1:09
今から厚生労働委員会を開会いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。遺職審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長、佐原康幸君ほか12名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないと認め、さえお決定いたします。去る13日、予算委員会から3月17日の1日間、令和5年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の遺職がありました。この際、本件を議題といたします。予算の説明につきましては、既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。
1:59
自由民主党の井口名彦です。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。まず、HPVワクチンについてお聞きします。子宮経がんは、20代から増え始め、働き盛 りの世代、そして結婚、出産や子育て等の変化の大きい時期と重なる30代から40代の発症が多く、進行すると子宮を全摘出することにより、妊養性を失うケースや、命に関わる深刻な疾患です。現在、年間1万人が罹患し、約2900人の方が亡くなっています。原因の95%がHPVの感染であり、日本では2013年4月より、小学校6年生から高校1年生の女子を対象に定期接種に追加されました。2020年11月時点では110カ国で公的な予防接種が行われており、カナダ、イギリス、オーストラリアでは接種率80%ですが、日本では少しずつではありますが、伸びてはいますが、まだまだ低い状況となっています。2022年4月から一時的に差し控えられていた積極的感染症が再開され、本年4月より2カ及び4カワクチンに加え、シルガード9、9カHPVワクチンが定期接種の対象となりました。2カ及び4カワクチンは、子宮頸癌の原因である50から70%のHPVの感染を予防でき、9カワクチンに至っては80から90%のHPVの感染を予防することができます。また、HPVワクチンには中院等がんや肛門がんの予防にも効果があります。このワクチン接種に関しまして、女性への接種の促進はもちろんですが、予防という観点から男性にも接種していくことが望ましいと私は考えます。2020年12月に4カHPVワクチンの男性への接種が承認されましたが、妊娠接種でもあり、周知もまだまだ足りていない状況となっています。海外の状況を見ますと、例えばフランスでは男女問わず11歳から14歳に接種を推奨していますが、2021年末時点で15歳女子の45.8%が1回接種、15歳男子では6%にとどまっています。この状況を変えるために、今年2月、マクロン大統領がHPVワクチンの接種率向上に全国の中学校で秋の新学期から男女問わず集団接種の機会を設けると発表しました。義務化はせず、接種には保護者の同意が必要となりますが、対策を進めていく上で、このようなリーダーシップはとても大事だと考えます。やはり感染を防ぐことを考えますと、女性へのHPVワクチンの接種だけではなくて、男性への定期接種会に向けた議論を進めることが重要だと思いますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
5:18
お答えいたします。男性に対するHPVワクチンの接種につきましては、予防接種法の定期接種に位置づけるかどうかにつきまして、これは厚生科学審議会のワクチン分科会でありますけれども、厚生科学審議会におきまして、令和4年8月から議論を開始しているところでございます。定期接種への位置づけの検討に当たりましては、臨床試験だけではなくて、リアルワールドデータも含めた有効性・安全性等について検討する必要がありまして、現在国立感染症研究所に対しまして、こうしたエビデンスを整理したファクトシートの作成を依頼しております。今後ファクトシートが本審議会に提出された段階で、定期接種可能是非についての論点整理及び議論が行われる予定であります。男性への接種に関する海外の同行等の情報収集にも努めまして、提出されるファクトシートの内容も踏まえた上で、審議会で十分に御議論いただき、定期接種 に位置づけるかどうかの検討を進めてまいりたいと考えております。
6:25
ありがとうございます。この件に関しましては、これからも議論を進めていきたいと思います。ありがとうございます。また、HPVワクチンの接種機会を逃した方に対して、2022年度から3年間、キャッチアップ接種を実施しています。対象者は、1997年4月2日から2006年4月1日生まれの女性で、接種可能期間は2022年4月から2025年の3月までとなっています。開始から約1年が経過しましたが、実施率は低調な状況です。せっかく整えた制度にもかかわらず、まだまだ対象者に把握されていない現状を感じていますし、また、期限付きのキャッチアップ接種を含めて、このHPVワクチンの周知というのは不十分だと思います。自主立候補のために も、当事者や保護者、また周りの大人への周知、啓発が、喫緊の課題ではないかと思うんですけれども、この辺りはどのようにお考えでしょうか。
7:31
HPVワクチンにつきましては、昨年4月から積極的鑑賞を再開するとともに、いわゆるキャッチアップ接種も、令和7年3月までの3年間の予定で開始をしております。今後、本年4月からの9日のHPVワクチンの定期接種の開始を機に、キャッチアップ接種対象者を含めて、新しいリーフレットを接種対象者や保護者等に配布するとともに、ホームページの更新等を行い、より積極的に広報することとしております。具体的には、キャッチアップ接種対象者にも、9日HPVワクチンを使用で きること、また、15歳未満で9日HPVワクチンの初回接種を行えば、2回の接種で完了できることなどを分かりやすく説明し、接種対象者やその保護者が正しい情報に基づいて、接種について検討判断できるよう、的確な情報発信を図ってまいりたいと考えております。また、周知の方法につきまして、これまで厚労省としては、ホームページでQAを掲載するほか、自治体を通じてリーフレットを直接、本人や保護者に送付すること、あるいはSNSによる発信等により、情報提供をしてまいりました。接種対象者やその保護者等の年代に応じて、このような情報を、どのような媒体を用いて提供することが、より効果的かどうかについても検討し、より良い周知広報に努めてまいりたいと考えております。
9:01
広報の面でも、いろいろ取り組んでいただいて、ありがとうございます。まだ、男女への接種課題の議論も含めて、今後もHPVワクチンへの周知と、接種率向上に向けて、しっかり取り組んでいかないといけないと、私も思っています。次に乳がんについてお聞きします。我が国のがん検診の受診率を調べてみますと、ほとんどの検診で目標としています50%に達していません。ちなみに、達しているのは、男性の肺がん検診のみです。乳がんの受診率は、女性部位別でのがん罹患率がトップにもかかわらず、2019年で47.4%と、低い水準となっています。乳がんは、40代から罹患率が高くなり、今や9人に1人がかかっています。そのリスク要因として、まだはっきりしたことはわかっていませんが、例えば、出産歴がない、処刑年齢が早い、閉刑年齢が遅い等の要因や、飲酒や運動不足等の生活習慣も、要因の一つだと考えられています。その乳がん検診ですが、自治体の検診は、原則、マンモグラフィーのみとなっています。しかし一般的に、日本を含むアジア人には、高濃度乳房が多く、マンモグラフィーでは、陰性と診断されることが多いと聞いています。高濃度乳房というのは、病気ではありません。乳房の中の乳腺が多く、マンモグラフィーでは、乳房が白く映るタイプの乳房で、そのマンモグラフィーでは、乳がんのしこりも白く映ることが多いため、病変を見つけにくくなり、発見できる確率が低くなるんだそうです。不均一高濃度と極めて高濃度を合わせて、高濃度乳房と言いますが、40歳以上の日本人の約40%が、高濃度乳房であると推測されています。私は42歳の時に受けた人間ドッグで、乳がんの告知がありました。当時、マンモグラフィーでの検査は、異常がなかったのです。でも、超音波、エコーで再検査となって、乳がんであることが分かりました。検査の方法は違えど、検査は検査ですから、そんなことってあるんだろうかと、後に主治医に確認をしていました。そうしましたら、私の場合は、乳頭近くに病変が存在していたこと、また病変が小さかったことなどの要因もありますが、不均一高濃度乳房であるとの説明をしていただきました。乳がんにおいて、自分自身が高濃度乳房であるかどうかは、検査や治療の方向性を決める上で重要なことであって、本人に通知してフォローしていくことで、健診への理解や意識も高まって、安心にもつながります。アメリカでは、高濃度乳房であることを、対象者に通知することが義務付けされているところもあると聞いていますが、日本では、現状高濃度乳房の通知は、自治体の判断となっています。高濃度乳房は、その人の乳房の個性といいますか、体質ですので、できれば知りたい要素であります。今後通知してはどうかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。厚労省の見解をお聞かせください。
12:38
お答えいたします。乳がん検診のマンモグラフィーの結果、高濃度乳房と判定された方に対する、追加の検査につきましては、死亡率減少効果が示された検査方法はなく、不必要な検査を追加で受けるなどの不利益が生じる可能性があることから、日本乳がん学会や日本乳がん検診学会等は、現時点で全国の市町村等で、一律に高濃度乳房かどうかを対象者に通知することは、時期早々である旨を提言されております。この提言も踏まえまして、自治体における乳がん検診においては、高濃度乳房であるかどうかなどに関する通知を行うことを一律には求めておりません。しかしながら厚労省としては、市区町村が対象者に通知する場合には、適切に留意事項等が伝わるように、厚労省研究班の研究成果を各自治体に周知しているところでございます。今後、高濃度乳房と判定された方に対する、有効な追加の検査方法について、科学的根拠が蓄積されれば、厚労省のがん検診の実施のための指針に位置づけることも含めて、がん検診のあり方に関する検討会での議論となるものと考えております。引き続き、科学的根拠の収集と、適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
14:12
ありがとうございます。よく分かりました。ただ、一般論としまして、がん細胞って、1センチの大きさになるのに、10年から20年かかるそうなんですよね。でも、1センチから2センチの大きさになるときには、1、2年でなってしまう場合もあるというふうに聞いています。だから、もし乳房の中にがん細胞があって、マンモグラフィーだけの検査で異常なしと言われてしまった場合、40歳からは2年に1回の検診受診が推奨されていますので、2年後の検査で、そのがん細胞がどこまで成長してしまっているかを想像すると、非常に不安で、また、怖さも感じます。現在、厚生労働省が国家プロジェクトとして立ち上げたJSTART、乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験において、40代を対象にRCTを計画し、実施され、マンモグラフィーと超音波の併用検査による死亡率低下等有効性の検証が行われています。ここでお聞きします。マンモグラフィー単独での発見率と、マンモグラフィーに超音波を併用したときの発見率は、どの程度違いがあるのでしょうか。また、違いがあるとすれば、どのようにお考えでしょうか。
15:41
お答えいたします。委員御指摘のJSTART、これは国立研究開発機構、研究開発法人日本医療研究開発機構の研究でありまして、乳がん検診の有効性を検証するものでございます。その研究の中では、マンモグラフィーのみを実施した群と、マンモグラフィーに超音波検査を加えた群の間で比較研究を行っておりまして、マンモグラフィーに超音波検査を加えた群での乳がん発見率は0.7%、マンモグラフィーのみの群では0.4%と、超音波検査を加えた場合は、がんの発見率が0.3%高いことが示されているところでございます。
16:35
やはり0.3%高いということで、現段階ではありますけれども、併用した検査の方が発見率が高いという結果が分かりました。今後もこれは中止をしていきたいというふうに思っております。JSTARTの最終結果はまだ先のことだとは思うんですけれども、未来の女性の皆さんのためにお聞きします。乳がん検診でマンモグラフィーにプラスして、超音波検査を導入していくことについて、現状と先の見通しなどをお聞かせ願いますでしょうか。これは加藤大臣よろしくお願いいたします。
17:17
今、局長答弁のとおり、40歳代の女性の乳がん検診において、マンモグラフィーと超音波検査の併用が有効かどうかを検証するJSTARTが実施をしているところであります。その中では、健康で無症状な集団において、マンモグラフィーと超音波検査を併用した場合に、マンモグラフィー単独検査に比べて乳がんの発見率が高まることが明らかとなっています。他方で、検診受診者のフォローアップ期間内であり、マンモグラフィーと超音波検査の併用が乳がんの死亡率を減少させるかどうかのことについては、まだ明らかになっていないと承知をしております。現時点で、がんの発見等による死亡率減少を目的としている対策型検診に超音波検査を含めるかべきかとの判断、これはなかなか判断しにくい状況にはありますが、今回の研究結果も踏まえながら、超音波検査などの新たな検査について、乳がん検診の受診率の向上に指示するか、今ご指摘の点、もう総合的に勘案しながら、対策型検診としての位置づけについて検討してまいりたいと考えております。
18:30
ありがとうございました。自分の経験からもそうなんですけれども、マンモグラフィー単体の検査で発見が遅れてしまう可能性がある方々がいらっしゃると思います。ですから、1日でも早く、私は高濃度乳房の方だけでもマンモグラフィーとエコーをセットにして検査をしていただけると、早期発見につながっていくのではないかなというふうに考えています。また、将来の課題として、検査方法について考えていくべきだと思っています。例えば、マンモグラフィーは検査をするにあたって、かなり痛みを伴いますので、受けることを躊躇してしまうといった方も正直多いです。最近では、新たな検査方法がいくつか出てきているようですが、私が注目をしたのは、無痛MRI眼検診というものです。乳房型にくり抜かれた専用のMRIベッドで、うつべせになって検査をする方法です。もちろん、死亡率低下等についての有効性の検証が前提ではありますが、この検査方法はまず痛くないんです。着意のままで恥ずかしさがないんですね。MRIは放射線を使わないため、被曝ゼロなので、心配な人にも安心。あと、放狂術とか乳房手術の後も検査可能なんです。そして、日本人に多い高濃度乳房でも乳腺密度の影響をほとんど受けないために、問題なく検査が可能であって、高濃度乳房にも適していると言えます。そして乳がんと言いますと、一般的に女性に多い疾患ですけれども、男性に発症することもあって、乳がん全体の約1%を占めると言われています。国立がん研究センターの調べで、2019年670人の男性が乳がんになって、2020年129人がお亡くなりになっています。あまり注意を払うこともなく、認知度も低いことから、心肝がんで発見されるケースが多いそうです。男性もマンモグラフィー検査は可能だそうですが、胸を引っ張って伸ばすと、やはり痛みを感じやすいことから、mriは男性も検査しやすいと思います。ここで質問させていただきます。今後マンモグラフィーのほかに、検診受診者に負担の少ない検査方法も、検討していくべきではないかと考えますけれども、厚労省の見解をお聞かせください。
21:10
お答えいたします。御指摘のように、できる限り多くの方に受診していただく観点から、乳がん検診において、痛みなどの身体的な負担を軽減することが重要であると考えております。痛くない検査方法の例としては、今御指摘のように、mri検査や聴音波検査が挙げられると思います。一方で、がん検診の実施に当たりましては、死亡率減少という利益が検査の利用性や、あるいは過剰診断等の不利益を上回ることが必要であります。これまでその点が明らかになった検診方法について、厚労省のがん検診実施のための指針の中でお示しをしてきております。厚労省としては、引き続き専門家の御議論も踏まえまして、より効果的な検診の在り方について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
22:05
ありがとうございました。職域の取組についても通告していたんですけれども、時間がなくなってしまいました。申し訳ありません。これからもがんにおいて、すべての人々の不安が解消できるような社会づくりを目指していきたいと思います。質問を終わります。ありがとうございました。
22:39
立憲民主社民の内越桜です。医師の働き方改革が他の職種より遅れて2024年 から実施される予定で、来年4月から時間外労働の上限規制が始まります。病院などに勤務する医師は、原則年間960時間、月100時間までが残業の上限となる一方、地域医療が担いなくなるなど、やむを得ない場合に限り、年間1860時間が上限となる特例があります。令和3年改正医療法では、長時間労働を行う医師に対する健康確保の枠組みとして、A、B、連携B、C1、C2という5つの水準が設けられることになりました。2024年4月の時点で、A水準、すなわち一般的な勤務員の割合は、どの程度見込まれていますか。伊勢局長に伺います。
23:39
お答え申し上げます。今、委員御指摘のとおり、令和6年4月以降、復業、兼業先も含めた医師の時間外、休日労働時間の上限につきましては、年960時間が原則、いわゆるA水準となるところでございますが、一人一人の医師の労働時間を国が直接把握する仕組みがございませんということから、年間の上限時間が1860時間となる、先ほど御指摘いただいたB、連携B、C1、C2といった特例水準が適用される医師の人数を把握することによって、全体の傾向を把握することが可能になるのではないかと考えているところでございます。都道府県知事による特例水準の指定につきましては、医療機関に対して行われるというものでございますけれども、指定を受けた医療機関に勤務する医師全員に対して、年1860時間までの時間外休日労働が認められるというものではございませんので、やむを得ず長時間労働となる医師を医療機関ごとに特定する必要があるということでございます。現在、医療機関におきましては、医師の働き方改革の施行に向けて、医師の労働時間の短縮に向けた取組を進める中で、長時間労働となる医師がどの程度の人数になるのかといった確認を行っていただいていると認識しているところでございます。今後、特例水準の指定申請に向けて取組を進めます中で、指定を提出する医療機関の数、また対象となる医師の 人数などにつきましても、少しずつ大枠が明らかになってくるものと承知しております。このために、今の段階において具体的にどの程度の割合となるか、申し上げるということはなかなか難しい状況でありますことは、御理解を賜れればありがたいと思っているところでございます。
25:21
今、おっしゃっていただいたように、確かに把握というのは困難な面もあるのでしょうけれども、医師不足が問題となっている現状で、長時間労働を行う医師の立場に立って、把握困難の中でも目指していただきたいと、それは要望いたします。そして、一般的な勤務以外の累計が多い現状が非常に残念なことだと思います。医師の働き方改革は実現されなければなりませんが、一部を除いて、開始から10年程度で暫定特例水準を解消することが目標とな っています。果たしてそれは可能なんでしょうか。10年後の見通しを伺います。そして、その見通しが今後の医師数の推移と成功するのかも、併せてお答えください。
26:15
今、御指摘を頂戴しましたように、地域医療確保暫定特例水準については、2024年4月以降の3年ごとの医療計画の見直しサイクルに合わせて、規制水準の段階的な引き下げを実施し、12年後の2035年度末を目途に解消するとしています。医師数の推移と地域医療確保暫定特例水準の解消を行う2035年度末については、直接の関連性がないところですが、一方で医師数については、平成22年から令和2年までの10年間で、全国で約29万5千人から約34万人へ、約4万5千人増加してきている状況です。一方で、医師の偏在を解消していくことも重要な課題で、地域における医師の確保については、特定の地域や診療課での勤務を条件とする地域枠を、医学部定員に設定することに加え、医師が不足する医療機関に医師を派遣できるように、地域医療介護総合確保基金による大学病院等への寄附口座の設置、非常勤医師の確保経費への補填などの取組を支援しているところです。その上で、地域における医療提供体制を確保しつつ、医師の労働時間を短縮に取り組む医療機関に対しては、地域医療介護総合確保基金による医師の勤務環境改善の体制整備に係る支援、あるいは診療報酬の地域医療体制確保加算などによる評価などの取組を実施しているところで、地域医療の確保と医師の働き方改革を一体的に推進しているところです。引き続き、医師確保の状況もよく見守りながら、都道府県や医療機関等の御意見を丁寧にお伺いして、緊密に連携を図りながら、令和17年度末の地域医療暫定特例水準の解消を目指して、医師の労働時間短縮の取組を支援し、どの地域でも切れ目のない医療を安心しておきられる体制の構築に取り組んでまいりたいと考えているところです。
28:23
そうした取組をしてくださっているということは理解するのですが、ただ、都道府県における医師数は、東京都を除けば、正高等低型と、新潟県は全国最低水準です。医療提供体制に濃淡があるということは望ましいことではありません。政府として、医療提供体制にこうした地域差があること、それをどのように解消していくかということについて、取組と、今後全国の医師数が平準化される見通しについて、大臣にお伺いします。
28:59
今、御指摘の医師の地域偏在は、これは全国的に是正を図るべき課題だと認識をしております。平成30年に成立した改正医療法により、国において都道府県ごと、及び二次医療県ごとの医師の多化を比較評価する医師偏在指標を算出し、その下位3分の1の地域が、計画期間中に下位3分の1の基準値である目標医師数を超えられるよう、都道府県において医師確保計画を作成し、取組を実施しておるところであります。具体的には、医学部の入学定員に地域枠を設定し、こうした学生を対象に就学資金を対応すること、専門医の取得など本人のキャリアパスに配慮しつつ、医師不足地域等で診療に充実することができるようなキャリア形成プログラムを作成し、さらにその充実を図ることなどの取組に、地域医療介護総合確保基金による支援を行っております。令和2年度から令和5年度までの計画期間の途中ではありますが、令和2年のデータを用いた医療医師偏在の暫定値では、平成28年のデータを用いた医師偏在指標と比較しますと、医師少数圏の約4割、医師少数区域の約3割において、当初の解1/3の基準である医師数を超えている現状にあります。医師偏在の是正については、医師確保計画に基づき設定された地域枠の効果や、医療計画との整合性の観点から、2036年、これは長期的な目標としておりますので、引き続き自治体等の意見を聞きながら、医師偏在是正にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。内閣審議官 石田くん地域医療構想の実現に向けては、重点支援区域において、国による助言や集中的な支援が行われることになっています。これまで新潟県では、県央区域と上越区域、里区域が選定されています。選定対象において気になるのは、優先して選定する事例の中に、できる限り多数、少なくとも関係病院の総病床数の10%以上の病床数を削減する等配合を検討する事例が含まれていることです。地域医療構想の実現に向けた国による支援を示した骨太方針2019は、コロナ禍の前に策定されていて、これを厳格に運用するということには疑問があります。実際の運用において厳格に考慮されてしまっているのでしょうか。榎本厳局所地域医療構想につきましては、御承知のとおり、都道府県が主体となって、地域医療構想調整会議における関係者との協議を踏まえて、地域の御理解を得ながら取り組むものでございまして、病床の削減や等配合ありきではないというものでございます。一方、今、委員御指摘ございました、病床数を削減する等配合を検討する事例も含めまして、論点が多岐にわたる事例につきましては、都道府県の取組経験が少なく、また単独で取組を進めることが難しいというような場合もありますことから、国が財政的技術的支援を集中的に行う重点支援区域に優先的に選定するということとしているところでございます。この重点支援区域の選定につきましては、地域医療構想調整会議の合意を得た上で、都道府県が申請したものに対して行うということとしてございまして、今御指摘があった優先して選定する事例であるかどうかに関わらず、実はこれまで申請いただいた事例は全て選定をして、現在までに12道県18区域を支援しているという状況でございます。私のもとでいたしましては、引き続き都道府県と連携して、地域において必要な病床機能再編の取組を支援してまいりたいと考えているところでございます。
32:53
柔軟な運用を望みます。地域医療に目を転じまして、地元新潟県において、本当に人口減少と高規高齢者の増加が確実視されているんですが、地域医療が大学病院や市中病院等からの医師派遣によって支えられているという実態がございます。ここで移居制度の是非については立ち入りませんけれども、根深い問題があるということは指摘しておきます。既に述べた医師の働き方改革によって、地域の医師不足が懸念されています。新潟県の試算では、時間外勤務の上限を年間1860時間とした場合でも、医師が4人以上いない診療科では、2024年以降、休日・夜間の診療体制、すなわち救急体制を確保することができなくなるそうです。これは大変な事態と思われます。こうした診療科は、救急体制を維持できなくなるということですが、これは地域での集約化、あるいは再編されることでしか解消できないのでしょうか。伊勢彦局長、御見解をお願いします。
34:04
お答え申し上げます。医師の働き方改革の推進に当たりましては、医療提供体制の確保に影響を及ぼすことがないように、単に医師の労働時間を制限するのみならず、業務の効率化による生産性向上を図ることが重要で、各医療機関における取組を進める必要があると考えています。救急医療になる医療機関の場合でありましても、まずは医師の労働時間の現状を把握した上で、医師から他の医師、あるいは医師から看護師などの医療従事者へのタスクシフトやタスクシェアを行うこと、あるいは勤務医療の推進など、医師の労働時間短縮の取組を医療機関全体で取り組むことが重要であると考えています。地域の状況によりましては、今、委員御指摘がございましたように、地域における医療機関の機能分化連携というやり方が有効な場合もあり得ると思いますが、そういった場合でありましても、まずは各医療機関における取組を進めつつ、地域の医療関係者等との調整を進めることとなると考えています。救急医療体制等の確保につきましては、各医療機関における取組によっても可能であると考えておりまして、その方法が医療機関の再編等に限定されるというものでは、