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参議院 憲法審査会

2023年04月12日(水)

1h24m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7359

【発言者】

中曽根弘文(憲法審査会会長)

8:50

ただいまから憲法審査会を開会いたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。本日は、憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について、委員間の意見交換を所要1時間30分を目途に行います。発言を希望される方は、氏名表を立ていただき、会長の氏名を受けた後、ご発言願います。発言が終わりましたら氏名表を横にお戻しください。1回の発言時間は、各5分以内でお述べいただき、法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め5分以内といたします。発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が長過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめご了承を願います。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは発言を希望される方は氏名表をお立てください。自民党の牧野孝夫です。参議院の緊急集会について、私の見解を申し上げます。参議院の法制局からの説明や審査会での議論を通じまして、私は国会招集ができない場合に緊急事態が発生したとき、できる限り民主政治を徹底するための暫定的な対応として、参議院による緊急集会への規定を設けたという趣旨があるというふうに受け止めました。参議院の緊急集会をめぐる4つの大きな論点についても、その趣旨を踏まえて考えるべきだと思います。第一に、条文上明示されている衆議院が解散されたときというのは、それほど長くない期間の一時的な衆議院議員の不存在の例示でもあると考えます。したがって、任期満了後の衆議院議員の不存在も解釈により緊急集会に含まれると考えます。第二に、緊急集会を開く期間については、解散が衆議院議員の不存在の例示ということであれば、特別国会に開催されるまでの最長70日間であると考えます。第三に、参議院の緊急集会を求めることができるのは、内閣だけであり、参議院が自発的に集会を行うことができないと考えます。ただし、昭和30年改正による国会法101条の規定では、参議院議員は当該案件に関連のあるものに限り議案を発言することができるとされており、国の最高機関の一翼を占める参議院の位置づけを踏まえるならば、議員が発言できる議案の範囲については、事実上広いものであると捉えることができると思います。第四に、緊急集会の検納の範囲については、それほど長くない期間の衆議院議員の不存在を念頭に、民主政治を徹底させるという趣旨を踏まえれば、国会の検納のすべてに及ぶとの考えのもと、特別会の招集を待つことができない程度の即時に対応すべきものに限り、広く認められると考えます。一方、参議院の緊急集会を超えた事態が発生したときに、憲法に条文がない、エマージェンシーパワーをパワーにいざれることには、民主政治の視点からの議論が必要だと考えます。早急に結論を得るべき論点の一つは、解散後70日間を超えて国会を招集できない程の緊急事態が発生しているときでも、参議院の緊急集会で対応するのか、あるいは議員任期の特例を設けるかということだと思います。憲法学者の中には、70日間に縛られず衆議院総選挙及び国会の招集が、こうした事態の収束まで延長できるという考えもありますが、その一方で憲法54条の解釈については、条文の文言通りに解釈すべきという学者の意見もあります。いざというときに議論をしているということができませんので、国会議員がこの場に集まることができるかどうかもわかりません。世界で起きている今の厳しい現実を踏まえ、起こり得る最悪の事態に備えて、憲法に対する考えを発揮させることが今求められていると思います。今こそ参議院としてしっかり議論を深め、憲法にこの緊急集会をどう位置づけるかという結論を得るべきと考えます。以上です。

14:18

杉尾秀哉君。

14:20

立憲民主社民の杉尾秀哉です。前回の本審査会では、参議院法制局が提示する緊急集会の4つの論点について、私たちの会派の見解を申し上げました。また与党をはじめとした各会派からも、私たちと同じ問題意識や考え方が近い憲法解釈も示されていまして、大変有意義な意見交換だったと考えます。中でも特筆すべきは、緊急集会に関する論点整理、検討は急務という意見で、今後、参考人質疑も含めて議論をさらに深めていく必要があると思います。なお、前回私が触れました憲法制定時の金森大臣の答弁、戦前の反省から民主政治を徹底させ、国民の権利を十分に擁護するため、万年議会である参議院に国会代替機能を定めたという緊急集会の根本趣旨は、衆議院ではほとんど議論されておりません。こうした、いわゆる70日間限定施設のような、会見ありきの意図的かつ便宜的な解釈論とは、私たち参議院は一線を隔すべきことを申し添えてさせていただきます。その上で、先週の議論を踏まえて、私からは衆議院議員の任期満了後の緊急集会の可否について、さらに申し上げたいと思います。先週、私たちの会派の内子審議員から、高見常治大名誉教授の文字論解釈、それから土井兄弟教授、田田の一つ橋西教授の類推解釈、これらを紹介しながら、任制の下での参議院の存在理由でもある緊急集会の重大な機能及び参議院の権威にかけて、任期満了後も緊急集会は開催できる旨の説明がありました。これについて、先週、自民党の山本人幹事から、衆議院の解散というのは、衆議院議員の不在の例であり、政府提携の第三回交渉で、衆議院の解散等の事情によりの等が日本政府側から示されていること、あるいはまた、貴族院での質疑で金森大臣が「改選期云々」という答弁をされたことからしますと、任期満了による衆議院の不在を含めていると解釈することも可能だという、こうした注目すべき発言もございました。ここで山本人が述べられたとおり、緊急集会制度の立法経緯に照らせば、当時、日本政府が衆議院の解散以外の国会を招集できない場合についても想定し、検討していたことは明白であります。そうしますと、任期満了後にも緊急集会が可能だという持論解釈や累推解釈の法的正当性が一層明らかであること、また、任期満了の場合であっても54条3項の衆議院の事後同意が担保されていること、さらに同意表示が指摘するように、議員が存在しない状況で緊急集会を認めなければ、内閣が独断で必要な措置を講ずる事態を招かせないこと、こうしたことを考えますと、憲法54条2項を「衆議院の任期満了後の緊急集会も可能」と解することは、立憲主義とも符合するというふうに考えております。これについて、公明党佐々木紗彦委員は前回、「現実問題として緊急集会で対応するほかないのではないか。緊急の場合、参議院の緊急集会は全国民の代表として、行政権に対する民主的コントロールに及ぼす重要な役割を担うもので、国民の基本的人権を保障し、行政権の乱用を防ぐためにも緊急集会が果たすべき役割は極めて重い」と、こういう発言をされました。これらの見解には、私たちも深く賛同するものであります。そこで最後に、法的問題について参議院法制局長に伺います。仮に衆議院議員の任期満了後も緊急集会を開催できるという憲法解釈に至った場合、現行の国会法の条文改正は必要になるのでしょうか。どうでしょうか。川崎法制局長、お答えいたします。衆議院議員の任期満了後の総選挙の場合の参議院の緊急集会の可否につきましては、様々な議論のあるところであり、先生方において御議論の上御判断される問題であると思っております。その上で、仮に任期満了後の衆議院総選挙の場合の緊急集会について、憲法上可能であるとの見解をとるのであれば、現行の国会法では文言上緊急集会を開くことができる場合を、衆議院開催時に限定するような規定は設けられていないことから、国会法を改正する必要はないとの理解が可能ではないかと考えているところでございます。

18:46

杉尾君。

18:48

今お聞きいただきますように、国会法の解釈で対応可能ということであります。私たちの会派は、憲法54条2項の解釈により、衆議院の任期満了後も緊急集会が可能というふうに考えますけれども、その解釈と両立するものとして、国会法や公選法の改正により、任期満了前に必ず総選挙を実施するという制度改革案があることを、これまでの本審査会でも何度も指摘させていただいております。どうか皆様も御検討をよろしくお願いいたします。以上です。ありがとうございました。

19:18

安江信夫君。

19:21

公明党の安江信夫です。現在、衆議院の憲法審査会において、緊急事態に関する論点整理が進み、とりわけ議員の任期延長に関する議論が詰められている状況にあります。我々参議院としては、こうした衆議院の議論を踏まえつつも、それに過度に引きずられることなく、一つ一つの議論を整理していくことが重要と考えます。すなわち、緊急事態における現行憲法下での課題は何か、問題への対応として議員の任期延長等の憲法改正まで要するのか、といった事柄について、丁寧な議論が必要なことは今でもありません。仮に、我々が衆議院の論議を追随するようなことがあっては、それこそ参議院は不要との議論にもつながるものであり、まさにこの憲法審査会での審議を通じて、良識の負としての享受を示し、責任を果たすべきものと考えます。さて、参議院法制局から緊急集会をめぐる論点が説明されているところです。まずは、これらの論点の一部についての意見を述べます。第一に、任期満了による総選挙の場合の緊急集会の可否についてですが、肯定的に捉えることに利があるものと考えます。確かに、分離上は、衆議院が解散されたときと明記してあります。しかし、かといって、任期満了に伴って衆議院が不存在となり、かつ、何らかの事情で選挙を行うことができない場合において、その必要性があるのに緊急集会を行わないとすれば、国会の機能が停止してしまいます。もし仮にそうだとすれば、長谷部康生先生が指摘されるように、内閣が緊急事態の法令に異議するなどして、単独で必要な措置を講じる事態を招きかないという懸念も生じ、それこそ憲法が想定しない時代とも言うべきではないでしょうか。緊急集会は、まさに衆議院の不存在の状況において、緊急の必要があるときに国会の機能を維持して、民主的な統制を維持するために設けられたものであり、任期満了の際も開会できると解するべきではないでしょうか。第2に、緊急集会が開くことができる機会についても、期間についても議論があります。分離上、衆議院解散、総選挙経て特別会が招集されるまでの最長70日間とも読めますが、第1の論点でも言及したように、緊急集会が衆議院の不存在という緊急事態において、国会の機能を維持することに異議があると理解する立場からは、緊急の必要が継続する限り開催できると理解することが妥当ではないでしょうか。もっとも、緊急集会が任意制の例外中の例外であることから、あくまでもその機能は暫定的なものであり、過急的速やかに総選挙を実施し、原則の状態に復帰させることが憲法上の要請であることは言うまでもありません。第3に、これは問題提起にとどまりますが、参議院の緊急集会の権限の範囲を憲法論としてどのように捉えるべきでしょうか。議員の任期延長の議論も、これをどう捉えるかによって、結論が異なってくるものと考えております。すなわち、分離上は、緊急集会の開会は内閣が求めることになっていることに加えて、臨時会と異なって議員による聴取の要求もできません。また、緊急集会があくまで任意制の例外として暫定的な機能であることにも考えれば、国会と同等の権限を認めることは困難ではないかとの議論があるところです。この点、現行の国会法99条1項が、緊急集会は総理が案件を示して請求することとし、党法101条や102条は、緊急集会で議員が発議できる案件や請願は、総理が示した案件に関連あるものに限るとしています。こうした規定が、こうした規律が憲法上の要請であって、法改正等によってもその範囲を拡大できないとすれば、どういった問題が考えられるでしょうか。とりわけ、この点についての議論を、本審査会において深めることができればと考えております。このほか、本日のテーマではないため、別の機会にずりますが、仮に衆議院議員の任期延長を論ずるとしても、参議院議員の任期延長はどういうことになるかということも論点整理されるべきです。参議院の半数が任期満了を迎えつつ、何らかの事情で選挙ができない場合も、理論上は想定され、例えば、衆議院及び参議院の半数が存在する状態をどう考えるべきでしょうか。また、緊急事態の対応の一つに、緊急政令、緊急財産処分に類する規定の要否が論じられるところですが、我が党といたしましては消極の立場を取ります。明治的憲法から現在の憲法になった際、民主的統制を強化するために、旧来の緊急勅令や緊急財産処分の規定はなくなり、いわばその代替として参議院の緊急集会の制度が創設された経緯などを踏まえますと、緊急政令等の規定の憲法としての許容性には疑義があるものと考えます。また、法に基づく政令委任や予備費などで措置可能であることから、必要性にも乏しいものと考えております。以上で私の発言を終わります。

23:17

浅田幸史君

23:21

参議院の緊急集会について意見を述べます。参議院の緊急集会は、衆議院が解散されたとき、国会の機能をどう維持するのかという議論です。これは私たちが言う緊急事態のごく一部の話でしかありません。司法機能も行政機能も立法機能も喪失した事態さえ想定しておく必要があると思いますが、私たちは現実的な緊急事態状況を条文化しました。しかし、同時に関連する現行憲法の問題点も解決する必要があります。以下問題点を指摘します。令和3年5月19日の党審査会で、私は現行憲法の成立の過程と憲法条文の関連について、特に9条の成立過程について発言しました。今回はまず9条に関することで、条文以外で私が問題であると思う点を3点指摘したいと思います。1点目は主権、国家主権に関してです。現行憲法は全文で、ここに主権が国民に尊することを宣言し、sovereign power resides with the people と主権在民については述べていますが、国家主権、sovereign power or sovereignty、そのものについては何も書かれていません。これは国連憲章2条1項にある加盟国の主権平等の原則、the principle of the equality of all its members と同じだと考えられますが、世界中の国が国家主権を持っているということを述べているだけで、肝心の主権、国家主権が何であるかは何も記載がありません。ウェストファリア条約によって初めて成立した主権国家体制、つまり国家より上位の権力を認めず、ここでは国連等の国際機関を除外しておきます。国家間が対等な立場に置かれることを前提とした国家間関係は今も生きているということになります。この主権国家は1、国境により他国と区別された領土を持つ。2、領土内統治については配慮的権利を持つ。3、他国とは対等ということであり、だからロシアの衰えな侵略は認められないということになります。2点目は独立という言葉です。国家の独立があるから国家主権が成立します。主権があり、他国と対等だから自由があります。ところが現行憲法にはこの独立という言葉がありません。他方、自衛隊法では自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため我が国を防衛することを主たる任務とし、自衛隊法3条とあり、我が国の独立を守るという目的が明記されています。ここでこの独立と平和はいわば対立概念であり、どうバランスさせていくかは国家にとって重要問題です。そこで考えなければならないのが国際法と憲法の関係です。これが3点目ですが、前回議論の延長になります。憲法98条2項は、日本国が締結した条約及び確立された国際法規はこれを誠実に遵守することを必要とするとありますが、現行憲法の起草時に足田省委員長と鈴木義雄委員らの努力により成分化されたと言われていますが、この時彼らが国連憲章等の国際法をどれだけ理解していたのか不明です。1951年9月、日本はサンフランシスコ講和条約を結び独立を回復しますが、同時に吉田繁内閣総理大臣と議員アチソン、米国務長官との間で交換された公文には、サンフランシスコ講和条約の効力発生と同時に、日本国は国際連合が国際連合憲章に従ってとるいかなる行動についても、同憲章を第二条に掲げる義務を引き受けることになると書かれてあります。この交換公文が要求しているのは、日本が国連に加盟する5年前から国連に加盟したのと同様の義務を果たさなければならないということであり、現にこの公文を根拠に、1954年2月に日本国における国連地位協定が、日本と朝鮮国連軍参加9カ国との間で締結され現在に立っています。つまり、日本は国連に加盟する前から国連の集団安全保障体制に組み込まれ、国連憲章に従って集団安全保障上の義務を果てしていたのです。集団安全保障の話をしましたが、緊急事態が要求しているのは、カール・シュミットが言う例外状態において誰が何をどのように守るべきかの議論です。電磁パルス攻撃、サイバーテロから隕石の衝突まで、例外状態リスクはカール・シュミットの時代とは比較にならないほど大きくなっています。いかにして例外状態を法治通常につなぎ止めることができるのかという議論が不可欠です。以上で終わります。

28:12

磯崎哲次君

28:16

国民民主党新緑風会の磯崎哲次です。意見を述べさせていただきます。前回に引き続き緊急集会について議論を積み重ねていくことは大変意義のあることと考えます。そしてこうした議論を重ねていくにあたって、どのような緊急的な事態の発生においても、国会の機能、例えば立法機能や予算議決機能、行政統制機能を確保していくこと、緊急事態対処措置に対する国会統制を担保することが何よりも重要であるとの認識に立ち、党内また私自身も様々な議論を積み重ねてきております。その意味において衆議院の解散等の自由により、衆議院がおらず国に緊急の事態が発生した際に、国会機能維持の一つとして54条の第2項に参議院の緊急集会の規定が置かれていることは非常に重要なことと考えます。一方で緊急集会に関する規定は、人生の例外であることから、その運用についてどこまで許容され得るのかについて丁寧に議論を重ねていく必要があると考えます。加えて現行の緊急集会は国会法102条の2において、緊急の案件がすべて議決されたときは、議長は緊急集会が終わったことを宣言するとあることから、仮に国会の一般的な見論を代行させようとすると、国会法との関係において緊急集会の性格が変化してしまうことに注意が必要であると考えます。その上で、前回の参議院法制局の説明や各委員の発言にもあるとおり、緊急集会の期間については議論の余地があると考えます。また、期間に関してはそれ単体のみならず、緊急集会に与えられる見論の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくるものと考えます。集会の期間については、衆議院解散後、総選挙までの40日間と、特別招集までの30日間の計70日間が限界との考え方もありますし、事態の収束までできるとの説があることは承知しているところです。では、70日以上を可能とした場合、その期限の上限とは一体どの程度になるのか。仮に緊急的な事態の収束までとした場合、それはどの程度を想定しておけばよいのか。半年か1年かそれ以上か。過去の事例においては、暫定予算を審議したとのことでありましたが、仮に長期の対応が必要となった場合、その臨時予算の期間としてどの程度まで許容されるのか。また、54条第3項には、全項の正しがきの緊急集会において取られた措置は臨時のものであって、次の国会開会の後10日以内に衆議院の同意がない場合、その効力を失うとあります。この条文によれば、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、長期間を想定していないと理解するのが自然であると考えていますが、仮に緊急事態が長期にわたり、次年度予算の議決が必要になった場合に、1年間におぶ予算の議決は許容されるのか。あくまで臨時の対応とする場合、短期間の臨時の予算を繰り返し議決することは可能なのか。また、54条3項に規定される、衆議院による国会同意が得られない状況の中で繰り返しの議決は成立するのかなど、緊急集会の兼納、議員発議の範囲と緊急集会を開くことができる期間において、緊急に備えるために検討すべき点は多岐にわたります。以上申し上げた論点において、緊急集会があくまで臨時対応であり、長期間への対応が困難とした場合、さらに国会機能を維持する策について議論を深めていく必要があると考え、今般、日本有志の会、有志の会、国民民主党の3党派にて合意書を結び、まず衆議院の議員任期延長について提案をさせていただいているところです。本内容に関しての説明は割愛をいたしますが、その根幹は、いかなる緊急事態においても国会機能を維持し、権力を統制、分立することが重要であるとの考えに基づいていることを申し加えておきます。将来の緊急事態に備え、基本的人権を保障する観点で、私たちが何を想定し、どこまでを想定内として体制を整えていくのか、引き続きこの憲法調査会で丁寧に、議論を重ねていただけますことをお願い申し上げ、私の意見とさせていただきます。

32:24

山添拓君

32:26

日本共産党の山添拓です。法制局に伺います。日本国憲法54条2項の緊急集会は、その制定経緯の当初は予定されていなかったものです。日本政府は緊急事態において、法律または予算に変わる閣例を制定できるとする案を考えていましたが、総司令部との交渉の結果、緊急集会の規定が設けられました。ここで日本政府側が念頭に置いていた閣例とは、明治憲法8条の緊急職令や70条の緊急財政処分といった、政府の選断で処理できる仕組みと理解してよいでしょうか。

33:00

川崎法制局長

33:03

お答えいたします。先生ご指摘のとおり、旧憲法の緊急職令あるいは緊急財政処分が念頭にあったというふうに言われております。

33:12

山添拓君

33:14

日本国憲法はそうした仕組みを排除したことに大きな特徴があると思います。1789年のフランス人権宣言16条、権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない全ての社会は、憲法を有しないという規定は立憲主義を端的に表したものですが、日本国憲法はいかなる緊急事態であっても国会の関与を求め、行政権の選断を許さないこととしています。法制局に引き続き伺います。権力分立を維持し、それにより国民の権利保障を全うしようとした立憲主義を貫こうとするのがこの憲法だという理解でよいでしょうか。

33:50

川崎法制局長

33:52

お答えいたします。日本国憲法の審議過程で政府は旧憲法にあるような緊急措置を設けなかった理由として、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するために、行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくするように考えたというような説明をしておりますので、先生の御指摘の点も考慮されたというふうに考えられています。

34:15

山添拓君

34:16

自民党の2012年日本国憲法改正草案はこれとは異なり、内閣総理大臣が緊急事態を宣言すれば、内閣内資内閣総理大臣が、法律と同一の効力を有する政令を制定でき、衆議院の解散権を制限し、両議院議員の任期や選挙期日の特例まで設ける、国会を内閣に従属させる、つまり、立憲主義を一時的に停止し、かついつまで続けるかも内閣次第であり、歯止めがありません。法制局に伺います。戦前、帝国議会で衆議院議員の任期が延長された事例とその理由を御説明ください。川崎法制局長、お答えいたします。衆議院議員の任期につきましては、旧憲法では明文の規定は設けられておらず、衆議院議員選挙法により定められておりました。その上でお尋ねられました旧憲法下における衆議院議員の任期延長の例としまして、昭和16年2月に成立した衆議院議員の任期延長に関する法律により、衆議院議員の任期が昭和17年4月29日まで1年延長されたことがあります。その理由については、帝国議会において、今日の緊迫した時局の下において、総選挙を行うことは適当ではないなどといった説明がなされているところでございます。

35:29

山添拓君。

35:31

日中戦争が長期化する中、昭和12年、1937年4月の総選挙で選ばれた議員の任期満了が目前に迫り、1941年、第二次小野江内閣は、選挙を行うと、「巨国一致防衛国家体制の整備を前進しようとする決意について疑いを起こさせしめぬとも限らぬ」という理由で任期を延長しました。そしてその間に新地盤攻撃を行い、反戦の声を封じ、対アメリカ連合軍との無謀な戦争に突入し、延長後になされた1942年の総選挙は、いわゆる「抑賛選挙」であります。この教訓からも明らかなとおり、緊急事態であればなおさら、民主政治を徹底し、国民の審判の機会を保障することこそ必要です。総選挙の間は、憲法の規定どおり参議院の緊急集会が対応すれば足ります。緊急事態の危機を煽り、憲法で定めた参議院の機能を否定するかのように、議員任期の延長、さらに緊急事態条項の創設など、改憲論へ突き進もうとするのは、歴史の教皇を踏まえない暴論であり、断じて認められないことを指摘し発言といたします。

36:37

山本太郎君。

36:40

令和新選組山本太郎です。参議院緊急集会は衆院解散陣にのみ可能で、衆院任期満了陣には行うことができないとの意見に対して、確かに憲法54条2項には、衆議院が解散されたときは緊急集会を求めることができるといった規定されていると、衆議院議員任期満了を迎えた場合についての規定は明文化されていない。一方で、多くの憲法学者が任期満了の場合でも緊急集会を開くことは解釈によって可能だと指摘しています。参議院の緊急集会を衆議院任期満了の場合にも実施することは、学説上も無理のない解釈だと。そもそも政府への全権委任や国家緊急権を避けるために作られた条文であり、その理念に沿う限りにおいては柔軟な解釈による運用を認めるべきだと思います。これまで憲法に明文化されていないことを政府の解釈で容認している例が多いことは、皆さん御存じのとおりです。不信任案可決以外で首相の裁量で衆院を解散する。他にも宗教活動を禁じられているはずの首相や大臣の靖国参拝は、戦没者追悼として認めるような雰囲気。意見疑いの強い集団的自衛権の容認などなどなど、挙げたらキリがない。このように時の政府、権力者の権限を強めるための憲法解釈は数多くなされてきています。多数の学説が支持する、衆院任期、満了児の参議院緊急集会開催を認めることに、解釈上の問題は全くないはずなんです。他にも参議院の緊急集会は70日間の期間を超えては開催できないから、長期間続く緊急事態に対処できないという主張もある。しかし、この70日という期間は、衆議院解散後40日以内に総選挙を行う。その選挙日から30日以内に国会招集という規定、憲法54条1項に紐づくものでありますが、非常時でこの期間中に衆議院選挙実施が本当に不可能であれば、この70日という期間に縛られず、参議院緊急集会を行う運用も当然検討する余地があるでしょう。参議院緊急集会ではフルスペックの国会機能が果たせないので、それと別に衆議院の任期延長が必要と主張する意見もあります。この提案は、国民にも選ばれていない議会に、緊急時を理由にフルスペックの権限を与えようとする危険なアイデアです。確かに参議院の緊急集会では審議する議案が限定され、その決定は暫定的、次の国会で承認されなければ効力を失うもの。その意味でフルサイズの権限を有する議会でないことはその通りです。むしろ非常事態の例外的な議会運営である以上、フルサイズの権限を与えないことが憲法の趣旨です。緊急時に何らかの理由で衆議院議員選挙を行うことができない状態において、任意性の片方の議会のみでの緊急集会を行って決める以上、当然の限定です。むしろ権限に限定を設けつつも、任期中の正当性のあるメンバーで臨時の決定をするという仕組みこそが重要です。ここに代表制の保障、国民の賛成権を尊重する工夫がある。緊急時に国民の賛成権が制限された状態で国会にフルサイズの権限を与えることこそが大問題。選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは、民主主義をないがしろにする提案です。数年間にわたって国政選挙を行うことができず、国民の投票権を制限しなければいけない非常事態って一体何なんですか。2014年クリミアがロシアに選挙され、東部で内戦と呼べるような状況が続く中でも、2019年ウクライナは議会選挙を実施しました。ロシアによる軍事侵攻が続く中でも、2024年大統領選は行われる見通し、東日本大震災以上の被害と呼ばれる大地震を受けても、今年5月、トルコで議会選挙と大統領選挙が行われる予定。エルドワン政権には震災対応も含めて有権者からの評価が下されるでしょう。非常事態だからこそ、制約はあっても国民に一票を投じる権利を保障することが重要。そのような非常事態への対応を含めて、政権は国民からの評価を受ける必要がある。この先、選挙ができない事態をデッチ上げ、権力温存を図るような輩が政権を握る可能性を考えても、任期延長会見は断じて認められない。終わります。

41:16

片山さつき君。

41:18

自由民主党の片山さつきです。4月6日、宮古島沖陸自ヘリ航空事故で、未だ行方不明の第8指団長、他10名の方々のご家族やご関係者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。折しも台湾周辺で中国軍が大規模人員守を行っており、既に終了したと報じられてはいますが、万が一の場合につき、不足の事態につき国民の間から不安の声が出たのは事実であります。参議院の緊急集会につきまして、法制局のご説明を伺いましたが、やはり日本の危機管理体制はあくまで平時モードであり、網羅的とは言い難いと痛感しました。東アジアは世界的に見ても安全保障環境が複雑で厳しく、あらゆるケースを想定して国会制度の趣旨を守り、緊急事態においても可能な限り国会の機能を維持し、どうしてもできないような超非常事態においては行政権限を一時的に強化し、迅速に対処できるような仕組みを設け、制度全体に穴のないようにしていくことが国会の責務ではないかと資料をいたします。現行憲法における国会制度の趣旨を徹底して実行するための方法が参議院の緊急集会という、諸外国のほとんど類例を見ない制度であり、参議院が暫定措置として国会の機能を代替するというのが憲法の趣旨であるというのであれば、少なくとも以下の諸点については国会法の改正等の方法で明確化を行い、機能する緊急集会にしておくのが憲法上本来あるべき姿の実現ではないでしょうか。まず衆議院が解散ではなく任期満了の場合の緊急集会ですが、解釈は両論あるとの御説明。ただ平成30年の法制局長官答弁で国会で御議論いただくことというふうにお答えられてあり、今もそういうお話がございましたので、緊急集会が必要なくらいの緊急な事態が現在の複雑多様な国際情勢では事前予測してそこに入れておくことは困難になっておりますから、ここはきちっと任期満了でできるという法的手当をすべきではないかと考えます。また、内閣が提示できる議案の範囲につきましても、当然憲法改正の発議等々は除かれるでしょうが、国際協定や財産関係で超緊急事態、武力攻撃あるいは国家機能の重大な損傷事態に面して、回復に緊急な予備費を大きく上回る支出や採出券が必要な場合はあり得ますし、自治体への支持が必要な場合も出てきますが、これらの重たい議案についてどこまでできるのかをきちっと検討して詰めておかないと、実際そうなった場合、先例がかなり昔のたった2例しかありませんから、内閣が判断できず、国民の身体、生命、財産の保護が遅れて取り返しがつかない事象になりかねません。また他方、衆参同時選挙の場合もあり得ますが、参議院議員は選挙中でも任期があるやり方を今しており、国会法99条の党員義務が生じれば、選挙中ではない半数に加え、選挙中の方や引退予定者も緊急集会で責務を果たすことになるとは想定しますが、その場合の出席要件、定数要件は、現在の読み替え読み替え方式で適切なのか、これも精査してきちっと法的に明らかにする必要があると考えます。また緊急集会への党員が物理的に困難になるような超非常事態につきましては、自民党の参照条文として挙げております選挙の適正な実施も困難な場合になると想定されますので、40日以内の実施は当然できないでしょうから、憲法の国会の章の末尾に各議員の3分の2の多数で任期の特例を認める条文等をお聞き管理に穴が開かないように、手当てをすることが必要だと思います。また国会に両院の議員としての身分があり、招集すれば開ける法的な状態であっても、出席困難なような状況に危険がある場合には、内閣が機能して個別法に基づく緊急整例の制定ができることを憲法上明確にしておくことは、災害対策法制、国民保護法制、過去の例を見ても実際に動くために非常に必要でございます。映画「猿の惑星」というのがありました。人間が油断し危機管理を怠っている間に人間は制圧されております。笑われないように我が憲法審査会ではきちっと機能をする緊急集会をつくっていくべきであると思います。終わります。

45:49

辻元清美君

45:53

立憲民主社民の辻元清美です。本審査会で国家緊急件の会見の意見が何人かの委員から述べられました。これについて意見を申し述べます。我が会派は、こうした意見はまず第一に、政策的な必要性と合理性、立法事実の検証が欠けているのではないかと考えます。日本国憲法の緊急事態法制は参議院緊急集会を軸に組み立てられており、その緊急集会すら開けられない非常時に国民の生命と暮らしを守るために災害対策基本法、国民保護法、新型インフルエンザ等特措法において、あらゆるですね、あらかじめ法律の委任を受けた緊急制定、政令の制定が設けられております。これらの法律にどう書かれているかというと、内閣は国会が閉会中または衆議院が解散中であり、かつ臨時会の招集を決定し、または参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、必要な措置を講ずるため政令を制定することができると、あらかじめ法律の中に打ち込まれております。特に災害対策基本法の緊急政令については、関東大震災級の非常災害を念頭に、昭和37年に大幅な改正がなされ、その後阪神淡路大震災でのですね、192個が追加され、さらに強化されました。そしてその後も災害対策基本法は、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成24年に改正し、その後に南海トラフ地震を想定した政府審議会での検討を踏まえ、平成25年に再改正し、さらに首都直下型地震に備える改正が平成26年に行われていますが、これらの改正の際には、政府の審議会等での検討においては、新たに加えるべき緊急政令の事項は指摘されておりません。このように、日本国憲法の緊急事態法制とは、立法機能や予算承認機能は、万年議会である参議院の緊急集会が2内、そして緊急集会すら直ちに開催困難な場合の災害緊急事態などには、個別の緊急政令の仕組みが措置されており、その普段の検証と改正が積み重ねられてまいっております。これに対して、自民党や日本の維新の会は、いざというときに何でも措置できる緊急政令という事実上の内閣への白紙委任のような会見を唱えていらっしゃるのではないかとお見受けします。しかし、このような姿勢は、立法事実にかき、何よりも戦前の緊急勅令などの乱用の経験から、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するとの根本趣旨に立つ参議院緊急集会を起軸とする日本国憲法の緊急事態法制の考え方と、根本的に矛盾するものではないかと考えられます。なお、公明党におかれましては、衆議院の憲法審査会において、現行の災害対策基本法などの緊急政令の仕組みを過去の経験をもとに想定される危機対応を網羅しており、ほぼ完成した形、必要であれば、法律改正で危機管理法制をさらに整備充実をしていけばよい、など、会見の立法事実の不大の観点から、緊急政令の会見に明確に反対されており、敬意を表するところです。最後に会長にお願いをいたしますけれども、本審査会では今後、参議院の緊急集会のあり方について議論を深めていくというわけですけれども、憲法改正により緊急政令を求める会派の皆さんが、参議院緊急集会と、現行の災害対策基本法などの緊急政令の仕組みで何が足りないと具体的に考えているのか、せめて会見によって可能としようとする緊急政令の対象分野や、その具体的な例を本審査会に示していただけるように、幹事会での御協議をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。ただいまの件につきましては、御国、幹事会において協議いたします。大抵のこの緊急事態は、今まで相当議論され、審議会でもどういう事態があるか、それによって法律改正を積み重ねてきていますので、必要であればまず法律改正で対応すべきだと考えます。以上です。

51:00

八倉勝男君。

51:03

公明党の八倉勝男です。本日のテーマである参議院の緊急集会について、衆議院では緊急時における議員任期延長の前提的な議論として議論が進んでおりますが、私たち参議院の委員の自立権の問題も絡むものであり、参議院においてより真正面からしっかり議論すべきものであるとまず考えます。本審査会で議論すべき課題を私なりにまとめると6つあるかと思います。まず発動要件として4つ。第一に、適用場面です。名文で衆議院が解散されていることとされていることとの関係となります。第二に、衆議院解散から特別国会の収集まで最大でも70日程度の期間を想定したものであるかという期間要件に関して。第三に、国に緊急の必要があるときといった要件はどこまでを示すのかという緊急性の要件。第四に、内閣の求めによって開かれるため審議対象も内閣提出の案件とこれに関連する案件に限られるのかという案件の4つであります。これら発動要件に関係する議題に加えまして、効果について2点議論すべき課題がございます。1つは緊急集会には主犯氏名など行使し得るのかということ。もう1つは事後に衆議院の同意がない場合の効力をどうするかであります。これら議論のポイントは緊急集会は人選の例外である以上抑制的であるべきという要請と緊急時対応という実際の必要性から全国民の代表とある参議院に託された世界でも類を見ない制度、権能であり参議院の独自性という観点も踏まえ過度に抑制すべきではないという要請をいかに調和するかという観点であると考えます。これら諸例について緊急集会があくまで人選の例外である以上厳格に返すべきと考えた場合、名分に沿った厳格なものとなり得ます。他方、前日の全国民の代表制に加え、阪神淡路大震災や東日本大震災による地方選挙の実施困難による選挙任期、任期延長を経験してきた現下の状況などを併せ考えたとき、国政選挙においても同様の事態が起こり得るわけであり、解釈で広げる余地は十分にあります。現に第一の適用場面に関して衆議院解散時に限らず任期満了時にも類推適用できるという学説が唱えられており、もはやこのような解釈は多数説となっております。衆議院の不在という根本的な点において同じだからであります。この点を敷衍すると、第二の点である期間についても、必ずしも70日にこだわらない解釈の余地もあり得るかと思います。さらに、第四の要件である案件について、国会法改正によってこれらを緩和し幅広い案件を審議できるようにすることも検討に値すると思います。最も緊急集会は任意性の例外である以上、安易な緩和には慎重であるべきとの指摘もございます。その調整の一つのアイデアとして、衆議院の同意要件の強化というものも提唱されております。衆議院が同意しなかった場合の効果については、一般に既に行われた行為には影響を及ぼさない将来向と解されていますが、衆議院の例外要件の緩和を任意性の趣旨を踏まえた、衆議院の同意要件の強化によってバランスをとるという発想からは、訴求口をもたせることもなお検討項目ではないかという見解もあります。ただ、緊急集会の意義からは慎重に議論すべきものと考えます。なお、公明党は、任意性の趣旨から全国民の代表である参議院に衆議院と異なるべき見論を付与すべきであり、具体的には参議院の行政監視機能を強化すべきと従来より主張をしております。この主張とも相まって、例えば緊急時を想定した緊急集会にこそ、権力の監視・統制といった観点から、より積極的な意義づけを与えるべきではないかといった議論も、この任意性の趣旨からも可能であるということを、付言いたしたいと思います。以上、解釈による緊急集会の拡大を軸に述べてまいりましたが、この緊急集会の意義づけは、衆議院で進む憲法改正による議員任期延長にも影響し得るものであり、参議院の憲法審査会において、今日挙げさせていただいた6つの点も含め、憲法学者などの意見も配置しつつ議論を深めるべきであり、これが衆参それぞれの審査で建設的な検討に資することを申し上げまして、私からの意見といたします。

55:09

安妻徹君。

55:12

日本首都会の安妻徹です。まず冒頭に、去る3月15日、憲法論議の中心的役割になっていただいておりました中山太郎先生がご請求されました。心より哀悼の辞を述べさせていただきます。参議院憲法審査会でも、しっかりと憲法改正に向けた議論が進めさせていただくとお誓い申し上げます。参議院では、平成30年2月21日の意見交換から、令和3年4月28日の意見交換まで、約3年2ヶ月の間、参議院憲法審査会は残念ながら開かれておりませんでした。そして、小西議員の発言でありますが、前回、会長からも説明がありましたが、これはもう会長だけではなくて、当事者からも、この参議院憲法審査会の場で謝罪的解などの対応がなされることを求めておきます。我が党は、平成28年3月に、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の3項目について、憲法改正に向けた条文案を取りまとめ、公表いたしております。また、我が国を取り巻く情勢の変化などに踏まえ、自衛隊の明記、緊急事態条項についても、昨年、条文案を取りまとめて公表いたしております。さらには、先ほど、石崎委員からも話がありましたが、我が党のほか、国民民主党有志の会の皆さんと、三党派で緊急事態条項の創設に関する合意を取り交わし、さらに議論を進めていこうといたしております。一方で、政権与党である自民党におかれましては、衆議院の憲法審査会を積極的に開催いただいていることに敬意を表します。ただ、昨今の情勢の変化に応じて、自民党として憲法改正をどのように行うかという、党としての最新の条文案というものが示されておりません。先日、自民党の憲法改正実現本部のホームページを拝見いたしました。そこには自民党の考える条文イメージ、叩き台の素案として、4項目が掲載されておりますが、その中の緊急事態対応に項目を見ましても、大規模自然災害等が発生した場合というふうには書かれておりますが、テロや武力攻撃が行われた場合については触れられておらず、この点については、ぜひ、党としての意思決定をしていただきたいというふうに思います。衆議院においては、進路委員も様々な意見を述べられておりますが、自民党の公式な見解かどうかが、はっきりといたしません。岸田総理は、総裁選において、任期中に憲法改正を実現したいと述べられ、憲法改正は先送りできない問題と答弁されていますが、岸田総理の自民党総裁任期は来年9月でございます。憲法改正には、手続き的にも時間がかかることから、もはや時間的猶予はありません。もうすぐ5月3日の憲法記念日を迎えます。昨年の憲法記念日における自民党メッセージでも、憲法改正の実現に向けて全力で取り組むと言われておりますが、自民党が本気で全力を出せば、もっと議論は進んでいくというふうに思います。ぜひとも、週3で意見をまとめて、取りまとめ、自民党として具体的な条文案を憲法審査会にお示ししていただき、議論をリードしていただきたいと思います。また、現実に生じたロシアの衰えな振興や台湾誘致の可能性を考えると、憲法90に関する議論も行わなくてはなりません。衆議院の方でもこれから進んでいくというふうに聞いております。緊急事態状況に関する議論がまとまれば、次には憲法90に関する議論を進めていただくことを求め、意見表明といたします。以上です。

58:51

青山茂晴君。

58:53

自由民主党の青山茂晴です。陸自衛隊の全ての登場人の無事をお祈り申し上げます。私も中間太郎元外相の外相に哀悼の意を捧げます。今日も試験者の皆さんが傍聴に集まっていただき、深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。その試験者にも聞いていただきたいのですが、この憲法審査会は他の議員の意見を尊重し、議員同士の対話も可能です。日本の国会は議員が質問し政府が答える議論がほとんどですから、この憲法審査会は珍しい貴重な場です。そこで前回の憲法審査会で印象に残った他の政党の議員の発言に触れたいと思います。それは維新の猪瀬直樹議員です。猪瀬議員はこうおっしゃった議事録から正確に引用します。この3議員の緊急集会についての実例は、大体はGHQの頃から55年大戦までの話ですね、基本的に。私はこれに同意します。今この場で議論になっているのは憲法54条です。衆議院が開会不能であるときに3議員が緊急集会を開くことができる定めです。54条の短い条文を試験者にも読んでいただくと、衆議院が解散、つまり衆議院議員が全員解職されて、誰も衆議院にいないときに急いで新しい法律を作ったり、既存の法を改正しなければならないときに、3議員が緊急集会を開けるということしか書いてありません。しかしこの憲法54条を基本にして、例えば新しい一時性のパンデミックが起きたり、大災害や、そして、例えば国会へのテロあるいは有事があっても、あ、あって、もしも衆議院議員がいなくても内閣任せず、解散のない3議員が立法機能を使ってチェックもするという法整備が行われている。そういう考えで、これは野党の考えをかなり乗り越えて、前回の憲法審査会である程度は一致できた点だと考えています。ところが一つ抜けていることがあります。それはなぜ私たち参議院議員が無事に決まっているかということです。本当は憲法54条がパンデミック、大災害、テロ有事を想定したわけではないからです。衆議院と違って解散がないというだけです。参議院議員も不幸にもいなくなる、別次元の事態を想定していません。なぜ想定していないか。ここで猪瀬議員の指摘が生きると考えます。私たちの大切な根幹法の日本国憲法は、日本が主権を喪失していた時代の昭和21年、西暦1946年に完成して交付され、主権者に新しい憲法を出していただき、翌昭和22年、西暦1947年に施行、すなわち使い始めました。しかしそれは全て占領下の時代です。むしろ占領の始まりでありました。戦争に負けて外国軍に占領され、日本が主権を失い国家で亡くなっていたのは、昭和27年、西暦1950年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発行するまで続きました。客観的事実として日本国憲法は実質的には主権のない時代に制定され施行されました。安全保障というものは主権がないと存在しませんから、この間に作られた憲法に国民を守る規定が極めて薄い、占領軍にあとかもお任せするような特異な、つまり諸国の憲法とは大きく異なる特徴を持っているのはこのためです。講和条約の発行からも3年を経て、日本がようやく自主的な国家再建の歩みを始めようとしたのが、いわゆる55年体制ができた西暦1955年からです。まさしく猪瀬議員の指摘されたとおりですね。そして私たちの憲法を守るには、96条の改正条項を生かすことが必要です。96条はおそらくいずれは占領が終わることも、あくまで期待ですが期待して、時がくれば憲法を改正できることが定め得られています。悲惨な敗戦に至った事実を踏まえてハードルは高く設定されています。国会議員は普段にない壁を乗り越えなければいけません。一つは過半数でなく全ての議員の3分の2の賛成が必要。もう一つは国会だけで決めてはいけません。決めるのは国民です。試験者の半数が国民投票で賛成されることが最後に必要です。私はその1955年、昭和30年に、自治憲法の制定を掲げて創建された自由民主党、自民党ではなく自由民主党の元体に戻って、かつてない波乱が続く世界で、いかなら感染症、大災害有事があっても、内閣の大部分と衆院、衆参両院議員の一定数は、内閣の首脳部分と、主要部分と衆参両院議員の一定数は生き残って、国民を救う国になることを憲法の改正条項が求めるよう力を尽くしていきたいと思います。辻元議員の意見も尊重し、理解します。しかしその上で、私と自由民主党は、根幹法の憲法に国民をいつでも永遠に守る理念として囲むべきだと考えます。以上です。ありがとうございました。

1:04:18

石川大賀君。

1:04:21

立憲民主社民の石川大賀です。私からは、緊急集会の検納の範囲について意見を述べます。学会の通設的見解では、緊急集会は国会の検納を一時的に代行するものであり、その検納、すなわち内閣の提出する案件は、法律、予算などの国会の検納に属するものに及ぶことができ、緊急集会はその案件について議決できる。しかし同時に、案件の性質から見て、参議院の単独の議決のみでは許されないものや、緊急の必要性があると考えられないものは、緊急集会の検納の外にあると解される。これが学会の通設的見解であると思われます。そして具体的には、参議院の法制局の資料によれば、憲法改正の発議、内閣総理大臣の指名、内閣審議決議、条約の締結の承認、両法議員同意案件などについて解釈上の議論があるとされています。これらについてまず、憲法改正の発議は、緊急の必要の要件を満たさないこと、憲法96条が、両院での3分の2以上の発議要件を定めていることなどから、緊急集会の権限外であると考えます。内閣総理大臣の指名については、内閣府法9条の内閣総理大臣臨時代理制度や憲法71条の内閣の職務遂行義務などから、緊急の必要を書くことから、権限外というのが通設と理解します。他方、京都大学の土井新一教授は、大規模な自然災害などにより、総理ほか多数の国務大臣をかき、かつ総選挙の実施も延期せざるを得ない非常事態においては、例外的に指名可能な場合があるとの見解を示されております。さらに、内閣新任決議については、これは憲法上国会の権能ではなく衆議院の権能であることなどから、緊急集会の権限外であり、条約締結の承認については、憲法73条3号が、時期によっては、事後に国会の承認を得ることと定めていることなどから、緊急の必要が認め難いというのが通設であると理解しています。最後に、国会そのものの権能ではなく、いわゆる同意人事のように、法律によって両議員に付与された権限である、両議員同意案件については、緊急集会の権能として処理できるというのが通設と理解をしております。ここで参議院法制局長に質問をさせていただきます。予算の審議、議決が緊急集会の権能として認められるのかどうかについては、肯定説が通設と考えてよろしいでしょうか。また、本予算も含め、これを否定する学説はあるのでしょうか。教えてください。川崎法制局長、お答えいたします。学説上、一般的に参議院の緊急集会の権能の対象として予算が含まれるものと、このように言い換えされているところです。他方、予算について全面的に参議院の緊急集会の権能の対象外となるとする学説は、現時点で私どもが調べた限りでは承知しておりません。ただ、緊急集会の対象となるのは、緊急の必要性があるものに限られること、特別会の招集されるまでの間の暫定措置であることなどを考慮しますと、仮に本予算がその権能の対象外にはならないということに関したとしても、本予算が成立することなく衆議院が解散された場合には、通常は暫定予算などの必要な予算が緊急集会に提出されることになるものと思われます。以上でございます。

1:08:00

石川大賀君。

1:08:01

はい、ありがとうございます。ご答弁をいただきました。以上、緊急集会の権能については、憲法54条について、憲法を全部が定める国民主権原理及び大議制の原理、さらには、認定の趣旨なども踏まえて、その基本的な在り方及び個別の対象事項についての議論を深めていくべきであると申し上げて、私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。

1:08:24

進藤金彦君。

1:08:28

自由民主党の進藤金彦です。参議院の緊急集会につきましては、前回までの議論及び本日の議論で、相当論点が明らかになってきたんじゃないかと感じております。本件に関しましては、憲法における緊急事態への対応をどう位置づけるかということが重要でありまして、私なりに3つの視点、問題意識を持っているところであります。第一に、緊急事態、特に予測が困難な大地震、とりわけ立法府や行政府の抽出に大きな被害が及ぶことが懸念される首都直下地震が発生したときに、被災状況に即応して、立法府や行政府が躊躇なく法令に基づき、適切な判断が可能な法的整備がなされているのかどうかという視点。第二に、参議院の緊急集会について、憲法制定時に想定していた前提条件等も踏まえ、現状において緊急時に的確に運用可能なのかどうかという視点。第三に、緊急事態に係る憲法の検証検討に当たっては、最も大切な国民の命や生活を守るという視点が最優先であって、高い緊張感とスピード感が不可欠ではないかという視点であります。以上の三つの視点に即して、自分なりの考えを述べさせていただきます。まず一点目の視点、緊急時の法的整備の観点であります。国会の開会閉会に関係なく、また、昼夜にかかわらず突然首都直下地震は発生します。地震調査研究推進本部地震調査委員会の報告によりますと、マウニチュード7程度の地震の30年以内の発生確率は70%であり、巨大地震の発生に警戒を発しているところであります。現行憲法における参議院の緊急集会に関しては、前回参議院法制局の川崎局長から、制定の経緯や主な論点等について詳細に御説明いただきました。この中で参議院の緊急集会は、憲法が採用する両院同時活動の原則等の例外であり、緊急事態に対する暫定の措置であることが、これ明確に示されているわけであります。首都直下地震により国家の機能が失われる可能性も排除できない大災害を想定した場合、暫定措置のみに緊急事態対応を委ねるのではなくて、国会議員の選挙の適正な実施が困難であると認められるときは、任期の特例を定めることができることを憲法改正により明文化すべきではないかと考えております。なお、緊急事態の認定や任期の特例の期間等を含めて法律に委任する部分については、別途テーマを設定して議論を深めるべきだというふうに考えます。次に緊急整理の整定についてであります。災害緊急事態の布告は、2013年の災害対策基本法改正によりまして、同法第109条に縛られることなく布告が可能になったと理解しているところでございますが、同法109条に基づく緊急整理につきましては、基本的に国会閉会中の規定でありまして、国会開会中にあっても被害等により、物理的に国会が開会できない場合の対応が抜けているのではないかというふうに思います。このような場合には、実態として災害対応が遅延する可能性も否定できず、また災害事態の布告と憲法との関係を明確にする上でも、憲法において緊急整理への規定を設けるべきだというふうに考えます。次に第2点の視点、参議院の緊急集会の的確な運用確保の観点であります。参議院の緊急集会につきましては、昭和34年10月8日の憲法制定の経過に関する省委員会第28回において、佐藤達夫参考人が衆議院の任期満了については軽く見ていた、つまり解散時を念頭においた規定である旨の発言をしております。本件に関する政府見解は、解散という予測しない事態の場合に限って特に明文の規定をもって認めだとする見解と、任期満了も累推適用が許されるという見解の両論があって結論を至るに至っていません。また学説も二分されています。さらに緊急集会の期間や検納の範囲についても解釈上議論があるところであり、こうしたことも含めて現状及び想定している将来を見据えて解釈等で曖昧な部分は本日も種々の議論がなされておりますけれども、本庁紗会でさらに議論を重ねて結論を得るべきと考えます。次に第3点目の地点スピード感であります。これまでルール述べてまいりましたが国会議員の任期の特例と緊急政令の制定については私は速やかに憲法に移り続けるふうに考えます。ただし本庁紗会においても各委員から各種課題が提起されておりまして、この辺につきましてはテーマを整理して深掘りをした議論をして、これ結論を得るということをしっかり行っていくということを希望し私の発言を終えさせていただきたいと思います。以上でございます。

1:13:28

小川千駿君。

1:13:30

私からは緊急集会を開く期間について意見を述べます。前回我が会派の杉尾筆頭幹事は緊急集会についてその立法事実として地震等の大災害で緊急の立法措置を講じる必要が生じた場合に備えて措置されたものであること、またその根本趣旨として金森担当大臣答弁にあるどんなに精緻なる憲法を定めましても、公実をそこに入れてまた破壊せられる恐れ、絶無とは断言しがたいという戦前の反省を踏まえ、全国民を代表する議員からなる国民代表機関であり、全体の改選期のない万年議会である参議院にその国会代替機能を求めることにより、民主政治を徹底するという考えに立脚する制度であることを申し述べました。そしてそれが故に、こうした緊急集会の立法事実や根本趣旨と明確に矛盾する議員任期延長の会見の根幹の考えである緊急集会70日間限定説に対して、会派として明確に反対するとの見解を申し述べました。また緊急集会が憲法54条1項の70日を超えることを、本文のもちろん解釈と、すみません、もちろん解釈からして当然であるとした高見 常治大名誉教授のもちろん解釈をはじめ、土井京都大学教授、長谷部早稲田大学大学院教授も明確にそうした場合の緊急集会を実施可能と論じられております。緊急集会70日間限定説を唱える会派にあって、こうした我が会派の見解や、それと同種種の憲法学者の見解にどのようなお考えをお持ちなのか、ぜひ論理的な憲法議論としてのご意見を伺いたいと思います。この点、先ほどの公明党の安江先生と矢倉先生のご見解に深く敬意を表させていただきます。他方、第二次安倍政権以降、現行憲法のもう一つの臨時緊急措置である臨時国会の招集要求が政府や与党に拒否されているのは極めて有意識事態であり、緊急時における国会技能の確保のためと称してなされている議員任期の延長の会見議論の中で、この国民を裏切る国会機能の否定の問題が議論されていないことは極めて不可解であり、法の支配、立憲主義の観点から重大な課題と言わざるを得ません。まず、参議院法制局長に伺います。一般論として、憲法違反問題は国会法上の衆参憲法審査会の法的任務であることについて答弁ください。川崎法制局長、お答えいたします。あくまでも憲法審査会の所管に関する一般論としてお答えをさせていただきます。憲法審査会の所管との関係で、いわゆる憲法違反に関する問題を含む日本国憲法の施行、遵守の状況に関する調査がその所管に含まれるかどうかにつきましては、その所管事項を定める国会法102条の6の日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について公判かつ総合的に調査ということにまさしく含まれるものと考えられる。このように承知しております。

1:16:45

小川千佳彦君。

1:16:47

明確な御答弁をありがとうございました。これを踏まえて中曽根会長に本審査会での臨時国会招集義務違反の調査の実施をお願いしたいと思います。憲法53条の政府解釈は、内閣は臨時会で審議すべき事項等をも勘案して、招集のために必要な合理的な期間を超えない期間内に臨時会の招集を行うことを決定しなければならないとされ、特に菅政権以降は国会のことでもあるので、与党とも相談しながら臨時会招集要求への対応を検討すると答弁しています。これについて、2022年、2021年の夏は感染症が爆発的に猛威を振るい、医療崩壊や経営破綻などのコロナ禍で多くの国民が命や暮らしの危機に直面する中、子育て世代の国民が我が子を残しながら亡くなるという痛ましい悲劇が多数生じました。通常国会後の衆参の野党会派による臨時会招集要求に対して、それに答えなかった政府与党が、その間に一体何を臨時会で審議すべき事項等を勘案し、検討していたのか、なぜそれぞれの80日後、46日後の招集が合理的な期間を超えない期間内と考えるのか、これらを含めて、当時、政府と与党で一体何を相談し、一体何を招集要求への対応として検討していたのかについて、本審査会に内閣総理大臣の排出政党である自民党会派からの説明資料の提出を求めます。ただいまの件につきましては、後刻幹事会において協議をいたします。ありがとうございました。この問題については、議員任期の延長の会見に賛成する他の与党会派におかれましても、真摯なる御検討をいただきたいと思います。私の意見を終わります。

1:18:42

自由民主党千葉県選出の臼井昭一です。本審査会における発言の機会をいただき、ありがとうございます。前回の審査会における参議院法制局長からの御説明、また本日までの議論を聞く限り、衆議院が解散された場合に限らず、衆議院議員の任期満了の場合にも緊急集会を開き得る、という有力な学説があることは理解しております。しかしながら、たとえ任期満了の場合に緊急集会を開くことができるとしても、それだけでは緊急事態への備えとして十分とは言い難いように感じます。私がとりわけ懸念しているのは、衆参同時選挙の場合の緊急事態への対応です。例えば、参議院の通常選挙の直前に衆議院が解散され、その直後に大規模災害等が発生して、いずれの選挙も実施できない場合、任期中の国会議員は参議院議員248名の半数、わずか124名になってしまいます。国会議員の想定数は、衆参合わせて713名ですから、そのうちの124名というと、約6分の1、通常時の2割にも満たない人数です。会議の定則数は、総議員の3分の1ですので、参議院議員の半数が存在していれば、緊急集会の議事は成立しますが、選挙ができなくなるような緊急事態における重要な決定を、これほどわずかな議員にうだねてしまって本当に良いのでしょうか。ごく限られた人数の国会議員によって意思決定が行われた場合、その決定は、民意がきちんと反映されたものといえるのか疑問です。そもそも大規模災害発生時の、発生時であれば124名の非改選議員の中には、被災して参集できない議員も出て、会議の定則数すら満たせない事態になりかねません。そうなれば、被災地や被災者への緊急の支援に支障を来すことになり、国会の責任を果たすことができないこととなります。私はいついかなる時でも、国民を守ることができるよう、あらゆる事態に備えることが国会議員の責務であると考えます。改めて申し上げるまでもなく、緊急集会は参議院の重要な役割であり、その具体的なあり方について検討すべきであることは当然です。その上で、緊急集会で対応しきれない場合に備え、憲法を改正し、国会議員の任期延長を含む緊急事態条項を設けることについて、積極的に検討することも必要だと考えています。国会議員の任期延長については、前回の審査会において、一部の委員から消極的な意見がありました。しかし、東日本大震災の際には、直後に予定されていた統一地方選挙に関し、臨時特例法による地方議会の議員等の任期延長が行われています。このときの臨時特例法には、当時の民主党の議員も共産党の議員も賛成されており、当時の被災地の状況を考えれば、いたしかたない措置との評価であり、大きな批判の声は出なかったと記憶いたしております。私は地方議会出身の国会議員として、議員が選挙で選ばれることの重要性は、地方議会であろうが国会であろうが、何ら変わるものではないと確信をいたしております。その上で、国会議員の任期延長に反対する議員の皆様は、なぜに地方議員の任期延長に賛成できて、国会議員の任期延長に賛成できないのか、私には理解できません。有識者に真を問う選挙は民主主義の根幹であり、それを安易に延期することはもちろん許されません。現実問題として選挙の実施が困難な事態は、東日本大震災や阪神淡路大震災の実例があるのですから、それを超える事態にも対応できる規定を用意しておくことは、むしろ民主主義にするものと考えます。私の地元の浦安市でも液状化等の被害が起きて、地方選のときに選挙は執行されましたけれども、地元自治体が選挙事務ができないということで、選挙が再選挙になるという事態も起きました。12年前の臨時特例法の例を見ても必要な措置であり、国民の理解も得られる、私は任期延長についてはそのように考えております。現行憲法に定められた緊急集会は大変重要なものですが、いかなる緊急事態においても、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会の機能を維持し、民主主義の営みを絶やさないため、国会議員の任期延長については、前向きな検討が必要であると申し上げ、私の意見といたします。

1:23:12

熊谷博人君。

1:23:14

立憲民主社民の熊谷博人です。私は前回に続いて、緊急集会における議員が発議できる案件の範囲について、意見を述べさせていただきたいと思います。先週の公明党の西田幹事の御意見に、国の緊急の必要のある場合には、内閣により広範中小的な案件の設定や随時の案件追加による対応は本当に許されないのかという、そもそも内閣の示す案件国会法99条の範囲も含めた問題提起を隣で聞かせていただきました。この件については、過去の二つの実例においては、法律案などの個別の議案のみが案件として示されていますが、例えば大規模な自然災害が発生した場合などが該当すると考えますが、京都大学の土井新一教授が緊急事態に対する広範な措置を随時講じる必要がある場合には、案件を包括的に示そうかなく、それに応じて議員の議案提出権や質疑討論等の及ぶ範囲も広く認められることになるとの見解が述べられており、これは私は合理的な見解ではないかと考えているところです。その上で、前回私から参議院の緊急集会中に、国に緊急の必要が、新たな案件が発生した場合に、二つの制度を提案させていただきました。一つ目は改めて、内閣が参議院の緊急集会を求めなくても、該当案件に対応することができるよう、内閣総理大臣が緊急集会において審議すべき新たな案件を示すことができ、議員はこの新たな案件に関連のある議案を発議することができるものであり、もう一つは、緊急集会の招集中も本会議や委員会の開催は可能であることから、参議院は内閣総理大臣に対し、新たな案件を示すように促す制度でありました。ここで参議院法制局長に伺いますが、仮にこの二つの制度を阻止する場合に、何か憲法上の問題があり得るのか、また実際の制度化に当たっては、国会法の条文改正が必要になるのか、あるいは条文改正が望ましいといった観点を含めて、御見解を答弁をお願いします。

1:25:32

川崎法制局長

1:25:34

お答えいたします。憲法54条2項正しがきは、内閣は国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができるとするのみで、その場合の案件の示し方について規定しているわけではありません。他方、国会法99条1項は、内閣が緊急集会を求める際に、案件を示すこととしており、それを受けて議員発議について定める国会法101条では、99条1項の規定により示された案件に関連あるものに限る旨、規定しているところでございます。そのようなことからいたしますと、緊急集会の途中で内閣が案件を追加で示すことができるようにするために、その旨を国会法に明記するというのは、一つの考え方ではないかと思います。その一方で、参議院から内閣に新たに案件を示すよう促すことにつきましては、その判断はあくまでも内閣が主体的に行うことを前提とするものであれば、そのような行為は事実上の行為であり、それを可能とするために法律上の規定を設ける必要はないということになるものと思いますけれども、その具体的な仕組みややり方については、様々な議論があり得るところであり、それらも踏まえて検討がなされることになるのではないかと思われます。以上でございます。熊谷博史君。ありがとうございます。前回私が問題提起させていただきました、内閣から新たな案件が示されない場合でも、内閣総理大臣が示した案件に関連のある議案以外の議員による発言を認める余地があるかどうかについて、意見を最後に述べさせていただきたいと思います。昭和34年の参議院事務局による憲法第54条の緊急集会の要件たる緊急の要件の認定を挙げて緊急集会を求める内閣の側にあり、また臨時国会の場合と異なって議員の側には緊急集会の要求権はないということから、一般的に議員の発議権を認めることは困難であるとの見解については、緊急の必要の認定権限を内閣のみに独占させるのは、憲法全文に明記されている国民主権、議会性民主主義の趣旨と必ずしも整合しないのではないか、そして臨時国会の招集要件はもっぱら議会少数派のための検納ともされており、これがないことが緊急集会の議案発議権を制限することの直接的な根拠として合理性があるのかなどの問題意識を持つものであります。他方、国民を代表する参議院からなる国会代替機関による緊急集会でも任性の例外であることは間違いなく、そうであるならば、憲法五十四条三項の衆議院の自己同意があるとしても、権力抑制の立憲主義の観点からも議員による発議については一定の制約があると考えております。この点についても議論の余地があると思っております。以上です。

1:28:35

加藤昭雄君。

1:28:36

はい。自民党の加藤昭雄でございます。発言の機会をありがとうございます。参議院の緊急集会は憲法第五十四条第二項の規定により、衆議院の解散中に参議院が国会の検納を暫定的に代行する制度であり、内閣が参議院に対して緊急集会を求めることができますが、衆議院解散中、国会の決議を要する予測すべからざる緊急の問題が発生した事態に対し、参議院の緊急集会は国会制度の重要な補完機能であると考えます。参議院のみの審議となることで、国会の検納の限界や70日上限とする解散日数の論点制度もありますが、武力攻撃、損率危機、大規模災害の規模など、緊急の必要がある場合の判断基準についても、これから十分なシミュレーションが必要であると考えます。また、内閣の提案に対して、参議院は否決することが可能とのことでありましたが、ねじれ国会の際の議論は混乱することが想定されると思います。内閣からの提案に対し、参議院の緊急集会で否決された場合には、国会機能がストップすると考えますが、その場合どうなるのか、これは大いに疑問に思います。川崎参議院法制局長からの御説明にありましたように、また参議院の緊急集会の開催の条件である、緊急開催に要する予測すべからざる緊急の問題の定義についてでございますが、これは予測できないような展開や思いがけない出来事、突然のアクシデントや想定外のトラブルを指し、大規模な地震、津波、台風など大規模な自然災害、外部からの武力攻撃、感染症のパンデミック、テロなどの国家存亡の危機的な状況が発生した場合などを想定します。これらの深刻な事態というのは、東日本大震災、新型コロナウイルスのパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻など、また北朝鮮による弾道ミサイルの発射など、現に日本に、もしくはすぐ日本の身近に発災していることばかりであります。これらの事態がいつ日本に起きても不思議ではない状況であり、果たしてこれらは不足の事態と言えるのかと疑問に思います。例えば弾道ミサイルが日本海域で船舶や航空機に被災した場合、さらには日本列島に着弾した場合、また台湾周辺での不足の事態において、日本人が被害に遭うなどの事態は起こり得る可能性の範囲であると思います。これらの想定される最悪の事態と言えるものは、想定していませんでしたでは済まされないものと考えます。いかなる緊急事態も包括したマルチハザード型の体制整備が必要不可欠と考え、そのために必要なのが緊急事態条項による対応ではないかと考えます。特に有事のタイミングは国内の政治要請が不安定であり、災害の混乱に乗じて行われることも十分想定しておかなければなりません。また弾道ミサイルが発射された場合、約十分程度で日本に着弾する、こうした国会承認に基づく防衛行動が困難なケースなど考えられるあらゆる災害や有事に対して、対応を想定し国民の生命と財産を守るための備えをしておくのが国会の役目であり、そのための議論を行わないのは国会の対応意外の何者でもないと考えます。参議院の緊急集会の起こり得る備えを議論するのがこの憲法審査会であり、不備があるならばどのように補うのか早急に問題提起し議論を深めるべきであり、毎週のように開催しても時間が足りないくらいであります。頻繁に議論をすることが国民の憲法論議に広く関心を深めていただくことにもつながると考えますが、今後も審議を継続する中で様々な問題点を議論して深めていただきたいと考えます。以上で意見とさせていただきます。ありがとうございます。他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

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