19:34
これより会議を開きます。内閣提出刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び性的な死体を撮影する等の処罰及び応酬物に記録された性的な死体の映像に関わる伝辞的記録の消去等に関する法律案の両案を議題といたします。他に質疑の申出がありませんので、これにて両案に対する質疑は終局いたしました。この際刑事法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対し、宮崎正久君、他4名から自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属日本維新の会、公明党及び国民民主党無所属クラブの共同提案による修正案本村信子君から日本共産党提案による修正案がそれぞれ提出されております。
20:57
提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。宮崎正久君。
21:08
ただいま議題となりました刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして提出者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。政府提出の法律案についての当委員会におけるこれまでの議論を踏まえ与野党において真摯な修正協議を重ねた結果、今般次のような内容の修正案を提出することで合意に至ったものであります。以下この修正案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。第一に、今般の法改正では同意しない意思の形成等が困難な状態での売接な行為等であることを中核の要件とするいわゆるノーミンズノーの不同意売接罪等を設けることとしています。これに対してイエスミンズイエスのような要件にまで踏み込むべきではないかとの御指摘があったことも事実です。今回はノーミンズノーにとどまったとしても性被害に係る犯罪規定は社会の受け止め方や意識の変化に対応して定められるものでありますからこの改正法が施行された後、一定期間を経過した場合にはその時点における性的同意についての意識なども踏まえた上で性被害に係る犯罪規定の在り方が改めて検討されなければなりません。そこでこの改正法の施行後5年を経過した場合に政府が速やかに性犯罪に係る実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加え必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講ずる旨の検討条項を不足に設けることとしております。この検討に関連して今般の法改正では控訴事項期間を延長することとしていますが性被害が申告できるようになるまでどれくらいの期間を必要とするのか、どれくらいの困難さを抱えているのかといった実態を踏まえその妥当性を判断する必要がありますし、またこの委員会での質疑において今般の改正に当たって若年者や障害者の性被害の実態についてどれだけ把握しているのかとの御指摘があったところ であります。そこで政府はこの検討がより実証的なものとなるよう性被害を申告することの困難さその他性被害の実態について必要な調査を行うものとしております。第2に今般の法改正では性行同意年齢を引き上げる一方で、その処罰範囲を適切に確するため13歳以上16歳未満の者を相手に性的行為をする場合のいわゆる誤歳差要件を設けております。しかし委員会質疑や与野党の修正協議でも誤歳差未満であれば後遺者が18歳以上の成人であっても全部許されることになるのか中学生が守られないことになるのではないかといった強い御懸念が示されたところです。このような御懸念も踏まえ不足に政府はこの法律による改正後の刑法等の規定が性被害の実態及びこれに対する社会の意識の変化に対応して刑罰を伴う新たな公益規範を定めるものであることに鑑み今般の法改正は誤歳差未満であれば18歳以上の成人が何をしても許されるというものでは決してなくまた中学生をしっかり守るという意図に基づくものであるということを含めその趣旨及び内容について国民に周知を図るものとする旨の規定を追加することとしております。以上であります。何とぞ御審議の上委員各位の御賛同を賜りますように心からお願いを申し上げます。
25:21
ただいま議題となりました刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして提案者としてその趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。これまで強制壊設罪や強制性行踏罪については被害者の意思に反して性行踏をするに足りる暴行や脅迫があったのかという立証の壁があり犯罪としての成立が困難な場合があることが長年の課題でした。被害当事者が検討会や法制審議会の部会に入り今回の法案で同意をしないことを忠確の要件とする不同意性行踏罪が創設されることとなったのは一歩前進であると評価をしております。しかしながらこの法案には未だ足らざる点が多々あると言わざるを得ません。例えば今回の法案はいわゆる「No means no」ですが、いわゆる「Yes means yes」すなわち、行為者が相手の自発的参加を確認しない性行為を処罰対象とするべきではないか。また、口訴事項の延長等 が不十分ではないか。13歳から15歳の人に5歳以上の年長者の人が性行をした場合に処罰対象とする誤差異用件では中学生を守ることができないのではないか。障害がある人の特性を十分踏まえていないのではないかなどといった問題点が参考人質疑をはじめ、議論の中で明らかになりました。またこの法案では刑事訴訟法に被害者等の聴取結果を記録した録音録画記録媒体に係る証拠能力の特則を追加しようとしておりますが、刑事訴訟法ではいわゆる伝聞証拠には原則として証拠能力が認められないこととされており、特則の適用範囲は限定的であるべきです。さらに、冤罪の危険性を減らすためにも特則に係る聴取の主体は中立的な専門家が行うべきです。以上のような問題に対応するため、本修正案を提出することとした主題です。次に修正案の内容についてご説明を申し上げます。第一に刑事訴訟法に追加される被害者等の聴取結果を記録した録音録画記録媒体に係る証拠能力の特則について、一つ、対象者の範囲を刑法または児童福祉法等の性犯罪の被害者であって18歳未満の人または障害がある人に限定すること、二つ、検察官検察事務官及び司法警察職員以外の中立的な専門家が被害者の聴取を行うことを明記することの二点の修正を行うこととしております。第二に不足に検討条項を設け、政府はこの法律の施行後3年以内に心理的外傷その他性暴力の被害者が性暴力により心身に受ける影響、性暴力の被害者が子どもまたは障害者である場合の特性、性暴力の被害者の心身の健康を回復させるための方法その他の性暴力における被害の実情に関する調査研究を行うことといたします。そしてその結果を踏まえ、改正後の刑法及び刑事訴訟法の施行の状況等を勘案しつつ、一ついわゆるイエス規定の創設、二ついわゆる誤裁者要件の見直し、三つ経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力があることに生じた、猥褻な行為または性行等の罪の申説、四つ、性犯罪について控訴事項の提出期間をさらに延長することまたは控訴事項の対象から除外すること、その他性犯罪に係る控訴事項のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずるものとしております。以上が本修正案の趣旨及びその内容の概要です。何卒委員各位の皆様の御賛同をお願い申し上げます。これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。これより両案及び両修正案を一括して討論に入るのでありますが、そ の申し出がありませんので直ちに採決に入ります。まずはじめに内閣提出刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決をいたします。まず本村信子君提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。起立証書よって本修正案は否決されました。次に宮崎正久君他4名の提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。起立証印よって本修正案は可決をいたしました。次にただいま可決をいたしました修正部分を除く原案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。起立証印よって本案は修正決議すべきものと決しました。この際ただいま議決をいたしました本案に対し宮崎正久君他5名から自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属、日本維新の会、公明党、国民民主党無所属クラブ及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの同義が提出されております。提出者から趣旨の説明を聴取いたします。
32:07
ただいま議題となりました附帯決議案につきまして提出者を代表してその趣旨をご説明申し上げます。案文の朗読により趣旨の説明に返させていただきます。刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案、政府及び最高裁判所は本法の施行に当たり次の事項について格段の配慮をすべきである。1、第1条の規定による改正後の刑法第176条第3項及び第177条第3項の規定において、13歳以上16歳未満の者に対する5歳以上年長者の性的行為を処罰することとしているのは、両者の間におよそ対等な関係があり得ないと考えられることによるものであって、両者の年齢差が5歳差未満であれば、対等な関係であるとするものではないのであるから、第1条の規定による改正後の刑法第176条第1項及び第2項並びに、第177条第1項及び第2項の規定の適用に当たっては、とりわけこれらの規定に定める行為をする者が18歳以上であり、かつその相手方が16歳未満である場合には、むしろ16歳未満の者にとっては年齢差がその意思決定に及ぼす影響が大きいことに鑑みると、両者の間でなされた性的行為は、経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を有料させること又はそれを有料していること等により、同意しない意思を形成し、表明し、もしくは全うすることが困難な状態にさせ、又はその状態にあることに常じての要件や、行為が売説なものではないとの誤信をさせの要件に該当し得ることに留意すること、また不足第21条の規定による周知に当たっては、この点についても併せて周知すること、2、不同意売説罪及び不同意性行当罪における同意の位置づけ及び異議、年齢差要件及び地位関係性要件等、並びに面会要求等罪の改正法の趣旨及び構成要件について、若年層をはじめとする国民に対する普及啓発を推し進め、十分に周知徹底を図るよう努めること、とりわけ子どもに対する性被害の深刻性及び性に関する教育等の重要性に鑑み、初等教育から高等教育に至る全ての学校段階において、子どもの心身の発達段階に応じ十分な教育等を行うこと、また普及啓発のために必要な予算を確保するとともに、司法警察職員等の関係者に対しても法改正の趣旨を周知徹底し、十分な研修等を行うこと、3、性犯罪が重大かつ深刻な被害を生じさせる上、その被害の性質上、性犯罪被害者が支援を受けるまでに様々な心理的社会的障壁があることを踏まえ、捜査から広範等における各段階において、被害者の心身の状態に十分配慮するよう努めるとともに、被害者支援のための関係省庁の連携体制の構築、被害直後から継続的な性犯罪者への支援やワンストップ支援センターを通じた支援の充実等の多面的な支援を行うよう努めること、4、いわゆる司法面接的手法による聴取結果等を記録した録音・録画記録媒体に関する証拠能力の特色が、刑事訴訟法の根幹である伝聞法則の例外であることに鑑み、聴取の実施に当たっては、国際的な実証的研究に基づき開発された司法面接の手順に留意しつつ実施し、当該聴取の実施の妥当性を録音・録画等により、事後的に検証することができる手法の措置を講じるなど、適切な運用に努めるよう留意すること、5、子どもが被害者である性犯罪等においては、子どもの負担を軽減し、かつ信用性の高い教述を聴取することが重要であることに鑑み、子どもからの聴取を適切に行うことがで きるよう、子どもの認知、発達能力、心理、法律の知識に関する知見や技術の向上を図るとともに、子どもが安心して話せる環境を整えるため、海外の取組等を参考にし、民間団体や医療団体等の知見も生かしながら、聴取の場所や方法について更なる検討を進めること、併せて、障害者が被害者である性犯罪等においては、障害者からの聴取を適切に行うことができるよう、障害者の特性に十分配慮すること、6、子どもが証人として公判定に出庭する際、証人の認知・発達能力を踏まえず、不相当な尋問や困惑させる尋問を行うことは、証人に重篤な心的負担を与えるのみならず、真実発見も遠のくことを踏まえ、適切な子どもの証人尋問の実施に向けて、訴訟関係者がそうした子どもの特性に配慮する必要性の周知に努めること、合わせて、障害者が証人として公判定に出庭する際には、障害者の特性を踏まえてきせつな証人尋問となるよう、配慮すべきことを周知すること、7、不足第20条第1項の検討を行うにあたっては、子どもが被害者である性犯罪等における被害の実情、被害開示後の被害聴取方法、被害聴取結果の証拠能力及び公判定での尋問の在り方等、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案して、子どもが被害者である性犯罪等についての施策の在り方について検討を加えるこ と、8、性犯罪の捜査、司法手続にあたって、被害者の心理及び心的外傷、被害者と相手方の関係性をより一層適切に踏まえてなされる必要性に鑑み、これらに関連する心理学的、精神医学的試験等について調査研究を推進するとともに、調査研究を踏まえた研修を行うこと、9、性犯罪及び性暴力に関する実情及び海外の制度等について、引き続き調査を行うとともに、附則第20条第1項の検討を行うにあたっては、不同意性交等罪における同意の位置づけ、生徒と教員及び障害者と保護監督者等との間の地位に基づく影響力に関する要件、いわゆる性交同意年齢の年齢採用権、構想事項、期間等のあり方についても検討を行うこと。以上であります。何卒委員閣議の御賛同をお願い申し上げます。これにて趣旨の説明は終わりました。採決をいたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。起立草院よって本動議のとおり、不対決議をすることに決しました。次に、内閣提出、性的な死体を撮影する等、行為等の処罰及び応酬物に記録された性的な死体の映像に関わる、伝事的記録の消去等に関する法律案について、採決をいたします。本案の賛成 の諸君の起立を求めます。
40:43
起立草院よって本案は、原案のとおり、可決すべきものと決しました。
40:54
この際、ただいま議決をいたしました本案に対し、宮崎正久君、他5名から、自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属、日本維新の会、公明党、国民民主党無所属クラブ及び日本共産党の共同提案による不対決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者から趣旨の説明を聴取いたします。
41:33
ただいま議題となりました不対決議案につきまして、提出者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。案文の朗読により趣旨の説明に返させていただきます。性的な死体を撮影する行為等の処罰及び、応酬物に記録された性的な死体の 撮影に係る伝辞的記録の消去等に関する法律案に対する不対決議案、政府は本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。1、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律不足第20条第1項の検討を行うに当たっては、アスリートや客室乗務員に対する盗撮が社会問題となっていることを踏まえ、正当な理由がないのに、性的死体等以外の人の死体又は部位、衣服により覆われているものを含む、を性的な意図を持って撮影する行為等を規制することについて検討を行うこと。2、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律不足第20条第1項の検討を行うに当たっては、本法及び今後の改正後の刑法の運用状況を踏まえ、13歳以上16歳未満の者を対象として、その性的死体等を撮影する行為等の年齢差要件について検討を行うこと。3、第4章に規定する伝辞的記録の消去等が速やかに実施されるよう、検察官に対し必要な研修を行い、放送関係者に周知すること。4、本法第2条第1項第4号において、13歳以上16歳未満の者に対する、5歳以上年長の者の性的死体等の撮影行為を処罰することとしているのは、両者の間におよそ対等な関係があり得ないと考えられることによるものであって、両者の年齢差が5歳差未満であれば、対等な関係であるとするものではないのであるから、同項第2号及び第3号の規定の適用に当たっては、とりわけこれらの規定に定める撮影行為をする者が18歳以上であり、かつその相手方が16歳未満である場合には、むしろ16歳未満の者にとっては、年齢差がその意思決定に及ぼす影響が大きいことに鑑みると、18歳以上の者が16歳未満の者の対象性的主体等を撮影する行為は、同項第2号で定める、改正後の刑法第176条第1項各号に掲げる行為または自由の、経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける、不利益を有料させること、またはそれを有料していること等により、同意しない意思を形成し、表明し、もしくは全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることに常じての要件や、本法第2条第1項第3号の、行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせの要件に該当し得ることに留意すること、5、子どもに対する撮影行為の被害がとりわけ深刻であることに鑑 み、子ども、学校関係者及び保護者に対して本法の趣旨について効果的な啓発を行うこと、また啓発のために必要な予算を確保するとともに、司法警察職員等の関係者に対しても本法の趣旨を周知徹底し、十分な研修等を行うこと、6、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律不足第20条第1項の検討を行うに当たっては、本法により新設された性的死体等撮影罪等について、その発生状況、政府における対応の状況、被害の実態等を継続的に把握し、被害者救済の観点から検証を行うとともに、性的死体等の撮影の同意後に、これを撤回したにもかかわらず、撮影した映像を記録したものを所持し続ける場合、及び国外での日本国民以外の者が行った場合の罰則の新設について検討を行うこと、7、性的死体等撮影罪等の被害者が実効性のある支援を受けられるよう、警察ワンストップ支援センター、日本司法支援センター、民間の支援団体、その他の関係機関、団体総合間の連携の強化を図るなどして、相談体制や支援環境の整備に努めること、以上であります。何卒委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
46:38
これにて趣旨の説明は終わりました。採決をいたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。起立草院よって本動議のとおり、附帯決議をすることに決しました。この際、両附帯決議につきまして法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
47:14
ただいま可決されました刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案、及び性的な死体を撮影する行為等の処罰及び応酬物に記録された性的な死体の映像に係る電子石記録の消去等に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえてきつに対処してまいりたいと存じます。また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。ただいま議決をいたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長にご一任をお願いたいと存じますが、ご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。よってそのように決しました。次回は来る31日水曜日午前8時50分理事会、午前9時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。