1:05
ただいまから農林水産委員会を開会します。食料供給混乱事態対策法案、食料の安定供給のための農地の確保及び、その有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案及び、農業の生産性向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案、以上3案を一括して議題といたします。本日は本案の審査のため、5名の参考人からご意見を伺います。ご出席いただいております参考人は、丸べり株式会社代表取締役副社長、出向役員寺川昭君、阿賀野市農業委員会会長職務代理笠原直美君、株式会社資源・食料問題研究所代表取締 役柴田昭君、東京大学名誉教授谷口信一君及び、近畿大学名誉教授池上孝一君でございます。この際、参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席いただき誠にありがとうございます。皆様から来たのないご意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず寺川参考人、笠原参考人、柴田参考人、谷口参考人、井上参考人の順に、お一人15分程度でご意見を述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。また、ご発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知をお聞きください。なお、ご発言は着席のままでご結構でございます。それではまず、寺川参考人からお願いいたします。
2:53
おはようございます。丸辺野寺川でございます。食料の輸入業務を担当する民間業者の観点で、実務面を中心にいたしまして、食料供給困難事態対策法案についての意見を述べさせていただきたいと思います。適宜、お手元の資料をご参考にしていただければと思います。本法案で不足の事態となりますが、食料供給困難事態の定義が明確化されておりますが、その兆候を把握する上でも、国民生活の安定、国民経済に大きな影響を与える特定食料として、米、米、小麦、大豆等が今後政令指定されるものと了解しています。どの国におきましても、まず必要不可欠なものとして、最初に立ち上がる食品事業は粉、成粉、油、酢油、砂糖事業だと理解しております。また、不足時に必要なカロリー、そして、炭水化物、タンパク質という3大栄養素を考えた場合、穀物、油に加えまして、畜産物が国民生活にとって重要な役割を果たすものであり、特定食料として検討すべきではないかと考えます。その中でも、我が国が自給できる米を除きますと、主食となる小麦、国内生産のための畜産飼料、油脂原料にもなる穀物が最重要であります。国内農業の生産資材に必須であります肥料ですが、資源の偏在がありまして、地政学的なリスクも大きく、肥料につきましては、経済安全保障推進法でも対応していくものだと理解しています。お手元の資料では、穀物における日本の現状をお示ししておりますが、主要穀物の輸入先は、米国、カナダ、ゴーシュ、ブラジル、この4カ国が対象を占めております。各国の生産量、また輸出能力、政治経済の安定性、ロジスティックス、こういう観点で考えましても、我が国が頼れる生産国は、この4カ国が中心にならざるを得ないと思います。一方で、我が国のプレゼンスですが、小麦、大豆におきましては存在感が小さく、穀物では中国がプライスリーダーとして大きな位置を占めており、年々その地位は強くなっております。中国の穀物買付の動向は、穀物相場に大きなインパクトを与えています。昨今の状況を踏まえまして、食料自給率の低い各国におきましても、食料安全保障問題が提起されている模様で、様々な国で食料の安定供給対策に乗り出してきたのではないかと、ビジネスを通じても感じているところであります。過去、穀物におきましては輸出業力のある国が北半球、南半球に存在し、生産時期の違いもあるため、同時に連続して大不足に陥ることは稀ではありましたが、異常気象の頻度やその規模、年々増加しておりまして、これら自然災害により穀物相場が非常にボラタイルな状態となり、食料ビジネスをめぐる情勢が不安定化しているということは事実であります。食料供給を不安定化させる具体的リスクとして、今述べました異常気象自然災害、それらの大規模化、これが最大の要因ではありますが、その他に、感染症発生による物流の混乱、家畜伝染病の多発化 、脱炭素の流れを受けまして、コーン、大豆などにおいて燃料需要の増加、これが顕著になっていること、そしてロシア・ウクライナで経験したような地製薬リスクが挙げられます。また、食料が国家間の戦略物資として用いられることにより、需給バランスの崩れも近年では見られます。究極的には、世界人口の増加に対しまして、温暖化、地球環境問題を加味した上での工作可能面積はどの程度あるのか、またその食料供給量はいかほどか、そしてその供給量が世界需要にバランスするかということになろうかと思います。まさしく、人類は地球規模での大きな課題に直面しているように思います。現時点、穀物以外の様々な食料、農産物におきましても、先ほど述べましたようなリスクが毎年その品を変えるような形で具現化しております。また、複数のリスクが同時に起きて複雑化するという想定も必要になってまいりました。昨今の我が国の現状を見ましても、穀物においては高値相場が続く中で、円安により輸入価格は上昇、エネルギーコストを含む諸々の製造物流のコストも増加する中で、加工食品、外食産業での値上げは不可避の状態にあります。また、飼料・作油関連のみなず、各食品企業においてもコスト削減のため、従来利用していなかった産地・品質の原料の利用も今、模索しているところだと承知しています。畜産業では 、昨年、我が国で鳥インフルが多発し、突発的な計量不足が起きたことはご理解のとおりです。家畜の疫病・伝染病関連は、大変予測しづらく、供給不足が突然起きます。国内での長寿対策なども必要ですが、その囲い込みは難しく、現場は対応策に大変苦労していると理解しています。鳥は生育速度も比較的早く、そのリカバリという点では早い畜種だと思いますが、万一、豚・牛という大動物になってくれば、母牛からの育育期間が必要となってきますので、大規模な疫病が発生した場合は、一定期間の供給不足が続くものだと考えられます。我が国におきまして、食料供給困難な兆候が認められた場合ですが、まず想定しておかねばならないこととして、我が国だけが何も特別に困難になるという状況ではなくて、他国も同様の状況におかれる可能性が非常に高いということです。市場経済の中で、大きく国際価格が高騰する可能性があります。国物を緊急に買い付ける場合、他国も同様の動きになること、輸出国側でも自国優先の立場から、輸出の制限、また、輸出国の生産者自身が国際相場を睨んで売り惜しみをするなども十分に想定されます。迅速に商品を確保することが大切で、待ったなしの対応が必要となります。民間業者としては、過去より契約に基づく安定供給をとにかく果たすことに専念して います。過去においてタイミング次第でも起きたことがありますが、経済合理性に合わない状況も当然生まれるかと思います。代替産地を含めた商品のみならず、サイロを含む保管場所の確保、輸出ターミナル、船原・路地の融通、また、従来とは異なる品種の減量、品質の調整なども必要になってくるかと思います。特に日本向けは、非遺伝子組み替え品、分別生産物流管理など、他国に比べて従来より非常にきめ細かい対応が要求されております。当社でも産地の収穫能力を上げ、米国・ブラジルにおいては自前の輸出ターミナルを保有し、品質管理なども行っていますが、これら対応も緊急事態では輸入量を増やす中、どのように調整していくのか、民間企業だけの判断では難しい側面もあり、官民で十分に意見のすり合わせが必要になってくるものだと思います。また、何よりも大切な備えですが、民間の緊急買付などに対応する前に、平時の時点から国物の輸出能力がある国々、また現在の主力の輸出国については、政府間ベースでの大きな食料確保の枠組み、協力関係などを構築していただくことが大変重要であると考えます。緊急時の円滑なオペレーションのためにも、ぜひお願いしたいところであります。本来的には、我が国の自給率ですが、この自給率を上げ、食料安全保障を確保することが第一 義だと思います。米以外の国物のために、水田から畑地への転用なども進めていくべきですが、現実的には、湿地改良は大変難しく、農家側の再三も考えますと、国物の生産は収益性の点では魅力に乏しいものだと思います。国物で収益を上げるためには、大規模化、機械化、DXなどを含め、効率・周率を徹底してあげる必要があり、これら大きな負担を考えますと、法人化のような大規模経営、経営管理能力を持った農家の育成が必要になるかと思います。また、農業が若者にとって他産業に比べて魅力の乏しい産業になっているのではないかと思います。まず、儲かる農業に変革しない限り、担い手を大きく増やすことはできませんし、輸入依存の構造はなかなか変わらないのかなと私は思います。本法案では、不足の事態における政府意思決定の体制が明確化したこと、調考段階からの具体的な措置の流れ、また、食料供給困難時代のトリガーとして特定した食料供給量の大幅な減少、その目安が明確化になっており、民間から見れば少し分かりやすくなったなという感じはしています。一方で、不幸にして食料供給困難時代に陥った場合、計画経済への移行期間だとも言えますが、原料を使用する各食品加工業者・企業にとっては、自分の属する業界の優先順位はどうなるかなど、企業経営にとっては視覚問題になることもあります。その時点になってみないと、どんな混乱が生じるかは、今の時点では分からないと思います。不足時の兆候を正確に確認するためには、情報収集しかないわけですが、市場経済の中で顧客・契約・在庫などについては、各企業にとっては相当センシティブな情報でありまして、本来開示のハードルが高いものであります。正確な判断・予測のためにも、国際市場の情報も含めまして、かなりの情報収集が平時から必要と思いますが、具体的な情報収集の内容、その方法につきましては、今後検討すべき点であると思います。そして、国民生活の混乱を生じさせないためにも、食料供給困難な兆候が出た場合、農業生産者・企業・民間側の自主的な取組の具体的な運用、さらには計画変更が要請した場合の実際の運用、これをどうするのか、また、財政の支援を含めまして、その負担、そして手間を最小限にするにはどうすべきなど、これらにつきましては、始終検討が必要になるかと思います。官民で平時の今から意見交換を行いながら、可能な限り準備をしていくことが、まず第一歩ではないかと思います。また、食料供給困難の兆候が認められ、本部の実施方針が出た場合ですが、国民がパニックに陥る可能性も十分に検討しておく必要があります。SNSなどを通じて、様々な情報が拡散する可能性があります。現時点から、国民には、我が国の食料構造の現状、そして国内農業の重要性を 理解してもらい、産業としての農業にもっと関心を持ってもらう必要があるかと思います。そして、職業としても魅力ある農業にしていくことが何よりも重要でないかと私は思います。民間企業の実務中心の意見となりましたが、以上であります。ありがとうございました。
15:31
新潟県阿賀野市農業委員会会長職務代理の笠原直美と申します。本日は参考人として意見を述べる機会をいただき誠にありがとうございます。私は農業委員会の関係者ですので、3つの法案のうち、農新法等の改正を図る法律案について意見を述べさせていただきます。私は、令和4年5月に行われた農業経営基盤強化促進法と農産漁村活性化法の改正の際にも農林水産委員会で意見を述べさせていただきました。法律の改正後、農業委員会は地域計画の元となる目標地図の素案作りに向けて奮闘していますが、多くの集落で話し合いをする中で、あの時改正された基盤強化法はこんな形で現場に生かされ ていくんだ、活性化法はこんな風に考えられているんだと2年を経過した今になって感じることが多くあります。お手元にお配りした資料は、今回申し述べさせていただく私の意見の用紙と、その後にあるものは、今年3月に開催された第19回女性の農業委員会活動推進シンポジウムで事例を報告した際の資料となっています。阿賀野市農業委員会では、昨年7月末から15名の農業員と11名の農地利用最適化推進員が集落に入り、目標地図の素案作りの話し合いを進めています。事務局体制は、専任職員7名と会計年度職員1名ですが、農林部局から農業経営基盤強化促進法の手続きを行う会計年度職員1名が常駐し、合計9名と大変恵まれた体制となっております。当委員会の特徴を、地域計画の策定、目標地図の素案作りの観点からいくつか挙げさせていただきます。阿賀野市の地域計画は、18の旧小学校区で策定されますが、目標地図の素案作りのための話し合いは、市内213ある全集落に農業員、農地利用最適化推進員がペアとなって入り、話し合いのコーディネートを行っています。この際には、土地持ち非農家の皆さんにも集積いただいて、制度説明や農地バンクの仕組み、今後の農地の貸し借りの契約がどう変わっていくのかを説明し、理解を得ています。また、話し合い に使用する資料や説明のシナリオ、どんなふうに話し合いをコーディネートしたらいいかをまとめた目標地図作成のための委員心得などを、委員と事務局が一緒に作成し活用しています。事務局任せにせず、委員が農業者としての視点を織り込むことで、地域計画の必要性をわかりやすくお伝えし、その集落に合った形で話し合いを進めています。それでは、今回提出された3つの法律案について、意見を述べさせていただきたいと思います。農業生産の基盤となる農地を確保し、適正・効率的に利用するものによる農地利用を促進するため、農地の総量確保を謳うことは重要と考えます。しかし、国が考える総量目標と、現在策定が進んでいる地域計画で明らかになる面積に、疎後が生じる可能性は否定できません。国が考える目標面積と、地域が守るべきと考える農地の面積の違いをどう埋めていくかについては、地域特性も鑑みながら、国、都道府県、市町村が一緒になって考えていかなければいけないと考えています。また、農用地区域の変更に国が関与することは評価いたしますが、農地転用が自治体の税収や就労などに大きく寄与する場合も多くある中、地域未来投資促進等の地域整備法に基づく計画については、農地を守る立場のものとして、関係省庁との連携等を取っていただきたいと考えております。さらに、第13条第5項を新設されたことを評価しております。都道府県知事が市町村から農用地区域の除外の協議があった際、都道府県の面積目標に影響があると認めた際に、市町村にその影響を緩和するための措置を記載した書面を求めることが明らかになりました。この影響緩和等の措置に、荒廃農地を解消し、農用地区域に遍入することを、財源の裏付けも含めて対応することも、選択肢の一つに明確に位置づけ、運用することが大事であると考えます。一旦荒廃した農地は、耕作できる状態に戻すには膨大な時間と費用がかかります。いわゆる英分類の農地が解消されたとしても、あくまで生い茂っていた雑木などを刈り払い、撤去したものであり、削付けできる状態ではありません。荒れないように管理されている農地です。この管理されている状態を耕作可能な状態にしなければ、農用地区域に遍入しても無意味な遍入となってしまいます。こうした農地再編のための措置等については、政省令などに明記することで、より強く必要性を知らしめ、しっかりした予算確保をしていただきたいと思います。続いて、農地法の改正について申し上げます。不適切な遍入を防止するため、農地遍入の許可を受ける者が、事業計画中に定期報告を行う仕組みの構築、並びに違反遍入を行い、現状回復等の措置命令を受けた者が、期限までに回復の措置を行わ なかった場合、公表する仕組みの創設については、非価値を評価しております。当委員会では、過去に違反遍入等を行った者に対して、許可を与える際に申請に基づいた遍入を行うよう申し添えるとともに、農業委員、農地利用最適化推進委員が日々の見回りの中で注視し、場合によっては農業委員会会長などから指導を行っております。しかし、法的な後ろ盾がないため、その場さえしのげればいいと思っている事業者もあり、歯がゆい思いをしてきました。また、転用の許可を受けた者には、事業完了後、事業完了届の提出をお願いしていますが、転用許可が下りてもなかなか転用作業に入らないケースや、事業完了届の提出を忘れていることもあり、事務局の負担となっているのも事実です。こうしたことを防止し、適正に転用がなされていることを把握するためにも、また、違法転用を防止する観点からも、定期報告を行う仕組みは有効と考えます。このほか、現状回復の措置命令に応じないものの公表や関係機関との共有は必要ですが、命令を発するための詳細なガイドラインなどの整備も同時に行っていただきたいと思います。こうした確認業務については、農業委員会が担うことになりますが、農業委員会の業務は年々増加しており、事務局体制に恵まれている当委員会でも、その傾向は顕著です。農林部局のみならず、他都の県務や、ごく少人数の農業委員会事務局も多くあります。事務局体制の脆弱さは、様々な農地・農業施策を実施する際の遅延にもつながり、農業者への不利益になる場合もあることから、事務局体制の強化に特段のご配慮をお願いいたします。続いて、農業経営基盤強化法について申し上げます。地域計画区域内の有給農地を担い手に県に設定する際、その手続を迅速化・義務化することは、有給農地のさらなる広廃を防ぎ、使える農地を再生するために必要なことと考えます。先ほども申し上げましたが、有給農地を解消しても、使える農地にするには、さらなる時間とお金・労力がかかります。できることであれば、こうした農地を引き受けてくれる担い手に対して、何らかのインセンティブをお考えいただきたいと思います。農地所有的規格法人が農業経営を発展させるため、食品事業者との連携措置を行うことについては、実感が伴わないことをお断りして申し上げれば、そもそもの資本力が違う食品事業者などに対して、決定権の担保だけでは、農業経営者の不安を拭いきれないのではないかと考えます。この不安を払拭するため、懸念払拭措置を規定し、様々な条件を付し、計画認定後も農林水産大臣が監督するなど、現場の懸念を受け止めていることは評価すべき点であり、その実効性に期待するものです。以上であり ますが、農地を守る上で大切にしなければならないのは、集落や地域での共同作業による農地保全の役割です。私どもが目標地図の話し合いに集落に入って必ず出てくる話題の一つが、この共同作業の話であり、農業従事者の減少や高齢化、さらには農地所有的覚法人が広範囲での農地を鎮釈するため出益できなくなっているなど、保全活動が成り立たなくなる集落が増加しており、この先も増加し続けると思われます。現在でも多面的機能、支払い交付金などで手当がされているものの、お金ではなく人員の問題だとおっしゃる集落も多く、今ある農地を農地として使い続けるためのアプローチを多様化させる必要があるのではないかと感じているところです。現在、地域計画の策定に向けた話し合いが全国で行われております。初めて話し合いを行った地域もあり、試行錯誤しながら進めているところも多くあります。地域農業に関する方針や農地の利用の在り方を地域の話し合いに基づいて進める地域計画は、原爆を出発点とした取り組みであり、大変やりがいを感じております。この取り組みを地域計画策定後も続け、計画の実現に向けて、農業委員会、市町村、また今後取扱いが大幅に増加することが見込まれている農地中間管理機構など、地域が一丸となれるよう、令和7年度以降もしっかり とした予算措置をお願いいたします。また、先ほどから何度も申し上げますが、農業委員会事務局や農林部局の人員の問題は喫緊の課題と考えます。私が昨年の農業委員としての年間活動日数は、目標地図の作成のための集落の話し合いもあり、297日でした。これだけの活動ができるのは、当委員会事務局の支えがあってこそのことです。私たち農業委員、農地利用最適化推進委員が農地や農業者に寄り添った活動をするためにも、人員に恵まれた農業委員会に在籍している私から、ぜひとも特段のご配慮をお願いして、私からの意見知事述を終わらせていただきます。大変貴重な機会を2度もいただけたことに感謝しております。ありがとうございました。ありがとうございました。
27:26
次に柴田参考人をお願いいたします。柴田参考人。
27:30
今日はこの意見発表の場にいただきまして、大変ありがとうございます。私はお手元の資料に沿って意見を述べさせていただきます。本日申し上げたい点でありますけれども、現在起こっている食料価格の上昇というのは、一家制の話ではなくて、価格体系全体が情報にシフトしてきていると考えております。右側に、シカゴの穀物相場の50年の推移がありますけれども、左半分と右半分では価格体系が全然違ってきて、大きく上昇してきているということです。したがって価格を一時的に抑えるということは、あまり根本解決にはならないというふうに見ています。なぜならば背景には足元は供給ショック、さまざまな供給コストの上昇があるからと見ております。過去20年間のグレートモデレーションというか、低金利、低インフレの心地よい時代というのは、やはりロシア・ウクライナ戦争を契機に変わってしまったと。世界が分断される中で、あるいはコロナパンデミックによるサプライチェーンの寸断とか、こういうものもありまして、世界は今や価格大調整の時代に入ったと認識しております。このあらゆる資源、食料を含めた資源、それからサービス、人件費、コストがかかる時代に入っております。高インフレ、高金利の時代かなと思っております。2番目の点で、食料安全保障の定義として、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されるとありますけれども、この確保が難しく なっていると見ております。食料というのは極めて地域限定的な資源であって、地産地消、これが基本であります。有事を考える前に、まずはこの平時の対応というところを見ていただきたいと思います。ウクライナ・ロシア戦争ですけれども、これは食料危機の問題から、ロシアとかあるいは中国を含めますと、あらゆる資源を保有している大きな出し手もありまして、化学肥料を含めまして、こういうものの供給が滞ってくる、あるいは有効国に優先されて供給されるということになりますと、単に食料危機ではなくて、農業生産危機、農業危機に至る可能性もある。中国はこういう面でいち早く将来の食料不足に備えて、転ばぬ先の杖を5年先、10年先についていると。日本はどうも転ばぬ先の杖を後ろについているなという気がしてならないんですね。グローバリゼーション化で経済合理的な考えを持てばいいということで、極限まで農業の外部化を進めてきた。すなわち食料の輸入依存度、逆に言えば持久率でありますけれども、37、8%まで落ちている。外部依存度は逆に言えば6割以上を外部に依存するという、こういう構図は非常に危ういということで、まさに転換を図るべきだと。食料生産の増大、そして在庫で安心できるレベルへの在庫の引上げ、こうい うところに向けて、予算も技術も人も制度も集中させていただきたいと思います。今申し上げた次のページが50年間のグラフですが、相場付きが全然変わってしまったと。2007年、8年の頃はアグフレーションと言われまして、農産物インフレは長期化するというふうな見方がなされました。背景には中国などの途上国の経済発展に伴う不可逆的な食生活の変化、すなわち肉の消費が増えていく。肉が増えれば、7倍の上数をかけて、穀物の需要の拡大につながるわけですね。そういう需要ショックが起きたと見ております。価格が上がれば供給も増えて、需給が若干緩んで価格は落ち着くのですけれども、現状は、その後も下がったとはいえ、昔の高値が安値に変わったという変わり方であります。ここにコロナパンデミックとかぐらいの戦争が起こったというわけであります。今回は供給サイドのボトルネックがいろいろな分野で起こって上がっているというところで、立ちが悪いなと思います。次のページですね。世界の食料生産、足元28億トンを超えて過去最高なんですね。最高にもかかわらず不安な要因がたくさんあるんです。生産以上に消費も増えてきて、 在庫がじわりじわりと取り崩されてきている。過去、年間消費に対して在庫が2か月を切る15%ぐらいまでなると、大きな世界的な食料危機が起こりました。73年、私学生時代のころですね。それから2007年、8年、食料サミットの行われた世界的な食料危機のところです。現在は27%あって十分じゃないかと思われますけれども、この半分以上は中国での在庫です。これを取り除くと、非常に危ういことになります。それから消費が増えている背景は何かというと、肉の消費が増えている。半分ぐらいは家畜の餌として使われている。例えばトウモロコシの場合ですね、13億トン近い生産量ありますけれども、そのうちの6割、7億6千万トンとかですね、これが餌に使われてきているということであります。右側ですね、コストが上がっているという話で見ると、世界の農業市場というのは長期的に見ても成長市場で、美味しい市場なんですね。ここに多国籍アグリビジネスの市場支配が高まっているということであります。種と農薬で見ると、種の場合はバイエル、コルテバ、ケムチャイナ、3社で半分ぐらいのシェアを持つんですね。それから農薬に行きますと4社で6割近いシェアを持つということであります。それと表の方で化学、肥料、農業機械もですね、大手の市場支配が進んでいる。だいたい4割ぐらいのシェアを3社で持てばですね、価格は下がっていかないんですね。種の値段でもですね、化学肥料の値段でもあまり下がらないということで、これがまたコストアップにつながって、食料価格の上昇につながる。次の4番目はですね、生産が増えた結果、国際貿易量もですね、5億トンのレベルに増えてきています。しかしですね、安心ができない。プレイヤーが限られているということですね。トウモロコシで言えば、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンですね、ウクライナですけれども、非常に不安定化してきています。一方で輸入国は中国がですね、世界最大の輸入国となってきているということで、戦略物資化してもですね、おかしくないということであります。それから、緊急、この非常事態、食料供給困難事態に備えてですね、海外の農産物輸出国と仲良くしたらどうかというのもありますけれども、しかしですね、世界のこの穀物に限らず、食料全体の貿易金額、1兆3千300億ドルとありますけれども、この市場の4割はですね、フードメジャー、あるいは穀物メジャーが握っていてですね、中身が非常に不透明であります。彼らはやはり、儲かると思えばですね、そちらに向け、食料の輸出を向けるわけでありまして、日本を優先して供給してくれるという保証は全くありません。次の5番目でありますけれども、食料だけではなくてですね、地質とリン酸、カリ、これもロシア、中国、ベラルーシ、こういったところがですね、握っているというところであります。中国は次のページ、食料生産も7億トン近い食料の生産量に増えているんだけれども、将来の不安が拭えないということでですね、7番目のように2004年以降、中央一号文書、最も重要なこの報告文書を年頭に発表するわけですけれども、これが20年連続してですね、この農業問題に当てられていると。農業峡谷の建設ということを昨年は謳って、今年はですね、その具体化ということで、1000万プログラムというのをですね、設けてきている。輸入能力を高めるだけではなくてですね、国内の生産も増やしていくということを謳っています。次のページが、そういう中で世界の在庫を見るとですね、半分が中国の在庫ということで、例えば左のトウモロコシを見ると、3億トンの在庫のうちの2億トンは中国、7割近い在庫を持っているわけであります。右の表はですね、中国は一体年間消費量の何カ月分を持っているのかというので見るとですね、8カ月から11カ月ぐ らいの在庫を持っています。日本は米で多くて2カ月ぐらいでですね、非常に寂しい感じでもありますけれども、日本の食料生産の拡大に向けてですね、基本の見直しということを期待していたんですけれども、残念ながら、そういうところに力こぶが入っていないなという気がします。10番目を見ていただくと、農業をめぐる情勢変化というのはですね、この20年間で左のようにあらゆるものが減少したと、政府予算は増えているけれども、農業予算はむしろ減っているという構図になっています。日本が追求してきたですね、3つの安定、あるいは享受してきた安い価格で良質の食料を、良質ですから食料の安全安心、フードセキュリティは得られたわけですね。それからいくらでも輸入できたという、フードセキュリティの問題もクリアできたということであります。しかしそれが今ですね、脅かされているというところで、12番目で見るとですね、エンゲル係数がご承知のようにですね、40年来の高い水準まで上がっている。物資の値段、農業関連資材の値段が上がり、そして職員価格も上がった結果です。実質人員が増えないというところでですね、エンゲル係数が上がっている。農家の経営は 非常に悪化しています。自分の生産物が安くてコストが高まっているということで、いわゆるハサミ状の価格差が生じて、農家の所得というのは惨憺たるものであります。正しい価格転換、14番のところが必要でありますけれども、安値競争というのは無理であります。この条文の方にはですね、良質の食料を合理的な価格で供給すると言っていますが、合理的って誰の立場からの合理的なのか、消費者ですよね。いわゆる生産者から見ると合理的というのは市場価格になってきて、なかなか価格転換が難しい。これはやっぱり価格が市場である、達成するにしてもですね、生産者にとっては政策で生産者価格を達成すると、所得はですね、こういうふうに見ております。基本法の見直しというのはどうもですね、循環論法じゃないかという気がいたします。16番のところで、一人一人の食料安全保障についてもですね、まとめの方にお願いします。これはですね、これがやっぱり緊急事態にですね、どう備えるかという話がすり替わってしまったなという気がいたします。結局大経営というのは必要なんですけれども、中小の農家の経営というのもですね、非常に私は食料安全保障という考えてみるとですね、重要かと思います。若干オーバーしまして、気をつけます。以上であります。ありがとうございました。次に谷口参考人お願いいたします。
44:18
今日は報告の機会をいただきありがとうございます。私は改正基本法と食料供給困難事態対策法、長すぎですけれども、これの関連という視点からですね、報告したいと思います。2ページのところをご覧ください。この図はですね、右の方の図は、2015年の安倍政権当時の基本計画の説明文書、基本計画に付随した文書です。そこにあるもの、そのままのしたものですけれども、食料安全保障と食料自給率及び食料自給率の関係が示されております。これを見るとですね、食料安保というのは、改正前の基本法に基づきまして、左側の下の方に不足時における食料安全保障、ここだけ単語が出ている。皆さんご承知のとおりだと思いますけれども、います。それを示す指標として、このときの基本計画で初めて、食料自給率という概念が持ち出されて、従来の自給率では不足すると、これを強めることによって課題の達成に近づこうという方向が示されたということです。この図のですね、おかしなところが一箇所あります。根本的におかしなところ。左側の下の方をよく見てください。不足時における食料安全保障の茶色っぽい四角の格好の中にですね、中に総合的な食料安全保障の確率が入っています。ところが、総合的な安全保障には、条文の箇所が示されておりません。ないからです。そして、上の方の食料の安定供給の確保、これが基本法第2条第2項になっていますけれども、これがいわゆる通称でいうところの平時の食料安全保障に当たるものであるというふうに認識して対応してきたというのが実態だろうというふうに思います。実は、2010年の民主党政権の時の基本計画のときに、この総合的な食料安全保障という概念が提起されて、文書に導入されたということです。なぜ入ったかといえば、その直前の2008年が世界的な食料危機だったということに対応して、何とかせないといけないということで、食料安全保障というもので全体をカバーしなければいけないという問題意識であったわけです。しかしその後、この方向は採用されずに、政権が変わったいろんなことあり、懇に強いてあったということです。この図に、①から②まで、ごちゃごちゃと書いてありますが、それは今回の改正基本法によって、食料安全保障という箇所が広がっています。あちこちに食料安全保障という言葉が散りばめられている。これ自体はいいことです。しかしそれがどの箇所に当たっているかということを前の図のまま落としてみたということです。そうすると、一番上の方に「アクセス一足」と書いてありますが、これは第二条の食料安全保障の確保の一番最初の定義のところですね。良質な食料の穀身というのが「アクセス」というような箇所から始まって、アクセスは①と⑨で書かれています。合理的な価格率は②と⑤と②③で書かれています。③というのは下の方の第二節、食料安全保障の確保に関する施策の⑫、③番のところですね。食料の価格形成における農業の食料運動管理のところです。その次、ずっと見ていくとですね、国内食農業生産区はこうやってありません。事実上ありません、事実上。前のままだから。変わってないです。それから備蓄、これもありません。そして輸入のところ、⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩と。つまり食料安全保障を強化するために輸入のことをしっかり考えようという姿勢が如実に示されております。結局ですね、私が申し上げたいのは第一点目、食料安全保障を考える上で国内生産、国内農業生産、 自給率という問題を置いておいて、備蓄を置いておいて、語れますかということなんですね。語りきれない状態になっているんじゃないか。これやっぱり最大の憲法改正の問題だというふうに思います。食料安全保障を掲げたことは立派なことです。それを全然否定しません。しかし、何が一番大事なところを抜けようしているのではないか。そのことに今回の困難対策法案も引きずられているということが私は言わざるを得ないと思います。結局ですね、食料アクセス、合理的価格形成、輸入輸出のみの議論になっていて、自給率向上という一番大事なところがほとんどされないまま、事態の推移しているというのが問題だと思います。次の3ページに入りますけれども、3ページのところで書いたのは、その全体的な特徴をごく簡単に整理していました。結局ですね、①日本だての食料安全保障という形になっていたものをですね、日本だての食料安全保障になりました。というのは、かつてはカッコつき、薄いカッコで書いていましたが、平易寺の食料安定供給の確保と不足時のやつを、今回まとめてですね、安全保障で書いたために、平易寺の食料安全保障という言葉もなくなりました。つまり食料安全保障一般になりました。そして条文上はですね、あとに述べますけど、24条のところで不足時における措置という単語が入って、ここも不足時の食料安全保障、安全保障を落としました。全体が食料安全保障だからという趣旨です。その結果ですね、それプラス困難対策法になってますけれども、その結果、平易寺の食料安全保障という概念がじいちょくふっと消えちゃったんですね。一般の中に流し込まれて、つまり安全保障というのは基本は平易寺の問題なんだと、食料に関してはね。それがやっぱり大事なところにちょっと落ちちゃったんじゃないかなというのが私の意見です。で、2番目にですね、結局輸出の問題です。これもう否定はしません。しかし輸出言う前に国内生産でしょうというのが私の意見です。というのは、どこが当策かというと、輸出能力を持っていれば輸出している分をやめて、国内生産の代わりにですね、国内生産してますから、それを輸出の代わりに国内の不足している分に当てれば、足らない分を補えるんじゃないかというのはそうなんですね。つまり輸出をやめてということになると、相手の輸入国はどうなんだ。実は日本はWTOで一貫して主張してきたことは、食料輸入国の立場として、輸出国が緊急事態のときに輸出禁止という措置をとることはおかしいと。それでは輸入国は困るじゃないかと。そういう編務的な関係では国際関係はもういかないよということで、輸出禁止を否定したわけですね。今回やろうとしていることは、大変になったときには日本も輸出禁止しましょうということなんですね。そうするとWTO上の外交対応というものがバッティングしてしまう。こういうダブルスタンダードの意見を国際関係の中で言うということはまずいんじゃないかなと思います。3番目、そしてこれは国内農業生産の見つけ対してはないんですけども、一番ポイントになってくることは、このこと以上に大事なのは、誰が担うかというと国民が入ってないんですね、ほとんど。業者だけの話なんです。生産者から最後の消費者に行く直前までの加工業者や流通業者もある、あらゆる業者の話です。しかし食料安全保障がスイスで議論されるときに、国民の問題なんですね、スイスでは。国民がみんながどれだけ備蓄をちゃんと持つかということも含めて考えられているのであって、業者さん持っていってくださいねといったときに買えばいいですか。それではないでしょうと。これは国防の問題もないですよね。国民全体が日本の国を守るという意識に立つかどうかということを抜きにして自衛隊に任せておけばいいと。そうではないと思うんですよね。同じことなんです、食料の問題も。国民一人一人が自分のうちでは日常的にどのくらいちゃんと備蓄を持っていく必要があるのかいないのか、どういうものを持たなきゃいけないのか、こういうことを考えることが大事だと。そういう問題提起が著しく不足している。つまり業者問題になっていて国民の問題になっていない。つまり農業問題、食料問題って実は業者の問題ではなくて消費者と国民の問題なんですね。この大事なことが基本法において十分に訴えかけられていないというところに問題があると思います。そして実は農業生産の担い手に関してはほとんど変化がなくて、あまり議論されなかった、先ほども触れていませんよね。実はこの前の2020年の基本計画のときに従来の効率的で安定的な経営体に加えて、その他の多様な農業者というのが入りました。入ったことはいいんですけど、私はそのときも批判しました。入ったけどやりますか、本当に農水省は実践しますか。実はそれから今4年経っています。4年経った去年から今年の議論のときに、再び効率的安定的でない経営体をどう考えるんですかと議論してるんですよ。今議論ではなくて、実践されたかどうか問わなきゃいけないときに、入れるか入らないかで議論してるんです。文言としていくら入っても、やるという気がなければ全くよそらことになってしまってるという現実があるんだろうと。これは現場の農業者が一番見てることです。まあ、所詮そういったって俺らの味方になってくれないのだなという、諦め、絶望に似たような気持ちが蔓延してると思います。これは一番まずいというふうに私は思っております。ですから、この点でコロナの基本計画でもそうですし、今回のこの後の対策法案でもそうですけども、こういう多様な農業生産の担い手に対してどれまで視野、視線ですね、目を配っているかということがあるかないかが大事だということです。畜生的な指摘、4ページになりますけども、これ一個一個細かく切り替わりますので、24条のところだけちょっともう一回触れます。これは基本法のほうで議論しておいた上で、対策法案ができているということを考えなきゃいけないということです。ここでは不足の事態が発生する、恐れが認められたときからいろんな対策を図りましょうと。恐れが認められたとき、そしてこれが食料供給困難事態対策法案制定の根拠付けになっています。その上で何が入っているかというと、ほとんど主要な内容はポイントが基本法自体に書かれています。改正基本法に書かれています。その点で重要な点は説明文書にあったんですけども、異常気象の兆 候を捉えることで供給不足を事前に予測可能だと書いてあったんですね。嘘でしょうと。誰ができますかと。私の意見です。できません。できていません。検知問題にして。なぜならば、これ後で説明します。ちょっと飛ばしますね。6ページって言ってください。今のことは、7ページですからごめんなさい。7ページですね。7ページで不足の事態が予測可能性というパラドクスが現行の法案の問題だというふうに申し上げたいんですが、どういうことかというと、下の方の図を見てほしいんですが、左側3番目の図です。これBBCが出した図を日本訳したものをコピーしただけで、5月10日、つい最近の図です。現在の飛行機は、丸一丸に丸三に書いたように、世界と日本の2023年の気温が過去最高になっている。去年がね、過去最高。それからCO2濃度、これも過去最高なんですね。この左側2番目の図は、実はCO2濃度を日本でも3カ所分かっていて、大船渡にある綾里というところと、与那国島と、それから南鳥島です。この3カ所の図が、これ見えないですけど、3本の線が真ん中の黄色いところにあるんですよ。並んでるんですけども、陸上から遠いところほどCO2濃度低いんですね。南鳥島は一番低い。そして次に高いのが与那国。そして綾里は高い。つまり人間の活動に近いところがCO2濃度が高い。空気ですから、その上だけに空気があるわけじゃないんですよ。動いてるんですから。にもかかわらず、人が住んでいる、経済活動を行われている場所はやっぱり高いというですね。これが入陸日誌の島との距離関係でも示されちゃう。そういう状況の下で、3番、海水温は、海面水温は、2023年5月4日から開港再開中を更新し続けている。これすごく重要な点で、初めて私もここまで明確な図を見たのは初めて。何かというと、この図はですね、1月から12月までの毎月の気温を、平均気温をですね、ぽっとしたものです。そしてこの下の方にある灰色のボヤボヤボヤとしたものが、毎年違う年が並んでいます。ところがですね、この赤い線で書いてあるこれが2023年と、上の方にある2024年、今ですね、今年。これだけが飛び出してしまう。つまりどの年とも異なってですね、去年から今年にかけて違う。それでもですね、ここに書いてある5月4日、去年の5月4日からは一切過去のところに交わらない。あるくらい上の状態がずらっと続いています。ここまで来ているということは大変なことになるという予兆が僕はあったと思います。ですから今年の冬から、春、夏にかけてものすごいですね、大変な。私、実はあまり細かく言いませんけども、夏潮晴らしいところで牧場のコンサルというか仕事をずっとしていて、8年になるんですけども、やはり気温をずっと調べてきた。やっぱり去年、今年が非常です。牧草の柵はですね、実は5月のとき1番層を取るんですけども、7月の段階でした。つまり2番層を取って終わっちゃう段階のときが5月の焦点だ。ありえないです。去年の9月、10月に破収しているんですけども、異常です。そして何が起きたかというと、早って、中って、奥ってって牧草だって早中盤があります。これ全部同じになっちゃった。毎年違うんだけど、取る時一緒、みんな最高になっちゃう。これは尋常じゃない。それで私は今年の夏はまた大変なことが起きるから、とにかく初熱対策を取ろうと。去年からずっと言ってきた人はいたんですけども、この4月、3月、4月、5月、毎月1回ずつ行くんですが、対策を取ろうということで議論したばかりです。で、こういうことがあるとすると、今ね、対策法案によると本部を作る段階ですか。そういうこと聞きたいんです。つまりこういうリアリテ ィがないか、あるかって問題です。ってことは逆に言うと、わからないんだから、平時の問題をもっとしっかりやりなさいという単純なことなんです。無理なんです。いくら予測ばかりやっても。その時の対応を取ることは非常に大事ですけど、それ以前の問題を抜きにして、そこをいかに精緻にやってみてもですね、残念ながら無理ではない。まして戦争の話、全く我々は予知していません。10月7日のことを予知した日本の社会科学者、国際政治学者は何人いたでしょうか。そしてここで終わるという話もですね、1年以内に終わる、具体な戦争。2年、3年、10年、もうわかんなくなっています。こういうことがずっと続いているのに、そういうことは予知可能だみたいなですね、予知することはあんたじゃないんですよ。しかし可能だっていうことよりも、できないという想定に基づいてですね、いかに普段からしっかりやるかってことに力を注ぐことが大事かというのが、私の基本的な見方です。以上、以下ですね、たくさん述べてありますけれども、もうあちこちで皆さんが言っていることが重なっていますので省略します。とにかく平時と不測心の関係では、5ページに戻っていただくと、とにかく平時が大事だということです 。日本について言えば、仮にですね、海外からの輸入途絶があって、輸入途絶があって、国内生産は全く普通となったとしても、在庫と道交わしてですね、穀物については5ヶ月分しかないんですね。ところがアメリカの場合には輸出していますから、しかも輸出していながら在庫持っているんですね。ですからこの部分をやめるだけで1年間ずらっとくれるんです。まして平常策でいけば余っちゃうんですよ、そもそも。そういう国が一方であるのに、日本は全然違うところに行っているのが問題じゃないかなと思います。自治運動局のことについては、非常に真にやっているということは先ほど柴田さんの話の通りだと思います。日本はもうちょっと学んだほうがいいかなと思います。そして最後のちょっと簡単に触れて終わりにします。13ページ、まず一番右の3のところですね。特定食料、特定資材の範囲。これがはっきり言って狭いと思います。なぜ狭いか。93年の米騒動の経験が踏まえられていません。お米が足りないから、タイ米を輸入した。しかし庶民はタイ米を食べないで、うどん、そば、ラーメン、小麦食品を食べちゃったんです。つまり今の食生活を前提にしてやらなきゃいけないのに、ただ芋だなと話ばっかりしてもリアリティがないんです。そういう議論をすればするほど国民は、どっかでやってますね、という。自分の問題にならないんですね。自分の問題と比べることをしなきゃいけないなというのが私の意見です。それから、受給状況の報告聴取等々についてですね、衆議院でもこちらからもそうだと思いますが、懲罰の規定ですね、様々な義務に対しての懲罰規定が全部。それも非常に重要だと思うんですが、それ以前にですね、実は効率的な安定的な経済体ということで一方で言っておきながら、どの範囲まで広げるかということはですね、こちら側の多様な生産者についての位置づけしないまま、曖昧なまま呼びかける間にはっきりしないままですね、できるんですかと。つまりそこのところも基本法の本体と、こちらの困難法案ですね、整合性をとっていくことがすごく大事だと。そうしないとアバシドラティが実現できないんじゃないかと思います。そして最後のところです。何ですので、意見をまとめください。総合的な備蓄論に関しては、私はフェーズフリーの備蓄論ということで、これを重視したいと思っております。最後2点だけ書いて、1分以内に終わります。9ページです。9ページのところに書きましたのは、農地種的確保陣の議決権の緩和の問題ですけども、これは私は基本的には反対ではないんですが、2点厳しい対応があると。1つは地銀ファンドについてはあまり賛成しません。なぜならば私自身が今関係しているところも銀行の管理下にあるような会社なんですけども、今、銀行の置かれている状態というのは、昔の銀行じゃないんですよね。株式を対応するような証券会社と変わらないユニバーサルバンク化してます。そこでの利潤や儲けの指標というのは、ほんの5%、3%なんてものじゃないんです。ある限り高いんです。20%だ、30%だ、50%だって。そういうところの基準を持って経営を中心となってやるようなものという農業は成り立ちません。かつて北海道でオムロンが施設園芸に進出して辞めたときの、彼らの上げていた 利潤率は7%です。7%よりも電子機器のほうがはるかに高い20%以上の利潤率を上げているから撤退だったんですね。そういうものになかなか任せにくい。頑張ってやってくれればいいです。そうならないということが問題だと思います。スマート農業技術については、技術そのものが賛成なんですよ。誰がどういう形態の、どういう規模のやつがどういう技術を受けるかって、受け皿の問題じゃないんですね。ちょっと日本の場合、簡単に言いますよ。一番大きいトラクターで、せいぜい150馬力です。200馬力ほとんどありません。しかもヨーロッパの300ですよ。300馬力のトラクターを入れる補助ってありますか、日本に。ないんですよ。トラクターっていうのは効率がいいんですよ。すみません。時間ですのでおまとめください。ということで、受け皿の問題はしっかり議論して、いろんなことを考えていかないということだけ申し上げております。ちょっと紹介しまして、失礼しました。ありがとうございました。ありがとうございました。
1:02:24
次に池上参考人をお願いいたします。池上参考人。
1:02:27
ただいまご紹介いただきました池上光一でございます。近畿大学名誉教授。私はNPO法人の西日本ファグレイコロジー協会の共同代表、それから任意団体の家族農林漁業プラットフォームジャパンの常務理事を務めております。今日はこういう機会をいただきました。大変ありがとく思っております。お手元の資料、文書の資料に基づきまして説明をしていきたいと思います。まず食糧供給困難事態対策法案についてでございます。基本法の改定、基本法は成立いたしましたが、いろんな問題もありますが、評価するべき点もあるというふうに思っておりますけれども、この困難対策法案については極めて問題が大きいというふうに感じられております。本法案の提出理由では、米国小麦、大豆の国民の食生活上、重要な食糧の供給が大幅に不足し、または不足する恐れが高い事態に対応するためと指摘しています。また、本法案第一条は、世界の食糧の自給及び貿易が不安定な状況になっていることを認めています。この点につきまし ては、既に柴田さん、柴田参考人、それから一番最初の寺川参考人も触れておりますように、今や常識化していると言っていいと思います。そうすれば、最優先されるべき食糧政策というのは、谷口参考人も申し上げましたように、国内政策の維持増強だということは論を持たないというふうに思います。この観点から判断すれば、本法案の必要性は極めて低いというふうに言わざるを得ないというふうに考えています。それに加えて、本法案にはいくつもの致命的な欠陥が存在しています。逐一述べていくことはできませんので、ここでは最も重要な点に絞って述べたいと思います。最大の懸念は、日本国憲法第22条に規定されている職業の選択の自由、その中に含まれるというふうに理解されている営業の自由ですね。これを侵害する恐れが極めて高いということでございます。皆さん方は、いいね、皆様方におかれましては、今オンライン上で本法案の廃棄を求めるオンライン署名が展開、広がっていることをご存知でございましょうか。これはですね、農民自身がその廃棄を求めているというところに、この本法案の最大の特徴が現れているというふうに考えております。この方はですね、このオンライン署名を展開された方は、8年前に脱サラをして、中山間地域にアイタウンした新規収納者の 方です。この方は柚子を植えて6年経ちました。今年ようやく収穫期を迎えたようですね。本法案が仮に成立して発動されたということになると、こういう方たちの努力、継続的な努力が無に帰すことになる、そういう危険性を持っております。というのは、食料供給が困難になった場合と政府が判断すれば、稲、麦、芋類のいわゆる特定重要作物ですかね、そちらへの転換を実質的に強制されかねないからであります。条文上は、出荷販売の調整の要請、出荷販売計画の作成指示、出荷販売計画の変更指示というふうにお願いしたり指示したりする提出をとっています。農水省の事前の説明でも、そういうお願いするんだということを強調しておりました。しかし、計画通りに出荷販売する法的義務が定められており、その義務に従わないと、市民への公表と罰金刑がペナルティーとして課されてしまいます。営業の自由を貫くと、善かも過ぎてしまうということになりかねないわけですね。この問題は、さらに日本の、日本社会の特質を考えると、非常に深刻な問題も内包しておりと思います。それはコロナ禍の下で、営業自粛制が要請されたときに、営業を続けた飲食店が非国民というふうな形で、阻止されたことも念頭におく必要があるというふうに考えています。こうした一連の流れは、農民の営業の自由を一時的に抑える恐れが高い。柿作や果樹作、畜産の飼料作など、非食料作物の部分は、専業農家が多く、日本農業の中核を担っています。ところが、外国の干ばつ、熱波、洪水、動植物の病虫害、あるいは紛争、戦争など、とても予測できないというのは、谷口参考人が強調されたとおりでございますけれども、いつ発生してもおかしくない。そういう状況の下では、本法案による生産指示の発動に怯えながら経営するということになりかねません。そうすると、経営の継続性だけでなく、将来を見通した計画的な農業投資や営農意欲に悪影響を与えるという恐れもあります。そのことは、直接的な営業の自由の侵害だけではなく、間接的にも営業の自由を阻む恐れがあるというふうに思います。さらに、本国会で成立した地方自治法の改正によって、地方自治体に対する国の支持権が行使できるとされたことを踏まえると、食料の確保を前面に出す支持権運用の可能性ということも否定できないのではないかというふうに考えております。懸念しております。以上のような法的な枠組みを考慮すると、本法案は明治末から大正期にかけて行われた、いわゆるサーベル農政というものを早期させます。サーベル農政とは、生産力を上げるために農事改良を進 めるということで、そのために従わない農民に対しては罰金、あるいは警察官による取締りもするというふうな形での強圧的な農政のことであります。サーベル農政の持っている暴力性というものは、明治政府の反農民的性格を示すものであったというふうに指摘されております。つまり、本法案について決定的に欠けているのは、農民の立場、農家の視点というものが欠けているということだというふうに考えております。本法案が想定している生産流通、さらには消費、あるいは生産資材に至るまでの管理統制については、日本は戦前から戦後までの統制経済の歴史を持っています。それは大変息苦しい社会で、個人の自由がないがするにされてきました。今改めて歴史に学ぶべきことを、歴史に学ぶ重要性ということを強調したいというふうに思います。次に2番目に、農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案について説明したいと思います。以下の日本にとって、あまくかも日本にとって、社会経済政策にとっても、国土政策にとっても、また防衛上の安全保障政策にとっても、農村に人を残すことが最大の課題であるというふうに考えております。国民国家として優先すべき課題が、食料の提供であることを考慮すれば、農業に人を残すということも必須です 。つまり農業農村に人を残すことが、喫緊の課題だというふうに言えるかと思います。それなのに、本法案は、今後20年間で、基幹的農業就業人口が116万人から30万人に減るという予測を前提として、少人数に対応した高生産性農業を標榜しています。生産性の高い農業そのものに問題があるというわけではありませんけれども、その結果、農村は極少数の農家しか住まなくなる。地域社会の弱体化がもたらされてしまう。そうすると、農村をいろんな形で重要な役割を持っている農村の弱体化に貢献する法案であるというふうに言わざるを得ないと思います。本法案は基本的に人暮らし法案だというふうに極論することもできるかもしれません。問題は、その後農業が農業有事者の育成確保や重労働の軽減といった農村農業の要望に応えるのではなく、生産性向上の名目のもとに、人手不足をさらに促し、コスト競争力を強化しようという狙いそのものにあるというふうに思います。ここでの生産性の向上とは、要するに作業時間の節減ですね。これは企業経営であったら、当然老地の節約につながるわけですけれども、農耕にとってみれば、労働時間が減ったら、その分だけ労働報酬が減ってしま うわけですね。だから決して農耕にとってはプラスになるとは限らないという意味もあります。本法案は大多数の中小家族経営ではなく、ごく少数の大規模企業農業を対象に考えているというふうに言わざるを得ないと思います。しかも本法案第4条によりますと、生産方式革新事業活動を行う農業者等、及び開発供給事業を行う者に対して集中的かつ効果的に支援を行う大規模企業農業と開発事業者を優先する方針が明記されています。大規模農業もスマート農業技術というのは、この開発事業者から提供されるわけですから、本法案は半分以上がスマート農業技術を開発する機械メーカーや情報企業、あるいはドローン作業などの受け容業界を支援する法案だというふうに位置づけることもできるかと思います。つまり開発ベンダー支援法なのではないかというふうに考えております。このことは、緑の食糧システム戦略の予算配分を参照すれば一目瞭然になるかと思います。この緑戦略のための予算枠として、2024年度には技術開発実証事業に68億円当てましたが、有機農業の推進に関わる緑戦略推進総合対策は、その半分の30億円しか過ぎませんでした。ここの点に明確に見られるように、おそらく開発、このスマート農業法案の 予算も大半はベンダー企業に流れるということになるというふうに懸念されます。本法案が開発ベンダー支援法としての正確を持つため、農民の意思が技術開発に反映されず、農民は単なる利用者に留まってしまっています。だからスマート農業技術がブラックボックスになってしまうわけですね。スマート農業技術が農民を技術開発から排除していくメカニズムが生まれます。そうした正確を持つ本法案の下で、果たしてスマート農業技術が農民の要望に応えるとともに、農法を変革する契機になるか、大変疑問に思います。ちなみに2013年後だったと思いますが、農水市長自身が組織した研究会の報告書では、作業時間の節減のほかにも、労働強度の軽減とか、消費者や実障者をつなぐ指揮出しといったような点が、5つの分野が盛り込まれていました。本法案では、労働強度の軽減というのは1カ所しか出てきておりません。こういう当時の研究会の報告が一体どこに行ってしまったのかということについても疑問に思います。もう一つ最後になりますが、大変重要な点として指摘しておきたいのは、農民から提供されるデータの取扱いでございます。本法案はこれについて何も規定していません。企業による農業経営向け情報サー ビスが進んでいるアメリカでは、情報を提供する農家が農地の情報利用について主導権を持つということを保証する必要があるというふうに、アメリカ農業連合会は主張しています。本法案が成立すると、営農に関するさまざまな情報が取扱いについての規制なしに、情報サービス企業や国土道府県の研究所に蓄積されていき、これらの情報が自由に使われる危険性が高まります。今必要なのは、情報主権の考え方を導入し、農民の関与をきちんと保証する仕組みを構築することだというふうに考えております。最後に、やや文学的な表現になりますけれども、工学的なスマート農業技術によって、農民は本当に幸せになれるのかという疑問が残ります。それは農業労働の性格を基本的に転換させてしまうからであります。農林利用の水管理システムは確かに効率性を上げますが、水田の周りを歩いて、稲の様子を見ながら涼しい風に委ねたり、秋やかねの群れに感動したり、京阪の野草の花に感動したりすることなくなってしまいます。スマート農業技術は、こうした農業労働の全体性を失わせることになるというふうに私は懸念しております。3番目の、いわゆる農地法関連法については、阿波の農業委員会の方もご説明されました。時間の制約上、ここでは意見陳述を省略させていただきます。以上でございます。どうもありがとうございました。ありがとうございました。以上で参考人のご意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。また、質疑者におかれましては、委員会のいかつな進行のため、各質問の冒頭に、どの参考人に答弁を求めるかを明示して質問するようお願いいたします。そして、答弁者におかれましては、時間の制約もありますので、簡潔、的確な答弁に努めていただければ幸いであります。それでは、質疑のある方は順次ご発言願います。
1:17:25
自由民主党の宮崎雅夫でございます。今日は、5人の参考人の皆様、貴重なご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。私からは、まず、笠原参考人にお伺いをしたいと思います。ご意見の冒頭でも、2回目とい うことで、私も前回もこの場におりまして、貴重なご意見をいただいたわけですけれども、その時の経営基盤強化促進法のポイントは、地域計画ということであったわけでありますけれども、先ほどお話をお伺いしますと、その策定に向けて、年間297日と、本当に頭の下がる思いでございますご尽力に、まず敬意を表させていただきたいと思います。資料も拝見をいたしますと、昨年から地域での話し合いも、もう始まっているということでございますので、全国の農業委員会関係の皆さん方、本当に努力をしていただいているわけですけれども、平均的かどうかというのは分かりませんけれども、いずれにしても順調に進めていただいているんだろうというふうに思うんですけれども、一方で、なかなか来年の3月までと時間的な制約がある中で、これから取組をさらに加速していかないといけない地域ももちろんあるんだろうと思います。事務局の支えというお話もございましたけれども、これから加速していかないといけない地域の皆さん方で、地道にしっかりと話し合いを積み重ねていくということは大切なんだろうと思いますけれども、それも含めて、こういうふうに我々取り組んできた、ここが良かったというようなところがあれば、まずお伺いしたいと思います。
1:19:35
笠原です。まずは、前回の参考人質疑の際に大変お世話になりましたこと、ありがたく思っております。私ども、地域計画の元となる目標地図の策定については、全ての集落に入らせていただいております。全ての集落に入っているというその理由は、農業者全ての方々にこの地域計画の必要性とその大切さをきちんと知っていただきたいというのが一つ。それから、重要な位置を占めてくださる土地持ち非農家の皆さんに、同じ条件で、同じ説明をさせていただくことで、知らなかったというのをまず減らしたいという思いがありました。個人的にはですね、きれいな目標地図を作成するのではなくても、話し合いをこの先も続けていくこと、その先にある成果として集約をした結果の目標地図があると思っておりますので、この先もこういった話し合いは継続していくべきであろうと思いますし、それが私たちが担い手と担う者と、それを支えてくださる地域の皆様をきちんと把握して、先ほどの話にありましたような食料をきちんと生産していくという、そこにつながっていくものだと思っております。同じく、笠原参考人にいくつかお伺いをしたいと思うんですけれども、今、本当に地道な話し合い、これからも作ることが目標ではなくて、その後も継続していただいてというようなお話でありましたけれども、私も全国を回らせていただいている中で一つ参考になったのは、やっぱり地域の皆さん方全員に知っていただくという意味であるところでは、区長さんなんかをですね、教育会みたいなものがあるところと一緒になって進めていただく、ですから農業だけの話じゃなくて、地域の問題として取り組んでいただいていると。その後もですね、作った後、ちゃんと動かしていこうというようなことで、新たな一緒になる組織も作ろうというふうに考えているんだというようなお話もお伺いして、すごく共通するところがあるなということでお話をお伺いしたんですけれども、今日、特段ご意見はなかったんですけれども、実は農地の取得、今回の法案の中で、権利取得の許可要件の例示というのがあってですね、農作業に従事をする方の配置の状況とか、農業関連法令が守られているのかどうなのかというような状況を追加をしているわけですけれども、たぶん、阿賀野市の中であればですね、それは把握はできるんだろうと思いますけれども、地域外から阿賀野市に入ってこられて工作をしたいという方もいらっしゃると、なかなか農業委員会間での連携がうまく取れないとかですね、情報が共有されないとなかなかチェックのしようがないというようなこともあるんだろうと思いますけれども、そのあたりについて何かご意見がありましたらお伺いしたいと思います。笠原参考人 実は私どもの市ですけれども、近隣市町村と隣接している市町村と3年に1回、開催を終えるたびに農業委員会同士で話し合いをさせていただいています。その中ではやはり出作と入り作の方々の状況の把握であるとか、それぞれの手続きの仕方であるとか、また私ども実は入り作をしていただいている方も大事な担い手だと思っていますので、そういった方々を把握するための会合を持っているんですけれども、それとは別に地元で現場で働く委員の皆さんも、出作、入り作をしていらっしゃる方についてはきちんと把握をさせていただいて、その方々がどの程度この先の農長になっていただけるかというのも、できるだけ把握をしていくようにしているところです。
1:24:18
今の点に関連してなんですけれども、普段からそういうことをやっていただいているというようなお話なんです けれども、これからさらにそういうことをですね、さらにやっていただかないといけないことが出てくるんだろうと思います。そうすると、やはりあるところに情報を共有のための何かを作っておいて、農業委員会の方からそれが紹介できるとか、何とかというようなことも考えていかないといけないんじゃないかなとは思ったりするんですけれども、今やっておられることを、さらに発展を、情報共有をそれぞれの地域でやっていこうとするとどういうことが必要か、もしお考えがあればお伺いしたいと思います。
1:25:08
ご発言の際は、挙手をしていただき、私の方から指名しますのでよろしくお願いします。今すぐにこういった形がというものは、私も思い浮かぶところではないんですけれども、情報を、そういった情報をストックして、それを委員会事務局なり、委員がきちんと引き出せるような、そういうシステムがあると大変ありがたいなと思っています。私どもが行っているのは近隣市町村だけですけれども、そこを超えた入り策の方々もこの先当然出てくるかと思いますので、そ ういうちょっと遠方のところの方々との情報を得るシステムがあると大変ありがたいと思っています。
1:25:57
高沢参考人に最後にお伺いしたいと思うんですけれども、今日いただいたペーパーの中、ご意見の中でも、なかなか共同作業が難しくなってきているというお話がございましたけれども、お金の話じゃなくて、人の話というお話もございました。多面的規模支払いのことも触れていただいたわけですけれども、来年大きな見直しに向けてこれから議論をしていくわけでありますけれども、何かこういうところをぜひ改善をしてほしいということがありましたら、ご意見いただければと思います。
1:26:38
多面的支払いについては、赤野市実は全部で100集落が利用しているというふうに伺っております。こういった方々の話を伺うにつれ、それが大変いい制度なんですけれども、農 家の皆さん、なかなかですね、会計の難しさや、それから誰が役職に就いていくのかというようなこともあって、手を挙げてくださる集落がいないというのも事実のところです。そういう面を考えますと、最初の入り口のところ、特にそこについては地域計画がきちんと策定されていれば、若干入り口の部分を入りやすくしていただきたいなというふうに感じています。
1:27:35
ありがとうございました。次に寺川参考人にお伺いをしたいと思います。参考人の皆さま方から、食料安全保障の関係については、日本自身の農業をしっかり供給ができるようにしていく、強くしていくということはもちろんですけれども、我々もそう考えておりますし、平時からの取組の重要性ということもございましたけれども、今、いろんなものを輸入を農産物もしていただいている中で、中国はプライスリーダーになっているというようなお話ももちろんあったわけでありますけれども、平時に買い負けるというようなリスクについて、肌感覚としてどんな感じなのかお聞かせいただきたいと思います。
1:28:30
平時に買い負けるというか、実際は国際相場で動いておりますので、その相場で買うということになりますので、買い負けるというふうには意識はあまりないですが、中国の買い付けが一瞬急に増えたりすると、それだけで価格が上がってしまうと、どういうタイミングで買い付けるかというのが非常に重要で、国物については今であったらもう11月済みとか12月済みの契約を今やろうとしているところですので、先ほどの見通し、どういう動きに出てくるかというところが気になるところであります。
1:29:14
ありがとうございます。続いて寺川参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、今回の旧国内対策法の中で、特定食物、食料等の時給状況の報告を関係の皆さん方から聴取ができるというようになっているわけですけれども、それで民間在 庫もしっかり把握をして、今の状況はどうなっているのかという把握になるわけでありますけれども、先ほどお話がありましたように、実際に輸入をするとすれば、だいぶ先のことを見ておられるというようなこともあるわけですし、お話の中で契約の話であったり、在庫の話というようなお話もありましたけれども、実際にそういうことを政府で今、例えば御社がいくらありますかというようなことを聞かれた場合に、なかなかぱっと出てくるものなのか、それともやっぱりこういうところについてはなかなか難しいんだというところがありましたらお聞かせいただければと思います。寺川さん、ここに。基本的には契約算というものは管理しておりますので、契約算は当然把握しておりますので、そんなに難しい作業では、これ自体はないです。ただ、契約がいろんな、船積みの時期とかそういうタイミングとか、そこについて詳細に言われると、農家との、種家との兼ね合いも出てきますし、ぴったしこの時期にこれぐらいというようなお話にはなかなか難しいところはあるかもわかりません。
1:31:11
ありがとうございます 。ちょっと時間が最後になって、残り3人の参考人の方の質問をちょっとできなくて申し訳ございませんけれども、最後に寺川参考人もう一つ。寺川参考人、それから谷口参考人からも在庫のことについてもお話があったわけでありますけれども、今の日本の在庫ですね、主要な穀物等について、低いと思われているか、高いと思われているか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。
1:31:47
平時の今のレベルで申し上げると、今の時点で順当的な在庫かなというふうには思います。結局、契約で持っている在庫、養生の在庫、それらを全部含めますと、在庫というのは一定数量確保できているというふうに理解しています。また、先ほど申しましたように、穀物価格が、先物が変わりますので、どういう状態で契約するのかというのは、非常に難しいポイントになってくるかと思います。
1:32:26
時間になりましたので終わります。ありがとうございました。
1:32:33
立憲民主社民の横沢貴則でございます。今日は参考人の皆様、貴重なご意見ありがとうございます。早速質問をさせていただきます。基本法関連3法案について、まず柴田参考人、谷口参考人にお伺いをします。基本法制定から25年、数字を見ても日本国内の生産基盤はかなり弱体化してきております。基本法の審議でも大臣の生産基盤は弱体化しているとは思わないという答弁にも表れているように、基本法の中にも人口減少があったかも農業者の減少のような表現も入っているということです。議論の大前提として、この事実をもとに農政の政策検証が十分でないまま、基本法改正、そして食料供給困難事態法を今審議をしているという状況でございます。まずお二人から見て、これまでの農政の問題点、それとこれから人と農地を守っていかなければいけない、再生産可能な農業をつくるために求められているものは何かお伺いをしたいと思います。まず柴田参考人からお答えをお願いします。ありがとうございます。弱体化しているというのは、あらゆるところで弱体化しているわけですけれども、農地が毎年2、3万ヘクタールずつ減少傾向にあるというところで、最初の61年農業基本法は600万ヘクタールあったわけですが、これがずっと減少そのものです。しかも今430万ほどの農地が完全に利用されていないということで、削除率も100%を切っているわけですね。そういう中で、今までのやっぱり反省に立つということであれば、私は2012年、アベノミクスの農業、攻め農業というのが逆に私は農業の弱体化につながってきたなという印象を持っております。攻め農業はやっぱり規模を拡大して6次産業化で付加価値をつけて、弱場を輸出に持っていくというワンセットの、ここを支援する話でありました。しかも法人農業、企業農業というのは、確かに2万あたりから4万ぐらいまで経済体が増えているだけれども、一方で家族農業がどんどん減ってきたんですね。優秀な農業という、それは優秀でいいんですけれども、食料安全保障と考えた場合には、やっぱり家族農業を含む全ての農業ですね、自給的な農家においてもですね、生産をすると、こういうことが重要なのかなと。それが、危うくなってきているということですね。現在昭和に直すと、昭和99年になるんですけれども、米作りのメインは昭和一桁ですから、この世代というのはどんどんいなくなってきているということで、まさに80近くなっているんですね。これ時間の問題で、ほとんど壊滅しちゃう可能性が高い。一方で、スマート農業とは屈指している規模の元気のいい農家ってあるんですが、彼らはどうせなくなる農家であれば、早くなくなってほしいというような意見も聞きますので、これは家族主義の考え方ですね。未来は一つだと、なくなるものなら、もうそちらの方向に進んでほしいと。しかし、未来はいくらでも変えられる可能性が高いと思うんですね。家族農業を守るということもですね、ここは考えていただきたいと思います。続けて谷口さんにお願いします。私はいろいろありますけど、一言で言えばサステナビリティだと思います 。サステナビリティというのは、別に農業だけじゃなくて、今地球も含めて、それは最大の課題だというふうに考えます。そのサステナビリティを農業に支えるためにはどうしたらいいかというと、2つあります。1つは、今ある経営を潰さないことにします。ここ数年の大変な問題に対しては、数年のうち、直ちに対応しなきゃいけない問題があると思います。しかし、その経営が、もう選択して仕事している以上は、自分の一生をコロコロコロコロ変えられませんから、あるときまで我慢してやります。しかし、その経営が続くためには後継者、後継の経営がいることが大事です。そのためには何かというと、5年、最低5年、7年から10年ぐらい先まで見通せるような政策が今、きちんとあるかどうか。そして、それに自分が対応できるかどうかという点での政策的な安定性、サステナビリティがどこまで担保されているか。5年ごとにコロコロコロコロ変わるようじゃ駄目です。基本計画で残念ながら、一貫した政策が取られているとはなかなか言えないような事態ですから、自分の息子に継がせようというときに、大抵継がせるときによく言われるのが、いい機会を買おうとか施設を増やそうとか、投資が要ります。投資の回収期間を当然考えますから、それから考えたら最低で7年、8年というのは普通議論されていると思います。実際はもっと長いと思います。一生かけるようなことにするかどうかとなると、7年だとどうかなと。20年ぐらいまで先まで見通せてやってくるとなると後継者というか。この両方の当面の対策と長期の対策、この両方についての政策的な対応がきちんとされていることを見れば、大変なときにも何とかしてくれるんだなと立てば国はね。長期についてもこういうふうに政策をコロコロ変えないでやってくれるのかなと見通しが共有できれば、農業というのはそんなに悪い産業ではないというふうに思います。それが欠けていると、今決定的に欠けていると。その一言につきます。
1:39:02
家族農業を守っていかなければいけないということと、持続可能な農業ということで、我々も基本法改正のときに再生産可能な所得を確保することが、食料安全保障の面でも非常に大事だという議論をしてまいりました。これについて谷口参考人に、簡潔でいいので、ご意見があれば伺いたいと思います。価格変動が大きいときに対応するのは、厳密に分析して、これこれ価格が必要だとやるとすると時間がかかりますから、とりあえずこのくらいで我慢してくださいねというところを予算を持ってきてやるという対応があると思います。それが先ほど言った当面の数年間の間の対応という話です。しかし実際は、それでは次の世代までつながるような撮影の目的は確保できませんので、どうしても長期的な対応ということになると思っています。簡単に言うとそういうことです。
1:39:52
それでは続いて笠原参考人にお伺いをしたいと思います。農地の総量確保についてです。農地の総量を確保するのは非常に重要な課題だというふうに考えております。先ほども13条5項が新設されたことは評価されたということで、総量確保するために広範囲農地を解消して農業地区に遍入すること、そして広範囲農地を農地に戻す財政的支援も必要だというふうにおっしゃいました。その次も大事だと思うんですね。必ずしも条件のいいところだけ広範囲農地を農地に戻して農業を続けていくわけじゃなくて、中産幹地なんかは非常に条件の悪いところでも生産性が上がらないところでも農地の確保をしていかなければいけない。その農地を確保した次の再生産可能な政策も非常に重要になってくると思うんですが、笠原参考人のお考えをお伺いします。
1:40:57
おっしゃるように再生産可能な政策は確かに必要だと思っております。再生産可能な政策と同時に再生産ができる人をきちんと確保していただく、工作できる方を育て続けていただくことも何より大切だと思っております。よろしいでしょうか。
1:41:21
ありがとうございます。もう一点笠原参考人にお伺いしたいのですが、2022年4月から加減面積の引き下げがありました。これ現場の影響は、この引き下げはどのような状況かお伺いをいたします。
1:41:42
当阿賀野市についてになりますけれども、加減面積の引き下げを、実はその法律で定められる1年前に行いました。その後、先ほどからお話のある家族的な農業で出荷をしないという、どちらかというと自作で自分の家で作ったものを自分たちで食べるという方々の申し出がかなりありまして、相談に乗っているところです。相談に乗ってはいますが、できれば最初は農地を買うのではなくて、借りるという方法をまずお試しいただいて、その先に、それでもやはりこの農地が欲しいという方々にはバイバイという手続きをさせていただいています。実際そういった方々がきちんと工作しているかど うかにつきましては、農業院最適化推進院がきちんと見回りをしておりますし、そういった方々のいろいろな相談に乗っている委員も実際にいらっしゃいます。
1:42:56
ありがとうございます。谷口参考人にお伺いをいたします。現場を回っていますと、生産現場からやはり今回の罰則規定についての不安、懸念が多く出ております。この点について谷口参考人のお考えをお伺いしたいと思います。
1:43:13
やはり励まされるということが少なすぎるんですね、農業は。いつもダメだ、ダメだばっかりやっていて、教育でも全てそうですけど、日本人に欠けているのは自信と誇りですよね。それをやっぱりさせないような雰囲気の農耕です。ですからこれは罰則規定厳しいと思います。先ほどちょっと補足させていいです か。7年とか5年とかいった意味の、こちら側にあるのは直接所得保障なんですよね。つまり今年どうだこうじゃなくて、この10年間くらい食えるだけの水準のものが所得して得られるようなことが見通されれば、次の経営体につながっていくような後継者を探すという努力もするし、人も出てくるだろうと。そこを見通せないことが今最大の問題かなというふうに思っているということです。以上です。
1:43:59
はい、ありがとうございます。それでは寺川参考人にお伺いをします。やはり今世界情勢が不安定化している中で、輸送の安全確保、特にシーンレーンの安全確保も非常に重要な課題となってくると考えます。それで、やはり省庁横断的な取組が大事になってくると思うんですが、その中で、シーンレーンの確保になりますと防衛省の関係も非常に重要な役割を果たすと思いますが、この点についてお考えがあればお伺いします。
1:44:32
おっしゃるとおり、ロジスティック面で確保というのは大変重要になってきます。ただ、今現在、当社というか業界全体が輸入している各国というのが、先ほど申し上げたような、米国、カナダ、ゴーシュ、ブラジルという状態ですので、そこについてのバルク船でのいわゆる船舶の不足ということはないと思いますが、1点あえて申し上げると昨今であったのは、パナマ運河の水位が下がることによって、船が通れなくなって大きく回らないといけないとか、そういう問題はここには生じております。
1:45:19
ありがとうございます。それでは、柴田参考人にお伺いをします。備蓄についてであります。先ほどからの中国の備蓄は多くあり、日本は少ないということがありますが、日本のこの備蓄についての課題、そしてあるべき姿をもう1点お伺いします。
1:45:40
日本の場合は圧倒的に少ないし、だいたい戦略備蓄というのが、米ぐらいしかないんじゃないかなという気がします。麦とかとうもろこしとか大豆、流通在庫というか、こういうふうな観点にとどまっているのかなと思います。これは海外からほとんど輸入しているという構図の中で、今までが良すぎたんですね。低在庫戦略。90年代にいわゆるグローバリゼーションが加速したときに、あらゆるものがもう重化されてですね、海外の最も安いところで、農業においても、地球全体を俯瞰してですね、適地適作を探したわけですね。そこから持ってくると。西側の世界が勝利をしたんでですね、もう地裁額リスクないんだと。アメリカが今80年代までは5割6割という在庫率を持っていたのはですね、もう10%ぐらいまで下げてきたんですよ。低在庫戦略をしてきた。それを日本はやっぱり見習っているのかなって気がしました。93年の平成米騒動のときも、米の在庫ほとんどなかったわけですね。そういう事態に問題が起こったということです。もっと厚くする必要があると。そこに予算をつければいいんですね。1トン年間1万円米としてもですね、100万トンで1億円とかね。時間ですのでお答えまとめください。予算をつけるということだと思います。
1:47:46
ありがとうございます。池上参考人にも農村の件お聞きしたかったんですが、時間ですのでまた個別にお答えしたいと思います。ありがとうございました。
1:47:58
公明党の横山信一でございます。今日は5人の参考人の皆様方に大変貴重なご意見を賜りまして感謝を申し上げたいと思います。それでは最初にですね、寺川参考人にお伺いしたいと思います。我が国はですね、自由貿易を前提にして食料の輸入依存度を高めてまいりました。参考人がおっしゃったようにですね、今、穀物肥料というのは需給が世界的に逼迫しているという状況にあって、戦略物資化しつつあるというふうに私も思います。そういう意味では、主に我が国が輸入している小麦、大豆、とうもろこしの主要な調達先というのは、参考に申し上げたように、米国、カナダ等限定的であります。この輸入の安定を確保するためには、政府はですね、輸入相手国の多様化というのを進めようとしているんですね。先日の基本方針議のときに、私はこのことを大臣に問いましてですね、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、これと日本を含めてですね、この4カ国と日本を含めて供給カロリーの9割を占めているという状況があって、こういう現状の中で輸入相手国の多様化って本当にできるの?ということを聞いたわけですけれども、大臣からは、民間事業者、商社等が輸入相手国で行う就貨、船積み施設等への投資案件形成を支援することにより、新たな調達先を開拓していきますという、そういう答弁だったわけです。調達先の多様化は大事なんですけれども、現場で働いておられる寺川参考人はですね、こうした調達先の多様化ということについてどのように考えられるか、ご意見を伺いたいと思います。
1:50:05
調達先の多様化ということで、今言った主要4カ国以外にも、その他にも、例えばアルゼンチンだとかパラグアイだとかあります。いろいろ私たちもトライしていきますけれども、やはり一番大きなネックになってくるのは、ターミナルなんですね。公安ターミナルのところをどう持つか、これが非常に大きなテーマになります。先ほど柴田参考人からもありましたが、大手のメジャーが公安ターミナルを抑えているというところで、融通がきかないというところがありますので、自前のものがどれくらい持てるのかというのは非常に大きなポイントになるかと思います。
1:50:51
多様化を進めていくということが大事だということと、先ほど柴田参考人からも国務省メジャーの存在がありましたけれども、引き続き寺川参考人にお伺いしますが、やはり今ある主要4カ国で現在は安定しているということを考えると、この友好国との間で の調達枠組みをしっかり構築していくというか、今もそうかもしれない、それをさらにしっかり拡充していくというか、そういう方向性も重要なんじゃないかというふうに考えるんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
1:51:37
非常に大切というふうに思います。できましたら国だけじゃなくて、例えばブラジルでいえばマット・グロッソとかこういう州があります。州政府との間っていうのも非常に大きな枠組みとして考えていくということが必要になってくるかと思います。
1:52:01
ありがとうございます。引き続き寺川さんにお伺いしますが、先ほど非遺伝子組み換え品の話が出ておりましたけれども、日本が輸入している大豆、小麦に関しては、かなりニッチな品物を調達しているわけですけれども、今回の食料安全保障の考え方として、小麦大豆に関してはもっ と増産をしていこうと。今の我々日本人の食生活を考えても、残念ながら米を食べてくれないという現状があって、そうするとやはり小麦大豆は非常に大事になってくるわけですが、そういう観点では水田の旗作の本作家でありますとか、あるいはブロックローテーションなどを活用して、水田活用を通じて増産をしていこうという流れになっているんですけれども、大豆とおもろこしの生産量、世界で見たときにはほとんどがGMOで、そういう現状の中で、この先も日本がニッチな非遺伝子組み換え品みたいなところを求めていくと、食糧困難自体になった場合に、これは急にそこの部分の調達を増やすことはなかなか難しいでしょうから、そういう意味では平時からGMOを考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、この点についてご意見を伺いたいと思います。今日現在でおきましては、日本国民の中で安全で、そういう安全という一つの大きなキーワードがある中で、これを変更するというのは難しいと思います。実際に調達をする上でも、特定農家との契約とか、そういうことで囲い込みをしているのが現状です。ただ、おっしゃるように、万が一という不足の事態が陥ったときに、先ほども申しましたけれども、品種を変えていかないといけないとか、こういうことが起きえますので、これにつきましては、今後検討を、いろいろ、どういう条件の下で変えるのかということなのかは、政府の推移とお話をしていく必要があると思っています。
1:54:34
続いて、笠原さん公認にお伺いしたいと思います。先ほど、横沢委員からも、加減面積要件の話が出ていましたけれども、昨年の改正農事法で、加減面積要件が撤廃をされました。その1年前からすでにやっていたという話がありましたけれども、今、農業人口が高齢化していく中にあって、農地利用という観点では、担い手の人たちに農地を集積していくということは非常に大事で、今現在、そういう作業を進めてもらっているわけですが、一方で、先ほどのお話にも出てまいりましたけれども、政府の総量確保とは別に、地域計画を作成する過程で、どうしても農地として利用しづらいところが出てまいります。それを農地として維持していくわけですが、しかし、例えば新規収納者の中にあっても、小規模であっても農地利用をしたいという人も出てくるでしょうし、あるいは定年して機能するという人も出てくるでしょうし、そういう面積が小さくても、農地として利用する人たちというのは一定程度いると思うんですね。そういう人たちをしっかり支援していったらどうなのということも、基本方針義のときに私は質問したんですけれども、それに対しては、農地面積が小さくても市町村が定める経営目標などの一定の要件を見出すものを支援するという、政府の考え方はこういう考え方になります。簡単に言っちゃうと、地域で一緒にやっていくものを応援しますよ、そういうことだと思うんですが、先ほどの笠原参考人の話の中でも、共同作業が大事だとおっしゃっていて、基幹地域の中のインタビューで笠原参考人の言葉ですごく僕は感動したのがあって、面積の大小にかかわらず地域の農地を守る仲間が増えたと言えるでしょう、この下限面積要件の撤廃の中で、こういうふうにおっしゃられて、すごいなと思って読んだんですけれども、地域の仲間にするという仲間が増える、仲間にするにはどんなふうにかかわっていくのかということを、現場でのお話を聞かせていただければと思います。
1:57:08
実は先月、まさにそういった方の新規就農審査をさせていただいたところです。やはり私ども、地域の中できちんとその方々が生活し、営農していけるように、地域の皆さんとの連携が取れるように見守ったり、相談に乗ったりしていきたいと思いますし、そういった方々が集落の中できちんと定住していただいて、営農していただくことが、先ほど申し上げた共同作業なんかで一緒に作業していただいたり、地域のこと自体を考えていただくことになりますので、この先の地域計画の中できちんと位置づけをしていただけるように、できる限り私どもの方でもいろいろな支援をしていきたいなというふうに思っています。
1:58:09
はい、笠原参考人にまた伺いますけれども、今日の話 には出てこなかったんですが、離農者が出るとですね、阿賀野市で離農者が出ると、二内手である二田農業者に集まってもらってマッチング会議を開いているということであります。誰がその農地を引き継ぐかを決めているということです。非常に優れた取り組みだというふうに思いますけれども、一方で中山間みたいな条件不立地で離農者が出ると、受け手を探すのは大変苦労されると思うんですけれども、これも基幹地域の中に出た話ですが、養蜂課に中山間のところ、景観作物を植えて、それを密原にするという、これもまたすごいなと思って読んでいたんですが、今地域計画を作成している中で、こういう条件不立地を農地として活用するために、どのような取り組みをされようとしているのか、ご意見を伺いたいと思います。
1:59:21
その基幹地域に載っていた養蜂課ですと か、中山間地で特に蝶獣害の被害のないような作物を作ることにしているような担い手の方ですとか、そういった方々に、そういう場所が出たとき、お声掛けをさせていただいているというのは当然なんですけれども、この先、本来工作できるはずの農地ができないという状態になったときのためにも、そういう担い手の方々を大切にしていくというのも当然ですが、中山間地であっても工作できるような基盤整備事業も、やはりこの先考えていかなければいけないでしょうし、そういったときの要件を少し下げていただけると大変ありがたいなと思っているところです。
2:00:14
笠原参考人、多分これが最後になるんじゃないかと思うんですけれども、今日の意見陳述などには出てこなかったんですが、基盤法の改正案では、地域計画に位置づけられた農地所有的確保持に対して、新たに農業系発展計画制度に基づい て支援を受けることができるようにするんですけれども、これは農地所有的確保持の経営基盤強化を図ることが狙いなんですが、一方で産地側というか農業者側からすると、農外企業による影響力が強まっていくんじゃないかという懸念があるんじゃないかと思いますけれども、この点についてどう考えるか、ご意見を伺いたいと思います。
2:01:11
おっしゃるようにやはりそういう懸念は農業者の皆さんの中にもおありです。そういった方々にどういうふうな対応をしていったらいいのか、ちょっと私今この場で真っ直ぐにお答えすることができないんですけれども、そういう懸念があることは私たちから県であるとか、また全国農業会議所を通じて農林水産省などに伝えていきたいと思っているところです。
2:01:42
もうちょっと時間ありますので、じゃあ寺川参考人ですね、最後ですけれども、これは現場感覚で教えていただきたいんですが、輸出は非常に大事です。そういう意味では輸出産地を育成するということも重要だと思うんですね。輸出先にしっかり連携してということになりますけれども、それを強めていくと海外との取引先の信頼関係はどんどん膨らんでいくと思うんですが、そうした場合、国内供給が不安定化したときに、産地側では国内供給を優先できるのかどうかというかですね、海外の事情も含めてどういうふうに考えるか、最後お願いいたします。
2:02:32
やはり日本の付加価値がついた形の商品を輸出していくべきだと思います。万が一の場合、仮に日本に回すとしても、その価格対応にしていた だけなかったら、これは仕方がないということになりますので、そこら辺の何を作るかというところが大切になってくるかと思います。
2:02:57
ありがとうございました。3人の皆さんにもお聞きしたいことはいろいろあったんですけれども、ちょっと時間が来てしまいましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
2:03:12
日本維新の会の松野明美です。本日は参考人の皆様、お忙しなか本当にありがとうございました。まず、池上参考人にお尋ねをいたします。本当に厳しいお言葉をご指摘をいただきますが、私、スマート農業についてなんですが 、若い担い手、特に子どもたちとか、そういう農業に興味を持ってもらいたいのは、やはりスマート農業が鍵になるのではないかと思っているんですが、池上参考人からは、本当に農民の立場が欠けているとか、これから先30万人になるという機関的農業実施とか、そういう減少していく中で、そういうことばかりを考えていってはいけないとかですね、本当にそのようなご意見をいただきました。そして、スマート農業によりまして、やはり、労働時間を減少できるとか、そういうことによって農業の所得が減少しているという、そういう方向にもつながっていくのではないかということで、本田のスマート農業に対して、私とは全く逆のご意見をいただいたんですが、そのあたりをもう少しお聞かせください。
2:04:25
ありがとうございます。スマート農業を構成している一つ一つの技術は、それに問題があるというわけではもちろんありません。ドローンを使って、例えば、ここで例に挙げました、田んぼの水回りをセンサーを使って見てもらって、それは確かに大規模経営にとってみたら、何枚も歩道を歩いてもらわなくてもいいので、当然それはプラスになるわけですけれども、それだけで、もともと持っていた農業の全体性、例えばイネの生育状況をちゃんと見るのに、センサーだけで本当に把握できるかどうか、その場合には農民の持っていた、ここで持ってきていた観察する技術、観察する目というものが当然必要になるわけです。その農業のところを、例えば、そのビデオとか情報技術を使って、他の人も使いにしようというのが指揮多数なんですけれども、そういう技術を使っていくこと自身がもちろん望ましいというか、そういう方向も考えなきゃいけないと思っています。どういう方向に向かわせるかということと、それが入ったことで農業自身がどう変わっていくか、他の部分にどう影響するかというか、他の部分がね、例えばドローンを入れたら、その相手の水回りを見たら、それがどういう影響を持つかというところについてもっと考えていただきたい。