6:13
これより会議を開きます。この際、新たに議席に就かれました議員をご紹介いたします。
6:24
議席第345番、比例代表選出議員、大椿裕子君。
6:45
議長は本院規則第30条の規定により、大椿裕子君を農林水産委員に指名いたします。
7:01
この際、日程に追加して、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、ご異議ご ざいませんか。(そうです)ご異議ないと認めます。
7:47
ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨をご説明いたします。
8:02
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、感染症の発生及び蔓延の初期段階から効果的に対策を講じ、国民の生命及び健康を保護するとともに、国民生活や国民経済への影響が最小となるよう、感染症の発生及び蔓延の防止に関する施策の総合調整等に関する機能を強化する必要があります。
8:30
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、感染症の発生及び蔓延の初期段階から新型インフルエンザ等対策本部が迅速かつ的確な措置を講ずるための仕組み等を整備するとともに、
8:43
内閣官房に感染症の発生及び蔓延の防止に関する施策の総合調整等に関する事務、並びに同対策本部等に関する事務を所掌する内閣感染症危機管理統括庁を設置することを目的として、この法律案を提出いたしました。以下、この法律案の内容につきまして、その概要をご説明いたします。
9:10
第1に、新型インフルエンザ等対策本部長は、新型インフルエンザ等の蔓延により、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあるにもかかわらず、総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合は、新型インフルエンザ等蔓延防止等重点措置に係る事態、または新型インフルエンザ等緊急事態に至る前であっても、
9:38
新型インフルエンザ等対策本部が設置されている間において、指定行政機関の長や都道府県知事等に対し、必要な指示をすることができることとします。
9:50
第2に、地方公共団体の事務の代行等について、新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定により実施する措置に加え、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の規定により実施する措置についても代行等が可能となるよう、対象事務を拡大するとともに、
10:14
新型インフルエンザ等緊急事態に至る前であっても、新型インフルエンザ等対策本部が設置されている間において代行等を行うことができることとします。
10:27
第3に、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置に係る事態、または新型インフルエンザ等緊急事態において、都道府県知事が正当な理由なく要請に応じない者に対し、命令を行うにあたって勘案する事項を法令上明確化することとします。
10:47
第4に、新型インフルエンザ等対策に係る費用について、都道府県または市町村の負担を軽減するために、特別の交付金の交付に関する規定を設けるとともに、地方債の区債の特例を設けることとします。
11:04
第5に、内閣官房に内閣感染症危機管理統括所を設置することとします。内閣感染症危機管理統括所は、感染 症の発生及びまん延の防止に関する施策に係る指令等機能を強化するため、新型インフルエンザ等対策本部長である内閣総理大臣を助け、行政各部の対応を強力に統括することといたします。
11:32
具体的には、政府行動計画の策定及び推進に関する事務、新型インフルエンザ等対策本部に関する事務、新型インフルエンザ等対策推進会議に関する事務のほか、行政各部の施策の統一補助上必要な企画及び立案並びに総合調整に関する事務のうち、感染症の発生及びまん延の防止に関するものを司ることとします。
12:01
また、内閣感染症危機管理統括庁に内閣感染症危機管理官等を置くこととしております。最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、交付の日から帰算して、6月を超えない範囲内において、政令で定める日としています。以上がこの法律案の趣旨でございます。
12:28
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
13:19
自由民主党森屋博史です。私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案について質問をいたします。まず、これまでの感染症対策への対応への総括と国民への思いについて、総理に質問をさせていただきます。
13:42
2019年12月、WHOに中国武漢市での原因不明のウイルス性肺炎の発生が報告されてから3年強、世界は経験のない事態に直面し、社会も経済も混乱をしてまいりました。
14:00
我が国におきましても、3密回避という新しい生活スタイル、さらに感染状況に応じて緊急事態宣言等を発し、行動制限等により感染スピードを遅らせる対応が取られてきました。そしてようやく来月5月8日には、感染症法上の位置づけが2類相当から5類へと引き下げられます。コロナ禍からの社会の正常 化がさらに進むこととなります。
14:29
不眠不休で対応いただいた医療関係者の皆様、リスクの高い方々を感染から守りながら業務に当たられた介護現場の皆様、そして保育・幼児教育・学校教育等に関わる皆様、休業や営業時間短縮等にご協力をいただいた皆様、そして全ての国民の皆様に対し、様々なご理解、ご協力をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
14:57
さて、総理は3年間にわたって行動制限や経済活動の自粛、医療体制の強化や感染対策への協力要請等、国民への理解と協力を必要とする対応をどのように総括をされ、どのような思いを抱えておられるのでしょうか、お伺いをいたします。
15:17
次に、速応的な対応を可能とする体制等の整備、内閣感染症危機管理統括省の働きについて質問をいたします。新型コロナウイルスのような未知の感染症では、マニュアル化は大切であるものの、速応的な対応がより重要になると考えられます。
15:38
国都道府県市町村とレベルごとに存在をしております感染症対策や多くの知見、データ等を関係機関で集約共有し、それに基づき有効な対策を立案決定するとともに、その対策を一体的、総合的に全国展開をさせていかなければなりません。
15:59
そこで厚生労働省や全国の保健所、医療機関、検察機関などが有するデータ、海外等からの有益な知見等の集約や分析、そしてフィードバックとしてのリアルタイムな情報や有効な対策の共有といったことを進める体制構築をどのように実現をされていくのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いをいたします。
16:25
そして、新たに設置される内閣感染症危機管理統括庁は、この構築される体制の中で感染症に関する機関にどのように働きかけながら感染症対策の有効性を高めていかれるのでしょうか。後藤大臣にお伺いをいたします。
16:43
続いて、統括庁との業務体制と業務内容、そして人種共通感染症について質問をいたします。内閣感染症危機管理統括庁には、平時においては38人の専従職員が在籍し、有事に おいては各省庁から迅速に増員することで101人、さらには各省庁幹部職員を統括庁に併任することで計300人規模になると伺っています。しかし、感染症の流行には大きな波があり、平時と有事の業務や対応には相当大きな違いがあると感じています。感染症危機管理統括庁が効率的な組織となるよう、平時と感染症拡大時、それぞれの業務体制や業務内容について後藤大臣にお伺いをいたします。さらに感染症を予測する観点から人種共通感染症への対応が不可欠と考えますが、関連部署への連携等への対応について後藤大臣に所見をお伺いをいたします。最後に、ワクチンや治療薬等の確保について質問をいたします。感染症対策の難しさは、ワクチンや治療薬等の需要と供給のバランス確保が大変難しいところにあります。流行しそうな感染症や感染の波を予測するといたしましても、外れることもあり、一定数の余剰が起きることがあります。海外でもワクチンの余剰が発生をしております。大量の余剰廃棄が起こらないようにすべきではありますが、過度に恐れて緊急時に対応できないようなことがあれば、命にかかわる問題となります。危機管理を意識したワクチンや治療薬等の生産体制、備蓄体制の構築を図るべきと考えますが、厚生労働大臣にご所見をお伺いをいたしまして、私の質問と いたします。
19:24
森栄博士議員のご質問にお答えいたします。これまでの新型コロナ対策の総括等についてお尋ねがありました。政府としては、未知の感染症危機に対し、国民の命と暮らしを最優先で守る観点から、感染拡大と社会経済活動のバランスをとりつつ、科学的知見やエビデンスを重視し、新型コロナ対策に最大限取り組んでまいりました。この間の医療・介護の現場で働く職員の皆様のご尽力、また国民お一人お一人の感染対策へのご理解とご協力に、改めて感謝を申し上げます。皆様のご協力もあり、新型コロナの人口当たりの感染者数は、他のG7諸国と比べて低い水準に抑えられ、GDPや企業業績はすでに新型コロナ前の水準を回復し、有効求人倍率もコロナ前の水準を回復しつつあると承知をしております。新型コロナについては、特段の事情が生じない限り、5月8日から五類感染症に位置づけることを決定しております。国民の皆様のご理解とご協力を得ながら、円滑に平時の日本を取り戻していけるよう、万全の準備を進めてまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
21:40
森屋博士議員のご質問にお答えいたします。感染症に関連する機関との連携についてお尋ねがありました。感染症危機管理においては、各省庁における対応を、各省庁から一段高い立場で協力に統括する司令塔機能を担う内閣感染症危機管理統括庁と、感染症対応の実務の中核を担う厚生労働省との一体的対応の確保を図ることが重要であると考えております。このため、統括庁の幹部である内閣感染症危機管理対策官に充てられる厚生労働省の委務機関を結節点として、統括庁の指示を厚生労働省に迅速に徹底させるとともに、新たに感染症対応能力を強化するため設置される厚生労働省感染症対策部のリソースや、専門家組織として設置される国立健康機器管理研究機構から提供される質の高い科学知見を活用しつつ、統括庁において政府全体の基本方針を規格立案する枠組みを構築することとしています。統括庁が司令塔機能を発揮し、厚生労 働省や研究機構と密接に連携して、科学的知見に基づいた感染症危機管理を推進してまいります。内閣感染症危機管理統括庁の閉時及び有事における業務体制と業務内容についてお尋ねがありました。内閣感染症危機管理統括庁は、閉時においては対策の実施に関する政府行動計画の内容の充実、計画に基づく実践的な訓練の実施とともに、計画が有事に機能するよう各省庁との準備状況のチェック改善を行うPDCAサイクル等の推進に係る業務を行い、有事においては政府対策本部の下で各省庁との対応を強力に統括しつつ、新たに専門家組織として設置される国立健康危機管理研究機構から提供される科学的知見に基づいて、感染症危機対応に係る政府全体の方針を策定し、各省庁の総合調整に係る業務を行うこととしています。統括庁の体制については、これらの業務が平時有事を通じて適切に実施され、司令塔機能が的確に発揮されるよう、平時38人、有事101人の定員を確保するとともに、有事には各省庁の幹部職員を統括庁に併任して、合計300人程度とすることで、必要な体制を確保することとしており、次の感染症危機にしっかりと備えてまいります。
25:05
森谷弘司議員のご質問にお答えいたします。データや知見の収集及び情報共有等の体制整備についてお尋ねがありました。今般の新型コロナ対応の課題を踏まえ、昨年12月に感染症法等を改正し、医療機関による発生届の電子的方法による入力等を推進をしております。また、医療分野でのDXを推進する際にも、次の感染症危機に備えることを重要な視点とし、引き続き感染症対策に関する情報基盤整備を検討してまいります。さらに、厚生労働省としても、引き続きWHO等から海外の知見を収集するとともに、新たに創設するべく法案を提出している国立健康危機管理研究機構等において、科学的知見を集約分析する体制を確立し、得られた知見等を政府内において活用するとともに、自治体等の関係機関に迅速に共有をしてまいります。その上で、平時から都道府県や保健所設置市区、地域の医療関係者等から構成される都道府県連携協議会を立ち上げ、情報共有のあり方などを 協議しておくことを通じて、感染症発生まん延時に各種のデータや科学的知見が速やかに情報共有され、迅速に対応できるようにしてまいります。人獣共通感染症への対応についてお尋ねがありました。人と動物は相互に密接な関係があることから、人獣共通感染症に対しては、ワンヘルスの考え方に基づいて、相互的に対応していくことが重要であります。厚生労働省においては、1死、10死の届出から発生動向を監視するとともに、関係省庁等と連携し、愛顔動物、野生動物の感染症に関する調査研究、海外からの動物の輸入禁止や輸入届出の措置等により、感染症の国内侵入の防止等に取り組んでおります。内閣感染症危機管理統括庁の設置等により、指令等機能が強化される中で、厚生労働省としては、感染症対策部や各、今国会に関連法案を提出している国立健康機器管理研究機構、いわゆる日本版CDCの設置等により、人種共通感染症対策も含めた感染症対策を強化し、関係省庁等ともより一層連携を図ってまいります。ワクチンや治療薬等の確保についてお尋ねがありました。ワクチンの生産体制については、令和3年6月に閣議決定されたワクチン開発生産体制強化戦略に基づき、関係省庁とともに国内企業への必要な支援を引き続き行ってまいります。また治療薬など医薬品については、厚生労働省において、次なる感染症機器に備えた重点感染症の暫定リストを作成しており、それに基づき備蓄を含め、具体的な医薬品の確保のあり方について検討を進めてまいります。感染症機器に備え、緊急時に迅速かつ確実にワクチンや治療薬が確保できる体制の整備に向けて、今後とも関係省庁と連携しながら取り組んでまいります。
29:18
立憲民主、社民の水野基子です。質問の冒頭に一言申し上げます。昨日より、陸上自衛隊の第8指団長ら10人の自衛官が搭乗したヘリコプターが、宮古島沖で消息を絶っております。ご家族の皆様のご疾痛、いかばかりかとお察し申し上げるとともに、防衛省、海上保安庁ら政府関係機関による引き続きの懸命の捜索をお願い申し上げます。それでは、会派を代表して、ただいま議題となりました、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案に関しまして、内閣総理大臣、新型コロナ対策健康機関に担当大臣、子ども政策担当大臣、文部科学大臣、外務大臣に質問いたします。本日が本会議において初めての登壇となります。昨年7月から国会の一員となりましたが、国民のニーズとずれた政策が多く、愕然としています。また耳障りの良いスローガンや名称と実態が異なる政策が多い、さらに重要な政策を国会で議論せず、政府与党のみで閣議で決めることが多く、民主主義の危機的な状態と危惧しています。そのような問題意識を背景に質問させていただきます。今回の法改正で司令塔として設置される内閣感染症危機管理統括庁は、語類が業務対象外となっています。新型コロナウイルス感染症も5月8日から語類になれば業務対象外となり、統括庁が活動の対象とする感染症は当面想定されません。新型コロナ者数は多く、この冬の第8波は過去最多約21,500人。医療の現場も混乱しており、科学的な解明も途上で、後遺症で悩む人も多い。行政コストをかけて、今、司令塔として設置する統括庁の対象が国民のニーズとずれていると感じますが、岸田総理に御見解を伺います。私、そして半年後に子どもも新型コロナウイルスに感染し、医療の現場のその間、混乱がどんどん悪化しているのを肌で感じました。かかりつけの小児科が、あいにく閉院していたので、子どもはどこも受診できませんでした。ご留意になると、一般の病院で受診できますが、度重なる制度変更で医療現場は混乱しており、すぐに病院が探せない場合など、不安なときにいつでも相談できる窓口体制を都道府県が確実に維持するよう、国が自信を示すべきではないでしょうか。後藤大臣に伺います。長期間にわたり、後遺症が残っている人が多いが、原因究明の状況はどうなっていますか。網羅的に調査分析して、今後の治療に役立てるべきではないですか。また、治療時の費用負担の軽減などの考え方はありますか。岸田総理に伺います。ワクチン接種後の副反応による後遺症・死亡事例も網羅的に調査分析して、今後の対応の参考とし、国が接種を進めたのですから、積極的に後遺症として認定し、急採削も拡充検討すべきと思いますが、どのような本心で進めていますか。岸田総理に伺います。布製で予防効果が低いアベノマスクの配布500億円以上、期限切れ等のワクチンの廃棄2120億円以上、バータリ的なばらまきとも感じる様々な給付金、開発してもあまり活用されなかった複数のアプリ、次のパンデミックに備えた司令塔創設で話題をすり替えるのではなく、これまでに政府が巨額の税金を投入したコロナ対策の費用と効果について全面的に検証して改善し、国民にも説明すべきと考えますが、岸田総理に見解を伺います。コロナ治療薬が期待されますが、開発状況はどうなっていますか。国から約75億円もの巨額支援を受けた大阪ワクチンは開発断念となりましたが、ワクチンの国産化の見込みはどうなっていますか。食料やエネルギーなどと同様、コロナ治療薬やワクチンも含めて、国民の安心・安全に必要な物資は迅速に、妥当な値段で供給できるように国内生産が望ましいと考えます。コロナにかかわらず、国産の新薬創出を促進するための政府の産業政策も併せて、岸田総理に伺います。新型インフルエンザ等対策推進会議の委員は35人もいますが、特措法が限定列挙する感染症に関して高い指揮権を有するもの、その他の学識経験者に対応する委員は半分以下と思われます。利害関係者やいわゆる御用学者ではなく、客観的に専門的な検討を行える委員を選出すべきであり、委員選定の基準や具体的なプロセスを後藤大臣に伺います。過去にコロナ対策が迷走し、国が感染防止と産業支援のどちらを向いているのか混乱が見られました。EBPM、証拠に基づく政策立案を重視し、まずは感染症に関する専門家が客観的な観点で分析をした上で、産業支援も含めた総合的な政治判断を行うべきと考えます。これまでのコロナ対策でEBPMの観点でどのような問題点があったか。今回、日本版CDCが設置されるとEBPMの観点で何が改善されるのか。またCDCと対策推進会議はどのように役割分担をするのですか。岸田総理に伺います。同様に新型コロナ対策健康機器管理担当大臣と経済財政政策担当大臣の兼務は、ブレーキとアクセルを一緒に踏んでいる状態で不適切と考えます。感染症対策と経済対策は異なる大臣が責任を持って担当した上で、総合的にバランスを取る構造とすべきではないですか。岸田総理に伺います。感染症拡大防止措置に係る財源確保のため、地方自治体の地方債の記載の特例を設けることで、結果として地方自治体の負担が拡大し財政悪化につながる恐れはないでしょうか。感染症の蔓延は自治体の枠を超えており、国と自治体が作業は分担するとしても国が責任を持って財政負担をするべきではない ですか。岸田総理に伺います。衆議院において、新たな感染症が発生した場合に特措法を適用するかの決定は厚労省であるとの答弁がありました。これでは統括庁は受け身となり、迅速な危機対応ができないのではないでしょうか。統括庁は主体的な関与が必要と考えますが、岸田総理に伺います。続いて、学校教育と感染症につきましてお尋ねいたします。私は中学生と小学生の子供の親であり、3年にもわたるコロナ禍で学校の現場は混乱しているのを肌で感じています。突然の登校停止から始まり、黙職、入学式や運動会、修学旅行などの行事は中止や縮小、不登校も増えています。度重なる制度変更で学校の先生の負担も増えています。コロナ禍で混乱している学校教育の立て直しに、どのような体制と方針で政府が望むのかお尋ねします。そもそもなぜ4月に立ち上がった子ども家庭庁は、教育が担当外なのですか。子どもが真ん中と言いながら真ん中が抜けています。文部科学省等への勧告権だけでどの程度実効性があるか疑問です。5塁移行という新たな変化も含めて、コロナ禍を超えて学校教育を立て直す具体的な方策について、子ども家庭庁が関係省庁とどのような役割分担で進める かも含めて小倉大臣に伺います。感染症5塁のインフルエンザは、学校保険安全法で出席停止が定められています。一方、新型コロナが5塁に移行すると、今のままでは出席停止はできず、学校現場で不安視する不声があります。5塁移行前に学校保険安全法施行規則を改正すべきと考えますが、長岡大臣に伺います。この際、一元の子育て支援について岸田総理に伺います。子育て世代の大きな悩みは教育費で、少子化の大きな原因にもなっています。教育費の負担軽減は緊急課題です。人と未来に積極投資する国でありたい。北欧諸国のように、大学までの学費を無償化し、奨学金も給付型に転換して、支払い中の方も救済すべきと思いますが、岸田総理の見解を伺います。続きまして、コロナ禍から始まった社会不安の広がりにつきまして質問させていただきます。コロナパンデミックに続けて、今度は戦争かと国民の中に社会不安が広がっています。南西諸島で吉賀が進む真手島から、わずか10キロの種ヶ島の住民から不安の声が寄せられ、私は種ヶ島を訪れました。種ヶ島には宇宙センターがありますので、この際、私が28年働いたJAXAにも少し触れさせていただきます。ロケットが連続失敗して大変残念ですが、ぜひ前を向いて頑張ってほしい。宇宙は安全保障の戦略領域であり、近年JAXAでは安全保障等の政府支援業務が増えていますが、予算や人員はあまり増えないため、本来業務の研究開発を圧迫していることを、この際お伝えいたします。さて、種ヶ島では、真手島の基地建設をきっかけに漁業の廃業が相次ぎ、島の生活は一変していました。騒音や環境被害も心配されます。種ヶ島宇宙センターの近くでも、自衛隊員の宿舎などの建設が始まりました。防衛省自衛隊がJAXAの施設を自衛隊の防衛用に転用する可能性はないでしょうか。コロナ禍においては、国民は十分な情報がないまま、類似の制度変更に振り回されてきました。今度は戦争の誘因となり得る反撃能力を含み、増税にもつながり得る安保三文書が、国会や国民に説明がないまま閣議で決定されました。国民の中には、このままでは、いつか本当に戦争が起きるのではないかとの心配が広がっています。そして、その中には、世界第3位の軍事非大国にもなる以上、少子化社会の中で、いつか朝平成にも行き着いてしまうのではないか、などの不安な声も寄せられています。岸田総理は、そのようなことは絶対ないと言い 切れますか。いずれにしても、国民や国会にもっと丁寧に説明すべきではないでしょうか。コロナ対策のための予備費の一部が、防衛費の財源とされる可能性があります。そもそも、近年、国会の事前議決なしで使える予備費の積み増しが状態化し、令和4年度は実に約11兆円もの巨額予備費が計上されましたが、これは財政民主主義の観点で問題です。鈴木財務大臣は、建設国債を戦後初めて防衛費の財源として活用すると述べましたが、建設国債は特例法を国会で制定せずに発行でき、防衛費増長の歯止めがなくなるので問題です。そもそもの防衛費増長の発端である安保三文書は、国会や国民に説明することもなく、政府与党だけの閣議で決定しています。そのことを国会で問われた岸田総理は、政府与党において丁寧なプロセスを経て方針を決定したと述べました。このような政府の姿勢は国会、国民の軽視であり、民主主義に反するのではないでしょうか。内閣委員会でマスの官房長官が認めたように、安保三文書は現行法を超え得る法的措置が必要な事項を複数含みます。一旦撤回して精査すべきと考えますがいかがでしょうか。政府の意思決定と国会、国民での説明についての基本的な考え方を岸田総理に伺います。私の 地元、神奈川には米軍基地が多く、新型コロナ感染拡大時は米軍関係者への感染症対策の徹底が問題となり、米軍基地のある横須賀などでは感染爆発が起きました。日米地位協定は日本法令を遵守と尊重としているが、実態としては日本の法令は遵守されていません。住民や基地労働者の被害が起きても、日本側当局の立ち入りが困難で事実確認もできず、改善が難しい。諸外国は米国と交渉し地位協定を改正しており、日本の地位協定は立ち入り権など他国の地位協定より不利な内容となっています。感染症指令等が機能して水際対策を徹底するためには、そして日本国民の安全安心を守るためには、日米地位協定の改正が必要です。憲法改正より日米地位協定の改正に取り組むべきですが、林外務大臣に見解を伺います。感染症対策を強化することは大事ですけれど、これまでの対策の客観的な評価と改善検討がなければ、より良い対策は行えません。新型コロナがまだ収束していないのに、せっかく感染症指令等として新設する統括省が、新型コロナは対象外で当面対象とする感染症がないのは、国民の期待とずれています。近年、見栄えが良くても実態が異なり、国民のニーズからずれている政策が多いと感じます。さらに安保三文書のように、国民生活に関わる重要な政策を国会で議論せず、 与党内の閣議で密室的に決定することが多く、国民は不安を覚えています。政府には国会、国民と誠実に向き合い、丁寧に説明し、異なる意見にも耳を傾けるよう説明いたします。いずれにしても、立憲民主党は、我々野党は、そして国民一人一人は、暮らしと子どもたちの未来、日本の未来を守るために、たとえ国民と向き合わない政府であっても、私たち自身は政治と向き合い、変えていかなければなりません。政治は結局は数の論理であり、早期に政権交代を実現さればならない、との決意を申し述べ、私の質問を終わります。ありがとうございました。
45:12
水野元御議員の御質問にお答えいたします。内閣感染症危機管理統括省の対象となる感染症等についてお尋ねがありました。統括省は感染症の発生及び蔓延の防止に関し、政府全体の立場からの総合的対応が必要となる場合に、司令塔起動を担うこととしております。感染症法上の5類感染症については、症状の程度等を踏まえ、政府全体の立場からの総合的対応が必要となる感染症とは言えないことから、基本的には統括省が総合調整を担う場面は想定されなくなりますが、御指摘の抗イーショウへの対応や必要な医療体制の確保などについては、所管省庁においてしっかり対応してまいります。また、5類感染症であっても大きく病原性が異なる変異株が出現するなど、国民生活や国民経済に重大な影響を及ぼす恐れがある場合には、統括省において政府全体の方針立案や各省庁の総合調整を行うこととなります。統括省が司令塔機能を発揮することを通じ、国民の生命健康の保護と社会経済活動との両立を図りながら、次なる感染症危機に迅速的確に対応してまいります。新型コロナ後遺症及びワクチン接種後の副反応についてお尋ねがありました。新型コロナの罹患後症状、いわゆる後遺症については、令和2年度より実態や病態を明らかにするための調査研究を実施し、国内外の科学的知見を診療の手引きに盛り込み、幅広く医療現場へ情報提供をしています。また、後遺症の診療は他の症病と同様、公的医療保険制度の給付の対象となります。新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度により情報を収集し、専門家により分析や評価を行っています。加えて、あらゆる後遺症も含め、こうした症状の実態 把握に関する新たな研究や調査も開始しています。さらに、接種後の健康被害については、予防接種法上の健康被害救済制度に基づく幅広い救済に努めております。新型コロナ対策の検証についてお尋ねがありました。未知の感染症危機に対し、専門家の意見を踏まえつつ、新型コロナ対策を講じてきましたが、これまでの新型コロナ対策に関する予算が何に使われ、どのような効果があったかという点について、情報公開法に基づく情報公開や検証を行い、国民の皆様に丁寧に説明していくことは重要であると考えております。政府としては、会計検査員の検査報告の趣旨をしっかりと受け止めるとともに、行政事業レビューなども活用しながら、個々の事業や施策についてしっかりと評価を行い、将来の感染症対応や今後の予算編成につなげてまいりたいと考えています。また、経済対策に盛り込まれた主な事業については、経済財政諮問会議において執行状況のフォローアップを行い、情報開示をしているところであり、こうしたものも活用しながら、新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。コロナ治療薬の開発状況と国産の治療薬やワクチンの開発支援等についてお尋ねがありました。新型コロナの治療薬の開発状況については、国産の治療薬も含め、Aメドを通じた研究開発支援や企業知見の支援を実施しており、これまでに知見を支援した4剤が医療現場で使用されているところです。新型コロナワクチンの国産化の見込みについては、Aメドや厚生労働省による支援の結果、現在2社から薬事承認申請がなされ、その有効性や安全性について審査を行っています。また、製薬産業は国民の健康医療の向上に寄与する重要な産業であり、我が国の製薬企業が世界に通用する革新的な医薬品を生み出すよう支援することは重要であると考えています。このため、医療保険制度の枠組みの外で、厚生労働省を中心に、内閣府経済産業省を含む関係省庁が一丸となって、創薬スタートアップに対する研究開発から実用化までの総合的な支援や、知見環境等の創薬基盤の整備などの取組を進めているところであり、引き続き創薬力の強化に向けた製薬企業への支援を推進してまいります。感染症対策におけるEBPM等についてお尋ねがありました。これまでのコロナ対応について、昨年6月に取りまとめられた有識者会議の報告書では、科学的知見に基づく政策プロセスに関して、総理が司令塔となって行政各部を指揮命令し、一元的に感染症対策を行う体制を強化すること、科学的知見と根拠に基づく政策判断に資するため、政 府における専門家組織を強化すること、国内外の情報データや専門知識の迅速な収集、共有、分析、評価に加え、国内の疫学臨床研究を行う能力の向上を図ること、などが次の感染症危機に向けての課題として指摘をされました。こうした課題を踏まえて、今国会に提出している関係法案が成立すれば、今後の感染症危機に対し、政府として、統括庁の司令塔機能の下、国立健康危機管理研究機構、日本版CDCから、政策ニーズに沿った科学的知見の提供を受け、それを踏まえた政策案について、新型インフルエンザ等対策推進会議から意見を伺った上で決定し、対策を講じていくこととしております。また、新型コロナ対策においては、感染対策と経済活動の両立を図ること、これが重要であることから、新型コロナ対策健康危機管理担当大臣と経済財政政策担当大臣の見務が不適切であるとの指摘は当たらないと考えております。国と地方の財政負担についてお尋ねがありました。感染症危機が発生した際、地方自治体は行政検査や病床の確保等、関係法令に基づいた多様な役割を果たすことになりますが、感染症拡大の迅速な防止のためには、地方自治体が感染拡大防止措置に係る財源を確保しやすくすること、これが重要です。