1:10
ただいまから、資源・エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。委員の異動について、ご報告いたします。昨日までに、勝部健次君が委員を辞任され、その補欠として、小賀千影君が選任されました。また、本日、新妻英樹君が委員を辞任され、その補欠として、八倉克夫君が選任されました。原子力とエネルギー・資源・持続可能社会に関する調査を議題といたします。本日は、資源・エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和のうち、資源・エネルギーと持続可能社会をめぐる情勢について、政府から説明を聴取し、質疑を行った後、委員間の意見交換を行います。本日の議事の進め方でございますが、経済産業省から15分程度、環境省から10分程度、外務省から5分程度、それぞれ説明を聴取し、1時間30分程度、質疑を行った後、1時間程度、委員間の意見交換を行いたいと存じます。なお、御発言は着席のまま で結構でございます。それでは、はじめに経済産業省から説明を聴取いたします。
2:33
経済産業副大臣の太田夫妻でございます。調査会に御指示いただきました項目に沿って、御説明をさせていただきます。まずは、ウクライナ侵略による資源エネルギーをめぐる新たな局面についてであります。3ページを御覧ください。昨年のG7首脳声明におきまして、持続可能な在帯供給を確保するための時間を確保しながら、石油や石炭を含め、ロシアのエネルギーへの依存をフェーズアウトすることにコミットいたしました。4ページから6ページには、原油、天然ガス、石炭の価格動向をお示ししております。いずれも価格は高騰の傾向にあり、特に天然ガスにつきましては、昨年2月からのウクライナ危機以降、価格が急遭しておりましたが、現在では御覧のように落ち着きを見せております。7ページを御覧ください。日本の化石燃料の輸入割合をお示ししております。8ページを御覧ください。サハリンⅡは、LNG輸入量の約10%を供給し、総発電量に換算すると約3%に相当するなど、エネルギー安定供給の観点から重要なプロジェクトです。仮に供給途絶が起これば、電力・ガスの安定供給に影響を与えかねません。引き続き、経営機を維持すべく、官民一体となって万全の対応をしてまいります。ロシア大統領令によりまして、昨年ロシアに創業を行う新会社が設立をされましたが、日本企業は新会社への参画を申請し、ロシア政府に承認をされたところです。続いて、資源エネルギー情勢のうち、国際情勢についてお説明を申し上げます。10ページをご覧ください。こちらは、G7各国における一時エネルギー自給率と化石燃料のロシア依存度を示しております。我が国の一時エネルギー自給率は、OECD加盟国の中で下から2番目の低さとなっておりますが、化石燃料のロシアへの依存度は、イタリアやドイツと比べると相対的に低い状況です。11ページをご覧ください。ウクライナ基地を契機に、化石エネルギーに依存することによるリスクが顕在化をいたしました。欧州では、フランスの原子力推進やドイツの再生可能エネルギー拡大など、各国は置かれた状況に応じた政策を展開しております。12ページにお示ししておりますのは、電源構成の国際比較でございます。13ページから17ページにつきましては、原油、天然ガス、石炭、ウラン、重要鉱物の貿易外境を示しております。各資源の市場はグローバルに連動をしており、すぐに使える資源に乏しい我が国では、調達先の多角化などの工夫が求められております。続いて、国内情勢についてご説明をいたします。19ページでございます。我が国のエネルギー政策の基本方針は、S+3Eであります。すなわち、安全性の確保を大前提として、安定供給、経済効率性、環境適合の政策目標をバランスよく同時に達成することを目指しております。20ページをご覧ください。第6次エネルギー基本計画で示しました、2030年度の政府目標に対する進捗状況をお示しいたしております。2030年度の電源構成につきましては、再エネ36から38%、原子力20から22%、火力41%、水素・アンモニア1%としております。足元では、再エネが2021年度に初めて20%を超えており、脱炭素電源の普及など、エネルギー安定供給と脱炭素に向け取組を進めておるところです。21ページと22ページでございますが、経済効率性の観点からは、2021年度に経済産業省において発電コストに関する検証を行っております。これは、2030年に新たに発電設備をさらちに建設運転した際のコストを一定の前提の下で試算いたしたものであります。重要なのは、発電コストを検討する際には、統合コストと呼ばれる電源を電力システムに受け入れる際のコストも考慮する必要があるという点であります。23ページと24ページでありますが、昨年7月に官邸にGX実行会議を創設し、エネルギー安定供給とGX実現の両立に向けた議論を重ねてまいりました。GXを通じ、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するため、本年2月にGX実現に向けた基本方針を閣議決定いたしております。GX基本方針では、化石燃料への過度な依存からの脱却を目指して、徹底した省エネルギーに加え、再生可能エネルギーの最大限活用や安全性が確保された原子力の活用など、脱炭素効果の高い電源への転換を推進することなどの方針を明確にいたしました。25ページをご覧ください。成長志向型カーボンプライシング構想に基づきまして、今後10年間の間に、官民一体で150兆円を超えるGX関連投資を実現するべく、GX経済意向債を活用した20兆円規模の先行投資支援とともに、カーボンプライシングを段階的に導入することによりまして、GX投資に前倒しで取り組むインセンティブを付与する仕組みを創設してまいります。26ページをご覧ください。エネルギーに関する国民理解を醸成するべく、日本のエネルギー政策と現状をわかりやすくお伝えする動画やウェブサイトを作成しております。例えば、昨年度の広報では、平財産業省の公式YouTubeチャンネルで配信をいたしました動画は、4月時点で計4428万回以上ご視聴をいただいております。引き続いて、こうした情報発信を強化いたしまして、生活に身近なエネルギーの情報を、より多くの方々にわかりやすく提供してまいります。続いて、GX基本方針を踏まえたエネルギー安定供給に向けた我が国の取組についてご説明いたします。28ページと29ページをご覧ください。省エネにつきましては、我が国の最終エネルギー消費量は、震災前後を問わず順調に減少をし、エネルギー消費効率も改善いたしております。他方、足元のエネルギー価格高騰を踏まえて、エネルギーコスト高に強い社会を構築する観点から、令和4年度二次補正予算では、企業向けの省エネ補助金や家庭向けの住宅省エネ化支援を措置いたしておりまして、それぞれ公募を開始いたしております。30ページでございます。再エネにつきましては、フィット制度の導入もあり、再エネ比率は、ここ数年で大幅に拡大をいたしております。国土面積あたりの太陽光導入容量も、我 が国は他国と比較し高くなっております。31ページをご覧ください。再エネにつきましては、地域と共生した再エネの最大限導入に向けて、広域連携経営のマスタープランの策定、北海道から本州の間の海底直流送電についての具体的な整備計画の検討に加えて、ペロブスカイト等の次世代型太陽光電池や、不体識養生風力の社会実装に向けた技術開発に取り組んでおります。また、脱炭素化された調整力に資する低地用蓄電池や水電解装置の導入支援などにも取り組んでおります。続いて、32ページでございます。原子力は、脱炭素のベース労働電源として重要です。国内の原子力発電所は、現在10基が再稼働を果たしております。33ページと34ページをご覧ください。安全性が確保された原発の再稼働を着実に進めるとともに、将来に向けた新たな安全メカニズムが盛り込まれた、次世代革新度の開発・建設を進めてまいります。また、2月10日の最終処分関係閣僚会議でお示しをいたしました、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針の改定案のとおり、国が政府一丸となって、かつ政府の責任で最終処分に向けて取り組んでまいります。続いて、35ページをご覧ください。火力発電につきましては、2030年に向けてその比率をできる限り引き下げていくことが基本となっております。火力は震災以降の電力の安定供給や電力レジリエンスを支えてきた重要な供給力であり、当面は再エネの変動性を補う調整力・供給力として過度な体質を抑制するなど、安定供給を大前提に進めてまいります。36ページから38ページをご覧ください。周囲を海に囲まれすぐに使える資源に乏しい我が国では、エネルギー安定供給の確保に向けてあらゆる選択肢を追求すべきとの方針を示しております。この方針のもと、再エネや原子力のほかにも水素・アンモニアやCCS等を活用した火力発電の脱炭素化を進めますとともに、サフやメタネーションなどのカーボンリサイクル燃料などの研究開発や社会実装を進めてまいります。こうした中、水素基本戦略について、5月末を目途に改定を行う方針であります。続いて、電力システムについてご説明いたします。40ページと41ページをご覧ください。これまでの電力システム改革においては、1. 安定供給を確保する。2. 電気料金を最大限抑制する。3. 需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する。この3つの目的を掲げまして、電力広域的運営推進機関や機関の設立や、完全小売全面自由化等に取り組んできたところであります。2016年4月の全面自由化以降、小売電気事業者の登録数は700社を超え、需要家の選択肢が拡大をし、家庭向け自由料金が規制料金と比較して、安価な水準で推移してきた実績など、一定の成果が出ていると認識をいたしております。42ページと43ページをご覧ください。一方で、電力自由化以降、供給力不足を回避するための事業環境整備の遅れや、地震などの自然災害の多発などの要因によりまして、電力需給逼迫が生じております。そして足下では、ロシアのウクライナ侵略による世界的な燃料価格の高騰等によりまして、昨年、電気料金や卸電力取引市場における市場価格は上昇傾向にございました。この影響によりまして、一部の新電力が小売電機事業から撤退する動きを見せております。44ページをご覧ください。燃料価格の高騰の影響によりまして、多くの大手電力会社において、2022年度の収益は大幅な赤字見通しとなるなど、厳しい状況が続いております。45ページです。こうした中、大手電力会社7社から規制料金の改定申請が提出されております。為替相場や燃料価格が変動する中、経済産業省では、直近の燃料価格などを踏まえて、再算定するよう各電力会社に対して指示を行いました。その結果、各社の料金改定率は最大で10%以上、単重返金で4%程度縮小いたしました。再算定結果を踏まえて、引き続きまして、厳格かつ丁寧に審査を行ってまいります。46ページをご覧ください。春以降に想定される全国のご家庭における電気料金の平均的な負担増を踏まえまして、総合経済対策において、激変緩和事業を講じることとし、2月請求文から借引を開始いたしております。47ページです。激変緩和事業の対象外の特別高圧につきましては、電力・ガス・食料品等価格高等充填支援地方交付金を増額いたしまして、地域の実情に応じて中小企業等の負担軽減にご利用いただけるよう取り組みます。48ページをご覧ください。電力需給につきましては、昨年6月、東陸用電力管内に電力需給逼迫注意法を発令し、節電へのご協力をお願いするなど、厳しい状況が続いておりました。国民の皆様や産業界、電力会社の節電へのご協力の下、足元では需給逼迫は発生していないものの、本年7月に予備率が3.0%となることが予想されるなど、引き続き、東京エリアは厳しい見通しとなっており、電力の安定供給に向けた必要な対応を実施してまいります。最後にSDGsとエネルギーについてご説明いたします。50ページです。2023年3月に策定をされました「SDGsアクションプログラム2023」では、2030年までに目標を達成するための優先課題8分野に挙げられている「持続可能で強靭な国土や質の高いインフラの整備」と「省再生可能エネルギー・防災機構変動対策・循環型社会」における政府の具体的な施策が整理してございます。経済産業省としては、アクションプランにございますとおり、グリーントランスメーション、GXの推進や資源・燃料供給網の多様化・強靭化、安定した電力供給システムの整備などに取り組んでまいります。以上が経産省からの説明でございます。次に環境省から説明を聴取いたします。
18:52
はい、環境副大臣の山田美希です。環境省を代表し、提出資料に沿って説明いたします。本日は、1ページ目です。本日は、SDGs気候変動をめぐる情勢、SDGs気候変動に関する取り組みについて説明いたします。まずは、国内外の情勢についてです。2ページです。2015年は、持続可能な社会に向けた大きな時代の転換点となる2つの出来事がありました。1つは、SDGsを含む持続可能な開発のための2030年アジェンダの採択です。SDGsには、気候変動対策、生物多様性保全、持続可能な生産・消費など環境に関係する多くのゴールが盛り込まれました。具体的なターゲットが設定され、国・自治体・民間などのあらゆる主体が取り組 む上での道標となっています。もう1つは、先進国・途上国を含む全ての国が参加する気候変動対策の国際枠組みであるパリ協定です。世界各国は、パリ協定の1.5度目標を達成すべく、温室効果ガスの削減目標を設定し、対策計画を作成した上で気候変動対策を進めています。3ページです。気候変動対策の科学的な根拠を提供しているのが、世界の第一線の科学者によるIPCCの報告書です。先月、最新の科学的知見として統合報告書が公表されました。報告書は、人間活動が地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がないこと、温暖化を1.5度に抑えるには、この10年間に急速かつ大幅で即時の温室効果ガスの排出削減が必要であるとしています。4ページです。このような科学的知見も踏まえつつ、各国は温室効果ガスの排出削減目標を設定しています。多くの先進国は、IPCCの知見も踏まえ、パリ協定の1.5度目標を達成するために、2050年カーボンニュートラルを長期目標に掲げています。我が国も同じです。また、これと整合的な中期目標として、2030年までに40から60%程度の削減目標を設定しています。他方で、中国をはじめとする途上国は、ここまでの野心的な目標は設けていません。1.5度目標を達成するため、多量排出国の野心を引き上げることが課題となっています。5ページです。先週の4月15、16日に環境省経済産業省の協裁により、G7札幌気候・エネルギー環境大臣会合を開催しました。大臣会合では、経済成長とエネルギー安全保障を確保しながら、カーボンニュートラル、循環経済、ネイチャーポジティブ経済の統合的な実現に向けたグリーン・トランスフォーメーションの重要性を共有するなどとした成果文書を取りまとめました。ウクライナ情勢の中でも、気候変動・環境問題へのG7のコミットメントが揺るぎないことを国際社会に示すことができ、非常に有意義な成果になったものと受け止めています。6ページです。また、大臣会合では、多くの付属文書及びイニシアチブについても合意しています。その多くはSDGsの目標達成にも貢献するものですが、例えば、G7ネイチャーポジティブ経済アライアンスは、生物多様性の損失を止め、反転させるために、経済界と一緒になって取り組むためのネットワーク構築の場として新たに設置しました。7ページです。ここからは説明内容の後半に入ります。SDGs・気候変動に関する取り組みについてです。8ページです。まず、SDGsの取り組みについてです。環境省は、ステークホルダーズミーティングを定期的に開催し、国・自治体・民間企業などのSDGsアクションの有料事例について相互に学び合う場を提供し、それぞれの取り組みを促進しています。また、昨年、環境省は、国連の関係機関が主催する国連気候SDGsシナジー会合の開催をホストしました。国際機関と一緒に、パリ協定とSDGsの目標の同時達成の取り組み強化の重要性を国内外に発信しました。9ページです。SDGsの理念や基本的な考え方については、国の環境基本計画に反映しています。第5次環境基本計画で掲げた新しいコンセプトである地域循環共生権は、各地域がそれぞれの地域資源を生かして、自立分散型の社会を形成するもので、まさにローカルSDGsと言えるものです。10ページです。このようなローカルSDGsを進めていく上では、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つを統合的に推進していくことが重要です。環境省は、地域が主体となって自然資本を生かした地域づくりを促進し、希望や活力ある未来につながるローカルSDGsを推進していきます。11ページです。次に気候変動の取り組みについてです。我が国は、2030年度46%削減という中期目標、2050年カーボンニュートラルという長期目標を掲げています。我が国の温室効果ガス排出量は、省エネや再エネの推進により7年連続で減少していますが、引き続き2030年度46%削減の達成に向けて努力を続けています。12ページです。我が国の温室効果ガス削減目標とその達成に向けた施策は、地球温暖化対策計画において定めています。目標達成のため、産業、業務、家庭、運輸など、それぞれの部門別の削減目標を設定しています。13ページです。また、地球温暖化対策計画では、削減目標を達成するための施策を掲げています。政府においては、それぞれの施策を着実に進めていくとともに、個別の施策の進捗状況を毎年点検し、必要な改善を行うなど、PDCAサイクルを構築して対策を進めています。14ページです。本年2月に閣議決定をした「GX基本方針」を踏まえ、環境省としてもGXを推進していきます。特に、今後10年間で150兆円を超えるGX官民投資を実現するため、地域脱炭素、暮らし、自動車、資源循環の分野を中心に支援措置を講じていきます。15ページです。環境省は、地域脱炭素の先行的なモデル を創出するため、2025年度までに少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を選定し、自治体に対する重点的な支援を通じて、脱炭素投資を加速していきます。それぞれの先行地域では、自治体が主体となって、地域資源を生かしながら、脱炭素と地方創生の同時実現に取り組んでおり、まさにローカルSDGsを実現するものとなっています。16ページです。住宅の断熱性能の向上による省エネの推進も重要です。環境省、国土交通省、経済産業省の3省連携の下、窓の断熱回収、高効率給透機の導入などへの補助をワンストップで進めています。17ページです。自動車の脱炭素化も進めています。経済産業省が乗用車について、環境省が国土交通省と連携してトラックやタクシーなどの商用車について、電動車の導入補助を行っています。18ページです。資源循環、サーキュラーエコノミーの取り組みは、カーボンニュートラルにも貢献します。有用金属を含めて資源の回収、リサイクルを促進し、それが国内において製品の製造に使われるよう、同条脈共同による資源確保・原料供給の仕組みの構築を進めています。19ページです。パリ協定の1.5度目標の達成には、国内の取り 組みを着実に進めるとともに、世界の脱炭素化も進めていく必要があります。我が国が構築した2国間クレジット制度(JCM)の仕組みを活用し、我が国の優れた技術の海外市場への展開を進めていきます。20ページです。最後にSDGsに関係する取り組みを2つ紹介します。1.生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの実現に向け、先月、新しい世界目標を踏まえた「生物多様性国家戦略」を世界に先駆けて閣議決定しました。2030年までに、陸と海の30%以上を保全する「30×30」目標や、ネイチャーポジティブ経済の実現に向けた経済界との連携などを進めていきます。21ページです。もう1点、世界的に大きな問題となっている海洋プラスチック汚染の問題に対処するため、条約策定に向けた政府間交渉に積極的に参加しています。我が国は、2019年のG20大阪サミットにおいて「大阪ブルーオーシャンビジョン」を提唱し、多くの国に呼びかけてそのビジョンを共有しています。また、今般のG7大臣会合では、これを10年前倒し、G7として2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心に合意しました。このような経験も生かして、条約交渉をリードしていきます。終わりとなります。以上のとおり、環境省は国内外の情勢を踏まえつつ、SDGs、気候変動に関する取組をしっかりと進めていきます。ご静聴ありがとうございました。
29:09
外務省でございます。ご質問ありまして、ご説明をさせていただきたいと存じます。ご説明の資料をご覧いただきながらお聞きいただければと存じます。私どもからは、SDGsの意義と我が国の取組につきましてご説明をいたします。お手元にございます資料に沿って進めてまいります。まず、SDGsと17の目標の意義についてご説明をさせていただきます。資料の3ページ目をご覧いただきたいと存じます。SDGsは、2015年9月の国連サミットにおきまして、前回一致で採択されました「誰一人取り残 さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」このための、2030年を年限とする17の国際目標であります。開発途上国に焦点を当てましたSDGsの前身のミレニアム開発目標、これMDGsと言っておりましたがこれとは異なりまして、SDGsは世界全体の経済、社会及び環境の3側面を不可分のものとして調和させる統合的な取組として、先進国と開発途上国がともに取り組むべき国際社会全体の普遍的な目標として採択されたものでありまして持続可能な世界を実現する、そのための国際社会共通のグローバルな目標として大きな意義があると考えております。この17の目標の一覧につきましては、4ページに記載をいたしておりますが17の目標につきましては、エネルギーと気候変動に関する目標も含まれているところであります。続きまして5ページ目をご覧いただきたいと思います。国連ではSDGsのフォローアッププロセスといたしまして、毎年閣僚級の会合が実施されておりますがそれに加えまして、4年に一度国連総会の際に首脳級会合であるSDGsサミットが開催をされております。本年はそのSDGsサミットが開催される年になっておりましてまた2030年を年限としますSDGsの中間年ということにもなっております。次にSDGs達成に向けた我が国の体制についてご紹介をさせていただきます。我が国ではSDGsの分野、象徴横断的な性格に鑑みまして関係行政機関相互の緊密な連携を図りましてSDGsを国内外で総合的かつ効果的に推進するため内閣総理大臣を本部長、官房長官及び外務大臣を副本部長、そして全閣僚構成員といたしますSDGs推進本部を内閣に設置をいたしております。また、我が国の取組を広範な関係者が協力をして推進をしていく必要がございますのでSDGs推進本部のもとに行政、NGO、NPO、有識者、民間セクター、国際機関そして各種団体等の関係者が集まりまして意見交換を行いますSDGs推進円卓会議を設置しております。SDGs推進本部及びSDGs推進円卓会議の構成につきましては6ページに記載をいたしているところであります。続きまして、こうした体制のもとにおける我が国のSDGs達成に向けた取組についてご紹介させていただきます。2030年までに国内外におきましてSDGsを達成するための中長期的な国家戦略としてSDGs実施指針を策定しております。同指針はSDGsサミットのサイクルと合わせ少なくとも4年に1回見直しをすると いうことにいたしておりまして2016年の策定後、本年も改定を予定しているところであります。中長期的な国家戦略でありますSDGs実施指針に基づきまして政府が行う施策を整理いたしましたSDGsアクションプランを2018年以降、毎年作成いたしております。7ページ目をご覧ください。SDGsを達成するための中長期的な国家戦略でありますSDGs実施指針におきましては日本の持続可能性は世界の持続可能性と一致不可分であると、密接不可分であるということを前提といたしまして国内実施、国際協力の両面におきまして、誰一人取り残さない2030年の社会を目指すといったビジョンそしてまたビジョンに基づきます日本の取り組みの柱として8分野の優先課題、実施に当たっての主要原則としての5原則を示しております。8ページ目をご覧ください。SDGs実施指針に基づきまして、政府が行う施策を整理いたしましたSDGsアクションプランについて先月策定いたしました2023年度版では、人への投資、科学技術イノベーションへの投資、スタートアップへの投資グリーントランスフォーメーションGX、デジタルトランスフォーメーションDXへの投資を柱とする新しい資本主義の旗印の下、民間の力を活用いたしました社会課題解決を図るとともに多様性に富んだ豊節的な社会の実現、一極集中から多様化した社会をつくり地域を活性化する必要があることをSDGsアクションプラン2023の作成に当たっての考え方として記載をしております。本年は2030年までのSDGs達成に向けた中間年でありまして5月にはG7広島サミット、9月にはSDGsサミットも開催されておるところです。外務省といたしましても、こうした機会を最大限に活用いたしまして国際的な議論を主導するとともに、我が国の取組の発信にも努めてまいりたいと考えているところであります。以上です。以上で政府からの説明聴取は終わりました。これより質疑を行います。本日の質疑はあらかじめ、質疑者を定めずに行います。まず各会派1名ずつ指名させていただき、その後は会派に関わらずご発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のままご発言いただくようにお願いいたします。また、質疑者にはその都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得ら れますように、答弁を含めた時間がお1人10分以内となるようにご協力をお願いいたします。それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
35:42
自由民主党の船橋俊光です。それでは質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。はじめに、山田環境副大臣にお伺いいたします。今ほど山田副大臣のご説明にありましたとおり、4月15日から16日にかけて、私の地元の札幌市においてG7札幌気候エネルギー環境大臣会合が開催され、本庁境の審議事項である資源エネルギー問題、持続可能社会に関する問題について、G7の閣僚クラスで前向きな議論がなされたことについて理解をすることができました。今後は、今回のG7大臣会合の成果を普及させ、G7各国だけでなく、世界の気候変動対策やSDGsの取組の前進につなげていくことが重要であると考えております。日本として世界の取組をどのように今後、兼容していく方針であるのか、また、G7大臣会合の成果として注目をされております「Nature Positive Economy Alliance」を通じて、生物多様性の保全・回復につなげる取組を経済界と一体となって進めていく必要性についてもご説明いただいたところでありますけれども、具体的にはどのように進めていく方針であるのかお聞かせいただきたいと思います。4月15日、16日に開催されたG7札幌気候エネルギー環境大臣会合においては、脱炭素・従環経済・ネイチャーポジティブ経済を統合的に推進することで、気候変動・生物多様性の損失・環境汚染の3つの世界的危機に対処していくことが確認できました。このことはSDGsの達成にも貢献するものであります。世界の気候変動対策に貢献するため、今般の大臣会合では、パリ協定6条実施パートナーシップセンターを我が国が主導して設置することが歓迎されました。これを中核として関係国のパリ協定6条の能力構築を促進することで、二国間クレジット制度(JCM)の仕組みを世界に広げ、優れた脱炭素技術の国際的な展開を推進してまいります。また、今般の大臣会合で設置されたG7ネイチャーポジティブ経済アライアンスを通じまして、経済界とも連携し、ビジネスにおける生物多様性の主流化を促進してまいります。まずは、生物多様性保全に支出する技術、ビジネスモデルに関する知見を共有するとともに、事業者による情報開示やその適正な評価を促してまいりたいと思っております。
39:53
お答え申し上げます。2021年に閣議決定をいたしました第6次エネルギー基本計画では、2030年度温室効果カス46%削減を目指して、徹底した省エネや非化石エネルギーの拡大を進める中、受給医療面における様々な課題を克服した場合におけるエネルギー受給の見通しとして、エネルギーミックスを示しております。2030年度の電源構成について、再エネ36から38%、原子力20から22%、火力41%、水素アンモニア1%としておるところでございます。周囲を海に囲まれて、すぐに使える資源に乏しい我が国では、S+3の原則の下、あらゆる選択肢を追求していくことが重要でございます。このため、再エネや原子力などの脱炭素電源への転換を推進するとともに、CCUSや水素アンモニアを活用した火力の脱炭素化も進めてまいります。その上で、今、徹底から申し上げてございました、北海道で現在進められております脱炭素に向けた取組は、日本全体で脱炭素を進める上で非常に重要だと考えております。例えば、トマコ米では、世界で初めて市街地近傍に大規模CCS実証拠点が整備されております。CCSを国内で進める上で重要なプロジェクトだと考えております。また、北海道は、養生不力をはじめとする再エネのポテンシャルが高く、そのポテンシャルを最大限活用するためにも、大小市市まで送電を可能とするための海底直流送電の整備、これを2030年度を目指して進めていく方針を示しているところでございます。エネルギーは、全ての社会経済活動の土台でございます。安定的で安価なエネルギー供給を確保することは最重要課題でございます。エネルギー安定供給を確保するべく、全力で取り組んでまいります。水素の指標に関して、政府参考人に伺います。先週、日経新聞にも取り上げられておりましたけれども、国際エネルギー機関IEAが製造された水素がクリーンかどうかを示す指標を取りまとめたと承知しております。今、経済産業省からの答弁がございましたけれども、エネルギー安定供給と脱炭素を実現していくためには、あらゆる選択肢を追求していくことが重要と考 えております。特にその中で水素の活用、社会実装が期待されるところでありますが、このような取り組みを経済産業省はどのように評価されているのか認識をお聞かせください。
42:12
資源エネルギー庁井上省エネルギー・資源エネルギー部長
42:19
お答え申し上げます。4月13日に公表されました国際エネルギー機関、IEAからのレポートでは、ブルー水素あるいはグリーン水素といった製造方法に基づく色による分類ではなくて、単位あたりの水素製造時に発生するCO2排出量である炭素集約度で評価することの重要性を発信していると承知いたしております。また、先般行われました北海道で行われたG7気候エネルギー環境大臣会合では、こうした炭素集約度の概念を含む国際標準や相互入省の国際的な議論の重要性が確認されたところでございます。このIEAリポートもG7のコミュニケにおいて歓迎されていると承知いたしております。経済産業省といたしましては、例えば、大規模な水素サプライチェーンの構築に向けた化石燃料との価格 差に着目した支援におきまして、こうした低炭素水素の供給を求めるなど、G7における成果も踏まえながら、しっかりとした取組を進め、水素の利活用を加速していきたいと考えてございます。最後に、自動車の脱炭素化について、政府参考人に伺います。先週末のG7の大臣会合において、自動車分野の議論において、ZEVの新車販売の扱いについて、低量的なZEV導入目標の設定は回避され、多様な選択肢を追求する日本の政策に整合する形で合意ができたことを大変評価をしております。特に私の地元である北海道をはじめ、赤瀬関連地においても、自動車の脱炭素化という取組を、地域の中で、地域特性を踏まえた上で、カーボンニュートラルの取組として進めていく上では、非常に重要な成果ではないかと思います。この合意内容を踏まえて、経済産業省として、自動車の脱炭素化についてはどのように進めていくのか伺います。
44:23
お答え申し上げます。先生ご指摘のとおり、自動車の脱炭素化に向けましては、我が国は2035年までに常用車・新車販売で電動車100%という目標を掲げまして、多様な選択肢を追求することとしております。電気自動車につきましては、車両の普及とインフラとしての充電器の設置を、車の両輪として進めていくことが重要と考えております。充電インフラの整備や車両の購入支援に対する予算措置を大幅に拡充し、補正予算と当初予算を合わせて1000億円以上を措置するなど、普及に向けた取り組みを加速しているところです。また、ご指摘のとおり、管理地特有の課題として、例えば大雪への対応につきましては、電源車の整備、過半式ポータブルバッテリーの整備、充電インフラの充実など、重層的に給電体制を整備していくことが重要と考えています。この観点からも充電インフラの整備を進めてまいりたいと考えています。また、電気自動車だけではなく、燃料の脱炭素化なども含め様々な選択肢がある中、グリーンイノベーション基金も活用し、委員ご指摘のE-フェールや水素など、今後の競争力の鍵を握る技術のイノベーションを促してまいります。引き続き、こうした総合的な取り組みを通じ、電気自動車などの普及を促し、自動車の脱炭素化を進めてまいりたいと考えております。
45:59
(内閣総理大臣) 他にご発言はありませんか。
46:05
立憲民主社民の村田京子です。今日私は、資源エネルギーの確保と持続可能社会の実現においては、日本において金属資源の回収・リサイクルが重要だという、この観点から質問をさせていただきます。まず、経産省にお聞きをします。今日いただいた資料の17ページの中でも、重要鉱物の貿易の状況として、これからカーボンニュートラルに向けて需要が拡大が見込まれるのが、こういった重要鉱物になりますが、こちらの資料にもありますように、日本はその多くを輸入に頼っているというような状況です。こういった輸入した資源に対して、海外から資源を輸入してものを作るわけなんですが、その作った製品を海外に流通させずに、国内の中でリサイクルをして、また資源として再利用していくということは、資源の確保にもつながりますし、また、市から製品を作るよりも、二酸化炭素の排出量が削減をされるので、カーボンニュートラルにもつながるんだというような指摘もございます。ただ、現状においては、バッテリーや調光工具など、資源となり得るこういったものが、廃棄物として海外に流出をされているというふうに聞いておりますが、こういった国内でのリサイクル強化について、今後の経産省としてのご対応をお聞かせください。委員御指摘のとおり、電気自動車などの普及に伴いまして、蓄電池の使用量が増加をいたします。このため、使用済みの車載用蓄電池の低地用蓄電池へのリユースですとか、レアメタルの有効活用のためのリサイクルを進めていくことが重要だと考えております。このため、昨年度からグリーンイノベーション基金を活用した蓄電池関係の研究開発、この事業の中で競争力のあるコストで蓄電池のリサイクルを実現するための技術開発への支援等を行っているところでございます。蓄電池にとどまらず、近年、廃棄物問題、それから、ご指摘のように気候変動問題に加えて、世界的な資源需要と地製学的なリスクの高まりといった資源制約の観点も加わりまして、国内でのリサイクル強化を含むサーキュラーエコノミーへの移行が喫緊の課題となっていると認識しているところでございます。このため、経済産業省においては、本年3月に成長志向型資源自立経済戦略を策定し、規制ルールの整備、それからGX投資支援も活用した政策支援の拡充、それから産管学連携による協力枠組みの立ち上げを進めていこうとしているところでございます。また、先週末のG7札幌気候エネルギー環境大臣会合においても、循環経済及び資源効率性の原則に合意するなど、この重要性について指摘をされているところでございます。こうしたことも受けまして、我が国として、資源循環経済政策の再構築などを通じました国内の資源循環システムの自立化、強靭化と、国際市場獲得に向けた取組を加速していきたいと、このように考えているところでございます。
49:35
国内でのこういった資源の循環、引き続き強化をされているということですけれども、重ねて経産省にお聞きをしますが、この廃棄物の国境を超える移動については、バーゼル条約等の国際条約がございます。今、この電気電子機器廃棄物、いわゆるEUSについて、厳格化をするんじゃないかといった動きもあるのではというふうに聞いておりますが、現状をお聞かせください。
50:05
お答え申し上げます。ご指摘のとおり、バーゼル条約では、有害な電気電子機器廃棄物の越境移動を規制対象としております。これは輸出国からの通告、そして輸入国側の事前同意が必要という規制内容でございます。昨年6月に開催されましたバーゼル条約第15回提案国会合におきまして、これまでは有害物のみだったのが、非有害も含む全ての電気電子機器廃棄物 を規制対象に追加する改正が行われたところでございます。また、こうしたバーゼル条約がある一方で、OECD加盟国間では、リサイクル目的であれば規制の対象外、つまり輸入国側の事前同意が不要との特例措置が講じられているところでございますけれども、今回のバーゼル条約の改正に伴いまして、電気電子機器につきまして、この例外措置をなくすという案が提起をされているところ、これはOECDの中で提起をされているところでございます。日本は世界でも有数のeスクラップの輸入国でありますけれども、事業者からは、このOECDでの例外措置撤廃の案が採択された場合には、事前同意の手続きの長期化などにより、海外からのeスクラップの収加量、集まってくる量が大幅に減少するという懸念が寄せられているところでございます。日本としては、同改正案に対して反対の立場を表明しておりまして、これを受けてOECDに専門のタスクチームが立ち上げられ、現在議論がなされているところでございます。日本の意見が適切に反映されるよう経済産業省といたしましては、引き続き関係各国の理解を求めてまいりたいと考えているところでございます。
51:59
今ご答弁ありましたけれども、やはり産業界の皆さんから、これまでのように廃棄物を日本に輸入できなくなるんじゃないかといったご懸念はお聞きをしておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。関連して環境省にお聞きをいたします。環境省からいただいた今日の資料の18ページにおいてもですね、国外資源、金属等を確保していく、今私がお話しした内容について明記がされております。今、バーゼル条約の厳格化の動きもあるといった中で、どうやって海外から安定的にこういった金属等を確保していくのか、対策についてお聞かせください。
52:48
お答えいたします。重量鉱物などの金属資源は、太陽光パネルですとか蓄電池の大量普及など、スタンス社会への移行に不可欠なものでございます。現在、日本では電気電子機器廃棄物、いわゆるe-wasteに含まれる電子スクラップを欧米島から輸入し、国内の高度な製電技術を用いて、重量鉱物等の適正かつ効率的な回収リサイクルを積極的に行っており、この分野で世界をリードしているという状況でございます。この分野の優位性を生かしまして、e-wasteの国際資源循環を進めていくために、環境省といたしましては、今年度からASEANを対象といたしまして、e-wasteを適正に回収・解体するための制度構築ですとか、能力開発支援、そういった事業を立ち上げることとしております。これによりまして、ASEANの環境保全の問題に対処しつつ、電子スクラップの輸入量増加につなげていきたいと思っております。先日のG7の気候エネルギー環境大臣会合におきましては、電子・電気機器等からの重量鉱物の国内及び国際リサイクルの増加が合意されているところでございます。こうした合意も踏まえまして、重量鉱物を含む金属の国際的なリサイクル、これを強化してまいりたいと思っております。
54:10
今お話にもありましたように、やっぱりその廃棄物を日本に輸入してリサイクルをするということは、その資源の確保になるとともに、その環境汚染、もしその国で廃棄物を処理するということになれば、まだまだそういった技術がなくて、例えばのやきなどによってCO2がどんどん出てしまう、そういった環境汚染も日本が輸入することによって防ぐことができる。そういった利点も私もあると思っています。今、カーボンニュートラルを進めるということにおいては、もし日本に持ってこなかったら、もっともっとその国でCO2が出てるかもしれない。でも日本に来たからCO2の削減につながったよね。この削減量をもっと評価できれば、日本のリサイクル産業にとってもすごくインセンティブになるんじゃないかなというふうに考えますが、こういった取り組みというのはなされているんでしょうか。環境省にお聞きします。
55:16
ご提案いただきました外国におけるCO2排出削減のインセンティブ化につきましては、例えば我が国の進める二国間クレジット制度、いわゆるJCMでございますけれども、このJCMにおきましては、パリ協定第6条のルールに沿って、日本の支援によるプロジェクトの実施により実現されるCO2排出削減量を算定検証した上で、そのCO2削減量を排出削減クレジットとして日本と適正に分配することができる制度を構築してございます。こうした中で、廃棄物処理の分野における脱炭素化につきましては、これまで廃棄物発電設備の導入等によるJCMプロジェクトの実施を進めてきたところでございます。その一方で、今ご提案いただきました金属資源のリサイクルにつきましては、JCMプロジェクトの実施例はまだございません。このため、JCMの仕組みを活用する際には、具体的なプロジェクトの提案を踏まえた上で、CO2排出削減効果の評価・検証のあり方について、まずはご相談させていただく必要があると考えてございます。いずれにしても、世界全体の脱炭素化に向け、廃棄物処理分野においても引き続き、国際的な協力を進めていくことが重要であると考えておりまして、そこはしっかり協力を進めていきたいと考えております。本日は、ご質問ありがとうございました。
56:46
公明党の塩田博明でございます。はじめに、太田恵さん副大臣にお伺いしたいと思います。新型コロナ禍、そしてロシアの遅らいな侵略によってですね、世界は新たな局面に直面をしていると、こういう状況であると思います。こうした中、日本にとって、まずはですね、国際社会とともに、ロシアの暴挙を1日も早く止めるために、力をつさなければなりませんけれども、各国との友好関係を深めていくことは、今後とも大変重要であると、このように思います。しかし一方でですね、エネルギーの9割を海外に依存する日本にとっては、再エネの主力電源化を進めるなどですね、エネルギーの自立に向けた取り組みとともに、エネルギー供給の安定を確保するためには、海外からのエネルギーの安定調達にもですね、引き続き取り組まなければなりません。そこで、この新たな局面のもとにですね、化石燃料の安定した調達のため、エネルギーにおける国際関係の取り組みについて、見解をまずお伺いしたいと思います。
57:58
四方を海に囲まれております我が国は、資源の大部分を海外に依存するということで、資源外交等に最大限取り組まなくてはならないということは不可欠でありますし、またご指摘のとおりですね、ロシアのウクライナ侵攻以降ですね、その重要性はますます高まっていると思います。これまでも中東、アメリカ、オーストラリア及び東南アジア諸国など、生産国に対する継続的な増産安定供給の働きかけや、日本企業の権益取得の後押しをしてまいったところです。特にLNGにつきましては、昨年末にオマーンと民間事業者との間で、年間235万トンのLNG取引に関する基本合意書の調印式を行うことができました。またシンガポール等のアジアの同志国と共同で行う上流投資や危機時の相互協力に関する覚書も締結させていただいております。引き続いて積極的な資源外交を行いまして、化石燃料の安定供給に取り組んでまいります。西岡博之君、ご答弁ありがとうございます。やはり資源外交にしっかり力を入れていくということは必要であるとこのように思います。そして次に竹井外務副大臣と山田官局副大臣に合わせてお伺いしたいと思います。地球規模での地球温暖化対策の取り組みについて、そしてSDGsの2030年達成が今求められておりますけれども、今申し上げたとおり国際情勢の新たな局面を 迎えている中で、その局面を踏まえた上でのSDGsの取り組み、そして地球温暖化対策の取り組みについて、それぞれからお伺いをしたいと思います。
59:54
先ほど申し上げましたとおり、SDGsの17の目標には気候変動とエネルギーに関する目標も含まれているところでございます。気候変動につきましては、パリ協定の1.5の目標の達成は、これはもう日本のみならず、途上国も含めた世界全体で取り組むべき課題であると認識しております。その中でもG20に含まれます大排出国や、今後排出が大幅に増加することが見込まれますアジア諸国をはじめ、世界全体が一丸となって取り組むことが重要であるとともに、新興国を含む全ての主体が2030年までの勝負の10年におきまして、炭素化を即時かつ加速度的に進める必要があると考えております。我が国は気候変動問題をこの新しい資本主義の実現によって各国を復帰すべき最大の課題と位置づけておりまして、2050年カーボンニュートラル及び2030年の温室効果が削減46%削減の実現、加えまして50%の高みに向けた挑戦を続けるべく取り組みを進めているところでございます。加えまして、途上国の気候変動対策支援として、それまでの倍増となります約148億ドルの適用分野への支援を含め、2025年までの5年間で官民合わせて最大700億ドルの規模の支援にコミットしており、これを着実に実施しているところでございます。本年はG7議長国として各国や国際機関とも連携をしながら、世界の炭素化に向けたリーダーシップを発揮していくところであります。エネルギーにつきましては、ロシアのウクライナ侵略によって引き起こされました減価のエネルギー価格の高騰と、そしてまたこのエネルギー供給の途絶につきましては、世界の脆弱な立場にある人々の生活を脅かしているところであります。2050年ネットゼロの目標は普遍でございますけれども、減価の危機を乗り切るために、あらゆる適切なエネルギー源、また技術の活用、エネルギー供給源の多角化に向けて、同盟国、同志国や国際機関との連携を一層強化してまいりたいと考えております。
1:02:04
お答え申し上げます。4月15、16日に開催されたG7札幌気候エネルギー環境大臣会合では、昨今の国際情勢においても、気候変動、生物多様性保全、環境汚染などSDGsに関係の深い環境問題に対するG7のコミットメントが揺るぎないということを国際社会に示すことができました。この度のG7大臣会合の成果を踏まえて、G7が団結し、SDGsや気候変動の取組を前に進めてまいります。我が国は、2030年度温室効果ガス46%の削減目標、2050年カーボンニュートラルの達成実現に向けて、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、GX基本方針に基づく対策施策を着実に実施してまいります。環境省としましては、地域脱炭素の取組促進、地域と共生する再エネの導入、脱炭素で豊かなライフスタイルへの転換促進、フロン類の排出削減などの国内対策や、2国間クレジット制度JCMを通じた世界の脱炭素化の促進などの具体的な政策を実施してまいります。次に、大田経産副大臣にお伺いしたいと思います。日本は、温室効果ガスの排出削減と経済成長を共に実現するために、GXに向けた取組の加速化が重要であると考えております。この2月に策定されたGX基本方針は、2021年10月のエネルギー基本計画と整合的なものと理解しておりますが、基本計画には再エネ導入目標の36%から38%を野心的と していたのに対して、GX基本方針では36%から38%の確実な達成を目指すと踏み込んだ記載となっております。そこで、基本計画策定からこの1年半で再エネの取組が進んだこともあって、このように踏み込んだものだと思っておりますが、再エネの取組の現状について、再エネのさらなる導入拡大の鍵として期待されております、養生風力発電や地熱発電をめぐる状況等を含めて見解をお伺いしたいと思います。
1:04:40
ご指摘のありました養生風力ですとか地熱発電を含みます再生可能エネルギーにつきましては、地域との共生ということを前提に、再エネの導入目標であります2030年度36から38%の実現に向けまして最大限導入していくということが政府の基本方針であります。養生風力発電の方ですけれども、これは2030年までに10ギガワット、2040年までに30から45ギガワットの案件を形成することが目標となっております。この達成に向けまして、既に2020年から2022年までの3年間で合計3.5ギガワットの案件を創出いたして おりまして、案件形成に着実に取り組んでいるところです。さらに2023年度からは、政府が案件形成の初期段階から関与して、風況、風の状況、地盤調査などを行うセントラル方式を導入することにしておりまして、今後より迅速かつ効率的に案件を形成してまいります。また、地熱発電の方ですけれども、電源構成比率を足元の0.3%から2030年度には3倍となる1%に引き上げるという目標を設定しておりまして、ジョグマックを通じ事業者の開発に先駆けて、地熱発電の、地熱資源の約8割が存在する国立公園等の有望地点の資源量の調査、それから、事業者が実施をする初期調査等への助成、探査段階への出資、運転開発段階での債務保障、といった導入拡大に向けた取組を実施いたしております。また、今月開催をいたしました「再エネ推進相当関係閣僚会議」におきましては、アクションプランを策定したところでありまして、引き続いて関係省庁、自治体とも連携しながら、再エネの最大限導入に取り組んでまいります。時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。日本維新の会、青島健太と申します。よろしくお願いします。今日の質問は、すべて、経産省さんにさせていただきます。我が国の電源構成、しばらくの間、長い間、与板バッタはLNGが務めてくれています。先ほどご案内もありましたけれども、2020年には39%、21年も34.4%というデータのご紹介もありました。再エネがもっとたくましくなるまで、また、原発がしっかりと体制が整うまでは、まだまだLNGに頑張ってもらわなければならないという状況だと認識しております。そこでまず、このLNG、良いところ、悪いところ、両方あるかと思いますが、まず基本的な情報をいただきたいと思います。
1:07:55
他の化石燃料と比較した際のLNGの優位性につきましては、まず他の燃料よりCO2排出量が少ないということが挙げられます。また、LNGは中途依存度が約9割あります石油と比較しますと、1割程度であることに加えまして、輸入先も広く10カ国以上分散多格化しているという特徴がございます。他方で、LNGの課題といたしましては、低温で液化した状態で運搬する必要がありますため、移送などのコストが高くなることに加えて、石油などのように長期間の備蓄を行うことが難しいということが挙げられます。また、他の資源と比較しますと、流動性ある市場が十分に発達していないということのため、特にスポット市場からの調達におきましては、価格の変動が大きくなるという留意点もございます。以上でございます。今、御案内をやりましたように、CO2の削減という点では、およそ石炭の半分というところ、また、依存先が非常に世界中にわたっているということで、偏っていないというところは、LNGの一番良いところというふうに今、伺いました。一方で、価格の変動が大きい、あるいは海を渡って持ってくる等々も、難しい面もあるかと思うんですが、それだけに、今、非常にLNGは大事な存在です。しっかりと確保する、安定供給できる取組というものが、今、どうあるのか、そこについてもお願いいたします。
1:09:39
最初の説明でも申し上げましたけれども、資源の大部分を海外に依存する我が国にとって、資源外交、最大限に取り組むことを通じまして、供給源の多角化に取り組むことが、資源の安定供給確保に必要不可欠であるということでございます。供給源の多角化に向けては、これまで積極的な資源外交のほか、ジョグメック等を活用した権益確保、LNG投資の支援等によりまして、10カ国以上からのLNG輸入を可能とするなど、一定程度の多角化は実現をしてまいりました。先ほども申し上げましたけれども、昨年12月、こうした資源外交の1つの成果として、オマンと複数の日本企業との間で、おおむね2025年以降、供給が開始される予定であります年間235万トンのLNG引取りに関して、西村大臣立合の下、基本合意に至ったところでございます。また、マレーシア、シンガポール、タイといった、アジアの同志国との共同での常住投資、危機時の相互協力に向けて、覚書も締結いたしました。昨年、マレーシアにおける供給不安が発生した際には、この覚書が効力を発しまして、安定供給を要請した実績も出てまいっております。大変感謝をいたしております。加えて、短期的な受給逼迫等への対応策としては、戦略的余剰LNGの確保運用というのが、経済安全保障法に定められておりまして、事業間のLNG融通の整備と官民で連携して、融資に備えた体制を構築してまいります。政府としても、あらゆる方策を用いて、LNGの安定供給に向けて取り組んでまいりたいと思います。
1:11:30
大田副大臣いらっしゃってますので、ここだけ強調させていただきます。いくら予算があっても、財源があっても、資源外交という、両国の関係性がきちっと作れてないと、やり取りさせていただけない、また各国は非常に長い長期的な契約を狙っているというところでございますので、外交にもぜひ力を入れていただきたいと思います。続いて、CCSについてお尋ねさせていただきます。カーボンニュートラル、キャプチャーアンドストレージ、CO2を捕まえて、そして貯蔵するという技術でありますが、2050年カーボンニュートラルに対して、この技術が非常に期待されていると伺っております。どのあたりが魅力的なのか、ご説明をお願いします。
1:12:17
お答え申し上げます。カーボンニュートラル実現に向けては、電化あるいは水素に置き換えるといった対応による脱炭素化を最大 限進めても、どうしても排出されてしまうCO2、これを回収し、地下に貯留する、今先生おっしゃいましたCCSの取り組みが不可欠だと考えております。先般開催されましたG7の大臣会議でも、CCSは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた脱炭素化解決策の幅広いポートフォーリオの重要な要素になり得ると位置づけられております。また、我が国においても、今年2月に閣議決定いたしましたGX基本方針におきまして、脱炭素化に向けてCCSを追求していくということとしてございます。さらに、今年3月に公表しました、我が国初の国家戦略となりますCCS長期ロードマップにおきましては、2050年時点において、想定される日本のCCSの年間貯留需要量として、IAの試算に基づき、約1.2億トンから2.4億トンが目安になると推計しておりまして、これは直近の日本の年間CO2排出量の1割から2割に相当するボリュームでございます。このように、CCSは我が国が脱炭素化を実現すべて不可欠の技術でありまして、その早期の事業化に向けて必要な環境整備を進めてまいりたいと考えております。
1:13:54
今少しご案内もありましたけれども、アメリカではもう空前の大ブームというふうに聞いています。あるいはヨーロッパではイギリス、ドイツ、ノルウェー、ベルギー、オランダ辺り、あるいは中国も一気にこれに舵を切っているというふうに伺っております。日本の今の取組とそして課題というところを教えていただけますでしょうか。
1:14:26
委員御指摘のとおり、現在世界各地におきまして、CCSの事業化に向けた取組が加速しております。日本の脱炭素コストを最小限にするためにも、国家的課題として戦略的かつ計画的にCCSに取り組んでいく必要がございます。このため日本では、2030年までの民間事業者による事業化の開始を目指しまして、コスト低減や敵地の開発、さらには事業化のための環境整備といった様々な課題の解決に取り組むため、先ほど申し上げましたCCS長期ロードマップというのを3月に策定してございます。このロードマップの中におきましては、2030年までの民間企業による事業の開始に向けまして、まずは先進性のある3内市5個のですね、プロジェクトから集中的に支援を開始して、2030年までに年間貯留料の600内市、1200万トンの確保に目処をつけ るということを目指すとともに、CCS事業に関する法制度をできるだけ早期に整備していくということを当面の目標としてございます。また、こうした国内での事業環境整備の取組とともに、我が国企業による海外でのCCS事業への参画ということも積極的に支援していくことが重要であると考えておりまして、このためには、我が国が主導としておりますアジアCCUSネットワークやジョグメックによるリスクマネー供給支援などを活用してまいりたいと考えております。
1:16:15
時間がなくなりましたので、私の方でまとめて終わらせていただきます。本当に期待される技術、CO2を集めて、そして地中の800メーターとか1000メーターぐらいのところに埋めていくということのようであります。やっぱりその地中に埋めるということであるならば、安全性がいかに担保されるのか、あるいはいつの日か上がってきたときにどうなるのか心配等々あるわけですけれども、その辺もクリアできる技術だというふうに伺っております。日本はカーボンプライシングがかなり出遅れている中で、このCCSをうまく使えれば非常に挽回できるチャンスがあるというふうに私は思っていますので、ぜひ力強い支援でこれを進めていただきたいと思います。質問を終わります。
1:16:59
他にご発言はありませんか。竹爪人司君。
1:17:05
国民民主党新緑風会の竹爪人司です。経済産業省の説明資料21ページにあります統合コスト、これは注目すべきコストだと考えます。この統合コストというのは、電力システム全体に追加で生じるコストも入っていますので、これが電気料金に反映され得ると考えられます。第6次のエネルギー基本計画では、2030年度の電源構成、再エネは36から38%とされています。また、原子力は20から22%、火力発電の比率はできる限り引き下げていくとされています。現在国会で審議されているGXの推進法案に示されている再エネ付加金の想定値は2032年までは上昇し、その後ピークアウトすると政府から説明されています。一方で電力システム改革の目的の一 つに電気料金の抑制というのがあります。再エネは足元では20%程度です。7年後の2030年には36から38%という目標は、簡単には達成のイメージが持てない目標ではありますが、これが達成された場合の電気料金がどうなるかということを懸念しております。経産省にお尋ねします。この21ページに事業用の太陽光の統合コスト、19.9円/kWhと、他の電源よりも高いコストが高いと分析されていますが、この再エネを36から38%とし、一方で電力のシステム改革では電気料金の抑制があり、施策の辻褄が合わないのではないかと思っています。再エネの拡大と電気料金の抑制をどのように両立させるのか教えていただきたいと思います。
1:19:18
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、再生可能エネルギーにつきましては、適切な国民負担と地域との共生というものを図りながら、先ほど副大臣からも御答弁申し上げました、2030年度36から38%の実現に向けて最大限努力していくということが政府の基本的考え方でございますけれども、御指 摘のとおり、再エネの導入拡大に当たっては、発電コスト、それから統合コストの問題をしっかりと解決していく必要がございます。こうした統合コストには、太陽光や風力の出力変動への対応に必要な火力の調整コストであるとか、要するに蓄電ロスなど電力システム全体に統合するためのコストが増加すると、これをどうするのかというのが極めて大きな課題でございます。このため、まずは発電コストにつきましては、一つはフィット制度におきまして、調達価格、着実な低減を図っていくということ、それから二つ目は入札性の活用を図っていくということ、そして三つ目には低コスト化に向けた研究開発、こうしたことによって再生可能エネルギーの発電コストを下げていくという取組を進めていく必要がございます。また、こうした取組に加えまして、統合コストとの兼ね合いでは、全国大の再エネポテンシャルを有効活用するために、個別の系統ごとに費用便益保険を行いながらも、先般発表しましたマスタープランを踏まえて、効率的かつ着実に系統整備を進めていくという必要がございます。また、電力需給に応じた売電、売り電を促す市場連動型のFIP制度の活用、これによる再エネの電力市場への統合といったようなことも大切な課題ですし、三つ目といたしましては、いわゆるデマンドレスポンス、需要再度の取組も必要だと考えてございます。こうした様 々な取組により、電力システム全体でのコスト低減を図っていく必要があると。今月開催いたしました関係閣僚会議でも、こうした取組を省庁の壁を越えて加速するというアクションプランを策定したところでございまして、御指摘のとおり、辻褄の合わないことのないように、今のような取組を統合的に進めていきたいと、このように考えてございます。
1:21:43
様々な政策は今、理解いたしましたけれども、私は、この再エネを導入拡大するとコストが上昇すると、つまり電気料金が上昇するということが国民にしっかりと伝わっていないんじゃないかと思っていますので、その記号を申し上げた上で、次の質問に入られたいと思います。発電部門の自由化と安定供給の責任について、同じ経済産業省さんの資料の35ページに、この火力発電の電源比率低減と脱炭素化が記載されております。火力は当面は再エネの変動性を補う調整力、供給力として必要であり、過度な体質抑制など安定供給を大前提に進めていくとあります。ここで、火力は再エネの変動性を補う調整力ということが、火 力の体質抑制には矛盾があると考えています。つまり、火力発電所の稼働率が低下すればするほど、再産性が損なわれます。また、さらに問題なのは、出力調整を頻繁に行えば行うほど、いわゆるスイッチを入れたり切ったりすればするほど、設備が損傷する可能性があります。安全性も損なわれ、発電事業者にとっては頻繁な出力調整というのは避けたいところだと思っています。この40ページにありますように、この発電部門は自由化されている。ただし届出制ということされていて、脱炭素も求められていますので、火力の長期維持というのは見込めない、再産性が悪い火力発電所は早々に退出したいと判断しても仕方ないと思っています。そこで太田副大臣にお尋ねいたします。今、ルールを申し上げたような、電力の自由化、電気料金の抑制、脱炭素、カーボンニュートラルなど、こういった様々な施策が混在しております。こういった混在する中で、国は電力の安定供給にどのように責任を果たしていくのか、教えていただきたいと思います。
1:24:00
御指摘のように、電力の安定供給は、国民生活、経済活動の基盤であります。電力自由化以降、事業者、小売、一般配送、発電等がございますけれども、それぞれの立場に応じて安定供給のための責任を負っておるわけですけれども、エネルギー行政を司る経産省としても、電力の安定供給のために必要な環境整備を行っていくことが重要だと考えております。特に御指摘の、太陽光発電を中心とする再エネ導入が急速に進む中で、脱炭素の流れとも相まって、季節の火力発電所の給配子が進行いたしまして、新設も停滞しています。原子力再稼働の遅れも相まって、供給力が低下するといった課題も生じているということです。こういう中にあって、環境整備ということを申し上げましたけれども、経産省としても、いくつかの仕組みを今考えておりまして、一つは、発電事業者の投資回収の予見性を高め、将来必要となる供給力を確実に確保するための仕組み、これ、要領市場というんですかね、こういうことですとか、それから、脱炭素電源への新規投資を促す措置の検討等も進めておるわけです。また、GX実現と安定供給確保の両立を図るということのためには、再エネ や原子力などの脱炭素電源への転換を進めていくべきという考え方に基づいて、GX脱炭素電源法案を今、国会に提出をさせていただいております。法案の早期成立に向けて、しっかりと取り組んでいく所存でございますが、参議院におかれましても、御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
1:25:50
まさに電力の安定供給は、我が国の経済、そして社会の基盤であります。電気が安定しない国では、産業も発展しませんし、国民の健康、生命、暮らしも守れないと思っています。電気は、とりあえずチャレンジしてみようというのが、そういったお試しは許されない財だと思っております。遅きに失しないということにならないように、電気事業制度の不断の検証と見直しを求めて発言をさせていただきます。ありがとうございました。他に御発言はありませんか。
1:26:32
日本移動産党の木村義子です。はじめに、経産副大臣に伺います。2月22日の党庁査会の質疑において、電気事業法、原子炉等規制法の改正に関わって、事前に資源エネルギー庁と原子力規制庁との面談についての記録や内容などの資料提出を求めたところ、4月7日にそれぞれ資料の提出と説明がありました。が、規制庁からの資料は黒塗りが外されないままでしたし、資源エネルギー庁の資料の方は黒塗りはされていませんでしたが、面談そのものの記録など、面談の内容のわかる資料というのはありませんでした。ただ、いただいた資料でわかったことは、本来、規制庁の所管であった運転機関の規制に関わる法改正案の叩き台を、資源エネルギー庁の側が作成し、それを規制庁と共有していたということです。つまり、規制と推進の分離の原則を踏み越えた法案の擦り合わせを事前に2つの庁で行ったということではないかと思うんですが、経産の副大臣いかがですか。
1:27:40
ご指摘の面談というのは、いずれも、令和2年7月に原子力規制委員会が出しました見解の内容等の確認ですとか、運転機関に係る利用政策の観点からの検討状況についての情報共有を行ったものであります。原子力安全規制のあり方について、具体的な意見の申し入れ等を行った事実はございません。このため、利用と規制の分離に照らして問題があったとは考えておりません。昨年12月27日の原子力規制庁の記者会見におきましても、高経年化の安全規制について、協議・調整・擦り合わせと呼ぶような行為を行ってはいなかったとの説明がなされたと承知をいたしております。今後とも、東京電力福島第一原発の事故の最大の教訓であります、規制と利用の分離の趣旨をしっかり踏まえて、適切に対応してまいります。
1:28:40
情報共有だけだったということなんですけれども、しかし本当に違うのかどうか、やはり面談の内容そのものが明らかでない以上、分からないということであればありますので、改めてこの真実を徹底的に追求しなければならないと思っているのです。そこで、調査会会長、この資源エネルギー庁の側の面談の記録、また面談について、資源エネルギー庁内で報告した際の資料などがありましたら、この調査会に提出いただきたいと思います。後刻、自治会で協議いたします。前回も言いましたが、福島第一原発の最大の教訓は、推進と規制を分離することであります。にもかかわらず、それを踏み越えて、法案の釣り合わせがもしあったとしたら、安全神話の復活そのものであり、こうした原発回帰の姿勢は許されないということを強く申し上げたいと思います。次に、環境副大臣にCO2の削減目標について伺いたいと思います。政府が2021年に決めたCO2削減目標というのは、先ほども御説明ありました、2030年度に2013年度比46%減というものです。これ2010年比にすると42%減で、国連が示した2030年までに2010年比45%減という世界平均の目標よりも低いものになっているわけです。国によっては5割以上の削減目標を掲げているような国もあるものとでも、やはり日本の目標というのは決して高いものとは言えないと思うのですが、それについて岸田首相は、私が1月の本会議で質問した際に、我が国の目標はカーボンニュートラルに向けた削減ペースで見れば、欧米との比較においてもより野心的なものであると答弁されました。どこが野心的なのでしょうか。
1:30:28
お答え申し上げます。我が国は、パリ協定の1.5度目標と整合的な形で、2050年カーボンニュートラルの実現を掲げ、それと整合的な2030年度の目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けることとしております。岸田総理は、それぞれの国の目標値を取り上げて、単純比較することは適切ではないとした上で、カーボンニュートラルに向けた削減ペースで見れば、欧米との比較においてもより野心的なものであると答弁されているところでありますけれども、我が国の目標は、既準年から2030年目標に向けた削減ペースを見た場合においては、カーボンニュートラルを実現する上で、欧米と比較してより野心的なものであると承知をしております。いずれにしても、引き続き、2030年度目標、2050年カーボンニュートラルの達成実現に向け、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、GX基本方針に基づく対策施策を着実に実施してまいります。
1:31:47
やはり何がどう野心的なのか、私は納得がいかないんですけれども、削減ペースが野心的だというのは、決して目標が野心的だということではないと思うんです。またご説明の中で、2050年のカーボンニュートラルをとにかく目指していくんだとおっしゃってましたけど、ただ、じゃあ2050年の時点でそれが実現できていれば問題ないのかというと、そういう話ではないはずです。世界で行われている議論というのは、そういう悠長な話じゃなくて、できる限り早くCO2削減量を減らしていって、気温上昇は必ず1.5度以内に抑え込むんだと、それが求められているわけですね。だから続けて環境副大臣に伺いたいんですけれども、4月15日から16日に札幌で行われたG7の気候エネルギー環境省会合での共同声明では、3月20日に発表されたIPCC気候変動に関する政府間パネル の最新の見解を踏まえ、2035年に19年比60%削減する緊急性が高まっているということが強調されたと聞いております。この声明で示された19年比60%削減というのは、日本に当てはまると2035年に13年度比で66%の温室効果ガス削減が求められることになるわけです。今の政府の目標通り、2030年度に2013年比46%減、これ達成できたとしても、その5年後にはさらに20%の削減を達成しなければならないと、そういう通じになっていると思うわけです。そういう意味でも現在の目標、決して野心的と自負できるような状況ではないと私は思うんですけれども、日本は2035年の目標は未だ持っていないわけですが、こうしたG7の環境省会合の共同声明に踏まえた対応をすべきと思いますが、いかがですか。今月15日、16日に開催された気候エネルギー環境大臣会合のコミュニケにおいては、IPCCの最新の見解を踏まえて、世界の温室効果ガス排出量を2035年までに60%削減することの緊急性が高まっていることが強調された、ご指摘のとおりであります。我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、それと整合的な2030年度46%の削減目標と、50%の高みに向けた挑戦の継続を表明しております。まずは、これらの達成実現に向け、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、GX基本方針に基づく対策施策を着実に実施してま いります。その上で、3年ごとの地球温暖化対策計画の見直し、これ、2024年目途としております。それですとか、2025年までの提出が奨励されている次期NDCなどの機会を見据えて、目標とそれを実現するための対策、施策について、関係省庁とも連携しながら、不断の検討を行ってまいります。普段の検討を行うということですけれども、やはり目標を大幅に引き上げるとか、そういう宣言はないわけですね。日本G7議長国として、この目標を世界へ呼びかける立場だと思うんです。野心的だというのであれば、やはりこの共同声明に責任を持てる目標、2030年の目標についても、そういうふうに上乗せをしていくべきだと私は思います。CO2削減達成の鍵となるのは、やはり再生エネルギーの導入の拡大です。最後、1問、経産副大臣にも伺いたいんですけれども、エネルギー構成について、2030年度は再生エネルギー比率36から38%と知っていますが、3月1日、アメリカのエネルギー省ローレンスバークリー研究所が公表した日本レポート「電力脱炭素化に向けた戦略」では、日本の再生エネルギーの可能性について、2035年には再燃焰70%へ移行できると高く評価しているわけですが、こうしたことを踏まえて、再生エネルギーの導入拡大、加速させるべきと思いますが、最後いかがでしょう。
1:36:14
再生可能エネルギー、御指摘のように大変大切な主力電源となるべきものでございまして、2030年度36から38%の実現に向けて、地域との共生等の課題がございますけれども、最大限導入していくことが政府の基本方針でございます。その導入目標をしっかり実現するために、普段の検討を行っておりまして、一つは、公共部門における屋根設置の促進、工場・倉庫などの建築物に対する導入強化において、屋根設置の事業用太陽光発電の区分を新設いたしました。それとともに、地球温暖化対策推進法、農産漁村再エネ法との連携、これを通じまして導入の促進を図ること、さらには、再エネ化域利用法による洋上風力発電の導入拡大や、グリーンイノベーション基金の活用による次世代型太陽電池や洋上風力の技術開発などなど、加速するべく取組も進めておるところです。今月開催しました閣僚会議におきましても、こうした取組を含めて、アクションプランを策定し、引き続いて関係省庁とも、さらなる連携を図りながら推進してまいります。
1:37:38
ドイツでは、もうダンス原発を実現して、再生可能エネルギーは8割導入されているわけで、野心的というのがこのくらいのことをやるべきだということを申し上げまして、終わります。
1:37:59
令和新選組、船子康彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。私は、心肯性の難病、菌移植性即作効果症、ALSの進行により、喉に穴を開けて人工呼吸器をつけているため、声を出すことができません。このため、パソコンによる音声読み上げで質問をいたします。聞き取りにくい点もあるかと思いますが、ご容赦ください。経済産業副大臣にお尋ねし ます。質問にあたり、はっきりと申し上げます。政府の原発政策について、断固として抗議いたします。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から、まだ12年しかかっておりません。福島県内外への避難者数は、いまだに万人以上おられます。今も故郷に帰れない方、成り割を奪われた方、原発事故によって人生を大きく変えられてしまった方々の支援と補償は道半ばです。にもかかわらず、新増設や運転機関の実質延長を目論み、原発推進を強化しようとする政府の姿勢は、到底容認できません。今、日本に求められているのは、再生可能エネルギーをいかに発展させていくのか、ということです。経済安全保障の観点からも、国として再生可能エネルギーに全力を尽くすべきところ、原発の新増設や運転機関延長を打ち出しました。ありえません。もう一度言います。原発事故からたった12年です。政府が閣議決定した「GX実現に向けた基本方針」の中に、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓をひとときたりとも忘れることはないと明言されています。その通りです。しかし、政府がしようとしていることは、この方針とは全く相入れない内容ではないかと考えます。質疑にあたり、福島で暮らす農家の団体である福島県農民運動連合会の事務局長、佐々木武宏さんにお話をお聞きしました。佐々木さんは、このように話されました。「原発事故の最大の教訓は、動かさないということです。政府が原発の新設や運転機関延長をしようとすることは、この教訓がなかったことにするという意味です。原発事故があったのに、今後何十年もさらに動かそうとするのは、福島の事故は大したことなかったのだ。賠償も十分されて、支援もされて、もう収まっているのだと、国は捉えているように感じます。南海トラフ巨大地震も危惧される中、日本で決して原発を稼働させる状況ではないと考えます。」とおっしゃっていました。「本当にその通りであり、政府はこうした意見を真摯に受け止めるべきだと考えます。こうした福島の被災者の声を、どのように受け止めておられるのですか。」
1:42:01
私も原子力災害現地対策本部長として、たびたび福島に伺わせていただいております。そのたびに、事故により被災された方々への心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、最後まで福島の復興再生に全力で取り組むことが、これまで原子力を活用してきたエネルギー政策、それを進めてきた政府の責務であるというふうに考えております。GX実行方針にも書いてございますけれども、原子力を活用していく上では、東京電力福島第一原発の事故の経験、反省と教訓をひとときも忘れることなく、エネルギー政策を進めていくこと、これが一貫した政府の方針でございまして、2月10日に閣議決定されましたGX実現に向けた基本方針にも明記をされておるところです。今後も原子力を活用し続ける上で、安全神話に陥ることなく、安全性を最優先することが大前提であるということを肝に銘じた上で、安全性が確保された原子力の利活用を図っていきたいと考えております。
1:43:25
統計、納得できません。経済産業副大臣にお尋ねします。原発回帰ではなく、再生可能エネルギーの発展に全力を注ぐべきだという点について、改めて申し上げます。2月の本調査会に出席していただいた、大島健一留国大学政策学部教授は、再生可能エネルギーを100%にするような政策をこれから大胆に取っていくことが日本社会にとって、また日本の経済にとって自立性を高める道とおっしゃいました。先ほどご紹介した、福島県農民連は、自ら市民共同発電所に取り組み、自然エネルギーへの転換を実践されています。佐々木事務局長は、分散型エノウガタ発電所が増えれば、送電線に負荷もかけずに済む、地域の中でエネルギーが循環でき、仕事も増やせるし、人口流出も防げる、太陽光や風力の普及を今、やらなくていつやるのだというタイミングなのに、原発にお金を注ぐのは、どう考えてもベクトルが逆ではないですか、と指摘されています。全くその通りです。原発の稼働、建設に使う分のお金を、再生可能エネルギーの普及、発展に使うべきではないでしょうか。見解をお聞かせください。
1:45:11
先ほども触れましたGX基本方針、2月に閣議決定をされておりますけれども、この中には、S+3Eの原則の下、これは日本の置かれたエネルギー状況、エネルギーの安定供給と、そして日本の成長、さらにはカーボンニュートラル、この3つを同時達成するためには、あらゆる選択肢を確保することを前提に、徹底した省エネの推進に加えて、再エネや原子力などの脱炭素電源への転換、これを推進する方針が明記されているわけです。エネルギーの安定供給と気候変動対策を両立するためには、再エネか原子力かといった二元論に立つのではなく、脱炭素電源である再エネと原子力をともにしっかり利活 用していくという発想が重要ではないでしょうか。その上で、再エネについては、主力電源化に向けて最大限導入を進めていくために、全国規模での系統整備、海底直流送電の整備などを加速した上で、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら、2030年度の電源構成に占める再エネ比率36から38%の達成に向けて取り組みを進めているところでございます。
1:46:47
時間の関係で、通告と少し順番を変えて、最後の質問にいたします。経済産業副大臣にお尋ねします。GX基本方針に原子力を盛り込んでいること自体への違和感についてお尋ねします。米国の環境保護庁のウェブサイトや、英国のグリーンエネルギー法などでも、グリーンエネルギーに原子力が含まれるという定義は見当たりません。フランスのグリーン化促進のためのエネルギーの移行に関する法律にはグリーンエネルギーの定義はあ りませんが、原子力発電を削減して、再生可能エネルギーや小エネルギー、電気自動車などを促進する内容の法律となっています。こうしたことを踏まえると、グリーントランスフォーメーションの中に、原子力発電をグリーンエネルギーのように含めて、原子力発電の推進を含むのは、非常に違和感を抱きます。どのようにお考えですか。
1:48:05
御指摘のありました、何がグリーン化ということでございますけれども、現時点ではですね、世界共通の定義というのは、存在していないというふうに我々は認識をしております。例えばEUでは、経済活動が環境的に持続可能かどうかを判断するための基準としてEUたくそのみが定められておりますが、これも一定の条件を満たせば、原子力もいわゆるグリーンとして認められるというふうに認識をしております。こうした基準は、それぞれの国や地域の特性、事情を踏まえて作成をされる ものでありまして、各国の考え方が一致するとは限らないと、こう考えて私どもの政策は進めているところでございます。
1:49:01
原発が持続可能なエネルギーではないことは、原発事故を経験した日本で暮らす私たちが一番理解しているはずです。質問を終わります。
1:49:19
他にご発言はありませんか。神谷雅之君。
1:49:27
自由民主党の神谷雅之です。質問の機会をいただきありがとうございます。まずは政府参考人にお伺いします。第6次エネルギー基本計画においては、2030年度の温室効果が46%削減を目指しています。その際、再生可能エネルギーを主力電源としながら、原子力発電は電源構成20から22%を見込んでおりますが、その実現には国民の懸念解消にしっかりと取り組むことが必要不可欠です。2020年度は3.9%である現実も踏まえて、GX実現に向けた基本方針に記述されているように以下は引用になりますが、地域の実情を踏まえた自治体等の支援や避難道の整備など、防災対策の不断の改善等による立地地域との共生、国民拡散とのコミュニケーションの進化、充実等に国が全面に立って取り組むというスタンスで進められるべきであると考えます。それに当たり、原子力災害対策指針に則った対策が必要であります。その一環として、安定要素材を優先すべき対象者や希望する者にしっかりと配布することは、緊急事態における防護措置実施等に向けて重要と考えますが、政府の見解をお聞かせください。また、現在国内における安定要素材の事前配布状況はどうなっているのかお答えください。
1:50:44
お答え申し上げます。安定要素材の事前配布につきましては、原子力災害対策指針に示されております事 前本の配布の考え方、これに従いまして、しっかりと行うことが重要と認識しているところでございます。それで、国内においてどの程度配布がなされているかという点についてでございますが、こちらにつきましては、配布の事務を行う地方公共団体から配布実績や配布数等について報告を求めているわけではございませんので、内閣におきまして常に最新の配布率を網羅的に把握しているということではございません。その上でご参考として把握している数字の一例を申し上げますと、島根地域でございますが、令和3年4月時点で集計した配布実績によりますと、島根地域のパズ内の40歳未満の配布対象者2726人に対しまして1655人へ配布がなされているということでございますので、配布率を計算すると約61%ということになります。以上でございます。
1:51:42
ありがとうございます。それを踏まえて次の質問へ入ります。ついて避難時の安定要素材の配布方法と服用について政府参考人にお聞きします。原子力災害対策指針では、小公共団体は服用指示が出た際に、服用を優先すべき対象者や 保護者等が服用を躊躇することがないよう、服用による複製化のリスクよりも、服用しないことによる工場船の内部被曝のリスクの方が大きいことについて、平時から住民に周知を行うと記載されています。先ほどの答弁のとおり、現時点において、一部の例を持っておりましても、全ての対象者に配布が完了しているわけではないという現状を踏まえますと、避難途中に配布を行い、服用指示に基づいて服役してもらうということも予想がされるところです。様々なケースもあるとは思いますが、現状で政府としては、避難中の対象者へ安定要素材を配布をして服用してもらうまでの一連の流れをどのように想定をしているのかを教えてください。
1:52:43
お答えいたします。今、委員御指摘のとおりでございまして、私ども原子力災害対策指針、こちらの解説書として、安定要素材の配布、服用に当たってというものを作成しております。その解説書の中では、外出先から直接避難する場合など、安定要素材が身近にない場合は、避難する際の集合場所などで地方公共団体が緊急配布する 安定要素材を服用することとしておりまして、そのために地方公共団体が準備をしているところでございます。
1:53:28
ありがとうございます。我々に外出中であったり、持っていなかった場合は、集合場所で配布されたものを服用するというお話でありました。おそらくそれは、避難中に緊急配布されたものを服用するということになるかと思います。そういった際に、医師や薬剤師による十分な説明は難しいということが想定されます。また、他の治療薬を服用している場合、また受けた説明に対して不安がある場合に、避難中は混乱が予想されますので、十分に理解をして納得をして、安心をして服用するということが難しい場合によっては、服薬に難色を示すケースも考えられます。それらの条件の対応もしっかりと考慮していく必要があるのではないかと考えます。それも踏まえて、最後の質問をさせていただきます。事前配布の中でも、薬局での配布に関する質問を 政府参考にさせていただきます。例えば、フランスでは原子力発電の半径10キロ圏内の住民に、安定用素材の事前配布を行うことが政府に義務付けられています。その際に、引き換え券を郵送で発送して、住民は最寄りの薬局で入手をしつつ、期限切れの安定用素材は返却をする仕組みとしています。その上で、自ら取りに来ない方を対象に、安定用素材を郵送配布するという二段階の措置を講じることで、配布率が向上しています。我が国でも、医師会・薬剤師会・行政が連携をして薬局配布を行っている自治体がありますが、この薬局での配布の取組をどのように評価をされているのか、また今後、薬局での配布を実施する自治体を増やすというお考えはあるのか、教えてください。
1:55:05
お答えいたします。ご指摘の薬局配布でございますが、こちらにつきましては、安定用素材が必要な方への事前配布率の向上を目的として、令和元年7月から新たに導入されたものでございまして、現在までに、茨城県、新潟県、福井県で導入されているものと承知をしております。この薬局配布でございますが、これは地方公共団体が地域の実情を踏まえ、地域の医師会及び薬剤師会と具体的な配布方法等を協議の上、導入するものとされておりまして、あくまで実施するかどうかは地方公共団体の判断ということになりますけれども、内閣府といたしましても、自治体に対し、先ほど申し上げたような事前配布率向上を目的として、この薬局配布が導入されたということと、併せて、先行事例の紹介などを行っているところでございます。いずれにしましても、薬局配布を含め、安定を拙大の事前配布がしっかりと行われるよう、引き続き適切に取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。
1:56:02
ありがとうございます。事前配布がしっかりと行われることはやはり重要だと思いますね。今のご答弁のとおり、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。特に今回の薬局での事前配布におきましては、まさに住民に寄り添った説明や工夫をして取り組んでいるという現状があります。例えば海外においても課題になっていることとして、一度配布した後に、次の期限までに安定要素材を交換しに来た住民の割合、これはわずか半分程度であったという問題があります。それに対して、先ほどご説明の中にもありました茨城県の、例えば日立中市の薬剤師会では、お薬手帳の表紙、こちらに配布した日付のシールを貼る。それによって、平時からその日付等を目にすることによって、安定要素材のことを日頃から意識し続けるような工夫を取り組んでいます。また、緊急時、この時に確実に安定要素材を取り出して服用する、もしくは持っていくということができるような環境を整えていくことは極めて重要であると考えます。そのために、薬局で配布する際に、保管場所をよく使う引き出しの手前に置いてくださいという指導をしていたり、もしくは冷蔵庫に置くことで、普段からどこにあるのかということを意識してみられるような取り組み、そういった指導もしているということを伺っております。また、在注というのも非常に重要でありまして、子どもはがん剤が飲めないようなケースもあります。この安定要素材は、がん剤がある程度の年齢になると、ゼリー剤からがん剤に移行するというふうになり、事前にお渡しする際にも年齢によって次に飲むのはがん剤だねということでがん剤をお渡ししたりするのですが、次はがん剤を服用する年齢に達するという場合でもあっても、親御さんからの要望等でがん剤の服用が難しいという場合は、ゼリー剤が必要となりますので、行政と連絡を取って丁寧に対応するなどということをしております。まさに立地地域住民とのコミュニケーションの進化を充実に取り組んでいるということを、ぜひご評価をいただき、一層の活用をお願い申し上げるとともに、安定要素材がしっかりと配布されることをお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
1:58:08
他にご発言はありませんか。他にご発言もなければ、本日の質疑はこの程度といたします。速記を止めてください。ください。
1:59:05
次に、中間報告書を取りまとめるにあたり、これまでの調査を踏まえ、委員間の意見交換を行います。まず、各会派1名ずつ指名させていただき、その後は会派に関わらず、ご発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから、ご発言いただくようにお願いいたします。また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、発言時間は1回あたり5分以内となるように、ご協力をお願いいたします。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、発言のある方は、挙手をお願いいたします。
1:59:52
自由民主党の佐藤恵です。本調査会の1年目は、資源エネルギーと持続可能社会をめぐる情勢につきまして、9人の参考人の方々から大変貴重な意見をお聞きし、理解を深めることができました。私からは、ロシアのウクライナ侵略による新たな局面において、我が国がエネルギーの安定供給を確保するとともに、地球温暖化対策、そしてSDGs目標の達成に向けた取組を進めるためには、政府がこの2月に策定されたGX実現に向けた基本方針を着実に進めることが重要であると申し上げます。その上で、特に留意すべき点として、エネルギー安全保障、再年のさら なる導入と脱炭素技術の開発、原子力の最大限の活用、そしてSDGsの達成につきまして、私の意見を申し述べます。エネルギー安全保障は、この新たな局面において、その重要性が再認識されています。エネルギー資源のほぼ全量を海外から輸入する我が国は、これまで調達先の多角化などに取り組んできましたが、ロシアのウクライナ侵略によって新たな対応を迫られています。ただ、各国との協力関係の重要性に、いさざか変わるところはありません。我が国は、引き続き国際協調主義の下、平和外交を駆使することで、各国との連携構築を深め、必要なエネルギーの輸入を継続することが必要です。その上で、国内においては、再年のさらなる導入促進と原子力の最大限の活用に取り組むなど、あらゆる手段を講じていくことが、我が国のエネルギー安全保障のために不可欠であります。まず、脱炭素化の取り組みが地球規模で進む中、我が国のエネルギー面での自立のためには、再年のさらなる導入と脱炭素技術の開発が必要です。我が国の有するイノベーション力を発揮して、ペロブス回路型太陽電池の導入促進、地熱発電開発等の一層の展開、大きなポテンシャルを有する養生風力発電の導入拡大に向けた取り組みが重要です。加えて、水素・アンモニアの導入に向けた取り組み、メタネーションやCCSなどの脱炭素技術の開発も一層促進するべきであります。このようなイノベーションの促進と普及に関しては、中長期的な視点で政府が積極的な支援を行うことが極めて重要であります。次に、我が国が直面する厳しいエネルギー供給状況を踏まえれば、再エネのさらなる導入促進と併せて、原子力の最大限の活用が必要です。まずは、安全性の確保を第一に、原子力発電所の再稼働を進めなければなりません。2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所事故から12年が経ちますが、今なお原発を不安に感じる国民の方々がいらっしゃることは事実です。しかし、事故の反省と教訓を踏まえ、規制と推進の分離の下で高い独立性を有する原子力規制委員会が、世界で最も厳しい水準の新規制基準で審査しています。この厳格な審査をクリアすることを大前提とした原子力の最大限の活用なしに、安定的なエネルギー供給は果たせません。我々は、電力価格の高騰、停電の可能性に国民を晒し続けることはできないのです。そのため、原子力発電所の迅速な再稼働に向け、原子力規制委員会の審査においては、安全性を大前提に、さらなる効率化の取組が求められます。加えて、我が国が長年にわたって培ってきた原子力技術や産業基盤を将来世代につないでいくことは、我々世代の責務であります。政府が示した原子力発電所の建て替えや、次世代核進路の研究開発などを着実に進め、再エネと車の両輪として我が国の電源を支えられるよう取り組んでいく必要があります。同時に、原発事故の真摯な反省と教訓の上で、まだスタートラインに立ったばかりの福島の復興と再生の加速化を国が全力で支援することの必要性について、改めて申し上げます。原子力に対する国民理解の情勢は、原発推進か脱原発かだけの視点でなく、原子力発電所立地自体に寄り添うといった視点も重要です。大都市へのエネルギー供給とそのための様々な負担を一手に引き受けているのが、立地自体とその周辺地域であるからであります。原子力政策に関係する全ての者は、この問題の重要性を改めて認識し、立地自体をはじめとした関係者の皆様の理解と協力を得られるよう、真摯に取り組んでいく必要があります。最後に、地球規模の取り組みであるSDGsは、目標年次まであと7年となりました。現下の難しい国際情勢にある中、5月のG7表彰サミットにおいては、これまでの日本の取り組みを各国と共有するなど、日本がリーダーシップを発揮し、世界とともに目標達成に向けて歩んでいくべきことを期待いたします。以上でございます。
2:05:07
他にご発言はありませんか。村田恭子君。
2:05:11
はい。立憲民主社民の村田恭子です。本調査会での活動を通じ、資源が少ない、そしてものづくりの国である日本にとって、資源とエネルギーの安定確保の製品が、我が国の社会経済活動に大きな影響を及ぼすことを改めて認識しました。グローバル経済が進展するにつれて、WTOの紛争処理機能の低下とも相まって、資源を持っている国から資源を持たざる国への輸出制限が、単なる受給逼迫という理由だけではなく、複雑さを増す国際政治上の思惑としても利用され始め、それが徐々に進行を拡大してきました。そして、新型コロナによる世界的なサプライチェーンの寸断、ロシアによる憎悪な進行を契機に、私たちはその影響がどれだけ大きなものかを、物価高騰によって身をもって思い知るに至りました。この世界が直面する新たな局面において、日本がこれからも社会経済の成長を確実にするためには、海外との連携と合わせて、資源エネルギーの安定供給やサプライチェーンの強靱化など、国内で自給できる体制を強化することが重要と考えます。また、本調査会は、全身の資源エネルギーに関する調査会から、今般、持続可能社会が調査会の懸命に加わりましたが、この新たな局面においては、地球環境を保全するための取り組み、SDGsといった地球規模への取り組みにもしっかりとコミットしなければいけません。この資源エネルギーの安定供給と持続可能社会に向けての取り組みは、相反するものではなく、私は日本の強みを生かすチャンスだと考えます。日本は確かに資源が乏しい国ですが、都市鉱山や廃棄物のリサイクルを通じた国内資源の再利用は、世界に先駆けて日本が進めてきたものでありますし、省エネ・再生可能エネルギーの利用促進、水素・アンモニアの活用等の研究も行われています。日本の技術力を生かしながら、資源エネルギーの確保と地球全体の環境保全に貢献することができると考えます。もちろん課題もございます。一つは技術への投資です。研究開発や実用化には多額の投資が必要ですが、この失われた30年の間、投資はコストと考えられ、積極的な投資は進んでいませんでした。しかし、今こそ未来に引き継ぐ社会を実現するために、投資はコストと考えるのではなく、むしろ日本全体、あるいは企業それ自体のブランド価値を高める、付加価値を創造する投資であることに留意し、官民あげて取り組むべきです。二つ目の課題は、人材をどう生かしていくのかであります。せっかくの世界に誇るべき技術を持っていても、人がいなければ継承はされませ ん。原子力発電を考えてみても、この10年、原発政策の議論は停滞をし、そのため原子力発電を担う人材が減っています。国は今、再稼働を進めていますが、現場では「経験者が不足している」との声がございます。再稼働や廃炉には人材育成が必須です。投資の拡大、人材確保に向けて、国は今後の資源エネルギーや持続可能社会への取り組みについて、多様なステークホルダーとの対話を通じて指針をつくり、国民全体に周知をし、予見可能性を高めていくことが大切です。企業、労働組合、消費者、学術研究機関、地方自治体など、そして特に重要と考えるのが、未来の地球を担い、これから何を学ぼうか、何の仕事をするのかと考えている若い世代との対話です。前回の調査会では、カニエ参考人より、日本ではSDD図の認知度は高いが、国民一人一人の行動にはつながっていないとの指摘もありました。日本全体で課題に取り組んでいく、一人一人の行動につながるような政策立案に取り組むこととし、私の意見表明といたします。
2:09:37
他にご発言はありませんか。川野義博君。
2:09:44
まず、総論として申し上げたいことは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、我々は日本らしいカーボンニュートラルを、戦略的に国益に資する形で目指していくべきなんだろうと思っています。あくまで目指しているのは、2050年ネットゼロでありますので、そこに向けて、我が国らしい取り組みを着実に進めていくべきです。100年間続いた化石燃料輸入依存の、この我が国の国の形を変えるいいチャンスだと思っていますし、最後のチャンスなのかもしれません。安価で安全で、そして安定的に供給できる国産エネルギーというのがあればいいんですけれども、残念ながら今、そういう完璧なものが見当たらないという中で、いろんなテクノロジーを国内のいろんな地理的に分散させて、開発を強力に進めていくということが大事なんだろうというふうに感じています。確論に入りますと、我が国は1921年、大正10年に輸入原油の石油生成事業を本格的にスタートさせました。その後、先の大戦前までに輸入が9割を占める状況にありました。そういったさなか、1941年、イギリス、アメリカ、オランダが対日の輸出を全面的に禁止するということが端緒となって、太平洋戦争に踏み切りました。100年、今、経ちましたけれども、2021年、一時エネルギーの自給率はわずか13%という状況であります。かつ、昨年、令和4年の鉱物性燃料、石油石炭、天然ガス輸入額は33兆5千億円、33兆5千億円の国付を流出させています。もちろん、貿易赤字の一番大きな原因でありますし、一般会計の税収は令和4年度65兆2千億円ですから、一般会計の税収の半分を上回る金額を、我々は輸入しているという現実を決して見間違えてはいけないし、そこの現実から逃げてはいけないんだろうと思います。再生可能エネルギーを大量導入するということは、非常に大事な点で論を待ちませんし、これは全党全会派、みな賛成をしているテーマだと思います。ただし、再エネで全て賄える状況かというと、今はそうではない。急激に買いようとすればコストアップにつながりますし、ご案内のとおり不安定な電源でありますので、安定供給にも支障があります。日本は、この半世紀、資源のない国でありますから、原子力発電を通じて安定・安価な電力供給、エネルギー供給を目指してきましたが、東日本大震災によりまして、それが頓挫をしまして、眼下の厳しい、大変厳しいエネルギー供給構造を生み出してしまっています。原子力も、なるべく原子力に頼らない社会が来るべきだというのも、全党一致している意見だと思いますけれども、じゃあ、今すぐにすべて止めてしまうとどうなるかといえば、停電 も当然起こるでしょうし、電気代も何倍かになるでしょうし、そういった冷静な議論も、私は必要だと思っています。原子力発電が止まった後、主力になっていますが、そのLNGも輸入額の1割はロシアに依存している。そのお金はロシアの社会保障に使われていることを祈るばかりでありますが、現実的にはそうはなっていないという状況も見ていかなければならない。ということで、完璧なものというのがありませんから、将来を見通して、長期的に、やはり戦略的にやっていかなければならないと私は思います。S+3Eは非常に大事ではありますけれども、この3Eを同時に実現させるというのは、私は不可能だと思っています。何より今大切なのは、やはり自給率を上げていく、エネルギー安全保障の向上に資する、自給率を上げていくということをまず第一に目標として掲げながら、コストを削減し、その結果、温室効果発生の回数削減にもつなげていくということが重要なのではないかと思っています。気候変動と経済発展、そしてエネルギー安全保障というのが、今までバラバラに議論されてきて、なかなか一つのテーマとして語られることはありませんでしたけれども、クリーンエネルギーを主軸として政策を展開することによって、この鳥レンマを解消する、私は大きな鍵になるのではないかな と思っています。もう少し隔論に入っていきますが、エネルギー自給率を上げていく中で、水産モニュメントというのは非常に重要だと思っていますが、政府は輸入に頼ろうとしていますので、党としての提言の中で、やはり国産化を強く推し進めているべきだということを申し上げました。政府の方針にも国産化という文字は入りましたが、その目標量というのは極めて少ない。もっともっと国産化を主軸として展開をさせていくべきだろうと思います。また、石炭火力発電所のバイオマス発電化も非常に大きなテーマでありますが、バイオマス燃料を国産化していくという視点も持ち続けていかなければなりません。CCS、CCUSも有効な手段ではありますが、海外から化石燃料を輸入するにあたって、それがコストアップをしてわざわざ輸入するというものでありますので、海外で化石燃料にCCSをつけて輸入するというのは過渡的な手法であるというふうに留まるべきではないかなと思います。EV自動車の重要性も論を待ちませんが、大切なことはEV自動車を増やすことではなくて、電源の脱炭素化でありますので、そこも見誤ってはならぬのだろうと思っております。以上でございます。ありがとうございました。他にご発言はありませんか。
2:16:02
ありがとうございます。日本維新の会の梅村みずほでございます。この調査会では、政府からの説明と質疑応答、また9名の参考人の皆様から多様なお話をお伺いすることができました。特に9名の有識者の皆様からのお話をお伺いしていて、強く確信したのが、1年1年が勝負の1年であるということです。第6次エネルギー基本計画に示されました、温室高額ガス、昨年2030年までに46%削減するという目標、そしてその先にある2050年のネットゼロ目標に向けて、まさにこの2023年も来年もその次も1年1年、全力で向かっていかなくてはいけない政策だということを認識いたしました。我が国のエネルギー自給率の低さや自然エネルギー再エネの安定性を鑑みれば、原発をいかに有効に発展的に利用していくかというのが非常に重要であるというふうに考えております。折島、今月の15日にはドイツが脱原発を達成いたしました。日本は原発を利用していくという判断を今のところは堅持しておりますけれども、ドイツが正しかったのか、日本が正しかったのかというのは歴史的に将来ジャッジメントされることであろうというふうにも思っております。しかし、ドイツのニュースを見ておりましても、ドイツ国内にも様々な意見があるということであり、その問題の多くは我が国と共通していると認識をしております。ひとたび、脱原発を達成してしまうと、技術の継承、開発ということも困難になってまいります。人材の育成、テクノロジー、イノベーションという問題を鑑みれば、あらゆる選択肢を排除しない、様々な電源構成を維持していくということも非常に重要であるというふうに考えております。理想だけでは、私どもは生きていくことはできませんので、過去の教訓から学ぶべきことを生かした上で、人と地球のために何をしていかなくてはいけないのかということは、実は本日は隣のお部屋で東日本大震災復興特別委員会も開かれ、様々な意見が交わされているところではありますけれども、私どもが肝に銘じておくべき事柄であります。また重要なのは、エネルギー政策はエネルギー安全保障とも言うだけありまして、安全保障、まさに国防とも非常に密接に絡み合っている問題であります。今こそタブーなき防衛の議論も憲法改正議論も必要であるというふうに思います。ロシアにあるウクライナ振興を見ておりましても、では我が国に有事が起こった際に攻撃をしてくる国がジュネーブ条約の56条 を守るのかといったことを考えますと、それも保障する手立てはない現状にあります。さまざまな電源構成、あらゆる選択肢を排除しない上で、我が国をどのように守っていくのかということは、エネルギー上、そして防衛議論上でも双方で考えていく必要があろうと思っております。また、再エネに関してですけれども、再エネは私どもの希望でもあり、先ほども申しましたイノベーションテクノロジーの進歩というものをいかに促していくのかが重要でございます。例えば、洋上風力に関しましても諸外国とは風況の性質が全く異なっております。そして、地熱開発におきましても、熱源であるマグマだまりの特性でありますとかを鑑みても、アイスランドやトルコといった先進国とは違った実情がございます。けれども、この日本の国ならではのエネルギー政策というものを考えたときに、まず当然の目標であります2030年だけにとらわれるのではなく、2050年その先の100年後を見据えた政策というものと予算の配分というのが必要であろうというふうにも思います。子どもたちはSDGsについて語るときに非常に目を生き生きとさせています。学校で学んだことを希望を持って親たちに話す子どもたちの小さな胸に灯された希望を、私たちはどのように絶やさずに現状の日本を発展させていくのかということを考えながら各種政策に取り組んでいく必要があろうかと思います。この調査会におきまして皆様方と非常に有効な時間を共有できたと思っておりますが、それで満足することなく各個人の議員たちが、そして各政党が建設的な議論を行い実行に移していくという重要性をかみしめた次第でございますけれども、我が党日本維新の会としても全力で美ししていくという覚悟を持ちまして、私の意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。
2:20:47
他にご発言はありませんか。竹爪人氏君。
2:20:51
国民民主党新緑風会の竹爪人氏です。1点目は、国のエネルギー政策の信頼性について申し上げます。第6次エネルギー基本計画に示されています2030年度の電源構成を政府は本気で達成しようとしているのか疑問でもありますし、不安でもあります。政府が決めたことが絵に描いた餅であれば国民からの信頼が損なわれますし、政府の目標を目指して取り組んでいる企業にとっては事業計画や資金計画が崩れてしまい、大きな損失となります。それは、再エネであっても原子力であっても火力であっても、また送配電事業者であっても、小売電機事業者であっても、政府が 示した計画や目標を信じて動くものであり、曖昧な計画や目標であってはなりません。エネルギーという分野は、とりあえずお試しというのは許されない分野であります。2030年まであと7年、特に電力供給事業にとっては7年という期間は極めて短い時間の長さです。今示している国のエネルギー政策は揺るぎないものであり、政府は必ず実現するという道筋を示し、適宜国民に明確に発信することを求めてまいりたいと思います。2つ目は、経済成長に導く電力のシステム改革について申し上げます。私たちは、給料が上がる経済の実現をしなければなりません。岸田総理は、繰り返し構造的・持続的な賃上げが必要であると述べられており、その方針に賛同いたします。賃上げをするためには、企業に賃上げができる原子が必要であり、成長なくして持続的な賃上げはできません。資源・エネルギー・持続可能な社会を検討する上で、経済を成長させ、賃金が構造的・持続的に賃金が上がる経済が実現され、また、知性学的にも強靭にするため、エネルギー自給率の向上も成し遂げられる政策や法律・ルールでなければなりません。私は、今のエネルギー政策、近年行ってきた電力のシステム改革は、経済の基盤となる電力の構造を強化し、国民を幸せに導いてきたのか疑問を持っています。電気やガスを使う消費者にとって、それを販売する事業者にとって、エネルギーを供給する事業者にとって、国の経済安全保障にとって、実はどの面から見ても幸せに導いていないのではないかと思っています。中でも、電気においては、自由なのか規制なのかも曖昧であります。所々自由であり、所々規制があり、辻褄が合わないことが多くあります。普段の電力のシステム改革の検証・見直しを求めてまいりたいと思います。最後に3点目は、現実的な議論の必要性について申し上げます。電気やガス、あるいは水道も、常に同時動量が求められる罪であります。電気やガスが止まっても仕方ないとする社会、トラブルがあっても復旧に時間がかかることを容認する社会を、私たちは選ばないと思います。したがって、不活移住ができない同類のものをたくさん揃えても、完結することはできません。電力供給においては、安全性は当然の前提として、経済性・安定性・環境性というS+3を原則とし、国際情勢や地政学的なことも踏まえる必要があります。現実的に原子力を100%にする必要はありませんし、再エネで100%を賄うこともできないと考えます。欧州の一部の国のエネルギー政策を見本にする議論がありますが、日本のエネルギーが危機になったとしても、欧州の国が助けてくれることにはならないと思います。自力化・再エネ化の二項対立は必要なく、現実的な議論を進め、日本ならではのエネルギー政策を追求し、持続可能な社会を構築すべきことを申し上げます。以上です。他にご発言はありませんか。
2:24:58
日本共産党の木田 よし子です。政府は、我が国のエネルギー情勢について、ロシアによるウクライナ侵略が発生し、電力受給逼迫やエネルギー価格の高騰が生じるなど、1973年の石油危機以来のエネルギー危機が危惧される、極めて緊迫した事態に直面していると危機感を煽っています。しかし、そもそも我が国が輸入化石燃料に依存してきた、そしてエネルギー自給率がわずか10%にとどまってきたことこそが危機の大元にあるということは、参考人の皆さんからも指摘があったところです。先週、高村ゆかり参考人からも、「エネルギーの危機と言っていいけれど、クリーンエネルギーの危機ではない」との指摘がありました。つまり、今こそエネルギーの輸入依存を脱し、エネルギー自給率を高める、そのためにも思い切って再生化のエネルギーの供給を引き上げ、CO2排出量も大幅に減らしていく、絶好のチャンスだと思います。本調査会の参考人質疑でも、大島健一参考人が、「再エネは大変ポテンシャルが高い」と述べていましたが、アメリカエネルギー省のローレンス・バークリー研究所が公表した「日本レポート・電力脱炭素化に向けた戦略」でも、日本の再生エネルギーの可能性について、石炭火力を削減しながら、2035年には再エネ70%へ向することができると高く評価しています。しかし、政府の2030年電源構成目標で、再エネは36から38%にとどまっています。再生可能エネルギーの主力電源化を謳いながら、岸田首相は本会議で「日本には再エネ適地が少ない」などと答弁し、再エネ導入に後ろ向きな姿勢を示しま した。さらに政府は、石炭火力に固執し、原発の再稼働、新規増設、老朽化原発の稼働など、福島第一原発事故を忘れたかのように原発回帰を進めようとしています。とりわけ、原発の運転期間を60年越えでも可能にする政府の方針、本来規制政策であったはずの運転期間の規制を、原発利用政策である電気事業法に移行する方針転換は、福島第一原発事故の最大の教訓である規制と推進の分離に反する重大な変更です。こうした変更について、政府の法案作成前に、原子力規制庁と資源エネルギー庁が非公式の面談を重ねていたということについても、徹底的な調査が必要です。改めて、当時の面談記録の提出を速やかに行うことを求めます。2022年、国連事務総長SDGs報告書によれば、今、世界では気候危機やエネルギー危機にとどまらない様々な課題が深刻化していることが明らかになっています。コロナによる死者は世界で540万人、コロナ以前と比べ7500万人から9500万人が新たに極度の貧困状態となり、失業、無報酬の育児や介護、家庭内暴力など女性への影響も指摘されています。こうし た様々な課題を解決していくためには、持続可能な社会に向けたSDGsを達成することが重要です。しかし、いまだに日本にはSDGs基本法もなく、明確なターゲット、年限等を示した目標などが定められていないことが、カニエ・ノリフミ参考人からも指摘されたところです。改めてSDGs基本法を制定すること、そしてそれぞれの課題について明確な目標や指針を持つことを強く求めます。私たち日本共産党は、人類を貧困や欠乏から解き放ち、地球を癒し安全にすること、その過程において誰一人取り残せないこと、という国連持続可能な開発目標の前分の立場に立って、市民の皆さんとともにSDGs達成に力を合わせる、その決意を申し上げて私の発言といたします。
2:29:35
令和新選組、船子康彦でございます。令和新選組は、原発は即時禁止し、廃炉を進めていくべきだと訴えております。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から、まだ12年しか経っておりません。今も故郷に帰れない方、成り割を奪われた方、原発事故によって人生を大きく変えられてしまった方々の支援と補償は道半ばです。にも関わらず、新造船や運転機関の実質延長を目論み、原発推進を強化しようとする政府の姿勢は、到底容認できません。福島で生きる方、やむなく避難した方たちは、今も原発事故の延長線にあります。第一原発の廃炉作業すらまだ十分な見通しが立たず、被災者の支援も道半ばです。政府がまず取り組むべきは福島原発事故への対応であり、原発の新規建設ではありません。エネルギーの確保についても、質疑で述べた通り、再生可能エネルギーの普及発展を目指した施策に重点的に取り組むべきであり、原発に頼るなども手のほかです。本日、自分の質問を含めて政府の回答をお聞きしていましたが、それでも原発を動かさなければなれない明確な理由を得ることはできませんでした。GXグリーントランスフォーメーションの中で原発を推進しようとする政府は、原発をグリーンエネルギーに含まれると考えておられるようですが、環境への負荷が少ないグリーンとは到底言えません。ひとたび原発事故が起きたら、地域に、社会に何が起こるのか、日本で暮らす私たちは、世界のどこよりもそのことをよく理解しているはずです。南海トラフ地震を含め、今後も巨大地震のリスクと直面しながら生活している日本において、原発をグリーンエネルギーと作るのは、あまりに無理があると考えます。令和新選組の公約である「脱原発」(Green New Deal)は、10年間で200兆円、政府50兆円、民間150兆円、グリーン裁を発行し、毎年250万人の雇用喪失を目指す、というものです。「脱原発」と「脱炭素」を柱に、持続可能な社会を実現するための政策が必要だと訴え、私からの意見といたします。
2:32:42
佐藤他にご発言はありませんか。岸牧子君。
2:32:45
立憲民主社民の岸牧子です。本調査会1年目の締めくくりの機会に、日本のエネルギーをめぐる重大な課題である原子力問題に絞って意見を表明します。私の地元、北海道は、高レベル放射性廃棄物の地層処分、いわゆる核のゴミ問題に直面しています。現時点では、北海道の二町村でしか調査は行われておらず、地層処分研究のための地下施設が唯一設けられているのも北海道です。なお、北海道には原子力発電所もあります。原子力問題は、これまでも国民の理解といった言葉を用いて語られることが多いのが実態です。しかし、原子力に関する国民の理解が深まっているかと問われれば、分かりやすい説明からはかけ離れており、政府など推進しようとする情報の発信が中心、肝心の国民不信の払拭となるリスク面の情報は過論じられ、そのことによって、かえって国民、もっといえば、原発立地自治体や周辺自治体に暮らす住民の不安が拭いきれていません。一方、昨今の国際情勢による電力価格高騰にあたって、電気事業者が原発再稼働と電気量に強い関係があるかのような言い回しをしているからかと思いますが、2011年の原発事故直後に比べると、再稼働に理解を示す方が増えたとの報道があることは私も承知しています。しかし、国内で起きた過酷事故はたったの12 年前、今も国境に帰れず、帰還したとしても、悩み苦しんでいる方々の現状を見れば、リスクを度外視することはできません。政府などが言う国民の理解と、私が申し上げたい国民の理解とは異なります。政府は一般的に国民と言いますが、残念ながらみんなが自分事として考え、理解しているとは言い難いのではないか。この間の調査会でも、原発立地自治体と大都市の温度差が再三お話しされていたことにも表れています。北海道においても核のごみ問題の八重本に立たされている地域と、その他の地域では、同民でありながらも同じように関心を持てているかというと、人事や無関心となっているのが実情です。これは地元市のアンケート調査の結果にも表れています。どのエネルギーにもメリット、デメリットはあって、理解が欠かせないのは同じですが、単に原発再稼働イコール環境配慮のエネルギーの安定供給とするのは危険です。デメリットを晴らし合っていくことこそが必要であり、そのマイナス面をしっかりと捉え、不安の払拭ができたという本当の理解が深まらない限り、都核リスクの大きい原子力を進めるべきではありません。確かに原発が再稼働すれば、電力事業者の経営 は一時的には良くなると思います。しかし残念なことに、不祥事の続く原発を再稼働して国民の安全は守れませんし、仮に再稼働で電力事業者の経営が楽になったとしても、核のごみ処分方法や費用はどうするのか、ここもしっかりと決めなければ、将来世代への負の先送りしかありません。その上、福島原発、灰炉の先行きは不透明、灰炉後のS型が描けていないアルプス処理水、原発敷地内に使用済み燃料が積み上がっている問題、高レベル放射性廃棄物の処分場がないどころか、低レベルを含め核ごみ処分は決まっておらず、頓挫しているのを認めない核燃料サイクル、実効性を伴えない避難経路の問題などなど、原発が安全か否かを議論する前に解決しなければならないことが山積みになったままです。私は国のエネルギー政策に翻弄された旧三反地域の出身であるからこそ、雇用や地域経済に関係するエネルギー政策はしっかり議論することが必要と考えます。エネルギー基本計画に研究開発が明記されていることはある意味当然であり、今ある原発、そして灰炉を安全に進めるために原発人材の確保は重要な課題です。とはいえ、2月に策定されたGX基本 方針に原発の開発建設と記したことは、基本計画を飛び越えており、矛盾したものと言わざるを得ません。未曾有の大事故を起こした日本の原子力は慎重にも慎重を期さなければならないのに、拙速に決めたことは大きな問題であり、反対です。原子力の運転機関を多立的に停止した機関を除外するというルール変更も、原子力規制委員会がしっかり審査するとしても、老朽化や税化の懸念が強くあります。以上、1年目の調査を通じ、主に原子力をめぐる諸課題に係る意見を申し上げました。当調査会では、原発産否以前に解決するべき問題点が与野党問わず示されました。このような忌憚のない議論ができれば非常に貴重です。政府はじめ関係閣議には、この調査会で与野党を通じ、示された意見を真摯に捉え、住民が安心して暮らすことのできる社会の実現に力を尽くしていただきますようにお願い申し上げ、私の意見表明とします。他にご発言はありませんか。他にご発言もなければ、以上で委員間の意見交換を終了いたします。各委員におかれましては、貴重なご意見をお述べいただきまして誠にありがとうございます。本日伺いましたご意見も踏まえ、各議事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。