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参議院 本会議

2023年06月21日(水)

2h17m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7555

【発言者】

尾辻秀久(参議院議長)

松本剛明(総務大臣)

舞立昇治(自由民主党)

小沢雅仁(立憲民主・社民)

竹内真二(公明党)

梅村聡(日本維新の会)

上田清司(国民民主党・新緑風会)

紙智子(日本共産党)

酒井庸行(財政金融委員長)

石井準一(議院運営委員長)

尾辻秀久(参議院議長)

6:18

これより会議を開きます。日程第一、国務大臣の報告に関する件、令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告について、総務大臣から発言を求められております。発言を許します。

6:52

松本武明総務大臣。

7:07

令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告の概要について、ご説明申し上げます。政策評価制度は、各行政機関が自らの政策の効果を把握し、評価することを通じて、政策の企画立案実施に役立てることにより、効率的で質の高い行政や成果重視の行政を実現していくとともに、国民に対する行政の説明責任を果たしていくことを目的としております。令和4年度は、政府全体で2,355件の評価が実施され、その結果が政策の改善見直しに反映されるとともに、総務省において複数の行政機関にまたがる政策の評価や、各行政機関が行った政策評価の点検等を行っております。また、本年3月には、政策評価に関する基本方針の変更を行っております。社会経済情勢の変化に対応できる行政の実現には、政策の効果と現状を把握の上、機動的かつ柔軟に機動修正を行いながら前進する政策展開が必要です。このため、政策の特性に応じた政策効果の把握分析を行い、政策形成過程において必要となる情報を適切に活用できるよう、政策評価制度の運用を見直しました。総務省としては、本基本方針の下で行われる各府省の新たな取組を実効性のあるものとするため、各府省の取組事例を把握し、共有するとともに、政策評価審議会における議論も踏まえて、技術的なガイドラインを策定するほか、政策効果の把握分析のための統計の整備、データ利活用の技術的支援、職員向け研修の充実などの取組を進めてまいります。こうした取組を通じて、新たな挑戦や前向きな機動修正を積極的に行うことが、行政の無理由性にとらわれない望ましい行動として、高く評価されることを目指し、しっかり取り組んでまいります。以上が令和4年度の報告の概要でございます。なお、総務省では、政策評価法に基づく政策の評価のほかに、総務省設置法に基づき、各行政機関とは異なる立場から、業務の実施状況、評価及び監視する機能になっております。政府の行政評価監視機能等と、立法府の行政監視機能が相まって、行政運営の改善が図られることは、国民の行政に対する信頼を確保する上で重要であり、引き続き、行政評価監視機能等を適切に把握し、行政の運営の完全に努めてまいります。

9:42

ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。

10:04

前田地昌司君。

10:13

自由民主党の前田地昌司です。私は、会派を代表し、ただいま議題となりました、令和4年度政策評価実施状況等報告について質問いたします。まず、社会の変化に対応した行政評価のあり方について伺います。コロナ禍の影響も加わり、我が国は本格的な少子高齢化、人口減少社会の国難に直面しています。今後、労働力の減少、消費力の縮小、大都市における高齢者の増加など、これまで経験したことがないほどの変化が訪れます。同時に、地球環境問題の深刻化等もあり、新自由主義的経済重視の社会から、持続可能性重視の社会等への変革にも迫られています。これらの変革に的確に対応していくためには、政策の方向性も抜本的に変えていかなければなりません。そこで、総務省では、本年3月に政策評価に関する基本方針を改正するとともに、政策評価制度の運用の見直しを行っていますが、今後、急激な人口減少社会や、これまでの延長線にはない政策立案が求められる社会の中で、これからの行政評価はどうあるべきと考え、今回の改正や見直しに臨んだのでしょうか。さらに、変革が求められる時代にあっては、行政も失敗を恐れず、失敗も糧とし、挑戦なくして成功なしの姿勢で臨むことが大切だと考えますが、この点をどう行政評価に具体的に反映させていくお考えか、松本総務大臣にお伺いします。次に、地方議会からの意見書に関して伺います。平成12年の地方自治法の改正により、地方議会意見書の提出先に国会が明記され、令和4年には参議院に4178件の意見書が提出されています。この地方議会からの意見書に基づき、国会では海の日を設ける祝日法の改正のほか、兵庫県議会から全ての都道府県議会へと要望が広がっていった被災者生活再建支援法の一部改正、さらに地震防災対策特別措置法の一部改正が行われてきました。現在、5億対象県からは、平等な都道府県制度の下、特定の4県だけが犯人前として扱われ、不条理で不平等な状態が続いているという怒りの声が上がっていますが、そもそも参議院では創設以来、全国を一つの選挙区とする選挙とともに、各都道府県から選出する選挙から成り立ってきたことから、全国の地方議会や地方6団体からの意見をしっかりと伺って、さらなる国勢への反映が求められています。この点、平成14年に成立した行政手続きオンライン法により、行政機関に対しては、地方議会意見書の提出のオンライン化が認められましたが、国会への提出は同法の対象外であったため、全国都道府県議会議長会から改善要望が出され、今国会において地方自治法が改正され、令和6年度からは地方議会からの意見書は国会にもオンライン提出できるようになりました。この機会に参議院では、地方議会の意見をより国勢に反映させる手立てについて検討してはどうかという声が上がっています。そこで、行政府においても、政策立案や行政監視の際、地方議会からの要請等に基づき、必要に応じてリモート会議や視察等を通じ政務三役も手分けして対応するなど、地方議会からの意見書の更なる活用を検討してはどうかと考えますが、地方自治を所管する総務大臣の御見解を伺います。次に、参議院に提出された地方議会からの意見書の中で、300近く寄せられた地方財政の充実強化について伺います。令和5年度地方財政計画では、交付税不交付団体の水準調経費が約2.9兆円計上されました。大半を東京が占めるこの水準調経費は、自治体間の財政力、経済力、施策実行力の格差の大きさを如実に表しますが、この水準調経費が数十年ぶりに3兆円近くに膨れ上がり、東京都地方、そして各地域間の格差がまた一段と増しつつあります。昨年の出張率は1.26と、平成17年以来再び過去最低を記録し、消費化が止まらない中、先般閣議決定された子ども未来戦略方針では、今後3年かけて年間3兆円台半ばの予算を確保し、加速化プランとして集中的に取り組みを進め、その財源は年末までに示すこととされましたが、その際、地方財源の確保と財政力格差の是正について十分留意する必要があります。例えば、児童手当は3分の1が地方負担であるように、自治体が用意すべき額は相当な規模になるため、財政力が弱い団体にも確実に財源確保するとともに、国の歳出改革、特に歳出削減が地方に悪影響を与えないようにしなければなりません。さらに、子育て政策の現場は自治体であり、消費化対策の拡充には、国が全国的な制度として進める事業と、地方独自の事業とが相乗効果を発揮して取り組むことが効果的です。しかし、現在の国と地方の財源構成のままでは、財政力の弱い団体にとって、加速化プラン実施の財源確保は容易ではありません。また、東京をはじめ財政力が豊かな団体では、高校卒業までの医療費無償化や、小中の給食無償化など手厚い独自施策を実施できますが、財源の乏しい多くの自治体では、そう簡単にはできません。これでは、より手厚い子育て支援策を競い合う中で、大都市圏に若い世代が集中することとなり、ますます人口、経済力、財政力、そして政治力の格差は拡大し、東京一極集中問題がより深刻化する恐れがあります。子どもの健やかな成長や教育に関する支援は、自治体の財政力の高で大きな格差があってはなりません。そこで、国の子ども政策予算の抜本的拡充に合わせ、地方財政についても抜本的に拡充するとともに、もう一段の地方税の偏在是正と、それに伴う新たな単独事業の実施を可能とする採取措置を講じる必要があると考えますが、総務大臣の御見解を伺います。さて、大都市圏と地方の格差是正が進まない一員として、国の政策の企画立案から実行までの過程で、地方の声を反映する力が弱まっていると感じます。衆議院における比例も含めた13増13減をはじめ、参議院における5億導入時の10増10減、さらには島根県の面積の1割にも満たない東京23区の区議会議員だけで902名も存在し、衆参合わせた国会議員の数よりも多い状況などからわかるように、国と地方を合わせた議員のパワーバランスが大都市圏に偏り、政治の力をより強く必要とする地方の声が減っています。感染症のパンデミックや首都直下地震など、東京が機能不全に陥れば国全体が倒れるように、人材や食料、エネルギー、さらには温室効果ガスを吸収し、酸素を供給する基地である地方が衰退すれば、出生率が極端に低く、食料もエネルギーも作れない東京も、そして日本も、やがて確実に衰退することを、今一度真剣に考える必要があります。各府省庁では、政策立案の際、審議会等を設置して検討しますが、大企業や有名大学が集中する大都市圏の有識者がメンバーに選ばれる傾向になっていないか、東京を中心とした議論になっていないか、とても心配です。政府において、成長戦略の一環として、魅力ある地方大学の実現に向けた取り組みや、地方創生の推進、事業再構築やスタートアップを支援しているように、地方にも大学や経済界、産業界に優秀な人材が大勢います。また、いまだ人口増の東京では、想像もできない深刻な人口減少社会で、必死に頑張っている首長や地方議員も多くいます。さらに、人手不足の地域で、一人何役もこなし、多忙すぎて行政に声も上げられず、行政や政治の側から寄り添っていかなければ、声を聞けない方もいます。一方で、頑張ってもなかなか報われない方もいます。そこで、官邸のリーダーシップの下、地方創生の分野だけではなく、あらゆる政策に地方の実情が考慮されるよう、リモート会議や地方開催等も有効活用しながら、これらの方たちをより積極的に政府の審議会や戦略会議、行政監視の場等に投与するとともに、参考人として意見聴取の機会を増やすなどして、国の政策にしっかりと目に見える形で反映していくべきと考えますが、この点を官房長官にお伺いして、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

20:34

松本竹明総務大臣

20:50

前田知事からのご質問にお答えいたします。まず、今後の行政評価のあり方についてご質問いただきました。社会経済情勢の急速な変化の対応には、政策の現状を適切に把握し、進捗を評価した上で、必要な軌道修正を行う機動的かつ柔軟な政策展開が必要です。このため、政策の特性に応じた効果の把握・分析を行い、得られた情報を政策形成過程で適切に活用できるよう、制度運用を見直しました。総務省としては、これらの取組に資する知見の共有を通じて、各府省を後押しし、新たな挑戦や前向きな軌道修正を行うことが、行政の有有性にとらわれない野々しい行動として高く評価されることを目指してまいります。次に、地方議会からの意見書の活用について、ご質問いただきました。地方自治法第99条に基づき、意見書の提出は、地方議会が住民を代表する機関であることを踏まえ、国等の政策に権限を有する機関等に対し、意見表明を行う手法として設けられているものです。政策立案等に際し、意見書を受けた行政庁等において、この制度の趣旨を十分に認識した上で、適切に活用していくことが重要であると考えます。最後に、子ども予算の拡充について、ご質問いただきました。子ども子育て政策の強化は、国と地方が車の両輪となって取り組んでいきべきことと考えます。そのため、地方が引き続き積極的に子ども子育て政策の強化に取り組めるよう、地方財源の確保は大変重要であり、子ども未来戦略方針には、加速化プランの地方財源について盛り込まれております。今後、総務省としても地方の意見を十分に踏まえつつ、関係省庁と連携して、政策の課題と解決の現場である地方の財源確保に取り組んでまいります。また、今回の骨太の方針も踏まえ、引き続き偏在性の小さい地方税体系の構築に向けて取り組んでまいります。

23:07

松野裕和国務大臣

23:25

前田首相次議員にお答えいたします。政府の審議会等への地方人材の活用等により、地方の実情を国の政策に反映していくべきとのお尋ねがありました。国の政策において、地方の実情を考慮することは重要なことであり、政府としては、引き続き、政策課題に応じ、審議会等や行政監視における地方人材の活用や地方の現場の実情把握に努め、地方の声を政策に生かしてまいります。

24:17

小澤正人君

24:46

立憲民主社民の小澤正人です。私は、ただいま報告がありました、令和4年度、2022年度の政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告について、開会を代表指定室に行います。参議院の行政監視サイクルのスタートとなる、この本会議も4回目を迎えました。行政監視機能の充実と政策評価の進展に積極的に取り組んできた本院において、こうした取組が積み重ねられてきたことは喜ばしい一方で、我々の行政監視活動やより良い政策の実現、追求に終わりはありません。昨今の政府の活動を見ても、マイナンバー制度をめぐり多発するトラブル、国交省横便による民間金を人事介入、不適切な予算執行や無計画な少子化対策など、深刻な問題が山積をしています。立法としてこうした問題をきちんと監視・改善していくとともに、政策の立案評価や行政の在り方といった根本的なテーマについても議論し、より良い立法と行政を実現していくことを、我々の責務であることを改めて強く申し上げ、質疑を行いたいと思います。はじめに、先ほど報告のありました政策評価制度について伺います。近年、政策評価制度については、政策評価審議会による複数の提言や基本方針の変更、アジャイル型の政策立案評価など、大きな方針転換が行われていると聞いています。キーワードとなっているのが、無理不正神話からの脱却です。複雑困難な課題に対応するため、機動的かつ柔軟な政策転換が必要であるとして、新たな挑戦や前向きな機動修正を積極的に行うことが望ましいとされています。そうした方針を踏まえ、政策評価制度では、各一的統一的な制度運用を転換し、政策の特性に応じた評価手法の導入、意思決定過程での評価の活用等を推進するとしています。しかし、そうした取組は、これまでの枠組みでも十分可能だったはずです。これまで政策の特性に応じた評価や意思決定過程等での評価の活用がなされてこなかった要因と、それらの具体的な実施方策について総務大臣に伺います。また、政府が言う無理不正神話からの脱却とは一体何でしょうか。行政は間違いを犯してはならない、あるいは現行の制度や政策は間違っていない、行政がこうした無理不正神話にとらわれず、政策の改善や挑戦を行っていくことは重要ですが、単に失敗してもよいというわけではなく、より一層の説明責任が求められるはずです。そもそも無理不正神話からの脱却などと言えるほど、行政は国民からの信頼を得られているのでしょうか。複数の調査で国民からの政府への信頼が低いことが明らかになっているほか、国民からの行政に関する苦情や意見を受け付けている総務省の行政相談には、毎年10万件以上の相談が来ています。無理不正神話を脱却した行政は、国民に対するより丁寧な説明や対応により、国民の信頼を得ていく必要があるのではないでしょうか。政府の言う無理不正神話からの脱却の意味と、政府の説明責任のあり方について、総務大臣に伺います。行政評価制度の本心を受け、政策評価を所掌する総務省行政評価局にも変化が起きています。行政評価局の業務の運営方針を定める行政評価等プログラムにおいて、毎年度公表されていた無効3年間の調査テーマが、昨年度から公表されなくなったのです。昨年の本会議では、環境の変化や行政課題をより迅速に調査テーマに反映させるため、テーマは随時決定することとした旨の説明がありました。迅速な調査テーマの決定着手は重要である一方、無計画は行政の透明性確保や計画的効率的な行政運営という観点から適切とは言えません。また、政府として長期的な視野から取り組むべきテーマもあるのではないでしょうか。調査テーマの決定着手を計画性と柔軟性を持った、より適切な形に見直す必要性について総務大臣に伺います。また、これまで年度当初までに行われていたこの行政評価等プログラムの策定公表が、今年は5月8日までなされませんでした。業務の運営方針が1ヶ月以上定まらないまま、活動する行政組織があってよいのでしょうか。行政運営の計画性や透明性、活動の事後的評価という観点からも問題があり、評価を担う組織の姿勢としても不適切と考えます。行政評価等プログラムには、政策評価法で毎年度策定が義務付けられている総務省が行う政策の評価に関する計画も含まれています。この点では、政府が政策評価法や計画プログラムといったものを軽視しているともとられかねません。行政評価等プログラムの策定公表も含めて、計画的に実施されるべきです。令和5年度、2023年度の行政評価等プログラムの公表が遅れた理由と今後の在り方について総務大臣に伺います。この政策評価についての本会議が始まった令和2年、2020年はちょうど新型コロナウイルス感染症への対応が始まった時期でもありました。この異例の感染症に対し、政府においても異例の対応が数多く行われ、本会議や行政監視委員会でも政府の対応の評価、検証の必要性や在り方が議論されてきました。昨年の本会議では、コロナ禍においてマスクの店売規制等の事前評価が間に合わなかった事案等を挙げ、緊急時の規制の評価の在り方についてお伺いしました。総務大臣からは、こうした事態が発生した際の評価の在り方について、対応を整理していく旨の答弁があったと記憶しています。その後、対応は整理されたのでしょうか。緊急時の規制の評価、また感染症や災害といった甚大な外部要因が発生した場合の政策評価の在り方と、その検討状況について総務大臣にお伺いいたします。先日、いわゆるマイナンバー法改正案が可決成立しましたが、マイナンバー制度をめぐっては深刻なトラブルが後を絶ちません。マイナ保険証に別人の情報が登録されるミスや、コンビニにおける戸籍証明書等の誤交付、マイナポイントの付与誤りなどが数多く発生し、国民に被害が及ぶとともに、システム停止や総点検など、医療現場や地方自治体にも大きな負担をかけています。こうした失策が相次ぐ原因と、国民や医療現場、地方自治体等に大きな負担をかけていることについて、どのようにお考えでしょうか、デジタル大臣に伺います。また、こうしたトラブルが続く中、政府は2026年に仕様を変更した新しいマイナンバーカードを発行することを明らかにしました。もしシステムが堅牢で安定しているなら、仕様の変更など必要なく、拙速に変更すれば、さらなるトラブルに見舞われかねないようにも思います。このにわかに浮上してきたマイナンバーカードの変更について、それが新たなトラブルや現場への負担、さらなるコスト増につながる懸念等について、デジタル大臣にお伺いをいたします。こうした状況の中でも、政府は構わずマイナンバーカードの利用範囲の拡大等を進めています。制度やシステムはますます複雑化し、今後もトラブルが多発することが容易に想像され、行政への信頼も失われるばかりです。立憲民主党としても、真に国民生活に資するマイナンバーの効果的な活用を進めることは必要だと考えています。しかし、国民の信頼なくして制度は成り立ちません。マイナンバー制度については一度立ち止まり、複雑な制度設計や政策の在り方、進め方について考え直す必要があるのではないでしょうか。マイナンバー制度見直しの必要について、デジタル大臣の所見を伺います。マイナンバーと同様に、行政の信頼を失わせている事案として、国土交通省OBによる民間企業人事への介入問題があります。官僚OBによる民間企業人事への介入が許されないのは元より、一層深刻なのは、政府による事態の全容解明が進まないことです。国土交通省の人事情報の外部への提供といった重要な事実は、民間の独立検証委員会により明らかにされました。国会においても、再三、全省調査等の必要性が指摘されているにもかかわらず、政府はごまかすように、小規模な事実確認をこだしで行っているだけです。これでは、国民の懸念を払拭することができず、政府の危機管理や説明責任の観点からも問題です。国土交通省OBによる民間企業人事介入問題に係る、これまでの対応の反省と今後の対応方針について、国土交通大臣にお伺いをいたします。次に、政府の重要政策である国土強靱化について伺います。先月、会計検査員が、防災・減災・国土強靱化のための3か年緊急対策について検査結果を公表し、閣議決定の記載内容外仕様が明らかになりました。3か年緊急対策の根拠となる閣議決定等に明記されていない内容の事業が少なくとも3212件行われ、672億円以上の予算が支出されています。緊急輸送道路ではない道路において、軽缶工場のための無電中間が行われるなど問題のある事例が散見されます。こうした明らかに問題のある事例が指摘されているにもかかわらず、担当である内閣官房の国土強靱化推進室は、閣議決定等において示されている内容以外を実施してはならないことにはなっていない、などと説明しています。こうした国土強靱化対策閣議決定の記載内容外仕様について、どう対処されるのか、国土強靱化担当大臣に伺います。また、昨年の本会議でも指摘したとおり、内閣官房は政策評価法の対象になっておりません。昨年の総務大臣の答弁では、内閣官房に似なう内閣の重要方針は、高度に政治的な判断により決定されるものであり、その妥当性については基本的に国会等の場において議論されていることがその理由として挙げられました。しかし、内閣官房に各種本部等を設けて、総合調整している政策や不省横断的な政策課題といった内閣の重要政策である、より上位の政策等については増加しているところであり、内閣の重要方針こそ政策評価を行うべきではないでしょうか。内閣の重要方針とされる政策には通常、巨額の予算や人員が割かれます。政府にはより一層の説明が求められるとともに、その取組状況や成果も客観的に評価されるべきです。今回の国土強靱化の会計検査でも、取りまとめを行うべき内閣官房が3兆6790億円にも及ぶ予算の実際の支出額を把握していないことや、年次計画における目標管理などに問題があることが明らかとなっています。総務省は政策評価制度の質の向上を目指し、調査研究等を行っていますが、既に2017年に政策体系のより上位の政策等への政策評価の活用等に関する調査研究報告書をまとめています。内閣官房の行う国土強靱化をはじめとする重要政策に対する政策評価の在り方と、そもそも内閣官房を政策評価法の対象とする必要性について、改めて総務大臣にお伺いをしたいと思います。現在の政府の重要政策の1つは子ども子育て政策です。政府は次元の異なる少子化対策として、多くの政策を打ち出し、3.5兆円の予算が組み込まれる見込みとのことです。他方でその裏付けとなる財源確保のめどは立っていません。裏付けのない予算規模あり機能政策立案は無責任です。EBPMの観点からもまずこれまでの政策の検証を行い、真に必要で効果的な政策は何かを判断すること、そしてその財源をきちんと確保することが政府の責任ではないでしょうか。なぜ予算を突然3.5兆円にまで膨らませながら財源の確保を年末まで先送りにしたのか。このも子育て政策で想定される予算規模の内訳とその根拠、さらに財源の確保策とその実現めどについて小倉担当大臣に伺います。このような予算規模あり機能政策立案が先ほど指摘した高度強靭化をはじめとする政府の重要政策、目玉政策における予算の目的買い仕様や便乗計上につながっているのではないでしょうか。コロナ関係予算や地方創生でも会計検査院からの指摘や多数の報道があったことは記憶に新しいところです。子ども子育て政策も異次元の名の下に目的買い仕様や便乗が懸念されます。子ども子育て政策において予算の目的買い仕様や便乗計上、議論やエビデンスなき政策立案執行があってはならないと考えますが、小倉担当大臣の認識とそうした事態を防ぐための方策について伺います。以上、参議院としての行政監視の取組の新たな1年間のサイクルの出発点にあたって、いくつかの課題を含め質問させていただきました。行政監視委員会のさらなる活動充実性の決意を申し上げ、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

40:14

松本竹明総務大臣

40:26

大沢議員からのご質問にお答えいたします。まず、政策の特性に応じた評価等の実現方策についてご質問いただきました。これまでは各行政機関における評価の一覧性の確保を重視して評価様式の標準化を進めてまいりました。こうした取組や制度の定着に寄与してきた反面、公直的形式的な評価を招き、意思決定過程で活用しづらいとの指摘もあり、政策の特性に応じた評価が可能となるよう評価方式等の見直しを行ったところです。総務省としては、政策評価が一層活用されるよう、政策の特性に応じた効果把握、分析等の知見の共有など各府省の評価を支援してまいります。次に、無理優勢神話からの脱却と政府の説明責任のあり方についてご質問いただきました。無理優勢神話の弊害については、平成9年の行政改革会議最終報告において、時代環境が目まぐるしく変化する中で、行政のみに無理優勢を求めることは、その政策判断の萎縮と遅延、先送りを助長することになりかねないと指摘されておりますが、この指摘は、社会経済情勢の変化に合わせた機動的かつ柔軟な政策形成、評価が求められる現在においても、価値や重要性は失っていないと考えております。政策評価の取組を通じて、政策の現状を適切に把握し、進捗を評価した上で、必要な機動修正を行う機動的かつ柔軟な政策展開が必要です。また、それらを国民の皆様にお伝えをすることで、説明責任を果たし、行政に対する国民の納得と信頼を得られるよう努めてまいります。次に、行政評価局の調査テーマの決定着手の方法について、御質問いただきました。調査の実施に当たっては、計画性と柔軟性をもってテーマを決定し、調査に着手することが重要であります。こうした観点からは、調査テーマについては、行政評価等プログラムにおいて、先定の考え方を示した上で、政策評価審議会の議論を経て、随時決定することとしています。調査テーマ決定後は、速やかに調査に着手して、行政課題の迅速な解決を図ってまいります。次に、令和5年度行政評価等プログラムの公表時期について、御質問いただきました。行政評価等プログラムは、政策評価、行政運営改善調査、行政相談について、重点的に取り組むべき事項を定めるものであり、令和5年度については、本年3月末に閣議決定した政策評価基本方針の一部変更を踏まえ、検討を行ったことから、5月8日に決定し公表しております。今後も行政評価等プログラムについては、政府方針等を踏まえ、できる限り速やかに決定し公表してまいります。次に、緊急時の規制の評価について御質問いただきました。規制は国民の権利や義務に影響を及ぼすものであることから、その新設等に際しては、事前事後の評価を実施することとされております。その上で、新型コロナウイルス感染症対策のように、緊急時の規制に係る評価については、迅速性が求められることから、規制の政策評価ガイドラインにおいて、間速化した事前評価を可能としております。緊急時の規制に係る評価のあり方については、新型コロナウイルス感染症の経験も参考に、更なる間速化の余地を検討しており、今後政策評価審議会での議論も踏まえ、具体の対応について検討してまいります。最後に、内閣官房を政策評価の対象とすることについて、御質問いただきました。内閣官房は、内閣を直接補助する組織であり、内閣の重要政策に関する基本的な方針の規格立案等になっています。このような内閣の重要方針は、時々の内閣による高度に政治的な判断などにより決定されるものであるため、その妥当性については、基本的に国会等の場において議論されているところであり、内閣が定める方針の下で、各行政機関が担う事務とは、正確や位置づけが異なるものと考えられます。このため、内閣官房は、各行政機関の事務を対象としている政策評価法に基づく政策評価の対象とは位置づけられておりません。

44:55

河野太郎国務大臣

45:12

まず、マイナンバーに関する事案の原因などについてお尋ねがありました。一連の事案の原因は、自治体が管理するシステムの誤り、共用端末のログ忘れ、事務処理の誤りなど様々であり、マイナンバー制度そのものに起因しているものではありません。また、これらの事案については、既存のデータやシステムの総点検を行うとともに、新規データの誤登録防止策を徹底するなど、関係省庁と連携した取組を進めてまいります。引き続き、自治体や関係機関の声も伺いながら、国民の不安払拭のための丁寧な対応を行ってまいります。次に、直前ナンバーカードについてのお尋ねがありました。現在発行しているマイナンバーカードは、今後順次有効期限を迎えるため、このタイミングを踏まえて次世代のカードを検討するもので、今般の一連の事案とは関連ありません。具体的には、2026年の導入を目指し、懸面記載事項や暗号化技術などのセキュリティ対策について、時代の進展に対応した検討や、効率的なカード管理システムについても検討することとしています。今後、様々な関係者のご意見も丁寧に伺いながら、現場の負担も留意しつつ、詳細検討を進めてまいります。最後に、マイナンバー制度の在り方についてお尋ねがありました。今般のマイナンバー法の改正において、マイナンバーの利用範囲が拡大しますが、行政機関等の保有する個人情報は、各行政機関等で分散管理し、情報連携の際にも機関ごとに異なる符号を利用するなど、個人情報をいもづるしきに抜き出すことはできないといった個人情報保護に十分配慮した仕組みは、改正によっても何ら変更はありません。こうした個人情報保護に配慮した仕組みは重要であり、デジタル社会の基盤であるマイナンバー制度の推進に当たっても維持してまいります。

47:30

佐藤大臣

47:48

佐藤大臣

47:54

これまで私が主導して事実確認の調査やその点検を行わせておりますが、現時点において再就職等規制違反にあたる事実は確認されていません。一方、現役職員の移動情報が記載されたいわゆる「線引き」が、内事後とはいえ公表前に外部の者に共有されていたことは、国土交通大臣として大変重く受け止めております。移動情報の管理を徹底するため、線引きについては外部への送付及び発令前の送付は一切禁止するとともに、退職者が分かる情報は載せないこととするなど、既にこれらの是正を指示済みでございます。併せて、今回の事案を契機として国民の皆様の信頼を得られるよう、私が先頭に立って省内のガバナンスの強化、公正公平な行政運営の実現に向けて、あらゆる努力を行ってまいります。

49:10

谷公一国務大臣

49:27

小沢正人議員より、国土強靱化対策閣議決定の記載内容外の指標について、御質問いただきました。平成30年の閣議決定に明記されていない工事を実施したのではないか、という御指摘については、国土強靱化に関する対策の目的を達成するため、地方公共団体等が現場の状況等に柔軟に対応しながら、一連の行為として実施したものがあると承知しております。今後の国土強靱化に関する対策の実施に当たっては、誤解を招くことがないよう、閣議決定文書等に示されている内容の範囲内で行うこととし、各府省庁が地方公共団体への周知を行うとともに、実施の状況について公表するなど、説明責任を果たしてまいります。

50:38

小倉政信国務大臣

50:49

小沢議員から、子ども子育て政策の財源や規模についてのお尋ねがございました。子ども未来戦略方針に掲げる家族化プランの予算規模は、現時点ではおおむね3兆円程度となりますが、さらに子ども未来戦略方針に盛り込まれている施策のうち、高等教育費のさらなる支援拡充策、今後、子ども大戸の中で具体化します貧困虐待防止、障害児、医療的ケア児に関する支援策について、今後の予算編成過程において、施策の拡充を検討し、全体として3兆円半ばの充実を図ることとしております。また、財源について、歳出改革等の内容は、毎年の予算編成を通じて具体化していくこととなりますが、子ども未来戦略方針において、全社代型社会保障を構築する観点から、歳出改革等の取組を徹底することによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指すとの方針が明記されたところであり、先送りとの指摘は当たらないものと認識しております。また、予算の目的替え仕様とエビデンスに基づく政策立案についてのお尋ねがございました。まず、予算の目的替え仕様に関するご質問をいただきましたが、子ども子育て政策を含めた予算事業については、目的替え仕様にならないよう、国会で決定した予算の趣旨に沿って、適切かつ効率的に執行していく必要があるものと認識しております。次に、エビデンスに基づく政策立案に関するご質問をいただきましたが、子ども未来戦略方針は、有識者や子ども若者、子育て当事者の意見を丁寧に伺いながら、様々なエビデンスに基づいて議論を行い、子ども子育て政策として必要な施策を取りまとめたものになります。引き続き、子ども子育て政策において、エビデンスを踏まえた政策立案執行がなされるよう、内閣官房行政改革推進事務局や総務省が行っております。政府全体でのEBPMの推進の取組と連携しながら、適切に取り組んでまいります。

52:56

竹内真嗣君

53:15

公明党の竹内真嗣です。会派を代表し、令和4年度政策評価等の実施状況及び、これらの結果の政策への反映状況に関する報告につきまして、関係大臣に質問いたします。本会議における政策評価等に関する報告と質疑は、今回で4回目となりました。我が党としても強力に推進してきた参議院の行政監視機能強化の取組が、着実に定着してきたかどう実感いたします。政策評価制度においては、近年、デジタル技術の発展など社会経済の急速な変化により、複雑か混乱化する課題に的確に対応するため、改革が求められてきました。政策評価審議会をはじめとして、政府内で多くの検討が重ねられてきましたが、本年3月、政策評価に関する基本方針の一部変更が閣議決定されました。改めて、今回の基本方針の変更が目標とする政策評価制度の方向性とその意義について伺います。また、この大きな動きが掛け声だけで終わることのないよう、着実に取組を進めてもらう必要がありますが、実現に向けた総務大臣の決意を伺います。今回の基本方針の変更では、画一的統一的な制度運用からの転換を目指し、各府省において政策の特性に応じた評価手法を導入することとされました。これまで、政策評価制度は評価のための評価になっているといった課題も指摘されてきましたが、今回の変更により政策の改善に役立ち、意思決定過程で活用される評価となっていくことを強く期待いたします。一方、画一的統一的な運用ではなくなったからといって、政策評価を実施する府省によってその取組に差が生じることになってはなりません。今回の基本方針変更の趣旨を踏まえ、全ての府省において実践的な政策評価が実施される必要があります。政策評価制度を所管する総務省としても、積極的な取組が求められると考えます。各府省の評価の質を担保するために、どのような取組を行っていくのでしょうか。総務大臣に伺います。次に、行政計画や通知事務連絡のあり方について伺います。我々公明党はネットワーク政党として各地域の声に耳を傾け、様々な政治課題に取り組んでまいりました。その中で、地方自治体の負担軽減のあり方について多くの意見が寄せられております。行政監視委員会における国と地方の行政の役割分担に関する議論においても、我が党は一貫して行政計画等のあり方を見直し、負担を軽減する主張性について訴えてきました。また、行政監視委員会の参考人質疑においても、行政計画による地方自治体の負担の大きさと効率化の主張性についての意見が多く見られました。そのような中、政府は本年3月、効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーションガイドを閣議決定しました。計画の投配を行い、意思決定の形式等を地方自治体の判断に委ねていく方向性は歓迎すべきものであり、地方自治体の負担を軽減しつつも、効果的に政策が実施されるよう、政府一丸となって取り組んでいただきたいと考えます。今後の具体的な取組方針について、地方自治を所管する総務大臣の所見を伺います。行政計画の策定に伴い、目標の設定や計画の進捗管理が求められるため、地方自治体においても、評価に関連した取組の充実が欠かせません。しかし、こうした評価に関しても、地方自治体の人手不足や事務負担の大きさが課題として指摘されています。そのため、地方自治体の実施性を尊重しつつも、国が評価に関する技術的な情報提供等の支援を行う必要性は高いと考えます。地方自治と政策評価を所管する総務省として、昨今の計画行政の在り方の見直しの動きを踏まえ、地方自治体の評価の取組をどのように支援していくのかお伺いします。国と地方の関係においては、コロナ禍で見られたような、国からの大量の通知や事務連絡について議論がありました。この点、行政監視委員会では、現場での受け止めに十分な配慮をすることなく、通知等を発出しまう傾向があったのではないかとの指摘も見られました。緊急時の対応であり、致し方ない面もあったとは思いますが、しっかりと検証した上で適切な対応を取るべきであると考えます。こうした状況を踏まえ、第33次地方制度調査会でも、国と地方の情報共有やコミュニケーションのあり方について議論が行われていると承知しています。通知や事務連絡のあり方について、地方の負担を軽減するような工作が必要と考えますが、改めて総務大臣の見解について伺います。次に、地方における行政計画に関連して、総務省の災害時の道路警戒に関する実態調査について伺います。この調査では、大規模災害の想定されていない地域において、道路警戒計画が未策定となっている実情が明らかになりました。我が国は、地震だけではなく、台風や大雪のリスクにもさらされ、全国どの地域においても、大規模災害の可能性を排除することはできません。道路警戒は、大規模災害時に早急に救援ルートを確保し、命を守る重要な役割を担っています。東日本大震災では、災害発生後に道路警戒の作戦が立案されたという反省からも、事前の計画策定の推進が不可欠です。今回の勧告を受けて、今後、国土交通省としてどのような取組を展開していくのでしょうか。国土交通大臣の見解を伺います。次に、消費化対策についてお伺いします。公明党は党を挙げて、消費化対策に取り組んでおり、政府の消費化対策にも我が党の提言が随所に反映されています。消費化対策は、子ども・子育て支援のみならず、経済的支援や社会全体の構造、意識の改革など、政府一体となって各府省が連携し、総合的な対策を行うことが必要となります。そして、効果的に対策を進めるためにも、データや統計を活用したEBPMの実践や、子育て当事者らの目線に立って、実施した施策の効果を的確に検証し、必要に応じて柔軟に見直していくことが求められています。司令塔となる子ども家庭庁には、EBPMを着実に実践しつつ、子育て当事者や若者などの声に耳を傾けながら、消費化対策の舵取りをしていただきたいと考えますが、小倉大臣の決意を伺います。異次元の消費化対策を行う上では、多くの予算も必要となります。そのために、実施した施策が効果的だったのか、もしそうでなかったのであれば、どう改善していくのか、国民への説明責任が一層問われることになります。異次元の消費化対策の小倉大臣の試案においても、PGCSサイクルの推進が掲げられていますが、このPGCSサイクルの徹底とともに、適切な政策評価の仕組みを整備し、国民への説明責任を果たしていく必要があります。そこで、子ども家庭庁における今後の政策評価の実施方針について、小倉大臣にお尋ねをします。最後に、政策評価制度の創設から深く関わってきた公明党として、今後も政策評価制度の更なる進展に向け、尽力するとともに、参議院の行政監視機能の更なる充実を目指し、全力で取り組んでいくことをお約束し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

1:01:22

松本竹明総務大臣

1:01:35

竹内議員からの御質問にお答えいたします。まず、政策評価制度の運用の見直しの意義と実現に向けた決意について御質問いただきました。社会経済情勢の変化に対応できる行政の実現には、機動的かつ柔軟に機動修正を行いながら前進する政策展開が必要です。このため、政策の特性に応じた政策効果の把握分析を行い、政策形成過程において必要となる情報を適切に活用できるよう、今回、政策評価制度の運用を見直しました。新たな制度運用の下で行われる取組を通じて、新たな挑戦や前向きな機動修正を行うことが、行政の無理由性にとらわれない望ましい行動として、高く評価されることを目指してまいります。次に、各府省の評価の質を担保するための取組について御質問いただきました。今回の政策評価制度の運用見直しでは、各府省における政策の特性に応じた評価を行うこととしており、その際には評価の質の担保は大事であると考えております。このため、総務省としては、各府省の取組事例を共有するとともに、求められるエビデンスの水準や分析手法等に関し、政策評価審議会で議論の上、技術的なガイドラインとして策定すること、統計の整備やデータ利活用の技術的支援に取り組むこと、各府省の職員向け研修の充実などに取り組むこととしており、このような取組を通じて各府省における評価の取組を支援してまいります。次に、計画策定に係る自治体の負担軽減について御質問いただきました。本年3月に閣議決定された御指摘のナビゲーションガイドに沿って、各府省において新規の計画策定等の抑制を図るとともに、自治体の計画策定等に係る事務負担の軽減を図ることにより、職員が地域の実情を踏まえて、総意工夫をより発揮すべき企画実案業務などに注力できる環境を整えることが重要と考えております。総務省としても、国と地方を通じた効率的効果的な計画行政の実現を期してまいります。次に、地方自治体に対する行政評価の支援について御質問いただきました。今回の国の政策評価制度の運用の見直しは、地方自治体が評価を行うにあたっても参考になるものと考えており、地方自治体の職員も参加する研修などを通じて、今回の見直しの考え方を含め、政策効果の把握、分析のための手法や、各地方自治体の行政評価の取り組み状況などについて情報提供を行ってまいります。各地方自治体が地域の実情に応じ、自主的主体的な行政評価を進めることができるよう必要な支援に取り組んでまいります。最後に、通知等に係る自治体の負担軽減について御質問いただきました。第33次地方制度調査会では、感染症対応における課題も踏まえ、国と地方の間のコミュニケーションを円滑にし、相互の連携、協力の実効性を高めていくための方策等について御審議いただいております。様々な課題に対し、国と自治体が相互に協力しながら、円滑にコミュニケーションを取って対応していく上では、自治体の業務を圧迫することがないよう留意する必要があり、通知等の発出に当たっては、できる限り簡素で明瞭にすることなどが重要と考えております。

1:04:51

(途中)

1:05:00

斉藤哲夫国土交通大臣

1:05:16

竹内真治議員から、災害時の道路警戒についてお尋ねがありました。本年4月、総務大臣から、災害時の道路警戒に関する実態調査の結果に基づき、地方整備局が主体となった協議会の設置や道路警戒計画の策定などの備えを推進することについて勧告がありました。国土交通省としては、これまで地方整備局単位で協議会を設置し、首都直下及び南海トラフなど大規模地震が想定される地域から順次、道路警戒計画を策定してきたところです。今後は、まだ策定していない地域につきましても、地方整備局が主体となって協議会を設置するとともに、地域の実情を踏まえ道路警戒計画を策定するなど、災害に対する事前の備えを推進してまいります。

1:06:22

小倉正信国務大臣

1:06:34

竹内議員から、消費化対策におけるEBPMの活用についてお尋ねがありました。消費化対策においても、エビデンスに基づき取組を進めることが重要であると考えています。子ども家庭庁では、4月の設立時からEBPM推進室を設置し、本日から有識者によるEBPM研究会を開始する予定です。この研究会では、3つの重点プロジェクトを定めて、EBPMの考え方に基づく効果検証の取組を進めるとともに、子ども政策においてEBPMを進める仕組み・体制や必要なデータ等について議論を進めることとしています。子どもや若者からの意見をしっかりと耳を傾けるとともに、内閣官房行政改革推進事務局や総務省が行っている政府全体でのEBPMの推進の取組と連携しながら、消費化対策全体のEBPMを推進してまいります。また、子ども家庭庁における政策評価の実施方針についてお尋ねがありました。子ども家庭庁において、政策評価法に基づく政策評価基本計画及び事後評価の実施計画を策定するに当たっては、政府全体の子ども政策に関する基本的な方針を踏まえることが必要であると考えております。今年の4月に施行された子ども基本法に基づき、新たに子ども政策に関する基本的な方針等を定める子ども対抗を年内を目途に策定することとしており、現在、子ども家庭審議会の下で議論が進められているところであります。子ども対抗を策定した後に、政策評価法に基づき、子ども家庭庁の政策評価基本計画及び事後評価の実施計画を定めてまいります。

1:08:22

上村聡くん

1:08:44

日本維新の会の上村聡です。私は会派を代表して、政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について質疑を行います。改革なくして成長なく、大きな変化に対処するためには、大胆かつスピーディな政策形成が求められています。このためには、適切な政策評価の実施が欠かせません。本日は、政策の評価という観点から、EBPMの推進や政策評価制度の在り方、新型コロナ対策の検証の必要性、行政のデジタル化の推進についてお伺いします。EBPMの推進は、限られた資源を有効活用し、国民に信頼される行政を展開するためには必須の取組です。我が党としても非常に重要な取組であると認識しております。EBPM推進の必要性については、我が国においても浸透しつつあるように思いますが、依然として具体的な効果などの実像が見えにくいと感じます。こうした中、本年3月には政策評価制度の大きな見直しも行われました。そこで改めて、EBPMが政府の政策形成や評価の改善に具体的にどのように寄与しているのか、また今後どのような展望や効果が期待されているのか、総務大臣の見解をお伺いします。政策評価制度の見直しでは、政策の特性に応じた評価を行い、政策の効果を把握していくことが目指されています。EBPMの観点からも、こうした評価には高い評価スキルが必要と考えます。現在、政府には政策評価に類似する制度として、内閣官房が所管する行政事業レビューがあります。行政事業レビューにおいても、本年3月にEBPMの手法の導入など抜本的な見直しが示されました。政府の取組におけるEBPMの重要性は着実に高まっています。そこで、EBPMの取組を定着させていくための今後の人材育成の在り方について、総務大臣、行政改革担当大臣にお伺いします。政策評価と行政事業レビューでは、実施根拠や対象などに違いはありますが、行政の効率化や透明性の確保という目的には類似性を感じます。これまでも両制度の在り方をめぐる政府の検討では、作業の重複感や各府省庁の負担の解消、連携の必要性などが指摘されてきました。本年3月の両制度の見直しでも、墨分けや連携が課題になっていると承知しています。今こそ両制度の関係のさらなる整理・再編に抜本的に取り組む必要があると考えます。総務大臣、行政改革担当大臣の認識、また今後の両制度の連携や合理化の方向性についてお伺いします。次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する検証の必要性についてお伺いします。新型コロナウイルス感染症は、5月8日をもって感染症法上の位置づけが5類感染症になりました。新型コロナ対策をめぐっては、政府の有識者会議が昨年6月に報告書を公表し、早1年がたとうとしています。当時の報告書でも様々なデータは示されましたが、対応のまっただ中での検証でもあり、深い検討を行うには様々な制約もあったかと思います。今後起こりうる同様の危機に備えるためにも、EBPMの観点から幅広い知見に基づき、エビデンスの妥当性にまで踏み込んだ全政府的な検証が求められるものと考えます。新型コロナ感染症の5類感染症移行を踏まえ、将来的な政策形成にも資するような検証の実施を求めますが、コロナ担当大臣の所見を伺います。政策評価制度におけるEBPMの取組として、総務省が様々な府省と共同で多様な政策の効果検証を実施する実証的共同研究があります。政策評価の把握、分析手法等の知見、ノウハウの蓄積、提供を進めるとされ、5年間で12件の研究が行われてきました。これまでの多様な新型コロナ対策についても、この実証的共同研究でEBPMの観点から効果検証を行い、その成果を蓄積していくことが必要ではないでしょうか。こうした蓄積が、例えば秋にも発足する内閣感染症危機管理統括庁の政策立案等に生かされるならば非常に留意気です。総務省の実証的共同研究において、新型コロナ対策の効果検証を行う必要性について、総務大臣にお伺いをします。総務省行政評価局の調査テーマは、昨年度から事前に計画公表されるのではなく、随時決定されることとなりました。環境の変化や行政課題をより迅速に反映させるためとのことですが、つまり、より緊急性、重要性が高いものに柔軟に対応するようになったのではないかと考えます。過去には、大きな問題となった統計不正問題について、総務省行政評価局が迅速に調査を行ったこともあると承知をしています。これまで国会でも度々求められてきた新型コロナ対策に対する調査・評価を今こそ行うべきではないでしょうか。総務大臣の所見をお伺いします。行政を効率化し、新たな財源を生み出し、国民の利便性を向上させるためにも、地方自治体を含めた行政のデジタル化の推進は欠かせません。地方のデジタル化に関しては、コストの削減という面でも課題が見られます。政府は地方自治体に対し、2025年度までにシステムの標準化を求めており、情報システムの運用経費等を2018年度比で3割削減する目標を掲げています。一方で標準化が進んでもシステムへの依存が高まり、自治体の情報システム全体で見ると大きなコスト削減になるとは限らないという指摘もあります。将来的なシステム更新に要する費用も考えなければなりません。地方自治体のデジタル化推進による長期的なコスト削減の展望について、デジタル大臣にお伺いします。デジタル化の鍵となるのがマイナンバーカードの普及です。しかしマイナンバーカードをめぐっては、マイナ保険所の他人の情報への紐付けなどトラブルが後を絶ちません。原因究明と再発防止の徹底を強く求めます。トラブルが発生する根本的な原因には、デジタル化やマイナンバーカードの普及自体が目的化してしまっていることが挙げられるのではないでしょうか。マイナ保険所一つを見ても、医療機関等から不安や不便の声が聞かれる一方、そのメリットは現場や国民に十分に認識されていません。デジタル化やマイナンバーカードの普及により何が実現でき、どう便利になるのか、国民との認識の共有が極めて重要です。デジタル化やマイナンバーカードの普及自体を一義的な目的とせず、そのメリットを強力に打ち出していく必要があると考えますが、デジタル大臣及び総務大臣の所見をお伺いします。最後に医療のデジタル化についてお聞きします。日本の医療現場のデジタル化は残念ながら非常に遅れているというのが実情です。その原因は国のリーダーシップがなく、デジタル化を医療機関任せにしてきたことにあります。例えば、電子カルテは医療機関ごとに仕様が異なり、現状では医療機関の間での連携はほとんどありません。システムの保守点検の手間も費用も全て医療機関の負担となっています。以前、私が参議院厚生労働委員会の質疑において、当時の菅総理大臣から、医療のデジタル化については国がリーダーシップをもって取り組むことを約束していただきました。改めて、医療のデジタル化の推進にあたっては、国が責任をもって取り組んでいただきたいと思いますが、この点についてのデジタル大臣の問題意識をお伺いしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

1:18:29

松本竹明総務大臣

1:18:42

梅村議員からの御質問にお答えいたします。まず、EBPMの政策形成や評価への寄与と、今後の展望等について御質問いただきました。EBPMは、できるだけ正確に現状を把握し、可能な限りエビデンスを求めながら、政策の企画立案や改善を行おうとするものであり、政策の質の向上に寄与するものと考えております。今回の政策評価制度の運用の見直しは、EBPMを一層推進するものであって、機動的かつ柔軟に機動修正を行いながら、前進する政策展開を目指すものです。意思決定過程で政策評価が活用され、新たな挑戦や前向きな機動修正が積極的に行われるよう、各府省の取組を後押ししてまいります。次に、EBPMを担う人材育成について御質問いただきました。EBPMの取組を定着させるためには、これを担う人材の育成が重要であると認識しております。総務省では、これまで各府省と共同で政策効果の把握・分析手法の研究を行う実証的共同研究に取り組むとともに、各府省職員向けの研修を行ってきたところです。さらに今後は、有効性の観点からの評価を一層重視し、政策効果の把握・分析機能を強化する観点から、研修内容の充実・高度化やデータ利活用の技術的支援を行うこととしております。総務省としては、これらの取組を通じて、EBPMを担う人材の育成を支援してまいります。次に、政策形成・評価に関する制度の整理についてご質問いただきました。ご指摘の政策評価と行政事業レビューは、その位置づけなどに違いはありますが、いずれも各府省自らが政策や事業の内容や効果を把握することで政策を改善していく取組です。そのため、これらの取組が一体として効果を発揮できるよう、今回の見直しにおいて、政策評価や行政事業レビュー等の政策評価関連作業から得られた情報を相互に活用集約することとし、評価関連作業の重複な排除と評価者等の出席充実を図ることとしました。意思決定過程における政策評価の一層の活用に向けて、内閣官房とも連携の上、しっかり取り組んでまいります。次に、新型コロナ対策に係る実証的共同研究や調査の必要性についてご質問いただきました。総務省においては、各省と共同で政策効果の把握や分析手法の研究を行う実証的共同研究や調査を通じて把握した諸課題等に対し、具体の改善方策を提示する行政運営改善調査を行っております。ご指摘の新型コロナ対策については、これまで不断の検証が行われてきており、今後政府行動計画の見直しが行われる際にも、さらなる検証が行われるものと承知しております。政府全体における検証を注視しつつ、各省の要望も踏まえ、必要な支援を行ってまいります。最後に、マイナンバーカードのメリットについてご質問いただきました。マイナンバーカードは地方のDXの基盤となるツールであり、住民の方々の利便性向上や地域の活性化に支出するものであるとともに、自治体職員の事務負担の軽減につながるものであることから、カードの普及促進に取り組み、利活用を進めてきたところです。総務省としては、自治体のDXと地方のDXを推進して、国民の皆様にデジタル化のメリットを享受していただけるよう、関係省庁と連携して利活用の拡大に取り組んでまいります。

1:22:32

岡田直樹国務大臣

1:22:52

梅村聡議員

1:22:55

EBPMに関する人材育成についてお尋ねがありました。本年3月に行政事業レビューを抜本的に見直し、今年度から国のすべての予算事業において、EBPMの手法を本格的に導入いたしました。各省でのEBPMの実践が進むように、内閣官房では、具体的な行政課題を題材とし、EBPMを導入するための手順等を示したガイドブックの提供、また、政策効果が現れる経路を明確にしていく体験型の研修会の開催など、実務を担う職員を念頭に置いた支援を行っております。今後とも、こうした取組を通じ、EBPMに関する人材を着実に育成してまいります。次に、行政事業レビューと政策評価の合理化・連携などについてお尋ねがありました。行政事業レビューと政策評価は、その対象とする範囲などに違いはありますが、いずれも各省自らが政策や事業の効果を把握し、改善につなげることを目的とした取組であります。このため、政策評価で得られる情報については、行政事業レビューでの記載は不要とするなど、作業の重複を排除してまいりました。また、今回の見直しにおいて、行政事業レビューにおける各事業と政策評価における政策の関係について、分かりやすく明示することといたしました。行政の透明性の向上、効率的な行政の実現に向けて、引き続き総務省としっかり連携して進めてまいります。

1:24:45

後藤重行国務大臣

1:25:10

梅村聡議員のご質問にお答えいたします。新型コロナウイルス感染症対策の検証についてお尋ねがありました。これまでの新型コロナ対応については、先般の新型インフル特措法等改正法案に対する参議院・衆議院の負担決議も踏まえ、さらなる検証をしっかりと行った上で、次の感染症危機に備えていくことが重要と考えています。このような観点から、今後、内閣感染症危機管理統括省において行う新型インフルエンザ等対策政府行動計画の見直しにおいても、国内外の情報収集、初動対応体制の確立、感染症対策物資の備蓄等、ワクチン接種体制の構築、検査体制や医療提供体制の確保等多岐にわたる事象を対象として、今般の新型コロナ対応の検証を行うこととしており、統括庁の設置前から現態勢の下で検証作業を進めてまいります。

1:26:21

河野太郎国務大臣

1:26:43

まず、自治体システムのコスト削減についてお尋ねがありました。ご指摘の運用経費等の3割削減の目標達成に向けては、標準化やクラウド利用による直接的なシステムコストの削減に加え、BPRによる事務コストの削減や、ベンダー間の適切な競争環境の確保を通じた将来的なシステム更新コストの低減を進めることが重要と認識しており、基幹業務システムの標準化の取組を着実に進めてまいります。次に、マイナンバーカードのメリットについてのお尋ねがありました。マイナンバーカードはその普及自体が目的ではなく、カードを持ったメリットを増やすことが重要であり、カードの利用によって安全便利で効率的なデジタル社会を構築することこそが目的です。そのため、これまでも健康保険証や市民カードとしての利用、確定申告での自動入力、引越し手続き、ワクチン接種証明書などのオンライン申請などの利用支援拡大に取り組んできたほか、今後も運転免許証、介護保険証としての利用、子育てや防災分野での利用、そのほか民間サービスでの幅広い利用など、さらなる拡大を進めてまいります。最後に、医療のデジタル化についてのお尋ねがありました。医療分野のデジタル化に対する期待は非常に高く、国民や現場の医療機関などの方々にメリットを早く感じていただくため、着実に進める必要があります。このため、先日閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、電子カルテ等の情報を共有・交換できる全国医療情報プラットフォームの創設や、電子カルテ情報の標準化の推進などの医療DXの取り組みについて、必要な支援を行いつつ、政府を挙げて確実な実現を図ることとしており、デジタル庁としても関係府省と緊密に連携しながら、これらの取組を着実に進めてまいります。

1:29:06

植田清志君

1:29:37

国民民主党新緑風会の植田清志です。ただいま議題となりました「政策評価等・年次報告」について、会派を代表して質問いたします。参議院は、行政監視委員会を中心に、行政の執行状況及び決算に対し、監視機能の強化に努めてまいりました。先日、参議院本会議において、令和3年度決算について4項目の決議が付帯されたことも、参議院が結果を検証し、改善を促すという機能の現れにほかなりません。そうであるとするならば、参議院が真っ先に求めるべきものは、こうした指摘事項が、行政にどのように反映され、改善されたのかということであります。そこで、令和4年度政策評価等に関する報告における反映状況について、歳出改革の成果として、予算減額の見通しについて、松本総務大臣の所見を伺います。次に、マイナンバーカードの普及促進について伺います。このマイナンバーカードこそ、政策実施の結果により見直しを行うべき事業です。政府が国民の目の前に人事院をぶら下げ、さらに健康保険証を廃止すると脅かし、やみくもにその普及を図った結果、公勤受取口座の本人以外への大量の紐付けと、医療・年金・行政情報に係る個人情報の漏えいなど、次々と問題が生じています。にもかかわらず、岸田総理大臣と河野デジタル大臣は、マイナンバーカードの制度そのものの必要性を強調するだけで、システムの安全性に対する検証を否定しております。デジタル社会において、マイナンバー制度がシステム上確実な安全性が証明された場合には、その利便性は大変認められるものであります。しかし、マイナンバーと他人の医療や年金番号、公勤受取口座が紐付けされているケースが掃除でいる上、一度全ての紐付けを停止し、確認作業を行うべきと考えますが、河野デジタル大臣の所見を伺います。もっと素直な答弁を求めます。また、報道では、公勤受取口座の利用を停止した自治体も出てきているようですが、自治体の対応状況をどのように把握しておられますか。この点についてもお答えください。公共投資における景気対策の効果は、公共事業より消費に係る減税、さらには直接給付であることが証明されています。例えば、4,000万の住宅で400万の消費税より200万の消費税の方が住宅建設が進むことは明らかです。自動車取得についても同じことが言えます。E1やプッシュ型現金給付が最も効果があります。先週、岸田総理大臣が打ち出した子育て支援策を進めるためにも、マイナンバーと公勤受取口座の紐付けは、特にプッシュ型支援を進めていく上で、欠かせない仕組みであります。だからこそ、その正確性は厳正であるべきです。今回の事案の検証後になるとは思いますが、この紐付けの正確性を保証する仕組みについて、河野デジタル大臣に伺います。次に、保育における公定価格について、松本総務大臣に伺います。先週、岸田総理が少子化対策の拡充に向けた子ども未来戦略方針を表明されました。出産・育児に係る経済的負担の軽減や施策の推進に必要な財源の裏付けについては不透明な部分があり、総選挙後のステルス増税につながることのないよう、監視を続けていく必要があります。一方で、多額の予算を計上せずとも、首都圏の少子化に歯止めをかける方策について提案を申し上げます。それが、保育に係る公定価格の見直しです。例えば、埼玉県ですが、川口市や戸田市は人口の急増地域です。こうした地域の公定価格が低い、なぜならば人事院の定める公務員給与の手当を準拠しているからであります。そして、その手当は、域内の事業所で見ています。ここが間違っているのです。特に首都圏では、勤務先である事業所と子どもを持つ世帯が居住している自治体が異なるケースがほとんどです。ですから、居住している自治体の平均所得、賃金指数で見ていく方が、実態にあった所得構造を把握することができます。こうした指標の見直しこそが、まさに政策評価の反映であり、公定価格の見直しの根拠となるものでございます。この間、政府はぐずぐずと検討ばかりを続けておりますが、政策評価を所管し、また、自治体可能に県を尊重すべき立場にある松本総務大臣の見解を伺います。政策評価を高年度の政策設計、予算編成に反映させる政策PDCAサイクルを確立することの究極的な目的は、行政への無駄を省き、予算を効率的に執行する、すなわち国民の納税負担を軽減することにあります。しかしこの間、日本の国際競争力も1位から32位、昨日のニュースではとうとう35位になり、経済活力は下がる一方です。それに対応して国民の所属も相対的に下がり続けています。日本の貧困下であります。預金ゼロという人たちが激増しています。以前は100世帯あれば5世帯ぐらいが預金ゼロでした。それが今は100世帯中、22、3世帯を占めています。所得階層の山も変わりました。30年前は350万から550万の所得層が多かったのですが、今は200万から400万の層が多くなっています。所得が少なくなっているにもかかわらず、国民負担は重くなっています。対国民所得費での国民負担ですが、1971年には24.3%だったものが、2012年には39.8%、直近では46.8%に上がっています。その上で物価高によって国民の暗示は圧迫されています。牛丼の大手知恵における牛丼一杯の価格ですが、1975年には300円でした。それが昨年10月からは426円になっています。中田議員とよく牛丼を食ったものでした。1.4倍です。1969年に1箱100円だったセブンスターは、2021年から600円で6倍になっています。国民生活を向上させるために、20年以上続けてきた政策評価制度が、国民の納税負担を軽減させていないことについて、松本総務大臣の見解を伺います。あわせて、税収が一般会計ベースで、2022年度4月末時点で61兆530億円、失礼しました。61兆5,325億円と、過去最高を更新したと報じられていますが、この間、法人税を減税し、所得税・消費税を増税し、国民負担率をひたすら増やしてきたことの責任を、どのように感じておられますか。鈴木財務大臣に伺います。以上で質問を終えます。しっかりしてください。お願いします。財務大臣。ありがとうございました。

1:39:30

松本武明総務大臣

1:39:45

上田議員からのご質問にお答えいたします。まず、政策評価の反映状況と、歳出改革についてご質問いただきました。政策評価は、各府省自らによる政策評価の結果を、政策の企画立案や改善に生かす取組であり、今般の国会報告においても、その反映状況を報告しているところです。総務省として、各府省の政策効果の把握分析等の取組を支援し、評価の出的充実に取り組んでまいります。なお、歳出改革の成果としての予算減額の見通しについて、総務省としてお答えすることは難しいですが、政府全体として、政策評価の結果のほか、予算執行調査や決算検査報告、決算に関する国会の技術などを活用しつつ、必要な取組が進められているものと承知しております。次に、保育に係る校庭価格の見直しについて、居住自治体の平均所得等を用いるべきかについて、ご質問いただきました。保育の校庭価格の見直しについては、内閣府の子ども子育て会議において、自治体関係者も参画した上で議論されているものと承知しております。引き続き所管する子ども家庭庁において、適切にご検討いただくものと考えております。最後に、政策評価制度と国民の納税負担の軽減について、ご質問いただきました。政策評価は、各省自らによる政策評価の結果を、政策の企画立案や改善に生かす取組です。総務省としては、今般の制度運用の見直しを踏まえ、各府省の政策効果の把握、分析等の取組を支援し、評価の実績充実を図ることを通じて、効果的効率的な行政の実現に取り組んでまいります。

1:41:35

河野太郎国務大臣

1:42:01

まず、マイナンバー制度についてお尋ねがありました。国民の利便性向上及び行政運営の効率を図ることを目的とするマイナンバー制度やマイナンバーカードに関し、データやシステムに対する国民の不安を解消し、理解や信頼を得ながら取り組むことが不可欠です。一連の事案については、既存のデータやシステムの総点検を行うとともに、新規データのご登録防止策を徹底し、人為的ミスのリスクを低減させるため、人が開在する機会を減少させるようデジタル化を徹底するなど、関係省庁と連携して取り組んでまいります。引き続き、丁寧な対応を行い、デジタル社会の実現に向けて取り組んでまいります。次に、公権受取講座に対する自治体の対応状況についてお尋ねがありました。4つの自治体で、公権受取講座を利用しないとの報道があったことは承知しておりますが、それ以外の事例については把握しておりません。最後に、公権受取講座の情報の正確性についてのお尋ねがありました。公権受取講座の送天権を行い、ご登録の可能性が高い者は、講座情報の閲覧提供を既に停止しており、今後、講座情報の変更をお願いしていく予定です。また、本人ではなく、あえてご家族などの講座を登録したと思われる者は、ご本人の講座に変更するよう、マイナポータルに通知を送り、お願いしていく予定です。加えて、ログアウト忘れによるご登録を防止するシステム改修を進めているほか、今後、振り金が交渉されるタイミングで、講座名義の児童称号を実現したいと考えております。

1:43:58

鈴木俊一財務大臣

1:44:14

上田清彦議員のご質問にお答え申し上げます。国民負担率を上昇させてきたことの責任についてお尋ねがありました。国民負担率が上昇している主たる要因は、少子高齢化を背景とした社会保障給付の増大などに伴って、歳出が年々増加し、そのための負担も増加していることによるものと認識しております。国民負担率を考える際は、その水準そのものよりも、受益と負担のバランスを考慮することが重要であると考えておりますが、併せて国民負担率の分母である国民所得を増加できるよう、持続可能な経済成長の実現に努力してまいります。

1:45:19

上智子君

1:45:39

日本共産党の上智子です。会派を代表して政策評価等、年次報告について質問いたします。行政監視機能を発揮する上で、国民の苦情や声を受け止めることは極めて重要です。その点から感化できないのは、「引く力」などと言いながら、国民の声に耳を傾けようともしない岸田政権の姿勢です。その典型がマイナンバーカードの問題です。別人の情報が誤って紐付けされるなどの重大なトラブルが相次ぎ、国民の懸念が急速に広がったにもかかわらず、岸田政権はこれを無視し、マイナンバー法を強行成立させました。しかし成立後も、強引な姿勢への批判は止まず、大手新聞の各紙、多くの地方紙が、写説で「保健所の廃止、見直しは今からでも遅くない」。「一旦立ち止まり、徹底的に洗い直すのが先決」と主張を掲げています。総務大臣は先ほどの報告で、柔軟に軌道修正を行いながら前進する政策展開が必要と強調しました。で、あるなら総務大臣、柔軟な軌道修正を行い、マイナンバーカードの運用は停止すべきではありませんか。全国知事会のデジタル社会推進本部は、先週提言案をまとめました。そこで、マイナンバーのトラブルに関し、個々の事業者や地方自治体による対応には限界があるとし、国としてチェック体制や誤った情報、紐付けの防止を担保する制度の構築を求めています。国としてトラブルの善用を検証し、それらを防ぐ対策の構築こそを優先すべきではありませんか。総点検本部を設置するというならなおさらです。総務大臣お答えください。とりわけマイナ保険証問題は重大です。政府は医療や投薬の情報などを直ちに共有できると、マイナ保険証のメリットを強調するばかりです。しかし、ご登録された医療・投薬情報が共有されたら、命を危険にさらすことになります。ご登録問題だけではありません。高齢者・障害者施設ではマイナ保険証管理のこの困難に直面し、マイナ保険証のない人は、1年ごとに資格確認書を申請しなければなりません。今は黙っていても送られてきて、安心して使える現行の保険証を廃止するのですか。様々な問題を抱えたマイナ保険証に一本化することなど、国民の理解は到底得られません。共同通信の直近の世論調査では、来年の秋の現行の保険証廃止について、72%の人が撤回または延期すべきとしています。圧倒的な国民の声を無視してはなりません。来年秋の保険証廃止は中止凍結すべきです。厚労大臣の明確な答弁を求めます。10月に実施されようとしているインボイスも大問題です。元静岡大学教授で、税理師の小藤 教授氏の試算では、インボイス制度の実施で、免税事業者の消費税の負担はおよそ1兆円にも上るとされています。免税事業者を倒産廃業に追い込む増税はやめるべきです。中小業者、農家、ライター、声優、漫画家、税理士などの皆さんがインボイスは増税だと大きな反対の声を上げています。このオンライン署名は20万人を突破しました。なりわい暮らし文化を壊すインボイス制度の10月実施は中止すべきです。財務大臣の答弁を求めます。次に、福島第一原発事故による汚染水処理問題で質問します。西村大臣は、6月10日、宮城福島茨城の漁業関係者と面会しました。福島漁連の野崎哲会長も、茨城塩海地区漁連の戸人正美会長も改めて「海洋放出は反対だ」との意思を示しました。政府は、関係者の理解なくしていかなる処分も行わないと約束しています。今月15日には、いわき市議会でこの約束を履行するよう岸田首相と西村経産大臣宛てに意見書を送付することを全会一致で可決しました。約束を踏みじることは許されません。6月19日付の福島民報は、最新の県民世論調査の結果を報じました。風評被害が起きるとの回答は、87.8%にも上ります。海洋放出方針は撤回すると、それが一番の風評被害対策ではありませんか。以上、経産大臣の答弁を求めます。今国会ほど、人権問題が焦点となったことはありません。外国人難民の人権、LGBT性的少数者の人権など、当事者が納得していないのに、入管法やLGBT法が採択されました。我が国の人権感覚の乏しさが指摘されています。先住民族政策についてもお聞きします。2007年に先住民族の権利に関する国連宣言が採択されてから、先住民族への謝罪が各国で行われています。昨年だけでもメキシコ大統領やデンマーク首相が謝罪し、フランシスコローマ共和国もカナダを訪問して謝罪しました。ところが日本政府は、愛の民族への謝罪もなく、同化政策の実態把握も不十分です。先住民族と認めるなら、国際的な先住民族権利宣言の水準にはほど遠い状況を打開することが必要です。昨年9月にニーカップ五稜牧場の開墾のため、愛の民族が強制移住をさせられた事実を示す資料が、ニーカップ家畜改良センターに存在していることが分かり、国立公文書館に移管されました。アメリカでは、ハーランド内務長官が、先住民族への侵略の事実を踏まえ、この事実は米国の一部であり、それを伝えることは私たちの責務だと語りました。我が国においても、愛の民族が受けた虐奪や迫害を含め、歴史の事実を把握し、今後の愛の民族の権利を前進させるために生かす必要があると考えますが、愛の施策担当大臣の見解を伺います。最後に、予備費の問題について、財務大臣に質問いたします。この間、巨額の予備費計上が常態化し、緊急とは言えない経済対策にまで予備費を当ててきました。憲法83条は、国の財政は国会の議決に基づき処理するとしています。巨額の予備費の計上で政府への白紙委任を求めることは、財政民主主義の否定であり、やめるべきです。使い残した分の扱いも問題です。2022年度の残額は3.8兆円に上りますが、減額補正しなかったのはなぜですか。初めから軍事費に回すつもりだったんじゃありませんか。5年で43兆円に上る大軍閣計画では、財源の一つに決算余剰金が当てられ、使われなくなった予備費の一部も軍事費に転用されます。今後も巨額の予備費計上を続け、軍閣財源を確保するつもりですか。政府は軍閣増税の時期を2025年以降も可能としました。先送りにしたのはなぜなんですか。答弁を求めます。結局、大軍閣を進めるため、他の予算を削り、国債発行に耐えることになるのではありませんか。財政法の4条で、公債発行が原則禁止とされたのは、戦前の日本が、戦費調達のために大量の国債を発行して、侵略戦争に突き進んだ反省によるものです。歴史の教訓を忘れて、敵基地攻撃能力保有など、戦首防衛を投げ捨てる大軍閣に突き進み、平和も暮らしも脅かすことは絶対に許されません。私たちは、あの戦争の過ちを二度と繰り返してはなりません。私たちは、平和な国債環境をつくるために、外交努力にこそ力を尽くすべきだということを申し上げて、質問を終わります。

1:55:13

松本武明総務大臣

1:55:27

上議員からのご質問にお答えいたします。まず、マイナンバーカードの運用についてご質問いただきました。マイナンバーカードは、地方のDXの基盤となるツールであり、住民の方々の利便性向上や地域の活性化に資するものであるとともに、自治体職員の事務負担の軽減につながるものであることから、カードの普及促進に取り組み、利活用を進めてきたところです。マイナンバーカード関連の一連の誤る事案につきましては、誠に勘であり、重く受け止めております。総務省としては、ご迷惑をかけた方への対応を行い、再発防止策を徹底するなど、必要な対応を行うとともに、マイナンバーカードについて、国民の皆様が安心して利用できるよう、信頼性確保や安全性の向上に、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。次に、トラブルの検証と再発防止策について、ご質問いただきました。マイナンバーカード関連の一連の誤り事案を受け、現在、総理の指示の下、誤り事案に関連するデータやシステムの総点検、今後、新たな誤り事案が生じないようにするための仕組みづくり、国民の不安払拭のための丁寧な対応について、関係省庁と連携して対策を進めております。マイナンバーカードの信頼回復に向けて、政府一丸となって取り組んでまいります。

1:56:52

加藤勝信厚生労働大臣

1:57:17

上智子議員より、健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。マイナンバーカードによる受信により、ご自身の健康・医療に関するデータに基づいた、より良い医療を受けられるようになるなど、カードと健康保険証の一体化には多くのメリットがあります。こうしたメリットを実感していただくためにも、登録データの正確性確保のための取り組みを進めているほか、医療現場における実務上の課題への対応、施設入所者のカードの管理に関する優位点などの整理や周知を進め、さらに、表示された情報に疑義がある場合の対応の明確化を行うなど、システムに対する信頼を確保するための措置を講じ、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進め、来年秋の健康保険証の廃止を円滑に実施できるよう取り組んでまいります。

1:58:30

鈴木俊一財務大臣

1:58:34

上智子議員のご質問にお答えいたします。まず、インボイス制度についてお尋ねがありました。インボイス制度は複数税率の下で、適正な課税を確保するために必要なものであると考えておりますが、インボイス制度への移行に対して、中小・小規模事業者の方々がご心配されていることも承知をしております。このため、政府としては、政府を挙げた取引環境の整備、課税事業者に転換した場合の負担軽減措置、各種補助金による支援措置など、事業者の皆様に寄り添った各種の対応を行っているところであり、引き続き関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいります。次に、予備費と防衛力強化の関係についてお尋ねがありました。予備費については、新型コロナや物価高騰といった予測困難な事態に、機動的・弾力的に対応するための万全の備えとして、憲法の規定に基づき、国会の議決を受けた上で適切と考えられる規模等を予算計上し、その支出についても、憲法の規定に従って、事後に国会の承諾を得ることとされており、財政民主主義に反するものではないと考えております。また、予備費の使用に当たっては、必要性や緊急性等について検討を行った上で、適切に使用を判断してきたところですが、歳出の性質上、予備費使用の可能性は年度末まであり得たことから、減額補正は行わなかったものです。したがって、使い残した分は、 初めから防衛費に回すつもりだったとの御指摘は当たりません。その上で、予備費を含めた歳出に、不要が生じることが見込まれる場合には、税収等の動向も見極めながら、特例交済法の規定に基づき、特例交済の発行額の抑制に努めることとしており、予備費の不使用額が増えたからといって、 決算常用金の増額につながるものではありません。したがって、御指摘のように、巨額の予備費計上を続けることで、防衛力強化の財源を確保するつもりはありません。最後に、防衛力強化のための財源確保についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化のための税制措置の開始時期につきましては、昨年末に閣議決定した枠組みの下、行財政改革を含めた財源調達の見通し、景気や賃上げの動向及び、これらに対する政府の対応を踏まえて、今後、与党税制調査会において判断していくこととしていることは、これまでも御説明しているとおりであり、 先送りしたとは考えておりません。引き続き、政府与党で緊密に連携し、 柔軟に判断してまいりたいと考えております。また、政府としては、今後も歳出改革などの 行財政改革を徹底することにより、赤字国債に頼ることなく、防衛力の強化・維持を 安定的に支えるための財源をしっかり確保できると考えておりますが、同時に、県下の政策課題に対応し、 国民生活を支えるために必要な予算額は、しっかりと措置してまいりたいと考えております。

2:02:44

西村康人経済産業大臣

2:02:57

上議員からのご質問にお答えいたします。アルプス処理水の海洋放出について お尋ねがありました。廃炉を着実に進め、福島の復興を実現するためには、アルプス処理水の処分は決して 早くお送りできない課題であります。このため、2021年4月に 海洋放出する方針を決定しております。そうした中で、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない、との方針は遵守し、安全性の確保と 風評対策の徹底に取り組んでおります。安全性の確保については、IAEAの専門家が 複数回来日し、レビューを受けております。今後、包括報告書が公表される予定であり、 その内容も丁寧に発信をしてまいります。また、三陸常盤ものの消費拡大を図るために、魅力発見三陸常盤ものネットワークを立ち上げ、 専者を超える企業などが参加をし、社内食堂やお弁当で消費いただいております。さらに、風評影響による水産物の需要減少のときの買取、保管支援のための300億円の基金、また、漁業者の事業継続のための 500億円の基金を措置しているところであります。それでもなお、風評による損害が発生した場合、被害の実態に見合った適切な賠償を行うよう、 東京電力をしっかりと指導してまいります。今後も、漁業者の方々などとの一疎通を密にして、 繰り返し説明を重ねるとともに、政府を挙げて安全性の確保と風評対策、 成りわい継続支援にしっかりと取り組んでまいります。

2:04:46

岡田直樹国務大臣

2:05:09

上智子議員にお答えいたします。アイヌ民族の歴史についてお尋ねがありました。平成20年に、州産漁院で決議された、 アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議において、「我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、 法的には等しく国民でありながらも、差別され貧窮を余儀なくされた」と述べられていることを、 政府として厳粛に受け止めております。また、平成21年に取りまとめられた、 アイヌ政策の在り方に関する有識者懇談会報告書においても、同様の指摘がなされており、 このことについても厳粛に受け止めております。平成20年の国会決議に基づき、政府としては、 アイヌの方々が「我が国の先住民族である」という認識の下、令和元年5月の「アイヌ政策推進法」の制定、 また、同法に基づく「アイヌ政策推進交付金」の創設、また、令和2年7月の「民族共生象徴空間うぽぽいの開業」など、 アイヌ政策の充実に取り組んできたところであります。引き続き、アイヌの方々が民族としての誇りをもって生活することができ、 その誇りが尊重される社会の実現を図り、総合的なアイヌ政策の推進に取り組んでまいります。

2:06:51

これにて質疑は終了いたしました。

2:07:09

日程第2「民間公益活動を促進するための、 給民預金等に係る資金の活用に関する法律の一部を改正する法律案」、衆議院提出を議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。

2:07:33

財政金融委員長 坂井康幸君。

2:07:59

ただいま、議題となりました法律案につきまして、 財政金融委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本法律案は、衆議院財務金融委員長提出によるものでございまして、 民間公益活動を一層促進する等のため、目的規定に民間公益活動の自立下にない手の育成等を図ることを明記するとともに、給民預金等に係る資金を原資とする女性等を受ける団体として、民間公益活動を行う団体等に対し、助言または派遣を行う活動支援団体を創設する等の措置を講ずるものでありました。委員会におきまして、提出者衆議院財務金融委員長代理 坂井学君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は前回一致をもって、 原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。以上、御報告申し上げます。

2:09:12

(笑い)

2:09:31

これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。(賛成)過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:10:01

この際、日程に追加して、国会議員の債費、 旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、裁判官弾劾法の一部を改正する法律案、いずれも衆議院提出。 以上両案を一括して議題とすることに、御異議ございませんか。(ない)御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。

2:10:39

議員運営委員長、石井淳一君。

2:11:06

ただいま議題となりました、両法律案につきまして、 委員会における審査の経過と結果を、御報告を申し上げます。まず、国会議員の債費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、議会雑費の支給の対象から、各議員の常任委員長及び特別委員長等を除外しようとするものであります。次に裁判官弾劾法の一部を改正する法律案は、裁判官卒院委員会の委員長及び裁判官弾劾裁判所の裁判長に支給される職務雑費を廃止をしようとするものであります。委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、順次採決の結果、いずれも前回一致をもって、 原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上報告申し上げます。

2:12:32

これより両案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって両案は可決されました。

2:12:57

これにて休憩いたします。

2:20:43

休憩前に引き続き会議を開きます。この際、日程に追加して、本日、法務委員長及び厚生労働委員長から報告書が提出されました。裁判所の人的・物的充実に関する誓願、ほか273件の誓願を一括して議題とすることに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。これらの誓願は、委員長の報告を省略して、両委員会決定のとおり採択することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。よって、これらの誓願は、両委員会決定のとおり採択することに決しました。この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件について、お諮りいたします。本件は、各委員長及び各調査会長要求のとおり決することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。よって、本件は、各委員長及び各調査会長要求のとおり決しました。議事を終了するにあたり、一言、ご挨拶申し上げます。今、国会におきましては、令和5年度総予算をはじめ、国の根幹にかかわる政策や、国民生活に深くかかわる諸課題について、熱心な審議が行われました。ここに、議員各位のご尽力とご協力に対し、心からの敬意と謝意を表しますとともに、皆様には、ご自愛の上、一層のご活躍をいただきますよう、お祈り申し上げまして、私の挨拶といたします。

2:23:42

これにて、3回出します。

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