1:05
(委員会)おはようございます。ただいまから財政金委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告をいたします。昨日までに岩渕智君、永井真部君、吉井昭君及び赤松健君が委員を辞任され、その補欠として小池昭君、岡田尚樹君、小池俊幸君及び、鎮井昭一君が選任をされました。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。関税定立法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、財務省関税局長諏訪の健次君ほか9名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないと認め、採用決定をいたします。参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。関税定立法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田春彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。御異議ないと認め、採用決定をいたします。関税定立法等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
2:43
皆様おはようございます。立憲民主社民の横沢貴則でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。早速質問に入らせていただきます。まず今回の改正で、関税事務管理人制度の見直しが行われます。その点について何点か確認をしていきたいと思います。関税事務管理人制度の拡充ですが、越境ECの拡大等に伴い通販貨物及びFS利用貨物が急増する中で、輸入者たる非居住者の成りすましによる輸入が問題となっております。そこでFS利用貨物とは、分かりやすく説明をしていただきたいと思いますし、FS利用貨物の推移を伺いたいと思います。また、本改正による輸入申告項目の追加項目についてもお伺いしたいと思います。
3:49
お答え申し上げます。まず最初のFS利用貨物につきまして答弁申し上げます。FS利用貨物と申しますのは、ECプラットフォーム事業者などが海外の販売者などに対して提供する国内での倉庫保管・配送等を代行するサービス、これをフルフィルメントサービスと呼んで利用でございまして、これを利用して国内で販売することを予定して輸入される貨物のことでございます。このFS利用貨物、フルフィルメントサービス利用貨物の輸入件数につきましては、この利用貨物に該当するか否かを把握する項目が現在の輸入申告項目にないため、お答え申し上げることが困難であるという状況でございます。それから、今回の改正における輸入申告項目の追加についてお答えいたします。今般の改正におきまして、輸入申告項目に通販貨物に該当するか否か、国内配送先、輸入者の住所・氏名等を追加することとしております。通販貨物に該当するか否か、国内配送先等を追加することにより、輸入貨物のうち通販貨物等の特定を可能とし、税関におきまして貨物の類型を考慮したリスク管理を行い、メリハリのある審査・検査を実施していくこととしております。また、輸入者の住所・氏名を政令上の輸入申告項目に追加することで、輸入者の住所・氏名を偽って輸入することが虚偽申告輸入罪の対象となることが明確となり、委員御指摘のような「成りすまし」といった方法による輸入に対する防圧効果も見込まれるものと考えているところでございます。緑州和田課長 ありがとうございます。次に、税関側で税関事務管理人を指定することで、審査・検査を行いやすくすることは、今回の改正で非常に良いことだと考えます。そもそもとして、税関事務管理人を定めない、非居住者の輸入を認めない、非居住者のもとへ送り返すという対応は実務上できないものなのでしょうか。これお答えいただきたいと思います。
6:21
送り返すところまで行けるかどうかは、貨物の輸入してくる者の意思などの確認も必要でありまして、実務上そこまでやってはおらないというところでございます。緑州和田課長 現在の実務上は難しいということであります。次は、税関事務管理人の指定について伺います。税関事務管理人は、特別な資格の必要はなく、税関法上は日本に住所または居住を持つ者なら、届出を出せば誰でもなれると承知しております。輸入貨物の詳細は把握していない者が、税関事務管理人として届けられるような心配はないのか。仮に事後の調査で適当とは言えないようなものですね。例えば、この人はちょっとまずいんではないかという人が、税関事務管理人を務めていると判明した場合に、税関側で改めて税関事務管理人を指定できるようになっているのか、どんなのか伺いたいと思います。
7:34
税関事務管理人がその役割を果た していないときの場合に、改めてこちらが指定するかどうかについては、そうした定めはございません。
7:54
適切でないと思われる方が税関事務管理人になって、ただの名前だけになってしまうと意味がないと思うんですが、その点もう少し進めていく必要があると考えますが、この点いかがですか。
8:12
委員の御指摘のような場合に、さらに元々の被供受与者との連絡を取りやすくするために、どのような手法があるのかについては、しっかり検討してまいりたいと思います。
8:28
では次の質問に行きます。税関事務管理人と通管業者の関係について伺います。今回、憲案では、被居住者と資本関係のある等特殊な関係を有する者、関税の税額等の計算の基礎となるべき事実等について、被居住者との契約により密接な関係を有する者、そして、被居住者が利用するECプラットフォームを運営する事業者等の国内関連者を、税関事務管理人として税勘庁が指定できるとしていますが、ここの部分の具体例、どのような部分を見て適当なものであるかを判断するのか、この基準について政府の見解をお伺いします。
9:22
私どもが 、税関事務管理人を税勘庁が指定する場合につきましては、国内に住所等を有しており、被居住者と税関との間の書類の取り継ぎに便宜を有する者であるということ、そして、被居住者と一定の関連性を有する者の中から指定することとなっております。具体的には、委員からもご説明いただきましたように、輸入取引に係る取引当事者、あるいは通管業者など、被居住者との間の契約により密接な関係を有する者、被居住者が反復継続的に利用するプラットフォームなどの運営事業者、被居住者との間に資本関係を有する者など、被居住者との特殊関係のある者、こういったものを指定の対象として考えております。
10:07
はい、ありがとうございます。それではもう一つ確認させていただきます。税関事務管理人の指定単位についてお伺いをしたいと思います。今回の改正案で、ECプラットフォーム事業者等を税関事務管理人として指定できるようになるとのことですが、事業者単位で指定が可能という理解でよろしいのか、あとは通管業においては通管士個人のIDやパスワードを営業所内の職員で共有するなどの名義貸しは禁止されている理解でよろしいのか、この点。あとは今回の改正案においては、事業者単位で指定が可能で、通管士の名義貸しのようなリスクは生じないのか、この点をお伺いしたいと思います。
11:02
まず最初の一点ね、プラットフォームなどの運営事業者ということで、事業者にお願いする、例えば委託契約を結んでいる事業者に対してお願いをする、指定をするということでございます。それから通管業者なのか通管士なのかというご質問がございましたが、非居住者が通管業務を委任する場合は、委任を受ける通管業者との間で委任契約が締結されますので、税勧庁が税勧事務管理人を指定する場合 には通管士ではなく通管業者を指定することになります。また通管士の名義貸しについては通管業法におきまして禁止されておりまして、違反した通管士は懲戒処分や罰則の対象になるというものでございます。
11:50
ありがとうございます。ちょっとこれまでの税勧事務管理人制度を調べて、ちょっとここ大臣にお伺いしたいんですが、今回新しく導入するのは非常に一歩前進なんですが、まだまだ十分でないところがこれから明らかになってくると思います。この点先ほどの適切でない人等がやはり税勧事務管理人になった場合、この先どう対応していくのかやはり対応が必要だと思いますが、この点大臣のご見解をお伺いしたいと思います。
12:28
今、横沢先生と事務方でいろいろですね、制度について細かく確認がなされたところでございますが、令和5年度関税改正におきましては、ご指摘のとおり、税勧事務管理人制度の拡充を措置しておりますが、これは近年、非居住者があらかじめ輸入しておいた貨物を国内インターネット販売する場合等におきまして、不当に低い価格で輸入申告をし、関税等を補達するといった不正な事案が散見されていたことに対応することを目的とするものであります。これによりまして、非居住者に対する輸入通貨時の審査や事後調査等の実効性が高まるものと考えております。今後とも国際流通物流の変化といった環境変化に対して、引き続き迅速、的確に対処してまいりたいと思います。その中で、この法律の目指していることがきちんと実効性が上がるように、常にその辺は見てまいりたいと思います。横沢貴則君 ありがとうございます。それでは次の質問に入りたいと思います。知的財産侵害物品の輸入についてお伺いします。いわゆるコピー商品でございます。令和4年度の関税改正により、海外の事業者が郵送等で国内に持ち込む、模倣品、いわゆるコピー商品は個人的使用目的で輸入されるものであっても、税関における取り締まり対象となりました。令和4年度改正後に、コピー商品の輸入の差し留め件数はどのようになっているのか、まずお伺いしたいと思います。(菅義偉) 菅総理の関税局長 お答え申し上げます。令和4年度の税関における知的財産侵害物品の輸入差し留め件数は26,942件となっており、3年連続で25,000件を超えております。(佐藤) 徳澤貴則君 どんどん増えているということで、令和4年度の改正によって、やはり一歩進んだという理解でよろしいでしょうか。
15:01
先ほど先生がおっしゃった個人使用目的で輸入される模倣品の取り締まり、海外の事業者が送る場合には、これも輸入できなくなるという改正を令和4年4月に行いました。輸入差し留め件数と、それから差し留めに対して争う旨の申し立てについて申し上げますと、令和3年10から12月の差し留め件数が6,746件に対して、同4年10、12月は8,102件と20%の増でございます。これに 対しまして争う旨の申し出が、輸入者があった件数は、令和3年の10、12月が1,151件に対して、令和4年10、12月が477件と、約6割の減ということで、効果があったものと今見ているところでございます。(佐藤) 昨年度の制度改正の効果が表れているという話であります。こうした観点からも大変意味のある改正であったと考えます。続いて、大臣に伺いますが、コピー商品の輸入差し留め件数が高い水準で推移していく中で、効果的な取り締まりの観点から、コピー商品、模倣品の判断に関しても、AIなどの先端技術を活用するなどの方策も、さらに進めていくべきではないかと考えておりますが、この点、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
16:32
まず、国民の皆さんにも、こうした知的財産侵害物品、これを輸入してはいけないんだと、そういうことを十分に啓発する必要が、まず第一歩としてあるんだと、そういうふうに思います。その点について申し上げますと、財務省税管におきまして、税管ホームページなどにおいて、知的財産侵害物品の輸入差し留め実績や取締強化の取組等について情報発信を行っているほか、主要なSNSに啓発目的の広告を掲載するなど、利用者に対して知的財産侵害物を輸入しないように積極的に周知広報を行っております。また、関係省庁等ともに、国内外の主要な電子商取引サイトを運営する事業者に対しましても、利用者に向けて周知広報を行うよう、協力を依頼しているところでございます。そうした中で、先生が今御指摘になられたのは、知的財産侵害物の見分けなどを、いろいろな最近の技術を使ってやったらいいのではないか、そういう御質問であったと思いますが、それがどれぐらいの技術が今あるか、定かではありませんが、そうした厳格な水際取り締まりに万全を期すことは、極めて重要なことでありますので、必ずしもハイテクのものにもよらずに、体制や人員などの対策を十分整備しながら、厳格な水際取り締まりに万全を期してまいりたいと思います。
18:31
(小川)ありがとうございます。私も税関150周年、昨年ありまして、横浜税関に視察に行ってきましたが、やはりいろんなコピー商品が揃って、人が見分けるのが最大、一番効果的だとは思うんですが、人だけでは捌ききれない量の輸入品があるわけです。そこはAIなどの技術を使って、瞬時に見分ける作業も、これからもっと求められてくることと思いますので、ぜひこの点も進めていただきたいと考えます。次に、コピー商品の取り締まりに関して、コピー商品が主に輸入される相手国、これはどういう国があるのか、お答えいただきたい。
19:25
お答え申し上げます。知的財産侵害物品の取出し国、別で見ますと、中国を取出しとするものが最も多く、令和4年におきまして、全体の75.9%を占めておりまして、次いでベトナムが7.9%、台湾が5.3%などとなっている、そういう状況でございます。
19:46
そこで、国内にコピー商品が輸入されないように、輸出の多い国に対して、現在も中国・韓国の税関当局で、知的財産侵害物品の取り締まりに関する協力関係を構築していると思いますが、それ以外の国と、これからも輸入が多い国に対して、何かしらの働きかけ、連携は、これから取っていく必要があると考えますが、この点いかがでしょうか。
20:18
委員の御指摘のとおりでございまして、そういう意味では、最近ベトナムからの割合が、今、先ほど7.9%と申し上げましたが、この比率が近年上昇していくとしてございます。したがって、こうした状況を踏まえまして、現在ベトナムの当局と、無法品対策のあり方について、協議を開始したところでございます。おっしゃるとおり、増えていくところについても、新たな対応をしていくことは、大変重要なことと考えておりまして、そうしたことで、協力関係が進められないかということで、今、議論を始めたところでございます。
20:59
はい、ぜひ政府間で連携を取って進めていただきたいと考えます。次に、不正薬物の摘発状況について伺います。私も横浜税関に視察に行ったときに、初めて目の前で、覚醒剤やタイマーを見させていただきました。非常に大量のものを目の前にして、非常 に驚いたわけですが、まず不正薬物の応収量の推移を伺います。
21:30
不正薬物の全体の応収量について、例えば、直近5年間について申し上げますと、平成30年が1.5トン、令和元年は3.4トン、2年は1.9トン、同3年は1.3トン、同4年は1.1トンとなっている、そういう状況でございます。
21:50
はい、そこで不正薬物、密輸の細菌の主な手口、どのようなものがあるのか、また新たな手口、新しい手口というのはどのようなものがあるか伺います。
22:10
密輸手口といたしましては、航空機の旅客が工作されたスーツケースに不正薬物を引得して密輸入を行うケースのほか、最近では航空貨物や国際郵便物を利用し、食料品缶詰や活性炭素粉末と記載のボトルに移送して密輸入を企たれた例も確認しております。これは全体のトレンドを付言いたしますと、コロナ禍で入国者数が減ったこともあって、密輸の手口が航空貨物や国際郵便物にどうもシフトしていたというのが、これまでこの足元までの傾向でございまして、今後、入国についての入国者数の増加が起こるという中で、このトレンドがどうなっていくのかについて関心を持って見ているところでございます。
23:04
ありがとうございます。最近ですね、置き配という手口、要は空き家が増えてきて、空き家に不正薬物を送る、そこに受け子が取りに来るという新しい手口が増えていると、私も報道で承知しておりますが、この点、政府の方もご存じですか。
23:28
そのような事例、先ほど申しました旅客でなくて、貨物を利用した密輸の手口が増えている中で、そうした事例が出てきていることについての認識をしております。
23:43
やはり地方ではどんどん空き家が増えてきて、これが問題になっていますけれども、それを悪用して不正薬物の輸入等に使われるという手口も増えてきていると思いますので、ますます空き家対策も含め、政府全体としての取締り強化が必要になってくると思いますが、この点、大臣いかがでしょうか。
24:09
すみません、その前に実務的なことでお答えさせていただきます。そうした空き家が密輸に使われるという手口が、トレンドとして見られるものですから、ポスターを作りまして、関係の協会などに配布をして、注意喚起を政府としても行っているところでございます。
24:35
やはり犯罪というのは、次々にいろいろな手口を考えていくんだとそういうふうに思います。今ご指摘のありました空き家に対して、送りつけて、それを受け子が受け取るというようなケースがあるという、こういうお話でございます。そういうことにつきましては、常にそうした状況の変化というものを、まずウォッチをしなければいけないと思います。その上で、警察をはじめ、関係省庁とも、よく連携をしながら対応をしていくことが必要であると、そういうふうに考えます。
25:11
ぜひ政府全体としても取組を進めていただきたいと思います。ちょっと金についてもお伺いします。金の密輸入取締状況ですね。輸入量、そして応収量、そして輸出量、これ、数字をお伺いしたいと思います。
25:32
金の輸出量、輸入量、それから、密輸入に係る応収量についての数字でございますが、平成30年の、まず金の輸出量から申し上げますと、直近5年間で、平成30年は156トン、元年は、令和元年は146トン、同2年は148トン、同3年は138トン、同4年は225トンとなっております。一方で、金の輸入量についてでございます。同様に申し上げますと、平成30年は7トン、令和元年は3トン、同2年は5トン、同3年は5トン、同4年は5トンとなっております。また、金の密輸入に係る応収量について、同様に申し上げますと、平成30年は2054キログラム、令和元年は319キログラム、同2年は159キログラム、同3年は27キログラム、同4年は135キログラムとなっているところでございます。
26:32
金は輸入に対して輸出の方が多くなっている。かなりの金がもしかしたら輸入されて、消費税が完付されている。不正にやはり消費税分を得ている人がたくさんいるとも推測されます。密輸入を企んでいる者に税を適正に納付させて、税金を取りそびれないようにする。また、インターネットショッピングなどが増える中で、多様化、巧妙化の手口でのコピー商品の不正輸入に対応するためにも、