価されることを目指し、しっかり取り組んでまいります。以上が令和4年度の報告の概要でございます。なお、総務省では、政策評価法に基づく政策の評価のほかに、総務省設置法に基づき、各行政機関とは異なる立場から、業務の実施状況、評価及び監視する機能になっております。政府の行政評価監視機能等と、立法府の行政監視機能が相まって、行政運営の改善が図られることは、国民の行政に対する信頼を確保する上で重要であり、引き続き、行政評価監視機能等を適切に把握し、行政の運営の完全に努めてまいります。
9:42
ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
10:13
自由民主党の前田地昌司です。私は、会派を代表し、ただいま議題となりました、令和4年度政策評価実施状況等報告について質問いたします。まず、社会の変化に対応した行政評価のあり方について伺います。コロナ禍の影響も加わり、我が国は本格的な少子高齢化、人口減少社会の国難に直面しています。今後、労働力の減少、消費力の縮小、大都市における高齢者の増加など、これまで経験したことがないほどの変化が訪れます。同時に、地球環境問題の深刻化等もあり、新自由主義的経済重視の社会から、持続可能性重視の社会等への変革にも迫られています。これらの変革に的確に対応していくためには、政策の方向性も抜本的に変えていかなければなりません。そこで、総務省では、本年3月に政策評価に関する基本方針を改正するとともに、政策評価制度の運用の見直しを行っていますが、今後、急激な人口減少社会や 、これまでの延長線にはない政策立案が求められる社会の中で、これからの行政評価はどうあるべきと考え、今回の改正や見直しに臨んだのでしょうか。さらに、変革が求められる時代にあっては、行政も失敗を恐れず、失敗も糧とし、挑戦なくして成功なしの姿勢で臨むことが大切だと考えますが、この点をどう行政評価に具体的に反映させていくお考えか、松本総務大臣にお伺いします。次に、地方議会からの意見書に関して伺います。平成12年の地方自治法の改正により、地方議会意見書の提出先に国会が明記され、令和4年には参議院に4178件の意見書が提出されています。この地方議会からの意見書に基づき、国会では海の日を設ける祝日法の改正のほか、兵庫県議会から全ての都道府県議会へと要望が広がっていった被災者生活再建支援法の一部改正、さらに地震防災対策特別措置法の一部改正が行われてきました。現在、5億対象県からは、平等な都道府県制度の下、特定の4県だけが犯人前として扱われ、不条理で不平等な状態が続いているという怒りの声が上がっていますが、そもそも参議院では創設以来、全国を一つの選挙区とする選 挙とともに、各都道府県から選出する選挙から成り立ってきたことから、全国の地方議会や地方6団体からの意見をしっかりと伺って、さらなる国勢への反映が求められています。この点、平成14年に成立した行政手続きオンライン法により、行政機関に対しては、地方議会意見書の提出のオンライン化が認められましたが、国会への提出は同法の対象外であったため、全国都道府県議会議長会から改善要望が出され、今国会において地方自治法が改正され、令和6年度からは地方議会からの意見書は国会にもオンライン提出できるようになりました。この機会に参議院では、地方議会の意見をより国勢に反映させる手立てについて検討してはどうかという声が上がっています。そこで、行政府においても、政策立案や行政監視の際、地方議会からの要請等に基づき、必要に応じてリモート会議や視察等を通じ政務三役も手分けして対応するなど、地方議会からの意見書の更なる活用を検討してはどうかと考えますが、地方自治を所管する総務大臣の御見解を伺います。次に、参議院に提出された地方議会からの意見書の中で、300近く寄せられた地方財政の充実強化について伺います。令和5年度地方財政計画では、交付税不交付団体の水準調経費が約2.9兆円計上されました。大半を東京が占めるこの水準調経費は、自治体間の財政力、経済力、施策実行力の格差の大きさを如実に表しますが、この水準調経費が数十年ぶりに3兆円近くに膨れ上がり、東京都地方、そして各地域間の格差がまた一段と増しつつあります。昨年の出張率は1.26と、平成17年以来再び過去最低を記録し、消費化が止まらない中、先般閣議決定された子ども未来戦略方針では、今後3年かけて年間3兆円台半ばの予算を確保し、加速化プランとして集中的に取り組みを進め、その財源は年末までに示すこととされましたが、その際、地方財源の確保と財政力格差の是正について十分留意する必要があります。例えば、児童手当は3分の1が地方負担であるように、自治体が用意すべき額は相当な規模になるため、財政力が弱い団体にも確実に財源確保するとともに、国の歳出改革、特に歳出削減が地方に悪影響を与えないようにしなければなりません。さらに、子育て政策の現場は自治体であり、消費化対策の拡充には、国が全国的な制度として進める事業と、地方独自の事業とが相乗効果を発揮して取り組むことが効果的です。しかし、現在の国と地方の財源構成のままでは、財政力の弱い団体にとって、加速化プラン実施の財源確保は容易ではありません。また、東京をはじめ財政力が豊かな団体では、高校卒業までの医療費無償化や、小中の給食無償化など手厚い独自施策を実施できますが、財源の乏しい多くの自治体では、そう簡単にはできません。これでは、より手厚い子育て支援策を競い合う中で、大都市圏に若い世代が集中することとなり、ますます人口、経済力、財政力、そして政治力の格差は拡大し、東京一極集中問題がより深刻化する恐れがあります。子どもの健やかな成長や教育に関する支援は、自治体の財政力の高で大きな格差があってはなりません。そこで、国の子ども政策予算の抜本的拡充に合わせ、地方財政についても抜本的に拡充するとともに、もう一段の地方税の偏在是正と、それに伴う新たな単独事業の実施を可能とする採取措置を講じる必要があると考えますが、総務大臣の御見解を伺います。さて、大都市圏と地方の格差是正が進まない一員として、国の政策の企画立案から実行までの過程で、地方の声を反映する力が弱まっていると感じます。衆議院における比例も含めた13増13減をはじめ、参議院における5億導入時の10増10減、さらには島根県の面積の1割にも満たない東京23区の区議会議員だけで902名も存在し、衆参合わせた国会 議員の数よりも多い状況などからわかるように、国と地方を合わせた議員のパワーバランスが大都市圏に偏り、政治の力をより強く必要とする地方の声が減っています。感染症のパンデミックや首都直下地震など、東京が機能不全に陥れば国全体が倒れるように、人材や食料、エネルギー、さらには温室効果ガスを吸収し、酸素を供給する基地である地方が衰退すれば、出生率が極端に低く、食料もエネルギーも作れない東京も、そして日本も、やがて確実に衰退することを、今一度真剣に考える必要があります。各府省庁では、政策立案の際、審議会等を設置して検討しますが、大企業や有名大学が集中する大都市圏の有識者がメンバーに選ばれる傾向になっていないか、東京を中心とした議論になっていないか、とても心配です。政府において、成長戦略の一環として、魅力ある地方大学の実現に向けた取り組みや、地方創生の推進、事業再構築やスタートアップを支援しているように、地方にも大学や経済界、産業界に優秀な人材が大勢います。また、いまだ人口増の東京では、想像もできない深刻な人口減少社会で、必死に頑張っている首長や地方議員も多くいます。さらに、人手不足の地 域で、一人何役もこなし、多忙すぎて行政に声も上げられず、行政や政治の側から寄り添っていかなければ、声を聞けない方もいます。一方で、頑張ってもなかなか報われない方もいます。そこで、官邸のリーダーシップの下、地方創生の分野だけではなく、あらゆる政策に地方の実情が考慮されるよう、リモート会議や地方開催等も有効活用しながら、これらの方たちをより積極的に政府の審議会や戦略会議、行政監視の場等に投与するとともに、参考人として意見聴取の機会を増やすなどして、国の政策にしっかりと目に見える形で反映していくべきと考えますが、この点を官房長官にお伺いして、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
20:50
前田知事からのご質問にお答えいたします。まず、今後の行政評価のあり方についてご質問いただきました。社会経済情勢の急速な変化の対応には、政策の現状を適切に把握し、進捗を評価した上で、必要な軌道修正を行う機動的かつ柔軟な政策展開が必要です。このため、政策の特性に応じた効果の把握・分析を行い、得られた情報を政策形成過程で適切に活用できるよう、制度運用を見直しました。総務省としては、これらの取組に資する知見の共有を通じて、各府省を後押しし、新たな挑戦や前向きな軌道修正を行うことが、行政の有有性にとらわれない野々しい行動として高く評価されることを目指してまいります。次に、地方議会からの意見書の活用について、ご質問いただきました。地方自治法第99条に基づき、意見書の提出は、地方議会が住民を代表する機関であることを踏まえ、国等の政策に権限を有する機関等に対し、意見表明を行う手法として設けられているものです。政策立案等に際し、意見書を受けた行政庁等において、この制度の趣旨を十分に認識した上で、適切に活用していくことが重要であると考えます。最後に、子ども予算の拡充について、ご質問いただきました。子ども子育て政策の強化は、国と地方が車の両輪となって取り組んでいきべきことと考えます。そのため、地方が引き続き積極的に子ども子育て政策の強化に取り組めるよう、地方財源の確保は大変重要であり、子ども未来戦略方針には、加速化プランの地方財源について盛り込まれております。今後、総務省としても地方の意見を十分に踏まえつつ、関係省庁と連携して、政策の課題と解決の現場である地方の財源確保に取り組んでまいります。また、今回の骨太の方針も踏まえ、引き続き偏在性の小さい地方税体系の構築に向けて取り組んでまいります。
23:25
前田首相次議員にお答えいたします。政府の審議会等への地方人材の活用等により、地方の実情を国の政策に反映していくべきとのお尋ねがありました。国の政策において、地方の実情を考慮することは重要なことであり、政府としては、引き続き、政策課題に応じ、審議会等や行政監視における地方人材の活用や地方の現場の実情把握に努め、地方の声を政策に生かしてまいります。
24:46
立憲民主社民の小澤正人です。私は、ただいま報告がありました、令和4年度、2022年度の政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告について、開会を代表指定室に行います。参議院の行政監視サイクルのスタートとなる、この本会議も4回目を迎えました。行政監視機能の充実と政策評価の進展に積極的に取り組んできた本院において、こうした取組が積み重ねられてきたことは喜ばしい一方で、我々の行政監視活動やより良い政策の実現、追求に終わりはありません。昨今の政府の活動を見ても、マイナンバー制度をめぐり多発するトラブル、国交省横便による民間金を人事介入、不適切な予算執行や無計画な少子化対策など、深刻な問題が山積をしています。立法としてこうした問題をきちんと監視・改善していくとともに、政策の立案評価や行政の在り方といった根本的なテーマについても議論し、より良い立法と行政を実現していくことを、我々の責務であることを改めて強く申し上げ、質疑を行いたいと思います。はじめに、先ほど報告のありました政策評価制度について伺います。近年、政策評価制度については、政策評価審議会による複数の提言や基本方針の変更、アジャイル型の政策立案評価など、大きな方針転換が行われていると聞いています。キーワードとなっているのが、無理不正神話からの脱却です。複雑困難な課題に対応するため、機動的かつ柔軟な政策転換が必要であるとして、新たな挑戦や前向きな機動修正を積極的に行うことが望ましいとされています。そうした方針を踏まえ、政策評価制度では、各一的統一的な制度運用を転換し、政策の特性に応じた評価手法の導入、意思決定過程 での評価の活用等を推進するとしています。しかし、そうした取組は、これまでの枠組みでも十分可能だったはずです。これまで政策の特性に応じた評価や意思決定過程等での評価の活用がなされてこなかった要因と、それらの具体的な実施方策について総務大臣に伺います。また、政府が言う無理不正神話からの脱却とは一体何でしょうか。行政は間違いを犯してはならない、あるいは現行の制度や政策は間違っていない、行政がこうした無理不正神話にとらわれず、政策の改善や挑戦を行っていくことは重要ですが、単に失敗してもよいというわけではなく、より一層の説明責任が求められるはずです。そもそも無理不正神話からの脱却などと言えるほど、行政は国民からの信頼を得られているのでしょうか。複数の調査で国民からの政府への信頼が低いことが明らかになっているほか、国民からの行政に関する苦情や意見を受け付けている総務省の行政相談には、毎年10万件以上の相談が来ています。無理不正神話を脱却した行政は、国民に対するより丁寧な説明や対応により、国民の信頼を得ていく必要があるのではないでしょうか。政府の言う無理不正神話からの脱却の意味と、政府の説明責任のあり方について、総務大臣に伺います。行政評価制度の本心を受け、政策評価を所掌する総務省行政評価局にも変化が起きています。行政評価局の業務の運営方針を定める行政評価等プログラムにおいて、毎年度公表されていた無効3年間の調査テーマが、昨年度から公表されなくなったのです。昨年の本会議では、環境の変化や行政課題をより迅速に調査テーマに反映させるため、テーマは随時決定することとした旨の説明がありました。迅速な調査テーマの決定着手は重要である一方、無計画は行政の透明性確保や計画的効率的な行政運営という観点から適切とは言えません。また、政府として長期的な視野から取り組むべきテーマもあるのではないでしょうか。調査テーマの決定着手を計画性と柔軟性を持った、より適切な形に見直す必要性について総務大臣に伺います。また、これまで年度当初までに行われていたこの行政評価等プログラムの策定公表が、今年は5月8日までなされませんでした。業務の運営方針が1ヶ月以上定まらないまま、活動する行政組織があってよいのでしょうか。行政運営の計画性や透明性、活動の事後的評価という観点からも問題があり、評価を担う組織の姿勢としても不適切と考えます。行政評価等プログラムには、政策評価法で毎年度策定が義務付けられている総務省が行う政策の評価に関する計画も含まれています。この点では、政府が政策評価法や計画プログラムといったものを軽視しているともとられかねません。行政評価等プログラムの策定公表も含めて、計画的に実施されるべきです。令和5年度、2023年度の行政評価等プログラムの公表が遅れた理由と今後の在り方について総務大臣に伺います。この政策評価についての本会議が始まった令和2年、2020年はちょうど新型コロナウイルス感染症への対応が始まった時期でもありました。この異例の感染症に対し、政府においても異例の対応が数多く行われ、本会議や行政監視委員会でも政府の対応の評価、検証の必要性や在り方が議論されてきました。昨年の本会議では、コロナ禍においてマスクの店売規制等の事前評価が間に合わなかった事案等を挙げ、緊急時の規制の評価の在り方についてお伺いしました。総務大臣からは、こうした事態が発生した際の評価の在り方について、対応を整理していく旨の答弁があったと記憶しています。その後、対応は整理されたのでしょうか。緊急時の規制の評価、また感染症や災害といった甚大な外部要因が発生した場合の政策評価の在り方と、その検討状況について総務大臣にお伺いいたし ます。先日、いわゆるマイナンバー法改正案が可決成立しましたが、マイナンバー制度をめぐっては深刻なトラブルが後を絶ちません。マイナ保険証に別人の情報が登録されるミスや、コンビニにおける戸籍証明書等の誤交付、マイナポイントの付与誤りなどが数多く発生し、国民に被害が及ぶとともに、システム停止や総点検など、医療現場や地方自治体にも大きな負担をかけています。こうした失策が相次ぐ原因と、国民や医療現場、地方自治体等に大きな負担をかけていることについて、どのようにお考えでしょうか、デジタル大臣に伺います。また、こうしたトラブルが続く中、政府は2026年に仕様を変更した新しいマイナンバーカードを発行することを明らかにしました。もしシステムが堅牢で安定しているなら、仕様の変更など必要なく、拙速に変更すれば、さらなるトラブルに見舞われかねないようにも思います。このにわかに浮上してきたマイナンバーカードの変更について、それが新たなトラブルや現場への負担、さらなるコスト増につながる懸念等について、デジタル大臣にお伺いをいたします。こうした状況の中でも、政府は構わずマイナンバーカードの利用範囲の拡大等を進めています。制度やシステムはますます複雑化し、今後もトラブルが多発することが容易に想像され、行政への信頼も失われるばかりです。立憲民主党としても、真に国民生活に資するマイナンバーの効果的な活用を進めることは必要だと考えています。しかし、国民の信頼なくして制度は成り立ちません。マイナンバー制度については一度立ち止まり、複雑な制度設計や政策の在り方、進め方について考え直す必要があるのではないでしょうか。マイナンバー制度見直しの必要について、デジタル大臣の所見を伺います。マイナンバーと同様に、行政の信頼を失わせている事案として、国土交通省OBによる民間企業人事への介入問題があります。官僚OBによる民間企業人事への介入が許されないのは元より、一層深刻なのは、政府による事態の全容解明が進まないことです。国土交通省の人事情報の外部への提供といった重要な事実は、民間の独立検証委員会により明らかにされました。国会においても、再三、全省調査等の必要性が指摘されているにもかかわらず、政府はごまかすように、小規模な事実確認をこだしで行っているだけです。これでは、国民の懸念を払拭することができず、政府の危機管理や説明責任の観点からも問題です。国土交通省OBによる民間企業人事介入問題に係る、これまでの対応の反省と今後の対応方針について、国土交通大臣にお伺いをいたします。次に、政府の重要政策である国土強靱化について伺います。先月、会計検査員が、防災・減災・国土強靱化のための3か年緊急対策について検査結果を公表し、閣議決定の記載内容外仕様が明らかになりました。3か年緊急対策の根拠となる閣議決定等に明記されていない内容の事業が少なくとも3212件行われ、672億円以上の予算が支出されています。緊急輸送道路ではない道路において、軽缶工場のための無電中間が行われるなど問題のある事例が散見されます。こうした明らかに問題のある事例が指摘されているにもかかわらず、担当である内閣官房の国土強靱化推進室は、閣議決定等において示されている内容以外を実施してはならないことにはなっていない、などと説明しています。こうした国土強靱化対策閣議決定の記載内容外仕様について、どう対処されるのか、国土強靱化担当大臣に伺います。また、昨年の本会議でも指摘したとおり、内閣官房は政策評価法の対象になっておりません。昨年の総務大臣の答弁では、内閣官房に似なう内閣の重要方針は、高度に政治的な判断により決定されるものであり、その妥当性については基本的に国会等の場において議論されていることがその理由として挙げられました。しかし、内閣官房に各種本部等を設けて、総合調整している政策や不省横断的な政策課題といった内閣の重 要政策である、より上位の政策等については増加しているところであり、内閣の重要方針こそ政策評価を行うべきではないでしょうか。内閣の重要方針とされる政策には通常、巨額の予算や人員が割かれます。政府にはより一層の説明が求められるとともに、その取組状況や成果も客観的に評価されるべきです。今回の国土強靱化の会計検査でも、取りまとめを行うべき内閣官房が3兆6790億円にも及ぶ予算の実際の支出額を把握していないことや、年次計画における目標管理などに問題があることが明らかとなっています。総務省は政策評価制度の質の向上を目指し、調査研究等を行っていますが、既に2017年に政策体系のより上位の政策等への政策評価の活用等に関する調査研究報告書をまとめています。内閣官房の行う国土強靱化をはじめとする重要政策に対する政策評価の在り方と、そもそも内閣官房を政策評価法の対象とする必要性について、改めて総務大臣にお伺いをしたいと思います。現在の政府の重要政策の1つは子ども子育て政策です。政府は次元の異なる少子化対策として、多くの政策を打ち出し、3.5兆円の予算が組み込まれる見込みとのことです。他方でその裏付けとなる財源確保のめどは立っていません。裏付けのない予算規模あり機能政策立案は無責任です。EBPMの観点からもまずこれまでの政策の検証を行い、真に必要で効果的な政策は何かを判断すること、そしてその財源をきちんと確保することが政府の責任ではないでしょうか。なぜ予算を突然3.5兆円にまで膨らませながら財源の確保を年末まで先送りにしたのか。このも子育て政策で想定される予算規模の内訳とその根拠、さらに財源の確保策とその実現めどについて小倉担当大臣に伺います。このような予算規模あり機能政策立案が先ほど指摘した高度強靭化をはじめとする政府の重要政策、目玉政策における予算の目的買い仕様や便乗計上につながっているのではないでしょうか。コロナ関係予算や地方創生でも会計検査院からの指摘や多数の報道があったことは記憶に新しいところです。子ども子育て政策も異次元の名の下に目的買い仕様や便乗が懸念されます。子ども子育て政策において予算の目的買い仕様や便乗計上、議論やエビデンスなき政策立案執行があってはならないと考えますが、小倉担当大臣の認識とそうした事態を防ぐための方策について伺います。以上、参議院としての行政監視の取組の新たな1年間のサイクルの出発点にあたって、いくつかの課題を含め質問させていただきました。行政監視委員会のさらなる活動充実性の決意を申し上げ、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
40:26
大沢議員からのご質問にお答えいたします。まず、政策の特性に応じた評価等の実現方策についてご質問いただきました。これまでは各行政機関における評価の一覧性の確保を重視して評価様式の標準化を進めてまいりました。こうした取組や制度の定着に寄与してきた反面、公直的形式的な評価を招き、意思決定過程で活用しづらいとの指摘もあり、政策の特性に応じた評価が可能となるよう評価方式等の見直しを行ったところです。総務省としては、政策評価が一層活用されるよう、政策の特性に応じた効果把握、分析等の知見の共有など各府省の評価を支援してまいります。次に、無理優勢神話からの脱却と政府の説明責任のあり方についてご質問いただきました。無理優勢神話の弊害については、平成9年の行政改革会議最終報告において、時代環境が目まぐるしく変化する中で、行政のみに無理優勢を求めることは、その政策判断の萎縮と遅延、先送りを助長することになりかねないと指摘されております が、この指摘は、社会経済情勢の変化に合わせた機動的かつ柔軟な政策形成、評価が求められる現在においても、価値や重要性は失っていないと考えております。政策評価の取組を通じて、政策の現状を適切に把握し、進捗を評価した上で、必要な機動修正を行う機動的かつ柔軟な政策展開が必要です。また、それらを国民の皆様にお伝えをすることで、説明責任を果たし、行政に対する国民の納得と信頼を得られるよう努めてまいります。次に、行政評価局の調査テーマの決定着手の方法について、御質問いただきました。調査の実施に当たっては、計画性と柔軟性をもってテーマを決定し、調査に着手することが重要であります。こうした観点からは、調査テーマについては、行政評価等プログラムにおいて、先定の考え方を示した上で、政策評価審議会の議論を経て、随時決定することとしています。調査テーマ決定後は、速やかに調査に着手して、行政課題の迅速な解決を図ってまいります。次に、令和5年度行政評価等プログラムの公表時期について、御質問いただきました。行政評価等プログラムは、政策評価、行政運営改善調査、行政相談について、重点的に取り組むべき事項を定めるものであり、令和5年度については、本年3月末に閣議決定した政策評価基本方針の一部変更を踏まえ、検討を行ったことから、5月8日に決定し公表しております。今後も行政評価等プログラムについては、政府方針等を踏まえ、できる限り速やかに決定し公表してまいります。次に、緊急時の規制の評価について御質問いただきました。規制は国民の権利や義務に影響を及ぼすものであることから、その新設等に際しては、事前事後の評価を実施することとされております。その上で、新型コロナウイルス感染症対策のように、緊急時の規制に係る評価については、迅速性が求められることから、規制の政策評価ガイドラインにおいて、間速化した事前評価を可能としております。緊急時の規制に係る評価のあり方については、新型コロナウイルス感染症の経験も参考に、更なる間速化の余地を検討しており、今後政策評価審議会での議論も踏まえ、具体の対応について検討してまいります。最後に、内閣官房を政策評価の対象とすることについて、御質問いただきました。内閣官房は、内閣を直接補助する組織であり、内閣の重要政策に関する基本的な方針の規格立案等になっています。このような内閣の重要方針は、時々の内閣による高度に政治的な判断などにより決定されるものであるため、その妥当性については、基本的に国会等の場において議論されているところであり、内閣が定める方針の下で、各行政機関が担う事務とは、正確や位置づけが異なるものと考えられます。このため、内閣官房は、各行政機関の事務を対象としている政策評価法に基づく政策評価の対象とは位置づけられておりません。
45:12
まず、マイナンバーに関する事案の原因などについてお尋ねがありました。一連の事案の原因は、自治体が管理するシステムの誤り、共用端末のログ忘れ、事務処理の誤りなど様々であり、マイナンバー制度そのものに起因しているものではありません。また、これらの事案については、既存のデータやシステムの総点検を行うとともに、新規データの誤登録防止策を徹底するなど、関係省庁と連携した取組を進めてまいります。引き続き、自治体や関係機関の声も伺いながら、国民の不安払拭のための丁寧な対応を行ってまいります。次に、直前ナンバーカードについてのお尋ねがありました。現在発行しているマイナンバーカードは、今後順次有効期限を迎えるため、このタイミングを踏まえて次世代のカー ドを検討するもので、今般の一連の事案とは関連ありません。具体的には、2026年の導入を目指し、懸面記載事項や暗号化技術などのセキュリティ対策について、時代の進展に対応した検討や、効率的なカード管理システムについても検討することとしています。今後、様々な関係者のご意見も丁寧に伺いながら、現場の負担も留意しつつ、詳細検討を進めてまいります。最後に、マイナンバー制度の在り方についてお尋ねがありました。今般のマイナンバー法の改正において、マイナンバーの利用範囲が拡大しますが、行政機関等の保有する個人情報は、各行政機関等で分散管理し、情報連携の際にも機関ごとに異なる符号を利用するなど、個人情報をいもづるしきに抜き出すことはできないといった個人情報保護に十分配慮した仕組みは、改正によっても何ら変更はありません。こうした個人情報保護に配慮した仕組みは重要であり、デジタル社会の基盤であるマイナンバー制度の推進に当たっても維持してまいります。
47:54
これまで私が主導して事実確認の調査やその点検を行わせておりますが、現時点において再就職等規制違反にあたる事実は確認されていません。一方、現役職員の移動情報が記載されたいわゆる「線引き」が、内事後とはいえ公表前に外部の者に共有されていたことは、国土交通大臣として大変重く受け止めております。移動情報の管理を徹底するため、線引きについては外部への送付及び発令前の送付は一切禁止するとともに、退職者が分かる情報は載せないこととするなど、既にこれらの是正を指示済みでございます。併せて、今回の事案を契機として国民の皆様の信頼を得られるよう、私が先頭に立って省内のガバナンスの強化、公正公平な行政運営の実現に向けて、あらゆる努力を行ってまいります。
49:27
小沢正人議員より、国土強靱化対策閣議決定の記載内容外の指標について、御質問いただきました。平成30年の閣議決定に明記されていない工事を実施したのではないか、という御指摘については、国土強靱化に関する対策の目的を達成するため、地方公共団体等が現場の状況等に柔軟に対応しながら、一連の行為として実施したものがあると承知しております。今後の国土強靱化に関する対策の実施に当たっては、誤解を招くことがないよう、閣議決定文書等に示されている内容の範囲内で行うこととし、各府省庁が地方公共団体への周知を行うとともに、実施の状況について公表するなど、説明責任を果たしてまいります。
50:49
小沢議員から、子ども子育て政策の財源や規模についてのお尋ねがございました。子ども未来戦略方針に掲げる家族化プランの予算規模は、現時点ではおおむね3兆円程度となりますが、さらに子ども未来戦略方針に盛り込まれている施策のうち、高等教育費のさらなる支援拡充策、今後、子ども大戸の中で具体化します貧困虐待防止、障害児、医療的ケア児に関する支援策について、今後の予算編成過程において、施策の拡充を検討し、全体として3兆円半ばの充実を図ることとしております。また、財源について、歳出改革等の内容は、毎年の予算編成を通じて具体化していくこととなりますが、子ども未来戦略方針において、全社代型社会保障を構築する観点から、歳出改革等の取組を徹底することによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指すとの方針が明記されたところであり、先送りとの指摘は当たらないものと認識しております。また、予算の目的替え仕様とエビデンスに基づく政策立案についてのお尋ねがございました。まず、予算の目的替え仕様に関するご質問をいただきましたが、子ども子育て政策を含めた予算事業については、目的替え仕様にならないよう、国会で決定した予算の趣旨に沿って、適切かつ効率的に執行していく必要があるものと認識しております。次に、エビデンスに基づく政策立案に関するご質問をいただきましたが、子ども未来戦略方針は、有識者や子ども若者、子育て当事者の意見を丁寧に伺いながら、様々なエビデンスに基づいて議論を行い、子ども子育て政策として必要な施策を取りまとめたものになります。引き続き、子ども子育て政策において、エビデンスを踏まえた政策立案執行がなされるよう、内閣官房行政改革推進事務局や総務省が行っております。政府全体でのEBPMの推進の取組と連携しながら、適切に取り組んでまいります。
53:15
公明党の竹内真嗣です。会派を代表し、令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告につきまして、関係大臣に質問いたします。本会議における政策評価等に関する報告と質疑は、今回で4回目となりました。我が党としても強力に推進してきた参議院の行政監視機能強化の取組が、着実に定着してきたかどう実感いたします。政策評価制度においては、近年、デジタル技術の発展など社会経済の急速な変化により、複雑か混乱化する課題に的確に対応するため、改革が求められてきました。政策評価審議会をはじめとして、政府内で多くの検討が重ねられてきましたが、本年3月、政策評価に関する基本方針の一部変更が閣議決定されました。改めて、今回の基本方針の変更が目標とする政策評価制度の方向性とその意義について伺います。また、この大きな動きが掛け声だけで終わることのないよう、着実に取組を進めてもらう必要がありますが、実現に向けた総務大臣の決意を伺います。今回の基本方針の変更では、画一的統一的な制度運用からの転換を目指し、各府省において政策の特性に応じた評価手法を導入することとされました。これまで、政策評価制度は評価のための評価になっているといった課題も指摘されてきましたが、今回の変更により政策の改善に役立ち、意思決定過程で活用される評価となっていくことを強く期待いたします。一方、画一的統一的な運用ではなくなったからといって、政策評価を実施する府省によってその取組に差が生じることになってはなりません。今回の基本方針変更の趣旨を踏まえ、全ての府省において実践的な政策評価が実施される必要があります。政策評価制度を所管する総務省としても、積極的な取組が求められると考えます。各府省の評価の質を担保するために、どのような取組を行っていくのでしょうか。総務大臣に伺います。次に、行政計画や通知事務連絡のあり方について伺います。我々公明党はネットワーク政党として各地域の声に耳を傾け、様々な政治課題に取り組んでまいりました。その中で、地方自治体の負担軽減のあり方について多くの意見が寄せられております。行政監視委員会における国と地方の行政の役割分担に関する議論においても、我が党は一貫して行政計画等のあり方を見直し、負担を軽減する主張性について訴えてきました。また、行政監視委員会の参考人質疑においても、行政計画による地方自治体の負担の大きさと効率化 の主張性についての意見が多く見られました。そのような中、政府は本年3月、効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーションガイドを閣議決定しました。計画の投配を行い、意思決定の形式等を地方自治体の判断に委ねていく方向性は歓迎すべきものであり、地方自治体の負担を軽減しつつも、効果的に政策が実施されるよう、政府一丸となって取り組んでいただきたいと考えます。今後の具体的な取組方針について、地方自治を所管する総務大臣の所見を伺います。行政計画の策定に伴い、目標の設定や計画の進捗管理が求められるため、地方自治体においても、評価に関連した取組の充実が欠かせません。しかし、こうした評価に関しても、地方自治体の人手不足や事務負担の大きさが課題として指摘されています。そのため、地方自治体の実施性を尊重しつつも、国が評価に関する技術的な情報提供等の支援を行う必要性は高いと考えます。地方自治と政策評価を所管する総務省として、昨今の計画行政の在り方の見直しの動きを踏まえ、地方自治体の評価の取組をどのように支援していくのかお伺いします。国と地方の関係においては、コロナ禍で見られたような、国からの大量の通知や事務連絡について議論がありました。