1:05
おはようございます。これより、財政金融委員会、外交防衛委員会、連合審査会を開会いたします。我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別訴訟法案を議題といたします。本日は、本案審査のため、2名の参考人から、ご意見をお伺いいたします。
1:32
ご出席いただいております参考人は、慶応義塾大学法学部教授細谷雄一君及び、防衛ジャーナリスト独協大学非常勤講師、法政大学兼任講師、半田茂君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日は、おご多忙のところ、ご出席いただき誠にありがとうございます。
2:00
今後の審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。次に、議事の説明方について申し上げます。まず、細谷参考人、半田参考人の順に、お一人10分以内でご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
2:24
また、ご発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、ご承知願いたいと存じます。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それではまず、細谷参考人にお願いをいたします。
2:42
今日はこのような貴重な機会に発言をさせていただけますこと、大変光栄に存じます。
2:51
私の方からは、今国際環境が大きく変わりつつあります。その国際環境が大きく変わりつつある中で、このような防衛費の問題をどのように考えたらいいか、防衛力の増強の問題をどのように考えたらいいかということを3点を強調してお話をさせていただきたく存じます。その前に、まず冒頭に大砲とバターのお話をさせていただければと思います。
3:18
皆さんご存じのとおり、大砲とバターという言葉が一世紀ほど前からしばしば使われるようになりました。大砲とは防衛費、軍事費に国家の予算を使う。そしてバターとは社会保障や経済のために予算を使う。どちらにより多くの支出をするかということは、多くの国にとってこの一世紀、常に大きな悩みであり難しい課題でございました。言ってみれば、どちらも必要ということを前提にすれば、その中でどのような最適な均衡点を見出すかということが、おそらくは優れた政治の課題だったんだろうと思います。
4:01
そのように考えたときに、この参議院の場で財政勤務委員会、そして外交防衛委員会の先生方が集まって、このような連合審査会をなさるということは、こ の均衡点を見出す上では最良の機会ではないかというふうに考えてございます。一方で、イギリスの歴史家で大国の公謀という本を書いて、1980年代に随分と話題になりましたポール・ケネディという歴史家がおりました。
4:30
私の専門家はイギリス外交士でございますが、このポール・ケネディは、いくつかの本の中で、19世紀のパックス・ブリタニカのイギリスの強さの根拠とは、十分な軍事力を持っていたことと健全な財政が背後にあったということ、このどちらもがパックス・ブリタニカの強さの秘密であると。
4:53
そう考えますと、実はあまり十分に考慮されない財政の健全さというものが、国の強さの根底にあるということを考えますと、改めてこの最適な均衡点、大砲とバターの最適な均衡点というものが重要だということが伺えるような気もいたしております。
5:15
そのように考えますと、安全保障環境が改善すれば当然ながら平和の配当と呼ばれる、より多くの資質をバターのために使える。一方で、安全保障環境が悪化すれば好ましくないと多 くの人が考えるだろうけれども、やはり多くの資質を防衛軍事費に使わざるを得ない。
5:40
今の日本が、これ一点目でございますけれども、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。これは岸田総理の言葉でございますけれども。このことが、現在のような形で防衛費、防衛還元費というものを増加させる大きな必要の根拠になっているのだろうというふうに感じております。
6:02
日本は、現在、かつてないほど厳しい安全保障環境の中にございます。日本は世界の中でも最も不安定で、最も軍事衝突が発生しやすいと考える地域に位置してございます。このことは、既に多くの方々が、こちらでもご指摘されていらっしゃるかと思います。
6:20
このような中で、日本は防衛力の強化を通じて、侵略や軍事攻撃を未然に防いで平和を維持するための意欲志を強化して、さらには安全保障上の同盟国やパートナー諸国との安全保障協力を強化することが、喫緊の課題になっているのだろうと思います。
6:39
既に多くの方がご存知かと存じますけれども、今から2年前の3月10日には、アメリカのインド太平洋軍のフィリップ・デビットソン司令官が、アメリカの上院軍事委員会の校長会で、今後6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言しました。これは、2027年ということになりますが、これについては、多くの議論がございます。賛否、多くの議論がございますが、
7:05
今年の1月に日本に来て発言した際に、この退官されたフィリップ・デビットソン司は、今年の1月の自民党本部での講演では、自らの認識に変わりはないということを発言してございます。
7:22
こちらには、昨年の秋でございますけれども、アメリカ海軍のマイケル・ギルディ作戦部長が、中国による台湾侵攻が、2023年までに起きる可能性を排除できないという見方を示しました。
7:39
中国の専門家は、必ずしもそこまで、中国の軍事侵攻というものを、喫緊の問題とは捉えてございませんが、しかしながら、こ の地域の安全保障環境が悪化しているということは、おそらく疑いがないのではないかと思います。さらには、トランプ政権での対中政策を担当したマット・ポッティンジャー氏が、日経新聞の取材に対して、日本の戦略が決定的な抑止力となるという発言をしております。つまり、日本の抑止力というものによって、中国の軍事行動に大きな影響を与えられるということが、発言の趣旨だろうと思います。そして、3ページに移りまして、今日、本日お話した2点目でございます。
8:25
このような安全保障環境の悪化というものの背景としまして、世界全体で防衛力強化が急速に進んでございます。これはもちろん望ましくないことでございますけれども、それを前提に日本の防衛政策というものも考えなければならない。このような安全保障環境の悪化ということを受けて、世界の主要国は過去20年ほどの間に防衛費を増大させて、そして防衛力を強化してきました。例えば、資料の9ページの表の4をご覧いただけますと、アメリカと中国が過去20年間にいかに軍事費を広げてきたか。この2つの国が今や世界を動かす大きな原力となっているということでございます。
9:14
そしてそれ以外の国々、特にナトウ諸国もGDP費で2%の防衛費出資というものを数値目標として、それぞれが防衛費を増額しているのが現状でございます。ドイツ、イギリス、フランスのような主要な民主主義国は、当然ながら国内では大きな問題がございます。
9:35
国内の財政支出も増え、そして今はインフレ、そしてエネルギー価格の高騰と、まさに国民はバターを求めて大きな声を上げているわけでございますけれども、そのようなドイツ、イギリス、フランスでも今後、急激に防衛費を増やす必要というものが指摘されて、
9:55
それでも日本同様に国内のGDP費で2%超えと国防費を増やすということが国内で議論され、政府から提案がされました。続いて今度は4ページ目の3番目、最後に私が申し上げたい点がございますけれども、このような世界の大きな潮流の中で、やはり国際社会で日本は責任がある主要国としての義務があるんだろうと思います。
10:24
これは日本が今年G7サミットの議長国として、広島サミットで大きな役割になった。その中で首脳コミュニケーションの中で、我々はより安全で豊かな未来を築くため、中核となる外交政策及び安全保障上の課題に対して結束する、また我々は差し迫ったグローバルな課題に対処し、国際システムがこれらの課題に効果的に対応できることを確保するために、幅広いパートナーとともに飛び込むという決意を再確認する。いわば日本はフリーライダーとなって国際社会において十分な責務を果たさないような国家ではなく、やはりその主要国として責任ある大国として国際社会の平和と安全のために十分な役割になるべきだろうというふうに考えております。昨年の2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、先ほど申し上げたとおり日本を取り巻く安全保障環境はより総化し、
11:20
それにはAIや無人機、ミサイル技術などの開発が加速してございます。そのような現状を踏まえますと、旧来型の装備や技術というものが日本の防衛力を考える上では、この日本の弱さになってしまう、技術開発というものを一律しく 向上させなければ、
11:42
安全保障環境の中で日本が取り残されて旧来型の装備というものが日本の安全を守る上では十分でなくなってしまうということが言えるのだろうと思います。当然ながら日本にとっては、このような侵略軍事攻撃が発生しないように、同盟国との信頼関係、協力関係、さらには政府が繰り返し述べているような法の支配に基づいた国際秩序を強化することによって
12:08
日本は国際環境を使わなくてよいような国際環境を作ることがまず最初に必要でございますが、同時にそのような秩序が大きく崩れ、今回のウクライナがロシアに侵略されたように、まったく想定外の形での軍事衝突が発生したときに、やはり日本政府は日本国民の安全を守り、日本を防衛する十分な力を持ち、
12:32
それが発生しないような十分な抑止力を持つということも貴重になっていると考え、今回の法案を私は支持いたします。私からは以上でございます。はい、ありがとうございました。
12:46
次に半田参考人にお願いをいたします。半田参考人。
12:52
本日はこのような機会を設けていただきましてありがとうございました。
12:59
今、補正矢先生の方から大砲とバターの例え話をなさいました。バランスの取れた国家を作ることの必要性というのは、これは私も全く同感であります。今日はその大砲とバターのうち、その大砲の中身について詳しくお話をしていこうと思います。まずお手元の資料の1ページ目をお開きください。
13:26
これはアメリカ政府から我が国がFMS、対外有償軍事援助という仕組みで輸入をしているアメリカ製兵器の契約額の推移をボーグラフにまとめたものです。ここでお分かりのように2012年、第二次安倍政権になって以降、急激にこの 契約額が増えていることがお分かりいただけると思います。
13:55
2015年には4000億円を超え、そして2019年には7000億を超えました。この大幅に増え始めた2015年には、これは防衛費の不足というものが見込まれてきたわけです。これほどアメリカとの契約額が増えるほど防衛費は比例して増えていきませんでしたので、
14:20
その分どこに支払い要請が行ったかというと、国内の防衛産業に行ったということであります。その結果として2015年の4月に防衛省は、最長5年だった国内企業への分割払いを最長10年に延長する支出年限特別措置法を成立をさせました。つまり企業にとってみれば支払ってもらえると思っていた5年先が実は10年先に延びてしまうことになったと。
14:49
そうするとこれは当然のことながら企業としての見込みというのが立ちにくくなるわけでありますから、企業が取引を見切っていくというのは当然であると。したがって近年およそ100社ほどの国内 の防衛産業が防衛部門から手を引いた。その結果として今回この国会に防衛産業強化法案が出ているという、そういった巡り合わせになっているんだということだと思います。次にもう1ページお開きください。先ほどのFMSの契約額をさらに2023年度まで伸ばしたものがこの棒グラフであります。
15:32
2023年度のFMSによる契約額というのは1兆4768億円。第二次安倍政権の2019年の7000億円の実に2倍の契約をアメリカと結ぶことになっているということです。
15:50
主なアメリカ製兵器としましては2113億円を投入して400発購入することにしたトマホーク。そしてまた下にあるようにこれは護衛艦イズモ、カガに乗せる予定の垂直離着陸ができるF35B戦闘機。
16:10
また右上にあるのはイージスアショアを船に乗せたイージスシステム搭載艦。こういったものを建造するということになって過去2倍ということになっているわけ。過去最高額の2倍を記録したということであります 。
16:29
もう1ページお開きください。このFMSで購入している兵器が我が国の安全に役に立つということであればこれは全く依存のないところなんですが、例えばここに出てきますグローバルフォークの場合、これは実は陸海空自衛隊が要求したものではなく防衛省のセビロ組である内局が要求したいわゆる政治案件というふうに言われています。
16:55
日本が購入するのはこれはブロック30という1つ古いタイプのものでありまして、これ3機で510億円で契約を結びましたが、後にこれFMSという特殊な仕組みですからアメリカ側から629億円と119億円も突然値上げをされたわけです。
17:17
これは防衛省の規則で25%値上げされた場合にはキャンセルできるとなっていますが、この値上げ率は23%と、寸止めされたのでキャンセルできなかったということです。今度導入するブロック30についてはアメリカ軍がこれは旧式の機体なので中国の脅威に対抗できないということで、保有する20機を全て廃棄することを決めたということです 。
17:42
まだ我が国にはあと1機入ってきていませんが、あと1機もこれはブロック30というアメリカが使えないと見限ったものがやってくると。昨年の12月に青森県の三沢基地に運用するための航空隊が補足をしましたけれども、このアメリカが使えないといったものを使うための航空隊ができるというのはどういうことなのかと、これは無駄遣いにならないかということであります。
18:08
毎年の維持管理費120億円のうち、そのうち30億円が三沢にやってくるアメリカ人技術者40名の生活費に当てられると。1人頭7500万円ということですから、これは三沢の物価が高いということではなくて、巨額の費用を渡しすぎではないかということだと思います。もう1ページをお開きください。イージス・アッシュアーです。これはもうすでに2020年の6月に河野防衛大臣が第一弾ロケットのブースターを安全に落とせないということから、これは中止を言い出して、安全保障会議で中止が決まりました。しかしこの中止を決めたときにはもうすでにアメリカ政府に196億円を払っていたと。さらにここで全部キャンセルをすると巨額の医薬金を支払う必要が出てくるということから、これは本来陸上に置くつもりで大きく作ったレーダーをそのまま船に乗せるイージスシステム搭載艦にするということが決まったわけです。実際のところアメリカ政府側からは、これは何度もこれは地上版のイージス・アッシュアーですよというふうに言われましたけれども、防衛省はいやいいんだということで船に乗せることを決めたと。もう1ページおいただきください。これが本年度の予算書に出てくるイージスシステム搭載艦です。1隻あたり2208億円、地上イージスと比べると1000億円以上高額になっています。これを2隻建造しますので予定よりも2000億円以上お金を出すことになったということです。またこのイージスシステム搭載艦自体が大型のレーダーを乗せる必要性から幅が40メートルと。自衛隊の艦艇でイージス防衛艦艇の幅21メートルですから倍の太さになったと。非常に鈍重な船になることが決まったということなんですね。またもう1ページお開きください。これがスタンドオフミサイル、本年度予算に出ているものです。一人式一番上、一人式地帯艦誘導弾、能力向上型、これを本年度から量 産するということです。またその下にあります当初防衛用高速滑空弾、これも本年度から量産をするということです。また一番下にトマホークというのがあります。これは今年から導入をすると。これらが入ってくるのは全部2027年度なんですね。3種類の長射程のミサイルが同時に自衛隊に入ってくると。そんなに必要なのかということが当然疑問に出るわけですが、防衛省の説明では国産のミサイルについては開発の遅れがあるかもしれないと。さらに量産化に追いつかないかもしれないということからトマホークを補完的に買うというようなことも言われております。しかしながらこの3文書の閣議決定は昨年の12月16日ですから、半年も経たないうちにもはや配備が遅れるというのは見通しが悪すぎないかということが言えるだろうというふうに思います。もう1ページお開きください。これは昨年の12月に朝日新聞のインタビューに答えた海上自衛隊の現場トップだった高田 陽次自衛艦隊司令官のインタビューです。今回のGDP比の2%そして5年間で43兆円という過去の5年間と比べたら17兆円も増える防衛予算についてこのように述べています。太い地のところをご覧ください。身の丈を超えていると思えてなりません。子供の思いつきかと疑うほどあれもこれもとなっています。また下の太い地に移ります。海上から海上へ大型艦を小型艦へと2点3点するイージスシステムはまさに政治的な迷走の象徴です。今回2%の掛け声が先行し政治からもあれもこれもやるべきだという声も強かったのではないでしょうか。それに悪ノリしている防衛省自衛隊の姿が見えるのです。敬重に値する言葉かなというふうに思います。最後検証すべき事項。イージスシステム搭載艦は全長210メートル、全幅40メートルと報道された。鈍重な艦艇となることから小型化が再検討されている。陸上に置くべきイージスアシュアを艦艇に乗せる計画自体が非現実的ではないのか。価格も高騰する。税金の無駄遣いのシンボルにならないか。人認識地帯艦誘導弾能力向上型、当初防衛用高速滑空弾、極超音速誘導弾という3種類の国産兵器の開発は実現するのか。多額の防衛費を投入して失敗という事態にならないか。時間がないので詳細は省きますが、実は人認識地帯艦誘導弾の場合、88式地帯艦誘導弾という単射程から単射程に改良する際に、これ開発に失敗をして防衛省から開発企業が延滞支援損害金2億円を支払わされる。また契約停止処分を受けるという事を受けてますので、そういった技術的な問題に不安がないかという事であります。まずは今回見直すべきは、この防衛予算の中身であって、総額を大雑把に2倍でいいんだということではないだろうという風に考えるわけであります。以上です。はい、ありがとうございました。以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。なお、質疑及び答弁は着席のままで、結構でございます。質疑のある方は順次、御発言を願います。
24:01
自由民主党の堀井岩男でございます。本日は細谷参考人、半田参考人、大変貴重なお話を誠にありがとうございました。それではまず、細谷参考人にお伺いいたしたいと存じます。先ほど御説明しましたように、戦後最も厳しい安全保障環境に置かれている中で、我が国がどのようにこの平和をしっかり守り抜くかという観点から、今のこのヨーロッパで起こっていること、このウクライナを少し教訓に、物事を考えてみたいと思っております。細谷参考人の資料の中でも、ページにありますように、国際社会がロシアのウクライナ侵攻をなかなか防ぎきれなかったというふうな趣旨の記述がございます。細谷参考人にお伺いしたいのは、ソ連崩壊以来、核放棄や2014年のクリミア併合等々いろいろ歴史がございましたが、今回、なぜこの国際社会はロシアのウクライナ侵略を防ぎきれなかったのか、原因はどこにあるのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
25:22
堀井先生から大変貴重なご質問をいただきました。ありがとうございます。なぜ国際社会はウクライナに対するロシアの侵略を防ぐことができなかったかということは、我々日本の将来の防衛を考える上でも、極めて重要なご指摘だと思っております。基本的には、国際社会の中で安全を確保するための手段は、私は3つあると思っております。1つが国連による手段安全保障システム。2つ目が同盟国との関係に基づいた集団的自衛権。そして3つ目が個別的自衛権に基づく自主防衛ということになるわけですが、もともと日本国憲法は国際社会の正義、信頼、公正や信頼に基づく。国際社会に対する信頼を日本の安全の基礎に置いているわけですが、国連の集団安全保障システムが機能するためには、国連アンプロにの5大国の1がなければ動きません。これは言い換えると、今の米中対立、あるいはアメリカとロシアとの対立というものが、かつてないほど国連というものを機能させなくしてしまっている。これは大変ながらかしいことでございますけれども、その結果として、日本もウクライナも、あるいはその他の諸国も同様でございますけれども、自国の安全を守るためには、個別的自衛権に基づく自主防衛、自分たちで自分たちの国を守るということ、そしてもう1つは同盟国との関係、この2つしかないわけでございます。日本が中国という、日本の5倍近い防衛費を持った、軍事費を持った国に対して防衛をするということになりますと、これは単純に考えても膨大な軍閣というものは必要になるわけでございますから、私はアメリカとの同盟関係というものに基づいて、日本の安全を守るということは適切な施策だと思っております。一方でウクライナは、1994年、ブタペスト覚書、これは今のOSCEのブタペストでの首脳会議で開かれたものですが、このブタペスト覚書で自国に配備されている旧ソ連時代の核兵器を廃棄することに抵抗しておりました。自分たちの国家安全保障が確保されなければ、核兵器は手放したくないんだと。それに対して当時の細川政権、実は細川総理は電話で、このウクライナの大統領に、非核化のために核兵器を放棄してほしいというふうにお願いをしているんですね。そのために日本は核兵器廃棄のための技術支援や経済支援を行っており ます。そしてそのために12月にブタペストを呼びかけ、アメリカとイギリスとロシアが、ウクライナの国家主権と領土を守ることを約束しているんですね。ウクライナは核兵器を放棄するときにあくまでも、イギリス、アメリカ、ロシアによって国境線が守られる。当時、ウクライナが最も懸念していたのはクリミア半島です。当時、ロシアの中で右派民族主義が強化されておりまして、クリミア半島を奪還せよという声が出ておりました。したがって、そのクリミア半島が将来ロシアに軍事攻撃を受けて失うということを恐れて、それに対する保証を求めました。それがブタペスト覚書です。したがって2014年のロシアによる一方的なクリミア半島の併合と、そして昨年2月以来のロシアによる侵攻は、このブタペスト覚書を批判し、それだけではなくて国連憲章、さらには国連憲章の24項、さらには1975年のヘルシンキ最終議定書、すべて違反するものでございます。つまりウクライナは国際社会に信頼し、関係者を手放し、そして自分たちの領土を守るという決意をしたわけでございます。しかしながら2014年にロシアの侵略によってそれが裏切られてからは、急速に8年間防衛費を増強しました。当然ながら日本よりもはるかに経済的な脆弱なウクライナで防衛費を増強するということは大変なことでございますけれども、その8年間にもしもウクライナが防衛費を増強していなければ、間違いなく今回は1週間もたずにロシアに占領されて、今や傀儡国家になっていたかもしれません。つまりウクライナの主権と国家の独立が保たれたのは、2014年以降ウクライナが国家の防衛のために防衛費を増額したということが、今のウクライナという国家の存続につながっているということを考えますと。もちろん大砲とバターということで、国民がより多くのお金をバターに求めるのは当然でございます。しかしながら国家存続のために、今の厳しい安全保障環境の中で、やむを得ず大砲のためにより多くの国の財政を支出しなければならないというのが、これはウクライナのみならずヨーロッパの多くの国々の現在の大きな貯粒だろうと思っております。ありがとうございました。
30:25
ありがとうございました。次に半田参考人にお伺いしたいと存じます。今ご説明いただきましたように、このFMSによる防衛装備の調達というのが、日本は増えていますけれども、私、国内の防衛産業が非常に今厳しい状況に置かれていることを大変危惧いたしております。他方でなかなか自衛隊だけが重要であれば、国内の防衛産業もずっと事業を継続することは困難であるというのも現状だろうというふうに思います。今後、防衛力の整備ということを考えたときに、私は国内の防衛産業を、ご指摘のようにしっかりと育てていくことが重要だと思いますけれども、どのようにしていけばいいのかというのをぜひ教えていただきたいと思います。させて、そのためには、同志国が日本の防衛的な装備というものについて非常に関心を示している。そういったところへの移転についても考慮をしていくべきではないかという議論もございますけれども、そういった防衛装備移転についても、どのように考えておられるかお聞かせいただきたいと存じます。はい、半田さん、後任。はい、どうもご質問ありがとうございます。おっしゃるように、国内の防衛産業というのは、ほとんどの場合、市場が自衛隊だけに限られていますから、その分母が小さいことによって苦しいということは、これはその通りだというふうに思います。他方、もうすでに我が国は防衛装備移転三原則になっておりまして、輸送とか救難といった5つの条件の下では、武器を海外に売ることが可能になっています。ただし、実際に戦争したことのない日本の武器が売れるかという、それは現実的な問題としてあります。実際にオーストラリアが送流型の潜水艦が欲しいというときに、日本は手を挙げました。そしてオールジャパンでオーストラリア政府に対して売り込みを図りましたが、結局オーストラリア政府が望んでいるような通常動力型の潜水艦で、性能、大きさ、すべて合致しているにもかかわらず、一度も通常動力型潜水艦を作ったことのないフランスの企業に負けてしまったということなんですね。それはすなわち海外に武器を売るということは、一つは申し上げたとおり、これまで自衛隊は海外で戦争をしたのかと、今持っている武器は戦場で有効なのかということが証明しきれていないということ。もう一つは、やはり外国と商売をする場合には、これは企業に任せるだけでなく、やはり政府が主導してリーダーシップを取っていかなければうまくいかないと。フランスの場合、ある意味詐欺的な手法とも言われました。最終的には、このフランスの潜水艦については、アメリカ政府が技術を提供するという原子力潜水艦にとって変わられるわけですよね。これはある意味、武器の商売というのは大変危機快快なところがあると、そこに日本政府が応援をして、日本の企業の後押しをしていくことの難しさというのはまずあるんだということだと思います。この度、ロシアのゼレンスキー大統領がG7に招かれて、招かれてないのかな、やって来られて、そして今回自衛隊の持っている車両100台を提供することになりました。これは日本の車両というのは、世界的にも能力が高いということで、売れる商品なわけですね。ただ今まで通常に売っている車両とどこが違うかというと、銃を置く台がついているんですね。これによって武器というふうにされて、今までこれを売るのが困難だったんです。でもこれは実際には銃をつけて売っているわけではないので、銃盾があるだけで武器、これはちょっと行き過ぎだと思いますね。だとすると、もっと売れるような材料というのは日本中にたくさんあるんじゃないかと。今回、OSAですね、ODAに加えてOSAが議論されていますけれども、いきなり殺傷力のある兵器ということよりは、もっと足元を見ていけば、いくらでも売れるものがあるのではないか。それらをいわゆるOSAの枠組みをもし活用するならば、上手に活用して、それをまず無償で提供するような形で、それをPR材料に使うようなことをしてですね、日本製というものがいいものだと、それは何も殺傷兵器でなくても、つまり日本という国の信頼度がひょっとして低いかもしれないけれど、戦場で使ったことがないという意味で、そういうものじゃないものを選んでいっても、十分日本の防衛産業、あるいは日本全体の企業としての海外の発展の可能性というのはあると思います。
35:34
大変ありがとうございました。今の質問に関連しまして、細谷参考人にお伺いいたします。先ほどの御説明の中で、今後新たな防衛装備についてのお話がございまして、時間がちょっとすいません、なくなってきてしまったんですが、日本が今後整備すべき分野として、どのような分野なり、新たな技術に基づく防衛装備が必要と考えておられるか、お伺いしたいと存じます。
36:07
今いただきました御質問、大変重要な点かと存じます。日本の今までの装備は、先ほどの半田先生のお話にもございましたが、やはりなかなか費用がかかるものが非常に多かったんだろうと思います。一方で私はこれは、平和主義と民主主義のコストだと思っておりまして、例えば1950年代にアメリカ・アジア半島政権が、予算を制約するために、金庫財政のために、核兵器を中心とした入力ポリシーというものに転換しました。同じようなことが日本はできるかといったらできません。つまり平和主義や民主主義というものを前提に、戦術防衛に特化することによって、非常に日本はコストが高い装備になっているんだろうと思います。そういった意味では、今回長射程のスタンドオフミサイルを導入するというのは、従来のミサイル防衛だけでは十分に日本が対応しきれないということ。言ってみれば、火事が起きてから火を消すのではなくて、火がつきそうなときにその火を消すというのが、私は長射程のスタンドオフミサイルの重要な目的だと思っておりますので、より先ほど申し上げたような大砲とバターの均衡点を求めて、コストを下げるということと、これから従来の平和主義や民主主義という理念をいかに守っていくかということ、この2つのより難しい均衡をこれから求める、そういった装備が必要になっていくのだと思います。
37:29
ありがとうございます。今、私も与党の防衛三分衆に関するワーキングチームの末席に座らせていただいて、今、議論を続けているところでございます。特に今、防衛装備移転三原則について、いろいろと議論を行っておりますけれども、今日、今、お世話参考人、また半田参考人から具体的に御示唆をいただいたこと、大変示唆に富むものであるというふうに存じております。本当に今日は貴重なお話をありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
38:29
おはようございます。理系民主党の福山哲郎でございます。今日は、補正や参考人、半田参考人におかれましては、貴重なお時間をいただいて、また本当にいいお話を伺えて大変ありがたく思っております。補正や先生におかれましては、本当に歴史家との、歴史家の視点で、日頃から本当に素晴らしい論考をたくさん発表されておられまして、私も日頃、参考にさせていただいておりますし、半田参考人におかれましては、現場の声を、防衛省自衛隊、さらには地域の声を、しっかりと取材をして歩かれておられることに、心から敬意を表したいと思います。今日もいいお話を伺いました。まず補正や参考人にお伺いをしたいと思います。補正や先生の論考によると、今回のウクライナへのロシアの侵攻は、米への多少ひ弱さが原因だったと。2014年のクリミア侵攻に対して、やはり弱腰だったことが、今回につながっているという論考を作られています。まさに私はその通りだと思いますが、一方であの時期は、やはりアメリカはアフガン撤退、イラク戦争の疲れ、本当にオバマ大統領がアメリカの戦争疲れの中で、クリミアまで正直申し上げて、出ていく力が、そこまでアメリカがなくなっていた証拠だと思っていて、その後出てきたトランプ大統領がアメリカ第一次を言って、国際社会のリベラル的な枠組みを本当に粉々にしたと。これどちらもなかなかアメリカの限界を感じる状況だったのが、2014年だったのではないかと思いますが、これ今も状況は変わっていないと思いますが、この中で安全保障なり国際社会の枠組みを、どのように次見定めていくのかということについて、お世話参考にはどのようにお考えなのか。一時期の中国に対する楽観論がEUにあったのはもう消え去ったので、私はそれはそれでよかったと思っていますけれども、こういう日本においての安全保障環境は不安定だと、一番危機だというのも僕は理解していますが、国際レジーム自身が壊れかけているということについて、細谷先生はどのようにお考えなのか。もう一点だけ、先ほどまさに言われた、パックスブリタニカの時代に十分な軍事力と健全な財政が、ある種の平和をもたらすという状況は、日本に当てはめて言うと健全な財政とはことごとく違っていて、増税か歳出削減か国債発行でしか、財源は出 てこないわけですけれども、今回のこの法案における43兆円の財源は、2年目以降からはなはだ不透明なわけです。つまりバターも物価高も含めて不透明、そして実は大砲も財源が不透明という状況の中で、今回のこの法案、非常に中長期的に不透明な中での大砲を確保するということがどういった悪影響を及ぼすのか、もしくはどのような課題なのか、補正の参考人にお伺いしたいと思います。もう一遍に言ってしまいます。先生方にゆっくりしゃべっていただきたいのに。判断参考人におかれましては、まさに具体的なお話をいただいてありがたかったんですが、イーズシステム搭載感というのは、非常に新しいチャレンジといえばチャレンジなので、チャレンジとしては意味があるのかもしれませんが、それに関してはあまりにもコストと、そして技術開発も含めて不透明感が漂っていて、これが逆に防衛省のお荷物になるのではないかという危機も、懸念もあると思います。そしてこれも5年後の配備が予定されていますが、スタンドオフミサイルも3種類ですね。まだ開発段階です。5年後と言われています。これだけのものを並行して走らせることの能力が防衛省に本当に今あるのかないのかというよりかは、そんな負担を防衛省にかけることで、かえって他の装備に対するケアとか、人の訓練とかも含めて、そこに副作用的なマイナスが起こらないかどうかについて、非常に懸念をしています。このことについて今、半田さんがどのようにお考えになっているのかについてお伺いしたいのと、財源については先ほど、細谷参考人にお伺いしたことと同様でして、この財源確保法は財源確保と言いながら、2年目以降は非常に財源が確保できないことを証明している、私は法律だというふうに思っていて、このことについては細谷参考人と同様に、同じように質問したいと思いますので、半田参考人の問題意識をお聞かせいただければと思います。まずは以上です。それでは細谷参考人どうぞ。福山先生、大変鋭いご指摘、ご質問をいただきまして、誠にありがとうございます。2点いただきました。貴重なご質問に対してお答えをさせていただきます。1点目でございますけれども、今後、このウクライナでの経験を経て、どのような方向で日本が考えて、防衛を考えていくべきかというような趣旨かと存じますけれども、私はやはり、日本が対外的に間違ったシグナルを送らないということが、過去20年の経験から学べることではないか。これはアメリカについて申し上げれば、アメリカはコソボ戦争やイラク戦争で、言ってみれば過剰な介入主義によって、ロシアに対して、あたかもロシアの周辺国に対するレジームチェンジを起こすような、そういったような警戒感を与え、カラー革命が行われたとき、2004年のウクライナでのオレンジ革命のときに、ロシアのプーチン大統領は、おそらくそれがアメリカの陰謀によってレジームチェンジをしたというふうに認識したんだろうと言われております。一方で、トランプ大統領の米国第一主義、あるいはバイデン大統領のカブールからの撤退の決断というものが、今度は逆に過剰なアメリカの内向きなリーダーシップの欠如というものの印象を与えてしまった。つまり過去20年間アメリカが、ロシアに対して、あるいは国際社会に対して、過剰な介入主義と過剰なリーダーシップの放棄というような、私は誤ったシグナルを教えていただいてしまった。これはアメリカの政策そのものを批判するというよりは、アメリカの意図というものがどのように伝わるかという、ストラテジックコミュニケーション、戦略的コミュニケーションの問題だと思っています。その誤解というものを間違っても、今のアメリカ政府は今後、中国、台湾に与えたらいけない。私はこれ中国、台湾両方に対して、誤ったシグナルを与えたらいけないということだろうと思います。もしもそうだとすれば、私はここでの日本の役割というのはより大きいのだろうと思います。G7において外交を通じて、日本が国際社会にどういったメッセージを送るか、より法律者に基づいた外交を重視した法律的な国際秩序を模索するというメッセージ、私は適切なメッセージだと思っております。そして2点目でございますけれども、簡潔に申し上げますと、私はこれからの日本の防衛力、つまりは、福山先生がおっしゃるとおりは、日本の他国に比べて非常に大きな財政赤字という中で、どのように防衛力を強化するのか、その時に私は鍵となるのは技術革新だと思っています。世界で多くの場合、例えば先ほど1950年代のアメリカのアイゼンハン政権のミュールク政策について申し上げました。そしてイギリスが20世紀初頭にドレッドノート型の船岸を作るときも、多くの場合が財政的な困難が技術革新を生み出した。私はこれが日本にはまだ足りないんだろうと思っています。つまりは財政質を拡大するだけではなくて、財政質を抑えながら防衛力を強化するための、内側からいかにして日本の技術革新を生み出すか。これはAIであるとか、ドローンであるとか。ウクライナが今回の戦争で、大量の自国製のドローンを使って防衛をしているわけですから、そういった意味では日本も新しい戦場、新しい攻撃、これはサイバー攻撃も含まれますけれども、こういったものに対する技術革新とAIを用いた、より高度な研究技術開発に基づいた防衛力というもの。より少ないコストで、より効果的な防衛力を充実させることが今後の課題になるだろうと思っています。はい、安田さん、御任。はい、イージスシステム搭載艦のことについてお話をします。まず最初、地上に置く、秋田市と山口県萩市に置く予定だったイージスアッシュは、この導入の経過を振り返ってみますと、2017年の1月にトランプ政権が誕生して、2月にワシントンで日米首脳会談が行われて、そこでトランプ大統領から安倍首相に、「バイアメリカン」とアメリカ製品を買ってほしいというような要望が出されて、その結果、防衛省で検討した結果、イージスアッシュアを買おうということになっていったということだと思います。このイージスアッシュアの決定自体が、そもそも我が国が導入しているミサイル防衛システムは、もうすでにイージス防衛艦を4隻から8隻に増やすということが決まっていましたし、また、地上配備型の地対空迎撃システムのPAC-3も、今34機ほどありますが、この能力を向上させると、つまり既存のイージス艦を増やす、また既存のPAC-3の能力を向上させるということで、必ずしも必要だった装備品というふうには考えられないというふうに私は思っています。また、ここでボタンの掛け違いがあったのは、今までと異なって、アメリカ軍と違うレーダーを選んでしまったということだと思います。イージス艦のレーダーというのは、スパイワンレーダーといって、日本もアメリカも同じレーダーを使っているので、スケールメリットがあるわけですね。さらに言えば開発費の割り掛け、そして改良費の割り掛けもできるから安くなると。ところが、イージスアシュアの場合には、ロッキュードマーチン社の新しいスパイシックスレーダーというのを日本が独自に導入してしまった。失礼、スパイセブンレーダーを導入した。一方、アメリカは最新型のイージス駆逐艦には、スパイシックスという冷静音車のものを作っている。今度、スパイセブンレーダーというのは2台しか作らないわけですから、まずコスト面として高くなるのは当然なわけですね。これはアメリカ製と同じのにすれば割り掛けができたはず。そうすると導入にお金がかかるだけでなくて、廃棄までおそらく25年から30年使うわけですが、そのランニングコストも非常に高額になっていくんだと。これは本来であればスパイシックスレーダーの方に切り替えて、そしてまた船に乗せるというようなことをやめるということが必要だと思います。スパイセブンとスパイシックスでいうと、レーダーの一辺が1メートルほど大きさが違うものですから、非常にレーダー自体が大きくなって、その結果イージスシステム搭載感が40メートルという非常に太った船になっちゃう。この際、本来どうしてもイージスアッシュアを置くのであれば、その第一弾ロケットのブースターが落ちても安全な離島などに配備をするということ、船に乗せるという無茶なことをやめるということを、一度原点に戻って考え直す必要があるのではないかなと思っています。もう一つ、あと財源のお話ですが、防衛力強化資金というのは特別会計から持ってくる、あるいは国有地の売却益を当てる、あるいは釈量を防衛費に回す、いろ んなあちこちからかき集めて防衛費に回すものの一つですよね。その他に決算常用金の活用とか、あるいは歳出改革とかいろいろありますけれども、いずれにしても非常に不安定な財源であり、今回の防衛力強化資金についても、例えば国有地の売却で財務省の資料を見ると、これで今、我が国が売ることのできる国有地というのは、およそ4000億円程度しかないんですね。到底その2027年度に不足すると言われている4兆円のうち、税制措置で当てるという1兆円以外の3兆円、全然足りないということが言える。また土地や建物の釈量も、年間だいたい40億円ぐらいしかないんですね。これが全く安定財源でもないし足りないと。そう考えていくと、特に決算常用金なんかを見ていきますと、これは半分は国債の利払いに充てるし、半分は補正予算の原資に充てているわけですよね。それを全部防衛予算に回すとすれば、これは国債を発行すると。結局回り回って防衛費を国債で当てることはしないといった、1966年の当時の大倉大臣の答弁に違反するような形にならざるを得ないと。要はこの財源が何もはっきりしていないのに、去年岸田首相は確か内容、予算、財源を一体で検討するとおっしゃったんだけれども、結局決まったのは内容と予算だけで、財源を決めないままに決めてしまった。そこが今回大きな問題として残るのかなと。今回の法案が仮に通ったとしても、必ずしも安定した財源が永劫続くとは限らないのではないか。そんなふうに私は考えています。ありがとうございます。お二人の説明においては、大変いいお話をいただきました。先ほどのFMSの金額がどんどん大きくなることも含めて、そして5年後までに一定のスタンドオフミサイルや今の維持者昇和の話も含めて、実は高直化した防衛予算の使われ方をすることによって、小瀬哉先生の技術革新とか、新しい時代に応じたAIとかというものが逆に遅れるリスクはないかということを私も懸念をしているので、その懸念を表明して、私の質疑を終わりたいと思います。本当にありがとうございました。
54:05
公明党の横山真一でございます。今日は、小瀬先生、羽田先生には大変貴重なお話を伺いまして、大変にありがとうございます。まずはじめに、小瀬先生に伺いたいと思いますが、先ほどの質問の中にも、対話による危機回避というのが通用しなかったという話があって、それは国連の集団安全保障が機能しなくなっているんだというお話もありましたけれども、先生の事前にいただいた資料の産経新聞の世界を読むという中に、米欧がロシアの侵略が始まる前に、対話による危機回避を目指したが通用しなかったということが書かれてあるんですけれども、この米欧が何をしようとして、それがまた通用しなかったのかということを、まず少しお話をいただければと思います。小瀬さん、後任。はい。しばしば今、報道でも指摘されているのが、あるいは専門家が指摘しておられるのが、プーチン大統領はもう2021年の夏の時点で侵略の計画を立てていったと。これは第二次世界大戦のヒトラ ーもそうですけれども、戦争をする側は動員をかけますから、そういった意味では、いろんな準備が必要になってくるわけですね。あくまでもロシアは特別軍事作戦という言葉を用いていますけれども、したがってそれだけ準備をしていくと、その準備計画というものを途中で修正するというものが、非常に難しくなるわけですね。ですからロシアは私は最初から対話をする意思がなかったんだろうと思います。むしろ対話をするような姿勢を時に見せながら、軍事振興の責任が欧米にある、NATOにあるというロジックを作ることによって、自分たちの振興を正当化しようとしたんだろうと思います。重要なのは、相手の意思というものを見抜くということは、決して容易なことでも、場合によっては可能なことでもないと思いますけれども、相手が軍事力行使をどこまで決意しているのか、あるいは相手もまた軍事力行使というものを控えて平和というものを望んでいるのか、男女世界大の時代の時には、ヒトラーの意図というものを間違えていたわけですね。これは1936年に本格的にドイツがヨーロッパでの戦争計画を進めた時に、あるイギリスの内閣の閣僚はこういうふうに言っているんですね。我々の政策は依然として国際協力によって世界の軍備の制限と削減を追求するものである。それは国際連盟協約のもとでの我々の義務であり、また軍備競争を防ぐ唯一の手段である。このちょうどほぼ同時期にナチスはもう戦争計画を立てて、時間を決めて戦争をするつもり、そして後にはこの自分の意向が完全に欺く、相手を欺いたことをゲッペルスはある意味では分別して論じているわけですね。我々は戦争計画を立てているのに、イギリスは全くそれを見抜けていなかったということを分別しているわけです。ですから我々はそういった平和の可能性がどこまであるのかということを最後まで諦めとはならないんですが、対話と抑止というもの、そして防衛というものをいかにして組み合わせるか。私はその意味では今の東アジアにおいては、戦争というものは既定路線だと思っておりません。まだまだ対話というものによって、台湾の問題もそうですけど危機は回避できると思っています。ですのでこのウクライナの問題、つまりはプーチン大統領がおそらく前年の夏頃から軍事進行を計画していただろうという事情と、この今の東アジアの路線は私は同様だとは必ずしも思っておりませんので、そういった意味ではこの対話と抑止というものの組み合わせによって未然に私は危機を防ぐということが可能であるからこそ、逆に日本にとっては防衛費というものを増強する、防衛力を増強することが必要になっていると考えております。
58:19
ありがとうございます。もう一点補正先生にお伺いしたいんですけれども、今中国の話も出てまいりましたが、この先生の論考の中でですね、国内、力の真空という言葉を使われているんですけれども、力の真空というそういう場面が出てきたときには、そこに軍事進行を含めてですね、力による支配が入ってくるという、それを解決するには法の支配による信頼性を回復することが大事なんだというお話をされていてですね、一方で先ほどのお話の中で、今もウクラ イナの話が出ましたが、ウクライナの国民が学んだことは国際組織も国際法も、それまでのロシアとの交流も国際世論も、自国に対する軍事進行費を阻止するためには無力だったというお話があってですね、その法の支配による信頼性を回復して、またその価値観を共有する国々と連携を強化することがですね、こういう国際的な侵略を防ぐということになっていくんだと。そういう意味では日本外交というのは、今の中国というのを見たときに、僕は非常にこの中国の尖閣に対しての行動もですね、日本は何ら刺激するようなこともしてないのにですね、一方的にどんどん押し寄せてくるみたいな状況を見ていると、非常にこの威圧感というかですね、危機感を感じてしまうわけですけれども、こういう現状を踏まえて、先生のおっしゃるその法の支配による信頼性の価値観を共有する国々、こういう日本外交というのはどうあるべきなのか、教えていただきたいと思います。
1:00:38
はい、ありがとうございます。簡潔にお答えさせていただきますが、私は外交と防衛というものをいかに組み合わせるかということが鍵になると思っております。往々にしてこの外交と防衛というものは、2者、背反であるように論じられることがあるわけですけれども、私は一貫してこの2つをいかに組み合わせることが重要だということを考えてございます。例えば今回の国家安全保障戦略、日本の防衛力強化というものが柱となっておりますけれども、一方では5つのそのための手段として、外交が軍事力防衛よりも先に来ているんですね。最初に来て、私これ適切な考え方だと思います。つまりは外交というものを優先した上で、その上で同時に十分な防衛抑止力を備えるという考え方。さらには総合的な防衛体制という形で、単純に軍事力装備に依拠するだけでなくて、より幅広く日本の国力を用いて防衛力を強化する。例えば技術力というものも防衛力の根底に含まれると思っています。そういったものより幅広い裾野で日本が総合的な防衛体制を備え、さらには外交というものを日本の安全を実現するためのまず第一の手段と考える。そういった意味では、私は現行の新しい漢方戦略の示している方向性というものは適切なものだと考えております。
1:02:00
まずはな先生にお伺いしたいと思いますけれども、先生が強調で書かれた政策提言の戦争回避性というのを読ませていただいたんですが、その中に非常に興味深い部分があってですね、それは侵略側の真理が分析されているんですけれども、こちらの意思を軽視するかもしれない、あるいは損害を過小に見積もるかもしれない、いかなる反撃を受けても断じて情報できないと考えるかもしれない。これらはロシアがウクライナ進行で示した侵略する側の真理であるというふうに書かれてあってですね。ウクライナ戦争がどういう形で終結するかわかりませんけれども、それが少なからず今のロシアに対して黙認を続けている中国に対してですね、その影響というかですね、結果影響していくんだというふうに思うわけですけれども、中国の真理はわかりませんが、少なくとも中国側からすると中国を囲むようにフィリピン、台湾、日本があってですね、海を閉ざされているみたいに見えるかもしれませんが、我々は決してそんなことは考えていないわけで、そういう意味では中国は過剰に反応しているようには見えてしまうわけですけれども、こうしたウクライナ戦争が今後どうなるかわかりませんが、この少なからずそれが中国に影響を与えていくということを踏まえてですね、我が国はどのように中国に対していくべきなのか教えていただければと思います。(安田参考人)ありがとうございます。おそらく習近平国家主席は、今回のウクライナ戦争の成り行きというのを息を殺して見つめていると思いますね。戦争に突入した戦いというのは様々語られていますが、しかしながら一方的に武力で進行したということ自体、これは誰もが非難に値すると考えているところだと思います。そのプーチン大統領が一体この戦争を続けていて、いつまでこの最高権力者の座で居続けられるかということは、自分に とっても非常に参考になることだというふうに見ているのだろうと思っています。去年の中国共産党大会で習近平国家主席が総書記を続投して、今年の3月の前陣代では国家主席を3期目に入ったわけですよね。去年の共産党大会で習近平氏は、台湾の統一について武力の放棄は約束をしないということを言いました。今回開かれたシャングリラダイアログで中国の国防大臣が同じことを言っているわけですよね。つまり中国にとってのレッドラインというのは台湾の独立なんだと。また一方で中華人民共和国が1949年に建国されて以来、台湾というのは自国の内政問題であると、そして一つの中国だと。革新的利益なんだということを言い続けていて、将来の統一というものが必ず果たさなければならない。この中国共産党の責務であると考えているわけですね。今おそらく中国が気にしているのはアメリカの動向だと思います。特にバイデン大統領になってから台湾を防衛するかという質問をされて、3回イエスというふうに答えているわけですね。一度などは昨年の5月の日米首脳会談を日本で行った後、岸田首相と並んで行った記者会見の場で、同じ質問を投げか けられてイエスと言っていると。ということはアメリカは直接台湾との関係というのは、いわゆる貿易上の関係、および台湾関係法に基づく防御的兵器の売却というような、いわゆる商売上の関係、そういったものしかないはずなのになぜ台湾を防衛すると言っているんだと。そこが今中国にとって大きな疑心暗鬼になっているということだと思うんですね。またアメリカの中では残念なことに共和党、そして民主党を超えて、対中強硬策というものが支持をされやすい形になっていると。そうなっていくと、中国をますます刺激していくような流れになっていくだろうと思うんですね。ここで我が国が取るべき手段として、今昨年の安全保障関連三文書によって、敵基地攻撃能力の保有を決めました。同時に、南西シフトが具体的に強化されることが盛り込まれていて、第15旅団、那覇市にある陸上自衛隊第15旅団の師団課であったり、あるいは那覇病院の地下課であったり、そしてもうすでに宮古、石垣、そして奄美大島に地対艦ミサイル、地対空ミサイルの部隊ができていて、我が国として、中国が南西諸島に侵攻しようとすると、その意思を挫くための能力は十分今身につけたというふうに考えている。しかしながら、今回の敵基地攻撃能力の保有によって、これらの離島に中国まで届く長射程のミサイルが配備されるということになっていけば、これは中国にとっても一段と身構える姿勢が強くなるということ。同時に、これは台湾有事で、アメリカが参戦するときに、アメリカ側について中国と戦う意思を示しているのではないかというふうに誤解をされる可能性があるわけですね。これはそうじゃないですよと、我が国の攻撃的兵器というふうにあなたたちが言っているものは、防御的な兵器であって、これは決して中国を攻撃するものではありませんよということを、言葉を尽くして説明をしなければいけないわけですね。ですから今回、敵基地攻撃能力の保有という言葉は3文書に書き込まれましたけれども、一体じゃあ攻撃対象がその敵基地にとどまるのか、あるいは四季統制機能まで実はやるつもりでいるのか、またその攻撃の着手のタイミングとは何なのかということを、これを外交を通じて明らかにして、日本の考えるレッドラインというのはこれなんです。従って我々は何一つ先週防衛の考えが変わっていませんよということを明確に説明する責任があると思います。そういった外交を展開していく必要がある。今一つ説明が足りないというような印象を私は持っています。はい、貴重なご意見ありがとうございました。まだまだお聞きしたいことがあったんですけれども、時間になりましたので終わらせていただきます。
1:09:36
おはようございます。日本史の会金子道人でございます。本日は両参考人の貴重なご説明、ご意見本当に敬重させていただきました。ありがとうございました。早速質問させていただきたいと思います。細谷先生にまず最初にご質問したいと思うんですが、すでに何回か質疑の中でも出てきました大砲とバターについて、私もそこから一つご質問したいと思っております。我が国は防衛費も倍増、そして子ども子育て予算も今回倍増ということで、大砲かバターかではなくて大砲もバターもということで今国の舵が切られている、そのような考えだと思いますが、他方で先生がご説明いただいたパックスブリタニカの中の健全財政が世界の安定に非常に重要であったというご意見もまた貴重だと思います。大砲もバターもという中で財政をどのように健全に保っていくのか、先ほど先生その中で日本の鍵になるのは技術革新であると。技術革新によって少ないコストで防衛力を強化していくことが今日本に求められていることではないかというご提言をいただきました。それもまさにそのとおりだと思うんです。ただこの少ないコストで防衛力を強化するための技術革新を行うということは、日本の社会全体の中で非常な危機感というんでしょうか、このままでは国も持たないのではないかというぐらいの危機感を持って、国民全体がその革新を努力していく、そのような雰囲気が必要だと思っております。我が党はそのような意味でも、その歳出改革こそが今重要なんではないか。パンもバターも大砲もということをするのであれば、まず無駄を省いていく抜本的な行財政改革が必要、非常に重要ではないか。それに国民全体が一致して取り組ん でいく必要があるのではないか、そのように考えておりますが、細谷先生に是非、専門と少し違うかもしれませんが、我が国に対しての提言であったり、現在の各国の取り組みであったり、このような状況の中での歳出削減、行財政改革について最初に御提言いただければと思います。
1:12:00
金子先生からとても重要な論点を御提示いただいたと思っております。私は財政が専門ではございませんけれども、冒頭に申し上げたような大砲とバターをどういうふうに最適な均衡点を見つけるか。これが日本の国力、あるいは日本の将来にとって鍵となってくる重要な要素だろうと思っております。その上で私が考えますのが、私の専門であるイギリスを例に申し上げますと、イギリスでは当然ながら、先ほども少し触れましたとおり、今回のウクライナ戦争を受けて、さらに従来の2.0%の防衛費用を2.5%まで増やすということを、津田副首相が述べております。当然ながら国内に様々な抵抗や批判もございますけれども、イギリスの場合はスペンディングレビューという、つまり歳出のレビュー、見直しですね。つまり定期的に歳出というものがどの程度健全に行われているかという、このレビューというものが非常に根付いた文化があると思っています。ですから政策として、例えば将来どうなるかということはなかなかわからない中で、予算を汲み、また、歳出をするわけですから、やはりそれを定期的に点検していくというのは私は鍵になるだろう。言い換えると、当然ながら、私は今回防衛費、防衛関連費を大幅に増やす中で、本当に必要なものと、実は実際に検討を導入したとき、整備したときに、そうではないものがあるんだろうと思います。そのそうではないものをいかにして検証するか、先ほどの半田先生の冒頭でのご報告は、そのような点にも関連していらっしゃったのだろうと思いますけれども、いかにして一度死出したものというものを検証し、そしてその中で不要なものというものを変更していくか、これがやはり私はイギリスと比べたとき、日本はまだまだ検討の余地があるんだろうと思っていま す。そういった大幅な防衛力増強のための、強化のための支出が必要であるということとセットで、おそらくそういったイギリスが定期的に行っているスペンディングレビューと同じような形で、この防衛支出の中で本当に必要なものと、そうではないものというものを、事後的な検証というものをより積極的に行っていくのが鍵ではないかと考えております。ありがとうございます。
1:14:27
ありがとうございます。我が国であれば、行政事業レビューがイギリスのスペンディングレビューと対比される制度であるかと思うんですが、制度があったとしても、実際にそれが実効的に行財政改革につながっているかどうかというところは、検証する必要があると思います。私もこのイギリスのスペンディングレビュー、また勉強させていただきたいと思っております。続いて、ハンダ参考人にご質問させていただきたいと 思います。ご説明の中で3点、ポイントがあったかと思います。まず最初は、FMSの増大による国内防衛産業が圧迫という点。2つ目は、現場の意見を十分に反映していないような防衛力強化の内容が行われている。3つ目が、国内防衛産業の開発能力に対して疑問がある。その3点が先生のご説明のポイントではなかったかと理解しております。9ページ目に、検討すべき事項という形で懸念の表明がされているわけですけれども、ぜひ先生にこの検討すべき事項を踏まえて、具体的に提言として、先生はどのようなことを先生の立場で考えておられるか、どのような形にすることが防衛力の実質的な強化につながるとお考えか、この検討すべき事項を踏まえた提言をお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
1:15:51
どうもありがとうございます。今、防衛省の中を見ますと、もともといわゆる官僚組織である内部部局、これは内局といいます、それと制服組である各幕僚幹部、この距離が今非常に開いている時期になっていると思っています。本来であれば、これは同じ防衛省という役所の中で医師疎通をして、そして現場で武器を使うユーザーである制服組の意見を聞いた上で、そしてまたそこに無駄はないかとか、あるいは誇張はないかと、そういったことも精査をした上で、我が国の防衛予算というものを今までは作ってきたんだというふうに理解しています。ところが、ここ近年を見ていますと、背広組の皆さんがどうも上の方を見ていると、よく言われることは首相官邸、内閣人事局ができてから、他の役所と同じように官邸の方の顔色ばかり見るようになっていったと、官邸のご意向という形で、むしろそれが下に降りてきて、こういった武器を買うという方向で検討しているから、よろしくねみたいな話になってくる。先ほどご紹介したグローバルフォークはその典型でして、陸海空ともどこも手を挙げていないけれど、内局が政治案件として入れているものですね。また、オスプレイもそうですね。これは沖縄県の普天間基地に海兵隊が24機配備をするというときに、沖縄から強い反対運動が起きて、であるならば防衛省自衛隊が勝って安全性を証明すればいいだろうということになって導入してきたと。これは陸上自衛隊が運用していますけれども、このオスプレイ導入を決めた当時、陸上自衛隊にはCH-47という大型ヘリコプターが55機あって、アメリカ陸軍に次ぐ2番目の保有台数を誇っていたわけですね。空飛ぶロールスロイスとも言われて、大型で高速のヘリコプターを大量に持っていたのになぜオスプレイが必要かと。このあたり、つまり現場の意見が内局を通じて政治に逆に上がっていかなくなったと。これによって非常に歪んだ形の防衛予算の執行が続いているのが今ではないかというふうに思います。特に私が覚えてますのは、2018年の12月に防衛計画の対抗を改定する際に、護衛艦出雲型の空母化が決まったことですね。出雲型護衛艦というのは本来は、これやってくる外国の潜水艦をいち早く発見して、それを撃退するためのいわゆる防御型の艦艇として開発され、その通り運用されてきたわけです。これを空母に変えるということは、まさに攻撃的兵器に変えるわけですから、本来、先週防衛である我 が国が果たすべき対潜水艦船の大きな欠落が生まれることになった。これ今、出雲型護衛艦、これは出雲と加賀の2隻がありますけれども、時には空母型、時には対潜水艦専用というふうに使い分けると言ってますが、もともとこれは対潜水艦専用に設計された艦艇ですから、そのトップヘビーになって、つまり選手が重たいわけですね。到底その空母型の船として使うのはふさわしくない。新しく別に作った方がむしろ安いぐらいなんです。そういった中途半端なことを、これ防衛計画の対抗の時に、閣議で出雲型護衛艦の空母化を決めてしまったわけですね。私その当時、現職の東京新聞の記者として防衛省を担当していて、海上自衛隊の皆さんの落胆する顔というのはずっと見ていました。本来今までの話と全然違う話が上から降りてくるようになってしまった。そういった意思疎通の悪さ、そして妙な政治決定というものが続くことによって、我が国の防衛の体制というものが歪んできているのではないかと、いうことが言えるだろうというふうに思います。先ほどの3つの意見ですね。あとは開発能力の問題ですけれども、これらはある意味やってみなきゃわからないというところもあります。ただし一度にですね、この同時にこれだけ多くのものを開発をしていくということは、およそ防衛省自衛隊にとって経験したことがないぐらいの同時開発であり同時量産開始なんですね。1つのものを計画をしてスタートするまで、今まで大体7年から10年かかっているのが普通だったんです。それが急に去年の閣議決定に合わせて、これもこれもというふうにどんどん急激に乗っていったと。これは能力を超えるようなものを今やろうとしてないだろうかと。これ将来のことはよくわかりませんけれど、将来おそらく加工を残すポイントってのはどこだったかというふうに考えていくと、大風呂敷を広げてその枠を埋めるような形で、さまざまな国産兵器あるいはFMSによるアメリカ製兵器の爆害をしたことだったのではないか。そんなふうに反省する日が来ないように、今からでもきちんとこの防衛予算の中身を再検証して、必要でないか必要なものであるのかということを見極めた上で、もう一度考え直す必要があるというふうに思います。
1:21:32
ありがとうございます。貴重な御意見、また受け取って検討させていただきたいと思っております。もう時間が迫っていますので最後になるかと思いますが、補瀬谷参考人にお伺いしたいことがございます。今、AIや無人機ミサイル開発などで、非常に技術開発水準が高まって研究開発機が高騰している、そのような指摘が4ページ目にございますが、日本は今、磁気戦闘機に関して国際協力を行って、共同開発をしていくということが進んでいますけれども、サイバーやAI、無人機、そういったところでの国際協力による共同研究開発、その可能性について教えていただけますでしょうか。
1:22:23
ただいまいただきました御質問も重要な点かと存じます。日本がイギリス、イタリアと共同開発をして、磁気戦闘機を開発導入する方向へと、今、検討を進めているようでございますけれども、やはり今、先生がおっしゃられたとおり、研究費、開発費が今、非常に大きな額となっております。どの国も一国単位でそれを開発し、そして整備をするということは難しくなってございますので、F35、先ほど出てまいりましたF35も、これも国際共同開発、もちろんこれはアメリカ中心ということでございますけれども、したがって、いかにしてどのようなコーディション、国際的な連携を作るかということが、これは民間レベルでもグローバルサプライチェーンという形で、iPhone一つ取っても、これは日本の技術、韓国の技術、台湾の技術、