21:54
これより会議を開きます。内閣提出、道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑に入ります。本日は本案審査のため、参考人として、筑波大学名誉教授石田春男君、東京大学名誉教授神戸大学名誉教授浅倉八蘇君、京都大学名誉教授小林清志君及び環境経済研究所代表上岡直美君、以上4名の方々にご出席をいただいております。この際、参考人の方々に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご対応中のところ、本委員会にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。法案につきましては、それぞれのお立場から、忌憚のないご意見を述べいただきたいと存じます。次に、議事の順序について申し上げます。まず、石田参考人、浅倉参考人、小林参考人、上岡参考人の順で、それぞれ10分以内でご意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、ご発言の際には、その都度、私委員長の許可を得てご発言くださいますようお願いを申し上げます。また、参考人は、委員に対して質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめご承知おき、お願いを申し上げます。それではまず、石田参考人、お願いいたします。
23:49
筑波大学の石田でございます。承知いただきまして、ありがとうございます。私、社会資本整備審議会、道路文化会長をお設かっておりまして、そういう立場からも、今日、意見陳述をさせていただきます。お手元に簡単なメモを準備いただいておりますので、ご覧になっていただける方は、ご覧になっていただければと思います。今般の道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構法の一部を改正する法律案でございますけれども、私は基本的には賛成をしております。基本的という意味は、これから日本はいろんなところで、すごく大変な時期を迎えようと思いますけれども、国のインフラにとって最も重要なものの一つである道路、特に高速道路におきましては、これからかと思いますけれども、もう少し踏み込んだ議論があってもいいのかなというふうにも思っておりまして、基本的に賛成ということでございます。理由でございますけれども、やはり高速道路を従前に活用する、そのためには維持管理、更新というものが必要になっておりますので、そのための財源措置というのが非常に大事だと思っております。さらに日本が再 浮上していくためにも、移動の効率性、モビリティということをどう考えるかということは極めて大切でございまして、そのための高速道路の進化、機能向上ということも大事だと思っておりまして、そのために必要にして重要な法改正だと考えるからでございます。個別の点、いくつか考えを陳述させていただければと思います。まず第一点でございますけれども、今の負担方式でございます。高速道路料金をお払いいただいて、それで債務を償還していくという、ずっと続けておりますスキームは一定程度国民に理解されているというふうに思います。それだけに、本当に十分な議論や説明なしに、大幅な料金値上げとか、永久有料制度というものに直ちに移行するということは、これはなかなか難しいのではないかなというふうに思います。その点、今般の改正でございますけれども、現行制度の枠組みの中で、償還期間を延長するという考え方は妥当なものではないかなというふうに思います。それとともに、いろいろな歯止めもかかっております。まず最長の料金徴収期間を定めた上で、更新事業との内容や希望が明らかになった段階で、更新事業が追加できる、すべきであるという、そういう判断をするという、ある意味柔軟な流行りな言葉でいうと、あざるなものになっておりまして、一定の評価は できるのではないかなと思います。ただ、やはり、未完成、2115年という、遥か先について、今のままでいいのかということについては、若干の心配もある次第でございます。2番目が、維持管理費用でございます。令和3年度には、6社合計で約1兆2千億円が維持管理のために使われておりまして、これがしかも増加傾向にございます。法廷の対応年数とか、現貨消極期間できちんとわかるはずだというお考えもあろうかと思いますけれども、やはり実態に即した、本当に必要なものをきちんと点検をしていくと。そのために道路法改正されまして、法廷の5年に1度の目視点検が行われている、二回りが終わったところでございますけれども、それによって、実態というのが思っていた以上に、なかなか大変なものであるということがあからさまになってございました。適格な予防保全をきちんとしていくということを前提にした上で、これをきちんと、情報公開をきちんとしながらやっていくという態度は基盤。そういうことを整えるということは、維持管理、更新施策の基盤としても有用であろうと思います。それと、料金徴収方式も大きく変わりました。これまでは運転手にのみ請求できるだったのですが、所有者に請求できるようになりました。これは料金徴収コストをどう下げるかということも非常に大きな課題になってこようかと思いますけれども、そういう観点からも有用であろうと思います。高速道路の進化・高度化には、道路サービス上非常に重要だと思います。特に2014年問題の物流とか、あるいは高速道路の自動運転など、そういう拠点が整備していくということが非常に大事かと思います。特に自動車は、今本当に日本を支えている大きな産業でございますので、これと共通するような高速道路政策、道路政策というのも重要かと思います。参考資料を少し見ていただきたいのでありますが、一番最後に絵が描いてついてございます。これはネクスト東日本さんが作られたものでございまして、なかなかよくできたものではないかなというふうに考えております。ここでご注意いただきたいのは、これから自動運転とか物流の効率化という観点からすると、高速道路本体ではなくて、いろんな周辺に物流のためのハブとか、自動運転のためのいろんな地上ステースがいるということが一つ重要なポイントとしてあろうかと思います。それと共に、この絵、左の方が現在2020年、先に行くと2040年という将来像が描かれているわけでございますけれども、2020年時点 では、今の人を中心に車線というのがきちんと描いてございますけれども、2040年は自動運転でさらに効率化が進んでいくと、車線の考え方っていらなくなるんじゃなかろうかと、それぐらい安全なものが実現するし、ぜひしたいという願いも加えられておりますけれども、そこに関して言うと、今、自動運転をきちんとやるためには、専用レーンというのが必ず必要であるということなんですけれども、ここには20年後の姿として描かれておりますけれども、本当に100%自動運転になったときには、専用レーンというのは必要なくなるだろうと、そういう意味での課題答式みたいなものをどう避けるかということも結構大事な議論じゃないかなというふうに思っている次第でございます。これからは私の個人的な考え方を少しだけ述べさせていただきます。3の今後の検討の進化、あるいは深くなる進化についての意見でございます。先ほどから述べておりますように、妥当なものであるというふうに思いたいということでございますけれども、でもこれは仕方ないというのはそれまでなんですけれども、今、所条制の許す範囲での最大限のことがこの法律案の中には含まれていると思いますけれども、これから日本の将来のこと、あるいはそこでのモビリティのこと、環境のこと、あるいは社会的法説なんかを考えますと、ここに踏みとどまっているべきではないというふうに考えるものでございます。一つは、負担と自力の関係をどう考えるかという、昔からの議論でありますけれども、それをどう考えるかということでございます。今は、召喚主義という枠組みの中でやられておりますけれども、やはり高速道路って特別なサービスを提供するものでございますので、そのための特別休校料金みたいなものを考えるということもあるのかなというふうに思いますし、あるいはそのことは、直ちにではありませんけれども、日本全国を有料道路にすると、自力と負担の関係をもう一度お考え直していただくということです。そういう意味では、戦後の、あるいはそれ以前から道路政策の基本中の基本である、無料開放の原則ということにまで踏み込んだ議論、あるいは研究を続けていくということも、今回の法律改正案とは、枠を大きく踏み入れるものでございますけれども、そういうことも重要ではないかなというふうに考える次第でございます。長くなりまして申し訳ございません。以上でございます。ありがとうございました。ありがとうございました。
34:02
次に朝倉参考人お願いいたします。朝倉参考人。
34:08
皆様おはようございます。東京工業大学神戸大学の朝倉でございます。私は国土感染道路部会の部会長を仰せつかっておりますので、その立場で発言したいと思います。発言するポイントは、次の3点でございます。まず1点目は、高速道路の費用負担に関する基本的な考え方でございます。2点目は、今回の法案について私がご評価している点でございます。3点目は、これは今後の制度運用であったり、あるいは検討課題について考えていることでございます。さて、まず第1点目の高速道路の費用負担の基本的な考え方について意見を申し上げます。まず言うまでもないことでありますが、またこれは法案の説明の中にも触れられていると思いますけれども、安全で円滑な高速道路サービスを提供する、そのためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、それから進化と改良、これらを確実に実施するということが重要であるということであります。我が国の高速道路は、1960年代に供用開始されてから現在に至るまで、人々の生活や産業活動にとって架くことのできない社会基盤として機能してまいりました。建設当初は日常的な日々の維持管理と修繕を実施すれば、相当の長い間良好な道路として機能するというふうに想定されていたものと思っております。しかしながら、高速道路は高度成長期に、短期間に建設さざるを得なかったこと、それから供用当初は想定しなかったような大量で、かつ非常に重量の重いような交通が増加いたしまして、道路構造の劣化が日常的な修繕の繰り返しでは何ともならないというレベルまで進んでしまったため、大規模に道路を作り変える、いわゆる更新事業が始まったところであります。更新事業には、新たに道路を建設するのと同程度の費用がかかりますし、関連の交通に大きな影響を与えないような慎重な工事が求められているところであります。また、我が国では高速道路サービスを受けられるエリアをできるだけ拡大するということで、そういう目的でネットワークを整備しましたので、2車線で整備さざるを得ないような、そういう区間、いわゆる暫定2車が発生してしまったわけでございます。安全で円滑な道路交通を実現するためには、暫定2車線の4車化というのは必須であり、これらを含めた道路の進化と改良が求められているというふうに感じます。このように高速道路交通システムを機能させていくためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、そして進化と改良が必要であることは明らかですけれども、それには相当の費用が必要で、それを一体誰が負担するのかということを議論していく必要がございます。もちろん一般国民が税で負担するという考え方もないわけではないと思いますけれども、私は最大の受益者である高速道路利用者が料金を支払うことで負担するというその考え方が自然であり適切だというふうに感じております。ただし、この利用者負担というのは原則であって、料金が利用交通に与える影響も考慮して、地域政策的な観点からも検討する必要があるというふうに考えております。もう少し具体的に申し上げますと、交通需要の密度が相対的に低く、高速道路の利用が十分に見込めないような地域では、料金を徴収する代わりに、税負担を活用すること等 によって高速道路の利用を促し、地域の活性化を図るということ、そういったことを検討していくこともあってもよいと思います。続きまして大きく2点目の、今回の法律責任を評価する点について述べたいと思います。まず、先ほど述べたことでもありますけれども、更新や進化のための財源確保について、利用者負担を基本とするという方針については賛成でございます。これは、現行の高速道路サービスが料金を支払うことによって成り立っていることから、料金によって更新や進化の財源とするということは、自然かつ適切というふうに考えております。その料金負担なんですけれども、現行の料金額に、その更新や進化の分を上乗せするということを、これを利用者に理解していただくということは、なかなか難しいのではないかというふうに感じております。そうすると、料金の徴収期間を延長して、更新や進化解除のための財源を確保するという、そういう案が出てくるんだろうと考えます。ただ、財源というのは、見方を変えると債務ということにもなりますので、その返済期間を必要以上に長くするというこ とは望ましくないというふうに考えております。また、料金を安くしますと、その召喚期間、返済期間が長くなりますが、そのことは、債務返済に関する不確実性を高めることになりかねません。したがいまして、現行の料金水準と債務返済期間などを参照すると、この期間を50年以内にすることについては適切であろうというふうに考えます。提案されているこの法律案では、債務返済期間の中で、債務を確実に返済することを確認する仕組み、これも提示されておりまして、そういった意味で適切なのではないかというふうに思ってございます。評価するもう一つの点は、見通しが明らかになった事業を定期的に計画に追加できるという仕組みです。道路のような社会基盤システムの整備と維持管理の事業は長期間にわたりますので、さまざまな不確実性を考慮する必要がございます。例えば、交通事業の将来見通し、あるいは近隣の想定等でございます。この不確実性を下げる一つの方法は、計画を一定の頻度で見直すということでございます。道路建設の詳細な点検の頻度が、おおむね5年に1回程度ということを考えますと、更新や進化が必要となる事業を、おおむね10年程度で計画に追加できるという、そういう仕組みが用意されているということは重要であるというふうに感じております。最後に大きく3点目ですけれども、今後の制度運用や検討課題について述べたいと思います。現時点では、ここに提案されている法案が最善であるというふうに感じますけれども、残された課題もあります。例えば、将来の維持管理費の負担のあり方をどうするかということであります。基本は利用者負担であるというふうに考えますけれども、料金が利用交通に与える影響を考慮する必要があります。例えば、料金は高速道路の整備と維持管理に必要な費用を召喚するために必要であるということと同時に、社会的に適切な料金というそういう考え方もあります。例えば、過度に混雑して社会的な損失が大きいようなケースにおいては、適切な料金を課金して混雑を緩和するということが考えられますし、逆に需要が薄いようなケースについては、料金を調整して高速道路の利用を促進するということが必要であると思います。これらを含めまして、対象となるネットワーク、あるいは料金数字についても、続々と議論していく必要があると思っています。今後の制度運用については、社会的影響を最小化するように、更新事業を確実に実施することが望まれます。更新事業は、今実際に使われている道路区間の一部を取り替えるということになりますので、場合によっては、今、ネクストコの中国道であったり、あるいは阪神高速道路のように、一定期間の完全通行止めということを伴う工事が実施されております。また、完全に止めない場合でも、複雑な車線運用や夜間の通行止めが実施される場合もあります。このように更新工事を実施する際には、高速道路利用者だけではなく、一般道にも非常に大きな影響が及びますので、その影響をできるだけ小さくするように、事前の検討を十分に行うと同時に、更新工事の期間中は、道路交通のモニタリング、それから利用者への情報提供、これらを十分に行って、不必要な混乱を避けるということに努めていく必要があるというふうに思います。最後に、高速道路に求められる機能が高 度化する中、継続的な進化が求められています。例えば、レベル4以上の高度な自動運転を可能とするためには、車両の開発だけではなく、道路と車両が協調したような自動運転システムが機能することが考えられますが、そのための道路の進化ということが必要なのではないかと思う次第でございます。以上でございます。ありがとうございました。
44:13
ありがとうございました。次に、小林参考人お願いいたします。皆さん、おはようございます。京都大学の小林でございますが、私は社会資本整備審議会の委員であり、学術団体である土木学会の第106代の会長をお据え使っておりました。併せて、我が国のアセットマネジメント、インフラとかメンテナンスのマネジメント、それはアセットマネジメントと呼ぶのですが、アセットマネジメント協会の会長をしております。そういう専門的な立場から、本日は高速道路の維持、メンテナンスといいますか、その発展のためにというところで、専門的な意見を述べさせていただきたいと、こういうふうに思っております。今回の法改正、私も基本的にこの法改正は賛成でございます。ようやくこのメンテナンス、道路資産の維持のための予算が、財源を確保することが延長できるようになったということで、胸を撫で下ろしております。お手元にこのポンチエを1枚用意しております。これに本日の申し上げたいことは集約しておりますが、この図の左半分が、これまでに我が国が成し得てきたこと、これを集約しております。これが今回の法改正につながっているんだろうと思いますが、右半分に残された課題といいますか、これからの課題を集約しております。ご承知のように、日本でメンテナンスの重要性、これが認識されたのは、2012年ですかね、笹子トンネルの事故、あれから10年強経ちましたけれども、この期間の間にいわゆるメンテナンスサイクル、点検、補修、更新、このサイクルが我が国にも導入されてきました。ここにポンチエを書いておりますが、メンテナンスサイクルの表紙を書いております。点検をきち っとし、その点検結果に基づいて補修とか、あるいは必要であれば更新の計画を立てて、それを実行して、それをデータに残していく。こういうサイクルが我が国にも導入されました。そのために、いろんな技術資格とかガイドラインであるとか、いわゆる制度的な仕組みがこの10年の間に発展してきたと、そういうふうに評価をしております。広がって海外の状況を見てみますと、ご承知のように、1980年代に米国でインフラの老朽化が顕在化しました。クリントン政権の間に、偶然なIT経験を背景にありましたが、米国のインフラの更新を一気に米国政府は進めました。1997年にようやくこのアセットマネジメント、計画的にインフラの老朽化を解決していくという機遇が生まれました。そんなに古い学問ではありません。非常に新しい。出来上がってまだ市販盛期、そういうところです。ただアメリカのインフラは日本に比べて20年、30年先行して建設されております。世界非常に古い技術を使っておりますので、日本はその20年、30年を走っている。しかも最新の技術が入っているので、アメリカの結果はなかなか参考にはならないと思いますけれども、笹子のトンネルの事故以来、日本でもインフラの老朽化が顕在してきた。こういうことでございます。その下の図を描いておりますけれども、この10年間、点検をした結果、いろんなデータが蓄積してきました。その結果、かなりのことが分かるようになってきたのですが、まだまだデータのストックというのは、この笹子のトンネル以降10年、インフラの老朽化が10年で終わるものでありません。もっと時間がかかるものですね。ここにいろいろなグラフをいっぱい描いておりますが、これはアメリカのデータです。アメリカは点検を日本よりは20年以上たくさんやっていますので、インフラがどういうふうに劣化してきたかという劣化曲線と我々は言いますが、これを描けるような状況になってきます。右下のこの図は、ニューヨーク市のニューヨークにある2014本の橋梁の正板というんですけれども、そこの劣化のあらましを表しています。横軸が時間、縦軸下に行けば行くほど劣化が進展している、こういう状況を表しています。これを見ていただくと、 非常に散らばりが大きい、こういうことがわかります。一つ一つの橋梁の劣化の深くしては高いのですが、橋梁によってものすごく劣化のスピードに差がある。それは作られた年代であるとか工法であるとか、材質であるとか、いろいろなことが作用して、インフラの劣化を予測するのが極めて難しい状況にあります。これはアメリカの話ですが、日本も同じような状況だと思います。個々のインフラの劣化を予測するのは極めて難しい。まして言わんや、新しくできたインフラ、更新したばかりのインフラがどれだけ持つのかということに関しては、極めて不可観規制が高いということですが、それをいくつか束ねてくる、大きな地域で束ねてくると、凸凹がかなり流されてきて、それでもまだ幅はありますけれども、ある程度の確率でもって予測はできるのではないか、そういう状況に今あると思っています。我々は当初は、昔はインフラは永久構造物だと思っていたのですが、決してそんなことはない。劣化は着実に時間とともに進んでいっている。大規模修繕してもきちっとよくなるわけではない。スピードを遅らしたとか、また再劣化が始まります。そ ういうものだということが、この10年間の間に理解してきたということです。右半分はこれからなすべきことですけれども、私、アセットマネジメント協会会長をやっていますとこういうふうに申し上げましたけれども、国際標準として、このアセットマネジメント、インフラの劣化をやはり経営学的な視点できちっと切り続けしていく。そういうための国際標準が出来上がりました。2017年です。歴史がさえ。2017年以前にインフラの経営計画というものが世界的に確立していたかというと、思考はいろいろありましたけれども、ようやくと5、6年前になって初めてそういう弾みが出来上がったということでございます。その中で、今一番問題になっているのは、いわゆる財務会計ですね。やはり会計情報としていろいろ経営の会計が出てくるんですが、それと非財務的な情報をどうすり合わせていくか。例えば、修正しますと部分的によくなるんですね。そうすると使用期間が伸びる。それを財務会計にどういうふうに反映していけばいいのか、経営計画にどういうふうに反映していけばいいのかというところが、実はまだ世界的にも理論は確立していない。それ に向かって今、このISOの世界ではどういうふうにすべきか。あるいは日本がこれからどういうふうに考えていけばいいのか、そこにこれからの課題が残されていると思います。高速道路会社、召喚期間が伸びた、この時間、その中で計画的にインフラのマネージェント、これをどういうふうにやっていくべきか。その経営の方法論を確立していくべきだと、こういうふうに思っております。今、世界的にもそれはスタート点に立ったばかりだというふうに申し上げたいと思います。最後は技術の継承と発展でございますが、これは先ほど石田委員、それから朝倉先生からかなり詳細な意見を言っていただきましたので、私が屋上を重ねる必要はないと思いますけれども、やはり新しい技術を導入していく。それから、やはり技術者の高齢化が非常に大きな問題になってきています。その技術の継承と、そういう意味でも、この経営計画の中で、高速道路の経営計画の中で計画的に進めていっていただきたい。それが引いては、日本のインフラ輸出というのはずっと課題になっています。なかなかまだ難しくて実現できておりませんけれども、それの大きな支えになる、そういうふうに信じております。