19:34
これより会議を開きます。内閣提出、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案を議題といたします。この際、お諮りいたします。本案審査のため、本日政府参考人としてお手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局フリーランス取引適正化法制準備室長、岩成博美君ほか9名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。(ありません)ご異議なしと認めます。よってそのように決しました。これより質疑に入ります。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
20:34
おはようございます。今日はですね、マスコミなどでは、いわゆるフリーランス法案と呼ばれている法案の質疑ということであります。15分でありますので、早速質問に入りますが、これ私も含め同僚議員の皆様が何年かかけてですね、作り上げてきた法案でありますので、もと少しだけ経緯に触れさせていただきます。国民の皆様の働き方、多様化する中でですね、フリーランスを言われる働き方がかなり増えてきているということで、私の認識するところでは、一番本格的に議論が始まったのは、前世代型社会保障検討会議の中間報告、これ令和元年ということですね。この時点ではまだ法律というようなことは触れられていませんで、内閣官房において関係省庁と連携し、一元的に実態を把握、整理した上で最小国向けて検討というのが、本格的な検討の発端であったと理解をしております。翌年のですね、令和2年になると、これは内閣官房において、関係省庁と連携し、一元的に実態を把握するための調査を実施するということでした。その結果を踏まえて、前世代型社会保障検討会議において、政策の方向性について検討した結果、ガイドラインを策定する、あるいは立法的対応の検討を行うこと、という結論を得たということになります 。同じ令和2年の11月にはですね、もう少しでも早く対策を打っていく観点で、法整備を待たずにですね、厚生労働省を中心に取引に関するトラブルについて、ワンストップで相談できる窓口を設置し、丁寧な相談対応を行うということも取り組みが始まっておりました。そして令和3年になると、事業者とフリーランスの取引について、独占禁止法や労働関係法令の適用関係等を明確化するガイドラインが策定をされました。そして令和4年になってですね、本格的に法整備に向けて動きが出てくる、4年6月の閣議決定ですね、新しい資本主義グランドデザイン及び実行計画ではですね、取引適正化のための法制度について検討し、早期に国会に提出するとされたものであります。ただその後も多少の右翼屈折がありますし、法案の策定に当たっては、令和2年の申し上げた実態調査に加えてですね、フリーランストラブル100等番に寄せられた1万件を超える相談内容について、個別概要を聴取をしたり、フリーランス協会や中小企業3団体など、当事者発注者をはじめ経済団体、労働団体といった様々な関係者との意見交換、またパブリックコメントによる広く一般の皆様の意見募集なども行って、これらによりいただいた国民の皆様からのご意見を踏まえた法案となっているというふうに認識をしてございます。その上でですね、さらにちょっと追及を拒絶されたのは、昨年の臨時国会ではですね、ちょっと与党の法案審査でですね、さらにちょっと検討要するというようなこともあったということで、非常に精力的にかつ慎重にやってきたと、ある意味ではちょっと難山な面があった法案かということも言えるかと思います。その辺りも踏まえてですね、1問目は後藤大臣にお伺いをしたいと思います。本法案は、いわゆるフリーランスに係る取引適正化を図るための法制度として検討されてきたものと認識をしておりますけど、法案においてフリーランスという用語を用いずに、その保護対象を特定住宅事業者としている理由、それからいわゆるフリーランスとですね、特定住宅事業者とはその範囲が異なるのかという点について、まず確認をしたいと思います。また、下請貸金法の改正によらずにですね、新たに本法案を提出することとした理由を含めて、本法案の意義についてどのようにお考えかと、見解を伺いたいと思います。
24:41
いろいろご質問いただきました。従業員を使用せず、1人の個人としての業務委託を受けるフリーランスにつきましては、従業員を使用して組織として事業を行う発注事業者との間で、交渉力やその前提となる情報収集力の格差が生じやすいと考えられます。内閣官房が関係省庁と共同で実施したアンケート調査では、発注事業者から個人として業務委託を受けるフリーランスのうち、約4割が報酬の不払いや支払い遅延をはじめとしたトラブルに遭っていること、約4割が記載が不十分な発注書しか受け取っていない、またはそもそも発注書自体を受領していないことなどの事情が確認できておりまして、不当な不利益を受けやすい立場にあると考えられます。また、フリーランストラブル100等番において、ハラスメントなど交渉力等の格差に起因して、個人の就業環境が害される相談も寄せられているなどの実態があります。このため、本法案においては、業務委託の相手方である事業者で従業員を使用しない者を特定自宅事業者と定義し、この法律において対象となるフリーランスの範囲を明確化した上で、取引の適正化を図るとともに、ハラスメントの防止など、フリーランスの就業環境の整備を図ることといたしております。なお、フリーランスという働き方は、様々な形が想定されまして、明確な範囲が定まっているわけではないことから、法律上の保護対象の保障をフリーランスとするのではなく、特定自宅事業者といたしております。また一方、下請貸金法は、親事業者と下請事業者との下請取引において、取引構造上、交渉力等の格差が生じていることから、下請取引の適正化を図るものであります。具体的には、資本金1,000万円超の親事業者と、1,000万円以下の下請事業者といった事業者間の下請取引を規制対象としております。このため、下請貸金法では、資本金1,000万円以下の事業者とフリーランスとの間の取引が規制対象とならないこと、ハラスメント防止など、個人の就業環境整備に関する規制になじまないことから、下請貸金法を改正するのではなく、新法として法案を提出することといたしました。
27:22
ありがとうございます。近年、働き方の多様化が進展している中で、今御説明あったように、本法案、いわゆるフリーランスに係る取引を適正化し、個人が事業者として安定的に従事することのできる環境整備をするということを目的とするものであります。それ自体大変重要な目的でありますし、しっかりこの法案の成立を図ってまいりたいと思いますが、成長等分配の好循環による新しい資本主義の実現に向けて、もっかい賃上げが最重要課題ということになっておりまして、生産性向上、あるいは下請取引の適正化、価格転嫁の促進といった、これまでも十分に議論されてきた問題に加えて、まさにこのフリーランスの取引適正化のための対策の一層の強化が必要であるということを痛感をいたします。また、従業員を雇わない創業形態であるフリーランスの取引適正化方針の整備は、実はスタートアップの企業加速にも資するものであると考えておりまして、この法律案は岸田政権が一丁目一番地に掲げている新しい資本主義を加速するものと考えております。その点からもしっかり成立を図ってまいりたいというふうに思っております。二つ目、二問目は生産後任の方にお伺いしようかと思いますが、フリーランストラブル100等番ですね、先ほどご紹介をしましたいろんな取組をやる中で、100等番ということをやってきているんですけど、具体的にどのような相談が寄せられているのか、またですね、今回の法案はフリーランストラブル100等番に寄せられた相談事例も踏まえて立案されたという経緯については、先ほど冒頭説明したとおりですけど、本法案の成立後施行までの間にですね、フリーランストラブル100等番の体制をより一層拡充をす るとともに、国においてフリーランストラブル100等番やフリーランス関係団体から問題事例を吸い上げる仕組みをさらにさらに充実していくなどですね、本法を適切に執行していく体制を構築していくべきだと、こういうふうに考えますが、お考えを伺います。
29:38
お答えいたします。フリーランストラブル100等番でございますけれども、フリーランスと発注者等との取引上のトラブルにつきまして、フリーランスの方が弁護士にワンストップで相談できる窓口でありまして、これまで1万千円を超える相談が寄せられているところでございます。相談内容としては、報酬の不払い、支払い遅延といった報酬の支払いに関するものが約3割と最も多く、ついで契約条件が不明確、契約書不作成といった契約内容に関するものが約2割となっております。本法案が成立した場合には、本法案の施行体制の中での相談対応の中核 が、まさにフリーランストラブル100等番になるというふうに考えております。違反行為を受けた特定自宅事業者が行政機関の対応を希望する場合に、フリーランストラブル100等番での相談から、厚生取引委員会、中小企業庁、あるいは厚生労働省の窓口への申告に円滑につなげられるよう、フリーランストラブル100等番の体制整備を図っていきたいと考えております。また、本法案の施行運用に当たりましては、フリーランス関係団体に対しまして、悪質な問題事例の把握と行政への情報共有を依頼すると、また、フリーランス関係団体やフリーランストラブル100等番で相談対応をする弁護士からのヒアリングを通じて、問題行為の多相な業種等を拾い出した上で、特定業種等に対して調査を行うといった取組を実施するなど、フリーランス関係団体やフリーランストラブル100等番から問題事例を吸い上げる仕組みを充実させてまいりたいと考えております。
31:35
この法案自体の性質も非常に重要なことでありますけれども、それだけで目的が達成できるというわけではないということで、フリーランスの皆様に係る取引的成果を図っていくという意味で、フリーランストラブル100等番の体制強化、あるいは取組の強化をさらにお願いをしておきたいというふうに思います。本法案はフリーランス保護に重要なものである一方、当然ながら地方でもさまざまなトラブルが起こり得るということで、私の地元鳥取県なども含めて、実際に法違反の疑いがある行為について、担当する行政機関がしっかりと調査をする、あるいは法違反行為があれば、是正のための措置をとっていくということも、全国各地でフリーランスの皆様が安心して安定的に働くことができる、そういう環境をつくるために不可欠なものと考えております。本法律案の法執行にあたっては、地方部局も含めた担当行政機関における法執行体制の整備や、人員確保が極めて重要となってくると考えますが、どのように取り組んでいくのか、また、フリーランスに係る取引環境の整備のためには、業界ごとの取引勧告の適正化を図っていくことも必要です。先ほど政府参考人の方から問題が多い業界どこかもしっかり把握していくというようなお話もありました。後藤大臣のリーダーシップのもとで、発注者側の団体に対して取引勧告の改善を積極的に働きかけていくべき、ということも考えるところでありますけれども、大臣の御決意を伺いたいと思います。
33:16
本法案の法執行体制につきましては、所管省庁である厚生取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省において、今後必要な人員及び体制の確保に努めていくとともに、指導や勧告などを適切に行えるように、施行までに準備をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。執行する所管省庁の地方組織においても十分な体制を整備するほか、地方組織同士の連携を高めるとともに、電話・メールなどでフリーランスからの相談を受け付ける仕組みである「フリーランストラブル百当番」のさらなる拡充をはじめ、全国どこからでも相談できる相談申告方法も充実させるなどの取組を通じまして、地方においても本法案が適切に施行されるように対応してまいりたいと思っております。また、今、委員から御指摘がありましたように、フリーランスの業種は多種多様であることから、フリーランス取引に係る問題行為の未然防止のためには、各業種における取引慣行の改善を図ることが重要です。このため、業所管官庁とも連携しまして、各業界団体を通じてフリーランス取引の適正化に向けた働きかけを幅広く行っていく所存でございます。
34:52
まだちょっと時間があるようなので、もう一問、政府参考人にお伺いをしたいと思います。本法案は特定業務委託 事業者に対し、育児介護などに関する配慮義務を課していますけれども、配慮の内容については特に条文に明記はされていないところであります。特定業務委託事業者は、具体的にどのような対応をとればよいのか、また、特定業務委託事業者が適切に配慮を行うことができるよう、わかりやすく周知等を行っていくべきと考えますが、いかがですか。
35:28
お答え申し上げます。育児介護等と業務の両立について、本法案に基づく特定業務委託事業者の配慮の内容としては、例えば、妊婦の母性保護や健康管理のため、妊婦健診の受診のための時間を確保したり、就業時間を短縮したりすることや、育児介護等を行う時間の確保のため、育児介護等を取り織りつかのな就業日、時間とする、といったことが 考えられます。こうした配慮の具体的な内容につきましては、関係者の意見を聞きつつ、取引の実態を踏まえながら、厚生労働大臣の定める指針等において、明示することとしております。指針について、丁寧な周知を図ることで、個々の特定自宅事業者の希望や業務の内容、特定業務委託事業者の状況に応じ、当事者間で柔軟な配慮が講じられるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
36:29
関係者の思いが詰まった重要な法案でありますので、しっかり成立を図ってまいりたいと思います。終わります。
36:50
おはようございます。公明党の国重徹です。本法案の対象となる特定自宅事業者、これは従業員を使用しないものとされております。ただ、フリーランスであったとしても、一時的に短期間のアルバイトを宿うことは考えられます。このような場合は常に特定自宅事業者に当たらないのか、2条1項2号の従業員の射程、内容について答弁を求めます。
37:28
お答えいたします。本法案の保護対象となる特定自宅事業者の定義におきましては、従業員を使用しないものと規定しておりますけれども、仮に従事業者が他者を雇用した場合であっても、短時間、短期間のような一時的な雇用であるなど、組織としての実態があると言えない場合には、従業員に含まれないものと整理をしております。具体的には、雇用保険対象者の範囲を参考に、週労働20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれるものを雇用した場合には、本法案の従業員とすることを想定しております。したがって、業務委託の受注事業者が、例えば週労働20時間未満のもののみを雇用していたり、30日以下の雇用しか見込まれていないもののみを雇用していたりしても、特定受託事業者として本法案の保護対象となると考えております。本法案が成立した場合には、施行日までの間に、このような本法案の従業員の考え方について、ガイドラインなどの形で、対外的にもお示しすることとしたいと考えております。国資経管(部)従業員の内容について確認をさせていただきました。その上で、従業員の有無によって、特定受託事業者かどうかが決まるということでありますが、従業員がいるかどうかについては、どの時点で判断するのか、業務委託がなされた時点、発注時点で判断をするのか、それとも 問題行為のあった時点で判断をするのか、従業員の有無の判断時期について伺います。
39:22
お答えいたします。御指摘の点でございますけれども、時点として、まず発注事業者が業務委託をする時点のみならず、問題行為のあった時点の2つの時点で、受注者たるフリーランスが従業員を雇用していない場合にのみ、先ほど申しました従業員を使用しないものと考えております。他方で、取引の安定に配慮しつつ、フリーランス及び発注事業者の双方にとって明確な時点を考えていく必要がありますので、発注事業者につきましては、まずはフリーランスに対して業務委託を行う時点で、従業員の有無を確認するということが考えられるというふうに指導しております。
40:18
発注者側としては、逐一従業員がいるかどうかというのを確認するというのは、煩雑ですし負担になりますので、発注者側としては従業員の有無について、発注時点で判断すればいいということだったと思います。その上で発注者側に適正な取引を行っていただくことが重要になります。この点、本法案では5条で、特定業務委託事業者の遵守事項が定められております。ここでいう遵守事項、これにつきましては、例えば、特定受託事業者への責めに期すべき自由がないのに、給付の事量を拒む、報酬の額を減ずる、こういったある意味、当たり前にやってはいけないことが定められています。にもかかわらず、その対象となる事業者は、一向で、政令で定める期間以上の期間、業務委託を行う、つまり、継続性のある特定業務委託事業者に限定をされております。