19:35
これより会議を開きます。文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めま す。学校教育に関する実情調査のため、去る5月31日、江戸川区立松江第一中学校の視察を行いました。参加した委員は私をはじめ、議事委員17名でした。
20:00
この際、参加委員を代表いたしまして、その概要をご報告申し上げます。松江第一中学校では、令和4年度から東京都の不登校児童生徒支援調査研究事業の指定を受け、デジタル機器を活用した教育支援や課外教員を中心とした不登校対策のための体制の構築に努められているとのことから、視察先といたしました。
20:27
現地では、最初に生徒一人一人に応じた指導支援を行うためのエンカレッジルームやカウンセラールーム等を視察し、施設を有効に活用するための様々な工夫や、実際にエンカレッジルームを利用している生徒が、デジタル機器を使用しながら在籍教室の友達とともに学んでいる姿を目にすることができました。
20:53
また、スクールカ ウンセラー及びスクールソーシャルワーカーと意見交換を行い、新型コロナウイルス感染症が子どもたちに与えた影響の大きさや、学校における心理福祉に関する専門人材の果たす役割の重要性を再確認することができました。次に、東京都教育委員会から、東京都のいじめ総合対策に基づくいじめ防止対策の取組や
21:21
NED教材を活用した学校における自殺予防教育等の取組についての説明を聴取いたしました。また、江戸川学立教育委員会からは、全ての公立学校に個別の支援を行うためのエンカレッジルームを設置する等の不登校対策の取組について、また、松江第一中学校からはデジタル機器を活用した不登校支援等の取組についての説明を聴取いたしました。
21:49
その後、松江第一中学校における不登校・いじめに関する小学校や高等学校、警察との連携状況や、東京都や江戸川区におけるフリースクール等の民間団体との連携状況、不登校対応の教員の過剰や予算の状況などについて、意見交換を行いました。以上が視察の概要でございます。
22:15
最後に、今回の視察に当たりまして、御協力いただきまして皆様方に心から感謝を申し上げまして、御報告とさせていただきます。この際、お分かりいたします。本件調査のため、本日、政府参考人として、内閣府大臣官房原博明君、大臣官房審議官畠山貴典君、大臣官房審議官上村昇君、大臣官房総合政策推進室副室長原紀史さん君、子ども課程庁長官官房審議官黒瀬俊文君、文部科学省大臣官房持月忠志君、大臣官房分教施設企画防災部長笠原隆史君、
23:09
総合教育政策局長藤江陽子君、初等中等教育局長藤原昭雄君、高等教育局長池田孝君君、高等教育局私学部長森剛志君、研究振興局長森昭則君、研究開発局長千原義行君、文化庁次長杉浦久博君、気象庁地震火山部長青木健君、
23:38
防衛装備庁技術戦略部長堀江勝博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
23:59
おはようございます。自衛民主党の池田義隆でございます。
24:06
本日は文化委員会、2年ぶりに質問の機会をいただきました。誠にありがとうございます。さて、2年前の令和3年5月28日、全国民を代表する衆参両院、全ての国会議員の賛同を得まして、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が可決成立いたしました。
24:33
質問に入ります前に、本日は新法成立の振り返りから始めさせていただきたいと思います。懲戒免職処分となって教員免許が執行取り上げになった者が、3年の欠陥期間を経た後に、再交付の申請をすれば審査も何もなしに教員免許が再び交付される。言い換えれば、再交付申請があれば、都道府県教育委員会は黙って教員免許を再交付せねばならない。と規定された教員免許法の不合理を、およそ7年前から唱え、その懲戒免職処分となった教員の7割から8割が、なんと、児童生徒に対する猥褻行為、性暴力による懲戒処分であったという事実に、深刻恐慌を致しました。そしてその時から、教員による性暴力根絶に的を絞った教員免許法の改正に
25:29
執念深く長年取り組ませていただいたわけでございます。本委員会の質疑におきましても、7年前の平成28年に始まり、令和になってからも毎年、この問題を取り上げさせていただきました。およそ3年前の令和2年7月22日、本委員会における私の質問に対しまして、
25:54
当時の萩浦文部科学大臣は、子どもたちに対して猥褻行為を行った教員が二度と教団に立てないようにするための教員免許法改正案を、来年の通常国会において、内閣提出法案として出したい旨、ご答弁されました。しかしながら、その年の12月25日、教員免許法の改正案提出は断念する、
26:21
文科省は発表したのであります。子どもたちに絶対に渡してはならないクリスマスプレゼントだと意気通った私は、共に文科委員会理事だった公明党の浮島智子衆議院議員と共同し、政府、文科省が法案を出さないのであれば、議員立法によって法律を作り上げようと堅く誓い合ったのでありました。
26:47
この立法の難しさは、憲法に定める職業選択の自由と、子どもたちの生存権そのものともいえる人としての尊厳とのバランスをいかに図るのか、さらには、刑法に定められている一定の期間を経過すれば、善かがなかったことになる、という刑の消滅との整合性をいかに図るのかにありました。
27:15
そこで児童生徒に対して、歪説行為・性暴力を行い、懲戒免職となった元教員への教員免許の再交付に当たっては、当該元教員が生涯にわたって、二度と児童生徒に性暴力を行わないかどうかの審査をした上で、絶対に行わないということが証明されない場合には、免許需要権者である都道府県教育委員会に対して、
27:44
教員免許の再交付を拒絶することができる、いわゆる採用的拒絶権を付与する規定といたしました。そして、その審査の際には、生涯にわたって自分自身が絶対に性暴力を行わないことの許証責任を児童生徒に性暴力を行った元教員の側に負わせることといたしました。
28:10
また、刑の消滅という法の壁を乗り越えるために、懲戒免職という消滅させる必要のない行政処分の履歴を活用したデータベースの作成を規定することといたしました。そして、教員を採用する際には、児童生徒への性暴力による懲戒免職の履歴がリアルタイムで反映されるデータベースの閲覧を義務化して、
28:37
教員が再び教員に採用されることを防ぐ手立てとしたわけであります。万が一にも、そのようなものを採用し、再び児童生徒・性暴力が行われた場合には、採用したものにも賠償責任が発生することとなります。この進歩によって、教員免許再交付と教員採用のときに、
29:02
もともなく高いハードルをつくり、事実上二度と外接教員を教団に立たせないようにしたわけであります。立法事実と向き合ってから右翼が屈折、実に五年の歳月を要しましたが、不詳、私の発案を活かしていただいたこの法律が、私自身が帰籍に入った後でも将来にわたって
29:27
子どもたちの尊厳を守る仕組みとして機能することは、この議員立法の提出者として、近海に絶えない次第であります。改めて、この進歩、作成に関わっていただきました、すべての皆様方に心からの感謝を申し上げたいと思います。そこで大臣にお伺いをいたします。
29:49
法律が施行されたことによって、教育委員会、学校管理職や教員の方々の児童生徒への外接行為、性暴力防止に対する意識は、どのように変わったと受け止められておりますでしょうか。大臣のお考えを、ご回答いただきたいと思います。
30:14
池田議員、大変ご尽力いただきました教育職員性暴力等防止法が、衆参全会一致で成立したことは、児童生徒等への性暴力等を絶対に許さないという立法府の強い意思を示すことになったものと認識をしております。
30:35
一方で、極めて遺憾ながら、本法の施行後も、児童生徒、性暴力等に対しまして、本法の趣旨を十分に踏まえられていないと見受けられる対応というのも、未だあるものと承知をしております。児童生徒等の尊厳と権利を踏みにじる性暴力等は、いかなる理由であれ、断じて許されるものではありません。
31:04
性被害は、たとえ一人でも多すぎるわけです。文部科学省といたしましては、児童生徒、性暴力等を行った教育職員等は、原則として懲戒処分、懲戒免職処分とすることの徹底を図るなど、教育職員等によります性暴力等を根絶するという断固たる決意のもとに、全力の力を注いでまいりたい、そう考えております。
31:35
大臣、力強い御賜命ありがとうございました。ただ、新法施行後の現在も、外説教員に対して厳格な処分を規定していない教育委員会が散見されるのも事実であります。大臣の断固たる決意で、外説教員には懲戒免職処分を徹底させていただきたい、切にお願いを申し上げたいと思います。
32:01
さて、この新法が成立したことによって、保育士の幼児に対する性暴力の防止策についても、児童福祉法の改正によって同様の仕組みが確立して、この4月から施行されることとなりました。ただ、その起点となったこの法律が、確実に運用されれば、子どもたちを性暴力から守るという立法府の意思が、我平に終わってしまうのは、言うまでもないことであります。
32:27
先日も、生徒に対する性暴力で懲戒免職となった元教員が、被害生徒は精神的損害を受けずに卒業している。性行為に計画性はなかった。だから、退職金不支給となる懲戒免職は、不当に思い処分だ、などと主張しているとの報道に接しました。
32:52
私の記者として、失格と言わざるを得ないこのような教員が現実に、今も生徒の前に存在している。そんな恐ろしい事実を我々は直視せねばなりません。新法を駆使して、子どもたちを教員による性暴力から守り抜いてくださいますよ。改めて、関係各位に強く強くお願いを申し上げたいと思います。
33:16
さて、このように、保育所、幼稚園、小中高等学校、特別支援学校においては、子どもたちを性暴力から守る仕組みがやっと出来上がりました。しかしながら、本年4月6日の読売新聞に衝撃的な記事が掲載されました。早稲田大学と同大学で学生に性暴力を行った教授に対して、東京地裁が賠償を命じたとの報道であります。ここまでは法制度によって 、教員による性暴力から守られる子どもたちが、大学に入学した途端に教授等の性暴力にさらされる。こんなことは決してあってはならず、絶対に許されてはならないことであります。大学には学問の自由の確保のために、大学の自治が認められております。しかしその大学の自治は、高等教育機関として学生の尊厳を重視した責任ある判断が出来てこそ認められるものでなければなりません。当たり前のことであります。ここまでは教員が児童生徒性暴力を行えば、招回免職が原則となった現在の日本にあって、大学によっては学生の性暴力を行った教授への招回処分がなんと出勤停止なのかという判断をした教授会がありました。国民感覚とは随分かけ離れた処分だと思います。当時文科副大臣として担当者に強く求め、大学における性暴力防止のための通知を発出させることといたしました。また一方、とある国立大学のハラスメント防止ガイドラインには、セクシュアルハラスメントの例として、執拗にまたは強制的に性的行為に誘ったり、交際を求めたりすること、強引に接触及び性的な行為を行うこと、上記を一視したストーカー行為などを行うことと例示されておりました。このようなガイドラインは大変意義のある重要なことだと思います。しかしながらこの例示された内容はすべて刑法に触れる犯罪行為そのものであります。私は昨年初め、文科副大臣として小中高等学校等におけるいじめと称される行為で、教員が担う生活指導の範疇を超える確実に犯罪行為に該当する者は、学校で抱え込むことなく警察に直ちに通報すべき旨の通知を発出するよう、強く主張いたしました。そしてまた教育委員会や学校教員に責任のすべてを押し付けるのではなく、どのような行為が警察と直ちに連携すべき事例なのかを、文科省が具体例を詳細に明示することによって、学校が躊躇することなく犯罪いじめについては直ちに警察へ相談通報できるよう、指示をさせていただきました。本年2月7日に発出された藤原明雄書等中等教育局長名の公文通知には、直ちに警察に相談通報せなければならない具体的な犯罪いじめの事例と犯罪類型が、19項目にわたり詳細に明示されました。警察と連携した学校を評価するとまで記された、いじめに対する学校現 場での対応を大転換させる前例のない公文通知だったと思います。文科省におかれましては、今後の学校と警察との連携実態について、しっかりと注視していただきますようお願いを申し上げたいと思います。さて、学校における犯罪行為に対する警察との連携について、ルールを述べさせていただきましたが、小中高校と同様に、学校教育法第1条に定められる学校である大学も同じではないでしょうか。特に教授による学生への性暴力といった犯罪が行われている場合には、警察へ相談通報することは、法で定められた責任ある教育機関として当然のことであると考えます。そこで文部科学大臣にお伺いをいたします。大学において、教授等による学生への性暴力の根絶は、一刻の猶予も許されない、喫緊の課題であると考えます。これらの犯罪行為に該当する性暴力が生じた場合には、警察に適切な相談や通報が行われているのかどうかも含め、すべての大学に対して、まずは性暴力に対する実態調査を速やかに行っていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
38:19
お答え申し上げます。大学における性暴力等の事案に関しましては、文部科学省といたしましても大変有料しておりまして、中止をしているところでございます。教育機関である大学において、性暴力などが生じることはあってはなりません。文部科学省といたしましては、大学等の構成員は、学生に対する性暴力等を決して行ってはならないことや、各大学で取り組む事項につきまして、昨年11月にすべての大学に通知をしているところでございます。こうしたことを踏まえまして、全大学を対象に実態調査を実施する予定でございますが、まずは、本通知の取組状況を速やかに把握するために、国立大学法人を対象に調査を開始いたしまして、本調査におきまして、警察等の学外の関係機関との連携についても確認しているところでございます。本調査の結果も踏まえまして、犯罪行為に該当するような性暴力が生じた場合の警察への相談や通報など、各大学における適切な対応をしっかりと促してまいりたい。そう考えているところです。
39:39
大臣、ありがとうございました。ぜひ、まずは早急な実態把握をお願いしたいと思います。大学において、教授等による学生の性暴力を根絶させるためには、性暴力を行った教授等は懲戒解雇など厳格な処分にすべきことを、文科省として明確に意思表示するべきだと考えます。もし教授会がそれに反対するのであれば、どの大学の、どの学部の教授会が、大学の自治や学問の自由の美名のもとに、学生の尊厳を踏みにじっているのか、また学生に対する性暴力根絶に後ろ向きなのかを、文科省は今後、国民に公表を検討すべきかと思います。そこで、最後に、長岡文部科学大臣にお願いがございます。教育職員等による児童生徒性暴力等の、防止等に関する法律を踏まえた上で、大学における教授等による学生に対する性暴力は絶対に許さない。大学な処分を行うべきであるとの意思表示を、長岡大臣から明確に発信をしていただけないでしょうか。学生の皆さんが安心して、大学で学び続けられるよう、ぜひとも文部科学大臣としての教授をもって、力強い前向きな意思表示をよろしくお願いをいたします。
41:22
性暴力等は、個人の権利を著しく侵害し、生涯にわたって、回復しがたい紳士に対する重大な影響を与えるものでありまして、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針におきましても、魂の殺人とまで書き込まれております。教育者として指導する立場にある教員が、学生に対して性暴力等を行うことは断じて許されないことであります。文部科学省といたしましては、昨年11月にすべての大学に対しまして発出した通知におきましても、このような基本姿勢を明確に性暴力等を行った大学等の教職員に対しては、懲戒解雇も含めた懲戒処分などの厳正な措置を行うように示してきたところでございます。本調査の結果も踏まえまして、犯罪行為に該当するような性暴力が生じた場合の警察への相談や通報など、各大学における適切な対応、これをしっかりと促してまいります。
42:38
大臣の力強い御回答、ありがとうございま した。一心を応じいただきました。魂の殺人を教育者には断じて行わせない。行ったものは大学教授であろうと、解雇相当の厳正な処分を行うべきと考える。文部科学大臣の力強い意思表示、ありがとうございました。大臣、何卒よろしくお願いを申し上げます。私は、初当選以来、10年以上にわたり、教員による性暴力が根絶する安全な、そして安心できる教育環境づくりに、全身全霊を傾注してまいりました。教員による性暴力防止法を、議員立法でつくることができたこと、そしてそのことにより、教育機関における性暴力根絶に向けて、時代が大きく動いてきたことを、大変ありがたく思っているところでございます。教育関係者はもちろんのこと、私たち大人には、国の宝である子どもたちの教育環境を守る責任がある、いうことを、改めて本委員会、全委員の皆様方と共有させていただき、本日の私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
44:17
公明党の山崎雅也です。本日も質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。早速質問に入りたいと思います。一昨日、5月31日に文部科学省より、公立学校教員採用選考試験の早期化複数回実施等について、方向性の掲示が行われましたが、これは近年の教員採用試験の受験者が減少し、令和4年度の採用倍率は小学校は過去最低の2.5倍、中学校は4.7倍となっている。そんな状況を打開しようと、文科省は昨年10月に採用試験の在り方に関する協議会を立ち上げ、その間での協議を経て、一昨日の発表となっておりますが、今回その中で、大きな方向性として、採用試験の実施時期を全国的に早めて、令和6年度に関しては6月16日を全国の教員採用一時試験の目標にして、教員一時試験の日程の目安にしてほしいという風な打ち出しが行われました。このことに関しては、実は私も大学の先生から、民間企業をはじめ、国家公務員や地方公務員の採用試験の日程が早まる中で、教員採用試験だけは7月に一時試験、8月に二次試験、9月か10月に合格発表というパターンでは遅すぎる。やはり学生を早く決めたいという気持ちが働くので、せっかく大学に入学して3年間教職課程をとって頑張ってき たのに、民間企業に行ってしまうというお声がありましたので、本当に良い方向性の掲示だと思っています。しかもそこで考えられる課題、例えば教員採用試験が早まることに対する試験問題作成の負担の軽減、教育実習との時期の兼ね合い、臨時教員への配慮等の対策も、時間の関係でここで一つ一つ申しませんが、しっかりと現実的な内容で対応が示されており、良い掲示だなと高く評価しております。ただこの問題の肝というか、狙いでいうと、先ほども言いましたように民間企業をはじめ、国家公務員や地方公務員の採用試験の日程との兼ね合いですので、それでいうと正直私の感覚でいうと、まだまだ遅いのではないかなという思いもあります。そこで教員採用試験の第一次選考の実施日程については、来年度は一旦6月16日を一つの目安、今日準備としていますが、企業や他の公務員試験の情勢を見ると、日程のさらなる前倒しをする必要があるのではないかと思いますが、大臣の見解をお伺いします。
46:54
お答え申し上げます。教員採用選考試験の実施時期につきましては、民間企業や他の公務員においては、就職活動等の時期が早まる中で、少 なくとも20年以上大きな変化が見られておらず、教員採用試験の倍率が低下傾向にある中で、実施時期の早期化につきまして、大変課題意識をもって、昨年10月以降、教育委員会、大学等の関係者との協議を行ってまいりました。5月31日に行いました方向性の提示においては、これまでの議論の中で挙げられました問題の作成の負担ですとか、教育実習等の調整等の課題点を踏まえつつ、第一次選考の実施日については、まずは来年度は6月16日を一つの目安、標準日といたしまして、地域の実情を踏まえながら、できるだけ前倒しを検討いただきたいとお示しをいたしました。一方で、実施時期の早期化はこれで十分だと考えているわけではございません。更なる前倒しも含めまして、来年度の各教育委員会の対応状況も見ながら、引き続きまして検討していきたい、そう考えております。
48:22
ありがとうございます。実は私の地元の高知県では、実は6年前、2017年から教員採用試験の日程を前倒しして、全国で一番早く実施していました。今回示された6月の第2週に行われており、今年も6月17日に行われる予定ですので、来年早める教育委員会は最初は負担感があるかもしれませんが、高知県など実際にやっている教育委員会がありますので、できるのはできるのではないかというふうに思います。今回、採用試験の総額と並んで提案されている複数回実施も考えた場合に、やはり教育委員会の負担を考え、今回言及のあった一次試験問題の共同実施、これは非常に重要であるなというふうに思います。今の教員不足は国家的な課題ですので、全国で一緒にやれることは、一緒にやって負担を軽減してやっていくというのは非常に重要なことであると思いますので、こちらの方も何卒推進をお願いいたします。次に、ここが今回の質問で一番訴えたかったことですが、今回の方向性の掲示の中で、令和5年の末から始まる定年の引上げ、2年に1度、1歳ずつ65歳まで段階的に引上げられていくんですけれども、これへの計画的な対応が重要として、定年が引き上げられる年度においては、退職者数が減少することになりますが、年度によって新規採用数を大きく増減することなく、安定的に新規採用数を確保することが重要で、対象者枠とは別に、これまで臨時講師等の非正規教員に活用している枠をですね、正規教員に置き換 えると、正規教員の採用枠を拡大する取り組み、非正規教員の割合抑制を進めるべきと示されています。これに関しては、今回の採用試験の在り方だけでなく、現在の日本の教育の最重要課題ともいえる深刻な教員不足問題の肝にもなってくる問題であるというふうに思います。教員不足の問題については様々な議論がなされていますが、その中で私が本質だと思うのは、年度始め4月1日現在の教員配置、この段階で正規教員の人数が圧倒的に足りない状況が起きて、実はこの段階で各都道府県に登録されている臨時教員の先生が配置しきってしまっていまして、4月以降に起きてくる育休、産休、病休に入ってもらう臨時教員がいない、臨時教員がもうすでに4月で枯渇してしまっているという状況が起きています。結局その分は前回のときにも言いましたけれども、校長先生が退職者に何十人何百人も電話して、本当にやっていただいたり、もしくは教頭が担任に入る、ひどい場合には小さい学校では突然の休みの場合は校長先生も入って対応していると伺っていますが、要はその職場の先生方が本来の自分の職務以上にその決意となった教員配置分の仕事になってくれています。そのときにもその代わりが正規教員にしか担えない者が多く、正規教員の負担が急増しパンクしてしまうという負のスパイラルも起きています。2001年の義務標準法の改正や2004年の義務教育国庫負担制度を導入する改革によって、教職員給与費の総額半議内であれば教員の数、給与、待遇を地方自治体が定められるようになりました。しかしその後教員を正規雇用するための基礎定数はほとんど増加されず、増やされたのは単年度しか予算が保証されない、過剰教員定数が中心であったなど、様々な要因によりまして、平成4年の現状を見ると教員定数に占める正規教員の割合は全国平均で92%、一番少ない沖縄県では81.2%になっています。ただしこれは先ほど言った過剰教員定数は含まれていませんので、基礎定数に対する割合ですので、教育現場の実態でいうと、これ以上に非正規教員の割合が高いのが実情です。そこで、こういった状況の中、今回の方向性の掲示の中で、定年が引き上げられる年度において退職者数が減少しても新規採用数を大きく増減させず、安定的に新規採用数を確保する。正規教員の採用枠を拡大する取組、非正規教員の割合抑制を図る取組というのは、現在の教員不足の現状を考えても非常に重要なことでありますが、この取組への決意と方向性についてお伺いいたします。
53:03
お答え申し上げます。ご指摘の定年引き上げの影響につきましては、地域ごとに教師の年齢構成は様々であるものの、定年を引き上げる年度におきましては、退職者数が減少することから、新規の教員採用につきまして、計画的な対応が必要になると考えております。このため、5月31日の方向性の提示においては、各年度の新規採用数を平準化することに加えまして、各教育委員会の事実上に応じて、退職者分の枠とは別に、これまで臨時講師等の非正規教員に活用している枠を減らして正規教員に置き換えることなどによりまして、正規教員の採用枠を拡大し、非正規教員の割合を抑制していくことを要請したわけでございます。このことは、現在の教師不足が、3級1級取得者の急増ですとか、特別支援学級の見込み以上の増加などによる臨時講師等の需要増加に対する供給不足が主な要因であることを考えれば、中長期的に質の高い指導体制を構築していくことにもつながるという重要な取り組みと考えております。文部科学省といたしましては、今後とも各教育委員会におきまして、中長期的な採用計画の中で、目標とする正規教員の割合などを設定していただいて、その目標に向かって積極的に正規教員の採用を進めていただきたいと考えております。
54:55
素晴らしい取組の掲示だと思いますので、力強い推進をお願いいたします。以上で終わります。ありがとうございました。
55:15
立憲民主党の吉川はじめです。質問に入る前に、今朝、理事会で学校給食無償化法案、この国会では審議はないというような話があったというふうに伺っております。大変残念であります。首長さんの話を伺いますと、先進的な自治体市では、無償化をすでに始めているところもあります。ただ、これやはり財政がどれぐらい余裕があるかというのとも関係をしていて、やりたくてもやれない、そういう自治体も現に存在をしております。そういうことを踏まえて考えれば、自治体を末静にするのではなくて、国が無償化法という法律をつくって、そして日本中のすべての小中、そうした子どもたちの給食を無償にしていくということを進めていくことが、今本当に必要だというふうに思っております。次の国会での審議、そして成立に向けて、与野党の議員立法、実務者協議を進めるとも聞いておりますので、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っております。それでは質問に入らせていただきます。前回に続いて、今日の働き方について質問いたします。最初に、新年度、新学期を迎えての教員不足の問題です。昨年1月21年ですか、2年前ですね。教員不足が2558人、教員が不足している学校数が小学校で4.9、中学校で7%、これが文科省の調査で明らかになりました。私の地元大分でも、やはりこの4月、担任がいないクラスというのがかなりの数出ておりますが、文科省の調査から2年が経過しております。その後どういうふうになっているのかを教えていただけますか。
57:13
お答え申し上げます。教師不足の状況についてのご質問でございますけれども、今年度の状況につきましては、昨年度と比較してどのような傾向になっているか、また教師不足への対応として各自治体が取り組んで いる施策と、その具体的な効果も含めて、農文部科学省から各教育委員会に対しアンケートを実施し、現在それを集計しているところでございます。一方で令和4年度当初、昨年度でございますけれども、その当初における教師不足の状況につきまして、都道府県にヒアリングしたところ、ご指摘の令和3年度に比べ悪化したと答えた自治体が40、同程度と答えた自治体が22、改善したと答えた自治体が6という状況でございました。
58:03
今年の4月時点については今調査をされているということですが、昨年の傾向を含めて、またNPOの団体やあるいは新聞等の調査でも、さらに今年は悪化をしているのではないかという、そういうことも出ております。2年前に比べても教員不足がより顕著になって深刻化していると。これはこの2年間、文科省は働き方改革ということでいろいろな取組をやってきたはずなんですが、それでもなおこうした実態になっているということについては、これは真摯に受け止めていかなければいけないと 思っております。この教員不足、これ聞くとやはり教頭など、先ほども少しお話ありましたけれども、管理職をはじめ本来学級担任ではない教員を充てる、あるいは臨面の発行で対応する等々が言われております。ただいさえ忙しい学校、ここに教員にさらに負担を生み出すようなことにもなっている。新聞報道ですが、読みますと教員不足によって、簡単に言えば授業をする先生がいないということで、やむを得ず自習をする。4月の頭から自習の時間がある。もうけざるを得ないという話でありますとか、あるいは自分の受け持つ学級と担任不在の学級、この2つ、35人学級で言えば全部で70人ですよね。これを1人の先生が体育の授業を見ると、これ事故が起こりかねない、そういう実態もあると思います。子どもたちへの学びにおいて、教員不足、深刻な影響が出ていると言わざるを得ません。教員不足、これは成り手解消不足に向け、長期的な視野で対応しざるを得ない課題が存在するほか、教員の計画的な配置など、教育委員会が責任を負うべき課題と、文科省が国として責任を持つべき課題が存在しており、すぐに解消ということはなかなか難しいのかわかりませんが、機械勤等を担保する ためにも速攻性を持つ対策も必要かと思います。これ、今、全国でかなり深刻な教員不足が発生しておりますけれども、もし今、検討されているものが、この対策として、速攻性のある対策として検討しているものがあれば、教えていただければと思います。
1:00:39
委員、御指摘のように、教師不足の状況ということにつきましては、非常に危機感を持っているところでございます。令和3年度の実態調査を公表した後も、都道府県市教育委員会の教育会議を開きまして、現在教職に就いていない免許保持者の発掘ですとか、正規教員比率の向上などについて、要請を行ってきてまいりましたところでございますし、文科省といたしましても、全国各地の教師募集情報を一覧できるサイトの開設ですとか、現在教職に就いていない免許保持者に対する教職への入職支援、あるいは教師への仕事の関心を高めるための各教育委員会の取組への支援など、さまざまな取組を行っているところでございます。また、令和5年度からは、年度の初期ごろに産育休を取得することが見込まれる教師の代替者を、任命者、権者である教育委員会が年度当初から任用する取組の支援を行っているところでございまして、教職の魅力を向上するために、学校における働き方改革も含めまして、文部科学省教育委員会、学校現場が一体となって多角的な取組を進めていくことが不可欠と認識しておりまして、さらなる教師の成り手確保の取組を検討してまいりたいというふうに考えております。
1:01:56
次に、聴勤の実態について、前回は文科省が調査をいたしました教員勤務実態調査で質問をいたしましたが、今日はちょっと別の角度から少し質問をさせていただければと思います。今、配布させていただいた資料、その1ページの図1を見ていただければと思います。これ、産業別所定外労働時間を出したものです。教員については教員勤務実態調査、その横の都道府県政令市市区町村職員といった、地方公務員、教員除く地方公務員については、2021年度の地方公共団体の勤務条件等に関する調査、そして残りは、毎勤統計、これを1ヶ月あたりの聴課勤務、そこから抽出して聴課勤務を表したものです。黒い棒グラフ、これが小学校、中学校の聴課勤務時間。これ、見ていただくと一目瞭然だと思いますけれども、図抜けて多いという状況であります。全産業の平均が13.9時間、左側から6番目に書いてありますが、13.9時間です。人手不足が言われて、長時間労働がしばしば社会問題になる運輸、郵便、いわゆる物流関係ですけれども、これが26時間、確かに全産業平均のここは2倍になっています。それと比べて、小学校は41時間、中学校は58時間、中学校に至ったら、長いという社会問題化されている運輸関係よりもさらに2倍、つまり平均的な産業の4倍ぐらいの聴課勤務が行われている。しかもこれは、聴勤手当が出ない、そういう状況になっております。こんな状態だったら、どんなに意欲を、後ほどまた少しお話しさせていただきますが、意欲を持つ学生でも、やはり教職はやめておこう、こうならざるを得ないんじゃないか。前回の質問でも 、大臣、勤務実態調査、文科省のやった、これについて一定の進捗が見られると。確かに前回に比べれば少しはましになっていますけれども、それはもちろん、教員の過去と今と比べれば少しましになっているかもわかりませんが、全産業で見ると、もう突出しては悪いんですよ。この点について、どのように大臣、感じておられるのか、大臣の気持ちをぜひお話しいただければと思います。
1:04:43
吉川議員にお答え申し上げます。それぞれの調査におきまして、調査方法ですとか、推計方法、定義等に違いがありますので、一概には比較ができないというふうに思いますけれども、やはり令和4年度実施の教員の勤務実態調査の速報値によりますと、先生、今おっしゃっていただきましたが、前回の調査と比べて在校等時間が減少しており、成果が出つつあるというものでありますが、依然として長時間勤務の教師も本当に多くて、引き続きまして取組を加速させていく必要があると、そうしっかりと認識をしております。私といたしましては、文部科学行政の最重要課題の一つである働き方改革、処遇の改善、また学校の指導運営体制の充実と併せまして、これはしっかりと、二重点の決議でしっかり臨んでまいりたい、そう思っております。
1:05:47
もちろん調査が違いますから、定義等とも若干違っているとは思います。だから本当の意味で精緻な調査かというと、そこの部分についてはまだ改善の余地はあるかというふうに思いますが、見ていただきたいのはこの状況なんですよね。これは学生さんも知っているわけですよ。教職を目指そうと思って大学教育学部等を受けて、そして今教職課程に入っている人たちも、この実態、前回に比べて1日当たり30分ぐらい短くなりましたとか、