3:04
ただいまから経済産業委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに北村恒夫君が委員を辞任され、その補欠として堀井岩男君が占任されました。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、内閣官房GX実行推進室長兼経済産業省経済産業政策局長飯田雄次君ほか16名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。ご異議ないと認め、作用を決定いたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案を議題といたします。
3:54
政府から出説明を聴取いたします。西村国務大臣。
3:58
おはようございます。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び用紙をご説明申し上げます。世界的規模でカーボンニュートラルの実現に向けた大規模な投資競争が激化しております。こうした中で、我が国においても、2050年カーボンニュートラル等の国際公約と産業競争力の強化を通じた経済成長を同時に達成するグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXを実現するため、官民で連携して、今後10年間で150兆円を超えるGX投資を実現する必要があります。そのためには、今後10年間で20兆円規模の大胆な先行投資支援を行うとともに、炭素排出に根付けを行う成長志向型カーボンプライシングを将来導入する方針をあらかじめ示すことにより、事業者の先行投資を促進する仕組みを阻止する必要があります。本法律案は、こうした内容について取りまとめ、令和5年2月に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針に基づき、所要の措置を講ずるものであります。次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。第一に、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、政府は脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を策定することとします。第二に、設備投資支援等脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に充てることを目的として、政府は令和5年度から令和14年度まで脱炭素成長型経済構造移行債を発行するための措置を講ずることとします。第三に、令和10年度から化石燃料の輸入事業者等から化石燃料付加金を徴収するとともに、令和15年度から発電事業者に対して二酸化炭素の排出額を有償又は無償で割り当て、有償で割り当てる排出額の量に応じて発電事業者から特定事業者負担金を徴収するための措置を講ずることとします。第四に、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に化石燃料付加金及び特定事業者負担金の徴収排出額の割り当て、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する債務保障等の支援等を行わせるための措置を講ずることとします。第五に、政府は脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資の実施状況等を踏まえ施策のあり方について検討を加え、その結果に基づいて所有の措置を講ずることとします。また、排出額等に係る制度を実施する方法を検討し、この法律の施行後二年以内に必要な法制上の措置を講ずることとします。以上が本法律案の提案理由及びその用紙でありますが、この法律案に つきましては衆議院で修正が行われたところであります。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者、衆議院議員小野太輔君から説明を聴取いたします。
7:11
ただいま議題となりました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。この法律案では、五年後や十年後に開始する制度についても規定していますが、我が国の繁栄を持続可能なものとするための重要な経済成長戦略としてGXを進めていくためには、二酸化炭素の排出に関わる国内外の経済動向等に応じ、枠にとらわれることなく柔軟に制度設計を考えていくことが必要であります。衆議院における法案審議においても、施行後二年以内に講ぜられる法制上の措置において、カーボンプライシングの開始時期や規模、対象について見直すことも排除されない旨の答弁がありました。本修正は、このことを踏まえ、法制上の措置に先立つ検討の対象を法文上でも明確にするものであります。次に修正部分の内容を御説明申し上げます。規則の検討状況を修正し、政府が施行後二年以内に法制上の措置を講ずる際には、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策のやり方についての検討も行うことを明記することとしております。以上であります。委員各員の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。以上で、出説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。では、次の説明をお送りいたします。
9:18
これより質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。中田博志君。
9:27
おはようございます。住民主党の中田博志でございます。今日は長丁場の委員会でありますから、大臣はじめ、ご答弁いただく皆様方にはどうぞよろしくお願い申し上げます。私も今から1時間弱まとまった時間を使って、極めて重要なこの法案に対しての質疑をじっくりと大臣中心にお伺いを申し上げていきたいと思っております。おととい16日ですけれども、G7の気候エネルギー環境大臣会合が札幌で行われました。ここでも天然ガスの段階的な廃止、これを合意をしたとこうした法が流れておりますけれども、あらゆる角度から考えても、このGX推進というのは、我が国の私は不賃をかけた、極めて重要な取組だと考えていますから、冒頭も申し上げたように、これ重要だということで、大臣を中心にお伺いをしたいと思っているわけです。まず、先月EUが公表したネットゼロ産業法案というのがありますので、これをご紹介したいと思います。このネットゼロ産業法案でありますけれども、アメリカのインフルエンジン抑制法に対抗してEUの動きとして報じられています。ただ、実はこのEUが示した法律案でありますけれども、提案理由の一つとして、本日審議を今からする我が国のグリーントランスフォーメーションGX政策、これがこの資料の中に出てくるんです。資料の1、ごらんをいただきたいというふうに思います。資料の1、これ英文でありますけれども、一番下赤で囲ってあるところ、その一行目のジャパンズというふうに書いてあるところから、以下3行ですけれども、これは今申し上げたとおり、我々の今審議をするGX推進法案、これが出てくるんですね。すなわち日本を意識をしてEUも負けてはならんということで、日本も本気、EUも本気ということで世界中を挙げて投資競争ということになる。これがEUの意識であります。そういう意味では我が国が先んじてこの法案を打ち出して、脱炭素と、そして今日は繰り返すことになりますけれども、経済成長、これをともに実現をしていかなければならないわけであって、その具体策を示すことができたという点はこれを大いに評価をすべき法案だというふうに考えています。ただ、この脱炭素と経済成長の両立というのは、これ当然ですが言うはやすし、行うはがたしということでありまして、例えばですね、もう一つ資料をご覧いただきたいと思いますけれども、資料の2。慶応大学の野村浩二先生の、これは分析です。この分析ご覧をいただきますと、2008年から2019年の間に、この10年の間に、我が国のエネルギー生産性は1.4ポイント改善をしていることがわかります。そのうち0.4ポイント、つまり3割になるんですけれども、これはエネルギー多消費産業の海外移転や規模縮小などの産業構造変化によってもたらされたというふうに分析されています。つまりどういうことかといえばですね、省エネは進んだけれども、国内産業が縮小しているという可能性、これをですね、この分析は物語っているわけです。そういう意味では脱炭素、これを実現すれば良いということではなくて、脱炭素だけを実現するんだったらビ ジネスを中止、工場を閉鎖、海外に移転すると。こうした経済規模を縮小していくということが最も簡単な対応策になるわけです。しかしこれは当然ですけれども、我が国が目指すものではありません。自らの排出削減、これを進めながら、我が国の強みを生かして世界の排出削減に貢献する。世界への貢献ということも通じてですね、我が国の経済規模も拡大させる。そして産業競争力、経済成長を実現していくということがこの推進法の目指すところ。私はそう考えるわけでありまして、それこそ我が国が目指していくGXである。そう考えます。その意味において、まず冒頭でありますけれども、GX担当大臣、西村大臣のですね、まず今の、これから質疑に入っていく前提、これについて大臣の意気込みをお伺いしたいというふうに思います。
14:53
ご指摘のように、いかに産業競争力を強化し、経済成長と両立させながらですね、このカーボンニュータラルを実現して いくか、そしてそのことを日本がリードしていくということが重要であるというふうに、全く共通の認識を持っております。まさに先週末開かれたG7の札幌での気候エネルギー環境大臣会合におきましても、グリーントランスフォーメーション、GXということが初めて公民受けに盛り込まれております。GXの各国と確認をしたところであります。このGXの実現に向けてはですね、日本の強みである技術を生かした革新的技術開発を進め、まさに民間の創意工夫を引き出しながら、イノベーションを創出していくということが重要でありますし、この公民受けのあちこちにイノベーションの重要性が散りばめられております。例えば、日本初の次世代太陽電池のペルボスカイト、これも書き込まれておりますし、二重式の風力発電も開発するといったことも書かれております。また、水素アンモニアの重要性についても共有をしたところでありますし、日本としては、例えば抜本的なCO2削減を実現する水素還元製鉄、こういったことにも取り組んでいきたいというふうに考えております。このため、まさに今回の法律案で成長志向型カーボンプライスニング構想ということで、官民で今後10 年間で150兆円を超える投資を引き出していくために、まずはGX経済公債を活用した20兆円規模の大胆な先行投資支援を行っていくと、これによってイノベーションを引き起こし、世界をリードしていきたいというふうに考えております。いずれにしても、技術でイノベーションで世界をリードしながら、経済成長と脱炭素化と同時に、エネルギーの安定供給も含めて、両立実現をしていきたいというふうに考えております。
16:44
ありがとうございます。排出削減だけを進めていくというような取り組みであれば、これは環境政策としては当然重要ということになります。ただ、環境政策といった面における脱炭素であれば、既存の予算も存分に存在をしているわけです。そういう意味では、これまでも措置されてきた予算を十分に活用して取り組んでいくということを、継続していかなければいけない。ただ、今回このGX推進法に関しては、脱炭素と経済成長、この両方をしっかりと勝ち取っていか なければいけない。それが日本経済が扶養していくという意味において、極めて重要だということになるわけです。そういう意味では、我が国として何としてもこれは実現をしていかなければならない挑戦という観点から、以下、順次の質問をしてまいりたいというふうに思います。まず、GXの実現に向けた戦略ということについてお伺いをしていきます。まず、この法案でありますが、GX経済移行債、それから成長志向型カーボンプライシングなどですね、我が国がGXを実現していく、そのために必要となる画期的な政策が規定をされていまして、先ほども申し上げたように、大いに評価をしたいというふうに思っています。一方で、こうした政策でありますが、これGXの実現に向けて必要な手段、ツールです。それらをいかに有効に活用していくか、これこそが最も重要な論点ということになります。ツール設計の詳細に関する議論、これはもちろん重要なんですけれども、それだけに終始することなく、脱炭素と経済成長の同時実現という大目標に向けて、野心的でしたたかな戦略を構築、そして実行していかなければならないと考えます。本法案の第6条ですけれども、GXを総合的かつ計画的に推進するための戦略を策定実行するとしまして、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略が規定をされています。こうした戦略なんですね。この戦略を策定して着実に実行していく際には、単に政策ツールを並べたということではなくて、私は大目標から逆算をして、我が国はどこに一体勝ち目があるのか、どこに投資を重点的にやっていくべきなのか、という分析を官民国内外の知見も踏まえて、まず実証する。その上で必要と思われる投資促進策を実行していくという、この順番、これが必要だというふうに考えますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。
19:51
先生、ご指摘いただいたとおり、GXの実行に向けましては、国内外における市場技術開発の動向などを踏まえた上で、必要と考える分野に限定をして投資促進策を講じていくことが重要であると考えております。投資促進策におきましては、成果が出ることが明確なものは民間に任せる一方で、技術の不透明性が高く、リスクのある革新的技術開発を官民で強調して進めることが大変重要です。その実行に当たりましては、ご指摘いただきましたとおり、技術開発や競争力の状況等について、外部の専門家の目を入れた仕組みも入れて実行してまいります 。加えた排出削減と産業競争力強化、経済成長を両立する観点から、効果の高い施策に重点を置いて取り組んでいくことで、ご指摘いただきましたとおり、勝ち目のあると考えられるものに、投資が促される仕組みを講じてまいりたいと思っております。その上で、投資促進策を講じた後には、官民でのGX投資の進捗状況、グローバルな動向や経済の影響、技術開発の動向なども踏まえて、定期的に進捗強化を行い、効果的な見直しを実施することとしております。これらの取組を通じまして、産業競争力強化、経済成長及び排出削減の同時実現に向けて、効果的な投資促進策を実行してまいりたいと考えております。
21:10
今、御答弁いただいたように、勝ち目のあるものは民間で、そしてリスクがあるものを官民協調で、という、このこと極めて重要ですし、後でこのことはさらにお聞きをしていきたいというふうにも考えています。今、答弁いただいたように、投資を促すツールの議論だけではなくて、日本はこの先どこに投資していくべきなのかということを、この中身、その分析も、ぜひしっかりとまずやっていただきたいというふうに思います。その際、一つ留意していただきたいことがあって申し上げますと、経営学においては世界的な経営学者のクレイトン・クリステンセン氏が提唱したイノベーションのジレンマという理論があります。現在のビジネスの延長線上にある、それこそ日本語、改善を重ねる有料企業はですね、新しい革新的な技術を軽視してしまって、その地位を失うリスクがあるというものです。このジレンマが生じる理由の一つとしては、クリステンセン氏は、存在しない市場は分析はできない、ということを挙げています。かね、分かりやすい分析は、時に十分にデータの取れる既存の市場を優先した結果を導きがちであるからこそですね、新しい技術革新などの変化を見落として、結果有料企業が新興企業に背退をしてしまうということが起こるということでもあります。したがって、現在得られている確実な情報だけを頼りにしないで、将来国内外で一体どのような市場変化が起きていく可能性があるのか、その変化をもたらす条件は一体何なのか、こうした点について複数のシナリオ、これを踏まえた分析をぜひ行っていただきたいというふうに思います。さて、その観点からですね、外需獲得に向けた方策ということを伺いをしていきたいと思います。特に経済成長、先ほどから申し上げてますけれども、この目的に照らせば、我が国の一部の産業が国内で成長するということだけではなくて、我が国経済全体をどう広げられるか、という視点が必要であります。例えばですね、排出量の多い産業は衰退をしていくと、グリーンな産業はどんどん成長するというようなですね、国内における産業企業間の富の移転となるのではなくて、採出削減を軸にビジネスを変革するということで、特にアジアを中心とした旺盛な需要を獲得して、経済全体のパイを拡大していくということが必要だと考えます。この点、ちょうど先月末に、地球温暖化対策に関する国際団体、WBCSDが、企業が顧客企業などの排出削減にどの程度貢献するかを定量化するためのガイダンスを策定しました。お手元、資料3ですね、英語の資料で、Executive Summaryと書いてある資料をご覧いただければというふうに思います。ここに書いてあるのが、今申し上げたガイダンスになります。省エネ、低排出の家電や産業用品などは、作れば作るほど、自らの排出量は増加する一方で、顧客企業や社会全体の排出貢献には大きく貢献するため、こうした貢献が世界的に評価されるためのルールが整備されれば、世界の排出削減に貢献しながら経済成長を実現することができます。すなわち、省エネ製品を、例えば家電メーカーが作っ たと、省エネ製品ですから、作れば作るほど脱炭素にはこれは貢献すると、ただ作っているメーカーは、これは炭素を多く出すということになってしまうわけですよね。そういうことまでトータルで考えていくという、この画期的なルール形成の裏には、西村経済産業大臣のリーダーシップの下で、ルール形成に向けた取り組みが進められてきたというふうにも承知をしています。こうしたルール形成の取り組みを通じて国内外の需要を喚起しながら、それに応える日本製品を投資支援によって磨き上げていくと、こうした需給両側の措置が重要だと考えます。特にアジアということです。アジアについては世界全体の排出量の約半分を占めています。大きな排出削減需要があると思われますが、ヨーロッパなどと比べれば再生可能エネルギーの導入ポテンシャルは小さく、単に太陽光パネルを導入すれば排出削減が進むというわけにはいかない課題があります。しかしアジアは2050年までに経済起業は約3倍に、電力需要もやはり3倍になるという推計があります。こうした経済成長のポテンシャルを活かしながら排出削減を進めていく難しさであります。こうしたアジア特有の事情もある中で、アジ アの排出削減と経済成長を実現していくためには、まさに今回のGXのような排出削減と経済成長の双方に資する取組に対する膨大な需要がある。そう考えていいと思います。そこで国内での投資支援と合わせて、アジアを中心とした排出削減需要の獲得に向けて、いかにルール形成も含めた需要創出策を講じていくのか、我が国はそれをいかに経済の成長につなげていくのかという観点についてお伺いしたいと思います。
27:14
まさに御指摘のとおりですね、日本が強みを有する省エネ技術などを通じて、アジアなど排出削減ポテンシャルの高い地域の脱炭素化に貢献していくことは、世界全体でネットゼロを実現していく上でも重要だというふうに認識をしております。その観点から、経産省ではですね、企業による削減貢献を定量化する仕組みの構築、まさに省エネの型の商品を作れば貢献するわけでありますので、そうした削減貢献を定量化する仕組みの構築に向けて、御指摘の国際的な民間団体であります、持続可能な開発のための経産人会議、WBCSDとともに、その具体化に取り組んできているところであります。先週末開催されましたGXの会合におきましても、この削減貢献量を認識することの重要性、そしてそれが脱炭素技術の展開を加速するための資金動員につながり得ること、また国際標準の必要性など、今後の発展に向けた期待と課題について、GXの各国間で初めて共通の認識を持つことができたわけであります。また先月には、アジアの国々とともに、各国の事情に応じたエネルギートランジションを目指す、アジアゼロエミッション共同体、AZECを枠組みとして立ち上げたところであります。GXの会議でも、2050年に向けて排出削減が講じられていない化石燃料はフェーズアウトするという大きな方向性を共有したところでありますが、一方で、アジアを中心とするグローバルサウスの国々の成長に伴うエネルギー需要に対応するためにも、天然ガス、LNGの重要性についても記載がされているところであります。AZECパートナー、アジ アの国々とも協力し、小エネルギー、再エネルギー、そして水素アンモニア、CCUS、こうした我が国に強みのある脱炭素技術に対する需要を創出することができれば、御指摘のようにスケールメリットを生かして技術導入コストを低減させることは可能でありますし、加えて標準作り、ルール作りといった政策強調や脱炭素技術の開発実証、実装に向けた支援を行うことで、我が国の技術のアジアでの展開、これをはかり引いては、我が国の経済成長につなげていくことができるものと認識しております。こうした考えの下で、国内におけるGX経済交際を活用した先行投資支援による、我が国企業の技術開発イノベーションによって、競争力を強化していくことに加え、このような仕組みやプラットフォーム、またルール作りを指導することによって、世界の成長エンジンともいわれるアジアの脱炭素化に貢献していくと同時に、脱炭素技術に対する需要を取り込み、日本の経済成長にもつなげていきたいというふうに考えております。
30:04
今、アジアゼロエミッション共同体ということも言及がありましたけれども、これも日本がリードして合意形成をしてきたということになりますし、ぜひ西村大臣にはルールメイキング、このことをしっかりと世界でやっていただいて、そうした国際戦略と一体的に国内の投資促進策を進めることで、排出削減と経済成長の両立を推進していってもらいたいというふうに思います。次に投資促進策の方針ということについてさらに聞いていきたいと思います。国内の投資促進策でありますが、我が国が誇る排出削減技術を踏まえて、大胆な先行投資支援を行うということでありますが、再エネからCO2の回収等に至るまで、GXに関連する技術は様々存在をしています。それぞれの技術の開発段階、特性などによって、民間企業だけでは追い切れないリスクの規模、性質は大きく当然異なるわけですけれども、いかに効果的、効率的に投資を促していくのかということが問われます。例えば、今や時価総額でトヨタを超えているアメリカのテスラ車でありますが、2008年に初のスポーツカータイプの電気自動車を販売開始しましたけれども、その後、アメリカエネルギー省参加の期間から4億ドル超のデッドファイナンスの支援を受けました。資料をご覧いただきたいと思います。テスラの車が乗っている資料ですね。資料のこれは4であります。これがアメリカのエネルギー省がテスラの支援、デッドファイナンスを決めたときの、これは広報しているホームページということになります。これを機にテスラは現在もテスラ車の主要マーケットである一般自動車業界に参入をしていったわけです。ある意味では、それまではテスラの車というのはマニアが乗ってた車というものからですね、一気にアメリカの国民が憧れる大衆車というふうになって、そしてどんどんその先、今や自動車メーカーという具合にテスラは発展をしていったわけです。実は当時のテスラ車は工場の新設など莫大な初期投資が必要だったものの、民間金融機関からの資金調達には失敗をしていたんですね。その初期投資を実行する資金があれば将来収入の獲得が見込まれるという状況にはあったわけですが、