5:50
ただいまから憲法審査会を開会いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、本日の審査会に、幹事会協議のとおり、
6:12
内閣府政策統括官高橋健二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないと認め、作用を決定いたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
6:33
本日は憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について法制局及び内閣府から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。全体の所要は1時間30分を目処といたします。まず法制局及び内閣府から順次説明を聴取いたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
7:03
参議院法制局長の川崎でございます。御指示に基づき、お手元の配付資料によりまして、東日本大震災に関連して講じられた立法措置等のうち、その直近の第177回国会において成立したものの概略について御説明いたします。
7:24
その前提として、災害対策法制につきましては、大規模災害での対応や教訓などを踏まえ、予防・応急・復旧・復興といったフェーズごとに、また災害の種類や規模に応じ、整備されてきております。
7:42
災害が発生しますと、これらにより対策が行われることになりますが、それでも大規模災害などの場合には、これに対処するための個別の立法措置が講じられることが少なくありません。
7:56
そこで、東日本大震災関連の立法ですが、ここで東日本大震災とは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所事故による災害と定義しております。
8:17
東日本大震災が発生した際は、上海である第177回国会の開会中であり、当初の会期150日が70日延長され、平成23年8月31日まで行われましたが、この国会中に、被災地の復旧・復興や被災者の生活再建等のため、緊急の措置などの法律上の対応が必要となり、32本の法律が成立しています。その内訳は、内閣提出法案が20本、衆議院議員提出法案が9本、参議院議員提出法案が3本となっています。
8:57
ちなみに、参議院議員提出によるものは、資料の6ページと7ページに記載しておりますが、原子力事故による損害補填のための国による仮払い金の支払い等について定める、平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律、
9:17
災害懲役金や被災者生活再建支援金の差し抑え金支等を定める災害懲役金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律、東日本大震災関連義援金に係る差し抑え金支等に関する法律となります。
9:38
ま た、どのような分野において立法措置が講じられたのか、政府資料での整理も参考にしつつ、1ページで見ておきますと、
9:48
概ね1. 復興の基本的な枠組みに係る立法措置として東日本大震災復興基本法 2. 復旧・復興事業・町づくり・事業再生に係る立法措置として復旧事業や災害廃棄物処理を県や国が代行するための法律
10:10
2. 津波対策の推進に関する法律など 3. 震災被害に係る臨時特例等の立法措置として公共施設の復旧から社会保険関係までに渡る補助率のかさ上げや被災者への特別の助成等を定める法律など
10:28
4. 原子力災害関係の立法措置として原子力賠償の担保・迅速化 除染や除去・土壌等の処分に係る新たな枠組み 広域避難した住民への行政サービスの提供に関し定める法律など
10:49
5. その他として震災対象のための財源確保に関する法律 被災者生活再建支援金等の差し抑え禁止を定める法律などに整理することができます
11:03
6. これらの立法措置で東日本大震災のみに適用されたものの中には その後将来大規模災害が発生した場合にも必要なものと評価され 一般法において公給的な措置とされたものもあります
11:19
7. 被災者生活再建支援金のために必要なものとして 復旧事業や災害廃棄物処理の国や県による代行について 大規模災害復興法 個別の公物管理法や災害対策基本法において一般制度化された例
11:35
8. 災害時の相続放棄等の熟慮期間の延長について 特定非常災害特別措置法に追加された例9. 自然災害義援金の差し抑え禁止等の措置として法制化された例などがあります続きまして2ページとなりますが予算措置についてご説明いたします
11:57
第177回国会では東日本大震災対応のため 2度ほど補正予算が提出され成立しております
12:07
まず平成23年度第1次補正予算は平成23年4月28日に提出され 5月2日に成立したもので 東日本大震災から早期復旧に向けて必要な経費として4兆153億円を計上しています
12:28
その内容としては 1 応急仮設住宅の供与 遺族への懲役金や被災者への障害未満金の支給 災害援護資金生活福祉資金の貸付
12:43
被災者緊急支援などの災害救助等関係経費 2 災害廃棄物処理事業費 3 災害対応公共事業関係費 4 施設費災害復旧費等 5 中小企業等の事業再建等のための融資 災害復興住宅融資などの災害関連融資関係経費
13:11
6 災害対応の特別交付税増額のための地方交付税交付金 7 自衛隊消防警察海上保安庁活動経費 被災者生活再建支援金などその他東日本大震災関係経費が含まれております
13:33
次に平成23年度第2次補正予算は平成23年7月15日に提出され7月25日に成立したもので東日本大震災の直近の復旧状況等を踏まえ当面の復旧対策に万全を期すための経費として1兆9988億円を計上しています
13:56
この内容は原子力損害賠償法等関係経費 二重債務問題対策や被災者生活再建支援金補助金など被災者支援関係経費 東日本大震災復旧復興予備費 被災自治体等の特別の財政需要に対応するための地方交付税交付金となっております
14:21
この資料1として提出月比順 資料2として分野別の関連立法措置のリストを挙げているほか 参考として令和6年のと半島地震災害関連の立法措置も付記しております以上でございます どうぞよろしくお願いいたします
14:45
はい 内閣府防災担当の政策統括官をしております高橋と申します ご指示に基づきまして首都直下地震対策の概要についてご説明を申し上げます首都地域は政治や行政経済の首都中枢機能が極めて高度に集積し かつ人口や建築物が密集しておりますこのような首都地域において大きな地震が発生した場合 広域的な災害応急対策に不可欠な政治行政中枢機能や我が国の経済中枢機能などの首都中枢機能の継続性の確保が課題となります また他の地域と比べ格段に高い集積性から人的物的被害や経済被害は甚大なものになると予想され その軽減策の推進は我が国の重要課題となっておりますこのため政府では中央防災会議のもとに首都直下地震対策検討ワーキンググループを設置をいたしまして地震モデルと首都直下地震対策の検討を行い 平成25年12月に首都直下地震の被害想定と対策についてを取りまとめているところでございますお手元に配布させていただいております資料をお見くりいただきまして 左側1ページの上欄をご覧いただきたいと思いますこの被害想定では切迫性の高いマグニチュード7クラスの首都直下地震を対象としております文部科学省に設置されております地震調査研究推進本部が公表しております南関東地域でマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は今後30年間に約70%と推定されております首都直下地震には様々なタイプの地震が考えられますがそのうち被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられます都心南部直下地震で想定される被害は建物の全壊消失等数は61万棟建物倒壊や火災等による死者数は2.3万人要求助者数は7.2万人に上るほか経済的な被害は約95兆円に達すると推定されておりますこのような中で首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに首都直下地震による災害から国民の生命身体及び財産を保護することを目的としまして首都直下地震対策特別措置法に基づき首都直下地震対策を推進すべき緊急対策区域で1都9県390町村を指定するとともにこの1ページの下の下にある緑の範囲の部分でございます国におきましては基本計画政府業務継続計画また具体的な応急対策活動に関する計画の策定等を通じまして円滑かつ迅速な首都直下地震対策を講じてきたところでございますおめくりいただきまして3ページをご覧いただければと思います首都直下地震により想定される被害の特徴を踏まえまして基本計画におきましては首都中枢機能の確保及び膨大な人的物的被害への対応等を基本的な方針としておりますまた今後10年間で達成すべき減災目標といたしまして被災者数及び建築物の全開透湿等数の半減をそれぞれ定めておりますさらにこれら基 本的な方針等を踏まえライフラインインフラや住宅公共施設等の耐震化関心ブレーカーの普及等の火災対策等につきまして具体目標も設定しながら各省庁が取り組むべき対策を定めておりますまた右側4ページでございますけれども首都直下地震発生時におきまして政府はどのような事態に対しても首都中枢機能の維持を図り国民生活及び国民経済に及ぶ影響を最小化するため行政中枢機能の継続性を確保する業務継続体制を構築する必要がありますこのため政府業務継続計画ではより過酷な被害要素具体的には1週間にわたり停電断水し外部から食料等の補給が行われない状況を想定し非常時優先業務を定め執行体制の構築室務環境の整備教育訓練等の事前の備えに取り組んでおりますなお首都直下地震発生時において政府として推移すべき必須の機能として内閣機能被災地域への対応金融経済の安定国民の生活基盤の維持防衛及び公共の安全と秩序の維持並びに外交関係の処理を位置づけこれに該当する所掌事務を非常時優先業務としておるところでございますさらに政府は緊急災害対策本部を設置するなど全体として非常時優先業務の継続に係る総合調整等を行う体制を速やかに総理官邸に立ち上げますけれども万が一官邸が使用できない事態となった場合には一番下のところでございますけれども内閣府中央合同庁舎8号館でございますまた次に防衛省中央指揮省また三つ目として立川広域防災基地災害対策本部の予備施設でございますけれどもこの順序に従いまして体制を整備することとしておりますなお官邸機能が回復した場合には速やかに官邸に機能を戻すこととしているところでございます次に5、6ページをご覧いただければと思います政府では首都直下地震が発生した場合に各防災関係機関が直ちに活動を開始し災害応急対策活動を円滑かつ迅速に実施するため災害応急対策活動にあたる部隊の活動規模、緊急輸送ルート防災拠点等を具体的に定める計画を作成し発災後速やかに緊急災害対策本部や現地対策本部を設置し関係機関との密接な連携を図るなど災害応急対策 活動をタイムラインを目安に実施することとしております緊急輸送ルートにつきましては発災直後から部隊等の広域的な移動など人命の安全確保を主眼とした全国からの人員・物資・燃料の輸送が迅速かつ円滑に行われるようあらかじめ通行を確保すべき道路を選定しており緊急輸送ルートの緊急点検、通行回避状況の集約必要な交通規制・警戒の実施等を行うこととしております救助・救急・消火等につきましては人命救助のために重要な72時間を考慮しつつ広域応援部隊を可能な限り早く的確に投入できるよう被災地の警察・消防等の駅内の部隊に加えまして自衛隊をはじめとする全国からの広域応援部隊の初動機における派遣の方針と具体的な手順を定めており広域応援部隊等の編成・出動、航空機・船舶による救助等活動活動拠点の設定等により順次活動を本格化させることとしております医療につきましては全国から災害派遣医療チームDMATなどによる応援を迅速に行い膨大な医療 ニーズに対応できるよう被災地内の医療体制の確保、地域医療搬送の支援広域医療搬送などの実施手順及び各防災機関の役割を定めておりますまた物資につきましては多数の避難者が見込まれ家庭等の備蓄や公的備蓄だけでは食料等が不足すると見込まれる場合には具体的な要請を待たないで必要不可欠と見込まれる物資を調達し被災地に物資を緊急輸送できるよう国による物資調達供給の内容及び手順を定めており関係省庁による物資の調達、広域物資輸送拠点への輸送等を行うこととしております燃料・電力・ガス通信につきましては重要支出の業務継続や災害応急対策活動に必要な燃料・電力・ガス通信を確実に確保し迅速かつ円滑に供給できるよう各業界における広域での供給体制重要支出への臨時供給等を定めており関係機関等が行う災害応急対策活動の円滑な実施を支えることとしております以上、切迫する首都直下地震に備え政府が取り組んでいる内容についてご説明させていただきました以上で説明の聴取は終了いたしました説明者はご退席いただいて結構でございます
24:25
これより委員間の意見交換を行います発言を希望される方は指名票を立ていただき会長の指名を受けた後、ご発言願います発言が終わりましたら指名票を横にお戻しください1回の発言時間は各5分以内といたします発言時間につきましては経過状況をメモで通知し時間が長過した際はベルを鳴らしますのであらかじめご承知願いますなおご発言は着席のままで結構でございますそれでは発言を希望される方は指名票をお立てください
25:06
自民党の佐藤正久ですまず3人の緊急集会の開催が平時有事問わず就任不存在時のための制度であることを改めて申し上げたいと思います本院憲法審査会では就任議員の任期満了時でも内閣は3人緊急集会を求め得るとの見解について異なる開廃意見はなかった旨確認したいと思いますまた本論点を含め5月15日の本審査会で法制局長官から示された緊急集会に関わる4つの論点については緊急集会が内閣の求めに応じて開かれ3人で決定した法律や予算措置は就任の事後承認が必要であることから内閣3人就任でその解釈をすり合わせその上での憲法改正や法律改正が必要ではないかとの見解が法制局長官から示されましたこれは改正事項が後に裁判で憲法違反と言われないためにも重要な指摘だと思います次に3人の緊急集会での対象法案や予算の範囲について首都直下地震等への対応から考えてみたいと思います都心南部直下地震想定では震度6強となり東日本大震災での仙台市の一部と同じ揺れとなります東日本大震災では地震発生から国会閉会までの173日間で緊急の法的措置等として32本の法律が成立補正予算は2 度編成可決されています期間70日で区切れば地方議会議員選挙の期日延期被災者の負担軽減国等による権限来交や一定の建築制限さらには事業者等に対する特別の助成や応急復旧事業に必要な財政措置の確保などの法律12本が成立補正予算も1度編成可決されました仮に首都直下地震等が就任解散時等に発生したとして3人の緊急集会であるが故に審議対象法案や予算の制限に制限をかけ緊急の対応が停滞すれば民主政治を徹底させて生命自由及び身体の安全に対する権利を含む国民の権利を十分に擁護するという憲法の趣旨に反するものと考えますしたがって首都直下地震等発生に伴う3人の緊急集会における審議の対象となる法案や予算の範囲は緊急の必要がある限り制限はないと考えます次に議員が発議できる議案の範囲ですが東日本大震災を例とすれば発生から173日間で就任議員提出法案で9本参議院議員提出法案で3本