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衆議院 憲法審査会

2023年04月06日(木)

1h31m

【公式サイト】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54499

【発言者】

森英介(憲法審査会会長)

新藤義孝(自由民主党・無所属の会)

中川正春(立憲民主党・無所属)

馬場伸幸(日本維新の会)

北側一雄(公明党)

玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)

奥野総一郎(立憲民主党・無所属)

篠原孝(立憲民主党・無所属)

赤嶺政賢(日本共産党)

北神圭朗(有志の会)

森英介(憲法審査会会長)

山下貴司(自由民主党・無所属の会)

城井崇(立憲民主党・無所属)

三木圭恵(日本維新の会)

國重徹(公明党)

田野瀬太道(自由民主党・無所属の会)

本庄知史(立憲民主党・無所属)

船田元(自由民主党・無所属の会)

20:10

(咳払い)ご視聴ありがとうございました

21:30

これより会議を開きます。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正をめぐる諸問題について、討議を行います。この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず各会派1名ずつ代会派順に発言していただき、その後各委員が自由に発言を行うことといたします。それではまず各会派1名ずつによる発言に入ります。発言時間は7分以内といたします。発言時間の経過につきましては、おおむね7分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。発言は、自席から着席のままで結構でございます。発言の申出がありますので、順次これを許します。信藤義孝君。自由民主党の信藤義孝でございます。この度は、この緊急事態状況について、一心国民有志3会派が共同提案をされ、本日の配付資料としてその概要が示されております。後ほどそれぞれの会派よりご説明があると思いますが、この内容は、これまで審査会において討議されてきた内容を反映されたものであり、伝説的かつ真摯な議論の結果として還元したいと、このように思います。今後は、私たちが申し上げている観点も含め、審査会において、さらに議論を深め、作業を詰めていきたいと、このように考えているわけであります。これまでの討議で、議員任期延長については、国会承認の際の議決要件と裁判所の関与の是非、その在り方が残る論点として絞られていると思います。この点につきましては、私も意見を申し上げておりますので、各会派からのご意見もいただき、引き続き論議を進めていきたい、深めたいと考えております。なお、議員任期延長の前提となっている参議院の緊急集会については、この審議会において、それが一時的、限定的な性格を持つという意見や、最大限これを活用しては、というような意見が出されております。今後、参議院憲法審査会での討議の状況も見ながら、議論のレベルを合わせていくことになると思われます。この際、私から申し上げておきたいのは、そもそも私たちがこのような緊急事態状況の論議を行う大前提は、国はいかなる状況に陥っても国会機能を維持し、民主的統制の下で国家運営を行っていかなくてはならない、ということであります。そして、緊急事態が発生し、平時のルールでは国会が機能不全に陥ってしまう状況になれば、その際は例外的な措置をとってでも国会機能を維持する必要があり、緊急事態状況はその根拠となる規定を憲法に整備しようとするものであります。つまり、やむを得ない場合に備えるための状況であって、積極的にこの状況を活用するような意図を持つ者ではありません。その上で、緊急事態状況により国会機能の維持を図ろうとしても、それでも維持できないような場合、すなわち議員が参集できない、国会が物理的に開会すらできないような究極の事態も想定しておかなくてよいか、という問題が残るわけであります。今、議論をしております国会機能維持のための議員任期延長では、対応しきれない事態が想定される以上、他国の憲法にあるような究極の事態において、内閣が一時的に国会機能を代行する緊急政令・緊急財政処分の制度についても議論が必要ではないかと、このように考えます。こうした内閣による緊急政令・緊急財政処分の権限発動は、あくまでも一時的、暫定的な国会機能の代行であり、国会機能が回復した時点で、速やかな国会の同意を必要とすることは、セットで考えたい、と、このように思います。本日は、憲法9条の改正について、私なりの考え方を、お手元の配付資料に沿って説明をしたいと思います。まず、この9条を議論するにあたっての大前提は、日本国憲法三大原理の一つである「平和主義は堅持する」ということであります。9条1項の「戦争放棄」と2項の「戦力不保持」「公選権否認」は、いずれも徹底した平和主義の精神、すなわち「戦士防衛」を端的に表したものであり、この原理は今後もしっかり受け継いでいくものと考えております。他方、近年中国の軍事力の増強、北朝鮮による核やミサイル開発の進展、宇宙やサイバー空間といった新たな安全保障領域の誕生など、我が国を取り巻く安保環境は劇的に変化をしています。さらに、昨年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略は、1年を超えてもなお激しい戦闘が継続しており、ウクライナ問題は決して対岸の火事とは言えません。こうした安保環境の激変に対応するため、我が国は平和安全法制を整備し、昨年暮には新たな防衛三文書を閣議決定しました。しかし、これらはすべて法律やそれ以下の閣議決定などで定められているものであります。まず、配付資料の1、国防規定自衛隊をご覧になってください。そもそも、国の最大の責務は、いかなる場合においても国民の生命と財産、領土や資源を守り抜くことです。にもかかわらず、この国家の最重要任務に関する規定が、基本法である憲法に全く存在しないことは、独立主権国家の憲法としておよそ不自然であり、原法憲法には最も根幹にあたる規定が欠落していると言わざるを得ません。我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つという自衛隊法や、自体対処法といった法律に規定されている国防の概念を、その大元である憲法に規定することが、特に障害になるとは考えられません。本来、こうした国家の根幹にあたる概念は、基本法にある憲法に基づいて導かれるものであり、既に法律で規定されているものを憲法に規定することは、むしろ当然と言えるのではないでしょうか。そして、この国防になる実力組織として、自衛隊を憲法に明記することは、基本法である憲法を掲げる、あるべき国の形を整えることにつながると考えております。このような考えに基づき、私たちは、原稿の9条1項2項をそのまま維持した上で、9条の2として、全項の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として自衛隊を保持する旨の規定を設けては、と提案をしているわけであります。次に、配付資料の2、必要最小限度選手防衛というところをご覧ください。国防及び自衛隊の規定を設けたとしても、原稿の9条1項2項はそのまま維持しますので、自衛権の行使は必要最小限度という現在の解釈に全く変更はございません。先ほど説明した必要な自衛の措置という表現には、最小限度の文言がないというご指摘をいただくこともございますが、この表現は昭和34年の砂川事件最高裁判決にある文言、すなわち、我が国が自国の平和と安全を維持し、その尊立を全うするために必要な自衛のための措置を取り得ることは、国家固有の権能の公私として当然のことと言わなければならないという判決文を参照したものです。そしてここで言う必要な自衛のための措置の意味は、配付資料の中央、平和主義9条1項2項を基本原則とする憲法が、自衛の措置を無制限に認めているとは介されないとあるように、あくまで必要な自衛のための措置は必要最小限度選手防衛のことであるとの解釈を堅持するものであります。さらに配付資料の3、シビリアンコントロールのあり方について、私たちは9条2の第1項として、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とするという政府内の統制と、第2項として自衛隊の行動は国会の承認、その他の統制に服するという国会による民主的統制の両面から規定し、シビリアンコントロールについて提案しています。この考え方も自衛隊法や自治体対処法などに規定されているものであり、基本法たる憲法に規定することは当然のことと考えております。国防安全保障に関する議論は、緊急事態条項の議論と合わせ、国の根幹をなすものであります。それだけに各会派には様々なご意見があると思いますが、大切なのは、各会派が1つのテーブルにつき、様々な意見を用い、議論を深めていくことです。その議論の経緯を国民の皆様に明らかにしていくことこそが、国民投票を行う際の最も重要な要素になると考えております。次回以降、この審査会における討議の中では、この重要なテーマについても各会派委員との意見交換を行い、より議論を深めていきたいと考えております。ぜひ、各会派の委員なりのご意見をお頂戴いただければと思います。今朝の幹事会において、来週の定例日にも審査会を開催し、議論を継続することを提案いたしました。今後も憲法審査会が安定的に開催され、充実かつ深い議論が行われるよう、委員各位のご理解とご協力をお願いして、私の発言といたします。

30:32

次に中川雅春君。

30:35

会長、中川君。

30:38

立憲民主党の中川雅春です。今日は、立憲民主党が進める論件の中身について、総括をしていきたいと思います。時代の変遷とともに、憲法をもみ直すことが必要だと言われています。しからば、その具体的な立法事実は何か。これが論件の出発点であります。続く論件の過程で、第一には、現状において憲法に違反するような権力の乱用や、政権に都合の良い憲法解釈の変更がなされていないかという検証。第二には、新たなルール規定が必要な事象が現れたとして、法律の改正で整理することが可能か否かという検証。そして第三には、憲法制定時には想定されなかった新しい課題に対して、憲法の改正をもって整理することが望ましいということではないかという検証。こうした手順を大事にしていくことが論件だというふうに思っております。立憲民主党では、まず次に述べる4つの分野に焦点を当て、各々の憲法上の課題について具体的な議論を進めています。一つは、情報化社会と人権保障、そして地方自治、国会の在り方、そして安全保障であります。現在、各分野において中間報告をまとめつつあります。まず第一に、情報化社会と人権保障の分野では、議論を3つの領域に分けて、その解決の方向性を探りました。一つは、国家や組織等からデータを通じて制御されない自由を保障する自己情報コントロール権。二つ目は、国家に必要な情報を開示させる請求権である情報アクセス権。三つ目は、多種多様で健全な情報に接する環境を保つように国家等に求める権利である情報環境権であります。国民投票法改正の議論においても、上記の権利についてさらに広く深く考えていくということが必要だと思っております。第二に、地方自治の分野では、憲法における地方自治規定は、その規定密度の低い点において議論の余地があると思っています。その上で、理念としての地方自治の本質に、団体自治や住民自治に加えて、保管性の原理や近接性の原理を読み込むべきではないだろうかということ、さらに、地方文献を進める観点から、法律と条例の関係を問い直すことや、政省令委員から条例委員への法体権の見直し、同時に自治財政権の確立ということも必要だということ、この方向性をもって議論を深めていくということだと思っています。また、中間報告では、統治機構の在り方としては、現状の一律の二元代表制という制度以外に他の選択肢を設けることや、住民投票や外国人の政治参加についても、さらなる議論が必要だとしております。特に、憲法上の結論を出していかなければならないとすれば、繰り返される一票の格差訴訟や、合区問題への対応であります。平等という概念を人口比例原則だけで捉えた今の選挙の加わりだけでなく、行政区単位で代表を出すことで、人口減少地域からの代表選出を保証すべきだという意見も根強く出ております。参議院の役割の見直しなども念頭に、憲法を見据えたさらなる議論が特に今の時点で必要であるというふうに考えています。第三は国会の在り方であります。憲法は徹底した国会中心主義を採用しており、平時有事を問わずいかなる場合でも国会機能の維持は大前提です。まず、内閣総理大臣による解散権の恣意的な行使に対しては、解散権行使を法律で制限するか、または改憲が必要だというふうに考えています。また、憲法53条に基づく臨時会招集の要求を内閣が放置する憲法違反が常態化をしています。私たちは、招集期限を法定する内容の国会法改正案を衆議院に提出をしております。さらに、緊急時における内閣への権限集中については、各分野の個別法で対応し得る現状の形を、危機事態の想定を厳しくしながら、法律でもって改正していくことが適切だと考えています。その上で、任期満了時に大規模災害等で選挙が執行できない状況を想定した中での、参議院の緊急招集などの議論は、選挙困難事態という形で捉えていくこと、さらに、選挙困難事態の具体的な定義や判断主体などの議論が、まず、選考されなければならないと思っております。その上で、その間の国会機能をいかに持続させるかという観点で、平時の国会機能に関する諸課題と合わせた全体的な話の中で整理していくことが必要だと考えます。すなわち、解散権、臨時会の招集義務、オンライン審議などと並行して、参議院の緊急集会、議員任期の延長の仕組みを総合的に議論すべきであります。中でも、特に参議院の緊急集会については、参議院の憲法審査会自身の議論が、選考されるべきだというふうに考えています。また、最高裁が、違憲審査権を適切に行使しないために、違憲審査機能を事実上、政府の一部局である内閣法制局に委ねている現状は問題であるというふうに考えます。裁判を政治や政局に巻き込まないことを前提にして、現状の裁判所を改革するのか、または憲法裁判所を創設するかなどの議論を深める必要があるというふうに考えます。第4の分野は、安全保障です。この間の議論ではっきりしていることは、まず憲法9条から導かれる選手防衛、集団的自衛権の排除、必要最小限度の自衛力という実質規範は、日本の安全保障理念の基本として現在もまた将来にわたっても大切にしていくべきことだというふうに考えます。今国会で議論されている敵基地攻撃能力や日米安保協力の見直しなどについては、憲法規範を超えるものではないかという疑念が持たれています。このようなことが議論されている今だからこそ、憲法に照らしてどうなのかという議論は、この審査会において最優先で集中テーマとして取り合えるべきだというふうに考えています。以上の4分野以外でも重要な課題はあります。欧米先進国と比較して議論の遅れが指摘されている同性婚やLGBTQの諸課題です。審査会で緊急に議論の素条に載せるべきであります。解釈と法改正により対応するのか、憲法改正がふさわしいのか、国民的合意に向けた結論を導き出すことこそ、この憲法審査会が果たすべき使命だと私は考えています。最後の指名告示として、これまで述べた取組を踏まえて、最優先で集中審議すべき項目を改めて指名します。まず、一票の格差の問題、そして同性婚、さらに安全保障であります。各会派には特にこの3つを取り上げていただいて、集中闘技の場を皆で作ることを踏み出していただくことを求めて、今日の発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。

39:12

次に、ババア信之君。

39:16

先週の憲法審査会で各政党会派から、私の主張でありました中山太郎先生のご請求に関しまして、哀悼のお言葉を賜りましたことを、心から熱く御礼を申し上げたいと思います。中山太郎先生がご請求されたことは、中山先生を主張と仰ぎ、敬愛していた私としては大きな心の痛手であります。中山先生のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、中山先生の悲願であった憲法改正、国民投票の実現に邁進していくことを、ここに改めてお誓いを申し上げたいと思います。さて、先週3月30日に立憲民主党の枝野委員より、中山方式について御発言がございましたが、根本的に中山方式に対する御理解がなされていないことに、とても驚きました。中山方式とは、憲法を議論するにあたって、会見に賛成する会派も、反対する会派も、政局を論議に持ち込むことなく、同じテーブルについて議論し、共通の認識を見出していくということ、つまり、全界一致が原則であるとは言っていません。現に、平成17年4月の憲法調査会の最終報告書の議決について、共産党が反対をしています。中山方式とは、立法府として、イデオロギーで国民を分断させないために、オープンの形で徹底的に議論し、最後は民主主義の原則に沿って、つまり多数決によって結論を出すことであります。それが中山先生の思いでした。枝野委員は、政局を持ち込まずに議論するという中山方式が、破られていると述べておられましたが、破っているのは、憲法審査会を慣例により、予算委員会開催中は開かないと言い張ったり、多くの党派が緊急事態の議員の任期延長について議論しようと、建設的な意見を述べているのに、国民投票法のネット規制のみに議論を集中させようとし、これが完璧に解決するまで、憲法改正の発議をすることは、まかりならないと主張する、立憲民主党自身ではないですか。中山先生の「爪の赤でもせんじて飲んでいただきたい旨」、枝野議員から御発言がありましたが、それはそのままそっくり、立憲民主党の枝野委員にお返しいたします。今の憲法審査会の状況を御覧になって、中山先生はいかが思っていらっしゃるでしょうか。御自身が築き上げた、憲法を議論する土台である憲法審査会で、御自身の思いが勝手に、構成の人間によって歪められ、憲法改正の道が遠のくことに、じくじたる思いでいらっしゃるのではないでしょうか。枝野委員は、私は一日も早く国民投票法採決の傷を癒し、中山方式と呼ばれた建設的な議論が回復することを望んでいました、とも発言されました。この発言こそ、構成で民主的な方法で取られた採決を、強硬採決と言い張り、中山先生の御意見にケチをつける、けしからん発言です。我が党は、先週、国民民主党有志の会と、緊急事態時の国会議員の任期延長について合意し、成案をまとめました。真摯に議論するというのであれば、この三党派でまとめた案を議論してください。論件だというなら、どこの党が出した条文案であろうと、議論すればよいのであり、少なくとも私たちは、別の党がもしこの法案に対して対案を出されるのであれば、カンカンカクカクの議論をする準備は整っています。論件を自負される立憲民主党も、この国会議員の任期延長について、条文をまとめられてはいかがでしょうか。枝野委員は、中山法式とは、現状のように、ただ形式的に、あるいは、国会対策的に野党を巻き込もうとしたものではありません、とも述べられました。いつまで巻き込まれるという、受動的なお立場を、論件を掲げる立憲民主党が持ち続けられるのですか。喫緊の課題である緊急事態時の国会議員の任期延長については、維新、国民民主、有志の会でまとめた条文案が、憲法審での意見集約の叩き台になり得ると考えています。自民、公明はもちろん、立憲民主党も、過急的速やかに成案を出し、一致を得るよう真剣に取り組んでいただきたいと思います。この問題に、イデオロギーが支配する余地はないはずであります。また、三党派の合意では、憲法裁判所については、今国会中に成案を得ることを目指す、国会機能が維持できない場合に備えた緊急政令及び緊急財産処分に係る規定についても論点を整理し、条文案の作成に向けて引き続き検討を進めるとしており、我々は普段の努力をもって、この緊急事態条項に取り組むことは言うまでもなく、他の改正項目についても、志を同じくして取り組んでいこうと決意を新たにしています。国民のため、国のための建設的な憲法改正議論を、一日も早く行うことが、国会議員の責務として課せられています。ここに出席されている全員に、憲法改正に共に真摯に取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私からの発言を終わります。

45:08

次に北川和夫君。

45:17

公明党の北川和夫です。いかなる緊急事態が発生しても、国会は唯一の立法機関、全国民を代表する国権の最高機関として、その役割を果たしていかねばなりません。そのため、緊急事態において国会機能の維持をどう確保するのかという観点から、党審査会では昨年来論議を積み重ねてまいりました。まず緊急事態が発生し、議場に国会議員が参集するのが困難となった場合にどうするのかが議論され、憲法56条1項の出席の概念は、例外的にオンラインによる出席も含まれるとの意見が体制となり、その結果を昨年3月、衆議院議長に報告したことはご承知のとおりでございます。次に、大きな論議となっているのは、議員任期満了前、もしくは衆議院解散後に緊急事態が発生し、国政選挙の適正な実施が長期間困難と認められるときに、国会の機能を維持するため憲法を改正して、国会議員の任期の延長ができるようにする必要があるのではないかということです。緊急事態における議員任期延長の必要不可欠な要件は、国政選挙の適正な実施が長期間困難という選挙困難事態であることです。3月22日の審査会で述べましたように、選挙困難事態とは、大規模な自然災害など緊急事態の発生により、選挙の一体性が害されるほど広範な地域において、国政選挙の適正な実施が70日間を超えて困難であることが明らかであると認められる事態と定義されます。また、選挙困難事態の認定について国会の承認があると、内閣は速やかに事態認定の日から最大6ヶ月以内の日に選挙期日を延期し、延期された選挙期日の前日まで議員の任期を延長するとします。逆に申し上げますと、当然のことでありますが、どのような緊急事態が発生しようと、選挙困難事態と認定されないのであれば、予定どおり国政選挙を実施するだけで、議員任期の延長という問題は生じません。緊急事態においては、内閣に法律に変わる緊急政令を発布する権限を持たせるべきか、等のその他の論点がありますが、その答否は別といたしまして、これは議員任期延長の有無にかかわらないテーマであることを確認をしたいと思います。また、選挙困難事態の認定に係る国会承認の一決要件について、過半数でもよいのではないかとの意見があります。憲法上定められた国会議員の任期は、議会正民主義の土俵にかかわる事柄です。衆議院議員は原則4年、参議院議員は6年と憲法上明記されているのは、正当な選挙によって、試験者である国民から国政を信託された期間、期限を意味するものです。日本国憲法の全文冒頭にあるとおりです。緊急事態において、議員任期の延長を認めるとすると、これはその重大な例外となるもので、やはり国会の承認には、各議員の3分の2の特別多数が必要と、厳格に考えるのが適切と考えます。さらに、国会議員の任期延長の効果をもたらす選挙混乱事態の認定には、手法の関与が必要との意見があります。まず、憲法裁判所を創設し、これを関与させようという考え方があります。しかしながら、憲法裁判所の創設には、その是非事態に多くの論点があります。また、現行憲法の司法権をはじめ、統治機構に大きな変更をもたらすもので、憲法の改正が当然必要であることは言うまでもありません。さらに、仮に憲法改正をして、憲法裁判所を創設することが認められたとしても、その権限の内容、訴訟手続き、裁判所の組織、裁判官の資格等、法律等で詳細な制度設計が必要となります。議論することは全くやぶさかではございませんが、直ちにその創設ができるものではなく、少なくとも緊急事態における議員任期延長の課題とは、切り離して論議をされるべきと思います。次に、現行憲法の違憲審査制度の下で、司法の一定の関与ができないか、ですが、裁判所法3条では、裁判所は一切の法律上の訴訟を裁判し、その他法律において定める権限を有するとあります。選挙訴訟や国民投票無効訴訟のように、別に法律で要件手続き等を定めて、法的要の客観的適正を保障しようとするもので、いわゆる客観訴訟と呼ばれています。議員任期延長の効果をもたらす選挙困難事態の認定等について、その憲法適合性を直接に争う訴訟類型を法律で創設することは検討できると思います。ただし、選挙困難事態の認定は、内閣が被災状況、復旧状況等の事情を総合的に考慮して、国政選挙を適正に実施できるのかという判断であること、また緊急を要する判断であることを鑑みますと、内閣の判断が合理的な裁量の範囲を大きく逸脱し、極めて明白に違憲であると認められる場合に無効となると考えられます。また、3月23日の審査会で、選挙技術の延期は、同一の事態で最初の選挙困難事態の認定から通算して1年を超えることはできないとしてはどうかとの、私の発言に対しまして、先週ご質問がございました。緊急事態の発生により、選挙の適正な実施が長期間困難として、選挙技術の延期、そして議員任期の延長を認めるにしても、一方で議会の民主的正当性の維持・確保を図っていかねばなりません。困難とも言うべき緊急事態だからこそ、国民の信任が不可欠です。その意味で、同一の緊急事態が継続していても、事態発生から1年の間に選挙ができるようにすべきではないかという趣旨です。東日本大震災の際、選挙技術を延期した理由は、有権者である住民が極めて甚大な被害・被災を受け、到底選挙ができる状況ではないということですが、一方で、選挙事務の執行も事実上不可能であったという事情があります。選挙管理委員会や地方公共団体の職員自身が被災者であり、また被災自治体は全国の自治体等からの応援も得て、被災者の救助・救援・復旧に懸命に取り組みました。たとえ緊急事態の状況が継続していても、事態発生の初期と1年経過後とでは、事情が相当異なっているのではないでしょうか。緊急事態の新たな発生があると認められない限り、1年という時間経過がある中で、ネット投票の活用等も含めて、選挙を実施しなければならないとすることによって、民主的・正当性の維持という要請に応えるべきと考えたところでございます。以上、本日の私の意見表明といたします。

52:53

次に玉木雄一郎君。

52:55

はい。

52:56

玉木君。

52:57

国民民主党の玉木雄一郎です。先ほど維新の場場幹事からも紹介があったとおり、先週、日本維新の会、国民民主党有志の会の3回派で、緊急事態状況のうち、議員任期の延長に関する条文案について合意を得ました。この条文案の中身は、本審査会での議論を踏まえたものでありますので、憲法改正に向けた現実的かつ合意を得やすい内容になっていると思います。今後、当審査会における成案作りの叩き台として御議論いただき、他の会派の皆さんとも丁寧に合意を得ていきたいと考えています。内容については、先ほど場場幹事から資料をもとに説明があったとおりですが、このうち選挙実施困難と、前衆議院議員の身分の復活について追加で私から説明し、奥野委員と篠原委員に、前回お答えいただき、十分お答えいただけなかったので、質問をさせていただきたいと思います。まず私たちが、この資料のうち上の自治体的要件のところに書いてある、選挙の一体性が害されるほど広範な地域において、国政選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明らかな場合に延長を認めることにしていますけれども、逆に言うと70日までは可能な限り参議院の緊急集会を活用しようという趣旨であります。決して緊急集会をないがしろにしたり、参議院をないがしろにしたり、権限の縮小を意図したものではありません。また、長谷部康生先生などが認めている、緊急集会が解散時のみならず、任期満了時にも開催できることを、条文上明記し、解釈論争に結論を出していることも前回説明したとおりであります。このことで、一時的、暫定的、限定的な対応は緊急集会。70日を超えるような長期にわたる場合については、任期の特例延長という形で、両者の住み分けを条文上明確にしているというのが一つの特徴です。佐藤勲先生の学説でも、緊急集会制度は、両院制の国会に対する極めて特殊な場合の異例的変則的措置とされており、また、緊急集会制度には乱用の危険もあるともされています。さらに、高篤政宗元法制局長官は、例えば、取り扱える案件として、条約締結の承認については、衆議院の同意をかけば、承認の効力が失われる以上、当該条約の法的地位を安定化することにはならず、かえって、相手国との信頼関係を損なう恐れがあり、緊急集会の措置としてはなじまないとされています。この論点に関して、奥野委員は、前回の審査会で、この任期の延長に関して、公選法が規定する栗述投票での国会議員の任期延長はできないと思っていると明言をされました。また、解釈や国会法等の改正で対応できないことが明確になれば、我々も議員任期の延長を議論すべきであり、議員任期の延長をするということになれば、憲法改正は自明であるとも発言をされました。これは極めて前向きな発言であり、ぜひ一致点を見出す議論を積み重ねてまいりたいと思います。今後、緊急集会でできる範囲とできない範囲、法改正でできる範囲とできない範囲を明確にするための議論に、立憲民主党におかれても積極的に関わっていただきたいと思います。なお、こうした奥野委員の発言は、立憲民主党全体の考えと捉えていいのかというのは、昨日、参議院の筆頭幹事ある杉尾議員からは、私たちの会派は、憲法改正より議員任期の延長は明確に反対と断言されているので、先週聞いた話と、昨日、杉尾議員が参議院で発言された内容が同じ党で異なっているので、これはどうなのかということを、中間報告を読むと、認める余地があるように書いてあるのですが、この点をお答えいただければと思います。もう一点、参加者の乗務案では、解散後、任期満了後の全議員の身分については、延長の国会決議をするために必要な限度において、任期は終了していないものとみなす規定を創設し、議員身分が復活した上で、任期を延長するという規定にしています。この点について、篠原議員にぜひ質問したいと思います。前々回、いらっしゃらなかったので、篠原議員は、選挙で選ばれた衆議院議員としてではなく、経験を積んだ全議員として特別な資格を与え、国政の重要事項に関与できるようにすればいい。緊急事態なので、もう一踏ん張りしていただく。立法措置でやってみて、数年ぐらい経ってから、まとめて明文化したらどうかと述べておられます。まさに緊急事態において、全議員に議員並みの国政の重要事項に関与できる権限を与えるアイデアは、慶長に値すると思います。なので、まさにそれは憲法に書くべき話なので、我々参加委員会の条文としては、全議員の身分復活規定について、憲法上明記しています。逆に言うと、議員でないものに、議員同様の国政の重要事項に関与できる権限を与えるような立法は、議員任期を定めた憲法45条46条、国会が唯一の立法機関と定めた憲法41条、参議院の緊急集会による対応を定めた54条2項などに違反する立法になると考えます。篠原委員の提案する立法は、大変ユニークなんですが、違憲立法ではないかなと。かかる立法は、なかなか実現不可能だと思うんですが、改めてここは篠原委員の考え方を伺いたいと思います。併せて、取扱える内容についても、いわゆるフルスペックでできるのかという議論があるんですが、先ほど提示をした条約承認、本予算ができないのではないかということは、この前答えをいただきましたけれども、条約承認についても、緊急集会で対応可能と考えるかどうか、あるいは、篠原委員の提案する特別な身分復活による国政の重要事項として取扱えるのか、この点についての考えを伺いたいと思います。最後に、立憲民主党の小西白行参議院議員は、任期満了前に必ず解散するという立法措置を講ずれば、憲法改正せずとも議員任期の延長ができると主張していると承知をしております。70日を超えて、長期的、確定的、フルスペックで国政の重要事項について緊急集会で処理するのは、やはり認識を前提とする言語憲法に反する立法になると考えます。なお、解散のない参議院にはそもそも適用できないのではないでしょうか。今後、緊急集会についての有識者の意見を伺う際には、自称憲法学者の小西弘行参議院議員にもお越しいただいて、ぜひ併せてご意見を賜りたいと思います。とにかく我々国民民主党は、緊急事態にこそ国権の最高機関である国会の機能を維持し、行政監視機能や立法機能を保持することで、行政権の被代化や乱用を防止し、もって憲法が保障する基本的人権を守ろうと考えています。立憲主義を貫くためにも、憲法で定める議員任期の延長は、憲法改正によって規定すべきであることを改めて申し上げて発言を終わります。ただいま奥野君からご質問があった、下原君、奥野君、簡潔にお答えいただけるなら一つお願いいたします。場合によっては次回にしていただいても結構です。どうぞ。ちょっとまた総務委員会に戻らなきゃいけないので、人が…人が…すみません。一応前回の発言は、当の調査会長である中川さんと両会の上での発言であります。だからきちんと議論して結論を出すというのは当然のことでありまして、最初から絶対会見しないということですね。結論ありきではないというのは我が党のスタンスだと思います。杉尾さんは杉尾さんの思いがあるし、ハウスが違うので、きちんとした議論をこれから積み上げていくと。いろんなご提案ありますが、いろんな諸説あるのは事実ですが、なかなかこの緊急集会についてきちんと取り上げた学術論文とかもないようですから、きちんとこの前から私が提案しているように有識者のご意見を聞いて、射程をまずきちんと決めていくと。それから当然ハウスが違う話ですから、参議院の意見も聞かなきゃいけないだろうというふうに思っていますので、きちんとした段取りとして議論を詰めていくということだと思っています。多くの委員の意見が正当派の意見だと理解しました。柴原君、御発言ございますか。私の意見も慎重に検討していただいてありがたいことですけれども、答えられると答えられないのはありますけれども、予算案もそうですよ。条約を緊急事態のときに他のところでこの条約案件に沿うというのは、想定非常にできないです。それはこういう任期延長のときとかそういうときが権限を与えるべきではないと思います。だけど今やらなくちゃいけないことについては、国会と同じような権能を与えてもいいんじゃないかと、緊急事態なんでね。だからといって全てのことについて憲法にきちんと規制しなくちゃいけないというのは、僕はそれは理想だと思います。しかし安全保障の大事な部分だって、意見じゃないと言いつつ意見だと思われるようなこともしているわけですからね。そういう技術的なことなどは、それなりに任せてもいいと僕は思います。そういうことを申し上げたんです。

1:02:47

この続きは、議会等にお願いいたします。次に赤嶺政賢君。

1:02:54

日本共産党の赤嶺政賢です。この間、私は岸田政賢が進める大軍閣の問題点を指摘してきました。一昨日は、本会議で安保三文書の報告と質疑が行われました。今日の午後には、今後5年間の軍事費43兆円を確保する財源確保法が審議をいたします。岸田軍閣と憲法との矛盾は、いよいよ深刻になっていると思います。今日は、この間の三文書をめぐる議論で、欠かすことのできない点として、在日米軍の存在について述べたいと思います。在日米軍は、1951年にサウランシスコ講和条約と引き換えに、アメリカから押し付けられた安保条約により、占領軍から条約に基づく中流軍となり、今なお全国130か所以上の基地を持ち、世界最大の約5万4千人の米軍兵力が中流しております。世界で唯一空母、打撃軍と海兵衛星軍が前方展開し、ヨコスカの原子力空母や長距離巡航ミサイルトマホークを搭載した11隻のイージス艦、数百機に及ぶ岩国・三沢・カデナの空母艦載機や戦闘攻撃機、沖縄の海兵隊やサセボの強襲揚陸艦など、いつでも出撃できる体制をとっています。さらに近年、オスプレイや無人偵察機の配備、海兵沿岸連隊への改編など、新たな部隊の増強が相次ぎ、地上発射型の中距離ミサイルの配備まで取り沙汰されております。戦後アメリカは、先制攻撃戦略を高善と掲げ、国際オイアンド侵略戦争を繰り返してきました。こうしたアメリカの強大な攻撃戦力が日本に存在し、周辺諸国に脅威を与えてきたことが、地域の緊張を生み、軍閣を誘発する要因になってきました。アメリカの圧倒的な軍事力に加えて、日本の自衛隊が、敵基地攻撃能力として、相手国領土を攻撃する長射程ミサイルを保有すれば、周辺国にとって脅威が拡大することは明らかです。第二に、岸田軍閣とアメリカの軍事戦略の関係です。今、アメリカは同盟国を巻き込みながら、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させた統合防空ミサイル防衛(IAMD)を構築しようとしています。日本の敵基地攻撃能力は、この計画の一翼を担うものです。岸田首相は、アメリカのIAMDに参加することはない、全く別物だと繰り返していますが、実態を見れば、そんな機弁が通用するはずがありません。政府は、アメリカからトマホークを400発購入して、イージス艦に搭載する計画ですが、今でも日米のイージス艦はデータリンクを経由し、一体的に運用しています。トマホークも米軍と一体のものとして運用されるのは、誰が考えてもはっきりしています。そもそも、トマホークの運用に必要な地形情報も、攻撃目標の位置情報も、米国から入手するほかはありません。さらに日米で攻撃目標の重複を避け、攻撃に最適なイージス艦を瞬時に選択するには、高度に自動化されたシステムと式統制の一元化が行われることになります。そのために、日米間で調整要領の検討までしています。南西諸島から南シナ海に至る地域の島々に、超射程ミサイルを配備するという計画も、もともとアメリカの軍事戦略から始まったものです。日本の敵地攻撃能力がIAAMDに組み込まれ、米軍の式統制の下で運用されることは明らかです。ところが、こうした具体的な指摘に対して岸田首相は、ただ自衛隊と米軍は、各々独立した式系統に従って行動すると述べるだけで、何一つまともな説明をしておりません。メディアからも無責任だという批判が出ています。岸田政権が国民や国会に何も明らかにしないまま、大軍閣を押し詰めようとしていることは、それ自体が民主主義を蹂躙する極めて重大な問題です。アメリカは20年前に始めたイラン侵略戦争で、多数の米兵の犠牲者を出しました。それ以降、同盟国や同志国を戦争の最前線に立たせるやり方に変えてきています。台湾有事は日本有事などと言いますが、それは米中の覇権争いが軍事衝突に発展したとき、日本が米軍と一体に参戦するというほかになりません。そのとき戦場になるのは、沖縄をはじめとする日本列島であり、東アジアの国々です。政治がやるべきは、この地域で絶対に戦争をさせないことです。そのために必要なのは、危機をあおって軍閣を進めることではありません。この地域の全ての国を包摂する平和の枠組みを発展させるために、全力を尽くすことです。憲法9条を生かした台湾による粘り強い外交努力こそ求められていることを繰り返し強調して、私の発言を終わります。

1:11:07

次に北上慶郎君。

1:11:09

有志の会の北上慶郎です。既にありましたように、日本維新の会、国民民主党との間で、まずは議員任期延長に関する共同案をまとめました。検討課題も残っていますが、これを機に本審査会でも常務分解の審議が加速することを期待します。詳細な説明がありましたので、私からは残された論点、2点について触れたいと思います。まず1つ目は、実態的要件において、4つの類型に加えまして、資料にもありますが、その他これらに匹敵する事態が加えられています。これについて、拡大解釈の余地が生じるのではないかという疑念があるかもしれません。こうした解釈の余地を設けたのは、我々の現時点の知恵では網羅できない事態もあるだろうという考えからです。例えばお隣の韓国でも、緊急事態状況の中で、戦時事変、またはこれに準ずる国家非常事態、言葉は匹敵と準ずるで違いますけれども、ほぼ同じ趣旨の規定がなされています。またその他これらに匹敵する事態という文言にある、その他云々といった、いわゆる並列的例示と言われるそうですが、この並列的例示については、法令の世界ではその他という文言の前に示されている例示が具体的であればあるほど解釈が限定されるというふうに一般的に言われています。その点、我々が示している4つの類型は、武力攻撃、内乱テロ、自然災害、感染症の蔓延と十分具体的だと思います。さらにここで国会が議決するのは、緊急事態の認定だけではなく、中核的な部分はいわゆる選挙困難事態です。つまり選挙の一体性を損なう後半性と70日以上の長期性、これらの要件が満たされているかどうかも合わせて審議されます。ここでも歯止めがかかるようになっていて、条文全体として、恣意的、乱用的、適用の危険性は防げると確信をしております。それでも毎日拡大解釈が行われてしまった場合に備えて、例えば憲法裁判所がこれを指摘して、国会に対して勧告などの措置を行うことができるといった司法の立場から事後的に建成できる制度をこれから検討してまいりたいと思います。もう一つの論点は、緊急事態と選挙困難事態が国会で認定されるためには、3分の2以上の議決が求められると我々の案でもされていますが、これが妥当かということです。我々としては、これは緊急事態という極めて特殊な状況に鑑みて、憲法が規定する任期を例外的に延長する行為なので、通常より慎重な議決が求められて然るべきだという発想に基づいています。これについて、新道彦幹事から、国会の議決は任意性の下、衆参それぞれが過半数で議決することが大原則となっている。過半数議決こそは民主主義の根本ルールであり、意思決定方法の原点といえるとの指摘がありました。確かにその通りだと思います。特別多数については、憲法改正の発議以外は、全て一員による議決行為となっています。この原則を形式的に議員任期の延長に当てはめたら、両院で議決をされるのだから、過半数の議決でも問題がないように思います。しかしながら、中身を見ると、少なくとも我々の案では、国会が議決の対象とするのは、先ほど申し上げたとおり、一つには緊急事態の認定であり、二つには選挙困難事態の二点であります。そして一つ目の緊急事態が認定されることにより、発生する法的効果は、議員任期の延長だけでなく、今後の検討の行方によっては、例えば国会閉会中の聴取義務とか、自民党案などにありますように、緊急政令とか緊急財政処分を可能とすることも可能、これから議論しないといけないですけれども、含まれる可能性があります。これらの法的効果は、通常の立憲的な憲法秩序を一時的に変更することにほかなりません。国会議員の任期延長もそうだと思います。そもそも憲法第45条、46条に衆議院議員、参議院議員に任期を定めているのは、安定的な議員活動を確保するのと同時に、北川委員からも話がありましたが、一定の期間を経たら必ず選挙を通じて国民の意思が及ぶことに異議を持たせているからです。平たく言えば、議員としての地位に休んじて、権力が濫用されないための憲法上の国会議員に対する縛りだと解釈することができます。そういう意味では、議員任期の例外を認めることも、やはり憲法が本来予定している秩序を一時的にせよ変更することだと言えるでしょう。新道幹事は、憲法改正は国家の根本規範である憲法の規定を変更するものとして、過半数議決の例外として当然だとされていますが、緊急事態条項は国家の根本規範である憲法秩序を一時的にせよ変更するものです。しかも、憲法改正の場合は、国民投票という国民の意思が直接反映される手続きが併せて求められますが、緊急事態条項の場合にはそうした仕掛けを設ける余地がおそらく論理的にありません。したがって、私は緊急事態条項についても、憲法改正の発議要件と同じ程度の厳格さが求められてもおかしくないように思います。少なくとも現行憲法上、半数議決となる事項、すなわち法律、予算、条約の承認、内閣総理大臣の指名といった国会の平時の権限とはおのずと次元が異なるのではないでしょうか。いずれにせよ、こうした議論を重ねながら、我々参会派の条文案もご参考にしていただいて、全体の具体案が早く得られることを改めてご期待申し上げまして、私の意見表明とします。次に、委員各位による発言に入ります。発言を希望される委員は、お手元にある名札を立ていただき、会長の指名を受けた後、ご発言ください。発言は、自席から着席のままで結構でございます。なお、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。また、幹事会の協議に基づき、1回当たりの発言時間は5分以内といたします。質疑を行う場合は、1回当たりの発言時間は、答弁時間を含めて5分程度といたします。委員各位のご協力をお願い申し上げます。発言時間の経過につきましては、おおむね5分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。それでは、発言を希望される委員は、名札をお立てください。

1:18:56

それではまず、山下貴司君。

1:18:58

山下君。

1:19:00

自民党の山下貴司です。私も、中山太郎先生のご請求について、心から哀悼の意を表します。先日、立憲民主党の江田之幸議員は、中山会長がリードした憲法調査会報告書を高く評価しており、私も同感です。さて、この調査会報告書について江田の議員は、先日私が紹介した文芸春秋2013年10月号、憲法9条私なら公開える論文で、報告書の中の論点のうち、「多く述べられた」との取りまとめがなされている論点について、次のように述べています。「多く述べられた」は大変重要なポイントです。多くの基準は、おおむね3分の2以上という数字です。つまり、国会での改正発議に関する96条を念頭に置いたものです。そこで「多く述べられた」で、とりまとめられたのですから、その手の議論はもうやめましょうと区切りがついたと考えられます。としています。ちなみに、この憲法審査会の設置も、その報告書で憲法問題を取り扱う常設の機関を設置すべきであるという意見が、多く述べられたことが理由になっています。そして、その中山調査会報告書でも、非常事態に関する事項を憲法に規定すべきであるという意見が、「多く述べられた」ともされております。ところで、枝野議員は、その文芸春秋論文で、自衛隊のあり方についても激しい議論が展開されたが、自衛権及び自衛隊について何らかの憲法上の措置を取ることを否定しない意見が、「多く述べられた」との記述があることから、何らかの形で憲法に自衛隊の位置づけを図るべきだという見解に、おおむね3分の2以上が賛同したことを意味します。とし、憲法も言って、極論のぶつかり合いばかりが続いている状況について、今こそそうした議論に終止を打たなければなりません。そこで私はこの「憲法9条第3の道」を提案します。そして、現行憲法には手を加えず、これに続けて新たな規定を追加するのが、形式としては最も適切として、憲法9条の2と憲法9条の3の具体的案文を公表しています。私がこの文芸春秋で公表された枝野議員の憲法9条改正案について、重ねて紹介するのは、枝野論文が2008年、枝野論文が安全保障有識者懇談会が2008年に集団的自衛権などを認めるべきとした、公開上の米軍防護のための自衛権行使やPK王子の駆けつけ敬語など、四類型に相当する事例について、現行憲法の解釈や憲法改正で一定程度認めようとした上、敵ミサイルが発射準備を整えた段階で自衛権行使が可能として反撃能力を容認するなど、現道和ともかく方向性において我が党と一致する部分も相当あることに加え、枝野議員が道和について建設的な議論を行うための叩き台とし、あくまで試験とするものの、本校は従来の民主党の方針とはそこがありませんとし、党内論議をはじめ、これから真に国益につながる憲法論議を深めていきたいと結んでいることに期待するからであります。従来の民主党の方針とそこがない以上、多くの立憲民主党の議員の皆さんとも議論の方向性は一致できるテーマと考えます。ところで報道によれば、枝野議員は立憲民主党の憲法調査会で、憲法改正の条文案提示を目指す他党の動きを念頭に、強硬に発議すれば国民投票で否決されると述べたとされています。しかし我々は強硬に発議しようとしているわけではありません。枝野議員が憲法9条への追加修正の具体的条文案を建設的議論の叩き台として提示したように、我々自民党も憲法9条について特定政党の案として提示しているのではなく、叩き台素案として各党と議論の方向性を一致できそうなテーマを議論する上で、最高裁判例に沿った自衛権及び自衛隊の名記、文民投票と国会承認等の民主党性の名記等の条文イメージを提案しているものであり、維新や国民民主の皆様とも方向性は同様だと思います。立民のホームページによれば、枝野議員は先日の憲法審査会で、議論の方向性を一致できそうなテーマは何なのかという点から、全ての開判案で真摯に議論し、その合意に基づいて開判で段階的に方向性を確認しながら、順次具体化していくべきと提案したとのことですが、枝野文芸春秋論文を読む限り、まさに憲法9条改正はこれに当たると思われます。立民の皆さんも、御党で長く代表を詰められた枝野議員のこの論文の立場と、相互はないと拝察します。また、先ほど申し上げた中山調査会で、意見が多く述べられたと指摘され、本日も3回派が考え方を示された緊急事態条項も含め、憲法審査会で岩屋党で議論すべきであります。中山先生の御尽力がなければ、今我々が党派を超えて、憲法審査会で議論することはなかなか困難であったでしょう。中山先生の御意思に沿うためにも、小西弘之議員の衆議院憲法審査会、去る発言を党審査会が否定する姿勢を示すためにも、党審査会での定例日の議論を続けなければならないことを込めて、私の意見といたします。

1:24:08

次に、紀井孝君。

1:24:12

立憲民主党の紀井孝です。今回は審査会の進め方について申し上げます。国権の最高機関である国会において、最高法規である日本国憲法及び、憲法に密接に関係する基本法制について、公判かつ総合的な調査を行うことや、改憲原案を審査することが、党審査会の目的であります。主権者国民の自由と権利を守り、人権を侵害することがないよう、国会議員をはじめとする権力に制約を課す、憲法のあり方について審議する、という極めて重要な役割が各委員に与えられています。ところが、現在の審査会は、前進の憲法調査会において、中山太郎元会長が確立した中山方式、今日もこの中山方式のあり方について様々な意見が出ておりますが、私としては、与野党の立場を超えての建設性議論を行う場には、残念ながらなっていないというふうに考えています。その原因はどこにあるか。前回の審査会で、かつて憲法調査会の役員を務めた我が党の枝野幸男議員が、「一つの政治勢力が自分たちの主張を強く示せば、他の政治勢力との妥協が困難になる」と指摘をしました。この間の審査会でも、自民党が提起した会見4項目を中心に議論がなされていますが、現在の審査会の運営では、中山方式で目指した「全会派での一致点」が見出し難い状況です。社会には、国民の自由や権利を脅かす憲法上の課題が様々あります。党審査会は、それらの課題に関する立法事実を掘り下げ、法改正か憲法改正かの法的手段を検討し、問題を一つ一つ解決していくべきです。そのために立憲民主党は、大いに憲法議論を進める論憲を基本姿勢としています。本日の中川正治筆頭幹事からも発言を申し上げましたように、これまで我々から、国民の自由や権利を脅かす憲法上の課題についても提起申し上げていますが、現在の審査会の運営では、それらの建設的な議論の場が確保されているとは言い難い状況です。平成17年の憲法調査会報告書など、選脱の議論の成果と蓄積を生かし、議論の前提となる相互信頼を築くため、全員の歩み寄りと努力が必要です。そこで、当審査会の運営方針を検討し直すことを提案します。与野党からの信頼が厚かった中山元会長の運営方法を習い、改めて議論の方向性を位置できそうなテーマ、何かという点から、全ての会派間で真摯に議論し、その合意に基づいて、会派間で段階的に方向性を確認しながら、順次具体化してはどうかと。そして、客観性を担保しながら、合意した内容をもとに、審査会全体で条文化を目指していくのです。これまでの審議を通じて前回は、例えば、憲法が徹底した国会中心主義を採用している点では、一致していると考えます。その観点から、まずテーマとすべきは、憲法53条公断の臨時会招集要求に対する政府の招集義務や、解散権の行使の在り方ではないか。さらには、これまで緊急時の国会の在り方をめぐって、現行憲法が緊急時の仕組みとして用意している参議院の緊急集会の位置づけや、新たな制度としての議員任期の延長が議論されてきました。参議院の緊急集会は、民主政治を徹底する検知等の見解に立ち、半数改正による参議院は万年国会であるとして措置された優れた仕組みです。立憲民主党に限らず、自民・公明・維新・国民・有志の誤解派も、参議院の緊急集会制度の射程・機能・権限に関して議論が不可欠との認識でも一致しています。有識者の意見を含めて明確に整理するため、優先的に議論することを提案します。これらを検討した結果、選挙困難事態への対処が必要となれば、国会議員の任期延長の議論に合わせて、誤解派においても考え方が一致している国会の閉会禁止・解散禁止・即日招集といった憲法改正事項について検討することを提案します。以上、森会長にこれらの進め方の提案を幹事会に取り扱うことをお願いいたしまして、発言を終わります。はい、えー、えー、キー君のご提案については、幹事会等で協議をいたします。

1:28:46

次に、美希恵君。

1:28:48

はい。日本維新の会の美希恵です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。我が党の馬場幹事、国民民主党の玉木委員、有志の会の北上委員よりご発言がございましたが、私からも、あの、補足させていただきます。その前に、先週の立憲民主党の枝野委員から、どこかの党派の案をベースに議論するのではなく、議論の方向性を一致できそうなテーマは何なのかという点から、すべての会派間で段階的に方向性を確認しながら順次具体化していく、条文案などは、などというものは、このプロセスで内容的な合意形成がなされた上で、初めて審査会全体で作業すべきもの、というご発言がございました。その前後の文脈からも、まるで私たち、三党派が、条文案を作成したことが悪いというようなおっしゃるようでございますが、緊急時の国会議員の任期延長は、イデオロギー的要素もなく、まさに議論の方向性が一致できるテーマであるにもかかわらず、立憲民主党の皆様は、条文案作成に後ろ向きで、議論さえ避けているように見えます。この緊急事態時の議員任期延長について、何度この審査会で議論を重ねたでしょうか。枝野委員がおっしゃったことは、言葉面は良くても、中身が伴わない空論だと思います。なぜなら、御自身が所属している立憲民主党が、これまで個別の法律で対応すると一言で終わらせて、議論に後ろ向きだからです。何度も議論を重ねて、一致点を見出せたので、三党派で合意できる条文案を作成しました。このことに関して責められるのであれば、この審査会全体で条文案は作成できるように、立憲民主党さんがリードしてくださればよろしかったのではないかと思います。しかしながら、今日中川筆頭幹事から三つのテーマが提案されました。三つのテーマも重要ですけれども、先に緊急事態時の国会議員の任期延長について議論していただけませんか。一言付け加えますと、私たちは東日本大震災を経験した後、コロナを経験しました。意見が一致することも大切ですが、喫緊の差し迫った不足の事態について議論することは、とても大切なことだと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。憲法裁判所については、中川筆頭幹事から前向きな御意見を賜り感謝しております。今後の議論に期待をするものです。私たち三党派は、緊急事態状況について国会議員の任期延長だけでなく、国会機能の維持、緊急整理、緊急財政処分、緊急事態時の人権の保障と制限について積極的に議論し、合意できるところから条文案を作成していくことを合意しております。また、憲法裁判所についてもしっかりと議論を前に進め、今国会中に条文案を得ることを目標としています。緊急事態時の実態要件は、実態的要件は、5要件で、1、武力攻撃、2、内乱テロ、3、自然災害、4、感染症の蔓延、5、その他これらに匹敵する事態とし、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において、国政選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明らかであることを要件とし、手続きは内閣の発議と国会の3分の2以上の議決であり、それにより国政選挙が適正に実施されるまでの間、衆議院議員または参議院議員の任期延長を上限6ヶ月、再延長かとしました。あとは選挙可能時には終了議決、これは過半数で、解散後任期満了時は全議員の民分を復活せた後に任期を延長するとしました。それから解散後40日以内の総選挙実施規定を適用除外としています。これに加えると、現状の憲法では参議院の緊急集会は、衆議院の解散時のみに適用されるのか、任期満了時にも適用されるのかということが議論されてきましたので、三党派でその点も改正案を作り、解散時に適用されるものは、任期満了時にも適用されることを明記しました。おそらく三党派の条文案は、自民党・公明党の御意見とも一致するところが多くございます。一番大きな違いは、議員の任期延長に関する歯止めの部分をどこに担わせるのかということであると考えます。私たちは司法の関与が必要だと考えますが、この部分をもっと議論して詰めていくべきと考えます。今後、建設的な議論をぜひお願いしたいと思います。以上です。

1:33:44

次に、国重徹君。

1:33:47

公明党の国重徹です。先週の審査会で、幹事長から憲法裁判所に関する私の23日の発言に関しまして、御質問をいただきました。そのポイントは、抽象的意見審査や期間訴訟が可能なのであれば、多くの訴えが行われ、意見判決が増えるのではないかという点にあると思われます。本日はこれに関して意見を述べたいと思います。まず改めて申し上げますが、意見判決の数の多か多い少ないは、我が国の意見審査のあり方を考える上で問題の本質ではありません。このことは、幹事長も裁判の数だけで良い悪いを論じているのではないと言われておりますので、共通した認識であると受け止めております。裁判所が憲法の番人たり得ているか、これを考えるにあたっては、意見判決の数だけではなく、国の立法システム、司法システム全体を見る必要があります。その上で、幹事長の抽象的意見審査や期間訴訟が可能なのであれば、多くの訴えが行われ、意見判決が増えるとは思わないかと。この問いかけについては、裁判所が憲法判断する機会が増えれば、それに伴って意見判決がこれまでより増えるということはあり得ることと思います。しかし、それが政治部門との役割分担などの中で、直ちに国民の信頼を得られるものになるかどうかは、別途検討が必要な問題です。ある制度が適切に機能して国民の信頼を得られるものになるかどうかは、その制度が土壌とする様々な要素、法文化や社会的、歴史的な背景も合わせて考えなくてはなりません。つまり、ある制度が適切に機能しているからといって、その制度をそれが定着している土壌から切り離して、別の土壌に持っていったとしても、同じようにうまく機能するとは限りません。にもかかわらず、その土壌の諸要素を深く考慮することなく、制度が良ければ他の土壌でもその制度がうまく機能するという考え方は警戒を要する。このことは、著名な憲法学者をはじめ、よく指摘されてきたところであります。この点、例えばドイツの憲法裁判所やフランスの憲法院という制度が、それぞれの土壌の中に溶け込み、国民の信頼を勝ち得るまでには、相当長い期間を要しました。連邦法や州法に対する違憲審査のほか、憲法訴願などの強力な権限を有するドイツの憲法裁判所は、今でこそその活動を通じて人権保障機関としての地位を確立していると評価されております。しかし、とりわけ1990年代頃に憲法裁判所が次々と出した違憲判決について、立法府への介入が過度にわたるなどといった批判を受け、政治部門との役割分担のバランスが崩れたり、国民の支持を失うなど、憲法裁判所制度自体に対する信頼が由来だこともあったようであります。このように、ドイツの憲法裁判所、またフランスの憲法院も同様に、うよ曲折を経て何十年という時間をかけて、ようやく現在の地位を確立し、国民の信頼を得る機関になったわけであります。その意味では、我が国の最高裁判所による不随的検診審査制は、既に我が国の土壌に組み込まれ、定着し、国民の一定の信頼を得ていると評価できる一方で、憲法裁判所を新たに創設した場合、それが我が国に定着し、国民の信頼を得るためには、相当な努力や時間を要すると思われます。その上で、先日の幹事長の発言の背景にあったのは、我が国の仕様チェックには不十分な部分があり、その欠けている部分を補う改革が必要だという思い、これが本質的なことであって、その手段として、中小的意見審査や期間訴訟を提案されていたと推察をいたします。最高裁の意見審査に対する姿勢は、極端な地方消極主義であるとも評されており、それによって人権保障や憲法保障の観点から問題が生じているのであれば、その改善策についての真摯な議論、検討は必要です。例えば、前回の審査会で柴山委員がおっしゃっていたように、現在の最高裁を前提に、その在り方を改めて検討していくことも一案だと思われます。憲法裁判所の創設に関する議論は大いに行えばよいと思いますが、これについては多くの論点があることを改めて申し上げます。23日も指摘したとおり、対象、候補者から国家の在り方を見据えて判断できる裁判官の確保や、その政治的な中立性をいかに確保するのかといった問題、また裁判の政治家や政治の裁判家という三権分流にも関わる本質的な問題もあります。憲法裁判所の創設については、我が国の法文化や社会的歴史的背景に立ち返った様々な観点からの慎重な検討が必要であると、改めて申し上げ、私の発言といたします。

1:39:04

田野瀬太郎君。

1:39:06

委員長、自民党の田野瀬でございます。発言の機会をありがとうございます。諸外国の憲法では、自国の歴史や隣国との関係に応じて緊急事態条項を備えております。他方、我が国ではこれまで幾度も巨大地震や津波を経験しておりますけれども、緊急事態に対応する憲法上の規定がございません。現在、南海トラフ地震や首都直下型地震などの発生が高い確率で想定され、特に首都直下型地震が発生した場合には、国家の中枢が機能不全に陥るなど甚大な被害も考えられます。国民の生命と財産を守るため、大規模自然災害等の緊急事態に対応するための体制を構築していくことは喫緊の課題であり、必要な規定を憲法上整備する必要があると考えます。この間、憲法審査会においては、緊急事態における国会議員の任期延長を中心に国会機能の維持に関する議論がなされています。しかしながら、議員任期延長等により国会機能の維持を図ったとしても、どうしても国会機能が確保できないといった状況もあり得るのではないかと考えるものであります。そのような不足の事態にも迅速に対処するため、一時的に内閣が立法権限を代替する仕組みであります緊急政令の制度も憲法上規定を設けておく必要があると考えます。この点、現行憲法下でも災害対策基本法、武力攻撃事態対処法、新型インフル等対策特措法などによりまして、それぞれの緊急事態に対応するための緊急事態法制が整備されており、現行法においても厳格な要件下で緊急政令を制定することは可能であるとして、憲法上に緊急政令制度を設ける必要はないとの指摘もあるところでございますが、しかしながら、想定を超えた緊急事態に対応するため不可欠な立法措置については、国会による法律の制定を待てず即座に行う必要に迫られた場合において、内閣が超法規的措置により対応するよりも、憲法の規定に基づいて緊急政令を制定する方が、法治通常の安定性や立憲主義の観点からも望ましいと考えるものです。このような問題意識から、自由民主党が平成30年に発表した憲法改正に関する条文イメージ叩き台素案には、議員任期延長規定と併せて緊急政令に関する規定も設けているところでございます。この条文イメージ叩き台素案では、緊急政令は国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときのみ、すなわち国会が機能しておらず、国会による立法を待っていては間に合わないという場合にのみ制定することができるとしているところです。国会が機能している場合には、当然のことながら国会が法律の制定を行い、緊急事態への対応にあたることになります。また、内閣が緊急政令を制定したときは、速やかに国会の承認を求めなければならないとしており、事後の国会承認が得られなかったときは、政令は執行することとしております。このように、緊急政令の制度は、国会の機能の維持すらも困難となった場合の究極の事態においても、国民の生命と財産を守るための最後の防波堤とも言うべき制度であります。事後的な国会承認によって民主的統制も図られるものと考えます。なお、緊急事態において国会の予算議決が行えない場合に、その事態に対応するための必要な財政上の支出を行うことができるように、いわゆる緊急財政処分についても併せて検討する必要があるということも申し添えさせていただきます。最後に、参考としてですけれども、ここまで申し上げた緊急政令に類する制度は、イタリア、スペイン、フランスなど憲法に規定されております。諸外国憲法においては珍しいものではございません。さらに、隣国の韓国の憲法には、緊急政令と併せて緊急財政処分の規定も設けられているところでございます。以上、緊急政令と緊急財政処分の必要性について述べさせていただきました。緊急事態における国会議員の任期延長のこれまでの議論をたっ飛びつつ、国会が機能できない場合に備えた制度についても、本審議会で議論を深められることをお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。以上です。

1:43:30

次に、本庄智史君。

1:43:33

はい、会長。立憲民主党部所属の本庄智史です。まず、国会議員の任期延長について、この間の議論を配置をしてきた所感を一言申し述べます。大規模な武力攻撃や災害が発生した場合において、特定の地域だけでなく、全国的規模で国政選挙が実施できないという状況に、どれほどの現実味があるのか、私は未だに疑問ですが、過程に過程を重ねた議論や抽象論ではなく、立法事実の精査がまず必要であるというふうに考えます。そして仮に選挙困難事態があり得るとしても、そういった究極の事態を念頭に、どうすれば国政選挙を実施する機能を維持できるのか、平時からどのようなバックアップ体制を取るべきか、といった、より現実的な政策論がなされないまま、国会議員の任期延長という憲法論だけが先行して議論されていることは、この場が憲法審査会であるということを差し引いても、国会機能の維持という観点からは、私はバランスを失していると感じています。その上で、本日は憲法の空文の問題について、2点申し述べたいと思います。第一に、選手防衛の空文化です。予算委員会に続き、一昨日の本会議でも、国家安全保障戦略など、安保三文書について質疑が行われましたが、相変わらず議論はかみ合わず、深まらないままです。その最大の要因は、従来より国会で積み上げてきた憲法解釈が変容している可能性があるにもかかわらず、岸田総理はじめ政府が憲法論に正面から答えていないからです。例えば、今回我が国が保有するとするミサイル反撃能力について、岸田総理は、必要最小限度の実力行使と繰り返していますが、必要最小限度の反撃能力の行使とはいかなるものなのか、必要最小限度を超える、すなわち憲法違反となる反撃能力の行使があるのか、あるとすればその2つを分ける基準は何なのか、また反撃能力の行使についても、他に適当な手段がないという要件は変わらないと答弁していますが、日米同盟が機能しない場合に我が国自身が備える必要があるとしても、日米同盟が存在する中で他に選択肢がないという要件を満たすのは、一体どういう状況なのか、あるいは政府は反撃能力行使が憲法上許されると考えは、孫立危機事態における反撃能力の行使にもそのまま当てはまるとの見解ですが、なぜそのまま当てはまると言えるのか、我が国自身が攻撃された武力攻撃事態と、我が国自身が直接攻撃されていない孫立危機事態を同列に論じることが、憲法上例外的に許容される反撃能力の行使についても可能なのか、このように政府が掲げる反撃能力については、憲法上の論点が三積しています。しかしながら政府は選手防衛は変わらない、審査案要件に照らし個別具体的に判断すると念仏のように答弁するばかりで、これでは国会としての役割を、責任を果たせません。前回も申し述べましたが、反撃能力については、党審査会でも議論を深めるべき憲法課題であると、改めて問題提起をさせていただきます。第二に、財政民主主義の空文化です。政府は先月3月28日、昨年度の令和4年度予算で計上したコロナ物価高騰対策予備費から2.2兆円の使用を閣議決定しました。年度末まで残り4日、しかも新年度令和5年度予算が成立した同じ日に、駆け込みで2.2兆円もの税金を政府の一存で使用決定したわけです。昨年の令和4年度だけを見ても、当初予算で5.5兆円、補正予算で6.3兆円、計12兆円弱という、まさに異次元の予備費が計上されました。その規模も種とも、憲法第87条に規定する、予見しがたい予算の不足に当てるための予備費とは到底言えないものです。こういった巨額の予備費は、近年、常態化しています。今年度令和5年度予算でも、5.5兆円の予備費が計上されました。リーマンショック下中の経済予備費が1兆円だったことを考えても、あまりに課題で、憲法の趣旨に完全に逸脱しています。巨額の基金も問題です。その最たる例が、昨年12月に成立した、令和4年度第2次補正予算です。年度末まで残り4ヶ月というタイミングで、50の基金に計8.9兆円もの予算が措置されました。中長期的な政策の複数年度の財源となる基金は、予算単年度主義を定めた憲法第86条と財政法11条の、いわば例外であり、巨額の基金は、これらの規定の趣旨に反するものであると考えます。このような巨額の予備費や基金は、財政民主主義、つながち国民の税金の使い道は、国民を代表する国家が決めるという大原則を有名無実化します。政府与党による恣意的な財政主張を許し、健全財政を阻害しかねません。財政民主主義のあり方もまた、党審査会で討議すべき憲法課題であると提起させていただきます。以上申し述べました、安全保障と財政という国家の基本に関する憲法規定の空文化は、与野党の問題ではなく、国会と内閣の問題、つながち国会の存在意義の問題です。この認識を、党審査会の議員各位に共有していただけることを切に願い、私の発言を終わります。以上です。

1:48:43

それでは、予定した時間がほぼ終了しておりますが、最後に船田恥君。

1:48:48

会長、ありがとうございます。時間も迫っておりますが、端的に申し上げます。私は、先週亡くなりました中山太郎元会長の下で仕事をさせていただきました。1997年からの超党派の憲法調査会設置推進議員連盟、1999年からの憲法調査推進議員連盟、そして、いよいよ衆議院に憲法調査会が置かれた2000年1月から、さらに特別委員会に置かれました2005年から、その指導を受けてまいったわけであります。中山会長の理念は、3分の2の発議要件はもちろんでありますけれども、それ以上に、より多くの政党や議員が賛同して初めて国民投票で成立させることができるのではないか、こういったことまで中山会長は考えていたと思います。従いまして、与党のみならず、野党のできるだけ多くの皆さんの議論を巻き込んでいくということが必要である。そして、少数政党にも配慮することが極めて重要である、こういう理念に基づいていると思います。形式上は、第一政党であれ少数政党であれ、発言時間を平等にとるということ、あるいは、野党の第一党から副会長代理を選出することができるということ、これは形式をしてございますけれども、これを実際に生かすためには、その心構えとして、与党は奴隷、すなわち野党の意見をよく聞くということ、野党は良識、すなわち通り当略に走らないということ、これが大事であるというふうに中山会長は常々おっしゃっておりました。最近、中山法式は死んだと言われますけれども、私は違うと思っております。これをむしろ生かしていかなければいけない、そして生かすためには、与党は奴隷をもっと持ち、そして野党はもっと良識を持つということが大事である、このことを主張したいと思います。ありがとうございました。委員閣議の御発言はこれまでといたします。この討議の取扱いについては、ただいま与野党の筆頭間で協議をいたしておりますので、今後についてはこれを踏まえ、幹事会等において対応をいたしたいと思います。これにて、討議は終了いたしました。

1:51:05

次回は広報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました

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