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このたび、政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要をご説明申し上げます。デジタル技術を活用して人々の生活を豊かにするデジタルトランスフォーメーションの進展により、誰もが著作物を創作して公表し、利用できる時代になっております。こうした時代の下で、著作権制度は社会や市場の変化に柔軟に対応し、新たなコンテンツを創作する好循環を実現することにより、文化芸術をはじめとした我が国の発展に寄与できるように充実を図ることが必要です。この法律案は、権利保護及び適切な体育化還元と利用の円滑化の両立を基本とする観点から、未管理公表著作物等の利用に関する最低制度の創設、立法及び行政事務のデジタル化に対応した規定の整備、並びに、海賊版被害等の実効的救済を図るための損害賠償額の算定方法の見直しを行うものであります。次に、この法律案の内容の概要について、御説明申し上げます。第一に、未管理公表著作物等の利用に関する最低制度を創設します。具体的には、未管理公表著作物等を利用しようとする者は、利用の可否に係る著作権者の意思が確認できない著作物等について、その意思を確認するための措置をとっても、その意思が確認できない場合に、文科庁長官の採定を受け、かつ、保証金を協託することにより、次元的に利用することができることとしております。併せて、本最低制度による迅速かつ適切な著作物等の利用を可能とするため、文科庁長官の登録を受けた期間において、最低に違反する事務の一部を行うことができるようにするとともに、文科庁長官の指定を受けた期間に保証金を支払うことができるようにすることで、協託手続を不要としております。第二に、立法及び行政の事務のデジタル化に対応するため、立法または行政の目的のために内部資料として必要となる場合及び、特許に関する審査等の行政手続などのために必要となる場合における著作物等の公衆送信等を可能としております。第三に、著作権等が侵害された際に、権利者の立証負担の軽減を図ることを目的として、侵害者が販売した数量等のうち、権利者の販売能力を超えるとして、損害額から控除されていた部分について、ライセンス料に相当する額を損害額の算定基礎に加えられるようにするとともに、ライセンス料に相当する額を認定するにあたり、侵害があったことを前提として交渉した場合に得られる額を考慮できることを明確化しております。このほか、所要の規定の整備を行うとしております。以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。なりとぞ十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。以上で趣旨説明の聴取は終わりました。法案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。