1:05
ただいまから決裁委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。去る14日までに、平木大作君、宮口春子君、高木香里君、浜口誠君、その補欠として、宮崎雅宇君、木村陽子君及び落としゆき君が委員を辞任され、その補欠として、高橋光雄君、竹爪人志君、三浦信弘君、千葉新一君、串田誠一君、山下芳樹君及び梶原大輔君が選任されました。令和3年度決算ほか2件を議題といたします。本日は、文部科学省、道林水産省及び国土交通省の決算について審査を行います。
2:15
この際お諮りいたします。これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、作用を取り図らえます。質疑通告のない方は、退席していただいて結構です。
2:59
これより質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。
3:09
自由民主党の慎太郎金彦です。質問の機会をいただきまして、委員長、理事の皆様方、また先輩同僚、農委員の皆様方に感謝申し上げたいと思います。早速質問に入らさせていただきます。令和3年度決算に関して、会計検査委員から指摘されたことにつきましては、農林水産省、文部科学省及び国土交通省とも真摯に受け止め、改善措置とともにですね、再発防止に向けてしっかりと対応していただくことを強く要請したいと思います。ロシアのウクライナ侵略を契機に、我が国の独立国家としての課題が浮き彫りになっているように感じます。特に食料、エネルギー、外交防衛の防衛のあり方につきましては、客観的かつ冷徹に総括し、中長期的な展望を見通しつつ、具体的な対策を躊躇なく講じるべきであります。その中で、国民にとってですね、一日たりともかくことのできない食料に関連して、野村農林水産大臣にお伺いしたいと思います。食料農業農村基本法の見直しにつきまして、現下の内外の主導性を踏まえた食料政策、農業政策及び農村政策のあり方をどのように考えておられるのか、野村大臣のご見解をお聞かせください。
4:32
はい、新動員にお答え申し上げたいと思いますが、現在、食料農業農村基本法の見直しをやっておりまして、私の方から食料農業農村審議会に諮問を行い、昨年の10月以降、その審議会の下に基本法検証部会というのを設置いたしておりまして、今13回ほど、先週の金曜日まででありますが、13回ほど議論をしていただいておるところでございます。まだ、大体月に2回から3回程度開いておりまして、非常に急びっちり議論をいただいているところでご ざいます。その議論の中で出てまいりましたのが、今、新動委員おっしゃいましたように、4分野を中心に議論をしているところでございまして、1つは食料分野でありますが、これは平時から、国民一人一人の食料安全保障を確立する観点から、食品アクセスの改善や、それから適切な価格形成、国内市場が縮小する中で、農業食品産業、海外市場を模試屋に入れたものへ転換する、こういったことなどを、まずはこの食料分野では議論をしていただいております。それから2つ目が農業分野ですが、将来、御承知のように、より少数の農業者で食料供給を担っていかざるを得ない、こういうような状況にありますので、こういったことで農地の収積、あるいは収益化、あるいはまたスマート農業や新品種の導入、こういったことを推進すべきでないか、こういったことの議論をしていただいております。それから農村分野では、農村人口も減少しておりまして、また特にその中でも高齢化が進む中で、末端の用灰水路の保全管理ができるのか、あるいはまた継続できるようにするための施策、あるいはまたもう一方では、よく先生たちからもお聞きします、長寿害被害対策、これを推進すべきではないか、こういったような議論をいただいております。このほかより、環境負荷の低減に貢献する農業食品産業への転換を目指していくべきではないかなどといった議論が、今現在行われているところでございまして、こういった議論も踏まえつつ、引き続き、食糧農業農村基本法の見直しに向けた検証を進め、国民的コンセンサスの形成に努めながら、本年の6月までに大まかな方向、めどに政策の新たな展開方向を取りまとめていきたいとかように思っているところでございます。信藤金彦君。 野村大臣、ありがとうございました。私自身は、この重要な局面で、農業の損の現場を散りつくしている野村大臣が、農林水産大臣として政府の中で農政の舵取りをなされていることに、安堵感とともに、強い期待感を持っているところでございます。しっかりとお取り組みを願いたいというふうに思います。食糧安全保障をテーマに、今月22日、23日に開催されるG7、宮崎農業大臣会議におきまして、持続可能な農業の実現に向けて、野村大臣の強いリーダーシップの下で、G7で結束した強力なメッセージが世界に向けて発せられることを強くお期待申し上げたいと思います。こうした中で、国会の中でも、また我々自民党の中でも活発な議論を展開しているところではございますが、お手元の資料1をご覧いただきたいと思います。食糧安全保障の強化を具体的に図っていくために、食糧農業農村基本計画に位置づけられている生産努力目標、これはここにありますように、米、白作物、小麦粉など代表的なものを今、資料1に挙げているわけですが、この生産努力目標を私は前面に掲げて、作物ごとの生産努力目標を達成に向けて、生産基盤の強化支援政策を集中的に講ずるべきと考えているところでございますが、農林水産省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
9:08
お答えいたします。食糧安全保障の強化のためには、安定的な輸入と適切な備蓄を組み合わせつつ、小麦や大豆、飼料作物などの海外依存度の高い品目の生産拡大により、輸入への過度な依存を低減していくための構造転換を図ることが重要だと考えております。議員御指摘のとおり、食糧農業農村基本計画では、小麦、大豆、飼料作物、米、小葉、米、加工原料、野菜などの生産拡大に向け、生産努力目標を掲げているところでございますけれども、その達成に向けて各品目の課題克服を進めていくことが重要だと考えております。そうした意味におきましても、昨年末に策定した食糧安全保障強化政策大綱に掲げました小麦、大豆などの国内生産の拡大や安定供給のための施設整備、水田の畑地下等の基盤整備、米粉 の普及に向けた設備投資、飼料増産に向けた飼料生産組織の運営強化などの支援策につきまして、令和4年度補正予算及び令和5年度予算を合わせて活用することにより、これらの取組を強力に推進していきたいというふうに考えております。ありがとうございます。私はこの主張につきましては、昨年6月13日の本決算委員会のテレビリニュース議員の中で、木下総理と当時の金子厳次郎農林水産大臣に対して質問させていただいたことと基本的には見解変わっていないのですが、私自身は相当な頻度で全国の現場を巡回しておりますけれども、私のこの主張に同調した方々が多くおられます。やはり、原稿基本計画におけるカロリーベースの食料自給率の目標は、この資料1の上の方に書いてある、令和12年が目標になっておりまして、これカロリーベースで45%なわけであります。令和3年現在で38%の自給率ですから、7%自給率を上げないといけないということになるわけです。つまり7%分輸入を国内生産に置き換える必要があるということなわけであります。国内生産をどこまで増産するかが生産努力目標でありまして、資料1にあるとおり、基本的に令和4年ベース、一部これ3年のものが入っているんですが、作務ごとには達成されていないわけです。これ今までも達成されていないんです。で すから自給率目標が達成されないわけであります。ですからここの部分にしっかり焦点を当てて、女性体系も、主食用米の米を添削したから何かに女性勤っていうんじゃなくて、この生産努力目標をしっかり達成するために、私はこの支援施策を集中するべきだろうというふうに思っております。そういった中で食料安全保障の強化を図るためには、農業生産基盤の強化こそが喫緊の課題だというふうに考えます。そこで、改正農業経営基盤強化促進法に基づく地域計画において、都道府県の関与の度合いで地域差が出てくることが懸念されるというふうに私は考えているんですが、具体的な地域計画の策定過程において、国として都道府県の役割をどのように捉え、具体的にどのように連携指導していくのか、農林水産省の見解をお聞かせください。農林水産省村井経営局等
12:36
昨年5月に成立し、本年4月1日に施行されました改正農業経営基盤強化促進法による地域計画は、地域農業の設計として重要なものと考えております。この地域計画の策定主体は市町村ですが、しっかりとした地域計画を策定するためには、地域の農業者の地中間管理機構、農協、土地改良局など様々な関係者が一体 となって、密度の濃い話し合いがなされることが重要であると考えております。そのためには、都道府県の農業の実情を最もよく把握し、県内の農業施策の指令等である都道府県に果たす役割が極めて大きいと考えております。このため、現場の皆様のご意見を踏まえて、地域計画の策定方法を分かりやすくまとめた手引きにおいて、都道府県が各市町村の取組を積極的にサポートすることなどの役割を明記し、都道府県など関係者への周知を図っているところであります。実際の都道府県の動きとしても、市町村職員等の話し合いのスキル向上目的とした研修の実施や、市町村を支援する推進チームを設置し、モデル地区を支援する取組など、指導的に取り組む動きが出てきているものと承知しております。今後も全国会議を定期的に開催し、地域計画の先行事例を広く共有したり、職員が現場に出向くことを継続するなど、都道府県との連携を図りながら、地域計画の策定が着実に進むよう後押ししてまいりたいと考えております。この地域計画、従来は人の内プランといったわけですが、この地域計画、私は我が国の食料生産基盤を維持していく上で、私自身はもう最後の砦じゃないかというふうに捉えております。人の内プランを地域計画として法定化するときの自民党の中の議論において、非常に活発な議論をなされたのですが、計画の見える化、すなわち目標地図を明確にすることに非 常にこだわったのは、私の尊敬する先輩の岩手県出身の前参議院議員平野達夫先生でありました。私は地域計画の整備が地域農業の存立を左右し、その積み上げの中で、我が国の食料生産基盤の行方、すなわち我が国の国家としての命運がかかっているのではないか、少し大げさかもしれませんが、そのように認識しております。こうした高い緊張の中で、今ご答弁いただきましたけれども、国と地方とが緊密に連携して、農家や地域の方々の行為形成を図りながら、地域計画の実質化に総力を挙げて取り組まなければならない、このように認識しているところであります。ぜひしっかりとお願い申し上げたいと思います。さて、話題を転換しまして、林業政策について伺いたいと思います。令和3年の木材持久率について、対前年比で建築用材等の持久率が上昇したのに対して、非建築用材等の持久率が低下し、全体としてこの持久率が低下したわけでございます。この要因と、今後の木材持久率向上に向けた具体的方針をお聞かせ願いたいと思います。
15:59
お答えいたします。まず、令和3年の木材持久率でございますけれども、新型コロナの影響により大きく落ち込んだ令和2年と比べまして、新設住宅着工個数の増加によって建築用材の需要が増加しますとともに、木質も合います発電施設の建設によりまして、燃料材の需要も増加いたしまして、コロナ禍前の令和元年の水準に回復したところでございます。そういった中で、令和3年の木材の持久率でございますけれども、建築用材につきましては輸入木材の不足や価格高等によりまして、国産材の供給量が増加したことから前年に比べまして0.8%上昇して48%となりましたけれども、非建築用材等につきましては燃料材の輸入量が大きく増加したことなどによりまして、前年に比べまして2.0ポイント低下して35.5%となりまして、全体ではですね、対前年度比0.7ポイント低下の41.1%という木材持久率になったところでございます。農林水産省といたしましては、令和3年の木材、輸入木材の不足、価格高等により輸入材リスクが顕在化したということを踏まえまして、海外情勢の影響を受けにくい持久構造にしていくことが一層重要となってきているというふうに考えているところでございまして、建築用材につきましては、中高層や非住宅の建築物等における需要も拡大しつつ、荷台手の確保、路網整備等による生産基盤の強化、あるいは木材加工、流通施設の整備等による木材製品の極力強化、さらには建築部材等の製品、技術開発等による国産材への転換などに取り組んでいきますとともに、燃料材につきましては、林地山材の効率的な収集運搬方法の導入促進、工業樹林の適切な整備と活用などに取り組むことで、国産材の安定的かつ持続的な供給体制を構築しつつ、国産材の性を高めてまいりたいというふうに考えているところでございます。ありがとうございます。やはり、持久率が低下した大きな要因が、非建築用材等の中の、木質バイオレンスに使っている燃料用の輸入が増加しているということなんだろうと思います。現場を見ても、やはり輸入の部分が増えてきているところがありますので、ぜひこの辺の対策、今ご答弁いただきましたけれども、今後さらに検討を深めて、しっかり対応いただきたい、このように思います。次に、木造住宅1個あたりの部材別使用割合で国産材比率が低い大化材、この大化材というのは建物の骨組みの、横に掛け渡された構造材のことで、縦の柱に対して横の梁とか桁とかいうわけですが、この国産材比率が低い大化材について、その指標比率の向上を図る支援施策とともに、比較的地域と密着している中小公務店の地域材使用に向けた支援策を充実すべきと考えるわけでございますが、林野庁の見解をお聞かせいただきたいと思います。
19:13
お答えいたします。住宅等で用いられている梁とか桁等の大化材、これにつきましては、委員御指摘のとおり、たわみにくくて使いやすい輸入材の使用比率が非常に高い状況にあるということで、国産材の利用拡大に向けましては、この大化材の国産材の転換を進めていくことが非常に重要であるというふうに認識をしてございます。そのためには、国産材を大化材で活用する技術をさらに充実させる必要がありますとともに、国産材の大化材を供給する製材工場の拡大が必要でございまして、農林水産省といたしましては、大型材も活用しつつ大化材を含めた建築用木材の製造加工技術の開発、あるいは大化材を製材する工場の施設整備等への支援を行っているところでございます。また、国産材の需要ゾーンに向けましては、地域における建築の担い手である公務店による国産材利用を推進していくことも重要だと認識しておりまして、令和4年の補正予算におきまして、新たに公務店が国産材を利用しやすくなるように、公務店に木材販売を行っている流通事業者に対しまして、国産材活用の知識習得や普及ツールの作成等への支援を行いますとともに、あるいは、地域の公務店が住宅の主要構造部に国産の製品を用いた設計施工を行う取組、こういったものへの支援も措置 しております。また、令和5年度当初予算におきましても、新たに川上から公務店を含む川下までが連携した安定的なサプライチェーンの形成、こういったものへの支援も措置したところでございます。こういった取組を通じまして、大和材等の部材における国産材使用の比率の向上を図りますとともに、中小公務店における国産材の利用を推進していきたいと考えております。ありがとうございます。国産材使用比率を高めていく課題がある程度明らかになってきておりますので、ぜひその辺についてしっかりと政策を打っていただくとともに、中小公務店は地域の雇用になっていますので、後半におられますから、しっかりまた今、ご答弁いただいた支援を含めてさらに充実と図っていただくことをご要望申し上げたいと思います。次に水産政策についてお尋ねしたいと思います。お手元の資料2をご覧ください。国民1人1年あたりの食用魚介類の消費が平成13年、2001年をピークに一貫して低下しております。令和2年、2020年にはピーク時の6割弱に落ち込んでいるわけであります。その要因分析を踏まえた国内の漁業振興の方向について、水産庁の見解をお聞かせください。
22:02
お答えいたします。国民1人あたりの食用魚介類の消費が減少している要因といたしましては、食生活が多様化していることに加え、消費者意識として魚介類は肉類と比較して割高であるとか、調理が面倒であると感じている方々が多いことなどが挙げられます。特に最近では、ブリや酒など切り身などの調理が容易な形態で提供されるものが好まれるなど、消費者ニーズが変化しており、この変化に対応したマーケットインの考え方で魚介類を生産・加工・供給していくことが重要となっております。そのためには、生産面ではニーズに応じた食材として安定的に供給できるよう、天然魚では同じ魚種でも、加食部が多く、加工性の高いサイズの魚の魚殻量を増やせるよう資源管理を推進し、養殖魚では定時・定日に供給できる生産体制を構築していくことが必要と認識しております。これに加え、簡便性に優れた水産加工品の開発や水産物の消費拡大といった取組も必要でございます。これらのことから、水産庁といたしましては、水産基本計画に則し、新たな資源管理の推進に向けたロードマップを踏まえた水産資源の着実な実施、養殖魚成長産業化総合戦略に基づくマーケットイン型の養殖魚の推進、水産物のマイナス特性を解消する簡便性に優れた商品や提供方法などの開発・実証を行うための支援、さらには、魚の肥の取組などによる国産水産物の消費拡大などにより、水産業の成長産業化と水産物の消費の拡大を図っていく考えでございます。
23:50
ありがとうございます。私の実感としては、日本人が魚介類を好んで食べているというふうに感じています。しかし、資料3にありますように魚介類の消費は肉類に抜かれ、魚介類自体も輸入の割合が多くなっているわけです。魚介類の今ご問い合わせいただきましたように、需要動向と流通実態、そして生産現場の実情をよく分析・検討して、持続可能な水産業の構築に向けて効果的な政策を展開いただくように要請したいと思います。ここで農林水産省関連の質疑は終えましたので、野村大臣はじめ、農林水産省の方々退出して結構でありますので、委員長お取り計らいをお願いしたいと思います。野村大臣、それから農林水産省の皆さん、ご退出どうぞ。結構であります。次に文部科学省関連の質疑に入ります。成長分野を牽引する大学構成の機能強化に向けた基金、これは3000億円の基金でございますが、これにつきまして、GX推進の観点から、農学分野等における研究者及び技術者の育成とともに、その基礎となる日本技術者教育認定制度、これJaviと言っていますけれども、このJaviの支援を対象とすべきと考えますが、文部科学省の見解をお聞きしたいと思います。
25:26
お答え申し上げます。委員ご指摘の、成長分野を牽引する大学構成の機能強化に向けた基金による継続的支援では、理学・工学分野とともに農学分野も対象としており、農業分野における人材育成も推進することとしております。また、ご指摘の日本技術者教育認定機構Javiによる技術者教育の認定を受けた教育プログラムの修了制は、国際的な同等性が認められる仕組みとなっていると承知しております。各大学におきましては、農業分野も含め、地域・社会や産業界等のニーズをしっかりと踏まえた高度専門人材や国際的に活躍できる人材の育成に積極的に取り組ん でいただきたいと考えております。その際には、各大学がこの基金を活用した改革に取り組む中で、自らの教育プログラムの国際通用性を担保するために、こうした国際的な質保証の枠組みを活用することも有効であると考えております。文部科学省としては、引き続き、成長分野を牽引する人材の育成等に意欲的に取り組む大学を支援してまいりたいと考えております。
26:45
行動専門人材、これは研究者のみではなくて、技術者と連携して初めて社会実装と研究者の育成が実現できるのではないかと考えております。今、御伺いいただきましたが、JARBEEの制度、これは国際同等性を有する有者を育成するものであって、学力の出口保障を担保するものですから、ぜひこの農学分野をはじめ重要な役割を担っているJARBEEへのしっかりと支援を強くお願い申し上げたいと思います。次に、国立大学運営費交付金等の大学への各種支援について、地方創生の実現を図るため、地方において就職あるいは起業する卒業生の実数も考慮して配分すべきと考えますが、文部科学省の見解をお聞かせください。
27:37
お答え申し上げます。地方創生を担う人材の育成や地域産業の活性化等を図る上で、大学の果たす役割は重要であり、各大学では強みと特色を生かした教育研究の充実や地域との連携に取り組むことが必要であると考えております。地域の発展に貢献する大学に対しては、国立大学法人運営費交付金や私立大学等計上費補助金を通じた支援を行っており、ご指摘の国立大学法人運営費交付金では、各大学の意欲的な教育研究組織の改革に対する重点的な支援として、地方創生等への貢献を通じた各大学のミッション実現を加速するための組織設置や体制構築を推進しております。加えて、文部科学省においては、地域社会と大学間の連携を通じて既存の教育プログラムを再構築し、地域を牽引する人材育成を実施する地域活性化人材育成事業「SPARK」という事業や、地域の高等教育機関や地方公共団体、産業界が地域の将来ビジョン等を向上的に議論する地域連携プラットフォームの構築の促進などにも取り組んでいるところでございます。文部科学省としては、引き続き、地方創生に貢献する大学の振興に取り組んでまいりたいと考えております。文部科学省は、平成27年6月に地方創生のための大都市圏へ の学生集中是正方策について発出しておりまして、入学・転院充足率が一定割合を超えた場合に補助金を減額する措置や、新たな学部等の設置認可申請を許可しないこと等を行っているところであります。地方創生の観点から考えれば、このような措置はもちろん効果があると考えられますが、大学は地方創生に資する人材を育成して、排出する役割を持っているわけでありますので、私はやはり大学の卒業生が地方に就職したり、地方で起業したりする、この数だとか率を一つの指標として、大学あるいは学部の支援を行うことが必要と考えますので、引き続き前向きに文部科学省の方で検討いただくように要請したいと思います。次に国土交通省関連の質疑に移りたいと思います。国土形成計画につきましては、本年夏に閣議決定されると理解しているところでございますが、現行の国土形成計画をどのように評価し、新計画の実効性確保に向けた具体的な方針につきまして、国土交通省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
30:32
お答えいたします。国土構成計画は、その前身である全国総合開発計画の時代から、時々の社会経済状況や長期的な展望を踏まえて国土づくりの理念や将来ビジョンを掲げられてきました。現行計画は2015年に閣議決定されたものでございますけれども、この計画のもとに、これまで地方創生や防災・減災・国土強靱化の取り組み等と相まって、政府全体で各種の施策を展開してまいりましたけれども、個々の施策の進展は一定程度評価されるものでありますけれども、全体といたしましては、東京一極集中や、水温の人口減少、あるいは少子高齢化がもたらす地方の危機などの課題は依然として存在し、一層の取り組みが必要となっているところでございます。さらに、自然災害の激甚化・貧発化やデジタル化の急速な進展、緊迫化する安全保障上の課題の深刻化など、社会経済情勢の大きな変化に直面しておりまして、委員御指摘のとおり、現在、新たな国土形成計画の検討を進めているところでございます。新計画、現在、素案の段階でございますけれども、計画の実効性を確保するためには、まずは具体的な実効策を新しい計画にできるだけ位置づけていく。これが重要だと思っております。そのために、引き続き関係府省と緊密に連携いたしまして、あらゆる政策を総動員して、政府一丸となって計画の実効性の確保に取り組んでまいりたいと思います。
32:04
ありがとうございます。私自身、今回策定予定の国土形成計画に関する検討経緯を、これは全てオープンされていますから、注意深くフォローさせていただいているところでございまして、実は私のメールマガジン等で多くの方々に検討経緯をお伝えしております。非常に反響が大きいです。私は素晴らしい検討がなされていると高く評価しておりますけれども、一方でやはり計画がスローガン化したり境外化しては、計画策定の意義がなくなっていくわけでありますので、今 ご答弁いただいたように、個別の政策をしっかり実現するということを今、答弁なされましたので、計画は内容の実現されるためのものだということだと思います。国土形成計画の実現に向けて、関係府省はもとより、これ、三額間、これ本当に一体となって取組が進めていけるように、国土交通省の強いリーダーシップをお願い申し上げたいと思います。しっかりと対応をお願いしたいと思います。これで私の持ち時間はだいたい終わりましたので、質問を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。
33:40
自由民主党の今井恵里子です。本日は質問の機会をいただきありがとうございます。まずはじめに、特別支援学校の文部科学省著作教科書についてお伺いします。本日、先生方に配布させていただきました資料1をご覧ください。教科書には、文部科学省の検定を経た教科書と、文部科学省が著作の名義を有する文部科学省著作教 科書があります。文科省では、特別支援学校用に、視覚障害者用の展示教科書、聴覚障害者用の言語指導の教科書、知的障害者用の教科書を文部科学省著作教科書として作成しており、多くの特別支援学校でこれらが用いられています。しかし、文科省著作教科書については、例えば聴覚障害者用の教科書が今般約20年ぶりに改定されるなど、改定のサイクルが遅いことや、一部の教科の教科書は、そもそも作成されていないといった課題もあります。そこでまず、現状についてお伺いします。どの教科の教科書をいつ作成、改定するといった計画を文科省として立てていらっしゃるのでしょうか。また、仮に計画を立てていない場合、今後立てていく必要があると考えますが、文科省の見解をお伺いします。
35:24
今委員にお答え申し上げます。障害のある児童生徒の指導の充実に向けまして、文部科学省著作教科書の充実を図るということは大変重 要であると認識をしております。このため、文部科学省においては、学習指導要領の改定を踏まえ、小学部は令和2年度から、中学部は令和3年度から使用できるよう、文部科学省著作教科書のすべてについて改定を行ったところでございます。今後も学習指導要領の改定も踏まえまして、文部科学省の著作教科書は適切な時期に改定できるよう努めてまいります。
36:16
ありがとうございました。先ほどのご答弁であると、学習指導要領の改正の時に適切な時期で、ちゃんと改定なさるということだったんですけれども、なぜ約20年間聴覚障害者用の教科書というのは、約10年間の学習指導要領の中で改定されていく中で、なぜ20年間変わっていなかったのかというその理由というのを教えていただけたらと思います。
36:53
聴覚障害者用の言語指導の教科書は、聴覚障害のある児童生徒に対しまして、自立活動との密接な関係に留意をしながら、日常生活におけます基本的な話し言葉の習得と、それから日本語の読みの能力を新調することに活用いただくことを目的として作成しているものでございます。記載されております指導内容につきまして、大きな変更の必要がなかったことなどから、この間の改定がなされてこなかったものでございます。今後は教科書の使用内容も含めまして、学校現場での使用実態や課題なども把握しながら、適切な時期に改定できるように努めてまいりたいと思っております。今井衣梨子さん ありがとうございます。皆さんのおかげでようやく改定にこぎつけた教科書ではあります。ありがたいことだと思っていますが、大臣にご覧いただきたいのはこの資料2なんですけれども、これは文部科学省著作教科書の特別支援学校中学部聴覚障害者用国語科の引用です。正直内容を見ると残念な気持ちになります。なぜなら、いまだに公衆電話の記載が一番最初にあります。大臣、ぱっとどこに公衆電話があると思いつきますか。平成12年には全国で約70万台あった公衆電話は、令和2年には14.6万台と5分の1になっています。今後さらに減少されると言われています。公衆電話を否定することではありませんが、時代に即応したスマホやアプリの記載がありません。聴覚障害者にとって画期的な電話リレーサービスに関する記述は一番最後。しかも添付された絵図は非常に小さくて、とても子どもがわかる仕組み、理解できる仕組みとは思えないんですね。そこでお伺いします。このように障害者施策というのは常に一歩ずつですが前進をしている中、やはり私的には通常の学校の場合というのは、教科書無償措置法等の規定を踏まえて、通常4年ごとに改定の機会があります。大幅な内容の更新も行われます。法の趣旨としては、一度採択した教科書は少なくとも4年間は使用してくださいねということですが、その結果競争原理が働く民間の教科書会社はおおむね4年に一度の改定を行っているのが実態です。でも一方で競争原理が働かない文部科学省著作教科書について言えば、4年に一度の見直しでは行われることはありません。でも今時代の流れスピードというのはものすごく変わって早いです。障害の有無に関わらず、全ての子どもが最新の情報に基 づいて学ぶことができるよう、特別支援学校の子どもたちが使用する文部科学省著作教科書も、通常学校で採用される検定済、教科書と同様か、それに近いサイクルで内容の見直しを行っていただき、子どもたちにとって適切な教材となるよう努めるべきだと考えますが、ご見解をお伺いします。
40:51
お答えいたします。一般の教科用図書につきましては、義務教育小学校の教科用図書の無償措置に関します法律の施行例において、自治体等が同一の教科用図書を採択する期間を4年と定めているものでありまして、教科用図書の改定期間を定めているというものではありません。その上で、文部科学省の著作教科書の改定時期につきましては、学校現場での使用実態ですとか課題なども丁寧に把握をしながら、学習指導要領の改定も踏まえて、適切な時期に改定できるように努めてまいります。そして、先ほどこれはプッシュ型の電話ですね、ありました。これは今の子どもたち、本当 に小さいうちから保護者のスマホに触れるということは慣れ親しんでいると思いますけれども、反対に使用方法も分かっていない、あまり見なくなりましたと認識をしております、これは公衆電話ですね。災害時などには、大変緊急時について、スマホが使えなくなった場合には、これをしっかりと使うことができる環境というものがありますので、そこのところでは公衆電話を使用する場合もあり得ますから、触れることがない、公衆電話の使用方法の仕方というのも、これあってもいいのかなというふうには思っております。今お話しありました電話リレーサービスについて、やはりこれもお子さん方がその年齢に応じて理解しやすいような書き方に変えていくことがよろしいかなと思っております。今井エリコさん ありがとうございます。先ほど答弁の中に義務教育小学校の教科書、図書の無償措置に関する法律の施行例に、同一の教科書の図書を採択する機関ということをお話をされていましたが、この同一の教科書、図書というのは文部科学省著作教科書もこれは含まれるということですか。文部科学省藤原書棟中等教育局長 お答えいたします。教科用図書につきましては、先ほどご説明がありましたように、4年間、これは採択の期間、採択の期間から4年間、同一の図書を使用するということになって おりまして、これは文科省の著作の教科書を含むということでございます。今井えり子さん 含むとされるのであれば、しっかりと文部科学著作教科書もそれらに近いようなサイクルで見直しを行うことが私は必要だと思っています。これら文部科学著作教科書の改訂の必要性を議論する際に必要なこととして、まず学校現場でどの程度活用されているのかということは非常に重要だと考えます。この改訂問題を取り上げたきっかけは、老学校で働く教員からの問題提起だったからです。あの時、先生からこの教科書は時代錯誤で非常に使いにくいというお話を伺って初めて長きに渡り改訂が行われなかったということを知りました。そこで文科省にお願いがあるんですけれども、この文部科学著作教科書の活用状況の把握と検証を行うことがとても重要だと思っています。やはり検証をしなければ次の改訂にもっとより効果的なものにするために、やはり把握と検証というのが必要になりますが、そのあたりご見解をお聞かせください。
45:19
障害のあります児童生徒の指導の充実に向けて、文部科学所著作教科書の充実を図るということは大変重要であると認識をしております。現状におきましても、当該教科書の作成にあたりまして、特別支援学校等の現場の教員にも参画をいただいているところでございます。今後、著作教科書を改訂する際には、ご指摘の学校での活用状況や課題などを丁寧に把握いたしまして、学習指導要領の改訂に合わせて、これらの意見、これを踏まえた改訂ができますように努めてまいります。
46:05
この委員会の前にレクを受けた際に、約10年に一度行われる学習指導要領の改正のときには、当然文部科学所著作教科書の見直しが行われるものという説明を受けましたが、これまでの改訂頻度を見れば、約20年間放置されている、そういったこともあって、それは全く根拠のない説明となっているのではないかと私は感じています。しっかりと、ちゃんと計画を立てて、現場のニーズにお応えできるような、そういった仕組みづくり、何かルールづくりというものを、ぜひご検討いただければと思っております。次に、読書バリアフリーの現状と課題についてお伺いいたします。令和元年に、読書バリアフリー法が議員立法により成立いたしました。読書バリアフリー法は、視覚障害者などが利用しやすいメディアの充実と、円滑な利用のための支援が行われるよう、国や自治体が必要な施策を講ずるものとしています。国では、令和2年7月に、令和6年までを対象とする基本計画を策定し、現在、第2期の基本計画策定に向けた議論が進められているところです。読書バリアフリーの実現には、組のみならず、自治体の取り組みも重要です。しかし、その取り組みには、まだ温度差があるのが実態です。例えば、読書バリアフリー法は、自治体に基本計画の策定を努力義務として求めていますが、都道府県、指定都市、中核市の合計129の自治体を対象として行った調査によれば、令和5年2月1日現在、基本計画を策定済み、または現在策定作業中としたものは合わせて35自治体、全体の約27%にとどまっています。そこでお伺いします。自治体における基本計画の策定がなかなか進まない原因について、また、基本計画の策定を推進するために必要な取り組みについて、文科省の御見解をお聞かせください。
48:39
お答え申し上げます。今、委員御指摘のように、6章バリアフリー法に基づく自治体における計画につきましては、法の第8条において、地方公共団体が国の基本計画を勘案してそれぞれの計画を策定するように、努めなくてはならないというふうにされております。その際、あらかじめ、資格障害者等その他の関係者の意見を反映するために必要な措置を講ずるよう努めることとされているというところでございます。今、いただきましたように、既に令和4年度における策定状況につきましては、既に策定済みと現在策定作業中、合わせまして35自治体ということでございますが、これ令和3年度に比べますと、25自治体から35自治体ということで、若干増加しているということでございます。そして、策定に向けて検討中というところが、42自治体というふうになっております。未策定の自治体の中には、障害者政策やその他の計画の策定や見直しを踏まえて検討するというようなご意見ですとか、どういうご予定であったりですとか、計画策定に当たって、県の計画を参考にするため、策定が行われているという指定都市や中核市もあるところでございます。