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参議院 環境委員会

2024年06月06日(木)

2h48m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8034

【発言者】

三原じゅん子(環境委員長)

高村ゆかり(参考人 東京大学未来ビジョン研究センター教授)

山岸尚之(参考人 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン自然保護室長)

深草亜悠美(参考人 認定NPO法人FoEJapan事務局次長)

加田裕之(自由民主党)

田島麻衣子(立憲民主・社民)

竹谷とし子(公明党)

梅村みずほ(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

浜野喜史(国民民主党・新緑風会)

山下芳生(日本共産党)

山本太郎(れいわ新選組)

ながえ孝子(各派に属しない議員)

1:05

ただいまから環境委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに小林一寛君、上山紗友希君及び落地敏行君が委員を辞任され、その補欠として関口雅一君、佐藤信明君及び白坂昭君が選任されました。

1:28

地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。本日は本案の審査のため、3名の参考人からご意見を伺います。ご出席いただいております参考人は、東京大学未来ビジョン研究センター教授高村ゆかり君、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン自然保護室長山岸直幸君及び

1:57

認定NPO法人FOEジャパン事務局次長深草歩美君でございます。この際参考人の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日はご多忙のところご出席をいただき誠にありがとうございます。皆様から忌憚のないご意見を賜りまして、今後の審査の参考に致したいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。次に議事の進め方について申し上げます。まず高村参考人、山岸参考人、深草参考人の順にお一人15分以内でご意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。またご発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、ご承知おきください。

2:52

なおご発言は着席のままで結構でございます。

2:55

それではまず高村参考人からお願いいたします。高村参考人。

3:01

三原委員長ありがとうございます。委員長はじめ環境委員会の先生方に、この度参考人として意見を申し上げる機会をいただきましたことを、お礼申し上げたいと思います。

3:15

私の資料のスライドの2枚目でございますけれども、先生方のご議論を経まして、2021年に地球温暖化対策推進法が改正をされ、地球温暖化対策の基本理念を第2条の2項に盛り込んでおります。

3:33

先生方、ご存知のとおり、パリ協定、日本も締結をしておりますパリ協定の目標であります、2度、世界の平均気温の上昇を工業化前と比べて2度より高い水準を十分に下回る。

3:50

そして1.5度までに抑えるという、この2つの目標を念頭に置きながら、2050年までの脱炭素社会の実現ということを基本理念として書いていただいております。

4:05

その後、2021年12月に行われました温暖化対策の交渉会合、COP26におきまして、パリ協定の目標である、の中で1.5度目標を目指すということが確認され、これが現在のG7、そしてG20でも共有された目標となっております。

4:25

次のスライド3番目でございます。今回の温暖化対策推進法の改正のポイント、いくつかあるかと存じますが、私の意見は主に上の2つ、2国間クレジット制度JCMの着実な実施を確保するための体制強化と、

4:45

それから2つ目、地域共生型再エネ導入促進に向けた地域脱炭素化促進事業制度の拡充について、意見を申し上げたいと思います。

4:59

スライドの4枚目でございます。先ほど国際目標となっている、工業化前と比べて世界の平均気温を1.5度までに抑えるという目標でありますけれども、最も新しい科学の知見をまとめたIPCC気候変動に関する政府間パネルが示した科学的知見は、

5:21

2019年の排出量と比して、こちらにありますように1.5度目標を50%を超える角度で達成をしようといたしますと、30年に世界全体で43%、35年に60%、40年に69%といった水準の削減が必要になってまいります。

5:42

二酸化炭素でいきますと、まさに2050年に99%削減、まさに2050年カーボンニュートラルを実現をするということが重要な指標となっております。

5:57

次のスライド、5枚目でございます。これを国連が図下したものでございますけれども、日本も更新をして提出をいたしました、2030年の2013年度比46%削減という目標は、世界でも多くの国が更新をし、その結果、この目標がすべて確実に達成をされるとしますと、

6:24

2010年までのどこかの地点で世界の排出量が頭打ちになるような目標が現在提出をされております。しかしながら、こちらの図にグラフからもわかりますように、1.5度目標、あるいはもう一つ少し高い2度目標と照らしても、まだ排出の削減が足元で足りないということがわかります。

6:47

とりわけ国連の場でもG7の場でも、この10年が極めて重要であるということが指摘をされております。次のスライド、6でございます。日本の温室効果ガスの排出量の動向でございますけれども、現在2022年度の速報値が最も新しい排出量の値でございますが、1990年度以降最小値になっております。

7:14

そういう意味では気候変動対策は排出削減という意味で着実に進んでいるというふうに言うことができますけれども、46%削減、さらには50%削減の高みを目指すという30年の目標に照らしますと、さらなる追加的な対策の強化が必要となってまいります。

7:36

次のスライド、7枚目でございます。今回の温帯法改正の1点目のポイントであります、二国間クレジット制度、JCMの拡充についてでございます。

7:49

このスライドはJCMの仕組みを関係省の資料を使ってご紹介をしたものでありますけれども、パリ協定に基づいて日本が他国と取決めを結び、その取決めに基づいて他国において排出を減らしたものを日本の削減目標の達成に使うことができる。

8:12

そういったことを目指して獲得をして、日本の目標達成に使うことができるという仕組みでございます。スライドの8でございますけれども、今回の法改正について私の目から見ますと、非常にやはり重要な改正だと思っております。

8:31

今申し上げました国際的な1.5度目標、あるいは2050年の脱炭素社会の実現に向けますと、足元での更なる削減対策の強化加速化が必要な中で、この30年目標の達成を助けるということ。

8:49

現在30年までに獲得ができるであろう排出クレジットの量は約2300万トンと想定をされておりますけれども、現在の地球温暖化対策計画の下では約1億トンということが目標、指標となっております。この目標を助ける、そういう意味での拡充でございます。

9:14

それから、さらにはパートナー国、とりわけパートナー国スライドの7に、これまでの29カ国を列挙ご紹介しておりますけれども、途上国を中心としたパートナー国の排出削減を支援することで、世界の排出削減を日本が持つ優れた脱炭素技術、製品、サービスなどを使って貢献をする、というそうした側面がございます。

9:43

特に、こうした機会をもって、日本の持つ様々な技術や製品、脱炭素の技術や製品、サービスを海外に展開していく機会ともなろうかと思います。スライドの9でございます。

9:58

その意味で、今、29カ国、そして240以上のプロジェクトが今動いているところでありますけれども、さらに拡大をしていくということを考えますと、運営体制をさらに強化すること、そしてそのための制度整備が必要と考えます。事業計画の策定から、最終的には排出削減量を算定をして、クレジットを発行するまで様々なプロセスを経てまいります。現在、年度ごとに国が事業者に委託をしているという形でありますけれども、継続をした一元的な事業の管理を実現をすることで、さらなるパートナー国の事業の拡大ができるというふうに考えております。

10:46

さらに、それは運営を委託をするものの、法によってしっかり国が体制運営を確保し、支部大臣が監督をするということを法によって定めを置くことで、監督体制を明確にするということでもございます。

11:08

スライドの10でございますけれども、ぜひこの温暖化対策推進法の2国間クレジットに関わる改正に当たりまして、先般の2023年G7札幌で行われました気候エネルギー環境大臣会合で合意をしております質の高い炭素市場を実現をするように期待をしております。

11:33

ちょうど先月、アメリカで財務長官、農務長官をはじめ、政府種の6名が賛同する形での共同声明がアメリカからも表明されておりますけれども、先ほど申し上げました世界全体での排出削減への貢献、とりわけ1.5度目標、2050年カーボンニュータルと整合的な炭素市場。

11:59

自らの排出削減を優先し、削減が難しいところに移行した炭素市場を活用していく。環境や社会への配慮、とりわけ環境のみならず人権の尊重をはじめとする社会的な配慮の確保。

12:17

そして、それを可能にする透明性の高い、ロバストな強固なガバナンスというのが、G7の質の高い炭素市場原則の中にも盛り込まれておりますし、これはスライドの11につけております。そして、アメリカから発信られました共同声明と共通するものでございます。

12:38

そういう意味では、このJCM2国間クレジットが、こうした質の高いクレジットの創出、あるいはそれを創出するメカニズムとなることを、この法改正の折に期待をしております。スライドを少し飛ばさせていただきまして、13の倍目のスライドまで飛ばさせていただこうと思っております。

13:00

法改正の本日、意見を申し上げたい第2のポイントと申し上げますのが、地域脱炭素加速新事業制度の拡充でございます。国の脱炭素には、各地域の低炭素脱炭素化というのが不可欠でございます。とりわけ日本の場合は、温室効果ガス排出量の約85%がエネルギー由来であるということを考えますと、エネルギー電力の脱炭素化を加速することが必要かと思います。その中で、様々な施策の中で、その大きな1つの柱として、地域と共生をした形での再生可能エネルギーの導入、脱炭素化ということが重要かと思います。これは、2021年に閣議決定をされております、現行の第6次エネルギー基本計画でも同様の考え方が盛り込まれていると理解をしております。次のスライド、14枚目でございます。

13:55

現在の温暖化対策推進法に基づく地域脱炭素化促進事業制度につきましては、次のスライドに環境省の資料、分かりやすい資料を今回、挿入をさせていただいて、使わせていただいておりますけれども、

14:10

市町村、基礎自治体が再エネの促進区域や再エネ事業に求める取組、条件を自ら計画の中に、温暖化対策計画の中に位置づけて、その条件に適合する事業計画を認定する仕組みというものを導入をしたものです。これは、2021年の法改正で導入をされております。

14:37

こうすることで、地域が納得をし、地域にとって最も良い形での再エネ導入を図っていくということであります。この4月の段階で、32の市町村が促進区域を設定をしております。

14:53

しかし、御存じのとおり、基礎自治体は1700を超え、しかもその中で1400以上が人口10万人未満の基礎自治体でございます。

15:08

このような意味で、こうした促進区域、地域共生型の再エネ導入を図っていくための一つの手段、方法であります促進区域の設定、事業認定の仕組みというものを、さらに拡充をしていく法改正と理解をしております。スライドの16でございます。この必要性は、私、大変重要なものと思っております。

15:33

それは、今、世界的に起きている企業に対する脱炭素経営を促す動き、これは株主や金融機関などからのエンゲージメント、働きかけが行われ、さらにはスライドの17、18のところにもつけておりますけれども、

15:55

原材料の調達から下加工、あるいは運送、そして小売事業者に届けて消費者が最終的に消費をして廃棄をするまでの企業のバリューチェーン全体の脱炭素化ということが求められるようになってきているということであります。

16:15

もちろん、気候変動対策、地域の脱炭素化というのは、気候変動の影響から地域や企業を守るということでもありますし、今、高く推移をし、あるいはボラタリティというか、変動が大きなエネルギーのコストをできるだけ抑え、

16:36

雇用、レジリエンス地域の中で、こうした脱炭素の電源を置いて備えておくといったような、こうした価値に加えて、今申し上げました企業価値の向上の上で、この地域の脱炭素化というのが重要な役割を示すようになってきております。

16:59

会企業だけでなく、先ほど申し上げました、それにつながっている取引先にも影響が及んできているということでございます。

17:08

その意味で、地域の脱炭素化は、今申し上げました気候変動対策としてはもちろん、あるいは地域のエネルギーコストを抑え、レジリエンスを高めるといったことに加えて、企業の、企業立地としての地域の魅力を高め、地域にある社会課題に対して応えていく、そうした取り組みと考えられます。

17:31

大変先説ですが、いくつかこうした取り組みが生まれている事例をご紹介をしてまいりたいと思います。スライドの19でございますけれども、マイクロソフトは、すでに取引先を選定する段階で、排出量について、その取引先の候補から報告をしてもらうということを、取引先選定の際の一つの条件としております。

17:59

そのスライドの20のAppleでございますけれども、Appleは、サプライチェーン、バリューチェーンの脱炭素化、とりわけサプライアンに対して、電力は再エネ100%でという要請をしております。日本企業、2023年10月の段階でこちらにございます企業が、それを約束をされています。

18:22

今、申し上げました、脱炭素経営が日本の企業にとって、取引先から選定をされる上でも重要になってきているという資料でございます。スライドの21でございます。これまでの促進区域の中でも、屋根や公的建築物の屋根を活用した、住宅の屋根ですとか、公的建築物の屋根を活用した再エネ導入というのが進められていますけれども、

18:50

こちらは住民の健康にとっても重要だということが、その自治体の取り組みの中にもございます。スライドの22は千葉県の宇都沢の例でありますけれども、電力供給が台風15号で途絶えた際に、道の駅を活用したコジェネと再生可能エネルギーが、4日間の停電期間の住民の生活を支えたという事例でございます。

19:19

スライドの23でございますけれども、こちらは脱炭素先行地域にも選ばれている地域でありますけれども、農業人口が減少し、高齢化が進んでいる中で、農地を活用した営農型の再エネ導入を行い、

19:39

それによって若手の営農者がオーガニックの有機の農業を進めていく際の支援をする財源として活用している地域の例でございます。最後スライドの25に書いておりますけれども、この法改正を機会に、こうした自治体への支援、地域脱炭素化を進める支援を是非充実をしていただきたいというふうに思っております。

20:05

今回の法改正というのがその一助になることを期待しております。 以上でございます。ありがとうございました。次に山岸参考人にお願いいたします。

20:14

山岸参考人。

20:16

ありがとうございます。WWFジャパン、世界自然保護基金ジャパンの自然保護室長をしております山岸と申します。本日は議員の皆様方のお忙しいスケジュールの中で、このような場で意見を述べさせていただく機会をいただきましたこと誠にありがとうございます。

20:34

WWFは1961年に設立されまして、現在では100カ国以上で世界の自然保護、環境保護をやっている団体でございます。私はその日本オフィスに所属をして、個人的な話で言いますと、過去20年間この表紙にあります国連のような会議に出席をし、国内の政策についても、つぶさんに目をもって提言をさせていただいた立場からですね、意見を述べさせていただきたいと思います。まずおめくりいただきまして、目次でございます。今回の法改正の2つのポイントである、主要ポイントである2国間クレジット、そして再年の促進区域の話について、まず意見を述べさせていただきまして、その後に3番目として、全般、そしてその他の論点について意見を述べさせていただきたいと思います。簡潔になるべくいきたいと思っております。ではもう1枚おめくりいただきまして、スライドの3枚目でございます。

21:31

まず、2国間クレジット、JCMに関する意見です。これにつきましては、ここの2点、意見を書いてございますが、私がここで申し上げたいことは、国際的な潮流を踏まえて、先生方としては、この後、国世界がどのようにいくのかという、その文脈の中で、このJCMの在り方ということをぜひお考えいただきたいということでございます。

21:54

今回の法改正そのものは、JCMがあり手にいえば、効率的にやっていけるようにというところに重きがあると思います。それ自体は大きな問題はないとは思います。ただ、方向性として、ぜひこの2点をご検討いただきたいというのがございます。

22:10

1つ目が、2国間クレジット制度の実施を強化していくにあたっては、途上国における化石燃料の使用の温存であったりとか、増加、特に石炭火力発電所の増加にはつながらないように、重々、波動していただきたいというのが1つ目のポイントです。

22:27

2つ目は、世界的に削減量が足りていない状況を鑑みて、JCMを活用した場合に、国内の削減量と相殺される、いわゆる業界要望でオフセットと呼ばれるような仕組みにならないように、今後はNDCの中で位置づけていただきたいというのが2つ目の意見です。これら2つについて、もうちょっとだけ解説をさせていただきたいと思います。

22:51

では、スライドの4枚目をご覧ください。ちょっとややこしい指示を出して大変恐縮ですが、ここで1つ、COP28、昨年の国連の気候変動会議がどんな結果を出したのかということを振り返っておきたいと思います。

23:06

昨年のCOP28の前までに、既にCOP27までの段階で、まず一番上にCOP27の決定のお話が書いてございますけれども、石炭火力発電所については、段階的に削減をしていくということが合意をされています。

23:26

灰質削減対策が講じられていないという正しがけがついていますが、基本的に石炭火力については減らしていきましょうねという方向性が、国際社会の190カ国以上のコンセンサスとして合意がされているというのがポイントです。

23:40

昨年のCOP28では何をしようとしたのかと言いますと、これを石炭という分野だけではなくて、化石燃料全般に広げられるかどうか、そして削減という言葉ではなくて、いずれは廃止というところまで持っていけるかどうかがかなり大きなポイントでした。

23:57

この2つ、かなり大変な決定になります。なので当然ながら異論はたくさん出ました。ましては昨年のCOPが開催された地はUAE、アラブ首都国連邦ということで3位国ですので、なおさら反対の声も強かったということがあります。

24:14

それらを何とか妥協を見出して出されたのが一番下の、やや分かりにくい表現なんですけれども、化石燃料から2050年ネットゼロを達成するために転換をしていくという方言が使われました。これ日本語ではなかなか伝わりにくいんですが、トランジショニングアウェイフロムという英語が使われてございます。

24:36

そうですと通常このトランジションという言葉は異行というふうに訳されてしまいますが、それだけだとここのアウェイという言葉に含まれた英語の万感の重いというものがなかなか訳出されないという部分があります。つまり化石燃料からはアウェイ、立ち去っていくのだという国際社会としてギリギリのところで合意をされた決別の意思というものがここで発表されたということになります。

25:04

これを受けて各種報道であったり、あるいは国連事務局のそのものが化石燃料時代の終わりの始まりというような表現をプレスリストでは発表していたのがご協議の方もいらっしゃるかと思います。これが国際社会としての流れでございます。ですので先ほどの第一の意見で述べさせていただきましたように、JCMがこれからを見据えて何に貢献していくのかというのであれば、この流れにぜひ貢献をしていただきたいということがございます。

25:33

もう一枚おめくりいただきまして、スライドの5枚目でございます。実はこのCOP28の決定につきましては、パリ協定のもとでのグローバルストックテイクと呼ばれるちょっとややこしい名前の仕組みの中で出された結論でございます。このグローバルストックテイクというのは、パリ協定自体の中に含まれている5年ごとの世界全体の進捗を見直す仕組みでございます。

25:58

ですので世界全体の進捗を2023年のグローバルストックテイクという取り組みの中で見直しをして、その結論としてやっぱり世界はこの方向で行くべきだよねという結論で、先ほどの化石燃料との決別宣言があるというふうに捉えていただきたいと思います。

26:16

パリ協定では実はこのグローバルストックテイクという5年ごとの見直しの仕組みは、明確に次の各国の削減目標に対するインプットとして位置づけられているという点も大事です。日本政府も含め各国の政府は来年までに新しい次の削減目標を提出することになってございます。実際その議論というのがそろそろ環境省さんそして経産省さんのもとで始まるということが分かってございます。

26:45

この議論に対するインプットとして先ほどの化石燃料から徐々にシフトしていきますよということが明確に位置づけられた。だからそれを達成するための手段として位置づけられるJCMというのは、当然その流れを組むべきだということがまず申し上げたい国際的な文脈でございます。

27:08

次のページ、スライド6番目に行っていただきたいんですけれども、このJCMのNDCの中での位置づけについてももう一つご意見申し上げたいと思います。現在JCMのNDCの中での位置づけはやや特殊でございます。左側に表がありまして、一番下に二国間クレジット制度(JCMの位置づけ)というものが書いてございます。

27:34

この中でちょっと注目をしていただきたいのは最後の一文、適切にカウントするという一文です。要するにJCMは日本の削減目標の中で適切にカウントするとは言っていますが、この上の表の中に含まれる具体的な数字は入ってございません。ということで現在では国内の削減目標に対して数字としては見込んでいないけれども、いずれは適切にカウントしていこうかなという意思が示されているとやや曖昧な位置づけでございます。先ほど高村参考人からのご意見にもありましたとおり、世界的には削減量が全く足りていないという状況がございます。普通このまま国内の削減目標の中にJCMを組み入れるというふうにしてしまいますと、ありていに言いますと、途上国で1トン削減した分、日本国内では1トン削減しなくてもいいという仕組みになってしまいます。

28:28

これですと国際的な貢献にはつながりません。なので今後NDCAを議論する際には国内の削減目標とは別で、もしJCMを活用したいのであれば国際的な貢献の枠の中に入れますよというふうにしていただく方が良いのではないかというご意見を2つ目の意見として述べさせていただきたいと思います。続きましてちょっと時間が限られておりますので足早いでございますが、次のスライド7枚目に行かせていただきます。災害の促進区域に関連しての意見でございます。災害の促進、昨今のソーラーパネルに関して様々な報道があるとおり、災害の促進をしなければいけないのは脱炭素社会構築にあっては必需品といいますか、必須でございますけれども、同時に慎重にやらなければいけないという非常に難しい課題を抱えている分野でございます。

29:25

促進区域を設定していく、そしてそれが都道府県と市町村が協力してやっていけるという今回の温帯法の改正案についてはそれ自体は良いものではございますが、他方でここについては注意をしていただきたいというのが今回の意見の趣旨でございます。まず、2022年に世界的に生物多様性を守るための世界枠組みが合意されました。これに日本もしっかりと貢献していくということがやはり先生方もご議論の中であったとおり、

29:54

これにコミットがされてございます。ですので、一方でやはり生物多様性に対する配慮もしっかりしていきますよということは、どこかにちゃんと入れておいていただきたいというのが一つ。そして、やはり地域が反発するのは地域のためになっていないという部分もございますので、そこの地域の理解を得るということも非常に大事であると。加えて、この促進区域、先ほど高村先生の資料にもございましたが、

30:19

制度としてはできているけれども、32自治体、市町村でしかまだ作られていない。だから都道府県とも協力をしつつ、しっかりと推進していけるようにしていきたいというのが、多分今回の改正の趣旨であるかと思いますけれども、やはりやっていけないのは一つ理由がありまして、やはり何らかの支援が必要だということだと思います。

30:42

その支援も対応コーパネルなり、風車なり、地熱なり、そういったものを設定するために直接お金が必要だということももちろんあるかと思いますが、それ以外にも、地域にどうやって利益が落ちてくるのか、ベネフィットがあるのかということを検討しようにも、検討するために皆さんのお時間をいただかなければいけないとか、あるいは専門家にお願いをしてちょっと検討しなければいけないとか、

31:09

そういった形で費用がかかってきます。そういったことを何とかサポートしていけるように、地域にベネフィットを落とすためにも支援が必要なのではないかというのが二つ目の意見でございます。それをもう少し具体的に書きましたのがスライドの8枚目でございます。もちろん何でもかんでもお金を出せばいいということではございません。

31:33

先ほど申し上げたように、生物多様性に対する配慮があるとか、なるべく事業家がしっかりしそうなものであるとか、あるいはいろいろ検討したけど難しいねという最後の手段としての支援といったような形で、いろいろ条件をつけていく必要があるとは思いますけれども、それでもやはり促進区域の設定をさらに数を増やしていくためには、やはりこうした支援も必要なのではないかというのが私どもの意見でございます。そして最後に、本に移っていきたいと思いますが、書き足して申し訳ございません。スライドの9枚目でございます。今回主な改正案のポイントとしては、先ほど申し上げたJCMと促進区域の部分かなと思いますけれども、それ以外にも言及されている分野として、温室効果ガスの先駆けにつながるような製品やサービスの普及についても頑張りましょうというようなことが、今回の温帯法の改正案の中では含まれてございます。

32:26

これはこれ自体ももちろん大事なことですが、他方で国際社会に目を転じてみますと、昨今ですといわゆるグリーンウォッシュに対する目が一段と厳しくなってきております。これはやはり消費者の皆様の関心も高くなってきているということが背景にはございます。やはりスーパーに行って、いろんな表示がされていると、カーボンニュートラルかもしれないし、

32:51

CO2ゼロとかいろんな表示があって、どれを選ぶのが一番正しいのかがよくわからないという消費者の声がある。そして企業さんもいろいろな主張をするけれども、それが本当に正しいのかどうかがわからないという状況を受けて、各国、特に日本が意識すべきEUであったり、アメリカであったりにおいても、こうしたどういう広告がされるのか、どういう企業さんの主張がされるのかに関しての規制の準備がそれぞれ進んでございます。

33:20

ですから、こういったものをしっかりと動向として抑え、なんとなれば製品を作る側は日本市場向けだけに作っているとは限りませんので、そういった企業さんにとって二度目玉にならないためにもこうしたことが必要です。これは他の分野、情報開示等の分野でもそうでして、もっかい議論になっている企業さんが温暖化対策に関する情報を開示するときの国際基準の設定があり、

33:46

それと温帯法との間での整合性も少し課題にはなっていたりします。そういったことを企業さんからしてみると、日本のためだけに作って、EUのために報告しなければいけなくなると大変になってしまいますので、その辺を意識した制度設計が連携をしながらやっていくことが必要かと思っています。これが最後に近い、最後から二番目のご意見で、最後のご意見の方に行ってまいりたいと思います。

34:15

これは温帯法全般に関する今回の公開制度は必ずしも対象になっていませんが、ぜひ取り入れていただきたいポイントとして、最後に2点述べさせていただきたいと思います。一つ目は、生物多様性、そして雑炭素、そしてもう一つだけ挙げるとすれば循環型社会の構築、サーキュレーコノミーの構築、この3つに関しては国際的に同時並行で創造効果を出しながら取り組んでいく分野だというのは、

34:44

国際常識にもなりつつあります。こないだのG7の宣言文なんかもそういう書法立てで書かれていたりとかするので、この分野は時にはローカルの分野では対立してしまう分野もあるかもしれないけど、そうしては必ずこの3つを同時並行でやっていこうというのは、かなり国際的には一大潮流になっているかと思います。

35:07

その中にあって、例えば地球温暖化対策推進法という法律を文言検索したときに、生物多様性という言葉が出てこないとか、それから日本政府も生物多様性に対して貢献しますと言っている中で、ネイチャー・ポジシブルの言葉も出てこないとかという状況はちょっと寂しいのではないかというふうに思います。まさにやっぱり法目的に入っているからこそ、配慮ができる部分もあったりとかすると思いますので、

35:35

ぜひその点についても今後ご検討いただけると幸いですというのが1番目のポイントで、2番目は最終的には基本法としてこの温暖化対策に関する法律を挙げていっていただきたいなと思っております。温室効果ガスの削減目標、例えばカーボンプライシングなんかの議論が今後始まっていきますが、なぜそれが必要かというと、それは温暖化対策のために必要なので、

36:01

こちらの法律の中できちんとした位置付けがないと、そのために削減目標があるいはカーボンプライシングが安すぎるとなったときに、それを強調する法理がないということになってしまいます。そこはぜひ今後改善していっていただきたいな、せめて位置付けていただきたいなというのが最後の意見でございます。すみません、時間を超過しましてありがとうございました。

36:25

次に深草参考人にお願いいたします。認定NPO法人FOEジャパンの深草由美と申します。本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。FOEジャパン、Friends of the Earthの略ですが、FOEジャパンは1980年に日本で活動を開始した国際環境NGOです。

36:53

世界73カ国に加盟団体を持つFOEインターナショナルのメンバーでもあります。FOEジャパンは気候変動や原子力火力等のエネルギー問題、開発金融、森林保全等の問題に日本で40年以上取り組んできました。私自身は化石燃料や原子力の問題、特にそれらの事業に対する公的支援の問題について取り組んできました。

37:20

本日は日本の温暖化対策についての見解を述べさせていただければと思います。先の2名の参考人の方のお話と被るところもあるかと思いますが、ご容赦いただければと思います。ご存知のように気候危機は年々深刻さを増しています。

37:40

世界気象機関は2023年は乾燥史上最も暑く、産業革命期と比べ1.45度以上平均気温が高かったと発表しました。今、世界が目指す気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標を守るために残された炭素予算というのは残りわずかです。先ほどからも削減が圧倒的に足りていないというお話がありました。

38:07

現在各国が掲げている目標を実行したとしても1.5度を超える温度上昇につながり、日本を含め目標の強化が必要です。2023年に発表されたIPCCのレポートでは、1.5度目標を達成するためには、19年度比で2030年までに世界の温室高画質の43%、35年までに60%を削減する必要があるとしています。日本政府の削減目標は、2030年に13年度比で46%ですが、19年度比に換算すると37%削減となり、グローバルな削減指標と照らし合わせても不十分な目標です。

38:54

国内のNGOや市民団体、若者団体等は、気候変動に対する日本の歴史的責任の大きさ等を鑑み、2030年の削減目標を19年比で60%以上削減に強化すべきであると主張しています。

39:13

また、IPCCによりますと、世界の既存の、また計画中の化石燃料インフラを想定年数稼働するだけでも1.5度を超える温室高画質が排出されてしまうと試算しています。そのため、特に新しい化石燃料事業を行う余地は残されていないということが言えると思います。

39:35

また、先ほど山岸参考人からもありましたが、昨年2023年度のCOP28において、すべての化石燃料からの脱却ということが合意されました。また、今年のG7気候エネルギー環境総会合では、対策を取らない石炭火力発電は2030年代前半に全廃するとコミットされました。

39:59

化石燃料に依存する社会から早急に転換し、省エネルギーや再生可能エネルギーへの置き換えを進めていく必要がありますが、日本国内では非効率石炭火力以外の石炭火力発電の廃止ですとか、脱化石燃料の議論が行われていません。ここでカーボンニュートラルやネットゼロについての問題点、懸念点について触れたいと思います。

40:26

日本政府を含め、パリ協定の達成のため、カーボンニュートラルやネットゼロを目指す国や企業が増加しています。温室硬化ガスの排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分と同じ量を吸収、もしくは除去することで差し引きゼロを目指すということですが、

40:50

ひるがえて考えてみますと、吸収量や除去量を確保できれば、その分追加的に排出してもいいという考え方につながる危険性があります。実際、排出削減量ですとか削減経路が曖昧なネットゼロ宣言はグリーンオッシュであると問題視されています。

41:12

このような背景もあり、例えば2022年国連事務総長のイニシアチブの下で専門家グループによる報告書が発表されておりまして、企業と非国家主体によるネットゼロ宣言の信頼性や透明性を確保するために国際的な定義の統一や各国でのルールの整備の必要性を指摘しています。

41:35

また、ネットゼロを考える上では時間軸も重要です。排出された温室効果ガスはしばらく待機中にとどまる性質があるため、なるべく早く絶対的な排出量を削減することが重要となります。2050年の断面でネットゼロを達成しているというわけではなく、2030年までにこの10年でいかに削減を深掘りできるかが重要です。

41:59

日本政府はNDC達成のため、JCMを通じて2030年までの累積で1億トン程度、CO2加算で1億トン程度の国際的な排出削減、吸収量の確保を目標とされているかと思います。累積の目標なので単純には比較できませんが、規模感としては日本の年間排出量の約1割に当たる量かと思います。

42:26

繰り返しになりますが、気候変動対策のためには、ネットではなくいかに炭素の絶対量の排出が深掘りできるかが重要であると考えます。二国間クレジットや市場メカニズムの活用は国内での削減にはつながりません。むしろ購入したクレジットによってさらなる排出を許してしまうものです。

42:47

オフセットクレジットに多額の投資を行い、また削減目標の達成をオフセットに頼るということは、排出量を減らさないばかりか真に有効な対策を送らせてしまいます。環境省資料によりますと、既存のプロジェクトによる累積削減量は約2300万トンCO2とお示しがありました。

43:10

もし今後6年で累積1億トンの目標を達成するとなると、大型の排出削減事業や吸収事業、事業の急増が起きるのではないかということを懸念しています。共同議定書の下で国際的な炭素取引システムであるクリーン開発メカニズムCDMが実施されました。

43:33

CDMが事業が認められるためには、実際に削減が行われていること、追加的な削減であること、削減に永続性があること、環境充全性が担保されていることなどが条件となりました。2016年のオーシー委員会の報告書によりますと、CDMの下で行われたプロジェクトの4分の3が追加的な排出削減に結びついておらず、追加的な削減につながっていたのは全体のたった2%であったと指摘されています。この結論に至った背景の一つとしては、CDMで実施された多くの再生可能エネルギー事業は、クレジットがなかったとしても市場における再エネルギー需要拡大等を背景に、いずれにしろ実施される事業であった見込みが高いということでした。また、オフセット事業が地域社会や環境に悪影響を起こしていることを示す調査というのも増えています。

44:27

2023年の調査によりますと、世界最大手のクレジット認証機関、ベラが販売したオフセットの90%以上が無価値であったということが明らかになっています。調査によれば、ベラが認証したネット入れに関するオフセットプログラムの大部分が森林破壊防止につながっていなかったということでした。また、この時調査された事業のうち、少なくとも一つで重大な人権侵害も報告されていました。

44:55

また、日経新聞の2022年の調査報道でも、カーボンオフセットの問題について指摘しています。クレジットと組み合わせたCO2フリーLNG、二酸化炭素、実質排出ゼロを目打つ液化天然ガスというのが取引されていますが、この時に使われたクレジットで、実際の削減量より過大に発行した疑いがある事業のクレジットが使われていたとのことです。

45:22

その他の問題事例については、配付のレジュメをご覧いただければと思います。これらの例からは、国際的な炭素市場におけるクレジットの追加性や確実性、環境充電性を確実に担保するということが、現実的にはこれまで困難であったということが見て取れます。

45:40

むしろ質が担保されていないクレジットが出回ることによって、排出拡減対策を遅らせるだけではなく、社会や環境への影響、また気候変動の加速がしていくと思われます。また繰り返しになりますが、国の削減目標を達成のためにクレジットを活用するとなると、非常に多くのクレジットが必要となり、事業の急激な増加や大型化が予想されます。

46:08

これまでCDMや民間のクレジット市場で扱われているのは、省エネ技術の導入や再生化のエネルギー事業によって創出されたクレジット、森林破壊や土地劣化防止、植林による吸収源事業というのが主要な事業であったかと思います。

46:26

一方、現在国連パリ協定6条の下、また日本のJCMにおいても、炭素回収貯量CCSやCCSと組み合わせたバイオエネルギー発電VEX、また空気から直接CO2を回収する直接空気回収技術DACと、新たな技術によるクレジットを認めるかどうかが議論されていると理解しています。

46:51

CDMではCCS認められていたと思いますが、実際の案件はゼロではなかったかと思います。

46:58

日本政府が2023年に策定したCCS長期ロードマップでも、JCMにおける2国間クレジット制度におけるCCSを含むプロジェクトの組成やCCS由来の国際的なクレジット制度の立ち上げを支援するとしていますが、このCCSですが、世界的に見ても成功例や実現例は非常に少なく、またコストも非常に高く、技術的な困難も伴います。

47:26

また、2024年5月にCCS事業法が日本国内で成立しておりますが、個別の環境アセスメントの欠如やモニタリング基準の曖昧さなど、懸念が残る内容となっております。国内におけるCCS事業の安全性の担保も見通せない中で、海外でのCCS事業をクレジット化するための議論は、次期早々であると考えます。

47:50

また、炭素除去の議論においては、またCCSも同じく、回収したCO2を潮流するということで、CO2が大気から持続的に隔離されていることが定義上重要となります。この「持続的に」ということなんですけれども、国連の議論では、この長さとして一案として少なくとも200年や300年というような意見も出ております。

48:17

このような長期にわたり隔離された炭素の維持を担保できる法制度というのは、非常に困難であると思います。また、潮流が行われるホスト国がこれを行うためには、相当なリソースを要することが議論の一つともなっております。今後、JCM外の日本が国内で発生したCO2を海外に輸出して潮流する場合であれ、長期のモニタリングと賠償責任というのが問題になるかと思います。

48:46

まとめますと、繰り返しになりますが、やはり絶対的な削減というのが足りていない状況です。オフセットとどうしても削減できない部分ということが前提となるかと思いますが、日本国内では化石燃料のフェーズアウトがおろくか、石炭火力のフェーズアウトというのも遅れています。

49:11

また一部では、CO2が悪者で化石燃料ではないというような声もあると聞いていますが、CCSやダックなどの技術は未だ十分開発されておらず、数少ないCCSの実施例を見てもですね、多くは石油の増産に使われる、もしくは回収率が非常に低いという現実があります。大気に排出された炭素を回収するコストとなり非常に高価です。

49:39

また水素アーモニア等の燃料も注目されておりますけれども、また衆議院の方の議論ではですね、こういったものもJCMの対象から排除するものではないという答弁だったかと理解しておりますが、輸入や化石燃料由来のものが多く、グリーンな水素アーモニアの拡大にはそもそも再生可能エネルギーの拡大が鍵となります。

50:03

また化石燃料サプライチェーンの風下だけを見るのではなく、全体を見ると上流での採掘による環境や社会への影響というのも重大です。化石燃料を掘り出さないということが重要であると考えます。また日本からの技術支援というのは非常に重要だと思います。しかしこれをオフセットに使うかどうかは別だと思います。

50:25

また現在、気候資金ですとか、途上国への資金支援、技術支援というのも非常に必要であることは確かです。ただそれはパリ協定では先進国による途上国の支援の義務として書かれています。

50:43

日本政府は資金支援、技術支援をオフセットのために行うのではなく、途上国の支援のために、かつ追加的に、また途上国の債務問題というのも深刻ですので、債務を増加させない形で行う必要があると考えています。私からは以上になります。ありがとうございました。以上で参考人のご意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。

51:12

質疑のある方は順次ご発言願います。

51:14

はい、委員長。

51:16

自由民主党の加田博之でございます。今日はお忙しいところ、高村参考人、そしてまた山岸参考人、そして深草参考人の、本当にそれぞれのフィールドの立場で有益なご意見をいただきましたことに、まずもって感謝、御礼申し上げます。

51:36

地球温暖化対策の推進に関する法律の改正の問題については、やはりこの2つの2本柱と言ってもいいように、入国管クレジット制度の実施体制の強化、それからまた地域脱炭素化の促進事業制度の拡充ということで、いわばマクロとミクロ的な形、グローバルとローカル的な形という、この2つの面を私は有した改正案ではないかと思っております。また、これ両方に共通しているのは、JCMの数、もちろん数というのも大切ですし、また、この促進事業制度の方についても枠を都道府県に広げる、都道府県ども関与できるということで広げるということで、数を増やすということもあります。ただ、数を増やすのが目標ではあくまでもなくて、これは手段であって、最終的な目標というものは、しっかりと地球温暖化の部分についての実効的な確実な達成というものをやっていくのではないかと思っております。そこで、先ほど陳述していただきました順番で、高村参考人、山口参考人、深草参考人の順番でお伺いしたいと思うんですけれども、今回の特に地域脱炭素化の促進事業制度の拡充のことについて、私は今までは基礎自治体的なやり方でやるというのは、あくまでもローカル的な話になりますし、それからまた、本当にこの脱炭素の部分におきましては、温暖化対策というのは、基礎自治体の区域でゾーニングできるというものではないと思っております。やはり総理にあった形で、今回フレキシブルな形で都道府県も関与することによりまして、いわばゾーニングみたいな形ができるという形で、これは実効性の担保という部分については、私は一歩ではないかなと思っておりますので、これを、先ほどお三方の皆様からお伺いしたんですが、ある種強制力とか、それからまた、複数市町村の基礎自治体に対して、予算面の支援とか、それから制度面の支援というのはもちろん大事だと思うんですが、強制力を伴わないような形、いわばナッチ的なやり方で、持続可能なやり方でやっていくためには、どのようにやっていけばいいか、それぞれの参考人の皆様の見地からアドバイスをいただけたらと思います。それでは高村参考人、お願いします。(高村参考人) 片先生どうもご質問いただきありがとうございました。私の資料の一番最後のところで、先生の問題意識に関わるところを振させていただいております。先生おっしゃったように、この法改正によって、さらに確実な排出削減につながるということが非常に重要なところだと思っております。ご質問いただいた、特に地域の脱炭素化促進事業制度等の拡充についてでございますけれども、私は国と地方自治体との関係でいくと先生おっしゃったように、やはり強制的な形ではなく、地域の実情に照らして、地域にとってやはり最も良いと思われる形で進めていくために、さまざまなインセンティブが必要だと思います。今回のまさに都道府県との共同の取組を認めるというのは、その一つだと思いますけれども、私自身はやはり二つあると思ってまして、一つはやはり都道府県、国と都道府県が連携をして、現在もされておりますけれども、促進区域等、これは山岸参考人等からもご出席ありましたけれども、例えば、再生可能エネルギーを立地に行くが望ましくない地域、区域ですね、こうしたものについての一種の区域割りの基準というものを作っている、都は作っておりませんけれども、府県28ございます。こうした取組がやはり基礎自治体がこういう取組をしていく上で非常に助けになると、自ら区割りをしていくというのはなかなか難しい中で、そういう指標が作られるということが、基準が作られるということが一つは当面重要な対応かと思います。もう一つは、人材とそれに対する対応する資金と言いましょうか、に苦慮されているというふうに基礎自治体からも伺ってまして、こちらはやはり実際にこうした区割りをして対策をしている自治体に対しての財政的な、これは条件をつけた上でですけれども、支援をしていくというのは非常に重要な点ではないかと思っております。まさに地域がうまく移行していく、変わっていく、こうした通販所に変わっていく支援としてご検討いただくといい点ではないかというふうに思っております。以上でございます。

56:51

山岸参考人

56:53

ありがとうございます。いわゆる強制的な方法ではない形での支援のあり方ということで、一つだけちょっと個人的にも関心がある事例と言いますか、分野を挙げさせていただきますと、やはり専門性のサポートという分野がございます。市町村のレベルで特に考えた場合に、市町村のご担当の方々というのは日々別の業務をたくさん持っていらっしゃる方が多いです。再生可能エネルギーの促進だけに関われるようなポジションを設定しているところはまだまだ多いわけではないので、しかも仮にそれがあったとしても、例えば再生可能エネルギーの促進区域を設定します。それも先ほど私が申し上げたような生物多様性であったりとか、地域の問題にちゃんと配慮して、そして景観にも配慮してというようなことをやろうとすれば、必然的にいろいろと要求される知識であったりとか専門性というのは幅広くなってきてしまいます。その時に、一人では二人ではとてもじゃないけれども対応しきれないというのが実情で、そうなってしまうとちょっと他の仕事もあるしできないという風になってしまうのが実情であろうかと思います。なので、そうした専門性をどうやって外からサポートしてあげられるのか。例えば実際に私どもがずいぶん前になるんですけれども、徳島県の鳴門市さんと一緒にやらせていただいた時には、市の方だけではなくて地域の例えば徳島大学の先生にもお世話になったりとか、あるいは地域で野鳥を観察されている団体の方々にもお世話になったりとか、そういった形で一生懸命地域にある専門性を一生懸命集めてきて、それで何とか、例えばこういったところだったら再生可能率は設置できますよねという議論を進めていった経緯がございます。それを一自治体の職員1人か2人にお願いをするというのはなかなかしんどいので、それをどうやってサポートしてあげられるかというところが、手っこ入れの入れどころなのかなというふうに思います。また再生可能率、エネルギーの問題自体も専門性が必要とされるので、そこも重要かなと思っております。以上でございます。

59:03

それでは深草参考人。

59:06

はい、ありがとうございます。私の経験ではやはり大きな開発事業、海外で起きている開発事業に携わることが多かったので、それとも少し共通するんですけれども、やはり何か事業をするときに住民の方の理解を得るということは非常に重要で、かつとても時間がかかることだと思います。お二人が指摘されたように、やはり人材ですとか、そういった地域への支援というのは必要だと思います。また、やはり負担になってしまうだけではいけないと思いますので、繰り返しになりますけれども、専門性の開発ですとか、そういうところに私も支援が必要であると、すみません、同じことになってしまいましたが思っております。ありがとうございます。

59:52

はい、片広幸君。

59:55

ありがとうございました。やはり今回の法律というのは、ただ単に一つの分野を有するのではなくて、いろいろな複合的な要因をしっかりと包括していかなければいけない。一方で言いますと、全ての分野の脱炭素の権限を有しているというわけではないというお三方の皆様のお話を聞かせていただきますと、全ての分野の権限というものはある時もあればない分野という部分、それから先ほど言いました人材の専門性の部分のことについても大切だということもよくわかりました。ありがとうございます。それで、次に高村参考人にちょっとお伺いしたいんですが、実は20年ほど前、2005年に亀山康子先生と地球温暖化交渉の行方という著書がありました。京都議定書の第一約束期間後の国際制度設計をしっかりと展望するということがありました。あの時に、京都議定書の第一約束期間ができましてから、それから国際炭素税のことについても提案をされておりました。EUでは新たな試みをされておりますし、実際、2026年から排出量に応じて実際の課税が行われるんですが、この20年前の先生が著書を書かれた時と現在と、そして今の日本にどういうふうに当てはめていけばいいのか、ご視察をいただけたらと思います。

1:01:34

高村参考人。

1:01:36

加田先生、ありがとうございます。大変光栄です。ありがとうございます。2005年、ちょうど京都議定書の約束が始まる前に書かせていただいたものですけれども、その上で、とりわけ当時中国を中心に排出量が急に増えてきていた時期で、京都議定書の仕組みに加えて、あるいはそれに変えて、どういう国際的な制度が必要かという議論をしていた時期でございます。それから約20年ほど経ちまして、私自身ずいぶんこの気候変動対策が変わってきたというふうに思います。もちろん条約も京都議定書中心からパリ協定に変わりましたけれども、先生方もおそらくお感じのように、国の役割というのも非常に重要である。特にどういう方向で気候変動対策を進めていくかということを明確に示すということが非常に重要になってきているということでありますけれども、加えて、とりわけ企業、それから金融がこの気候変動対策を自らのリスクとして、逆にビジネスの機会として捉えて取り組みを進めるようになったというのが、おそらくこの20年の中で最も大きな変化ではないかというふうに思っております。そういう意味で先ほど国が大きな方向性を示すことが重要だというのは、もちろん国民に対して政策としてということもありますが、まさに今GXの戦略の中でも示されていると思いますけれども、そうすることで企業が脱炭素の社会経済の構造に変えていくための経営方針を立て、投資の戦略をつくるという意味で国の役割と国が大きな方向性を明確に示していくということが重要になっているかと思います。今回、特に地域の脱炭素について、地域の対策を進めることが地域の経済にとってもプラスになるという側面を強調させていただいたのは、そういう状況の違いでございまして、脱炭素の電源がある地域に立地が集まっていく、あるいは取引先も脱炭素経営が求められるようになってきますと、まさにこの地域の脱炭素をうまく進めていくということが、地域の企業、地域の経済にとってプラスになると。この条件をやはりうまくつくっていくというのが、まさに先生方に今回の法改正の折でも期待をしている点でございます。ありがとうございます。田田博之君。ありがとうございます。やはり当時といいますと、やはり環境というのは経済というものを規制するというようなイメージがありました。そしてまた実際そういうところの面もありました。ただ先ほど先生からお話いただいたように、これは経済と環境の好循環というものをしっかりと生み出していく、それが引いては経済発展につながっていく、私はそういう形でしっかりとまた誘導していきたいと思っておりますし、今回の法案もそういうものに資するようにしていきたいと思っております。時間になりますので以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

1:05:09

田島真彦君。

1:05:13

立憲民主社民の田島真彦でございます。本日は法案審議の観点からも本当にためになるお話を参考にの皆様本当にどうもありがとうございました。私からはですね、まず高村参考人に対して二国間クレジットJCMについて伺いたいと思います。特にですね、この途上国やパートナー国のこの排出削減のこの正確性ですよね、これについて伺いたいと思うんですね。参考人の先生は7ページにですね、29カ国というのをリストをつけておられまして、私はこの中にかなりこの国に行ったことがありますし、ラオスについて4年間仕事で済みまして、国連の仕事で政府に対する能力開発ということもやらせていただいて、ラオス政府がどのようなコンプライアンスの気持ちを持っていて、どのような能力があるかというのをつぶさに知る機会というのを得ているんですが、この温室硬化ガスの排出削減の吸収量というのをしっかり測定するということは、この制度にとってやはり要であるというふうに思うんですね。29カ国、随分力の差というのもあるのかなと思うんですが、どのように我々はこの2国間クレジットの正確性を担保していくべきか、まず伺いたいと思います。

1:06:40

高村参考人。

1:06:42

田島先生どうもご質問ありがとうございます。先生ご指摘になった排出削減量を正確に、これはクレジットがどれだけ発行できるかということですけれども、その前提として、この国々、これらの国で、あるいは事業を行うことによって、国でどれだけの排出がされる。同時にその事業によってどれだけ排出が削減されるか、これをしっかり把握ができるということが、このクレジット制度、JCMだけでなく、クレジット発行する制度の基礎であるというふうに思います。この2国間クレジット制度の今回拡充が私自身は必要だと思い、そのための体制整備が必要だというふうに思っておりますけれども、先生ご指摘の点は、私今回申し損ねたところですけれども、まさにその排出量自身をしっかり把握ができる、これらの国がですね、そういう能力をつけるということがクレジット制度の前提になるものですから、このJCMの取り組みというのは、そういう能力をこの国、これこれパートナー国においてつけていく、そういうキャパシティビルディングの取り組みの一環でもあるというふうに思います。ここである29カ国以外でも、まだそうした能力がないと言いましょうか、排出量の管理をする力が足りていない国というのもございますので、その意味でも、このJCMというのが、やはり適切に広がっていくということが重要だというふうに思っております。

1:08:27

田島まい子君。

1:08:28

はい、ありがとうございます。今後ですね、例えばODA等を通じて、日本政府がこうしたパートナー国に対して、この温室効果ガスの吸収量、排出削減量等をきちんと正確に測定していくことに使っていく、このようなことについて、高村さんにどのようにお考えですか。高村さんに。ありがとうございます。今、田島先生からご指摘あった公的な外来支援、こうしたキャパシティビルディング、能力構築に使っていくというのは、私は賛成であり、適切に必要だと思っております。一つには、このJCMに限ってみても、そうした能力構築は必要でありますけれども、その国々が、これから多くが途上国ですけれども、自らの力で自分たちの排出がどうなっているかを把握をして、どういうふうにネットゼロ、カーボンニュートラルに向かっていくかということを計画を立てる、そういう発展のあり方というのを実現するという点でも重要だと思います。もう一つは、特にこちら、アジアの国々が多くございますけれども、これらの国々は日本の企業にとっても、マーケットであると同時にサプライチェーンを置いている、そうした地域でございます。その意味で、先ほど脱炭素系が求められる、こうした世界的潮流の中では、日本の企業がサプライチェーン、バリューチェーン全体の排出量の把握も求められていますので、日本の企業にとってもプラスになる、そういう能力構築を、これらの国々で測られるということは、日本の企業にとってもプラスになるというふうに思っています。田島まい子君 ありがとうございます。次に、山岸参考人に伺いたいと思います。国連のこうした会合にも出ておられて、私は非常に尊敬の気持ちをお伝えしたいんですが、山岸参考人については、私は生物多様性、ネイチャーポジティブ、この間も法案の審議あったんですけれども、ネイチャーポジティブとそれからカーボンニュートラルの同時の実現について伺いたいというふうに思うんですね。この本法案では、地域脱炭素化促進事業制度等における都道府県の関与を強化しているということになっていますが、一方で、サイエネの導入拡大については、生物多様性と自然環境への影響も懸念されるということだと思うんです。今後、地域でのサイエネの導入に関して、おっしゃったように、生物多様性、ネイチャーポジティブとそれからカーボンニュートラルを同時に実現するために有効な取り組みがあれば教えていただきたいと思います。

1:11:17

山岸参考人

1:11:20

ありがとうございます。まさに議員がおっしゃってくださった通り、この2つを同時達成していくということは、日本にとっても極めて重要であると考えております。そのためには、かなり地道な取り組みになってしまうので、非常に面白くはないかもしれませんが、地域の生物多様性の情報についてしっかりと整備していくことが大事だと考えています。なぜかと申しますと、地域で実際に再生可能エネルギーをどこに建てていいのか、作っていいのかを検討する際に、生物多様性が豊かな場所を割きましょうとなったときに、一番課題になるのは、実はそもそもどこに相位した、例えば希少な生物がいるのかという情報が、この大学の先生に聞けばあるけれども、使いやすい形ではないとかですね。いろんな形で情報が偏在しているケースがございます。そういうものをしっかりとまとめておける状態で、それをいざ作ろうと思ったときに、ゼロから始める状態ですと、なかなか難しいということがございます。これは環境アセス一般に共通する課題ではあるんですけれども、事業を始めようと思ったときに、ようやくここの調査が始まるというような状態ですと、どこを守っていいのかといったことが、まず把握できなかったりします。また、そういったことで守らなきゃいけない場所、重点を置いて守らなきゃいけない場所を、あらかじめ市町村とか都道府県のレベルでしっかりと把握できておく。それは必ずしも、もうすでに法律とかで定められている国立国庭公園であるとか、自然公園とかといった場所だけに限らずですね、しっかりと把握、事前に把握しておくこと。その中で、あえてここを扱って、よく環境アセスの業界などでは空間利用計画などとも呼ばれますけれども、そういったものをあらかじめやっておくことが、ひるがえて再生可能エネルギー等々を導入しようとしていたときに、ここだったら地域の理解もすでにあるんだよねといったことにつながっていくのかなというふうに考えております。

1:13:33

田島まい子君

1:13:35

ありがとうございます。ついにですね、深草参考人について市民参画について伺いたいというふうに思うんですけれども、先ほどお話の中で大きなプロジェクトをやるためには、住民の皆さんの理解が必要で、それには長い時間がかかるとおっしゃっていたことを、私非常にその通りだなというふうに思いました。この市民参画についてなんですけれども、カーボンニュートラルな実現に大きな社会の変化ということが必要で、こうした変化を起こすためには、いろいろなステークホルダーの皆さんとの対話がそれこそ必要であるというふうに思うんですね。この気候変動に関する政策プロセスの市民参加について、まずどのように我々は進めていくべきかご意見伺いたいと思います。

1:14:18

深草参考人

1:14:20

ご質問ありがとうございます。まさに市民参画の点は、衆議院の参考人に呼ばれていらっしゃった方もお話しされていたと思うんですけれども、日本の気候変動政策、やはりエネルギー政策が先に決まり、そしてそれに合わせる形で気候変動政策が決まっていくような形であるというふうに私は理解しています。また、最近エネルギー基本計画の改定プロセスが始まったかと思いますけれども、やはりそういった委員会の面々を見ますと、若者ですとか女性、そういった層が非常に少なく、それについての問題点というのはこれまでも指摘されていたかと思います。また、厚生委員の選定プロセスというのも明らかにされておらず、まずそういったところを変えていくということも必要かと思います。

1:15:20

田島麻衣子君

1:15:21

ありがとうございます。今、女性、若者というお話が出ましたが、若者、日本のこの若者の皆さんに対して、こうした環境問題にもっと興味を持っていただくためには、我々は一体何をしたらいいんでしょうか。もしよろしかったら教えていただきたいと思います。

1:15:37

深草参考人

1:15:38

ご質問ありがとうございます。すでに環境問題に非常に関心の高い若い方は増えていると思います。本当に個人的な思いになるんですけれども、むしろ若いからといって、やはり気候危機が加速している。そして、よりこれから深刻になってくる。これを取り組まなきゃいけないのは若者なんだと、非常に若者に負担になっているのではないかということも同時に心配しています。もちろんこれからもっともっとたくさんの人が参加することも必要だと思うんですが、率先して大人が行動するという姿勢を見せることが最も重要ではないかと思います。以上です。

1:16:21

田島麻衣子君

1:16:22

大人が率先して行動を見せる。これはまさに政治家である我々に対しても当てはまることだと思うので、ありがとうございます。次に山岸参考人に伺いたいというふうに思うんですが、市民参画と少し共通する部分はあると思うんですが、国民の意識について伺いたいと思うんですね。この本法律案でもですね、ライフサイクル全体で排出量の少ない製品等の選択や、ライフスタイルの転換を国民に促す規定というのを整備してあると思うんですが、環境省、例えばデコカツ等を展開されてますが、なかなか認知度が低くて、道行く人々にこれ知ってますかと言っても知っているという方というのはなかなかいらっしゃらないのではないかなというふうに思うんですね。こうした国民の意識に対して、どのように国民の理解を醸成して行動変容につなげていくべきか、もし何か教えていただけることがあれば伺いたいと思います。

1:17:22

山岸参考人

1:17:24

ありがとうございます。これは非常に難しい問題でして、私ども環境NGOとしても一般の方々に対してどのように分かりやすく訴求するのが一番ベストなのかという点には日々頭を悩ましております。ですが、この場は国会の場ですので、ぜひ議員の先生方にお願いをしたいのは、いずれ選挙が来た時にはぜひ公約の中にこの問題を掲げていただきたい。やはりそれがこの問題がそれだけ重要な問題であるということを国民に対して問う姿勢にもつながっていくと思います。もし、皆様がこの問題を公約の中に含めないような状態がずっと続くのであれば、この問題は国政においても大事ではないという国民に対するメッセージになってしまいますので、ぜひそこをお願いをしたいなというふうに考えております。

1:18:16

田島まい子君

1:18:18

ありがとうございます。公約に掲げたらどうかということをアドバイスいただきました。最後にですね、高村参考人に伺いたいというふうに思います。気候変動に関する法政策のあり方について伺いたいというふうに思うんですけれども、この地球沸騰化とも呼ばれる今危機的な状況に見ますと、1.5度目標に対応した法体系を見直すことが必要であるのではないかというふうに思いますが、我が国の気候変動に関する法政策の課題や温帯法が果たすべき役割など、カーボンニュートラル実現に向けた我が国の法政策のあり方について教えていただければと思います。

1:18:59

高村参考人

1:19:01

立山先生どうもありがとうございます。大変大きなご質問をいただきました。この1.5度目標、これは2050年カーボンニュートラルとも整合するわけですけれども、現在、先ほど意見陳述の際にもご紹介したように、その目標は明確に温帯法の中に書いていただいております。これをやはり具体的にどういうふうに実現をしていくか、今これは地球温暖化対策計画の中で具体化をしておりますけれども、1.5度目標、あるいはその2050年カーボンニュートラルに着実にやはり変わって、経済社会を変えていくためにどういう施策が必要かというのを、今改めてやはり検討するタイミングではないかと思います。ちょうど今、来年に提出をする2030年を超えた温暖化目標の議論が、国の中でも政府の中でも審議会で始まったところですけれども、この中で目標を、これは先ほど言いました1.5度と整合的な、カーボンニュートラルと整合的な目標を期待をいたしますし、同時にそれを実際に実現をする政策として何が必要かということを検討してまいりたいと思いますし、先生方のところでもご検討いただきたいと思っています。特に温帯法の役割という点をご指摘いただきましたけれども、やはり温暖化対策推進法は気候変動対策の基本理念も含めて要でございますので、先ほど言いました目標と整合的な形で諸政策、これは環境、地球温暖化対策推進法、所管官庁だけでなく、関わる対策、非常に多岐にまたがっていますので、これらの政策がしっかりこの目標と整合しているかということを確認をする、そうした役割を地球温暖化対策推進法が果たしていくような作りつけが必要ではないかというふうに考えています。

1:21:16

田島麻衣子君。

1:21:18

ありがとうございます。以上で終わりにいたします。ありがとうございました。

1:21:24

武谷俊子君。

1:21:26

コメントの武谷俊子でございます。本日は3人の参考人の方々に、大変深い洞察からのご視聴をいただいたというふうに思っております。心から感謝を申し上げます。まず、3人の先生方とも、化石燃料から脱却をして、できるだけ再生可能エネルギー、温暖化対策に資するエネルギーを入れて導入をしていくべきであるということは共通しているというふうに感じたところでございます。私もそのような思いを持って活動させていただいているところでございますが、この温暖化対策、計測が必要になってくるということで、温室効果ガスの削減量というところで、先ほどもグリーンウォッシュという言葉もございましたけれども、これをどうやって透明性、そして説明責任を果たしていくのかという制度ですね。この2国間クレジットはもちろんのこと、そもそも国内でも計測しておりますけれども、世界的にも計測されておりますけれども、グリーンウォッシュを防いでいかなければ、この制度自体が支持をされなくなってしまいますので、大変重要なご示唆だというふうに思っております。そこで、この透明性の高いガバナンスを作っていかなければいけないということだと思います。このグリーンウォッシュを防ぐための具体的な手立てですね。例えば海外ではこういうふうにやっているといったようなことですとか、また先進的な団体ではこのような計測とか、あるいは第三者からの評価というものも入ってくるかもしれませんけれども、そういうあるべきガバナンスについて何か参考になることがあれば教えていただきたいというふうに思います。これは3人の参考人の方々にお伺いしたいと思います。高村先生からお願いいたします。

1:23:59

高村参考人

1:24:01

高村先生どうもありがとうございます。もちろん国がしっかり排出量を測定し把握するということも重要ですけれども、先生のご質問、私なりに理解をしますと、とりわけやはり企業、それからJCMでいくと実施主体ですね。これらがどういう対応をしていくかという観点からお答えをさせていただこうと思っております。1つには、今回、地球温暖化対策水準法の改正の、本日私は大きく触れませんでしたけれども、今回の改正のもう1つのポイントとして、やはりライフサイクル全体の排出量が少ない製品、これらをしっかり選択がされるように促進するということが入っているかと思います。この間にやはり、社会の関心というのは、その製品を使ったときにどれだけ排出するかだけではなく、その製品が原材料の調達から最後使って廃棄されるまで、どういう環境負荷をもたらしているかということに大きな関心があるというふうに思います。もう1つは、先ほど田島先生から山岸参考人にご質問がありましたけれども、自然保護、あるいは自然の保全と気候変動を統合的にお互い両立させる形で同時達成していくといった、気候変動だけでない環境上の配慮、あるいは人権も含めて社会的な配慮というものを織り込んだ、1つは、やはり評価軸というものを作っていくということが必要かと思います。もう1つ、先生ご指摘になりましたグリーンウォッシング、特に現在EUやアメリカ、米国においては、企業の広報、それから製品サービスの宣伝活動に、こうしたしっかりしたサスナビリティの基準に耐える広報になっているかということに非常に大きな関心が寄せられています。これは先ほど言いました、真にやはり環境負荷がない、少ないものをしっかり普及していく上でも、こうした広報、宣伝のあり方というのは、1つやはり考えるべき施策の1つではないかというふうに思っております。以上でございます。では、岸産公認。ありがとうございます。私も主に企業分野における仕組みについて、いくつか事例をご紹介してお答え申し上げたいと思います。若干手前味噌になりますけれども、1つ大事なことは、基準を作っていくということがあるかなと思っております。国際標準での基準を作っていくということで。手前味噌にはなりますが、WWF自身が関与して設立した国際基準に、サイエンスベーストターゲットイニシャティブ、SBTIと呼ばれる国際基準がございます。これは、企業様が温暖化対策を掲げて、そして削減目標を掲げるときに、どのような形で掲げるのかが良いのかということに関して国際基準を設定したものでございます。こうしたものを、一定の基準を作って、それに合っているかどうかというものを見ていく。実は、昨年ベースで言いますと、このSBTIを認定している企業様の数で言うと、日本は世界一になりますので、そうした取組をさらに進めていくということが必要かなと感じてございます。もう一つは、先ほど来から話題になっているクレジットの観点。JCMは必ずしも企業様を相手にしたクレジットではございませんが、企業様のクレジット、ボランタリーカーボンマーケットとよく呼ばれますけれども、中に関しては、クレジットを作る側と、それから使う側、それぞれに対して国際基準が作られています。作る側は、長い名前なので若干省略をして言いますと、インテグリティカウンセルと呼ばれるところが、国際的な基準を今セットアップをしようとしているところでございます。使う側に関しては、VCMI、ボランタリーカーボンマーケットイニシアチブを略してVCMIと言うんですけれども、これが基準を作ろうとしています。両者ともに、WWFの視点から見ると、まだまだちょっと緩いんじゃないかなと思うところはあるんですけれども、そうした国際基準を意識していただくこと、日本の企業様にも重要になってくるのではないかなと考えております。以上でございます。

1:28:44

深草参考人

1:28:46

ご質問ありがとうございます。おっしゃる通り、本当に計測というのが第一歩であると思います。私も企業の目標設定等に対する提言ですとかに関わった経験で言いますと、もちろん計測も重要でそこが基礎なんですけれども、その上でいかにパリ協定と整合した目標設定を行うのか、先ほどSBTIの話もありましたが、そしてその目標をどのように達成していくのかということがしっかりと情報開示されていることが重要だと思います。日本のトランジションの問題もあるかと思うんですが、いかにトランジションというのがどれくらい時間がかかるのか、いずれここに行くというビジョンがあって、その間のトランジションということだと思うんですけれども、多くの企業やまた日本のトランジションファイナンスといったものを見ると、いったいいつまでトランジションにかかるのか、そのための技術というのは本当に脱炭素化にするのかということがおりに疑問に思うことです。ですので、計測というのがあって、そして価格に整合した目標設定、そしてそれをどう達成しようとしているのかというところがしっかり検証できるような情報開示というのが行えることが重要ではないかと思います。

1:30:10

タケヤトシコ君。

1:30:12

はい、委員長。ありがとうございます。そして、この再エネですね、脱炭素化にする、また再エネ、小エネ技術もかつて日本は非常に高い、今国際競争力が低下しているのかもしれませんけれども、それでも高い技術を持っているというふうにも思っております。また、ペロブスカイトとか太陽光の発電でも、日本独自の技術というものも企業さんたちが頑張っておられます。幼女風力発電とかも、今頑張っているというふうに思っているところでございますけれども、まだ課題がある。また太陽光なども本当に推進すべきと思っていますけれども、景観を損ねる問題であるとか、環境との共存ということで、いろんなところで問題が起きている面もあるわけでございますけれども、この再エネ、小エネ、もっともっと国内でも普及させて、そして海外でも優れた技術があるのであれば、それを展開して貢献をしていくということ、大変重要だと思っているんですけれども、先生方、大変、再エネ、小エネ等の技術分野にも大変お詳しいというふうに思いますので、これは有望であるというふうに、また現実的に導入可能性があるというものについて、ご視察をいただければと思います。こちらも3人の先生に伺いたいと思います。

1:31:50

高村参考人。

1:31:52

武井大輔先生、ありがとうございます。再生可能エネルギーの最大限導入、それから小エネはファーストフエル、一番エネルギーの分野でも温暖化対策としても非常に重要な資源だというふうに思ってまして、先生が申し上げましたけれども、日本の高効率の電気電子機器ですとか、あるいは昨今ですとヒートポンプなどですね、非常に有望な技術、今でも使える、今から拡幅をして使える技術もたくさんあるかと思います。今回お示ししたJCMのプロジェクトも、こうした小エネあるいは再エネの事業というのがかなりの分々を占めているというふうに思ってまして、JCMの拡大というのをそういう意味でも支援を拡充をしていただきたいと思っている次第です。さまざまな技術がございますけれども、特に再生可能エネルギーについて申し上げますと、足元でいきますとむしろ技術以上にですね、意外に地域と共生して、先ほど先生もおっしゃいました環境ですとか地域の方の受け止めをどうやって醸成していくかというのが実際に大きな課題になっていると日本については思っております。例えば太陽光にしても、それからこの間の着照式の余剰風力のコストも随分下がっておりまして、世界よりは少し高いですけれども、それでもかなりコストが下がっております。そういう意味で、今回の地域共生型の再エネをしっかり地域に比喩した形で、地域が納得して受け入れ可能な形で進めていく方策としての法改正について賛同する理由でもございます。同時に次の世代の再エネと申し上げますと、今先生もおっしゃいました次世代型太陽光、それから特に今回、領海を超える外海での不体識の余剰風力というのは、日本のエネルギーの転換、脱炭素化にとって要になってくると思いますので、今ある技術の普及と、従って地域共生型の技術の普及と、新しい技術の開発に注力をする、そうした政府の施策を期待しております。

1:34:21

山岸参考人

1:34:23

ありがとうございます。いくつかの分野について、やや掛け足になりますけれども言及させていただければと思います。まず再エネに関しましては、先ほどの高村参考人のご意見の中でもちょっと出てきておりましたけれども、いわゆる太陽光につきましては、建物の屋根であるとか、あるいはペロブスカイトが普及した暁には壁面であるといった分野というのは、より持続可能な形で導入できる場所、そしてAの型の太陽光発電の導入なども、今のままですと、例えば、農地法との関連でなかなかやりにくい部分もあったりしますので、そういったところをうまく乗り越えて、より広がっていくと、より小規模だけれども数は多い再エネというのも増やしていけるのではないかというふうに考えています。二つ目といたしましては、省エネの分野。これ、過去数年になってようやく取り組みが広まり始めていますけれども、家の断熱ですね。建築物の断熱については、日本は規制がすごく遅れていて、車の燃費は気にするけれども、家の燃費は皆さん気にしないとよく揶揄されておりましたけれども、この辺はより広めていくということもかなり省エネの分野では大事な分野でございます。あと工場でいうと地道なところですと、意外とまだ日本が競争力を持っているところとしては、モーターの分野とかですね、これはかなり重要な分野で広めていく。そして日本がまだ技術力があるという分野としては重要かなと思います。ややちょっとかき足になりましたけれども、私の意見とさせていただきます。

1:36:00

深草参考人。

1:36:01

はい、ありがとうございます。2方がおっしゃった通り、私も地域共生型の再エネ、太陽光や風力等が日本でも、そして海外でも必要だと思っております。日本政府はアジアゼロエミッションコミュニティという取り組みを進めていらっしゃいまして、その中でアジアの現実的な脱炭素化ということで、もちろん再エネも入っているんですけれども、この中でアーモニア根性や水素根性といった、むしろ既存の化石燃料の利用を促進するような取り組みも含まれています。こういったものに対しては、アジアの市民社会から反対の声が出ているんですけれども、何を日本政府にやはり彼らのメッセージと言っているかと言いますと、やはりそういったものではなく再エネの支援をということをアジアの市民社会も訴えているかと思います。そういったところに日本への期待はあると思います。以上です。

1:36:56

タケヤトシコ君。

1:36:57

大変にありがとうございました。

1:37:00

梅村みずほ君。

1:37:07

日本維新の会、教育無償化を実現する会の梅村みずほと申します。3名の参考人の先生方、本日は広いご知見からお言葉を賜りましてありがとうございます。まず、高村参考人にお伺いしたく思います。参議院の資源エネルギー調査会でもお話を聞かせていただきまして、その際もありがとうございました。日本管クレジット、JCMですけれども、私も期待はしている制度ではあるんですけれども、パートナー国との信頼関係の上に構築されるものであるという大前提があるかと思います。当然、透明性の高い契約等が必要であり、例えば数字に関しましても課題になることがないように、本当にCO2排出削減がなされているのかどうかの検証等も必要になってくるかと思います。その際にですね、契約の取決めというのが非常に重要であるというふうに考えております。先生もお話の中でも少し、契約時のこともあったかと思いますけれども、特に今後パートナー国と日本の様々な団体が契約等を結ぶにあたって、明確にすべき点あるいは留意点などございましたら教えていただきたいと思います。

1:38:28

高村参考人

1:38:30

梅村先生、どうもありがとうございます。先生おっしゃったパートナー国との信頼関係、これは特に今JCMの関係に関して言いますと、やはり先ほど議論でもご発言申し上げましたけれども、日本は農業機能を構築しながら、しかしやはり削減の事業を行って、その削減料を場合によっては日本に移転をしていただくということが必要になるかと思います。その中でどのような形で、これ二国間で、形態としては様々な形でお約束をされていると理解しておりますけれども、やはり今、この環境委員会の議論でも出ておりましたように、日本としてやはり質の高いクレジットが相手国において発行がされるような形での合意というのを期待しております。例えば、先ほどからも議論ございました、相手国の排出量の把握の仕組みですね。こうしたものをしっかりとした基盤として作っていくと、これは日本の支援をしていくということも含めて、可能性も含めてですけれども、留意をすべき点ではないかと思います。さらに、本日質の高い炭素市場の方向に、G7でも目指す方向が示されておりますけれども、その中にあります、例えば1.5度目標との整合性、

1:40:44

以上です。

1:40:46

梅村みずほく君

1:40:47

ありがとうございます。おっしゃるように、排出量の把握の仕組みというのが非常に重要だと思っておりまして、そういった観点からも、パートナー国にとっても、我が国にとっても、透明で公平、公正であるということが非常に重要であり、検証や情報開示も含めて、キーであるというふうに認識しております。また、1.5度目標の整合性ですね。こちらも着実に目標に本来あるべきゴールに向かっているのかどうかというところを、両国間で共有をするということが非常に重要であると、初動が大切というのはあらゆる分野で言えることですけれども、このJCMにおいても言えることだと思います。一方で、我が国も、この我が国の持ち得る技術であるとか、知識、経験を持って国際的に貢献をしていこうとするところでもあるんですけれども、やはりこのクレジットが認められるというところは、一種国際的な競争の側面もあるのではないかというふうに思っております。当然、日本以外の脱炭素先進国、我が国はちょっと脱炭素先進国とは言い難い現状に残念ながらあるわけなんですけれども、そういった国々もですね、様々なパートナー国とともに契約を結んでいくと、その中で日本がアドバンテージを取っていくためにはどのようなことが必要であるのかお伺いしたいと思います。

1:42:05

高村参考人

1:42:07

梅村先生ありがとうございます。これは国際的なパートナー国、多くは途上国ですけれども、この脱炭素に向かう支援をどういうふうに日本として戦略的に行っていくかということをお尋ねいただいているというふうに思っております。日本はご存知のとおり、例えばODAベースでいきましても、世界で第3番目のドナー、そのうちの6割がアジア、これは中東除く、とりわけアセアン地域ですけれどもに、ODAを支援をしています。そういう意味では日本の国際社会における、とりわけアジア地域での存在感って非常に大きなものがあると思ってまして、その意味でこのJCMというのも、日本の脱炭素分野での国際社会をリードするようなものとして発展をしていってほしいというふうに思っています。特に本日の意見の中でも申し上げましたけれども、質の高いクレジットということ、あるいはそれを生み出すクレジットの仕組みということについて、高く評価する動きが、これは民間でもそうですし、政策の方向性としても、とりわけ先進主要国の方向性として示されているので、この質を維持しながら、そこに日本の役割を発揮をしていただきたいと思っています。すみません、少し長くなってしまって、一つやはり重要なのは日本がこの間、とりわけアジア地域において、アジアの実情に応じて、しかしアジアがより良い方向で発展をするように支援をしてきたという実績があると思ってまして、これを気候変動の文脈でも、先ほど気候変動にレジリエントなと申し上げましたけれども、対象となる国の能力が自ら自分の力で良い気候変動にレジリエントな発展ができるような計画をつくって、その一助となるような、そうしたJCMであってほしいというふうに思っています。

1:44:27

梅村みずほ君。

1:44:29

ありがとうございます。国際的な目標、国内の目標、いろいろありますけれども、我が国も我が国で様々な目標を定めていて、なかなかですね、この再エネ促進等を積極的に進めることで、本来国内だけで脱炭素の目標を達成すべきであるというのは、あるべき論で言うと私もそのように思っています。けれどもなかなか1年1年過ぎていく中でですね、これはまずいぞという状況にはなってきて、そういった時に、ほらこんなに他国に助けていますよということをこちらに提供するというふうに、本末転倒になってはいけないなというふうに思っております。そういった危惧を抱いている国民も多いと思いますし、おそらく山岸参考人や深草参考人もそういうふうに、他国からいただいてくるというのではなくて、我が国で脱炭素を達成するってどれだけ強い気持ちがあるのかって思っていらっしゃる部分もあるのかなと思っておりますけれども、他国から排出量を搾取するのではなくて、アシストをして自立をしていただくっていうのが、あくまでも目的であるというところを忘れてはいけないというふうに思っております。ありがとうございます。続いて山岸参考人にお伺いしたく思います。実は山岸参考人と私同窓でございまして、1997年に立命館大学に入学をして2001年に卒業していると、そして97年には京都議定書が採択をされて、国際関係学部であった山岸参考人は加盟を受けられたというようなことも資料で拝見しましたけれども、私もあの時京都に身を置いておりまして、このような将来に向けてのポジティブな国際会合が近くで行われているんだというのは大変大きなインパクトがございました。ですので、こういったWWFジャパンの中で大きな役割を担われている参考人に勝手に親近感を抱きながら応援している立場でもあるんですけれども、ちょっと質問をさせていただきたいと思っております。資料拝見しますとですね、先月WWFジャパンさんから出されました2035年60%以上の温室効果ガス削減を可能とする2035年エネルギーミックスとNDC提案というところで、石炭火力は2030年までに全廃止、その穴埋めには既存のガス火力、LNGで十分だというような項目が2番目にありまして、非常にそれであればいいなというふうに私も期待をするところではあるんですけれども、さわさりながらLNGもやはり価格変動リスクというものに常にさらされる側面がありまして、私ども政治家としては国内の国民や事業者がですね、冷やがってしまってはいけないということで、ヨーロッパで起こっているような電力価格の高騰というものを避けるという視点が不可欠になってくるわけなんですが、そのあたりのリスクについてはどのようにお考えかお聞かせいただければ幸いでございます。

1:47:29

山岸参考人

1:47:31

はい、ありがとうございます。ご質問につきまして、確かにですね、LNGに関して過度に頼りすぎることで、価格変動のリスクを被るのではないかという点はリスクとしては存在すると思っております。そのリスクに関しては、やはり第一のエネルギーである省エネの部分でカバーをしたりとか、多様な手段で何とか乗り越えていくしかないというふうに考えておりますが、ちょっと忘れてはならない視点としましては、そもそも今、例えば、過去数年間に及ぶエネルギー価格の変動等において、我が影響を受けているそもそもの根本原因としては、私たちが化石燃料に依存をしたエネルギーシステムを維持しているからということでございます。ですからこれに対しての根本解決策というのは基本的に再生可能エネルギー主体の経済に移行していかない限りにおいては、これはずっと未来永劫続いてしまうということになります。なので、エネルギー価格の変動が嫌であればこそ、その再生可能エネルギー中心のエネルギー体制にシフトしていくことこそが最終的な解決解というふうに考えております。なので、確かにリスクは途中では発生しますし、そこをどうにかして乗り越えるために他所、他の手段に頼らなければならないところはあるかもしれませんが、基本路線が最終的にはそこなんだと。再生可能エネルギー中心のエネルギー体制などというところをブレずにやっていけるかどうかが鍵だというふうに考えてございます。小村/ありがとうございます。非常に名付けるところが多く、気持ちは同じであろうと思っております。また、法案からは少しずれてしまうかもしれませんけれども、山岸参考人と深草参考人にお伺いしたく思います。まず、この農業機能の供給について、まずは国民の要望についてお伺いします。まず、国民の要望についてお伺いします。まず、国民の要望についてお伺いします。山岸/ありがとうございます。地熱発電に関しましては、日本でのポテンシャルは、現状量は少なくとももうちょっとあるはずだと考えております。ただし、地熱発電の適所というものが国立公園の近くにあったりするので、のほうずな開発は難しいというのが一つと、やはり最初の調査自体に、下手すると1億円単位で調査の費用がかかってしまうというところがかなりネックになっているかなと思いますが、他方で、おっしゃったように安定的な電源であるという利点は確かにあるので、地域の理解を得つつも、もうちょっと拡大をしていくということについては大賛成でございます。福岡さん/ありがとうございます。再生可能エネルギーの主力は太陽光と風力かなと私個人は思っているんですけれども、地熱を開発するにあたっては、環境アセスメントですとか地域への影響、そういったことをしっかり見ることが重要だと思います。海外において日本の企業が地熱の開発というのをそれなりにされているかと思うんですけれども、インドネシア等でやはり事故等も報告されていますので、いかに安全性を担保するか、そういったところを見た上で開発を進めるべきだというふうに思います。以上です。上村みずほ君/ありがとうございます。以上で質問を終了します。濱野よしふみ君/国民民主党の濱野よしふみでございます。本日は参考人の皆様方ごとにありがとうございます。まず、全ての参考人の皆様方に、総論的にお伺いしたいと思うんですけれども、私は、地球温暖化対策の鍵は、優れた技術の開発普及であろうというふうに考えております。例えば、鉄鋼分野においては、石炭還元から水素還元という形に転換ができるのかどうか、開発が必要だと。そして、既に研究開発されている優れた技術、高村参考人もヒートポンプということを挙げられましたけれども、そういう技術を普及させていくということが鍵であろうかと思うんですね。そうしたときに、研究開発を生み出すためには、経済の安定成長が極めて大事であって、それにしっかり留意をした上で、地球温暖化対策を考えていく必要があるのではないかと思うんですね。そのような考え方について、参考人の皆様方はどのようにお考えになるのか、まずお伺いしたいと思います。高村参考人から順番にお願いします。高村参考人、ありがとうございます。濱野先生、どうもありがとうございます。技術が気候変動問題の解決に果たす役割、大変大きいものというふうに考えています。この気候変動対策が、例えば今、再生可能エネルギーのお話が出てきましたけれども、技術の革新と政策の後押しによって普及をすることで、さらにコストが下がる。それによって普及をすることができる。これは今、蓄電池でも同じような状況が生まれてきているかと思います。こうした技術開発の担い手というのは、やはり民間の企業が大きな役割を果たしていると思います。もちろん、基礎的な研究において国の支援というのが極めて重要でありますけれども、特に応用していく、実際に市場化をしていくという意味でいくと、企業の役割が非常に大きい。この企業のこうした脱炭素に資する技術を開発していくときに、この間、企業の皆様からGI基金での技術開発のお話を伺ったときに、非常に強くおっしゃいますのは、将来、こちらの脱炭素の方向に国は政策を取っていくし、ということの明確化というのを期待をされます。技術開発が得てして非常に長いスパンでの時間がかかることを考えたときに、企業がやはり経営として、そこに投資をするという判断をするためには、将来、こちらの方向に国が日本の経済社会を運営していくというダイレクションを示してほしいということをおっしゃいます。その意味で、こうした優れた技術の開発普及を行っていくときの国の役割、特に長期的な方向性を示すこと、そしてもう一つ、この間おっしゃるのは、そうした技術がしっかり市場で価値を持つようなマーケットのルールを作ってほしい。これは、排出をしない製品やサービス、技術に対して、他の排出をしてしまう同じような類似の技術、製品、サービスよりも比較有意に立つような、そうしたマーケット、例えばカーボンプライシングの議論がありますけれども、こうした仕組みをうまく使っていくということが、こうした企業の技術開発普及を進めていく、鍵になるのではないかと思っております。以上です。

1:55:59

山岸参考人。

1:56:01

ありがとうございます。おっしゃられたとおり、優れた技術を開発して、そして普及をさせていくためには、経済が安定的に成長していることについては、一般論としてはその通りかな、全くその通りかなと思っております。他方でもう一つ必要なことがあるかなと思っておりまして、それはその技術が社会にとって必要であるという状況を、極めてわかりやすく、政策であったり環境が示していることかなと思っております。それは、この二つが難しいのは、相反するときがたまにあるからだと思っております。今、高村議員が言及してくださったカーボンプライシングは、ともすれば現時点では負担になるので、その負担があることが技術開発の妨げになるのではないかというような意見もあります。でも実際、そのような主張を持ってカーボンプライシングの導入を遅らせてきた2、30年間が今の現状を生んでいる。国際的に脱炭素の分野で、勝てるはずであった分野において劣化してしまうというような状況を生んでいるので、やはりカーボンプライシングが示すのは、その技術があることが世の中で必要とされているということを明示的に示すことだと思っておりますので、そうした政策、カーボンプライシングに限ったものではないですけれども、必要性を明示するような政策というのがやはり必要であるというふうに考えてございます。

1:57:25

深草参考人

1:57:27

はい、ご質問ありがとうございます。すでにある優れた技術を広げていくということは本当に重要だと思います。先ほど高村参考人がおっしゃられたように、市場で価値を持つようなマーケットのルール、現在環境負荷が外部化されて、むしろ環境負荷が大きいようなものが安く手に入ったりですとか、そういった現状もあるかと思います。そういったルールの部分での対策というのも必要だと思います。また、これから必要になってくる技術というのももちろんあると思うんですけれども、気候変動対策上、やはり重要なのは時間軸も重要だと思います。今すでにある技術ではなくて、今後時間をかけて開発していくと非常にジレンマはあると思います。開発に時間がかかり、そこに支援も必要だということもあると思うんですけれども、例えばCCS事業法の議論でも、いつまで政策支援を続けるのかというのも論点であったと思います。2030年までの排出の深掘り、2050年までのネットゼロを考えると、現在の政策の在り方では、政策支援をずっと続けないと成り立たないのではないかという懸念点もありました。そういった視点も判断の上では重要かと思います。以上です。次に、高村参考人と山岸参考人、お二人にお伺いしたいと思うんですけれども、二国間クレジット制度、JCMについてお伺いしたいと思うんです。高村参考人の資料にもありますように、7ページ、日本は既に29カ国と協力し合って、こういう枠組みを活用しているということです。私の知るところでは、国際的にこれぐらい積極的に活用しているという国は、他にはないのではないかと思うんです。なぜそういうことになっているのかということなんですけれども、私の理解するところでは、やはりその排出削減のコストが、日本が一律しく他国に比べて高いという現実背景があって、こういうことを事前の策的にやらざるを得ないという背景があるのではないかというふうに私は思うんですけれども、そのあたり、高村参考人、山口参考人はどうお考えかお願いいたします。

2:00:12

高村参考人

2:00:14

濵地先生ありがとうございます。JCMを、2国間のクレジット制度を国が立ち上げられる、多分一つのきっかけとなったのが、京都議定書の後の国際的な仕組みの中で、国連管理型のクレジット制度に加えて、2国間での協力をこうした取り組みに結びつけていけないかという発想を持って取り組みを始められたと理解をしております。先ほど何かの先生からご指摘があったところでありますけれども、日本の、とりわけアジア地域における国際支援を具体的に進める一つの方策ということがあったかと思います。もう一つは、今先生がご指摘になった排出削減のコストというのは潜在的にあるというふうに思います。日本の排出削減の限界費用と、それからこれらの国の費用を比べたときに、相対的に安い、そういう意味では同じ費用をかけて多くの削減ができるという、そういうものをどうやって具体的に世界の排出削減に貢献していくかという、そうした発想がもう一つこのJCMの背景にはあったというふうに思っております。以上です。

2:01:47

山岸参考人

2:01:49

はい。ご質問ありがとうございました。今の高村先生のお答えにも若干被ってしまうんですけれども、日本政府が目指したのは、このパリ協定の下で二通りの道がありました。一つはJCMのように、二国間で一生懸命制度を作っていく道。もう一つは国連の下で、まるっと作ったものの中でその仕組みを使うという道。この二つの道のうち、前者の方がやりやすいと日本政府は判断をしたからです。それはその経験として、これも重なってしまいますけれども、京都議定書の時の国連開発メカニズムが日本政府にとっては若干使いにくかったという経験があるから、こちらの方がいいだろうということになりました。ただ、実際これまでの流れを見てみますと、29か国とそれぞれ別々に協定を結ぶというやり方が本当に一番効率的だったのかというところは、ひょっとしたら難しいところもあったのかなというふうには考えております。また、高い削減コストが背景にあったのだろうということも、おそらく日本政府のお考えとしてはおそらくあったと思います。それをどうにかして、より安い削減コストで済む途上国の削減料というものを活用したいという思惑はあったというのは確かだと思います。ただ、今世界的に削減料が足りていない状況下で、その理由だけでJCMOを今後も国際社会の理解を得ながら進められるかどうかは、難しい局面に差し掛かっているかなというふうに考えてございます。これで最後の質問にさせていただきますけれども、高村参考人にお伺いいたします。お示しいただいた参考資料の6ページにもありますように、排出資料が日本の場合は減ってきているということで、その資料の中には、エネルギー効率改善と再生化のエネルギー拡大が一貫した削減の要因であるという記述があるのですけれども、エネルギー効率改善と再生化のエネルギーの拡大が効いているということは私もそうだと思うのですけれども、それだけではなくして、国内の産業が海外に展開をして、いわゆるカーボンリーケージが起きているという側面もあるのだろうと思うのです。そのように、なぜ削減しているのかということを正確に把握した上で、今後の方策を考えていく必要があるのではないかというふうに問題意識を持つのですけれども、見解を伺いたいと思います。

2:04:37

濵地雅一君 ありがとうございます。削減、減少している排出量のトレンドの要因分析というのは先生御指摘のとおり、しっかりしていく必要があると思います。一つには、全体としての人口減のトレンドというのはエネルギーの需要を抑えている。あるいは、近年でいきますと、エネルギー価格の高騰がエネルギーの需要を抑える、そういう効果ももたらしていると思います。国内の産業の海外移転というのを具体的に、特に直近のところでは確認を私はしておりませんけれども、しかし他方で、国内で脱炭素の電力が供給をされないと、やはり海外での移転が必要になるというふうにおっしゃる産業というのは出てきていると思っていまして、その意味で、排出削減の排出が減少している要因というのをしっかり見ていくということとともに、エネルギーの転換をどういうふうに加速をしていくかということが、先生御指摘のカーボンリーケージ、国内の産業を海外に移してしまうということがないようにする、非常に重要な施策になってきていると思っております。はい、ありがとうございました。終わります。この際、委員の異動について御報告いたします。本日、白坂昭君が委員を辞任され、その補欠として石井純一君が占任されました。

2:06:18

山下芳樹君。

2:06:20

日本共産党の山下芳樹です。お三方ありがとうございます。また、気候変動対策について、さまざまに日頃から御提言をいただきありがとうございます。お二人とも、途上国内目標の外側で行うことが大事だという御主張だったと思いますが、さらに詳しく伺いたいのですが、その際に三つの観点で御意見いただきたい。一つは、気候変動の危機的現状という観点から、二つ目に気候正義という観点から、そして三つ目にそのほか何かお考えがあれば、御説明いただきたいのですが、いかがでしょうか。

2:07:05

山岸参考人。

2:07:07

ありがとうございます。三つの視点での御質問ありがとうございます。順番に、なるべく端的にお答え申し上げたいと思います。気候危機の観点で、一つ身近な事例と言いますか、ちょっと意外な事例を出させていただきますと、近年、パナマ運河の水位が間伐によってちょっと下がってしまっていて、そもそもパナマ運河を通れる船の数を減らすという措置が取られています。これは別に、気候変動の影響を受けた間伐のせいだけではなくて、当地での管理の不足といった問題もあるそうなんですけれども、一つ大きな背景として気候変動の影響といったものがあります。パナマ運河での通ることができる船の数が減れば、日本が輸送で使いたい船の数も減ってくるし、その時に果たして日本を優先してくれるのかどうかといったような問題も、日本向けの優先してくれるのかどうかといった問題も発生しえます。このような形で、気候変動の危機というのは、一体どのような形で我々の生活に降りかかってくるのかというのは、フルでは分かっていない部分があります。我々の経済安全保障自体に対しても大きな影響を与える問題ですので、このようなことを考えた時に、なかなか遠回りで恐縮ではございますが、世界全体の削減量をなるべく増やす方向でいかなければいけない。つまり、先ほどからの主張の繰り返しになりますけれども、JCMを国内削減目標の代替としてカウントしてしまえば、世界に対して持っている貢献度合いは、ありてに言えば46%削減目標から増えもしなければ減りもしないという状況になってしまいます。これをそのままでいいんでしょうか。足りない、足りないとみんな分かっているのに、ここにプラスをしなくていいんでしょうかということだと思っています。これが第一の観点から。第二の観点からは、これも難しい問題ではあるんですけれども、気候正義の観点から言いますと、やはり、途上国における安い削減機会を奪う可能性もあるということでございます。パリ協定の制度上、途上国でJCMをやった場合、その削減クレジットを日本に持ってきたら、少なくともその削減クレジット分は途上国で削減が起きていないということにしないといけないんです。これは当たり前ですけれども、それもし起きているとしてしまったら、同じに削減を2度カウントするということになってしまいますので、制度上必要な措置ではございます。ただ、逆に言えば、途上国における安い削減機会を、ひょっとしたら自分たちの発展の中でできたかもしれない削減機会を持ってきてしまう部分でもあるわけです。そこについては十分注意をして、助けるならいいです。助けるならいいけれども、日本のために使うために持ってくるのであと、問題がある部分も中にはあるかもしれないということは十分注意をして使う必要があると考えています。現状その問題が顕在化しているかといえば、そこまではないと思いますけれども、これからないとも限らないので十分注意をしていく必要があります。ちょっと話が長くなってしまいましたので、3番目について省略をさせていただきます。

2:10:22

深草参考人

2:10:24

はい、ご質問ありがとうございます。今、山岸参考人がおっしゃられたことに同意で、今、全ての国がNDCを提出して削減をやっていかないといけないわけですので、このように日本に削減分を持ってくるというのも、ぜひ、また自分たちの削減につながったかもしれないのにというのは、本当にそもそもオフセットのメカニズムを考える上で重要な視点ではないかなと思います。1点目の気候危機という観点でなんですけれども、やはりそもそもの議論として、どうしても削減できない部分をという前提があるかと思うんですが、今日話に出ていますように、日本の化石燃料依存に対する取り組みが本当に十分できているのかということは問題提起したいと思います。G7でもまたコップの場でも、化石燃料からの脱却というのはコミットされておりますし、また2035年までの対策の捉えていない石炭火力の廃止ということなんですけれども、日本政府の取り組みではそこまで深掘りした議論はされていないと私は理解しています。また、公的支援に関しても、G7の中で国際的な化石燃料事業に対する公的支援の停止というのを2022年末に行うということをエルマオのときにコミットしているかと思うんですが、日本政府は公的金融機関JBIC、NEXTが今も新規の化石燃料事業に融資を続けている状況です。その額は非常に大きなもので、既に気候変動の影響が出ている途上国にとって気候資金の拠出が許額に求められている中で、化石燃料には融資をするのに気候資金は少ないとなると、本当にできる努力をしているのかということは、問い、また行動の深掘りを足元でしていくべきだと思っています。以上です。山下:ありがとうございます。高村参考人に伺います。気候変動の危機的現状についてですが、先生の資料5ページ目の1.5度目標と削減目標、NDCのギャップ、各国の2030年削減目標を全て達成したとしても、1.5度目標達成の排出削減経路には乗らないという図を見れば、私はいつもゾッとするのですが、このギャップを人類社会は与えられた僅かな時間で克服することができるのだろうかということです。その点で先生にお伺いしたいのは、日本政府は時々、気候変動対策における国益という表現をすることがあります。私はこの図が示しているのは、各国政府の狭い意味での国益にとらわれている場合ではない。1.5度目標を達成できないと、人類の生存が危ぶんわれる状況になるわけですから、そうなってしまえば国益そのものが無意味になるということですので、私は気候変動対策においては、狭い意味での国益にとらわれるのではなくて、地球益を最優先とした行動が必要になっているのではないかと思いますが、高村先生のお考えを伺いたいと思います。高村参考人、山下先生どうもありがとうございます。このスライドの5番目にお示しをしているとおりでして、1.5度目標を達成する可能性がやはりごく小さくなってきているという科学者の大変強い懸念がございます。一部の若い世代には、諦め感、訂正感と言いましょうか、そうしたことを発言をする人たちもいます。気候変動対策について言いますと、一つ重要なのは、現在の状況でも気候変動に起因をする経済損失、人的な損失が日本にとっても極めて大きいという点です。2019年、覚えていらっしゃる先生方も多いかと思いますが、台風15号、防災期停電になった台風、台風19号、10月に参りましたが、この2つだけで250億ベイドルの経済損失です。亡くなりになった方も100名、昨年の熱中症による健康被害、5月から9月までで9万1000人を超えているわけです。そういう意味で、気候変動対策は、もちろん世界の課題である気候変動をどうするかという問題でもあるのですが、実は日本の国民の命と財産に大きく関わる問題になっていると思っています。これは、昨日先生がおっしゃる狭い意味での国益ではない意味でありますけれども、その意味で日本としてしっかりこの問題に対応する必要があると思います。もう一つ申し上げると、同時にやはり日本にとって、先ほどこのJCMが一つの例ですけれども、その国際貢献を日本にとってプラスになるような形で進めていく可能性というのは、これは私は全体として気候変動対策の水準を上げる上では必要ではないかと思っています。先ほど言いました省エネ技術ですとか、脱炭素のエネルギーのあるいはサービスを提供していく、こういうビジネスの展開とともに進めるというのは、全体としての気候変動対策の加速の上では適切に進めることは条件ですけれども、必要な政策ではないかと思っております。

2:17:01

山下芳生君。

2:17:02

ありがとうございます。深草参考人に、JCMに関わって、現に日本企業がアジア各国で脱炭素を土修して行っている支援の内容と問題点、いろいろお考えだと思いますが、例えば、先ほどあまり説明されなかったCCSについての資料もありますので、現に日本が行っているアジア各国への脱炭素を土修する支援の問題点など、ご意見があったら伺いたいと思います。

2:17:36

深草参考人。

2:17:37

はい、ご質問ありがとうございます。今、ご質問いただいたCCSについて非常に大きな懸念を持っております。日本政府は、2050年までに、現在の排出の10%から20%に当たるようなCO2をCCS、炭素回収貯流で対策するというような方向性も示しておられますが、国内での貯流地もまだなくて、企業等が海外にCO2を運んで貯流するというような話も進んでいます。こういった取り込みに対しては、アジアの市民社会から、これはCO2という廃棄物を凍結する行為ではないかというような批判の声も上がっています。JCMの関わりでいえば、このCCSをJCMで認めるかどうかということを、その方法論を議論されていると認識していますが、国内での安全性ですとか、国内で事業をすることも想定されていると思いますけれども、また、回収貯流に非常に大きなエネルギーとコストがかかるということを考えると、2030年、2050年のネットゼロには到底間に合わない。そして、環境社会影響も無視できない。そういった観点から私としては非常に大きな懸念を持っているところです。また、日本政府のよく議論になる、石炭火力に対策を講じているか講じていないかということが、国際的にも議論がアベートメント、アンナベートットといった英語ですけれども、こちらは国際的には、例えばIPCCなどは90%以上の排出を削減できているものですとか、国によってはCCSを認めたりしていると思いますけれども、これを日本政府は水素やアンモニア、バイオマス根性を行っても対策になるというふうに解釈されていると理解しています。しかし、既に述べさせていただきました通り、水素やアンモニアというのも現状は化石燃料由来のもので、排出の時だけを見ればカーボンニュートラルかもしれませんが、サプライチェーンで見ると全く脱炭素化には資産ないと。こういったものを脱炭素化としてアジアで広げようとしているということは非常に懸念ですし、結局、既存の化石燃料インフラの延命につながるというふうに私は考えています。以上です。

2:20:14

山本太郎君。

2:20:19

令和新選組山本太郎と申します。先生方、非常に勉強になるお話ありがとうございました。順にお聞きしていきたいと思います。まず、高村先生の方に、異次元エネルギーショック収録の論考において、再エネ導入拡大によって、林地や斜面地での開発、近隣住民との協議・合意形成を欠いた事業の展開などによって、地域でのトラブルや反対も生じているとして、地域主導・地域共生型の再エネ導入を促進するには、開発前段階でのゾーニングが効果的だという提言をされています。本法案には、そういった考え方がどの程度反映されているとお考えになりますか。

2:21:02

高村参考人。

2:21:04

山本先生、どうもありがとうございます。実際に再生可能エネルギーが地域で行われるときに、どこで立地をされるか、されることが地域として望まれないところを排除し、むしろこちらで事業を展開してほしいということを特定していく。さまざまなゾーニングの取り組みがありますけれども、今回、温帯違法の改正の中であります促進区域というのは、それを基礎自治体の主導で、そして今回の改正では都道府県もともに行うことで、こうしたゾーニングを行っていこうという、そういう施策の一つというふうに理解をしております。

2:21:56

山本太郎君。

2:21:59

ありがとうございます。この法案ができていくことによって、それが随分と前に進むというイメージは、先生の中に持たれますか。

2:22:08

高村参考人。

2:22:10

ありがとうございます。都道府県の関与というのは、間違いなく基礎自治体の促進区域の設定を後押しする一つの条件だというふうに思います。他方で、これまでの議論でもございましたけれども、基礎自治体がしばしばやはり人材を語り手いない、あるいはそれを実際に行う知識の点で専門知識を不足している、それを行うための財源といった障壁を抱えているということも事実であります。従いまして、こうした都道府県と連携した国の支援というものを進めていくということが、実際にその促進区域の設定を進めていく上で、極めて重要だというふうに思っています。

2:23:03

山本太郎君。

2:23:05

ありがとうございます。都道府県というところに広がっていったという部分に関しては評価ができる。これによって少し前に進む可能性は大きくなったけれども、足りないものがあるんじゃないか、そういうお話だと思います。ありがとうございました。山橋先生にお聞きしたいと思います。地域分散型エネルギーシステムという本に収録をされておりました、脱炭素化における地域分散型エネルギーシステムという論考の中で、地域分散型で再エネを進める事業について、対策と取組を講じる主体も、中央返調から地域に根差す主体に移るという意味で、地域分散型化が進むことが必要という主張をなされております。地域主体で進めていく際、財政基盤、マンパワーが万弱でない自治体では難しいことも想定されると思います。政策と取組の主体を地域に移しつつも、国から財政的、人的支援をすることの必要性について、どうお考えになられますか。

2:24:02

山橋参考人

2:24:04

ありがとうございます。本日の意見の中でも少し言及をさせていただきましたけれども、ここについては、やはり経済的な支援は必要かなと思っております。加えて、別の金木委員のご質問に対するお答えの中でも申し上げましたけれども、やはり地域で検討する際に必要な専門性、キャパシティの支援というのはすごく大事だと思っております。やはり、生物多様性の観点で何が大事なのかを検討できる人、そしてエネルギーの観点からもそれを検討できる人、いろんな方面でのキャパシティというものが、本当に自治体の方、地域の主体の方だけでは難しい時もあるので、その時にそっと横にいてサポートしていただけるような方を準備するというのがやっぱり必要かなと思っております。比較的ちゃんとやっている欧州諸国の中には、地域でのシンクタンクみたいなものが存在していて、そこがちゃんと地域主体での再生可能エネルギーの推進にあたってもアドバイスができるような体制があったりします。日本ですと、やはり中央にシンクタンクはたくさんありますけれども、地域での問題に取り組むようなシンクタンクというのは、実はあまりなかったりしますので、そういったところが課題になっているところはあるかなと思います。

2:25:17

山本太郎君。

2:25:18

ありがとうございます。地域で広げていけるというきっかけにはなるけれども、お金が足りていないんだ、いろんな知恵が足りないんだという悲鳴はおそらくもう上がっている状況だと思うんですね。今回に関して、そのへいの財政措置というのは、はっきり言ったらないに等しいということを考えるならば、やはりそこは非常に重要なんだろうと。一方で、ちょっと今の前提とはずれてしまうんですけれども、ここから政府が目覚め出して、今言われているようなシンクタンクを地方にとか、それだけじゃなくて、とにかくリソースをさらに割く、人、金物をさらに割こうじゃないかという大胆な転換、なかなか考えづらいですけれども、そのような目覚めがあった場合の問題としてちょっとお聞きしたいんですけれども、中央から地域への財政的、人的支援は反面、独立性とか裁量権への干渉を生じさせる懸念というものも考えられるかなとは思うんですね。どういうような仕組みがあれば、必要な支援は供給することができて、干渉を防止できるというふうにお考えになられますか。山岸さん、後に。深い御指摘で即答できる回答は残念ながら持ち合わせでございません。ただ、やはりお金を出すときの条件の付け方だと思っております。地域の側で判断できる余地というか部分を大きくしていかないと、中央からのこれがなければこのお金は出ませんという部分が大きすぎてしまうと、そこに自主的に考えるハンドルの余裕もないですし、それから自主性も失われていく可能性がありますので、そこが鍵になってくるのかなというふうに直感的に思います。

2:27:02

山本太郎君。

2:27:03

ありがとうございます。この件に関しましては、財政措置みたいなものは今の分野、今テーマになっているか、今やり取りさせていただいたことに関してなかなか投入されないという現実はあるんですけれども、他の分野に関しては結構お金を出すということはされることもあるんですよね。でもそこにはやはり何かしら紐づけというか、裁量という部分には任さずに、これに限ってみたいなやり方が随分見られているので、そこら辺の自由度を高めていくということはこれが自主性につながっていくんだというお話だと思います。ありがとうございます。深草さんに、先生にお聞きしたいと思います。日本のインフラ輸出がもたらす環境破壊と人権侵害論文で、日本が支援する開発事業やその政策の運用状況について、市民の目を入れた形でのモニタリングの仕組みが必要であると、そのように指摘をなさっております。一方、再エネ導入をめぐって日本各地でトラブルが起こっている現状というのは、先ほどからお話がアジアの市民の皆さんたちが声を上げているようなことであったりとか、途上国開発で生じる問題というのと少し重なる部分もあるのかなというふうに思います。そこで市民の目を入れた形でのモニタリングの仕組みをつくる規定が、本法案にどの程度反映されるべきなのか、実際どの程度反映されているとお感じになられるか。求める、深草先生がそういうものは非常に重要なんだと思われているものが、この法に反映されているかというような視点でちょっとお話をいただけると。

2:28:38

各社参考人。

2:28:41

ご質問ありがとうございます。ご指摘の文章に関しましては、問題にしていたのは日本の公的金融機関等が支援を行って海外で行うインフラ事業。そういった事業で住民の権利侵害ですとか、土地集脱、そして適切な保障がされていないなどの問題がありました。もちろん国際協力銀行ですとか、そういった銀行は自身の環境社会の配慮ガイドラインを持って、環境や社会への影響を最小限にするということなんですけれども、特に法的拘束力があるわけではなく、国際の金融機関が事業者に偏ったヒアリングを行っているという問題意識で、市民の目から公的支援が適切に使われているのか、現地でどのようなことが起きているのか、そういったモニタリングの体制が重要であるということを指摘したかなと思います。おっしゃる通り、日本各地でも住民参画や住民の同意なく進められる事業は散見されると思います。共通するのは、やはり地域住民にしっかりと情報開示がされて、合意を得ているか、同意を得ているかということだと思います。そういったことは、他の事業でも、例えばCCSの法案でも、情報公開の十分さ、そして住民がどこまでその意思決定に参加できるのかというのは、全体的に弱い分野なのではないかなと思いますので、改善が必要と考えています。

2:30:36

山本太郎君。

2:30:38

ありがとうございます。同じ質問を他の先生方にもさせていただきたいと思います。市民の目を入れた形でのモニタリングができていくというのは、地域を守るためにも非常に重要なお話だと思います。そこに多くの方々は異論はないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、一方でそういった仕組みを作る規定的なものが、本法案にどの程度反映されていると考えるか。本当はこういうことが必要だよね。次はそこを頑張ってほしいなという希望的なものでもいいんですけれども、今の段階ではこれがちょっと薄いかな、抜けてるかな。だからここをプラスしていくということが必要だよねというようなご意見がございましたら、ぜひ聞かせていただければと思います。

2:31:18

高村参考人。

2:31:20

ありがとうございます。現在、国際協力銀行、それからJICAにおいては、環境社会配慮の手続きが定められていると理解をしています。世界銀行、アジア開発銀行とも同様で、その中で支援をした事業についての現地の市民の申し立ても受ける、そういう仕組みを作っていると思います。こちら今、JCF、2国間のクレジットのところで申し上げますと、意見陳述の中で申し上げました、これまで以上に環境社会配慮を織り込んだ炭素クレジットのメカニズム、あるいはその排出削減量ということが国際的にも必要とされ、まさにG7の2023年の取りまとめは、日本が主導して取りまとめた文書でもあります。そういう意味でJCM、これから拡大に向けて法改正を今回行ってまいりますけれども、その運用の中に、しっかり質の高い炭素市場の原則を盛り込んだ形で運用されるということを、大臣の責任の下で、監督お願いをしたいと思っています。以上です。山岸さん、後任。ありがとうございます。主に市民参加の確保の部分についての、若干私の個人的な経験も踏まえてお答えを申し上げたいと思います。温帯法だけではないんですけれども、温帯法も取り巻く制度も含めまして、地球温暖化対策推進委員という制度がございます。全国、つつ、裏々の都道府県において、推進委員になった方々に関して温暖化対策を推進していただくというのが基本的な枠組みかと思っておりますが、それの実行の度合いを見たときに、やはり差があるなと、いろんな地域ごとに差があるなと、ある程度差があるのは当たり前なんですけれども、それでも差があると。やはり、例えば京都みたいに、京都議定書の地であって、歴史的な理由があったりするところはそれなりにしっかりとした制度があったりするけれども、その他ではそうでもないという。ですので、現行の制度の中でも本来はできるかもしれないけれども、今一つ身が入っていない部分というのがあるかなと思っています。その中で、私がもう一つだけ言及させていただきたいのは、私どもがNGO出身だからというわけではないんですけれど、状態的に活動ができる市民団体をぜひ、地域で活動できる市民団体をぜひサポートしてあげていただきたいというのはあります。これはですね、この問題にはやはりすごく複雑です。いろんな問題が関わってきます。なので、片手間でやるのももちろん大事ではあるんですけれども、職業として私なんかもやっていても日々追いつかない、勉強が追いつかないぐらいの問題でございます。これを地域の問題も含めて検討するような人たちが、全ての都道府県に市民団体として存在しているかというと否でございます。ここはいるか、いないか、そういったときに我々もNGOとして活動するときにも、そういった方々を別のところに行ったときに頼れるかどうかというのはかなり大きな課題となっておりますので、ぜひそういう市民団体を、向上的にこの問題に取り組むことができる市民団体を支えてあげていただきたいというのは願いとしてございます。山本太郎君、ありがとうございます。

2:35:04

長谷隆子君

2:35:10

今日は3人の参考人の皆様、貴重な意見をどうもありがとうございました。大変勉強になりました。愛媛県選出の議員で長谷隆子と申します。よろしくお願いをいたします。まず同じ問いに、3人の参考人の方々にそれぞれご意見を頂戴したいと思っています。資料を拝見しますと、お三方とも、これからの脱炭素にとってカーボンプライシングがとても重要だと、鍵を握るというご指摘をいただいております。その上で、日本もおそまきながらやろうとしているんですけれども、日本のカーボンプライシングの問題点、あるいは改善点、あるいは提言など、頂戴できればと思います。そうしましたら、高村参考人から山岸参考人、深草参考人とお願いしていいでしょうか。

2:35:56

高村参考人

2:35:58

ありがとうございます。炭素に価格をつける、言い方を変えますと、排出をしない技術やサービスやソリューションの価値を明らかにする、そういう仕組みというのがカーボンプライシングだと思います。ご存知のとおり、GX推進法の下で、2026年度から排出量取引制度、28年度からは化石燃料付加金、33年度からは排出量取引制度の下での発電事業者についてはオークションを入れていくというスケジュールで、そういう形で法令上予定をされていると理解をしています。このカーボンプライシングについて、そういう意味では、まず相番排出取引制度の設計が重要であります。排出取引制度については、これまで欧州、EUやあるいは諸外国においての経験がございますので、これらの経験を踏まえた上で制度設計をしていくということでありますけれども、GX推進法、これまさに脱炭素型の経済社会への転換を促していくということを行っていくものですので、それが着実に進む制度設計でないといけないと思います。これは一つやはり重要なのは、これまでも出ていました、1.5度目標なり、2050年カーボンニュートラルという日本のあるいは国際的な目標との整合性、そして企業にとって、先ほどありました技術開発の点でご質問を浜野先生からいただきましたけれども、企業にとって将来のビジネス環境がどうなっていくかという見通しがしっかりつくような、しかも脱炭素型の技術、ソリューションが将来のマーケット、社会で価値を持つという明確なシグナルが出るような、炭素の価格付け、カーボンプライシングが必要だというふうに思っております。将来的にやはり従って炭素の価格が上がっていくということのシグナルがおそらく必要になるというふうに思っております。以上です。

2:38:24

山岸参考人

2:38:26

ありがとうございます。カーボンプライシングの課題、どうあるべきかにつきましては、実はWWFジャパンだけではなくて、WWFジャパンも参加をしているJCI、気候変動イニシアチブという企業様であるとか自治体様とかも参加いただいているイニシアチブの中で実は提言を出させていただいておりまして、もしお時間がありましたらぜひそちらもご覧いただければと思います。その中でも指摘されているポイントで2つだけ、特にWJがこだわりが強いポイントをご紹介させていただきますと、1つはこのままですとおそらくカーボンプライシングの価格が低くなるであろうと予測をしております。これですとおそらく必要な変化を起こしていくには足りないカーボンの価格になってしまうのではないかと。これは難しい問題であまり高すぎると、さっきのエネルギー価格がただでさえ高い中で、さらに負担があって大変じゃないかという問題もありますが、他方で低すぎるとそれをもって、例えばなるべく化石燃料を使わない方向に行こうというようなインセンティブ自体が働かなくなってしまいます。これがかなり大きな課題だというふうに感じております。細かい議論は省略させていただきますが、とにかく現状の予測ですとおそらくかなり低い国際水準で見てもかなり低い価格になるだろうということが第一の懸念です。第二の懸念はこれにつながるのですが、なぜそのような価格設定になりそうな制度が今提案されているかというと、日本で作られようとしているカーボンプライシングの仕組みはどちらかというと、その価格をかけた上で得られる政府収入をGX移行債という形で振り分けて、特定の予算を使うことで削減をしていきたいという制度に重きがございます。本来カーボンプライシングの制度というのは、CO2を排出することに対してコストがかかってきて、それが嫌だから削減するというのが本筋の理論でございます。こちらに実は日本が今作ろうとしている制度はどちらかというと、重点がなくて、どちらかというと予算が確保されると言いますか、収入が確保されるところに重きがあって、それだともしお金を投下する先を間違えたときには削減が起きないという問題がございます。ここが大きな課題だと、二番目の大きな課題だと感じております。深草参考人 ありがとうございます。二人の参考人に大きく付け加えるところはないんですけれども、今まさしく山岸さんがおっしゃったとおりですね、GX戦略の中ではアモニア根性ですとか、さまざまな排出削減に疑問の残る政策というのも対象に入っています。最初の首都からはアモニアが外れたということで話題にもなっておりましたが、これではやはりそもそもの目的に合致するのか、そしてそういった召喚に使うということであれば、社会にどれだけ還元がされるのかということを非常に懸念しています。以上です。長谷貴子君 ありがとうございました。それでは続いて、高村参考人にお伺いしたいんですけれども、地域共生型のサイエネ拡大のためには、アセスメント制度の活用あるいは充実が重要だというご指摘を拝見いたしました。私もそのとおりだなと思っているんですけれども、具体的にどういったアセスメント制度の充実策あるいは改善策があるのかお考えをお聞かせください。高村参考人 長谷先生どうもありがとうございます。こちら先ほどのゾーニングの議論とも関わってまいりますけれども、地域が再生可能エネルギーを増やしていくときに、自然ですとか、住環境ですとか、景観といった地域の住民が重要と思っている、それを損なわないような地域にうまく導入をしていくということが鍵だと思っております。当然、事業を行う際には、今、再生可能エネルギー、再エネ特措法の下で新しく再エネ設備を導入する、特に買取制度の下で導入する場合には、説明会等々の手続きを今定めております。大規模なものについては、従来から環境アセスメント、事業についての環境アセスメントが義務化されているわけですけれども、おそらく地域として、その立地を地域にとって、地域共生型の立地にしていくためには、事業を一つ一つではなく、事業をどこに配置するかという、先ほどありました空間について、空間利用についての、いわゆる戦略アセスメントと言われてきた、事業ではなく政策ですとか、計画に対するアセスメントが必要になってくると思います。ここは残念ながら、日本では全体の、全ての事業を網羅した形での戦略アセスメントというのは導入されておりませんで、これは私は一つの法政策上の課題であるというふうに思います。今回の温帯法の仕上げて促進区域は、そういう中で、個別法で脱炭素の観点、温暖化対策の観点で導入するものですけれども、しかしながら、より望ましいのは、こうした戦略アセスメントの制度というものを、あらゆる事業関わって思いますので、導入をしていくことかというふうに思っております。

2:44:19

長谷隆子君

2:44:21

ありがとうございます。では続いて、山岸参考人にお伺いしたいんですが、ご意見を伺った最後の方で、その他の論点のところで、グリーンウォッシュを防ぐための基準及び規制の整備を設定するというような御指摘をいただきまして、やはり世界で通用するような基準というのをしっかり定めていくことが重要だなという御指摘かと理解したんですけど、今回、カーボンフットプリントを促進していこうというようなことがありますが、私、このカーボンフットプリントってまだ世界標準がないという発展途上の段階ではないかと思っているんですけれども、これが世界標準にする基準になっていけるのかどうかなど、どうやればそういうふうに育っていくのかなど、御提言をお伺いしたいと思っています。

2:45:11

山岸参考人

2:45:13

ありがとうございます。まず2つの観点が必要かなと思っておりまして、1つは、そもそも例えば製品やサービスに由来する排出量をどのように測るのか、これがカーボンフットプリントの考え方でございます。ここにきちんとした基準が設定されていくこと、どういうふうに測るのが正しいのか、こちらは比較的何とかなりそうかなと思っております。これに対してより課題が大きいのは、どういうものであればCO2フリーと言っていいのかとか、どういうものであればカーボンニュートラルと言っていいのかとか、その主張をですね、描写の部分をどのように揃えていけるのかどうかといったところがあります。例えば、特定の製品があった場合に、これはこれがフリーですといったときに、どこからどこまでの期間を指してフリーと言っているのか、製造工程のどこからどこまで、捨てる部分まで含まれているのか含まれていないのか、いろんなところが対象になってきます。そうしたときに、どのような主張ができるのか、そしてそのような主張をしている企業さんのそもそもが大丈夫なのか、製品としてはフリーと言っているかもしれないけれども、その企業さんは実は背後ではCO2の排出量を別のところで大量にしている企業さんかもしれない。そういう人たちが、じゃあ、この製品はフリーです、このサービスはフリーですと言っていることを良しとしてしまうのか、この主張にあたる部分というものをどのように基準を揃えていくかというのは国際的にかなりの議があって難しいところだというふうに理解をしております。

2:46:47

長谷隆子君

2:46:49

ありがとうございました。それでは深草参考人にお伺いしたんですけれども、ずっといろいろご意見を伺う中でもやっぱり気候変動、温暖化対策と、それからネイチュアポジティブですよね、多様性、いかに守っていくかということと密接につながっているので、統合的な取組が重要だというご指摘もたくさんいただきました。その通りだと思います。でもこの取組を政策として進めていく場合には、いろいろと省庁間の利害が衝突したりとか、それでオフになることからも少なくないなと思っているんですが、これまでのご経験からして、相乗効果を生んでいくためのやり方とか進め方、あるいは組織の作り方など、ご提言があればお願いいたします。

2:47:37

深草参考人

2:47:39

ご質問ありがとうございます。非常に難しい質問で。私の限られた経験ですけれども、日本政府の方と議論させていただくときに、やはり非常に感じるのは縦割りで、この件は経産省さんに、この件は環境省さんにということもありますし、気候変動枠組み条約の会場に行っても、やはり個別に調整が必要であったり、そういったことは非常にもったいないなと思います。相乗効果、何かやれば、気候変動対策をすれば何かが失われてしまうというわけではなく、やはりおっしゃったとおり、生物多様性への貢献も深まりますし、そこが具体的にどこなのか、やはり縦割りではなく集まって議論することが重要だと思いますし、また、柱としてやはり気候変動、生物多様性だけではなくて、社会、人権といった、そういった観点からも、どのような施策ができるのかということを総合してお話しいただけるといいのではないかというふうに思います。

2:48:50

長谷鷹子君。

2:48:52

3人の参考人の皆様、本当に長時間にわたりありがとうございました。終わります。以上をもちまして、参考人に対する質疑は終了いたしました。参考人の皆様に一言、御礼を申し上げます。参考人の皆様には長時間にわたり貴重な御意見を述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

2:49:25

本日はこれにて、散会いたします。

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