1:05
今から経済産業委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、井久井名晃子君が委員を辞任され、その補欠として山本恵介君が占任されました。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案を議題といたします。本日は、法案の審査のため、3名の参考人からご意見を伺います。
1:32
ご出席いただいております参考人は、東京大学名誉教授伊藤基重君、一般社団法人日本経済団体連合会副会長小堀秀樹君、及び公益財団法人自然エネルギー財団事務局長大林美香君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず伊藤参考人、小堀参考人、大林参考人の順にお一人15分以内でご意見を述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
2:27
また、ご発言の際は拒止をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきください。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それではまず伊藤参考人からお願いいたします。
2:43
前からこのままでよろしいですか。はい。伊藤でございます。よろしくお願いします。お手元にレジュメがあると思いますので、それに従ってお話をさせていただきたいと思います。
2:53
私も経済学者でございますので、経済学的な視点からお話をさせていただきたいと思います。改めて、と言うか今更言うまでもないことだと思いますけど、気候変動問題というのは、壮大な規模の市場の失敗というんですか、人々の行う経済活動がですね、いろんな形で他のところで影響を及ぼすと。壮大な規模というのは200年前から始まっているわけですし、それから全ての人がこれに関わっているわけですし、
3:19
今後の人たちにも影響を及ぶと。既に存在する人だけでなくて、これから出てくる企業だとか、イノベーションだとか、あらゆるものがそこに影響を受けると。これくらいの規模になってくるとですね、なかなかそれを是正するって簡単じゃないわけで、理論的に見ると是正する方法は3つありまして、1つは政府による強烈な規制だとか、あるいは管理によって動かしていくと。
3:44
2つ目は企業だとか、あるいは個人の自主的な努力の中でそれを是正していくと。そして3つ目、これが今日の話の中心になるわけですが、3つ目の方法は市場の力を利用してそれを是正するということで、全てもちろん大事でございますから、どれかが必要ないというわけではないんですけど、この規模になりますとですね、結論から申しますと市場の力を借りることなくですね、この気候変動の問題を解決するということは難しいということをまず申し上げておきたいと思います。
4:13
具体的に市場の力を借りるとはどういうことかというとですね、人々が普通に行う経済活動、これは消費や生産だけじゃなくてイノベーションだとか、あるいはいろんなものが入ってくるわけですけど、そこにこのいわゆる気候変動によって発生する外部性のコストがしっかり織り込まれていくという流れだろうと思います。これがいわゆるカーボンプライスという考え方で、今回カーボンプライスについてどこまで踏み込んだかということは、
4:39
いろんな方のご意見があると思いますけれども、ここまで今案が出てきているということは素晴らしいことだろうと思います。そしてこのカーボンプライスのもう一つ重要なことはですね、将来何が起こるかというのはわから ないという中でですね、いろんな可能性に対して柔軟に対応できるということだろうと思います。一つ例を挙げますと、例えばCO2を減らすときに、じゃあその省エネが好ましいのか、あるいは再エネが好ましいのか、再エネの中で太陽光が好ましいのか、あるいは風力が好ましいのか、
5:08
また原子力が必要なのか、いろんな議論があると思うんですね。これはどれを選ぶかということはもちろんいろんな議論をしなければいけないんですけれども、その都度その都度のやっぱり技術的な環境とか政治的な環境とかいろんな問題があるときにですね、やはり重要なことが、いろいろとことなる、いわゆる科学というものがあるとですね、その科学に対して一番社会的に望ましいものをその時点その時点で選べるということが重要だろうと思います。二つ目の項目でですね、今回のこの議論のもう一つの重要な重要というのはですね、
5:37
気候変動の対応するためにですね、巨額の投資が必要であるということです。これは水素あるいは再生化のエネルギー、自動車の電気化ですね、住宅の断熱、まあ等々いろいろ考えられるわけですけど、こういうことに対する投資をきちっとやっていかなきゃいけない。もちろん言うまでもないことで、投資の主たる担い手は民間企業であるわけですから、民間企業をしてですね、必要なだけの投資をきちっとやってもらうということが非常に重要になってくるわけで、
6:05
今日の話と直接は関係ありませんけども、今国会でもいろいろ議論されていると思いますけど、この20年、日本の経済がですね、非常に経済が停滞して賃金が上がらないと、あるいは日本のGDPも非常に低いということのいろいろな原因の中に非常に重要な要因として、日本の国内での投資が非常に弱かったということがあるわけで、別に投資を増やして経済を活性化するために今回のGXをやるわけではありませんけども、ただGXというこの大きな流れの中でですね、投資がどうなってくるかということは、日本経済全体の成長パスを伺える上でも極めて重要であるということで、国内投資を拡大させなくては 、気候変動問題を対応できないだけでなくて、国内投資を拡大させれば経済活性化のシナリオも見えてくるということだと思います。カーボンプライスについてはあまり詳しく今日お話する時間はありませんけど、一言だけ申し上げたいことは、カーボンプライスと言われているものの中に極めて多様なものがあるということでですね、これをどういうふうにうまく使い分けていくのかと。
7:02
あとでカーボンタクス、このカーボンタクスは日本でいう炭素税という意味ではなくて、炭素税も付加金も含めるわけですけど、いわゆるカーボンタクスについてもですね、あとで申しますように、極めて多様なアプローチがあるということですけど、それに加えてここに書いてありますようにですね、排出源取引だとか、カーボンクレジットだとか、あるいは企業が自主的に企業内炭素価格を決めて行動するとか、いろんなものがあるわけで、社会から見たらこれをどういうふうにうまく使い分けていくのかと、
7:30
あるいは多数のものをうまく利用していくのかということが重要だろうと思います。今日はそのお話をやましませんけど、経済学の世界ではですね、その数量化、価格化ということで膨大な懸中がありまして、このカーボンだけじゃなくて、化学性制限もみんな同じなんですけども、カーボンでいうと、いわゆる排出源取引で量でコントロールするのか、あるいは価格でコントロールするのか、それぞれ一長一短がございましてですね、
7:56
そういう意味ではカーボンプライシングの中身についてきちんと議論する必要はあるだろうと思います。その上で今日は特にいわゆる経済者カーボンタクスと呼んでいるもの、これが炭素税というよりは、今日のコンテクストでいうと炭素付加金の話になるんですけど、これについてぜひ申し上げたいことがあるわけで、それはですね、このダイナミックな構造が非常に重要だという。
8:21
つまりカーボンタクスを何%にするのか、カーボン付加金を何%にするかという議論だけじゃなくてですね、じゃあ今どうするのか、あるいは5年後どうするのか、10年後どうするのか、15年後どうするのか、あるいはそういうことに対する見通しをどういうふうにつけていくのかということが非常に重要で、今回のこの法案とか我々GX実行会議で議論した中でもですね、このダイナミックカーボンプライス、これは私が勝手につけた名前ですから、別に定着した名前じゃありませんけど、
8:48
これはダイナミックな構造が非常に重要であるということであると。まずは長期性やトレンドをきちんと明示すると、つまり今いつカーボンタクスを上げるかということだけじゃなくて、これから先どういう見通しになってくるかということをですね、今これまで以上に明確にしてですね、それを社会全体に広げていくということが重要で、それに加えてですね、足元で必要なのはですね、カーボンタクスを大幅に引き上げてですね、人々の行動を一気に変容するということよりも、
9:16
まずは投資が必要な、あるいはこういうことを対応しないとですね、将来大変なことになるという意識をですね、企業にも国民にも持ってもらうということで、それでそういう意味で見ると、足元で少し低めのところから始まってですね、時代に上げていくという、このダイナミックな構造って非常に重要な話だろうと思うんです。ちょっと話がすごく飛んでしまうんですけど、私の中で非常に重要な論点だと思うんで、ちょっと比較に話していただきたいんですけど、
9:44
自動車に関税をかけて産業を育成するというのを多くの国がやっていたんですね、アメリカも日本も、アメリカって言わないですけど、日本もオーストラリアもインドも。で、何が起こったかというとですね、関税をかけてマブルドを守ってもらえるということで、企業はなかなか卒業しないものですから、オー ストラリアもインドもブラジルもですね、保護がずっと続いて、結局成果でなかったんです。日本はなぜ関税で保護したのにですね、自動車産業が伸びたのかというと、戦後一番重要な論点の一つがですね、
10:11
GATのメンバーとしっかりと行動すると、つまり5年後10年後に自由化をしなければいけない、関税を下げていかなければいけないというコミュニティメントがあった。したがって自動車業界を取ってみると、今は関税で保護してもらえるということが一方でありながらですね、5年後10年後には関税がどんどん下がっていくということで、それに対応して投資をしなければいけないんだと。これは結局的に日本の産業の活性化が非常に活躍したということを経済で言われるわけですけど、この論点は何かというと、
10:40
どういうものかですね、今の炭素税もそうなんですけど、ただどういう税をかけるだけじゃなくて、どういうものが将来起こり得るのか、今はどうなのかという、このダイナミックな構造が極めて重要です。特にこの脱炭素の話というのはですね、1年2年で決着がつく問題ではありませんし、プレーや、違反が非常に多いわけですから、そういう意味では今回のこの法案ってなかなかうまくできているなというふうに思います。そしてさらに申し上げるとですね、この脱炭素の非常な問題は、経済学の古典的な議論ではですね、
11:07
炭素税というのはですね、化学を是正する税ですから、そこから生まれる税収は何に使ってもいいと、これがアカデミックな議論なんです。ただこの議論は非常に限界がありまして、なぜかというと、炭素税だけじゃないんでしょうけど、脱炭素の行動を取るということは、企業に行動変容を求めるわけで、比較的容易に行動変容ができるような、例えば金融業界みたいなところは、そんなに難しくないと思うんですけど、例えば鉄鋼業界とか、あるいは馬券学だとか、そういうところはですね、やっていることを本質から見て、コストをかけないと、なかなか変化できない。しかしやってもらわなきゃいけない。つまりその変化のコストみたいなものが、産業とか業界によって違うときに、そのバランスをどう考えるか、これ所得分配という問題と、有価とか別の問題としてですね、そういう業界ごとの違いみたいなものを、うまくこの炭素税の将来の税収の中で、賄っていくという形になってくるとですね、初期の段階では、その付加金についても、あるいは両手化の、
12:04
配出権取引についてもですね、いろいろなところからやっていくということが、重要だろうと思います。次のページに行きまして、GX経済工房について、これはもう言い間ないことで、何もしないでレスヘルで投資が生まれるわけない。残念ながら、そんな簡単な話ではありませんので、やはり政府の活動が重要だと。そのための基金ということだろうと思うんですけども、重要なポイントは、産業構造、先ほども言いました、産業構造転換の費用をですね、社会全体でどういうふうに賄っていくか、
12:33
ということになると思うんです。これは最後のマクロ経済的な視点でも、非常に重要な論点になります。これも今日の話と関係ありませんけど、日本はこれまで20年間、ずっと金融緩和一変等で、経済を進撃してきたわけ。これがいいか悪いか、ちょっと今日議論する予定はありませんけども、この流れは大きく変わってくるんです。金融がこれからどうなるかということについて、政策がどうなるかということについて、いろんな論点があると思いますけど、経済全体を活性化するときのマクロのポリシーミックスということで見ると、経済は非常に重要な意味を持ってくる。ただ財政というのはなかなか難しいので、ただでさえ債務が多い中で、どうやっていったらいいだろうか。そのときに一つの大きなポイントというのは、経済発祥は均衡財政上数というもので、つまり税金あるいはその他の方法で、財源を確保しながら、それを財政支出に使っていくという形によって、赤字を出さないような形の財政にどこまでできるか。ある意味で見ると、GX経済公債というものを、ここに書いてあるとおり、
13:30
非常にうまくやったとすると、大変優れた先行的な事例になるかもしれない。毎年毎年、財政がバランスする必要はありませんが、いわゆる管理をきちっとしながら、将来の財源、税源、財源で、それをカバーしていくという形で、これは別に気候変動問題だけではなく、他の例えば半導体の支援だとか、バイオ産業の育成だとか、そういうところにももし使えるのであれば、こういう手法というのはぜひ、広げておいていただきたいと思います。これは別に日本だけが、それについているわけではなくて、ご案内のように、むしろアメリカとか欧州では、そういう流れが非常に激しくなってきていて、私はこれを産業政策プラス財政政策、というふうに呼んでおりますし、欧米ではこれを、ニューサプライサイドエコノミクスと、言っているわけで、つまり何かというと、財政で経済を進撃するというのは、公共事業をやって事業を作るとか、あるいは補助金で事業を作るとか、意味がないと言っているわけではありませんけど、ではなくて、あくまでもポイントは、民間投資を促すと、その民間投資を促すために、どういう形で最低限の、予算の中で被災処理をやるのか、という形で、そういう意味で見ると、今回のこのGX世帯交際というのは、きちっとやれると大変有効なケースかもしれない、ということになると思います。ちょっと話が余分なことになりました。時間になりましたので、これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。ありがとうございました。ありがとうございました。次に、小堀参考人にお願いいたします。
15:04
ただいまご紹介をいただきました、経団連副会長で、環境委員長を務めております、小堀でございます。本日は、GX推進法案に関する経団連の考え方をご説明を押し上げる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。法案に賛成の立場から、意見をお聞かせいただきました。本日は、
15:26
小堀さんから意見を述べたいと存じます。経団連では、現在、サステナブルな資本主義の実現に向け、様々な活動を展開しております。環境問題、とりわけ気候変動は、我が国にとりまして、全くなしの喫緊の課題で あり、経済成長と同時に、2050年カーボンニュートラルを実現する必要がございます。こうした問題意識の下、経団連は、今年5月、グリーントランスフォーメーション、すなわちGXに関する提言を取りまとめました。この提言では、国を挙げて経済と環境の好循環を創出しつつ、経済社会全体の変革であるGXを推進する必要を訴えております。本提言で政府に求めている施策の大きな柱の一つが、脱炭素投資の促進でございます。
16:24
2050年カーボンニュートラルを実現するためには、既存の脱炭素技術の社会実装はもとより、革新的技術を開発するための研究開発が不可欠でございます。2050年カーボンニュートラルと産業競争力の強化・向上、経済成長を同時に実現していくための投資額は、相当な額になると思います。GX推進法案は、
16:52
今後の国際化や投資を促進するものと大いに期待しております。本日は、GX推進法案の基本的考え、GX推進戦略を実現するための投資支援と、その裏付けとなるGX経済交際、成長志向型カーボンプライシングの3点について意見を申し上げたいと思います。まず、第一に、法案の基本的考え方についてでございます。本法案では、カーボンニュートラルを追求するとともに、成長型経済構造を実現するとしており、経済界の考え方と一致しております。また、先々、世界の動向の不確実性が高い中、GX推進法で定める各施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを講ずる、との内容を盛り込んだことも評価できます。今後、政省令など、具体的な制度設計や制度の運用に至っても、こうした視点を十分踏まえていただきたいと存じます。第二に、GX推進戦略を実現するための投資支援と、その裏付けとなるGX移行債についてでございます。先ほど申し上げましたとおり、カーボンニュートラルを追求しつつ、
18:17
経済成長を実現するためには、極めて多額の投資が必要となります。企業・経済界もしっかりと取り組みを進めてまいりますが、すでに欧米各国は、これまでの取り組みをさらに加速させ、国家を挙げてカーボンニュートラルにつながる投資を支援しております。我が国が国際競争に劣勢をしないためにも、
18:43
貿易・財産閣関連携による取り組みを強化すべきと考えております。その一環として、民間投資を促進するため、カーボンニュートラルに向けたロードマップを政府がしっかりと示すとともに、民間投資の呼び水として、長期、複数年度に支援・コミットすることが重要でございます。例えば、リスクが高い研究開発や水素設備等のインフラの設備など、民間が担うことができない分野では、政府の役割が大きいと考えます。この点、今回の法案では、GX推進戦略の策定を政府に義務付けるとともに、戦略推進のために政府が10年間にわたり財政支出することを明記しております。政府がコミットしている20兆円の財政支出の基礎となるものとして、高く評価しております。
19:40
また、そのファイナンスの方法として、首都を限定してGX経済移行債を発行することは適切であると評価しております。第3に、成長志向型カーボンプライシングについてでございます。経団連は、現在取組が進行中のGXリーグをベースとして、排出量取引制度を早期に検討開始するよう提言しております。
20:08
その背景には、排出量取引制度は設計次第では産業競争力に配慮しながら、着実に削減が可能との考え方がございます。この点、本法案では、排出量取引制度に関する詳細の制度設計についての具体的なタイムスケジュールを示しており、評価しております。
20:35
具体的な制度設計に当たっては、GXリーグにおいて、排出量取引制度の知見をしっかり蓄積していただくとともに、産業競争力に与える影響、代替技術の開発・実装の動向を十分見極めていただきたいと思います。代替技術がない中、排出制約のみが課せられるということになれば、
21:00
我が国産業の国際競争力は、着実に削がれる懸念がございます。また、産業競争力への悪影響の回避という観点からは、石油石炭税や固定価格買取制度の付加金といったエネルギーに係る負担の総額を超えない範囲でカーボンプライシングを導入していくという考え方も評価できると思います。
21:26
以上、GX推進法案に関する経済界の意見を述べました。改めて、我が国がカーボンニュートラルを追求しながら、産業の国際競争力を維持・強化し、経済成長を続けていくためには、本法案の成立は不可欠でございます。先生方、皆様には、この点をぜひご理解いただき、本法案の成立をお願い申し上げます。
21:55
経済界は、本法案の後押しも得ながら、2050年カーボンニュートラルの実現に不退転の決意で臨む覚悟でございます。その際、大企業のみならず、中小企業も含めたサプライチェーン全体、あるいは地域社会も含めた国全体でGXに取り組むことが重要と考えております。
22:19
この点、先般閣議決定されたGX実現に向けた基本方針では、中小企業支援や地域の支援も盛り込まれており、本法案の成立と合わせて、この基本方針の着実な実行も、合わせてお願いさせていただきたく存じ上げます。私からの発言は以上でございます。ご清聴どうもありがとうございました。
22:48
ありがとうございました。次に大林参考人にお願いいたします。ご紹介ありがとうございました。自然エネルギー財団事業局長大林でございます。本日はお時間いただき、大変ありがとうございます。私ども自然エ ネルギー財団は、脱炭素を実現し、さらに自然エネルギーに根差した社会実現のための政策提言を行っております。今般、日本政府から提案されておりますGX基本方針、GX推進法案についての私どものお考えを述べさせていただきたいと思います。まず、こちら、今日提出させていただいている資料1枚目でございますけれども、私どもGX基本方針推進法案に関しまして、
23:39
基本方針は再生可能エネルギーの主力電源化を掲げていますが、G7水準の導入を目指すものになっていないのではないかというふうに考えております。さらに基本方針のカーボンプライシング構想は、世界標準の制度と乖離し、企業の努力が正当に評価されるものなのかどうか。
24:01
さらにGX推進法案に関しては、構想の弱点を固定化してしまうのではないかというふうに考えております。3番目、GX基本方針推進法案で世界からの投資を日本に呼び込むことが果たしてできるのかどうか。さらにGX移行推進戦略は、経済産業省のみの主導ということになっておりますが、一象徴のみで策定してよいのかどうかということに懸念を抱いておりま す。1枚めくっていただきまして、世界の潮流と日本のGX戦略との相違点を簡単にまとめさせていただいております。まずGXの中心となるものの1つがカーボンプライシングというふうに考えております。G7と他国での議論を見ますと、多くの国で既に規制として導入済みになっております。
24:53
そのGX今回提案されているものは、実種的な排出量取引とそこへのクレジットの無制限活用が許されているということ。そもそも本格的な開始時期が遅いということがございます。さらにその中心となるべきどういったエネルギー転換を行っていくのかということで申しますと、やはり多くの国が自然エネルギーの目標を大胆に上げて、80%以上の自然エネルギー電力比率を目標にしております。ところが日本の場合は2030年自然エネルギー比率は36、38%とG7では大変低い水準になっております。また先ほど来コメントされております移行債に関してですが、EUの託すのみ、アメリカのインフレ抑制法でも投資対象や税額の向上対象は定量的にゼロ排出であったり、削減率の敷地が設定をされております。日本の場合はグレーのアンモニアも補助の対象となっておりますので、グレー水素アンモニアについては世界全体では排出量は微減にとどまってしまうのではないかと、そういったような懸念がございます。1つめくっていただきまして、では他の国と比べてどうなのかということで考えますと、つい先般取りまとめられましたG7札幌気候エネルギー環境大臣会合の共同宣明がございます。これ非常に注目すべきは排出削減、特に世界の温室効果ガスの排出量を19年比で30年までに43%、2035年までに60%削減というふうに謳っております。こちら世界全体になりますので、特に先進国の責務といたしましては60%以上の削減ということになりますので、日本にとってはかなり厳しい声明になったのではないかというふうに思っております。この後ろに書いておりますのはどこの説に書かれているかという44説ですね。炭素市場及び炭素の価値については、炭素の価格については持続可能な経済成長を促進するための重要な措置であるとして、まさにカーボンプライシングそういったものを極めて重要であるということを再確認しております。また、自然エネルギー目標でございますが、2030年までにG7で養生不力の容量を合計で150ギガワット増加させると、さらに太陽光発電の容量を合計で1テラワット以上に増加というふうに言っております。これはG7の目標値なんですけれども、世界の自然エネルギーの状況を見ますと、太陽光発電に関しては昨年2022年に既に1テラワットに達しておりまして、2010年から比べますと25倍の増加率で太陽光発電が拡大をしているという状況です。この背景にありますのは、太陽光発電の価格が過去10年で9割下がっているということが大きなドライバーになっているというふうに思います。また風力発電に関して申し上げますと、陸上風力が中心ですけれども、2010年に200ギガワットだったものが、昨年末には約900ギガワットになっております。このうち、陸上風力はまだ55ギガワットといったような状況なんですけれども、今後どんどん増えていくということで、G7もこれから増えていく大規模な自然エネルギーの対象として、陸上風力を150ギガワットということで考えているというふうに思います。また重要なのが、電力セクターに関しては、2035年までに電力部門の完全、または体操の脱炭素化ということを述べております。めくっていただきまして、こちらG7各国で自然エネルギーに関する現状、目標でございますが、こちら21年末で比べまして、他の国々、自然エネルギーが非常に今、拡大をしているところでございます。そしてそれを30年、35年に向けて、ほぼ自然エネルギーで電力部門を賄っていくという目標をG7の国、例えばカナダ、ドイツ、イギリス、アメリカ、イタリアなどは掲げております。