6:09
日程第一、国務大臣の報告に関する件。令和3年度決算の概要について、財務大臣から発言を求められております。発言を許します。
7:03
令和3年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金、生理資金受払計算書及び政府関係機関決算書、会計検査員の検査報告とともに国会に提出し、また、令和3年度の国の債権の減債額、並びに物品の増減及び減債額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。まず、令和3年度の一般会計の決算につきましては、歳入は169兆4031億円余、歳出は144兆6495億円余であり、差引24兆7535億円余の常余を生じました。この常余金は財政法第41条の規定により、既に令和4年度の一般会計の歳入に繰り入れております。なお、令和3年度における財政法第6条の準常余金は1兆3811億円余となります。次に、令和3年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は13であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。次に、令和3年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払いにつきましては、当 資金への収納積み額は90兆4707億円余であり、支払い命令積み額及び歳入組入額は89兆654億円余でありまして、差引1兆4053億円余が令和3年度末の資金残額となります。次に、令和3年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。次に、国の債権の減債額につきましては、令和3年度末における国の債権の総額は242兆1354億円余であります。次に、物品の増減及び減債額につきましては、令和3年度中における準減少額は1289億円余であり、この結果、令和3年度末における物品の総額は14兆9191億円余となります。以上が令和3年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。なお、令和3年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、会計検査員から310件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。今後とも予算の執行に当たっては、一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。何卒御審議のほどお願い申し上げます。
11:40
ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
12:29
自由民主党の和田正宗です。私は会派を代表して、ただいま議題となりました、令和3年度決算について質問いたします。決算に対する質疑に先立って、総理の欧州北米訪問について伺います。今月、岸田総理はG7 議長国として、フランス、イタリア、英国、カナダ、そして米国を訪問し、各国首脳に、我が国の防衛力強化の方針について説明した上で、抑止力や対処力の強化に向けての協議を行いました。厳しい安全保障環境に直面し、大きな決断を下していくことが求められている首脳間での率直なやりとりを通じ、安全保障関係において、各国とのさらなる強化、進化が図られました。また、改めて各国との間で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性の認識も共有されました。欧州にとっても、インド太平洋は安全保障上、将来を左右する重要な地域であるとの認識も深まりました。米国との間では、バイデン大統領が、日米同盟と日本防衛に完全に全面的に関与と言及しつつ、日本の反撃能力の開発や、効果的運用で協力を強化する方針が示されました。私は、今回の総理の欧州北米訪問と各国首脳との会談は、日本の安全保障ひいては世界の安全保障にとって大きな意味があるものだったと考えております。そこで総理から、この国会の場で、これらの会談における具体的な成果は何か、その上で、G7広島サミットに向けて、今回の成果をどうさらに発展させていくつもりなのか、これらの点について説明いただきたいと思います。参議院での決算審議の意義について伺います。参議院は、決算重視の姿勢のもと、決算をめぐる議論を深めてまいりました。この努力の積み上げにより、決算の委員としての役割がより明確になったものと考えております。そもそも決算審議では、毎年度の予算が正しく使われ、目的を達成したのかという観点から議論をし、それを次の年度の予算に反映させていくことが大切です。この観点から、本日、来年度の政府予算案の国会審議の前に、与野党の合意のもと、令和3年度決算への代表質問が行われることは、参議院のみならず、予算を執行する政府としても大きな意味があると申し上げます。そこで、予算執行する行政府の長である総理として、参議院での決算審議の意義をどのように考えておられるのか、さらに、参議院での決算審議をどのように事業執行に生かしていく考えなのか、これらについてのご所見をお聞かせください。令和3年度決算検査では、国民の関心の高い事項として、コロナ対策関連や社会保障、国民生活の安全性の確保、情報通信等に重点を置いて調査を行っています。その結果、検査全体で310件、455億円の指摘がなされました。鈴木財務大臣は、これらの指摘をどう受け止め、それを踏まえてどのように予算執行をしていくお考えでしょうか、伺います。地域の実情に応じた取組が可能となることから、全国の地方自治体では、地方創生臨時交付金へのニーズが大変高くなっています。しかし、今回の決算検査では、公的機関の水道料金の減免などで不適切な扱いが確認された事業がありました。その背景には、国から取扱いが示されていなかったという事情があります。国においては、交付金を重当できない場合を明確に自治体に示すべきです。一方で、余りにも示唆に首都事例を提示すると、現地の実情に合った事 業を展開することに躊躇し、結果として自治体の自主性をそぎかねません。自治体には、しっかりと効果検証し公表してもらうことは当然として、最も現地の事情がわかる自治体に任せるという地方創生臨時交付金の趣旨を貫きつつ、自治体間で効果の高い先進的な交付金活用事例を具体的に共有し合うことなどで、交事例を全国に広げていく、いわゆる横展開も図るべきではないかと考えます。岡田地方創生担当大臣の御所見を伺います。残念ながら、コロナ対策の給付金や助成金では、不正受給や重複支給等が発生しました。迅速さが最も求められる状況だっただけに、事務負担の軽減化と審査の簡素化を重視することは正しかったと思いますが、不適切事案の回避のために、役所の保有するデータが十分に活用されなかった点は、改善の余地があります。所管する役所だけではなく、役所間の横の連携をとりながら、支給を受けた事業者等への訪問調査を含めた実地調査についても、実効性が上がるように対応してほしいと考えます。そこで、今回判明した不正受給や二重支給等の事案をよく分析し、今後同様の事態が生じた場合には、事務の軽減と迅速性、そして適正な支給が両立できるように、データの共有とデジタル化などの制度や工夫を講ずべきですが、総理の御所見を伺います。今回の決算検査報告でも、地方自治体等の事業において、公共的な施設の設計ミスや、不適切な工事施工で安全性が劣ったり、災害時に機能が発揮できなかったりする不適切な事案が指摘されています。自然災害等から国民の生命と財産を守る防災施設の設計に誤りがあれば、災害発生時に本来の機能を発揮できないばかりか、安全性に関わる致命的なミスとなり、突然崩落や転倒し、悲劇を引き起こす恐れもあります。一方で、事業を進める地方自治体等では、技術系職員を確保することが難しくなり、構造物や非常用設備等の耐震性や安全性について確認できる体制を整えることができないという声も聞こえます。高度経済成長期に整備された社会インフラは、既に更新期を迎えており、日頃の点検も欠かせません。公共的施設などの社会インフラが、本来持つべき安全性や防災機能を維持し、国民の生命と財産を守ることができる社会にするには、国土交通省の道路や河川等の事務所や環潮泳全部など、国の地方出先機関が持っている 技術系職員のマンパワーや技術力を生かすべく、地方における国の出先機関と自治体との技術協力や職員派遣等の連携強化が必要ですし、その前提として、何よりも国の地方出先機関の技術系職員の体制充実を図るべきと考えますが、齋藤国土交通大臣のご所見を伺います。さらに、国が持つ技術力・研究力を積極的に活用することで、行政の効率化を図り、より高い効果を上げることが可能です。国土交通省の機関である国土地理院は、地図等で国民の皆様に知られていると思いますが、今や地理空間情報を活用した社会づくりを牽引する組織として、様々な活動を展開しています。例えば、地理空間情報を活用することで、リアルタイムで災害情報を把握し、リスク情報を提供することが可能となり、ハードソフト両面からの防災・減災、国土強靱化事業の強化を図ることができるようになります。国の機関が有する科学技術力、イノベーション力をさらに高め、国益に直結させることで、事業効果をさらに上げ、予算を有効に活用するという観点から見れば、国土地理院のような技術開発や研究を担う国の機関においても、人材や予算の充実を図ることが不可欠と考えますが、今回の決算を踏まえつつ、どのように予算執行をしていこうお考えでしょうか。この点を総理にお伺いして、私の質問を終わります。
22:37
和田政宗議員の御質問にお答えいたします。欧州北米訪問における各国首脳との会談の成果、及びそれをG7広島サミットに向けてどのように発展させていくかについてお尋ねがありました。今回訪問したG7メンバーであるフランス、イタリア、英国、カナダ及び米国のそれぞれの首脳とは2国間の懸案協力について、そしてウクライナ情勢をはじめ緊迫している地域の情勢認識について率直かつすっ込んだ意見交換を行いました。また私から各国首脳に対しG7広島サミットに向けた議長国としての考え方を説明し今年1年を通じたG7プロセスの進め方についてじっくりと話し合うことができました。その結果G7が結束して法の支配に基づく国際秩序を守り抜くべく連携していくことについて改めて確認することができました。安全保障に関しては昨年末に策定した我が国の新たな国家安全保障戦略等の内容に関し私から各国首脳に対して説明をし、いずれの首脳からも前向きな反応をいただきました。今回各国首脳と意見交換を重ねる中で国際社会を主導していく責任の重さと日本に対する期待の大きさを改めて強く感じる歴史をとなりました。各国首脳との議論も踏まえ引き続きG7各国と連携しながらG7広島サミットに向けた準備を進めてまいります。参議院における決算審議の意義等についてお尋ねがありました。これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ政府としては決算の早期提出や審議内容の予算への反映等に取り組んでまいりました。特に参議院における警告決議に対しては指摘事項の一つ一つについて次年度以降の予算に反映させるなど適切に対応した上で政府として講じた措置を国会へご報告しております。政府としてはこれらの国会決議を重く受け止めるとともに今後とも事務事業の是正改善を行い予算執行や次年度以降の予算に適切に反映させ てまいります。コロナ対策の給付金や助成金についてお尋ねがありました。コロナ禍において様々な助成金等により事業主や国民に対して支援を行ってきたところですが事務負担の軽減や迅速支給を図る一方で不正受給が発生したことこれは遺憾なことです。会計検査員の指摘等も踏まえ既に必要な措置を講じているところですが引き続き事務負担の軽減を図りつつ迅速かつ適正な支給が可能となるようデジタル技術の活用も含め各助成金等に応じた対応を講じてまいります。研究開発を担う国の機関における人材や予算の充実についてお尋ねがありました。研究開発を担う主要な国の機関や独立行政法人について申し上げますと令和5年度当初予算において運営資金として令和4年度よりも多い約7500億円を計上するとともに令和4年度補正予算においてもJAXA産業技術総合研究所など向けの予算として約2000億円を計上するなど必要予算の確保を行っています。また各機関において競争的研究費の獲得に向けた取組を強化しています。人材についても各機関における計画的な 人事・人材育成に加え大学や民間企業との人事交流等による優秀な人材の確保に努めています。今後とも効率的かつ適切な予算の執行や人材の確保に向けた取組を着実に進め我が国としての科学技術力イノベーション力の向上を進めてまいります。残余の質問については関係大臣から答弁をさせます。
29:11
和田政宗議員の御質問にお答えいたします。決算検査報告の受け止めと予算執行への反映についてお尋ねがありました。令和3年度の決算検査報告において、310件、455億円の不当事項等の指摘がなされたことは、誠に違観であります。財政当局としては、あらゆる機会を捉えて、各省庁に対し予算の減省かつ効率的な執行と会計経理の適正な処理を行うよう要請してきたところであります。今後とも会計検査員の報告の趣旨も踏まえ、一層努力してまいりたいと考えております。
30:55
また、政宗議員にお答えいたします。地方創生臨時交付金についてお尋ねがありました。議員御指摘のとおり、自治体において、首都や公家の公表がなさることは重要と考えており、昨年末の制度要項の改正において公表を制度化した上で、速やかな公表を促しております。また、国としても臨時交付金を重当できない場合を示し、自治体からの質問や相談に丁寧に応じるとともに、臨時交付金の効果検証に取り組んでおり、交付金の効果的な活用に資するよう、検証結果を公表し、自治体に広くお知らせしております。さらに、他の自治体の実施計画の内容についても、自治体の計画作成の参考となるよう、交付決定後に速やかにホームページ上で公表し、情報提供をしているほか、電力貸す食料品等、価格交通重点支援、地方交付金については、効果的と考えられる推奨事業メニューを、国から提示しているところであります。引き続き、これらの取組を通じ、自治体が地域の実情に応じた、きめ細かな支援を行えるよう、後押しをしてまいります。
33:11
和田政宗議員から、地方出先機関の技術系職員の体制充実について、お尋ねがございました。昨今の激甚化・頻発化する自然災害や、老朽化するインフラに対応するため、地方整備局等、「等」というのは、北海道開発局が入るという意味ですが、地方整備局等の地方出先機関が、技術職員が不足する地方公共団体に対して、技術的支援を進めていくことが重要であると認識しています。地方整備局等では、地方公共団体に対し、災害発生時においては、テックフォースによる被災状況調査や、排水活動など、インフラの迅速な復旧に向けた支援を行っております。また、平時においては、インフラメンテナンス等に関する技術的助言や、高度な技術力を要する施設の直轄診断、修繕代行などの支援を行っております。このような支援を的確に行うためにも、現場の最前線を担う地方整備局等において、必要な人員体制を確保することは、極めて重要であり、これまでも体制を拡充してきたところでございますが、引き続き、必要な人員の確保に努めてまいります。
35:46
立憲民主社民の旗二郎です。ただいまの令和3年度決算の報告について、会派を代表して質問いたします。本来であれば、昨年の臨時国会でこの決算の本会議質疑が行われるべきでしたが、招集直後の財務大臣の不在や、相次ぐ閣僚の辞任など、政府与党内での混乱により、通常国会冒頭となってしまいました。決算審議を予算編成に反映させるという参議院の取組を、ないがしろにする事態を招いたことについて、岸田総理の弁明を求めます。岸田総理は、ご自身の特技として聞く力を挙げておりますが、答弁を差し控えるという答弁拒否が、安倍菅政権と同様に頻繁に繰り返されていることは、とりも直さず聞く気がないことの現れです。国会での従前な議論は、主権者たる国民の理解の前提であり、本日よりしっかりとお答えいただきたい。ぜひそのことをご表明ください。臨時国会が閉じた後、12月16日に安保関連三文書が閣議決定されました。1954年の発足から今日まで、先週防衛に徹してきた我が国の自衛隊に、敵基地攻撃力を備えたミサイルを配備するのであれば、まさに日本の防衛政策の大転換となります。防衛予算を 、納刀並みの対GDP比2%に増額するというのも、まず総額ありきで、国民に見える形で、中身の議論が全く行われていません。安定財源をどうするかについて、責任ある内閣の総理大臣として、明確にお示しください。賃金アップの要請をしながら、公人税を上げるというのは、経営者から理解を得られないでしょうし、復興特別所得税の提供に至っては、言語道断です。全く別の目的で集めた欠税を防衛費に充てるという手法は、まやかしとしか言いようがありません。安全保障政策の大転換と、それに伴う膨大な国民負担をお決めになったのであれば、国民の心を問うのが当然です。一日も早く、国民の心を問うお考えがあるか、総理のご決意をお聞かせください。令和2年の初めから国内での新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、かつてない規模で財政失踪がなされました。今年、今年度に入り、物価高いの対策なども加わり、巨額の予備費がさらに計上されるなど、財政民主主義を無視した予算編成が繰り返されました。この先もしっかりと対策を打つためには、これまで3年ほどの財政失踪の問題点や、コロナ対策による効果の検証を行う必要があるという考えから質問いたします。令和3年度予算は、当初予算106.6兆円に加え、2年度から3年度への繰り越し 額が過去最大の30.7兆円、さらに過去最大の35.9兆円の補正予算が追加された結果、歳出予算全体で173.3兆円まで膨れ上がりました。その失効の結果である決算では、予算の使い残しである不要額が6.3兆円となり、2年連続で過去最大を更新しました。また、使い切れず翌年度に先送りした繰り越し額は22.4兆円に上り、不要額と合わせると歳出予算の16.6%が未失効となりました。特に、使用経費別で最も多い2.4兆円の不要額が生じた中小企業対策費は当初予算1745億円、2年度からの繰り越し額が11.3兆円あったにもかかわらず、補正予算で3.9兆円積み増し、15.6兆円の予算規模となりました。なおかつ実際に支出できたのが9.9兆円と2年度からの繰り越し額分にも達しておらず、まさにどんぶり勘定と言わざるを得ません。岸田政権は令和3年度補正予算と4年度当初予算を合わせた16ヶ月予算を掲げ、巨額の経済対策を打ち出しました。しかし3年度決算が明らかにしたのは切れ目のない経済財政運営という疑名の下、会計年度独立の原則の例外である繰り越しを多用して挙げく、結局使い切れず、過去最大の不要額を生じさせたという事実です。この多額の繰り越し額や不要額は財政法上特に金融となった経費に限られているはずの補正予算を政府与党が数字ありきで積み上げたことを裏付ける証拠と言えます。岸田政権は昨年6月に閣議決定した骨太の方針2022において、コロナ禍での累次の補正予算についてその使い道、成果について見える化するとしています。政府自らが掲げたこの方針に従って補正予算の使い道、成果を明らかにすることは当然ですが、それに加えてなぜこれだけの多額の繰り越し額や不要額が生じたのか、とりわけ補正予算編成時における各経費の金融性や積算執行の見通しについても徹底的に検証し公表すべきであると考えますが、総理の御見解を伺います。会計・検査員は前年同様、令和3年度決算検査報告においても、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況について報告しています。令和元年度から3年度のコロナ関連事業の予算総額は94兆4920億円に上り、そのうち3年度から4年度への繰り越し額は13兆3254億円、3過年度の不要額は4兆6744億円となっています。このように多額の繰り越し額や不要額が生じている状況を踏まえて、前年度の検査報告においては、国民の理解と協力を得ながら新型コロナウイルス感染症対策を進めていくために広く情報を提供することが望まれると指摘されており、政府の自主的な対応が期待されていました。ところが3年度の検査報告では、予算の執行状況を示す基本的な情報である支出、積み額、繰り越し額及び不要額、並びに補助金等の余剰額について、分か りやすく情報を提供することが望まれると、前年度と同じ問題に対してより具体的な指摘がされています。これは全く状況が改善していないことを意味しているのではないでしょうか。各府省等は予算編成時には予算書に加えて、豊富な補足資料を自治的に公表しています。予算執行の結果である決算においても、事業ごとの支出、積み額、繰り越し額及び不要額等の情報を補足資料として積極的に公表すべきではないでしょうか。昨年6月の決算委員会締めくくり総括質疑において、岸田総理は検査報告の趣旨をしっかり受け止め、令和3年度及び4年度における新型コロナウイルス感染症対策について、国民に対して丁寧な説明を行いたいと述べられました。総理の現状認識と具体的な取組方針についてお答えください。厚生労働省は都道府県を通じて、新型コロナウイルス感染症患者等の受入れのための病床確保事業に係る交付金を交付しています。対象となる病床は、患者等を入院させるために確保した病床のうち、空床となっている病床や患者等を受け入れるために給付した病床で、病床確保料は、医療機関の種別や病床区分ごとに1日1床当たりの単価が定められています。13都道府県及び令和2年度に交付金を受けた106医療機関を会計検査員が検査したところ、患者が入院していて病床確保事業の対象 とならない期間中の病床数を延べ病床数に計上していたり、病床区分を誤って単価がより高額な区分の病床確保料を適用するなどしたため、旧都道府県の32医療機関で55億918万円もの交付金が課題に交付されていた事態が明らかとなりました。医療機関において制度の理解や確認が十分でなかったことが原因と思われますが、都道府県が医療機関から提出を受けた事業実績報告書等の内容を厚労省に提出していることを踏まえると、都道府県の審査が十分でなく厚労省の指導も適切でなかった可能性があります。交付金を有効活用して多くの命を救った医療機関が大多数だと思いますが、緊急的な事業についての事後確認は特にしっかり行わねばなりません。これは雇用調整助成金や持続化給付金の状況を見れば自明のことです。今回指摘された事態の受け止めと再発防止策について厚生労働大臣に伺います。新型コロナ感染拡大により休業を余儀なくされた雇用主が雇用調整助成金の支給を受けて休業手当を支払ったにもかかわらず、さらに従業員、個人が休業手当が支払われていないとして休業支援金を申請し、重複支給となったケースや休業支援金を複数回申請して二重支給となったケースも指摘されています。時間をかけずに支給を行えるよう事前審査より事後審査に事後確認に重点を置いたことは理解できますが、その事後確認が適切に行われていないと指摘された点について、政府としてどのような対応をとっているのか厚生労働大臣に伺います。国土交通省は水門や排水施設等の河川管理施設の整備等を行うとともに、河川管理施設を整備する都道府県等に対して防災安全交付金等を交付しています。ゲートやポンプ等といった河川構造物の耐震性能調査が行われた22施設について、会計検査員が検査したところ15施設は旧耐震基準の建物であり、このうち旧施設において河川管理施設全体での耐震性能が確保されているか不明であったり、対策の検討が行われていなかったりした事態が明らかとなりました。巨大地震後の津波や豪雨など複合災害の危険がある中、河川管理施設が操作できなくなると深刻な水害につながりかねません。今回指摘された点についての受け止めを国土交通大臣に伺います。また河川管理施設の多くは高度成長期に作られて老朽化が進んでおり、全国で同様の事態になっているのではないかと危惧されます。今回は22施設を抽出して検査した結果ですが、全国に整備されている河川管理施設全体での耐震性能の確保に向けた、今後の具体的な取組について国土交通大臣に伺います。新型コロナ感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じて、地方創生を図る目的で、原則として首都に制限のない臨時交付金が各自治体に交付され、これまで通算で17兆1260億円が予算化されています。この交付金を用いて実施されている事業を会計検査員が調べたところ、例えば商品券の配付事業では、使用期限までに商品券が使用されず、未監禁相当額が商工会に滞留しているケースがあり、中小企業者向け信用保証料の補助事業では、繰上げ証券でがばらい分の信用保証料が返金されたにもかかわらず、これを補助対象事業費から除かないまま、自治体に滞留しているケースが少なからず見つかったとのことです。さらに多くの自治体で交付金を使った事業の効果の検証が実施、公表されていないことが判明しています。自治体 の使い勝手を考えて、使当を制限しないとするからには、説明責任を果たすことが重要だと、会計検査員は指摘しています。政府として今後どのように、未使用分の返還や効果検証を求めていくつもりか、地方創生担当大臣に御答弁をお願いいたします。今国会でも過去最大の予算案が審議されています。限られた財源をどのように配分するかが、時の政権の姿勢を示します。平和創造のため、戦略的外交もないままに、防衛費に桁違いの比重を置く今の政権与党に対し、私たちは子ども若者支援、社会福祉に重きを置きます。給食費無償化や養護の現場、障害者福祉施設、介護施設で奮闘される職員皆様の処遇改善、保育士の配置基準の見直し等を訴えています。適正な防衛予算は確保しつつも、夢と希望の持てる多様で持続可能な社会を実現するために、今後も国会での議論を深めて参ることを誓いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
51:39
畑次郎議員の御質問にお答えいたします。決算審議の予算編成への反映等について、お尋ねがありました。決算結果を予算編成作業に適切に反映し、予算の効率的かつ適切な執行につなげていくことが重要であると考えております。また、これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ、決算の早期提出などに取り組んでおり、令和3年度決算については、昨年11月に国会へ提出するとともに、令和5年度予算編成等に反映してきたところです。提出した決算を御審議していただく具体的な日程等は、国会においてお決めいただくものと承知しておりますが、いずれにせよ政府としては引き続き決算書類の早期提出、そして決算結果の予算への配合、これに努めてまいりたいと考えております。答弁を差し控えるとの答弁についてお尋ねがありました。国会において政府の方針や政府による決断を形にした予算や法律案について、国会の場において国民の前で正々堂々と議論をする、これは大変重要なことであると考えており、私政方針演説の中でもその旨申し上げまし た。他方、いただく質問の中には、国会の権能に属することであり、政府の立場からお答えすることが適当でないと考えられるもの、また外交や危機管理、市場への影響などの観点からお答えすることが適当でないと考えられるもの、また議論が行われている最中であり、余談をもってお答えすることが適当でないと考えられるものなどがあり、一定の限られた場合にはお答えを控える旨申し上げることがあることは事実であります。しかしながら、そうした場合であっても、極力私の考えを丁寧に説明するよう心を砕いており、ご指摘のような「聞く気がない」とか「答弁拒否」とのご指摘は当たらないと考えております。防衛予算増額に向けた安定財源についてお尋ねがありました。抜本的に強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるため、令和9年度以降裏付けとなる毎年度約4兆円のしっかりとした財源が必要となります。財源確保にあたっては、国民のご負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約4分の1については、将来の世代に先送りすることなく、令和9年度に向けて、今を生きる我々が将来世代への責任として対応すべきものであると考えております。その際、税制措置について、国民の負担感をできるだけ抑える観点から、個人・公人への影響については、最大限配慮する仕組みにすることとしております。こうした内閣の方針について、国民の皆様にご理解を深めていただけるよう、国会での議論を含め、引き続き丁寧な説明を行っていく考えです。そして、いずれにせよ何について、どのように国民の心を問うのかということについては、時の内閣総理大臣の専権事項として適切に判断をいたします。令和3年度決算の繰り越し額や付与額の要因についてお尋ねがありました。令和3年度決算については、新型コロナの感染の影響が不透明な中で、事業者等への支援に万全を期すため十分な予算を措置したことや、地方自治体や事業者等からの申請を受けて支出する者が多いといった事情もあり、繰り越しや付与が生じたものと考えております。また、補正予算編成時においては、経済対策の速やかな実行に向けて、それぞれ金融性のある政策課題に対応するために、必要額を精査した上で計上をしており、その際には内閣府の経済財政諮問会議などの場で、外部有識者の御意見も伺いながら経済対策を策定してきたところです。さらに経済対策に盛り込まれた主な事業については、経済財政諮問会議において執行状況のフォローアップを行い、公表をしているところです。新型コロナの関連事業の情報提供等についてお尋ねがありました。会計検査委員による令和3年度決算検査報告において、御指摘の所見で示されたとおり、新型コロナ対策事業の透明性や国民への説明責任は重要であると考えております。政府としては、検査報告の趣旨をしっかりと受け止め、先ほど申し上げた経済財政諮問会議における経済対策のフォローアップ、これを活用しながら、新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
59:14
片次郎議員より2問の御質問をいただきました。病床確保料についてお尋ねがございました。今般、新型コロナの病床確保料が課題に支給されていた事案が生じたことは大変遺憾であります。関係経済院の指摘を踏まえ、昨年、都道府県に対し、令和3年度の交付分を含め、全医療機関に、療養の事例について自主点検を依頼し、適切な執行に向けて周知徹底を図るとともに、課題な支給について、国庫への返還手続きを進めております。また、昨日、都道府県に発出した事務連絡により、必要な看護師等が確保されていないことを理由に、入院受入要請を断った事例の有無を把握し、適切な運用に努めるとともに、新型コロナ受入医療機関における病床確保料の状況などについて実態調査を行い、必要な見直しに向け、検討を行ってまいります。雇用調整助成金等休業支援金の重複支給等への対応についてお尋ねがございました。会計検査院から支給後の確認が適切に行われていないために、雇用調整助成金等休業支援金の重複支給等が発生していると指摘されたことを踏まえ、厚生労働省としては、本省において、重複支給が疑われる事業所等のリストを作成し、リストに基づき、労働局が事実関係の調査を行い、不正受給が発明した場合、不正受給額を返還させる措置を講じたところであります。今後とも適切に事後確認を行うとともに、事前においても適切な確認を行い、こうした事案が生じないよう努めてまいります。
1:01:46
畠二郎議員から、河川管理施設の耐震診断及び今後の取組についてお尋ねがございました。今般、会計検査院から指摘を受けた河川管理施設は、災害対策に不可欠な施設であり、このような施設が耐震性を満たすための取組は、重要な政策課題であると考えております。今回指摘を受けた9つの施設については、直ちに、耐震診断及び概略設計等の耐震対策に着手いたしました。さらに、全国に整備されている河川管理施設全体の耐震性能の確保に向け、検査を受けた施設以外についても、緊急性の高い施設から速やかに耐震性能を確認し、順次対策を進めているところでございます。国土交通省としては、全国に整備されている河川管理施設の耐震性能を確保し、河川管理施設が災害時に適切に機能するよう、対策を進めてまいります。
1:03:41
畑次郎議員にお答えいたします。地方創生臨時交付金についてお尋ねがありました。会計検査委員会の指摘を踏まえ、昨年11月4日付で自治体に通知を発出いたしまして、ご指摘の未使用分について、既に交付決定している他の事業に充てられる場合を除き、関係法令に基づき、適切に国庫返還する必要がある旨、関係省庁と連携して周知をいたしております。また、自治体による効果の検証についても、昨年9月に評価公表事例を示すとともに、会計検査委員会の指摘も踏まえ、昨年末の制度要項の改正において、公表を制度化し、速やかな公表を促しております。引き続き、関係省庁と連携しながら、臨時交付金の適切な運用に努めてまいります。
1:05:58
公明党の下野六太です。私は、ただいま議題となりました、令和3年度決算報告について、会派を代表して岸田内閣総理大臣及び関係閣僚に質問いたします。参議院では、熟慮、最高の夫としての独自性及び、6年間の安定した任期を持つ委員にふさわしい役割として、決算審査を重視してきました。決算の審査は、国の予算が適法に、目的どおり使用されたか、その効果を発揮することができたか、といった観点から予算の執行状況を審査し、不適正なものや非効率なものがあれば、内閣に警告するなどして、高年度の予算編成や政策遂行に反映させ、一層適正なものとするという重要な意義を有します。その意味で、本日ここに来年度予算審議が、衆参、両院で始まる前に決算の審議入りができたことは、極めて意義深いものと評価し、以下、具体的に質問いたします。まず、令和3年度決算では、一般会計の歳出が144.6兆円、歳入が169.4兆円となり、税収はコロナ禍で落ち込んだ企業業績の持ち直しなどを背景に、67兆円と2年度の60.8兆円を上回り、2年連続で過去最高を更新しました。しかしながら、3年度の新規国債発行額は57.6兆円で、公債依存度は39.9%と、2年度の73.5%からは大幅に減少したものの、歳出の約4割を国債で穴埋めする状況となっています。その結果、3年度決算ベースでのプライマリーバランスは、31.2兆円の赤字となりました。また、会計検査院による3年度決算検査報告では、景気件数310件、455億円に上る無駄な支出等が指摘されました。足下では、円安とウクライナ危機による物価高騰により、国民生活は大きな打撃を被っています。財政が依然として危機的な状況にある我が国においては、行政による不適切な契約や非効率な予算執行によって、限られた財源を浪費することはあってはならないと思います。令和3年度決算及び検査報告における指摘を踏まえ、予算執行の更なる適正化、効率化に向けた総理の決意を伺います。次に、農業分野について質問します。国際的な原材料価格の上昇や円安の影響など、今、食料安全保障の強化が国家の喫緊かつ最重要課題となっています。そのため、政府は年末に食料安全保障強化政策大綱を決定し、今後予算面においても関連施策を実施していくことになりますが、予算を適切に執行していくことが何より重要です。その点、例えばTPP等関連政策大綱を振り返りますと、策定当時、最重要品目を中心に体質強化対策や経営安定・安定供給への備えなどが盛り込まれたものであり、毎年必要な予算が計上されています。例えば3年度決算検査報告では、TPP等関連対策により増生された基金のうち、畜産・落野収益力強化総合対策基金の使用見込み額が123億円過大であった事態や、水産業競争力強化基金において使用見込みがない基金残高が12億円となっている事態が指摘されました。これらの検査員の指摘への受け止めと、今後の具体的な改善策とともに、今後、食料安全保障強化政策における予算執行の適正化に向けた決意を農林水産大臣に伺います。次に林業の再生についてお尋ねします。木材の利用促進を図るための地方の安定的な財源を確保するために、森林環境常用税が創設されました。令和元年度から令和三年度における森林環境常用税の執行額合計は445億円、常用額の53%が執行される一方、47%が基金積み立てとなっている現状があります。令和六年度から森林環境税の調整が始まる中、常用税の執行率を高めることが急務です。森林環境常用税においては、その使途として、間伐や木材利用の促進という内容もあります。需要を継続していくためには、学校校舎などの公共施設の木質化を一層推進するべきと考えます。東京都日野市では森林環境常用税を活用して、多摩地域産の木材を利用した体育館の木質化を実施しています。このような取り組みを森林環境常用税の有効活用事例として広く周知してはと考えますが、農水大臣の見解を伺います。次に 林道、作業道を含めた農務の整備について伺います。平成30年度の年間農務開設延長の内訳は、林道等が620キロ、森林作業道が14,364キロとなっており、相対的にコストの低い森林作業道の整備が先行し、路網の骨格となる林道の整備が遅れている状況となっています。また近年は豪雨災害等が頻発し、山地災害が激甚化多様化する中で、年間の被災延長が開設延長を上回る状態となっており、走行可能な林道の実質的な総延長は増加していない状況にあります。林道等の路網は地域の生活環境の改善や地域振興にも寄与しています。また災害時には、公道の代替炉として利用されるなど求められる役割も多様化してきています。今後、森林資源のさらなる充実や森林の多面的機能を持続的に発揮させるためには、森林と人とをつなぐ路網の役割はますます重要なものとなります。林業の再生、特に木材の安定的な供給に向けて路網整備について国としてどのように取り組むのか、農水大臣の所見を伺います。2022年の出生数は80万をまる見込みとなりました。過去最小を毎年更新し続ける状況であり、想定より8年も早く少子化が進んでいます。公明党は昨年、少子化人口減少を克服するために、子育て応援トータルプランを発表しました 。ライフステージや年齢などに応じた支援策を明記し、結婚、妊娠、出産から社会に育つまでを切れ目なく支えるようにしています。具体的には、出産育児一時金の増額や児童手当の拡充、子ども医療費助成制度を高校3年生まで拡大するなどを盛り込んでおります。政府は昨年度補正予算で子育て家庭支援の基盤整備のために、602億円を安心子ども基金に計上し、その中で家事・育児等に対して不安・負担を抱えた子育て家庭、妊産婦・ヤングケアラー等がいる家庭の許諾を訪問し、家事・育児支援を実施しています。この施策は、支援を必要とする子育て家庭の孤立を防ぐなど、極めて重要なものですが、利用料が生じる場合があることから、支援を必要とするご家庭への支援につながらないのではと懸念されています。所得にかかわらず支援を受けられるようにすべきと考えますが、厚労大臣の御所見を伺います。次に、ギガスクール構想について伺います。令和3年度決算検査報告では、ギガスクール構想について指摘されました。政府は経済的な理由でインターネット環境を整えられない家庭に対応するためのWi-Fiルーター購入費を自治体に補助する事業を行っております。会計検査員が21都道府県の278市町村等が整備した約22万台のルーターを検査したところ、 令和2年度に補助事業を実施した242市町村等において、約18万台中6割を超える約11万台が納品から1年以上一度も対応されておらず、約8万台は今後の使用見込みがない事態が明らかとなりました。これらはコロナ禍を受けてインターネット環境を整備した家庭が想定より増加したことが原因とも指摘されておりますが、国費で整備された多数のルーターが始増されている状況は適切とは言えず有効活用策の検討など早急な改善が必要です。会計検査員の指摘に対する受け止めと今後の具体的な改善策を伺います。円安とウクライナ危機による物価高騰により国民生活は大きな打撃を被っています。今こそ国民が安心して納得のいく効率的な予算の執行が大切な時だと思います。公明党は今後とも常に現場主義に徹し、国民の声に耳を傾け、国民生活を守るために全力で取り組んでいくことをお願いし、お誓いし質問を終わります。
1:16:56
志向野六太議員の御質問にお答えいたします。令和3年度決算と決算検査報告への対応についてお尋ねがありました。会計検査員の決算検 査報告において多くの指摘を受けたこと、まずこのことについては誠に遺憾なことだと考えます。そして私から各大臣に対して検査報告事項の確実な改善に努めるよう、指示を改めて行ったところであります。我が国の財政が厳しさを増している中で、予算の効率的かつ適切な執行を行うことは重要であり、政府として決算の審議内容や決算検査報告の指摘事項等を踏まえ、今後とも事務事業の是正改善を行い、そして予算執行や次年度移行の良さに適切に反映してまいります。残余の質問については関係大臣から答弁をさせます。
1:19:10
下野ロクター議員より3問質問をいただきました。御質問にお答えをいたします。予算執行の適正化などについてのお尋ねがありました。農林水産省としては、令和3年度決算に関わる会計検査員の指摘を踏まえ、TPP等対策の効果が十分に発揮されるよう、効率的な施策の実施に取り組んでまいります。具体的な改善策として指摘を受けました基金については、資金管理団体に対し、使用見込み額の適切な把握や基金残高の有効活用などの指導等を行おうとともに、TPP予算の執行状況を政策単位で公表するよう改善することで、よりわかりやすく情報提供を行うこととしております。また、食料安全保障の強化につきましては、過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換対策に関わる予算を現場においてしっかり活用していくことが重要であり、予算の適正な執行に努めてまいります。次に、森林環境漁業税の有効活用についてのお尋ねがございました。森林環境漁業税は、森林整備及びその促進に関する施策に充てることとされており、木材量は木材の需要を高め、間伐材等の森林整備につながる重要な取組と認識いたしております。農林水産省では、森林環境造業税の効果的な活用に向けて、毎年市町村の取組事例集を作成・公表しており、令和3年度の事例集においては、先ほど御指摘いただきました東京都日の市の事例を含め、公共施設の木質化の取組を取り上げているところでございます。引き続き、公共施設への木材利用を含め、有料事例を広く周知することにより、取組の横展開を図ってまいります。最後の御質問でございますが、路毛の整備についてのお尋ねがございました。人工林資源が本格的な領域を迎える中、路毛は適切な森林の整 備・保全や効率的な木材の生産流通により、将来にわたって持続的な森林経営を行うために必要不可欠な基盤でございます。路毛整備にあたっては、経営者や使用する林業機械に応じて、林道と森林作業道を適切に組み合わせた整備を推進することが重要だと思っております。今後とも森林整備事業等により、路毛整備を積極的に推進し、国産材の供給力強化に取り組んでまいります。以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
1:23:19
下野六大議員より、子育て世帯訪問支援臨時特例事業についてお尋ねがございました。ご指摘の事業は、先般の児童福祉法改正により、令和6年度から新たに創設する子育て世帯訪問支援事業の法の施行に先駆けた事業として、令和3年度からモデル的に実施しているものであります。この先駆け事業では、低所得世帯の利用者負担軽減の仕組みを設けておりますが、令和6年度の子育て世帯訪問支援事業の本格実施に向けて、運用状況、また現場のご意見なども伺いながら、支援を必要とする方が活用できるよ う、適切な事業の在り方を検討してまいります。
1:24:59
下野議員にお答え申し上げます。ギガスクール構想に係る会計経済院の指摘につきまして、お尋ねがございました。当該事業は、全国一斉臨時休校時においても、家庭学習の機会を確保するために行ったものですが、臨時休校の状況が落ち着いたことなどによりまして、モバイル・ルーファー、Wi-Fi・ルーターの使用率が低くなったものと考えております。文部科学省といたしましては、その要因や家庭学習以外における活用方法等について調査しているところでございます。その結果を踏まえまして、有効活用の在り方を示し、ギガスクール構想の推進に向け、利活用の促進に取り組んでまいります。
1:26:38
日本維新の会の石井光子です。私は会派を代表して、令和3年度決算について質問いたします。日本維新の会は、令和3年度予算案と第1次補正予算案には反対しています。その理由の一つに、予算編成の在り方がありました。令和3年度予算には、新型コロナウイルス感染症に対応するために、5兆円の予備費が組まれていたのもその理由の一つです。予算は、行政府が首都と金額を決めて提供し、立法府が承認するのが本来の姿です。行政府への白紙委任状ともいえる予備費が巨額に組まれることは、財政民主主義として本来はあってはならないことです。特に予備費は、予見しがたい予算の不足に当てるために拒出されるものであり、突発的な対応が求められる医療経営機体制の確保のために予算が組まれるのでありましたら理解できますが、今や現有価格、物価高騰対策にまで勝手に首都目的が拡大され、本年度第2次補正予算にも4.7兆円もの予備費が付いています。このような予算編成のあり方は、もうやめにするべきです。今の感覚は異常です。巨額な予備費を続けることは国会軽視です。予備費のばらまきをやめ、財政民主主義に即した正常な予算に戻すべきと考えますが、総理はどうお考えでしょうか。自民党が政権に就いた平成24年において39.8%であった国民負担率は、令和3年度には実質見込みで48%でした。国民の皆さんの負担を増やし続けた結果、令和3年度の税収は過去最大の67兆円になりました。国民の皆様はコロナ禍で生活が苦しいのに税金を払っています。その税収が過去最大になっていることをおそらく御存じではないと思います。社会保険料を含め国民負担率が上昇した結果が税収の増加につながっていると、総理はお考えかどうか、税収の増加の要因を御説明ください。国民生活救済のために岸田政権が行った経済政策はばらまき型事業です。しかしながら、令和3年度のコロナ関連事業に関わる予算の執行率は572事業で65.6%でした。速攻性がなく執行率も低い。これでは予算を継ぎ込んでも経済は向上しません。日本維新の会が提案する経済対策は消費税率を期間限定で1率5%とする減税です。この減税なら国民の皆さんに広く平等に行き渡ることができます。見込まれる執行率は100%であり、行政コストはほとんどかかりません。過去最大の税収となった今こそ消費税減税を実施して国民の消費を拡大させ、日本経済を成長の軌道に乗せる最大のチャンスではないでしょうか。総理に質問します。過去最大の税収を記録する一方で国民がぶっかだかで困窮している中、執行率が高く国民に広く平等に行き渡る経済政策である消費税減税をなぜ否定するのでしょうか。ばらまき型事業による経済政策に総理がこだわる理由は何でしょうか。お答え願います。令和3年度の一般会計歳出決算額は144.6兆円です。令和2年度の147.5兆円に次いで過去2番目の規模となりました。しかし年度中に予算を執行できず、4年度へ繰り越す額は22.4兆円と多額であり、さらに使い道がない扶養額は過去最大の6.3兆円です。国の決算全体で多額の繰り越し額、扶養額を発生させていることについて、全く反省しているように見受けられません。総理は15ヶ月予算とはっきり言葉にされていますが、憲法に定まれた予算の単年度主義をどのようにお考えなのかお答えください。安倍大臣に質問します。令和3年度は2度にわたる新型コロナウイルス緊急事態宣言の発令で、経済界は厳しい影響を受けており、GDPは名目2.4%の成長にとどまりました。経済が循環した結果、税収が増加するなら理解できますが、現状はそうで はありません。我が国の税収は平成27年度以降、おおよそ55兆円から60兆円の程度を推移してきました。コロナ禍の状況で令和3年度の税収が67兆円と、対前年度比で10.2%も増加した背景には、どのような要因があるかをお答えください。厚労大臣に質問しますが、厚労省は新型コロナウイルスが感染症患者の病床確保事業に交付金を交付しています。会計検査員が令和2年度に交付を受けた106医療機関を検査したところ、すでに使われている入院期間中の病床を交付の対象となる延べ病床数に計上していたり、単価がより高額な区分の病床確保料を請求していたことから、旧都道府県の32医療機関で55億918万円もの交付金が課題に交付されていました。命を救うための病床確保事業で税金の無駄が仕掛けされることは大変遺憾ですが、一方で多くの赤字だった医療機関がこの交付金を受給し黒字に転じています。財務省の財政制度等審議会もいわゆる幽霊病床の存在を指摘しており、実体解明が求められています。費用対効果の検証はどうされるのか、会計検査員の指摘に対し厚労省としてどのように対処するのか、返金の義務を課すかまで含めてお答えいただきます。厚労省は都道府県や市等の事業主体が独自に調達した生活保護システムと、厚労省の情報提供ネットワークシステムを接続するために補助金を交付しています。会計検査員が平成26年から令和2年度の6年間で32都道府県の175事業主体に交付された12億3937万円の補助金を検査したところ、23都道府県の35事業主体が回収されたシステムを全く使用していなかったことが明らかになり、これは補助金1億4379万円が無駄な設備投資となったともいえます。政府は回収されたシステムを通じてマイナンバー制度を導入することで、行政機関同士が各種給付事務に必要な情報提供が可能になるとしていますが、23都道府県の35事業主体はシステム回収は終了したものの、情報紹介を6年間全く実施していなかったことが判明し、補助金1億4379万円は無駄な設備投資になりました。その原因の1つに厚労省が発出する情報関連に関する通知が多数に上り、複数の参考資料も添付されており、理解に時間がかかる問題が指摘されています。なぜこのような事態になってしまうのでしょうか。どこに問題があったのか、具体 的な改善策を踏まえて厚労大臣お答えください。また国民へのマイナンバー普及を押し進めている政府の足元でこのような事態が生じるのは問題です。システムや制度を八木早に設けても利用されなければ意味がありません。マイナンバーを管理するデジタル庁はこの事態をどのように見ているのか、デジタル庁としてできることはないのでしょうか。例えば通知作成に助言をするなど、より親切な指導をするべきと考えますが、デジタル大臣の認識を伺います。最後に拉致問題について総理に伺います。日中首脳会談から20年が経ちましたが、全く動きが見えません。全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国のために、政府は全力を尽くすべきです。先日横田恵さんと再会を誓う同級生の会の代表、池田雅樹さんが私の事務所を訪れ、早急な日中会談の開催と一刻も早い帰国を訴えていました。令和3年度予算案でも17億2500万円の計上があります。いずれの項目も令和2年度予算から増額されていますが、総理は拉致被害者救済予算の項目の見直しはされているでしょうか。例えば日本と国交があ り北朝鮮とも国交があるEUの国に協力を求めるなど、具体的な行動に予算をつけるおつもりがあるかどうか、公開非公開の情報はあると思いますが、ご見解をお聞かせください。最後になりますが、現在の物価高騰について国民の皆さんに広く平等に支援できる消費税減税が一番効果的であるということを改めて申し上げまして、私からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。
1:37:36
石井光史議員の御質問にお答えをいたします。予備費と財政民主主義についてお尋ねがありました。令和4年度第2次補正予算に継承した新型コロナウイルス感染症及び原油価格物価高騰対策予備費、並びにウクライナ情勢経済緊急対策予備費は、新型コロナや物価高騰の影響に加え緊迫しているウクライナ情勢や、現時点で見通しがたい世界規模の経済下振れリスクに備え、万全の対応を図るため必要な措置であると考えております。その上で、これまでの予備費については、年度内の予見しがたい予算の不足に当てるため、予算の一部として国会で御審議いただいてきたこと、また予備費の支出は、憲法財政法の規定に従って、次後に国会の承諾を得る必要があることから、財政民主主義に反するものではないと考えております。税収増加の要因についてお尋ねがありました。国民負担率につきましては、少子高齢化に伴う社会保障給付の増大に伴って、そのための負担も増加し、給付と負担の両面において上昇傾向が続いていると承知をしております。その上で、税収につきましては、近年、企業収益の伸びによる法人税収の増加と、配当や雇用者報酬の伸びによる所得税収の増加に加え、社会保障財源を確保するための消費税率引上げ等の要因により、おおむね増加傾向にあるものと承知をしております。消費税減税等についてお尋ねがありました。足元の物価高騰の要因は、基本的にはエネルギー・食料品を中心とした物価高であり、こうした分野に重点を置きながら、これまでスピード感をもってきめ細やかな対応を重層的に行って きております。その上で消費税については、急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられております。このように消費税は、社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税を考えてはおりません。令和3年度決算の繰り越し額や不要額についてお尋ねがありました。我が国では、憲法上予算を毎年度国会で御審議いただく、いわゆる単年度主義の原則をとっており、国会における予算の審議権の確保の観点から、重要な原則であると考えております。その上で、より長期的な視点に立った戦略的な財政運営も重要であると考えており、令和3年度決算については、新型コロナの感染の影響が不透明な中で、事業者等への支援に万全を期すため、令和4年度予算と一体で編成をし、切れ目のない支援を行うべく十分な予算措置をしたことや、地方自治体や事業者等からの申請を受けて支出する者が多いといった事情もあり、繰り越しや不要が生じたものと考えております。政府としては、予算の効率的かつ適切な執行を行うことは重要であると考えており、会計検査員の決算検査報告や国会決議を真 摯に受け止め、令和3年度決算の内容も踏まえつつ、引き続き適切に対応してまいります。そして、拉致問題についてお尋ねがありました。政府としては、北朝鮮への直接の働きかけに加え、ご指摘のような国を含め関係各国に対し、ハイレベルでのあらゆる機会において、日本の立場を繰り返し説明をし、多くの国から指示と理解を得てきております。私自身、先般の北米欧州訪問の機会に、各国首脳との間で、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、緊密に連携することを改めて確認をしてきたところです。引き続き、米国や欧州各国を含め、国際社会と緊密に連携しながら、すべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で過難に取り組みます。このように、最重要課題である拉致問題については、政府として様々な取組を行っているところであり、ご指摘の予算についても、何が効果的かという観点から、不断に検討を続けてまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。以上です。
1:44:52
石井光子議員のご質問にお答えいたします。石井議員からは、令和3年度の税収が増加した要因についてお尋ねがありました。令和3年度決算税収については、世界経済のコロナ禍からの回復に伴う需要増や、円安等による好調な企業収益、雇用賃金の緩やかな増加を背景に、法人税収や所得税収が増加したこと等の要因によって、前年度を6.2兆円上回る67兆円となったところであります。
1:46:23
石井光子議員より2問ご質問いただきました。病床確保料についてお尋ねがありました。今般、新型コロナの病床確保料が課題に支給されていた事態が生じたことは、大変遺憾であります。会議検査院の指摘を踏まえ、昨年、都道府県に対し、令和3年度の交付分を含め、全医療機関に同様の事例についての自主点検を依頼いたしました。適切な執行に向けて周知徹底を図るとともに、課題な支給については、国庫への返還手続きを進めてまいります。また、昨日、都道府県に発出した事務連絡により、必要な看護師等が確保されていないことを理由に入院受入要請を断った事例の有無を把握し、適切な運用に努めることとしております。また、新型コロナ受入医療機関における病床確保料の状況などについて、実態調査を行い、必要な見直しに向け、検討を進めてまいります。生活保護業務におけるマイナンバーの活用についてお尋ねがありました。昨年10月、一部の自治体においては、その方法に関する理解が不十分であることなどを要因として、生活保護業務におけるマイナンバーを活用した情報紹介が実施されていない点について、改善を図る必要があると指摘を受けたところであります。厚生労働省としては、自治体に対してマイナンバーの活用に関するこれまでの通知等の内容を整理し、改めて周知するとともに、変異なマニュアルの作成などを進めることとしています。併せて都道府県において研修を実施することを依頼するなど、自治体におけるマイナンバー情報連携の更なる活用が図られるよう取 り組んでまいります。
1:48:56
マイナンバー制度における情報連携の活用についてお尋ねがありました。マイナンバー制度は、行政の効率化と国民の利便性向上を実現し、公平公正な社会を実現するデジタル社会の基盤です。マイナンバーは社会保障・税・災害対策の各分野の行政事務で利用されており、行政機関同士がマイナンバーを利用した情報連携を行うことで、申請手続の際に住民票の写しなどの書類の添付が不要となり、手続の負担を軽減することができます。このようにマイナンバーを利用した情報連携を行うことで、国民がデジタルによる利便性を享受できるものであり、デジタル庁としても、厚生労働省をはじめとする制度所管省庁と緊密に連携し、情報連携のより一層の活用に努めてまいります。
1:49:53
(御静粛な音楽)(御静 粛な音楽)(御静粛な音楽)
1:51:07
国民民主党新緑風会の萩地谷です。会派を代表して、令和3年度決算につき質問します。冒頭、総理にお伺いします。長引くコロナと物価高騰で国民が不安になる中、突然増税が言われ、賃上げを企業に求めながら法人増税が飛び出す。全くちぐはぐです。国民をさらに不安にさせる愚かなことだとは思いませんか。命と暮らしが危機にある国民の安心のために、増税はしないと、ここではっきりお約束ください。また、法人増税が賃上げに逆行するリスクはないのか、これも総理に伺います。我が会派は、この国会こそ、賃上げ国会にしなければならないと考えています。通常国会を本気で賃上げ国会にすると、国民に約束してください。総理いかがでしょうか。総理は先日、異次元の少子化対策と発言されましたが、賃上げも異次元の内容を行うのか、それとも、企業任せの従来型のやり方なのか、どうお考えでしょうか。あらゆる政策を総動員すると総理が言う、賃上げのための方法を、国民が理解できる言葉で、分かりやすく、具体的にお示しください。大企業だけでなく中小企業でも、賃上げが行わなければ意味がありません。肥料や飼料の高騰にあげる農家も含め、収入が増える日本を実現する必要があります。コストが上がっても価格に転嫁しにくい中小企業や、農家の収益を上げる方策も、具体的に国民に分かりやすく示してください。年金も物価高騰の中0.4%減らされ、来年度は少し引き上げですが、物価上昇には足りません。年金も物価上昇率以上に引き上げるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。政府の電気料金高騰対策が始まりますが、山形県のアンケート調査では、8割が対策が不十分、更なる対策が必要と回答。しかし、電力会社も若字で、やむを得ず、4月以降、補助を超える値上げです。総理、更なる電気料金への支援を約束して、国民を安心させてください。このところ、国会での議論もなく、防衛費倍増増税など、国民に重要な決定が突然あります。国民に対しても、国会に対しても、説明不足です。我が国に何が必要かを議論し、考えの違いを認め合い、話し合って未来を決める、国の最高機関が国会であること、最も大切な民主主義を総理は軽んじているのですか。お答えください。また、国民が不安に感じる危機の時こそ、リーダーは国民に分断ではなく、協力を求める希望のメッセージを発信すべきです。岸田総理には、そうしたメッセージが全く感じられません。今日こそ、トンネルの出口の明かりが見えるような、国民の希望につながる真のリーダーたる言葉を発信してください。お願いします。さて、今、我が国が歴史的な危機にあることを考えた時、私は20世紀のイギリスの歴史家、アーヌルド・トゥインビーの学説を思い出します。トゥインビーは、文明の歴史を比較研究し、文明は共通して、発生、成長、衰退、解体の傾向をたどると議論。そのキーワードは、挑戦と応戦です。文明は次々に問題にあたり、その挑戦に的確に応戦できれば、文明が成長し、応戦に失敗すれば、文明は衰退、解体の道を進むのが歴史の法則と説いています。我が国がまさに、時代から深刻な挑戦を受けているという危機意識から、令和3年度政府予算の執行につき、3つの切り口から質問します。第一の挑戦は、円安物価高と日銀の債務超過の危険性です。円安やウクライナ基金等の影響で、原油などエネルギー価格が高騰し、輸入食材や各種材料費も上昇。また、日銀の黒田総裁は、10年もの国債の上限金利0.5%を認めましたが、あと少し上昇しただけで、日銀が債務超過に陥る危険性があります。政府日銀の文学に関係なく、日銀債務超過とマーケットが判断すれば、円安株安債券安のトリプル安が日本経済を襲う恐れがあります。一方、長期金利が上がれば必然的に、政府予算の国債費が大幅増額になり、防衛費の倍増以前に増税は必須で、景気にも国民生活にも重いダメージです。こうした状況で、私たちの会派国民民主党は、財政金融政策に関する考え方をまとめ、昨年末に第2版を決定公開しました。第1に、約500兆の日銀保有国債の一部を永久国債化し、政府の元本返済義務を減少。第2に、異常な金融緩和の象徴である上場投資新宅や不動産投資新宅を一定期間の保有義務を課した上で、日銀取引した金融機関に売却し、日銀出産を圧縮。第3に、名目賃金上昇率が安定的に、物価上昇率プラス2%になるまで、積極財政と金融緩和を継続。第4に、新設の教育国債等を活用して、教育・科学技術予算を10年間で倍増させ、産業と経済を順行軌道に乗せるなど、現実的な具体策を提示しました。そして、中小企的には財政金融政策正常化を目指します。安倍内閣以来、異次元金融緩和で事実上の財政ファイナンスを続けたことが、円安と日銀の債務超過リスクが高まった原因の一つと考えますが、これに対する鈴木財務大臣の受け止めと、先に述べた国民民主党の考え方提言に対する見解、また円安と日銀の債務超過を根本的に止める具体策の説明をお願いします。仮にトリプリアスが日本経済を襲った場合、債券株式に投資する日本の年金財政も深刻なダメージを受けます。急激なハイパーインフレや株価の暴落、国際暴落が起きた場合でも、現役世代の手取り収入の50%の年金額を支給するという、100年安心年金の約束を実現するための具体策を加藤厚労大臣、教えてください。昨年、予算委員会で我が会派の伊藤貴議員も指摘しましたが、多くのシンクタンクの試算では、物価高騰による家計の支出増は約10万円。コロナ経済危機と物価高騰の中で国民に安心を与えるため、10万円のインフレ手当が必要です。総理、いかがでしょうか。さて、我が国を直面する挑戦は、第2に新型コロナと科学的な対応の問題です。我が国はコロナ感染当初から検査が少なく、また対策を重症者に特化したため、軽症者や無症状の方の対策がおろそかになり、無症状や軽症の方から次の感染の波が発生する悪循環が続いています。検査・隔離・治療の圧倒的な拡大を実現できなかった理由を、加藤厚労大臣お答えください。また、第8波の感染拡大に今、どのように検査体制、医療提供体制を増強するのか、具体策を示してください。新型コロナ対策で検査・隔離・治療の拡充が十分にできなかったのは、感染行政に際安が欠けているからだと複数の専門家が批判。先日発表された新型コロナ感染症法上の二類から五類への変更も、科学的知見がどれだけ反映されているか疑問です。昨年11月18日、厚労委員会で東京一ヶ志賀大学の田中学長から、現場の知見をコロナ対策に生かすには臨床現場で治療している呼吸器内科を鑑定の新型コロナ専門家会議の委員に加えると良いと答弁がありました。岸田総理の分解を伺います。また、新型コロナ対策に限らず、政府全体に科学的な指向が足りないと批判があります。科学技術立国を謳うなら、各省庁も技術系の官僚を増やして、専門のポストにもっと継続的に割り当て、また技術系の部長、局長、事務次官を増やすべきだと考えますが、岸田総理の見解と具体的な取組を伺います。我が国への第三の挑戦は人口減少と少子化です。2021年10月1日の我が国の総人口は、前年より64万4000人も減り、減少幅は比較可能な1950年以降で最大。合計特殊症率も前年の1.33からさらに減り1.30。フランスの歴史人口学者、エマニエル・トッド氏も日本の人口減少を警告。2021年度版少子化社会対策白書によれば、家族関係社会支出の対GDP比は2018年度1.65%で、ヨーロッパ諸国の約半分。子ども関連予算をGDP比3%に増額すべきですが、人口減少、少子化に対する受け止めと、子ども予算のGDP比3%への増額についての意欲、その財源案を総理に伺います。また、児童手当の改正で、高所得世帯の児童手当が昨年10月からカット。国民民主党は、昨年、児童手当など子ども関係手当の所得制限撤廃法案を国会に提出しました。人口減少対策として、世帯所得に関係なく子育てに向上を進めるのは当然ではないでしょうか。子ども政策担当の小倉大臣に伺います。以上、TWINBYによる文明への挑戦・応戦という見方から、令和3年度決算に対し質問しました。安倍内閣から岸田内閣どれもが、私たちの文明が危機にあるという意識が薄く、我が国が時代の挑戦を受けているのに応戦に失 敗していると指摘して、私の質問とします。
2:03:19
私は一貫して経済あっての財政との立場であり、だからこそ多額の国債を発行して39兆円の総合経済対策を講じ、足元の物価高、円安への対策、構造的賃上げに向けた支援、7兆円の投資支援などを盛り込んだところです。賃上げは経済運営政策の最重要課題であり、労働市場改革を通じて構造的な賃上げの実現に全力で取り組んでまいります。他方、国民の命、暮らし、事業を守るために、我が国の防衛力を抜本強化するためには責任ある財源を考えるべきであり、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々が対応すべきものであると考えております。今般、法人税のご負担をお願いすることとしておりますが、その際にも中小企業への配慮を大幅に強化し、全法人の94%は対象外としています。防衛力強化は、シーレーン確保、サプライチェーンの維持、抑止力強化による市場拡覧リスクの低減など、円滑な経済活動に直接する面も多く、ご理解をいただきたいと考えております。賃上げのための政策についてお尋ねがありました。賃上げ自体は、各企業の支払い能力を踏まえながら、個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものですが、成長と分配の好循環の実現に向け、民間だけに任せることなく、国も政策を総動員して賃上げに向けた環境整備に取り組んでまいります。まずは、この春の賃金交渉に向け、物価上昇を超える賃金引上げに取り組んでいただきたいと考えております。政府としても、賃上げ税制や補助金等における賃上げ企業の優遇などの取り組みに加えて、公的セクターあるいは政府調達に参加する企業で働く方の賃金引上げなどに取り組んでまいります。さらに、意欲ある個人の能力を最大限生かしながら企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げにつながる構造的賃上げを実現すべく、意欲ある個人に対するリスキリングによる能力向上支援、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務級の確立、成長分野への円滑な労働移動を進める、こうした三味一体の労働指標改革に官民連携で着実に取り組んでまいります。そして、中小企業や農家、畜産農家の収益向上と年金水準についてお尋ねがありました。物価高騰が長引く中、中小企業や農家を含めた賃上げや所得増を実現するためには、中小企業や農家の収益を上げることが必要です。具体的には、中小企業における賃上げ実現に向け、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金など、令和4年度補正予算に盛り込んだ施策の早期執行を通じて、生産性向上などへの支援を一層強化していきます。さらに、中小企業が継続的に賃上げできる環境整備に向けて、下請取引の適正化、そして価格転換を促進してまいります。また、農業については、足元の肥料・飼料の高騰に伴う生産コスト抑制対策や国産化を進めつつ、スマート農業やさらなる輸出拡大支援などによって稼げる産業とすることを目指してまいります。年金については、長期的な給付と負担のバランスを確保することで、将来にわたって持続可能な仕組みとしており、この仕組みの下で着実に支給してまいります。同時に、年金受給者を含め、住民税・非課税世帯への5万円給付など、物価高対策をきめ細かく講じてまいります。電気料金への支援についてお尋ねがありました。電気料金支援の水準については、春以降に想定される全国のご家庭における平均的な負担増が2割程度と見込まれることを踏まえて、その水準と同程度の引き下げとしています。これまでに値上げ 申請があった6社の申請値上げ幅は、電力会社ごとに異なっておりますが、今回の電気料金支援を行うにあたっては、公平性や迅速性の観点から全国一律の値下げ幅とし、かつ1月に前倒しして値下げを実施することとしたものです。また、昨年9月の物価対策において措置をした電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金では、自治体の判断により地域の事情を踏まえたきめ細かい対応ができることとしており、例えば、山形県内でもこの交付金を活用して、農業や製造業、介護サービスなど向けの電気代支援等様々な対策が行われていると認識をしております。政府としてはまずは電気料金の値引き支援を需要化に確実にお届けできるよう予算執行に取り組みます。その上で今後も経済状況を注視し、必要な政策対応に躊躇なく取り組んでいきます。そして防衛費に関する議論のあり方についてお尋ねがありました。防衛力の抜本的強化に当たっては、その具体的内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から、そして会見でも一貫して申し上げてきました。その方針に沿って国家安全保障会議4大臣会合、有識者会議、与党ワーキングチーム、与党税制調査会など活発な議論を積み重ねてきました。御党からも安全保障政策に関する御提言をいただき、大いに参考にさせていただきました。その集大成として政府与党としての方針を、3文書や税制改正大綱の閣議決定の形でお示しをしました。議員内閣制の下では、政府与党が国政を預かっており、まずは政府与党において1年以上にわたる丁寧なプロセスを経て方針を決定いたしました。進め方に問題があったとは考えておりません。政府与党の決定を踏まえて、今国会に令和5年度予算を提出したほか、防衛財源確保法案の提出を予定しており、与党との活発な国会論戦を行っていきます。それによって、さらに国民の皆様への丁寧な説明も行ってまいりたいと考えております。そして、希望につながるメッセージについてお尋ねがありました。危機のときこそ、希望につながるリーダーのメッセージが大切であるという御指摘については、私も同感であります。だからこそ、今回の施政方針演説の最後に、国民の皆さんへのメッセージとして、日本全国の皆さんが輝ける未来に希望を持てる、そんな日本をつくっていきたいと思う、こうした趣旨を申し上げました。私が取り組んでいる賃上げと、投資と改革による経済の好循環の実現、さらには子ども子育て政策の強化、女性、若者、地方の力を引き出す政策、いずれもこの国を未来に希望を持てる国としていくための取り組みであると考えています。これからも先送りできない難しい課題に、正面から愚直に立ち向かい、一つ一つ答えを出していくことで、この国を未来に希望が持てる国としていきたいと考えております。10万円のインフレ手当についてお尋ねがありました。政府はこれまで物価高の衆院たるエネルギー、食料品等に的を絞り、きめ細やかな政策を実施してきました。特に家計への影響が大きい低所得世帯に対しては、昨年6月から低所得の子育て世帯に対し児童1人当たり5万円を給付し、昨年10月頃から住民税非課税世帯への5万円給付が開始され、現時点で対象世帯の約7割に給付金が支給されています。さらに非課税世帯以外の低所得世帯への直接給付も可能な地方向けの交付金を創設するなど、重層的な支援策を切れ目なく講じてきました。また、現金給付以外にも電気ガス料金上昇の負担緩和策によって、今月使用分より家庭において電気料金の2割程度を値引きすることなどにより、9月までに4.4万円程度エネルギー価格高等の負担を直接的に軽減をいたします。こうしたきめ細やかな対応を迅速かつ着実に実行することで、物価高から国民生活を守っていきたいと考えております。そして、新型コロナ対策の専門家会議の委員と技術系職員の増員・ポスト増についてお尋ねがありました。新型コロナ対策の専門家会議の委員については、内閣に設置する新型インフルエンザ等対策推進会議や、その分科会、また厚生省のアドバイザリーボードにおいて、これまでも呼吸器内科医等の臨床現場について、知見を有する方に委員をお願いするなど、適切な人選を行ってきました。また、科学技術立国の実現を目指し、行政を推進するにあたって、科学技術の視点を持つということ、これは委員御指摘のように重要であると認識をしており、岸田政権では新たに総理直属の科学技術顧問を置くこととしたところであります。このような科学技術顧問の助言もいただくとともに、各省庁においても、このような視点を大事にしながら、技術系職員をはじめとした多様な能力を持つ人材を確保育成し、職種にとらわれない適材適所の人材配置、幹部徒用を図るべき、適切に取り組んでまいりたいと考えます。そして、人口減少、少子化に対する受け止めと子ども予算の増額についてお尋ねがありました。急速に進展する少子化により、昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、我が国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼べき状況に置かれています。子ども子育て政策への対応は、まったなしの先送りを許されない課題であると考えております。子ども子育て政策は、最も有効な未来への投資です。個々の政策の内容や規模面はもちろんのこと、地域 社会や企業の在り方も含めて、社会全体で子ども子育てを応援するような社会全体の意識を高め、年齢性別を問わず、皆が参加する、次元の異なる少子化対策を実現したいと考えております。まずは、子ども政策担当大臣の下、子ども子育て政策として充実する内容を具体化します。そしてその内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくか、これを考えてまいります。残余の質問については 関係大臣から答弁をさせます
2:18:17
濵地雅議員の御質問にお答えいたします。一元金融緩和に関わることについて お尋ねがありました。まず現在、日銀が行っている国際会例は、金融政策の一環として日銀自らの判断で 行っているものであり、財政ファイナンスではありません。その上で、為替レートについては、様々な要因により、 市場において決定されるものであり 、変動の要因を一概に申し上げることは困難です。また日銀の財務状況につきましては、その悪化を前提とする過程の御質問に お答えすることは控えますが、この点について黒田総裁は、財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努める旨、 発言していると承知しております。御答の御提言すべてに、この場で コメントすることはいたしませんが、例えば日銀保有国債の永久国債化については、政府が日銀の機能を利用して財政調達を行うこととなり、財政に対する信任や金融政策の独立性が損なわれる恐れがあること、教育国債については、仮に裏付けとなる財源がなければ、赤字国債と同じく財政悪化につながることなどに、留意する必要があると考えております。
2:20:50
長 谷川貴司君 公的年金制度についてお尋ねがありました。公的年金制度は現役世代の保険料収入をそのときの高齢者世代の年金給付に充てる付加方式を基本としており、おおむに100年間で見た場合、年金給付の財源に占める割合のうち9割程度は保険料収入と個々負担により賄われ、積み立て金とその運用収益は1割程度となっております。このため、その時々の可閉価値に応じた賃金水準で収入を確保できることから、比較的インフレに強い仕組みとなっております。また、積み立て金の運用においても、リスクリターンの特性が異なる複数の資産を適切に組み合わせた分散投資を行うことでリスクを抑えております。政府としては、長期的な年金財政の健全性を継承するため、5年に1度財政検証を行っており、その結果を踏まえ必要な検討を行うこととしております。新型コロナ対応についてお尋ねがございました。新型コロナ対応については、平時の備えが十分ではなかったことなどから、発生初期の段階においては、検査能力や医療提供体制の立ち上げ等に課題がありました。検査体制については、PCR検査機器の全額補助等により順次拡充し、医療提供体制についても病床確保計画に基づき、必要なコロナ病床を確保するとともに、発熱外来や自宅療養者への対応を行う健康観察診療医療機関を拡充するなどの措置を講じてまいりました。また、いわゆる第8波への対応としては、新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、抗原定性検査キットについて企業に増産要請を行い、自己検査に用いるものも含め、必要量を確保し、発熱外来や電話・オンライン診療の体制強化等により、ピーク時の受診見込み者数を一定程度上回る、90万人分の最大診療能力を確保するなど、対応に万全を期しているところであります。引き続き、必要な検査・医療等が受けられる体制の構築に努めてまいります。
2:23:50
子育てに対する控除についてお尋ねがありました。児童手当をはじめとする各制度において、所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じて、それぞれ判断されるものと考えております。他方で、子ども子育て政策の強化に向けて、総理から、児童手当を中心に経済的支援を強化することなど、3つの基本的方向性に沿って検討を進めるよう指示を受けたところであり、これを踏まえ、私のもとに設けた関係府 省会議において、3月末を目途に叩き台を取りまとめてまいります。
2:25:06
日本共産党の平吉子です。私は会派を代表して、2021年度決算を行います。私は会派を代表して、2021年度決算について岸田内閣総理大臣に質問をいたします。本来、この決算本会議質問は昨年の臨時国会でやるべきものでした。それがなぜ本日の質問となったのか。それは、昨年12月、統一協会の被害救済を実効性あるものにするための徹底審議が求められていたにもかかわらず、岸田政権と与党が強引に国会を閉じてしまったからにほかなりません。そうやって国会を閉じてすぐ、岸田政権が行ったのが、安保三文書の掛け議決定です。これは、選手防衛の原則を投げ捨てて、5年間で43兆円もの軍事費を確保する、文字通りこの国の在り方を根底から作り変えるものであり、憲法違反そのものです。しかも総理は、この国会が始まる前にアメリカに行き、この決定をバイデン大統領に報告しました。こんな重大な方針転換を国会に図ることもなく決定し、国会よりも前にアメリカに報告するなんて、順序が逆ではありませんか。国会よりもアメリカ重視、それが総理のやり方ですか。立憲主義を破壊して、民主主義をも踏みにじる、国民に負担を押しつけながら、戦争をできる国家づくりへ突き進む、安保三文書の掛け議決定は、今すぐ撤回するべきです。この冬、新型コロナ第8波によって、過去最悪の死亡者数が出ています。医療の逼迫が深刻になり、高齢者施設のクラスター発生件数もどんどん増えています。本決算の対象年度である2021年も、新型コロナが全国的に大きく広がりました。第5波では、デルタ株が猛威を奮い、保育園や学校で子どもたちに感染が広がって、子育て家庭での自宅待機も増える中、都内でコロナに感染した40代の母親が自宅で休止するなどのニュースに衝撃が広がったことを覚えています。それから、もう2年がたとうとしていますが、なぜ、今なお必要な医療につながれない、命が守れない事態が相次いでいるのか、総理はどう考えているのですか。第8波が猛威を振るう今、この時に総理は、新型コロナをゴルウェイに移行する検討を指示しました。これにより、コロナ対策は今よりも緩和、後退するのではないですか。その中で再び感染拡大が起こったら、さらに深刻な事態が起こる のではないですか。感染拡大が深刻な今こそ、一層のコロナ対策強化が必要です。クラスターが発生した高齢者施設では、職員の人手が足らなくなり、入所者をお風呂に入れられない、食事解除ができず、3食を2食に、お持ち交換の回数も減らすなど、誇りにしていた介護の質が保てない事態が起きていると聞いています。介護の基盤と利用者従事者の命と暮らしをコロナ危機から守るため、介護報酬の引上げを行うとともに、それを利用料、保険料に跳ね返らせないための、公費投入を行うべきではありませんか。第8波の下、コロナ後遺症患者の数も増加の一途をたどっています。後遺症は軽症であっても高い割合で発生します。ブレインフォグと呼ばれる症状や強い倦怠感などにより、仕事の継続が困難になったり、進学を諦めたりする事態が起きています。後遺症を軽視するわけにはいきません。コロナ感染症の後遺症の患者は、現時点で何人いるか、総数を把握していますか。うち、給食したり休学したり、社会生活が困難になっている患者数、割合はどの程度か、政府として把握し、社会生活を維持できるよう、対策を講じるべきではありませんか。コロナにより、少子化がより一層深刻化しています。2021年の出生数は81万1622人。明治32年の調査開始以降、最少の数字となっています。総理は異次元の少子化対策などと言いますが、私は1歳の子を育てる母親から、現金給付よりも学費無償の方がいいという声を聞きました。就職しても非正規で賃金が全く上がらない、奨学金返済ローンも重くのしかかる中で、子供を産めば、医療費、給食費、高校進学、大学進学、生まれてから大人になるまで長期にわたる重い経済負担が待っています。この経済負担の大きさこそが少子化の最大の原因です。その重い負担を今すぐ直接軽減する、学校給食の無償化、子供の医療費の窓口無償化、大学学費の半減など、所得制限なしに国の責任で実施すべきではありませんか。2021年度、政府は新型コロナ第5波が拡大しているただ中に、1年延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を強行しました。その大会が残したものは何でしょう。約2億円もの増収割事件、そして電通始め大手有力企業による断合です。これがレガシーなのですか。東京五輪に関わる増収割や断合など、すべての疑惑について、政府として徹底的に調査し、検証すべきではありませんか。昨年12月、会計検査員が公表した東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果では、イベント全体の経費の総額を明らかにする仕組みがないことが問題視されています。2013年の立候補ファイル時点では、7,340億円と言われていた大会経費が、組織委員会の最終報告では総額1.4兆円に膨らみました。さらに会計検査員の整理では、大会関連経費も含めると、総額2兆9991億円もの支出だったとされています。一体大会経費総額は、関連経費も含めると、いくらになるのか、国の負担はいくらだったのか、政府として公表し明らかにすべきではありませんか。最後に、原発気候危機対策についても伺います。安保三文書と同じく、国会を閉じた途端、総理を議長とするGX、グリーントランスフォーメーション実行会議は、原発の新規建設、老朽原発の60年を超える運転など、新たな原発推進政策を決定しました。参議院選で岸田総理は、新造設などを想定していないと言っていたのではありませんか。選挙が終わったら、国会にも図らずに180度方針を転換し、福島第一原発の事故を忘れたかのように、原発依存に回帰する姿勢は到底認められません。原発依存を強めれば、再生可能エネルギーの普及にもブレーキがかかります。気候危機対策を本気で進めるために、政府の原発依存の姿勢こそ見直すべきではありませんか。2021年の国連気候変動枠組み条約第26回定額国会議では、気候危機を回避するため気温上昇1.5度未満が合意されました。各国の目標の上積みも求められていたにもかかわらず、昨年行われたCOP27に総理は出席しないまま、西村環境大臣が目標に上積みする考えがないことを公言し、後ろ向きの姿勢が際立ちました。日本政府のCO2削減目標は、2010年比で42%減、世界平均を下回ります。世界第5位のCO2排出国として目標を引き上げるべきではありませんか。今、世界でも日本でも多くの若者が気候アクティビストとして行動しています。ある中学生は、地球の気温上昇を止められなくなるまで、あと数年しか残っていないと知って、目の前が真っ暗になるようなショックを受けたと話していました。未来を担う若者が、未来に絶望してしまうような政治は、変えるしかありません。大量生産、大量消費、資本主義のもたらした負の遺産をなくすことが、次の世代に対する政治の責任です。私たち日本共産党は、気候危機を打開する、新しい未来に希望が持てる政治を目指して、頑張り抜く決意を申し上げ、質問を終わります。
2:35:58
平吉子議員からのご質問にお答えいたします。国家安全保障戦略等の決定の在り方についてお尋ねがありました。まず、新たに策定された三文書に基づく取組は、憲法及び国際法の範囲内で行うものであり、選手防衛の考え方を変更するものではありません。その上で、三文書については、国家安全保障会議4大臣会合、有識者会議、与党ワーキングチームなど、活発な議論を積み重ねてきました。その集大成として、政権与党としての方針を、三文書の閣議決定の形でお示しをしました。議員内閣制の下では、政権与党が国政を預かっており、まずは政府与党において1年以上にわたり、丁寧なプロセスを経て方針を決定いたしました。この進め方に問題があったとは考えておりません。そして、この政府与党の決定を踏まえて、今国会に令和5年度予算を提出したほか、防衛財源加工法案の提出を予定しており、ここで与野党との活発な国会論戦を行ってまいります。そしてそれによって、さらに国民の皆様への丁寧な説明を行ってまいります。そして米国に対しては、日本の現状について説明したものであり、ご指摘のような国会よりも米国重視ということではありません。そして、新型コロナ対策についてお尋ねがありました。い わゆる第8波への対応については、これまで拡充強化してきた医療体制に加え、発熱外来や電話診療、オンライン診療の強化などに取り組んできました。足元の感染状況については、感染防止対策や医療体制の確保に努め、いわゆる第8波を乗り越えるべく全力を尽くしてまいります。そして、原則、この春に新型コロナを新型インフルエンザ等から外し、5類感染症とする方向で議論を進めますが、これに伴う医療体制、公費支援など様々な政策措置の対応について、段階的な意向の検討調整を進めてまいります。新型コロナのクラスターが発生した高齢者施設や後遺症の患者に関してお尋ねがありました。新型コロナの感染者が発生した高齢者施設に対しては、必要な介護サービスが提供できるよう、基金の活用により利用者負担や保険料が増えない形で、緊急時の人材確保や施設の消毒、清掃、施設内療養に要する費用を補助しております。また、後遺症については、御指摘の患者の総数は把握しておりませんが、厚生労働省で専門家の協力を得て実態調査を行っており、多くの症状は経時的に頻度が低下する一方で、12ヶ月後も症状がある方が一定程度いる、こうした結果でありました。引き続き、社会生活への影響を含めた実態把握のための調査を予定しており、社会生活を維持するための対策につなげてまいります。子育ての経済的負担の軽減についてお尋ねがあり ました。我が国の経済社会の持続性と包摂性を考える上で、最重要政策と位置づけているのが、子ども子育て政策です。子ども政策担当大臣に指示をした3つの基本的方向性の1つに、経済的支援の強化も掲げています。併せて、高等教育の負担軽減に向けた、出世払い型奨学金制度の導入にも取り組んでまいります。子ども子育て政策は、最も有効な未来への投資です。これを着実に実行していくため、まずは子ども子育て政策として充実する内容の具体化を進めてまいりたいと思います。そして、東京オリパラ大会に関する不正行為に対する政府の対応や大会の経費についてお尋ねがありました。ご指摘の不正行為については、仮に不正があったとすれば誠に遺憾であると考えており、オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、スポーツの価値を大きく貶めるものであると考えております。現在、刑事手続き中や公私制取引委員会等の調査中であると承知をしており、スポーツ庁においてこれらの推移を注視しながら、今後我が国で開催される大規模な競技大会の運営において参考となる指針を作成することを予定しております。大会経費については、昨年6月に組織委員会が報告したものが大会経費の総額と認識をしており 、その額は1兆4238億円であり、そのうち国の負担は1869億円です。また、御指摘の会計検査員の報告では、大会経費に含まれないスポーツ庁の競技力向上等の事業の経費を含め、3641億円が国が負担した経費と整理されていると承知をしております。原子力政策についてお尋ねがありました。昨年2月のロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギーの安定供給の確保が世界的に大きな課題となっており、我々は歴史上初の世界エネルギー危機に直面しているとも言われています。エネルギー政策については、いわゆるS+3Eの原則の中で、近年は脱炭素に重きを置いて検討を進めてきましたが、これからはエネルギーの安定供給と脱炭素をいかに両立させるか、これが重要となります。特に我が国は、世界最低水準のエネルギー自給率、世界最高水準の中等依存度であり、しかも、大和深い海に囲まれ、再エネ適値が少ないという実態があります。こうした厳しいエネルギー供給の状況を踏まえ、再エネ導入を最優先とし、全国規模で系統整備や海底直流送電の整備などを加速した上で、原理事力を含めたあらゆるエネルギー源の活用を進める必要があります。年末にお示ししたGXに向けた基本方針は、政府与党において1年以上にわたる丁寧なプロセスを経て示したものであり、進め方に問題があったとは考えておりません。国会では、関連予算、関連法案に関する活発な論戦を通じて、国民の皆様への説明を徹底してまいります。そして、我が国の温室効果ガス削減目標についてお尋ねがありました。我が国は、パリ協定の1.5度目標と整合的な形で、2050年カーボンニュートラルを宣言するとともに、2030年度の目標として、2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けることとしております。基準年は、各国がそれぞれの事情に基づき設定しており、それぞれの国の目標値を取り上げて単純比較することは適切ではありません。大切なことは、2050年カーボンニュートラルという大きな目標を実現することであり、我が国の目標は、カーボンニュートラルに向けた削減ペースで見れば、欧米との比較においても、より野心的なものであると考えております。そして目標を設定した以上は、新たな技術を実用化するイノベーションを生み出し、しっかりと目標を実現することが重要です。そのためには、十分な投資が不可欠であり、GXを着実に進めながら、政策を総動員し、目標実現を裏打ちする技術の開発、実装に取り組んでまいります。
2:46:54
諮りをいただき、3年半ぶりに国会に戻ってきました大島九州でございます。各会派の皆様のご指導を引き続きよろしくお願い申し上げます。残念ながら辞職されました水道橋博士の1日も早い前回を記念させていただき、ただいま議題となりました令和3年度決算について、令和新選組を代表して質問させていただきます。令和3年度末の国及び地方の長期債務残高は1208兆円。対名目GDP費は219%となっていますが、財務省はしきりに先進国最悪の水準などと宣伝しています。しかし政府の債務残高だけを議論しても意味がありません。なぜなら政府の負債は民間の資産だからです。我が国の家計の金融資産残高は2000兆円を超えています。政府債務残高は政府の負債に過ぎず国債の発行を国の借金や将来世代の付けなどというのは、明らかに間違った言い方ではないでしょうか。西田先生もよくおっしゃっていらっしゃっております。その証拠に財務省のホームページで日本の国債はデフォルト しないと明言されていますが、その財務省の発信が間違えているのでしょうか。財務大臣はっきりとお答えください。国民に対して国の借金将来世代の付けと不安を煽る発言は、日本経済の成長や国民の幸せなどを後回しにした財政健全化だけを実現したい財務省が、借金という言葉を嫌う国民感情を悪用したプロパガンダとしか言い分かりません。財務省にこのような誤解を招く言い方は、総理やめるべきと考えますが、総理の見解をお願いいたします。過去20年間の政務・債務の拡大規模を比較すると、イギリスの6倍を筆頭にアメリカは5倍、フランス・カナダは3倍、ドイツ・イタリアが2倍に対して日本は1.8倍しか拡大していません。政府・債務残高の拡大ペースとGDP比の拡大ペースは相関しており、日本経済が長期停滞していることは一目瞭然であります。にもかかわらず日本の信頼度が高いのは、日本の経常黒字が世界第3位、対外純資産は世界第1位である上、国債の9割が国内で消費されているからでしょう。何よりも日本政務、政府・債務省が、世界に日本の国債はデフォルトしないと明言しているからではないですか。経団連のシンクタンク21世紀政策研究所が、去年6月に出した報告書の中では、政府・債務残高が将来に引き継がれることは、その裏にある資産も引き継がれることになる。つまり、政府・債務は孫子の代への付けではなく、何が何でも政府・債務残高対GDP比を下げなければならないという議論は間違いであると指摘しています。そうであるなら、25年続く不況、コロナ災害、ウクライナ戦争による物価高騰、国民生活、この30区から救うために、今こそ国債を大胆に発行し、消費税廃止や季節ごとの国民一律給付、社会保険料や水道高熱費等の減免、給食を職域として、教育として無償化を実施すべきと考えます。総理のお考えをお聞かせください。そして、プライマリーバランス黒字化を目指すと同時に、債務残高対GDP比の安定的な下げを目指すなどという政府方針は、直ちに撤回すべきと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。コストブッシュ型の物価高が国民生活を圧迫しています。正確者が苦しみ疲弊するようでは国は衰退します。国民生活を救うことができない、こんな政治は許せません。我々令和新選組は消費税やガソリン税ゼロ、季節ごとの10万円給付のほか、奨学金全額免除、家賃補助制度の創設、介護保育士の月給10万円アップ、そして中小零細企業を救うゼロゼロ融資のリバーイン免除など、国民の生活を第一に考えるとともに、大企業優先の政治を転換し、中小零細企業が主役の政治を目指していきます。そして私自身、12年の国会活動で目指してきた民間教育の力を生かした公教育の実現、統合医療の普及促進を目指し、柔道を征服し療養費等を拡充して国民の健康を守る、東日本大震災からの復興、長年の課題であるみなばた病問題、沖縄基地の全面解決に努力し、米国をはじめ各国で法制化が進む、犬食用禁止などの動物福祉の推進を図るとともに、武器によらない平和のための食の安全保障を目指した外交の確立を目指すなど、様々な課題に尽力をしていきます。最後に、政府の間違えた経済政 策で苦しむ国民を一日も早く救うべく、積極財政による国民大臣の緊急政策を今すぐ実行し、両野党を問わず一致協力して国民の一致を守る政治の実現のため、天道を突き進むことを誓いして質問を終わります。
2:53:21
大島九州議員の御質問にお答えいたします。国際についてお尋ねがありました。国際は政府の負債であり、国民の借金ではありませんが、国際の償還や利払いに当たっては、将来、国民の皆様に対して税金等でご負担いただくことなどが必要であり、また将来、仮に政府の債務管理について、市場からの資金調達が困難となれば、経済社会や国民生活に甚大な影響を及ぼすことにもなります。こうした経済財政上の課題については、国民の皆様に対し、丁寧に説明をし、政府の経済財政運営について、ご理解をいただくことが 重要であると考えております。財政政策や、あるいは経済…失礼、財政健全化、目標についてお尋ねがありました。私の経済財政運営の基本は、従来から申し上げてきたとおり、経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして財政健全化に向けて取り組んでいくというものです。この基本に立って、骨太の方針、2022において示したとおり、コロナ禍や物価高等の経済状況等を注視し、躊躇なく機動的なマクロ経済運営を行っていく。そして財政健全化の旗を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組むこととしており、こうした政府方針を撤回することは考えておりません。その上で、令和4年度第2次補正予算や、今国会に提出した令和5年度予算等において、足元の物価高対応を含め、日本経済の再生に必要な施策を盛り込んでいるところであり、これに加えて、ご提案のあった国債の発行による社会保険料の減免等を実施することは考えておりません。引き続き足元の経済状況に機動的に対応しつつ、同時に市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信任が失われることがないよう、責任ある経済財政運営 に努めてまいります。残余の質問については関係大臣から答弁をさせます。
2:57:08
大島九州議員のご質問にお答えいたします 国際についてお尋ねがありました議員ご指摘の財務省ホームページにある 平成14年の外国格付け会社宛意見書用紙にある記述につきましては財政構造改革などの取り組みや 当時の強固なマクロ経済の中では時刻通過立てのデフォルトは考えられないと 述べたものでありますすなわちこの意見書は財政運営に対する信任が損なわれるような事態が生じれば金利の上昇等を通じて国債の召喚などに様々な影響が生じる可能性まで 否定しているものではないと認識しておりますこのような考え方は現在においても変わりなく 引き続き経済再生と財政健全化の両立に向け取り組むことで責任ある経済財政運営に努めていく必要があります仮に日本の財政が市 場からの信任を失い資金調達が困難になれば追加的な税負担や歳出削減等をお願いせざるを得ないことになり将来世代への負担につながるものと考えておりますなお国債は議員御指摘のとおり政府の負債でありますが国債の召喚や利払いに当たっては国債の保有の有無にかかわらず国民の皆様に税負担等をお願いする必要がある借金であると認識をいたしております
2:59:15
これにて質疑は終了いたしました本日はこれにて散会いたします。