1:14
ただいまから、文教科学委員会を開会いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。遺植審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房、文教施設企画防災部長笠原孝君ほか6名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、裁を決定いたします。去る13日、予算委員会から、3月17日の1日間、令和5年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について、審査の遺植がありました。この際、本件を議題といたします。予算の説明につきましては、既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次ご発言願います。
2:24
自由民主党の今井恵子です。まず初めに、学校施設における、良好な職場環境づくりについてお伺いします。今の学校現場では、教員不足への対応と、教員の働き方改革が大きな課題となっております。労働時間、給与、採用等の在り方が大きな論点となっていますが、教員が働く学校施設の環境整備も、とても重要であると思います。公立小学校の教員の63%、中学校では45%を女性が占めています。男女の差別なく活躍できる社会づくりが進められる中、出産後、早い時期で職場復帰をされる女性も増えています。民間企業を見渡せば、マザーズルームと呼ばれる、採入ができる環境の整備が広がりを見せています。アメリカでは、企業が採入するための時間と場所、これはトイレではない適切な場所のことですが、それらを提供することが法令化されているとのことです。なぜその取り組みが必要なのか。それは、採入をしなければ胸が張ってしまう、そして乳性炎や体調を崩すという、そういったような問題があるからです。残念なことに、日本の教育現場を見ますと、母乳育児中の女性教職員が増加しているにもかかわらず、トイレや会議室など、非衛生、不便な環境下で採入が行われている実態があります。受入期においても、学校現場を支えておられる先生方がリラックスして、採入などを行える部屋を整えることは、子育てをしながら教団に立ち続ける教員にとって大きな後押しとなると思います。そこでお伺いします。文科省は、受入期においても働きやすい環境を整えるという観点からの学校施設の整備、作入室等の設置の必要性について、どのようにお考えでおられますか。大臣、よろしくお願いします。
4:59
今、委員おっしゃいますこと、本当に切実な話だと思っております。なかなか男性には分からなくても、受入をして、子どもは預けて、それから学校に復帰するということになりますと、やはり、男入の時期からしばらくは胸が張って痛いというところがあります。それにつきましては、学校施設というのは、子どもが学ぶだけではなくて、教職員の働く場でもあることから、快適で健康的な施設環境を確保していくことが重要であると思います。複数の大学では、作入スペースなどの整備事例があると聞いておりますが、こうした取組を普及していくことが大切だと思っております。決してトイレで作入をするというようなことがあってはならないと考えております。このため、文部科学省では、現在、有識者会議におきまして、学校施設づくりのアイデア集の検討を始めております。女性教職員を含みます、教職員のリフレッシュのためのスペースの事例を取り扱うこととしております。引き続きまして、学校施設の設計計画に関します、校事例の普及などを通じまして、地方公共団体など学校の設置者の取組、これを支援をしてまいりたいと思っております。
6:37
ありがとうございます。清潔でプライバシーが保たれた空間が学校内に整備されることは、学校側が現場の教員を大切にしているという姿勢の表れであり、また職員全体のメンタルヘルスにも良い影響を及ぼすものと思っておりますので、全ての教員にとって働きやすい職場環境を目指す上で、このような作業室の整備は不可欠なものと考えています。公立学校教材組合におかれましては、令和5年度に、マザーズルームやリフレッシュルームの設置に付随する備品などの購入費用を一部負担するパイロット事業を実施されると伺っております。国では、小中学校の施設整備指針を令和4年6月に改定して、その中で職員室と一体で、または隣接してリフレッシュスペースを設けることや、自由にくつろげる専用の休憩室を置くことが望ましいとしましたが、作業室等については触れておりませんので、ぜひ今後、この施設整備指針の次期改定の時には、マザーズルームのような女性のための施設整備に触れていただきたい。そして、現在、先ほども大臣からおっしゃられているように、このアイディア集というものにも、ぜひこういったいい事例を掲載していただくようにしていただきたいと思いますが、もう一度、大臣の見解をお聞かせください。
8:31
女性としては切実なお話でございました。文部科学省といたしましては、引き続きまして、学校施設の設計計画に関する委員おっしゃいますように、やはり、こういう事例の普及等を通じまして、地方公共団体など学校の設置者の取組、これをしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
8:59
ありがとうございます。女性が生き生きと働く社会づくりには、女性の多様な子育てに対応して、きめ細かな制度や設備を整えていくことが必要だと思いますので、ぜひ前向きな検討をよろしくお願いいたします。続いて 、ダンスの指導についてお伺いします。平成20年の中学校学習指導要領の改定により、ダンスが24年度から必修化されました。小学校2年生から、私はダンスをやってきたんですけれども、今の子どもたちをですね、とても羨ましく思います。一方で、教員養成課程でダンスを学び、自信を持って教えることのできる現役の先生方は、まだあまり多くはないかもしれません。神奈川体育大学による、中学校教員を対象としたダンス授業の指導状況調査、これは元年度に行っているんですけれども、それによると、ダンス授業の指導に対しては85%が不安があると回答し、その理由としては、ダンス経験や指導経験の不足、また、評価が難しいといった多岐にわたる理由が挙げられています。そこでお尋ねします。指導にあたる教員の不安解消に向けて、今後、文科省としてどのような取組を進めていくのか、伺いたいと思います。
10:50
お答えいたします。ダンスの指導につきまして、体育教員の資質を講じさせることは大変重要なことと認識をしているところでございます。体育授業におけるダンスの指導につきましては、中学校で必修化したことを契機に、平成25年の3月に、小・中・高各段階向けの表現運動及びダンス指導の手引きを作成し、発達段階に応じました指導や実際の授業作りに活用していただいているところでございます。その後、ダンス指導などの体育指導の充実のため、昨年4月、体育を専門としていない小学校教員を対象とした体育指導の手引きを作成したところでございまして、また、映像資料の作成にも現在取り組んでいるところでございます。今後につきましては、これまで作成した手引きや映像資料の活用状況等も踏まえながら、ダンスを含めた体育授業における課題の把握に努め、必要に応じて教員にとって指導の参考となる資料の提供などについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
11:57
様々な取り組みをされているかと思いますが、時代というものは常に変化をしていっています。先ほど平成25年、そういった取り組みを文科省されているということですが、それから約10年ぐらい経っています。この10年間で、やはりこのダンス科目の導入から10年経った今、実施状況を踏まえた検証と、また課題解決のための施策を打っていかなければならないと考えていますが、そこら辺のご見解をお聞かせください。
12:44
ありがとうございます。お答えいたします。先ほどご説明いたしましたように、この手引きにつきましては平成25年に策定をいたしまして、時間が経過しているところでございますが、その後、特に小学校の教員につきましては、先ほど申し上げました手引きを作成して、この内容につきましても、やはり分かりやすい形で指導できるようにということで、実際にどういった形で指導するのかという映像、これも含めてそれぞれお伝えできるような資料というのも作成したいということで、現在取り組んでいるところでございまして、こういった内容について、それぞれの現場でどのように活用されるのかということも十分把握しながら、今後そういった研修あるいは資料 の作成等の充実について努めてまいりたいと考えております。
13:39
ありがとうございます。ダンスというのは、すぐ学んで覚えられるようなものではないと私は認識をしていますが、例えば外部人材の活用ということでお聞きしたいと思いますが、教員に対する研修の充実によって不安を解消したり、より高度な指導技術を身につけていただくことは重要なことだと思いますし、推進していただきたいと思います。同時に外部人材の活用についても積極的に考えていくべきだと思います。私のもとにダンス関係者が訪ねられ、プレゼンテーションを聞かせていただく機会もたくさんあります。例えば理学療法士などの医療関係者とともに考案した脳の発達を促す動きや、また障害特性に応じた動きを取り入れたダンスを考案し、普及に努められている方たちもいます。このような民間の人材やノウハウを活用することで、ダンス科目が一層効果的で充実したものになると考えています。現在、国としてダンス科目における外部人材の活用に資する予算は、令和5年度の予算案には、多様な武道等指導の充実及び支援体制の強化として、指導内容や指導方法等の工夫について実践研究を行うものがあります。この事業は平成27年度から始めていますが、この事業による効果検証も私は必要だと考えます。そもそも、ダンスが必修化された後に行われた平成26年度実施状況調査によると、外部人材の活用はたった1割程度。それ以降、今日まで8年間、調査は行われていない。現在の状況を正確に把握することができないと思います。そこで、現在のダンス科目の実施状況を調査するとともに、外部人材の活用を積極的に推進すべきだと考えますが、ご見解をお尋ねします。角田次長 お答えいたします。体育事業のダンスにおきましては、感じを込めて踊ったり、イメージを捉えて自己を表現したりすることの楽しさ、喜びを味わうことができるようにするため、教員の指導力の向上のみならず、専門的な知見や技術を持った外部人材の協力を得ることは大変重要であると考えているところでございます。先生ご指摘のように、令和4年度のスポーツの委託事業につきましては、教員のダンスの指導力向上を目指した研修会の実施、あるいは学校地域の実態に応じた外部人材の活用によりまして、ダンス事業の充実を図る取組が15の自治体で取り組まれているところでございます。このダンスにつきましては、子どもたちの捉えということでございますが、過去に実施をいたしましたスポーツ署の調査におきましては、ダンスについて楽しかった、あるいは楽しかったと回答した生徒が6割、またもう一度授業でやりたいと回答している生徒が約3割以上ということで、子どもたちがダンス事業を楽しみにしているという状況が読み取れるところでございます。ご指摘ございました、外部人材の活用も含めまして、スポーツを出しましては、子どもたちが生涯にわたって豊かなスポーツライフを継続できる資質や能力を育成するために、ダンスを含めた保健体育事業の実質に努めてまいりたい、またそのための予算確保についても努めてまいりたいと考えているところでございます。
17:44
ありがとうございます。基本的には自治体による取り組みではありますが、先ほどご答弁にもあったように、国としても、例えば外部人材を後押しするような予算措置なども、ぜひ検討していただきたいです。地方やまた離島では、外部人材の確保が困難な場合があります。そのような地域にも質の高いダンス教育指導ができる、提供できるように、例えばダンスインストラクターの派遣に加えて、リモートによる指導の実現などを検討していただきたいと思っております。ところで、特別支援学校におけるダンス科目の実施状況について、教えていただけませんでしょうか。
18:42
このダンスにつきましては、もちろん特別支援学校も含めまして、指導をするということでございますけれども、今どのぐらいの実施状況かということにつきましては、今数字を持ち上げておりませんので、お答えができないという状況でございます。申し訳ございません。
19:05
ちなみに把握というのはされているのでしょうか。
19:18
このダンスにつきましては、もちろん体育授業の中で学習指導要領と必修化されてございまして、特別支援学校におきましても、もちろんこの指導要領に基づきまして、準じた形で実施することとされておりますので、ダンスにつきましても実施をされているというふうに認識をしているところでございます。
19:41
先ほどお話しした、多様な武道等指導の充実及び支援体制の強化事業について、これは特別支援学校も対象とされているのでしょうか。
19:57
この委託事業につきましては、特別支援学校も対象するということで、公募要領にもその旨明記をさせていただい ているところでございます。
20:11
ありがとうございます。ぜひ特別支援学校のそれぞれの障害種別において、ダンスの取り組みというのは、指導の体制というのは、私は様々違うと思っています。その障害の特性やまた個性に応じた指導というものをですね、しっかりと研究していただきたいと思っております。これはスポーツ庁も含めなんですけれども、文科省の初等中等教育局特別支援教育課と連携を取りながらですね、しっかりと取り残さないようにしていただきたいなと考えております。よろしくお願いします。それでは、次に私が初当選以来継続的に質問している事項ですが、本来、保有しなければならない特別支援学校の教員免許上保有率に関してお尋ねします。令和3年度特別支援学校における特別支援学校教諭等免許上保有率は86.5%となりました。増加傾向ではありますが、100%の実現にはまだ程遠い状況にあります。障害者によってもばらつきがあり、特に視覚障害では66.2%、聴覚障害では61.61%と、3人に1人は特別支援学校の教員免許上を 保有せずに教団に立っているという計算になります。確かに教育職員免許法附則第15項の規定で、当分の間、つまり一定期間は特別支援学校の教員免許上がなくても教団に立てることが可能となっています。しかし本来であれば、全ての教員が特別支援学校の免許上を有し、この全てというのは特別支援学校の教団に立つ先生方は、専門性のある授業を行えるような環境で子どもたちが学べるような体制としていくべきです。大臣、例えば大臣のお子さんが耳が聞こえないとします。そのお子さんの立場に立ってみてください。「ろう学校に入学します。目の前にいる先生は必ずしも手話ができるとは限らない」と、何かパクパク口を動かしながら、黒板に何かを書いて、手話らしきジェスチャーをしているが、何を説明しているのかがわからないといった現状を私も目の当たりにしてきました。蓋を開けると、手話どころか専門の免許上を持っている先生は6割しかいないという現状なんです。私たち大人は簡単に言います。人手が足りないから仕方がないとか、今専門的な先生を増やす努力をしているとか。でも子どもたちにとっては、子どもたちの1日は大人の1日とは違うんです。子どもたちにとっての義務教育のこの9年間は、巻き戻すことができない貴重な時間なんです。だからこそ、私は必死になって、1日でも早くこの状況の改善を訴えてきました。これまでも専門の免許上がなくても特別支援学校の教員になれるという例外規定である教育職員免許法不足第15項の早期廃止を訴えてまいりました。この不足第15項というものは、設置されたのは昭和29年なんです。すでにもう60年以上が経過されているんですけれども、何らそこに関して皆さん頑張って取り組んでおられないのではないかと。この問題に対する文科省の見解をお伺いします。
24:47
お答えいたします。特別支援学校における教師の専門性の向上は大変重要であると認識をしております。現在、特別支援学校の教員の免許上保有率は86.5%。これ、先生からご指摘のあった数字でございます。また、障害種別によってばらつきがあると、こういった現状にあるのも事実でございます。