18:45
本日はご覧いただきありがとうございます。ご視聴ありがとうございました
19:24
これより、会議を開きます。災害対策に関する件について調査を進めます。この際、お分かりいたします。本件調査のため、本日政府参考人として、国土強靱化推進室次長 村山和也君、内閣府政策統括官 佐々木真一君、デジタル庁審議官 内山裕之君、デジタル庁審議官 殷藤修作君、総務省自治行政局公務員部長 大沢博史君、総務省総合通信基盤局電波部長 豊島本信君、消防庁審議官 鈴木健一君、消防庁国民保護防災部長 田辺康彦君、外務省大臣官房審議官 草壁秀樹君、文部科学省大臣官房審議官 里見智子君、厚生労働省大臣官房審議官 青山恵子君、厚生労働省大臣官房審議官 檜原智美君、経済産業省大臣官房審議官 常藤昭良君、中小企業庁事業環境部長 小林浩二君、国土交通省大臣官房技術審議官 菊地雅彦君、国土交通省水管理国土保全局 長 岡村次郎君、及び環境省大臣官房審議官 松本博之君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、
21:02
ご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。 よってそのように決しました。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 武田彦之介君。委員長、武田彦君。
21:12
自由民主党の武田彦之介でございます。 今年で東日本大震災から12年が経過しました。 その機会に災害対策特別委員会の質問のチャンスを与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。 金子一人氏からは拡張の高い質問をという制約がございましたが、それに答えるようにしたいというふうに思います。前回は4年前の令和元年の台風19号災害に関連した質問をさせていただきました。 大きな災害に見舞われるたびに、災害ごとに様々な課題があるということを改めて認識します。それとともに、新しい技術が出てきて、目の前の困難に立ち向かえる、新たなツールが生まれている、そんなことも実感でき、そうした手段を人命救助、安全安心確保に使えるということで、改めて災害対応の手段の進歩を感じるということもあるかと思います。谷光一防災担当大臣は、28年前の阪神淡路大震 災の際に災害対応に当たられました。 その時のじくじたる思いをインタビューで語っておられました。「命や暮らしを守れない国や県は何なのか、公務員として情けなくなった」という言葉は、今に通じる原点があるように感じられました。その後、日本保健防災局長を欠権され、国会議員に当選され、復興副大臣として東日本大震災に向き合われ、関東大震災から100年の今年、防災行政のトップとして日本の災害対策を率いる立場に立っておられます。その経歴を持つ大臣から見て、日本の防災制度が目指す近未来の姿について、どのようなビジョンをお持ちなのか、まず伺いたいと思います。
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経歴までご紹介いただきまして、ありがとうございます。ご指摘のように、28年前の冬は山下大震災を経験し、復旧・復興に取り組んでまいりました。また、復興副大臣として、発生から12年目を迎えた東日本大震災からの復興にも取り組んできたところであります。そういう中で、事前の備えなくして、かけがえのない命と暮らしは守れないということは、い やというほど痛感させられたところであります。我が国の災害対策は、特に戦後、大災害の教訓と経験を生かすことで強化されました。関東大震災から今年はちょうど100年の節目にあたるわけでございますが、今一度、大災害への備えに思いを新たにして、考えられる被害も被害を想定した上で、事前の対策を前もって講じていくことが大変大事だというふうに思っております。また、国民一人ひとりの防災意識の向上にも進んでいかなければならないと思っております。自然災害が激甚化、頻発化する中で、長期的かつ明確な見通しの下で、継続的安定的に災害に駆使しない、強さとしなやかさを備えた国土づくりを進める必要が高まっております。さらに、デジタル防災技術を活用して、被害の最小化、被災者支援の充実などを図るといった新たな時代を迎えているところであります。防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務でございます。国民の命、また財産、そして生活を守り、安心して暮らせる社会を実現するという決意の下で、引き続き全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。長期的で明確な見通しの下に、事前の対策をしっかりやるべきだ、そういうメッセージとして受け止めさせていただきました。さて、国によっては、隣国の災害対応をそっちのけで、他国に災いをもたす侵略を平然と行う国もありますが、整然と真摯な我が国の災害対応支援のあるようには、諸外国から悲惨の声が寄せられています。トルコシリア地震で国際危機応援状態が現地に入り、相手国からは、どのような活動に対してどのような評価があったのか、興味もあるところでございます。トルコシリア地震では、甚大な被害を生じるとともに、膨大な避難民に対する人道支援がこれから求められてくると思います。これまでの災害対応の経験を踏まえ、どのような支援を行っていくのか、現時点での政府のお考えを伺いたいと思います。
26:22
お答え申し上げます。東日本大震災を含め、大きな自然災害を経験してきました日本としましては、今時、震災で被害に遭われた方々に対し最大限の支援を行うべく、発生初号から国際緊急援助隊の派遣や緊急援助物資の供与、国際機関や日本のNGOを通じた2700万ドルの緊急人道支援の実施、国際緊急援助隊の医療チームに必要な資機材を迅速かつ確実に届けるための自衛隊機での輸送など、政府として全力で取り組んでいるところでございます。また、今後の復旧復興に向けまして、建築、面芯、耐震技術の専門家チームをトルコに派遣し、被災地の現場調査を行い、技術的な助言を行っているところでございます。同チームの調査結果も精査しつつ、今後引き続き必要な支援を進めていく考えでございます。その際、日本が多くの自然災害を乗り越えてきた経験や知見を踏まえまして、政府としましては引き続き関係国、国際機関等とも緊密に連携しつつ、被災されたトルコ及びシリアの方々に寄り添い、現地のニーズを踏まえた支援を迅速に行っていきたいと考えております。
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例えば、面震耐震の技術指導支援を行うというお話もありましたが、トルコでは今回耐震基準が守られずに多くの人命が失われたと報道されています。仮に日本の耐震基準がトルコにおいて厳格に適用になっていたら、トルコの被害はどのくらい軽減されたのか、比較したいような気持ちになります。一定の前提を置いた上で、そういった推計が可能なのかどうか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
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お答えを申し上げます。地震に伴う建物の倒壊等数等を推計するためには、震度や建物の詳細なデータが必要でございます。例えば南海トラフ地震の被害想定では、木造・非木造別、および築造年代別の建物数を250メートルメッシュごとに集計するとともに、各メッシュの震度と建物倒壊率の関係式を用いて倒壊等数を推計しております。トルコ・シリア地震に関しましては、このような詳細なデータが入手できておりませんことから、被害の推計は難しいと考えております。お答えを申し上げます。さらに、トルコ・シリア地震の教訓は、事前防災の重要性を強烈に教えたということではないでしょうか。大臣も所信表明で、そのへんなくして命と暮らしを守れないとおっしゃっておられます。具体的な事前防災をどのように進めるかということが厳しく問われていると思います。事前防災を進めるには、そうは言 っても巨額なお金がかかります。まだ起きてもいない事象に、多額の資金を投ずることは、一般的には大きな制約があろうかと思います。そのためには、事前防災によってどのくらいの被害軽減が行われるのか、わかりやすく示していくことが大切だと思います。先般、我が党内の勉強会で、NECの森田拓役社長から、災害によるCO2排出が全てのCO2排出の1割に及ぶ推計があること、そして事前防災により災害被害を軽減すればCO2削減につながること、それを潜在カーボンクレジットとして、金融工学の手法で、金融商品として売却し、財源を確保する考えがあるというお考えを伺う機会がありました。私がそのときに思ったのは、CO2軽減として将来の潜在発生抑制CO2をカウントし、クレジットできるのであれば、人命救助や財政被害軽減についても、より価値のあることに、クレジットとしてマネタイズする考え方があるはずだと、そのとき思いました。例えば、こうした観点で資金化の手法研究し、事前防災にもっともっと財政資金を投入することにつなげることが可能ではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。その意味で、現在、防災減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策に基づき、15兆円規模で123項目の対策が講じられてきています。過日、私の地元の小川村でも、国土強靱化の事業で作られた砂防塩底が土砂流出を防ぎ、住宅地の被災を防いだと いう具体的な成果も上がってきています。現在、今年の夏をめどに、新たな基本計画を策定する準備が行われていますが、ぜひその中で、こうした事前防災により、投入資金を遥かに上回る価値の高いものが救われるという考え、その定量化の考えを取り込み、さらに充実した事前防災の構築を目指してほしいと思っておりますが、その基本スタンスについて、政府のお考えを伺いたいと思います。
32:04
2つご質問いただいたかと思います。また、委員御指摘のとおり、災害が発生した後に復旧を行う事後対策の繰り返しを避けて、災害発生前に被災する方を1人でも減らす事前防災の考え方が大変重要なことであると考えております。まず、御質問の民間資金の活用でございますが、個別の防災分野の事業において、人命や財産などの被害軽減効果を経済価値に換算して資金を確保するという手法につきましては、今後の研究課題であると認識しております。このような考え方について、今後、研究を深めていく必要があると認識しており、民間資金を活用した防災インフラ投資の在り方について、有識者や関係省庁と連携しながら調査を進めているところでございます。2つ目の定量化の話であります。過去の浸水被害において、1歳前に対策していたら、被害額及び現状回復費用のおよそ5分の1の整備費用で災害発生を抑えられていたとの試算も出ているところでございます。こうした事前防災の定量的効果について、関係省庁の知見も活用しながら、引き続き国民の皆様にしっかりお伝えしてまいりたいと思います。委員御指摘の民間資金の活用なり事前防災の効果といった観点も踏まえながら、新たな国土強靭化基本計画を今年の夏を目処に策定し、国土強靭化の着実な推進に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。国土強靭化基本法、我々議員立法で作らせていただいた経緯もあります。ぜひこれに新たな観点で命を含んでいただきたい、このように思っております。大臣の所信表明の中で一つ気になったことがあります。それは防災におけるGX、環境対応の観点が必ずしも読めなかったという点でございます。防災分野のGXについては、省庁横断的に検討が始められてもいいのではないか、このように思っております。防災資機材の脱炭素化、避難所などの燃料を再エネ由来にする、あるいは先ほどの防災投資が実はGXにつながるといった観点を強調するなど、防災分野でも考えるべき視点は多々あるというふうに思います。例えば、1階限りの滑舌住宅ではなく、何度も使えるトレーラーハウスに代替すること、そして今、私も存じ上げているベンチャー企業でWOTAという企業がありますが、循環型水処理システムを導入する取組をしております。気候変動が災害の甚大化につながっていることもあり、ぜひそうした観点での施策の充実の検討もお願いしたいと思っております。いかがでしょうか。
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太田委員、御指摘のとおり、GXの実行は防災分野も含め、あらゆる分野において大変重要な取組だと認識しております。この脱炭素化を進めることは、気候変動のリスクを可能な限り小さくするという観点から重要な防災減災対策であると認識しているところであります。このまで、内閣府においては、気候変動対策と防災減災対策に効果的に連携して取り組むための気候変動×防災戦略を環境省とともに取りまとめたところでございます。私の所信表明において、このような話について具体的に言及はしておりませんでしたが、委員の御指摘のとおり、GXや環境対応の観点も踏まえつつ、防災政策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。ぜひ、やっていることをしっかりアピールしていくことも必要ではないかと思います。デジタル防災の進歩は目を見張るものがあります。関係者間で高度な災害情報の共有化を実現すべく、防災デジタルプラットフォームの構築、そして自治体ニーズと先端技術をつなげるマッチング支援が進捗しております。こうした取組を進める中で、ベストプラクティスの全国展開標準化を早期に進めてほしいと願っております。特に、災害時の避難所運営の効率化をぜひともお願いしたいと思っております。マイナンバーカードの活用はその効率化の鍵になると考えております。避難所の受付にマイナンバーカードの活用を行えば、リアルタイムの情報同期と共有が可能となり、手書きの受付事務の効率化は桁違いに改善します。お薬手帳などがマイナンバーに紐をつけられれば、避難所にいる個人ごとの属性に応じ、きめ細かな支援も可能となると思います。災害給付金が短期間でマイナンバーカードに紐付けられた被災者の公的支援受入口座に振り込まれることも大きなメリットだと思います。災害時といった、非常時にマイナンバーカードが命を守る意味で決定的な役割を果たすことを国民の皆様が深く理解すれば、マイナンバーの普及率はさらに伸びると考えておりますが 、マイナンバーカードを災害時に最大限活用する進め方について政府の考え方を伺います。
38:02
お答えいたします。マイナンバーカードは、対面に加えオンラインでの確実な本人確認ができるデジタル社会のパスポートであり、累計の有効申請件数が9500万件を超え、最も普及した本人確認のためのツールです。先生ご指摘の避難所運営でのマイナンバーカードの活用につきましては、宮城県の実証実験において、スマートフォンを活用してマイナンバーカードの氏名、住所、生年月日、性別を事前に登録し、避難所受付の際にはスマホに表示したQRコードを読み取ることで、生活かつ迅速に受付業務を行うことが可能であったと聞いております。令和4年度第2次補正予算のデジタル田園都市国家構想交付金におきましても、避難所運営にマイナンバーカードを活用する事例が採択されておりまして、実装に向けた取組がなされていくものというふうに考えてございます。引き続き、マイナンバーカードを活用する事例の地域における実装に向けて、関係省庁と連携してまいりたいという ふうに考えてございます。谷大臣は、防災分野の国際協力・官民連携による防災技術の海外展開を進めていくと表明されております。まあ、国の決め細やかで行き届いた防災システムは必ずしは、途上国に受け入れられます。COP27でも西村環境大臣が表明されましたが、アジア太平洋地域において、日本の民間技術の早期警戒システムの提供がその一例でございます。中古消防自動車の途上国供用も継続されていますが、途上国では日本製以外の新品の消防車よりも、日本の中古消防自動車の性能が高く人気があると聞いています。問題は、個々の製品の品質をよくても、途上国に対する広がりに欠けているというところが大きな問題でございます。国際認証の問題、流通ネットワークなどの問題があるというふうに思っておりますが、現在のところ、日本の防災技術の海外展開に向けた、官民の連絡会、J-PADという組織が存在していることは承知しておりますが、より踏み込んだ対応も必要ではないでしょうか。そこで一つの考え方ですが、日本の防災システムと防災技術をセットで途上国に移転するということが有効ではないかと思います。例えば、世界に勧達日本の消防団の制度を途上国に紹介し、それとセットで消防機材を合わせて海外展開するという手法です。消防防災システム海外移転機構といった機構を設置し、その推進を体系立てて行うということも、そろそろ考えていいのではないでしょうか。日本の優れた防災技術を積極的に海外展開することについてのお考えを伺いたいと思います。中野政務官、簡潔にお願いします。お答えいたします。先ほど委員からご指摘のあったように、JIPADの枠組みを通じて官民一体となって、我が国の防災技術を海外に転換するということは大変に意義があることでございます。委員ご指摘のとおり、防災分野の国際協力を進める上では、政策・制度と技術・ノウハウを一体的に発信していくことが重要であると認識しております。内閣府としては、関係省庁とも連携を取りながら、我が国の企業の持つ防災技術の海外展開が効果的に推進されるよう取組を進めてまいります。以上で終わります。ありがとうございました。
41:50
いいのか。はい。自由民主党の宮路拓馬でございます。質問のお答えいただきありがとうございます。東日本大震災から12年、そして今年は関東大震災から100年にあたるということで、さまざま防災に関するイベントなども開催されるというふうに伺っておりますが、私は今日はその中でも避難所運営について質問をさせていただきたいと思います。まず1問目になりますが、いわゆる平等意識の圧縮性について問題意識を持っています。避難所に来ている被災者の方、例えば100人いれば100個の避難物資が揃うまでは配れない。そうでないと平等に配れないからだというような意識があるやにお聞きをしております。これまで避難所運営は主に行政が担ってきたがゆえに、行政の平等意識というのが根底にあるんだろうと思います。その平等であることは大変重要なことではありますが、一方でそれが効率的な救援物資の配布の足枷となっているという事例であります。例えばそうした中で避難所においては、NPOや民間の知恵を導入し、配るだけではなく、例えば置いて自由に取ってくださいと。例えば1つパンやおにぎりを取っても、若い男性であればパンを2つ3つ欲しいでしょうし、ご高齢の方であれば1個で十分だと。そういったケースをきめ細かに平等に分配するというのは非常に難しい。とすれば一所に置いておくから、好きな分だけ取っていってくれという方が効率的である。あるいは整理用品の配布、これも直接手渡すのは大変難しいケースがあったりします。そうしたときに、これもここに置いておくから必要な人は取ってくださいというやり方の方が柔軟であり効率的である。といった、いわば民間の知恵というものが非常に重要になってきます。未だそうしたことが全ての避難所においてしっかりと行われているわけではない。そうした知恵が共有されているわけではないというふうに考えておりますが、内閣府の見解をお伺いしたいと思います。