5:49
今から、国民生活経済及び地方に関する調査会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、清光君及び梶原大輔君が委員を辞任され、その補欠として中城清君及び山本恵介君が選任されました。国民生活経済及び地方に関する調査を議題といたします。本日は、中間報告書を取りまとめるにあたり、これまでの調査を踏まえ、誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築のうち、社会経済、地方の現状と国民生活における課題について、委員間の意見交換を行います。本日の議事の進め方でございますが、まず各会派1名ずつ指名させていただき、その後は会派に関わらず、ご発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから、ご発言いただくようにお願いいたします。また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、委員の発言はお1人5分以内となるように、ご協力をお願いいたします。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは発言のある方は、挙手をお願いいたします。
6:59
まず、GとL、グローバルとローカルにおける価値観の違いについて、意見を申し上げます。生まれたとき、お金を持つ世帯だったかどうか、地域でいえば東京などの大都市に近いかどうかで、それが幸せに直結するかどうかは多くとしても、スタートラインは同じではないんだと思います。所得分布が低い方に偏ってしまい、また人口減少も進む中では、スタート後の道行きの厳しさも差が大きくなっています。時代は競争、競争、競争です。競争一遍とです。グローバルは激しく厳しい競争の場で、ハイリスク、ハイリターンな世界かもしれません。しかし、競争からは逃れられないにしても、ローカル隅々まで競争一遍とでいいのでしょうか。競争だけではない、協調や共存、共栄といった大局にある価値観を大切にすべき場ではないのかと思います。スタートラインが違うものをただ競争にさらせば、ごく一部の例外を除き、ますます差が拡大していくでしょう。私はそれが我が国の形として決していいと思いません。もちろん自助は大切ですが、頑張りたくても頑張れなくなっているケースもあります。それを頑張ろうと思える状態まで持ってこれるかどうかも問われています。立場の弱い方々や地域には、寄り添ったり向き合ったり、伴奏したり、そういう政策や姿勢が必要ではないでしょうか。次に具体的な取り組みとしては、今現実に困っている方々への相談支援の充実に加え、重要なのは予防だと思っております。そのどちらのためにも、いわゆる支援者支援が重要です。NPO等は孤独孤立や困窮世帯対策において不可欠なプレイヤーです。今国会に来られた参考人の方々は別格としても、もし彼らがいなくなれば、行政や社協がその活動を代替しないといけなくなる。まさに行政機能の一部を担っている、そういう存在だと思います。社協までは行政の一部として位置づけられているように思いますが、NPO等を含めて、抗議の広い身の自治体と捉える新しい自治体像を再構成すべき時だと強く考えています。これは彼らの活動を財政的に支えていくため、理論的にも重要なことです。ボランティア精神にただ乗りするような形は、持続可能だとは思いません。またNPO等への中間支援の強化や寄附を受けやすくする仕組みも必要と考えております。ワークライフバランスという言葉がありますが、私は自分の一生はワークワークワークで良くて、バランスも必要ないと強く思っていました。しかし仕事のみで地域や社会とのつながりのない人ほど、相談アイテムを持てず、退職等を契機に孤独孤立に陥りやすくなります。ワークライフバラ ンスのライフには極めてプライベートな時間に加え、パブリック、地域との関わりも入っているのではないか、そう気づいて少し受け止めが変わりました。就業や社会活動への参加、とりわけそこでの役割を持つことで、認知症ともなう妖怪誤認定の率が優位に下がるというデータもありました。まさしく情けは人のためならずだと思います。薬ではなく地域とのつながりを処方する社会的処方という取り組みがありますが、処方されずとも自らそういうつながりを仕事以外に持てるようにすべきだと思います。そして高校生のいる世帯への支援はとても重要だと思います。その後大学へ進学できるかどうか、大学でなくても生きていくための学びをしっかり受けられるのかどうかの分かれ道になる時期です。キッズドアの渡辺理事長の指摘された純困窮世帯のこと、安部彩さん先生が言われた世帯や人のカテゴリーではなく場に着目すべきというご指摘を考慮すると、いわゆる教育困難校への支援も大切で、加配の強化などが必要だと思います。なお本分野の仕事に関わってきて感じることは、緩さ、緩やかさの大切さです。対象を数値のみで切り取りすぎたり、要件を厳格に限りすぎたりしないで、ハンドルの遊び感とでも言うんでしょうか、柔らかく受け止め、柔軟に対応していく、その大切さを感じる場面が多いので、申し添えさせていただ きたいと思います。どういう世帯に生まれるかはまさに運、偶然に他なりません。それで一生が決まったり、貧困が連鎖しないようにせねばなりません。地域についても同様だと思います。他方で我が国は強い経済や科学技術力があってこその存在感を発揮できるんだと思います。それらを回復しようとする中では、格差を広げるのではなく、市場所得、給料でありますが、の向上が的確に図られるとともに、国内、特にローカルにおいて、つながりや包摂性を敷衍できるような形で進めていくよう努めるべきだと考えます。以上でございます。
11:47
はい、立憲民主社民の高木麻里です。党調査会におけるこれまでの議論の取りまとめに当たり、意見を述べさせていただきます。国民生活を取り巻く状況は、グローバル化、技術の進展などを背景に目まぐるしく変わっています。流れの早い変化の中、対応が求められますが、かといって目先の対応だけすれば良いわけではなく、中長期の視点に立って政策を立てる必要があります。その意味においては、腰の生態議論を行いやすい6年任期の参議院において、党調査会が時間軸もテーマの幅も広い提言を、受任の参考人の方々からいただき、党派会派を超えて共有できたことは大変有益なことであったと感じています。裏を返せば、中長期的視点にかける政策展開で様々な問題が起きている昨今とも言えると思います。子どもの貧困の問題、母子家庭の苦しみ、子どもの自殺の増加、玄関に必要な雇用のセーフティーネット、物価高騰化の消費状況、効果的な自立支援、人口減の中の地域経済の可能性、地域公共交通を確保する必要性、これらの社会課題にどう財政は対応すべきかという問題、実に多岐にわたる課題について端的な問題提起と示唆がありました。問題は多岐にわたっていますが、すべてをまとめるとすれば、今私たちは人口が継続的に減少していく社会にあって、これまで戦後築いてきた仕組みでは分配がうまくいかなくなっており、ひどくつらい生活を送る国民、今後の持続可能性が心配になる地方など、問題が解決できなくなっているということです。また、諸問題を解決するのに必要な財源は厳しく、本来の力を反映できれば可能な成長も思うに任せない現実があるということです。大正大学の小峰貴男教授からは、平成経済の振り返りから得られた教訓に基づき、行き詰まりつつある異次元金融緩和を超えて、的外れにならない少子化対策との提案がありました。時代の変化に追いつかない民意義が、その時々の政 策を決定するために政策が後追いになり、傷が深くなるとの指摘にも大きな示唆が含まれていました。手遅れになりそうな途上にある人口減少の現実、これにしっかり目を向け、新しい目標設定から始める必要を強く感じます。さきの「まちひとしごと創生総合戦略」で、自治体は計画を欠かされ、それに基づき補助金をもらいましたが、国内で減っていく人口を横に取り合って、「我が自治体は人口減の幅を減らして頑張ります」と言っても、総合に鷹が知れています。むしろ、国全体も地域もこのぐらいは人口が減っていくという現実的な数字から出発し、膨らませてしまった借金の返済額も頭に入れつつ、実現可能な成長とそれに伴う税収を見込んで持続可能な社会をつくるための中長期を見通した大きな議論をしなければならない時点に来ていると思います。また、先の見えない現状で、様々なことで苦しむ国民が増えていますが、自分はこの先食べていけるのだろうか、子どもを育てていけるのだろうか、子ども自身もこの先もうダメなのではないかと不安になる現状をまず止めなければなりません。その点において、東京都立大学の安部彩先生が示された御提言を実行していく必要を強く感じました。〇〇の貧困といってかわいそう競争をするべきではなく、最低限保障すべき生活を明確にし、その内容 に国民の合意を形成し、不安で萎縮する社会から信頼できるセーフティーネットの構築が必要ということです。さらに、今回各現場から御報告のあった課題については、人権の観点から放置は許せられない状況に置かれているものが多々ありました。インクルーシブ社会の発想に立てていないことを国連に指摘された日本の障害者政策、懸命に働いても一日一食になる一人親の過程、成長が妨げられるほど食べられない子ども、コロナ禍で増加に転じてしまった自殺の問題などは、決して目をつぶらず、先送りせず対応しなければならないということを改めて強調して意見表明を終わります。
16:28
公明党の竹内真嗣です。本調査会では、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築という大テーマを掲げ、社会経済、地方の現状と国民生活における課題に関して、社会的な困難な現状、地域社会が抱える課題、現下の経済情勢の三つのテーマで、12人の参考人の方から大変に貴重な御意見を頂戴いたしました。まず、社会的な困難な現状については、コロナ禍やぶっかたかなどが生活に悪影響を与える中にあって、生活困窮者や生活不安を抱える人たち、一人や家庭や子どもたちにいかに支援の手を差し伸べていくかについて重要な御指摘を頂きました。中でも現行の支援制度からこぼれ落ちてしまう低所得層、生活不安層に対する支援については、収入アップや雇用の安定化とともに、住宅手当の創設や児童手当の拡充などによる、所得の底上げの重要性について御意見を頂きました。私は、住まいがなければ制度にも社会にもつながれないという観点から、低所得の方々への支援策の大きな柱の一つとして、住宅手当創設など住宅支援策の強化に早急に取り組んでいかなければならないと考えております。また、昨年過去最多となった子どもの自殺をいかに防ぐかについては、これまで自殺対策全体では、戦略を立て、牽引する行政内の専門組織をつくり、予算確保を行ってきたのに対しまして、参考人からは、これらがいずれも子どもの自殺対策には欠けているとの懸念が示されました。戦略を立てるには、まず子どもの自殺の原因を調査分析して、実態を解明することが必要です。その上で、戦略、組織、予算の三つの観点から対策を講じることで、政治はもちろんですが、社会全体で子どもの自殺ゼロを目指していくべきと考えます。さらに、社会的な困難な現状に関する各参考人の方々のお話を伺う中で、生活困窮者や障害者の皆様をはじめ、困難を抱いている方々に寄り添いながら支えているNPO法人の 果たす役割の重要性を再認識いたしました。こうした、支えて、担い手への支援、特にNPOで働く人たちが、将来の生活面での不安がない形で活動ができるような支援が欠かせないと考えております。二つ目のテーマ、地域社会が抱える課題では、少子高齢化が進む中で、地域社会をいかに元気にしていくかが大事でありますが、そのための重要な視点を各参考人からご提示いただいたと思います。例えば、地域の本当の資源である農地や山林、世帯といったものをデジタル化して情報基盤を作り、最終的に地域に秘められた底力を見える化することで、人や当初を呼び込んでいくという考え方が示されました。また、マスローカリズム、これは地域の主体的な取組を同時多発的に進めて、その成功例や失敗例を共有し合うことで、共進化、共に進化する枠組みを地域活性化のために整えていくという考え方も提示されました。こうした新たな視点や考え方も取り入れながら、人口減少や高齢化などの課題を抱える地方が連携しながら、お互いに特色ある成長を遂げていく、そうした取組を後押しする政策を進めていかなければならないと考えております。最後のテーマ、現下の経済情勢におきましては、経済や消費行動の変化に加えて、雇用のセーフティーネットの観点から大変に有意義あるご指摘をいただきました。雇用に関しては、非正規雇用者らを対象とした給付式の職業訓練である給食者支援制度の重要性を改めて痛感いたしました。企業内では非正規雇用の方々の職業訓練が十分に行われていない現状にあります。こうした給食者支援制度の周知をはじめ、制度をどう拡充していくかなどを含めて、この制度を第二のセーフティーネットとして機能させていくことが重要ではないかと考えております。以上、本調査官での調査を踏まえて意見を述べさせていただきましたが、公明党としても誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築に向けて現場の声に寄り添いながら取り組んでいくことをお誓い申し上げて、私の意見とさせていただきます。以上でございます。
20:45
日本維新の会の中嶋清でございます。本調査会を通して専門家の先生方から、現場における様々な課題をお聞かせいただきました。その中でも気がかりだったのが、玄海集落の問題です。総務省の2020年の発表では、65歳以上が人口の50%を超える玄海集落は、全国で2万372ヵ所と年々増えています。その結果、交通アクセスの悪化や医療・福祉サービスの不足、そして産業の衰退など、住民の生活が脅かされ、国土の荒廃や文化の喪失といった問題も発生しています。そこで深刻なのは、医療・介護サービスの問題です。高齢化が進むと、身体的な解除や医療的なケアが必要となることが多く、適切なサービスが提供されないと、健康状態の悪化や社会的な効率といった問題が生じます。そのためには、定期的な健康チェックや治療、薬物療法などの充実、また、自分の力で生活することが困難になった場合には、身体的な解除やデイケア、訪問介護、グループホームや特別養護老人ホームが必要になり、介護現場への投資、医療従事者、介護職員の人材育成も大切です。次に、住居の環境の整備です。都市部に近い古いニュータウンには、原怪断地が多く存在します。若い人たちが出ていき、身体的・経済的に引っ越すことが困難な障害を持つ方や、一人暮らしの高齢者が取り残されています。空き家が増えることも、治安の悪化が一応危惧されます。生きていく上でも、住居の環境を快適かつ安全に保つことは必要不可欠です。そこで、恒例になると歩行や階段の上り降りがしにくくなることもあり、住居にはスロープやエレベーターの設置など、バリアフリー化が求められます。また、転倒や事故の危険性も高くなり、手すりや滑り止めの設置のような安全対策の必要です。そのためには、住宅の改修に必要な補助金や介護付き住宅への建て替えも考えなくてはなりません。その他にも、盆温室やスタジオのような共有スペースのある住宅など、例えばカラオケや若い人なら楽器演奏などができる特徴を持たせた住宅に建て替えていけば、若い人もお年寄りも、本当にここが都市部に近い玄海集落だったのかと思うような魅力的で住みたくなる街に変わっていくのではないでしょうか。次は雇用問題です。人手不足を補うために外国人労働者の需要が高まっていますが、言語の壁、文化の違い、社会保障、労働上の制度、ほか様々な課題が存在します。その他にも、専門的な知識や経験豊かな高齢者が社会参加をすることは、自己実現や社会的な役割を果たすことができ、社会全体の発展に役立つことが期待されます。シルバー人材センターは主に高齢者を対象とした就労支援団体ですが、2019年のデータによりますと、65歳以上の登録者のうち就業した人の割合は約63%で、厚生労働省の高齢者の雇用に関する報告書での就業率26%をはるかに上回っ ています。地域に密着した働き方を見直す、いい機会だと感じました。豊富な人生経験や知識を持っている高齢者は、障害者や子どもなどに対する支援活動に参加することで、社会貢献にもつながり、その取組は他世代との交流も生まれ、地域の活性化も期待できます。最後に、認知症問題です。高齢化社会が進む今日、日常生活にも深刻な影響を与える認知症は社会的な課題です。まず、認知症は早期に発見することで治療が効果的になるため、検査の啓発活動が大切で、患者さんを介護する家族やケアワーカーのために適切な介護方法、心理的支援を提供する必要があります。また、在宅で適切なケアを受けられるように、訪問介護や在宅医療などの支援の拡充も必要です。そのためにも、自治体・地域の施設が連携し、社会全体が認知症を理解して支援することが求められます。体の不自由な方や、生きがいを感じ、楽しく豊かに暮らしていただきたいと思う、そういう長生きすることに不安を抱かない、健康的で安心して暮らせる社会の実現が大切だと思います。誰もが将来避けて通ることはできない道です。私も元気なうちに対策を講じておかなければと思う今日この頃でございます。ありがとうございます。以上です。
26:36
はい。18世紀のスコットランドの哲学者トマス・リードはこんな言葉を残しました。「鎖の強度というのは、その一番弱いところの強度に等しい。なぜなら、その鎖は一番弱いところから崩れ去って、やがて全体が崩れ去るからだ。」これは鎖ではなくて社会に置き換えると非常によくわかります。社会の強度というのは、その一番弱いところの強度に等しい。なぜなら、そこから崩れ去って、やがて社会全体が崩れ去るからだ。今回のコロナ禍の中で、ステイホームの中で、児童虐待認知件数対応件数というのは最大になりました。言わずもがな、児童虐待で亡くなる子どものうち一番多いのは0歳児、中でも0歳、0か月、0日、0時間です。また、DV認知件数というのも最大になりました。それから孤独内駆児、子育で自殺するお母さん、これも筑波大学の調べで2倍です。さらには、今7人に1人の子どもが貧困です。ヤングキャラは10万人、不登校児童生徒は24万人です。とりわけ、今回我々が取り組むべきだという示唆を受けたのは、語り場代表理事の今村久美参考人や、ライフリンク代表の清水康幸参考人の話にもあった子どもの自殺です。統計開始1978年ですけれども、その開始以来、小・中・高・生の自殺数が最大になりました。子どもが死んでいく国に未来はありません。子どもは大きくなっていく過程で、生きる方法を学ぶんです。死ぬ方法などを探してはいけない。そこに対して我々が何ができるか、それを考える調査会でやりたいと思いますし、大正大学の小峰参考人から指摘された、現下の民主主義の欠点、および少子化の原因認識というのは、大変示唆に富んだものでありました。先ほど、委員から、高議員からも指摘がありましたけれども、社会的な認識ラグとそれに引きずられて後手を踏む政策、こういったものの他に政策を先導しようとする政治家自身の認識の問題というのもかなりあると思います。問いの立て方はいいのに着地を間違える。例えば今や、2人に1人が奨学金を払っていますけれども、この若い人たちの奨学金返済というのは重い負担になるんだけれども、それが少子化の原因にもなるというのはおそらくあっているでしょう。だけどその甲斐が、例えば地元に帰って結婚したら2分の1ちゃらで、そしてさらに子供を1人産んだら4分の1ちゃらで、3分の1ちゃら、3分の1ちゃらで、2人産んだら全部ちゃらにしますというような、そういった甲斐はないです。その女性認識には、その言葉には呪いの響きがあることに気づかないということは大変課題だと思います。それから参考にこんなこともおっしゃっていました。少子化はそのものが病なのではなくて、他のもっと大きな病があって、それの合併症に過ぎないのではないかという指摘です。具体的には私も、実質賃金の低下と出生数の低下というのを、この相関ケースを調べたことがあるんですけれども、これ0.93です。これは完全に相関している。給料が四半世紀上がらないことに加えて、前代クオリティ、例えば多様な家族の許容、それからコスパタイパのガンジガラメの職場、平等で流動的な雇用システム等々を実現していけなかったことで、そこに少子化は連なっているという認識です。最後に今後本調査会で議論していきたいなと思う3点申し上げます。先ほど光月理事の方からも指摘がありましたけれども、この格差、これますます我が国で拡大していくものだと思います。この所得格差の問題、よく取り上げられますけれども、これは個々人の自由な経済活動の結果として生じた不平等、結果の不平等ではなくて、世代間移動が固定化する、機械の不平等によってもたらされたものであり、そこが問題であると。じゃあそれを是正するために、何が、どんな政策が必要なのか、というのを議論していきたいというのが1つ。それから中間層クライシスです。賃金は下がる。社会保険料や税負担は上がる。公的支援はない。取るもの取られてもらうものもらえないという、中間層クライシスというのが現実としてあります。また子ども保険という新たな社会保険料の負担増を、政府は検討しているように聞いておりますけれども、この20年で国民年金2.2倍になりました。介護保険料2倍になりました。国民健 康保険1.6倍になりました。こういったものがまた子どもを生み育てにくい社会を作っているというふうに思います。そして少子化は問題なのかという点です。人口1億人も出生率1.8も実現不可能であります。こういった人口減少は不可避という認識のもとに、人口が減少しても社会や福祉をどういうふうに維持をしていくか、そのための準備というのも当然議論すべきでありますけれども、それを掲げて議論している調査会等はございません。もちろん子どもを生み育てやすい社会を作る。子どもを増やすというのも一つのゴール、そのトラックを走るのも必要です。ただもう一方で、そうではなかった場合のこの国の未来、この国の着地というのを今後議論していかなきゃいけない。今この国で一番幸福を感じていないのは子どもです。結果自分の行動で国や社会を変えられると思っている18歳は26.9%、3割にも満たない。子どもたちがせめてこの国で生まれ育ち、そして未来を感じられるために、この調査会で議論を尽くしていきたいと思います。
32:08
日本共産党の山添拓です。本調査会のテーマである「誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築」、「社会経済、地方の現状と国民生活における課題」に関わって意見を述べます。長期にわたるコロナ危機と物価高騰の下で、国民生活は深刻な困難に直面しています。自立生活サポートセンターもやい理事長の大西蓮参考人は、増え続ける食料支援の利用者に、若年層、女性、子育て世代が多く、この層にしわ寄せがかなり来ていると指摘しました。シングルマザーズフォーラム理事長の赤石英子参考人は、コロナ禍非正規で働く一人親世帯への支援が乏しいことを指摘した上で、母親世帯の就業率が86.3%と世界一高いにもかかわらず、その年間収入は236万円と低く、一人親家庭の相対的貧困率は先進国で最悪だと述べました。コロナを機に露呈したこうした困難は、今に始まったことではありません。東京都立大学教授の安部彩さん考人は、子どもの貧困率の悪化の原因を30年間にわたる親の家族能力、貧困からの防御力の低下にあると分析しました。日青基礎研究所女性研究員の久川直子参考人は、女性の非正育雇用率が高く男女の賃金格差につながり、経済基盤としても不安定になると述べました。非正育雇用の拡大は自然現象ではありません。1985年の派遣法制定とその後の拡大に象徴される政治による誘導があります。95年の旧日経連、新時代の日本的経営に露骨に示されていたように、労働力の弾力化と流動化による送人件費の節約と低コスト化を目指す大企業の理順追求に呼応したものです。日本では生産性が上がっているにもかかわらず賃金が上がっていません。大企業が空前の儲けを上げても、もっぱら配当や内部流布に回されてきたという分配の歪みに大きな問題があります。打開のためには、非正育から正規への流れを作ることが不可欠です。介護や保育、ケア労働での賃上げ、公契約法の制定など公的分野からの底上げが求められます。最も実効的な賃上げは最低賃金の引上げです。昨年の最低賃金改定は6月時点の物価上昇率3%を前提 としていますが、実際に改定された10月は4.4%、今年1月には5.1%に達し、物価上昇に追いついていません。再改定が直ちに必要です。暮らせる最低賃金にするために、中小企業支援とセットで全国一律時給1500円を目指し速やかに引上げるべきです。日本共産党は、大企業の内部流報に対する次元的な課税により、中小企業支援の財源を生み出すことも提案してきました。正規も非正規も賃金の底上げにつながる合理性と実効性のある案だと考えます。働く世代の所得減少は子育てにお金がかかりすぎるもとで、少子化に白車をかけることともなっています。子どもの医療費無料化や学校給食費の無償化を政府として進めていくべきです。高等教育無償化の必要性を複数の参考人が言及しました。しかし岸田政権の少子化対策はこの点に全く応えていません。事業料の負担そのものを軽減し、給付型奨学金を中心にすることこそ求められます。持続可能な地域社会総合研究所所長の藤山博参さん公認は、人口減少など地方が抱える問題についての政治の課題として、予算の中途半端さ、選択と集中による切り捨て、循環型社会を考慮するなど未来型の必要性、平成の大合併が地方の自己決定権を奪ったの ではないか、そして市町村の公務員が少なすぎるという誤点を挙げました。いずれも傾聴に値する指摘であり、国会としても検証し対応すべきです。今国会では、地域公共交通法が改定され、赤字ローカル線の在り方を話し合う再構築協議会の設置が進められようとしています。関西大学教授の宇都宮清彦参考人は、この協議会の議論の方向性について、国交省が地域に求めているのは、本音ベースでは運輸事業での収支を上げろ、生産性を高めろというものだと批判しました。道路建設ばかりにお金を出す、公直化した予算配分を見直し、上下分離方式など公共インフラとしての鉄道を維持するための方策を検討すべきです。障害者の脱資設化をめぐる問題、子どもの自殺者の増加など、誰も取り残されず、希望が持てる社会とほど遠い現状を直視し、一人一人の困難に文字通り寄り添う政治へ転換すべきであることを強調し、意見とします。
36:41
令和新選組の木村英子です。今回の調査会は、誰もが取り残されず、希望が 持てる社会の構築というテーマですが、私自身、障害とは切り離すことができない現状において、取り残されないという課題は一言ではなく、社会的障壁と戦う毎日です。障害者のいる家庭の大半は、介護や年金、手当など公的制度の保障が少ない中で、家族だけに責任が負わされ、社会から取り残されている人たちがたくさんいます。また、教育については、養護学校義務化以前から普通学校に障害児が通える環境が整っていないことで、特別支援学校や支援給に通うしかなく、幼い時から分けられて育つことで、健常児とのコミュニケーションの機会が奪われています。そのことが、社会へ出た時の弊害となって、地域に出てからも困難を抱えている障害者の人たちがたくさんいます。DPIの尾上参考人からも、障害の有無で分けられることなく、同年代の友達と過ごすことの重要性を感じているとお話されていました。こうした中で、昨年9月には、国連の障害者権利委員会から勧告が出され、分離された特別な教育をやめ、インクルーシブ教育を推進することと、立つ施設による地域移行の実現が緊急の課題とされ、2028年までにその改善の報告が求められています。しかし、その勧告が出された直後、文部科学大臣は、特別支援教育の重視は考えていないと記者会 見で述べられるなど、政府はこの勧告を真摯に受け止める姿勢を示していません。日本は、2014年に障害者権利条約を批准しましたが、憲法98条2項には、日本が締結した条約は、これを誠実に遵守することを必要とすると明記されています。ですから、2028年までの5年間で、条約の求めるインクルーシブ教育の実現や、立つ施設化に向けたロードマップを示していくことが、立法府として求められている課題だと考えます。また、昨今の障害者を取り巻く環境を考えると、今度に時代に合わせた法整備が必要であることから、2011年の改正から10年余りを経ている障害者基本法の見直しが必要だと考えます。具体的には、児童福祉法の目的規定にも明記されているように、障害者基本法においても、目的規定に「障害者権利条約の精神にのっとり」という趣旨の文章を入れることによって、インクルーシブな社会に近づくのではないかと思います。また、立つ施設化やインクルーシブ教育の推進を図るために、障害者基本法第3条の「地域社会における共生の条文」や、16条の「教育の条文にある可能な限り」という文言を「原則として」という文言に改正することで、障害がある子もない子も、分け隔てなく、ともに学び、ともに生きるこ とが可能になると考えます。そこで2つの提案をさせていただきたいと思います。まず、過去には、共生社会調査会において、DV防止法を作るにあたって、プロジェクトチームが立ち上げられています。その時には、議員立法が提出された経緯がありますので、今回の国民生活調査会においても、検討を踏まえた上で、誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築のために、障害者基本法の改正に向けたプロジェクトチームの立ち上げを提案したいと思います。また、2004年に、第6期の国民生活調査会で、ユニバーサルデザイン社会の形成促進に関する決議が取りまとめられました。それにより、2006年のバリアフリー法が制定され、ハード面のバリアの解消が進んでいるところです。こうした過去の調査会においても、社会的に弱い立場にある人たちの社会参加への取り組みとして、議員立法や決議などが提案されてきた経過もあります。今回の「誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築」に向けて、当事者参画で障害者権利条約のモニタリングの役割を担ってきた障害者政策委員会と連携し、参議院として政府に対する決議を提案していただきたいと思います。障害者権利委員会からの勧告を踏まえ、インクルーシブ教育や立つ非接触を実現するために、皆様の御検討をお願いいたしたいと思い ます。以上です。
42:49
以上で、各会派への一巡目の発言は終了いたしました。他に発言の希望のある方は、挙手をお願います。
43:01
自由民主党の若林でございます。機会をいただきましてありがとうございます。せっかくの機会なので、発言をさせていただきたいと思いますが、特に準備をしていたわけではないので、ちょっと尻別裂になっちゃうかもしれませんけども、お願いいたします。冒頭、光月先生がおっしゃったとおり、私は市長を13年やらせていただいた中で、一番本当に障害施設や社会福祉施設、本当に感謝でしかなかったです。これは純粋に感謝でしかない。本来、自治体がやらなきゃいけない業務を、あれだけやっぱりやってくれているというのは本当にありがたくて、プラスそればかりじゃなくて、今回の参考人の先生方の話を聞いたときに、本当にありがたいというか。引きこもりの話はあまり出てこなかったんですけど、引きこもりは本当にプロがやらないと大変なことになるので、そういうのも含めて、本当にこれを押しつけているというか、押しつけているわけではないんですけども、それをやっている人がいるからいいやっていうことじゃ、本当にまずいんじゃないかなと。同時に、私は昨年この立場にならせていただいたんですけど、やっぱり一番びっくりしたのが、少子化対策等も含めて、今これ話しているんだというか、ちょっと遅いんじゃないの、これというのはすごく感じたんですよね。確かにNPO法人とか先生方の話、参考人の先生方の話はまさにそのとおりで、だからやっぱり現場を見ないというか、現場をやっぱり見ないで潜入感で施策を立てるほど危険なことはやっぱり私はないと思っています。そういう意味において、少子化対策なんかは正直言うと、そうならないように、私は御天橋だったんですけど、やっぱり給与は上げるじゃないですけど、人がなるべく来たりとかいろんなことを考えて、経済を良くしていかないとどうしても子どもの貧困だとかという問題が出てきちゃうんで、それでももちろん出てきちゃうんですけど、その時にまずはそうならないようにみんなが豊かになったとしても、それが全て不幸かといったらそうじゃないはずなんですよね。お金がないから少子化になるかといったらそうではなくて、実は今日せっかく機会をいただいたので本当にうれしいんで すけど、子ども条例というのがあるんですよ。各自治体やってるところとやってないところがあって、たぶんほとんどやってないと思うんですよね。これなんでやらないかというとお金がかからないからなんです。お金がかからないから結局目立たない。やっても要はマスコミというか新聞も取り上げないんですよね。でも私は本当に13年間やらせていただいた中で一番誇りはそこです。子ども条例をつくって、このコンセプトは何かというと市民全員で子どもを育てる。市民全員でやっぱり弱い人たちを守る。だから本当にですね、既視的にどうしても学校でも見てあげたいんだけど見られない。だからそれこそ木村議員の気持ちはよくわかるし、でも物理的に無理なこともあって、それが本当に必要なのか、子どもがそう思っているかどうかということもちゃんと見極めてあげなきゃいけないということまでやっぱり見た中でいろんな施策をやっていくべきじゃないのかなというのはすごく聞いていながらも感じていながらも、ちょっとジレンマもありながらも、でもやっぱりこういうことをしっかりと国会議員の先生方がやってくれるということをもし知ればですね、それかなり安心だと思うんですよ。最終的に何が言いたいかというと、少子化対策でも何でもそうだと思うんですが、やっぱり安心感だと思うんですよね。やっぱり市が守ってくれる、私静岡でしたけど静岡県が守ってくれる、国が守ってくれる。本当に国が子どもを育 てたら、先ほど来出ているお話にあったとおりですね、伊藤議員からもお話ありましたけど、貧困ということがあること自体はありえない。やっぱり子どもたちが寂しい思いをして、何か食べ物を給食しか食べないなんていう状況を作ってしまうということは、私はやっぱりありえないと思うんですよね。そこをかといって、これは考え方が違ったら申し訳ないんですけど、現実的にすべてがただでいいか無償化でいいかといったら、私はそうじゃない。やっぱり受益者負担があるからこそ、ありがたみはちょっとでも感じてもらうからこそ、しっかりとやっていくということもあると思うんで、その辺のバランスも含めてやっていく必要があるんじゃないかなというふうには本当に思っていました。いずれにしても、各参考人の先生方の話を聞いて、本当に皆さんも現実的なことをお話を聞いて分かった部分もあったと思いますし、私もやっぱり見つめ直したこともあったんで、非常に有意義な時間だったと思いますし、それをやっぱり生かしていくのが我々だというふうに思いますので、今後ともぜひよろしくお願いします。急な発言ですいませんでした。ありがとうございました。他に御発言はございませんか。他に御発言もなければ、調査会長ではありますが、私からも一言述べさせていただきたいと思います。まずこの調査会で御意見を陳述いただいた12人の参考人の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います。また調査会、それぞれの各会において、各委員におかれましては、真摯に、建設的に、また積極的に御意見を述べいただいたことにも重ねて感謝を申し上げたいと思います。党派を超えて少子高齢化、格差の拡大、地方の疲弊、障害者の課題、子どもの自殺の増加等々について、認識を共有した上でリアリティのある議論ができたことはとても良かったと考えております。この難しい時代に誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築に向けて、この調査会が何らかの貢献ができるように、今日も委員の皆様におかれましては具体的な提案もいただきましたが、更に委員の皆様には御協力をお願いして、会長からの意見とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。以上で委員間の意見交換を終了いたします。各委員におかれましては貴重な御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。ありがとうございました。