19:35
おはようございます。これより会議を開きます。内閣提出、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び性的死体を撮影する行為等の処罰及び応酬物に記録された性的死体の映像に関わる電磁的記録の消去等に関する法律案の両案を議題といたします。これより質疑に入ります。本日は両案審査のため、参考人として、常治大学総合人間科学部心理学科準教授斉藤安佐君、タレントシェリー君、東京大学大学院法学政治学科学研究科教授橋爪隆君及び茨城県立医療大学保健医療学部看護学科助教授一般社団法人スプリング幹事山本潤君、以上の4名の方々にご出席をいただいております。この際、参考人の各位の皆様方に、委員会を代表して一言ご挨拶を申し上げま す。本日はご多忙の中、ご出席をいただきまして、本当にありがとうございます。それぞれのお立場から、忌憚のないご意見を賜れれば幸いでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
21:23
次に、議事の順序について申し上げます。まず、斉藤参考人、シェリー参考人、橋爪参考人、山本参考人の順に、それぞれ15分程度、ご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。なお、ご発言の際は、そのたび、委員長の許可を得て、ご発言をしていただきますように、お願いを申し上げます。また、参考人から、委員に対して、質疑をすることはできないこととなっておりますので、ご了解をいただきたいと存じます。それでは、まず斉藤参考人にお願いをいたします。
22:23
本日、よろしくお願いいたします。私、性暴力の被害に遭われた方の心理について研究をしております、庄知大学総合人間科学部心理学科の斉藤安佐と申します。また同時に、公益遮断法人被害者支援都民センターにて、性暴力を含め犯罪の被害に遭われた方の支援に携わっております、公認心理師・臨床心理師でもあります。本日は、研究や臨床で得られた知見をもとに、改正案に関する意見を述べさせていただきます。基本的に、私は今回の改正案に賛成をしております。私はずっと様々な事件に関わる中で、なぜ明らかに性犯罪だと思われるのにも関わらず、届出の不受理や不規則や無罪が生じるのだろうと理不尽を感じていました。もちろん、証拠には様々なものがあることは存じております。しかし、いろいろな司法判断や判決に接する中で、被害者心理に関する知見と、司法での社会通念をもとにした判断の間に乖離があることを感じておりました 。人生の危機に直面した人の心理を、なぜそうではない通常の場合の心理をもとに判断するのかということに、不思議に思ったことも度々ございます。今回の改正案は、そのすべてを解決するものではありませんが、それでも以前よりも格段に被害の実態に即していると期待しております。お手元の資料のスライド2をご覧ください。まず前提として、性暴力被害は精神的抗症の大きな出来事であることがわかっております。本当に膨大にございます研究の一部でございます。そこに書かれておりますのは研究の一部でございますが、被害後、PTSDになるリスクも、うつ病やアルコール依存、薬物依存になるリスクも上がります。性的被害経験のある学生は、被害経験のない学生と比べて、自己報告のレベルでは、自殺起動のリスクが女性で4.7倍、男性で9.76倍上がるという調査結果もございます。スライド3をご覧ください。日本で行われました調査でも、性暴力被害経験がある場合、自殺起動のリスクが高まったり、死にたい、消えたいという気持ちになることがわかっています。性暴力の被害は 、その人の意思や感情をないがしろにする暴力です。性的な行為をする場合、体が触れる場所は非常にプライベートな場所です。時には命に関わる可能性のある場所です。安全に関わる行為ですので、いつどこで、誰とどんな性的な行為をするかは、自分が決めてよいことのはずです。しかし、性暴力では、その人の意思や感情はないがしろにされます。被害を受けた方が、人であるならば、嫌だと言ったら聞いてもらえると思った。でも聞いてもらえず、自分が何を思っているかは、相手に関係がないんだ、自分は性的なものなんだと思ったと仰ることがあります。人は意思や感情を持つ存在のはずです。その意思や感情をないがしろにすることは、被害を受けた人の尊厳や主体性を傷つける行為です。意思や感情を持つ、一人の人として生きる根幹を揺るがす行為です。親密な関係の中で行う性的な行為と、心身に深刻な影響を与える性暴力等を分ける大切なこととして、意思や感情が尊重されているかという点があります。ですから、今回、同意しない意思の形成、表明、全うが困難な状態という文言になったことは重要なことだと考えています。不動意性口頭剤について、ノベルにあたり、 現在までにわかっております被害に直面したときの人の心理について述べます。お手元の資料のスライド4をご覧ください。そちらに書かれておりますのは、まず恐怖や不安を利用した場合です。人は、予期せぬ出来事や恐怖を感じる出来事、自分の身の安全が脅かされる出来事に直面すると、まず体が凍りつくフリーズ反応が起きます。まず頭が真っ白になって、その後逃げられるだろうか、戦えるだろうかと意識的・無意識的に判断をする、逃走と逃走の反応と言われますが、そういったものが起きます。こうした場合、普段取らない行動を取るということは、リスクが高く見積もられるので、相手を振り切って逃げる、相手に攻撃をするという選択肢は、失敗したときにさらに危険が迫るため、取られにくいという傾向がございます。あるいは、NOと言ってみるということはあるかもしれません。しかし、多くの場合、それは聞き入れられません。逃げることも戦うことも成功しなさそうである場合、意識はあるけれど体が動かない、意識はあるけれど声を出すことができない強直性不動反応というものが生じることがわかっております。または、相手に従順にしていれば、これ以上ひどいことをされないと思えば従順にしますし、有効的に接することで危険が回避できるならば有効的に接します。