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参議院 憲法審査会

2024年06月12日(水)

1h31m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8056

【発言者】

中曽根弘文(憲法審査会会長)

加賀谷ちひろ(参議院憲法審査会事務局長)

川崎政司(参議院法制局長)

1:24

会議を開会いたします。日本国憲法及び日本憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を依頼といたします。本日は、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について、憲法審査会事務局及び法制局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。全体の所要は1時間30分を目途といたします。まず、憲法審査会事務局及び法制局から、順次説明を聴取いたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。

2:05

香谷憲法審査会事務局長。

2:08

まず、憲法審査会事務局から、日本国憲法の改正手続に関する法律、いわゆる憲法改正国民投票法の制定及び改正の経過等について、簡単に御説明いたします。資料1枚おめくりいただき、1ページを御覧ください。平成18年5月、衆議院に自由民主党及び公明党、民主党がそれぞれ法案を提出し、翌年4月、衆議院本会議で与党案と民主党案を併合して一案とする修正が行われました。その後、参議院では、衆議院総補案と民主党提出の対案が審査に付され、平成19年5月、衆議院総補案が可決され、憲法改正国民投票法が成立しました。なお、参議院では18項目の附帯決議がなされました。15ページ、16ページにその本文をお付けしております。資料2ページに戻りまして、この法律は、これまでに平成26年、令和3年の2回改正がされております。まず、平成26年1度目の改正について御説明いたします。資料の3ページ、4ページを御覧ください。19年の法制提示。与党と民主党の間で意見が相違した3つの事項、すなわち、1、選挙権年齢・青年年齢、2、公務員の政治的行為の制限、3、憲法改正問題についての国民投票制度について、不足に検討条項が置かれました。このいわゆる3つの宿題に対応するための改正案が、26年4月に提出され、同年6月成立しました。これにより3つの宿題への対応がなされましたが、それぞれについて新たな検討事項が改正法不足に規定されました。資料の5ページを御覧ください。1つ目は、選挙権年齢・青年年齢等についての検討事項です。こちらについては、資料7ページにございますとおり、27年の公職選挙法改正、30年の民法改正によって、法制上の措置が講じられました。2つ目は、資料8ページ。組織により行われる関与運動等に関する公務員に対する規制についての検討事項です。3つ目は、資料9ページ、10ページ。憲法改正問題についての国民投票制度についての検討事項です。なお、本改正案に対しては、衆議院で7項目、参議院で20項目の付帯決議がなされました。資料の17ページから19ページにその本文をお付けしております。次に、令和3年2度目の改正について御説明いたします。資料の11ページを御覧ください。「投票環境向上のための平成28年公選法改正並びの改正」を内容とする改正案が、平成30年6月に提出され、令和3年6月に成立しました。その際、新たに2つの検討事項が改正法不足に規定されました。1つ目は、公選法並びの投票環境を整備するための事項で、「以、該票立ち会い人の選任に係る規定の整備」「如、投票立ち会い人の選任の要件の緩和等について検討するもの」とされております。2つ目は、国民投票の公平及び公正を確保するための事項で、「以、国民投票運動等のCM規制」「如、国民投票運動等の資金規制」「は、インターネット等の適正な利用の確保を図るための方策等について検討するもの」とされております。以上の検討事項は、改正法の施行後3年を目途に検討されることとなっており、本年9月でちょうど3年になります。なお、ご参考として2つ目の検討事項に関連する民法連関係の資料を20ページ以降に掲載いたしております。最後に資料の14ページをご覧ください。令和4年4月、投票環境整備のための、元年及び4年の公選法改正並びの改正を内容とする憲法改正国民投票法の改正案が衆議院に提出され、継続審査となっております。以上でございます。川崎法制局長、参議院法制局長の川崎でございます。私の方からは、お手元の配付資料によりまして、国民投票その他の憲法改正手続に関し、その法制度について概観した上で、憲法改正の国会による発議の流れと、憲法改正国民投票の流れ、さらに国民投票広報協議会と国民投票運動について説明をいたしますとともに、憲法改正国民投票法の改正の経緯と、憲法改正の発議国民投票の実施に関する主な検討課題にも言及をさせていただきます。表紙をめくり1ページをご覧ください。まず、憲法改正手続に関する現行の法制度について確認をしておきたいと思います。日本国憲法の改正の要件手続については、憲法96条で規定されているところですが、その具体的な手続については、平成19年に日本国憲法の改正手続に関する法律が制定されております。この憲法改正手続法は、国民投票に関する手続を定める第2章から第5章までの規定と、第6章の憲法改正の発議のための国会法の改正規定とからなっておりましたが、第6章の改正が国会法に解き込むことにより、残りの国民投票に関する規定については、いわゆる憲法改正国民投票法などと呼ばれているところです。なお、国会法の規定を受け、衆議院では平成21年に、参議院では平成23年に憲法審査会規定が議決されております。2ページに参ります。ご承知のとおり、憲法改正の手続は、大きく分けて、国会による発議と国民投票での国民の承認の手続からなります。前者の発議については、憲法96条1項前段において、この憲法の改正は、各議員の、総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してと定めており、そのための手続等として国会法が、1.憲法改正原案の発議や修正の再生者数の要件。2.憲法改正原案の個別発議。3.憲法改正原案に関する両議員関係。4.両議員の可決による憲法改正の発議及び国民に対する提案。5.国民投票の期日の議決。6.憲法審査会の設置。7.国民投票広報協議会の設置などについて定めております。また、公社の国民の承認については、憲法96条1項前段で、その承認を経なければならないと定めた上で、その公断において、この承認には、特別の国民投票、または国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とするとしているほか、第2項において、憲法改正について全項の承認を経たときは、天皇は国民の名でこの憲法と一体をなすものとして、直ちにこれを交付すると定めております。そしてこれを受け、憲法改正国民投票において、国民投票による承認に関する手続等として、1.国会の議決した期日における国民投票の実施。2.国民投票の投票権年齢。3.国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知。4.投票人名簿や投開票等。5.国民投票運動。6.国民投票の効果。7.国民投票無効の訴訟等。8.内閣総理大臣による交付に係る手続などについて定めております。次に資料3ページをご覧ください。このような法制度のもとで、憲法改正の発議までの具体的な流れについてご説明をいたします。国会による憲法改正の発議については、両院は全く対等とされているところですが、選議・抗議の関係により、順次両院において審議が行われます。まず、憲法改正原案の議員への発議等については、2つの方法があり、右の枠の発議要件等のところでございますけれども、議員による発議と憲法審査会による提出が規定されております。議員による発議については、衆議院においては100人以上、参議院においては50人以上の賛成者が必要とされております。また、発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとするとの定めがあり、これは憲法改正の発議や国民投票の単位にも関わってくるものでございます。憲法改正原案が発議提出されますと、基本的には本会議において説明が行われた後、憲法審査会に付託されることとなります。憲法審査会の審査については、会期中、閉会中を問わず開会可能とされているほか、校長会の開催が義務付けられております。他方、一般人法案審査等に認められている審査会審査省略や中間報告制度については不適用とされています。なお、表の中ほどに記載しておりますけれども、両院の憲法審査会は必要に応じて合同審査会を開催することができ、合同審査会はそれぞれ憲法審査会に対し勧告することも認められております。憲法審査会においては修正同意の提出も可能であり、また、憲法審査会での議決は過半数により行われます。憲法審査会で過半数の賛成をもって憲法改正原案が可決されますと、本会議に報告され審議されますが、本会議においては、総議員の3分の2以上の賛成が必要となります。修正議決の場合も同様です。その後、抗議の議員においても基本的に本会議において説明、憲法審査会への付託の後、憲法審査会で審査され、過半数の賛成で可決されますと、本会議での審議採決となります。そして、抗議の議員でも3分の2以上の賛成で可決された場合には、憲法改正を発議し国民に提案したものとされ、両議員の議長が憲法改正の発議を下旨と、憲法改正案を官報に交示します。他方、抗議の議員で3分の2以上の賛成で修正議決された場合には、選議の議員に回復され、選議の議員で不動意となったときに、その求めがあれば、両院協議会の開催となります。抗議の議員で否決された場合も同様に両院協議会が開催されます。両院協議会で出席員の3分の2以上の賛成で成案が得られた場合には、その成案が両院の本会議に順次図られ、総議員の3分の2以上の賛成でそれぞれ可決された場合には、憲法改正の発議、国民への提案となります。これに対して、両院協議会で成案が不成立の場合には、憲法改正原案は廃案となります。次に、4ページに移り、国会の憲法改正発議後の国民投票までの流れについてご説明いたします。国民投票の期日は、国会が憲法改正の発議をした日から60日以後、180日以内において、国会の議決した期日に行うものとされております。そのため、国民投票の期日の議案を発議し、衆参両院で議決することが必要となりますが、この期日の議案の発議については、議案の賛成者要件が適用され、衆議院に提出される場合は20人以上、成案議員に提出される場合は10人以上の賛成者が必要となります。なお、憲法96条では、特別の国民投票と国会の定める選挙の際行われる投票の2つが規定されていますが、憲法改正国民投票法では、特別の国民投票を念頭に置いた規定となっているところです。次に、国民投票に向けた候補や周知については、国会に設置する国民投票候補協議会が行うことになります。また、国民投票までに行われる国民投票運動については、原則自由としつつ、組織的多数人買収などの禁止や、国民投票期日前14日間の広告放送の禁止が規定されています。国民投票候補協議会と国民投票運動については、この後改めてご説明いたします。国民投票については、18歳以上の日本国民に投票権が認められており、憲法改正案ごとに1人1票となります。資料16ページに投票用紙の様式を掲載していますが、賛成または反対の文字を丸で囲む投票方式とされております。なお、複数の憲法改正案について国民投票を行う場合には、いずれの憲法改正案に係る投票用紙であるかを表示しなければならないこととされております。投票の結果、有効投票総数の過半数の賛成があったときは、憲法改正案は国民により承認されたこととなり、憲法改正が成立し、天皇が降伏することになります。次に、5ページで国民投票広報協議会の具体的な仕組みについてご説明いたします。まず、協議会の組織等ですけれども、設置期間については、憲法改正の発議後に国会に設置し、国民投票に関する手続が終了するまでの間、存続するとされています。委員数については、憲法改正発議時の衆議院議員と参議院議員各10人となっており、同数の予備員も選任されます。委員の選任方法については、各議員における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て、選任しますが、反対の票決を行った議員の所属会派から委員が選任されないこととなるときは、当該会派にも委員を割り当て選任するよう、できる限り配慮するものとされています。会長は、委員の御選によるものとされ、協議会の議事については、定則数が衆議院議員、参議院議員の委員の各7人以上となっており、議事は出席委員の3分の2以上の特別多数で決定することとされています。次に、協議会の事務ですか。協議会は、1、国民投票候補の原稿の作成、2、投票所に掲示する憲法改正案の用紙の作成、3、公報協議会及び政党等による放送新聞広告に関する事務、4、その他、憲法改正案の公報に関する事務を行います。それぞれの事務については、遵守事項が定められており、1、2、4の事務を行うにあたっては、憲法改正案、用紙等に関する説明の記載等について、客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見、反対意見の記載等について、公正かつ平等に扱うものとされています。また、3の放送新聞広告においては、憲法改正案用紙等の公報を客観的かつ中立的に行うこと、放送に関しては、憲法改正案に対する賛成、反対の双方の政党等に対して、同一の時間数、同等の時間帯を与えるなど、同等の利弁を提供しなければならないこと、新聞広告に関しては、憲法改正案に対する賛成、反対の双方の政党等に対して、同一の寸法、回数を与えるなど、同等の利弁を提供しなければならないことなどが規定されています。このような協議会の書文を担当する組織として、協議会に事務局が置かれ、事務局長その他の職員は、協議会の会長が、両議員の議長の同意及び両議員の議員運営会の承認を得て、任免することになっております。続いて、6ページで、国民投票運動についても、改めて説明をいたします。まず、国民投票運動については、憲法改正案に対し、賛成または反対の投票をし、またはしないよう勧誘する行為と定義をされております。この国民投票運動の規制のあり方については、法制提示の発議者から、国民投票運動は、主権者である国民の政治的意思の表明そのものであるから、国民一人一人が、萎縮することなく自由に国民投票運動を行い、自由・活発な意見を戦わせることが必要である。したがって、国民投票運動は原則自由とし、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限のものとすべきである、との考え方が示されています。このような考え方のもとで、国民投票運動に関する主な規制については、例えば主体による規制として、投票事務関係者や特定公務員の国民投票運動、公務員等や教育者の地位利用による国民投票運動を禁止する一方、公務員の政治的行為の制限の特例として、他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合を除き、国民投票運動等憲法改正に関する意見の表明を行うことができるものとされております。他方、方法等に関しては、投票期日前14日間は国民投票広報協議会が行う放送を除き、国民投票運動のためのラジオ・テレビ等による広告放送を禁止するほかは、特段の規制はありません。ただし、組織的な多数の投票人に対する買収・利益誘導のほか、公務員や中央選挙管理会の委員等による職権を乱用しての国民投票の自由の妨害が罰則をもって禁止されております。さらに7ページで、憲法改正国民投票の改正経緯を簡単に見ておきたいと思います。憲法改正国民投票法は、平成19年に制定され、その後、平成26年と令和3年の2回ほど改正が行われております。すなわち、平成26年の改正では、平成19年の制定時の3つの検討課題に対応するための整備が行われております。具体的には、1つ目の宿題が、選挙権年齢等の18歳への引き下げについての検討であり、平成26年改正により国民投票権年齢が18歳とされたほか、選挙権年齢・青年年齢等の引き下げを検討することとされ、その後、これらについても公選法改正や民法改正により18歳に引き下げられております。2つ目の宿題が、公務員の政治的行為に係る法整備についての検討であり、これについては平成26年改正により先ほどご説明したとおりの規定が置かれておりますが、なお、組織的勧誘運動等の規格などに対する規制のあり方について検討し、必要な措置を講ずるものとされました。3つ目の宿題は、国民投票の対象拡大についての検討ですが、これについては平成26年改正でも、憲法改正問題についての国民投票制度の意義・必要性についてさらに検討し、必要な措置を講ずるものとされました。次に、令和3年改正の内容ですが、これは平成28年の公選法の改正により、投票環境向上のための法整備が行われたことを受け、これと同様の法整備をすべく、投票人の名簿等の縦覧に変え閲覧制度の創設、共通投票所制度の創設、期日前投票の自由追加、投票時間の弾力化など、7つの項目に関する改正が行われました。最後に、8ページで、憲法改正の発議、国民投票の実施に関する主な検討課題について触れさせていただきます。大きく分けて、両議員による規定の整備が必要と考えられる事項と、令和3年改正時に検討課題とされた事項等があります。まず、規定の整備の検討が必要と考えられる事項については、1つ目として、両院の憲法審査会による合同審査会に関する事項があります。既にご説明しました通り、両院の憲法審査会は、今日にして合同審査会を開くことができることとなっていますが、そのためには、合同審査会の構成や運営等の詳細について、両議員の議決により定める規定の整備が必要となります。また、2つ目として、憲法改正案の国民に対する広報に関する事項があります。国民投票広報協議会及び国民投票に係る広報に関し、両院議長協議決定に委任されている事項について、その整備が必要となるものです。両院議長協議決定は、両院の議長がそれぞれの委員の議員運営委員会等に諮って定めることになります。具体的にはまず、国民投票広報協議会の運営組織等のうち、運営等の詳細や、その事務局の組織等に関する事項があります。次に、広報の実施に関する規定のうち、広報のための放送に関する事項として、1つ、国民投票広報協議会による憲法改正案の広報のための放送に関する事項、2つ、広告放送を行う政党等の国民投票広報協議会への届出に関する事項、3つ、政党等による無料広告放送に関する事項、4つ、政党等による無料広告放送のための無料録音、無料録画に関する事項、5つ、無料録音、無料録画とする額の範囲、6つ、広告放送をすることができる政党等が、その一部をその指名する団体に行わせることに関する事項があります。また、広報のための新聞広告に関する事項として、1つ、国民投票広報協議会による憲法改正案の広報のための新聞広告に関する事項、2つ、新聞広告を行う政党等の国民投票広報協議会への届出に関する事項、3つ、政党等による無料新聞広告に関する事項、4つ、新聞広告をすることができる政党等が、その一部をその指名する団体に行わせることに関する事項があります。他方、令和3年改正時に、改正法の不足において検討課題とされた事項としては、次の2つの課題があります。その1つ目の課題が、投票人の投票に係る環境を整備するための事項であり、具体的には、天災等の場合における開票立合人の選任に係る規定の整備、投票立合人の選任の要件の緩和でありますが、実際上、令和4年の公選法改正を踏まえ、FM放送設備による広報放送が加わっているところでございます。2つ目の課題が、国民投票の公平及び公正を確保するための事項であり、インターネットの急速な発展普及、SNSの利用の拡大など、憲法改正国民投票法制定後の環境の変化への対応等の問題です。具体的には、国民投票運動等のための広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限、国民投票運動等の資金に係る規制、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策が検討対象とされています。なお、これらに関連し、国民投票広報協議会の充実強化についても議論されているところです。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。以上で説明の聴取は終了いたしました。これより委員間の意見交換を行います。発言を希望される方は、指名票を立ていただき、会長の指名を受けた後、ご発言願います。発言が終わりましたら、指名票を横にお持ちください。1回の発言時間は各5分以内でお述べいただき、憲法審査会事務局または法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め5分以内といたします。発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が長過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめご承知願います。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは発言を希望される方は、指名票をお立てください。

30:16

片山さつき君

30:19

自由民主党の片山さつきです。ただいま参議院法制局資料、特に第8ページにおきまして、憲法改正の発議、国民投票の実施に関する4つの主な検討課題として説明されたもののうち、まず課題③、投票人の投票に係る環境整備の事項について申し上げます。現在衆議院憲法審査会に付託されている第208国会、州法34号の国民投票法改正案に盛り込まれている3つの事項は、いずれも既に成立している公職選挙法改正で取られている投票環境の整備と同様の規定の整備を行うものであります。令和3年の国民投票法改正も、平成28年の公選法改正と同様の整備を目的としており、これまでも投票環境整備を公選法並びとすることは、合理的であると判断されております。本改正案につきましても、参議院に送付されれば、速やかに審議すべきであろうと考えております。次に、検討課題④の国民投票の公平・公正の確保のための事項について考えるところを申し上げます。広告放送及びインターネットなどを利用した有料広告規制、並びに国民投票運動等の資金に係る規制についてですが、そもそも国民投票運動は原則自由として、投票の公正確保のための最小限の規制を課すということを基本に考えるべきであります。放送法では、放送事業者は放送番組の編集にあたって、政治的に公平であることを確保しなければならないとされておりまして、まずは自主的な規制、自主的な取組によって対応されるべきであります。インターネット広告の規制についても、自由と公平性の確保においてバランスの取れた規制とすべきであり、例えば主なプラットフォーマーに対して運動期間中の広告回数ですとか、広告費などに関する広報協議会への報告を義務付けるといったことなどが考えられると思います。また、最近有名人になりすますSNSを悪用した投資詐欺の発生などもありまして、生成AIによるフェイクニュースなどの影響も深刻さを増していることでありまして、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策についても、その必要性は高くなっております。ただ、海外の例では特に厳しい規制を課したとしても実効性が上がらなかったという御指摘もあり、自由への配慮と措置の有効性のバランスを考えれば、まずは国民の代表である国会議員で構成される広報協議会によるガイドラインの提示や、外部のファクトチェック機関との連携などが有効だと考えられますし、ネットに流通する情報の真偽を判定する技術や仕組みもいろいろ見られていることから、民間の有する最新の技術を最大限に活用する方向性で考えてはいかがと思います。しかし、検討課題の①にあたります、両院憲法審査会合同審査会規定、②にあたります国民投票広報協議会規定などにつきまして、その運営の催目を定める催促、事務局の組織、広報活動の詳細などの、いわゆる催促的事項を定めるための議論は、これまでこの参議院ではほとんど行われておりません。特に憲法改正については、国民投票広報の原稿の作り方ですとか、投票所に掲示する憲法改正案の用紙の作成、あるいは広報協議会及び政党などによる放送や、新聞広告に関する事務などを担い、さらにはフェイクニュース等への対応等でも期待が大きい、国民投票広報協議会の役割は、国民投票運動の公平公正を確保する上でも、極めて重要であります。最終的には、これらの規定などは、衆参の議員運営委員会において協議されるべきものでありますが、参議院の憲法審査会においても、これらの規定などの整備に必要な論点について、委員間で議論を深めていくべきではないかと考えております。以上、憲法改正の発議及び国民投票の実施に関する主な検討事項につきまして申し上げました。以上であります。

34:59

辻元清美君。

35:01

立憲民主社民の辻元清美です。国民投票法の改正と、広報協議会の在り方について、会派を代表して発言をいたします。私からは特に、令和3年改正不足4条2号の検討条項に規定されております、国民投票の公平及び公正を確保するための事項について、意見を述べます。まず、第2号の「イ」のテレビCMとネットCMの制限についてですが、国民投票法はテレビCMについてのみ、関与広告の投票日前2週間の禁止の制限を設け、ネットCMについては何ら制限がございません。しかも、私も立法に関わった国民投票法制定から早17年が経過し、制定当時と比べ、いわゆるネット社会は著しく進化・拡大しております。白宝堂の研究所の調査、2023年によりますと、1日あたりの接触時間、ネットはパソコン、タブレット、スマホ合計すると256分、スマホ単独でも152分、テレビの135分をはるかに上回っております。また、電通の調査によると、2023年の広告費もネットは3兆3330億円であり、テレビの1兆7347億円を上回っております。このような現状を踏まえますと、国民投票制定時のテレビCM中心の制度は、社会の実情と完全に相互をきたしており、ネットCMについてテレビCMと同様に何らかの法規制は必要になると考えます。というのは、テレビは2週間は制限と決めておりますので、ネットをどうするか、これは検討事項として重要だと思われます。立憲民主党は、政党等によるネットCMを禁止し、その他の党によるネットCMについては、ネット広告事業者にCM掲載基準の策定等の努力義務を課す国民投票法改正案をまとめています。次に、第2号の派のインターネットの適正な利用の確保についてですが、例えば、ゼレンスキー大統領からが市民らに投稿を呼びかける内容の偽動画とか、アメリカ国防総省の近くで爆発が起きたのように見せかけた偽動画とか、岸田総理大臣が卑猥な言葉で語りかけているように見せかける偽動画など、世界でも我が国でも、いわゆるフェイクニュースが大変問題になっております。フェイク情報によって国民投票の判断が狂わせられることは決してあってはなりません。ネットの適正利用の確保は必均の課題といえます。立憲民主党はネットで国民投票運動等をする際のメールアドレスの表示義務、広報協議会によるネットの適正利用のためのガイドラインの作成などが必要だと考えております。さらに、フェイクニュース対策として、広報協議会による客観的かつ中立的な情報の積極的な提供、広報協議会とファクトチェック団体との連携、国民投票についてネット検索した際には、広報協議会の情報が表示されるようにすることなども積極的に検討するべきです。次に、第2号、路の資金規制についてです。ネット社会の進展と弊害などを踏まえて、資金力の高による公平性への悪影響を検討し、必要な法的措置を検討する必要があると考えます。立憲民主党は、国民投票運動等の支出上限の設定、収支報告書の提出などが必要と考えています。立法府として、時代の変化に即して国民投票の在り方と、広報協議会の役割を再検討しなければならない時期に来ていると考えております。最後に、国民投票法制定時、民放連はテレビCMの自主規制を行うと、国会に約束をし、これ私もこの目の前でそういう発言を聞いております。平成26年の参議院附帯決議第19項も、それを前提とした規定になっています。テレビCMについて、民放連の対応がその後どのような変遷、結論となっているのかについて、事務局に説明を求め、国民投票などの改正なくして憲法発議はあり得ないと申し上げ、私の意見をあります。

39:46

川谷事務局長

39:48

お答えいたします。平成30年9月に民放連が、量的自主規制はしない旨を表明し、その後、先ほどご説明申し上げました配付資料の22ページ、23ページに掲載の考え方等が公表されました。令和4年4月の衆議院憲法審査会においては、参考人の民放連政務理事より、自主規制について量を全く考慮しないわけではなく、あらゆることを総合判断する旨の答弁がされております。以上でございます。

40:22

片山大輔君

40:24

日本維新の会、教育務…

40:29

失礼、失礼いたしました。平成いたします。伊藤孝恵君。

40:34

失礼しました。すいません。公明党の伊藤孝恵です。憲法改正における国民投票は、国民一人一人が憲法の持つ価値や政策について判断し、改正案に対して直接賛否を投票するものであり、特定の候補者や政党を選ぶ通常選挙とは全く性質が異なります。憲法改正手続においては、国民の意見表明の自由がより確保されなければならないと考えます。本日は、憲法改正案の広報周知及び国民投票運動といった国民への情報提供に関連して発言をいたします。国民投票がなされるための環境整備として、まず第一に国民に対し、何より公正中立でわかりやすく、十分な量の正確な情報が提供されることが不可欠と考えます。この点に関連して、CM規制が問題とされております。表現の自由と国民の知る権利の保障は民主主義の基盤であり、その制約は必要最小限でなければならないところ、国民投票法105条では、投票期日直前14日間、国民投票運動のための広告放送を禁止するとしており、これ以上の規制は、まずは業界団体や放送事業者の自主規制に委ねられるべきと考えます。放送CMについては、民放連の自主的取り組みもなされております。国民投票運動等に係るテレビ等の放送広告やネット広告について、まずは自主的なルールの策定がどのように進められているか、また自主規制がどう機能するかなどを注視していくべきではないでしょうか。また、新聞等の活字媒体、テレビ等の放送メディア、インターネットを通じた有料CMについて、広告主である政党が広告の量や時期等についての自主規制ルールを検討すべきです。政党でそれぞれ検討を重ね、政党間での協議につなげていく必要があると考えます。国民への情報提供において、インターネットの活用も含め、国民投票広報協議会の役割が極めて重要であり、広報機能の充実効果が求められます。そのためにも、先ほどの説明にもありましたが、協議会の運営組織等に関する事項、広報のための放送に関する事項、広報のための新聞広告に関する事項について、規定の整備を検討する必要があると考えます。また、国民投票の環境整備の2点目として、多くの者が自由に意見表明し、国民の間で自由・活発な議論を通じて、考えを深める機会を持てることが不可欠と考えます。国民投票運動として、広く国民一人一人が憲法改正に参加することは、自らの選択や投票結果に疑義を生じさせないことにもつながり、民主主義を進化させることに資すると考えます。国民投票運動は、通常の選挙運動とは全く異なっており、原則的に自由であり、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限度なものに留まっています。例えば、文書都合や自動車、格性機等の使用といった手段や方法に係る制限もなく、投票運動機関に関する制限もありません。個別訪問も可能ですし、公務員もその地位を利用したものでなければ、基本的に国民投票運動に参加することができます。ただ、これらを認識されている方は少ないと思います。国民投票運動に関する共通認識を一人でも多くの方に持っていただくことが大切です。憲法改正案とともに、国民投票運動についても国民に対して丁寧に周知広報し、国民投票運動を促進していくことが必要ではないでしょうか。国民が実質的に憲法改正に参加し、投票がなされることで、一人一人の納得感を得られ、投票結果の受け入れにつながっていくと考えます。憲法改正をめぐって国民が分断されるのではなく、より良い憲法に変えていくという国民的機運が醸成されていくための環境整備に努めなければなりません。最後に、憲法改正の発議となれば、国民の関心も高まるところはあると思います。ただ、現状では、選挙一般について投票率は低い傾向にあり、選挙では何も変わらないと閉塞感を感じている国民の方も多いと思います。私たち政治家が国の在り方や選挙一般についての国民の関心を喚起していくことにも、真摯に取り組んでいかなければならないと申し上げ、私の発言といたします。

45:02

片山大輔君

45:04

日本維新の会、教育無償化を実現する会の片山大輔です。まず、今朝、自民党が今国会中の改正原案提出を見送る見通しになったとの報道が出ました。岸田総理は、9月末までの党総裁任期中に憲法改正を目指す考えを公言しただけに、本当であれば大変遺憾に思います。公言したのですから、実現に向けて努力していただきたいと思います。さて、説明にあったとおり、国民投票法は17年前に成立しましたが、当時の発議者は、その提案理由について、国民がその権利を行使する制度を整備することであり、憲法が基本理念とする国民主権を確立することに他ならないと述べています。しかし、その国民主権を掲げる日本国憲法は、いまだに一度も国民の審判を仰いでいない状態です。その理由の一つに、令和3年の国民投票法の改正で設けられた検討課題があります。附則第4条に規定されたもので、大きく2つに分けられ、1つは、投票人の投票に係る環境の整備、もう1つは、国民投票の公平及び公正の確保です。この附則第4条の解決が優先されるのか、それとも検討しながらも改正原案の審議と改正の発議も行うことができるのかは議論になってきました。我が党は、附則第4条の検討課題は、改正原案の審議と改正の発議を妨げるものではないという考えで、過去にはそれを決着させるための修正案を出したこともあります。そもそも、国会法を見ると、憲法審査会は、憲法に関する調査と改正原案の審査及び国民投票の審査が目的とされています。この3つに有劣はないので、国民投票法の審査を優先させることにはなっていません。なので、憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時に進めていくことができます。また、2つの検討課題のうち、投票人の投票に係る環境の整備では、我が党は、自民・公明・有志の会と4会派で、おととし、衆議院に国民投票法の改正案を提出しています。これは、会票立ち会い人の選任に係る規定の整備など3項目からなり、既に対応を取っている公職選挙法と同じ規定を整備しようという、公選法並びの改正案です。これが成立すれば、検討課題の1つが解決されることになるのに、この改正案は、その後2年以上にわたって棚晒しになっていることを、改めて認識していただきたいと思います。そして、検討課題のもう1つ、国民投票の公平及び公正の確保では、国民投票法制定時の基本的な考え方に立ち戻るべきです。それは、国民投票運動は、主権者である国民の政治的意思の表明そのものであることから、国民投票運動は原則自由とし、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限のものとすべき、というものです。これを踏まえれば、国民投票運動の放送CMや、ネットCMを含めたネット上の情報発信については、法による過度な規制は、政治的表現の自由を制約することにつながりかねず、自由と公正のバランスを踏まえた慎重な対応が必要だと思います。いずれにせよ、この2つの検討事項は、目処をつける時期が法律の施行後3年とされているので、その時期は今年9月に迫っています。なので、自由統議などを通じて議論を深めつつ、衆議院から改正案が送られてきた時には、速やかに審議し成立させるべきです。一方、昨今は、世界中で社会問題化している生成AIなどによるネット上の、いわゆるフェイク情報の問題があります。この問題は、国民投票に限らず、あらゆる選挙における投票行動に影響を与える恐れがあるので、本審査会とは別に、国としてどのような対応が必要か考えていくべきです。このほか、国民投票広報協議会の整備に当たっては、運営組織に関する事項や、広報のための放送新聞広告に関する事項の規定が未整備のままです。国民投票実施するにあたって、こうした整備は大前提になるので、早急に検討を進めるべきです。それは、間もなく回帰末を迎える国会の開会、閉会に関係なく進めていくべきであることを訴え、発言を終わります。

49:38

磯崎哲次君

49:42

国民民主党新緑風会の磯崎哲次です。意見を申し述べさせていただきます。現在の日本国憲法の改正手続に関する法律は、105条で、何人も投票期間前14日間については、放送事業者の放送設備を使用した国民投票運動のための広告放送を禁止されています。そこでまず、法制局に伺います。国民投票法105条における放送事業者の放送設備とは、具体的に何を指すことになるのか。テレビ、ラジオ、BSなど衛星放送、自ら行うインターネット放送、インターネット事業者を介した放送など、どのように理解されるのか、伺います。

50:21

川崎法制局長

50:24

お答えいたします。憲法改正国民投票法105条の放送事業者とは、放送法上の放送事業者を言うものであり、ご指摘の放送のうち、テレビ放送、ラジオ放送及び衛星放送を行う事業者は、同条の放送事業者に該当することになります。他方、動画配信を含むインターネット放送については、一部の例外を除き、放送法上の放送には該当しないものと解されており、当該事業者は、憲法改正国民投票法105条の放送事業者にも該当しないことになるものと思われます。以上でございます。ただいま法制局から説明をいただきましたけれども、こうした多様な放送形態や事業者がある現状においては、その取扱いについては、明確にその領域を検討していく必要があり、現状に合わせた整理が必要だと、そのように考えます。次に、その広告放送禁止期間において、道法106条及び107条では、国民投票広告協議会が憲法改正案の広告のための放送、及び新聞広告を行うものと定めています。かつ、賛成の政党等及び反対の政党等の双方に対して、放送であれば同一の時間数及び同等の時間帯、新聞であれば同一の寸法及び回数を与える等、同等の利便を提供しなければならないとしており、協議会の費用で各自の広告が行われる規定が整備されています。しかしながら現状、協議会の広告の規定はテレビ、ラジオ、新聞に限定されており、インターネットを利用する広告についての規定がありません。インターネットがテレビ、ラジオと同等、またはそれ以上の影響力であるメディアになっている以上、協議会がインターネットなどを利用した広告や、禁止期間における政党等の広告を行うための法整備が必要と考えます。その際、重要なことは、禁止期間中に協議会の負担で行うインターネット広告について、どのようなルールを定めれば公平性、公正性が担保されるかです。特に、テレビ、ラジオ、新聞における同等の利便の提供を、インターネット等の広告でどのように担保するのか、つまり、テレビ、ラジオ放送での同一の時間数及び同等の時間帯や、新聞広告での同一の寸法及び回数を、インターネット上でどのように確保し、公正性、公平性を担保するのかを具体的に検討する必要があります。併せて、インターネット広告について、プラットフォーム事業者が守るべき、放送法4条のような政治的中立性を求める一般ルールの必要性についても議論が必要と考えます。そして、これは国民投票法に限らない問題でもあると考えます。また、個人がSNS等で発信する賛成や反対の意見について、規制は難しいと考えます。一方で、SNS等によるいわゆるフェイクニュースや誤情報は、重要な問題で対応が必要です。ただし、本件については国民投票法に限った問題ではなく、SNS等一般の問題でもあることから、公職選挙法なども含めて包括的に取り組むべき課題と考えますし、リテラシー教育の強化も必要と考えます。個人の発信を制限できない以上、膨大かつ巧妙なフェイクニュース情報があふれた際に、果たして協議会の発信だけでそれに対抗できるのかという疑問もあります。そこで、協議会に何らかのファクトチェック機能を持たせることを、民間機関との連携を含めて検討すべきと考えます。以上、インターネット広告を中心に課題認識の一部を申し上げましたが、デジタル化をはじめとした社会変化に早急に法整備を図っていくためにも、また、前回改正から3年という節目を迎えたことも踏まえて、アウトプットを意識した上で、本審議会を進めていただけますことをお願い申し上げ、意見といたします。

54:12

山添拓君。

54:15

日本共産党の山添拓です。2021年改定の改憲手続法不足4条は、広告放送やインターネット有料広告の制限を検討事項としています。まず、公選法の規定について、法制局に伺います。インターネット選挙を解禁した際、選挙運動としての有料広告は罰則付きで禁止されました。東京高等区町線をめぐる公選法違反事件で発端となったのも、インターネット有料広告でした。公選法はなぜネット有料広告を禁止しているのでしょうか。川崎法制局長、お答えいたします。ご指摘のとおり、平成25年の公職選挙法の改正により、インターネット等を利用する選挙運動が解禁されたところですが、他方でインターネット等において選挙運動に関連する有料広告まで認めることとした場合には、有料広告の利用が過熱し、金のかかる選挙につながる恐れがあるとされ、このようなことからネット選挙運動の解禁に合わせて、ネット有料広告については禁止されたものと承知しております。

55:25

山添拓君。

55:26

ネット広告は選挙区内のユーザーに絞って配信するターゲティング広告も可能です。資金が豊富な候補者や陣営が多くの広告を出せば公平性を保てない。そこで政治活動としての政策広告ではなく、選挙運動としてのネット有料広告を禁止するのは必要な措置と言えると思います。そこで次に新坂事務局に伺います。改憲手続法では、先ほどらありますように国民投票の期日前14日以降のCM放送を禁止していますが、それまでの間は有料広告の送料規制などはなく、資金力のある者が大量の広告を発することも可能です。その理由について議論の中ではどのように説明されてきたでしょうか。

56:08

川谷事務局長。

56:10

お答えいたします。お尋ねのあった有料広告の送料規制につきましては、法制定当時から表現の自由、公平性の確保等の観点から御議論はありましたが、有料広告の送料規制を置いていない理由につきましては、会議録で確認いたしました限りでは、発議者からの統一的直接的な説明はございませんでした。その上で、有料広告放送の禁止期間を投票日前2週間としたことについて発議者からは、財力の多化による不平等が生じる恐れがあることも勘案した旨の説明がされております。なお、発議者の1人からは、この投票日前2週間の有料広告放送禁止規則が、規制が、量的制限の一助となるのではないかとの発言もされております。以上でございます。

56:58

山添拓君。

57:00

国民投票運動の主体として企業や団体は排除されていないかと思います。事務局に念のため伺いますが、少なくとも14日前以前のCM放送が可能とされる期間中に、企業や団体が有料広告放送を大量に行うことも、現行法では可能ということになるでしょうか。はい、そちらについての議論…

57:22

田谷事務局長。

57:23

おそれいります。はい、承知している限りでは、特段禁止はされていないと承知しております。以上でございます。

57:30

山添拓君。

57:32

国民投票運動におけるネット広告については、先ほども発言がありましたが、規制がありませんので、組織力資金力次第で何でもやれることとなります。一方で改憲手続法が厳しく制限しているのが、公務員や教員の国民投票運動です。違憲表明を可能としながら、地位利用を禁止し、しかもどういう行為が地位利用にあたるのかは示されていません。制定時の議論では、特別の地位を利用して運動を行う可能性もあるので、影響は特段に高いなどと説明されました。ただ、社会的影響という意味では、大企業の幹部など広く影響を及ぼし得る立場というのは多々あります。この法律では、公務員と教員を特出しにして制限しています。公務員や教員は合計すれば約500万人近くに上ります。これほどの規模の主権者、国民投票の有権者について、自由な意見表明が最も尊重されるべき国民投票で、個々人の運動を萎縮させるような規定を設けておきながら、投票権を持たない企業などが資金力を動員して、大量の広告を発信することは可能とされています。SNSを含むネット、AIの利用、さらにフェイク情報も含めれば、一層巨大な影響を及ぼし得ます。主権者一人一人の意思より資金力の高が結果を左右しかねないのは、現行法が抱える根本的な欠陥の一つです。なぜこんなことになるのか。ここで矢をなく想起されるのが、自民党の裏金事件に象徴される、民意ではなく金がものを言う政治の在り方です。政策も予算も献金で売り返する政治が、会見まで金で買おうとするなど、言語道断であることを指摘し、意見といたします。

59:13

山本太郎君。

59:16

はい、憲法改正の国民投票では、広告宣伝に対する制限というのは、ほぼ存在しない、そう考えます。海外では国民投票に関して厳格な広告規制が存在すると、テレビスポットCMは原則禁止。イギリスフランスアイルランドでは、賛成反対両陣営に無償の広告放送枠を与える。資金力で力の差が生まれぬよう、各党各運動者など公平に放送時間の配分を行うよう法律などで定めていると言います。一方日本では事実上これ無制限なんじゃないか。投票2週間前から呼びかけCM、この呼びかけCMは禁止となっているけれど、一方意見表明CMとなればこれ規制ないんじゃないですか。大量にそれまでは呼びかけCMに出続けていたタレントが、その後その顔として、多くの方々にあの人は憲法改正の、憲法反対の、分かりません。その筋の顔なんだってことが売り込めていれば、その後テレビに出たとしても当然これ頭の中で繋がるわけですよね。意見表明CMとすれば規制がない。そしてネットの広告規制もない。つまりは資金力が豊富な陣営は無制限にテレビコマーシャル、インターネット広告、人気タレントなどを使って垂れ流し放題になると。他にも番組の枠を買い取って、一方の意見に偏った番組を大量に制作することだって可能なんですよね。スポンサーですから。テレビ新聞雑誌インターネットなどを使った擦り込み洗脳を無制限に公然と行える日本ルール。芸能人の熱愛、不倫、不祥事にとどまらず、オリンピック、ワールドカップ、野球の大谷さん、コロナ禍でのワクチンなどなど、これまでメディアが強引に人々の関心を設定してきた事例を考えても、さらに圧倒的、一方的な意見を伝え続けるテレビコマーシャル、番組などが一日中垂れ流されればどうなるか。憲法改正の中身を理解しないまま、メディアに演出された盛り上がりに乗って、記憶に多く擦り込まれた方に投票する事態が起こり得る。現行法は外訳でしかありません。誰がこれは後押ししてるんでしょう。まずはメディア。特殊として期待されたオリンピックは、コロナで水を刺されました。憲法改正は彼らにとって史上最大の特殊になることは間違いありません。そして、圧倒的な広告の量を垂れ流すには、スポンサーが必要。最大の負都客が、警団連。警団連はこれまでも政治に対し、憲法改正を行うよう要望、事実上の命令を行ってきました。国民投票法は2007年に交付。警団連は2005年よりその成立を求めてきただけでなく、憲法改正の発議要件を緩和しろなど、具体的に要求してきました。2022年度の広告宣伝費、上位20社だけで3兆730億円。このうち16社が警団連加盟企業。憲法改正とは関係ない現在であっても、莫大な資金を広告宣伝費に流し込んでいます。今年4月の衆議院憲法審査会で、自民党の委員は、国民投票法には資金の資金量の多さ、あるいは多かが、CMの量に影響し一方的な情報のみが流されるとの懸念があると認識しつつも、資金上限は設けず、基本的にCMについてもその出して受けての自主的規制、いわゆる自主的取組によって解決すべきであると述べています。一方的な情報のみが流される懸念があると言いながら、問題解決は自主規制に任せると頓珍感な発言。金と選挙の票に目がくらんだ、ぬすっと国会議員たちによる民主主義の破壊は昔からずっと続いています。広告宣伝以外でも国民投票はヤバい内容のオンパレード、壊れたレコードのように、条文の起訴を急げなどと串走っている国会議員がいること自体、恐怖に震えます。少なくとも世界の国々で行われているレベルの厳格なメディア規制がされない限り、前に進めてはいけないのが憲法改正。何より、30年の経済災害で苦しむ国民や、野党反党自身で被災された方々を置き去りにしているポンコツ政治が、憲法改正を口にするなど、一万光年早いと申し上げ終わります。

1:03:55

高田哲美君

1:03:58

沖縄の風の高田哲美です。今回国民投票法について、いろいろ調べましたけれども、まず憲法改正に係るこの憲法の規定、96条の規定の特徴に触れたいと思います。国家権力による恣意的な改正を許さないように、手続等において通常の法律よりも成立要件が厳しい、いわゆる固い憲法、公正憲法になっています。世界各国の憲法はほとんどが公正憲法であり、日本国憲法も例に漏れません。公正憲法であることは、憲法が憲法自らを保障しているこの憲法保障の一端であり、日本国憲法は自ら立憲主義、法の支配を貫徹するため、96条において各議員の、総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議すると。特別の国民投票または国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とするという規定をおいています。改憲手続法、いわゆるこの国民投票法の規定は、少なくともこの憲法96条の目的、内容、規定などと整合性を持つ、あるいはこれと同等の比率を持たなければならないと思います。立憲主義や法の支配の原理を根底においていること、また憲法制定権力は国会にあるのではなくて、主権者である国民にあることからすると、憲法96条の過半数というのは、国民、いわゆる主権者としての国民の総数の過半数ということが、憲法の規定と最も整合的な捉え方だと言えます。また、各議員の総議員の3分の2と同程度の硬さ、公正が求められているということも一致をしていると思います。主権者、有権者の過半数、総数の過半数の賛成であれば、投票率が5割だとしても全員が賛成投票であれば、これは、いろんな区国民の過半数であり、憲法改正に求められる特別多数を乱すものと言わざるを得ません。それこそ文句のつけようがない、憲法改正のレファレンダムと言えると思います。最低投票率の差でもなく、ごくわずかの投票者のみで決票としていることは、国民投票イコール主権者の意思表明という意義を失ってしまいます。大半の国民が憲法改正をしようとは思わない状態、つまり積極的に変える投票行動を起こさない、あるいはそこまでして変える必要がないという消極的意思で決まって、残りの少数で決まってしまうということが、いかに不合理で法の支配から離れた人の支配に陥った状態であることの表れと言えます。他にも多くの問題点がありますけれども、先ほど来放送の問題やいろいろありました。私は今回この両院協議会と合同審査会について少し触れたいと思います。先ほどの資料の参議院の法制局にありました3ページの方に、ちょっと右枠に突然張られている2つの協議会、両院協議会とそれから合同審査会というのがあります。憲法審査会が2つ衆議院と参議院であるというのが、憲法の規定の中でもし作られているとすれば、これは衆議院の憲法審査会、参議院の憲法審査会という形ですので、わざわざ各議員の総議員の3分の2と言っている意味がなくなります、合同審査会は。それと両院協議会が憲法改正に出てくるというのは、違う意見があったらまた揃えるということになりますので、それも大きな問題だろうと思います。最後、今の関連で言いますと、衆議院が今先走りでいろいろやっているからといって、参議院が同じようにやることはないということを、憲法から、規定からするとですね、それそれぞれできちんとやって、一方が3分の2足りなければ、それで終わりです。そういう規定をきちんとやらないといけないということを申し上げて、私の意見にしたいと思います。

1:08:30

小林和弘君。

1:08:36

自由民主党の小林和弘でございます。先ほどの事務局、法制局からの説明にありましたけれども、国民投票法には複数の検討事項があり、その多くについてはまだ検討の余地があることは確かです。例えば、国民投票法は、その投票手続の部分については、公選法に倣っており、公選法に改正があるために国民投票法の改正も必要になります。また、インターネットやAIといったテクノロジーは日進月歩であり、仮にこれに対応する規定を国民投票法に設けたとしても、時の経過とともに新たな改正が次々と必要になります。この観点から進めれば、国民投票法は常にブラッシュアップが必要となります。その観点から、まず現在衆議院の憲法審査会に付託されている国民投票法改正案について申し上げます。この法案は、令和元年の公職選挙法改正による、開票立ち会員の選任に係る規定の整備と、投票立ち会員の選任要件の緩和、令和4年に改正されたFM放送の放送設備による憲法改正案の広報のための放送の追加という、投票環境整備のための法改正です。すでに構成法が改正されていることから、この3つの事項については、投票環境の整備という観点では、標則が取れていない状況にありますし、これは合わせないことに合理的な理由はないと思います。私も仮に参議院に送付されれば、速やかに審議し、成立されるべきものと考えます。次に、検討事項と憲法改正発議との関係について申し上げます。私は検討事項について結論が出ないことをもって、憲法改正の発議ができないということはないと考えます。今回、令和3年改正の際の審議を議事録で確認させていただきましたが、与野党各会派の原案発議者、修正案提出者の答弁では、検討条項のもとでも、法制的に憲法本体の議論や、憲法改正の発議が可能であるとの共通認識がなされていると承知をしています。また今後は、令和3年の検討条項だけでなく、公法協議会規定などの制定に向けても議論を進めなければなりません。参議院の憲法審査会では、参議院のみに憲法が与えている権能である緊急集会や、参議院のみ導入されたものの弊害が明らかになっている合区選挙区を中心に議論してきたこともあり、国民投票法の検討事項や公法協議会規定などに関しては、衆議院ほどに時間を割くことができず、議論が未だ蓄積されていないと思います。例えば、衆議院ではフェイクニュース対策として、公法協議会による正確で中立性の高い公法が有効であるとの認識のもと、公法協議会による公法の充実強化について概ね意見が一致しているようですが、参議院憲法審査会ではフェイクニュースの、フェイクニュース対策の一環であるファクトチェックについて触れられるのは、今回が初めてであると思います。このフェイクニュース対策は極めて技術的専門的でもあり、また開発や普及速度も相当早いことから、公法協議会規定等を議論する単位には、例えば集中的に議論することが可能な別の検討の場を設けることも考慮してもどうかと思います。そして検討事項の一部である国民投票運動等に関する宣言を議論する際には、国民投票は国民主権最大の発論の場であり、国民投票運動についてはできるだけ自由に、という国民投票法を制定時の基本的な考え方を今後も堅持していくべきだと考えています。その上で広告広報及びインターネット等を利用した有料広告規制、並びに国民投票運動等の資金に係る規制を考えるとき、できるだけ自由という枠組みの中で、自主的規制、自主的な取組での対応において大きな役割を果たすことが期待されるのは公法協議会であります。公法協議会の規定についても、いわば手続的な環境整備であるといって、怠ることなくしっかりと議論を進めていく必要があると申し上げさせていただいて、私の意見とさせていただきます。

1:12:29

小沢雅人君。

1:12:32

はい。立憲民主社民の小沢雅人です。私からは国民投票法の改正について、平成26年の我が参議院憲法審査会の二位決議のうち、残された課題について意見を述べます。累次の国民投票法の改正において、衆議院憲法審とは異なり、参議院憲法審では、国民投票の公平及び公正や国民投票運動の自由を守るために重要な事項の二位決議が付されています。しかしこの平成26年の二位決議については、選挙権年齢に係る法制上の措置についての検討項目など、対応が済んだものもございますが、特に政府が対応を求められた項目については、検討状況さえわからないものが大半であります。例えば、二位決議項目の11は、地位利用による国民投票運動が規制された公務員と教育者について、禁止行為と許容行為の明確化を求めるものであり、政府にはそのガイドラインの作成等を要請しておりますが、検討状況は不明です。また、項目14は、国民投票運動を行う公務員に、委粛的効果を与えないための配慮を政府に求めるものであり、当時の審議では、国家公務員については、職員の理解に資するよう、典型的な制限事例の作成等に向け、さらに検討を進めていきたい旨が、地方公務員については、国家公務員における検討も踏まえ、対応を検討していきたい旨の答弁が、それぞれ政府からなされております。こちらについても、その後の検討状況は不明で、措置がなされているかどうかも含め、全く判断がつきません。その他、項目15の不足第4項に定める公務員の勧誘運動等に係る規制、項目16の特定公務員の範囲の検証なども含め、本審査会として、まずは政府に対して、不対決議で求められた項目の検討状況や、講じた措置などについての報告を、速やかに求める必要があるものと考えます。次に、不対決議項目18の最低投票率制度についての検討について、意見を申し上げます。現行の憲法改正国民投票法には、国民投票成立のために、必要な最低の投票率についての規定は置かれておりませんが、制定時、そして平成26年改正時においても、憲法改正の正当性を確保するためなどの観点から、その必要性について活発な議論が行われました。このような状況を受け、不対決議が設けられ、最低投票率制度の意義、是非の検討については、憲法改正国民投票において、国民主権を直接行使する主権者の意思を十分かつ正確に反映させる必要があること、及び、憲法改正の正当性に疑義が生じないようにすることを念頭に置き、速やかに結論を得るよう努めることとされました。しかしながら、26年の決議以降、最低投票率制度の意義、是非について議論は深まっておりません。憲法改正の正当性が確保されない国民投票など、あってはならず、この状況は大変残念であります。憲法改正の本体議論の前に、最低投票率制度の議論を進めるべきと強く申し上げます。その他にも、不対決議項目17の一般的国民投票制度についての検討や、さらには、項目19のテレビ、ラジオCMについては、その規定ぶりが公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重しつつとあるように、当時の民放連の自主規制の意思表明を前提したものとなっており、不対第4条2号の規定にも基づいて抜本的な検討が必要となっております。この1条2号は、国民投票の公平及び公正と国民投票運動の自由を保障するため、本審査会が措置しなければならない国民投票法の課題は、三石していると言わなければなりません。衆議院憲法審の与党と一部野党は、緊急集会の局会に基づく憲法改正発議に向けて、会見条文の検討や条文基礎委員会の設置の主張など前のめりになっておりますが、これら三院憲法審の不対決議で求められた項目が解決するまで、会見条文の審議など許さないことを申し上げます。最後に、平成26年不対決議の項目1にある憲法審査会は、立憲主義に基づいて徹底的に審議を尽くすことの定めに基づき、先に私が幹事会協議事項とさせていただいている、改正地方次長の国の支持権の違憲性について、本審査会で徹底審議することを求め、私からの意見といたします。

1:17:48

塩田弘明君

1:17:52

公明党の塩田弘明でございます。冒頭の憲法審査会事務局と法制局の説明を踏まえまして、いわゆる国民投票法について意見を述べます。まず、令和3年改正時の不足についてであります。この検討条項のうち、投票人の投票に係る環境を整備するための事項等について、翌年衆議院に自民・維新・公明・有志の会の共同提案の国民投票法改正案が提出されています。このいわゆる3項目案には、公選法ではすでに改正済みの開票立ち合い人の選任に係る規定の整備、投票立ち合い人の選任要件の緩和、FM放送でも憲法改正案の広報のための放送ができるようにする規定が盛り込まれています。投票環境の向上、有権者の利便性向上に資するものであり、国民投票法に反映させる必要性は明らかでありますので、速やかに成立させるべきであります。次に、令和3年改正時の不足のもう一つの検討条項である国民投票の公平及び公正を確保するための事項等について意見を述べます。一つ目は、広告規制についてであります。現行法では、投票期日前の14日間、国民投票運動のためのテレビラジオによる広告放送を禁止しています。これは、テレビ等の放送は、戦場的な影響力を持ちやすく、また資金量の高が広告の量に影響し、投票の公平公正を阻害する恐れがあるという考えに基づきます。そもそも、表現の自由に対する法規制には慎重でなければなりません。しかも、国民投票運動は、憲法制定権者である国民の意思表明であることから、できる限り自由な運動を保障すべきであります。今以上の規制については、広告の出し手である政党側と受け手の放送事業者等のそれぞれの自主規制、自主ルールに委ねられるべきであり、政党側については、広告主体が政党である場合の広告の量や時期等について、自主規制ルールを検討すべきであります。2つ目に、インターネット広告規制についてであります。法制定当時は、インターネットが現在のように普及しておらず、インターネットを活用した情報発信や広告については、国民投票法等に規定がありません。その後、急速にデジタル化が進展し、今やインターネット抜きの国民投票は考えられません。広報協議会によるSNS、インターネット広告等を利用した国民に分かりやすく、かつ適切な広報の在り方についても検討すべきであります。一方で、執行の仕組みの複雑性、業界団体に属していない広告主や媒体運営者、いわゆるアウトサイダーの存在等を踏まえると、実行的な法規制は難しいのが現実であり、政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を合わせて推進していく方策が適切と考えます。三つ目に、情報化社会における偽情報・誤情報対策についてです。昨今の急速な技術の発展により、偽情報・誤情報による選挙や世論捜査への影響がすでに一部発生しており、国民投票の際にはこれらの対策が極めて重要であります。具体的な対応策として、広報協議会が民間のファクトチェック機関と緊密に連携を取り、偽情報・誤情報を適切指摘できるようにすることは必須なのではないでしょうか。加えて国民が正確な情報を容易に知ることができなければ国民投票は成り立ちません。広報協議会がインターネット上において正確な情報を多く発信し、その情報に国民が簡単にアクセスできるようにするということも検討する必要があります。これらを踏まえ、広報協議会の在り方を改めて検討すべきと申し上げ、私の発言を終わります。

1:22:26

柴田卓美君

1:22:28

日本維新の会、教育無償化を実現する会の柴田卓美です。意見を申し上げます。国民投票法について詳細を詰めていくことは重要なことです。国民投票法に関する課題は、令和3年改正、いわゆる7項目案の附則4条の検討事項の規定に、規定されている事項につきます。検討事項の冒頭、附則4条1号は、投票環境整備に関し、国民投票法を公選法並びにアップデートすることを規定しています。このため、附則4条1号の要請に応えるべく、令和4年4月、いわゆる3項目案が、自民・維新・公明・有志の4回派によって提出されました。しかし、この公案は、衆議院の憲法審査会で趣旨説明が行われたものの、その後2年余りも審議が行われておりません。この附則4条で目処とされている期限は、今年9月で、その日が迫っています。内容的には、全く党派性が入り込む余地のないものです。強引に達している項目から速やかに法制化するとともに、強引に達していない事項は、引き続き議論を深めていく必要があります。とにかく、国民投票の外形的事項である投票環境整備を進めつつ、国民投票の質に関する諸課題、すなわち投票の公正公平を確保するための事項に関し、早急に制度設計すべきです。このため、国民投票広報協議会の組織の在り方や規定を決めていくとともに、国民投票運動の規制的措置の内容について、各会派の考えをテーブルに乗せ、成案を得ることがまとめられます。我が党の考えは極めてシンプルです。国民投票運動は基本的に自由になされるべきであり、民放連やネット事業者の自主的な取り組みにより広告の取扱いを判断する際には、その参考となるよう、国民投票広報協議会がガイドラインを定めることとしています。また、ネット規制に関しては国民投票に限った問題ではない上、規制自体に困難が伴うので、国民投票広報協議会が民間ファクトチェック団体と緊密に連携して対応すべきと考えます。改めて言うまでもなく、国会法などで定められた憲法審査会の検納は、憲法に関する調査、改正原案の審査及び憲法改正国民投票の審査であり、これらを並行して議論していくことは、この審査会の設置目的そのものといっても過言ではありません。それ上、CM規制など一部の議論が決着しなければ、憲法本体の議論を先に延ばすべきだという見解に流されることなく、車の両輪である憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時、並行的に進めるべきです。ところが、今国会で参議院憲法審査会での実質的な討議は、わずか4回しか開かれていません。しかも、終盤に入ると、一部野党の国会対策関係者から、憲法審査会を強行するなら、政治資金規正法改正案の審議には応じられないとか、与党の国会幹部からは、憲法審査会開催を強行すれば法案成立が危ぶまれるという発言が相次ぎました。まるで憲法審査会が人質にとられたような感があります。極めて違和感です。本来なら、政局などと一線を隠し、憲法のあり方を論ずるのが本憲法審査会に与えられた使命であり、故に、この審査会で活発な議論が行われてしかるべきです。まだ閉幕まで時間はあります。国民投票について議論を深めるとともに、各党が条文案を出し合い改正に向けた作業も進めていくべきです。必要ならば、定例委員会の審査会開催は当然ですし、参議院の憲法審査会規定によれば、審査会は会期中であると閉会中であると問わず、いつでも開会することができます。長田町の足利、前例主義や政局にかまけることなく、ゴールに向けてギアを上げていくことが不可欠です。政治への信頼を大きく失去させている現況は、何もお金の問題だけではありません。政治家や政党が国民に公約したことを真剣に果たそうとしないことも然りです。この秋の総裁任期までに憲法改正を実現したいと総裁がおっしゃるなら、堂々と進めるべきです。憲法改正は当然だというのならば、困難があっても約束通り実現に向け、最大限の努力をすべきです。残念ながら本気とや熱が全く感じられません。これでは政治の信頼回復は不可能です。自民党の皆さんの奮起を強く求めます。最後に申し上げます。憲法改正の国民投票は国民が主権を発動する重要な機会ですが、一度もこの憲法は国民の心配をあおいではおりません。国民の手に憲法を真に取り戻すために、私ども引き続き頑張っていきますことをお誓い申し上げて、意見表明とさせていただきます。

1:27:20

小西博之君。

1:27:22

私からは、令和3年改正国民投票法の附則4条2号の趣旨について意見をいたします。この附則については、当時この規定に基づいて、CM規制などの法改正を検討している間に、改憲発議ができるのかという議論がありましたが、参院憲法審での法案審議を通じて、これは法的に必要な法改正がなされるまで、改憲発議を行うことはできないという趣旨の条文であることが決着しております。以下、令和3年審議の際の私と提案者の衆院議員との議論を引用しつつ、御説明いたします。私は、修正案の条文起草者である立憲民主の奥野議員に、ネットも含めてのCM規制、外国資本を含めての資金規制を法改正により法律で政策論としてやる必要がある。そうでなければ公平公正は担保できないという認識か、と質問し、当然そうであります、との明確な答弁を得ています。また、公明党の北川議員からは、国民投票運動における自由、そして公正公平の確保、いずれも国民主権原理と密接に関係するものと理解しております、との答弁をいただいた上で、「国民投票の公平及び公正を確保するため」との規定の法的意味について、日本国憲法の国民主権からの要請に法的にしっかり答えなければいけない。憲法の国民主権に基づき、それにかなうものでなければいけない。そういう理解でよろしいでしょうか、という私の質問に、その通りでございます、と明確な答弁をいただいています。そして、これらの答弁も踏まえた上で、本日の事務局資料17ページの、平成26年本審査会附帯決議第4項の法令解釈のルールに、附則4条2項の規定の文言、趣旨、立案者の意図や立案の背景などを当てはめ、これが法的に必要な法改正がなされるまでは、改憲発議を許さない条文であることを具体的に確認しております。この条文は、改憲発議を妨げるものではないとする自民党を代表して、中谷提案者にも同様の法令解釈のルールへの当てはめを質問通告しましたが、全く論理的かつ明確な答弁は得られていないところでございます。それどころか、私は中谷議員に、CM規制を法改正でやらなければ、国民投票法は発議できない、あるいは発議すべきではないと、そのようにお考えでしょうかと質問したところ、中谷議員は、民放連の自主規制の見解の覆し、ネット広告、ビッグデータ、AIなどのインターネットを取り巻く環境の大きな変化に言及しつつ、私としては個人的に法改正が必要ではないかと考えているところでございます。と、明確に答弁をされました。衆議院憲法審の現筆頭幹事である中谷議員が、不足4条が示す国民投票法改正の必要性を明言している事実は、極めて重いものであります。なお、条文起草者の多くの議員は、本年4月16日の衆議院憲法審などでも、提案者の立法意思として、この措置がなされるまでは、憲法改正の発議はできないと一貫して繰り返し発言しています。以上から、衆参両院の憲法審査会の任務は、検討の期限が本年9月であったことも踏まえ、国民投票の公平公正を確保するため、早急に国民投票広報協議会の役割も含めて、法改正を中心とする措置を講じることであります。最後に、先ほど言及した本審査会の平成26年6月11日附帯決議の第4項から第6項は、目前に迫った集団的自衛権行使の解釈改憲を阻止するため、解釈変更の案の法令解釈のルールに基づく事前の国会審議を求めたものですが、当時の安倍政権はこの決議を無視し、国会閉会後の4月1日に解釈改憲を強行しました。そして、本決議の第1項から第3項は、こうした求条規範で更に改変されようとする政治状況下で、将来における誤った憲法改悪の危険をも想定し、本審査会における全ての憲法論議が立憲主義、憲法の基本原理に基づいて行われることを定め、かつ改憲の立法事実のない論議は許されないことを定めたものです。当時、白信君筆頭の下で、自責幹事としてこの二重決議の起草を務めた私にしても、この2年半余りの衆議院憲法審の緊急集会をめぐる法解釈ですらない暴論と、それに基づく任期延長の改憲の暴走の動きは、想像の域を超えるものでございました。今こそ、我らが了識の不、参議院の進化が問われているものと存じます。重ねて、衆議院憲法審の任期延長改憲の議論と、その改憲条文の作成の動きは、参議院を否定し、憲法規範と法の支配、立憲主義の破壊行為であること不足4条に基づく国民投票法の改正などがなされるまでは、改憲発議は法的に許されないことを申し上げ、私の意見といたします。

1:32:21

他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

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