2:25
ただいまから、国民生活、経済及び地方に関する調査会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、天端大輔君、小林一博君及び中城清君が委員を辞任され、その補欠として木村英子君、和田正宗君及び石井光子君が選任されました。
2:51
国民生活、経済及び地方に関する調査を議題といたします。本日は、誰もが取り残されず、希望が持てる社会の構築のうち、社会経済、地方の現状と国民生活における課題に関し、社会的な困難の現状について、3名の参考人からご意見をお伺いした後、質疑を行います。
3:11
ご出席いただいております参考人は、特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表清 水康幸君、認定特定非営利活動法人木津戸和理事長渡辺由美子君及び東京都立大学人文社会学部教授安部彩君でございます。
3:35
この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の調査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。
3:54
次に議事の進め方について申し上げます。まず清水参考人、渡辺参考人、安部参考人の順にお一人二十分程度でご意見を述べいただき、その後午後六時頃までを目途に質疑を行いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきください。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。
4:22
それではまず清水参考人からお願いいたします。清水参考人。
4:26
皆さんこんにちは。NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表の清水と言います。本日はこの非常に貴重な機会をいただきましてどうもありがとうございます。
4:43
今、スクリーンにも映し出していますし、また皆様のお手元にも資料を配布していただいていますけれども、私の今日のテーマですが、子どもの自殺の現状と課題。
4:58
「助けてください」「死にたいです」に答えるためにということでお話をさせていただきます。今日このテーマを選んだ理由、背景について、私の自己紹介も兼ねて少しお話をさせていただこうと思います。
5:14
私は2004年にこのNPO法人ライフリンクを設立するまではNHKで報道ディレクターをしておりました。クローズアップ現代という夜の情報番組を主に担当していたんですけれども、2001年に親を自殺で亡くした子どもの番組を作りまして、そのことがきっかけで自ら自殺対策に取り組む決意をしました。
5:39
というのも、当時はまだ自殺対策基本法ができる前、当然できる前のことですし、自殺は個人の問題だと、うつ病の問題だというような捉えられる方が主流で、社会的な取り組みとしての自殺対策がほとんど行われていない。行政の中で自殺という言葉を使うことがはばかられるという、まだそうした状況でした。
6:04
ただ、現場で取材をすればするほど、自殺は社会的な問題である、むしろ社会構造的な問題でもあるという確信を強めていきました。特に私自身にとって決定的な体験となったのが、自殺で亡くなった方たちの遺書の取材をしたことです。
6:26
自殺で亡くなった方たちが最後、どんな思いで亡くなったのか、自ら本当に死を選択していたのか、それとも死を強いられていたのか、そのことを私なりに取材者として知りたくて、
6:43
自殺で亡くなった方たちに直接インタビューすることはもはや当然かなりませんから、最後にどういう思いで亡くなったのか、その最後の思いに一番迫れる取材って何だろうと考えたときに、遺書の取 材ではないかと考えました。
7:00
中学生から高齢者まで、自殺で亡くなった30名以上の方たちの遺書を、それぞれのご遺族の方たちにご協力をいただいて取材をしました。
7:14
それで一人また一人と、自殺で亡くなった方たちの遺書を読ませていただくうちに、多くの遺書に共通して綴られている言葉があるということに気づきました。
7:32
それは何か。謝罪の言葉です。謝罪の言葉には、自分が先立つことによっていろいろ苦労をかけるね、ごめんねといった意味合いも当然含まれていますが、
7:48
ただ私がそれ以上に謝罪の言葉から感じたのは、自身の存在についての謝罪です。例えば、仕事のできない部下で申し訳ありませんでした、とか、情けない父親でごめん、とか、いじめを食に自殺で亡くなった中学生までもが、こんなダメ息子でごめんと謝罪の言葉を綴っていました。
8:17
謝っているからといって、その人たちが何か悪いことをしていたか、決してそうではありません。むしろ真面目で責任感が強くて、何かあると他人ではなくて自分を責めてしまうという、そういうような人たちが、過労だったり、事業不振だったり、介護疲れだったり、いじめだったり、さまざまな悩みや課題を複合的に抱えてしまって、困されてしまって、
8:42
もう生きられない、死ぬしかないという状況に追い込まれて亡くなっている。愕然としました。というのも、私も当然そうですし、この部屋にいる皆さん、全員がいずれ死を迎えることになるわけですよね。
9:01
私は自分が死を迎えるときに、できれば大切な人に囲まれながら、何とかいろいろあったけど、自分の人生精一杯、自分なりに生き切ったと。みんなと会えて、よかった、嬉しかった、ありがとう、天国でまた会おうねというような、天国があるかわからないですけれども、
9:25
できればそういう気持ちで大切な人に囲まれながら、死を迎えられたんだなというふうに思っています。でも私が取材をした遺書を残された、遺族、亡くなった、自殺で亡くなった方たちは、自殺ですから当然誰にも見とられない中で亡くなっている。
9:46
しかも自分自身、こんな自分でごめんなさいというふうに思いながら亡くなっていっている。さらに残された方たちは、自分の大切な人が人生の最後の瞬間に、こんなダメな自分で申し訳ありませんでしたと、自身を否定しながら亡くなっていった。
10:11
自分が止められなかったということを、その後一生を背負いながら生きていくことに、なっていくわけで、自殺というのはあまりにも過酷な死別体験を強いるものであって、しかも当時は毎日100人近くの人たちが自殺で亡くなっていた。
10:35
自殺は個人の問題だというふうに、私も含めてですけれども、社会は切り捨 てて、自殺対策も進めることもなく、日常何もなかったかのようにして過ごしていたという、そういう現状があるわけです。これはなかなか番組を作っていても、対策を進めることは難しい。番組だけではどうにもならないというふうに感じて、
11:02
一生の取材をしたものも、なかなかNHKの上層部の人たちにも理解してもらえず、結局それは番組にすることができませんでした。そうした中で、悶々とNHKの中で仕事をしていても仕方がないなというふうに感じたので、それで2004年にNHKを辞めて、仲間たちと一緒に自殺対策を進めていこうと、
11:27
自殺対策を進めるためには何でもやろうという思いで、ライフリンクを立ち上げて、以降、自殺対策を社会的な自律機能に乗せるためにという思いで活動してきています。この2004年、ライフリンクを立ち上げた当時と比べれば、その後は自殺対策基本法もできましたし、社会全体で対策を進めていくという中で、当時は3万人を超える状況が当たり前だったものが、今2万人台の前半にまで減少してきています。ただ、それでも2万人を超える人が自殺で亡くなっている。この自殺が減ったと言っても、一度亡くなった人が生き返ってきているわけではないので、本質的な意味では減っていません。増えるスピードがちょっと遅くなったというだけなんですよね。しかも、今日お話をさせていただく子どもの自殺に関しては、増え続けています。
12:23
「助けてください。死にたいです」という副題は、私が取材をさせてもらった遺書の中にも綴られていた言葉で、かつ今、私たちライフリンクはSNS等を使った自殺防止の相談をやっていますが、その相談の中でも多く綴られる言葉です。
12:45
「死にたい」と言っている人たちは、本当に死にたいのではなくて、死ぬ以外に、このしんどさから抜け出す選択肢が見えなくなっている。「助けてください。死にたいです」というのは、一見すると矛盾をはらんだ言葉に聞こえますが、ただ、私はこれが自殺念慮を抱えている人たちの本質的な言葉だというふうに思っています。
13:09
誰がいつ、何をきっかけにして、もう生きられない、死ぬしかないという状況に追い込まれるかわからない時代、社会状況です。そうした中で、どうすればいいのか、この子どもの自殺の現状と課題ということで、ぜひ皆さんに一緒に考えていただきたいという思いで、お話をさせていただく次第です。この後、資料に沿ってお話をさせていただきます。
13:34
今ご覧いただいておりますのが、皆さんのお手元の一枚めくっていただいたところにグラフが二つ並んでいますが、この左側のグラフは、自殺者総数の推移です。矢印を私の方で可視していますけれども、左側のグラフの赤の点線がありますね、補助線。これが2006年、自殺対策基本法ができた年ということになります。
14:03
2010年以降は、自殺者の総数、全国の自殺者数でいうと減少傾向にあって、最も多かった2003年と比べると今40%自殺者数が減っているという状況になっています。片側の右側のグラフ、これは小・中・高校生、つまり児童・生徒の自殺者数の推移です。
14:24
2000年代の前半ぐらいから少しずつ増加を始め、2020年コロナ禍において、前年比で100人増えるということで過去最多を更新しました。ただそれが昨年、さらに自殺が増えて514人という状況になっています。
14:48
小・中・高校生の自殺に最も多いのが、当然といえば当然ではありますけれども、高校生の自殺です。この高校生の自殺に関して、昨年の1月1日から警察庁の自殺統計原表という、
15:09
調査資料を基にして自殺に関する情報を転記した個票がありますけれども、その自殺統計原表の項目が大きく変わりまして、それまでは高校生というと、もう前日性の高校生も、低時性、通信性の高校生も一緒くだったんですけれども、
15:28
この1月からのデータでは、この前日性なのか、あるいは低時性、通信性なの か、あるいはその他なのかといったような分類も明確に把握できるようになりました。これグラフ、右下の表を見ていただきますと、赤い丸をつけている場所が2か所あります。
15:51
一つが男子、前日性のところです。自殺者数、人数でいうと、属性でいうと前日性の男子の高校生の自殺者数が161人ということで最も多くなっています。ただ、その右下に女子、低時性、通信性ということで、ここにも自殺死亡率のところに丸をつけていますが、
16:16
自殺死亡率に換算すると、最も自殺が多いのが、低時性、通信性に通う女子高校生ということがわかります。この低時性、通信性の高校に通う女子は、前日性の高校に通う女子と比べて約4.6倍ということで、
16:43
人数でいうと、低時性、通信性の高校生の方が少ないのだけれども、自殺死亡率、人口10万人あたりの自殺者数に換算すると、低時性、通信性の高校生の方が多くなっているということがわかります。これは、低時性、通信性の高校に行ったから自殺に追い込まれたというよりも、私たちの支援の現場の経験からしても、
17:09
前日性の高校に通っていたのだけれども、通えなくなる中で低時性、通信性に転校して、転校する中、もともと前日性の高校に通えなくなった理由である精神疾患であったり、家族との不和であったり、学友との不仲であったり、いじめであったり、さまざまな悩み課題があって、
17:34
出席日数が足りなくなる中で、低時性、通信性に転校するという子がいるわけですけれども、その問題が解決されないまま、低時性、通信性の高校に通う中でも、むしろそれらが圧迫する中で自殺で亡くなっていっているというふうに解釈するのが妥当ではないかというふうに感じています。
17:52
またこの次のスライドですけれども、低時性、通信性に通っていた高校生で自殺で亡くなった子たちと、前日性の高校に通っていた高校生たちで、自殺の原因動機にどういった特徴があるか、違いがあるかといったことをこの表で表していま す。
18:15
右側が低時性、通信性の高校生、上が男子で下が女子です。丸で囲っていますが、健康問題を抱えていた割合が非常に高くなっているということがわかります。片や右側が前日性の高校に通っていた上が男子で下がやはり女子ということになりますが、こちらは学校問題ということを抱えていた亡くなった高校生が多いということがわかります。
18:40
この健康問題と学校問題、それぞれどういった内容になっているのかと、内訳も表にしてあります。上が健康問題ということで、これに関して言うと前日性も低時性、通信性に通っていた高校生も、あまり内訳自体は大きな差はありませんでした。最も多いのが鬱病の悩み、あるいは影響、あるいはその他の精神疾患の悩みや影響というようなことが健康問題としては多かった。
19:09
ただ下ですね、これ学校問題とありますが、前日性の高校生と比較して低時性、通信性に通っていた高校生は学業不振を抱えていたという比率が高くなっています。ただ学友との不和に関しては、低時性、通信性の高校生よりも前日性の高校生の方がむしろ比率としては高くなっているという、そうした原因動機に関しても、
19:35
学業的に抱えていますが、あえて単純化して精査するとこうした違いが見られたということです。また、こちらは高校生の自傷行為歴と自殺未遂歴の有無に関するデータになっています。この新しい自殺動機原表において、それまでは自殺未遂歴の有無だけだったものが、今度は自傷行為歴の有無に関しても計上されるようになっています。
20:04
今までわかってきたことは、低時性、通信性の高校に通っていた高校生の約半数が自殺未遂、もしくは自傷行為歴があったということがわかっています。これは前日性の高校に通っていた高校生の2.2倍ということになります。
20:26
次のスライドですが、こちらは時期に関しても、この自殺未遂歴、あるいは自傷行為歴に関しての時期を分類して計上したデータになっています。赤とかオレンジ、この2つのグラフを見るとかなりの面積を占めていますが、こちらは女子の自傷行為歴、あるいは自殺未遂歴の時期というものになっていて、
20:54
特に右側のグラフ、自殺未遂の時期ということでいうと、通信性、低時性に通っていた高校生に関しては、1ヶ月以内に自殺未遂をしていた、自殺で亡くなる前の1ヶ月以内に自殺未遂をしていた高校生が26%にも及ぶということがわかっています。
21:18
重要なのは、この未遂歴があった後、どういう支援ができていたのか、できていなかったのか、そうした精査が必要になってくるということを表すデータでもあると思います。次のスライドが男子です。男子は女子と比較して、赤やオレンジの面積が小さくなっています。
21:39
これは過去に自殺未遂であったり、自傷行為、歴がない、確認できなかったという男子が多かったということを表しているんですけれども、裏を返すと、自殺未遂や自傷行為がない中で、致死性の高い手段で、1回の自殺行動で自殺で亡くなっている男子が多いというようなことを示唆するデータにもなっているということです。
22:04
次のスライドが児童生徒の自殺の時間帯ということで、何時ごろ高校生が自殺で亡くなっているのかということを見たところ、放課後の時間帯が比較的多いということがわかっています。ただ、これは学期中と休暇中において、おそらく特徴は異なっているだろうと思いますので、さらに掘り下げた分析が必要だろうと思います。
22:28
この分析は、私がライフリンクとは別に代表を務めている、いのち支える自殺対策推進センターというところで行っているんですけれども、厚労省であったり文科省であったりと連携をしながら、こうした分析をさらに深めていく必要を強く感じているというところです。
22:45
こうした高校生、小学生、中学生も含めた児童生徒の自殺が深刻だという状況の中、今月5日に、超党派の議員の皆様で作られている自殺対策を推進する議員の会が、岸田総理に子どもの自殺対策に関する緊急 要望の申し入れを行いました。
23:08
私は、会のアドバイザーをさせていただいていますので、同席をさせていただいた次第です。自殺者全体については減少傾向にある中、高校生以下、子どもの自殺が増えているという現状と、この現状に対してどういう対策が必要かということの申し入れを議連の皆さんが行ったということです。
23:32
私の方で、この背景、どういうことが考えられるかということで、総理にもご説明をさせていただいたんですけれども、今ご覧いただいているこの上の方が、全国の自治体を巻き込んだ自殺総合対策ということで、社会全体で行っている自殺対策のこれまでの流れと結果ということを示しています。
23:54
具体的に言うと、徹底した自殺の実態分析、これは市町村単位で自殺の統計を分析したり、あるいは失業者とか労働者とか主婦とか、それぞれ立場によって自殺に追い込まれる経路にどういった特徴があるのかという徹底した自殺の実態分析に基づいて、総合的な戦略を立てて対策を進めてきたという経緯があります。
24:18
具体的には自殺総合対策大綱、これは国の指針として5年ごとに見直されていますし、また今は自殺対策基本法において、全ての自治体が自殺対策の計画をつくらなければならないということで義務化されていますので、全ての都道府県、また市町村に関しても95%以上がそれぞれの地域の実情を踏まえた地域自殺対策計画をつくっているという現状になっています。
24:42
こうした戦略を立てた上で、その戦略を牽引する専門組織、厚労省に自殺対策推進室があり、また厚労省と連携をして、命支える自殺対策推進センターも様々な分析であったり、実際の支援であったりを行うという、そうした専任の組織がつけられています。
25:00
かつ、そうした戦略を実行する予算も年間40億円ということで、他の様々な政策に比べると決して命を守る取組として十分な予算だというふうに私自身は感じませんが、ただそれでも地域自殺対策推進する上で非常に貴重な財源となっている、交付金が毎年度確保されているという中で、全体としては32%減少していると。
25:26
基本法ができた2006年と昨年の比較ということになりますけれども、32%減っている。かたや子どもの自殺対策については、まず分析が十分行われていないという現状があります。先ほどお話しさせていただいたものについては、新たに初めてようやく分かってきたものであって、まだまだ解明しなければならない子どもの自殺の実態というものがある。実態が分析されていないという中で、総合的な戦略も作られていない、作れないという状況になります。
25:54
さらに、戦略を牽引する専任の組織もなかった。先般、昨日、子ども家庭庁の中に子どもの自殺対策を担当する室ができたということの報道もありましたが、ただこの組織の室長は、子ども家庭庁の支援局の総務課長が兼任しているという話も伺っています。
26:23
当然、総務課長というのは非常に重要なポストでもあり、かつ大変お忙しい中、果たしてどこまで実効性が高い形で子どもの自殺対策の室を率いることができるのか、これまで専任組織はなかったですし、これからもどういう体制でやっていくのか、今まだ見通しが立っていないという状況ではないかと思います。
26:45
また予算もない。地域自殺対策交付金というのは厚労省の予算になりますので、学校で自殺対策を進めようと思ったときにはこの交付金は使えません。文科省の中に自殺対策に特化した予算がないというような中、実体改名もできていない、戦略も立てられていない、専任組織もなかった、予算の確保もないという中で、
27:08
今、60%、68%、2006年と比較して子どもの自殺が増えてしまっている。はっきり言ってある種当然だろうと思います。対策が行われていないわけですから、これは自殺が増えていくというのも当然のこと、決して驚くべきことではないと思います。ただ逆に言うと、清水参考人恐縮でございますが、陳述時間が過ぎておりますので、そろそろおまとめにお願いします。
27:34
失礼しました。決して死にたくて亡くなっている わけではないので、戦略を立ててそれを牽引する組織をつくり、予算を十分確保すれば生きる真意を届けることができて、結果、生きる道を選ぶ子どもたちが増える、自殺が減るというような状況をつくれるのではないかと思います。あと、総理にお渡しさせていただいた資料については添付させていただきますので、ご覧いただければと思います。時間、浄化して、大変失礼しました。以上です。ありがとうございました。
28:06
ありがとうございました。次に渡辺参考人にお願いいたします。渡辺参考人。
28:13
本日はこのような貴重な機会をいただきありがとうございます。私の方からは、貧困層、また純貧困層と言われるような、中位の所得以下の子どもたち、また若者、子育て家庭が、
28:29
どのような困難を受けているか、コロナや物価高騰の影響で非常にそれが長引いている中で、今もその困難が継続して、さらに格差は拡大していると いう状況をお伝えして、ぜひ日本の子どもたちの支援を拡大をお願いできればと思っております。私ども、
28:51
KIDS DOORは2009年から子どもの貧困ということで、無料の学習支援というふうな子どもの支援を行ってまいりました。その中で、今、事業としてもう一つ柱になっているのが、2020年のコロナの後に家庭が大変だということで、今、全国の子育て家庭をご登録いただいて、3,500世帯ぐらいあるんですけれども、
29:16
その方たちに食料品を送ったりというふうなことをしながら支援をしています。本当に厳しい状況になっています。長引くコロナの影響で経済格差の拡大で、日本の子どもの若者は非常に大変です。もう皆さんご承知かと思いますが、不登校が本当に急増しています。小学校、中学校で不登校の数というのが、タイ前年で24.8%。
29:44
高校生も増えていて、高校生の不登校も18.4%というふうに増えています。また、子どもの自殺に関しては、本当に今清水先生からお話があったようなとおりでございます。また、私どもが支援している困窮家庭の高校生は、経済的理由で死亡口を諦めている、進学を諦めているというふうな子が、19%、私どもの調査で出ています。本当に多くの子どもたちが将来を諦め始めているという状況です。
30:13
また、子どもの貧困というと、今までどうしても相対的貧困率以下の方たちに言っていたのですが、実は子育て家庭の所得というものが非常に二極化している中で、今まで注意の方たちというところが、とても困っているというふうなことも分かってきました。体験格差、デジタル格差というものも広がっている中で、ぜひこのような支援をしていただければと思います。
30:37
本当に私からぜひご提案させていただきたいのは、例えば30年ぐらいまでを、アフターコロナの子ども若者リカバリープランといいますが、本当に集中的に支援をしていただきたいと。不登校のお子さんとか、今支援をしないでこのまま行ってしまうと、本当に大人になってから学びが途切れてしまって、自立ができないというふうなことにつながっていってしまいます。
31:02
本当に優秀な子どもが大学に行きたかったのに、それを諦めてしまうと、一生の人生が変わってしまうということになります。子どもの支援は福祉ではなく、投資というふうによく言いますが、本当に早めに支援を開始すれば、本当にその子たちはしっかりと社会に出て、働いて、歓迎してくれる方に回ってくれますので、ぜひそれをやっていただければと思います。
31:26
この就職氷河期の問題ですとか、非常に後になってから10年、20年経ってから大変になっているということで、よく日本では失われた何十年と言われますが、本当にコロナでまた失われた何十年ということが起きないためにも、子どもの支援をぜひやっていただければと思っております 。本当に私どもの中でいろいろ議論を重ねながら、今日は7つのポイントということで持ってきました。少し具体的にお話しさせていただきます。
31:54
まず本当にコロナとか物価高騰の影響というのは、今も非常に続いておりますので、ぜひこれを継続していただきたいと思っています。私どもが2022年の11月にとったアンケートです。これは困窮家庭の方たち、保護者にとったアンケートですけれども、1846件の回答がありました。お子さんの状況はどうですかと聞くと、70%の方が子どもが必要な栄養が足りていないと、
32:21
11月の時点で言っています。28%が風邪などの病気になりやすくなった。25%が身長や体重が増えていない。24%が元気がなくなった。24%が落ち着かなくなった。親御さんは1日1食が17%で、2食が47%で、3食食べている方は3分の1もいないという状況です。こういう状況なのに物価高騰になって生活ができなくなるから、
32:50
家庭維持のために出費を減らしている項目は何ですかというと、食費です。7割の方が子どもの栄養が足りていないと思っているのに、減らすところが食費しかないわけです。そういった中で本当に追い詰められています。本当に成長にも影響が出ていますし、学びの方でも子どもの学びや生活に悪い影響が出ているという方6割になっています。体験活動が減ったとか、勉強への意欲が低下したという状況になっています。
33:18
保護者の声ということでアンケートを問うときに自由回答も求めているのですが、本当にここにあるようにコロナの影響で既に苦しい経済状況だったのに追い討ちをかけるような物価の上昇で支払いの特速などにも悩まされて経済的負担に加えて精神的にもギリギリに追い詰められている。子どもたちも無気力になっている。5年後10年後を考えるのが怖いとかですね。コロナの影響が続いており一向に改善されていません。
33:46
家事をすることで買えるものも限られ、食べるものがなく見切り品で凌いでいます。夜子どもが寝た後はスマホの明かりで家事を行なし、窓には段ボールを立て寒さを凌いでいます。国民の低迷の生活を知ってくださいということで、本当にまだまだ大変な方たちがいっぱいいるのですが、世間の中ではコロナが忘れられているということが非常にこの方たちを苦しめています。私たちは高校生の支援をかなりやっているので、高校生にも声を聞こうということで、
34:14
つながっている高校生にアンケートを取りました。そういった中で本当に大変な声が聞こえてきて、例えば、物価高の中、企業等では賃上げが盛んに行われておりますが、私の母はコロナ禍で仕事を失職し、鬱病になりました。家計は大変苦しく、4月から私は高校3年生になり、下の弟たちも高1、中2、中1と入学を控えています。どうか私たちを早急に助けてください。よろしくお願いいたします。
34:42
本当に鬱病になられる方がすごく増えています。ずっと追い詰められている中で大変な状況です。ぜひ、コロナ禍のアフターコロナというところで、影響を受けた子どもたち、家庭の支援ということを政府がしっかりやっていくんだと、先般、子ども1人当たり5万円を困窮家庭に出していただくということを言っていただいて、本当にありがたいと思っています。あれで命がつながると、なんとかできるかなと思ったことであったけれど、非常に多いです。ただ、ああいうものがいつ出るか分からないとか、本当に忘れられてしまったんじゃないかと思っている方々が非常に多いので、そうではないと、もう影響長引いているんだから、ちゃんと子どもたちのことをやりますよというふうなことをぜひ言っていただければと思います。2点目、貧困層のみならず、純貧困層への様々な支援の拡充をということですが、
35:34
実は政府の方で子どもの貧困対策を非常にやっていただきまして、相対的貧困層への支援というのは充実しつつあると思います。高等教育就学支援の新制度で給付型の奨学金や学費の減免ができて、大学に行けるようになった子だとか、そういった方もいるんですけれども、実は多くの方々が住民税は払っているんだけれども、子育て捨てたらつらいという方がたくさんいらっしゃるんですね。
36:00
私たちは純貧困層と言っているんですけれども、今ここに支援が必要ではないかと思っています。令和3年に内閣府の方で子どもの生活状況調査というふうなことをやりました。これ子どもの貧困対策調査と私たちは言っていて、私も少し委員に入ったんですけれども、ここでも出てきていたのが真ん中ですね、本当に10日世帯収入が中央地の2分の1未満というのが貧困層なんですけれども、
36:26
そこも大変なんだけれども、10日世帯収入が中央地の2分の1以上だが、中央地未満の、いわば収入が中低位の水準の世帯でも多様な課題が生じていたと、後で少しお話ししますが、本当にこの世帯というのが大きな影響を受けています。また収入水準が低い世帯では非常にコロナの影響が受けているというふうなことも分かりました。これが世帯の所得なんですけれども、世帯の所得を並べると、
36:55
実は一番多い、最も多いのは年収が1000万円以上の世帯なんですね。要は十分な所得がある方たちが子どもを産んでいるという層が一つありまして、そうではない方たちの差が開いていると。参考までに、令和3年に出た国民生活基礎強さの外境から見ても、本当に2022年の児童のいる世帯の平均所得は813万5千円、
37:23
中央値でも722万円で非常に高いんです。国民全体で、例えば高齢者を入れちゃうと564万円で平均所得が低いんですけれども、高齢者以外でも685万円なんですね。要は児童のいる世帯というのが非常に所得が高い方々というのが一群いる中で、ここの格差というのが実はすごく開いているというふうに私たちも現場をやっていて感じています。これも国民生活基礎調査ですけれども、
37:52
実は高齢者 よりも児童のいる世帯の方が生活が苦しいと思っている方が多いんですね。全ての子育て家庭が生活苦しいと思っている方が非常に多いということです。要はどこが苦しいのかというと、いわゆる貧困層よりちょっと上の層というのがものすごく大変な状況になっていて、ここが実はボリュームが多いんです。本当に中位以下の準貧困層というのが36.9%ですし、
38:21
一人親の支援というのがすごくいろいろやるんですけれども、実は二人親の支援ってすごくないんですね。そういったところで困っていらっしゃると。例えばここで例で挙げた方ですけれども、多子世帯では子どもの教育費が過剰に重くのしかかっています。非課税世帯でも大変だと思いますが、非課税世帯、ぎりぎりの多子世帯、中間世帯は苦労しています。生活することで精一杯で貯金する余裕もありません。子どもたちと旅行にも行けません。ダブルワークで頑張っていますが、
38:50
働いても働いても余裕がありません。何か対策をお願いしたいです。助けてほしいです。この方は先ほどの困窮家庭の子ども一人5万円というのは受けられないんですよ。子どもが、お子さんが3人いるのか4人いるのか分かりませんが、本当に困窮家庭だったら15万とか20万入るものがこの方のところには入らないと。こういうところがすごく差になっています。本当に生活の苦しさというところでいえば、
39:17
例えば純貧困層ですね。真ん中の薄いオレンジなんですけれども、公共料金の見払い経験のある方が7%なんですよ。公共料金払えないと生活が実は回っていないという状況です。本当に中央地域感もすごく高いんですけれども、ここの層も一定で大変です。例えば、子 どもたち、中学生にこれアンケートを取ったんですけれども、中学生に進学したい教育段階は何ですかというふうに聞くと、中位以上は大学またはそれ以上というのが64.3%なんですけれども、中央地の1/2以上、中央地未満という純貧困層の層では、ここが38.1%って大きな差が出るんですよ。所得によってこんなに大学進学の差が出てくるんですね。これ何かと言いますと、例えば同じ保護者に聞いたものなんですけれども、
40:12
保護者の方で、お子さんはどこのところまで進学させますか、進学すると思いますかというと、高校までと答える保護者の方がいて、じゃあなんで高校までなんですかというと、子どもの希望とか学力とかいろいろあるんですけれども、要は家庭の経済的な状況から考えて、大学進学は難しいと高校までというふうに考えている方が、約1/3いらっしゃるというふうな状況で、ここのご家庭の子どもの教育 というのが非常に厳しい状況です。厳しい状況になっています。本当に例えば経済的支援で就学援助ですとか、児童扶養手当みたいなものが、ここの層は全く受けられないということで、本当に相対的貧困層に比べると支援が薄いです。先ほどのグラスに少し赤とブルーを出しましたが、中央値1/2未満の方たちというのは、本当に様々な支援が始まりました。私どもがさせていただいている生活困窮の学習支援、
41:09
生活支援事業みたいなものも、実はここまでなんですね。これをちょっと超えてしまうと、そこはちょっと対象外なので、受けられませんみたいになってしまうんですけれども、実はその上の方たちというのが非常に苦しくなっていて、本当にここは生活は何とか回っているので、本当に学習支援とか教育支援とか、熟大でも受験料支援でもいいんですけれども、何かの支援をしてあげれば自立できるんですが、今ここがないので、
41:37
自立できないと、下に落ちていってしまっているということで、本当にこういったところで教育支援ということをやっていただけると良いのかなと思っています。あと3つ目ですね、やはり高校生の支援というのがどうしてもないと、本当に児童手当が18歳まで伸びるということは、本当にありがたいと思いますが、ここはすごく大きなところで、やっぱり高校出た後、人生どうなるのかというので、日本は結構決まってしまうので、ここの支援ということを、
42:06
やはりやめないと思っています。困窮な方たちに聞いた支援で、その19%の子どもたちが経済的な理由で死亡個を諦めたと言っています。本当に 私たちアンケートを作るときに、もしかしたらこういう子もいるかもしれないから、アンケートに入れてみようかと入れたんですね。回答が来たときに2割あるということが本当に驚いて、これは大変な状況になっていると。自由期日を見ると、本当に進学希望だったけれども、就職に変更して、家にお給料を得ますとか、本当に物価高騰でどうにもならないので、大学進学諦めますみたいな声がすごくたくさんあるんですね。あとは利系がすごく高いから、利系を諦めて文系にしますとか、もったいない話がゴロゴロ出ているわけです。これ高校生にも聞いてみました。高校生にもちょっとつらいかなと思ったんですけれども、私たちがつながっているということで、信頼関係が築けている中で答えていただければというようなことでやりました。
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349件の高校生が答えてくれたんですけれども、要は受験校や学部や進学を変 更したという方が28%いました。その中の半分が経済的な理由で諦めましたというふうに高校生が言っているんですね。本当に入学にかかるお金も用意することが厳しくて、入学後も多額の金額が必要になるので諦めましたと。下に弟妹二人いるので経済的に大変になるから諦めたというふうに言われています。本当に一般入試を乗り越える財力がなかったとか厳しい状況が続いています。その子たちに学習とか生活の困りごとは何でしたか?高校の時に何ですか?というのを聞くと、とにかく学費を年出するためにかなり苦しい生活をしなければいけない状況です。これは高校の学費です。高校の学費を年出するために苦しい生活をしないとか、
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お母さんがうつ病になったんだけども高校生の子供の支援がないので苦しいとか、その下、お金がかかることはしたくないので高校に入ってから友達と遊ぶのも避けたいので友達自体を作っていない。こういう声がたくさんありました。お金がないので友達とできることもできないとか、