19:54
これより会議を開きます。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正をめぐる諸問題、特に国民投票を中心として、討議を行います。この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず各会派1名ずつ、大会派順に発言していただき、その後、各議員が自由に発言を行うことといたします。それでは、まず各会派1名ずつによる発言に入ります。発言時間は7分以内といたします。発言時間の経過につきましては、おおむね7分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。発言は、辞席から着席のままで結構でございます。発言の申出がありますので、順次これを許します。
20:48
はい、会長。自由民主党の鎮藤義隆です。本日は、国民投票法に関するいくつかの論点について、意見を述べます。2021年6月に成立した国民投票法改正の附則4条では、第1号で「投票の外形的事項である投票環境の向上」について、第2号で「投票の質に関する事項であるCM規制などについて検討条項」が設けられてい ます。まず第1号で規定されております「投票の外形的事項」につきましては、自民・維新・公明・有志の4会派が、昨年4月にいわゆる3項目案を提出し、趣旨説明済みでございます。その内容については、公選法で既に設置されている事項であり、審議でも異論はなかったものです。趣旨説明済みの法案を審議するのは、国会の当然の責務ですが、提出以来、立憲民主党と共産党の理解を得ることができず、1年以上審議が行われていません。速やかに審議を行い、採決すべきということを改めて申し上げます。次に、不足4条2号に規定されている「投票の質」に関するCM規制の問題に関しては、まず国民投票法制定時の基本的な考え方を確認しておく必要がございます。法制定時の国民投票運動に関する基本的な考え方は、国民投票は国民主権最大の発路の場であり、国民投票運動はできるだけ自由に、というものです。これは当時の民主党自身が強く主張したものであり、その結果CM規制は法的な規制をできるだけ避け、自主的な規制によって国民投票の公平公正を確保するとの整理がなされ、放送CMについては、期日前投票が始まる2週間前からの禁止に陥った、という経緯があります。これに対して、放送CMの規制に関し、「勧誘CMは個人・団体・政党等を問わずに全期間禁止」、「政党については意見表明CMも禁止」といった、法規制を導入すべきという意見があります。しかし、これらの点は、国民投票運動はできるだけ自由に、という基本原則に照らし、問題があると思われます。そもそも政治的な表現活動である放送CMに関し、あらゆる主体について禁止するというのは、憲法で保障された表現の自由に対する必要以上の制約になる恐れがあります。また、発議された憲法改正案について、国会における議論を一番よく把握しているはずの政党に対して、意見表明CMまでも禁止することは、国民が判断する際の議論の経緯や内容に関する重要な材料を奪ってしまうことにもなりかねません。慎重な議論が必要と考えているわけです。さらに、近年、市場規模において放送CMを上回っているネットCMについて、「政党による有料ネットCMを禁止すべき」との意見もあります。しかし、放送CMはあらゆる主体について禁止とす る一方、ネットCMは政党のみ禁止とする政策判断の合理的な説明、これまた困難と思われます。なお、ネットCMのみならず、ネット空間における表現活動全般については、フェイクニュース、マイクロターゲティング、フィルターバブルなど様々な課題が指摘されております。これらは国民投票に限った課題ではなく、むしろ頻繁に行われている一般選挙において検討が必要な課題であり、臨戦特における議論や情報通信分野、その他の社会的課題全般として、総務委員会やデジタル社会形成に関する特別委員会における議論も必要と考えています。また、国民投票運動に係る資金規制に関し、資質が1,000万円を超える団体の届出、資質金額の上限の設定、収支報告書の提出の義務付けなどの法的規制を行うべきとの意見があります。団体の届出制の導入については、そもそも国民投票運動を行っている団体の資質が1,000万円を超えるかどうかを判断することは、団体の実態を把握できることが前提と思われますが、これを正確に把握することは困難ではないでしょうか。加えて、国民投票運動とその他の活動を行っている団体については、国民投票運動に関する資質だけを切り分けて把握する必要が発生しますが、実態の把握はさらに困難と考えます。次に、支出金額の上限規制については、1つの団体の上限を規制しても、資金提供者は複数の団体に支出できることから、総括的な資金提供の上限規制を担保することは、これまた困難であります。さらに、届出団体の数が多数に上る場合、それをチェックするのは国民投票広報協議会ですが、全ての事務を広報協議会が行うことは無理があり、実質的には中央選管や都道府県選管などに事務的支援を依頼することになると思います。その場合には、この中央選管、都道府県選管などに過度な事務負担が生じる恐れが出てくるわけであります。そもそも、収支報告書の提出や公表は、国民投票運動期間が終了した投票期日後とならざるを得ないことから、収支報告書のチェックは事後的なものとなり、資金規制の実効性は低いものになると言わざるを得ません。以上、国民投票運動に関する団体の活動や資金について、法的規制を行うことには様々な問題があり、困難が伴うと思われます。とはいえ、国民投票 運動に関わる政党や団体の活動に対しては、公平・公正を確保するための何らかの措置が必要とも考えており、厳密な法的規制は難しくても、例えば、政党間の申し出せによる自主的な取組などについて検討してはどうかと考えております。放送CMの受け手である民放連及び民間放送事業者の自主的規制ガイドラインが量的なものを含め、既に準備されているように、放送CMの出し手である我々政党側の自主的取組についても、今後議論を深める必要があると思っております。また、これとは別に、国民投票法では、正確な情報を提供するための取組として、国民投票広報協議会を設置することが定められています。憲法改正案の国民への周知広報を行うこの協議会が、どのような活動をするのか、公平公正をどう確保しようとするのか、協議会の内容を詰めることは、我々政党側の取組と密接な関連があります。協議会は、憲法改正を発議した賛成反対の政党から構成されとり、この協議会がどのような活動をどの程度行うかということは、それぞれの政党が独自に展開する国民投票運動にも大きな影響を及ぼすからであります。そうした観点からも、広報協議会の内容を速やかに詰めるべきと考えています。そのため、広報協議会規定、事務局規定、放送及び新聞広 告規定と、国会職員法、国会職員育児休業法などの関連法律の改正が必要となってくるわけであります。これらは事務的な法整備であり、まずは規定案や改正案についての叩き台の作成を、法制局及び事務局に依頼し、審査会として広報協議会規定の整備に向けた具体的な作業の促進を図るべきではと考えております。会長におかれましては、こうした叩き台の作成について事務方へ要請いただきますよう、お取り計れのほどお願いをいたします。最後に、緊急事態条項についても意見を述べます。審査会が現在のように毎週開かれるようになった昨年の条件以降、緊急事態条項についてはかなりの議論が積み重なれ、今国会においても参議院の緊急集会の位置付けをはじめ、緊急事態条項全般についての議論がさらに深められております。ここまで議論が積み重なれた現状を踏まえれば、各会派委員の意見の概要を事務的に取りまとめるため、法制局に客観的な論点整理資料を作成してもらい、今後の討議に生かしてはと考えております。既に複数の会派、委員からも会長に対し要請がなされておりますが、改めて私からも会長に要請をさせていただきます。お取り払いのほどよろしくお願いいたします。今朝の幹事会におきましては、来週15日に審査会を開催し、緊急事態条項についての論点整理資料の説明を法制局に聴取し、これを踏まえた討議を行ってはと提案をしております。今後も憲法審査会が安定的に開催され、充実かつ深い論議が行われるよう、委員各位のご理解とご協力をお願いして、私の発言といたします。ただいまのご発言の中での要請につきましては、幹事懇答で協議をいたします。
28:59
立憲民主党奥野総一郎でございます。本日は国民投票法の改正について述べます。2021年国民投票法改正の際、不足援助の趣旨説明で、私はCMの線上的な協力や、インターネット広告を含めCMに投じる資金の多化が投票結果に与える影響等を踏まえると、CMや運動資金などについて一定の規制が設けられなければ、公平公正な国民投票の実施には期待できません。このような積み残しの課題についても、早急に具体的な検討を開始し、一定の結論を得る必要があると考え 、本週宣言を提出しましたと述べました。運動資金規制によりCMAの質問を抑制されることになり、間接的にCM規制にもなり得ます。また、外国政府の干渉も防ぐことができます。運動資金規制こそ最優先に導入すべき問題であります。ところが、これまでほとんど議論が行われていません。先日も述べましたが、実際に国民投票が行われたイギリスなどの国々を参考に、そういう問題点も含めて、早急に運動資金規制を議論して、国民投票法を改正すべきであります。イギリスなどは、期間中に収入報告、投票日前でも収入については、しっかり報告させることにしています。こういった点も参考にすべきであります。運動資金規制について、集中投議及び参考に質疑を求めます。一方、CM規制については、これまで一定の議論が積み重ねられてきました。放送CMについては、民放連の交差ガイドラインにより、投票期日14日以内についてではありますが、意見表明CMについても取り扱わないこととする自粛制が導入されることになったなど、評価できる点もあります。しかし、発言後から投票期日15日前までは、賛否の関与のためのCMも、意見表明CMも自由に放送がで き、先ほど申し上げたような運動資金の高や外国政府の介入で投票結果が左右される可能性が未だあります。この期間は、政党が新式協定を結び、CMの出向を抑えるという議論もされていますが、CMを出向するのは政党だけではありません。政党関連の政治団体、外国政府の並み団体などからが自由にCMを出向できるとすれば、自粛制の意味は乏しいと言えます。また、国民投票法第104条は、放送事業者は国民投票に関する放送について、放送番組の政治的公平性を定めている放送法第4条第1項の趣旨に留意することを定めています。つまり、この規定によれば、発言後すべての期間において放送の量的な公平が求められていると解除することもできます。ところが、民放連は量的な自粛制はできないと途中で明言をしており、この制定時と異なって国民投票法第140条に触れる可能性が出てきているわけであります。自粛制ができないのであれば、放送の政治的な公平を維持するため、我々の案にあるように、国民投票運動のすべての期間について賛否関与のためのCMを禁止し、また、意見表明CMについても、政党は全期間を禁止して、すべて国民投票を広報協議会の広報放送に委ねるべきではないでしょうか。ブレグジットの際のイギリスの国民投票は、政治目的の広報放送の原則禁止と、通信庁の規則による賛成反対双方への公平な割当てが行われました。我が国も同様の仕組みをとるのが、この国民投票法第140条の趣旨にかなうといえます。一方で、放送に規制をかけることは、ネットCM等に規制がかけられないことを念頭に、慎重であるべきとの意見があります。民放連の長原参考人は、この審査会の場で、緑石根高のネット広告の審議を国民自身が主射選択するという観点からは、放送CMの規制は逆効果ではないかと指摘をされました。我々は放送と同様、政党等によるインターネットCMを禁止し、この部分についても、広報協議会にあるインターネットを利用した広報に委ねる案を持っています。さらに、政党以外の主体によるネットCMについては、広告主体の表示義務を犯すこととしています。この表示義務規制については、イギリスでも近年法制化されており、十分実現も可能だと思われます。CM規制については、今述べたように、広報協議会の広報を活用することは必須となってきます。放送広告については、未だ期間、時間、回数等何も決まっていません。また、国民投票広報協議会によるインターネットを利用した広報については、玉木委員も指摘したように、具体的な法整備が必要となります。先日、新道比党からも提案がありましたが、こうした観点から、法制度の整備とセットで、広報協議会の規制を整備することを急ぐべきだと、この点については同意をします。その上で、なお残された課題もあります。政治的中立性等をプラットフォーマーに求めるのか。もう少し言えば、これも玉木委員が指摘されたように、放送法4条のような一般ルールを課すのか、あるいはフェイクニュース対策をどうするのか。我が方の案は、ファクトチェックを行う民間団体と広報協議会との連携を求めていますが、これで本当に十分と言えるのか。ネット規制については、表現の自由・検閲の問題もあり、諸外国でも内容規制には及び越しであります。こうした整理の困難な部分については、表現の自由・公職選挙法との関係で、総務委員会や臨時選特とも連携をして議論を進めていくことを提案いたします。最後に、選挙困難事態について少し申し述べます。低速度を満たさなくなるような選挙困難事態が長期にわたる場合をどう捉えるのかという問題です。現行憲法を改正せず、国家緊急権を発動して緊急集会を長期にわたり続けるのか、それとも憲法を改正して備えるのか。この場合、選挙困難事態の認定を厳格に行う期間、要件を厳格にした上、そういう仕組みを作った上で、一つは議員任期の延長を図る、あるいは70日間以上緊急集会が開会できることを前提として、緊急集会の権限を広げるような憲法改正も選択肢となり得ます。いずれ劣るかは、選挙困難事態がどの程度起こり得るか、いずれ劣るかというのは、国家緊急権を発動するかどうかという問題ですが、どの程度選挙困難事態が起こり得るかということだと思います。例えば、シン・ゴジラという映画がありましたが、あれゴジラが国会を襲って、放射能が入って首相がやられてしまうんですね。そういう事態が、政府も国会も壊滅する事態が起きれば、これは国家緊急権を発動して、残った人間で、