21:29
これより会議を開きます。この際、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。
22:04
ただいま議題となりました、所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨をご説明申し上げます。本法律案は、持続的な経済成長や、より公平で中立的な税制の実現等の観点から、国税に関し所要の改正を一体として行うものであります。以下、その対応を申し上げます。第一に、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるため、認差制度の抜本的拡充及び高級化を行うこととしております。第二に、スタートアップエコシステムを抜本的に強化するため、スタートアップへの再投資に係る非課税措置の創設等を行うこととしております。第三に、より公平で中立的な税制の実現に向け、極めて高い水準の所得について、最低限の負担を求める措置の導入、グローバルミニマム課税の導入及び、相続時生産課税制度等の見直しを行うこととしております。このほか、土地の売買等に係る、登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。以上、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
24:00
ただいまの趣旨の説明に対 して、質疑の通告があります。順次これを許します。
24:32
自由民主党の茨城達則です。私は自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。冒頭、今般日本列島を襲った寒波、大雪により亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げます。とともに被災に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。今後も降雪などが予想される中、政府においては引き続き各自治体とも連携しつつ、緊張感を持って万全の対策をとっていただきたいと思います。それでは質疑に入ります。長引くコロナ禍に加え、エネルギーや食料品価格の高騰は国民生活に大きな影響を与えています。国民の不安を払拭するためにも、予算や税制などあらゆる手段を講じて成長軌道を確たるものにしていかなければなりません。そこで本日はこうした観点も踏まえて、今般の税制改正について質問させていただきます。まず、認可制度について伺います。記者総理が掲げる成長と好循環の実現に向けては、賃上げを通した家計の勤労所得のみならず、金融資産所得もしっかりと増やしていかなければなりません。今般の認可制度の抜本的拡充・高級化について、どのように貯蓄から投資への流れが加速され、資産所得倍増につながるのか、金融担当大臣から御説明をお願いします。次に、相続税・増与税の改正について伺います。60歳以上の世帯が保有する金融資産は全体の約65%を占め、50歳未満の世帯が保有する資産の4倍近くにも上る中、資産の再配分機能の確保を図りつつ、安心して若年層への増与を進めることができる環境の整備が重要であると考えます。今般の税制改正においては、資産移転の時期により中立的な税制の構築に向け、相続時生産課税の基礎向上の創設などを行うこととされていますが、その概要と基本的な考え方について財務大臣から御説明をお願いします。本日冒頭、今般日本列島を襲った寒波大雪の被害について申し上げましたが、今般の税制改正においては、相続時生産課税の下で増与を受けた土地建物が被災した場合には、相続時にその課税価値を再計算する取扱いが新設されます。所得課税においても、特定非常災害による損失に係る雑損失及び純損失の繰り越し期間について、損失の程度や基調水準に応じ、例外的に3年から5年に延長する措置が講じら れます。政府が今般、こうした特例の創設に踏み切ったことを評価したいと思います。昨年秋に発生した台風第15号は、約1万3千頭の住家に被害を及ぼしました。これから確定申告が始まる中、税務当局においても、こうした災害の被害に遭われた方々の不安にしっかりと寄り添い、きめ細やかな対応を行うことが必要であると考えますが、財務大臣のお考えをお伺いします。続いて法人税に関して伺います。企業における各種の無形資産への投資の規模をGDP比で国際比較してみると、研究開発投資やソフトウェア投資に比べ、人材投資は諸外国に大きく水をおけられる状況となっています。この状況を二重点の決意で改善し、我が国の競争力を高めることは喫緊の課題です。今般の税制改正において企業の成長を先導する、人材を創出するための取組をどのように後押しするか、財務大臣から御説明をお願いします。続いて国税組織の体制について伺います。国税職員の方々は税収を確保し、国の財政を支えるという大変重要な職責を果たしています。経済取引のグローバル化、デジタル化が進む中、今後も適正かつ公平な課税を実現していくため、国税組織の定員の拡充と機構の充実を強力に進めるべきと考えますが、財務大臣のお考え をお伺いします。最後に税制に対する国民の姿勢について一言申し述べます。税という字の由来は稲穂を抜く、すなわち農民が朝廷や武士に対して米を見継ぐという行為にあると言われています。しかし議会生民主主義の発展を経、今や税制は国民の手の中にあります。税は単なる金銭的な負担ではありません。先人たち、現世を生きる私たち、そしてまだ見ぬ子孫たちが税負担というバトンをつなぐことによって国民の生活、そしてこの日本という国を連綿と受け継いでいくものです。納税者一人一人がこの国を支えるために欠かすことのできない履歴専修であるという自覚と誇りを持っていただけるよう、この議場で真摯な議論を行うことが何より大切であると申し上げ、私の質問を終わります。
31:28
茨城 辰典議員のご質問にお答えいたします。まず認査制度についてお尋ねがありました。我が国には一千百兆円に上る家計の現預金が眠っており、それを投資につなげることで、勤労所得に加えた金融資産所得を増やしていく。そして家計の投資が企業の成長の原始となれば、企業価値の向上により家計の金融資産所得はさらに拡大する。こうした成長と資産所得の好循環を実現させていきたいと考えています。認査の抜本的拡充や高級化を通じ、中間層を中心とした幅広い層が、若年期から高齢期に至るまで長期分散積み立て投資による継続的な資産形成を行うことを支援することで、貯蓄から投資へのシフトを進め、家計の資産所得倍増を目指していきたいと考えています。次に、相続税・贈与税の改正についてお尋ねがありました。今般の改正においては、若年世代への資産移転を進めていただく観点から、特定の方からの贈与を相続時まで累積させて納税する相続時生産課税を選択される場合には、毎年の贈与に基礎向上を創設するとともに、1年間に受けた贈与ごとに、毎年贈与税を納める歴年課税を選択される場合には、相続財産に加算する贈与の期間を延長する等の措置を行うこととしています。これらの見直しにより、大多数の方にとっては、相続時生産課税が選択しやすくなることにより、また、取り分け多くの相続財産があるごく一部の方にとっても、相続財産と一体的に課税される期間がより長くなることにより、資産移転の時期の選択により中立的な税制になるものと考えております。次に、台風15号の被害に遭われた方に対する税務当局の対応についてお尋ねがありました。まず、昨年の台風15号で亡くなられた方々に、改めて哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。こうした自然災害により被害を受けた方々には、雑草控除や災害減免法による所得税の軽減免除、申告期間等の延長、納税の猶予などの税制上の特例措置が用意されております。昨年の台風第15号についても、被災者の方々に対しては、税務署において事前説明会を開催し、雑草控除などの特例措置の申告相談を受け付けるなど、丁寧に対応しているところです。これから確定申告の時期を迎えますが、引き続き被災者の方々の事情を踏まえ、きめ細やかに対応をしてまいります。次に法人税の改正についてお尋ねがありました。我が国の競争力を高めるためには、経済を牽引していく、人への投資を促進していくことが重要です。こうした観点から、今般の改正においては、大学や高専等の設立のため企業が寄付を行う場合には、個別の審査を受けなくても、全額を損金算入可能とするとともに、研究開発税制において、白紙号取得者や一定の経験を有する研究人材の雇用を促進する仕組みを創設します。これらの取り組みを通じて、企業の経営資源を活用した教育を促進するとともに、国際競争を勝ち抜く研究開発をリードする人材投資を促進してまいります。最後に、国税組織の体制の充実についてお尋ねがありました。経済活動のグローバル化、デジタル化に対応し、適正公平な課税徴収を引き続き実現していくためには、税務執行体制の強化を図っていくことが重要であると考えております。そのため、令和5年度予算においては、業務の見直し・効率化等を最大限に進めることで、国際的な租税回避への対応など、金融性の高い分野に人員を重点的に振り向けながら、全体として37名の定員増を行うなど、国税庁の体制整備を進め、適正かつ公平な課税の実現に努めることとしております。
37:50
立憲民主党無所属の櫻井秀です。会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。信頼こそが政治の一番大切な基盤であると岸田総理は、施政方針演説で述べました。国民の皆様に納得して税金を納めていただくためには、政府への信頼が必須です。しかし国民の信頼を失うような事案が散見されます。まずは財政健全化の信憑性です。令和5年度予算政府案では10兆円以上のプライマリーバランスの赤字です。一方で財務大臣は財政演説において、2025年度のプライマリーバランスの黒字化目標等の達成に向けて、歳出歳入両面での改革を着実に推進してまいりますと述べました。そもそも1月24日の経済財政諮問会議に内閣府が提出した資料によれば、異次元の楽観論である成長実現ケースですら2025年度は赤字です。成長実現ケースは実質GDP成長率を2.0%としていますが、この10年間の自民党内閣では0.6%、その直前の民主党内閣の1.5%を大きく下回っています。政府の財政健全化計画についてあるエコノミストは、およそ実現可能とは思われない。2025年度のプライマリーバランス黒字化目標を形式的に堅持するだけで、財政健全化の道筋が維持されるわけでは当然ないと述べています。非現実的な計画では誰も政府を信用しません。財務大臣、財政健全化の取り組み、実現可能な計画を作り直すことを提案しますがいかがですか。これは今すぐ緊縮財政をやれ、増税をやれという意味ではございません。正直にやろう、現実的にやろうという提案です。次に復興税の流用問題です。防衛力強化のための財源確保は本法案には盛り込まれておりませんが、政府において復興特別所得税の税率引下げ分を防衛力強化の財源に振り返る、いわば流用が決定されたと承知しています。財務大臣、復興税を防衛費に流用するのはやめていただけませんか。石田総理は負担感がないと発言しましたが、負担は増えます。国民を施策後に陥らせて増税するというのは詐欺のようなものです。こうした詐欺のような手法での増税では、政治への信頼はますます失われます。財務大臣の見解をお答えください。さらに旧統一協会について、石田総理は社会的に問題が指摘されている、関係を立つことを自民党の基本方針として徹底すると述べています。しかし現状旧統一協会は宗教法人として認証されています。つまり、税制上の優遇を受け続けています。社会的に問題が指摘されている旧統一協会が納税を逃れているのでは、不信感が高まります。文部科学大臣、統一協会の解散請求を一刻も早く、できれば今月中、遅くとも今年度中には進めることを提案しますがいかがですか。今のペースで少子化と人口減少が進めば、日本という国は消滅してしまいます。少子化の原因の一つは経済格差、特に若い世代は大学などの学費を太陽型奨学金という名の借金でまかない、就職した後も過処分所得が増えないことです。したがって賃金の底上げ、経済格差是正、分厚い中間層を取り戻す、これこそが我が国が取り組むべき課題です。なお、頑張った人が大金持ちになる、これは素晴らしいことです。ですが、たくさん稼げるのは世の中が平和で安定しているからであり、稼ぎに応じた負担をお願いするべきです。岸田総理は2021年9月の自民党総裁選挙で、いわゆる1億円の壁を解決すると主張しました。本法案は、高所得者に対する追加的な課税制度の導入が提案されています。基準が22.5%のこの制度で1億円の壁は解消できますか。金融所得課税での累進税率の導入を提案しますが、財務大臣の見解をお答えください。一方で、富裕層に対する課税を強化すれば、日本国外に移住する税のがれの問題が懸念されます。税のがれ対策の検討を提案しますが、財務大臣の見解をお答えください。例えば、アメリカには国籍保有者に対してミニマム課税的な制度がありますが、参考にしてはいかがでしょうか。消費税については、逆進性を緩和するためとして、軽減税率が導入されましたが、どれほどの効果があったのでしょうか。財務大臣お答えください。軽減税率制度は、効果的・効率的な低所得者対策となっておらず、実務上の負担や混乱などの問題も多いことから排出することとし、代わりに給付付き税額控除を導入することを提案しますが、財務大臣いかがですか。本年10月導入予定の的確請求書等保存方式、インボイス制度については、免税事業者が取引過程から排除される、不当な値下げ圧力を受ける、インボイスの発行保存等のコスト負担が大きいなどが懸念されています。したがって、インボイス制度の廃止を提案しますが、財務大臣いかがですか。インボイス制度については、個人情報の漏洩問題も指摘されています。