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ただいまから、厚生労働委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに山本博史君が委員を辞任され、その補欠として若松金重君が占任されました。「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための社会保険法等の一部を改正する法律案」を議題といたします。本日は本案の審査のため、4名の参考人からご意見を伺います。ご出席いただいております参考人は、一般社団法人日本経済団体連合会専務理事井上隆君、株式会社日清基礎研究所主任研究員三原隆君、早稲田大学理事法学学術院教授木口義美君、及び全日本民衆医療機関連合会社会保障政策部担当役員山本芳子君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席を賜りまして誠にありがとうございます。皆様からの忌憚ないご意見を賜りまして、今後の審査の参考にさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。次に議事の進め方について申し上げます。まず井上参考人、三原参考人、木口参考人、山本参考人の順に、お一人15分以内でご意見を述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。またご発言の際は拒止をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、ご承知をお聞きください。なおご発言は着席のままで結構でございます。それではまず井上参考人からお願いいたします。
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ありがとうございます。経団連で専務理事を務めております。井上隆と申します。本日は前世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の審議に際しまして、経済界からの意見を陳述する機会をいただき、恩礼を申し上げます。私からは本法案につきまして、基本的に賛成の立場からお手元のレジュメに沿って意見を申し述べます。まず、前世代型社会保障制度の構築に関する総論的な考え方でございます。我が国では、2025年に全ての段階の世代が75歳以上の後期高齢者入りをするなど、今後も高齢化は進行し、これに伴い、医療・介護給付費の増加が見込まれております。一方で、社会保障制度を財政面で支える現役世代は減少を続けており、結果として、現役世代の保険料負担は高齢者を大きく上回るスピードで増加し続けております。医療については、現役世代が負担する保険料の4割以上が高齢者向け支援・居室に充てられ、憲法連の集計によれば、令和5年度では健康保険組合の8割が赤字の見通しとな っております。今後も、中期的には少子化は進行し、人口構造に急激な変化は見込めませんので、社会保障制度の持続可能性を確保するためには、経済のパイを拡大をしていくとともに、高齢者の方にも可能な限り制度を支える側に回っていただき、能力に応じた負担を通じて、現役世代と高齢者の方々の給付と負担のバランスの是正を図る必要があると考えております。このような観点から、今回の法案につきましては、このような改革をさらに一歩前に進めるものとして評価をしております。次に、今回の法案につきまして、特に我々の関心が高い項目に絞って意見を申し上げます。まず、出産育児一時金を全世代で支える仕組みについてでございます。今回、出産育児一時金の大幅な引上げにおいて、費用の一部を現役世代だけでなく、後期高齢者医療制度からも支援する仕組みとされております。少子化の流れが反転しない中、この点については、子育てを高齢者も含めた全世代で支援するという観点から、