1:05
ただいまから、政治改革に関する特別委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。
1:17
昨日までに、安妻徹君、梶原大輔君、天端大輔君、上谷正幸君、赤松健君、宮崎雅夫君、青木克彦君及び里見隆二君が委員を辞任され、その付欠として、梅村佐俊君、山下雄平君、大島九州君、古生春友君、長谷川秀春君、小林和弘君、山本慶介君及び安江信男君が、選任されました。政治資金規正法の一部を改正する法律案、週第十三号、政治資金規正法の一部を改正する法律案、三、第一号、生徒女性法を廃止する法律案、及び政治資金規正法等の一部を改正する法律案、以上4案を一括して議題といたします。本日は4案の審査のため、4名の参考人からご意見を伺います。ご出席をいただいております参考人は、政策研究大学院大学教授、伊予潤君、小松澤大学名誉教授、大山玲子君、日本大学危機管理学部教授、西田亮介君及び中央大学法学部教授、中北浩二君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席をいただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。次に議事の説明方について申し上げます。まず、伊予参考人、大山参考人、西田参考人、長北参考人の順に、お一人15分程度でご意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきをお願いしたいと思います。なお、参考人の皆様のご発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は規律の上発言することといたしたいとしておりますので、よろしくお願いをいたします。それでは、まず伊予参考人からお願いをいたします。
4:24
関根正昭研究大学院大学の伊予でございます。どうぞよろしくお願いいたします。マイクの位置もございますので、座って説明させていただきます。本日お招きいただきましたのは、政治資金改正法の改正案などについて、意見を述べようということでございますので、私は政治学者でございまして、日本の政治を中心に研究してまいりました。ただし、政治資金規正法あるいは政治資金を特に専門にしているわけではございません。ただ、政治資金関係は極めて重要な現象でございますので、政治の中で何回も出会ってきたということの中から、日本の政治の在り方に関して、今度の改正案等について思うところを述べさせていただきます。お寄せいただきたいと思います。そこで、まず第一に政治資金というのはどういうふうに考えるのかということを最初に申し述べて、それぞれの論点に移りたいと思いますが、政治資金は、政治家・政党が自由な政治活動を展開するために、 この世の中必要なものでございます。ですので、非常にそれは自由に使われるべきものではございますけれども、金の力で政治が歪められるとか政策が動かされるというのもよろしくないことでございます。そういうことから考えますと、一定の制限が必要ということでございます。だからそういうところで、この法律があるというふうに理解をしておりますが、ややこの法律、規制法の性がですね、正しいということになっているのは、政治家の方が自ら身を正されるということはですね、実は政治のスタイルがいろいろだから、ご主張はもちろんいろいろでございますが、スタイルがさまざまだからということでございまして、支出や収入の構造も違うということでございます。私の知る限り、例えば政党を例にして収入を例にとりますと、政党助成法に基づく政党交付金が極めて大きな比重を占める政党もあれば、それを受け取らないとおっしゃる政党もある。あるいは企業団体献金を受け取られるという政党もあれば、それがないという政党もあります。あるいは、基幹支収入などが非常に大きな比重を占めるという政党もあれば、そういう非常に限られた比重しかその比重はないということもあります。これは多様な意見を集めるためには多様な活動が必要だから、こういうことになっておりますので、比較的それは多様ではあるけれども 、それぞれ認めていくというのは法律の趣旨。しかしながらその多様性は、有権者がそうあるべきかどうかは判断するので公開するということであります。有権者の中には企業団体献金は岸からんという方もおられますけれども、これは指示を決めるときに参考にする、こういうことでありましょう。そういうことからすると、公開によって適切性を確保するためには、きちんと公開されないといけないわけでございます。ただ後の話に少し関係を移すことを申しますと、ただし過度の公開ということで政治参加を阻害するというのをまた問題がある。例えば、大きな政党とか国民の多数と意見の同じ政党の場合はあまりないと思うんですが、少数派の場合であったり、少数意見を代表している政党について、例えば普通の人が隣近所からすると献金をしたということがわかるとやりにくいというわずかな献金であってもということはあり得るので、やはり公開の限度枠などが設けられているのはその趣旨ではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。そこでこれを前提にいたしまして、今回問題になっていることについていくつかお話をいたします。今回このような議論が行われていますのは、ここにもおられて大変恐縮でございますが、自由民主党内で派閥の政治資金 パーティーに関して、やはり不適切な事案があったということは、これは前提でございます。ただそういう時にですね、今回議論になっています、法律の改正が必要だというふうになっていますが、少しそこで考えないといけないのは、私のように研究しておりますと、政治資金規正法はしばしば改正されている法律でございます。事件のたびにいろいろ改正される。しかしよく考えると、その事件というのは今ある法律が守れなかったということであってですね、ところがまた事件が起こると、新しい規制を設けるとですね、ますます守りにくくなると、こういう問題があってですね、まず考えないといけないのは再発防止ということでございますが、今回の事案で大変深刻だと思うのは、長年にわたって不正が明らかにならなくて、事故になってしまってもわからないところがあると、こういうことでございます。それに関して今回の改正案を拝見しますと、もちろん対策はとっておられるということでございまして、今回の場合、例えば会計責任者、秘書みたいな方が多いと思いますが、の責任が問われるのに、政治家の責任が問われていないのは不当だということで、代表者の責任に踏み込む。これ自体は私は賛成でございます。しかしながら、それを原発主義というのはいかがだろうかと、ちょっと私が思っていることがございます。なぜかというと、今回の事件でも会計の責任者で立憲されている、こういう会計責任者はかなり多額の責任者に限られておりまして、そうでないところは立憲されない、もちろんこれは検察審査会の問題になっているということですが、実はあまりに罰則が重すぎると処罰しにくい、その範囲とか何かをきちんと確定するための取調べも必要だということで、現状ではかなり罰則が重いために、実は検察にかなりの裁量ができてしまっているのがちょっと問題ではないかなと思っています。ただこの法律の立て付けは公開ということで、公開について起こったものはいきなり刑事罰とこういうことになっていますが、私自身はその間にもう少しいろいろ工夫があってもよろしいのではないか。政治資金をその部分、国庫に納めるであるとか、政党助成金を制限する、そういう政党には制限するなどの中間の段階、あるいは後でお話ししますように、絶声ということをちゃんと監督機関が命ずるというようなことがあってもよろしいのではないかということで、そういう不正があったことがわかることが大切だと、こういうふうに思っております。そういう点 では、原罰主義だけではなくて、他の手段も考える、こういうことが重要ではないかというのが中身についての第一点でございます。その次に、企業団体献金についても議論になっているということでございます。それと、とりわけ政治資金パーティーとの関係であります。企業団体というのは、もちろん営利企業でございますから、献金をするのは疑わしい目的があるのではないか、こういうことが疑われてもしょうがない。ただし、営利企業と個人事業者の区別は曖昧なところがあって、個人事業者は献金ができてしまうということで、他の国では、営利企業の献金をやめると、団体を許しておけば団体献金が増える、企業は団体を設置して、それで献金する。あるいは、企業の幹部が企業に代わって献金するということですが、実は有権者の判断を求めるということから言うと、かえって分かりにくくなる。この政党は企業からの献金を受け取ると分かったら、これは支持しないという判断をする方にとってみれば、裏に潜る方が問題ではないかと、この考えがあります。そこで、大規模な企業団体が多額の寄付で強い影響を及ぼすのが問題であって、小額ずつたくさんの会社、実は企業団体もたくさんございますので、小額ずつたくさん集めるのは、さほど問題ではないので はないかと思います。もちろん、現行の政治資金規正法は、政党への献金ということは企業団体よろしいけれども、個人の政治団体にはということをしているわけでございますが、その抜け道とも言えるのが政治資金パーティー。確かに妥協策でございます。ただし、私の意見から言いますと、妥協策ではあるけれども、政治資金パーティーをやめてしまうと、また代わりの手段が出てくるということから考えると、むしろここに機会を設けて、どんな関係があるのかということを明らかにするということが、むしろ資金が管理可能になる、こういうことではないかと思うわけであります。また、政治参加促進にとって一定金額や政治家の話を聞いてみたいから、少し高いけれども、会費を払って話を聞きに行こうというのは、あまり不健全なことではないものですから、そういうことに公開というのに一定の限度があって、小額であれば、限度があるというのは、非公開というのは望ましいことじゃないかと思っているんですが、ただし、公開の限度額は相対的なもので、10前20万円を10万円にしよう、5万円にしよう、今回衆議院の案では5万円になっていたと思いますが、そういうふうなことはやはり、政党間の合意によって、この程度が世間の常識であるということを、これまでの20万円が高すぎるということであれば下げるというのは、結構なこ とではないかと思われます。あまりこれが5千円とか3千円になってしまうと、私の先ほどの趣旨とは反しますが、5万円ということであれば、結構ではないかと思っているわけでございます。そういう点で、今回むしろ問題だと思われたのは、例えば派閥のパーティーの場合は、政治資金パーティーの場合は、多くの議員の方がたくさんの企業にお願いに行くと、その中には重なりがあって、結果として、同一の企業はたくさん寄付をしておられたことが表示になっていなかったということは大問題でございます。そういう点でいうと、むしろ寄付者の名寄せなど確認手段を整備して、ちゃんと法律の趣旨が徹底するようにするということが必要ではないかと思っているわけでございます。ただ、このことをするためには、実は現行の体制が少し弱いのではないかと思います。現行の体制では、総務省の選挙部が政治資金を監督しておりますけれども、政治家があるいは政党から預かった資料をそのまま公開するということになっています。それは彼らの権威がやや弱く、なぜかというと議員内閣制の下で、政党政治家である大臣が大臣の下で働く、やはりそういう官僚たちにとっては政治の世界は口出しがしにくいという問題があって、そういう点でいうと監督機関の独立性不足という問題があるので、やはりそれは考えた方がよろしいのではないか。とりわけ今回考えたいのは、公開という手段だけではなくて、監督機関が深刻な要を精査して是正を求めるというふうな機能を持たせた方がよろしいのではないか。ただ、これをするためには専門能力とともに高度の独立性が必要だということでございます。そういう点では、外国の例では議会に置かれる国会の機関、ただし日本にはそういう機関はほとんどございません。あるいは会計経済院、人事院のように、行政機関のようではあるけれども少し内閣から独立している。あるいは内閣のもとに置かれても独立性の高い委員会など、ただしいずれの場合も重要なのは形ばかり置くことではなくて、きちんと検査能力を備えたような規模の人員を備えていて権威を持つ、この両方が必要ではないかと思われるわけであります。そういうことでが、私の法案についての意見でございますけれども、最後に少しこの政治資金改革の議論の仕方について付け加えさせていただきたい。先ほど申し上げたように、政治資金規正法はしばしば改正されていますが、問題に応じて改正されているのでやや全体像が見えなくなっているのではないか。あるいは関係の制度との整合性が取れなくなっているのではないかということが思います。これは例えば、調査研究広報滞在費でしょうか、これは国会法に基づく費用だと思います。これは国費であって、しかも目的がある程度限定されているのに、首都の公開が不十分だと、こういうことです。逆に言うと、寄附金で賄われる一般の政治資金は、寄附者は別に公開しなくてもよいと考えて寄附している可能性もあります。ところが政治団体について、政治家に関係する政治団体では、もう全て寄附者は公開というふうになっていまして、私はこれは推測でありますけれども、長年国費の方の改革が進まなかったのは、政治資金の給付の方のやはり公開性が厳しすぎるのではないかと思われまして、そこなのでやはり使い勝手の寄附金を逃したいという観点があった可能性がありまして、そういう点から言って、やはり全体をバランスをとって改革を進めるべきだということです。ただしこういう問題は、実は政党によって有利不利がたくさんございますので、国会、日本の国会与野党の対立ということが中心ですが、これは実は政治家皆さんのご自身の問題であるわけですので、政党を超えて共通の了解をして国民に理解してもらうにはどうしたらいいのかということを考えるべき。そこで最後に、ここは参議院の委員会でございますが、衆議院であって解散ということはございまして、最近そういう噂もあれば、なかなか落ち着いて議論もできないというふうに私は拝見しております。そういう点では参議院選挙はございますが、まだ来年でございます。今回の法案が通過してもですね、実は法の中には今後の検討課題と書いてあるようなものがたくさんついている。こういう状態の中でいうと、それについて各党はそれぞれ検討される前にやはり共通了解を、この場でお作りになる、こういう積極的な改革案の主導ということを、参議院のこの委員会がされるということを強く期待するところでございます。以上、私の意見でございます。ありがとうございました。
17:58
ありがとうございました。次に、大山参考人からお願いをいたします。
18:05
はい、大山でございます。本日は意見を述べる機会を与えていただきましてありがとうございます。私は大学の教員になる前に、1995年まで国立国会図書館にお りました。ということは、1994年の政治改革に至る権威を間近で拝見させていただき、本当に魅力でございますけれども、少しお手伝いをしたこともあるというものでございます。そういう立場から見ますと、その後だんだん改革への機遇がしぼんでしまったように見えて、近年あまり議論されていなかったということは非常に残念な状況だというふうに思っておりました。そもそも政治改革というのは一家制の問題ではございません。常により良い政治を目指してどういうふうに制度改革をしていくかということを議論しなくてはいけないことだと思います。特に日本は国際比較の面から見ましても、非常に政治に対する不信感が根強い、信頼が低いということがありますので、ここでぜひ国民の信頼を回復するにはどうしたらいいかという大きな議論をしていただきたいと思っております。今回は不祥事が発端ですけれども、いわば改革への潜在一軍のチャンスと思いますので、ぜひ皆様の御努力をいただきたいと思っております。では時間も限られておりますので、今日は大きく分けて二つの方向からお話をしたいと思います。一つは短期的といいますか、当面の課題としてどういうことがやるべきかということ、それからもうちょっと長期的に何を考えていくべきかということでございます。その 前にちょっと過去も振り返っておくことも大事かと思います。現在の制度の枠組み、基本的には1994年に実現いたしました政治資金規正法の改正と、そして政党助成法の制定と、ここまで遡るわけですけれども、実は改革の議論というのはその前もう10年以上やってたわけですね。特に1980年代末以降は本当に活発な議論がされていました。ですので、そこをちょっと振り返っておくことは必要かと思います。私もこのような機会をいただきましたので、改めて過去の経緯をちょっと見てみたんですけれども、1989年に自由民主党政治改革大綱というのが発表されております。これは皆様ご存知のことかと思いますけれども、それを読みましたら次のような記述がございました。まずは「政治と金の問題は政治不信の最大の原供」というフレーズがありまして、「別なところで政治資金は庶民間隔からかけ離れるほど肥大化し、使徒収入も不透明なことから、本来の政策活動や政治活動に要する資金さえ国民から理解されない側面がある」。これ1989年の文書でございます。何か今このままもう一度述べられてもよろしいような感じで。もちろん改善策というのはとてもたくさん積み重ねられてきたわけですけれども、何か根本的なところで状況は変わっていない。そうすると今までに何が改革されてきて、何が取り残されてきたのかということを、やはりちょっと過去の経緯を振り返って考えてみるということが大事なのではないかというふうに感じた次第でございます。それでは当面の改革について、これはもう様々ご議論を進んでおりますので、重なることが多いと思いますけれども、私からは4点申し上げたいと思います。まずは企業団体献金の禁止でございます。これはですね、禁止すべきかどうかという是非の議論はいろいろございますけれども、皆様ご承知のとおり、政治資金規正法の1994年の改正のときに、付属で見直し規定というのが入っております。つまり、この法律の施行後5年を経過した場合には、会社労働組合その他の団体の政党及び政治資金に対してする寄附のあり方について見直しを行うものとすると、こういうふうに書いてあるわけですね。しかし、見直しがされないままここに至っているというのが現状でございます。今回の法案も拝見しますと、多くの重要な事柄が付属に書いてございます。しかし、その94年の付属が棚晒しにされたままですと、今回付属に書いてあることもいつ実現するのか分からないよねと、こういうことになってしまいますので、ここはどうするかということも含めて、ぜひもう一度、それこそ見直しの議論をすべきだと思います。やはり、企業団体献金が政策を歪めているという疑念と申しますか、疑惑は完全にはなかなか払拭できない状況かと思います。私が一国民の立場で拝見してましても、長年国民の大多数が望んでいるような改革がなかなか実現しない。一方では、どうも安全性が確保されているとは言い難いようなものが、もう本当に迅速に許可されてしまうというようなこともまだあるわけです。私、最近の報道で印象に残りましたのは、世界租税支出透明性指数というのがあることを知りました。これ、租税支出というのは、日本で言えば租税特別措置のことですけれども、この透明性ランキングが日本では94位なんですね。これはやはり、もう少し改善していくべきだと思います。企業団体献金を禁止しましても、もちろん抜け道は残ります。ですけれども、だからといっても全く意味がないとは私は思いません。それから2番目です。これは先ほど委員予算公認からも御指摘がございましたけれども、やはり独立機関といいますか、第三者機関の設置はこれは絶対に必要なことだと思います。ルールをいくら厳しくしましても、監視機関がなければ、絵に描いた餅でございます。それから今、政策活動費が問題になってまして、もちろ んすぐに公開できない支出が終わりだと思います。ですけれども、すぐに公開しなくても良いものかどうかということを判断するような第三者機関があったら問題は解決するはずでございまして、これは例えば情報公開法の運用などの、そういう例も御参考になさるとよろしいのではないかと思います。これも不足になっておりますので、ぜひ早急に御検討いただきまして、実現を図っていただきたいことでございます。それから3番目はデジタル化の促進でございます。これは誠に失礼でございますけれども、長田町は大変遅れていて、ただ驚くことが多いです。未だに電話とファクスというようなことが多いようでございまして、ちょっとびっくりしております。これは監視の実効性を高めるためにもぜひ必要なことですので、早急に検討していただきたいと思います。ただ、データの保存については慎重に考えるべきで、やはり紙のデータがなくなりますと、簡単に廃棄されてしまう、後から検証できないということが起こりかねませんので、そこには御留意いただきたいと思います。それから4番目にパーティー権の問題でございます。これは私は、パーティーというのは政治資金集めだということはもう皆さん御承知のとおり なので、これはもうはっきり寄付として位置づけるべきだと思います。そうすると、個人がそんなにパーティーに来てくれるのかというふうにお思いになるかもしれませんけれども、近頃ファンドレイジングというのがすごく流行っていて、もうかなり成功している事例がたくさんあります。こういう場合、いろいろありますけれども、寄付をしてくださった方には何かその講演会のようなものに御招待するとか、そういった企画が割合、盛んに行われています。これは工夫次第であると思います。でも政治家と国民が本当に直接に意見交換をする場というのは非常に大切なので、そういう機会としてこれから活かしていただくのがよろしいのではないかと思っておる次第でございます。では最後に長期的課題の方にお話を移したいと思いますけれども、いろいろ改革されるんですけれども、一体何が目標なのかということもきっちり考えておくべきだと思います。これいろいろな目標がありますけれども、大きな目的の一つは、金のかからない政治の実現によって幅広い人材が参画できる、開かれた政治を目指す、こういうことだと思います。そういう目標を見失わないで、長期的にいろいろな改革を進めていっていただきたいと思うわけでございます。現在国民の政治自信を招いている大きな理由の一つに、施衆議員というものがあると思います。もちろんご両親の仕事に誇りがあって、こういうことを自分もやってみたいと思う方がいらっしゃるのはこれは当然のことですけれども、何が問題かというと、日本では施衆ではない人が議員になりにくいということなんですよね。施衆議員の方がお金とネームバリューで、もうちょっと完全に有利な場所にいると、そこが問題なんだと思います。ですから、どうやって普通の人が政治家を目指すためのハードルを下げていくか、これが大きな目的かと思います。施衆議員については、すぐできる小さな改革としては、政治団体の継承をやめることだと思います。政治団体に皆さんが献金をされているお金というのは、その方の政治活動に共感して支援するために献金されている定罪でございますので、これを親族が受け継ぐというのは理屈に合わないですよね。ですから、こうしたものは政党に変能するとか、国庫に変能するとかいうことを考えるべきだと思います。そして、さらに根本的な問題として、選挙が個人頼みになっているということが、私は非常に大きな問題だと考えております。つまり、資金とネームバリューがないと、なかなか選挙に戦えないということです。振り返ってみますと、1994年には、あれだけ政党本位、政策本位ということが、声高に叫ばれたんですけれども、どうも私の見るところ、不徹底になっていると思います。相変わらず、個人が前面に出て、個人選でやっている。24時間戦えますかという、こういう選挙になっております。ここが政治にお金がかかる大きな原因だと思います。ここを変えませんと、事務所費用もかかるし、人件費もかかるから、お金はたくさんいるんですよという話から抜け出せません。ですので、やはりここは、選挙制度も含めて、大きな意味の政治改革に取り組んでいただくべき時期ではないかと思います。とりわけ、参議院の選挙制度については、大変問題が多くなっておりますので、ぜひ、良識の夫として皆さんのご検討をお願いしたいと思います。その上で、政党女性の在り方も再考すべきだと思います。先ほども、委員御参考人からも、御意見出ていましたけれども、例えば、国庫に返納するというようなこともあり得ますし、それから、使い道についても、もう少し考えてもよいと思います。政党女性法の第一条には、政党の政治活動の健全な発達の促進、及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的するというふうに書かれています。つまり、民主政治の発展のために使うべき、これは条材でございます。もちろん、政治活動の自由というのは非常に重要ですけれども、それが何事にも優先する絶対のものというわけではないと思います。ここでちょっと例を御紹介しますと、例えば、韓国では、政党に対する交付金の30%は、政策研究所の費用として支出しなければならないというようなことも書かれておりますし、また、女性候補を多く公認した政党に対しては、女性公認補助金を支給しているというようなこともございます。女性のことについて言えば、フランスの場合は、会員選挙での女性候補比率が低かった政党に対して国庫補助を削減するというようなことも行われております。こうしたこともぜひ参考にしていただいて、より良い政党女性の在り方をお考えいただきたいと思います。今回の法案の処理にとどまらず、長期的な視野で盛って改革に取り組んでいただきたいんですけれども、私は議会制度の研究者なのですから、最後に1つだけ御要望を申し上げたいと思いますけれども、ぜひ今後の議論は国会の中でやっていただきたいと思います。こういう場がせっかくできたんですから、ぜひ国会の外で各党の協議で終わ りましたではなくて、こういうところで本当に議論を戦わせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
32:00
次に西田参考人からお願いいたします。西田参考人。
32:06
日本大学の西田と申します。今、国民の関心が高い事項に関して、意見陳述させていただきたいと思うのをいただきましたことを大変光栄に思います。どうぞよろしくお願いします。私自身は政治とメディアの研究者でございます。政治とメディアの分野を中心にしながら、政治と社会全般に関わる研究をしております。また、情報通信分野をはじめ、さまざまこの間、規制実務に関わってくるという経験をバックグラウンドとして有しております。本日でございますが、国民の関心の高い事項ということも踏まえて、やや幅広に問題の素材の検討ということに時間を充てさせていただきたいと考えております。その後、今般の改正法に関して、法案に関して 、評価と問題提起ということで、時間も限られておりますことから、3点中心に申し上げさせていただきたいと思います。その3点と多いのは、いわゆる第三者機関と呼ばれているものに関して、早期設置の必要性ということを中心に述べさせていただきたいと思います。その後、終始報告書の確認書の問題に関して評価ということを述べさせていただき、政治資金パーティー権の購入者や個人寄付者のプライバシー保護等に関しても、意見を述べさせていただきたいと考えております。その後、これらを踏まえた上で、簡単に取りまとめさせていただいて、今後の展望ということで、各党の皆様におかれましては、この改革というものを切磋琢磨しながらやっていただきたいというようなことを述べさせていただきたいと思います。早速でございますが、問題の所在の検討ということで言及させていただきたいと思います。既に参考人の先生方からも言及いただいております通り、この問題、大変国民の関心と不信感が高まっているというふうに認識しております。とりわけ法案が衆議院を通過して、こちら参議院にやってきてから各社の世論調査というのが公表されているところでございますが、あまり説得力を持っていないというのか、納得感を持って受け止められていないというふうに認識しております。その背景には長期の課題とそれから短期の課題というものが存 在しているというふうに認識しております。長期の課題から言及させていただきたいと思いますが、既に言及いただいているところでもございますが、改めて述べさせていただくと、政治とかの不適切な利用に関する疑惑というのは、長期間繰り返されてきたことで、日本の政治の縮和と言ってもいいような問題だというふうに認識しております。この間、様々な閣僚から、それから様々な研究者、それからジャーナリストの皆さんが、指摘を繰り返してきておられますが、その1980年代以降、特にこうした指摘というのが盛んに行われるようになってきているというふうに認識しております。不適切な利用というのも、増してきたんじゃないか、そういう認識を持っております。その背景には、国民のある種の成熟というのがあると言っていいのか、だんだん孤立、個人化していって、組織化されるというところがなくなっていて、ある種、団体に加入しないという人たちが増えているということも、研究者の中からは指摘されておるように、政治が国民に対して影響力を持つというのが難しくなってきて、もしかすると、金に依存するというような背景が醸成されてきたんじゃないか、その問題意識を持っておるところでございます。こうした問題というのが、中長期の政治不信の原因になっているんじゃないか、そのような認識も持っております。これもまた様々な調査で指摘されておるところでございますが、例えば、内閣府が行っております、定期的に行っている調査でございますが、社会意識に関する世論調査という調査がございます。国の政策への民意の反映程度という項目を、昭和の終わりから、令和の現在に至るまで、定期的に取っておる調査でございます。ご承知のとおりではございますが、政治の環境に目を向けてみても、様々な大きな変化が起きてまいりました。政権交代もいく度かございました。国民の政治への関心のあり方なども、様々変わってきているところでございますが、一つ指摘できることというのは何なのかというと、この国の政策に民意が反映されていないという否定的な回答というのが、肯定的な回答を大幅に上回る形で一貫しているということが示されております。というように、国民の中には、政策に民意が反映されておらず、政治参加というのはある意味無駄だという認識が広がっているのではないか。しかも昭和の時代から現在に至るまでずっと続いているというところでございます。さらにこうした問題解決の方向に向かっているのかというと、そこにもやや疑わしいところという認識を持っております。というのも、これまで先ほども言及あったかというふうに認識しておりますが、政治倫理考慮や、それから自民党が掲げた政治改革大綱の中で脱派閥や政治と金の透明化等が宣言され、政治倫理考慮の中でも政治腐敗の根絶と政治倫理の向上ということが言及され、真摯な態度を持って疑惑を解明し、その解明責任を明らかにするということが宣言されてきたわけでございます。それから民間においても民間臨庁などを中心にしながら、多数の改革案等が示されてまいりました。ところが、相当の年月が経過していると、時間が流れているとにもかかわらず、おそらくは十分に改革というのは達成していないということなんじゃないでしょうか。そうであるからこそ、今日のような機会というのも設けられているというふうに認識しております。そのように考えて、そうした構造的な問題を踏まえてみた上で、直近の各社の世論調査、改めて目を向けてみると、当該問題に対する国民の不満と怒りというような深刻なものがあるという認識を持っております。国会議員の皆さんと多いのは国民の代表であり、この政治資金規正法の先ほども出てきたところでございますが、この規制という独特の概念の上でも、模範的な存在であることが期待されながら、今日まで十分にその事情作用というのは、働いているとは認めがたいというような認識を持っております。これらをまとめると、国民の政治不信と、それから事情作用の機能不全に対する懸念と、それから問題の売唱化、今回もうまく改革に結びつかないんじゃないかというような懸念というのは、ある程度合理性があるんじゃないか、そのように理解することができるというふうに感じておるところでございます。その上で、ここから今回の法案に関して、評価と問題提起ということで、3点言及させていただきたいと思います。この中でも第三者機関というものが提案されておるというふうに認識しております。ただし、この第三者機関というのはありようという対応だというふうに認識しております。ただ1点申し上げることができることがあるとするならば、早期の設置というのは必須であろうということでございます。検討ということが続くようで困るということです。さっきに既に、参上委員会方式の案なども提起されているというふうに認識しておりますが、3件の分立だとか、それから立法府の自立権等の観点を踏まえると、まずは同等の機能というものを立法府内で独立性を担保し、自立し、中立、どのように確保するのかというのは大変難しいところでございますが、強力な調査権限を付与し、それから公開していくということを原則としながら実現できないのかということを考えておるところでございます。前日の国民の事情採用に対する疑義ということを踏まえると、おそらく国会議員の先生方だけでやっていただくということは不十分だろうと、それから同時に第三者機関ということにもならないというふうに考えております。そんなことから、どのようにこのような機関を設置するのかというのは難しいところでございますが、国会議員の先生方とそれから有識者、それからやはり監査に類するような作業というのを実現するためには、専門の知識というのが必要なことから、専門なワーキング、それから事務局等の体制から構成できないかということを、アイデアベースということでここで申し上げさせていただきたいというふうに思います。それから2点目でございますが、終始報告書の確認書添付という問題について言及させていただきたいと思います。今回の法案の中で、ある種の目玉と いうところだというふうに認識しておりますが、この問題に関して政治家本人の責任明確化ということで、現状と比べて相当程度改善に寄与するものだというふうに認識しております。それから同時に疑惑の立憲の承認を引き下げる可能性を有しているものと認識しております。そんなことから、総合的に見て政治家本人への抑止力というものも、これまで十分機能していなかったんじゃないかというふうに考えるところでございますが、相当程度改善するものというふうに認識しております。どういうことかというと、従来終始報告書にも不記載違反だとか、それから虚偽記載違反というものがございました。しかしその立憲はかなり難しいというところが認識されているところだと理解しております。というのも、ここに二段構えというのが必要だったからだと思います。会計責任者の立証と、それから政治家本人との共謀戦の立証というのが必要で、これは大変難しいということではないかと。今回出ている疑惑においても、疑惑の数に対して立憲に至った当事者の数がかなり少ないということから、かなり難しかったんじゃないかというふうに認識しております。そのようなことから、政治家本人によるこの確認書添付ということを通じて、ある種全管注意義務的制度というものが、ある程度具体的に実現できるのではないか、そのような認識を持っておるところでございます。それからややまとめさせていただきますが、政治資金パーティー券の購入者や、それから個人の寄付者に関して、プライバシーの保護というものに関して、やはり原則透明化ということを堅持していただくということと、それから個人の常識的な範囲における、これ以下ほどかというような議論の分かれるところでございますが、奨学寄付者に関しても、それからその他の者についても、住所等の個人情報に限定した配慮というのは、ある程度合理的だというふうに認識しております。将来、一層の透明化というものが進んでいくというふうに認識しておりますが、それが進んでいくということであれば、よくも悪くも政治に対する政治参加とか、政治的主題というのは、強い関心を持たれるというところがございます。そうした中で、過剰にプライバシーがつまびらかにされるといったようなことが起きがちでございますので、両立というそのあり方が求められるところだというふうに認識しております。その上で、最後ですね、これは踏まえた上で、昇格と展望、関連する論点ということで言及させていただきたいというふうに考えております。今回議論になっておるところというのは、政治資金規正法などを中心とする改正案についてだというふうに認識しております。ただやはり、これ対象両方的にとどまっているという認識を持っております。既に参考人の先生方からも言及があったとおりだというふうに認識しておりますが、問題全体的に見直していくということが必要だと考えております。それから、今回の改正案というのは、もっぱら将来の不正に対する抑止力を有するような内容であって、直近の疑惑の界面には直接つながらないというところで、それらも踏まえても、例えば国民の政治不信、そういったものを払拭するというところに至らないのではないか、満足できる内容になっていないというふうに認識しております。引き続き、不断のない改革というのが求められるところだと認識しております。既に言及したところでございますが、国民のある種の政治不信とか、それから本当に実種的にこの問題解決されるのか、世論調査を通じても疑問というのが提起されているところでございますが、これはある程度合理性があると、妥当な内容だというふうに認識しております。また、本日のこの意見陳述というのが、政治資金規正法等に関するものであることは明らかでございますが、国民の期待と比較してみると、明らかに狭くなっていて、歪症化されているということから、と同時に根本解決のアプローチの短所としてみても不十 分な内容だというふうに考えております。というのも、国民の理解というのが十分進んでいないという背景もあるという問題意識を持っております。なかなかこの法案の内容というのを理解するのは難しい。全体的にも公選法などを含めても、全体像を把握するのが難しいという事情があると思います。その上で、この法案を理解し、比較し、メリット・デメリットを検討すると、これは大変難しい。そういった中で、政治家の先生方は、自らエリを正していただくのみならず、積極的に発信していただくということも重要になってくるというふうに認識しております。そんな中でも、野党の先生方を中心に、それぞれのご主張というものを発信いただいているというふうに理解しておりますが、どうも当事者の先生方からの発信というのは不十分ではないかという認識を持っております。当該問題に関する当事者、それから政党からの情報発信というのを継続いただきたいと認識しております。それから、もう一点でございますが、政治倫理審査会についても言及させていただきたいと思います。原則について非公開となっていることや、それから当事者の自主性に重きを置かれていることから、