20:49
これより会議を開きます。令和5年度一般会計予算、令和5年度特別会計予算、令和5年度政府関係機関予算、以上3案について、公聴会を開きます。この際、公衆賃委員会に一応ご挨拶を申し上げます。公衆賃委員会におかれましては、ご対応中にもかかわらず、ご出席を賜りまして、お言いにありがとうございます。令和5年度総予算に対するご意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうぞ忌憚のないご意見をお述べいただきますようお願いします。ご意見を賜る順番といたしましては、まず川上隆公衆議院、次に清水秀行公衆議院、次に井上芳博公衆議院、次に前泊平盛公衆議院の順序で、お一人20分程度ずつ、一通りご意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。それでは川上公衆議院にお願いいたします。
22:16
皆さんおはようございます。卓色大学の川上でございます。よろしくお願いします。今日は20分という限られた時間でございますので、11点につき簡単にご説明いたしたいと思います。今日なんですけれども、現状認識からどういう具合に我々は日本としてやったらいいのかというふうな、かなり総論から格論まで論じていきたいと思います。一番最初なんですが、現状認識なんですけど、我々は今どういうふうな現状にいるのかというふうなことでございますが、新しい戦前、戦争前の状況、これはアメリカの軍事作戦部署のリチャードソンは、グレーウォーと、つまり本当に戦争になる直前のこととして表したわけなんですが、我々が述べていますグレーゾーン自体の戦争は、今既に台湾のみならず日本でも開戦されているというふうなところで、この点につきましては、先生方ご承知の国家防衛戦略の冒頭で、中国をなざして中国に対する抑止力の強化と、いつもにない強い調子で、本当に戦前、つまり戦争の前にあるというふうなことを論じ、それに応えて防衛戦略三文書が出されたというふうなところで、ありてに言いますと、今台湾危機を前にして、我々はちょうど戦時の前の体制に、多分軍事状況では入っているのか、これは本当に抑止力強化の面で必要なことでございますが、その状況はいかなる状況かと言いますと、ウクライナで戦争が未だに継続しているわけでございますが、これはウクライナ型戦争とも我々は呼んでいるんですが、つまり米軍は軍事的に直接は介入しないけれども、違う領域、ドメインで戦い方が行われていると。こういう新たな戦争の時代に入っておりますので、おそらくこれから先、少なくともバイデン政権の間は、そういったオールドメインと言いますが、全領域の戦いをするのは間違いないと。したがって軍事力を抑止はしないけれども、他の領域で戦いやるというふうなことでなっていると思うわけでございます。そこで脅威というのは、当然ながら能力かけるの意志で示されるわけでございますけれども、2点ご提案したいわけです。1点目は、脅威を厳じる努力を我々はしなくちゃいけない。翌四日は、日米一体化で本当にどんどんなされている状況で、ほとんどもう万弱な体制に入りつつあるというようなことなんですが、一方では、やはり脅威を厳じるということで、中国に対する信頼情勢措置、これが必要じゃないかと思うわけでございます。2番目は、これほど戦争が間近に迫っている状況を我々は認識すべきだと思うんですが、戦争回避のシナリオづくり。これは現在まで、CIS、アメリカの国際戦略研究所、日本では戦略フォーラムのところで、いわゆるウォーゲームということでは、かなりそういうシミュレーション、我々ポリティコミュニタリーゲームということを、私も200回も300回もやってきたんですが、そういうところでシナリオを立てられてたんですけれども、これほど気が迫った段階では、そのいわゆるシミュレーションゲームのほかに、いわゆる戦争回避のためのシミュレーション、こういうふうなところが必要ではないかと、今強く思っている次第でございます。それでも戦争に巻き込まれる可能性は90%以上というふうなところで備えなくちゃいけないと、私は認識している次第でございます。そこで、実は私が理事長を務めている日本外交政策学会というところで、ポリミュニゲームを行わせていただいて、いかに台湾流時における日本に対する危機管理、これが起こるかというのをやらせていただきました。ここでは、戦争を抑止するための努力が必要で、最悪にして、いろんなアメリカチーム、中国チーム、日本チーム、台湾チームとありまして、そこで米中間における話し合いがあり、台湾危機は回避されたと。これは日本にとっては現状時でございますので、一番いいシナリオだったわけでございますけれども、そういうのがありました。さて、ここから本題といいますか、ウクライナ型戦争と台湾アナロジーということで問題に入らせていただきますが、言うまでもなくその背景は、中国の脅威の高まり、軍事的経済的、これでアメリカ単独ではもう対抗できないというところで、特にバイデン政権に入りましてからは、同盟国の力、日本を含む、そういうところを使って全部の同盟力でもって中国を封じ込めよう。もしくは最近では中国とロシア、それから北朝鮮、もしくはイラン、そういうふうな非共産主義圏対民主主義同盟というような戦いになってきていますので、それにはアメリカだけでは戦えないというところで、同盟諸国の力をやっているわけであります。ウクラナ型戦争なんですが、これは統合抑止戦略ということで、しっかりとアメリカの戦略の中に、この間国防戦略の中に、それが入れ込まれているわけでございますけれども、これは簡単に申し上げますと、いろんな読み方があるんですが、アメリカの目的はプーチン政権の弱体化にあり、つまりそういう体制間の紛争の中で、まずロシアの脅威を厳じる。それから2番目には多分中国の力を厳じる。その他のイラン、北朝鮮の、いわゆる体制間の力を厳じるというふうな、かなり大きな新冷戦型の備えに対して、この統合抑止戦略を展開しているというふうなところでございますが、もしそうであるならば、ウクライナで戦った戦争は、台湾でも同じように戦われるのではないかというふうなところ。そこで問題は、もし台湾で有事になった際、安倍総理が台湾有事は日本有事であると申し上げたとおり、我が国にとっては即戦争になるわけでございまして、そう考えるんでしたら、日本がウクライナに対する支援をしているポーランドというふうな状況になるのか、もしくは日本自体がその ウクライナになるのか、そういうふうなことになってくると思われるわけでございます。そういうところで台湾アナロジーとしまして、最初に台湾でもし何かあった場合には、アメリカはおそらく、軍事的なものを優先するよりも統合抑止戦略で、他のドメインで戦う、現在もう既に戦っていると思いますけれども、そういう戦いが行われ、アメリカはもちろん助けに来るんですが、時差を置いて、当然ながら自衛隊が戦い、その後に1,2週間後にもしかするとアメリカが来ることになるかもしれない、そうじゃいけないんですが、ただそれは確保しておかなくちゃいけないというふうなことになると思います。ここで簡単にアメリカにとってのウクライナ戦争のバランスシートというのを考えてみますと、プラスの面というのは、ロシアが弱体化した、それからアメリカにとって、民主主義同盟の結束というのがここで強固になった、それから大正観戦争でアメリカは非常に優位にあるというふうなところになりますし、マイナスの面では、これ忘れていけないのは、トランプ政権の時には、中国に対して抑止力を利かせるためにバランスイングというものでロシアを使ってたわけですね。ところがこのウクライナ戦争によって、ロシアと中国がほとんど一体化してきた。そうすると、その時に対して世界全体が平和から対立へというふうな具合にシフトしてきているございますので、その点は核戦略の一部としても考えなくちゃいけない。つまり、もしロシアと中国の核が同じく日本に向けられる、もしくは北朝鮮を向けられるとするならば、核時代の極がマンド体制から三極体制に入ってきた。この時点で日本の核大抑止は、もしかすると破られているのかもしれない。そうすると、この時点では間違いなくニュークリアシャイニングが必要になる。韓国はその論議が始まっていますし、そういう具合に考えられることになってございます。それからその次なんですが、防衛三文書。これ、いろんな論議がありますが、私の方から2点指摘いたしたく思います。まず1番目、指揮系統なんですけれども、これは国家防衛戦略の中に、いついかなる事態が生起したとしても、日米両国による整合的な共同対処を行うため、同盟調整メカニズムACMを中心とする、西米間の調整機能をさらに発展させる必要がある。これどう読むかなんですが、福島第一原発の時に、アメリカは太平洋軍を日本に挙げて、統合支援部隊、JSFを横田基地に設置した。今、皆さん御承知のとおりでございますが、この状況はもちろん友達作戦を展開する際も、非常に有効だったわけでございますが、その時に自衛隊と共に共同宿舎をつくり、そこでは有事の際、有事ですね、これは。その時にアメリカが指揮権を取り、自衛隊はその参加に入るとまで言いたくないんですが、やっぱりそこに従って、日本の友達作戦を展開し、しかも中国軍が出るために、日本の海上自衛隊等々は無効化に展開したわけです。そういうふうなことが同じように行われ、つまり常設部隊をこの現段階から日本に置くというふうなところで、問題はその時の指揮権なんですが、日本が独自に展開できればいいんですが、こと有事になってしまったら、やっぱり米軍主導になる。そうならば本当に日本の防衛は、日本が思うように作戦展開ができるかというふうなことが1点。それから2点目なんですが、反撃能力です。反撃能力、これは本当に願ってもないことで、抑止力は、もちろん抑止力というものは、そういう懲罰的抑止と拒否的抑止でやられるわけなので、拒否的抑止につきましては、ミサイルディフェンスで淡々といまだにやられています。ところが、懲罰抑止、これがなかったわけです。現に中国の東海岸には、1000発以上のミサイルが展開してまして、INF中役でアメリカができなかった、それを廃止して、第一列島戦場にPDIというふうな戦略に基づいて、Pacific Deterrence Initiativeに従って、アメリカはその戦場に、今中継リランドのミサイルを置こうとして、中国を抑止しようとしているというようなことであります。もちろんこれウェルカムで、当然、今回防衛三文書に入りました、トマホークとかいろんなもの、これはそれに対する、懲罰的抑止としては有効なものでございますが、ポイントは、その発射権があるかどうか、日本にあるかどうか、これが大問題です。対敵し攻撃能力という言葉が外れ、反撃能力となったわけなんですけれども、その際に、多分、有事になった際には、ミサイルを撃つ段階になった場合には、日本はアメリカのコンサルテーションをしながら撃たなくちゃいけない。アメリカ側だったら当たり前のことです。巻き込まれますから。それは日米間の一体化したアメリカの戦略に基づく、そういう展開がなされる。これをどう考えるかなんですね。我が国防衛のために、本当に反撃能力が使えるかどうか、これを申し上げて。それから4番目なんですが、これ、私の大好きな作家で三島由紀夫が大好きなんですけど、三島由紀夫がバルコニーでカップくじたすを遂げたときに、自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終わるだろうと、すごいことを言って、亡くなった、カップくじたわけですね。これありとあげに言いますと、もちろん必要なわけなんですけども、これ は日米同盟のジレンマ、つまり捨てられる恐怖と巻き込まれる恐怖があって、現在、今我々はそういうジレンマに直面し、それで今現在、日本はアメリカの力を使って良くしようという風な体制に入ってますので、その逆の巻き込まれる恐怖というのはございまして、これに対する補足も十分必要であるわけでございます。それから5番目なんですが、アメリカは本気で中国と戦争できるのか、するのか、やるのか、こういう状況なんですが、もちろんやりますが、言いましたように統合抑止戦略のもとでやるとするならば、アメリカは軍事力は使わずに、その他のドメインで入るわけですから、実際に向かい合うのは、おそらく自衛隊と中国自民解放軍、この可能性も否定できないというようなところを、我々は考えながら戦略を立てなくちゃいけない、とは間違いございません。6番目なんですけれども、では日本はアメリカの軍事的影響力から脱出することができるのか、我々は戦後、 吉田茂雄総理のときから、私も中村総理のときから10年間一緒に働かせてもらいましたが、特に戦後政治の総決算というところで、目的は日本が防衛力を持てるかどうか、本当に自分のことを考えて、自分の国益に基づいて自分の戦略を展開し、アメリカの戦略と一緒に重なった部分で、日本がそういう防衛戦略を展開できるのか、よく私の友人のマイケル・グリーンと、それからかなりアミテージと、何年も岡崎大使の下で話し合ってきたんですが、いわゆる米英同盟型に我々は同盟体制をグレードアップできるのか、多分これなんですね。日米同盟は不可欠なんですが、ただ自分独自の防衛戦略でできるかどうか、これはパワーシェアリングということで、私と前回言ってましたが、そういうようなことでございます。台湾有事のシナリオ、これは本当に100も200もあっ て、いろんなシナリオができる場合なんですが、簡単に言うと3つに分けられると思います。中国勝利、米国勝利、それから引き分け、いずれにしましても中国勝利の場合には、第一列島線を中国が突破して、第二列島線まで来るわけですから、ちょうど我々の今いる東京の真下の小笠原ぐらいまでの、第二列島線上に中国のその艦船、艦艦、それから漁船がですね、何隻一隻と現れるような状況になるわけです。これどうしても阻止しないといけないわけですが、ただその状況はいかに、そこまで考えなくちゃいけません。ちょうどアンドリュー・マンシュアルがネットアセスメントでアメリカの国防省で、100年の戦略を立てましたが、そこまで我々少なくとも5年10年先まで考えなくちゃいけない、というようなことでございますので、いずれのシナリオでも台湾からで すね、その米軍は引かざるを得ないことに、中長期的にはなるんじゃないか、というようなことが考えるわけでございます。あと残りなんですが、核のところで一点だけ、核試合のところで一点だけ申し上げますと、アメリカで盛んに行われてますのは、ケネス・ウォルスとケネス・コットス映画の論理がありまして、核を持った方が戦略的に安定すると、論議が行われてますアメリカでは。これは全く日本では報じられていない。この学者が、その何百人という具合にアメリカにおります、NATOにおります。こういうふうなことを考えながら、我々は戦略的安定のために、逆の方向も考えなくちゃいけない、というふうなことでございます。それから残り時間進めてきましたので、バイデン政権後のことも我々は考えなくちゃいけないわけですね。アメリカにいる私の友人たちから電話がありまして、本当に日本大丈夫かと。アメリカの戦略によって、いやバイデン政権の戦略によって、政策は展開しているが、もしトランプが現れた場合どうなったと。真逆になるんじゃないかと。ロシアともう一回手を結び、それからトランプ大統領がやったことは、同盟ではなくアメリカのファーストをやり、しかもロシアとそういう側にもう一回手を結び直し、中国とはディールするんじゃないかと。そうしたときに我が国ははしごを外された段階で、どうするんだというふうな声が、実は民主党政権の研究から上がっているわけでございます。最後なんですけれども、こういう具合のことを述べてみますと、我々は絶対絶命のピンチにあるような、状況に立たされているわけでございまして、しかしこれを考えてみるならば、戦後78年間アメリカの影響力からなかなか脱出しやがない、日本が脱出する潜在一部のチャンスだとも考えるわけで、これまさに回答から言いますと、ビスマルク的な外交戦略を展開し、それで日本がバランサーとなればいいわけでございます。これはイギリスが父として取ってきた歴史的な知恵でございますけれども、そういうことをやりながら、日本は戦略的地位として、台湾とアメリカの間に立つ国でございますので、これほどいい戦略的地位、もしくは知性的地位を持っている国はありません。したがって日本が中心となり、アメリカと中央をバランスイングする、最後にそういうことで日本は幕末と同じような状況に、今立っているわけでございまして、こういうふうな弱肉強食の時代でありますところで、我々は特に日本の独立を守るために、