PolityLink

このサイトについて

参議院 法務委員会

2023年05月23日(火)

2h34m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7466

【発言者】

杉久武(法務委員長)

川村真理(参考人 杏林大学総合政策学部教授)

阿部浩己(参考人 明治学院大学国際学部教授)

小尾尚子(参考人 国際基督教大学人道アクションネットワーク(NOHA)プログラムコーディネーター)

長澤正隆(参考人 特定非営利活動法人北関東医療相談会事務局長)

加田裕之(自由民主党)

牧山ひろえ(立憲民主・社民)

谷合正明(公明党)

音喜多駿(日本維新の会)

川合孝典(国民民主党・新緑風会)

仁比聡平(日本共産党)

1:04

ただいまから法務委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに高橋晴美君及び梅村みずほ君が委員を辞任され、その補欠として世耕弘成君及び尾戸北俊君が占任されました。出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(核法第48号)、難民等の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(核法第49号)、以上3案を一括して議題といたします。本日は3案の審査のため、4名の参考人からご意見を伺います。ご出席いただいております参考人は、京林大学総合政策学部教授川村麻里君、明治学院大学国際学部教授安倍幸喜君、国際キリスト教大学人道アクションネットワークの破プログラムコーディネーター尾美尚子君、特定非営利活動法人北関東医療相談会事務局長長沙田雅君でございます。この際参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席をいただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますのでよろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず川村参考人、安倍参考人、尾美参考人、長沢参考人の順にお一人15分以内でご意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。またご発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますのでご承知おきください。なおご発言は着席のままで結構でございます。

3:33

それではまず川村参考人からお願いいたします。川村参考人。

3:38

はい。この度は参考人として意見を述べる貴重な期待をいただきありがとうございます。私の専門は国際法で長きにわたり難民問題に関連する国際法制度に関する研究に携わってまいりました。また実務ではUNHCRの国際保護局において人権関連のリエゾン業務に携わった経験があります。入管行政との関連では現在難民審査参与員を務めております。過去には難民認定制度運用の見直し状況を検証のための有識者会議及び就業相関に関する専門部会の委員も務めさせていただきました。本日はこうした経験を踏まえつつ難民条約と人権条約の特徴、入管法等改正法案の規定についてお話しさせていただきたいと思います。まず難民条約についてお話しします。難民条約は難民の基本的権利と自由のできる限りの保障を考慮するとともに、各国の負担分担や緊張関係の防止も考慮して制定されています。難民条約では人権条約のような利好確保の監視する措置の設置を規定せず、定約国が独自に難民認定手続を定めること、また国家が重大犯罪を行ったものなど国家の安全にとって危険であると認めるもの等を条約上の保護の範囲外として良いことを前提に規定されています。その上で定約国は国内事情や国内法制を考慮しつつ、条約の規定に従って難民の保護をすることを想定して起訴されました。その後、国際情勢の変化に伴う難民保護の拡充の要請と人権条約の発展を受けて、UNHCRとその執行委員会からUNHCRハンドブックなどの様々な文書が発出されました。しかし、UNHCRは条約の適用監督する任務を有していますが、定約国に実施措置を課す権限はありません。また、執行委員会は条文解釈のための専門家で構成されている機関でもありません。UNHCRや執行委員会の出す文書は法的拘束力がなく、資料1-1のとおり、国家の政策決定の指針とはなり得るものの、条約法条約も当時国の合意を確立するものには当たらないと解されています。次に人権条約について述べます。人権条約は、条約の履行確保のための実施措置制度を有しているものが多く存在し、例えば、昨年の自由権規約人権委員会の対日審査などが、この履行法確保のための実施制度に該当します。この制度を通じ、各提案国は、条約の実効性確保に向けた対話の促進などの努力を行い、この対話の促進の過程こそが重要であるとされています。規約人権委員会が発出する意見等にも法的拘束力はありませんが、資料1-2のとおり、条約解釈の補足的な手段として使用され得ることもあります。また、人権条約の実施制度とは別に、人権理事会の特別手続には、収容も扱う恣意的公勤作業部会などがあります。この特別手続において、法的拘束力のない文書等で独自の見解を発出することがあります。恣意的公勤作業部会には、個人通報手続がありますが、申し立てないように多少の事実誤認があっても、書面で通知を行った一方当事者の意見をそのまま用いて意見を提出することがあり、意見が諸外国の政府に無視されるなど、その実効性に疑問視する見方もあります。このように、国際機関の意見といっても、各条約の規定ぶりや関連機関の権限等により発出する文書の性質やその効果も異なります。国際法の見地から申し上げると、国家は法的拘束力のない処分書だからといって、ただ地に無視するのではなく、国際法の遵守にかなうよう参照し、説明責任を果たし、建設的対話を重ねることが重要です。他方で、各国際機関が発出する文書で指摘を受けたから、ただ地に国際法違反や国際水準に達していないと非難するのも論理的飛躍があり、国民に誤解を与えかねません。難民入管問題は人権問題であるとともに、国家の不安定化を招きかねないセンシティブな内容であるということを踏まえて、議論を行う必要があると考えます。例えば、難民法の研究者グッドウィンギルは、裁判での規範となるような条約解釈というものと、各国への働きかけにとどまる勧告等をきちんと区別すべきで、公社は国家において勧告の趣旨を受け入れられるかどうかを時間をかけて検討すべき性質のものだ、などとしています。また、他の研修生者は、UNHCRやその見解に司法機関のような監視権限やそのような効力を認めることで、かえって社会の対立が深まり、保護すべき人が取り残される危険がある。難民保護のためには、国家主権と難民の安全のいずれも考慮した上、民主主義に基づいた政治的コンセンサスを重視すべき、などと指摘しています。欧米諸国の高いと言われる難民法、人権法の基準も、実際には、例えば、カナダに見られるように入国者への事前のビザ発給の厳しい制限や、安全な第三国協定に基づく入国制限などの、入国を希望する外国人に対する厳しい法制度などと、表裏一体として実行されているものではあることを、ご認識いただき、建設的な議論がなされることを期待します。次に、政府提出の入管法等改正法案の補完的保護対象者について述べたいと思います。改正法案の補完的保護対象者の範囲は、難民条約1条A(2)にある5つの理由以外の理由で、迫害を受ける恐れを有するものとなっており、迫害の考え方は、公表された難民該当制判断の手引きに示されています。手引きにおける迫害に関する考慮事項には、人権の重大な侵害、差別的措置、不利益等の累積が明記されました。これに加えて、衆議院での答弁でも、紛争、拷問等は、迫害の考慮事項に含まれ得ることが確認されました。他国は、異なる規定ぶりだという指摘もありますが、重要なのは、どのようなものを対象とするかという点に尽きると思います。例えば、自由権規約7条の送還禁止に関する個人通報事案は、拷問に関するものが多くを占めており、政府案は実際には他国の保護範囲と同等であり、保護すべきものを適切に保護し得ると考えられます。続いて、送還停止法の例外規定について述べたいと思います。諸外国でも、公共の安全に危険を及ぼすものや、重大犯罪者に対する送還停止法の例外の規定が設けられています。そして、例外の対処者については、国際法上確立した定義や国際社会全体で共有し得る解釈はなく、各国が国内事情を踏まえて国内法で定める性質のものといえます。収容送還に関する専門部会において、難民認定再申請に関する送還停止法についての他国の国内法規定やUNHCRの見解も確認いたしましたが、それらと比較してこの規定自体に問題があるとは思えません。また、3回目以降の申請者への送還停止法の例外規定の適用について、送還手続に入った段階で、入管法513条に基づき、ノンルフールマン原則の適用の検討がなされますし、行政判断に不服がある場合には、訴訟を提起することも可能となっています。ただし、送還停止法の例外によって、ノンルフールマン原則が害されないよう、運用において難民認定申請の審査及び送還先の決定等の質の向上を常に行っていく体制を整えることは当然に必要です。なお、第三者機関創設の議論もございますが、これは非現実的であると考えます。その理由として、資料4のとおり、複数の諸外国では、一時審査については、入管機関が行っているように、被後手続は結局は上陸等滞在を認めるものである以上、どうしても入管業務との円滑な連携を図る必要があること、また、少人数の独立機関では業務に支障が出て、処理がさらに遅れる恐れがあることなどが挙げられます。この点、私も第三者機関を求める趣旨、つまり公平・公正な審査の必要性については当然理解できます。ただ、私の参与員としての実務経験上、参与員の審査は独立性が損なわれているとは感じません。また、参与員の能力に対する批判もありますが、私の経験上、参与員のみならず、関与する全ての者の質の向上が必要であると認識しており、これは第三者機関を設ければ解決する話ではないと考えています。そこで、まずは現行制度において、関与者の専門性の向上と運用上の改善を図っていくべきであると思います。最後に、収容について、規約人権委員会は、入管収容自体は恣意的ではないが、収容の正当性が認められなければならないとしています。昨年11月に発出された規約人権委員会の我が国に対する総括書件では、まず、我が国の姿勢について、収容施設の改善、待機強制手続の改正及び長期収容の回避する措置に関する検討等を還元する旨表明されています。収容の上限の導入に向けて取り組むよう言及されていますが、まず、自由権規約の規定において収容上限は求められておらず、また、資料4のとおり、収容期間の上限を設定していない国もあります。大事なことは、収容期間を短くし、長期収容されるものをできる限り減らすことですが、この点に関して、管理措置の導入のほか、3か月ごとの事後的な定期審査によって対応できるものと思います。特に、収容要件を定めた上での管理措置の導入、事後的な定期審査は、規約人権委員会が一般的意見で示した方向性にも一致しているのではないかと思います。今後、条約の趣旨目的に即した説明責任を博多すとともに、特に、管理措置の適切な運用が望まれます。なお、恣意的後勤作業部会らからの所感については、先ほど特別手続きの専門家は独自の見解を示すと述べたように、事前の司法審査を求めている点は、規約人権委員会の解釈と異なる独自のものと考えます。実際、資料4の通り、5カ国中4カ国が裁判所による事前審査を行っていません。我が国は、収容決定後に裁判所へアクセスすることは可能であり、不服である場合は速やかに訴訟提起ができるようにすることとしており、これによって正当性が確保されると考えます。結論として、大事なことは、自由権規約等人権条約の趣旨及び目的にかなうようにするということですが、資料5にあるように、規約人権委員会の勧告については、入管庁による運用及び改正法案の施行によって対応できる部分が多いと考えます。今般の改正法案は、国際法の遵守に向けた方向での検討があり、その内容も実施可能で、人権保護の観点からも改善されています。最大多数の合意に基づき、新たな入管法の枠組みを規定した後に、運用によってさらなる改善をしていくことは可能であり、我が国の実情に即し、今回実現可能な内容の法改正を早期に行うべきと考えます。難民の保護と入管行政の改善を推し進め、国際的な難民及び移住問題の解決にも貢献できる体制を整えることを期待してやみません。ご静聴ありがとうございました。

18:27

ありがとうございました。次に安倍参考人にお願いいたします。安倍参考人。

18:33

私は国際法の中で、特に人権と難民に関わるテーマに焦点を当てて研究を進めてきました。2012年1月から2022年3月までの10年余り、難民審査参与員として一つの常設班に所属し、1週多きの月曜日に平均すると2件ずつ、年間で50件弱の不服申立案件を担当してきました。本日はこのような機会を与えていただきましたので、考えを巡らせているところをお伝えさせていただきます。出入国在留管理庁は、今般の入管法改正案の基本的な考え方として、第一に保護すべきものを確実に保護することを挙げています。保護すべきものの第一に挙がるのは、日本も締結している難民条約、難民議定書の定める難民に他なりません。保護すべき難民を見定めるために必要なのが難民認定手続きです。国際社会において共通の了解になっているのは、難民は難民と認定されることによって初めて難民になるのではなく、難民であるから難民と認定されるということです。難民の認定は、難民を新しく作り出すのではなく、その人が難民の要件を満たしていることを確認し宣言する行為です。したがって難民の要件を満たしているものは、難民認定手続きが不適切なため、何度不認定になっても国際法上は難民として保護すべきものであることに変わりありません。このため、難民認定手続きの制度設計とその運用は、難民が難民と認定されないような事態を防ぐため、慎重な配慮を生き届かせたものである必要があります。難民認定が適切に行われないと、難民の生命自由が重大な危険にさらされることは言うまでもありません。これに加えて留意すべきなのは、難民問題が国際的な性格を持つものだということです。難民認定は国際協力の精神に基づいて行われるべきものということです。難民が難民として保護されない状態が続いてしまうと、難民の受入れにかかる負担を他国に仕向けることにもなりかねず、そうなると難民条約を支える国際協力の枠組みを脅かすことにもなってしまいます。もとより、難民条約は難民でない者の受入れまでを求めているわけではありません。この点に関わって、今般、入管庁は入管法改正の必要性を説明する文書の中で、国会における参考人質疑におけるある難民審査参与員の次の発言を引用し、難民認定制度の現状を説明しています。その発言とは、他の参与員の方、約100名ぐらいおられますが、難民等を認定できたという申請者がほとんどいないのが現状です。難民認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないということを皆様、ご理解ください、といったものです。扱った事案が異なりますので、軽々な論評は避けるべきかと存じますが、10年以上難民審査参与員を務めた者として、私はこの方とは大幅に異なる認識を抱いております。私は、担当した全部で500件弱の案件のうち40件弱について、難民等を認めるべきという意見を法務大臣に提出いたしました。その過半数は、トルコ国籍のクルド人からのものです。しかしご承知のとおり、トルコ国籍クルド人による申請については、裁判判決後に認定された1件を除き、これまで全く難民認定がなされてきていないものと承知しております。また、少数民族に対する直接的な攻撃を逃れてきたミャンマー出身者の申請も扱いました。文字通りの教科書的な難民認定ケースというべきものでしたが、ここでも不認定という結論が維持されました。私が関わった事案について申し上げれば、難民等認定できたという申請者がほとんどいないのが現状などでは全くなく、また、文部である申請者の中に難民がほとんどいないということも全くないということをお伝えしておきます。むしろ難民を難民と認定できない深刻な制度的問題が現状に宿っているという感を強く抱いております。今般の入管法改正に係る審議がどのような形で落着するにせよ、日本の難民認定手続に宿る制度的問題が改善されることなく、保護すべきものを確実に保護することは困難と考えます。まず、手続的な面を申し上げれば、代理人制度を整備することが不可欠です。とりわけ問題なのは、第1次審査の段階での面接に代理人の立ち会いが認められていないことです。第1次審査の段階で作成される教述聴書は、面接の結果を記したものですが、面接を行った難民調査官と申請者とのやりとりをそのまま記載したものではなく、調査官によって再構成された文書になっています。その聴書が難民審査作業員のもとに送られてきて、審査請求の場で重要な資料として用いられるのです。そうであるだけに、審査請求の場だけでなく、第1次審査の段階でのインタビューにも代理人が少なくとも立ち会えるようにしておくことが必須です。欧米諸国、韓国といった国々では、当然ながら、面接への同席や録音録画が認められていますが、アメリカ、カナダでは、第1次審査で代理人がついている場合とついていない場合とで認定率に約3倍もの開きが出ているとの調査結果もあり、すべての段階で代理人がつくことの重要性が確認されています。次に難民該当制の判断の仕方について申し上げます。先ほど申し上げたトルコ・ミャンマー出身者のケースを含め、私の経験からすると、次のような問題が実務の現場で見て取れました。第一に、迫害について極端に狭い解釈が採用されてきたこと。第二に、申請者が国家によって個別に迫害の標的にされていることを求める、いわゆる個別把握の考え方が採用されてきたこと。第三に、迫害主体を国家に限定し、非国家主体による迫害の場合には、国家による放置・助長がなければならない、という古典的な考え方が採用され続けてきたこと。第四に、申請者に不信の目が向けられ、供述の信憑性が簡単に否定されてしまうことです。このうち第一から第三の問題については、本年3月に公表された難民該当制判断の手引きにおいて、一定の対応がなされているようにも見受けられます。ただ、法務大臣の説明によると、難民該当制の判断において考慮すべきポイントを整理し、これをできる限り明確化したものとのことであり、この説明は結局のところ、これまでの実務が基本的にはそのまま引き継がれていくということを示すものなのでしょうか。手引きでは、難民と認定されるために、迫害の現実的な危険がなければならないとされていますが、現実的な危険とは一体どの程度の危険なのか、また、手引きが示す迫害についての説明は、極端に狭いこれまでの解釈を踏襲するところに重点が置かれているように読めるなど、懸念点は少なくありません。何より、この手引きは、難民認定実務において決定的な役割を果たす、今日日の信憑性評価の仕方について、全くといっていいほど言及していません。出身国情報の収集、分析の仕方にも改善の余地が大いにあることから、この手引きをもって、保護されるべき難民が確実に認定される条件が整えられたとはとても言えないのが実情です。難民を難民と適正に認定できる体制がないままに、難民申請者の退去強制を可能にすることは、難民保護の要と言うべきノンルフルマン原則を踏みにじる重大な危険性を制度的に生み出すものと言わなくてはなりません。退去強制手続の下で、相関先指定を制約する入管法第53条3項に、この重大なノンルフルマン原則の確保を託すのでは、余りにも制度的に不十分です。法案改正審議の行方にかかわらず、難民を難民として保護する義務を誠実に履行するためには、難民認定を行うにふさわしい資格及び能力の要件を明確化するとともに、不服申立を担当する者を含め、難民認定手続に従事する全ての人に難民要件の解釈の仕方や、インタビュー、異文化コミュニケーションなどに係る実務的に意味のある研修を必ず受けてもらう体制を整備すべきです。この点で、難民条約第35条に基づき、条約の適用を監督する責務を担う国連難民高等弁務官事務所UNHCRとの協力をさらに拡充することが必要です。入管庁は確実に保護すべきものの範囲を補完的保護対象者に広げています。紛争を逃れてくるものなどを保護するために必要だからとのことですが、UNHCRのガイドラインや各国の実務からも明らかなように、紛争から逃れてきたものについても、難民条約は当然に適用されることを改めて確認しておかなくてはなりません。補完的保護という言葉は国際社会で広く用いられるようになっていますが、この概念は、出身国で生命が恣意的に剥奪されたり、あるいは拷問や非人道的処遇を受ける危険性がある者を、いかなる事情があろうと、つまり重大な犯罪を犯した者であろうと、絶対に送り返しとはならないということを義務づける国際人権法上の要請に依拠して発展してきたものです。こうした国際義務の視点が、各法には伺えません。各法では補完的保護対象者が再び迫害に引き付けて定義されており、迫害の要件解釈など難民認定のときと全く同じ問題が生じることになります。何よりこうした定義の仕方は国際的に見て極めて得意なものです。紛争から逃れ出てくる者に迅速な保護を提供したいのであれば、迫害の有無を個別に審査するようなことをせず、UNHCRが国際的保護に関するガイドライン11で視察するように、客観的な事情のみに依拠して難民認定を行う制度を整備することを検討すべきではないかと思います。各法の定める補完的保護制度については、導入する必要性についても有効性についても大いなる疑念を覚えるところです。国際社会では難民と並び保護すべき者として無国籍者が指定されています。日本はまだ無国籍者条約を締結していないという現状を反映し、無国籍者への関心が各法からはすっぽり抜け落ちていることも指摘しておかなくてはなりません。その一方で、今般の改正案は、確実に保護すべき者の脈絡において、在留特別許可手続の適切化を図ることにも向けられています。ここでは、国際人権法上、家族生活の保護や子どもの最善の利益の要請が、国家の出入国管理権限を制約するようになってきていることを踏まえて、踏まえた運用でなくてはならないことを強調いたします。外国人の入国在留について、国家に公判な裁量が認められるという国際法の規範状況は、国際人権法の深まりにより大きく変わっています。在留資格がなくとも、人を無権利状態に置くことは、今日の国際法上、到底ありえません。身体の自由や移動の自由、労働、社会保障、健康への権利、といった人間の尊厳を支える基本的人権の最低限の保障は、国家の出入国管理権限を理由に免除されることはありません。国家の利益を中心に据えた20世紀の国際法ではなく、人間の利益を中心に据えた21世紀の国際法の在り方をしっかり反映させた形で、入国法が見直されることを念じています。以上です。どうもありがとうございました。

31:30

佐藤ありがとうございました。次に、オビリ参考人にお願いいたします。オビリ参考人。

31:37

本日は大変貴重な機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。私は国連難民高等弁務官事務所に約30年間勤め、その間、主に難民、国内非難民などの国際法の分野を担当しておりました。アフリカ、アジアなどの現場の仕事に加えて、ジュネーブ本部では国際保護局にて難民保護に関するポリシーなどを策定する部署でも働いておりました。最後の勤務地は東京で、入管庁の皆さんとは様々な機会を通じて意見交換、研修などをさせていただいておりました。現在は昔、博士号を取得した国際キリスト教大学に戻り、難民の保護、人道アクションなどについて教鞭をとっております。本日はこれらの私の経験をもとに、今国会に再提出された入管法改正案についてお話しさせていただければと存じます。あくまでも個人的見解としてお聞きいただければ幸いでございます。まず難民の保護についてです。難民の保護の根幹となっているのは、危険が存在している場所に送り返さないというノンルフールマン原則で、難民条約第33条に規定され、国際監修法でもあります。一人でも間違って命や自由の危険にさらされる可能性のある場所には送り返されないように、各国がその法令の中に何重にも厳重にルフールマンの予防措置を置いているわけです。この視点から今回の入管法改正案を見ますと、還元すべき点がいくつか盛り込まれているにも関わらず、この難民保護の中核の部分においてかなり懸念される条項が見受けられます。それが、送管停止法の解除に関する条文です。お手元にお配りした資料の1は、2021年に入管法改正案が提出されたときにUNHCRが発表した見解です。何より一番の懸念事項は、法案の第6条の2-9、第4項、第2号で送管停止法を外されるケースに初めて難民申請したものであって、一時審査の1回目の難民認定の面接を待っている者も含まれるということです。送管停止法は、初回申請者については、第一次審査と不認定処分に対する不服審査が行われている間は、3年以上の実験がついている、またはテロや暴力的活動に関与する恐れがあるというだけの理由によっては、決して解除されてはならないということが原則です。しかしながら、難民条約第33条2項には、いわゆるノンルフルマンの例外規定があるではないか、とのご指摘があるかと思います。しかし、この2項の適用は、本来すでに難民認定がなされているケースのみに適用されるものであり、申請中のものに適用するものではありません。にもかかわらず、改正案は初めて難民申請し、認定の面接を待っている者への適用をも想定しています。これがまず1点目の問題です。加えて、ノンルフルマンの例外規定は、次に挙げる様々な原則にのっとって適用される必要があります。第一に、国際法の一般原則である非例原則にのっとって適用されること、すなわち、国家や社会に対して難民が及ぼす危険が、その難民が出身国に送り返された際に直面する危険を上回るときにのみ可能なのです。第二に、総管は国家への危険をなくす、または減らすための最後の手段としてしか適用されないこと。第三に、ノンルフルマン原則の例外の指標となるのは、過去に犯した罪の重大性や種類そのものではなく、犯した罪に照らしてその難民が社会にとって今後危険な存在となるか否かであるということです。そればかりか、失礼しました。3年以上の実験を受けた者が、再犯の可能性等とは無関係に、一律に、しかも自動的に総管停止法の例外となるという案に加え、テロ等の疑いの場合について相当の理由という文言が二重に使用され、証明度がかなり低くなっていること、テロ等への関与の疑いについては範囲が広く、警察や司法が入らず、法務省内のみの審査によって決定されることをはじめとし、様々な懸念が生じるわけです。以上から、難民認定の結果が出されていない方、ましてや難民該当選の審査のために一度も面接もされていない方が総管され得るということは、難民条約第33条2項との整合性に問題が生じ、それに抵触する可能性があるわけです。このようなことによって、相関定志向の例外として、犯罪歴等の一定の属性のあるものに言及する第61条2-9第4項第2号の削除を提案いたします。仮にこの条項の削除がなされないのであれば、少なくともこの規定から初回申請者は外すべきであると考えます。懸念はまだあります。この条項が外れても、現行法の第53条第3項1号で、難民条約第33条1項に規定する領域に属する国を待機強制例書の相関先の国に指定しないという規定があるため、ノンルフルマン原則は担保されている。さらに、括弧書きで法務大臣が日本国の利益、または公安を一時主旨化すると認める場合を除くと例外も規定されており、これが難民条約を担保しているとの立場が政府により示されています。そもそも、この括弧書きが難民条約のルフルマンの例外を反映するものであれば、先ほど申し上げたように、この条項は難民認定された者に適用されるべきものですので、この括弧書きを適用する前に、既に難民認定申請の結果を出しているという必要があります。さらに言えば、53条3号2号に、2号に、規定の拷問禁止条約、3号の強制失踪条約、そして入管法に規定されてはいないものの、自由権契約の第6条と7条は、それぞれノンルフルマン原則を規定するものですが、そこに難民条約のような国家の安全を理由とする例外はありません。出身国で拷問や強制失踪などに直面する場合は、国の安全への問題があるとして、53条3号1号の括弧書きに該当しても、結局のところ、送り返すことは禁止されているのです。だからこそ、例えば3年以上の実験を受けているからといって、自動的に送管停止口を外して難民認定審査の結果も出さないということは、これらの人権条約の適用性も判断なされないまま、送管される可能性をも高めます。法案によって初回申請者に送管停止口の解除がなされるのであれば、なおさら第53条3号が難民外相性が審査される唯一の根拠条文として大切になります。しかし、53条3号がノンルフルマンを担保する規定として有効に機能するためには、様々な方策が必要です。例えば、53条3号の適用性、つまり送管先で迫害を受けるかどうかについて、誰がどの段階で聞き取りをして審査をすることになるのか、入管法は明確ではありません。入管法第45条から49条を読むと、入管法条内の3申請の中では、あらかも第24条の体育強制自由に該当するかどうかの判断のみがなされているように見受けられます。主任審査官による53条3号の適用性の判断に先立って、出身国において直面し得る人権侵害について、面接調査と審査が難民の専門性を持った者によってなされること、常に最新の出身国情報などを考慮し、送管先を見直すことの保障等について明文化することが必要となります。さて、複数回申請者の自動的な送管停止法を解除することについても、本来は望ましくないと考えます。複数回申請については、しかし一般論としては、本案の再審査を妥当とする要素があるかどうかを判断する、いわゆる許容性審査の手続きを設置すること自体は有用な手段と考えられています。ただし、この前提として、すでに申請が適正に審査され、最終的に帰却されたことなどが条件となります。送管停止法を仮に外すとすれば、手続保障が確保されている必要があります。具体的には、送管停止法の例外となることにつながる決定に不服を申し立てる効果的な機会、その間の送管停止を求める権利の保障などです。今回の改正法案では、送管停止法を解除するという判断には処分性がないため、行政不服審査法上の行政不服審査の対象とはされません。よって、裁判所に「退去強制例書発布処分の取消し訴訟」などを求めるしか、不服を申し立てる道がないのです。司法審査という機会しかないなら、まずは代理人弁護士を確保するため、法律不条を受けられるようにする必要があります。また、収容送管に関する専門部会の提言に則って、送管停止法の例外が仮に設けられた場合には、その規定の適用状況についても第三者チェックがなされることが重要です。この手続保障の必要性は、同条項の2号についても同じです。今回の改正案では、長引く収容問題、そして送管起死者の増加という問題の解決のために、送管停止法の例外を設けるということが目玉となっています。しかしながら、それで喫緊の課題が早急に解決されるのでしょうか。むしろ根本的に解決するには、中長期的な視野を持ち、限られたリソースを送管停止法の例外を設けて運用することに策のではなく、まず難民として保護されるべき方々を迅速に、しかも初回申請で必ず認定することに策べきではないでしょうか。そのためには、公正で効率的な手続を保障すること、現在は不服申立てまで平均3年半かかっている処理期間を短くすること、一時審査における代理人の支援と同席を保障し、不認定になってもその理由について丁寧に説明することなどが、難民認定制度の誤用・乱用の防止につながります。その意味では、衆議院での修正案に難民調査官の研修や出身国情報収集の充実化等が規定されたことは意義が大きいと考えております。しかし、例えば、研修の対象者を参与員や法務省の決定権者を含む、すべての難民認定に携わる人々に広げることも重要でしょうし、出身国情報の収集分析に関しても、各案件に関してどのような出身国情報が判断の基準となったのかを情報開示するなどして、透明性を高めることも重要になってきます。さらに、不服審査の独立性を確保することをはじめ、根本的に取るべき方策はまだまだあります。日本が直面しているこれらの課題は、日本特有のものではありません。ヨーロッパなどでは、すでに1970年代から同様の問題に直面し、それに対応してきました。これらの国々から学ぶことは多くあります。まず第一に、彼らが行ったことは、難民認定制度の質を高めるということです。その制度と信用性を高め、保護を必要としている人を確実に保護することを目指しました。UNHCRなどからのサポートを受け、質の向上に励んだのです。さらに、難民が到着してから定住に至るまで、包括的な法制度を確立しました。その中には、難民として認められなかった人々の取扱いについての規定も含まれています。さらにもう一つ、日本への移民の受入れについてのきちんとした政策を確立することは、難民認定制度の誤用・乱用の防止にもつながり、日本の未来のためであると考えます。本日ここにいらっしゃる立法府の議員の皆様の中には、添付資料にあります2011年、衆参両院で全会一致で採択された決議の採択の席にいらした方々もおられるのではないでしょうか。このとき皆様は、包括的な被護制度の確立を誓いました。あれから12年、私たちはどれだけそれを実現できたでしょうか。日本は今年12月のグローバル難民フォーラムの共同議長国を務めます。人道大国日本だからこそ、今こそ包括的な被護制度の確立のために、何が優先的に議論されるべきかを考えるときではないでしょうか。ご清聴ありがとうございました。

46:21

ありがとうございました。次に長沢参考人にお願いいたします。

46:26

長沢参考人

46:28

はい。よろしくお願いいたします。私は北関東医療相談会とアミーゴソン事務局長をしてお話しします。私たちは25年以上、東京及び北関東で困窮する外国人支援をしてきました。とりわけ、今日は、狩り方面の状態におかれている外国人の生活状況についてお話しします。まずは私たちの活動紹介です。お手元には資料を入っていると思いますが、私たちは1997年6月に群馬県石崎市から活動が始まりました。きっかけは、オーバーステイのフィリピン人男性が胃がんの治療で回復手術しましたが、手がつけられず死亡したからです。以来64回、合計3207人の生活困窮した外国人の健康診断と生活支援を行いました。私たちの支援は、すべての人が健康と平和な生活ができる共生社会の実現を目指し、特に外国籍生活困窮者のための保険・医療または福祉の増進を図る活動とし、健康診断を中心とした支援する活動を行います。一般的な成人病の検診方法に則り、普段受診する機会の少ない貧困者に、結果、成人病などの健康診断を受ける機会を提供し、胸部X線、献尿、血圧、血液検査、医師との診察、歯科検診、希望者には心電図、婦人科検診を行います。また、通訳者支援、弁護士相談、家賃相談、女性相談、食料支援、中古医療の支援を行ってきました。2. 生活困窮者外国人の現状です。生活困窮者外国人の特徴は、在留資格がない、現金がない、健康権を含めた社会的支援につながっていない、言語困窮者が多い、これは話すことができても読み書きができないのです。ですから、皆様方がまとめていただいたようなペーパーは誰も読めない。支援体制が整っていない、とりわけ仮方面社は入管から働いてはいけない行動の制限があることによって、これらの特徴は際立ちます。在留資格がないということは、住民票が作ることができず、住宅を借りることもはばかります。よって受診対象者には受診費用の無料、交通費の全額支給、無料法律相談及び病院紹介、治療費は一部負担上限5万円まで、食料支援、無料定額診療の病院の紹介、診療費がなくても診療可能な病院の紹介といったことをしております。3.個別医療支援活動個別医療支援活動は、健康診断会と電話相談支援要請が来た外国人の支援を行っています。2020年からは、非死体者の出産についての相談を含めました。これは県によっては入院助産制度をしていないとホームページに明記してあったからです。2022年度は、80人の生活困窮した外国籍住民から問い合わせが受けました。主たる病気を紹介します。腎臓病、ネフローデの疑い、出産支援、母親低温切開、左心低経性症候群、いわゆる左心室がないという難病です。重血吸中による心臓病、急性中水炎、子宮菌死2件、狭心症、心臓のステント手術、肺がんの支援、心房再動2件、食道がん手術、30年にわたる耳の外症性の難聴、その他糖尿病、高血圧、ほかです。在留資格とがん、これは新聞にも出ていましたので、記憶にある方もいると思いますが、神奈川県に在住のカメルーン寺リディン・デス・マイさんは、仮方面者でした。2018年に乳がんと診断され、2020年10月末期の乳がん患者となりました。家賃が払えずホームレスとなり、当館に支援要請され、11月に修道院の礼拝会の施設で収容されました。その後、聖ヨハネ会桜町病院で末期を迎えます。2020年11月末に在特を申請し、数度交渉し、翌年21年1月7日にようやく認めるという連絡があり、1月21日に弁護士に在特が下りた連絡がありました。しかし、本人に在留カードが届いたのは、2021年1月23日午前10時で、亡くなったのは午前6時25分、死亡後3時間経過でした。あわせて、2021年2月に南アジアの女性は乱送がんステージ3在特申請して、都内の病院で手術することができました。手術後に在特は認められ、抗がん治療を6回受け、回復しました。こういったことから、マイさんの事例は制度として本当にきちっとしていたのだろうか。人は死んでも制度を作れない、今の状態は何だろうというふうに思います。出産支援として母親、帝王節介、佐福京都の左心低経性症候群、難病の治療は難病申請を行いました。さらに国会議員の方にも理解をいただき、入管に申請をしました。その結果、親子で仮滞在という幸遇を得ました。手術もうまくいきました。振り返って、もし制度として確立していれば、このように国会議員の仲介がなくとも仮滞在の許可が得られたのではと思います。つまり、入管による在特等の申請は国会議員の紹介など特別にしなければならないということが前提ではないかと思います。次に、無料定額診療の病院と外国人についてお話しします。無料定額診療事業は、社会福祉法によって低所得者等に、事業機関が無料または定額な料金によって診療を行う事業です。厚生労働省は、低所得者、養護者、ホームレス、デイブイ被害者、人身取引被害者などの整形困難者が無料定額診療の対象と説明しています。実施者には、固定資産税や不動産支足の非課税など税制上の優遇措置が取られています。無料定額診療事業によって生活困窮した外国人はずいぶん助けられてきました。しかし、現在の日本は日本人の生活困窮者も多く、たくさん無料定額診療所に来ます。国の政策でインバウンドを活用によって、外国人には高い200%、300%の診療費を要求する大学や国立病院も現れ、そのまま仮訪問者に適用されています。先ほどからの国連の自由規約と仮訪問者について、私たちは、理事の大沢雄馬さんと萩原義子さんによって、昨年国連で仮訪問者のことを訴える機会を得ました。結果は、今回の国連では初めて日本語のローマ字表記「仮訪問者」となり、世界の仮訪問者の中でも際立った存在となりました。しかし、国連の提言にさえ耳を貸さないという、非常に冷たい事態になっております。仮訪問者とは生きていけない人たちですので、私たちは次の要求をいたします。日本政府から帰国すべきとされていますが、難民で母国で生命の危機にさらされる恐れがあるから、帰国できませんので認めてください。就労を認めてほしい。仮訪問者には生活する手段がなく、働いて収入を得ることは一切禁止されているからです。次に、医療保険の加入を認めてください。これも在留資格がないので、全く保険に適用されません。最後に、生活保護法の活用を認めていただきたいと思います。次に、野党案と政府案の今般の入管法の比較について、私たちの立場をお伝えします。私たちは独立した第三者機関難民等保護委員会の設置を求めています。難民認定を行うには、専門家や有識者の方々に委員として入っていただき、客観性、透明性、納得性である形で保護すべき方々を適切に判断してください。対象者を現状の制度から広げ、保護すべき難民を積極的に保護し、保管的保護として在留特別許可のあり方も取り入れてください。収容しないことを基本に、収容期間についても上限を設けてください。野党案では長期の非正規滞在者なども救済からこぼれないようにしたことを評価したいと思います。日本が国際社会の一員として当然に果たすべき役割としての制度が提案されています。現行の延長のような管理措置制度を作っても何も解決とはなりません。また、私たち北関東医療相談会は、現状において管理人の引き受けはできないと思います。こういったことから、野党案を支持していきたいと思います。私の発言は以上です。

57:49

ありがとうございました。以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。質疑のある方は順次御発言願います。自由民主党の加田博之でございます。本日は、この法案につきまして、4名の参考人の皆様方から現場に即した御意見、そして、今までの経験された形での御意見をいただきましたことに、まずもって感謝、御礼を申し上げたいと思います。まず、河村参考人にお伺いしたいのですけれども、河村参考人は国際人権法の学者委員としまして、先ほどもお話ありました収容総監に関する専門部会などの委員も務められたということなんですけれども、専門部会の中の方では、いろいろな御議論があったと思うんですけれども、改めまして、今回のこの本法案に対します評価をお伺いしたいと思います。

59:02

河村参考人

59:04

河村参考人 ありがとうございます。それでは、御質問に即しまして、私の収容総監専門部会、こちらのまず経験をお話をさせていただいた後に、考えをお話しさせていただければと思います。収容総監に関する専門部会は、大村での収容の問題で二度と再びマークをしたものが起こらないようにということで、様々な学問分野の先生方が介されて、また、相次いでの方も介されてお話をさせていただきました。私はその際に自分の任務として、国際人権の観点をなるだけ低減して、そして、この収容の厳しい状態を何とか変えたいという思いで、いろいろお話をさせていただいたところです。関連する国際法の人権の文書、UNHCRの文書、また、いろいろ国際法の他のところで議論のある文書なども資料等でお示しをしながら、その考え方を何度も何度もお話をしたというふうに記憶しております。この専門部会では、収容相関というテーマから、相関、忌避者という言葉がなかなか難しい話なんですけれども、その中にもやはり保護すべき人があるだろうということをご提案を申し上げて、難民ではないけれども保護が必要な人も確実に保護できるような仕組みの新しいご提案というのもその際にさせていただきました。そして、収容が恣意的でないという形にするにはどうしたらいいのかというようなことも国際的にお話しされているような文書をお示ししながら、こういうふうなやり方がいいのではないかと、あらゆる角度からお話をさせていただきました。だから、収容の恣意性のみならず、広い範囲でのお話をさせていただいたところです。それで報告書が出来上がり、今回の法改正案につながっていくわけなんですけれども、今お話をしたような点が法案に反映をされているというふうに私は考えております。私がご提案させていただいた保管的保護対象者という新しい制度を作ってくださいということでお示しした点も今回法案に入っておりますし、それから難民申請の手続きの際に在留特別許可をご希望の方がお申出になる場が最終のところでしかないということで、今回新しく在留特別申請の手続きを新設していただくと、こういった規定も入りました。これもご提案させていただいて、そういったものもきちっと入れていただきました。早期に保護できる体制というのも作っていただきました。それから収容に関しては、原則収容というものを今回改めて管理措置制度というのを入れていただく。それから収容ができるだけ短くということで、3ヶ月ごとの事後のチェックもしていただくようなこと。多くの新しい取り組みを収容総監のお話で上がってきたところを入れていただいたと思っております。したがいまして、そうした国際人権の観点からも大きく前進した法案だというふうに捉えておりまして、包括的に見ますと、この法案というのは大変賛成で、ぜひ可決をと思っておるところでございます。はい、ありがとうございます。やはり収容総監に関する専門部会の中で、私も議事録もいろいろ聞いたんですけれども、大変皆さん提案・提言をされておりますし、先ほど言いました、単なる一方面から見るのではなくて、他方面から、どのようにすればこの大村での事案を二度と起こさないようにするべきか、その場合を想定した形、また、保管的保護対象者のことについてや、在留の特別許可のこととか、そういうのもしっかりと今回新たに盛り込んでという形でやられているということを専門的なご意見いただきましてありがとうございました。続きまして、安倍参考人にお伺いしたいんですけれども、安倍参考人の方も、難民の申請のことにつきまして、本当にご尽力されて、長年されていることに感謝申し上げたいと思います。先ほどお話しいただいた中で、年間50件、3、4院として審査されたということで、10年間ということですから、約500件と。先ほどお話ししたそのうちの難民認定率の部分で言いますと、500件分中の40件、クルド人とか中心にということを言われていたんですけれども、実際、難民の認定の意見が採用されなかった部分が多くあるというご指摘がございました。実際、ただ難民3、4院というのは3名の中でいろいろ意見をやっていくんですけれども、それは3人の中での多数意見だったのか、それとも少数の意見だったのか、この件について、この3人のやりとりの中身についても、安倍参考人にお伺いしたいと思います。お願いします。ご質問ありがとうございます。全て個別意見、私1人の意見でした。はい。

1:05:34

加田博之君。

1:05:37

実際、安倍参考人の方からは、1人の意見ということで、後の2人の方というのは、いわば不認定という形で行われたということですね。

1:05:56

安倍参考人。

1:05:57

そのとおりです。はい、わかりました。

1:05:59

加田英之君。

1:06:01

はい、すみません。それでは、続きもう1回、安倍参考人の方からなんですけれども、難民認定を担当する第三者機関を設立すべきというご意見もあったんですけれども、このご意見についてなんですけれども、すみません、これは河村参考人の方にお伺いしたいんですけれども、先ほども最後の方にご指摘されたと思うんですけれども、第三者機関の設立すべきというご意見というものに対しましてのご見解、他の参考人の方も言われているんですけれども、河村参考人の方としましては、この第三者機関の設立ということについて、どのように考えるかお伺いしたいと思います。

1:06:42

河村参考人。

1:06:44

はい、ありがとうございます。先ほどもう少し述べさせていただきましたが、私の考えは、現時点で第三者機関の設立というのは反対の立場でございます。理由は大きく3つあります。1つは、先ほども触れましたが、入管業務と難民被護制度というものは連携してくる部分もあります。そして、今日、世界的に見ますと、また多くの方が国際的な移動をしていく中で、難民であるのか移民であるのか、そこの判断が難しいのが世界的に起こっておりまして、ヨーロッパやアメリカの厳しい現状などの報道もあるようなところでございます。また、難民で保護することは、もちろんきちんとやらなければいけないんですが、他の在留資格での受け入れというのも推進していきましょうということが国際社会で言われている流れでございまして、これはやはり両方きちんと見ていくという、包括的な目で政策を練っていくというところが一つ必要ではないかというのが1点です。2点目は、この少数の保護だけに特化した体制というのでは、ちょっと今では現実的に大変厳しいのではないかというふうに考えております。それを今、入管職員でやっているキャパのものを、それを入管職員全部外して新しくということになりますと、相当の人員を確保するということが難しいのではないかということを思いまして、私は今の体制でとにかく質の向上を図る手立てをしていって、より良くしていくのがいいのかということです。それから第三者機関でなければならないかどうかという点で一つ付け加えさせていただきたいのですが、その被護政団の国際法で根幹的な考え方として、その被護権というのは誰の権利なんだという議論があります。その際に、被護を申請する権利は個人の人権でありますが、被護を付与する権利は国家の権利と、こういうふうに整理がつけられております。そうしますと、被護を付与する権利が国家が行使する、国家の行政が行うということは、実は原則に沿った運用ということになろうかと思います。そうした観点も含めて、現態性をより良くしていくという形で十分なのではないかという考えた次第でございます。川村参考人にお伺いしたいのですが、先ほどのご意見を踏まえた上で、実際、難民審査の参院制度について、先ほどの議論はあったと思うのですが、参院制度についての維持をすべきかどうかについて、ご意見をお伺いしたいと思います。

1:10:21

川村参考人

1:10:23

はい。今のご紹介もあったところですが、今度は私の経験を少しお話をさせていただきます。私が2015年から難民審査参院を拝命しておりまして、足掛け8年担当してさせていただいております。その間、思いますことは、今、難民認定数のお話も出ておりましたけれども、おそらく大体月に私は30件程度、少し少ない方だと思います。大学のこともありまして少し少ない件数ではないかなと、他の参院の方に比べると思いますけれども、そうしますと今までで大体200件強くらいお探偵をしていたかなというふうに思っております。そのうち難民認定をしたというと、4、5%くらいかなと思うんですけれども、一つここでちょっとご紹介したいのは、昨年度は非常に認定した数、非常にというのもちょっと訂正しますが、増えたという経験をいたしました。そして私の意見も多数になった件数が複数出たということがありました。申しますのは、昨年全体の認定数やら、全般が増えているんですけれども、難民審査制度においても、それから審査請求においても数が増えています。またそれは色々な要因があると思います。県衆も積み重なって、何兆間も県衆が積み重なってきたし、参院の方も、この手引き指すくてせいのところで色々意見を入れたり意識も上がってきました。ですので、段々に積み重なって、いい状況にあって、私が少数派に回って認定されなかったというよりか、去年はほぼいけたというような認識がありますので、そのあたりも含めて、今の体制でより良くしていくというのが、よろしいのではないかというふうに考えているところです。以上で終わります。

1:13:13

薪山博恵君

1:13:16

立憲民主社民の薪山博恵でございます。参考人の皆様、本日は大変お忙しい中、ありがとうございました。さて、人権侵害などの不祥事が多発している収容の長期化に対しては、政府案のように収容の代わりとなる管理措置の導入で対処するという選択肢と、もう一方で、全権収容主義を撤廃して、収容の開始または継続時における司法審査を導入して、さらに収容期間に上限を設けるべきであるとする2つの考え方があります。まず、収容の目的について、政府案では在留活動の禁止とされていますが、各参考人はどのようにお考えでしょうか。安倍参考人、尾美参考人、河村参考人、長沢参考人の相違を順で、それぞれご説明ください。

1:14:13

安倍参考人

1:14:17

収容に関しては、私自身の考え方は、国際人権法に基づきまして、第三者、司法機関が関与し、そして上限を設ける、こうしたことが求められているという考え方です。在留というものが、日本においては外国人の活動を規制する根拠になっておりますけれども、しかし、人間としての最低限の活動、人間としての生存を確保する最低限の基本的人権の保障は、在留の資格にかかわらず保障されるべきものでありまして、収容にかかわりましても、まず身体の自由というようなもの、これが確実に保障される。そのような基本的人権を前提として、それを確保できる上で、それを最低限、必要な限りで制約する、そういうような形でないと収容も難しいと考えております。

1:15:14

安倍参考人

1:15:18

はい、ご質問ありがとうございます。今回の最低質で収容されているものについては、3ヶ月ごとに必要的に収容の容費を見直し、収容の必要がないものは管理措置に移行する仕組みが導入されたということは、一定の評価をすべきことだと感じております。ただし、その見直しは、入管庁内で行われているという理解でございますので、その点がやはり気になるところでございます。各国連人権メカニズムの勧告等に基づいて、収容の最長期限の明文上の設定、収容決定や延長についての裁判所等の、しかも入管庁から独立した機関による迅速、定期的な審査が導入されることが、やはり望ましいのではないかと思います。また、管理措置を含む収容代替措置におきましては、対象者の生活の手段の確保がなされることが必要です。本人の逃亡の予防というのは、懲役や罰金などではなくて、いわゆるケースマネジメントと呼ばれるもの、すなわち個人的にきちんとカウンセリングを行う。日本にもし在留したいのであれば、どのようなオプションが存在しているのか、あるいは全くオプションが存在していないのであれば、本国への帰還ということも含めてのカウンセリングを第三者、しかも中立な立場にあられる人が行うということは必要です。その上で、自主的に帰還したいと望まれる方に関しては、例えば国際移住機関が持っているABRRという自主機関及び、帰国して定住するようなために必要な支援を行うというプログラムが、実は日本でもございますけれども、このプログラムを充実させ、拡充していくということが、味噌になるのではないかと思います。加えまして、むしろ2004年の崩壊時代の時に導入された仮滞在が最大限に活用されていないのではないかというのが懸念事項です。例えば、2022年では、仮滞在の許可率は約10%にとどまっています。ですから、仮滞在がより柔軟に適応されるということが必要なのではないかということと、また別途、空港で適応されている一時被護上陸許可が、果たしてどれだけの人が空港で難民申請をし、結果的に一時被護上陸を許可されているのかという統計が、公にはもう発表されていません。ですから、私どもの知るところではないわけですけれども、まず水際で、私を助けてくださいといった人がどれだけ保護されているのかという現実を知るということは、大変大切なことではないかと思っております。

1:18:18

川村参考人

1:18:22

今回の改正法案におきましては、原則収容をやめる、これはずっと専門部会でも申し上げて、それが形になってきたわけですけれども、収容目的ということでございました。今回、この法案では、収容要件を定めるというのが入りました。収容すべきは、逃亡の恐れがある方、証拠隠滅の恐れがある方ということで、ぐっと絞っての収容。それから出国命令で約7割という数字がいろいろに議論されていますけれども、ルールを守って早くお帰りになる方は帰れるような形、今IOMの話も出ましたが帰りやすい形で帰っていただいて、また来ていただく1年というようなことができるような仕組みも入れて、収容をなるべく人数を減らして、期間も短くということで、そして要件も絞った。収容目的は在留の資格がなくなったから皆さん収容ですというのから大幅に変わっております。収容する場合は、逃亡の恐れがあるか、証拠隠滅かというふうにすごく絞ったというところです。今回の法改正案はそこが一つ大事なところと思っています。それから、事前の司法審査、それから上限の設定についてでございますが、事前の司法審査と述べているのは、恣意的公勤作業部会の方でその文言が入ってくるわけですが、規約人権委員会の方ではその言葉が入ってこないんです、文書の中には。特段それを勧告しているわけではない。独自の条約解釈の権限のある機関はその文言を入れていないわけなんです。そこで今回は、事前の司法審査というのは法案には入っていません。でも公正な判断かどうかということで、事後の裁判所へのアクセス、これは規約人権委員会もはっきりと述べているのでそれが入っている、文言が入っております。それから収容の上限期間の設定についても、規約人権委員会はその文言を一般的意見のある解釈に使うような文書には盛り込んでいないんですね。それで今回、昨年の11月に出ました勧告のところに少し上限を丸い形でそういうふうな方向に向かうようにというような言葉は入っているんですけれども、一般的意見の方ではないということで、要は上限設定というはっきりした数値を見せるのが難しければとにかく短くする工夫を強くしていくんだということで、3月の定期的な審査とかということで、なるべく少なくなるべく短くということを専門部会でも議論し、そしてそれが練られてこの法案になっているというところかと思っております。

1:21:43

長沢参考人

1:21:46

在留活動の禁止とされていますけれども、在留期間が一体どうなっているのか。中央なり下流方面なり、そういうことで難民申請をしてきた人たちが日本にいる期間は一体何年なっているのか。私たちが自分たちで調査をしてきた場合には、最長で70代の人もいるわけですよ。そういう人たちが在留活動を、皆さんがここで知られているような在留活動を禁止したら、生きていけませんよ。どうやって生きていくのか。これが背景にあっているのに、ただ単純に収容と目的だけを選別していった場合には、生きていけないですね。何かしらの問題を起こします。それから、相関をするにしてもつけても、生きていけるような体制をきちんととってあげて、長くいるカリフォルメイ社で70代とか50代の人がいるとか、そういうのは、もうそろそろお考え直したほうがいいと思います。これは別に、私が一人や二人の意見を聞いているわけではなくて、皆さんにお配りした資料に沿ってお答えしているんですね。日本に来て30年、生きているわけですよ。どうやって生きているかというと、人のお金に頼って生きている。それでも尊厳を持って生きていますよ。それなしに生きていこうとした場合に、人権の侵害が起きます。それは収容されている人であろうが、外にいる人であろうが、何かしらの問題を引き起こす。そういうことは考え直していただいて、生活をしていけるような最低限のことをお考えになっていただきたいなと思います。人を痛めつけるような収容とか目的とか、そういうことはそろそろ終わりにしてもらいたいと思います。以上です。

1:24:43

牧山寛君。

1:24:45

次に、収容する際の要件について、それから収容開始や継続に際しての手法審査をはじめとする入管庁以外の機関による事前審査の必要性について、それから収容期間の上限設定について、先ほどの順番でお伺いしたいと思います。まだお答えになっていない部分をお願いします。では、安倍参考人からお願いいたします。答弁は残り時間をかけますと、完結ですので、それぞれお願いできればと思います。

1:25:18

安倍参考人。

1:25:19

どうもありがとうございます。上限が設定されない収容というのは、仮に結果的に短期間に終わったとしても、非常に強い精神的ストレスを収容される人に与えます。したがって、例えば、今年の3月に韓国の憲法裁判所において、上限の設定がなく第三者機関による審査もない収容については憲法違反であるという判断が下されましたけれども、その中でも指摘されていたとおり、期限がないまま収容され続けるということは、非人道的なそのような処遇にも当たるということから、上限の設定、これは基本的人権を擁護する観点から必要なものだと、そしてそれをきちんと第三者機関である司法がチェックするという、そういう体制が基本的人権を擁護する観点からは欠かすことができないというふうに考えています。

1:26:15

小比参考人。

1:26:17

ありがとうございます。私も同意見でございます。収容期間の上限を設定する、あるいは、判例で合理的期間内に制限を行う、または、収容開始後の独立の期間による審査を導入する、この3つの条件を満たしていないのは、G7の中では日本のみであるということがあると思います。これは野党案の説明、御説明でも触れられているところでございます。ですから、これらの設定というのは、そして司法の介入というのは必要だと思っております。

1:26:54

河村参考人。

1:26:56

はい。上限の設定についてお話しします。私も専門部会のときは、上限を設定するご提案をしてまいったところでございます。その後にいろいろと研究を重ねまして、何とかそれが実現できるかどうかというのも考えて、いろいろと議論をしてきたところなんですが、世界的に見ても、上限設定は議論は分かれるところ、基本的人権に沿えば本当にそうするのがいいんだけれども、現実はなかなか難しいというような意見もあります。例えばイギリスは一度上限設定をしたんですが、これが実現ができずに、また無期限に法律の上限は今設定されていません。アメリカも文言は入っているんですけども、なかなか厳しい現実があるというところで、オーストラリアも上限がございません。この現実をきちっと踏まえつつ、一番最短で、そしてどの方の権利も守るというところが、この部分はとても難しい議論のあるところだなというふうに感じておるところです。

1:28:17

長沢参考人

1:28:19

まず収容期間については上限設定は必要です。司法審査も必要です。加えて先ほどから精神的ストレスというのは非常に問題されていますけれども、収容所の中から出てくる方において、精神科に通われて出てくる方が非常に多い。私たちの方で全部この人たちの支援をして、お薬も病院も連れていきます。8割近くの人が必ず病院を知って、そのほとんどの人が精神科の病院に通院しています。非常にストレスが多くて、はっきりしているのはPTSDだという人が何人かいます。ですからこういうような設定、こういうような病気が発生する原因になっている収容所については上限設定するのは当然のことだというふうに思います。以上です。牧山博恵君、お時間になりましたので質疑をお求めください。上限設定をはじめ、参考人の皆様方、おおむね野党提案の内容に近い内容だと思いました。ありがとうございました。公明党の谷川正明でございます。参考人の皆様、本日は大変にありがとうございます。難民認定率という言葉で、その数字で、例えばテレビ報道で我が国の場合0.1%であるとか、あるいはこの委員会の質疑では、令和4年では条約難民として認定したものと、人道措置で認定したものを含めると30%であるという答弁があったり、またあるいはそのほか、ミャンマーですとかアフガニスタンですとか、あるいはウクライナといった方々の本国事情を踏まえて、相関しないという決定も踏まえれば70%ぐらいの非合があるというやり取りもあるんですけれども、私はいずれにしても、やはりこれは保護をされるべき方が保護されなければいけないと思いますし、相関してならない方を相関してならないということだと思います。その結果の数字が、この難民認定率や非合率だというふうに思っておりまして、それが高いからどうとか低いからどうかというのは、ちょっとあまり本質的ではないかなというふうには思っている一人でございます。その上で、そうした意味でこれからどうしていくかというと、やはり難民認定の、やはり何回も申請を重ねて認定されるべきものではなくて、1回の審査でしっかり的確に判断されていくべきが然るべきだと思いますし、また一方で、条約難民のみならず、我が国の難民に対する姿勢ということでいえば、第三国定住や、あるいは留学生としての受入れということも、もっと積極的にやっていかなければならないという立場のものでございます。その上でご質問いたしますけれども、今回衆議院の修正によりましては、難民調査官に対する研修ということが、具体的に強化するということで明記をされた次第でございますが、今の参考人の方々からもですね、調査官のみならず、産業院である、を含め全ての関係者の方の、この研修だとか質の向上というのが必要だというふうなお話がございました。そこで現実に産業院を経験されております河村産業院と安倍産業院に伺いますが、まず産業院の研修について、実際どういうものなのかということと、改善点があるとすればどういったことを改善した方がいいのか、また産業院のみならず、その全ての関係者といったときに、どういう方をどう研修することが望ましいと考えていらっしゃるのか、それぞれのご見解を伺いたいというふうに思います。河村産業院の方から。河村産業院の方から。はい、ありがとうございます。まず産業院の研修等についてお話しします。産業院は任命された際に、研修という形でいろいろな資料をいただいて、手続き等の説明があります。そのほかは、年に1回、2回ぐらいですが、研修のお知らせをいただいて、専門家のお話を聞くという機会をいただいたり、それから、UNHCRと日米連の方からの合同の会の機会もいただいたりということがあります。それだけかと言われれば、基本的にはそういった形です。では、この後、どのように、全ての人の研修がどうあるべきかということでございますが、私、全ての方と先ほど申し上げたんですけれども、産業院、もちろん日々日々情報をアップデートするという機会をきちんと設けるということも必要だと思います。何長間もしっかりだと思います。それから、入管業務に係る行政官の判断をされる方々にもしっかりとご認識を持っていただく。それから、もっと広く、代理人の方へも、スペシャリストではあるものの、審査の手続きのところで、お話ししているときに、ちょっとこれはというようなことも起こったりもしますので、産業院への批判はたくさんありまして、しっかりと受け止めてやっていかなければいけないんですけれども、代理になられる方もアップデートをしていただいて、そしてスキルアップをしていただく、あるいはインタビューや対応もスキルアップをしていただくということも必要かなと、日々の事案の対応からそんなふうに思っておりますので、行政官、それから国のそういった行政に関わるもの以外の全ての人ということを考えております。以上です。安倍参考人 御質問ありがとうございます。難民調査官の検証についてはかなり重視されてきているわけですけれども、実際に難民認定に関わっているのは難民調査官だけではなく、例えば、異議審査審における難民審査産業院というのは非常に重要な役割を果たしています。すべてのものというものの中で一番重要なところは難民審査産業院であります。それ以外にも、実際に日本の難民認定に手続きの中には、入管庁のそれ以外の職員も当然関わっておりますので、そうした人たちすべて含めてということです。具体的な研修の仕方ですけれども、今河村参考人がお伝えいたしましたとおり、産業院に対しては実質的には研修はないのです。つまり、就任したときに簡単なオリエンテーションがあり、そして年に2回難民審査産業院協議会というのがこれまで開かれてきて、そこでの内容というのは、講演会ですね、専門家の地域研究の方が例えば講演をする、その後、難民認定室長、審判課長から現状説明があるということなんですね、その程度であります。したがって必要な研修というのはなされていない。何が必要かというと、面接の仕方ですね、インタビューの仕方です。そして難民受訳の解釈をどうするかという、具体的な実際の審査の仕方に係る研修、これが決定的に欠落しているというのが、難民調査官以外の関係者に対する研修だと思います。それが今後求められるだろうというふうに思っております。

1:36:02

谷合正明君。

1:36:04

OB352に関連して伺いますが、難民調査官に対する研修の方で、入管庁とUNHCRさんがMOUを結ばれておられます。その中で、難民調査官の調査のあり方について、ケーススタリーを実施しているということは、国会答弁でも出ているんですけれども、私も先日の委員会で申し上げましたが、さらに認定の質を確保する手段として、クオリティーアシュアランス、あるいはクオリティーイニシアチブといわれる第三者によるモニタリングの仕組み、これをUNHCRさんもご提言されているんだけれども、これについて導入を検討すべきではないかというような質問をさせていただいております。ただちに導入するという話にはなっていませんけれども、そもそもクオリティーアシュアランスやクオリティーイニシアチブといわれるものは、どういうものなのか、具体的にイメージをわくような実例を紹介していただければと思います。非常に重要な課題だと思います。クオリティーアシュアランス、あるいはクオリティーイニシアチブというものは、イギリスで始まりました。1990年頃だったと思います。その頃、イギリスは多くの移民難民の人たちがやってきて、難民の認定制度の質をもっと高めなくてはいけないのではないかという議論が盛んに行われたときに、このイニシアチブが始まったというふうに理解しております。どういうものかというと、実際のケースを使って、UNHCRと難民調査官の間で難民認定の審査のやり方、難民の該当性の評価であるとか、信憑性の評価、面接の仕方、それぞれ全ての段階において意見交換をするというものでございます。それプラス、出身国情報をどのように集めていくか、それをどのように分析して、個々の案件にどのように活用していくかということも含まれます。この取り組みは、例えばイギリスの場合では、だいたい一時審査のケースのうち2%ほどを抽出して実際に検討されているというふうに伺っています。ですから、1年に4,000件、一時審査で扱うとすると80件。80件のケースの全部のファイルを持ち合って、一件一件、これについてどのように信憑性の評価が行われたのか、どのような質問が面接のときに行われたのか、それについてUNHCRが一つ一つコメントをして、こうしたらどうでしょうか、こうしたらもっと事実を引き出せるのではないかというような助言をしていくというようなものです。このクオリティ・イニシアティブのプログラムについては、実際には評価がなされていて、このアシュランスのプログラムが終わった後、難民認定の率が非常に上がったと、しかも質も向上したという第三者による評価というのがなされています。それを受けまして、イギリスだけではなくて、現在ではヨーロッパのほとんどの国がこのようにしてUNHCRとの対話を重ねながら、実際のケースを使ってこれをどのように認定に評価するかということを具体的に検討するというものです。これについては、最終的な評価、認定にするか不認定にするかということについて、UNHCRは全く意見を出すことはございません。ですから、本当に具体的にその内容について、どのように行うかということです。ですから、先日の答弁の中でも、現在3件について行われているというお話でございましたけれども、将来的にはそれを数十件、あるいは数百件の規模でやっていただくということが望ましいのではないかなというふうに考えております。

1:40:20

谷合正明君。

1:40:22

時間が、間に合います。第三国定住制度について、ちょっとこの法案の中には入ってはいないんですが、ただこれちょっと大事な問題だと私は思っていまして、この我が国の第三国定住は、宮山難民からパイロット事業で始まりましたが、今パイロットではなくて、もう少し地域的には広げた形でやっていますが、なかなかその年間の枠というのはですね、枠というか年間に入ってからいる方というのは少ないわけですが、とはいえ、このアジアの中で日本がこの第三国定住を始めたという意義は大変大きいとは思っています。そこで、大塚参考人は有名者でもいらっしゃったので、今の我が国の第三国定住制度の評価と意見に、またもし河村参考人、この第三国定住制度にですね、ご所見があれば、ご見解を伺いたいというふうに思います。大塚参考人、河村参考人のご順で。まず大塚参考人お願いします。はい、ありがとうございました。在任中は、第三国定住についても、いろいろと意見を申させていただいていたところでございますが、実際にパイロットがミャンマーのケースから始まりまして、それがタイのキャンプから30人という最初のパイロットですね。それがマレーシアに移って、今はそのミャンマーという国籍を取り払って、むしろアジアで難民として存在している人たちを第三国定住のプログラムの中で日本にお呼びしようというプログラム、これ、段階的に拡充してきたということで非常に喜ばしいものだと考えております。将来的には、アジアだけではなく、例えば世界を見渡しますと、アフリカであるとか中東であるとか、難民として過ごしていらっしゃる方の数というのは年々増えているという状況にもございますので、このプログラムの一層の拡充、そして質の向上というのが望ましいことではないかなと思っています。それプラス、もう一つ、日本の中で現在進行形で起こっているのは、いわゆる民間による大学であるとか、民間団体による難民の受け入れということも非常に盛んになってきている。これはもう世界に先駆けて、例えば奨学金の制度を使って大学が率先的に難民の学生を受け入れて、将来、例えば国に帰ったときに国の国づくりに役立つような人材をどんどん育てていこうと、こういったことは世界の中でも非常に注目されているということもございますので、今後は官のプログラム、民のプログラムというふうに分け隔てするのではなくて、官と民が一体になる形で難民の受け入れというものがどのような形で行うのかということを考えていただければよろしいかなと思います。ありがとうございます。

1:43:18

川村参考人

1:43:20

今、尾道参考人からも話がありましたけれども、日本が第三国定住に取り組んだのはアジア初ということで、大変に注目され、国際社会からも評価されているプログラムだと認識しています。その上で、やはり規模を広げていくということには私も賛成でございます。多く世界を見れば、日本から遠いエリアでたくさんの難民の方、つらい経験をされている方がたくさんおられて、直接に日本に入ってくることのできないけれども、最初に避難したところが大変また苦しいお住まいの状況に置かれる方を、日本で新しい人生を始めてみようか、そういうお考えの方がいらっしゃれば来ていただくというのは、そういう体制を今後も維持していくということは良いことであろうと思いますし、これも参考にと重ねてきますが、民間と間の一体化ということ、これは今度ウクライナの方々をたくさん来ていただいた経験、この経験を踏まえて国際社会に日本は人道的な国なんだとアピールする一つの良いプログラムだというふうにも認識しているところでございます。以上です。

1:44:52

おときたしゅん君。

1:44:54

日本維新の会のおときたしゅんです。はじめに、先週行われました党委員会での我が党所属議員による一連の発言は、十分に根拠のない問題提起の範囲を超えた不適切な内容や、誠実な委員会の場を乱すものが含まれておりました。不快でまた悲しい思いをされた、石間さんのご遺族、多くの関係者の皆様、委員の皆様にこの場を借りて、私からも深くお詫びを申し上げます。今般、議題となっている法案については、より丁寧かつ真摯に、かつ議論すべきことはしっかりと議論を重ねていきたいと存じますので、何卒よろしくお願いを申し上げます。4名の参考人の皆様、本日は、本当に貴重なご意見をありがとうございます。我が党は、人権と出入国管理、治安とのバランスをとって提出された政府の改正案に一定の評価をしております。一方で、改正案の議論をしていく中で、現行の入管行政におけるいくつかの懸念点もございます。その一つが、施設内での医療体制、もう一つが、入管非就業者と、その支援するグループとの適切な関わり方です。はじめに、実際に外国籍の方に対して、医療相談会を提供していらっしゃる、長澤さん先生にお伺いをいたします。仮放免後の状況については、本日、詳細なお話がありましたが、就業の施設内、とりわけ医師が常駐していない就業施設では、健康観察や診療はどのように行われているか、その実態をご存じでいらっしゃいますでしょうか。その上で、就業所内でも、常勤の医師を特に確保して、適切な医療を提供するために、どんな改善点が必要であると考えているか、ご見解がありましたら、お願いいたします。

1:46:29

長澤参考人

1:46:31

基本的に就業施設は国の施設ですから、第30条の処遇規定に沿ってそれぞれ測っているかと思っていました。しかし、ないということになると、それは問題かと思いますので、適正に外部の医療機関と連携をしていただいて、健康診断を適切にやっていただくのがよろしいかと思います。それと、当然ながら、いないからといって済む話でもないので、看護師さんとか、それに代わる人体制が取れるのではないかと思うんですね。そういった方をおいていただいて、常に外部の病院等をきちんと、医療としていう言葉で対応していただきたいと思います。

1:47:22

小田急君

1:47:24

ありがとうございます。まさに我々の医師確保、あるいは医療従事者の確保、これ極めて重要だと思いますので、具体的な計画を早期に立てるべきということは、提言していきたいと思います。次に、我が党が課題意識を持っている、被収容者と支援団体との関わり方について、難民審査3、4人の経験がおありの安倍参考人と河村参考人にお伺いをいたします。被収容者と支援団体をめぐる諸課題については、政府の資料にも、逃亡事例などの記載があるほか、令和3年8月10日の三県新聞においても、残念ながら複数の逃亡事案に関与された団体があること。また、令和3年6月27日の東京新聞長官には、支援団体の方による暴れたり、ハンガーストライクを行ったりした人は、仮方面されやすいとのコメント、認識を示す内容が記事に掲載されておりました。こうした、ややもすると社会と被収容者との摩擦を引き起こしかねない支援の団体や内容が、入管行政の現場に存在することを、難民審査3、4人を務める中で耳にされたことがあるでしょうか。この上で、被収容者と支援団体の関係に課題があるのであれば、より良い関係、改善策を模索するべきと考えますが、安倍先生と河村先生、それぞれご見解やご意見がありましたら、愛用順で安倍先生からお聞かせいただければと思います。

1:48:39

安倍参考人

1:48:41

被収容者と支援者との関係に関して、3、4人の時に、特段、今お伝えいただいたような問題は認識しておりませんでした。支援者とその上で、支援団体と被収容者との関係がどうあるべきかということですが、基本的にはきちんとした制度をまず整えるということですね。被収容者をめぐる制度をきちんと整え、医療制度も含めてですね。それがきちんと整っているということが大前提でありまして、それを支援者がサポートしていくという形が、これが本来の姿ではないかと思います。

1:49:23

河村参考人

1:49:25

難民審査3、4人の立場で、またその任務の中で、支援者と被収容者の関係性の問題が明らかになったというケースは、私の経験上はございません。したがって知識が実体験としては乏しいところでございますので、お答えが少し難しいところでございます。

1:49:53

おときたしゅん君

1:49:55

ありがとうございます。この支援団体をめぐる方については、丁寧にまた関係各省からヒアリングを行っていきたいと思います。また関連するところで、管理人の規模拡大、また管理人の負担軽減策なども支援策を構築する必要があると、党としては考えておりますので、引き続き我々は議論してまいりたいと思います。続いて安倍参考人にお伺いしたいのですが、冒頭のプレゼンテーションの中で、この3、4人として40名と、520年と認定を出されてきたということでありましたが、他の委員からのご質問の中で、これは少数意見、単独意見であったということの回答がございました。この単独の少数意見になったことの要因を、ご自身はどのように分析をされているのか、すなわち、例えば難民の審査の参与の、例えば人選自体に問題があるとか、あるいは行政からの情報提供に、3、4人、3名でやられていたと思うんですけれども、そこに課題があったのか、ご自身の意見がこの少数意見になった背景、理由について、ご考えをお聞かせいただければと思います。

1:50:49

安倍参考人

1:50:51

はい、ご質問ありがとうございます。40名弱というふうに申し上げたんですけれども、いずれもご指摘のとおり、少数意見、単独の意見でした。その理由は、他の方と意見が合わなかったということになるわけですけれども、他の方はもちろん、他の2名の参与委員の方も、ご自身の判断基準に基づいて、親入りになったことであり、それについて私自身は、特に論評することは避けたいと思います。しかし私自身は、国際難民法の基本的なスタンスに基づいて、粛々と認定すべきだというふうに判断を下したということであり、そうした認識が共有されていなかったというところに、私がこうした少数意見を書くことになった理由があるのではないかと思っています。本多北太子続いて安倍さんの講義にお伺いしたいのですが、冒頭のプレゼンテーションの中で、特に最後に人権を意識した制度運用をしなければならないという胸の発言があられたかと思うのですが、もちろん人権というのは最重要である反面、受け入れる社会としては、秩序の維持であるとか治安であるとか、国益というと少し公平があるかもしれませんが、持続可能な受入れ体制を整えていかなければいけないという極めて難しいバランスの中に、法律や制度運用があると思うのです。あまりにも理想を追求しすぎると、ややもすると社会の秩序が維持できないと、このバランスを安倍参考人はどのように捉えて、ご自身の判断をされているのかというところを、もう少し詳しくお伺いできればと思うのですが、いかがでしょうか。

1:52:22

安倍参考人

1:52:24

ご質問ありがとうございます。先ほど私は20世紀の国際法と21世紀の国際法という言葉をお伝えしました。20世紀国際法的な感覚ですと、国家の主権をまず前提に出して、この主権を前提にどれだけ人権を実現していくかというふうな、言ってみれば主権ありきということなんですね。21世紀ももちろん主権がなくなったわけではありませんけれども、しかしその関係性が変容しておりまして、人間の権利まずありきということになっていくわけですね。しかし人間の権利があらゆる場面で全て実現するかというと、それは難しいわけでありまして、それを制約する自由というのが人権処置枠にはきちんと明記されているんですね。しかし拷問を受けるというような場合には、これはいかなる理由があっても拷問は禁止されていますけれども、多くの人権に関しては制約する自由というのが明記されており、その制約する自由をきちんと精査していくことによってバランスが取れるというふうに国際人権法制度設計ができているんです。そのもとで入管もやっていくべきだという、そういうのが私の意見です。

1:53:29

おときたしゅん君。

1:53:31

ありがとうございます。ご意見踏まえてしっかりとこの法案の内容をまた審議していきたいと思います。次に再び河村先生にお伺いをいたします。先ほど冒頭申し上げたとおり、我が党は人権と出入国管理や治安といった、いわゆる国益とのバランスを取って提出された政府改正案へ一定の評価をさせていただいております。ただ一方で不十分な点もございましたので、衆議院の方で一部の修正をさせていただきました。この修正内容は、その一つは難民調査官が難民認定の申請をした外国人に対し、その身身の状況、国籍または市民権の属する国において置かれていた環境などの状況に応じ、適切な配慮をすること、これは義務付けるというような内容になっております。こうした修正によって、人権を尊重した上で保護すべき人は確実に保護するという法改正の実効性がさらに高まったと我々は考えておりますが、これをどのように受け止めていらっしゃるか、この法案の元となった報告書を作成した、収容総監に関する専門部会のメンバーであった河村先生に改めて評価を伺いたいと思います。

1:54:29

河村参考人

1:54:31

ありがとうございます。今ご紹介ありました衆院での修正案、大変素晴らしい修正案だと受け取っております。とにかくそうした細やかな配慮、そうしたものもきちっとやっていくんだという姿勢が占められたものであるというふうに思っております。

1:54:53

小田急君

1:54:55

はい、ありがとうございます。この配慮に関しても違反しても刑事罰や不認定処分の取消しがなくて、実効性がないといったようなご意見もございますが、これ法有用面で政府の取組を我々も注視していきたいというふうに考えております。河村先生にもう一問お伺いいたします。本法案は、ウクライナ避難民など紛争避難民などが法務大臣の裁量のみで保護されていることを改善し、保護すべき方を確実に保護するための改正も行われています。この点、日本におけるウクライナ避難民の受入れについて記された河村先生は、どのような評価をされていらっしゃるか、この点も改めてお聞かせください。

1:55:28

河村参考人

1:55:30

はい、今般のウクライナ避難民の皆様の受入れ、大変に迅速な政府のご判断で、大変に国際社会からもご評価がある素晴らしい対応だったと思います。この長期化の様相が見受けられる中で、日本に来られている方々の確実な在留を確保するという観点からも、今回の改正法案に保管的保護の対象者となるものの規定が入ったことは大変有意義であると思っております。

1:56:08

小徳北俊君

1:56:10

河村先生が最後に、他の委員からも発言がございますが、難民の認定率ですね。日本は難民の認定率が著しく低いと言われておりますが、そもそも難民認定率という数字が、どういったことを表す数字で、難民問題の取り組みに対して国際資格を用いるのにどこまで適切な数字なのかというところは、これは諸々議論があるところだと思うんですが、この評価について河村先生のお考えをお聞かせください。

1:56:35

河村参考人

1:56:37

はい、ありがとうございます。難民認定率を用いて、各国の状況の比較等を行うことについては、私は問題があると思っております。これは衆議院の参考人の滝沢参考人も、各国の受入れ体制が違うことによってカウントのされ方が違うんだというようなこともご紹介なさっておられましたが、そこも私も同感でございます。日本においては、安全な第三国とか安全な出身国とか、入国無段階で精査するというようなことがやっております。皆さん来た、明らかに難民申請しても明らかに利用のない方も同じようにカウントの中に入ってくる。他国であればカウントに入らないかもしれないという人も一緒にカウントしている。それから保管的保護の対象者というものが他国でははっきりと規定がされているけど、日本には規定がされていないというようなこととかですね。いろいろな体制の違いによって数の取り方も違ってまいりますので、また地理的な状況においても、どういった国からどのような形の方が来られているか。さっきダイソン学定上のお話もありましたけども、そういう形でたくさん受けられているところのカウントはどうなんだろうとかですね。あまり認定率というものを使って評価をするというのは、私はあまり好ましくない方法ではないかというふうに考えております。

1:58:29

おときたしゅん君。

1:58:31

ありがとうございました。最後に尾瓶先生にお伺いいたします。LGBTと難民というシンポジウムに出られていらっしゃったものを拝見いたしました。先般、同性愛が犯罪として処罰される、うがんだから出国されてきた当事者の女性が申請が認められず、裁判の判決が出てようやく認定されたという事案がございました。これは知識不足の入管庁の情報収集に課題があったと思いますが、こうしたいわゆる性的指向というものは、プライバシーの問題もあって、難民の申請者が主張されても、それが真実相当があるのかどうかというのは、なかなか他人からわからないことも多いのではないかというようなことも指摘されている中ですが、こうしたものにどう向き合って、認定というか判定していくのか、そこについてご意見がありましたらお聞かせください。尾瓶さん、後任。ありがとうございます。難民の保護の中でも、特にLGBTI関係の方の保護というのは非常に難しいと、私もUNHCR時代の経験をもとに感じております。というのは、まずその方が自らが、例えば自分がゲイであるということを他人に知らせるということがほとんどないわけです。その中で、この人はLGBTIQの方だから特別な保護が必要だと、支援者がその人にアプローチして、あなたに必要な保護を差し上げましょうということ、そこまでたどり着くまでに非常に時間がかかるということがあると思います。それと同じことがやはり難民認定にもございまして、最初の段階からLGBTIQの方が、私はLGBTIQであるから迫害されたんだということをおっしゃる方がどれだけいらっしゃるかということになってくるんだと思います。その時に、それでは誰の義務になるのか、その人を確実に保護するためには何が必要なのかと言われたら、それは難民調査官、いわゆる面接を行う側が、その人が来た出身国でどのようなことが起こっているのか、例えばLGBTIQを禁止するような法律があるということであれば、おそらくその人がいられないような状況が作られていたのではないかということを推測することも可能でしょうし、面接の中でその人がどうして日本に逃れてこなくてはならなかったかということを事実をもとに引き出すという、なんていうんでしょう、テクニックといってはちょっと語弊があるとは思いますけれども、きちんとした難民認定の基準、そして難民認定の面接の仕方、信憑性をどのように捉えるか、どのようにその人の仕草、表現の仕方、そしてその人がおっしゃっている内容を評価していくか、分析していくか、経験と、それから非常に深い動作通力というのが必要になってくると思います。その方からもやはり研修の必要性、重要性ということが示唆しているんだと思います。特にこのように保護が難しい方々、自らがおっしゃらない方、その人たちをきちんと保護していくというのがやはり難民保護の真髄でございますので、そこを重視した難民研修制度のやり方というものが、今後も継続して必要だというふうに考えます。時間ですので終わります。ありがとうございました。国民民主党の河合隆典と申します。本日4名の参考人の皆様には貴重なご助言を賜りました。ありがとうございました。私からまず安倍参考人にご質問させていただきたいと思います。先ほどの意見陳述の中で、40件弱の本来難民認定されるべき方がされなかったということについて、言及がございましたが、具体的に認定されてしかるべきだったのに認定されなかった事案といったようなものはどういったものがあったのかということについて、もう少し具体的にお教えいただけますでしょうか。

2:02:53

安倍参考人。

2:02:55

先ほどの陳述の中でもういくつか申し上げましたけれども、それに加えて私がすごく印象に残っている1件申し上げます。これはある国から逃れてきた女性の方なんですけれども、夫が交通事故で亡くなった。そのことを理由に夫の親族から危害を加えられるというこういうことを訴えて、本国を逃れてきた人だったんですね。このケースは現審第一次審査の段階ではインタビューもなく、書面審査だけで不認定になって回されてきました。おそらくそれは、詩人間の紛争であり、プラス夫が交通事故で亡くなったことで、なぜ妻が夫の親族から攻撃を受けるのか。これが言ってみれば奇妙、規律な考え方だろうということで、そもそもきちんとした審査に値しないということで不認定になったように見ております。しかし私は結果的にこれは認定すべき事案だというふうにしました。というのは、出身国情報を調べてみますと、その方の出身国では、確かに夫が交通事故で亡くなったというような、いろいろな理由で夫が亡くなったときに、妻が夫の親族から攻撃を受けるということが頻繁に行われていて、それが重大な人権問題になっていたんです。そしてそのような事案が、欧米諸国では少なからず見られて、難民として認定されているんですね。そういうようなことから、私も様々な情報を収集した上で、この人は特定の社会的集団の構成員を理由にして、重大な危害を受ける危険性があるから、本国に戻すのは危険だということで難民党を認定すべきだというふうな判断を下しました。そして申告情報が十分に収集されていなかったこと、そして私人間の紛争だからといって軽視したことが、不認定の原因ではないかと思っています。そうした問題が生じたということを踏まえて、今回の法改正で、様々な措置は講じられているわけですけれど、そのことを出もって、そうした問題の再発を防ぐことが可能と、先生お考えでしょうか。

2:05:06

安倍参考人

2:05:08

研修というのが何度も、今日、他の参考人の方から強調されています。その研修をどのようにやるのか、誰に対してやるのかというところ、これがまず非常に重要でありまして、難民審査参与員も含めて、面接の仕方であったり、教授の信憑性の評価の仕方であったり、出身国情報の使い方であったりという、そういう個別事案に則した研修というのがきちんとなされるという体制が整わないと、同じような間違いが繰り返されていくように思います。また、出身国情報を収集し分析する体制が、ここ数年の間少しずつ改善されてきていますけれども、非常に不十分な状況にとどまっているので、ここも懸念の対象であります。

2:05:53

河合貴則君

2:05:55

ありがとうございます。OBI参考人に、今の質問に関連してお伺いしたいのですが、先日、衆議院を通過した法案に修正が加えられて、出身国情報の収集、難民認定検証にまつわる規定等について、いくつか書き加えられました。こうした修正に対するOBI参考人のご評価をお伺いしたいと思います。

2:06:22

OBI参考人

2:06:23

ありがとうございます。今回、明文上、こうした規定が置かれたことは、非常に喜ばしく歓迎したいと思います。また、研修を実効性あるものとするためには、難民認定手続に関与する全ての当事者への継続的な研修能力育成が必要になりますので、先ほど来、申し上げましたように、難民調査官だけではなく、不服申立ての手続に関わる難民審査参用員ですとか、通訳者、弁護士の方も含めてです。それプラス、裁判官の方に対しても専門的な研修を行い、それを継続していくことが求められると思います。特に、難民認定の決裁権を持っていると思われる法務省の政務参役の方、これは以前にもお話が出てまいりましたけれども、現在の一時審査においては、面接を行う、すなわち難民申請者と直接対話をして面接を行うその方が判断権者ではないんですね。その方の意見聴取をもとに、他の方々、法務省内の他の方々がそれをご覧になり、最終的にこの人は認定してもいいだろう、あるいはこの人は不認定だという判断が行われるというふうに理解しております。ですから、面接を行う難民調査官だけに、例えば今回発表されました手引きの内容、そしてそれをいかに使うかということを研修するだけでは不十分で、最終的に判断を下される方すべて、この手続に関わられる方すべてに研修を行うということが必要になってくるんだと思います。研修の教材についても、例えばUNHCRは自らが世界の各地でいわゆるマンデート難民審査というのを行っておりまして、その研修の教材も作っております。こういったものを法務省さんと共有させていただいて一緒に作っていく。しかも、いろいろなガイドラインが例えば新しく発表されたということになれば、それを随時アップデートしていくということも必要になってくるでしょうし、それが実際の難民認定実務に活かされているかどうかということを評価するということも必要になってくるのではないでしょうか。すなわち、研修をただやりっぱなしにして、これで研修をやりました、何回やりました、だからよかったですねというのではなくて、それが効果的に実際の難民認定に確実に反映されているかということを判断するような評価が行われる可能性が必要性があるのではないかと思います。それから出身国情報に関してですけれども、これもやはり同じように、先日のお話の中で5名の方がこの出身国情報の新しく作られた部署で働いていらっしゃるというお話を伺いました。私が働いていた頃は、そういった専門の部署はまだなかったんですね。ですから、この数年の間にそういった専門の部署ができたということは非常に喜ばしいと考えております。この5名の方というわけですけれども、将来的にはその数も、それから行う範囲ももっと拡充していただければと思いますけれども、それプラス、やはり、お役所ですから人事異動というのがございます。2年間、3年間働かれて、やっと経験を持ち、そして知識の蓄積が行ったときに、あなたは次の部署に行ってくださいということが実際は起こっているのだと思います。ですから、これまで蓄えられた知識、経験というものをいかに、例えば人事異動を止めるということはおそらく難しいでしょうから、次の人につないでいくことができるのかということも課題ではないかと考えております。それからもう1つは、出身国情報の収集分析を、単に法務省の中だけで完結するのではなくて、これは是非、民間と協力して行っていただきたいというのが私の望みでございます。例えば他国では、実際に出身国情報を収集分析している民間団体と各国の政府の難民認定を行っている政府の官庁が、一緒に協力して資金を出してそこに託すというようなことも考えられるでしょうし、充実した出身国情報、特にハイクオリティな出身国情報の分析が行われていると、しかも、ただ集めるだけではなくて、例えば難民審査産業院、難民調査官の方がこれについてはどうなっているのだろうか、具体的な例は世界の他の犯例にあるのだろうか、そういったクエリにも答えられるような、そういった体制を整えていかれるというのも1つではないかと思いますし、各国の、そして様々な状況に応じて、こういった出身国情報を私たちは集めましたということを、ぜひ公表していただきたい。それを公表、そして共有することが、日本全体の難民認定制度の質の向上というものにつながっていくんだと思います。ありがとうございます。

2:11:59

川井貴則君

2:12:00

ありがとうございました。改めて安倍参考人にご質問させていただきたいと思いますが、我々の立場からは難民審査産業院の先生方は有識者として捉えて、最期の産審制の最後のところをチェックしていただいている専門家だという認識ではあったのですが、いろいろお話をこの間伺ってまいりまして、研修の必要性だとかということについて、皆様が口を揃えておっしゃっているわけであります。そこで今更ながらの質問ですが、難民審査産業院の方々は、難民認定の専門家と先生は捉えていらっしゃるでしょうか。

2:12:43

安倍参考人

2:12:45

ご質問ありがとうございます。難民審査産業院の方々は、それぞれの領域において、非常に高度な知見を有しておられる専門家の方々です。例えば、人道支援の領域において長い経験を持っておられる、あるいは法律の領域で専門家である、地域研究の専門家である、そういう意味では専門家には違いないのです。しかし、端的に申し上げて、誰一人難民認定の専門家ではありません。少なくとも難民審査産業院として仕事を始めるときに、難民認定手続の専門家ではないのです。だからこそ、どのようなご専門の方であっても、難民認定手続に詳しくなるためには、研修を受けないといけないのです。しかし、これまではそれぞれの領域の専門家であるということを理由にして、非常に地位にふさわしい職をされてきたといえばそれまでですが、研修を受ける必要もないだろうというふうな暗黙の了解があったかもしれません。そういった点からしますと、難民認定の専門家かどうかというご質問に対しては、難民認定の専門家として仕事を始めるわけではないとお答えいたします。

2:14:01

河合貴則君

2:14:03

委員の先生方もお聞きいただいたと思いますが、議論の前提として、今の御質問は極めて重要だと思いますので、私からも指摘させていただきたいと思います。その上で河村参考人に時間の関係がありますので、多分これは最後になると思いますが、質問させていただきたいと思います。今回の法律改正の正当性というか合理性についてのお話を伺いました上で、河村参考人の方からは、去年あたりから難民認定の数も増えてきたといったようなこともご指摘いただきました。ウクライナからの避難民の方の受け入れのこともありますが、実は去年の3月2日の参議院の予算委員会において、私自身がウクライナからの避難民の方を受け入れるためのヒューマンビザの発給、このことを岸田総理に直接申し入れさせていただいております。併せてその時に、林外務大臣にも、コロスンスキー駐日大使が面談を1ヶ月間、外務省にストップかけられているといったようなことも指摘をさせていただきました。その指摘があったわずか2時間後には大使と林外務大臣が面談された上で、その日の夜には、ウクライナ避難民の方の受け入れについて、総理が言及をされたということです。指摘をすぐに受け止めて対応していただいたということについて、私は極めて前向きに捉えている一方で、これも考えによっては国会議員の口聞きということになるのかなと、いろいろな先生方のお話を聞いて感じたわけであります。そこで河村参考人に質問なんですが、より良い法律を作ろうということで、このことの議論を今させていただいているのですが、他方、政治の判断で揺らぎが生じるような制度の、法律の立て付けになっていると私自身は実は感じています。要は、時の政府が、また時の法務省、法務大臣がどう判断するかで、最終決定権者はそこにあるわけですから、この揺らぎが生じるような状況というものを、いかにして抑えていくのかということが、私は必要なんじゃないかと思っておりまして、そこで運用を改善することで、今の今回の法改正がより良いものとして、いわゆる運用されていくであろうといった趣旨の先生へのご発言されたので、運用上、今回の法律改正を受けて運用上を見直すべき点は、河村先生はどこだと捉えていらっしゃるでしょうか。

2:16:32

河村参考人

2:16:34

はい、ありがとうございます。先生のご発言の会議録、昨年の、読ませていただいておりました。非常に難しいご質問でありますけれども、私が最後に申し上げた、運用上で十分に対応できるのではないかという指摘は、まさに今、様々な参考人からの話があった、難民の認定のプロセスのところを、どのように質を高めていくかというようなところ、あるいは、参与院制度に対してのご批判、参与院の能力が低いであるとか、独立性が保たれているのかどうかというご批判から、第三者機関の創設という新たな案が出ていたというふうに理解をしておりますが、参与院制度で持って、独立性と公平性をきちっと、それぞれの参与院のスキルアップ等々を図りながら、そして、体制の組み方なんかも工夫をしながらというところで、より良くできるのではないかと、それが一つございます。以上で終わりたいと思います。川井貴則君、ありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。仁比聡平君、日本共産党の仁比聡平でございます。4人の参考人の皆さん、本当に今日はありがとうございます。まず、長沢参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、献身的な支援に心から敬意を申し上げたいと思います。貴重な「仮方面社生活実態調査報告」を、委員の皆さんにお配りをいただきました。この中を拝見しますと、医療を受けられない仮方面社という、医療にアクセスできない、命が危険にさらされているという、仮方面社の実態が伝わってくる思いがするんですけれども、冒頭ご紹介いただいた、カメルン人のマイさんの件について、調査室が委員に配っている資料の毎日新聞の記事によりますと、このカメルン人マイさんは、2回目の収容中に、「胸が痛い。しこりが気になる」というふうに支援者に訴えておられたのに、入管ではまともな医療措置をされなかった。そのまま体調が厳しく悪化していく中で、18年の2月に、これは2回目の仮方面になった。そこで先生方につながって、そうすると、先ほどご紹介のあったように、入管と診断され、そのまま進行していったということのようなんですよね。同様のケースは、マイさんにとどまらないのではないかと。たくさんあるのじゃないのかと。例えば、胆管血跡から水炎を併発して、病院では緊急手術だと、もし手当が遅れていたら命に関わるような状態だったと言われた、ペルー出身の男性の件がありますけれども、この方もその前日、仮方面をされているんですね。入管収容の間にまともな医療を全く提供しないで、渋滞になって仮方面、仮方面されたってお金もないし、病院に行く宛ないじゃないですか、基本は。だから、このご紹介した2人は、病院にたどり着きましたけど、とても入管の仮方面というやり方自体もですね、とても深刻な課題を持っているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

2:20:55

長沢参考人

2:20:57

お答えします。先生おっしゃるとおりで、マイさんの件については非常に良かったと思います。その前に神奈川県の北里大学の先生が非常に熱心に支援をしていただいて、しかし、その時でさえも在留特別許可を申請して、2回ほどやっても降りなかった。私たちの方に来てようやく、本当に末期の末期に近づいて在特申請して降りた。しかし、許可が出たと言ってから、実際に降りるまで2週間かかっているんですね。この2週間の時間ってのは何なんだろうと、私は今でも疑問に思う。それと、炭管血跡のこの人は、上嶋さんと一緒ですよ。上嶋さんは、自分で病院連れてってくれって訴えるわけですよ。だいたいそういうふうになる人は、皆さん同じです。乳がんの中で起きている、そういう医療関係の問題で、まあ、外に放り出すと言うんですかね。表現が悪い。しかし、そうでない限りは出てこない。じゃあ、なぜ外に出すかって言ったら、乳がんの中で死なれちゃ困るんじゃないかと。こういうのが一般的な私たちの受け止め方です。しかし、それすらも追うことができないぐらいに、たくさんの人が来ます。ですから、そういうような問題が収容の問題に関わっているということです。

2:22:40

仁比聡平君。

2:22:44

先生、その記事のコメントの中で、乳がんの長期収容と並んで、仮方面後の放置も深刻な問題だというふうにおっしゃっている。そうした意味だと。そうですね。もう一点、先ほどのやりとりの中で、精神的な疾患。PTSDも含めた長期収容の中で受けた傷があるということのお話があったんですが、そうした方々も含めて、私は最終用の恐怖、あるいは収容されるのではないかという恐怖。というのは、この仮方面者の皆さんの中にずっと苦しめているのではないかと。定期的に、例えば毎月、入館に、面接に行かなきゃいけないと。その日にもう帰れなくなるのではないかと。こういう恐怖というのは、昨年、東京入館でルカさんという方が、無語彙地殺をされましたけれども、そうした被災地滞在者の苦しみを生み出しているのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。長沢さん、後悔。はい、お答えします。長期収容を含めて精神疾患を患った人は、ほとんどの人は、また来て帰ってこれないんじゃないかという、そういう不安の中に生きています。抗菌症というのがお聞きになったと思うんですけれども、取調べを受けているときに、出勤をするわけですね。決して本人はもうどうしようもないわけで、そうなってしまったらもうどうしようもないですよね。だけども、若い人がそういうふうになるまでに、入館の中でいじめられるというんですかね。そういうような状態がずっと続いている。最近はそういうのはないのかもわかりませんけれども、現実に起きてきた。ういしまさんの件と抗菌症の彼の件もそうなんですけれども、あとペルー人の単管血跡の人。この人たちは出てきた途端にもう倒れちゃって、電話がかかってきて手術してくれと。たまたまその無停の病院の知り合いがいて、じゃあ俺のところ連れてこいよという話になって、見てもらった。もらえて手術は受けられた。そうでなかったらもうたらい回しになって、その時点で亡くなっているというようなケースですね。しかし全然入館の中にいるときは誰もそれを見ようとしない。大村の収容所で一昨年ですか、がんじゃないかという噂が飛んだ人がいて、私たちのところに来たのは3月にあって6月で、その時にはもう、ところがそこの肺がんの状態だったんですけれども、確定診断をしてもなかなかがんの最終的なチェックができなかった。しかし先生の方で総合的に見てこれはもう肺がんの末期に近い、3の状態だということで、ステージ3だということで、それで診断書を作ってもらって、入館の方に弁護士さんと一緒に出した。降りたんですけれども、降りてその後4ヶ月後に亡くなりましたね。一体何のために処遇規定第30条があるのか。中に入っている人と外に出ている人についても全く同じように見なきゃいけないのに、何もそれについて、規定の中に取り上げられていない。これこそまさに入館らしい扱いだなと。そういう非人体的な病気の扱いについてはやはり問題提起を考えていただきたいというふうに思います。長澤先生にもう一問だけ、できれば端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、そうした医療を受けられない、極めて不安定だし、この調査にあるように食料も住まいも極めて厳しい状況にあるという中でもですね、でも日本で生きていくと。例えば日本で育った子どもたちがですね、ここにいさせてという、なんていうんでしょう、横断幕でですね、国会の前においでになったりしてるんですけれども、しかも子どもだけ日本で在留特別許可が出ればいいっていうんじゃなくて、家族が一緒にいるっていうことが大切っていうふうにおっしゃる、このここにいさせてっていう思いを長澤先生がどんなふうに受け止めておられるかお聞かせください。長澤さん、ごお認め。はい、お答えします。基本的には家族は一緒でないと家族ではないですよね。お父さんだけが元に戻って、子どもが生き残っていくっていうのはちょっと考えられないですね。最終的にはきちっと家族が残れるような体制をするというのが、新しい入管法の中できちっと歌われて歌っていただきたいというふうに思います。この一言ですね、お時間があるので。

2:28:41

仁比聡平君。

2:28:43

残る時間が少しになって申し訳ないんですけど、尾美3候任、安倍3候任、河村3候任の順で、同じ問いにお答えいただければと思うんですが、先ほど尾美3候任からも、あるいは安倍3候任からも、今の難民認定行政が教室の信憑性という意味でのインタビューという面でも、あるいは非例性の考慮という面でも、手続保障できていないんじゃないかという趣旨のご発言があっていたと思うんですけれども、今ですね、入管庁は、強制例書の手続の中で難民認定の該当性もちゃんと審理できているから、大例が出たらそれに応じなければ送還避止者だというふうに一括りにしています。その送還について、先だって入管庁はこの国会で、国家にとって好ましくない外国人の在留を禁止し、強制的に国外に退去させることであり、それは国家の主権に関わる問題として本質的に行政権であるというふうに答弁をしているんですが、それぞれ参考人の皆さん、どんなふうにお感じになられるでしょうか。では、尾美3候任。ありがとうございます。その点に関しては、私の意見中立でもかなり詳しくご説明させていただいたかと思いますけれども、確かに国家の主権で、この国にいてはいけない人というものを特定し、その方には退去していただくということは、国家の裁量範囲なんだと思います。ただ、それをする場合でも、国際人権条約、そして難民法、難民条約があって、こうした時には送り返してはいけない。もし送り返すのであれば、こうした審査が必要である、手続保障もきちんとしてほしいというものが具体的に記載されているわけですね。ですから、それときちんとバランスの取れた、そういった人権条約、難民条約を加味し、考慮した上で、その裁量を行っていただくということが必要になってくるのではないかと思います。今回の入管法の改正の案の中に入っている3年の金庫を受けた人は、そのまま、例えば難民の審査もせずに帰っていただくということは、やはり少し乱暴なのではないかなというふうに思います。安倍さん、御恩人。ご質問ありがとうございます。出入国を管理する国家の権限が強いというのは、これは20世紀に確立した国際法の在り方です。しかし、20世紀の後半から21世紀にかけて、人間の権利を実現するという、そういう価値が非常に強くなってきています。したがって、例えば在留資格がないという人であったとしても、最低限の人権を保障するという義務が国に課せられるようになってきているんです。それを各国は合意しているんですね。例えば、先ほどお示しいただいた例などでは、子どもの最善の利益、親子を分離するようなことは、子どもの最善の利益にかなう場合でない限りにはやってはいけない、これは出入国の場面であってもダメだという、こういうふうな基本的人権を擁護するという考え方が強くなってきているということからすると、先ほどお示しいただいたような国家主権によって全てを説明するということは、今は法的にはできないと考えています。

2:32:36

川村参考人

2:32:38

はい、ありがとうございます。基本的な考え方、国家にどういう方が入っていただき、どういう方に対処していただくかというのは、国家の権利であります。国が決めるべき権利であると、そこは変わらないことだと思います。その上で、その対例が発布された後の、双管に至るまでのプロセスのところの問題を、一つご質問いただいているのかなというふうに受け止めておりますが、これも収容所管制文部会の時にも議論をしまして、きちんと理を示すことですね。それから、先ほど来、難民申請のところだけに研修を、特別のスキルをという話が出たんですけれども、最終の場面のところで、ノンルフルマン原則をきちんと収容に関わる職員の皆様も知っていただくということ、そしてそれを踏まえた上で、本人にもきちんと説明をするという手続きをしっかりとっていただきたいということを、部会でも述べたように記憶しておりますが、そうしたプロセスも一つきちんと確保していくことが大切ではないかと思っております。以上です。西川:仁比聡平君、お時間です。仁比聡平:ありがとうございました。現実にこの日本社会で生きている皆さんを、国家にとって好ましくないといって、人くくりにするようなことは、私はあってはならないというふうに思います。ご意見を受け止めて、徹底して審議を尽くしていくべきだと思います。終わります。西川:以上をもちまして、参考人に対する質疑は終了いたしました。参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。参考人の皆様には長時間にわたり貴重なご意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。本日はこれにて散会いたします。

0:00

-0:00