19:29
内閣提出「脱炭素」成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案」を議題といたします。本日は本案審査のため、参考人として、東京大学副学長、公共政策大学院教授、大橋博史君、京都大学大学院経済学研究科教授、諸富徹君、ボストンコンサルティンググループマネージングディレクター&シニアパートナー、茂竹直樹君、日本労働組合総連合会副事務局長、石上千尋君、以上4名の方々にご出席いただいております。
20:26
この際、参考人各位に一言ご挨拶申し上げます。本日は、ご対応のところ、本委員会にご出席をいただきまして誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれの立場から、忌憚のないご意見をお述べいただき たいと存じます。次に、議事の順序について申し上げます。まず、参考人各位からお一人15分程度でご意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えを願いたいと存じます。なお、念のため申し上げますが、ご発言の際には、その都度委員長の許可を得て、ご発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、ご了承願います。なお、マスクはお取りいただいても構いません。それではまず、大橋参考人にお願いをいたします。先生方、おはようございます。本日、よろしくお願いいたします。ご紹介いただきます東京大学で副学長しております大橋博士と申します。経済学を専門としています。本法律案との関わりですが、経済産業省に設置された、「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等の在り方に関する研究会」や、「環境省のカーボンプライシングの活用に関する省委員会」などで、委員を務めさせていただきました。本日はこのような貴重な場をいただきましたので、我が国におけるグリーン・トラスフォメーション、略称GXの取組と、それを支える政策の在り方について、意見を述べたいと思います。我が国は3つの大きな環境変化の真っ只中にいます。まず、少子化、人口減少、低成長という3つの減少トレンドがございます。2つ目の環境変化は、資生学的なリスクの高まりでございます。具体的には、2021年秋に始まり、ロシアの複雷の振興によって深刻化した輸入資源化学の高騰があります。3つ目は、DXと脱炭素の加速化です。脱炭素については、我が国は2050年に向けて、カーボンニュータラル、つまり、温室効果ガスの人為的な発生による排出をネットでゼロに均衡させることを宣言しています。同時に、2030年には、2013年度比で46%を超えるCO2削減を目指しており、この目標も相当に高いハードルと受け止められています。こうしたDXとGXの進展の中で、新たな市場が生まれており、そうした新市場や新たなニーズに対して、産業構造の転換を遅滞なく進めていかなければならないという現状に、我が国はございます。2050年カーボンニュータルに向けて、多くの国が試行錯誤を始めています。この道のりは、各国それぞれに異なることが予想されます。産業構造や脱炭素に必要な技術開発の進展状況、また直面するエネルギー資源の不損状況や調達状況が、それぞれの国で異なるからです。当然のことながら、我が国も、自らの事情に合わせた政策を考えていく必要があります。我が国を振り返りますと、まず一時エネルギー自給率は11%と、G7諸国の中でも極端に低い状況にあります。産業構造では、製造業で働く就労者割合が20%程度と高く、自動車をはじめ製造業のしっかりとした基盤があります。製造業においては、単なる電化による脱炭素化には限界がある分野が多くあります。これまで使ってきた化石燃料をバイオ燃料へと転換したり、原材料それ自体を変えたりするなど、抜本的な製造プロセスの改革をすることで、直接排出を減らす必要がございます。こうした製造プロセスにおける脱炭素技術の多くは、まだ研究開発の段階にあり、技術がいつ実用可能になるのか、不確実性が高い領域も多くあります。こうしたGXの取り組みは、デジタル化 と同時に進められる部分が多くあるものの、その投資には相当の額を要する事業になるものと予想されます。実用化に向けての不確実性が高く、費用面でも巨額になりがちな研究開発は、企業単独で行うことはかなり困難で、企業は投資に躊躇することが予想されます。ここに脱炭素に向けて官民が共同して取り組む必要性が見えてきます。まず、企業の脱炭素投資を先行的に誘発するためには、国がGXに向けての強い支援の姿勢とコミットメントを示すことが有効です。企業の実施性を促しながら、産業構造の転換に踏み出せるような政策パッケージを示す必要があり、今回の法案はまさにそうした意図が込められているものと思っています。巨額な脱炭素技術への研究開発投資を、民間の金融機関がどこまで融資できるのか、不安が残ります。民間融資を一定程度国が下支えするような仕組みも、同時に必要になるものと思われます。先行投資を一定期間支援し、脱炭素技術が実用的な選択肢になってきた段階で、投資財源を回収する仕組みが求められます。これが炭素付加金であり、発電事業者への優勝オークションであると思われます。優勝オークションは発電事業者に対する追加的な負担のように移りますが、この制度は電源の脱炭素化を促す一つのスキームとしてとられるべきであり、後に述べる社会の行動変容を促す観点では、価格転換を外政的に行うことも必要な措置と考えます。脱炭素等成長を意欲的に目指す企業を政府が積極的に後押しする仕組みは、既に始まっています。昨年からGXリーグがスタートし、我が国全体の排出量のほぼ40%をカバーしているものと思います。企業の実質的な判断を重んじながら、企業が掲げる目標を行政や第三者が確認して、企業に差がある成長と改善を求めていくという、我が国のGXの取り組みは、世界でも類を見ない画期的なものであります。この取り組みを「プレッジ&レビュー」といい、パリ協定でのNDCに近いものだと思いますが、我が国では、企業のイノベーションを萎縮させずに、行政目的を達成させる手法として、デジタルプラットフォーム透明化法などでも使われている手法であります。このGXリーグの理念は、我が国の企業にも広く賛同を受けているものと思います。
27:30
こうしたGXの手法を、成長維持し近隣諸国の声をしっかり拾いながら、アジアに広げていくことは、我が国がアジアのダストハス化をリードし、G7など他の先進諸国の取り組みとの橋渡しをする役割を果たす上でも、我が国に期待されているものと思っています。なお、企業の実質性を尊重することなく、海外諸国と同様に、強い規制をまず入れるべきという声があることも承知しています。こうした見方は、理論的にはわかりやすいものと思いますけれども、他方で、我が国でそのような措置をとると、海外移転がさらに深刻化することが懸念されます。我が国での省エネの促進は、実は一部リーケージが入っているとの研究も出ており、現実を見据えた政策設計が必要になるものと思います。GXリーグに参加する脱炭素と成長を意欲的に目指す企業が、脱炭素投資を適切に回収する場として機能するのが、排出量取引制度だと思います。そこで、排出量取引は、投資の予見性がしっかり担保されることが望まれます。価格においては、上限と下限を入れたバンドの中で取引をすることで、若干の収入を政府が得ることも可能になるものと思われます。排出量取引における取引価格は、これまで暗示的と批判されてきた、国民の炭素負担が明示化される場の一つになるべきだと考えます。まず、既存制度を排出量取引へ修練させていくべきと考えます。具体的には、省エネ法や高度化法などを、排出量取引の屋上多くを課すことなく、排出量取引に合流させる明示的なカーボンプライシングに衣替えすべきだと思います。同じことは、現行のガソリン課税やフィットフィップなどにも当てはまります。首都は現行を維持するままで構わないと思いますが、ガソリン所税やフィットフィップなど、国民が脱炭素の取り組みとして負担しているものは、温帯税と同様に明示的なカーボンプライシングとして位置づけるべきです。そうすることで、欧州が進めるCバム、これは炭素国境措置と呼ばれるものですけれども、そうしたものに対しても、我が国の炭素負担を正しく示すことができ、国益にかなう取り組みだと思います。
29:52
なお、排出量取引には無償 枠の配付なりキャップなりがかかることになります。不利設備が多い企業は、設備を閉じれば余剰が生まれ、排出量取引において収入に変えることができます。他方で、新たな投資を積極的に行う企業は、少なくとも一時的には排出量が増えることになるので、排出量取引が行われることで、投資をためらいがちになる懸念があります。
30:20
ある企業が新たな脱炭素投資を行い、別の企業が不利設備を閉じれば、国全体では脱炭素に一歩近づきます。さらに、海外で脱炭素投資を行うことは、国のクレジットにならなくても、世界全体でのカーボンニュートラルには繋がります。現在の個々の企業や国に排出量を割り当てるやり方は、あくまでインセンティブを確保するためであり、カーボンニュートラルを進める上での必要条件にしか過ぎないことから、キャップの与え方を工夫することで、制度の柔軟性を高める不断の努力が必要だと思われます。なお、脱炭素というと、酸エネや原子力など、電気の脱炭素化に目が向きがちですが、すべての経済活動を電化することはできません。科学産業や航空産業では、合成燃料やバイオ燃料が必要です。現在、我が国企業は、そうした燃料の海外調達に乗り出していますが、国内にしっかり資金を管理させる視点を国家として持つためにも、国産バイオ燃料の生産に本腰になるべきではないかと思います。サトウキビは現在、関税から得られる収入を使って生産補助している効果もあり、生産量が消費量を大きく上回っていますが、サトウキビを高級燃料にすることで、沖縄の地域航空の革新化に大きくつながります。また、我が国には工作放棄地が多くありますが、油を多く実らせる燃料作物を植えることもできるはずです。あるいは、森林のセルロスからバイオ燃料が作れます。すぐには費用対効果の点で、石油代替にはなりませんが、海外調達の交渉力を高めるカードとして、国産バイオ燃料のロードマップを作って、量と価格の将来目標を決めることは、中長期的なエネルギーの安定供給に大きく資することになります。現在、放火災害を議論している「即量農業農村基本法」において、エネルギー作物の生産を一時受けることも含めて、国としてしっかりエネルギーの安定供給に努めることで、国保を守っていただきたいと思っております。
32:28
最後に3点述べさせていただきます。第1点目は、カーボンプライシングの在り方であります。今回提出されている炭素付加金も有償オークションも、サプライズへの上流で課税をする仕組みです。しかし、カーボンニュートラルという社会変容の主役が誰かといえば、それは消費者になります。
32:51
政府が課税をしやすいから、上流でカーボンプライシングを課すという現在の仕組みは、多くの国でもとられていますけれども、社会変革を促すという点でいうと、あるべき姿は消費ベースでの排出量の見える化であり、消費側での行動変容を促すよう、脱炭素による付加価値が的確に過量に反映される仕組みにすることだと思います。
33:14
そのために、カーボンを生産から消費まで追跡して、消費者に全体として炭素消費量を可視化する努力は続けられるべきだと思います。2番目は、土器法との関係になります。GXへの取り組みは、企業単体で行 うことはできません。莫大な投資を必要とする研究開発や、コンビナートにおける脱炭素設備の入れ替え、CO2を回収してCCUS、二酸化炭素の分離回収利用ということですけれども、そうしたものに使うためのサプラインチェーンの形成、水素やアンモニアの調達利用など、企業が共同で設備を廃棄、あるいは新たな設備投資を行って、複製物の回収利用するなどといった、これまで必要とされなかった様々な協調行為を行う必要があります。しかし、土器法の運用が従来通り、企業単位で競争を判断するようなことですと、こうした協調行為は土器法違反になりかねず、コンプライアンスに敏感な企業はGXへの取り組みが足踏みすることになります。
34:24
最近、厚生取引委員会は、グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法の考え方をまとめていますが、これまでの土器法の考え方を踏襲したもので、私が今申し上げた懸念に回答する形にはなっていないものと思われます。今回のGX推進主張にふさわしい独占禁止法の運用がなされるよう期待をしております。
34:50
最後に、政策、立案、評価の在り方について述べさせていただきます。長期にわたる大規模な投資に対して政府がコミットするということは、我が国の従来の政策、立案、評価のやり方に大きな変革を求めるものになると思います。
35:09
例えば、我が国の多くの政策は、単年度で区切られており、やや乱暴に言うと、政策が一度走り始めたら、予算執行期間が終わるまでは手をつけず、最後に自己評価を行って終了というふうな形になっているかに見えます。しかし、このような政策、立案と評価の仕方は、本法案の趣旨がしっかり活かされる形になっているとは思われません。
35:36
政策を執行しながら、エビデンスを取りつつ、政策の方向性を常に確認して、もし方向が間違っていれば、遅滞なく修正する、場合によっては事業を廃止して適切な事業に作り変える、そうしたアジャイルな思考を取り入れた新たな政策、立案、評価の形が本法案には求められると思います。
35:56
アジャイル型政策形成、評価 の枠組みをこの機会に改めて大きく打ち出し、他の基金などの政策の立案、評価の範囲とすべきと考えております。以上でございます。このためには貴重な機会ありがとうございました。
36:16
ありがとうございました。次に諸富参考人にお願いいたします。静岡さんおはようございます。
36:28
京都大学の諸富でございます。今日はこういう機会をいただきましてありがとうございます。
36:35
お手元に資料を配付していただいていますので、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。本法案ですけれども、非常に素晴らしいと言ってしまえば、高く評価をしております。こういう形で包括的なパッケージになってくるということで、このエネルギー環境、気候変動問題というのはまさに包括的な経済全体を左右する問題になっております。包括的に資金調達のあり方、施策手段、エネルギーのあり方、産業のあり方を含めた法案になって いるというのは非常に重要な点だと思います。それから特に株プライス、CPと略しておりますが、これがついにこういう形で導入されたという点、これは画期的でございます。
37:26
本当に私も環境省の委員会にずっと続出して議論してまいりますが、なかなか産業界の方々の理解を得ることができず、うまいものすまない状態でした。ついにこれで導入されることが非常にいいことだと思います。また、特にハイソルトキットを担当すると不課金、税が今不課金という形になっているわけですけれども、これでほぼ経済全体がカバーされます。
37:52
また株プライスイング、これで導入されたもので終わりではなく、段階的発展30年でされることになっている点。それからハイソルトキットについては、私も10年以上前に一度福田首相の頃でしたけれども、人も盛り上がったときに議論に参画いたしましたが、結局そこは察せずにいたしました。それから時間を経てこういう形で入った。これも本当に画期的ですね。
38:17
あと少し後で若干振りますが、EUTS、欧州のハイソルトキット判にとりながら優れた設計になっていると思います。ETSですね。そういう意味では日本の気候変動政策上、この法案は、両室の両面で非常に大きな前進になることは間違いないと思いますし、また気候変動政策が単なる環境政策ではもはやなくて、これもほとんどイコール産業政策になっている。
38:43
このインカイが経済産業委員会ですけれども、この委員会で不義されていること自体が、そういう象徴であると思います。一方で、若干クリティカルな視点から申し上げますと、しかしこの法案を国際的な文脈に置いてみますと、
39:04
必ずしも先端的で世界を引っ張っていける法案かというと、必ずしもそうではないかもしれないということを若干問題提起をさせていただきたいと思います。本当でしたら、この法案でもって、送料を取り戻して一挙に抜き去るというところが欲しかったところですが、実はこの法案をようやく実現したところ、世界を見渡してみたら、もっと世界は先に進んでいたというのが実情ではないかと思います。
39:30
脱炭素は実はもう少し後で申し上げますように、21世紀の経済産業の競争軸の中心そのものになってきております。つまりこれまでは脱炭素化をするということは、コストが増大する産業の足を引っ張るという観念でございましたが、もうこれの認識を全く覆さなければいけなくなってきているということですね。
39:53
これに遅れれば産業として落語し、失われた30年、10年、20年、30年と言われてまいりましたが、さらに40年あるいは失われた半世紀になりかねないということになります。具体的にどのようなことを考えているかと言いますと、次のスライド5ページ目にまいりますが、ニコラ・スタン、これはスタン報告で有名なLSEの教授ですけれども、彼の報告書がございまして、そのすぐ下にカラーの図を点彩しております。
40:22
何を意味してい るかというと、主要な脱炭素にとって、産業にとって、キーとなる技術がいつ転換点を迎えるか、ティッピングポイントと言いますが、要はマーケットに入ってくるか、技術的に確立するだけではなくて、マーケットに入ってくるかということです。そのまるで、中指がついている点がティッピングポイントに到達する都市です。これ大体電力はもう既に再生可能エネルギーが、既存の発電コストを下回る2018年の欧米では、もうそこに来ているということですね。その後、自動車交通関係が2025年前後にティッピングポイントが来て、そしてエネルギー集約型産業、鉄鋼をはじめとする集約型産業のティッピングポイントは、2030年頃にはやってくるということでございます。ということで、我々の想像している以上に、もう20年代に勝負がついてくると言いますか、勝負はまだつかないんですけれども、技術開発の目処がついてくるということが、
41:20
ここでのポイントでございます。次のスライド、7ページ目にまいりますけれども、これは世界で大規模な脱炭素投資プロジェクトが、月々と行われていくというのが、2020年代の動向ということになります。これは世界地図で再現の不存量が多いところが、濃いブルーになっているわけですけれども、ちょっとポイントは、まるで点が落とされている、そして図の左右と下に、ボトムに、国旗がずらーっと並んでおりますが、これが脱炭素投資の巨大プロジェクトが、これは網羅的なものではないというふうに、文献ではエクスキューズしておりますが、こういったものがどんどん入ってくると。欧州では水素還元製鉄のプロジェクトが、月々と行われていきます。また、創業開始は、大体2024年から30年前後になっておりまして、これも20年代後半に続々とこういうプロジェクトが立ち上がってきて始まっていくと。
42:16
これは大体実証炉的な側面が強く、本当に商業的に乗ってくるのは2040年代に実はなるんですけれども、ただ、こういったものがすでに始まっている、競争は始まっているのが、スターの報告書のメ ッセージなんですけれども、こういうことになってきて、スピード感で進み始めているということでございます。これ、皆様よくご存知の、米国インフレ抑制法案、IRAというふうに言いますけれども、
42:44
これも非常に大きなアメリカの脱炭素転換を一挙に促進する大逆転といいますか、アメリカってエネルギージャブジャブの形勢だったんですけれども、これ一挙に大逆転、みたいな感じでございます。この自力推進法案が果たして、温室耕産を本当にIRA並みに減らせるのかどうか、
43:10
先ほど大平先生から、政策評価という話も出ましたが、本当はこういった次のページに出てくるような、スライドにあるような、こういったモデルによるシミュレーションが次々と出てきていまして、自力推進法案はどこまで減らせるのか、そのときにGDPに対する影響はどうなるのか、ということについて、もっと政策評価が、マクロ的な評価も行われるべきではないかというふうに 思います。ここを見ますと、ちょっと字がつぶれていますが、90のはずですね、9枚目、10枚目にありますように、
43:37
今までの経路を大幅に引き下げていくと、このIRAが入ってくるとですね、になります。それで2030年の50から52%減という、アメリカのNTCに沿った目標は、これだけでは単独では到達しないんですが、大幅に近づいてくるということです。他の政策手段を組み合わせることによって、その到達も視野に入ってくるということで、
44:04
2030年代、アメリカの経済を大幅に脱炭素経済に転換をする10年になっていくと、これで大体逆の3分の2を埋めることができる、目標までの間ですね。次のスライドに参りますが、これで何が起きるかというと、圧倒的にサイエネ、太陽光と風力が劇的に、投資額が増加をしていく、巨大なインセントがかけています。
44:30
それから、 電力系統投資、それから水素投資ですね。これが急激に増加をしていく。それによって雇用もですね、再生可能性が系統を中心に、この投資が雇用を大幅にもたらすということです。この法案のさらに恐ろしいのは、アメリカの国内投資に巨大な経済インセントを与えてまして、昨日、おとちの日経新聞に出ていましたが、続々と欧州税も日本税も工場をアメリカに建設しだしていくということで、
44:59
工場をアメリカに建設させる法案でもあるんですね。製造業を取り合う、そういう競争が始まっているということです。13ページにもありますが、そういうことで、21世紀の脱炭素経済、日本は勝てるのかということですね。欧米とも、欧州については既に知られていますので、ついにアメリカもここに乗ってきたということの中で、日本がここに乗っかっていけるかということで、20年代に少なくとも欧米はもう脱炭素経済を栄光する道筋として、日本は果たしてこれでそれに行けるのかということでございます。ちょっとその意味で、政策評価の点でこれがいかなる効果を持つのかが、その評価が数量的なものではないために、私はいかんとも言い難いのですが、若干不安があるところでございます。再燃中止になっていく、世界の有数学者と産業の脱炭素化が徹底的に進むということが明快になってきました。
45:53
また、再燃系統水素への巨大投資が、20世紀の脱炭素経済の骨格を作っていくこともまた明らかになってきていて、それが競争軸を形成していくということで、このスピードについていけるかというのが課題でございます。そういう意味で、このカーボンプライシング、28年に炭素付加金、33年頃に応約オークションというスピードで、
46:18
20年でほぼ影響しないということで、もちろん産業支援始まるわけですけれども、このスピード感にどうもついていけていないのではないかというのが不安でございます。また、ロードマップも拝見しておりますが、ロードマップは矢印がいろいろ年ごとに書いてあるんですが、何々かというふうに書いてあるんですが、何年まで何々を実現というふうに書いてないんですね。
46:42
なので、そこの実現も確実不透明な印象を持っているんです。あと、供給に非常に返上しておりまして、供給対策が十分になされているんですが、需要再移動でこれから大きなイノベーションの可能性がございます。家庭、ビル、それからEV、蓄電池といったところですね、需要再移動で非常に大きなイノベーションが起きるんですが、そこが果たして十分かという点がございます。
47:09
さて、ここからカバープライセンスに沿って私のコメントをさせていただきます。15枚目です。ハイスロートリキュラー制度。これは、先ほどありましたように、非常によく設計されています。ポジティブな指向に沿ってといいますか、政府対策機構は積極的にこれを目標に到達することで、自主目標ではあるんですけれども、自主参加、自主目標ではあるんですが、積極的にこれを到達して、その情報交換を行うことを規定していまして、
47:38
これは大橋先生がご尽 力されたところだと思いますが、これが投資家に評価され資金調達上の有意性を獲得できるということで、どんどんプラス思考に誘導していくと。コンプライアンスを説明すると。抜粟はないんだけれども、きちんと説明してねということですよね。また、NDCに沿って直線的な目標を掲げなさいということになっています。これはなかなか野心的だと思います。
48:03
それと、規制度はなかなか自主であるということですが、制度設計自体は非常にいい感じではないかなと思っています。ただ、何ですって、参加目標設定、遵守の全てが自主的です。やる人はやるけど、やらない人はやらないという状態ですね。このままでは十分目標遵守へのインセンティブが弱いし、また自主のままでは、やる人はやるけど、やらない人はやらないということで、
48:28
その公平性が担保できないという問題があるので、その意味では、やはり第二フェーズでは参加を義務化すべきだ。第一フェーズはトライアルなんで、まあいいんですけれども、第二フェーズはきちんと目標設定、遵守につい て義務化をして、三立に対しては、ペナルティを課すべきじゃないかと思います。また、不可禁が28に入ってまいりますが、ETSとの連携を図るべきではないかなと思います。
48:57
例えば、ETSを念頭に置きますと、配送取引をきちんと参加する企業は、不可禁については免じる、あるいは大幅に減免する、等の組み合わせを行うことで、セキュリティ配送取引に入ってプレイするようにというインセンティブをかけるべきではないかと思います。17枚に入ります。
49:17
不可禁の方ですけれども、こちらは、ちょっと疑問に思うのは、これが財源調達手段なのか、それとも政策手段なのかということでございます。答えは両方ということになるんでしょうけれども、もし目標設定がきちんとなされているならば、それに十分なインセンティブとして、成立なしでは両立が設定されるべきであります。
49:39
ちょっと1枚も持って16ページですが、将来的にはGX関連の製品の価格と化石燃料油の製品の価格には差があって、これがカーブプライシングが入っていくことによって、この価格差が埋められるんだということになっています。ただ、これを埋めるための税率が相当高くなります。いろんな試算が出ております。
49:59
一方で、このGX関連法案の説明によると、エネルギー関連の公的負担が下がる範囲において、カーブプライシングを入れるんだと。つまり、トータルのエネルギーコストを上げないんだということになっているわけです。ということは、税率に上限が課されているわけで、ここが十分な税率水準になるかどうかという点が不安な点でございます。
50:22
最後に、公正内容ということで申し上げますが、こちらについては若干触れるだけで終わらせていただきたいと思います。これは、ワークスマン巻法案といいまして、オバマ政権のときの排出の取引制度のプログラムの中で、排出枠を売っていた売却収入で、労働者の支援、低所得者の支援を行うことが明快にプログラム化され ていました。どれくらいの枠を売って、どれくらいの収入を得て、どういうプログラムを実施するかが詳細に定まっていました。
50:49
残念ながら、事例屈出推進法はここが非常に弱いと思います。細かい内容をここに書いておりますが、大まかに失業した人への支援、低所得者への支援、そして、産業構造転換で大きな影響を受ける地域への支援ですね。これらで構成されること、これは本格的に産業構造転換をやるのであれば、この手間を合わせてきちっと事例屈出推進法案の中に盛り込まれるべきだと考えます。以上でございます。ありがとうございました。
51:18
ありがとうございました。それでは次に、茂竹参考人にお願いいたします。
51:29
ボストンコンサルティンググループシニアパートナーの茂竹と申します。このような貴重な機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
51:41
弊社は経営コンサルティング会社として、グローバルに様々な企業や政府の戦略の立案実行のお手伝いをしております。中でもGXグリーントランスフォーメーションは、これをどう実現していくか、これは大変ホットなトピックスとなっており、私自身も日本においてそのようなテーマをいくつも手掛けております。本日はそういった経験も踏まえまして、私の意見を本法案に賛成という立場から申し延ばさせていただきます。今日は3つのお話を申し上げたいと思います。1点目は、そもそもなぜGXを実行するのかという意味とその進め方の留意点について、2点目はGX推進法がなぜ必要なのかについて、3点目はGX推進法がGXの実現にどう役立つのかについてです。
52:28
まず1点目に申し上げたいのは、そもそもGXは官民が総力を挙げて取り組むべき歴史的転換点の課題であり、その特性上、官の役割が極めて重要であるということです。釈迦に説法ですが、GXは100年に一度の抜本的なエネルギーインフラシステムのガラポンです。その取り組みの考説が将来の日本のエネルギー価格を左右し、日本の様々な産業の国際競争力を左右することになります。
52:57
結果として、素材などの機関産業の空洞化を招く可能性もあります。特にエネルギー資源のほとんどを海外に依存している日本にとっては、エネルギーの安定供給を確保するとともに、いかに経済合理性高く脱炭素化を実現するかは、これが大きな課題であり、産業界だけでなく国民生活にも大きな影響を与えます。
53:21
一方で、同時にGXは日本が得意とする省エネ技術、新エネルギーなど、こういった技術を手小に、新たな成長を目指す機会ともなります。失われた30年から日本を新たに再成長軌道に戻す重要な取り組みです。
53:38
したがって、GXは日本がエネルギーの安全保障、経済合理性の高い脱炭素化、それから成長、この3つを同時に実現するという難しい方程式を解く、やらなければならない、かつ絶対に失敗できない取り組みとなります。また、GXの中でも脱炭素、これは世界が一体となって取り組む必要があります。
54:02
しかし、日本だけでは解決できない問題、民の取り組みだけでは解決できない問題もあります。例えば、CO2の排出をどうカウントするか、グリーンの基準などの標準化、これは国際ルールの設定の問題です。この動向により、日本が決定的に不利にも有利にもなります。
54:24
これらGXの歴史的な意味合い、難しさ、重要性を考えると、GXの取り組みは、民の自助努力だけではなく、官が枠組みを作ってリードしていく、こういったことが不可欠ではないかと考えております。2点目、本法案の必要性です。
54:44
GX推進法は、政策的抵抗意理によりGXの実現に向けた民のコミットメント、これを引き出すということ、それから同時にタイムリーにGXの取り組みを進める基盤として、GXの実現への道を開くということです。脱炭素化の選択肢、これはサイエネ、グリーン水素、アンモニアなどなど、いろいろ種類があります。これらのクリーンエネルギーは、供給側、需要側ともに、まだ技術的課題、経済性の問題があります。すなわち、供給側は、いかに安定的に、かつ安価にクリーンエネルギーを供給できるようにするか、需要側は、経済合理性が必ずしもすぐ合わない中で、どうやって脱炭素手段を導入していくか、これに悩んでいます。GXの実現には、これらの悩みながら取り組んでいる民間の動きを加速化していく必要があります。
55:37
この意味で、GX推進法は、まさに民が腹をくくって動き出すためのコミットメント、これをさせる手子であり、はずみ車となります。脱炭素を実現するには、技術開発など、まだ解決する様々な課題があります。例えば、グリーン水素など、こういった新エネルギーは、これから供給も需要も同時に立ち上げて、全く新しいサプライチェーンを作っていかなければなりません。
56:03
技術を磨き上げて、コスト削減を進めていく、必要十分な量の新しいインフラを構築する、こういったリードタイムはかなりかかります。2050年の脱炭素化の実 現というと、かなり先に聞こえますが、実はそれに間に合わせるためには、今、日本として誰かが大規模な先行投資をして動き始めないと間に合いません。
56:27
一方で、GXは省エネ技術、新エネなど、日本にとって新たな成長の機会をもたらします。ただ、こちらはグローバルな競争になりますので、早く動き始めないと間に合いません。もし日本が遅れると、日本はこの機会を逃してしまうことになります。その意味で、本法案は、今すぐ動き出すこと、企業が今すぐ動き出すことを促す、まさにタイムリーであると言えると思います。
56:54
グローバルには、すでにご案内のように、政策主導で民を動かす取組、始まっています。昨年、米国で成立したインフレ抑制法IRA、これは10年間で50兆円、これはエネルギー関連部分だけの資産と言われていますので、全体では100兆円を超えるという資産もあります。すでにグリーン水素が、経済性が現時点で合うような、こういったレベルの思い切った支援を打ち出しています。
57:22
ヨーロッパの国も今年に入って、新たにNet Zero Industry Act、Net Zero産業法とでも訳すのでしょうか、これで追加的な支援をつい最近打ち出しました。その規模は35兆円レベルと言われています。GXのグローバル競争に勝つためにも、一刻も早く本法案を基盤として、日本も動き出すべきだと考えています。
57:44
3点目に申し上げたいのは、GX推進法を基盤として、GXの目的の実現に向けた様々な各論、これの具現化が、日本ならではのより効果的な取組として進むということです。また、釈迦に説法で恐縮ですが、脱炭素化、これ実現の定石は、まず1兆米1バンチの省エネに始まります。そして、徹底的に電化を進めて、その電力を再エネなどのクリーン電源化します。
58:10
そして、どうしても電化できないエネルギーの需要、例えば工場の高温の熱需要など、こういったものをグリーン水素、アンモニアなどで対応します。それでもどうしても残ってしまうところ、これをCCS、ダックなどで回収します。