19:35
これより会議を開きます。内閣提出、防衛省が調達する装備品等の開発、及び生産のための基盤の強化に関する法律案を議題といたします。本日は本案審査のため、参考人として、元統合爆量町織木良一君、
19:57
三井住友会場火災保険株式会社公務第1部顧問、宮山信明君、同志社大学名誉教授村山雄三君、卓色大学教授佐藤平吾君、以上4名の方々にご出席をいただいております。この際、参考人各位に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご対応中のところ、本委員会にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。それぞれのお立場から、忌憚のないご意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の順序について申し上げます。まず参考人各位からお一人10分以内でご意見をお述べいただき、その後委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。なお念のために申し上げますが、ご発言の際は委員長の許可を得ることとなっております。また参考人は、委員に対し質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめご承知をおき願いたいと存じます。それではまず、折木参考人にお願いいたします。
21:30
皆さんおはようございます。ご指名いただきました、折木でございます。今日はこのような貴重な機会をいただきまして感謝申し上げます。早速ですけれども、この点の防衛装備品の開発、生産のための基盤強化ということで、意見を述べさせていただきます。昨年末国家安全保障戦略をはじめとして、安保三分省が策定をされ、我が国の防衛生産技術基盤は防衛装備品の研究、生産調達のため必要不可欠であり、防衛力そのものとしてその強化を求めま した。また伝統的な戦い方に加え、大規模なミサイル攻撃、ハイブリッド戦などの新しい戦い方に必要な力強い、持続可能な防衛産業の構築ということで取り組んでいくことを明示されました。戦略全般を通じて、防衛産業事業というのは国の事業であり、国の防衛問題そのものであるという認識が改めて示され、大いに評価をしております。日本においては自衛隊は独自の工廠を保有せず、防衛装備品の生産に限らず、研究開発、調達、補給整備等に至るまで防衛産業が関与して初めて防衛力として完結できます。例えば、稼働率の向上も部品不足だけの問題ではなくて、防衛産業の高度の修理能力の加工維持が必要です。作戦活動全般を考えた場合、自衛隊は自己完結できる組織ではなく、防衛力としての防衛産業は不可欠な存在です。それらの重要性に関わらず、例えば、過去には厳しい予算編成の中で、無理を言えば聞いてもらえる産業界という官側の甘えもあり、防衛事業に取り組む企業のマインドを低下させていった側面もあったかもしれません。これからは、継続、参入したくなる防衛産業にしていく必要があります。これから、こういうことは決して、防衛産業を単に維持するとか、あるいは優遇するための施策が目的ではなく、国家安全保障、防衛力の強化のためだと思います。まず 、防衛装備品の開発・生産は一朝一夕にできるものではありませんが、特に現在の技術力の進展は目覚ましく、まさに戦い方を変えています。将来の戦い方は想像もつかないほど変化することでしょう。このような時代に、過去の基盤的防衛力構想で示した「いざ」というときのエクスパンド的発想では全く対応できません。自衛隊が必要とする装備を保有し、そしてそれを継続的に生産できる体制を維持しておくことが最小限の条件だと思います。今後5年間の防衛力強化の最優先課題は、原油装備品を最大限活用するための稼働率の向上や、弾薬の確保、そして将来の中核となる防衛能力の強化であります。それらの達成のために、防衛産業の基盤強化と前向きな取り組みが欠かせません。ロシアの不法な侵攻に始まったウクライナ戦争は1年を超えました。ウクライナは、2014年のロシアのクルミア侵攻以来、サイバー戦対象はもちろん軍事力整備を積極的に進めてきましたが、再度のロシアの侵攻に対処するため、現在はハリテクな軍事手段を活用しつつも、火力や兵力を主体とした伝統的な戦い方が継続しています。そして、この戦い方を支えているのは、国民の強い抵抗意識と欧米の結束したウクライナへの軍事支援です。欧米からは、防空課機、火砲、無人機等に加え、戦車や戦闘機も投入支援されようとしています。これからは、大国ロシアとの戦いのために、ウクライナ一国の軍事力では対応できず、欧米の軍事支援が戦いの基数を握っていることも示しています。そこで、我が国自身として、ウクライナ戦争を見た場合、最新技術の装備に加えて、火力を主体にした従来の主要装備品を保有することや、弾薬をはじめとする軽戦能力の重要性を学ぶべきだと思っております。我が国において、今回の3文書が示しますように、これから2027年度、さらには10年後まで、領域横断作戦能力等に加えて、スタンドオフ防衛能力等の防衛力の抜本的な強化を進めることになります。そのためには、官民の緊密な連携とスピーディな取組が欠かすことはできません。その観点からも、本法律案で示した様々なリスク対応等を考慮して、サプライチェーン調査を軸にした基盤強化の阻止等の取組については、大いに評価できます。特に、助成金の交付や資金貸付等について、法的、制度的、財政的裏付けを明確にしたということは、画期的な施策であると思います。昨年、軽団連や防衛装備工業会が産業界の要望を取りまとめ、提言を行いました。防衛産業の位置づけをはじめとして、助成金交付、研究開発促進等に向けて、法整備を含めた新たな枠組みの構築が要望されておりますが、本法律案は、それらの多くの案件を受け入れた形になっていると思います。これから、法律案の実行に当たって、まず、防衛省の指導性のもとに、防衛産業との連携が重要だと思います。数年前には、産業界も防衛省に対して、政府の一体的な取組と、緊密な官民の連携なしには防衛力の強化は達成できないと要望しておりますが、まさにその通りだと思います。また、これから、官民の取組に当たって、単なるリスク対応や過去の問題解消という捉え方ではなくて、新しい施策により防衛基盤を強化し、さらなる防衛力を高めていくということが目的であるという前向きの意識が必要だと思います。今後も、より良い実効性ある制度に、今回の審議も含めて議論をし、高めていっていただきたいと思っております。一方で、今回の法律案は、製造・生産分野が主対象であるように思います。防衛力の基盤強化には、その他に、研究開発・調達制度・民生技術の活用、セキュリティクリアランス・資材管理など多くの問題が相互に関連しています。また、既存の防衛産業に加えて、スタートアップ企業や新規企業の育成・参入も重要です。防衛省では、利益率の見直しや防衛技術基盤の抜本的強化についても検討されておりますが、今回の法律案と連携をして、総合的な施策の推進を期待します。そのためには、新しい時代における防衛生産・技術基盤戦略の取りまとめが必要であり、それは関連企業に対して中長期の目標を与えることにつながります。最後に、企業にとって防衛生産等に関わることは、いまだに一種のマイナスイメージがつきまとっていることも危機を及びます。防衛省では、昨年から防衛大臣と企業トップの意見交換会も始まりました。これからの取組や、今回の法律案、そして政治再度からの国民の理解を深めるための努力等をお願いして、防衛産業も国家が本当に防衛力だと理解してくれた、我々の責任は重いという意識になり、それが最終的には企業の誇りとなってくれることを期待したいと思います。さらには、国民の理解のもと、国家としての制度が整えられ、関係産業と連携した取組が強化をされることを期待しています。お時間をいただき、ありがとうございました。
31:22
ありがとうございました。次に、宮間参考人にお願いいたします。
31:32
おはようございます。おはようございます。ただいまご指名いただきました、宮間信明と申します。遺憲陳述に先立ちまして、去る4月6日に発生したヘリコプター事故により遵職された坂本雄一第8指団長をはじめ、5名の方々に、通信で哀悼の誠を捧げるとともに、未だ行方不明の方々が一日も早く救助されることをお祈り申し上げます。私は、議題となっております防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤強化に関する法律案について、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。私は、1983年に当時の防衛省に入庁して以来、公務員人生の大部分を防衛省及び防衛省で過ごし、2018年から2019年までの1年間、防衛総部長長官を務め退職いたしました。いろいろな経験を積んだつもりでおりましたが、防衛総部長長官に就任したとき、私の予想を遥かに超える厳しい状況に防衛産業があるということを実感いたしました。このときに私が突きつけられた課題のうち3つを、この法案との関係でご説明させていただきます。第一は、下請企業が事業を辞めてしまうという問題でありました。