1:44
ただいまから、政府開発援助等及び沖縄北方問題に関する特別委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、新妻英樹君、友能梨央君、田島舞子君、川野芳弘君、大井栄智君及び今井恵梨子君が委員を辞任され、その補欠として、秋野光雄君、中西裕介君、大椿裕子君、宮崎雅留君、田中雅志君及び藤井和彦君が選任されました。参考人の出席要求に関する 件についてお諮りいたします。政府開発援助等及び沖縄北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に沖縄振興等に関する件について、沖縄国際大学経済学部教授前泊まり博森君及び一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー会長下地義郎君を、北方領土問題に関する件について、公益者団法人千島羽生前諸島居住者連盟理事長脇木美代君及び防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長山添博君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することにご異議ございませんか。ご異議ないと認め、さよう決定いたします。政府開発援助等及び沖縄北方問題対策樹立に関する調査のうち、沖縄振興等に関する件を議題とし、参考人の皆様からご意見を伺います。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず前止まり参考人、下次参考人の順に、お一人10分以内でご意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知をお聞きください。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それではまず前止まり参考人からお願いいたします。
4:17
今日はお招きをいただきましてありがとうございます。沖縄ちょうど復帰から51年の節目を迎えた直後でございますけれども、今日皆様に資料をお配りをしておりますが、まず沖縄経済の現状と課題、展望ということで資料を準備させていただきました。たくさん解決しなければいけない課題があります。51年を経ているんですけれども、最大の課題はやはり沖縄の低所得の問題があります。47都道府県の中で沖縄 は、この51年前からずっとこの低所得のまま放置されている問題があります。沖縄振興計画ということで、51年間、これまで13兆5千億円ほどの国費を投入してまいりましたけれども、人口で1%、面積で0.6%程度のこの沖縄の振興になぜうまくいっていないのかというところが大きな課題であります。皆さんたくさん審議をいただいていますけれども、残念ながらそういう部分ではまだまだ課題がたくさんある沖縄であります。この中に入れましたように、まず失業率でも全国ワーストですね。離職率もワーストレベルです。それから無業者の率でも若い人たちの無業者の比率が非常に高いという、そういう意味で新しい仕事をたくさん作っていかなければならないという課題を抱えています。それから非正規率ですね。仕事にやりつけても非正規率が非常に高い44%ほどが非正規という、こういう数字があります。これも全国ワーストレベルになっています。それから廃業率というのも高くて、実は開業率は全国1位なんですが、廃業率も全国3位というですね、ワーストの方に入っています。これ今日は追加資料でですね、皆様にお配りをしてありますけれども、100の指標で 見る沖縄ということで、沖縄県がこの4月に新しいデータを出しておりますので、このデータの方を見ていただければ、1位と47位が混在をしておりますので、ぜひ1位と47位に注目をしていただければというふうに思っています。所得については47位のままということになっています。それから高離婚率、この離婚率の背景に何があるのかについても、ぜひこの委員会の方でも調査をしていただきたいというふうに思っています。この離婚率の後で生じるのは、この母子家庭、母子世帯の比率が非常に高い、それが非常に貧困に陥るケースが高いという課題を抱えています。このエンゲルケースが高いというのは、所得の関係があってどうしても高くならざるを得ないというのがあります。これ、学生たちも今お弁当を買って食べるんですけれども、250円とか300円の弁当ですね。中身を見ると揚げ物が中心です。こういう若い世代で揚げ物を中心に食べていると、かつての長寿県沖縄が崩壊した理由がわかるような気がします。今、もう30代までトップだった長寿県も崩壊をしつつあるような印象を持たれています。それから、この母子世代の比率の高さが子どもの貧困率にもつながっています。ぜひ、子ども が貧困なわけありません。子どもを持っている世代の貧困の問題はどう解決をしていただけるかというところの課題がまさに、この沖縄問題に関する特別委員会の課題だというふうに思っています。それから低進学率、低いという数字でいうと進学率が非常に低いです。前回が58%の中で沖縄40%程度というですね、18ポイントほど低くなっています。これ、大卒の進学率が低い、高卒の進学率も低いんですが、これ進学率の低さがそのまま所得の低さにつながっている部分もあります。進学率をどう上げていくかというところでは、沖縄は当初県ですから離島から出るというだけで、15の春でまず家計の負担が大きくなります。それから、本土に進学をするということになると、こちらに家があればですね、500万、600万で住んでも沖縄から出ると1500万円ほどの負担になってきます。この教育費の高さというのが大きな課題になってきます。ぜひこの人材規制という部分では、進学率を上げるためのサポート体制をどう取るかというのがあります。苦労して進学をしても、低賃金、低所得、低貯蓄があるいは低就職率が待っているような沖縄です。戻ってきて、食べていけるような仕事に就けるのかどうか。そういう意味では企業の求人率も非常に最低レベルで、残念ながら伸び悩むというところがあります。それからこの低持ち家率、このランキング表にもありますけれども、沖縄は実は47位です。東京が46位です。この高物価の東京よりも、持ち家率が低いという沖縄の現状をどう理解すればよいか、こういうところがあります。所得の問題、これはおそらく高齢者になれば、貧困に陥る原因の一つに、この持ち家率の低さというのが出てきます。この解決もぜひ、この中で議論をいただければというふうに思っています。それから高格差社会ということで、低所得でありますけれども、1000万円以上の高額所得者の比率では、8位とか9位というところに上がるという数字もあります。そういう意味では、持てる人と持てない人の格差も大きいというのが沖縄の課題ではないかという指摘もありますので、ぜひこの辺りについてもご審議をいただければというふうに思っています。文書に落としたのが、以下、小目印に書いてあるところです。この高賃金で雇用の安定度が高い第二次産業の比率が全国最低レベルという。これは実はサービス産業家が沖縄進んでいまして、このサービス産業の比率では、東京に次ぐ第二位ということになっています。あるいは東京を超えるぐらいのサービス産業家が進んで、これが所得の中でどういう影響があるかというところで、皆さんにお配りした資料の中でも、実はこのデータで見ると、観光業、あるいは飲食業のところで、これは月給ではありませんけれども、所得階級別の産業別有業者数を見るとちょっとデータが不倫ですが、緑の部分の数字は実は宿泊業と飲食業です。これ99万円以下に1万7000人ぐらいの就業があるというところで、ある意味では、今日下地会長がいらっしゃってますけれども、観光業の交付化価値化というのが非常に大きな課題と言えるのではないかというふうに思っています。働くときでも仕事がない公室業権、ようやく就職できても給料が安い低賃金権になっている、全国一人を争うような長時間労働といった問題もあります。こういったところをどうクリアするかというところで、課題が散席しているあたりを、ぜひ皆さんに見ていただきたいというふうに思っています。まあ一応言いますけれども、公共事業の依存、これも沖縄に対して13兆5000億円ほどの復帰後の公共事業、あるいは沖縄投資が行われましたけれども、残念ながらぶどまり率がですね、非常に低いという指摘があります。48%ほどは実は本土のゼネコンに官僚してきたというところで言うと、皆さん一生懸命予算をつけていただいていますけれども、ぶどまり率が悪すぎるという問題があります。地元企業にとっては、これだけのお金が入ってくるけれども、実際にはほとんどがダダ漏れ状態で外に漏れていってしまう。このザル経済の問題についても、ぜひご審議をいただければというふうに思っています。それから基地依存経済、これも私も基地経済軍事論も研究をしておりますけれども、基地が儲かる時代からはるかに遠のいてしまっているのが現状です。今はこの数字の方で入れましたけれども、普天間基地1ヘクタールあたり2000万円ほどの収益になりますけれども、実はもう、技能外資の外の方の数字で見ると、民間経済では1億4500万円という7倍ほどです。これはキャンプ金座、浦添市のキャンプ金座に至っては10倍ほどの開きがあります。これだけの不経済、基地があることによる、輸出利益が非常に大きな時代になってきている。しかし沖縄基地がなければやっていけないかのような印象を持たれている方も多いと思います。この基地経 済についてもしっかりとご議論いただければと思っています。それからもう1つ、基地の返還跡地の成功。これは皆さんも沖縄に視察に行かれる時に、たくさんの跡地をご覧になったと思います。那覇の新都心、あるいは茶壇の三浜、このあたりはもう若者にとって観光地としてどれだけ栄えているかということです。返還後100倍あるいは30倍という形で、基地収入は遥かに上回るような経済効果を生み出しているというところでは、この平和のために、反戦平和のための返還運動から、経済的な利益を得るために基地を返してくれという要求が高まってきているということですね。米軍基地は今、地質学的に見てもですね、大半が岩盤の上に作られているんですね。ペリーが来た時に調査をして、しっかりと岩盤地域を抑えて基地を作る。その他の軟弱地盤のところに住民が住むという形になっています。返された跡地の発展可能性を考えたら、この基地のアトリオについても、不要な基地については返還を促進をして、そして新しい街づくり、あるいは新しい観光地としての発展を図ってほしいというふうに思っています。他にもお伝えしたいことがたくさんありま すが、質疑の中でご紹介ができればと思います。ありがとうございました。ありがとうございました。次に下地参考人にお願いいたします。
14:09
皆様こんにちは。沖縄観光コンベンションビューローの下地でございます。本日は貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。今、前泊先生から沖縄経済全体についてのお話がありましたけれども、私の方からは観光の現状について皆様にお知らせをしたいというふうに思っております。皆様の手元に準備しております2種類のペーパーなんですが、A4縦のところで最初の沖縄観光の現状ということで、沖縄観光を考える場合に、大きな歴史的な節目でいくと、戦前、戦後、 本土復帰後、2000年サミット後、そういった大きな節目がありますけれども、今、コロナ前まで順調に伸びてきた観光が、この3年間大きく落ち込んで、今、そこからの回復の途中というふうになっております。皆様のお手元にA4横のパワーポイントの資料をつけておりますけれども、これがざっくりと分かりやすい資料ですので、これを見ていただければ、一番最初のページに本土復帰後の観光の流れを示しておりますけれども、本土復帰当時60万人程度だった観光客が、2018年、19年には1000万人まで成長いたしました。先ほど前田麻里先生からのお話の中で、県経済は非常に苦しい状況が全国比較の中ではあるというふうなお話がありましたけれども、その中でも沖縄経済を支えるリーディング産業として、この50年間発展をしてまいりました。次のページに、旅行消費額をGDPと比較すると、これは本来の比較の数値ではないんですけれども、全国の旅行消費額がそれぞれの自治体におけるGDPにどれぐらいの比率を占めているのかというのを説明する際によく使っております。沖縄県に関しましては、旅行消費額がコロナ前の8864億円、これがGDPの4兆円ちょっとぐらいの数値からいくと、19.1%ぐらいになります。47位の埼玉県だと1.1%というふうになっておりますので、それぞれ県によって大きく観光産業のそれぞれの地域経済における割合が違うというふうになります。もう1枚めくっていただくと、先ほどの数字を少しチャートにしてみていますけれども、全体的に沖縄県の地位というのが消費額がGDPに占める割合が非常に高いと。東京都は観光客非常に多いわけですので、観光収入は非常に突出して多いんですが、東京都全体のGDPに占める割合となるとこういった数字になると。全国的に見ると5%台ぐらいが中心というふうになっております。こういった状況ですので、コロナ禍の中で観光が非常に苦しい状況になっているということを全国の知事の皆様が全国知事会でよく申し上げておりますけれども、結果として見るとそれぞれの県にとっての観光産業の位置づけというのが大きく違うと。そういう中で沖縄はコロナ禍における観光への影響は非常に大きな甚大なものがあったと。水研究所でも調査をしておりますけれども、全国の中で一番県経済に及ぶ影響が大きかったとい うふうな発表をしております。最後のページに、そういった中ではありますけれども、沖縄県内における宿泊施設の整備はどんどん進んでおります。現在でいくと約17万7000人ほどが滞在できる状況までなってきておりますけれども、今年来年再来年とさらに新たなホテルが代償できることになっております。そういう意味では、その量と質のバランスをどうとっていくのかというのは極めて大事なタイミングになってまいりました。資料に戻っていただいて、後半のところに現在の沖縄の観光の状況ですけれども、ようやく国内の観光はコロナ前に近づいてまいりました。全国旅行支援等の効果もありますけれども、まだ国際観光が地方は戻っておりません。政府の発表等で見ると、コロナ前の7割近くまでインバウンド戻ったという話がありますけれども、沖縄に関しましては直行便の再開が遅れているということもありますけれども、まだ2割から3割程度と。その要因の一つに、空港内における人手不足が解決できないと。海外の航空会社からは沖縄就航の依頼はありますけれども、沖縄側で受け入れがなかなかできていないと。そこでなかなかイン バウンドの戻りが遅れているというような状況があります。それ以外にも二次交通の問題等も抱えておりますけれども、今年はですね、2023年8月にフィババスケットボールのワールドカップが沖縄で開催をされることになっております。
19:20
フィリピン、インドネシア、日本。日本の中では沖縄で開催されることになっておりますので、今バスケットボール非常に人気ですので、今年の夏は私どもも世界に向けて発信する絶好の機会だというふうに捉えております。2枚目にこれからの沖縄の観光について少し書いております。先ほど申し上げましたけれども、国内、海外から沖縄への旅行、観光についての関心は非常に高いものがあります。ここから改めて県経済の回復に向けて、観光が大きな役割を果たしていくべきだというふうに考えております。これから取り組むべきテーマというのが非常に多岐にわたっておりますけれども、国際観光の回復、あとは経営の問題、人手不足対策、ここが実は今本当に喫緊の課題となっております。観光客は大勢いらっしゃってますけれども、ホテルも100%の稼働ができずに、5割6割にとどめないと経営ができないと。そういった状況の中でどういうふうにこれを解決していくのかというのが今の喫緊の課題となっております。他にも持続可能な観光、これは世界的な流れでもありますので、環境をしっかり保全できるような仕組みというのも求められております。二次交通の改善、これもこれまでレンタカー中心の大きな観光でしたけれども、やはり今後のことを考えますと、車を運転しない人たちも増えてきておりますし、やはりバスやタクシーを含めた二次交通の整備をこれから改めて強化しないといけないというふうに思っております。沖縄観光の業界の地位向上のためにも、先ほど前田村さんからもありましたけれども、やはりその幸福か価値型の観光に持っていかないと観光産業の給与が上がっていかないということもありますので、新たな観光コンテンツの開発も含めながら、沖縄観光の質の向上というのがこれからの大きなテーマだというふうに思っております。今後、強化すべき観光政策、これを国政府への要望という形にまとめておりますけれども、やはりこのコロナの中で観光業界非常に大きなダメージを受けております。グローバルリスク報告書という中でも、今後も気候変動を含め、感染症を含め、様々なリスクがあるだろうと。