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参議院 本会議

2023年04月21日(金)

2h37m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7391

【発言者】

尾辻秀久(参議院議長)

後藤茂之(内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、経済再生担当、新しい資本主義担当、スタートアップ担当、新型コロナ対策・健康危機管理担当、全世代型社会保障改革担当)

塩村あやか(立憲民主・社民)

高木かおり(日本維新の会)

浜口誠(国民民主党・新緑風会)

井上哲士(日本共産党)

古賀友一郎(内閣委員長)

杉尾秀哉(立憲民主・社民)

柴田巧(日本維新の会)

井上哲士(日本共産党)

杉久武(法務委員長)

蓮舫(国土交通委員長)

6:10

(拳を叩く音)これより会議を開きます。この際、日程に追加して特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、ご異議ございませんか。(おいしい)ご異議ないと認めます。

6:42

後藤茂行国務大臣。

7:04

ただいま議題となりました、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案につきまして、その趣旨をご説明申し上げます。この法律案は、我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、特定受託事業者の給付の内容、その他の事項の明示を義務付ける等の措置を講ずることにより、特定受託事業者に係る取引の適正化及び特定受託業務従事者の就業環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。次に、この法律案の内容について、その概要をご説明申し上げます。第一に、特定受託事業者を業務委託の相手型である事業者のうち、個人であって従業員を使用しない者、または法人であって一の代表者以外に他の役員がなく、かつ従業員を使用しない者と定義することとしております。第二に、特定受託事業者に係る取引の適正化について定めるものであります。業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、原則として、直ちに特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日、その他の事項を、書面または伝辞的方法により、特定受託事業者に対し、明示しなければならないこととしております。また、特定業務委託事業者が特定受託事業者に対し業務委託をした場合における報酬の支払期日は、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日から、記算して60日の期間内において、かつできる限り短い期間内において定められなければならないこととするとともに、特定業務委託事業者は当該支払期日までに報酬を支払わなければならないこととしております。その他、一定期間以上継続して行われる業務委託について、特定受託事業者の責めに期すべき自由がないのに、特定受託事業者の給付の受領を拒んではならないこと、報酬の額を減じてはならないことと、特定業務委託事業者の遵守事項を定めることとしております。第3に、特定受託業務従事者の就業環境の整備について定めるものであります。特定業務委託事業者は、広告等により特定受託事業者の募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならず、また、正確かつ最新の内容に保たなければならないこと、特定受託事業者が育児介護等と両立しつつ、継続的業務委託に係る業務に従事することができるよう、必要な配慮をしなければならないこと、特定受託業務従事者に対するハラスメント行為により、その就業環境を害することのないよう、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備等を講じなければならないこと、継続的業務委託について契約の解除をしようとする場合等には、原則として少なくとも30日前までに予告しなければならないことを定めることとしております。第4に、厚生取引委員会、中小企業庁長官又は厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定業務委託事業者等に対し、業務委託に関し報告をさせ、またはその職員にこれらの者の事務所等に立ち入り、聴報書類等を検査させることができることとするとともに、この法律の違反行為があった場合等には、指導、助言、勧告、命令、公表等をすることができることとしております。第5に、国は特定自宅事業者に係る取引の適正化及び特定自宅業務従事者の就業環境の整備に資するよう、特定自宅事業者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備等を講ずることとしております。なお、この法律案の施行期日は、交付の日から記算して、1年6月を超えない範囲内において、政令で定める日としております。以上がこの法律案の趣旨であります。

12:03

ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。

12:13

塩村彩香君。

12:41

立憲民主社民の塩村彩香でございます。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、特定自宅事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について質問をいたします。私は、就職氷河期に社会に出て、以降フリーランスで仕事をしてきました。フリーランスは、自分で条件や環境を選択できるポジティブな面が押し出されていますが、それはフリーランスの一面にすぎません。取引先は絶対的に優位であることが多く、買い立て機にあったり、時に性暴力に晒されたり、年金も国民年金のみ、退職金もない、結婚や子供を持つことを諦める人も少なくありません。フリーランスは非正規雇用であり、非正規雇用の負の面が大きいことに、もっとスポットライトを当てるべきだと思います。とはいえ、あったほうがいい法律だとも思います。本日は、本法律案を次回改正に向けて、より良い法律にするため、基本的な内容を正してまいります。令和2年に内閣官房が公表した実態調査によると、我が国のフリーランスは462万人、その後もさらに増加しているとも言われています。この間、政府としてはフリーランスをめぐるトラブルに対処するため、フリーランスガイドラインの策定やフリーランストラブル100等番の解説など、一定の対応はしてきています。その上で、フリーランスの取引適正化と就業環境整備のために、本法律案が提出されたことは評価をいたします。しかし、提出に至る検討過程の不透明さ、法律案の内容の曖昧不明確さ、不十分な点、触れられてすらいない点も多くあり、本当にフリーランスの方々にとってトラブル根絶が実現できる法律案だと言えるのか、一末の不安が拭えません。そもそもなぜ本法律案の提出が必要となったのでしょうか。その要因、背景などの立法事実について、政府としてどのような調査を、どのように分析をしているのか、お示しください。近年、フランスや韓国等の諸外国においては、フリーランスに関わる労働政策、社会保障政策の観点も含めた、包括的な政策対応が進められています。そうした諸外国の例と比較をすると、我が国の政策対応は遅れていると言わざるを得ません。フリーランスの地位、社会保障問題を直視すべきです。海外事例をどのように把握されて、本法律案を検討し、反映されたのか伺います。本法律案は取引の適正化を目的に掲げていますが、契約締結は義務づけられておらず、取引内容の明示でよいことになっています。明示とは何なのか、具体的にお答えください。また、法的効力はあるのかお伺いをいたします。そもそも契約を必須とせず、取引内容の明示と規定した理由は何なのかお答えください。次に、内容面でも解釈が曖昧不明確な点やトラブル防止のためには不十分と思われる点が見受けられます。本法律案の取引適正化関係の規定は、下請け法の規制の一部、いわば流用するものとなっていますが、それでフリーランスをめぐるトラブルが本当に根絶できるのでしょうか。一方的な発注の取り消し、過重労働につながる短時間に大量の無理な発注など、フリーランスの取引上のトラブルの特性を踏まえ、トラブル防止に必要な禁止行為を規定すべきだと考えます。なぜ規定をしなかったのかお伺いをいたします。特に過重労働は深刻です。例えば、芸能・メディア関係者などは不規則で余裕のない生活が続きます。現場で倒れて急死をしてしまう30代・40代が少なくありません。彼らに共通をしているのは、健康診断を受けていなかったことだと、舞台監督の森下範彦氏は指摘をしています。仕事に終われ、指定をされた期間や時間帯に、自分の住む地域の健康診断を受けることが難しいのです。私の知人もフリーランスのディレクターでしたが、無理をして仕事を詰め込み、取材先に向かう駐車場の車窓の中で脳出血で死亡していました。妻と2歳の子供を残し、まだ40代でした。その彼の葬儀の受付をしていた先輩ディレクターも疲労が溜まっていたのでしょう。その彼の葬儀の受付で突然死をしました。私は仕事仲間を同時に2人失うという経験をしました。以降、私は健康診断を欠かしていません。フリーランスを保護するためには、過重労働をいかに防止し、健康診断を受けてもらうかにかかっています。政府は問題解決にどう取り組むのかお伺いいたします。次に、下請け法との関係をお伺いいたします。本法律案と下請け法のいずれも適用対象となる取引の場合、どちらの規定が適用されるのでしょうか。法律上の整理規定もなく、解釈も示されていません。どのような場合にどちらの規定が適用されるのかが曖昧不明確では、混乱を招く懸念があります。適用関係の整理規定を置かなかった理由、適用関係の解釈を明確にお示しください。本法律案には、就業環境の整備として、フリーランスに対する業務委託事業者による妊娠・出産・育児・介護への入る義務が規定されています。連合が本年1月に公表したフリーランスの契約に関する調査2023によると、フリーランスに必要だと思うこととして、妊娠・出産・育児・介護など、仕事と両立をするための給付金や休暇などの制度を求めるニーズがあることが示されています。フリーランスが求めているのは、取引先の配慮以上に、給付金や休暇制度です。発注元事業者に対し、取引上の配慮を求めるようなニーズがあるとの調査は見受けられませんけれども、本規定を盛り込むこととした背景・立法事実をお示しください。育児・介護等への入る義務は、生例で定める期間以上の業務委託に適用されるものですが、この生例で定める期間は衆議院内閣委員会において1年以上を検討する旨の答弁がありました。この1年以上という根拠は何なのでしょうか。政府はアンケート調査において、契約期間が1年以上の場合には仕事の掛け持ち数が減るという結果になっている旨の答弁をしていますが、それと育児・介護等への入る義務が求められる委託機関との間にどのような合理的関連性があるのかお答えください。育児・介護等への入る義務は、フリーランスからの申出に応じて必要な配慮をしなければならないと規定をされています。しかし、申出をしたことで直接、間接を問わず、何らかの不利益取扱いがなされてしまうことも懸念され、申出ることをためらう場合も想定されます。本法律案では不利益取扱いの禁止規定が置かれていません。なぜなのかお答えください。また、本規定の実行性をどのように担保するのかお伺いをいたします。また、育児・介護等への配慮義務規定に基づき、具体的に求められる配慮の内容も不明確で、業務委託事業者はどれだけの負担を感受しなければならないのかも未知数です。法律上の配慮義務と規定をされたことで、かえってフリーランスに対する発注を控える不安があるとの声が上がっています。業務委託事業者に求められる配慮と負担のバランスをどのように考えるのかお伺いいたします。ハラスメント対策義務規定についても、具体的にどのような行為がハラスメントに該当するのか、ハラスメント対策として求められる措置は何かが不明確です。本法律案は、労働者に対する既存の各種ハラスメント対策とどのような違いがあるのか、具体的な内容をご説明ください。また、フリーランスに対するハラスメントの根絶に向け、いかに実効的にハラスメント対策義務の履行を促し、違反行為に対する是正を図っていくのかお伺いいたします。以上、後藤大臣にお伺いいたします。本法律案において全く触れられておりませんけれども、フリーランスをめぐる社会保障の問題こそ早急に対応すべき課題です。昨年12月に全世代型社会保障構築会議が取りまとめた報告書において、フリーランスギグワーカーについて、その費用者性の捉え方などの検討を深め、必要な整理を行うとともに、より幅広い社会保険の在り方を検討する観点からの議論を着実に進めるべきとされましたが、一向に検討の進捗が見られません。いつになったら実現されるのでしょうか。本法律案は交付後1年6月以内に施行されますが、施行時には社会保障に関する対応も実現されていると考えていいのでしょうか。実現時期をお示しください。以上2点は加藤大臣にお伺いをいたします。また報告書では、自営業者やフリーランスギグワーカー等に対する育児期間中の給付の創設に向けても検討を進めるとされましたが、先月末に公表された子ども子育て政策の強化について、試案では、育児期間に係る保険料免除措置の創設に向けた検討を進めるとされ、給付制度を設けるという方向性からずいぶんと後退してしまっています。先ほど述べた連合の調査からも、給付制度の創設こそが当事者のニーズといえます。なぜ後退したのでしょうか。検討し直すべきです。小倉大臣お答えください。加えて無痛分娩の促進、これも重要な施策の一つと考えます。無痛分娩のメリットとして、分娩に伴う痛みの緩和だけではなく、疲労の少なさや回復の速さも上げられます。フリーランス協会が平成29年に実施した調査によると、フリーランスの女性の約6割が産後2ヶ月以内に仕事を復帰しているという衝撃的なデータがあり、その背景には社会保障制度が整っていないということが指摘をされています。給付制度などを早急に創設すべきことは、先ほども述べたとおりですが、早期復旧をせざるを得ない現状では、産後の回復が早ければ、それだけ無収入期間を短縮することにもつながります。フリーランスの社会保障の観点も踏まえ、希望すれば無痛分娩を選択できる環境整備の促進は大事であると考えます。加藤大臣に見解を求めます。これまでフリーランスという呼称を用いてきましたが、本法律案の対象は特定自宅事業者と定義をされています。フリーランスとして多くの方が多種多様な業界で働かれている中、発注受注当事者双方にとって、自らがこの法律の特定自宅事業者や業務委託事業者に当たるかどうか、認識しにくくなってしまっているのではないでしょうか。当事者に対し、周知徹底をする必要があると考えますが、後藤大臣に取組方針をお伺いいたします。次に偽装フリーランス、偽装受け負い問題への対応強化の必要性についてお伺いいたします。本法律案により、個人として業務を受託する事業者については、一定の保護が受けられることになります。実態上の労働者性があり、労働者に該当する場合には、労働関係法令によって保護されますが、昨今、実質的には労働者性がありながら、労働基準法等の適用を免れる、いわゆる偽装フリーランスや偽装受負問題が社会問題化をしています。本法律案に基づく業務委託の名の下に、偽装フリーランスや偽装受負問題が起こることも懸念されます。そのようなことにならないよう、本法律案の制定を機に、これまで以上に厳格に法執行を行うこと、及び労働法制の適用拡大の検討が必要ですが、加藤大臣に見解をお伺いいたします。偽装受けを得で触れざるを得ないのが、秋元雅俊外務大臣政務官問題です。政策秘書が業務委託契約をある女性と結び、政策秘書の給与を一人で二人分の秘書を実質的に雇用していた、いわゆる秋元スキームとも言われる手法です。当該秘書は、当該女性は秘書として秋元政務官の指揮監督下にあったことは、入所をしたショートメッセージのやりとりや、委託を受けたとされる当該女性秘書から、私が直接聞いた話でも明らかです。つまり、実質的な労働者にもかかわらず、社会保障などが適用されない偽装受けを意図していたものです。この件に関する資料を提出するよう、秋元政務官は、再三、予算委員会や内閣委員会で求められていますが、政務官は国会の場で事実と異なる答弁をし、偽装受けを意問題から逃げ続けています。国会が求め続けている資料を秋元政務官に提出をしていただくよう、上司として指示をしていただけないでしょうか。林外務大臣にお伺いをいたします。冒頭紹介した内閣官房の調査によると、フリーランスの年齢構成としては、40代から50代が全体の4割程度を占めており、就職氷河期世代と重なります。私もその一人であったことは、最初に述べたとおりです。政府としてフリーランスを含めた就職氷河期世代が必要な支援を受けられるよう、各省庁の取り込みを一層促進していただきたいと思います。本法律案等就職氷河期世代を担当している後藤大臣が、大臣就任中にこの問題解決にどう取り組むのか、また結果を出す覚悟と決意があるのかをお伺いいたします。最後に、フリーランスの世帯年収は300万円台です。年金は国民年金だけ、退職金もありません。社会保障が脆弱なフリーランスはすでに462万人。そこに就職氷河期問題も重なります。2019年の調査では、恒例お一人様世帯は737万世帯。すでに亡くなる方の30人に1人が無縁ぼとけに入る時代に日本は突入をしました。私たち国会議員は過去の政策の失敗を機弁で隠蔽してやり過ごすのではなく、反省すべきは反省し、見直すべきは見直すという作業をこの国会の場でしていく責務があるはずです。本法律案がそのきっかけとなることを、私も元フリーランス当事者の一人として切に願いまして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

27:35

後藤英行国務大臣

28:00

下村綾香議員のご質問にお答えいたします。本法律案の立法事実についてお尋ねがありました。いわゆるフリーランスの保護について検討を開始するに際しては、令和2年に内閣官房において関係省庁と連携し、フリーランスの実態を把握するための調査を実施しました。調査によると、取引先とのトラブルを経験したことがあるフリーランスのうち、そもそも取引条件に関する書面、電子メールが交付されていないものや、交付されていても取引条件が十分に明記されていなかったものが6割となっています。こうした状況を改善し、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、事業者とフリーランスの取引について書面での契約のルール化など法制面の措置を検討していきました。また、令和3年に内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査によると、フリーランスは報酬の不払いや支払い遅延をはじめとしたトラブルを経験する方が多く、かつ特定の発注者への依存度が高い傾向にあることが確認できており、発注事業者との関係において不当な不利益を受けやすい立場にあると考えられます。本法律案は、こうした調査や政府での検討を踏まえて、国会に提出したものです。海外事例の把握等についてお尋ねがありました。フリーランスに関わる包括的な政策対応について、諸外国の事例を網羅的に把握しているわけではありませんが、例えばEUでは、デジタル労働プラットフォームを通じて働く者の契約関係について、一定の要件を満たせば雇用契約と推定する規定を盛り込んだ司令案が提案されていると承知しています。一方現在、我が国でフリーランスが直面しているトラブルについては、報酬の支払い遅延や取引上の不当な行為など、事業者間取引において見られるものが多く、ハラスメントなどのトラブルについても取引上の力関係に由来しているものと考えることができることから、本法案は取引の適正化等を図る法制として立案し、速やかに対応策を講じることとしたものです。取引内容の明示の意味等についてお尋ねがありました。本法案第3条では、発注事業者がフリーランスに業務委託をした場合に、給付の内容、報酬の額などの取引条件の明示を義務づけています。また、本法案では、発注事業者とフリーランス双方の利便性向上の観点から、取引条件を記載した書面を交付する方法、取引条件等メール等の伝辞的方法により提供する方法のいずれかを選択できるようにしているため、法律上、これらの2つの方法を含む明示という文言を用いています。発注事業者が明示を行なかった場合には、本法案第3条に違反し、指導等の対象となるなどの法的効力を有しています。契約締結を必須としなかった理由についてお尋ねがありました。本法案第3条では、発注事業者がフリーランスに業務委託をした場合に、給付の内容、報酬の額などの取引条件の明示を義務づけています。ここでいう業務委託をした場合とは、発注事業者とフリーランスとの間で、業務委託についての合意、すなわち契約が成立していることが前提となります。そのため、契約締結に関する義務を課すのではなく、本法第3条の取引条件の明示を義務づけることによって、業務委託契約の内容を明確にさせて、後々のトラブルを未然に防止することができること、また、取引上のトラブルが生じたとしても、業務委託契約の内容についての証拠として活用できることから、フリーランスに係る取引適正化等を十分に図ることができるものと考えています。なお、下請大金法においても、本法案と同様に下請事業者に製造委託等をした場合に、給付の内容を記載した書面の後付のみを義務づけているものと承知をいたしております。果汁労働などトラブル防止に必要な禁止規定や健康診断が受けられないといった問題への対応についてお尋ねがありました。本法案では、フリーランスの長時間労働を直接的に禁止する規定は置いていません。他方、納期までの期間が通常より短い発注を行い、その結果としてフリーランスが外注すること等を余儀なくさせられ、人件費等のコストが大幅に増加したにもかかわらず、通常の納期で発注した場合の単価と同一の単価を一方的に定めた場合には、法案第5条第1項第4号で禁止する買い叩きに該当し、勧告等の対象になり得ると考えています。また、委員御指摘のとおり、フリーランスの方についても働き過ぎにならないように配慮するとともに、定期的に健康診断を受け、健康を確保していただくことは大変に重要です。現在、厚生労働省では、個人事業者等に対する安全衛生対策の在り方に関する検討会を開催し、その中でフリーランスの方々が長時間の作業により健康を害することのないようにすることや、健康診断の受診について発注者等に配慮を求めることも議論していると承知しています。この有識者検討会における検討結果も踏まえ、厚生労働省においても適切な対応がとられるものと考えております。本法案の下請大金法との適用関係についてお尋ねがありました。下請大金法は、下請取引の公正化と下請事業者の利益の保護を目的とするものです。一方、本法案は従業員を使用せず、一人の個人として業務委託を受けるフリーランスの特性に着目して、フリーランスに係る取引の適正化や就業環境の整備を目的とするものです。このように下請大金法と本法案の趣旨、目的は必ず下位置するものではないことから、本法案では適用関係の整理規定を置いていません。なお、発注事業者の一つの行為について、本法案と下請大金法の二つの法律を適用する場合には、個々の事案に応じて、公正取引委員会等において、どちらの法律を適用するか個別に判断することを想定しています。育児介護等の配慮義務を本法案に盛り込むこととした背景や、政令で定める期間についてお尋ねがありました。フリーランスの育児介護等については、フリーランス当事者や関係団体等からも、育児介護等がしやすい環境の整備を求める声があると承知しています。このような実態を踏まえ、本法案では、フリーランスが育児介護等と業務を両立できるよう、発注事業者に育児介護等の配慮を求めることとしたものです。また、育児介護等への配慮義務の対象となる取引の期間については、内閣官房のアンケート調査において、契約期間が1年以上の場合には、仕事の掛け持ち数が減ることにより、特定の発注事業者への依存度合いが高まる傾向が見られること、一定期間以上の取引関係があることで、当事者間で働き方を調整できる関係性が生まれると考えられることから、これらを参考として政令で定めることとしています。具体的な期間については、関係者の意見をよく伺いながら、取引の実態に即して設定してまいります。育児介護等の配慮の申出に伴う不利益取扱いの禁止や、配慮義務の実効性等についてお尋ねがありました。本法案においては、フリーランスが育児介護等と業務を両立できるよう、発注事業者に育児介護等の配慮を求めることとしています。一方、事業者間取引においては、取引自由の原則の下、取引内容そのものへの行政の介入は最小限にとどめるべきとの観点から、本法案においては、不利益取扱いを禁止することはしていません。育児介護等への配慮については、厚生労働大臣の定める指針において、想定されるフリーランスからの申出や発注事業者に求められる配慮の具体例についてお示しし、フリーランスが申出をしやすく、また発注事業者が発注理解につながることなく適切な配慮を行えるよう、丁寧な周知を図ってまいります。ハラスメントの対策についてお尋ねがありました。発注事業者とフリーランスの取引において、性的な嫌がらせや業務でミスをした際の暴言暴力と発注事業者からフリーランスに対するハラスメントが現実に発生していることから、本法案では発注事業者に対し、ハラスメント対策に係る体制整備を義務づけています。具体的には、ハラスメント被害を受けたフリーランスからの相談に対応するための体制整備など、労働関係法令に基づく労働者を対象としたハラスメント対策と同様のものとすることを想定しています。また、ハラスメント対策については、厚生労働大臣の定める指針において、発注事業者が講ずべき対策の具体例を示し、丁寧な周知を図ることで、発注事業者が適切に対策を講じ、フリーランスがハラスメント被害を受けることなく、安心して働くことのできる環境の整備に努めてまいります。当事者に対する周知徹底の取組方針についてお尋ねがありました。本法案は、いわゆるフリーランスの方々に業務委託を行う発注事業者に対して、取引条件の明示義務を課すこと等により、フリーランスに係る取引の適正化等を図るものです。これらの義務を実効的なものとし、フリーランスの方々を適正に保護するためには、施行までの間に、この法律の趣旨・内容、保護対象となるフリーランスの範囲、規制対象となる発注事業者への範囲等について、フリーランス・発注事業者双方に十分な周知が必要であるものと考えています。このため、関係者への説明会、パンフレットの配布、関係省庁のウェブサイトやSNSへの掲載など、様々な方法で、広く国民にとって分かりやすいものとなるよう、しっかり周知活動を行ってまいります。フリーランスを含めた就職氷河期世代の支援についてお尋ねがありました。就職氷河期世代には、希望する就職ができず、不法にながら不安定な仕事に就いている方など、様々な課題に直面している方々が含まれており、政府としては、令和2年度から就職氷河期世代の就労や社会参加への集中的な支援に取り組んでいます。昨年末に策定した就職氷河期世代支援に関する新行動計画2023に基づき、これまで実施してきた施策のフォローアップ結果を踏まえて、施策の強化を図りつつ、着実に施策を実行し、成果を積み上げていく考えです。併せて、就職氷河期世代を含めたフリーランスについて、事業者との間の取引の適正化に取り組んでまいります。

40:35

加藤勝信厚生労働大臣

40:40

塩村綾香議員の御質問にお答えいたします。社会保険の在り方の検討状況についてお尋ねがありました。昨年12月に取りまとめられた「全世代型社会保障構築会議」の報告書では、現行の労働基準法上の労働者に該当する方々については、その適用が確実なものとなるよう、必要な対応を早急に講ずべき、労働者制が認められないフリーランス・ギグワーカーに関しては、働く方々の実態や諸外国の例なども参考としつつ、引き続き検討を深めるべきと指摘をされてから、これらの指摘を踏まえながら、フリーランス・ギグワーカーについて、その費用者制の捉え方などの検討を深め、必要な整理を行うとともに、社会保障審議会年金部会において、社会保険の適用の在り方について議論を進めてまいります。無通分弁を選択できる環境整備についてお尋ねがありました。厚生労働省としては、分弁を取り扱う医療機関は、母子の心身の安定・安全の確保などを図る観点から、安全な無通分弁の実施などの対応を講ずることが望ましいと考えております。このため、無通分弁関係学会・団体連絡協議会と連携をし、無通分弁を実施する医療機関に関する情報公開などに取り組んでおります。令和6年度から開始する第8次医療計画に向けて、引き続きこの連絡協議会や都道府県と連携しながら、安全な無通分弁を選択できる実施体制も含め、妊婦の方々が安心・安全に出産できる環境の整備に取り組んでまいります。労働法制の厳格な執行と適用の拡大についてお尋ねがありました。労働基準関係法令の適用については、契約の明証にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断しており、労働者に該当し、労働基準関係法令違反が認められる場合には、労働基準監督署において厳正に監督指導を行ってまいります。労働者制の判断基準については、令和3年3月に策定した、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインにより周知を図っております。また、今後、ガイドラインの運用状況や裁判例などの動向、労働者の働き方の変化などの状況を周知しながら、現行の判断基準の枠組みが適切なものとなっているか否かについては、不断に確認してまいります。

43:31

小倉正信国務大臣

43:54

育児機関に係る保険料免除措置の創設についてお尋ねがありました。昨年12月に取りまとめられました、前世代型社会保障構築会議の報告書では、自営業者やフリーランスなど育児休業給付の対象外である方々に対し、子育て機の就労に関する機械損失への対応という観点からの支援を検討することとされたところであります。新たな支援について検討を行った結果、子ども子育て政策の強化に関する試案において、子ども子育て支援加速化プランでは、自営業者やフリーランス等を対象とする3前3号の保険料免除の仕組みが既に国民年金にあることなどを踏まえつつ、新たな給付を創設する場合の事務コストも考慮し、国民年金第1号基本費保険者の育児期間に係る保険料免除措置の創設に向けた検討を進めることにより、自営業者やフリーランスなどの方々への経済的支援を行うこととしています。子ども政策担当大臣として、可能な限り早期に加速化プランの施策が実現できるよう、引き続き子ども未来戦略会議において議論を進めてまいります。

44:59

林 芳政外務大臣

45:27

塩村 綾香議員から、秋元外務大臣政務官の国会への資料提出についてお尋ねがありました。事実関係につきましては、これまでの国会での質疑を通じて秋元政務官が説明してきているものと承知をしております。いずれにいたしましても、本件については政治家としての責任において適切に説明することが重要であると考えております。

45:52

高木 香織君

46:26

日本維新の会の高木香織です。私は会派を代表して、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について、後藤国務大臣に質問いたします。我が国では人生100年時代と言われ、誰しもセカンドキャリアがある時代になりつつあります。今まさに私たちは日本社会における働き方をどう考えていくのかが問われているのです。今までの長期安定雇用を前提とした就寝雇用や年効序列といった日本型雇用管控システムは、生産性の違いほどには賃金がさほど変わらないという平等志向に基づいており、企業内では安定が保障されてきました。しかし、経済社会のグローバル化に伴い激しい環境の変化や実力主義が広がり、企業は従業員の将来を保障することが難しくなってきた結果、時間や場所を拘束する従来の働き方は時代にそぐわなくなってきました。この現状から、我々はいかに新しい社会に向けて転換していくのかを考えていかなければなりません。その上で以下お尋ねいたします。今回の法律案は、既存の労働法制による適正化の対象とならなかったフリーランスについて、取引適正化や就業環境の整備を行うものであります。ポストコロナの中で、個人が自由度の高い働き方や暮らしを通じ、安心してやりがいのある仕事をすることによって生産性を高めることができるのです。企業においても、ライバーシティを推進することによって、多種多様な人材が集まり、イノベーションを起こすことによって、経済成長へとつながっていくのではないでしょうか。そこでまず、政府としてフリーランスという働き方を日本社会の中でどのように位置づけていくのか、また、本法律案により日本社会にとってどのようなメリットがあると考えているのか伺います。多様な働き方を選択しやすくなる環境整備を進めていくにあたっては、能力向上のための支援やまだ見の機会の確保、そしてそれらに対する適切なアドバイスを受けられる仕組みが必要だと考えます。キャリアコンサルタントなど、働き手の立場に立った良質なアドバイザーの育成が鍵となると資料しますが、既存の労働法制の枠組みに入らないフリーランスをはじめとする働き手に対して、どのような支援を行うべきだとお考えでしょうか。また、働き方遺憾で不利益とならないような社会保障や税の仕組みを構築していくための改革、さらに並行して雇用の流動化促進やミスマッチ解消の観点から、開戸規制の緩和などを含めた労働市場の抜本改革が必要だと考えますが、これに対する政府の見解、取組方針を合わせてお尋ねします。次に、本法律案の閣論について御質問いたします。まず、本法律案における取引適正化に関する規制は、厚生取引委員会及び中小企業庁が所管するものとされています。取引適正化に関する規制については、いわゆる競争法として、既に独占禁止法及び同法の補完法として、下請取引を規制する下請法が存在する中で、新たに本法律案による規制が必要とされた理由をお聞かせください。従来、下請法の適用範囲、すなわち資本金1000万円超の法人の事業者には、フリーランスに製造委託等をする場合、書面の交付義務や禁止行為等の規制が及んでおりました。これに対し、本法律案では、資本金の規模にかかわらず、特定受託事業者に業務委託を行う事業者に対し、禁止行為や就業環境整備の規制、さらに書面又は伝辞的方法による契約内容の明示義務は、従業員を雇用していない事業者、つまりフリーランス同士の取引にまで及びます。このように非常に広範にわたる規制をかけるものとなりますが、政府としてどのように規制の影響を分析し、制度設計に反映させたのかお示しください。また特に、発注事業者には少なからず負担が生じるものと考えます。フリーランスへの発注を萎縮させるような懸念が生じないのか、ご見解を求めます。次に特定業務委託事業者の禁止行為については、政令で定める期間以上の継続的な業務委託に限り適用されます。衆議院における議論の中で、契約期間が長くなるほど発注事業者と受注事業者との間で経済的な依存関係が生じ、それを利用されて不利益を受けやすい傾向にあると政府から答弁がございました。しかし、個々の業務委託の契約期間の長さだけで対象を区切ってしまうと、本来保護されるべき方がその対象から抜け落ちてしまう懸念は拭えないのではないでしょうか。例えば、特定の発注事業者の業務委託に専属的に従事していても、個々の業務委託の期間自体はそれほど長くないようなケースもあり得ます。政令を定めるにあたっては、一律に数ヶ月以上などという形で定めるのではなく、例えば一定期間内での同じ事業者との契約回数に着目することも検討してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。本法律案の規制対象に該当していなくても、禁止行為に関してあってはならない行為であることは十分に周知すべきと考えます。また、悪質な事案には何らかの対応を検討すべきと考えますが、御所見を伺います。次に、育児介護等の配慮義務規定について伺います。フリーランスの方々が妊娠、出産、育児、介護等と業務を両立できる環境を整備することは重要と考えます。本規定は、フリーランスの方々からの申し出があった場合に、発注事業者に一定の配慮をお願いするものとなっております。しかし、フリーランスの方々の中には、発注事業者に配慮を申し出ることにためらう気持ちを持つことを想定されますが、申し出を要件とした理由は何でしょうか。また、少しでも申し出しやすい環境とするためには、モデルケースとしてどのような配慮をお願いしてよいものなのか、あるいは発注事業者はどのような配慮をすべきなのか、できるだけ多くの事例を示すことや、発注事業者にとって育児介護等の配慮をすることに、どのような意義があるのかを示すことが有効と考えます。政府として、本規定の実効性を高めるため、どのような方策を考えておられるのか、お聞かせください。次に、ハラスメント対策を講じる義務的規定について伺います。労働者に対するパワハラ、セクハラ、マタハラ等のハラスメント対策については、既に事業者の義務とされる中、これまでフリーランスの方々に対するハラスメントについて、何ら対策義務がなかったことからすれば、当然必要な規制と言えます。ただし、実際に各事業者において実効性ある防止対策が講じられなければ、何の意味もありません。特にフリーランスの方々は、取引所を弱い立場に置かれやすく、仮にハラスメントがあっても、それを相談すると仕事を打ち切られるのではないかなどの懸念から、泣き寝入りせざるを得ないといったことも要因に想像されます。政府として、本規定の実効性を高めるために、どのような対策をお考えなのか、ご説明ください。以上、申し上げた育児・介護等の配慮義務規定、ハラスメント対策を講じる義務規定等については、厚生労働大臣は、特定業務委託事業者が適切に対処するために必要な指針を公表することとされています。これらの規定は、実効性はこの指針にかかっていると言っても過言ではありません。指針の策定に当たっては、フリーランスが多種多様な業界、業種で働かれていることも踏まえて、できる限り多くの関係者の意見を踏まえ、ご検討いただきたいと考えます。指針の具体的な内容や検討方法について、政府の方針をお聞かせください。最後に、本法律案は非常に広範にわたる規制を及ぼすものであり、解釈に幅のある規定も多く、実際にどのような影響があるのか不透明な面もあります。施行後3年見直しの規定も置かれておりますので、施行後の取引実態をきめ細かに調査いただき、関係者の意見も幅広く聴取して、規制内容に磨きをかけていく必要があると考えますが、施行後3年見直しに向けた対応方針をお尋ねします。最後に、私たち日本維新の会は、新しい時代にあった、税制、社会保障、労働市場の抜本的改革を行い、フレキシュキリティ、いわゆる柔軟性と安全性を担保した働きやすい環境を整備し、持続可能な社会を目指していくことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

56:18

佐藤重幸国務大臣

56:43

高木香織議員のご質問にお答えいたします。フリーランスの位置づけ及び本法案のメリットについてお尋ねがありました。政府としては、個人が多様な働き方の中から、それぞれのニーズに応じた働き方を柔軟に選択できる環境を整備することが重要である。フリーランスという働き方は、選択肢の一つであると考えています。厳に自分の仕事のスタイルで働きたい、働く時間や場所を自由にしたいといった理由から、フリーランスとして働くことを積極的に選択する個人が多数いるものと承知しています。一方で、事業者間取引において、業務委託を受けるフリーランスの方々が不当な不利益を受けるといった取引上のトラブルが生じている実態があることから、フリーランスの方々が安定的に働くことのできる環境を整備することは重要です。このため、今回の法律案では、取引の適正化を図るため、特定受託事業者に業務委託をする事業者に対し、給付の内容の明示等を義務づけるとともに、就業環境の整備を図るため、特定受託事業者に業務委託をする事業者に対し、育児介護等に対する配慮、ハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務づけること等を盛り込んだところです。本法律案により、フリーランスの方々が不当な不利益を受けることなく、安定的に働くことができ、ひいては、個人が多様な働き方の中から、それぞれのニーズに応じた働き方を柔軟に選択できる環境が整備されるものと考えております。働き方に関わらない能力向上支援、社会保障税制の仕組みの構築、労働市場改革等についてのお尋ねがありました。政府としては、多様な働き方を選択しやすくなる環境整備を進めていくため、働き手の立場に立った支援が重要であると考えています。このため、フリーランスを含め、多様な働き方で働く方々が自律的なキャリア形成を行えるよう、キャリアコンサルティングの機会の提供などの支援を行っています。また、社会保障や税制は、働き方に中立的である、自らの選択による労働移動の阻害しないようなものであるべきだと考えています。このため、勤労者・介護犬の実現に向けた取組を進めるとともに、働き方によって有利不利が生じない公平な税制を構築する観点から、退職所得課税について引き続き丁寧に議論していきます。その上で、解雇ルールについて、金銭を支払えば自由に解雇できるという制度を導入することは考えていませんが、円滑な労働移動を推進することは、構造的な賃上げにつながる好循環を生み出す鍵となるものと考えています。このため、働く人の立場に立って、意欲ある個人に対するリスクリーニングによる能力向上支援、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される職務給の確立、自らの選択による主体的労働移動の円滑化という三一体の労働市場改革に取り組んでいきます。さらに、スマッチの解消については、ハローワークにおいて、引き続き、求職者と求人者のニーズに沿ったきめ細かなマッチング支援を行ってまいります。あなたに本法案による規制が必要である理由についてお尋ねがありました。従業員を使用せず、一人の個人として業務委託を受けるフリーランスについては、従業員を使用して組織として従業を行う発注事業者との間で、交渉力やその前提となる情報収集力の格差が生じやすいと考えられます。また、トラブル100等番には、発注事業者からのハラスメントなど、交渉力等の格差に起因して、個人の就業環境が害されるといった相談も寄せられています。このため、本法案においては、個人で業務委託を受けるフリーランスを対象として、取引の適正化を図るとともに、ハラスメントの防止など、フリーランスの就業環境の整備を図ることとしています。一方、独占金賞法は、市場における公正かつ自由な競争を促進することを目的とするものであり、市場における競争の促進とは直接関係しない就業環境整備に関する規制は対象としていません。また、下請貸金法は、親事業者と下請貸金事業者との下請取引において、取引構造上、交渉力等の格差が生じることから、下請貸金の適正化等を図るものです。具体的には、資本金1,000万円超の親事業者と1,000万円以下の下請貸金事業者といった事業者間の下請貸金を規制対象としています。このため、独占金賞法や下請貸金法では、ハラスメント防止など個人の就業環境整備に関する規制になじまないことや、資本金1,000万円以下の事業者とフリーランスとの間の取引が規制対象とならないことから、新法として本法案を提出することといたしました。本法案の規制の影響とフリーランスへの発注控えの懸念についてお尋ねがありました。本法案は、いわゆるフリーランスの方々に業務委託を行う発注事業者に対し、取引条件の明示等の義務を課すことにより、フリーランスに係る取引の適正化等を図るものです。他方で、事業者間取引における契約自由の原則の観点から、事業者間取引に対する行政の介入は最小限にとどめるべきであることに加え、発注事業者に過度な義務を課した場合には、フリーランスへの発注理解につながりかねないことにも留意が必要です。このため、本法案においては、発注事業者の負担とフリーランスに係る取引適正化等の両面でバランスをとりながら、必要な規制を盛り込んでいます。具体的には、本法案では、取引条件の明示、支払い事実における報酬の支払い、事業拒否の禁止等を規定していますが、これらの規制は事業者間取引において当然に行われるべき内容であり、発注事業者に対し、新たに過度な負担を犯すものではないと考えています。一方で、下請貸金法で規定されている取引記録の作成、保存義務や法廷の遅延留足による支払い義務については、発注事業者にとって負担が大きいと考えられることから、本法案には盛り込んでいません。また、個人であるフリーランスを保護する観点から、ハラスメント対策などの就業環境の整備に関する措置を盛り込んでいますが、発注事業者が雇用主の立場として既に講じている措置と同様の内容を求めるものであり、発注事業者に対し、新たに大きな負担を迫るものではないと考えています。さらに、御指摘の取引条件の明示義務については、当事者間の飲食の相容を減らし、トラブルを未然に防止するという点において、発注事業者の利益にも資することから、フリーランス同士の取引についても対象としたものです。本法案が成立した場合には、施行までの間に、本法案に基づく規則や浸透を定める予定ですが、引き続き、発注事業者の負担とフリーランスに係る取引適正化等の両面でバランスをとりながら、関係者の意見をよく確認して、しっかり検討をしてまいります。禁止行為の規制対象となる契約の期間の長さについてお尋ねがありました。本法案は、下請大金法の規制対象となっていない、小規模な発注事業者あっても、従業員を使用し特定自宅事業者に委託する場合には、特定業務委託事業者として規制が及びます。他方で、事業者間における契約自由の原則の観点から、事業者取引に対する規制に基づく行政の介入は、最小限にとどめるべきであることにも留意が必要です。発注事業者に対し、重すぎる負担が生じることのないよう、またこれにより特定自宅事業者への発注控えが生じることのないよう、規制は必要最小限とする必要があります。また一般的には、契約期間が長くなるほど、発注事業者と、受注事業者との間で、経済的な依存関係が生じ、それを利用されて不利益を受けやすい傾向にあります。内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査でも、種な取引先との契約期間が長くなるほど、取引産経から不利益な行為を受けやすいとの実態が見られます。こうした実態を踏まえた、フリーランス保護の必要性と、金の負担に係る発注控えを回避する観点も含めて、本法案では、一定の期間にわたって継続する業務委託のみを対象として、事業拒否等の禁止義務を課すこととしています。なお、ご指摘の一定期間内での同じ事業者との間の契約回数に着目する案については、例えば個々の業務委託の契約期間が短い場合であっても、それが実態として同一の契約であり、その更新を繰り返した結果、政令で定める期間を超える場合には、禁止義務の対象となることも想定しています。本法案の規制対象とならない事案への対応についてお尋ねがありました。ご指摘のとおり、継続的業務委託に該当しないなど、本法案の規制対象とならない場合であっても、事業拒否等の禁止行為については、あってはならない行為であると考えています。このため、政府としては、令和3年3月に、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインを策定し、関係法令の適用関係を明らかにするとともに、問題となり得る事案を明確化し、関係者に対する周知広報を行ってきました。引き続き、本法案の周知に加え、令和3年に策定したガイドラインの周知を図ってまいります。また、政府では、令和2年にフリーランストラブル100等番を設置し、フリーランスの取引上のトラブルについて、1万件を超える相談を受け付けてきています。フリーランストラブル100等番においては、本法案の規制対象とならない事案も含めて、悪質な問題行為の解決に資するアドバイスや紛争の和解や戦闘を行っており、今後もこうした取組体制を充実させていきます。これらの取組により、悪質な行為の是正に努めてまいります。育児介護等の配慮に係る申出や実効性を高めるための方策についてお尋ねがありました。本法案では、発注事業者は、フリーランスが育児介護等と両立して業務に従事することができるよう、フリーランスからの申出に応じて必要な配慮をしなければならないこととしています。これは、育児介護等について、個々人の事情や意向が異なり、業務との両立に向けた配慮が必要かどうかについて、まずはフリーランスの方に判断いただくことが適切であり、フリーランスからの申出を契機として発注事業者に必要な配慮を求めることとしたものです。また、厚生労働大臣の定める指針において、育児介護等の配慮について具体的な内容等を示すとともに、発注事業者、フリーランス双方への丁寧な周知を図ることにより、フリーランスが申出しやすく、安心して育児介護等と両立しつつ、働くことのできる環境の整備に努めてまいります。ハラスメント対策の実効性を高めるための方策についてお尋ねがありました。本法案では、発注事業者は、ハラスメント対策として、フリーランスからの相談に対応する窓口等必要な体制を整備しなければならないこととしています。また、フリーランスが発注事業者に対し、ハラスメントに関する相談を行った場合に、これを理由として発注事業者がフリーランスに契約の解除などの不利益な取扱いをすることを禁止するとともに、これに違反した場合には、厚生労働大臣が指導勧告等を行うことができることとすることにより、その実効性を高めることとしています。さらに、ハラスメント対策については、厚生労働大臣の定める指針において、発注事業者が、講ずべきハラスメント対策の具体例をお示しし、丁寧な周知を図ることにより、発注事業者が適切に対策を講じ、フリーランスがハラスメント被害を受けることなく、安心して働くことのできる環境の整備に努めてまいります。育児介護の配慮等に関して、定める指針についてお尋ねがありました。本法案では、厚生労働大臣が、育児介護等と業務の両立への配慮、ハラスメント対策などについて、発注事業者が適切に対処するために、必要な指針を策定公表することとしています。具体的には、育児介護等について、発注事業者が行う配慮の考え方や具体例、ハラスメントに関する相談体制の整備など、発注事業者が講ずべきハラスメント対策の具体例等を定めることを想定しています。指針の策定に当たっては、厚生労働省において、新発注事業者やフリーランス関係団体、両市団体等のご意見をしっかりうかがいながら、取引の実態を反映した内容となるよう検討していくものと承知しています。施工後3年をめどとした見直しの対応方針についてお尋ねがありました。本法案については、法案不足の検討規定に基づき、本施工後の特定受託事業者をめぐる取引情勢の分析や、様々な業種における課題の把握などに努めるほか、幅広く関係者の意見を確認していくことにより、施工後3年をめどにしっかりと検討してまいります。

1:11:54

浜口誠君

1:12:17

国民民主党支援力委員会の濱口誠です。ただいま議題となりました、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について、会派を代表して質問します。まず、後藤大臣に伺います。日本においても、フリーランスも含めて、全ての働く者の権利が守られ、安心して働くことができる環境整備が必要と考えます。政府は、2020年実施した実態調査で、フリーランスを自身で事業等を営んでいる、従業員を雇用していない、実店舗を持たない、農林漁業従事者はないとして、副業も含めて462万人がいると主算しています。本法案で、保護の対象となるフリーランスは、460万のうち何人ぐらいになると考えているのでしょうか。また、保護の対象となるフリーランスに該当するかどうかは、誰が判断するのか、そしてその判断基準は明確でわかりやすく示していくことが必要と考えますが、所見を伺います。日本に居住するフリーランスが海外から業務を受託したり、海外に居住するフリーランスが日本に事業拠点を設ける委託事業者から業務を受託することもあります。こうした越境取引は本法案の適用対象となるのでしょうか。お答えください。本法案の第3条2は、フリーランスに業務委託した事業者は、直ちに公正取引委員会規則に定めるところにより、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払基準、その他の事項を書面または伝辞的方法で明示することが義務付けられます。ここでいう「その他の事項」とは何か、具体的にお示しください。フリーランスやフリーランス協会などの要望を踏まえると、契約時に明示すべき内容として、処刑費の扱い、納品・研修方法、支払条件、契約変更解除条件、秘密保持、著作権の帰属、損害賠償、やり直し範囲、再住宅の可否といった内容も契約条件の明示内容に加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。政府は、2020年11月にフリーランスの相談にワンストップで対応する相談窓口として設置した「フリーランストラブル100等番」には、これまで1万件を超える相談が寄せられています。内容としては、報酬の不払い、支払い遅延、一方的な減額など、報酬の支払いに関係が最も多く見られますが、一方的な発注取消しや、取引条件の一方的設定変更などの相談も多く見られます。本法案には、発注事業者の禁止事項として、事業の拒否や報酬の減額など7項目が規定されていますが、現場の実態を踏まえると、作業開始後の一方的な発注取消しや、フリーランス側に著しく不利益となる取引条件の一方的な設定も禁止すべきです。見解を伺います。本法案では、妊娠・出産・育児・介護への配慮や、ハラスメント行為への相談対応等の措置が定められています。一方で、長時間労働による健康被害の未然防止を図るための規制は折り込まれていません。フリーランスが、安全に健康を確保し、働ける環境整備に向け、長時間労働を強いる契約の禁止など、安全衛生面での対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。フリーランスが、業務上の災害によって、怪我をしたり、休業をすだらるを得ない場合に、労災保険に加入していれば安心できます。一部のフリーランスは、労災保険特別加入制度の対象となっていますが、すべてのフリーランスが特別加入できるようにしていくべきと考えますが、厚生労働大臣に見解を伺います。フリーランスは、保護具など安全衛生に必要な準備を自ら購入したり、労災保険の保険料を自己負担しています。こうした必要な経費を勘案した上で、報酬額を定めるべきと考えますが、見解を求めます。本法案では、フードデリバリーのプラットフォーム事業者など、仲介事業者に係る規制は織り込まれていません。フリーランスのうち、仕事の獲得手段として仲介事業者を利用している者は、約2割との調査結果もあります。こうした中で、フリーランスが安心して就労できる環境整備の観点からは、仲介事業者の質の向上は不可欠です。欧州でも、仲介事業者の責任を確立するための取組が行われています。日本においても、仲介事業者の責任や業規制について、関係法令の改正が必要と考えますが、見解を伺います。フリーランスなど、新しい働き方を日本で選択しやすくするために、最もニーズが多いのが、健康リスク、出産・介護リスク、家齢リスクなど、ライフリスク対策、セーフティーネットの拡充です。フリーランスは、雇用保険が適用されず、年金・健康保険の保護も弱い、育児休業給付はなく、病気やけがで働けなくなったときの保障も手薄です。フリーランスのライフリスクに対応した働き方に左右されない社会保障制度が必要です。厚生労働大臣の所見を伺います。フリーランスは、委託事業者から本法案に違反した場合は、厚生取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省に申し出て、適当な措置を求めることができます。一方で、現実には、業界団体の調査によると、ハラスメントなどの被害を受けたフリーランスの約半数は、仕事に支障が出ることなどを恐れ、誰にも相談できず、泣き寝入りしている実態もあります。被害を受けたフリーランスが、安心して申し出できる環境をどう作っていくのか、また、事実認定に異議がある場合の対応について、具体的にどのように対応するのか、後藤大臣に見解を伺います。一方、対応する厚生取引委員会は、地方事務所が全国で8カ所、職員も今年度末の定員は924人です。人員体制の不足が課題となっている労働基準監督署でも、全国すべての都道府県に320を超える監督署があり、監督官は約3000人です。厚生取引委員会や労働基準監督署等の体制強化をどのように進めるのか、お答えください。併せて、本法案の趣旨や本法に反する事案等を、フリーランスや委託事業者、仲介事業者に十分に周知・広報していくことが大変重要です。今後の具体的な対応をお伺いします。フリーランスは本来高い専門性を持つ人材であり、変化のスピードが速い栽培やデジタル分野等では、自由で柔軟に業務を遂行できるフリーランスの方が成果を出しやすいとも言われています。政府として、これまで企業中心で担ってきた職業教育を学校教育の段階で充実させることも必要と考えます。高度な専門性を有するフリーランスの育成に関して、文部科学大臣に所見を伺います。最後に、フリーランスの労働性に関して伺います。本法案は、フリーランスの労働者性を定義するものではありません。他方、欧米では、フリーランスを労働者と推定する基準を明確化し、紛争になれば、企業側に労働者でないことを証明させる制度づくりが進んでいます。日本においても、フリーランス保護の観点から、1985年以降、見直されていない労働基準法の労働者性の判断基準や、労働組合法の労働者性の判断基準を、社会実態に合わせて見直し、適応対象の拡大する方向で検討していくべきです。この点について、大変重要な課題だと思っておりますので、厚生労働大臣に見解を求めます。フリーランスの皆さん含めて、雇用労働者の皆さん含めて、働く皆さんが安心して働くことができる、こうした環境づくりに向けて、私たち国民民主党は、さまざまな提案をしながら、新しい答えをしっかりと国民の皆さんに示していく、そのことを最後にお誓い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

1:22:35

後藤茂幸国務大臣

1:22:55

濵口誠議員のご質問にお答えいたします。本法案の保護対象についてお尋ねがありました。フリーランスの方を対象に、令和3年に内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査によれば、フリーランスのうち特定の事業者から委託等を受けて仕事を行う者は、約59.0%です。本法案の保護対象となるフリーランスについて、正確な数字を申し上げることは困難ですが、令和2年に内閣官房において実施したフリーランス実態調査によるフリーランスの試算人数の462万人に、先ほど申し上げた59.0%を単純に掛け合わせると、約273万人となります。保護の対象となるフリーランスに係る判断基準についてお尋ねがありました。本法案では、業務委託の相手型である事業者で、従業員を使用しない者を特定受託事業者と定義し、この法案において保護対象となるフリーランスの範囲を明確化しています。業務委託の相手型となるフリーランスが特定受託事業者に該当するかどうかについては、まず業務委託を行う発注事業者が判断することとなりますが、本法案の適用にあたって最終的な判断を行うのは、本法案の主管省庁である厚生取引委員会等となります。業務委託が相手型が特定受託事業者に該当するかどうかを発注事業者が適切に判断できるよう、厚生取引委員会のガイドライン等において、その判断近順をわかりやすくお示ししたいと考えています。越境取引への本法案の適用関係についてお尋ねがありました。国又は地域をまたがる業務委託については、その業務委託の全部又は一部が日本国内で行われていると判断される場合には、本法案が適用されると考えています。具体的には、日本に居住するフリーランスが海外に取材する発注事業者から業務委託を受ける場合や、海外に居住するフリーランスが日本に居住する発注事業者から業務委託を受ける場合について、委託契約が日本国内で行われたと判断される場合や、業務委託に基づき、フリーランスが商品の製造やサービスの提供等の事業活動を日本国内で行っていると判断される場合には、本法案を適用されると考えています。本法案第3条の書面等で明示しなければならない、その他の事項についてお尋ねがありました。第3条第1項では、発注事業者がフリーランスに業務委託をした場合に、給付の内容等を書面等により明示しなければならないこととしています。書面等によって明示しなければならない事項としては、現時点においては、法律案に明記されている給付の内容、報酬の額、支払期日のほか、その他の事項として、受託者・委託者の名称、業務委託をした日、給付の提供場所、給付の期日等の業種横断的な事項を定めることを予定としています。引き続き、様々な業種の取引状況を踏まえつつ、発注事業者の負担と取引適正化の両面でバランスをとりながら、関係者の意見をよく確認して、具体的な事項を定めてまいります。発注事業者の禁止事項についてお尋ねがありました。本法案においては、ご指摘の一方的な発注取消しや、取引条件の一方的な設定について、これを包括的に禁止する規定をおいていません。一方、一方的な発注取消しにより、特定受託事業者の責めに期すべき需要がないにもかかわらず、発注事業者が特定受託事業者の給付の全部、または一部を受け取らない場合には、本法案第5条第1項第1号で否定する事量拒否に該当し、勧告等の対処となると考えています。次に、取引条件の一方的な設定については、発注事業者が一方的に通常者現れる対価と比較して、著しく低い報酬の額を不当に定める場合には、本法案第5条第1項第4号で禁止する、買い叩きに該当し、勧告等の対処となり得ると考えています。また、発注事業者が特定受託事業者に対し、正当な理由なく事故の指定するものを強制して購入させる場合には、本法案第5条第1項第5号で禁止する購入利用規制に該当し、勧告等の対処となり得ると考えています。なお、下請大金法においても、ご指摘の一方的な発注取消しや取引条件の一方的な設定を包括的に禁止する規定はなく、本法案と同様に事業拒否、買い叩き、購入利用共生などを禁止することにより、下請取引の適正を図っているものと承知しています。本法案を適切に執行し、一方的な発注取消しや取引条件の一方的な設定による不利益行為の是正に取り組んでまいります。長時間労働を強いる契約の禁止等、フリーランスの安全衛生面での対策共感についてお尋ねがありました。本法案では、フリーランスの長時間労働を直接に禁止する規定は置いていません。他方、納期までの期間が通常より短い発注を行い、その結果として特定受託事業者が外注すること等を余儀なくさせられ、人件費等のコストが大幅に増加したにもかかわらず、通常の納期で発注した場合の単価と同一の単価を一方的に定めた場合には、法案第5条第1項第4項で禁止する買い叩きに該当し、勧告等の対象になると考えています。また、議員ご指摘のとおり、フリーランスの方についても、働き過ぎにより健康を害することのないよう配慮することは重要であることから、現在厚生労働省では、個人事業者等に対する安全衛生対策の在り方に関する検討会を開催し、その中でフリーランスの方々の作業時間が長時間になり、健康を害することのないようにすることも議論していると承知をしています。この有識者検討会における検討結果も踏まえ、厚生労働省において適切な対応がとられるものと考えています。フリーランスの報酬額についてお尋ねがありました。安全衛生や保険に係る経費を報酬額に含めないこと自体は、直ちに本法案の規定に違反するものではありません。ただし、報酬額の交渉時に特定受託事業者であるフリーランスから必要とされる経費を勘案した上で報酬額を定めるよう求められたにもかかわらず、発注事業者が十分な協議をすることなく、通常支払われる対価と比較して、著しく低い額の報酬の額を一本的に定めたような場合には、本法案第5条第1項第4項で禁止する、改たたきに該当し、勧告等の対象となり得ると考えています。本法案の内容をしっかりと周知するとともに、本法案を適切に執行することにより、改たたきに該当するような報酬額の設定などの不利益行為の是正に取り組んでまいります。また施行までの間に、厚生取引委員会等が策定する運用基準等において、改たたきの考え方を含め、どのような行為が禁止行為に該当するのか、その考え方を明確化していくことを予定しています。仲介事業者の責任や業規制についてのお尋ねがありました。本法案においては、仲介事業者が単に発注事業者とフリーランスとの間の業務委託契約を圧戦している場合には、契約形態上は業務委託契約に該当しませんが、契約形態だけでなく、委託内容への関与の状況、金銭再建の内容性格、債務不遺構時の責任主体等の取引実態を総合的に判断した結果、実質的にその事業者が業務委託を行っていると評価できる場合には、本法案における規制対象である特定業務委託事業者に該当することとなります。内閣官房が実施したフリーランス実態調査によれば、仲介事業者が報酬や業務内容などの条件を決めているが、一方的に条件を変更されたとのトラブルが約5割を占めています。このような実態も踏まえながら、仲介事業者が業務委託を行っていると判断できる場合には、本法案を適切に執行し、フリーランスの取引適正化を図ってまいります。フリーランスが行政機関に安心して申していることができる環境整備等についてお尋ねがありました。本法案では、発注事業者はハラスメント対策として、フリーランスからの相談に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととしています。また、発注事業者がハラスメント対策を講じていないとして、フリーランスが厚生労働大臣に申出をしたことを理由として、発注事業者がフリーランスに不利益な取扱いをすることを禁止するとともに、これに違反した場合には厚生労働大臣が指導勧告等を行うことができることとしています。こうした制度をしっかりと周知することにより、フリーランスが安心して申出ができる環境を整備してまいります。実際にフリーランスからの申出があった場合には、都道府県労働局において、関係者から事情を聴取し、法違反の有無を確認します。また、発注事業者が講じた対策に係る都道府県労働局の事実認定については、フリーランスの方々に異議がある場合も含め、当該事実認定に至った理由等について丁寧に説明してまいります。本法案の執行体制や周知広報についてのお尋ねがありました。本法案の適切な執行に向けては、例えば特定自宅事業者が本法案に基づく対応を希望した場合に必要な情報共有を行うなど、厚生取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省の間の連携強化を図るとともに、今後必要な人員及び体制の確保に努めてまいります。さらに本法案の適切な執行に向けては、議員御指摘のとおり、本法案の趣旨や内容を十分に周知広報していくことが重要です。このため、事業者団体等を通じた周知・動画配信による周知に加えて、関係者への説明会、パンフレットの配布、関係省庁へのウェブサイトやSNSへの掲載など、様々な方法で広く国民に対する周知広報に取り組んでまいります。なお、御指摘の労働基準監督署については、労働者制が認められるフリーランスの方々の保護を図るため、引き続き労働者制の判断が的確に行われるようにするとともに、労働基準関係法令違反が認められる場合には、厳正に監督指導が行われるよう、厚生労働省において適切に対応することが重要であると考えています。

1:34:50

加藤勝信厚生労働大臣

1:35:15

濵口誠議員の御質問にお答えいたします。フリーランスの方の労災保険の特別加入についてお尋ねがありました。令和4年6月に閣議決定された新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画フォローアップに沿って、労災保険特別加入制度について新たな枠組みの検討を行い、早期にフリーランスの方々が幅広く労災保険に加入できるよう進めてまいります。フリーランスのライフリスクに対応した社会保障制度についてお尋ねがありました。昨年12月の全世帯型社会保障構築会議報告書では、労働基準法上の労働者に該当する方は、確実に適応されるよう、必要な対応を早急に講ずるべき。労働者制が認められないフリーランス等に関しては、働き方の実態や諸外国の例なども参考に引き続き検討を深めるべきと指摘をされており、費用者制の捉え方などの検討を深め、必要な整理を行うとともに、社会保障審議会年金部会において、社会保険の提供の在り方について議論を進めてまいります。併せて、仕事と育児の両立の支援に向けて、先般、小倉大臣の下で取りまとめられた試案では、費用者保険の取扱いを踏まえつつ、育児期間に係る国民年金保険料免除措置の創設を検討することが盛り込まれており、関係省庁とも連携し、子ども未来戦略会議の議論を踏まえながら対応してまいります。労働者制の判断基準についてお尋ねがありました。労働基準法上の労働者に該当するかどうかは、事業に使用される者であるか否か、その対象として賃金が支払われるか否か、労働組合法上の労働者に該当するかどうかは、職業の種類を問わず、賃金給料その他、これに準ずる収入によって生活する者か否か、といった観点から、それぞれ形式的な契約の形にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断しております。これらの労働者制の判断基準については、令和3年3月に策定した、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインにより周知を図っております。また今後、ガイドラインの運用状況や裁判例等の動向、労働者の働き方の変化などの状況を注視しながら、現行の判断基準の枠組みが適切なものとなっているか否かについて、普段に確認してまいります。

1:37:58

長岡慶子文部科学大臣

1:38:20

濵口 衣議員にお答えいたします。学校教育における高度な専門性を有するフリーランスの育成についてお尋ねがありました。産業構造の急速な転換が進む中、フリーランスを選択される方も含め、新たな価値を生み出す高度な専門性を有する人材の育成が重要な課題となっていると認識しています。このため、文部科学省では、産業界等と連携した教育課程の編成や、実務経験を有する教員の一定割合の採用等により、高度な実践力を有する職業人の育成に目的を特化した専門職大学を制度化するなどの取組を推進しています。また、デジタルグリーン等の成長分野を牽引する高度専門人材を育成するため、新たに基金を設置し、意欲ある大学・高専の成長分野への学部再編等の取組を積極的に支援することとしています。文部科学省としては、こうした取組を通じ、我が国の成長を支える高度専門人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

1:39:54

井上聡君

1:39:57

日本共産党の井上聡です。会派を代表して、特定自宅事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について質問します。本法案は、独占金支法、下請貸金支払い遅延等防止法など、事業者間の取引を規制する取引法の一つとして、フリーランスに業務や作業を委託する事業者を対象に、優越的地位の乱用を防止するための規定や、就業環境の整備を求める規定を定め、情報量や交渉力の面で弱い立場にあるフリーランスとの取引の適正化を図るものです。政府の調査では、フリーランスは年々増加し、462万人と推計されています。3年以上に及ぶコロナ禍の下、収入源や解雇によって、インターネットのウェブサイトやスマートフォンのアプリを介して、短発短期の仕事を受け負う、ウーバーイーツなどの、いわゆるギグワーカー、クラウドワーカーも急増しています。こうしたフリーランスの多くは、一方的な報酬カットや見払い、契約打ち切りなど、弱い立場に置かれているだけでなく、最低賃金や労働時間規制、解雇規制、労災など労働者保護法制の枠外とされています。昨今、労働者制が認められるべき労働者を、個人事業主として就業させる、雇用偽装とも呼ばれる状況も広がっています。我が党は、こうしたフリーランスの実態を告発し、労働法制を適用して保護することを繰り返し求めてきました。2018年末に閣議決定された労働政策基本方針は、フリーランスなど雇用によらない働き方が拡大している現状を踏まえ、法的保護の必要性を含めて、中長期的に検討するとし、厚生労働省による検討が進められてきました。しかし、法案は、その検討途上で、内閣官房によって、フリーランスの適正な拡大を図るためのルール整備を行うとの政策方向が示され、取引適正化のための法制度として提出されたものです。一方、厚労省では、雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会が、2019年6月に中間整備を公表したきり、議論が行われていません。なぜ、厚労省での検討を打ち切って、取引適正化の法制度に歪章化したのですか。法案には、業務委託事業者に対するハラスメント対策や、出産育児介護に対する適切な配慮など、労働政策審議会で議論されて当然の内容も含まれています。にもかかわらず、なぜ、労働政策審議会での議論を行わなかったのですか。ギグワーカーの法的保護については、連邦労働裁判所が、ギグワーカーの一部を労働者として認定をしたドイツをはじめ、労働者性を求める方向で保護を図る流れが世界で広がっています。日本がこうした世界の流れから、遅れていることをどう受け止めていますか。我が国では、労働基準監督署の下で、正社員から個人請けを一方的に契約変更された結果、修行時間や業務内容は正社員時代と変わらないのに労働者性を認めない。業務遂行の内容をマニュアルで指示をされ、業務に関する許諾の自由もないのに、現場における直接の指揮命令がないため労働者性を認めないという現実があります。後藤大臣は衆議院の答弁で、労働者性の認められる方について言えば、それはどんな法律形態であろうとも労働者として必要な保護をしていくと答弁しています。そうであるなら労働基準監督署の対応を直ちに改善させるべきではありませんか。以上、後藤大臣に答弁を求みます。フリーランスの労働者性が認められないのは、1985年の労働基準法研究会報告、労働基準法の労働者の判断基準についてが、今日の働き方の実態に合わなくなっているからです。この基準を実態に即したものに見直すべきではありませんか。また厚労省で中断されている検討を直ちに再開するべきではありませんか。以上、加藤厚労大臣お答えください。後藤大臣に法案について伺います。通常業務委託では募集、契約、発注という流れになります。一方法務法案は第12条で募集時の的確な情報表示、第33条で発注時の給付の内容、報酬の額、支払期日等の明示義務を定めているものの、業務委託契約締結時の条件明示義務がありません。これでは募集時より発注時の報酬額が減額されていても、フリーランスは応じざるを得ず、不利益をこむるケースが避けられません。契約時の条件明示を義務化するべきではありませんか。法案は従業員または役員のいる特定業務委託事業者に対し、契約内容の明示や60日以内の報酬支払期日等の義務規定を設けています。しかし従業員または役員のいない業務委託事業者には契約内容の明示以外の規定がありません。なぜこのような違いを設けるのですか。さらに特定業務委託事業者に課せられる給付の受料拒否や返品、報酬減額、著しく低い報酬額の設定の禁止、育児介護との両立支援への配慮、契約の中途解除の予告義務は業務委託が継続的である場合に限られています。短発、短期の業務委託は報酬減額や著しく低い報酬額が設定されても構わないのですか。答弁を求めます。業務委託が継続であるとする期間は、政令で定める期間以上とされていますが、どのくらいの期間を想定しているのですか。フリーランスの取引では、元委託者から委託を受けた個人事業者が特定受託事業者に再委託するなど、ブローカー的フリーランスが数多く存在し、取引に介在している実態があります。また、デジタルプラットフォームを通じて業務の委託と受託を媒介するプラットフォームビジネスでは、不当な定数量設定や一方的な損失負担の強制、過剰なペナルティ、一方的な契約変更など、優越的主義の乱用が問題となっている事例が数多く多く生まれています。このような仲介事業者は、本法案でどのように規制されるのですか。最低報酬規制について伺います。法案では、特定業務委託事業者に対し、特定受託事業者への継続的な発注に関し、著しく低い報酬を定めることを禁止しています。この以上文は、通常支払われる対価に対し、著しく低い報酬の額としていますが、通常支払われる対価をどのように判断をするのですか。在宅のように仲介事業者が開催する取引では、仲介事業者が利益を確保するため、フリーランスの報酬が切り下げられる恐れがあります。2018年に在宅ワークの実態等を踏まえて改正された厚生労働省の自衛型テレワークの適正な実施のためのガイドラインは、最低賃金を一つの参考として自衛型テレワーカーの報酬を決定することも考えられるとしています。これをフリーランスにも適用することについて、後藤大臣は衆議院で、事業者間取引における契約自由の観点から、事業者に対する行政の介入は最小限にとどまるべきと答弁し、最低賃金を参考にした最低報酬規定を否定しました。年収300万円未満という低い報酬で働かされているフリーランスの実態を放置するつもりですか。お答えください。フリーランスの業務には労働時間の規制が及ばず、何日も徹夜で作業をしなければ間に合わないような短期間の納期設定や、過大な業務料を委託事業者から要求されるケースも多数あります。自衛型テレワークのガイドラインが、成果物の納期は自衛型テレワーカーの作業時間が長期時間に及び、健康を害することがないように設定すること、通常の労働者の1日の所定労働時間の上限8時間を作業時間の上限に目安とすることとしているように、フリーランスの長時間労働を是正するためのルールを定めるべきではありませんか。以上、フリーランスの働き方を保護するためには、取引関係を適正化するだけでは不十分であり、労働法制による保護の仕組みを可能な限り広げることが不可欠です。そのことを重ねて強調し、質問を終わります。

1:50:25

後藤茂幸国務大臣

1:50:29

井上聡議員のご質問にお答えいたします。法制度の検討についてお尋ねがありました。厚生労働省では、雇用類似の働き方に係る論点整理等検討会について、令和2年12月にこれまでのご意見を整理したことをもって一区切りとし、フリーランス・トラベル100当番の設置運営など、フリーランスの方が安心して働ける環境整備に取り組んできたところと承知しています。一方、内閣官房においては、令和2年に関係省庁と連携し、フリーランスの実態を把握するための調査を実施しました。調査によると、取引先とのトラブルを経験したことがあるフリーランスのうち、そもそも取引条件に関する書面電子メールが交付されていないものや、交付されていても取引条件が十分に明記されていなかったものが6割となっています。こうした状況を改善し、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、事業者とフリーランスとの取引について、書面での契約のルール化など、法制面の措置を検討してきました。また、令和3年に内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査によると、フリーランスは報酬の不払いや支払い遅延をはじめとしたトラブルを経験する方が多く、かつ特定の発注者への依存打が高い傾向にあることが確認できており、発注事業者との関係において不当な不利益を受けやすい立場にあると考えられます。本法律案は、こうした調査や政府での検討を踏まえて、国会に提出したものです。法案に関する労働政策審議会での議論についてお尋ねがありました。本法案は、我が国でフリーランスが直面しているトラブルについて、報酬の支払い遅延や取引上の不当な行為など、事業者間取引において見られるものが多く、ハラスメントなどのトラブルについても取引上の力学関係に、力関係に揺らしているものと考えることができることから、取引の適正化等を図る法制として立案したものです。昨年4月の新しい消費支給実現会議では、取引適正化のための法制度の整備について、ご議論をいただくとともに、昨年9月には法案の素案についてパブリックコメントを実施し、広く意見を求めていきました。このように本法案は、取引の適正化を主な目的とするものであることを踏まえ、労働政策審議会への諮問答申は行っていませんが、本法案にはフリーランスの方々の就業環境の整備に関する事項も含まれることから、労働政策審議会雇用環境均等分科会に、法案の検討状況等の報告を行いました。今回ご審議いただいている法律案は、さまざまな立場の皆様からいただいた、多様なご意見を踏まえたものになっていると考えています。いわゆるギグワーカーの法的保護についてお尋ねがありました。海外におけるギグワーカーの法的保護について、例えばEUではデジタル労働プラットフォームを通じて働く者の雇用契約関係について、一定の要件を満たせば雇用契約と推定する規定を盛り込んだ司令案が提案されていると承知しています。この司令案については、雇用契約を機械的に推定することの是非や、その要件の内容において各国間で立場の隔たりがあれば、いまだに成立に至っていないものと承知しており、我が国としては、引き続きその動向に注視していく必要があると考えています。他方、現在我が国でフリーランスが直面しているトラブルについては、報酬の支払い遅延や取引上の不当な行為など、事業者間取引において見られるものが多く、ハラスメントなどのトラブルについても、取引上の力関係に由来しているものと考えることができることから、取引の適正化等を図る法制として、本法案を立案し、速やかに対応策を講じることとしたものです。労働基準監督署の対応についてお尋ねがありました。いわゆるフリーランスと呼ばれる方であっても、実態を勘案して総合的に判断した結果、労働者性があると判断されれば、労働基準関係法令に基づき、労働者として必要な保護が図られるものと承知しています。労働基準監督署においては、フリーランスを含め、労働基準関係法令違反がある旨の申告がなされた場合には、相談者の方から丁寧に話を聞くなど、事実確認を行い、労働者性の有無を判断していると承知しています。引き続き、労働基準監督署において、労働者性の判断が結核に行われるようにするとともに、調査の結果、労働者に該当し、労働基準関係法令違反が認められる場合には、厳正な監督指導が行われるよう、厚生労働省において適切に対応することが重要であると考えています。契約時の条件明示についてお尋ねがありました。フリーランスと発注事業者間の取引は、事業者間取引として、当事者が自由に取引条件の提示・変更等を行うものでありますが、本法案では、取引条件に関するトラブルを防止するため、募集情報や撤去表示や業務委託契約直後の書面等による取引条件の明示を義務付けています。一方、事業者間取引における契約自由原則の観点から、事業者取引に対する行政の介入は、最小限にとどめるべきものであることに留意する必要があります。ご指摘のように、契約時の取引条件の明示を義務付けた場合、契約直後の書面等の交付と合わせて、極めて近接した二つの時点で、条件明示を義務付けることになります。また、この場合、契約直後の書面等の交付のみを義務付ける下請代金法と取扱いが異なることとなり、発注事業者において実務上の混乱が生じるとともに、契約時の条件明示等が特に、小規模な発注事業者にとっては負担となり、フリーランスへの発注理解につながる恐れもあると考えます。こうした点を踏まえ、本法案においては、契約時の条件明示は盛り込まないこととしたものであり、まずは、募集情報の的確表示や業務委託契約直後の書面等による契約取引条件の明示の準出・定着を図ってまいります。禁止行為の規制対象となる契約の期間等についてお尋ねがありました。一般的には契約期間が長くなるほど、発注事業者と受注事業者との間で経済的な依存関係が生じ、それを利用されて不利益を受けやすい傾向にあり、内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査でも同様の実態が見られます。こうした実態を踏まえたフリーランス保護の必要性と過度な負担による発注理解を開始する観点も含めて、本法案では一定の期間にわたって継続する業務委託のみを対象として、報酬減額の禁止などの義務を課すこととしています。ご指摘の政令で定める期間については、内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査では、種な取引先との契約関係が3ヶ月を超えて6ヶ月といった長期となるほど、取引先からフリー行為を受けやすいという傾向が見られるため、これも一つの参考として検討することとしています。具体的な期間は規制対象となる小規模な発注事業者の負担や規制の実効性などのバランスを踏まえ、今後関係者の意見をよく確認しながら、フリーランス取引の実態に即した期間を設定してまいります。デジタルプラットフォーマー等の仲介事業者に対する規制についてのお尋ねがありました。ご指摘のブローカー、デジタルプラットフォーマー等の仲介事業者については、単に発注事業者とフリーランスとの間の業務委託契約を圧戦している場合には、契約形態上は業務委託契約には該当しません。一方で契約形態だけでなく、取引実態も踏まえて総合的に判断した結果、実質的に仲介事業者が業務委託を行っていると評価できる場合には、仲介事業者は本法案における特定業務委託事業者に該当し、本法案の規制が課されることになります。通常支払われる対価の判断についてお尋ねがありました。法案第5条第1項第4号では、通常支払われる対価に比し、著しく低い報酬の額を不当に定めることを禁止しています。通常支払われる対価とは、特定自宅事業者の給付と同種または類似の給付について、その特定自宅事業者の属する取引地域において、一般に支払われる対価を言います。ただし、一般に支払われる対価の把握が困難な場合には、通常支払われる対価は、特定自宅事業者の給付と同種、または類似の給付に係る従来の取引価格となります。フリーランスの最低報酬規制の必要性についてお尋ねがありました。本法案では、いわゆるフリーランスを保護する観点から、下請大金法では規制対象にならない、小規模な発注事業者であっても、従業員を使用しフリーランスを委託行う場合には、特定業務委託事業者としての規制が課されることになります。他方、事業者間取引における契約自由の観点からは、原則として、事業者取引に対する行政の介入は、最小限にとどめるべきであることに加え、小規模な発注事業者に対して過重の義務を課した場合、発注事業者が業務履行にかかる負担を避けようとして、特定自宅業者に取引することを避ける、いわば発注理解が生じること、財務基準基盤が脆弱な発注事業者も多く、義務が負担となり、経営に支障をきたすことが懸念されることにも、留意することが必要です。さらに、特定自宅事業者の益務や成果物は多種多様であることから、一律の最低報酬を定めることは困難であると考えられます。したがって、本法案においては、特定自宅事業者の最低報酬に係る規制は盛り込んでいませんが、本法案第5条第1項第4号で禁止する買い叩き等に該当するような報酬が策定された場合には、勧告等の措置により是正を図ることになります。フリーランスの長時間労働を是正するためのルール設定についてお尋ねがありました。フリーランスの方についても、働き過ぎにより健康を害することの内容を配慮することは重要です。このため、現在、厚生労働省では、個人事業者等に対する安全衛生対策の在り方に関する検討会を開催し、議論していると承知しています。この有識者検討会における検討結果も踏まえ、厚生労働省において適切な対応が取られるものと考えております。

2:02:31

加藤勝信厚生労働大臣

2:02:54

井上聡氏議員より、労働者制の判断基準などについてお尋ねがありました。労働者制の判断基準については、令和3年3月に策定した「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」により周知を図っております。また、雇用類似の働き方に係る論点整理等検討会については、令和2年12月にこれまでの意見を整理したことをもって一区切りとしております。検討会のご意見などを踏まえ、フリーランストラブル100等番の設置運営など、フリーランスの方が安心して働ける環境整備に取り組んでいるところであり、現時点で再開することは考えておりませんが、現行の労働者制の判断基準の枠組みが適切なものとなっているか否かについては、今後、ガイドラインの運用状況や裁判例等の動向、労働者の働き方の変化などの状況を注視しながら、普段に確認をしてまいります。

2:04:20

これにて質疑は終了いたしました。日程第一、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案、内閣提出衆議院総合議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。

2:04:46

内閣委員長 小賀祐一郎君

2:04:54

ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を報告申し上げます。本法律案は、感染症の発生及び蔓延の初期段階から、政府対策本部が迅速かつ的確な措置を講ずる仕組み等を整備するとともに、内閣官房に感染症の発生及び蔓延の防止に関する総合調整等を所掌する内閣感染症危機管理統括庁を設置しようとするものであります。委員会におきましては、参考人から意見を聴取し、厚生労働委員会との連合審査会を行ったほか、内閣総理大臣の出席を求め質疑を行いました。委員会における主な質疑の内容は、新型コロナ対応の評価及び検証、統括庁の体制とその役割、統括庁と日本版CDC等との連携、次の感染症危機に備えた保健・医療提供体制の構築、政府行動計画の見直しと今後の訓練の在り方、五類以降における対応方針等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主社民の杉尾委員より反対、日本維新の会の柴田委員より賛成、日本共産党の井上委員より反対、令和新選組の大島委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。次いで採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお本法律案に対し、不対決意を行いました。以上、報告申し上げます。

2:06:47

本案に対し、討論の通告がございます。

2:06:52

順次発言を許します。杉尾秀也君。

2:07:20

立憲民主社民の杉尾秀也です。私は、会派を代表しまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。まず冒頭に、新型コロナウイルス感染症に対して国民の命と健康、暮らしを守るために、日夜最前線でご尽力いただいている医療関係者、政府機関及び実際職員など、全ての皆様に真面目になる経緯を表します。その上で、以下の3つの点に絞って、本法案に対する反対理由を申し述べます。まず1つ目は、本法案が司令塔機能の強化に役立たないことです。新型コロナウイルス感染症などのパンデミックが発生するスパンは年々縮小していて、私ども立憲民主党は、次なる感染症の到来に備えて、危機管理のための強力な司令塔が必要である、このように訴えてまいりました。しかし、本法案で新設される内閣感染症危機管理統括庁は、司令塔そのものではなく、人員や体制、組織全体における位置づけや権限など、どれをとっても司令塔機能の強化に資するものではないことが、衆参の審議の過程で明らかになりました。むしろ、今回の新型コロナのように、政府対策本部が置かれた場合は、政府としての意思決定は、政府対策本部が行い、統括庁はその下で、総合調整事務を担う、いわゆる事務局的な役割にとどまる可能性大です。また、平時においても、統括庁の役割は、計画策定や訓練、各省庁や自治体の総合調整など限定的で、当初の触れ込みとは、あまりにも違いすぎます。そもそも法令上は、内閣官房長官の所管なのに、現在のコロナ禍での後藤大臣のような担当大臣が置かれた場合は、事実上の担務は担当大臣が担うという、おかしな組織になっています。これでは、かえって指揮命令系統が複雑化し、有事に混乱を起こすことは間違いありません。こうした現実を覆い隠すように、政府は統括庁について、「強力な統括」とか「政府全体を俯瞰する立場」といった、曖昧な説明を質疑で繰り返しました。「強力な」という形容詞を、あえて使わなければならないのは、つまるところ、統括庁に司令塔機能としての実態がない裏返しなのではないでしょうか。それもそのはず、統括庁の体制は、平時で38人、有事でも101人、さらに各省幹部職員の併任を入れても最大で300人、これに対してアメリカの感染症対策の司令塔であるCDCが、常勤職員だけで1万2千人もいるのですから、話になりません。まさに看板に偽りありです。結局、本法案が成立しても、将来の感染症危機に備える日本の法治システムは、脆弱さを抱えたままで、危機管理の観点からも大きな問題を抱えています。こんな欠陥だらけの統括庁はもう、感染症対策の司令塔とは呼ばないでください。実はこれは、今回新たに設置される国立健康危機管理研究機構、いわゆる日本版CDCについても言えることです。現在ある2つの組織、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合したものにすぎません。そういえば最近、日本版NIHや日本版NSCなど、アメリカの真似をした政府組織のネーミングが増えておりますが、こうした名前はともかく、中身が二の次になってはいないでしょうか。そして2つ目は、本法案によっても、政治の都合で専門家の意見を内側主論にする非科学的な政策決定が改められそうにないことです。言うまでもなく、未知のウイルスによる危機に対処するためには、専門家の意見を適切に反映し、科学的な政策決定を行うことが必須です。ところが、これまでの我が国のコロナ対策では、専門家組織として、政府文化会や厚労省アドバイザリーボードなどがあるものの、ここで出された専門家の意見や議論が、都合よくつまみ食いされたり、あるいは全く無視されるか、内側主論にされるのは日常茶飯事でした。例えば、2020年の全国一斉臨時休校は、政府の専門家会議で議論されることなく決定されました。折り払い東京大会の開催を優先した判断だった、こういう指摘もあります。これに始まり、膨大な予算と行政コストをかけた布製マスク、いわゆるアベノマスク、そして専門家から感染拡大を招くと懸念が示されたにもかかわらず、強行的に実施され、その後感染が拡大してから慌てて停止されたGoToキャンペーン、さらには2021年の緊急事態宣言でも同様の非科学的な政策決定が繰り返されました。今後こうした失敗を二度と繰り返さないためには、これまでの政策決定プロセスについて徹底的な検証を行うとともに、専門家の意見が適切に反映される仕組みを構築する必要があります。にもかかわらず、今回の法案にはそうした点が全く考慮されておりません。その象徴は、いまだに政府が効果があったと公言してはばからないアベノマスクです。誰も使用していなかったのにです。これではまた同じ過ちが繰り返されるのは必要でしょう。最後に三点目は、内閣官房の業務が非ライカすることへの懸念です。本法案には、当課長の設置に伴い、内閣官房に事務が追加されることを定める規定が置かれています。しかし、追加される事務は具体的に定められておらず、包括的な文言となっています。これでは内閣官房の業務がさらに非ライカしても、チェックが働きにくくなる恐れないです。8年前の内閣官房と内閣府、すり向かの理念は一体どこに行ってしまったんでしょうか。ここまで私は、本法案に反対する主に3つの理由を述べてまいりました。しかし問題はこれだけにとどまりません。せっかく新型コロナ感染症が下火になっているのに、そして今回の法改正を契機に徹底的に問題の所在を炙り出し、感染症に強い国づくりを目指すべきであるにもかかわらず、政府にその姿勢が見られないのです。それよりむしろ、感染第9波の到来の可能性を専門家が指摘しているのに、否定方針どおり、新型コロナを二類相当から五類に移行する政府の前のまりな姿勢ばかりが目につきます。振り返れば、我が国での新型コロナ感染の初確認から3年3ヶ月、最初の緊急事態宣言を経て現在に至るまで、コロナ感染者の累計3,300万人、国内者数7万4,314人、この中には私たちの同僚でありました旗雄一郎元参議院議員も含まれています。また、2019年から21年度に計上されたコロナ対策予算は、会計検査院の調べで総額94兆4,920億円に上りました。これだけ甚大な犠牲を払い、年間予算に匹敵する財政措置を講じたにもかかわらず、パンデミックが収まりつつある中でも日本経済の戻りは遅く、いまだにマイナス圏に沈んだままです。アメリカやユーロ圏が急回復しつつあるのと比較しても、なぜ日本だけがこうした状況になっているのか、政府からは全く何ら納得のいく説明が行われておりません。こうしたかつて例を見ない深刻な感染症被害に見舞われたのに、本法案作成の基礎となった去年6月の有識者会議による検証は、期間わずか1ヶ月、わずか5回の会議の開催であっという間に報告書が取りまとめられました。その中に書かれたことは、今後とも社会経済財政への影響、財源の在り方、施策の効果などについて多面的に検証が行われ、的確に政策が進められることを求めたいという指摘が象徴的です。岸田総理大臣曰く、徹底的に検証するためだったはずの組織が、このように単なる問題提起に終わってしまった、これは有識者会議が参院選を前にした政治アピールの場だったからに他なりません。まだまだあります。そもそも内閣感染症危機管理統括庁が、一省庁のかや質と何ら変わらない規模なのになぜ庁と名付けられたのか、委員会の質疑でも納得のいく説明は全くありませんでした。それはなぜかと調べてみたらどうやら、おととしの自民党総裁選で岸田総理が、健康危機管理庁をつくるとぶち上げてはみたものの、政府内で平時に仕事がないとか、非現実的だなどという声が上がり、結局今回の法改正のような内容に落ち着いたという経緯があるようです。つまり、今回の法案は岸田総理の総裁選での公約や免質と現実の折り合いをつけた、ごまかしや妥協の産物にすぎず、これでは来るべき未知の感染症を克服し、真に国民の健康と命を守れるようになるとは、私には到底思えません。また、熟慮の末の法改正とは、とても言えたものではありません。優秀な官僚機構に支えられているはずの日本の行政組織が、なぜこれほどまでに劣化してしまったのか、私は、節字が寒くなるのを禁じ得ません。ことをご採用に、今回の法改正は、病院など医療や介護関係者、それに保健所など、コロナ禍の克服に見落とした全ての皆さんの思いとは、ほど遠いところにあります。こうした政治的パフォーマンスの意気を出ない本法案には、明確に反対せざるを得ません。このままでは、いつか来た道にならないのかという、強い危惧の念を表明しまして、私の討論を締めてくります。御清聴ありがとうございました。

2:17:46

柴田匠君

2:18:07

日本維新の会の柴田匠です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場で討論をいたします。討論に入る前に一言申し上げます。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、来月8日から五類感染症に変更されることとなります。五類への変更については、全国会での改正・感染症法成立にあたり、我が党の主導で不足に盛り込まれたことを受け、ようやく政府が鉛のような重い腰を上げたものです。本来ならコロナ対策に関与する専門家諸市を含む、政府側が動いてしかるべきであったことは、厳を待ちません。なぜ、ある程までに対応が鈍かったのか。後ほど、コロナ禍で浮かび上がった様々な課題を指摘しますが、まずこの点について、政府に申請を求めます。では、法律案の賛成理由を述べます。まず第一は、新たな感染症危機に向け、政府の司令塔機能が強化されるからであります。我が国は今、少しずつではありますが、コロナ禍前の社会経済活動を取り戻しつつあります。この間、新型コロナ対応にご尽力された各方面の方々には、慶福するばかりですが、今般のコロナ禍への対応を振り返り、次の感染症に向けた対策を、遅滞なく講じていかなければなりません。今般のコロナ禍では、感染症対策に係る政府の機能不全と、関係機関の縦割りの弊害が著しく顕在化しました。このため、本法律案は、新たな感染症危機に備え、行政の体制や組織を強化することを目的としており、各省庁の感染症危機への対応を統括し、司令塔機能を強化する組織として、内閣官房に「内閣感染症危機管理統括庁」を設置するとしています。この統括庁の新設によって、これまでの縦割り行政の弊害が是正され、我が国の感染症対策における構造的諸課題の抜本的解決とつながることをお期待をします。ただし、新たな組織が出来上がれば、感染症対策が万全かつ円滑に施されるというものでは、決してありません。体制を見直すことは必要ですが、単なる看板の掛け替えに終わってしまってはなりません。統括庁は、一段高い立場から行政確保を統括するとされていますが、現時点ではまだ、有事の際に厚生労働省は、いわゆる日本版CDC、そして危機管理部局との関係性が不明確な部分もあります。したがって、これらの関係を明確にし、たとえ新たな感染症危機が将来生じても、統括庁が真に司令塔機能をしっかり果たすことが出来るようにすべきだということを申し上げておきたいと思います。賛成する第二の理由は、本法律案の成立により、これまで以上に感染症危機管理、並びに安全保障上の問題として捉えられることになるからです。今回のコロナ禍では、行政が医療体制の拡充を呼びかけながら、実際には病床の逼迫が繰り返されました。また、医療品や医療材料等の備蓄の必要性は、過去に何でも指摘をされながら、これも準備不足が露呈しました。課題を挙げれば尽きず、我が国のこれまでの感染症対策は、極めて脆弱であるという現実を突きつけられました。こうなったのも、危機管理や安全保障の観点が大きく欠落していたからに他なりません。その反省を踏まえ、昨年末に策定された国家安全保障戦略においては、将来の感染症危機に対する予防、備え、対応として、平素から感染症対策物資の確保や感染症対応能力の強化等に向けた体制を拡充することとし、また、感染症等の地球規模課題について多くの国などとの協力を広げ、国際的な取組を強化することにしています。そういう中、岸田総理は、法律案の質疑の中で、国家安全保障戦略を踏まえつつ、統括庁は、危機管理や安全保障などの多様な専門的知見を活用できる体制の整備に取り組んでまいりますと答弁をしました。司令塔記念を果たす統括庁に、危機管理や安全保障のエキスパートが加わり、専門的知見が提供されることは、感染症の発生及び蔓延初期に迅速かつ的確に対応することをより可能にし、感染症危機から国民の命や健康を守り抜くためにプラスになるものと確信をします。なお、今回は感染症に特化した統括庁を設置することになりますが、複合的危機が生じた場合を想定して、いわゆるオールハザード型組織の設立も含めた検討も必要だということは指摘をしておきます。賛成する第三の理由は、統括庁による研修や訓練等を通じて、感染症危機への対応能力向上が図られることです。政府によれば統括庁は、平時において感染症対策の実施に関する政府行動計画に基づく実践的訓練を行うとのことです。統括庁は、平時38名の定員ですが、有事の際は101名の定員を確保するとともに、各省庁の幹部職員を合計300人程度併任することになります。このため、有事の際に司令塔記念を果たすためにも、それらの職員も平時から高度な研修や実践的な訓練が必要です。この点、委員会質疑の中で、高木香織議員の質問に対し、後藤大臣は、有事の際は、招集職員をあらかじめリスト化しておきまして、迅速に増員して十分な体制を確保する、そのための研修や訓練をしっかりとあらかじめしておくと答えました。このように、有事に備えて、研修や訓練を通じ、当課長に関わる全関係者の対応能力向上を図ることは意味があります。研修や訓練の具体的な内容や運営方法については、当課長設置までの間に準備を進めるとのことですが、先般の参考に質疑で、斉藤智也国立感染症研究所感染症機器管理研究センター所長が指摘したように、過去問に備えることに満足せず、常に次に何を起きるのかを考え続けることが必要です。斉藤所長によれば、小学院の機器管理は、ややむすれば過去問に備える対策になりがちです。過去の事例は、機器に対する準備や訓練の段階では最も受け入れやすく、今後はおそらく、今般の新型コロナ対策を模した研修や訓練が行われていくものと思われます。実際に起きたことに対応できる能力は最低限求められますが、最終的に構築すべきは、未来に起き得る事態への備えです。感染症機器に備えて対応能力を高めるために、特化中による研修や訓練が、核にとらわれず創造力を働かせ、また幅広に実施されることを求めておきます。3年余り続いてきた新型コロナ対応の最中にも、アフリカではエボラ出血熱が流行し、新たにサルトウの感染も拡大しています。サルトウについては、今年に入って我が国でも感染者が増え、既に100人を超えています。たとえコロナ危機が収束しても、コロナよりも深刻な感染症が発生する可能性は否定できません。また、自然感染症だけではなく、かつて我が国でもオウム新陸橋による地下鉄サリン事件というテル事件も起きました。今後、周辺国による核兵器、生物兵器、化学兵器の使用が我が国の安全保障を脅かすというシナリオも、十分想定しておく必要があります。政府はこれまでも有識者会議等で感染症対策の抜本的見直しの提言を受けながら、「のど元すぎれば熱さ忘れる」で実行しないところに、今般の新型コロナが我が国を襲いました。そして、感染症危機に対する脆弱性を再び露呈してしまいました。同じ過ちを繰り返してはなりません。今般のコロナ禍で得た教訓や経験を生かして、危機管理体制を強化し、将来的に発生するであろう感染症をパンデミックにつなげない社会を構築していくことこそ求められています。そのために、日本紙の会は今後も引き続き、積極的に提言・提案することをお誓いし、賛成討論といたします。

2:26:44

井上聡君

2:26:54

日本共産党の井上聡です。私は会派を代表して、新型インフルエンダー特措法及び内閣法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。本法案は、次の感染症危機に対する政府の体制づくりとして、一元的に感染対策を指揮する司令塔組織である内閣感染症危機管理統括庁を設置しようとするものです。統括庁の定員は、緊急時には、平任職員を含め体制を強化するとしていますが、平時は38人で、行政組織的にも人的にも、現行の内閣官房コロナ対策推進室と実質的に変わりがありません。岸田総理の総裁選挙での看板政策であった危機管理庁との通じつま合わせと、選挙向けのパフォーマンスだったと言わざるを得ません。次の感染症危機に備えるために必要なことは、形だけの組織維持ではなくて、これまでの政府の取組についての徹底した検証と科学的知見に基づく対策の強化ですが、審議を通じても、政府から反省も改善もないことが明らかになりました。昨年6月の有識者会議の報告でも、専門家との意思決定プロセスや、科学的知見に基づく評価分析に問題がなかったとは言えないと指摘をされました。濃厚接触者の待機期間の短縮について、後藤担当大臣も、文化会での報告が事故になったということは申し訳なかったと答弁をされました。しかし審議の中で、全国一斉休校、アベノマスク、GoToトラベルキャンペーンの延長なども、専門家の意見を聞かずに決定されたことが明らかとなりましたけれども、政府からは根本的な反省は表明されませんでした。では今後改善をされるのか。特措法には、新型イグネンダと対策推進会議は、必要があると認めるときは、総理に意見を述べることと明記されています。しかし政府が会議を開かないために、同文化会の尾身会長が昨年8月、記者会見を開いて緊急提言を行ったというのが実情でした。ところが、新たに設置しようとする健康危機管理研究機構法案でも、業務を総理や厚労大臣に報告をする。総理や政府対策本部長が必要があると認めるときは、意見を述べさせることができるとされているだけです。研究機構自らの問題意識を持って、総理に対して意見を述べることが、法律の規定では何ら担保されておりません。次の感染症危機に備える上で、第6波以降の感染者の増加、とりわけ高齢者施設での施設内療養者の死亡事案が多数生じた事態の検証と対策の抜本強化は不可欠です。参考にしてみれば、21世紀老人福祉の向上を目指す施設連絡会が行ったアンケート調査の結果が紹介されました。それによれば、340の高齢者施設の中の53%、179施設でクラスターが発生し、陽性入居者合計3696人のうち87.4%の人が施設内療養を強いられて、職員が治療と看病に当たっています。参考人からは、高齢者等の重症化リスク感染者は原則入院のはずなのに、実際は施設内療養が原則になっていたと指摘されました。また、入院調整を保健所ではなくて、都道府県が一括調整しているのは47都道府県のうち44に及びます。心肺停止時の蘇生措置拒否の意思表示をしていることを理由に、感染者が入院拒否をされた事例もあり、医師の倫理に反するとの声も上がりました。質疑において、国の責任で全国の高齢者施設のこうした実態や、亡くなった方の詳細を調査して検証することを求めましたが、調査について岸田総理からも明確な答弁はありませんでした。これでは次の危機で同じことを繰り返すことになりかねません。病床逼迫を理由に施設への止め置きが行われ、必要な医療にアクセスできず、死亡される事案が多数生じた背景には、医師や看護師の絶対数が不足して、平時の医療体制に余裕がなく、緊急時の対応ができなかったことがあります。ところが総理は、医療機関の役割分担、連携、医療従事者の弾力的配置を述べるのみで、人員体制の強化増移については言及がありませんでした。医療体制の強化しなしに、いくら司令塔を強化するといっても、危機への対応はできません。また、次に備える点でも、施設内療養者を受け入れた高齢者施設への支援も欠かせません。審議の中で、入院を拒否されやむを得ず、施設内療養を受け入れた結果の減収に対し、国や自治体からの支援が全くないことが明らかになりました。本来、感染者の医療提供は、行政の責任で行われるべくものです。にもかかわらず、施設内療養を受け入れた少なくない高齢者障害者の社会福祉施設が、デイサービスのフロア等を開けて、感染者の療養場所にし、その結果、デイサービスやショートステージ業等を休止、休業せざるを得ずに、大幅な減収となりました。感染者が発生した施設に対して、消毒や清掃、時間外割増し賃金など、業務を継続するために新たに増える費用、掛かり増し費用に対する支援や補助はあります。しかし、こうした施設内療養に伴う、休止休業による減収への補助や支援は全くありません。大阪の社会福祉法人の事例では、3ヶ月で6400万円の減収、日本重症・心身障害者福祉協会の調査では、138施設のうち34施設が年間2000万円以上の減収、1億円以上の減収になった施設もあるとしています。こうした減収への支援を行うべきです。高齢者は施設内療養者1人当たり最大30万円の補助を5類以降後も継続するので、活用してほしいとしました。しかし厚労省は3月17日になって連絡を出し、4月末までに入所者ごとの連携医療機関の確保等、新たな要件を求め、1人でも要件を満たさなければ、人がいれば施設全体を5月以降は補助対象としない旨の連絡を出しました。コロナ禍の下で利用者の命と暮らしを守るために必死で取り組んできた現場の皆さんに責任を押し付け、さらに苦労をさせるものです。月末までに要件を満たせない施設を排除する方針は撤回し、5月以降も要件を満たせば補助申請を受け付けるように見直すべきです。政府は新型コロナウイルスの感染法上の扱いを5月8日から季節型インルエンザと同じ語類に引き下げる方針を決定しました。一方、一昨日の厚労省新型コロナ感染症対策アドバイザリーボードの会合で、脇田座長らの専門家が資料を提出しました。そこでは、新型コロナウイルスと季節性インルエンザは大きく異なる疫学的特徴を持っており、その状況は変わっていない。全国的に感染者数は徐々に増加に転じている地域が増えてきており、今後第9波の流行が起こる可能性が高いとしています。法律で語類に見直しても、新型コロナの感染力の高さや危険性は下がりません。語類に移行すればリアルタイムで感染状況がつかめなくなり、感染対策の遅れが生じます。高齢症問題の深刻さ、新たな変異株も懸念されます。医療体制の強化もなしに、拙速な語類移行は行うべきではありません。以上、これまでの感染症対策に反省も改善もないままに、形だけの組織に過ぎない法案に反対を表明し、医療体制の強化、高齢者施設への支援を強く求めて反対討論とします。

2:36:16

これにて、討論は終局いたしました。これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:36:45

日程第二、仲裁法の一部を改正する法律案。日程第三、朝廷による国際的な若い合意に関する国際連合条約の実施に関する法律案。日程第四、裁判外紛争解決手続きの利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案。いずれも内閣提出、衆議院送付、以上3案を一括して議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。

2:37:28

法務委員長、杉久武君。

2:37:45

ただいま議題となりました3法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。まず仲裁法の一部を改正する法律案は、経済取引の国際化の進展等の仲裁をめぐる諸情勢の変化に鑑み、仲裁提携が明示る暫定保全措置に基づく強制執行等の手続等を定める等の措置を講じようとするものであります。次に、朝廷による国際的な和解合意に関する国際連合条約の実施に関する法律案は、朝廷による国際的な和解合意に関する国際連合条約の締結に伴い、その的確な実施を確保するため、和解の仲解を行う手続において成立した国際和解合意に基づく強制執行を可能とする制度を創設しようとするものであります。次に、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案は、認証紛争解決手続において成立した和解に基づく強制執行を可能とする制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。委員会におきましては、以上3法律案を一括指摘台とし、我が国における国際仲裁及び国際朝廷の活性化に向けた取組、仲裁及び朝廷における公正性の確保、裁判外紛争解決手続の周知及び広報を充実させる必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終局し、順次採決の結果、3法律案はいずれも前回一致をもって、原案通り解決すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。

2:39:49

これより採決をいたします。まず、仲裁法の一部を改正する法律案及び朝廷による国際的な和解合意に関する国際連合条約の実施に関する法律案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の記律を求めます。

2:40:19

相因記律と認めます。よって両案は前回一致をもって可決されました。

2:40:32

次に裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の記律を求めます。

2:40:53

過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:41:03

日程第5地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院総補を議題といたします。まず委員長の報告を求めます。

2:41:24

国土交通委員長蓮舫君。

2:41:38

ただいま議題となりました法律案につきまして国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。本法律案は近年における地域旅客運送サービスを取り巻く厳しい状況に鑑み、その持続可能な提供の確保に資する関係者の連絡と共同による取組を一層推進するため、鉄道の特性を発揮することが困難な状況にある区間に係る交通手段の再構築に関する措置を創設するとともに、地域公共交通特定事業を拡充するほか、鉄道事業及び一般乗用、旅客、自動車運送事業に係る運賃について、地域の関係者の協議を踏まえた届出制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。委員会におきましては、三重県、滋賀県及び京都府への委員派遣を行うとともに、参考人から意見を聴取したほか、ローカル鉄道をはじめとする地域公共交通の再構築の在り方、地域公共交通における人材確保、地域公共交通に係る国による支援及び財源の確保等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。質疑を集客した後、日本共産党の田村智子委員より、交通手段再構築の定義の変更等を内容とする修正案が提出されました。ついで、討論に入りましたところ、日本共産党代表をして、田村委員より、原案に反対、修正案に賛成する旨の意見が述べられました。ついで、採決の結果、修正案は賛成少数により否決され、本法律案は多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対し、不対決議がされております。以上、御報告申し上げます。

2:43:33

これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:43:54

本日はこれにて散会いたします。では終わります ありがとうございました

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