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参議院 本会議

2023年04月26日(水)

2h14m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7406

【発言者】

尾辻秀久(参議院議長)

岸田文雄(内閣総理大臣)

堀井巌(自由民主党)

宮口治子(立憲民主・社民)

石川博崇(公明党)

金子道仁(日本維新の会)

榛葉賀津也(国民民主党・新緑風会)

山下芳生(日本共産党)

鶴保庸介(地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員長)

河野義博(総務委員長)

高橋克法(文教科学委員長)

山下雄平(農林水産委員長)

6:15

これより会議を開きます。日程第一、国務大臣の報告に関する件、国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画に関する報告について、

6:36

内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。岸田文雄内閣総理大臣。

6:56

政府は、昨年12月16日、国家安全保障会議及び閣議において、国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画を決定いたしました。以下、これらについて、御報告申し上げます。国家安全保障戦略は、国際秩序が重大な挑戦にさらされ、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、約9年ぶりに策定されたものです。本戦略は、外交防衛のみならず、経済、技術等を含む多岐にわたる分野の安全保障上の問題に対し、総合的な国力を最大限活用して、我が国の平和と安全を含む国益を確保するための安全保障に関する最上位の政策文書です。本戦略では、我が国の国家安全保障上の目標として、主権と独立の維持、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現等を掲げております。まず優先されるべきは、積極的な外交の展開です。我が国は、長年にわたり国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や国際協力を行ってきました。その伝統と経験に基づき、大幅に強化される外交の実施体制のもと、今後も多くの国と信頼関係を築き、我が国の立場への理解と支持を集める外交活動や他国との共存共栄のための国際協力を展開します。同時に、こうした外交を展開するためには、裏付けとなる防衛力が必要です。戦略的なアプローチとして、自由で開かれたインド太平洋のビジョンのもとでの外交、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。その上で、我が国を全方位でシームレスに守るための取組の強化等のため、宇宙サイバー等の新たな領域への対応能力の向上、海上保安能力の強化、経済安全保障政策の促進等、政府横断的な政策を進めることとしております。必要とされる防衛力の内容を積み上げた上で、同盟国、同志国等との連携を踏まえ、国際比較のための指標も考慮し、我が国自身の判断として、2027年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を合わせ、そのための予算水準が現在の国内総生産の2%に達するよう所要の措置を講ずることとしております。本戦略に基づく戦略的な指針と施策は、戦後の安全保障政策を実践面から大きく転換するものです。政府として、本戦略に基づき、安全保障に資する取組を着実に進めてまいります。次に、国家防衛戦略は、国家安全保障戦略の下、特に防衛について目標を設定し、その達成のためのアプローチ等を包括的に示すものです。防衛目標として、万が一我が国への侵攻が成期した場合、我が国が主たる責任をもって対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止、排除するといった3つの目標を掲げております。そのためのアプローチとして、防衛力の抜本的強化を中核に、国力を統合した我が国自身の防衛体制を強化するとともに、日米同盟による抑止力と対処力や同志国等との連携を強化する方針を掲げております。特に防衛力については、相手の能力と新しい戦い方に着目して抜本的に強化することとしております。そのため、稼働率の向上や弾薬燃料の確保、主要な防衛施設の強靱化への投資を加速するとともに、将来の中核となる能力を強化する方針の下、7つの重視分野を示し、反撃能力の意義や必要性等に関する政府の見解も示しております。最後に防衛力整備計画は、国家防衛戦略の下、我が国として保有すべき防衛力の水準を示し、その水準を達成するための計画であり、おむね10年後の自衛隊の体制や、今後5年間経費の総額、主要装備品の整備数量を期しています。例えば、スタンドオフ防衛能力としての人に式、地体間誘導弾能力向上型等の開発や、トマホーク等のミサイルの着実な導入、弾薬等の早期整備、部品不足による装備品の非稼働の解消や、稼働数の最大化等の取組を示しております。これらに必要な事業を積み上げ、2023年度から5年間の防衛力整備計画における所要経費を43兆円程度としております。また、2027年度以降、防衛力を安定的に維持するための財源及び、2023年度から2027年度までの本計画を賄う財源の確保については、歳出改革、決算常用金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設、税制措置等、歳出歳入両面において所要の措置を講ずることとしております。これらの文書で示された方針は、憲法、国際法、国内法の範囲内で実施されるものであり、非核三原則や選手防衛の堅持、平和国家としての歩みをいささかも変えるものではありません。これらの文書の下で、国民の生命や暮らしを守り抜くという政府の最も重大な責務を果たしてまいります。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げます。ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。

15:16

堀井岩尾君。

15:40

自由民主党の堀井岩尾です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました国家安全保障戦略等の新たな3文書について岸田総理に質問いたします。陸上自衛隊ヘリコプターの事故により、命を失われた隊員の方々のご冥福をお祈りいたします。行方不明の隊員の皆様が、1日も早くご家族のもとに帰れますよう祈っております。スーダン情勢が悪化する中、法人退避に尽力された全ての関係者の方々に心から敬意を表します。政府においては国際社会と連携し、スーダン情勢が1日も早く沈静化するよう引き続き尽力されることを期待いたします。今我が国は、かつてない厳しい安全保障環境に直面しています。過去を保有し、我が国の考える民主主義とは実質的に異なる体制にある国に囲まれています。また、ウクライナ侵略により国際法に反する力による一方的な現状変更が現実になりました。この国難の中、どう我が国の平和と安全を守っていくのかが問われています。同時に、日本が東アジア、さらには東南アジアの平和と繁栄に果たす役割への大きな期待もあります。東南アジアの方々と意見を交わすと、どの国からも日本の積極的平和主義の考え方に理解を示し、地域の平和と繁栄への日本の貢献を期待する声がありました。そこで、新たな三文書はこれらの課題に正面から向き合い、他国任せではなく、国と国民を自国で守るという決意と覚悟を国の内外に示したものになったと考えますが、御所見を伺います。また、どのように外交力と防衛力を車の両輪として駆使しながら、我が国さらに東アジアや東南アジアの平和と繁栄を構築していく考えでしょうか。お伺いいたします。次に、反撃能力について伺います。一方的な侵略を阻止するためには、安全保障を取り巻く環境や技術などの変化に対応して、ミサイル迎撃システムのみならず、反撃能力の保有を含む抜本的強化が不可欠です。反撃能力については、これまでの国会答弁等を見ても、法理的には自衛の範囲にあり、可能と解釈され、選手防衛の考え方と整合性が取れていると考えますが、御所見を伺いたします。次に、防衛装備品の移転について伺います。国際法違反の脅威にさらされている同志国から、装備品移転要請の声が寄せられています。その要請により柔軟に応じることで、我が国も同志国の平和と安全の維持にさらに貢献できます。同時に、我が国や周辺地域にとって望ましい安全保障環境も創出できると考えます。そこで、現下の安全保障環境や防衛生産技術基盤の状況を踏まえて、同志国への防衛装備品のさらなる移転について、どのように考えるのかお伺いをいたします。防衛力強化の前提として、外交力も普段の強化が不可欠であります。今や中国は、在外交換の数で米国を抜き、アフリカや太平洋当初国などで外交拠点を増やしています。一方で日本は、在外交換の数も人員数も劣っており、日本のODA予算はピーク時からほぼ半分と危惧すべき状況です。そこで昨年11月、自由民主党外交部会を中心に、外交力の抜本的な強化に向けた決議を行いました。まずは、防衛予算の拡充と補充を合わせた外務省予算の拡充が不可欠です。さらに、外務省定員を主要国並みに増強し、今後10年間で8000名体制とすることが必要です。合わせて、在外交換の機能強化と250交換を実現することが大切です。国家安全保障戦略をしっかりと遂行していくためにも、このような外交力の抜本的な強化が必要と考えますが、その決意をお伺いいたします。最後に申し上げます。中国は、米ドルの通貨派遣に対抗し、金の保有料を積み増しています。台湾海峡有事になると世界経済は大打撃、為替も混乱します。日本も原油の9割以上が台湾周辺を通ることから大きな影響を受け、円やドル資産の不安定化も危惧されます。外交力や防衛力、そして経済力や通貨の安定、財政力など、総合的な国力の強化が何よりも重要です。岸田総理におかれては、国家のリーダーとして、防衛力、そして国力の総合的、戦略的な強化に向けて、リーダーシップを引き続き発揮していただくことをご期待申し上げ、私の質問を終わります。

21:53

岸田文夫内閣総理大臣

22:05

堀井和夫議員からのご質問にお答えいたします。3文書に込めた決意についてお尋ねがありました。3文書は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、総合的な国力を最大限活用し、我が国の平和と安全を含む国益を確保するために策定されました。その中で、まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です。自由で開かれたインド太平洋のビジョンのもとでの外交や防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。こうした政策を通じて、我が国の主権と独立の維持はもちろん、地域の平和と繁栄にも積極的に貢献していく考えです。反撃能力と選手防衛についてお尋ねがありました。選手防衛とは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その対応も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った我が国の防衛の基本的な方針です。反撃能力も弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合に、そのような攻撃を防ぐために、他に手段がなく、やむを得ない必要最小限の防衛の措置として運用されるものであることから、選手防衛の範囲内であり、整合性がとれていると考えております。防衛装備品移転についてお尋ねがありました。国家安全保障戦略に記載しているとおり、防衛装備品の海外への移転は、特にインド太平洋地域における平和と安定のために、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法に違反する侵略を受けている国への支援などのための重要な政策的な手段となります。こうした観点から与党における検討も踏まえつつ、今後議論を進めてまいります。外交力強化についてお尋ねがありました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、三積する外交課題にしっかりと対応していけるよう、外交力強化に引き続き取り組んでいく必要があります。昨年12月に発出した国家安全保障戦略においても、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の第一として外交力を掲げたところです。我が国として主導的かつ積極的な外交を展開すべく、御指摘のあった焦点も念頭に置きつつ、ODAの実施を含め、人的体制、財政基盤、在外交換の整備等を進めてまいります。

25:48

宮口 春子君

26:30

立憲民主社民の宮口春子です。会派を代表して質問いたします。まずは冒頭、総理、覚えていらっしゃいますか。忘れているとは言わせません。ちょうど2年前の4月25日、大規模買収事件による参院選、広島選挙区の再選挙によって、私は議員になり、今この場にいます。今回だけは自民党を勝たしちゃいけん、そういう声の後押しを受け、当選いたしました。選挙の翌月、総理は当時、自民党幹事長だった二階氏に、1億5000万円について、国民に明確な説明をするように申し入れをされました。党員の気持ちに応え、説明責任を果たすことは大事だ。私が党に指示を出せる立場になったら、この姿勢は大事にしたいとも述べられています。いつ説明を行うのでしょうか。もう終わった話、今頃何を蒸し返しているんだというわけにはいきません。2年も経ちました。検討はもう結構でございます。広島県の皆様も説明を待っています。党に指示を出される立場に立たれた今、どうぞこの場で、しっかり説明責任を果たしてください。丁寧な答弁をお願い申し上げます。さらに総理にお聞きします。和歌山で選挙応援中の総理に対し、爆発物が投げ込まれた事件の最中、警備の責任者の1人でもある国家公安委員長が一報を受けたにもかかわらず、楽しみにしていたうなどんを最後まで食べたと発言したとのことです。広島サミットを前に、こうした事件に対する危機感も緊張感も感じない人物に、用心敬語、警備の責任を担わせてよいのでしょうか。うなどん大臣は、即刻、降鉄してください。それでは、本題である安保関連3文書の総理報告について質問いたします。国家安全保障戦略では、我が国の安全保障上の目標を達成するために用いられる総合的な国力の第一の要素として外交力が掲げられており、大幅に強化される外交の実施体制のもと、今後も多くの国と信頼関係を築き、我が国の立場への理解と支持を集める外交活動や他国との共存、共栄のための国際協力を展開すると書かれております。歴史を振り返っても、戦争は常に外交の失敗であり、そもそも安全保障環境の悪化を言うのであれば、その悪化はまさに外交の失敗が招いている事態であることを真剣かつ深刻に受け止めるべきです。岸田総理は、第二次安倍政権において4年8ヶ月という戦後2番目に長い期間、外相を務めました。その間の岸田外交が今日の安全保障環境を回避するために、その緊張を緩和するために具体的にどのような二国間、多国間、そして国連外交を主導してきたのか、その岸田外交の実績と真摯なる反省をお示しください。もう一つの歴史の教訓は、外交の失敗を軍事録の増強でごまかそうとすることです。それがかえって緊張の悪化と戦争の勃発を招いてきたことも、歴史が私たちに教えてくれています。第一の要素として外交力を掲げるのであれば、防衛力ではなく積極的かつ思い切った外交力の強化にこそ、我が国の持てる資源を投入すべきです。しかし、安保三文書には肝心の具体的な外交戦略の記述がほとんどありません。代わりに飛び出してきたのは、外交には裏付けとなる防衛力が必要であるという岸田総理の主張です。そこで岸田総理にお伺いしますが、国家安全保障戦略で明記されている外交の重要性と、その具体的な方策、及びその実施体制の大幅な強化の具体的内容についてお示しいただくとともに、それらの外交政策は防衛力の裏付けとして実施するものなのか、見解をお尋ねします。岸田総理は、反撃能力保有の目的について、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力であり、これにより武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると答弁されています。しかし、日本に武力攻撃を行う国が現れたときには、日米安保条約に基づき、米国が日本を守ることになります。米国は世界でも類を見ない強大な戦力を保有しており、これほどの抑止力はないはずです。その米国の抑止力と岸田総理が言う、かつてなく強固な日米同盟があるにもかかわらず、なぜ日本が反撃能力を保有する必要があるのでしょうか。米国の集団的自衛権の発動、敵地攻撃能力、あるいは報復攻撃の実行について疑問があるということなのでしょうか。そして、米国による日本への防衛義務がある中で、日本が反撃能力を保有することは、武力の行使の三要件にある、他に適当な手段がないとの要件を満たすのでしょうか。ご説明を願います。また、三要件の必要最小限度について、政府はこれまで他国を直接攻撃するような攻撃力を行使するようなことは、必要最小限度を逸脱するとの立場を取ってきたはずではなかったでしょうか。総理の明確な説明を求めます。日米の基本的な役割分担について、岸田総理は、2015年の日米ガイドライン上、日本は日本の防衛を主体的に実施する、米国は自衛隊を支援し補完するとともに、拡大抑止を提供するとされており、こうした基本的な役割分担は変更しないと答弁されています。他方、ミサイル攻撃への対処については、これまで米国に打撃力を委ねてきました。今般の反撃能力の保有は、日本が他国領域への打撃力を持つことにほかなりませんが、こうした役割を担うことに方針転換された理由をお示しください。政府は、我が国に対する武力攻撃が発生した場合とは、攻撃の恐れがあるにとどまるときではなく、また、我が国が現実に被害を受けたときでもなく、他国が我が国に対して武力攻撃に着手したときと解されていると説明されています。この点、岸田総理は、我が国の武力行使は、憲法、国際法、国内法の範囲内で運用されるわけであり、その範囲内で反撃能力についても運用されると述べておられます。しかしながら、いくら着手段階での攻撃が正当であったと我が国が主張をしても、相手国がミサイル発射の意図はなかったと言い張り、国際社会がそれを信用すれば、我が国は国際法違反の先制攻撃を行ったとみなされることとなります。政府は国際社会から疑義が呈されない形で着手段階での反撃能力を行使できるとお考えなのか、それは具体的にどのような判断基準に基づくものなのか、岸田総理の見解をお聞かせください。政府は反撃能力を保有する理由について、周辺国のミサイル技術の向上に対応する必要性を説明しています。他方、ミサイル攻撃以外にも、戦闘機、爆撃機、無人機などの基地等に反撃能力を行使し得るかについて、武力の行使の三要件に合致した場合には、行使できることを否定していません。その上で、岸田総理は、孫立喜自体、つまり集団的自衛権を行使する際にも、武力の行使の三要件を満たしていれば、反撃能力を行使し得ると答弁しています。だとすれば、米国に対して、相手国の戦闘機等から攻撃があった場合、三要件を満たしていると政府が判断すれば、日本が直接の攻撃を受けていないにもかかわらず、相手国の基地等に対してミサイルを打ち込むことがあり得ることになります。当初の反撃能力の保有理由から、全くかけ離れた武力行使を行い得る可能性を、岸田総理は否定しないのでしょうか。そうであれば、それは完全に憲法違反の武力行使になりませんか。政府の見解をお聞かせください。岸田総理は、NATOをはじめとする国々が、経済力に応じた総合の国防費を支出する姿勢を示している中で、我が国としても、防衛力強化を図る上で、GDP費で見ることは、指標として一定の意味があると述べておられます。その上で、我が国の防衛力強化に必要な経費を積み上げた結果として、GDP費2%に達するよう、所要の措置を講ずることとなったと述べられております。積み上げた結果、たまたま防衛費が2%に達したという、そんな偶然があり得るのでしょうか。政府は、防衛費をはじめからGDP費2%する目的で積み上げを行ったのではありませんか。総理の見解をお聞かせください。政府は、防衛力整備計画において、2023年度から2027年度までの防衛関係費の総額を43兆円程度とした上で、自衛隊施設等の設備のさらなる加速化を事業の進捗状況等を踏まえつつ、機動的・弾力的に行うことで、1兆6千億円程度、一般会計の決算常用金が想定よりも増加した場合に、これを活用することで9千億円程度を年出し、結果的に40兆5千億円程度に抑えると記載されています。この自衛隊施設等の整備のさらなる加速化を事業の進捗状況等を踏まえつつ、機動的・弾力的に行うこととはどのようなことを想定しているのでしょうか。具体的にお答えください。また、そのことによって、1兆6千億円もの巨額の費用を年出することが本当に可能なのでしょうか。さらには、一般会計の決算常用金が想定よりも増加した場合を事前に織り込んで、今後5年間の防衛計画費の目標を立てることが妥当なのでしょうか。同計画には決算常用金が増加しない場合にあっては、プロジェクトの見直しやコスト管理等によって実質的な財源確保を図るとも記載されていますが、9千億円といえば、例えば本年度の外務省予算が7千560億円程度ですが、これをはるかに上回る額です。このような額が本当に確保できるのでしょうか。これらの見通しを立てるに至った理由と、その妥当性、そしてそれが確保できるのだという根拠について、政府の説明を求めます。防衛力整備計画には、2023年度から2027年度の防衛関係費の総額43兆円の後に必要となる経費についての記載もあります。具体的には、2027年度以降の財源確保については、歳出改革、決算常用金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金、税制措置等、歳出歳入両面において所要の措置を講するとの記載です。今般の5年間の防衛関係費では、大手町プレイスの売却収入や、新型コロナウイルス感染症基金の国庫返納などで一部経費を賄うとされていますが、5年後にこうした資金が利用できるとは限りません。そうした場合、5年後も現計画の防衛費の水準を維持しようとすれば、どこかからか財源を年逸しなければなりません。そうすると、さらなる増税議論が浮上する恐れもあるのではないでしょうか。政府が今般の防衛力整備計画に、計画終了後の財源の確保を記載した理由について、また、計画終了後の防衛費の在り方、財源確保の見通しと、さらなる増税の可能性について説明を求めます。以上、安保3文書について説明をいたしました。私たちは、今回の安保3文書には断固反対ですし、このような戦後日本の平和を守ってきた憲法の平和主義と、その支えとなっている選手防衛を踏みにじるような方針転換を、国会の審議も国民的な議論や理解もなしに、閣議決定のみでこっそりと強行してしまうような、国民を無視するような行為は、決して容認するわけにはいきません。広島県では、G7サミットに向けて急ピッチで環境整備が行われています。私も、G7の成功を願っています。先日、松野官房長官は会見で、G7広島サミットで核兵器なき世界の実現に向けて議論を深めたいという考えを示しましたが、広島市教育委員会は、平和学習ノートの改定にあたり、裸足の原理に関する記述や、第5副リューマルに関する記述をテキストから削除。広島市は、ホームページから劣化互乱談に関する記述を一時削除するなど、看過できない様々な問題が噴出しています。核兵器なき世界の実現の方向と、案違反していませんか。平和主義を踏みにじるようなことが、広島でも行われていませんか。広島県選出、私同様、幼い頃から平和教育を学ばれたであろう岸田総理、これらの問題について、どうお考えでしょうか。立憲民主党は、現行憲法の平和主義と国際協調主義を尊重し、これからも引き続き、選手防衛に徹しつつ、平和外交の努力によって緊張関係を緩和し、アジアと世界の平和をつくり、育てる努力に全力を傾注することを約束し、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。

41:52

宮口春子議員の御質問にお答えいたします。広島県における2019年の参議院議員通常選挙をめぐる事件についてお尋ねがありました。お尋ねの件については、一昨年9月、当時の司公部において河合夫妻側が作成した終始報告書について、党の公認会計士・税理士が党の内記に照らして感謝をし、そして領収書等の必要書類を添付した上で、法令に基づき、広島県選挙管理委員会及び総務省に提出が済んだ等の説明がありました。この説明が行われたと承知をしております。説明は行われたと認識をしております。他に、国家公安委員会委員長の発言についてお尋ねがありました。他に大臣にあっては、出張先において、和歌山での爆発物、投擲事件の発生について報告を受け、必要な指示、情報収集を行いながら、要望を継続したものと聞いております。引き続き、諸君に当たってもらいたいと考えております。私の外務大臣時代の実績と反省点、そして外交と防衛力の関係についてお尋ねがありました。4年8ヶ月にわたる私の外務大臣就任期間中、外交の3本柱である日米同盟の強化、近隣諸国との関係推進、そして経済外交の推進と併せて、軍縮不拡散等のグローバルな諸課題の解決に取り組み、2国間及び国連を含む多国間の外交を主導してきました。そして、今日、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、この試合に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することの重要性、これが一層高まっていると認識をしております。こうした中、まず優先されるべきは、積極的な外交の展開です。力による一方的な現状変更や核兵器による威嚇や使用は断固として許さないとの観点から、主導レベルをはじめ、多層的、多面的な外交を各国各レベルとの間でしっかりと展開をしてまいります。そのためにも、人的体制、在外交換の整備を含めた外交力の強化に努めてまいります。防衛力の強化は、こうした外交を実現する上での裏付けとなるものです。外交力、防衛力を含む総合的な国力を最大限活用しつつ、力強い外交を展開し、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出してまいります。反撃能力についてお尋ねがありました。近年、我が国周辺で、質量ともにミサイル戦力が著しく増強される中で、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあります。こうした状況の変化により、武力の行使の三要件の他に手段がないを満たす場合もあり得ると考えています。このため、政府としては、米国が日米安保条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いていますが、これに加えて、我が国として反撃能力を保有することで、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。なお、従来から繰り返し申し上げているとおり、1956年の政府見解で述べたような措置を行うことは法理上可能であり、そうである以上、そのための必要最小限度の能力を保持することも法理上許されるものと考えてきております。日米の役割分担についてお尋ねがありました。政府としては、米国が日米安保条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いていますが、先ほど申し上げた状況の変化を踏まえ、我が国としても反撃能力を保有し、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させることといたしました。他方、これはあらゆる種類の能力を有する米国の打撃力とは異なるものであり、また日米の基本的な役割分担にも変更はありません。武力攻撃の着手と損率危機事態における反撃能力の行使についてお尋ねがありました。どの時点で武力攻撃の着手があったと見るべきかについては、その時点の国際情勢攻撃国の明示された意図、攻撃の手段、対応等によるものであり、個別具体的な状況に即して判断すべきものであると考えておりますが、先制攻撃はいずれにせよ許されない、これは言うまでもないことであります。また損率危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したからといって、無条件で認定されるものではなく、これにより我が国の損率が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に認定され、自衛の措置として武力を行使することが許容されます。その上で、事態認定後の反撃能力の運用については、実際に発生した状況に即して弾道ミサイル等による攻撃を防ぐために、他に手段がなく、やむを得ない必要最小限度の措置としていかなる措置をとるかという観点から、個別具体的に判断することとなります。いずれにせよ反撃能力は、あくまで国民の命と暮らしを守り抜くために、憲法、国際法、国内法の範囲内で運用されるものであり、憲法違反の武力行使を行わないことは言うまでもありません。防衛費の規模についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化に当たっては、その内容の積み上げと合わせて、これらを補完する取組として、研究開発、公共インフラ整備をはじめとする総合的な防衛体制を強化するための経費等を積み上げました。その積み上げの結果として、2027年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を合わせ、そのための予算水準が現在のGDPの2%に達するよう所要の措置を講ずることとしたものであり、GDP比2%にする目的で積み上げたとの指摘は当たりません。防衛費を確保するための措置についてお尋ねがありました。御指摘の1.6兆円程度については、例えば、大社、長社等の整備を進めるにあたり、事業の進捗に応じ、整備を早期化する必要がある場合に対応することを想定しています。このため、1.6兆円については、その財源の在り方も含め、その時々の予算編成の過程で具体的な予算を検討してまいります。また、御指摘の0.9兆円程度については、財源確保の一つの方法として想定しているものですが、仮に決算常用金が増加しない場合にも、防衛力整備の一層の効率化、合理化により実質的な財源確保を図ることとしており、必要な防衛力を整備するため妥当なものです。なお、この規模は、全中規模期間中に、装備調達等の最適化による縮減額約1.7兆円を年出したことを踏まえますと可能であると考えております。防衛費の財源についてお尋ねがありました。抜本的に強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していかねばならず、この防衛力を安定的に支えるためには、令和9年度以降もしっかりとした財源が必要です。こうした点について、防衛力整備計画にも記載をしたところです。その財源確保にあたっては、国民のご負担をできるだけ抑えるため、あらゆる工夫を検討した結果、歳出改革、決算常用金の活用、そして様々な取組により確保した税外収入等を、令和10年度以降も含めて、防衛力整備に計画的安定的に充てるための防衛力強化資金の創設、これらの取組により必要な財源の約4分の3を確保することといたしました。それでも足りない4分の1については、将来の世代に先送りすることなく、令和9年度に向けて、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での協力をお願いしたいと考えております。政府としては、こうした方針に沿って、あらゆる行財政改革の徹底などを通じて、必要な財源の年出に最大限取り組むこととしており、さらなる増税は考えておりません。そして、広島市教育委員会及び広島市の対応と核兵器のない世界に向けた取組の関係についてお尋ねがありました。広島市等の対応について、政府としてコメントすることは控えますが、例えば、平和学習教材の改定については、広島市教育委員会において、その責任のもと、児童生徒がより被曝の実装を理解し、その事実をもとに考えられるような内容とするために行われたと説明されていると承知をしております。政府としては、核兵器のない世界の実現に向けて、広島アクションプランをはじめ、これまでの取組の上に立って、引き続き、現実的かつ実践的な取組を進めてまいります。来るG7広島サミットでは、広島と長崎に原爆が投下されてから77年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることは決して許されないとのメッセージを、力強く世界に発信していきたいと考えております。

54:22

石川博多君

54:41

公明党の石川博多です。ただいま議題となりました国家安全保障戦略等3文書について、会派を代表して岸田総理及び濱田防衛大臣に質問いたします。冒頭、情勢が悪化しているスーダンで、帰国を出国を希望する在留法人の大層が、現地に派遣された自衛隊輸送機や関係諸国との連携により、無事に国外に退避できたことを高く評価するとともに、関係者のご尽力に感謝を申し上げます。さて、ロシアによるウクライナ侵略が象徴するように、今国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、自由で開かれた安定的な国際秩序は重大な挑戦にさらされています。我が国周辺では、各ミサイル戦力を含む軍備増強が急速に進展し、力による一方的な現状変更の圧力がますます高まっています。さらに、サイバー攻撃や偽情報の拡散などが日常的に生起すると、有事と平時、軍事と非軍事の境目がますます曖昧になっています。こうした中で、外交力、防衛力、経済力など、総合的な国力を活用し、我が国の平和と安定、国民の生命財産を守り抜くことは、与野党を超えた国政の最重要課題です。我が国は、今後とも、自由、民主主義、法の支配など、普遍的な価値や国際秩序を断じて守り抜く基地を鮮明に掲げ続けるとともに、日本の経済的繁栄を主体的に構築しつつ、各国との共存共栄を図る環境を積極的に創出することで、今後とも国際社会の信頼と尊敬を勝ち得ていかなければなりません。こうした問題意識を踏まえ、今回の安保三文書改定の意義について、総理のご所見を伺います。現下の安全保障環境を踏まえれば、国民の生命財産を守るために、必要な防衛力の抜本的強化は重要かつ必要な措置です。一方で、我が国の厳しい財政状況の下、今回防衛力整備計画で示された5年間で43兆円程度との防衛費について、国民の理解を得るためには、決して額ありきではなく、真に必要な事業のみを積み上げた内容であることを、政府が丁寧に説明する必要があります。また、さらなる効率化・合理化の徹底によるコスト抑制も不可欠であり、政府にさらなる努力を求めますが、総理のご所見を伺います。近年、北朝鮮など我が国周辺のミサイル戦力は、質量ともに著しく増強が図られ、超射程化、予測困難な奇襲発射、多数弾を同時発射する砲波攻撃、さらには極超音速や変速機動などミサイル関連技術が急速に進化・発展を遂げており、これまでのBMD対処による迎撃のみでは対応が難しくなっています。この現実に的確に対応し、国民の生命財産を守り抜くためには、飛来するミサイルをミサイル防衛網で防ぎつつも、相手からのさらなるミサイル攻撃を予期しつつする反撃能力の保有は必要と考えます。しかし、その必要性について国民の理解を得るためには、丁寧な説明が必要と考えますが、総理の答弁を求めます。反撃能力は、相手にミサイルを撃たせない予期しのための措置でありますが、仮に万やもを得ない場合の自衛の措置として、武力行使の三要件に基づき、これを行使する場合であっても、憲法、国際法、国内法を遵守し、選手防衛の範囲内で運用されなければなりません。加えて、反撃能力の行使にあたっては、まず武力攻撃自体等の事態認定を行った上で、自衛隊に防衛出動を加令するといった手続きが求められます。これらは国会承認事項であり、政府には、事態の経緯、事態認定及び武力行使が必要と認められる理由などについて、国民への説明が求められます。こうした厳正な手続きによって、反撃能力の適正な運用が担保されるものと考えますが、防衛大臣の認識を伺います。次に、宇宙、サイバー領域について伺います。3文書では、宇宙分野での米国ほかの同盟国、同志国との連携強化などが明記され、本年1月の日米2+2においては、宇宙空間における攻撃が米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条の発動につながりうる旨が確認されました。これは、宇宙空間を利用した情報収集、通信、即位等にとって極めて重要な意味を持ちます。また、サイバーについては、対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させていく旨が国家安全保障戦略に明記されました。今後、能動的サイバー防御の導入、組織や法制度を含む体制の整備等の検討が必要となります。これらの課題に今後どう取り組むのか、総理の御所見を求めます。我が国は、多くの島からなるという地理的特性を有しています。有事において、島々から住民を安全な場所に避難させることは容易ではなく、国民保護に関して、閉鎖から国、地方自治体、自衛隊、海保、警察、消防など関係機関が連携し、必要な検討・訓練を進めておくことが重要です。国家安全保障戦略には、国と地方公共団体などが協力して国民保護の体制強化を行うことが明記されました。今後、国民保護に係る共同訓練の実施回数を大幅に増やすことや、特に南西方面において重点的に訓練を実施すべきと考えますが、総理の御所見を求めます。現状では、防衛装備品の稼働率、弾薬、燃料など有事に必要な軽線能力が十分に確保されているとは言えず、さらに自衛隊施設の約4割は建築基準法改正前に立てられ、改新基準を満たしていません。こうした状況の改善こそ最優先であり、着実に進める必要があります。また、我が国の防衛を全うするためには、自衛隊員一人一人がその能力を十分に発揮できる環境整備が欠かせません。国家安全保障戦略においては、自衛隊員を防衛力の中核と位置づけ、人的基盤を強化することが明記されました。女性自衛官のさらなる活躍やOB、OG隊員の活用を含め、人的基盤の今後の強化策についてどう取り組むのか、防衛大臣の答弁を求めます。今回の3文書では、防衛産業を防衛力そのものと位置づけました。防衛産業なくして、我が国の防衛力は総能力を十分に発揮できず、低い収益性により事業撤退が相次ぐ我が国防衛産業を取り巻く厳しい環境を改善していくことは極めて重要です。一方で、今般防衛装備転産原則の運用指針の見直しも明記されましたが、防衛装備品の買い替え点を防衛産業への支援という文脈で議論すべきではなく、あくまでも装備品の買い替え点が、いかに我が国及び国際社会の平和と安全に資するのかという観点や、平和国家としての我が国の在り方を十分に検討した上で、国民の理解が得られるよう丁寧に議論していくことが重要と考えます。総理の見解を伺います。最後に、我が国の平和を守るためには、備えとしての防衛力の強化とともに、車の両輪としての平和外交を積極的に押し進めていくことが何よりも重要です。国家安全保障戦略においては、公明党の強い主張を踏まえて、我が国の安全保障の第一の柱として外交力が掲げられました。戦後の国際秩序が揺らぐ中で、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出すること、首脳外交を含めた多層的な外交活動を展開し、自由で開かれた国際秩序の強化に積極的に取り組むことが重要です。また、特に東アジア地域の平和と安定には、中国との建設的かつ安定的な関係の構築は不可欠です。これらについて、本年G7議長を務める総理の御決意を伺います。最後に、今般の三文書改定を踏まえ、我が国と国際社会の平和と安全、国民の生命財産を守り抜くために、公明党は今後とも全力を尽くすことを誓いし、私の質問といたします。御清聴ありがとうございました。

1:03:33

岸田文雄内閣総理大臣

1:03:47

石川博史議員

1:03:52

三文書改定の意義等についてお尋ねがありました。三文書は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、総合的な国力を最大限活用し、我が国の平和と安全を含む国益を確保するために策定されました。その中で、まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です。自由で開かれたインド太平洋のビジョンの下での外交や、防衛力の抜本的強化等の方針を示しております。こうした施策を通じて、我が国の主権と独立の維持はもちろん、法の支配に基づく自由で開かれた国際通常の強化、我が国が経済成長できる国際環境の主体的確保、国際社会が共存共栄できる環境の実現等に取り組んでまいります。防衛費の積み上げと効率化合理化の取組についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化の検討に際しては、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、稼働率向上や弾薬燃料の確保、スタンドオフ防衛能力の強化など、必要な防衛力の内容を積み上げ、防衛費の規模を導き出しました。こうした取組を進めるにあたり、徹底したコストの管理抑制や、装備調達等の最適化等を通じ、防衛力整備の一層の効率化合理化、これを徹底してまいります。反撃能力についてお尋ねがありました。反撃能力の保有を決定した背景には、近年、我が国周辺で、質量ともに、ミサイル戦力を著しく増強される中で、既存のミサイル防衛網だけで、完全に対応することは難しくなりつつある、という現実があります。こうした状況において、反撃能力の保有により、日米同盟の抑止力対処力を一層向上させ、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。反撃能力の必要性について、引き続き可能な限り、丁寧な説明に努めてまいります。宇宙サイバー領域における今後の取組についてお尋ねがありました。宇宙については、安全保障の分野での対応能力を強化することとしており、宇宙領域の把握のための体制の強化や、米国やフランス等との対話・連携の強化を進めています。また、国際的なルール形成においても、引き続き関係各国との連携を図ってまいります。サイバーについては、我が国のサイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させ、国や重要インフラ等の安全を確保することが喫緊の課題です。政府としては、対処調整・支援の強化をはじめとする「能動的サイバー防御」に必要な措置や総合調整の指令等となる新たな組織の立ち上げ、これらの実現のための法制度の整備や運用の強化について、スピード感を持って具体化に向けた議論を進めてまいります。国民保護に係る検討訓練についてお尋ねがありました。国民保護の体制強化に向け、昨年度は民間事業者や住民の皆様に必要に応じて参画いただく訓練を全国で47回行ったところ、今年度は、こうした国民保護に係る共同訓練を60回以上行う予定としております。また、南西地域の住民避難に関しては、先月、国沖縄県、崎島諸島の5市町村が協力して武力攻撃予測事態を想定した頭上訓練を初めて実施したところ、引き続き検討訓練を継続していくこととしております。今後とも、こうした訓練等を積み重ね、連動の向上や課題の改善を図り、国民保護の実効性の向上に努めてまいります。防衛産業と防衛装備移転についてお尋ねがありました。国内防衛産業は、いわば防衛力そのものであり、基盤強化が急務です。調達の見直しにより適正に利益率を算定するほか、国会において審議いただいている防衛生産基盤強化法案による措置等も組み合わせ、力強く持続可能な防衛産業の構築を進めてまいります。また、防衛装備移転については、国家安全保障戦略にも記載しているとおり、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法違反の侵略を受けている国への支援等のための重要な政策的手段です。こうした観点から、与党における検討も踏まえ、国民の皆様の御理解を得られるよう、今後議論を進めてまいります。平和外交推進等、対中外交についてのG7議長としての取組についてお尋ねがありました。来月に迫った広島サミットをはじめ、G7議長として多層的、多面的な外交を力強く推進して、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くというG7の強い意志を力強く示してまいります。また、自由で開かれたインド太平洋に関するG7の連携についても、首脳レベルでしっかりと確認をしてまいります。また、対中外交については、昨年11月の日中首脳会談で得られた前向きなモメンタムを維持しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、所見案を含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力をする建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築をしてまいります。残余の質問については関係大臣から答弁をさせます。

1:11:31

濵田康和防衛大臣

1:11:43

石川宏高議員にお答えを申し上げます。はじめに反撃能力の適正な運用についてお尋ねがありました。反撃能力は憲法、国際法、国内法の範囲内で運用され、選手防衛の考え方を変更するものではなく、武力行使の採用権を満たして初めて行使されるものであります。政府は武力攻撃事態等に至ったときには、事態の経緯、事態の認定及び武力の行使が必要であると認められる理由、対処に関する全般的方針、対処処置に関する重要事項について対処基本方針として閣議決定をし、国会の承認を求めるものとしております。この際、武力の行使の採用権の第一要件である、我が国に対する武力攻撃の発生等についても判断されるほか、個別の事態の状況に応じ、反撃能力を含めた一連の武力の行使が必要である理由をしっかりと記載していくこととなります。これにより、国会承認についてご判断をいただくのに必要な情報が提示されることになり、国会の関与を得て反撃能力が適正に運用されるものと考えております。次に、自衛隊の持続性強靭性の強化及び人的基盤の強化策についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化にあたり、ご指摘の稼働率向上、弾薬燃料の確保、施設の強靭化の加速は原油装備品の最大限活用のための取組として、今後5年間最優先課題であり、着実に推進していく考えであります。また、人的基盤の強化についても重視しており、女性隊員がさらに活躍できる環境の情勢や定年退職自衛官の再任用など各種施策を進めることにより、防衛力の中核である自衛隊員の人材確保をしっかりと行ってまいります。防衛省としては、引き続き防衛力の抜本的強化に向けた取組を進めてまいります。

1:14:05

金子道人君

1:14:31

日本医師の会、金子道人です。私は、会派を代表して国家安全保障戦略をはじめとする安保三文書についてご質問します。我が国を取り巻く国際社会は、パワーバランスの変化、知性学的競争の激化に伴い、国際秩序が重大な挑戦にさらされており、対立と協調の要素が複雑に絡み合っています。そして、この要素を放置すれば、ますます対立と分断の方向に進みかねません。こうした国際環境の中で、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった、普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を再び堅固なものとして回復していくために、我が国として積極的かつ具体的な行動を起こす必要があります。先般のWBCの決勝戦後、大谷翔平選手が、「日本だけじゃなくて、韓国や台湾や中国ももっともっと野球が大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことが良かった」と述べています。スポーツの世界でも、関与相互尊重という普遍的価値が人々に強く印象付けられた素晴らしい機会でした。一方、5月に予定されていたアンダー20サッカーワールドカップは、開催国のインドネシアがイスラエル代表の入国を拒否し、大会返上する事態になりました。残念ながら、スポーツの世界を含め様々な分野でも協調と対立が絡み合っており、普遍的価値を維持強化する努力が求められています。岸田総理は3月のインド訪問時のスピーチで、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くという大目標を述べられましたが、今回はその大目標の実現のため、この安保三分所はどのように位置づけられるのか、総理の認識をお示しください。普遍的価値や国際法に基づく国際秩序の回復という目標を、単なるお題目、記例ごととしてではなく、実効力をもって実現するためには、外交力、防衛力、経済力を含む総合的な国力を最大限活用していく必要があり、その戦略の最上位分所として国家安全保障戦略が位置づけられています。しかし、この他の2分所は防衛力に関するものであり、外交や経済安保に対する戦略分所がなく、バランスを変えているのではないでしょうか。総理の認識をお聞かせください。我が党は、将来世代を二度と戦争の惨禍に合わせないための強固な抑止力を保持することを目的とし、他国の侵略を未然に防ぐに足る軍事、非軍事の防衛能力と、平和的な国際秩序を継承維持する外交能力の総合力を積極的防衛能力と定義し、その双方両輪として強化することを訴えています。悪化する安全保障環境の中、平和憲法に基づき、国民の生命と財産を守るという国の責務を果たすために、自衛のための必要最小限度の実力を持つことは重要です。また、自衛のための必要最小限度の実力は、その時々の国際情勢や周辺国の軍備状況の流動的な要因に応じて、変化せざるを得ないと考えます。今回の安保三分所に基づく防衛力の抜本的な強化は、我が国の領土保全また国民保護という観点で、必要かつ十分なものでしょうか。総理の認識をお伺いします。防衛費の大幅増額に対して、安易な増税や安易な国際発行で対処することは許されません。安易な増税や国際発行は、安易な防衛費の増大をもたらす危険性があるからです。まずは、徹底した歳出削減を行い、必要な防衛費を年出していく努力を行うべきではありませんか。今から増税を念頭に置くのは、歳出削減への諦めではないですか。歳出削減の確保が全く足りないと言わざるを得ません。総理の見解をお伺いします。国民の生命と財産を守るという観点からは、国民保護体制の強化が重要です。最悪のケースも想定し、迅速な住民避難の実施、避難施設の確保など、訓練と準備が不可欠ですが、現状は全く不十分です。今後の訓練計画、国民保護体制の強化に対する総理の決意をお聞かせください。次に、外交力の抜本的強化について、質問と提言をいたします。外交力と防衛力は、我が国の安全保障の両輪です。しかし、今回の安保三分子を経て、防衛力の抜本的強化については、施策、財源ともに、具体的に検討されている一方で、外交については、従来の方針の確認にとどまり、抜本的な強化とはとても言えません。外交力の抜本的強化として、4つの提案をさせていただきます。まず、首脳外交、外商外交の大幅な強化です。我が国は、今年G7議長国として、広島サミットを主催、また、安保理非常任理事国としての役割もあり、総理や外務大臣が外交に充てる時間は、どれほど確保しても十分とは言い切れません。他方、G7諸国の中で、我が国の首脳ほど、国会に出席する人数が多い国はなく、これが首脳外交の足枷になっていることは、否定できません。外務大臣も同様です。先月、インドで開催されたG20サミットも、国会日程のために参加できず、続くクワット参加も、わずか半日インドに滞在するだけで、円路往復しておられます。外務大臣が国益をかけた外交交渉の場に、気力体力ともに充実した状態で臨めるよう、配慮すべきではないでしょうか。平成11年に成立した国会審議活性化法の趣旨、副大臣制度の原点に立ち返り、副大臣が国会審議を分担することで、外務大臣の負担を軽減、図るべきではないでしょうか。総理の見解をお伺いします。第2に、ODAの拡充です。現在、大きな軍事力や経済力を持つ国の意見が、国際法を超えて国際社会を支配するのではないか、そのような懸念が広がっています。こうした中で、例えば、我が国の周辺国が、両界審判事例が多発しても、我が国がこれを緩和し、何ら具体的な支援行動を取らなければ、我が国の訴える国際法遵守は、機上の空論へに超えた持ちであり、周辺国の支持を広げることはできません。こうした点で、我が国がフィリピン沿岸警備隊に準指定を提供し、フィリピンの領海保全に寄与した事例は、ODAの戦略的な活用の好事例といいます。我が国がとって、最も重要な外交ツールの一つであるODAの、戦略的な活用をさらに拡大するため、また、我が国は外交力も抜本的に強化したと、胸を張って言えるように、ODAの2015年の開発協力対抗から実現していない、国際目標であるODAの量対GNI比0.7%の拡充について、例えば5年以内に実現するという年限を設けるなど、今年改定する開発協力対抗に、一層踏み込んだ記載をすべきです。総理の見解をお聞かせください。第3に、民間外交の強化です。米国の国家安全保障戦略には、アメリカは中国共産党とは大きな違いを有する。しかしそれは、政治システムの違いであり、国民レベルの違いではない。米中間の家族的な絆、友人関係は必ず変わらず続くとあり、国家と国民を切り分け、民間のつながりの重要性を強調しています。現下の不透明な国際社会の中で、国家間の外交関係に限らず、民間外交も含めて、様々なチャンネルを持つことは非常に有益です。こうした観点から、市民社会組織を経由した二国間援助の拡大をすることは、我が国の顔の見える、きめの細かい草の根の援助、現地のニーズを的確に把握したオファー型の援助が増えるという、開発協力面でのメリットと同時に、市民レベルの交流が一層活発化し、友好関係が広がることも期待できます。開発協力の対抗に、CSOを経由した二国間援助の割合、DAC諸国平均であるODAの15%という、数値目標を明記することを提案します。最後に、人権外交の強化です。今般のウクライナ侵略において、国際法秩序自体にも混沌が及んでいます。昨年9月のロシアによるウクライナ4州併合宣言により、ロシアとウクライナ両当事国の主張する国境線が重なり、国土が重複する状態となり、いずれの国も領土保全という国際法に基づき、相手国を非難するという混沌です。これに対して国際人道法に関しては、両当事国がともに法の遵守を認めつつ、事実関係について対立しています。事実関係の客観的な認定を行うためには、ICC国際刑事裁判所の開発権を認めることが、最も有効な手段であり、ICC管轄を通した紛争地域の透明性の確保が、国際紛争の抑止にもつながります。国際人道法に基づき、人道危機を解決するため、ロシア、中国、またアメリカに対しても、ICCへの加盟、もしくは管轄権の自宅を促し、国際問題に関するダブルスタンダードの排除を、世界に訴えるべきではないでしょうか。総理の見解をお聞かせください。国安全保障戦略の基本原則の中に、国際協調を旨とする積極的平和主義の維持が挙げられています。受動的に平和を享受できた時代から、平和維持のための積極的な行動が求められる時代に変化する中で、どのようにしたら平和をつくることができるのか、我が国が平和をつくるものとなれるように、これからも忌憚なく議論していくことを期待し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

1:25:03

岸田文夫内閣総理大臣

1:25:17

金子道人議員の御質問にお答えいたします。外交上の大目標と安保三文書との関係についてお尋ねがありました。議員御指摘のとおり、私は先般のインド訪問時に実施したスピーチの中で、国際社会を分断と対立ではなく、協調に導くという目標の実現に向けて、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを発展させていく新たなプラン、これを表明いたしました。この点、昨年策定した国家安全保障戦略においては、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の一つとして、まず外交力を掲げ、またFOIPの重要性についても明示をしております。政府としては、今後とも積極的な外交を着実に推進することで、我が国の安全保障にとって、視覚的に重要な地域の平和と安定、これを確保してまいりたいと考えています。そして3文書における外交安全保障…、外交経済安全保障の位置づけについてお尋ねがありました。国家安全保障戦略は、他の2文書と一体となって防衛のみならず、外交経済…、経済安保、技術等、我が国の安全保障に関する分野の諸政策に戦略的な指針を与えるものです。その中で外交については、例えば日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組や、同盟国、同志国等との連携強化などについて記述をしております。また、経済安全保障についても、我が国の自立性の向上、優位性、不可欠性の確保等に向け、経済安全保障推進法の着実な実施をはじめとした各種措置に取り組むことを記述しております。政府としては、国家安全保障戦略等を指針としつつ、外交経済安全保障等の各分野の性質や状況等に応じて、適切な形で各種施策を実施してまいります。防衛力の抜本的強化についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化に際しては、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要となる防衛力の内容を積み上げています。これにより、自衛隊の抑止力、対処力を向上させ、我が国を守り抜くことができると考えております。また、自衛隊の強化された機動展開能力を住民避難に活用するなど、国民保護の任務も実施していく考えです。さらに、防衛力を抜本的に強化し、これを将来にわたって維持していく中で、国際情勢等の変化にも機動的に対応してまいります。歳出改革についてお尋ねがありました。防衛力強化のための財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の負担をできるだけ抑えるべく、徹底した行財政改革の努力、これは不可欠です。その中で、議員御指摘の歳出改革については、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象とし、骨太方針に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続する中で、財源を確保することとしております。こうした考え方に基づき、令和5年度予算においては、2100億円程度の防衛関係費の増額を確保いたしました。令和6年度以降も、毎年度の予算編成において、政府与党を連携して歳出改革を継続し、令和9年度時点において、令和4年度と比べて、1兆円強の財源を確保してまいります。行政の無駄や非効率を排除し、行財政改革の努力を尽くすことで、将来にわたって維持強化していく防衛力を支えるしっかりとした財源を確保することができるよう、最大限取り組んでまいります。国民保護の体制強化についてお尋ねがありました。国民保護の体制強化に向け、昨年度は、民間事業者や住民の皆様に必要に応じて参画いただく訓練を、全国で47回行ったほか、沖縄県では初めて、武力攻撃予測事態を想定した頭上訓練を実施したところです。今年度は、こうした国民保護に係る訓練を60回以上行う予定としております。また、武力攻撃を想定した緊急一時避難施設の指定を着実に進めるとともに、より過酷な攻撃を想定した施設について、必要な機能や課題の検討を進めているところです。今後とも、迅速な住民避難につながる検討訓練を積み重ねるとともに、さまざまな種類の避難施設の確保等に取り組み、国民保護の実効性の向上に努めてまいります。国会審議における外務大臣の負担軽減についてお尋ねがありました。議員御指摘のように、ますます厳しさを増す国際環境にあって、各種の外交活動を積極的に実施していく重要性は言うまでもありません。同時に、そのような外交活動を実施していく上で、国民の理解と支持を得ることは重要であり、国会における説明も重要であると認識をしております。こうした認識に立ち、これまでも閣僚と国会との関係について、国会関係者と協議調整を重ねてきたところであり、今後、外交活動の必要性及び閣僚と国会との関係について、丁寧に国会関係者に説明をし、理解を得ていくよう努めたいと考えております。いずれにせよ、大臣、副大臣間の分担も適切に図りながら、今後とも国会の御理解を得つつ、積極的な外交を展開してまいりたいと考えております。そして、ODAの国際的目標と開発協力対抗についてお尋ねがありました。現在の我が国の厳しい財政状況を鑑みれば、ODA実績の対GNI比0.7%という国際的目標について、直ちに達成の見通しを示すことは困難ですが、新たな開発協力対抗のもとでも、ODAの戦略的活用を一層進めるとともに、引き続き、官民協力など様々な形でODAを拡充し、外国的取組の強化に努めていく考えです。市民社会組織(CSO)を経由した二国間援助についてお尋ねがありました。NGO等のCSOは、開発現場の多様な考え方やニーズをきめ細かく汲み取り、状況に応じて迅速かつ柔軟に対応しているODAを実施する上での重要なパートナーです。NGOの知見や経験を活用することで、政府間の支援では手の届かない住民一人一人に対し、より効果的かつ効率的なODAの実施が可能となります。厳しい財政状況の中、現時点で具体的な数字目標を示すことは容易ではありませんが、新たな開発協力大綱の下でも、CSO経由の開発協力をさらに強化してまいりたいと考えます。そして国際刑事裁判所(ICC)についてお尋ねがありました。ウクライナで起こっている戦争犯罪及びその他の残虐行為に関する不処罰は認められてはならず、我が国を含むG7はこれまでの声明等において国際人道法を遵守するよう求めてきています。ウクライナはICCの管轄権を受諾しており、現在ICCによる捜査が続けられています。我が国はこれまでもICC非定約国に対し、国連総会等の機会にロシア、中国及び米国も出席する場でICCローマ規定の締結を呼びかけてきており、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。

1:35:17

シンバ・カズヤ君

1:35:54

私は国民民主党新緑風会を代表して、ただいま議題となりました防衛三部署に対し、総理に質問します。アメリカCIAのバーンズ長官が、今年2月、中国国家主席が、2027年までに台湾を攻撃する準備を整えるよう軍に命じた旨の機密情報を把握している。習近平の野心を過小評価すべきでないと発言し、警鐘を鳴らしました。また、西側各国で開催されている昨今の安保関連会議では、もはや戦後は終わり、戦前に突入している。第三次世界大戦はエソラ事ではないという切迫感と緊張感漂う議論がされていると聞いています。米中が対立関係から敵対関係になりつつある今、外交安保上、日本の存在が極めて重要になってきていますが、総理は欧米諸国と情報や危機感を共有されていらっしゃるでしょうか。お答えください。防衛三部署により、日本の安保政策に長年こびりついていた基盤的防衛力構想の受話から解放されたことは率直に評価します。また、今三部署は、我々立法府が現実から目を背け、リアリティのある国防議論を長年後回しにしてきた過去からの欠別するトリガーでもあります。今回の新たな防衛政策の初弾の一つが反撃能力の保有です。これは自衛のために必要な戦争をさせないための抑止力であり、国民民主党はその能力の保有を理解します。反撃能力を自衛権の発動として行使するには国会の承認が必要であり、そうである以上、戦士防衛に反するとの批判は当たらないとの指摘もあります。相手国による第一撃着手の認定が難しいのは事実ですが、それ以降の反撃を抑止するには反撃能力が有用なのは論を待ちません。日本が反撃能力を持つと相手国がさらに軍備を増強するという指摘も論理的ではありません。戦後77年間、日本は反撃能力を持たずにきましたが、それを知り目に軍閣を続けてきたのは中国、ロシアと北朝鮮であります。憲法の範囲内での反撃能力の在り方について、総理の説得力がある説明を求めます。現代戦の難しさは、兵事と有事がシームレスであり、非軍事部門が極めて重要になっている点にあります。ある専門家は、軍事的手段と非軍事的手段の割合は1対4、つまり戦いの8割がサイバーなどの非軍事部門になっていると明言しました。ウクライナにおいても、侵略の40日も前からロシアによる大規模なサイバー攻撃が始まっていました。我が国の致命的な弱点がこのサイバーで、日米同盟の最大の障壁と言われています。2001年にイギリス国際戦略研究所が各国のサイバー能力の分析を行い、世界トップの第一レベルはアメリカでしたが、日本はなんとイラン、ベトナム、北朝鮮と同じ最も低い第三レベル、一部を除けば重大な弱点を抱える国にカタオガライズされました。愕然とします。総理、一昔前までIT国家と言われていた日本が、なぜこんなにも弱体化してしまったとお考えですか。ご説明ください。今の日本に必要なのは人材の育成と法律の整備です。世界は今、サイバーにおいても過劣な人作り競争をしており、日本はその競争に完全におくれをとっています。つまりこれは国防の問題ではなく、教育の問題ともいえます。国防においてこそ人作りは国作りなのです。日本が参照すべき国がいます。イスラエルです。かつてサイバー先進国ではなかったイスラエルは、10年以上前から教育カリキュラムを変え、小中学校でサイバーの基礎を教え、すべての高校でサイバーを必須科目にしました。各大学にはサイバーの研究センターを設置し、最先端技術を軍や民間企業と共有しています。そのイスラエルに学んだのが韓国です。国防省と大学が連携を強化するとなのに、サイバーを専門的に学ぶ学生の学費を免除するなど、韓国も官民を挙げて努力を重ねています。総理、日本も他国の最高事例を参考にして、本気でサイバー教育の見直しに取り組みませんか。総理の覚悟をお伺いします。能動的サイバー防御の導入が急務ですが、憲法や法律が消費となっています。憲法9条との関係では、サイバー空間は、領海や領空といったような明確な境界がなく、選手防衛の概念はそぐわず、憲法21条の通信の秘密は、国民に限定される権利との解釈を明確にすべきとの指摘もありますが、総理のお考えをお伺いします。また、電気通信事業法をはじめ、不正アクセス禁止法やウイルス作成罪などの刑法をまとめたサイバー安全保障基本法等を策定するなど、一刻も早い対応が必要と考えますが、併せてお伺いください。有事の際、最優先すべきは国民保護です。そのための基本的なインフラ整備について、総理にお伺いします。まず、Jアラートについてです。北朝鮮による蒸気を意思した乱動ミサイルの発射で、Jアラートには信頼性の向上が求められています。ミサイル発射から電達までの時間短縮や軌道の見極めなど、より精度を高めるための改善を強く求めます。他方、全国で防災行政無線が整備されていない市町村が、昨年3月段階で73団体もあり、Jアラートと防災行政無線が連携していない自治体も存在し、その中には県庁所在地や中核市も含まれます。論外であります。防災行政無線の設置やJアラートの接続は行政の責務であり、一刻も早く改善すべきと考えますが、総理の会計を求めます。最後に、有事における自衛隊の輸送や国民保護のための港湾、空港、鉄道の有効利用についてお伺いします。台湾有事は日本の有事であります。崎島諸島をはじめとする南西地域の港湾、空港などの整備と利活用は極めて重要です。しかし現実は、自衛隊の艦船が接岸しようにもできない港が多数存在します。例えば台湾からわずか111kmに位置する与那国島、特定公共施設利用法により利用できるのは与那国島の所内港だけですが、喫水6mの輸送艦や喫水11mの護衛艦は、水深わずか5.5mの所内港には入港できません。他の離島も同じような状況です。総理、南西諸島の港湾に自衛隊の艦船が接岸できないなどありえません。回収すべきは早急に回収し、今後は港湾の建設当時から有事を想定した水深の確保すべきと考えますが、総理の見解をお聞かせください。空港も然りです。輸送機や戦闘機の利発着には3,000m級の滑走路が望まれますが、条件を満たす飛行場は那覇空港と下島空港の2カ所だけです。しかも下島空港はいわゆるやら覚書があり、軍事利用ができません。南西諸島の島の拠点があまりにも脆弱ですが、総理の認識をお伺いします。また、沖縄県の安全のためにもやら覚書について県と紳士に話し合う時期に来ていると考えますが、併せて総理にお伺いします。今も昔も鉄道は国防にとって重要なインフレです。自衛隊はかつての北方防衛の名残から弾薬の約7割を北海道に備蓄しています。有事の際、弾薬や戦車などを南西方面に輸送するには鉄道貨物が欠かせません。しかし約50トンある戦車を乗せる貨車やクレーンがない、トンネルが戦車の幅より狭く通過できない、鉄橋が戦車の重量に耐えられないなど問題は三隻です。また、箱立て、お車満杯館を走る箱立て線は北海道と本州を結ぶ唯一の路線ですが、廃線の危機に直面し、仮に廃線となれば貨物輸送には重大な影響が出ます。鉄道インフラの維持整備は国防の生命線であります。再三ベース延びで存続の是非を決めるのではなく、国防の観点から国が責任を持つべきだと考えますが、総理の認識をお伺いします。理想を胸に秘めながらも、国家と国民を守るために現実を直視し、行動に移す。まさに安全保障政策こそ、対決より解決が重要であることを申し上げ、私の質問を終わります。

1:46:02

岸田文夫内閣総理大臣

1:46:14

新馬和也議員のご質問にお答えいたします。台湾情勢を含む外交安全保障における欧米諸国との連携についてお尋ねがありました。台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要です。台湾をめぐる問題が台湾により平和的に解決されることを期待するというのが、従来からの一貫した我が国の立場です。この点、これまでも1月の日米首脳会談をはじめ、米国やG7各国首脳との間では、緊密な情報意見交換を行ってきており、台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしております。なお、米中関係の安定は国際社会にとっても極めて重要であり、引き続き同盟国たる米国との強固な信頼関係のもと、様々な協力を進めつつ、中国に対して大国としての責任を果たすよう働きかけてまいります。反撃能力についてお尋ねがありました。近年、我が国周辺では、質量ともにミサイル戦力が著しく増強され、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があり、我が国はこれらに対応しなければならない状況に置かれています。このような中、反撃能力は、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力として保有するものであり、これにより武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。また、反撃能力は憲法、国際法、国内法の範囲内で運用され、選手防衛を堅持し、先制攻撃は許されない、こうしたことは言うまでもないと考えております。そして、我が国のサイバー能力と人材育成についてお尋ねがありました。我が国においては、これまで重要インフラ事業者等の多様な主体が緊密に連携し、サイバー攻撃からの防御に努めてきたところですが、サイバー攻撃の深刻化、巧妙化やサプライチェーンの複雑化により、サイバー空間上の脅威が高まっていることから、対策の更なる強化が必要であると認識をしております。我が国のサイバー教育については、初等中等教育段階では、インターネットの安全な使い方等の情報セキュリティの基礎知識を身につけさせるとともに、大学等においては、サイバーセキュリティ分野を含む高度な技術専門知識を有する専門人材が育成されるよう、教育内容の充実を図っています。今後とも、サイバー空間上の脅威の高まりに応じて、サイバーセキュリティ分野を含めたデジタル人材の育成、確保に努めてまいります。農動的サイバー防御と憲法その他の現行法令との関係や早期の法整備等の必要性についてお尋ねがありました。政府としては、国家安全保障戦略に基づき、農動的サイバー防御等の実施のため、体制を整備するとともに、高精度の整備や運用の強化を図ることとしており、憲法その他の現行法令との関係も整理しつつ検討を進めてまいります。また、武力攻撃に至らない場合の措置として実施する農動的サイバー防御が武力の行使に該当することは想定しておらず、選手防衛に反しないということは言うまでもありません。政府としては、サイバー安全保障分野での対応能力の向上は、喫緊の課題と認識をしており、スピード感をもって具体化に向けた議論を進めてまいります。Jアラートについてお尋ねがありました。Jアラートについては、国民の皆様が避難する時間を少しでも長く確保する観点から必要なシステム改修を行っているところですが、同時にミサイルの探知追尾能力をより一層高めることが重要であることから、レーダーの能力向上にも努めているところです。また、防災行政無線等の整備やJアラートとの自動連携については、財政措置を設けて、全ての市町村で早期に実現されるよう働きかけを行っています。今後とも国民の皆様の安全安心を確保するため、より迅速かつ的確な情報提供に努めてまいります。有事におけるインフラの有効利用等についてお尋ねがありました。ご指摘のように、南西諸島においては港湾の喫水の課題や、飛行場が限られているといった課題があり、自衛隊が多様な港湾、空港を使用できるよう努めていくことが必要です。国家安全保障戦略においては、総合的な防衛体制の強化の一環として、空港港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設することとしており、関係省庁長官の連携により早急に取り組むことが重要です。また、有事の際には、鉄道を含めた様々な民間輸送力を活用することが想定をされます。そうしたことも念頭に、我が国の機関的な鉄道ネットワークの維持や機能強化に取り組んでまいります。

1:53:05

山下芳樹君

1:53:19

日本共産党の山下芳樹です。会派を代表し、安保三文書について総理に質問します。岸田政権が閣議決定した安保三文書は、戦後の安全保障政策を大転換し、敵基地攻撃能力の保有とGDP2%への大軍閣に踏み切るものです。歴代政権が掲げてきた戦首防衛の建前さえ金繰り捨て、憲法9条真っ向から蹂躙するもので断じて容認できません。まず指摘したいのは、三文書には、東アジアの平和をどう構築していくか主体的な外交戦略が欠落していることです。三文書は、ウクライナ侵略のような事態が東アジアで発生することは排除されないとして防衛力を抜本的に強化していくとの結論を一足飛びに導き出していますが、総理は侵略に至った経緯と背景をどのように認識しているのでしょうか。ヨーロッパではソ連崩壊後、ロシアを含む全ての国が参加する欧州安全保障協力機構OSCEという豊節的な対話の枠組みが発展しました。1999年には欧州安全保障憲章を作り、OSCEを紛争の平和的解決のための主要な機関と定めました。ところが、ナトウ諸国もロシアもその枠組みを生かさず、相互に不信を高め、軍事対軍事の悪循環に陥っていきました。総理、今回の事態に至った背景には、軍事対軍事の悪循環に陥った外交の失敗があったのではありませんか。侵略の最大の責任がロシアにあることは当然です。しかし同時に、なぜこのような事態に至ったのかを冷静に検証すべきです。軍事対軍事の悪循環に陥り、戦争の危険を高める軍事力の増強ではなく、地域の全ての国が参加する豊節的な対話の枠組みを発展させることこそ、ウクライナの事態から汲み取るべき教訓なのではありませんか。答弁を求めます。アジアでは、すでにアセアンが国連憲章の原則に基づき、武力行使の放棄と紛争の平和解決を義務づけた東南アジア有効協力条約TACを土台に、徹底した対話によって信頼情勢を図り、友好と協力を前進させてきた先例があります。今、アセアンは加盟10カ国と、日本・アメリカ・中国・韓国・ロシアなど8カ国で構成する東アジアサミット(EAS)を強化し、ゆくゆくは東アジア規模の有効協力条約を展望しようという「ASEANインド太平洋構想」(AEOIP)を推進しています。憲法9条を持つ日本こそが、アセアンと協力し、豊節的な平和の枠組みを発展させて、東アジアを戦争の心配のない地域にするための積極的な外交を展開すべきではありませんか。中国が東シナ海や南シナ海で力づくで現状を変更しようとしていることを、我が党は国際法に基づいて厳しく批判しています。しかし、中国は我が国にとって歴史や文化はもちろん、経済の面でも欠かすことのできない大切な鄰国です。日中関係の改善は、東アジアの平和の枠組みを発展させる上でも重要です。2008年の日中共同声明は、国交正常化以降の両国間の合意を踏まえ、双方は互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認しています。また、尖閣諸島など東シナ海での緊張状態について、2014年の合意では、日中双方が異なる見解を有している、つまり紛争問題が存在することを認めた上で、対話と協議を通じて問題を解決することを確認しています。さらにアセアンが推進するAOIPに対しても、日中両国の政府が共にサインを示しています。政府はこうした日中間に存在する共通の土台を再確認し、平和と友好の関係を確かなものにしていく、外交に本腰を入れて取り組むべきではありませんか。ところが今政府は、アメリカに追随して、平和と協力ではなく、対立と分断を拡大する道を突き進もうとしています。アメリカのバイデン政権は、中国を唯一の競争相手に位置付け、同盟国を巻き込みながら、軍事、外交、経済のあらゆる面で抑え込む、自らの覇権を維持強化しようとしています。「民主主義対先制主義の戦い」というスローガンのもとに、特定の価値観で世界を二分し、米五イン日のクワッドや米英五のオーカスをはじめ、中国を包囲する枠組みを強化しています。この三文書は、米国とともに、外交、防衛、経済等のあらゆる分野において、日米同盟を強化していくと述べていますが、これはアメリカの中国包囲網づくりに全面的に協力するということではありませんか。こうしたブロック的対応は、地域の対立と分断を広げ、戦争の危険を高めることになるのではありませんか。南西諸島から南シナ海に至る地域の島々に、超射程ミサイルを配備する計画は、もともとアメリカの軍事戦略から始まったものです。アメリカのインド太平洋軍は、2020年、議会に提出した予算要望書で、いわゆる第一列島線に長距離ミサイルを配備する計画を示し、その中核に同盟国を位置づけています。敵基地攻撃能力の保有決定に至る過程で、アメリカとどのような協議を行ったのですか。今、アメリカは、同盟国を巻き込みながら、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させた統合防空ミサイル防衛、IAMDを構築しようとしています。政府は、敵基地攻撃能力の保有に当たり、日米で調整要領を検討するとしていますが、何のため、どういう内容を定めるのですか。総理は、IAMDに参加するものではない、全く別物だと言います。しかし、トマホークの運用に必要な地形情報や攻撃目標の位置情報を得るために、また日米で攻撃目標の重複を避けるためにも、日米の一体的運用は不可欠なのではありませんか。また、日米それぞれが独立した指揮系統に従って行動すると言いますが、飛来する複数のミサイルに日米のどのイージス艦が対処するかを瞬時に判断するためには、指揮系統の一元化が必要なのではありませんか。日本の敵基地攻撃能力がIAMDに組み込まれ、米軍の指揮統制下で運用されることになるのは明らかです。それぞれ明確な答弁を求めます。3文書は、空港港湾の軍事利用の拡大やインフラ整備の推進を打ち出しました。今米軍は、大規模な部隊を固定した基地に集中させるのではなく、小規模の部隊を一時的に分散展開させる考え方に移行しています。台湾有事を想定し、米軍のミサイル部隊が南西諸島の島々を点々としながら、中国の艦艇に攻撃を加えるという日米共同作戦計画の原案が策定されたことも報じられています。空港港湾の軍事利用拡大も、こうしたアメリカの軍事戦略の具体化なのではありませんか。今後、南西諸島などの空港港湾で米軍が軍事訓練を拡大することになるのではありませんか。住民を危険にさらす軍事利用の拡大はやめるべきです。軍事体制の強化は国内だけではありません。三文書は、望ましい安全保障環境の創出や国際法違反の侵略を受けた国を支援するための重要な政策手段として、官民一体となって武器輸出を進めるとしています。さらに、同志国の安全保障能力を強化するために、資器材の供与やインフラ整備を無償で行う政府安全保障能力強化支援、OSAも立ち上げました。総理、望ましい安全保障環境とは何ですか。これもアメリカの中国包囲網を強化することですか。しかもそこに、新たな販路を見出し、国内の軍事産業を成長産業にしようとしているのではありませんか。戦争で自国の経済を潤すような国にしてはなりません。見解を求めます。日本国憲法は、二度と戦争を起こさないよ、起こさないという決意のもと、国と国との争い事を絶対に戦争にしない、外交努力で解決することを求めています。憲法9条を生かし、東アジアに平和を構築するための外交にこそ取り組むよう、強く求めて質問を終わります。

2:03:37

岸田文夫内閣総理大臣

2:04:02

山下芳紀議員のご質問にお答えいたします。ウクライナ侵略についての認識と地域における対話の枠組みについてお尋ねがありました。ロシアのウクライナ侵略については、プーチン大統領が平和的解決に向けた各国からの働きかけを聞き入れず、一方的な要求を実現すべく武力行使に及んだことが問題の本質です。いずれにせよ、ロシアによるウクライナ侵略は、原因の違反を問わず国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反として厳しく非難されるべきものです。アジアでは、ASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っており、多層的な地域協力の枠組みがあります。引き続き、我が国として日米同盟を築くとしつつ、ASEAN中心性を尊重し、積極的な貢献を行いながら、自由で開かれたインド太平洋を実現するための協力を一層強化していく考えです。東アジア外交及び日中関係についてお尋ねがありました。我が国は、自由で開かれたインド太平洋FOIPと本質的な原則を共有するインド太平洋に関するASEAN OUTLOOK(AOIP)を一貫して支持をしています。今後ともASEANを含む関係国と緊密に連携しつつ、AOIPに示されているような地域の平和と繁栄に積極的に貢献をしていく考えです。また、中国との間では、昨年11月の日中首脳会談で得られた前向きなモメンタムを維持しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、所見を含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力をする、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築してまいります。日米同盟の在り方についてお尋ねがありました。国家安全保障戦略においては、外交の基軸として、同盟国である米国と様々な分野で緊密に連携する必要性を示しております。その上で、同志国との連携強化や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取り組み等様々な施策を示しています。また、中国については、先ほど述べたとおり、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築してまいります。我が国は、こうした安全保障に関する施策を重層的に実施していくことにより、地域及び国際社会の平和と安定を確保し、国際社会の共存共栄を実現していく考えであり、米国の中国包囲網づくりに全面的に協力する地域の対立と分断を広げ、戦争の危険を高めるといった指摘は当たりません。統合防空ミサイル防衛等、敷居統制についてお尋ねがありました。日米間では、安全保障政策について、平素から様々な協議を行っていますが、反撃能力の保有は我が国が主体的に決定をしたものであります。その上で、国家安全保障戦略に記載されているように、統合防空ミサイル防衛能力の下、ミサイル防衛システムと反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止していきます。その際、情報収集を含め日米が連携することが重要です。一方、統合防空ミサイル防衛能力は、米国の要求に基づくものではなく、また米国が推進するIAMDとも異なる我が国の主体的な取組です。自衛隊及び米軍は、各々独立した指揮系統に従って行動すること、これは言うまでもありません。空港港湾と米軍の利用についてお尋ねがありました。国家安全保障戦略において、空港港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設することといたしましたが、これは我が国の総合的な防衛体制の強化を図るためのものであり、米国の軍事戦略の具体化との指摘は当たりません。先般の日米2+2でも、空港港湾の柔軟な使用に関しては、今後の日米間の議論を通じて、その必要性や日米での協力の在り方を含め検討することとしており、地方公共団体や住民等の協力を得つつ推進していきたいと考えております。我が国にとり望ましい安全保障環境等についてお尋ねがありました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の主権と独立の維持、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現など、望ましい安全保障環境の創出に向けて取り組むことが必要であると考えています。そのための手段として防衛装備移転の推進やOSAの創設等を国家安全保障戦略等で示したところです。これらはあくまで地域における平和と安定を確保すること等を目的として実施される施策であり、戦争で自国の経済を潤すような国にするといった指摘は当たりません。

2:10:43

これにて質疑は終了いたしました。日程第二、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院総補を議題といたします。

2:11:06

まず委員長の報告を求めます。地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員長、鶴穂陽介君。

2:11:30

ただいま議題となりました法律案について、地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会における審査の経過等結果を御報告申し上げます。本法律案はスーパーシティ等における先端的サービスを推進するための措置を講ずるほか、国家戦略特区法に規定されている法人能知取得事業について、地方公共団体の発揮による構造改革特区法に基づく事業に移行するための規定の整備を行おうとするものであります。委員会におきましては、特区制度の実績に対する評価、法人能知取得事業に関わる懸念、オンライン服役指導に関わる課題、データ連携基盤整備の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主社民の岸井委員より反対、日本維新の会の柳瀬委員より賛成、日本共産党の山下委員より反対の旨の意見が述べられました。次いで採決の結果、本法律案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本法律案に対し、不対決議を行いました。以上、ご報告申し上げます。

2:13:12

これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:13:35

日程第3、地方自治法の一部を改正する法律案。内閣提出衆議院総補を議題といたします。まず委員長の報告を求めます。

2:13:51

総務委員長川野良弘君。

2:14:03

ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果をご報告申し上げます。本法律案は、地方議会の活性化、並びに地方公共団体の運営の合理化及び適正化を図るため、地方制度調査会の答申に則り、地方議会の役割及び議員の職務等の明確化等を行うとともに、会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給を可能とする規定の整備、公勤事務の指針への委託に関する制度の見直し等の措置を講じるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。委員会におきましては、地方議会の役割及び議員の職務等の明確化による効果、並びに議員のなり手不足対策、地方議会に係る手続のオンライン化への対応、勤勉手当の支給をはじめとする会計年度任用職員の処遇改善の重要性、公勤事務の指針への委託制度の見直し等、オンライン納付の今後の在り方等について質疑が行われました。質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して伊藤学委員より反対する旨の意見が述べられました。討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対し、不対決議が付されております。 以上、ご報告申し上げます。これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。日程第4、私立学校法の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付を議題といたします。まず委員長の報告を求めます。

2:16:27

文教科学委員長、高橋勝則君。

2:16:52

ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果をご報告申し上げます。本法律案は私立学校の健全な発達に資するため、理事、理事会、幹事、表議員、表議委員会及び会計監査人の職務、その他の学校法人の機関に関し、必要な事項について定めるとともに、予算、会計、その他の学校法人の管理運営に関する規定の整備等を行おうとするものであります。委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、私立学校の見学の精神と法改正との関係、表議委員会の構成の在り方、理事会と表議委員会の相互建成等について質疑が行われましたが、その詳細は会議力によってご承知願いたいと存じます。質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対し、付帯決議がされております。以上、ご報告申し上げます。

2:18:26

これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。【賛成】総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決されました。

2:18:52

日程第5、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院双方議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。

2:19:14

農林水産委員長、山下祐平君。

2:19:30

ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果をご報告いたします。本法律案は、違法伐採に関わる木材等の流通を抑制するため、川上水際の木材関連事業者に合法性の確認等を義務付けるなどの措置を講じようとするものであります。委員会におきましては、違法木材対策の効果、合法性の確認方法、制度周知の必要性等について質疑が行われました。討論に入り、立憲民主社民を代表して石垣委員より賛成する旨の意見が述べられました。採決の結果、本法律案は前回一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、不対決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。

2:20:40

これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。本日はこれにて散会いたします。

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